JP3957398B2 - 高タール含有量の従来のシガレットの風味と匹敵するタバコの風味を備えた低タール含有量のシガレット - Google Patents
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- Materials Engineering (AREA)
- Cigarettes, Filters, And Manufacturing Of Filters (AREA)
- Manufacture Of Tobacco Products (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、より高いタール収率を備えた従来のシガレット(cigarette)と等価なタバコ(tobacco)風味を有しながらも受け入れられる吸い込み抵抗と非常に低いタール含有量とを備えたシガレットに関する。
【０００２】
【従来技術】
一般に、不要な物質の割合（特にタール含有量）を減らすために、１つ以上の領域に多かれ少なかれ複雑なフィルタを入れて使用することが、知られている。領域のフィルタリングレートが高くなると、吸い込み抵抗も高くなり、喫煙者により受け入れがたいことになる。
【０００３】
この問題を解決するために、タバコ側にフィルタリングレートの高い領域と、口側に低い吸い込み抵抗を備えた領域と、２つのフィルタの接合部のレベルに設けられている通気孔とを有する複数領域フィルタの作成が提案された。
これらの構成によって、口側の領域を通過する煙は、通気流で希釈され、故に許容できる吸い込み抵抗が生じる。
【０００４】
この提案の欠点は、第１領域でかなりろ過されて第２領域で周囲の大気によって希釈された煙が、必要な感覚を刺激する特性をもはや持たないという事実である。
更に、欧州特許第ＥＰ ０，６０８，０４７号に開示されたコメントによって明らかにされるように、（要求されたフィルタリングレートの範囲内で）高いフィルタリングレートを備えたペーパフィルタの利用は、タバコの風味の変更と、風味に不快な香りを加えることとを、さらなる欠点とする。
【０００５】
この悪い味をマスキングする努力が、タバコ（メントール、アネトール）の味とは非常に異なる味の風味剤を組込むことによって行われてきた。
しかしながら、フランス特許第ＦＲ ２．４５９，０１１号に指摘されるように、理想的な対策は、タバコエキスや合成タバコ風味によって煙に風味をつけることである。しかしながら、十分な風味を得るためには、比較的多量の高価な風味剤が必要である。さらに、これらの風味剤は、急速に揮発して、役に立たなくなり、シガレットの保管の延長を妨げる。故に、本発明は、通気性のないフィルタに、風味剤を添加したケイ酸マグネシウム水和物の細粒を入れて、シガレットからの高温で湿っている煙の流れの中に置くことを目的とする。この案は、以前に記載された種類の通気フィルタを使用することを必要にする、非常に低タール含有量のシガレットの生産には適していない（すなわち非互換）ように見える。
【０００６】
さらに、風味をつけた多孔性包み紙の使用は、高い濾過能力を備えたフィルタ部を通過する煙の流れと混じる前に、通気空気流の風味付けを可能とし、フィルタの複雑さを増加させて、フィルタをより高価にする。この対策は、喫煙者によって吸い込まれるガスの流れの味の観点から異種の混合物を生成するというさらなる欠点を有している。すなわち、通気（周辺）流だけに風味が付く。
【０００７】
故に、本発明の目的は、特に上記欠点を改善することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、フィルタを有してタール含有量が非常に低い（１ｍｇ以下）シガレットを提案する。上記フィルタは、タバコ側に位置して、吸い込み抵抗が非常に高く且つ濾過係数が非常に高い、包み紙の中のフィルタ領域と、口側に位置して、吸い込み抵抗が非常に低く且つ濾過係数が非常に低い、酢酸セルロースの中のフィルタ領域と、酢酸エステルのフィルタ領域の上流に位置する風味付け領域にてフィルタの全断面に分配する、タバコの味を改造できる風味手段と、風味付け領域の内部の通気空気流の平均パスが、タバコ領域から来る煙の流れの平均パスより短いように配列された通気手段と、からなる。
【０００９】
