JP3954833B2 - Batch type vacuum processing equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体ウェハ上に形成される薄膜の除去に用いる真空処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子の製造に際して、半導体ウェハ等の基板に対してイオン打ち込みや配線など種々の成膜処理が行われる。この際、成膜処理前のウェハ上に周辺雰囲気に起因してシリコンから成る自然酸化膜が10〜20Å程度のごく薄い膜厚で容易に形成され種々の問題の発生原因となる。即ち、ウェハ上に直接配線すべき金属配線材料とp型またはn型半導体として加工されるウェハとの間に自然酸化膜が介在するとコンタクト抵抗を発生させる原因となり、また、単結晶シリコンから成るウェハ上にエピタキシャル成長により薄膜を形成する際に、この薄膜とウェハとの間に自然酸化膜が介在すると単結晶で形成するべき薄膜を多結晶化させてエピタキシャル成長の阻害要因となり、さらに、ウェハ上にごく薄い膜厚(50Å程度)で形成するべきゲート酸化膜の形成の際にウェハ上に自然酸化膜が形成されているとゲート酸化膜として機能する薄膜の膜厚制御に著しい困難をもたらす。
【0003】
そこで、成膜処理前のウェハ上から自然酸化膜を除去するため、従来は、希フッ酸などの薬液による洗浄工程と乾燥工程とを繰り返す、いわゆる湿式処理が行われてきた。しかし、このような湿式処理を用いる場合、0.1μm以下のデザインルールが要求される配線用コンタクトホールの底部に形成された自然酸化膜に対しては、薬液を到達させ、循環させることは困難であり、特に近年は自然酸化膜除去法としては有用とされなくなった。
【0004】
このため、ウェハ上の自然酸化膜除去を確実に行う方法として水素還元や水素プラズマなど乾式処理によるものが考えられるが、前者の水素還元法は800℃以上の高温が必要で実用的ではない。後者の水素プラズマを用いてウェハをプラズマエッチングしてウェハの自然酸化膜処理を行うときの温度条件は450℃程度であるが、ウェハ内でプラズマによるダメージが発生するのと、薄膜化が進んだ素子ではさらなる低温化が要求され、400℃以下で自然酸化膜を除去処理することが望ましく、このものも依然として問題が残る。
【0005】
そこで、比較的低温の処理条件で、水素ラジカルを用いた乾式処理法による自然酸化膜除去方法が提案されている。このものは、N2ガスとNH3ガスとNF3ガスとを用いたものが考えられる。このものでは、N2ガスとNH3ガスとの混合ガスにマイクロ波を印加して水素ラジカル(H*)を発生させ、これとNF3ガスとを反応させてアンモニアフッ化物ガスを生成し、その後、このアンモニアフッ化物ガスが、自然酸化膜を構成するSiO2をエッチングする。また、副生成物であるアンモニア錯体が生成されるが、このアンモニア錯体は100〜200℃で熱分解されるものである。即ち、
H*+NF3→NHxFy(NHxFyが自然酸化膜をエッチングする。)
NHxFy+SiO2→(NH4)2SiF6+H2O↑(副生成物)
としてアンモニアフッ化物(NHxFy)と自然酸化膜(SiO2)との反応で生成されると考えられるアンモニア錯体((NH4)2SiF6)を以下のように蒸気圧の高いガスに分解して蒸発させるものである。
(NH4)2SiF6→NH3↑+HF↑+SiF4↑
この際に自然酸化膜を除去するために要する温度は100〜200℃程度であり、ウェハの温度制約条件内である。
【0006】
このようにして自然酸化膜の除去処理を完了したウェハは水素終端シリコンウェハとしてその後の成膜処理に適している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の遠隔プラズマ処理方法を用いてウェハの自然酸化膜を除去するための装置として、従来、特開平10−335316号公報で示すものが知られている。図1は、このものの要部断面図である。N2ガスとH2ガスとをプラズマ発生装置1に導入して水素ラジカル(H*)を発生させて処理装置2の内部に導入し、その後水素ラジカルとNF3ガスとが反応して形成されると考えられるNHxFyガスを加熱台3上に基板ホルダ4を介して載置したウェハ5上に吹き付けてウェハ5の自然酸化膜をNHxFyガスでエッチングさせる。その後加熱台3によりウェハ5の温度を上昇させて副生成物のアンモニア錯体の除去処理を行っている。ところが、このものは枚葉式であるので、自然酸化膜の除去処理に要する一連の工程(仕込み→エッチング→加熱→取出し)に基板1枚あたり約3分を要し、成膜のための前処理工程としては実用的ではない。
【0008】
