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JP3949333B2 - 画像計測方法、画像計測装置、および画像計測プログラム記憶媒体 - Google Patents

画像計測方法、画像計測装置、および画像計測プログラム記憶媒体 Download PDF

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  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)
  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像にあらわれた点や面から、空間内におけるそれらの位置や向きなどを計測する画像計測方法、その画像計測方法を実施する画像計測装置、およびその画像計測を実現する画像計測プログラムが記憶されてなる画像計測プログラム記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動ロボット、自動車、そして飛行機などを環境に適応して移動させるには、カメラなどの動画像から、環境を3次元的に計測する必要がある。飛行機を着陸させる場合と歩行する場合に、人間は視覚により(正確には運動視により)どのような3次元計測を行っているかを考えてみる。
【0003】
図1にパイロットの網膜に写るオプティカルフロー・パターンを示す。パイロットはこのパターンから、滑走路の傾き(3次元方位)や“このままで進むと何秒後に滑走路に到達するか”を知覚して、的確に飛行機を着陸させている。すなわち、パイロットはこのパターンから、平面(滑走路)の3次元方位と“平面を横切るまでの時間”を計測して着陸している。
【0004】
我々が廊下を歩く場合を考えてみる。廊下の壁にぶつかる方向に歩くと、上述のオプティカルフロー・パターンが網膜上に生じ、そのパターンから壁を横切るまでの時間(壁に衝突するまでの時間)を計測して、同時に計測される壁の3次元方位からそれを避ける方向に回避移動をする。一方、壁に平行に歩いている場合にはいつまでもぶつかることがない(すなわち、無限時間経過後後にぶつかる)ことを計測して、そのままの方向に歩き続ける。このようにして、曲がりくねった廊下でも壁を的確に回避して歩くことができる。また、事務所内をあるく場合も、ホワイトボード・机・ローカーなどの“平面で構成される物体”を同じように回避して歩くことができる。さらに、自動車を運転する場合も、同様な“平面の3次元計測”を行って高速道路の走行や車庫入れなどを行っている。
【0005】
このように、我々は視覚により、平面から構成される物体――そのような物体が沢山ある−−の三次元幾何情報(平面の3次元方位と平面を横切るまでの時間)を計測して的確な移動を可能にしている。曲面の物体でも“それに接する平面群”の3次元的幾何情報を計測して空間的に認識することができる。
【0006】
このような“平面の三次元幾何情報”を画像から計測できるようになれば、移動ロボット、自動車、そして飛行機などを環境に適応してあるいは障害物を回避しながら移動させることが可能になる。
【0007】
図1のオプティカルフロー・パターンの各速度要素――すなわち、図1の局所領域内の運動(局所運動)――については、それを動画像から計測する技術がこれまでに報告されている(特開平05−165956号公報、特開平05−165957号公報、特開平06−044364号公報、特開平09−081369号公報;“2次元相関およびコンボリューションをハフ平面のρ座標に沿って1次元的に行う方法,” 川上と岡本, 信学技報, vol. IE96−19, pp.31−38, 1996;“A cell model for the detection of local image motion on the magnocellular pathway of the visual cortex,”Kawakami, S. and Okamoto, H., Vision Research, vol. 36, pp. 117−147, 1996)。
【0008】
しかし、このオプティカルフロー・パターンを統合して“平面の三次元幾何情報(平面の3次元方位、平面を横切るまでの時間、平面までの最短距離)”を計測する方法は、これまでに報告されていない。
【0009】
また、動画像から空間内の直線や円柱の三次元幾何情報(それらの3次元方位、それらまでの最短距離など)を計測する技術がこれまでに報告されている(特公平03−52106号公報、特公平06−14356号公報、特公平06−14355号公報、特公平06−10603号公報、特開平02−816037号公報; “球面写像による線分の三次元方位と距離の計測,”稲本など,コンピュータビジョン研究会, vol. 45−2, pp.1−8, 1986;“鳥まねで単眼立体視を実現,”科学朝日, 6月号, pp.28−331987; “Measurement in three dimensions by motion stereo and spherical mapping,”Morita, T. et.al., CVPR, pp. 422−428, 1989; “Motion stereo visionsystem,”Inamoto, Y. et.al., Proceeding of ’91 ISART, pp. 239−246, 1991;「昭和60年度実用原子力発電施設作業ロボット開発委託研究成果報告書(極限作業ロボット技術研究組合)」の4.2.2.1節)。
【0010】
しかし、平面の三次元幾何情報を計測する方法はこれまでに報告されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、このオプティカルフローパターンなどの画像から、平面の三次元幾何情報や点の位置情報などを計測する技術を提供することを目的とする。なお、この三次元幾何情報の計測には、後述するように、平面までの最短距離の計測も含まれる。また、ステレオ画像から平面の三次元幾何情報を計測する技術を提供することも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像計測方法のうちの第1の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinf、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をpcとしたとき、
前記計測点の4つの位置pinf,p0,p1,pcで決まる複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めることを特徴とする。
【0013】
ここで、上記第1の画像計測方法において、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1に代えて、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τとを用いる演算が包含される。
【0014】
また、上記第1の画像計測方法では、前記重畳時刻を指標する物理量として、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻と前記重畳時刻との間の時間をtc、前記2つの計測時刻どうしの間の時間をΔtとしたときの、
nc=tc/Δt
であらわされる規格化時間ncを採用し、該規格化時間ncを、
nc={pinf01c
の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めてもよい。
【0015】
また、上記第1の画像計測方法では、前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求めるプロセスを、前記計測空間内に存在する複数の計測点について実行し、これらのプロセスにより求められた複数の極線を極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めてもよい。
【0016】
また、上記第1の画像計測方法は、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものである場合に、前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求めるとともに、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するプロセスを、前記計測空間内に存在する複数の計測点について実行し、これらのプロセスの実行の間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるものであってもよい。
【0017】
さらに、上記第1の画像計測方法は、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものである場合に、前記計測点の前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求めるとともに、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するプロセスを、前記計測空間内に存在する複数の計測点について実行し、これらのプロセスの実行の間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるものであってもよい。

さらに、上記第1の画像計測方法では、位置pcを求めるにあたっては、前記重畳時刻を指標する物理量と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τと、前記計測点の、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとを知って、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記計測点の前記重畳時刻における位置pcを求めてもよい。
【0018】
さらに、上記第1の画像計測方法は、
前記重畳時刻を指標する物理量をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記重畳時刻を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τと、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとから、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求める第2のステップと、
前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求める第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記パラメータの値を前記第1のステップで変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の極線を極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める第4ステップを実行するものであってもよい。
【0019】
この場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記第3のステップが、前記極線を求めるとともに、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、
前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記計測点の前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第2のパラメータとして設定する第5のステップを有し、
前記第2のステップが、前記第1のステップで設定された、前記重量時刻を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第5のステップで設定された前記運動視差τと、該計測点の前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとを用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求めるステップであり、
前記第3のステップが、前記計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記第1のステップおよび前記第5のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第5、第2および第3のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0020】
ここで前記第3のステップが、前記位置pcを極変換することにより球面上に大円として描かれる極線を求めるステップであることが好ましく、さらには、前記第3のステップが、前記位置pcを極変換することにより球面上に大円として描かれ、さらに平面上の円の内部に射影された極線を求めるステップであることがさらに好ましい。あるいは、前記第3のステップが、前記位置pcを極変換することにより平面上に直線として描かれる極線を求めるステップであってもよい。
【0021】
また、上記第1の画像計測方法は、
前記移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記重畳時刻を指標する物理量を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記第1のステップで設定された位置pinfと、前記第2のステップで設定された、前記重畳時刻を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τとから、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求める第3のステップと、
前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求める第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のステップおよび前記第2のステップで変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の極線を前記第1のパラメータの値に応じた複数の極線描画空間のうちのそれぞれ対応する極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を各極線描画空間ごとに求め該交差点で交わる極線の本数の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する極線描画空間について求められた交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める第5ステップを実行するものであってもよい。
【0022】
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記第4のステップが、前記極線を求めるとともに、求められた極線を該極線に対応する極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、
前記第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各極線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する極線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記計測点の前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第3のパラメータとして設定する第6のステップを有し、
前記第3のステップが、前記第1のステップで設定された位置pinfと、前記第2のステップで設定された、前記重量時刻を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第6のステップで設定された前記運動視差τとを用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求めるステップであり、
前記第4のステップが、前記計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1のステップ、前記第2のステップおよび前記第6のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第6、第3および第4のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各極線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する極線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0023】
また、本発明の画像計測方法のうちの第2の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向をv、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinf、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をpc、前記計測平面の方位をnsとしたとき、
前記計測点の4つの位置pinf,p0,p1,pcで決まる複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算と、前記計測平面の方位nsと前記移動方向vとの内積(ns・v)とを用いて、前記計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めることを特徴とする。
【0024】
ここで、上記第2の画像計測方法における、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1に代えて、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τとを用いる演算が包含される。
【0025】
上記第2の画像計測方法は、前記最短距離を指標とする物理量として、前記観察点と、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面との間の最短距離をds、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻と前記重量時刻との間の時間をtc、前記2つの計測時刻どうしの間の、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な移動距離をΔx、前記2つの計測時刻どうしの間の時間をΔtとしたときの、
ns=ds/Δx
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、該規格化最短距離nsを、
nc=tc/Δt
であらわされる規格化時間ncと前記内積(ns・v)とを用いた、
nsnc(ns・v)
の関係式を用いて求めるものであることが好ましい。
【0026】
上記第2の画像計測方法は、
前記最短距離を指標する物理量を第1のパラメータとして設定する第1のステップと、
前記内積(ns・v)を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第2のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τと、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとから、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求める第3のステップと、