これらの構成によって、タバコ領域から来て酢酸エステルのフィルタ領域の中心領域へと伝わる煙の流れは、流速が高く、風味付のパスが短く、最初に味のまずく無い通気流に押しつけられた風味付けよりも、より強力な風味付け（流れの熱及び湿度＋パスの長さ）に最初にさらされる（すなわち、紙領域が味を最も変更する期間の間）。
【００１０】
反対に、シガレットがかなり消費される場合、煙の流れ（悪い味による影響の少ない）の風味付けは、それほど本質的でない（風味剤の部分の風味能力の損失）。しかし、通気空気流の風味付は、フィルタの高温及び水分の程度により増加し、煙の風味の減少を償う。
この２つの処理によって、シガレットから吸い出し口で、味の点からより均質であり、風味付けに小量の風味剤を必要とする、ガスの混合物が得られる。
【００１１】
好都合なことに、風味剤は、濾過係数の高いフィルタ領域と濾過係数の低いフィルタ領域との間に含まれる。この場合、好ましくは、通気孔は、風味が付けられたフィルタ領域の中心領域に設けられる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本発明によるシガレットの実施例を、限定のない実施例を基に、添付図面を参照しながら記載する。
本実施例において、シガレットは、通常の大きさで風味が付けられていないタバコ領域１から構成され、シガレット用包み紙２に包まれ、通気フィルタ３によって延長される。通気フィルタ３は、筒状のオーバースリーブ４に収納された３つの領域Ｔ1〜Ｔ3を有する。オーバースリーブ４は、フィルタ３とタバコ領域１との間に機械的なリンクを形成するために、タバコ領域１にオーバラップする。
【００１３】
タバコ領域１は、低いタール収率（膨張したタバコの高い割合）を備え、本実施例では、１．５〜３％のクエン酸ナトリウムと２９〜３５％の炭酸カルシウムＣ０3Ｃａとを含む４０〜８０パース（ｐｅｒｓ）の多孔質包み紙２を含む。
タバコ側のフィルタ領域Ｔ1は、長さが１０ｍｍの範囲にあり、吸い込み抵抗と濾過作用とが非常に高い紙領域（吸い込み抵抗は約１５０、濾過作用＞８０％）である。
【００１４】
口側に位置するフィルタ領域Ｔ3は、１０ｍｍのオーダの長さであり、吸い込み抵抗ＲＴと濾過作用とが非常に小さい酢酸セルロースの領域である。
領域Ｔ1と領域Ｔ3との間に、長さ５ｍｍの領域Ｔ2が設けられる。領域Ｔ2は、タバコの匂いがする風味剤で風味がつけられた海泡石のような吸着性の物質を含むチャンバを構成する。
【００１５】
フィルタ３は、口側に位置するフィルタＴ3のオリフィスからおよそ１３ｍｍのところにある、すなわち領域Ｔ2の中心領域のレベルで、オーバースリーブ４の孔Ｐによって通気される。
これらの構成によって、タバコ領域１の燃焼によって生じた煙は、その流れが実線Ｖ１，Ｖ２の間の斜線領域によって示され、領域Ｔ2，Ｔ3の中心領域を主に通過する。一方、通気空気流（実線Ｖ３，Ｖ４）は、孔Ｐを通過し、煙の流れを包囲する環状の領域内で循環する。
【００１６】
故に、明らかに、領域Ｔ2内の通気空気流の平均パスは、タバコ領域１から来る煙の流れの平均パスより短い。
このようにして、（フィルタ領域によって良くない味が生成されるにも拘わらず）最小量の風味剤で満足のいく感覚を刺激する特性を有するガスの混合物の生成につながる２つの風味付けプロセスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるフィルタを備えたシガレットの一部断面図である。
【符号の説明】
１ タバコ領域
２ 包み紙
３ フィルタ
Ｔ1 フィルタ領域
Ｔ2 フィルタ領域
Ｔ3 フィルタ領域
Ｐ 通気孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、より高いタール収率を備えた従来のシガレット(cigarette)と等価なタバコ(tobacco)風味を有しながらも受け入れられる吸い込み抵抗と非常に低いタール含有量とを備えたシガレットに関する。
【０００２】
【従来技術】
一般に、不要な物質の割合（特にタール含有量）を減らすために、１つ以上の領域に多かれ少なかれ複雑なフィルタを入れて使用することが、知られている。領域のフィルタリングレートが高くなると、吸い込み抵抗も高くなり、喫煙者により受け入れがたいことになる。
【０００３】
この問題を解決するために、タバコ側にフィルタリングレートの高い領域と、口側に低い吸い込み抵抗を備えた領域と、２つのフィルタの接合部のレベルに設けられている通気孔とを有する複数領域フィルタの作成が提案された。