そこで、上記枚葉式処理装置に替えてバッチ式処理装置を用いることが考えられる。このようなバッチ式処理装置の要部断面図を図2に示す。この装置6では、50枚程度のウェハを1バッチとし、ウェハバッチ7をウェハ支持台8に取り付け、装置6の外部からN2ガスとNH3ガスとをプラズマ発生装置9に導入して水素ラジカル(H*)を発生させ、その後水素ラジカルの気流上にNF3を導入して、水素ラジカルとNF3ガスとの反応により生成されると考えられるNHxFyガスをウェハバッチ7に吹き付けて、ウェハの自然酸化膜をエッチングする。そして、その後に装置6の外部に設けた加熱源10によりウェハの温度を上昇させてアンモニア錯体の除去処理を行っている。なお、このものでは、加熱源10が装置6の外部に設けられているが、装置6の内部に設けられる場合もある。
【0009】
このようなバッチ式処理装置では、ウェハの1回の処理枚数は増加するが、ウェハの自然酸化膜のエッチング反応を25℃程度で行った後、副生成物であるアンモニア錯体を蒸発させるため、加熱源10により装置6全体を150℃程度に加熱するための時間を要する。即ち、ウェハの自然酸化膜のエッチング反応は、いわゆるドライエッチング工程であるが、一般にエッチング工程は温度が低いほどエッチング効率が向上するため、25℃程度の温度を維持して反応を行う必要があり、その後に加熱工程に移行する。そして、ウェハバッチ7の取出しのため、室温まで冷却する必要があり、その待機する時間まで含めると上記の自然酸化膜の除去処理の一連の工程に要する時間は200分程度と依然として効率的でない。このため急速冷却機構を付設することも考えられるが、装置6はアルミニウムなどの耐腐食性の金属により構成されることが多く、このような金属装置に対して急速冷却を繰り返すことで、金属に対する圧縮膨張の繰り返しストレスに起因してパーティクルが発生するなどして、処理基板の歩留りの悪化や、装置の耐用年数に対して悪影響を及ぼすことが懸念される。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑み、遠隔プラズマ処理プロセスなどのプラズマ処理を用い、例えばウェハの自然酸化膜除去などの表面処理を効率的に行うことができ、装置負担を軽減し得るバッチ式真空処理装置を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、1枚以上の基板にバッチ処理を行うため、上下方向に連通可能となるように縦型に構成される一対のチャンバを備えた装置とした。このような構成の装置を用いる具体例として、上記のように加熱工程を伴う表面処理プロセスを行う目的で、前記一対のチャンバのうち、上側に位置する一方のチャンバを加熱チャンバとし、下側に位置する他方のチャンバをプロセスチャンバとして用いることができる。このように縦型に構成される装置は、横型など他の形態に比べ占有面積が小さくコンパクトな構造の装置を構成することができ、さらに、上部に加熱チャンバを配置することで高温制御が必要な加熱チャンバと、これが不要なプロセスチャンバとの間の温度制御が容易になる。
【0012】
この場合、前記加熱チャンバと前記プロセスチャンバとの間に冷却機構を介設して、加熱チャンバとプロセスチャンバとを断熱する構成とすると、両チャンバ間の温度制御をさらに確実に行うことができる。
【0013】
さらに、この場合、前記プロセスチャンバを用いて、このプロセスチャンバ内に配置した基板に対するプラズマ表面処理、即ち、プロセスチャンバ内に上記のように水素ラジカルとNF3ガスとを導入して、基板の自然酸化膜をエッチング反応し、その後、副生成物であるアンモニア錯体を有する基板ごと加熱チャンバに搬送し、加熱処理を行って基板上のアンモニア錯体を除去するなどの表面処理を行うことができる。
【0014】
さらに、このような基板に対するプラズマ表面処理に際し、前記した一対のチャンバの外部に設けたプラズマ発生源から発生する活性種として水素ラジカルを用いるようにすれば、遠隔プラズマ表面処理により基板の自然酸化膜を除去するなどの表面処理を行うことができる。遠隔プラズマ処理は、基板を直接プラズマに曝す必要がないので基板の保護上有用である。
【0015】
そして、このような遠隔プラズマ表面処理を行うため、プロセスチャンバにガス導入口とガス排気口とを設け、ガス導入口の中心軸とガス排気口の中心軸とが同一直線上に配置するようにプロセスチャンバを構成すれば、複数枚同時に提供されるバッチ処理において基板のそれぞれに上記のような反応性ガスが気流として均等に接触できるので、バッチ方式でも各基板を確実に処理することが可能である。
【0016】
さらに、基板に対してプラズマ表面処理等を行う際に、基板を上下方向に揺動させると共に水平面上で回転させるように作動させると、上記の各基板において、表面処理の均一性はさらに向上し、バッチ式処理の効率が向上する。
【0017】
例えば、ウェハ上に形成された自然酸化膜を除去するプロセスを行う場合は、プロセスチャンバを用いて、ウェハに対するプラズマ表面処理工程を、真空を維持したままその後の加熱工程を経ることにより、バッチ式で確実に行い得る。