前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求める第4のステップと、
前記極線上の点であって、かつ前記移動方向vと角度
r=cos-1(ns・v)
を成す点を求める第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5のステップのうちの前記第3から第5までのステップを、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のステップおよび前記第2のステップで変更しながら複数回繰り返すことにより、前記第5のステップの、1つの計測点に関する、前記第1のパラメータの値が同一であって、かつ前記第2のパラメータの値がそれぞれ異なる複数回の実行により求められる複数の点を結ぶ曲線を、前記第1のパラメータの各値ごとに前記複数の計測点について求め、その後、
前記第1から第5のステップを複数回繰り返す間に求められた複数の曲線を曲線描画空間に描画したときの曲線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める第6のステップを実行するものであってもよい。
【0027】
この場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記第5のステップが、前記点を求めるとともに、該点に対応する計測点の強度に対応する値を該点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するステップであり、
前記第6のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第5までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記計測点の前記2つの計測時間における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第3のパラメータとして設定する第7のステップを有し、
前記第3のステップが、前記第1のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第2のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第7のステップで設定された前記運動視差τと、該計測点の、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとを用いて、該計測点の、前記重畳時刻における位置pcを求めるステップであり、
前記第5のステップが、前記計測点に対応する極線上の前記点を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、該極線上の前記点に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を、該極線上の前記点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3から第5までのステップを、前記第1、第2、および第7のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される前記第6のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第7および前記第3から第5までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0028】
ここで、上記第2の画像計測方法における前記第5のステップが、該第5のステップの繰り返しにより求められる、1つの計測点に関する複数の点を結ぶ曲線として、球面上に描かれる曲線を求めるステップであることが好ましく、さらには、前記第5のステップが、該第5のステップの繰り返しにより求められる、1つの計測点に関する複数の点を結ぶ曲線として、球面上に描かれ、さらに平面上の円の内部に射影された曲線を求めるステップであることがさらに好ましい。
【0029】
また、上記第2の画像計測方法は、
前記移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記最短距離を指標する物理量を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記内積(ns・v)を第3のパラメータとして設定する第3のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、前記第2のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第3のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τとから、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求める第4のステップと、
前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求める第5のステップと、
前記極線上の点であって、かつ前記移動方向vと角度
r=cos-1(ns・v)
を成す点を求める第6のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第6のステップのうちの前記第4から第6までのステップを、前記第1から第3までのパラメータの各値を、それぞれ前記第1から第3までの各ステップで変更しながら複数回繰り返すことにより、前記第6のステップの、1つの計測点に関する、前記第1のパラメータの値が同一であるとともに前記第2のパラメータの値が同一であって、かつ前記第3のパラメータの値がそれぞれ異なる複数回の実行により求められる複数の点を結ぶ曲線を、前記第1のパラメータの各値と前記第2のパラメータの各値との各組合せごとに前記複数の計測点について求め、その後、
前記第1から第6までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の曲線を前記第1のパラメータの値に応じた複数の曲線描画空間のうちのそれぞれ対応する曲線描画空間に描画したときの曲線どうしの交差点を各曲線描画空間ごとに求め該交差点で交わる曲線の本数の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する曲線描画空間について求められた交差点で交わる複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める第7のステップを実行するものであってもよく、その場合に、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記第6のステップが、前記点を求めるとともに、該点に対応する計測点の強度に対応する値を該点に対応する、該点を含む曲線が描かれる曲線描画空間内の点に投票するステップであり、
前記第7のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第6までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各曲線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する曲線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時間のうちの一方の計測時間における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記計測点の前記2つの計測時間における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第4のパラメータとして設定する第8のステップを有し、
前記第4のステップが、前記第1のステップで設定された、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、前記第2のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第3のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第8のステップで設定された前記運動視差τとを用いて、該計測点の、前記重畳時刻における位置pcを求めるステップであり、
前記第6のステップが、前記計測点に対応する極線上の前記点を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、該極線上の前記点に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を、該極線上の前記点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第4から第6までのステップを、前記第1、第2、第3および第8のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される前記第7のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第3、第8および前記第4から第6までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各曲線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する曲線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0030】
また、本発明の画像計測方法のうちの第3の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向をv、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinfとしたとき、
前記計測点の3つの位置pinf,p0,p1で決まる単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めることも好ましい態様である。
【0031】
ここで、上記の第3の画像計測方法における、前記単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1に代えて、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τとを用いる演算が包含される。
【0032】
上記第3の画像計測方法は、前記計測点の各位置pinf,p0,p1として球面上に射影された各位置を採用すると共に、前記最短距離を指標する物理量として、前記観察点と前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面との間の最短距離をds、前記2つの計測時刻どうしの間の前記計測点の、前記観察点に対する相対的な移動距離をΔxとしたときの、
ns=ds/Δx
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、
前記規格化最短距離nsをパラメータとして設定する第1のステップと、
前記第1のステップで設定された規格化最短距離nsと、単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算とを用いて、
R=cos-1ns/(pinf01))
なる関係式あるいは該関係式と等価な関係式で規定される半径Rを求める第2のステップと、
前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測点の計測位置を中心とした半径Rの小円を求める第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記パラメータを前記第1のステップで変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の小円を小円描画空間に描画したときの小円どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求める第4ステップを実行するものであってもよい。
【0033】
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第3のステップが、前記小円を求めるとともに、求められた小円を小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記計測点の前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第2のパラメータとして設定する第5のステップを有し、
前記第2のステップが、前記第1のステップで設定された規格化最短距離nsと、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、該計測点の前記2つの計測時間のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第5のステップで設定された前記運動視差τとを用いて、前記半径Rを求めるステップであり、
前記第3のステップが、前記計測点に対応する前記小円を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた小円を小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するステップであり、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記第1のステップおよび前記第5のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第5、第2および第3のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることも好ましい態様であり、
また、前記第3のステップが、半径Rの小円を前記球面上に求め、さらに該球面上の小円が平面上の円の内部に射影されてなる小円を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0034】
また、上記第3の画像計測方法は、前記計測点の各位置pinf,p0,p1として球面上に写影された各位置を採用すると共に、前記最短距離を指標する物理量として、前記観察点と前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面との間の最短距離をds、2つの計測時刻どうしの間の前記計測点の、前記観察点に対する相対的な移動距離をΔxとしたときの、
ns=ds/Δx
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、
前記移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記規格化最短距離nsを第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、前記第2のステップで設定された規格化最短距離nsと、単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算とを用いて、
R=cos-1ns/(pinf01))
なる関係式あるいは該関係式と等価な関係式で規定される半径Rを求める第3のステップと、
前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測点の計測位置を中心とした半径Rの小円を求める第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のステップおよび前記第2のステップで変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の小円を前記第1のパラメータの値に応じた複数の小円描画空間のうちのそれぞれ対応する小円描画空間に描画したときの小円どうしの交差点を各小円描画空間ごとに求め該交差点で交わる小円の本数の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する小円描画空間について求められた交差点で交わる複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求める第5のステップを実行するものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記第4のステップが、前記小円を求めるとともに、求められた小円を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、
前記第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各小円描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する小円描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記計測点の前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第3のパラメータとして設定する第6のステップを有し、
前記第2のステップが、前記第1のステップで設定された、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、前記第3のステップで設定された規格化最短距離nsと、該計測点の前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第5のステップで設定された前記運動視差τとを用いて、前記半径Rを求めるステップであり、
前記第4のステップが、前記計測点に対応する前記小円を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた小円を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するステップであり、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1、第2および第6のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される前記第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第6、第3および第4のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各小円描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する小円描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0035】
さらに、本発明の画像計測方法のうちの第4の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinfとしたとき、
前記計測点の3つの位置pinf,p0,p1で決まる単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算を用いて、
前記観察点と、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測点との間の距離を指標する物理量を求めることを特徴とする。
【0036】
ここで、第4の画像計測方法における、前記単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1に代えて、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τとを用いる演算が包含される。
【0037】