これらの構成によって、口側の領域を通過する煙は、通気流で希釈され、故に許容できる吸い込み抵抗が生じる。
【０００４】
この提案の欠点は、第１領域でかなりろ過されて第２領域で周囲の大気によって希釈された煙が、必要な感覚を刺激する特性をもはや持たないという事実である。
更に、欧州特許第ＥＰ ０，６０８，０４７号に開示されたコメントによって明らかにされるように、（要求されたフィルタリングレートの範囲内で）高いフィルタリングレートを備えたペーパフィルタの利用は、タバコの風味の変更と、風味に不快な香りを加えることとを、さらなる欠点とする。
【０００５】
この悪い味をマスキングする努力が、タバコ（メントール、アネトール）の味とは非常に異なる味の風味剤を組込むことによって行われてきた。
しかしながら、フランス特許第ＦＲ ２．４５９，０１１号に指摘されるように、理想的な対策は、タバコエキスや合成タバコ風味によって煙に風味をつけることである。しかしながら、十分な風味を得るためには、比較的多量の高価な風味剤が必要である。さらに、これらの風味剤は、急速に揮発して、役に立たなくなり、シガレットの保管の延長を妨げる。故に、本発明は、通気性のないフィルタに、風味剤を添加したケイ酸マグネシウム水和物の細粒を入れて、シガレットからの高温で湿っている煙の流れの中に置くことを目的とする。この案は、以前に記載された種類の通気フィルタを使用することを必要にする、非常に低タール含有量のシガレットの生産には適していない（すなわち非互換）ように見える。
【０００６】
さらに、風味をつけた多孔性包み紙の使用は、高い濾過能力を備えたフィルタ部を通過する煙の流れと混じる前に、通気空気流の風味付けを可能とし、フィルタの複雑さを増加させて、フィルタをより高価にする。この対策は、喫煙者によって吸い込まれるガスの流れの味の観点から異種の混合物を生成するというさらなる欠点を有している。すなわち、通気（周辺）流だけに風味が付く。
【０００７】
故に、本発明の目的は、特に上記欠点を改善することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、フィルタを有してタール含有量が非常に低い（１ｍｇ以下）シガレットを提案する。上記フィルタは、タバコ側に位置して、吸い込み抵抗が非常に高く且つ濾過係数が非常に高い、包み紙の中のフィルタ領域と、口側に位置して、吸い込み抵抗が非常に低く且つ濾過係数が非常に低い、酢酸セルロースの中のフィルタ領域と、酢酸エステルのフィルタ領域の上流に位置する風味付け領域にてフィルタの全断面に分配する、タバコの味を改造できる風味手段と、風味付け領域の内部の通気空気流の平均パスが、タバコ領域から来る煙の流れの平均パスより短いように配列された通気手段と、からなる。
【０００９】
これらの構成によって、タバコ領域から来て酢酸エステルのフィルタ領域の中心領域へと伝わる煙の流れは、流速が高く、風味付のパスが短く、最初に味のまずく無い通気流に押しつけられた風味付けよりも、より強力な風味付け（流れの熱及び湿度＋パスの長さ）に最初にさらされる（すなわち、紙領域が味を最も変更する期間の間）。
【００１０】
反対に、シガレットがかなり消費される場合、煙の流れ（悪い味による影響の少ない）の風味付けは、それほど本質的でない（風味剤の部分の風味能力の損失）。しかし、通気空気流の風味付は、フィルタの高温及び水分の程度により増加し、煙の風味の減少を償う。
この２つの処理によって、シガレットから吸い出し口で、味の点からより均質であり、風味付けに小量の風味剤を必要とする、ガスの混合物が得られる。
【００１１】
好都合なことに、風味剤は、濾過係数の高いフィルタ領域と濾過係数の低いフィルタ領域との間に含まれる。この場合、好ましくは、通気孔は、風味が付けられたフィルタ領域の中心領域に設けられる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本発明によるシガレットの実施例を、限定のない実施例を基に、添付図面を参照しながら記載する。
本実施例において、シガレットは、通常の大きさで風味が付けられていないタバコ領域１から構成され、シガレット用包み紙２に包まれ、通気フィルタ３によって延長される。通気フィルタ３は、筒状のオーバースリーブ４に収納された３つの領域Ｔ1〜Ｔ3を有する。オーバースリーブ４は、フィルタ３とタバコ領域１との間に機械的なリンクを形成するために、タバコ領域１にオーバラップする。