【0018】
そして、加熱チャンバを、このチャンバ外部に設けた外部ヒータと、補助熱源としてこのチャンバ内部に設けたランプヒータとを備えるように構成すれば、あらかじめ外部ヒータにより加熱チャンバを所望温度に保つ場合に、その後に上記プロセスチャンバから基板が搬送されるときの加熱チャンバの温度低下をランプヒータの作動により早期に回復することが可能であり、このようにしてウェハのアンモニア錯体の除去などの表面処理を効率的に行うことができる。
【0019】
また、上側に位置する少なくとも2つ以上の固定されたチャンバと、下側に位置する水平方向に移送可能な1つのチャンバとを備え、下側のチャンバを水平方向に移送して上側のチャンバのいずれかと選択的に対向可能とし、これらの上側と下側の各チャンバが上下方向に対向する際に、この各チャンバが上下方向に連通するように装置を構成すると、例えば前述したように、下側のチャンバにおいてウェハの自然酸化膜をエッチング反応させ、その後にウェハを上側のチャンバに搬送して加熱工程を行ってアンモニア錯体を加熱分解して、ウェハの自然酸化膜除去を行うなどの表面処理が可能であり、さらにこのように表面処理を行った直後に、これらのウェハなどを、表面処理時の真空状態を維持したまま、上側に位置させた別のチャンバに移送することができる。
【0020】
そして、このような別の上側のチャンバを成膜チャンバとして用いれば、ウェハなどに対して、表面処理時の真空状態を維持したまま、所望の成膜を効率的に行うことができる。このような成膜チャンバに用いることができるものとして、エピタキシャル成膜装置、アニール処理装置、プラズマ改質装置、CVD装置、酸化処理装置などが挙げられる。また、基板は、シリコンウェハに限らずガラス基板等にも使用できることは言うまでもない。
【0021】
【発明の実施の形態】
図3は、本発明のバッチ式真空処理装置の第1の実施態様の断面図である。本処理装置11は、50枚程度のバッチ単位のウェハ5の自然酸化膜の除去処理を行うもので、プロセスチャンバ12と、加熱チャンバ13と、プロセスチャンバ12に反応ガス導入管14を介して接続するプラズマ発生部15とで構成されている。
【0022】
プロセスチャンバ12と反応ガス導入管14とはガス導入口16を介して連結され、また、このガス導入口16の中心軸の延長線上にガス排出口17の中心軸が位置するようにガス排出口17が設けられ、プロセスチャンバ12はこのガス排出口17を介して図外のメカニカルブースタポンプとドライポンプとに選択可能に連結するガス排出管18と連結している。また、プロセスチャンバ12内には、上下方向に伸縮可能なロッド19を介して昇降可能な昇降台20が設けられ、この昇降台20にはウェハ5をバッチ(1バッチはウェハ50〜100枚)単位で収納できるウェハ支持台8が、ウェハ支持台8用の回転機構21を介して載置されている。そして、バッチ単位のウェハ5はウェハバッチ7として、図外の仕入取出口を介して、ウェハ支持台8に収納され、または、ウェハ支持台8から取出される。さらに、プロセスチャンバ12の下方には、プロセスチャンバ12の外部と連通する冷却用送風管22が設けられている。さらに、プロセスチャンバ12の下方部分には図外のパイプが巻回され、このパイプ内を冷却水や加熱用オイルが選択可能に循環できるように構成されている。
【0023】
プロセスチャンバ12の上部に位置して、仕切弁23を介して加熱チャンバ13が取付けられている。加熱チャンバ13の外部には、抵抗加熱炉やマントルヒータなどの外部加熱源24とターボ分子ポンプ25とが取付けられている。また、加熱チャンバ13の内部には、ランプヒータなどの補助熱源26と温度モニタ用の熱電対27とが取付けられている。さらに、加熱チャンバ13の上方には、加熱チャンバ13の外部と連通するパージガス導入管28が取付けられている。
【0024】
プロセスチャンバ12と加熱チャンバ13との間に介設した仕切弁23は、水平方向に開閉可能に設けられており、プロセスチャンバ12内でロッド19が伸張して昇降台20上のウェハ支持台8に支持されたウェハバッチ7が加熱チャンバ13内に挿入する際は仕切弁23が開かれる。なお、ウェハバッチ7が加熱チャンバ13内に配置されるように上昇したときに、昇降台20の上部両端とプロセスチャンバ12の上部側壁とが当接して、プロセスチャンバ12と加熱チャンバ13とが隔離される。また、この隔離を確実に行うため、昇降台20の上部両端部分にはOリング20aを取付けている。また、プロセスチャンバ12と加熱チャンバ13との断熱効果を確実にするため、両チャンバの連結部には図外のパイプが巻回され、このパイプ内を冷却水が循環できるように構成されている。
【0025】