上記第4の画像計測方法は、前記距離を指標する物理量として、前記観察点と前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測点との間の距離をd0、前記2つの計測時刻どうしの間の前記計測点の、前記観察点に対する移動距離をΔxとしたときの、
n0=d0/Δx
であらわされる規格化距離n0を採用し、該規格化距離n0を、
n0=(pinf01
の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めるものであってもよい。
【0038】
また、本発明の画像計測方法のうちの第5の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0 と、該計測点の、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfと、前記第1のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを求める第2のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第1のステップで設定された座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0039】
また、本発明の画像計測方法のうちの第6の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記計測点の、該移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の該計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第1のステップで設定された位置pinfと、前記第2のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを求める第3のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第2のステップで設定された座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0040】
また、本発明の画像計測方法のうちの第7の画像計測方法は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の観察点と、該観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含む、相互に異なる2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、該計測点の、該2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfと、前記第1のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを求める第2のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第1のステップで設定された座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0041】
また、本発明の画像計測方法のうちの第8の画像計測方法は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記計測点の、該移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の該計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記観測点から、前記計測点を含む、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第1のステップで設定された位置pinfと、前記第2のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを求める第3のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第2のステップで設定された座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0042】
また、本発明の画像計測方法のうちの第9の画像計測方法は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τをパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、該計測点の、前記2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、該計測点の無限時間経過後の位置pinfと、前記第1のステップで設定された運動視差τとから、前記移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標を求める第2のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第1のステップで設定された運動視差τに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第2のステップで求められた座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を順次変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0043】
また、本発明の画像計測方法のうちの第10の画像計測方法は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記計測点の、該移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の該計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τを第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第1のステップで設定された位置pinfと、前記第2のステップで設定された運動視差τとから、前記移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を求める第3のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第2のステップで設定された運動視差τに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第3のステップで求められた座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0044】
また、本発明の画像計測方法のうちの第11の画像計測方法は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τをパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における、計測位置p0と、該計測点の、前記2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、該計測点の無限時間経過後の位置pinfと、前記第1のステップで設定された運動視差τとに基づいて、前記観察点から、前記計測点を含む、2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標を求める第2のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第1のステップで設定された運動視差τに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第2のステップで求められた座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0045】
また、本発明の画像計測方法のうちの第12の画像計測方法は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記計測点の、該移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の該計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第1のステップで設定された位置pinfと、前記第2のステップで設定された運動視差τとに基づいて、前記観察点から、前記計測点を含む、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を求める第3のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第2のステップで設定された運動視差τに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第3のステップで求められた座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0046】
さらに、本発明の画像計測方法のうちの第13の画像計測方法は、
所定の計測空間内の所定の観察点から、該計測空間内を、相互に異なる2つの計測時刻において眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの計測時刻における2つの計測位置どうしの位置の差である運動視差に対応する応答強度を求める第1のステップと、
前記第1のステップで求められた応答強度を、前記計測点の、前記2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される投票空間内の、前記計測点と前記運動視差とに対応した座標に投票する第2のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について前記第1のステップと前記第2のステップを複数回実行することを特徴とする。
【0047】
ここで、上記第13の画像計測方法は、前記投票空間内の、前記投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める第3のステップを有するものであってもよい。
【0048】
また、本発明の画像計測方法のうちの第14の画像計測方法は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記観察点から、前記計測空間内を前記2つの計測時刻において眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、該2つの計測時刻における2つの計測位置どうしの位置の差である運動視差に対応する応答強度を求める第2のステップと、
前記第2のステップで求められた応答強度を、前記計測点の、前記2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される、前記第1のステップで設定されたパラメータに応じた投票空間内の、前記計測点と前記運動視差とに対応した座標に投票する第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第3までのステップのうちの第2および第3のステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0049】
ここで、上記第14の画像計測方法は、前記投票による値が極大値となる極大点を各投票空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する投票空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する投票空間について求められた極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める第4のステップを有するものであってもよい。
【0050】
また、本発明の画像計測方法のうちの第15の画像計測方法は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を相互に異なる2つの計測時刻において眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの計測時刻における2つの計測位置どうしの位置の差である運動視差に対応する応答強度を求める第1のステップと、
前記第1のステップで求められた応答強度を、前記観察点から、前記計測点を含む、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される投票空間内の、前記計測点と前記運動視差τとに対応した座標に投票する第2のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1のステップと前記第2のステップを複数回実行することを特徴とする。
【0051】
ここで、上記画像計測方法は、前記投票空間内の、前記投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める第3のステップを有するものであってもよい。
【0052】
また、本発明の画像計測方法のうちの第16の画像計測方法は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記観察点から前記計測空間内を前記2つの計測時刻において眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、該2つの計測時刻における2つの計測位置どうしの位置の差である運動視差に対応する応答強度を求める第2のステップと、
前記第2のステップで求められた応答強度を、前記観察点から、前記計測点を含む、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される、前記第1のステップで設定されたパラメータに応じた投票空間内の、前記計測点と前記運動視差とに対応した座標に投票する第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第3までのステップのうちの第2および第3のステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0053】
ここで、上記第16の画像計測方法は、前記投票による値が極大値となる極大点を各投票空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する投票空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する投票空間について求められた極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める第4のステップを有するものであってもよい。
【0054】
また、本発明の画像計測方法のうちの第17の画像計測方法は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置をそれぞれpR,pL、前記計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vと同一の方向に延びる直線上の無限遠点の位置をpaxis、前記2つの観察点のうちの一方の観察点を含み、前記計測点を含む計測平面と平行に広がる観察平面上の、前記直線との交点の位置をpcとしたとき、
前記4つの位置paxis,pR,pL,pcで決まる複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めることを特徴とする。
【0055】
ここで、上記第17の画像計測方法において、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLに代えて、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σとを用いる演算が包含される。
【0056】
また、上記第17の画像計測方法では、前記計測平面と前記2つの観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量として、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離をdc、前記2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
nc=dc/ΔxLR
であらわされる規格化距離ncを採用し、該規格化距離ncを、
nc={paxisRLc
の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めてもよい。
【0057】
また、上記第17の画像計測方法では、前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求めるプロセスを、前記計測空間内に存在する複数の計測点について実行し、これらのプロセスにより求められた複数の極線を極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めてもよい。
【0058】
また、上記第17の画像計測方法は、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものである場合に、前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求めるとともに、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するプロセスを、前記計測空間内に存在する複数の計測点について実行し、これらのプロセスの実行の間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるものであってもよい。
【0059】
また、上記第17の画像計測方法は、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を投票するプロセスを、前記計測空間内に存在する複数の計測点について実行し、これらのプロセスの実行の間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるものであってもよい。
【0060】
さらに、上記第17の画像計測方法では、位置pcを求めるにあたっては、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σと、前記計測点の、前記無限遠点の位置paxisとを知って、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求めてもよい。
【0061】
さらに、上記第17の画像計測方法は、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σと、前記無限遠点の位置paxisとから、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求める第2のステップと、
前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより前記計測点に対応する極線を求める第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記パラメータの値を前記第1のステップで変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の極線を極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める第4ステップを実行するものであってもよい。
【0062】