【００１３】
タバコ領域１は、低いタール収率（膨張したタバコの高い割合）を備え、本実施例では、１．５〜３％のクエン酸ナトリウムと２９〜３５％の炭酸カルシウムＣ０3Ｃａとを含む４０〜８０パース（ｐｅｒｓ）の多孔質包み紙２を含む。
タバコ側のフィルタ領域Ｔ1は、長さが１０ｍｍの範囲にあり、吸い込み抵抗と濾過作用とが非常に高い紙領域（吸い込み抵抗は約１５０、濾過作用＞８０％）である。
【００１４】
口側に位置するフィルタ領域Ｔ3は、１０ｍｍのオーダの長さであり、吸い込み抵抗ＲＴと濾過作用とが非常に小さい酢酸セルロースの領域である。
領域Ｔ1と領域Ｔ3との間に、長さ５ｍｍの領域Ｔ2が設けられる。領域Ｔ2は、タバコの匂いがする風味剤で風味がつけられた海泡石のような吸着性の物質を含むチャンバを構成する。
【００１５】
フィルタ３は、口側に位置するフィルタＴ3のオリフィスからおよそ１３ｍｍのところにある、すなわち領域Ｔ2の中心領域のレベルで、オーバースリーブ４の孔Ｐによって通気される。
これらの構成によって、タバコ領域１の燃焼によって生じた煙は、その流れが実線Ｖ１，Ｖ２の間の斜線領域によって示され、領域Ｔ2，Ｔ3の中心領域を主に通過する。一方、通気空気流（実線Ｖ３，Ｖ４）は、孔Ｐを通過し、煙の流れを包囲する環状の領域内で循環する。
【００１６】
故に、明らかに、領域Ｔ2内の通気空気流の平均パスは、タバコ領域１から来る煙の流れの平均パスより短い。
このようにして、（フィルタ領域によって良くない味が生成されるにも拘わらず）最小量の風味剤で満足のいく感覚を刺激する特性を有するガスの混合物の生成につながる２つの風味付けプロセスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるフィルタを備えたシガレットの一部断面図である。
【符号の説明】
１ タバコ領域
２ 包み紙
３ フィルタ
Ｔ1 フィルタ領域
Ｔ2 フィルタ領域
Ｔ3 フィルタ領域
Ｐ 通気孔
Claims (8)
- １ｍｇ以下の非常に低いタール含有量で膨張したタバコを高い割合にて含むタバコ領域（１）を有するとともにフィルタを備えたシガレットであって、
タバコ側に位置して、吸い込み抵抗が非常に高く且つフィルタリング係数が非常に高い紙の内部にあるフィルタ領域（Ｔ1）と、
口側に位置して、吸い込み抵抗が非常に低く且つフィルタリング係数が非常に低い酢酸セルロースの内部にあるフィルタ領域（Ｔ3）と、
タバコの味を改造でき、酢酸エステル内のフィルタ領域（Ｔ3）の上流側に位置する風味が付けられた領域（Ｔ2）内のフィルタ（３）の断面全体に分配する風味付け手段と、
風味が付けられた領域（Ｔ2）の内部の通気空気流の平均パスが、タバコ領域（１）から来る煙の流れの平均パスより短くなるように構成された通気手段（Ｐ）と、
からなることを特徴とするシガレット。 - 風味剤が、フィルタリング係数の高いフィルタ領域（Ｔ1）とフィルタリング係数が低いフィルタ領域（Ｔ3）との間に含まれるフィルタ領域（Ｔ2）に含まれていることを特徴とする請求項１記載のシガレット。
- 通気孔（Ｐ）が、風味が付けられたフィルタ領域の中心領域に設けられていることを特徴とする請求項２記載のシガレット。
- 低タール収率のタバコ領域（１）は、１．５〜３％のクエン酸ナトリウムと２９〜３５％の炭酸カルシウムＣ０3Ｃａとを含む４０〜８０パースの多孔性包み紙（２）を有することを特徴とする請求項１記載のシガレット。
- タバコ側のフィルタ領域（Ｔ1）は、長さが１０ｍｍの範囲であり、吸い込み抵抗が非常に高く且つ濾過作用が高い、すなわち吸い込み抵抗がおよそ１５０且つ濾過作用＞８０％となる紙領域であることを特徴とする請求項１記載のシガレット。
- 口側に位置するフィルタ領域は、長さが１０ｍｍのオーダであり、吸い込み抵抗が非常に低く且つ濾過作用が非常に低い酢酸セルロース内の領域であることを特徴とする請求項１記載のシガレット。
- 領域（Ｔ2）は、タバコの匂いがする風味剤で風味が付けられた海泡石を含むことを特徴とする請求項１記載のシガレット。
- 前記通気孔は、口側に位置するフィルタオリフィスからおよそ１３ｍｍのところに位置していることを特徴とする請求項３記載のシガレット。
Applications Claiming Priority (2)
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