そして、プロセスチャンバ12の側面方向の外部から反応ガス導入管14を介して接続するプラズマ発生部15は、N2ガスとNH3ガスとを導入する第1導入管29と、NF3ガスを導入する第2導入管30と、マイクロ波プラズマ発生装置31とで構成されている。この構成において、第2導入管30とマイクロ波プラズマ発生装置31とは最適位置に離間することが望ましい。第2導入管30から導入されるNF3ガスが逆流してマイクロ波プラズマ発生装置31に到達し、フッ素ラジカルが形成されてプロセスチャンバ12に流入すると、好ましくない副反応を招いてプロセスチャンバ12内のウェハ5に損傷を与える可能性があるからである。なお、プロセスチャンバ12内の反応ガス導入管14の導入口16近傍には、図外のシャワーノズルが設けられ、プラズマ発生部15から導入されるガスが均等に拡散されて、導入口16に対向して位置するウェハバッチ7の各ウェハ5に等しく吹き付けられるように構成されている。
【0026】
なお、図3のバッチ式真空処理装置11を構成するプロセスチャンバ12と加熱チャンバ13とは、ハロゲンガスによる腐食を抑制するためにアルミニウム製とする。
【0027】
さて、図3のバッチ式真空処理装置を用いて、ウェハバッチ7を構成する各ウェハ5の自然酸化膜の除去処理を行うに際し、まず、図外の仕入取出口より移載機を用いてアルミボートなどのウェハ支持台8に50〜100枚単位のウェハ5を収納する。仕切弁23や仕入取出口を閉じた後、ガス排出管18に連なる図外のメカニカルブースタポンプとドライポンプとを作動させて、プロセスチャンバ12を130Pa程度に到達させる。そして、プロセスチャンバ12におけるエッチングレートを最適にする目的で、プロセスチャンバ12に接続している図外の冷却パイプ内に冷却水を流し、プロセスチャンバ12内を25℃程度の温度に保つ。
【0028】
一方、上記作動と並行してプラズマ発生部15において、第1導入管29からN2ガスとNH3ガスとの混合ガスを導入し、この混合ガスをマイクロ波プラズマ発生装置31でプラズマ励起して水素ラジカルを発生させる。そして、第2導入管30から導入されるNF3ガスとこの水素ラジカルとを反応させてアンモニアフッ化物ガスを生成する。これらの反応は以下の過程で行われていると考えられる。
H*+NF3→NHxFy
次に、このアンモニアフッ化物ガスをプロセスチャンバ12内に導入する。アンモニアフッ化物ガスは上記したシャワーノズルなどの適宜手段により、ウェハバッチ7を構成する各ウェハ5に均等に吹き付けられる。そして、この際に、各ウェハ5の自然酸化膜はエッチング反応によりエッチングされる。
【0029】
なお、各ウェハ5へのアンモニアフッ化物ガスの均等な吹き付けを確実にするために、プロセスチャンバ12内のウェハ支持台8を、回転機構21により10rpmで回転軸回りに水平面上で回転し、さらに、ロッド19の伸縮作動により上下方向に揺動させる。
【0030】
この状態で、2分間程度アンモニアフッ化物ガスを吹き付けた後、このアンモニアフッ化物ガスの導入を終了する。そして、プロセスチャンバ12の圧力状態を当初の130Pa程度に回復させた後、仕切弁23を開きロッド19を伸張させて、ウェハバッチ7を加熱チャンバ13に、ウェハ支持台8と一体的に搬送する。このウェハバッチ7の搬送に際して、加熱チャンバ13は、あらかじめ120〜150℃に保たれており、また、ウェハバッチ7が搬送される際に、プロセスチャンバ12内の残留ガスが流入しないように、パージガス導入管28よりN2ガスを適当な流量で導入して加熱チャンバ13からプロセスチャンバ12へのダウンフローを維持する。さらに、ウェハバッチ7が搬送される際に、加熱チャンバ13内の温度が一時的に低下するので、これを軽減するために補助熱源26を作動させる。このときのバッチ式真空処理装置11の状態は図4に示す通りである。
【0031】
この状態で、ウェハバッチ7の各ウェハ5を3分間程度加熱し、ウェハ5上のアンモニア錯体を分解して蒸発させる。また、この分解と蒸発とを確実に行うため、上記の加熱後にターボ分子ポンプ25を5分間程度作動させる。このとき各ウェハ5上では以下の過程の反応が行われていると考えられる。
(NH4)2SiF6→NH3↑+HF↑+SiF4↑
このようにして、ウェハ5上のアンモニア錯体は、揮発性の高いNH3ガスやHFガスやSiF4ガスを生成する。そして、これらのガスが蒸発することにより、ウェハ5が水素で終端された状態になるものである。
【0032】
そして、加熱チャンバ13における処理が終了したウェハバッチ7を、ロッド19を圧縮させてプロセスチャンバ13に下降させ、仕切弁23を閉じた後、冷却ガス導入管22から冷却N2ガスを吹き付けて5分間程度冷却した後、図外の仕入取出室に搬送し、さらに装置11の外部に取出して、その後の成膜処理工程に搬送する。このようにしてウェハの自然酸化膜の除去処理に要する時間は全体でおおむね30分強である。
【0033】