この場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第3のステップが、前記極線を求めるとともに、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第2のパラメータとして設定する第5のステップを有し、
前記第2のステップが、前記第1のステップで設定された、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第5のステップで設定された前記両眼視差σと、前記無限遠点の位置paxisとを用いて、前記観察平面上の交点pcを求めるステップであり、
前記第3のステップが、前記計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記第1のステップおよび前記第5のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第5、第2および第3のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい形態である。
【0063】
ここで、上記第17の画像計測方法において、前記第3のステップが、前記位置pcを極変換することにより球面上に大円として描かれる極線を求めるステップであることが好ましく、さらには、前記第3のステップが、前記位置pcを極変換することにより球面上に大円として描かれ、さらに平面上の円の内部に射影された極線を求めるステップであることがさらに好ましい。あるいは、前記第3のステップが、前記位置pcを極変換することにより平面上に直線として描かれる極線を求めるステップであってもよい。
【0064】
また、上記第17の画像計測方法は、
前記視軸の方向vを第1のパラメータとして設定することにより前記無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記第1のステップで設定された位置paxisと、前記第2のステップで設定された、前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σとから、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記観察平面上の交点の位置pcを求める第3のステップと、
前記計測点の、前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求める第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のステップおよび前記第2のステップで変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の極線を前記第1のパラメータの値に応じた複数の極線描画空間のうちのそれぞれ対応する極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を各極線描画空間ごとに求め該交差点で交わる極線の本数の情報に基づいて真の視軸方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する極線描画空間について求められた交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める第5ステップを実行するものであってもよい。
【0065】
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第4のステップが、前記極線を求めるとともに、求められた極線を該極線に対応する極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各極線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する極線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第3のパラメータとして設定する第6のステップを有し、
前記第3のステップが、前記第1のステップで設定された位置paxisと、前記第2のステップで設定された、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第5のステップで設定された前記両眼視差σとを用いて、前記観察平面上の交点pcを求めるステップであり、
前記第4のステップが、前記計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1のステップ、前記第2のステップおよび前記第6のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第6、第3および第4のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各極線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する極線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい形態である。
【0066】
また、本発明の画像計測方法のうちの第18の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置をそれぞれpR,pL、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向をv、前記計測点を含み、前記視軸方向vと同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置をpaxis、前記2つの観察点のうちの一方の観察点を含み、前記計測点を含む計測平面と平行に広がる観察平面上の、前記直線との交点の位置をpc、前記計測平面の方位をnsとしたとき、
前記4つの位置paxis,pR,pL,pcで決まる複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算と、前記計測平面の方位nsと前記視軸の方向vとの内積(ns・v)とを用いて、前記計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めることを特徴とする。
【0067】
ここで、上記第18の画像計測方法における、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLに代えて、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σとを用いる演算が包含される。
【0068】
上記第18の画像計測方法は、前記最短距離を指標とする物理量として、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離をds、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離をdc、前記2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
ns=ds/ΔxLR
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、該規格化最短距離nsを、
nc=dc/ΔxLR
であらわされる規格化距離ncと前記内積(ns・v)とを用いた、
nsnc(ns・v)
の関係式を用いて求めるものであることが好ましい。
【0069】
上記第18の画像計測方法は、
前記最短距離を指標する物理量を第1のパラメータとして設定する第1のステップと、
前記内積(ns・v)を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記第1のステップで設定された前記最短距離を指標する物理量と、前記第2のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σと、前記無限遠点の位置paxisとから、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求める第3のステップと、
前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求める第4のステップと、
前記極線上の点であって、かつ前記視軸の方向vと角度
r=cos-1(ns・v)
を成す点を求める第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5のステップのうちの前記第3から第5までのステップを、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のステップおよび前記第2のステップで変更しながら複数回繰り返すことにより、前記第5のステップの、1つの計測点に関する、前記第1のパラメータの値が同一であって、かつ前記第2のパラメータの値がそれぞれ異なる複数回の実行により求められる複数の点を結ぶ曲線を、前記第1のパラメータの各値ごとに前記複数の計測点について求め、その後、
前記第1から第5のステップを複数回繰り返す間に求められた複数の曲線を曲線描画空間に描画したときの曲線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求める第6のステップを実行するものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第5のステップが、前記点を求めるとともに、該点に対応する計測点の強度に対応する値を該点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するステップであり、前記第6のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第5までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第3のパラメータとして設定する第7のステップを有し、
前記第3のステップが、前記第1のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第2のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第7のステップで設定された前記両眼視差σと、前記無限遠点の位置paxisとを用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求めるステップであり、
前記第5のステップが、前記計測点に対応する極線上の前記点を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、該極線上の前記点に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を、該極線上の前記点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3から第5までのステップを、前記第1、第2、および第7のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される前記第6のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第7および前記第3から第5までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0070】
この場合において、前記第5のステップが、該第5のステップの繰り返しにより求められる、1つの計測点に関する複数の点を結ぶ曲線として、球面上に描かれる曲線を求めるステップであることが好ましく、さらには、前記第5のステップが、該第5のステップの繰り返しにより求められる、1つの計測点に関する複数の点を結ぶ曲線として、球面上に描かれ、さらに平面上の円の内部に射影された曲線を求めることがさらに好ましい。
【0071】
また、上記第18の画像計測方法は、
前記視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより前記無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記最短距離を指標する物理量を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記内積(ns・v)を第3のパラメータとして設定する第3のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記無限遠点の位置paxisと、前記第2のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第3のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σとから、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求める第4のステップと、
前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求める第5のステップと、
前記極線上の点であって、かつ前記視軸の方向vと角度
r=cos-1(ns・v)
を成す点を求める第6のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第6のステップのうちの前記第4から第6までのステップを、前記第1から第3までのパラメータの各値を、それぞれ前記第1から第3までの各ステップで変更しながら複数回繰り返すことにより、前記第6のステップの、1つの計測点に関する、前記第1のパラメータの値が同一であるとともに前記第2のパラメータの値が同一であって、かつ前記第3のパラメータの値がそれぞれ異なる複数回の実行により求められる複数の点を結ぶ曲線を、前記第1のパラメータの各値と前記第2のパラメータの各値との各組合せごとに前記複数の計測点について求め、その後、
前記第1から第6までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の曲線を前記第1のパラメータの値に応じた複数の曲線描画空間のうちのそれぞれ対応する曲線描画空間に描画したときの曲線どうしの交差点を各曲線描画空間ごとに求め該交差点で交わる曲線の本数の情報に基づいて真の視軸方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する曲線描画空間について求められた交差点で交わる複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求める第7のステップを実行するものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第6のステップが、前記点を求めるとともに、該点に対応する計測点の強度に対応する値を該点に対応する、該点を含む曲線が描かれる曲線描画空間内の点に投票するステップであり、前記第7のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第6までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各曲線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する曲線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第4のパラメータとして設定する第8のステップを有し、
前記第4のステップが、前記第1のステップで設定された、前記無限遠点の位置paxisと、前記第2のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第3のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第8のステップで設定された前記両眼視差σとを用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求めるステップであり、
前記第6のステップが、前記計測点に対応する極線上の前記点を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、該極線上の前記点に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を、該極線上の前記点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第4から第6までのステップを、前記第1、第2、第3および第8のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される前記第7のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第3、第8および前記第4から第6までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各曲線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する曲線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0072】
また、本発明の画像計測方法のうちの第19の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置をそれぞれpR,pL、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向をv、前記計測点を含み、前記2つの視軸と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置をpaxisとしたとき、
前記3つの位置paxis,pR,pLで決まる単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めることを特徴とする。
【0073】
ここで、上記の第19の画像計測方法における、前記単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLに代えて、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σとを用いる演算が包含される。
【0074】
上記第19の画像計測方法は、前記各位置paxis,pR,pLとして球面上に写影された各位置を採用すると共に、前記最短距離を指標する物理量として、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離をds、2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
ns=ds/ΔxLR
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、
前記規格化最短距離nsをパラメータとして設定する第1のステップと、
前記第1のステップで設定された規格化最短距離nsと、単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算とを用いて、
R=cos-1ns/(paxisRL))
なる関係式あるいは該関係式と等価な関係式で規定される半径Rをを求める第2のステップと、
前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの前記計測点の計測位置を中心とした半径Rの小円を求める第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記パラメータを前記第1のステップで変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の小円を小円描画空間に描画したときの小円どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求める第4ステップを実行するものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第3のステップが、前記小円を求めるとともに、求められた小円を小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記計測点の前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第2のパラメータとして設定する第5のステップを有し、
前記第2のステップが、前記第1のステップで設定された規格化最短距離nsと、前記無限遠点の位置paxisと、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置p0と、前記第5のステップで設定された前記両眼視差σとを用いて、前記半径Rを求めるステップであり、
前記第3のステップが、前記計測点に対応する前記小円を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた小円を小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の、前記両眼視差に対応する応答強度を投票するステップであり、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記第1のステップおよび前記第5のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第5、第2および第3のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0075】
また、前記第3のステップが、半径Rの小円を前記球面上に求め、さらに該球面上の小円が平面上の円の内部に射影されてなる小円を求めるステップであることが好ましい。
【0076】
また、上記第19の画像計測方法は、前記各位置paxis,pR,pLとして球面上に写影された各位置を採用すると共に、前記最短距離を指標する物理量として、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離をds、前記2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
ns=ds/ΔxLR
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、
前記視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより前記無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記規格化最短距離nsを第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記無限遠点の位置paxisと、前記第2のステップで設定された規格化最短距離nsと、単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算とを用いて、
R=cos-1ns/(paxisRL))
なる関係式あるいは該関係式と等価な関係式で規定される半径Rを求める第3のステップと、
前記2つの観察点のうちの一方の観察点とから観察したときの前記計測点の計測位置を中心とした半径Rの小円を求める第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のステップおよび前記第2のステップで変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の小円を前記第1のパラメータの値に応じた複数の小円描画空間のうちのそれぞれ対応する小円描画空間に描画したときの小円どうしの交差点を各小円描画空間ごとに求め該交差点で交わる小円の本数の情報に基づいて真の視軸方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する小円描画空間について求められた交差点で交わる複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求める第5のステップを実行するものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第4のステップが、前記小円を求めるとともに、求められた小円を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各小円描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する小円描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記計測点の前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第3のパラメータとして設定する第6のステップを有し、
前記第2のステップが、前記第1のステップで設定された、前記無限遠点の位置paxisと、前記第2のステップで設定された規格化最短距離nsと、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第5のステップで設定された前記両眼視差σとを用いて、前記半径Rを求めるステップであり、
前記第4のステップが、前記計測点に対応する前記小円を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた小円を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を投票するステップであり、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1、第2および第6のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される前記第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第6、第3および第4のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各小円描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する小円描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0077】
さらに、本発明の画像計測方法のうちの第20の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置をそれぞれpR,pL、前記計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vと同一の方向に延びる直線上の無限遠点の位置をpaxisとしたとき、
前記3つの位置paxis,pR,pL,で決まる単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算を用いて、前記計測点と、前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の距離を指標する物理量を求めることを特徴とする。
【0078】
ここで、第20の画像計測方法における、前記単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの2つの計測位置pR,pLに代えて、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σとを用いる演算が包含される。
上記第20の画像計測方法は、前記距離を指標する物理量として、前記計測点と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の距離をd0、前記2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
n0=d0/ΔxLR
であらわされる規格化距離n0を採用し、該規格化距離n0を、
n0=(paxisRL
の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めるものであってもよい。
【0079】
また、本発明の画像計測方法のうちの第21の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含む計測平面と、前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、該計測点を含み、前記視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisと、前記第1のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを求める第2のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第1のステップで設定された座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0080】
また、本発明の画像計測方法のうちの第22の画像計測方法は、所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含み、該視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記計測点を含む計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第1のステップで設定された位置paxisと、前記第2のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを求める第3のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第2のステップで設定された座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0081】
また、本発明の画像計測方法のうちの第23の画像計測方法は、所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点のうちの一方の観察点と、該2つの観察点から該計測空間を眺めたときの画像にあらわれた該計測空間内の任意の計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、該計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisと、前記第1のステップで設定された前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを求める第2のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第1のステップで設定された座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0082】
また、本発明の画像計測方法のうちの第24の画像計測方法は、所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記2つの観察点から該計測空間を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含み、該視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記2つの観測点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面までの最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第1のステップで設定された位置paxisと、前記第2のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを求める第3のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第2のステップで設定された座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0083】
また、本発明の画像計測方法のうちの第25の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの2つの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σをパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、該計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisと、前記第1のステップで設定された両眼視差σとから、前記計測点を含む計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標を求める第2のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第1のステップで設定された両眼視差σに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第2のステップで求められた座標に投票する第4ののステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0084】
また、本発明の画像計測方法のうちの第26の画像計測方法は、所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記2つの観察点から該計測空間を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含み、該視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第1のステップで設定された位置paxisと、前記第2のステップで設定された両眼視差σとから、前記計測点を含む計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を求める第3のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第2のステップで設定された両眼視差σに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第3のステップで求められた座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0085】
また、本発明の画像計測方法のうちの第27の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの2つの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σをパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、該計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisと、前記第1のステップで設定された両眼視差σとに基づいて、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標を求める第2のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第1のステップで設定された両眼視差σに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第2のステップで求められた座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0086】
さらに、本発明の画像計測方法のうちの第28の画像計測方法は、所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる該計測空間内の任意の計測点を含み、該視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第1のステップで設定された位置paxisと、前記第2のステップで設定された両眼視差σとに基づいて、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を求める第3のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第2のステップで設定された両眼視差σに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第3のステップで求められた座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0087】
また、本発明の画像計測方法のうちの第29の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の2つの観察点から、該計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの観察点から観察したときの2つの計測位置どうしの位置の差である両眼視差に対応する応答強度を求める第1のステップと、
前記第1のステップで求められた応答強度を、前記計測点を含む計測平面と、前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される投票空間内の、前記計測点と前記両眼視差とに対応した座標に投票する第2のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について前記第1のステップと前記第2のステップを複数回実行することを特徴とする。
【0088】
ここで、上記第29の画像計測方法は、前記投票空間内の、前記投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める第3のステップを有するものであってもよい。
【0089】
また、本発明の画像計測方法のうちの第30の画像計測方法は、所定の計測空間内を観察する該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの観察点から観察したときの2つの計測位置どうしの位置の差である両眼視差に対応する応答強度を求める第2のステップと、
前記第2のステップで求められた応答強度を、前記計測点を含む計測平面と、前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される、前記第1のステップで設定されたパラメータに応じた投票空間内の、前記計測点と前記両眼視差とに対応した座標に投票する第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第3までのステップのうちの第2および第3のステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0090】
ここで、上記第30の画像計測方法は、前記投票による値が極大値となる極大点を各投票空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の視軸方向に対応する投票空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する投票空間について求められた極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める第4のステップを有するものであってもよい。
【0091】
また、本発明の画像計測方法のうちの第31の画像計測方法は、所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの観察点から観察したときの2つの計測位置どうしの位置の差である両眼視差σに対応する応答強度を求める第1のステップと、