さらに、本発明のバッチ式真空処理装置の第2の実施態様を図5に示す。図3及び図4の装置11と相異するのは、プロセスチャンバ12がロードロックチャンバを兼ねている点と、装置上部に加熱チャンバ13と成膜チャンバ32とが並置されている点である。このようにしてバッチ式真空処理装置を構成することにより、上記の第1の実施の態様と同様にしてプロセスチャンバ12と加熱チャンバ13とを用い、自然酸化膜の除去処理などの表面処理を終了したウェハ5はウェハバッチ7として、昇降台20と一体的にボート移載機構33によりロードロックチャンバ12内で移送して、成膜チャンバ32の直下に到達する。さらに上記のロッド19の伸縮による昇降機構により、表面処理が終了した直後のウェハ5をウェハバッチ7として成膜チャンバ32に搬送する。成膜チャンバ32内の詳細は省略してあるが、加熱チャンバ13の場合と同様に、仕切弁34により閉鎖系を構成することができ、成膜チャンバ32内での成膜処理を確実に行うことができるようにしている。そして、このような構成により、表面処理後のウェハ5は、表面処理時の真空状態を維持しながら、バッチ単位でその後の成膜処理に移行することができる。
【0034】
このような形態で成膜チャンバ32に用いることが可能な装置として、エピタキシャル成膜装置、アニール処理装置、プラズマ改質装置、CVD装置、酸化処理装置などが挙げられる。
【0035】
【実施例】
図3及び図4に示すバッチ式真空処理装置11を用いて上記第1の実施の態様に示す方法でウェハの自然酸化膜の除去処理を行った。このときの処理条件は、導入ガスの流量として、N2ガスを1000sccm、NH3ガスを100sccm、NF3ガスを100sccmである。また、水素ラジカル発生のためN2ガスとNH3ガスとに印加するマイクロ波のエネルギーを1000W、プロセスチャンバ内の圧力を約530Paとした。このときの処理時間と自然酸化膜(SiO2)に対するエッチング量(Å)との関係を図6に示す。図6により、通常10Å程度に形成されるウェハ上の自然酸化膜は、1〜2分程度のプラズマ表面処理によりエッチングされることが分かる。
【0036】
したがって、図3及び図4のバッチ式真空処理装置により、その後の2分間程度の加熱処理も含めた真空処理を行うことにより、ウェハ上の副生成物であるアンモニア錯体は確実に効率よく除去できることがわかる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の装置を用いると、縦型に連通可能に構成される加熱チャンバとプロセスチャンバとにより、バッチ単位のウェハに対して自然酸化膜除去処理などの表面処理を効率よく行うことができる。また、本発明装置は、各チャンバにおける温度の変動を抑制できるので、装置負担を軽減することが可能である。さらに、本発明の装置の上部チャンバとして、加熱チャンバと成膜チャンバとを並置すると、ウェハの自然酸化膜の除去処理などの表面処理とその後の成膜処理とを一体化して行うことができ、さらに効率よく成膜を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の枚葉式表面処理装置の要部断面図
【図2】従来のバッチ式表面処理装置の要部断面図
【図3】ウェハがプロセスチャンバ内に位置するときの本発明の第1の実施の態様を示す要部断面図
【図4】ウェハが加熱チャンバ内に位置するときの本発明の第1の実施の態様を示す要部断面図
【図5】本発明の第2の実施の態様を示す要部断面図
【図6】本発明の第1の実施の態様の装置を用いたときのエッチング効果を示すグラフ
【符号の説明】
5 ウェハ
12 プロセスチャンバ(下側チャンバ)
13 加熱チャンバ(上側チャンバ)
16 ガス導入口
17 ガス排出口
24 外部加熱源
26 補助熱源
32 成膜チャンバ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vacuum processing apparatus used for removing a thin film formed on, for example, a semiconductor wafer.
[0002]
[Prior art]
In manufacturing a semiconductor element, various film forming processes such as ion implantation and wiring are performed on a substrate such as a semiconductor wafer. At this time, a natural oxide film made of silicon is easily formed with a very thin film thickness of about 10 to 20 mm on the wafer before the film formation process due to the