前記第1のステップで求められた応答強度を、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される投票空間内の、前記計測点と前記両眼視差σとに対応した座標に投票する第2のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1のステップと前記第2のステップを複数回実行することを特徴とする。
【0092】
ここで、第31の画像計測方法は、前記投票空間内の、前記投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測平面との間の最短距離を指標する物理量を求める第3のステップを有するものであってもよい。
【0093】
さらに、本発明の画像計測方法のうちの第32の画像計測方法は、所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの観察点から観察したときの2つの計測位置どうしの位置の差である両眼視差に対応する応答強度を求める第2のステップと、
前記第2のステップで求められた応答強度を、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される、前記第1のステップで設定されたパラメータに応じた投票空間内の、前記計測点と前記両眼視差とに対応する座標に投票する第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第3までのステップのうちの第2および第3のステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0094】
ここで、第32の画像計測方法は、前記投票による値が極大値となる極大点を各投票空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の視軸方向に対応する投票空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する投票空間について求められた極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測平面との最短距離を指標する物理量を求める第4のステップを有するものであってもよい。
【0095】
また、本発明の画像計測方法は、以下のようにも表現される。
【0096】
(1) 画像内の任意の点の、現時刻の位置をp0、次の時刻の位置をp1、無限時間経過後の位置をpinf、そして“その点が載っている平面がカメラ中心を横切る時刻”の位置をpcとしたときに、これら四つの位置で決まる複比{pinf01c}を用いて、平面の3次元方位nsおよび平面を横切るまでの規格化時間ncを求める方法。ここで、規格化時間は、平面を横切るまでの時間tcを、現在から次の時刻までの時間差Δtで規格化した時間であり、下式で表される。
【0097】
nc=tc/Δt (a)
(2) 平面を横切るまでの規格化時間ncを次の関係式を用いて求める方法。
【0098】
nc={pinf01c} (b)
(2−1) 画像内の複数の点について“それらの点が載っている平面がカメラ中心を横切る時刻”での位置pcを極変換(あるいは双対変換)し、その結果得られる極線の交差点として平面の3次元方位nsを求める方法。
【0099】
(2−2) 規格化時間ncおよび“三つの時刻での上記の位置p0,p1,pinf”を知って、位置pcを式(b)を用いて計算する方法。この方法を、複比{pinf01c}を用いることから複比変換と言うことにする。
【0100】
(3) (1)において、画像内の各点について“その点が載っている平面がカメラ中心を横切る時刻”での位置pcを請求項2−1の複比変換を行って決定し、次にそれら位置を極変換した極線の交差点として、平面の3次元方位nsを求める方法。
【0101】
(4) (3)において、下記のステップを実行して平面の3次元方位ns0および平面を横切るまでの規格化時間nc0を求める方法。
【0102】
ステップ1:規格化時間パラメータncを任意に設定し、画像内の各点について、(2−2)の複比変換を行って位置pcを計算する。
【0103】
ステップ2:次にそれら位置を極変換して、対応する複数の極線を描く。その極線の強度は“画像内の位置p0の明るさ”とし、複数の極線が交わる場所ではそれら強度を加算した強度とする。
【0104】
ステップ3:以上のステップを規格化時間パラメータncを変えて行い、ステップ2で描かれる複数の極線が一点で交差するパラメータ値nc0を求める。そのパラメータ値として“平面を横切るまでの規格化時間nc0”が得られる。また、上記の交差点の座標として、平面の方位ns0が得られる。
【0105】
(5) (4)において、ステップ2の極線を球面上に大円として描く方法。
【0106】
(5−1) (5)における大円を、平面上の円の内部に射影して描く方法。
【0107】
(6) (4)において、ステップ2の極線を平面上に直線として描く方法。
【0108】
(7) (3),(4)において、移動方向v(すなわち、無限時間経過後の位置pinf)を知らなくても、下記のステップで平面の3次元方位nsおよび平面を横切るまでの規格化時間ncを求める方法。
【0109】
ステップ1:移動方向パラメータvを任意に設定する。
【0110】
ステップ2:そのパラメータvの方向を“無限時間経過後の位置pinf”とする。
【0111】
ステップ3:(3)あるいは(4)を実行する。
【0112】
ステップ4:以上のステップをパラメータvを変えて行い、ステップ3で描かれる極線が一点で交差するパラメータ値v0を求める。このパラメータ値が真の移動方向v0であり、その交差点の座標として、平面の方位nsおよび平面を横切るまでの規格化時間ncが求められる。
【0113】
(8) 画像内の任意の点の、現時刻の位置をp0、次の時刻の位置をp1、無限時間経過後の位置をpinf、そして“その点が載っている平面がカメラ中心を横切る時刻”での位置をpcとしたときに、式(b)の関係および式(c)の関係を用いて、平面の3次元方位nsおよび平面までの規格化最短距離nsを求める方法。ここで規格化最短距離は、平面までの最短距離dsを、現在から次の時刻までにカメラ(あるいは平面)が移動した距離Δxで規格化した距離であり、式(d)で表される。また、下式のvはカメラあるいは平面の移動方向である。
【0114】
nsnc(ns・v) (c)
ns=ds/Δx (d)
(9) (8)において、下記のステップを実行して平面の3次元方位ns0および平面までの規格化最短距離ns0を求める方法。
【0115】
ステップ1:規格化最短距離パラメータnsを任意に設定する。
【0116】
ステップ2:移動方向vと3次元方位nsとの角度rを任意に設定−−すなわち、vとnsとの内積(ns・v)をcos(r)と任意に設定−−し、式(c)を用いて規格化時間パラメータncns/cos(r)と計算する。
【0117】
ステップ3:画像内の各点について、請求項2−1の複比変換を行って位置pcを計算する。
【0118】
ステップ4:次にそれら位置を極変換した極線上で、移動方向vと角度rをなす点を求める。
【0119】
ステップ5:上記の角度rを変えながらステップ4の点を計算し、それら点群からなる曲線を描く。その曲線の強度は“画像内の位置p0の明るさ”とし、複数の曲線が交わる場所ではそれら強度を加算した強度とする。
【0120】
ステップ6:以上のステップを規格化最短距離パラメータnsを変えて行い、ステップ5で描かれる複数の曲線が一点で交差するパラメータ値ns0を求める。そのパラメータ値として“平面までの規格化最短距離ns0”が得られる。また、上記の交差点の座標として、平面の方位ns0が得られる。
【0121】
(10) (8)において、下記のステップを実行して平面の3次元方位ns0および平面までの規格化最短距離ns0を求める方法。
【0122】
ステップ1:規格化最短距離パラメータnsを任意に設定し、画像内の各点について“三つの位置p0,p1,pinfで決まる単比(pinf01)”を用いて式(e)によりパラメータRを計算する。
【0123】
R=cos-1ns/(pinf01)) (e)
ステップ2:次に“現在時刻の位置p0”を中心として、半径Rの小円を描く。その小円の強度は“画像内の位置p0の明るさ”とし、複数の小円が交わる場所ではそれら強度を加算した強度とする。
【0124】
ステップ3:以上のステップを規格化最短距離パラメータnsを変えて行い、ステップ2で描かれる複数の小円が一点で交差するパラメータ値ns0を求める。そのパラメータ値として“平面までの規格化最短距離ns0”が得られる。また、上記の交差点の座標として、平面の方位ns0が得られる。
【0125】
(11) (9)におけるステップ5の曲線、および請求項12におけるステップ2の小円を球面上に描く方法。
【0126】
(11−1) (11)における曲線あるいは小円を、平面上の円の内部に射影して描く方法。
【0127】
(12) (9)におけるステップ5の曲線、および請求項12におけるステップ2の小円を平面上に投影して描く方法。
【0128】
(13) (8),(9),(10)において、移動方向v(すなわち、無限時間経過後の位置pinf)を知らなくても、下記のステップで平面の3次元方位nsおよび平面までの規格化最短距離nsを求める方法。
【0129】
ステップ1:移動方向パラメータvを任意に設定する。
【0130】
ステップ2:そのパラメータvの方向を“無限時間経過後の位置pinf”とする。
【0131】
ステップ3:(8)あるいは(9)あるいは(10)を実行する。
【0132】
ステップ4:以上のステップをパラメータvを変えて行い、ステップ3で描かれる曲線(あるいは小円)が一点で交差するパラメータ値v0を求める。このパラメータ値が真の移動方向v0であり、その交差点の座標として、平面の方位nsおよびあるいは平面までの規格化最短距離nsが求められる。
【0133】
(14) 画像内の任意の点について、現時刻の位置をp0、次の時刻の位置をp1、無限時間経過後の位置をpinfとしたときに、これら三つの位置で決まる単比(pinf01)を用いて、カメラ中心から空間内の点の位置までの規格化距離n0を、式(f)により求める方法。ここで規格化距離は、点までの距離d0を、現在から次の時刻までにカメラ(あるいは点)が移動した距離Δxで規格化した距離であり、式(g)で表される。
【0134】
n0=(pinf01) (f)
n0=d0/Δx (g)
(15) (10)のステップ1において、“規格化した点距離n0”を用いて下式によりパラメータRを計算する方法。
【0135】
R=cos-1nsn0) (h)
(16) (1)〜(15)において、次時刻の位置の代わりに“現在の位置と次の時刻の位置との差(運動視差)”を用いる方法。
【0136】
(17) (1)〜(7)において、現時刻の位置p0、次の時刻の位置p1、そして無限時間経過後の位置pinf、移動方向v、そして平面を横切るまでの規格化時間ncを、それぞれ、右カメラ画像での位置pR、左カメラ画像での位置pL、左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis、視軸方向axis、そして“視軸方向に平面を横切るまでの規格化距離nc”に置き換えて、ステレオ画像により平面の3次元方位nsおよびそれを横切るまでの規格化距離ncを求める方法。ここで、この規格化距離は、視軸方向に平面を横切るまでの距離dcを、左右カメラ間の距離ΔxLRで規格化した距離である。ここで、右カメラと左カメラを交換してもよい。
【0137】
(18) (8)〜(13)、(15)において、現時刻の位置p0、次の時刻の位置p1、そして無限時間経過後の位置pinf、移動方向v、そして平面までの規格化最短距離nsを、それぞれ、右カメラ画像での位置pR、左カメラ画像での位置pL、左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis、視軸方向axis、そして“ステレオ画像での平面までの規格化最短距離ns,stero”に置き換えて、ステレオ画像により平面の3次元方位nsおよび平面までの規格化最短距離nsを求める方法。ここで、この規格化距離ns,steroは、平面までの最短距離dsを、左右カメラ間の距離ΔxLRで規格化した距離である。ここで、右カメラと左カメラを交換してもよい。
【0138】
(19) (14)において、現時刻の位置p0、次の時刻の位置p1、そして無限時間経過後の位置pinfを、それぞれ、右カメラ画像での位置pR、左カメラ画像での位置pL、そして“左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis”に置き換えて、ステレオ画像により“空間内の点の位置までの規格化距離n0”を求める方法。ここで、この規格化距離は、点までの距離d0を、左右カメラ間の距離ΔxLRで規格化した距離である。ここで、右カメラと左カメラを交換してもよい。
【0139】
(20) (17)〜(19)において、左カメラ画像での位置pLの代わりに“左カメラ画像位置と右カメラ画像位置との差(両眼視差)”を用いる方法。
【0140】
(21) (1)〜(20)において、平面カメラで撮影した画像を入力画像とする方法。
【0141】
(22) (1)〜(20)において、球面カメラで撮影した画像を入力画像とする方法。
【0142】
(23) 平面カメラ画像から“現在の位置と次の時刻の位置との差(運動視差)”を求め、次にその運動視差を球面上に投影して請求項30を行う方法。
【0143】
(24) 平面カメラ画像から“左カメラ画像位置と右カメラ画像位置との差(両眼視差)”を求め、次にその両眼視差を球面上に投影して請求項43を行う方法。
【0144】
(25) (21),(22),(23)のうち(3)に関する方法で計測される“平面の3次元方位ns”と“それを横切るまでの規格化時間nc”に基づいて、ロボットやホビ−用機器および自動車、飛行機などの移動機械を制御する方法。
【0145】
(26) (21),(22),(23)のうち(8)(あるいは(3))に関する方法で計測される“平面の3次元方位ns”と“平面までの規格化最短距離ns(あるいは平面を横切るまでの規格化時間nc)”に基づいて、“画像内に重なり合って見える複数物体や環境を奥行き分離”する方法。
【0146】
(27) (21),(22),(23)のうち(18)あるいは(17)に関する方法で計測される“平面の3次元方位ns”と“平面までの規格化最短距離ns(あるいは視軸方向に平面までの規格化距離nc)”に基づいて、“画像内に重なり合って見える複数物体や環境を奥行き分離”する方法。
(I)順方向法
(I−1)規格化時間
(16)のうちの(4)において、運動視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。
(I−2)規格化時間+v未知
(16)のうちの(7)かつ(4)において、運動視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。
(I−3)規格化最短距離
(16)のうちの(10)において、運動視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。
(I−4)規格化最短距離+v未知
(16)のうちの(13)かつ(10)において、運動視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。
(I−5)ステレオ+規格化距離
(20)のうちの(17)かつ(4)において、両眼視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。
(I−6)ステレオ+規格化距離+aaxis未知
(20)のうちの(17)かつ(7)かつ(4)において、両眼視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。
(I−7)ステレオ+規格化最短距離
(20)のうちの(18)かつ(10)において、両眼視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。
(I−8)ステレオ+規格化最短距離+aaxis未知
(20)のうちの(18)かつ(13)かつ(10)において、両眼視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。
(I−9)規格化最短距離
(16)のうちの(9)において、運動視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。
(I−10)規格化最短距離+v未知
(16)のうちの(13)かつ(9)において、運動視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。
(I−11)ステレオ+規格化最短距離
(20)のうちの(18)かつ(9)において、両眼視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。
(I−12)ステレオ+規格化最短距離+axis 未知
(20)のうちの(18)かつ(13)かつ(9)において、両眼視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。
(II)逆方向法
(II−1)規格化時間
ステップ1:現時刻での、画像内の任意画素 i0 の番号iを考える。
【0147】
ステップ2:また、3自由度配列(平面の方位ベクトルns の2自由度、規格化時間 nc のl自由度)内の任意要素(nsjncj)の番号jを考える。
【0148】
ステップ3:それら番号iとjに対応する“画素 i0 での運動視差ijτ”を計算する。
【0149】
ステップ4:運動視差を検出する方法(あるいは、装置)により、上記運動視差ijτでの応答強度を入力画像から計算する。
【0150】
ステップ5:その応答強度を、3自由度配列内の要素(nsjncj)に投票する。
【0151】
ステップ6:以上を所定範囲の画素iおよび画素jについて繰り返す。
【0152】
以上で投票された3自由度配列の中で極大応答をする要素を検出して、そのアドレス(ns0nc0)から“平面の方位と規格時間”を検出できる。
(II−2)規格時間+v未知
(II−1)において、移動方向V(すなわち、無限時間経過後の位置pinf )を知らなくても、下記のステップで平面の3次元方位ns および平面を横切るまでの規格化時間 nc を求める方法。
【0153】
ステップ1:移動方向パラメータvを任意に設定する。
【0154】
ステップ2:(II−1)を実行する。
【0155】
ステップ3:以上のステップをパラメータvを変えて行う。
【0156】
以上で投票された3自由度配列の中で、最大の応答をするパラメータ値V0 を求めると、そのパラメータ値として真の移動方向V0 を検出できる。また、3自由度配列(ステップ2)の中で極大の応答するアドレス(ns0nc0)から“平面の方位と規格化時間”を検出できる。
(II−3)規格化最短距離
ステップ1:現時刻での、画像内の任意画素 i0 の番号iを考える。
【0157】
ステップ2:また、3自由度配列(平面の方位ベクトルns の2自由度、規格化最短距離 ns のl自由度)内の任意要素(nsjnsj)の番号jを考える。
【0158】
ステップ3:それら番号iとjに対応する“画素 i0 での運動視差ijτ”を計算する。
【0159】
ステップ4:運動視差を検出する方法(あるいは、装置)により、上記運動視差ijτでの応答強度を入力画像から計算する。
【0160】
ステップ5:その応答強度を、3自由度配列内の要素(nsjnsj)に投票する。
【0161】
ステップ6:以上を所定範囲の画素iおよび画素jについて繰り返す。
【0162】
以上で投票された3自由度配列の中で極大応答をする要素を検出して、そのアドレス(ns0ns0)から“平面の方位と規格化最短距離”を検出できる。
(II−4)規格化最短距離+v未知
(II−3)において、移動方向v(すなわち、無限時間経過後の位置pinf )を知らなくても、下記のステップで平面の3次元方位ns および規格化最短距離 ns を求める方法。
【0163】
ステップ1:移動方向パラメータvを任意に設定する。
【0164】
ステップ2:(II−3)を実行する。
【0165】
ステップ3:以上のステップをパラメータvを変えて行う。
【0166】
以上で投票された3自由度配列の中で、最大の応答をするパラメータ値v0 を求めると、そのパラメータ値として真の移動方向v0 を検出できる。また、3自由度配列(ステップ2)の中で極大の応答するアドレス(ns0ns0)から“平面の方位と規格化最短距離”を検出できる。
(II−5)ステレオ+規格化距離
ステップ1:右カメラ画像内の任意画素 iR の番号iを考える。
【0167】
ステップ2:また、3自由度配列(平面の方位ベクトルns の2自由度、規格化距離 nc の1自由度)内の任意要素(nsjncj)の番号jを考える。
【0168】
ステップ3:それら番号iとjに対応する“画素 iR での両眼視差ijσ”を計算する。
【0169】
ステップ4:両眼視差を検出する方法(あるいは、装置)により、上記両眼視差ijσでの応答強度を入力画像から計算する。
【0170】
ステップ5:その応答強度を、3自由度配列内の要素(nsjncj)に投票する。
【0171】
ステップ6:以上を所定範囲の画素iおよび要素jについて繰り返す。
【0172】
以上で投票された3自由度配列の中で極大応答をする要素を検出して、そのアドレス(ns0nc0)から“平面の方位と規格化距離”を検出できる。
(II−6)ステレオ+規格化距離+axis未知
(II−5)において、視軸方向axis(すなわち、左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis)を知らなくても、下記のステップで平面の3次元方位ns および規格化距離 nc を求める方法。
【0173】
ステップ1:視軸方向パラメータaxisを任意に設定する。
【0174】
ステップ2:(II−5)を実行する。
【0175】
ステップ3:以上のステップをパラメータaxisを変えて行う。
【0176】
以上で投票された3自由度配列の中で、最大の応答をするパラメータ値axis0を求めると、そのパラメータ値として真の視軸方向axis0 を検出できる。また、3自由度配列(ステップ2)の中で極大の応答するアドレス(ns0nc0)から“平面の方位と規格化距離”を検出できる。
(II−7)ステレオ+規格化最短距離
ステップ1:右カメラ画像内の任意画素 iR の番号iを考える。
【0177】
ステップ2:また、3自由度配列(平面の方位ベクトルns の2自由度、規格化最短距離 ns の1自由度)内の任意要素(nsjnsj)の番号jを考える。
【0178】
ステップ3:それら番号iとjに対応する“画素 iR での両眼視差ijσを計算する。
【0179】
ステップ4:両眼視差を検出する方法(あるいは、装置)により上記両眼視差ijσでの応答強度を入力画像から計算する。
【0180】
ステップ5:その応答強度を、3自由度配列内の要素(nsjnsj)に投票する。
【0181】
ステップ6:以上を所定範囲の画素iおよび要素jについて繰り返す。
【0182】
以上で投票された3自由度配列の中で極大応答をする要素を検出して、そのアドレス(ns0ns0)から“平面の方位と規格化最短距離”を検出できる。
(II−8)ステレオ+規格化最短距離+axis未知
(II−7)において、視軸方向axis (すなわち、左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis)を知らなくても、下記のステップで平面の3次元方位ns および規格化最短距離 ns を求める方法。
【0183】
ステップ1:視軸方向パラメータaxis を任意に設定する。
【0184】
ステップ2:(II−7)を実行する。
【0185】
ステップ3:以上のステップをパラメータaxis を変えて行う。
【0186】
以上で投票された3自由度配列の中で、最大の応答をするパラメータ値axis0を求めると、そのパラメータ値として真の視軸方向axis0を検出できる。また、3自由度配列(ステップ2)の中で極大の応答するアドレス(ns0ns0)から“平面の方位と規格化最短距離”を検出できる。
(III)複合法
(III−1)規格化時間
ステップ1:現時刻での、画像内の任意の画素 i0 の番号iを考える。
【0187】
ステップ2:任意の運動視差 kτの番号kを考える。
【0188】
ステップ3:それら番号iとkに対応する“3自由度配列(平面の方位ベクトルns の2自由度、規格化時間 nc の1自由度)内の要素群{(nsjncj)}”を決定する。
【0189】
ステップ4:運動視差を検出する方法(あるいは、装置)により、上記運動視差 kτでの応答強度を入力画像から計算する。
【0190】
ステップ5:その応答強度を、上記の要素群{(nsjncj)}に投票する。
【0191】
ステップ6:以上を所定範囲のiおよびkについて繰り返す。
【0192】
以上で投票された3自由度配列の中で極大応答をする要素を検出して、そのアドレス(ns0nc0)から“平面の方位と規格化時間”を検出できる。
(III−2)規格化時間+v未知
(III−1)において、移動方向v(すなわち無限時間経過後の位置pinf )を知らなくても、下記のステップで平面の3次元方位ns および平面を横切るまでの規格化時間 nc を求める方法。
【0193】
ステップ1:移動方向パラメータvを任意に設定する。
【0194】
ステップ2:(III−1)を実行する。
【0195】
ステップ3:以上のステップをパラメータvを変えて行う。
【0196】
以上で投票された3自由度配列の中で、最大の応答をするパラメータ値v0 を求めると、そのパラメータ値として真の移動方向v0 を検出できる。また、3自由度配列(ステップ2)の中で極大の応答するアドレス(ns0nc0)から“平面の方位と規格化時間”を検出できる。
(III−3)規格化最短距離
ステップ1:現時刻での、画像内の任意の画素 i0 の番号iを考える。
【0197】
ステップ2:任意の運動視差 kτの番号kを考える。
【0198】
ステップ3:それら番号iとkに対応する“3自由度配列(平面の方位ベクトルns の2自由度、規格化最短距離 ns の1自由度)内の要素群{(nsjnsj)}”を決定する。
【0199】
ステップ4:運動視差を検出する方法(あるいは、装置)により、上記運動視差 kτでの応答強度を入力画像から計算する。
【0200】
ステップ5:その応答強度を、上記の要素群{(nsjnsj)}に投票する。
【0201】
ステップ6:以上を所定範囲のiおよびkについて繰り返す。
【0202】
以上で投票された3自由度配列の中で極大応答をする要素を検出して、そのアドレス(ns0ns0)から“平面の方位と規格化最短距離”を検出できる。
(III−4)規格化最短距離+v未知
(III−3)において、移動方向v(すなわち、無限時間経過後の位置pinf )を知らなくても、下記のステップで平面の3次元方位ns および規格化最短距離 ns を求める方法。
【0203】
ステップ1:移動方向パラメータvを任意に設定する。
【0204】
ステップ2:(III−2)を実行する。
【0205】
ステップ3:以上のステップをパラメータvを変えて行う。
【0206】
以上で投票された3自由度配列の中で、最大の応答をするパラメータ値v0 を求めると、そのパラメータ値として真の移動方向v0 を検出できる。また、3自由度配列(ステップ2)の中で極大の応答するアドレス(ns0ns0)から“平面の方位と規格化最短距離”を検出できる。
(III−5)ステレオ+規格化距離
ステップ1:右カメラ画像内の任意画素 iR の番号iを考える。
【0207】
ステップ2:任意の両眼視差 kσの番号kを考える。
【0208】
ステップ3:それら番号iとkに対応する“3自由度配列(平面の方位ベクトルns の2自由度、規格化距離 nc の1自由度)内の要素群{(nsjncj)}”を決定する。
【0209】
ステップ4:両眼視差を検出する方法(あるいは、装置)により、上記両眼視差 kσでの応答強度を入力画像から計算する。
【0210】
ステップ5:その応答強度を、上記の要素群{(nsjncj)}に投票する。
【0211】
ステップ6:以上を所定範囲のiおよびkについて繰り返す。
【0212】
以上で投票された3自由度配列の中で極大応答をする要素を検出して、そのアドレス(ns0nc0)から“平面の方位と規格化距離”を検出できる。
(III−6)ステレオ+規格化距離+aaxis未知
(III−5)において、視軸方向axis (すなわち、左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis)を知らなくても、下記のステップで平面の3次元方位ns および規格化距離 nc を求める方法。
【0213】
ステップ1:視軸方向パラメータaxis を任意に設定する。
【0214】
ステップ2:(III−5)を実行する。
【0215】
ステップ3:以上のステップをパラメータaxis を変えて行う。
【0216】
以上で投票された3自由度配列の中で、最大の応答をするパラメータ値axis0を求めると、そのパラメータ値として真の視軸方向axis00 を検出できる。また、3自由度配列(ステップ2)の中で極大の応答するアドレス(ns0nc0)から“平面の方位と規格化距離”を検出できる。
(III−7)ステレオ+規格化最短距離
ステップ1:右カメラ画像内の任意画素 ik の番号iを考える。
【0217】
ステップ2:任意の両眼視差 kσの番号kを考える。
【0218】
ステップ3:それら番号iとkに対応する“3自由度配列(平面の方位ベクトルns の2自由度、規格化最短距離 ns の1自由度)内の要素群{(nsjnsj)}を決定する。
【0219】
ステップ4:両眼視差を検出する方法(あるいは、装置)により、上記両眼視差 kσでの応答強度を入力画像から計算する。
【0220】
ステップ5:その応答強度を、上記の要素群{(nsjnsj)}に投票する。
【0221】
ステップ6:以上を所定範囲のiおよびkについて繰り返す。
【0222】
以上で投票された3自由度配列の中で極大応答をする要素を検出して、そのアドレス(ns0ns0)から“平面の方位と規格化最短距離”を検出できる。
(III−8)ステレオ+規格化最短距離+aaxis未知
(III−7)において、視軸方向axis (すなわち、左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis)を知らなくても、下記のステップで平面の3次元方位ns および規格化最短距離 ns を求める方法。
【0223】
ステップ1:視軸方向パラメータaxis を任意に設定する。
【0224】
ステップ2:(III−7)を実行する。
【0225】
ステップ3:以上のステップをパラメータaxis を変えて行う。
【0226】
以上で投票された3自由度配列の中で、最大の応答をするパラメータ値axis0を求めると、そのパラメータ値として真の視軸方向axis0を検出できる。また、3自由度配列(ステップ2)の中で極大の応答するアドレス(ns0ns0)から“平面の方位と規格化最短距離”を検出できる。
(IV)一般化
(IV−1)規格化時間
3自由度配列(平面の方位ベクトルns の2自由度、規格化時間 nc の1自由度)に、運動視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。その配列の中で極大応答をする要素を検出することにより、そのアドレス(ns0nc0)から“平面の方位と規格化時間”を検出できる。
【0227】
尚、本発明の全てにおいて、“視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する”は、“入力画像の輝度に関連する量を投票する”でもよい。また、“視差を検出する方法(あるいは、装置)”は、“画像内の速度を検出する方法(あるいは、装置)”でもよい。
(IV−2)規格化時間+v未知
ステップ1:移動方向パラメータvを任意に設定する。
【0228】
ステップ2:(IV−1)を実行する。
【0229】
ステップ3:以上のステップをパラメータvを変えて行う。
【0230】
以上で投票された3自由度配列の中で、最大の応答をするパラメータ値v0 を求めると、そのパラメータ値として真の移動方向v0 を検出できる。また、3自由度配列(ステップ2)の中で極大の応答するアドレス(ns0nc0)から“平面の方位と規格化時間”を検出できる。
(IV−3)規格化最短距離
3自由度配列(平面の方位ベクトルns の2自由度、規格化最短距離 ns の1自由度)に、運動視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。その配列の中で極大応答をする要素を検出することにより、そのアドレス(ns0ns0)から“平面の方位と規格化最短距離”を検出できる。
(IV−4)規格化最短距離+v未知
ステップ1:移動方向パラメータvを任意に設定する。
【0231】
ステップ2:(IV−3)を実行する。
【0232】
ステップ3:以上のステップをパラメータvを変えて行う。
【0233】
以上で投票された3自由度配列の中で、最大の応答をするパラメータ値v0 を求めると、そのパラメータ値として真の移動方向v0 を検出できる。また、3自由度配列(ステップ2)の中で極大の応答するアドレス(ns0ns0)から“平面の方位と規格化最短距離”を検出できる。
(IV−5)ステレオ+規格化距離
3自由度配列(平面の方位ベクトルns の2自由度、規格化距離 nc の1自由度)に、両眼視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。その配列の中で極大応答をする要素を検出することにより、そのアドレス(ns0nc0)から“平面の方位と規格化距離”を検出できる。
(IV−6)ステレオ+規格化距離+axis 未知
ステップ1:視軸方向パラメータaxis を任意に設定する。
【0234】
ステップ2:(IV−5)を実行する。
【0235】
ステップ3:以上のステップをパラメータaxis を変えて行う。
【0236】
以上で投票された3自由度配列の中で、最大の応答をするパラメータ値axis0を求めると、そのパラメータ値として真の視軸方向axis0を検出できる。また、3自由度配列(ステップ2)の中で極大の応答するアドレス(ns0nc0)から“平面の方位と規格化距離”を検出できる。
(IV−7)ステレオ+規格化最短距離
3自由度配列(平面の方位ベクトルns の2自由度、規格化最短距離 ns の1自由度)に、両眼視差を検出する方法(あるいは、装置)により得られる応答強度を投票する方法。その配列の中で極大応答をする要素を検出することにより、そのアドレス(ns0ns0)から“平面の方位と規格化最短距離”を検出できる。
(IV−8)ステレオ+規格化最短距離+axis 未知
ステップ1:視軸方向パラメータaxis を任意に設定する。
【0237】
ステップ2:(IV−7)を実行する。
【0238】
ステップ3:以上のステップをパラメータaxis を変えて行う。
【0239】
以上で投票された3自由度配列の中で、最大の応答をするパラメータ値axis0を求めると、そのパラメータ値として真の視軸方向axis0を検出できる。また、3自由度配列(ステップ2)の中で極大の応答するアドレス(ns0ns0)から“平面の方位と規格化最短距離”を検出できる。
【0240】
また、本発明の画像計測装置のうちの第1の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinf、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をpcとしたとき、
前記計測点の4つの位置pinf,p0,p1,pcで決まる複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める演算部を備えたことを特徴とする。
【0241】
ここで、上記第1の画像計測装置において、前記演算部において実行される、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1に代えて、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τとを用いる演算が包含されるものである。
【0242】
上記第1の画像計測装置において、前記演算部が、前記重畳時刻を指標する物理量として、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻と前記重畳時刻との間の時間をtc、前記2つの計測時刻どうしの間の時間をΔtとしたときの、
nc=tc/Δt
であらわされる規格化時間ncを採用し、該規格化時間ncを、
nc={pinf01c
の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めるものであってもよい。
【0243】
また、上記第1の画像計測装置において、前記演算部が、
前記重畳時刻を指標する物理量をパラメータとして該パラメータの値を変更するパラメータ変更部と、
前記パラメータ変更部で設定された、前記重畳時刻を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τと、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとから、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求める複比変換部と、
前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求める極変換部と、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部および前記複比変換部における各演算が、前記パラメータの値を前記パラメータ設定部で変更されながら複数回繰り返される間に求められた複数の極線を極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める検出部とを備えたものであってもよい。
【0244】
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記極変換部が、前記極線を求めるとともに、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するものであり、前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記複比変換部および前記極変換部における各演算が、前記パラメータの値が前記パラメータ変更部で変更しながら複数回繰り返される間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるものであることが好ましい。
【0245】
また、上記の第1画像計測装置において、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記演算部が、前記計測点の前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第2のパラメータとして該第2のパラメータの値を変更する第2のパラメータ変更部を備え、
前記複比変換部が、前記パラメータ変更部で設定された、前記重畳時刻を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第2のパラメータ変更部で設定された前記運動視差τと、該計測点の前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとから、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求めるものであり、
前記極変換部が、前記計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するものであって、