ambient atmosphere, which causes various problems. That is, if a natural oxide film is interposed between a metal wiring material to be directly wired on a wafer and a wafer processed as a p-type or n-type semiconductor, it causes contact resistance, and a wafer made of single crystal silicon. When a thin film is formed on the wafer by epitaxial growth, if a natural oxide film is interposed between the thin film and the wafer, the thin film to be formed as a single crystal is polycrystallized, which is an obstacle to epitaxial growth. If a natural oxide film is formed on a wafer when a gate oxide film to be formed with a thin film thickness (about 50 mm) is formed, the film thickness of a thin film functioning as a gate oxide film is significantly difficult to control.
[0003]
Therefore, in order to remove the natural oxide film from the wafer before the film formation process, conventionally, a so-called wet process in which a cleaning process and a drying process using a chemical solution such as dilute hydrofluoric acid are repeated has been performed. However, when such a wet process is used, it is difficult to reach and circulate the chemical solution to the natural oxide film formed at the bottom of the contact hole for wiring that requires a design rule of 0.1 μm or less. Particularly, in recent years, it has not been useful as a method for removing a natural oxide film.
[0004]
For this reason, it is conceivable to use a dry process such as hydrogen reduction or hydrogen plasma as a method for reliably removing the natural oxide film on the wafer. However, the former hydrogen reduction method requires a high temperature of 800 ° C. or higher and is not practical. The temperature condition when performing the natural oxide film processing of the wafer by plasma etching of the wafer using the latter hydrogen plasma is about 450 ° C., but the damage caused by the plasma in the wafer has progressed and the thinning has progressed. The device is required to be further lowered in temperature, and it is desirable to remove the natural oxide film at 400 ° C. or lower, and this still has a problem.
[0005]
Therefore, a natural oxide film removal method by a dry treatment method using hydrogen radicals under a relatively low temperature treatment condition has been proposed. This can be one using N 2 gas, NH 3 gas, and NF 3 gas. In this, a microwave is applied to a mixed gas of N 2 gas and NH 3 gas to generate hydrogen radicals (H * ), and this is reacted with NF 3 gas to produce ammonia fluoride gas, Thereafter, this ammonia fluoride gas etches SiO 2 constituting the natural oxide film. Moreover, although the ammonia complex which is a by-product is produced | generated, this ammonia complex is thermally decomposed at 100-200 degreeC. That is,
H * + NF 3 → NHxFy (NHxFy etches the natural oxide film)
NHxFy + SiO 2 → (NH 4 ) 2 SiF 6 + H 2 O ↑ (by-product)
The ammonia complex ((NH 4 ) 2 SiF 6 ), which is thought to be generated by the reaction between ammonia fluoride (NHxFy) and the natural oxide film (SiO 2 ), is decomposed into a gas with a high vapor pressure as follows: Evaporate.
(NH 4 ) 2 SiF 6 → NH 3 ↑ + HF ↑ + SiF 4 ↑
At this time, the temperature required to remove the natural oxide film is about 100 to 200 ° C., which is within the temperature constraint condition of the wafer.
[0006]
The wafer that has completed the removal process of the natural oxide film in this manner is suitable as a hydrogen-terminated silicon wafer for the subsequent film formation process.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, as an apparatus for removing a natural oxide film from a wafer using this type of remote plasma processing method, a device disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-335316 has been known. FIG. 1 is a cross-sectional view of the main part of this. N 2 gas and H 2 gas are introduced into the
[0008]
Therefore, it is conceivable to use a batch processing apparatus instead of the single wafer processing apparatus. A cross-sectional view of the main part of such a batch processing apparatus is shown in FIG. In this
[0009]
In such a batch type processing apparatus, the number of wafers to be processed at one time increases, but after the etching reaction of the natural oxide film of the wafer is performed at about 25 ° C., the ammonia complex as a by-product is evaporated. It takes time to heat the
[0010]
In view of the above-mentioned problems, the present invention uses a plasma treatment such as a remote plasma treatment process, and can efficiently perform surface treatment such as removal of a natural oxide film on a wafer, and can reduce the burden on the apparatus. It is an object to provide a processing apparatus.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention is an apparatus including a pair of chambers configured in a vertical shape so as to be able to communicate in the vertical direction in order to perform batch processing on one or more substrates. As a specific example using the apparatus having such a configuration, for the purpose of performing the surface treatment process with a heating step as described above, one chamber located on the upper side of the pair of chambers is set as a heating chamber, and the lower side is set on the lower side. The other chamber located can be used as a process chamber. Such a vertically configured device can be configured with a compact structure that occupies a small area compared to other types such as a horizontal type, and furthermore, a high temperature control is required by arranging a heating chamber in the upper part. Temperature control between a simple heating chamber and a process chamber that does not require this is facilitated.
[0012]
In this case, if a cooling mechanism is interposed between the heating chamber and the process chamber to insulate the heating chamber and the process chamber, temperature control between both chambers can be performed more reliably.
[0013]
Furthermore, in this case, plasma surface treatment is performed on the substrate disposed in the process chamber using the process chamber, that is, hydrogen radicals and NF 3 gas are introduced into the process chamber as described above, so that The oxide film is subjected to an etching reaction, and thereafter, the substrate having the ammonia complex as a by-product is transferred to the heating chamber and subjected to surface treatment such as heat treatment to remove the ammonia complex on the substrate.
[0014]
Further, in the plasma surface treatment for such a substrate, if hydrogen radicals are used as the active species generated from the plasma generation source provided outside the pair of chambers, a natural oxide film on the substrate can be obtained by remote plasma surface treatment. Surface treatment such as removing the surface can be performed. Remote plasma treatment is useful for protecting the substrate because it is not necessary to expose the substrate directly to the plasma.
[0015]
In order to perform such remote plasma surface treatment, the process chamber is provided with a gas inlet and a gas outlet, and the central axis of the gas inlet and the central axis of the gas outlet are arranged on the same straight line. If the process chamber is configured, the reactive gas as described above can be evenly contacted as an air flow with each of the substrates in batch processing in which a plurality of substrates are provided simultaneously, so that each substrate can be reliably processed even in a batch system. is there.
[0016]
Furthermore, when performing plasma surface treatment or the like on the substrate, if the substrate is swung in the vertical direction and operated to rotate on a horizontal plane, the uniformity of the surface treatment is further improved in each of the above substrates. The efficiency of batch processing is improved.
[0017]
For example, when performing a process for removing a natural oxide film formed on a wafer, a plasma surface treatment process for the wafer is performed by a subsequent heating process while maintaining a vacuum by using a process chamber. Can be done reliably.
[0018]
If the heating chamber is configured to include an external heater provided outside the chamber and a lamp heater provided inside the chamber as an auxiliary heat source, when the heating chamber is maintained at a desired temperature by the external heater in advance, Thereafter, it is possible to quickly recover the temperature drop of the heating chamber when the substrate is transferred from the process chamber by operating the lamp heater, and thus the surface treatment such as removal of the ammonia complex from the wafer is efficiently performed. Can be done automatically.
[0019]
In addition, at least two or more fixed chambers located on the upper side and one chamber that can be moved in the horizontal direction located on the lower side are provided, and the lower chamber is moved in the horizontal direction to move the upper chamber. When the apparatus is configured so that each chamber communicates in the vertical direction when the upper and lower chambers are opposed to each other in the vertical direction, for example, as described above, Surface treatment, such as etching the natural oxide film of the wafer in the side chamber, then transporting the wafer to the upper chamber and performing a heating process to thermally decompose the ammonia complex to remove the natural oxide film from the wafer In addition, immediately after the surface treatment is performed in this manner, these wafers and the like are placed in a separate channel located on the upper side while maintaining the vacuum state during the surface treatment. It can be transferred to.
[0020]
If such another upper chamber is used as a film formation chamber, desired film formation can be efficiently performed on a wafer or the like while maintaining the vacuum state during the surface treatment. Examples that can be used for such a film formation chamber include an epitaxial film formation apparatus, an annealing treatment apparatus, a plasma reforming apparatus, a CVD apparatus, and an oxidation treatment apparatus. Needless to say, the substrate can be used not only for a silicon wafer but also for a glass substrate.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 3 is a cross-sectional view of the first embodiment of the batch type vacuum processing apparatus of the present invention. The
[0022]
The
[0023]
A
[0024]
A
[0025]
The
[0026]
Note that the
[0027]
When the natural oxide film is removed from each
[0028]
On the other hand, in parallel with the above operation, in the
H * + NF 3 → NHxFy
Next, this ammonia fluoride gas is introduced into the
[0029]
In order to ensure the uniform blowing of the ammonia fluoride gas to each
[0030]
In this state, after the ammonia fluoride gas is sprayed for about 2 minutes, the introduction of the ammonia fluoride gas is terminated. Then, after the pressure state of the
[0031]
In this state, each
(NH 4 ) 2 SiF 6 → NH 3 ↑ + HF ↑ + SiF 4 ↑
In this manner, the ammonia complex on the
[0032]
Then, after the processing in the
[0033]
Furthermore, the 2nd embodiment of the batch type vacuum processing apparatus of this invention is shown in FIG. 3 and 4 is that the
[0034]
As an apparatus that can be used in the
[0035]
【Example】
Using the batch type
[0036]
Therefore, the ammonia complex as a by-product on the wafer can be reliably and efficiently removed by performing vacuum processing including the subsequent heat treatment for about 2 minutes by the batch type vacuum processing apparatus of FIGS. I understand.
[0037]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, when the apparatus of the present invention is used, a surface treatment such as a natural oxide film removal treatment is performed on wafers in batch units by a heating chamber and a process chamber configured to communicate vertically. Can be performed efficiently. In addition, since the apparatus of the present invention can suppress temperature fluctuations in each chamber, it is possible to reduce the burden on the apparatus. Furthermore, when the heating chamber and the film formation chamber are juxtaposed as the upper chamber of the apparatus of the present invention, the surface treatment such as the removal process of the natural oxide film on the wafer and the subsequent film formation process can be performed integrally. Furthermore, film formation can be performed efficiently.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a main part of a conventional single wafer surface treatment apparatus. FIG. 2 is a cross-sectional view of a main part of a conventional batch type surface treatment apparatus. FIG. 4 is a fragmentary cross-sectional view showing the first embodiment of the present invention. FIG. 4 is a fragmentary cross-sectional view showing the first embodiment of the present invention when the wafer is located in the heating chamber. FIG. 6 is a cross-sectional view of the main part showing the embodiment of the present invention. FIG. 6 is a graph showing the etching effect when the apparatus of the first embodiment of the present invention is used.
5
13 Heating chamber (upper chamber)
16
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