前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部および極変換部における各演算を前記パラメータ変更部および前記第2のパラメータ変更部において各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるものであることも好ましい態様である。
【0246】
また、上記第1の画像計測装置において、前記演算部が、
前記移動方向vを第1のパラメータとして該第1のパラメータの値を変更することにより前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfを変更する第1のパラメータ変更部と、
前記重畳時刻を指標する物理量を第2のパラメータとして該第2のパラメータの値を変更する第2のパラメータ変更部と、
前記第1のパラメータ変更部で設定された位置pinfと、前記第2のパラメータ変更部で設定された、前記重畳時刻を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τとから、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求める複比変換部と、
前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求める極変換部と、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部および前記極変換部における各演算が、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値がそれぞれ前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータ変更部で変更されながら複数回繰り返される間に求められた複数の極線を前記第1のパラメータの値に応じた複数の極線描画空間のうちのそれぞれ対応する極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を各極線描画空間ごとに求め該交差点で交わる極線の本数の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する極線描画空間について求められた交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める検出部とを備えたものであることが好ましく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記極変換部が、前記極線を求めるとともに、求められた極線を該極線に対応する極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するものであり、前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記複比変換部および前記極変換部における各演算が、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値が順次変更されながら複数回繰り返される間の投票による値が極大値となる極大点を各極線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する極線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に交わる重畳時刻を指標する物理量を求めるものであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記演算部が、前記計測点の前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第3のパラメータとして該第3のパラメータの値を変更する第3のパラメータ変更部を備え、
前記複比変換部が、前記第1のパラメータ変更部で設定された位置pinfと、前記第2のパラメータ変更部で設定された、前記重畳時刻を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第3のパラメータ変更部で設定された前記運動視差τとを用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求めるものであり、
前記極変換部が、前記計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するものであって、
前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部および前記極変換部における各演算を前記第1、第2、および第3のパラメータ変更部において各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各極線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する極線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるものであることも好ましい態様である。
【0247】
また、上記本発明の画像計測装置のうちの第2の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向をv、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinf、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をpc、前記計測平面の方位をnsとしたとき、
前記計測点の4つの位置pinf,p0,p1,pcで決まる複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算と、前記計測平面の方位nsと前記移動方向vとの内積(ns・v)とを用いて、前記計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める演算部を備えたことを特徴とする。
【0248】
ここで、上記第2の画像計測装置において、前記演算部において実行される、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1に代えて、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τとを用いる演算が包含されるものである。
【0249】
上記第2の画像計測装置は、前記演算部が、前記最短距離を指標とする物理量として、前記観察点と、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面との間の最短距離をds、前記2つの計測時刻のうちの前記一方の計測時刻と前記重量時刻との間の時間をtc、前記2つの計測時刻どうしの間の前記計測点の、前記観察点に対する相対的な移動距離をΔx、前記2つの計測時刻どうしの間の時間をΔtとしたときの、
ns=ds/Δx
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、該規格化最短距離nsを、
nc=tc/Δt
であらわされる規格化時間ncと前記内積(ns・v)とを用いた、
nsnc(ns・v)
の関係式を用いて求めるものであってもよい。
【0250】
また、上記第2の画像計測装置において、前記演算部が、
前記最短距離を指標する物理量を第1のパラメータとして該第1のパラメータの値を変更する第1のパラメータ変更部と、
前記内積(ns・v)を第2のパラメータとして該第2のパラメータの値を変更する第2のパラメータ変更部と、
前記第1のパラメータ変更部で設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第2のパラメータ変更部で設定された内積(ns・v)と、前記計測点の前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τと、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとから、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求める複比変換部と、
前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求める極変換部と、
前記極線上の点であって、かつ前記移動方向vと角度
r=cos-1(ns・v)
を成す点を求める点演算部とを備えるとともに、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算が、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値がそれぞれ前記第1のパラメータ変更部および前記第2のパラメータ変更部で変更されながら複数回繰り返されることにより、前記点演算部における、1つの計測点に関する、前記第1のパラメータの値が同一であって、かつ前記第2のパラメータの値がそれぞれ異なる複数回の演算により求められる複数の点を結ぶ曲線が、前記第1のパラメータの各値ごとに前記複数の計測点について求められた後に演算を実行する、
前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算が複数回繰り返される間に求められた複数の曲線を曲線描画空間に描画したときの曲線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める検出部を備えたものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記点演算部が、前記点を求めるとともに、該点に対応する計測点の強度に対応する値を該点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するものであり、前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算が複数回繰り返される間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めるものであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記演算部が、前記計測点の前記2つの計測時間における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第3のパラメータとして該第3のパラメータを変更する第3のパラメータ変更部を備え、
前記複比変換部が、前記第1のパラメータ変更部で設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第2のパラメータ変更部で設定された内積(ns・v)と、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第3のパラメータで設定された前記運動視差τと、該計測点の、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとを用いて、該計測点の、前記重畳時刻における位置pcを求めるものであり、
前記演算部が、前記計測点に対応する極線上の前記点を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、該極線上の前記点に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を、該極線上の前記点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するものであって、
前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部、前記極変換部、および前記演算部における各演算を前記第1、第2、および第3のパラメータ変更部において各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めるものであることも好ましい態様である。
【0251】
また、上記第2の画像計測装置において、前記演算部が、
前記移動方向vを第1のパラメータとして該第1のパラメータの値を変更することにより前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfを変更する第1のパラメータ変更部と、
前記最短距離を指標する物理量を第2のパラメータとして該第2のパラメータの値を変更する第2のパラメータ変更部と、
前記内積(ns・v)を第3のパラメータとして該第3のパラメータの値を変更する第3のパラメータ変更部と、
前記第1のパラメータ演算部で設定された、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、前記第2のパラメータ演算部で設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第3のパラメータ演算部で設定された内積(ns・v)と、前記計測点の前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τとから、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求める複比変換部と、
前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求める極変換部と、
前記極線上の点であって、かつ前記移動方向vと角度
r=cos-1(ns・v)
を成す点を求める点演算部とを備えるとともに、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算が、前記第1から第3までのパラメータの各値がそれぞれ前記第1から第3までの各パラメータ変更部で変更されながら複数回繰り返されることにより、前記点演算部における、1つの計測点に関する、前記第1のパラメータの値が同一であるとともに前記第2のパラメータの値が同一であって、かつ前記第3のパラメータの値がそれぞれ異なる複数回の演算により求められる複数の点を結ぶ曲線が、前記第1のパラメータの各値と前記第2のパラメータの各値との各組合せごとに前記複数の計測点について求められた後に演算を実行する、
前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算が複数回繰り返される間に求められた複数の曲線を前記第1のパラメータの値に応じた複数の曲線描画空間のうちのそれぞれ対応する曲線描画空間に描画したときの曲線どうしの交差点を各曲線描画空間ごとに求め該交差点で交わる曲線の本数の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する曲線描画空間について求められた交差点で交わる複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める検出部を備えたものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記点演算部が、前記点を求めるとともに、該点に対応する計測点の強度に対応する値を該点に対応する、該点を含む曲線が描かれる曲線描画空間内の点に投票するものであり、前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算が複数回繰り返される間の投票による値が極大値となる極大点を各曲線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する曲線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時間のうちの一方の計測時間における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めるものであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記演算部が、前記計測点の前記2つの計測時間における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第4のパラメータとして該第4のパラメータの値を変更する第4のパラメータ変更部を備え、
前記複比変換部が、前記第1のパラメータ変更部で設定された、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、前記第2のパラメータ変更部で設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第3のパラメータ変更部で設定された内積(ns・v)と、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第4のパラメータ変更部で設定された前記運動視差τとを用いて、該計測点の、前記重畳時刻における位置pcを求めるものであり、
前記点演算部が、前記計測点に対応する極線上の前記点を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、該極線上の前記点に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を、該極線上の前記点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するものであって、
前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部、前記極変換部、および前記演算部における各演算を前記第1、第2、第3、および第4のパラメータ変更部において各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各曲線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する曲線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0252】
また、本発明の画像計測装置のうち第3の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向をv、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinfとしたとき、
前記計測点の3つの位置pinf,p0,p1で決まる単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める演算部を備えたことを特徴とする。
【0253】
ここで、上記第3の画像計測装置の、前記演算部において実行される、前記単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1に代えて、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τとを用いる演算が包含されるものである。
【0254】
上記第3の画像計測装置は、前記演算部が、前記計測点の各位置pinf,p0,p1として球面上に写影された各位置を採用すると共に、前記最短距離を指標する物理量として、前記観察点と前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面との間の最短距離をds、2つの計測時刻どうしの間の前記計測点の、前記観察点に対する相対的な移動距離をΔxとしたときの、
ns=ds/Δx
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、
前記規格化最短距離nsをパラメータとして該パラメータを変更するパラメータ変更部と、
前記パラメータ変更部で設定された規格化最短距離nsと、単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算とを用いて、
R=cos-1ns/(pinf01))
なる関係式あるいは該関係式と等価な関係式で規定される半径Rを求めるパラメータ演算部と、
前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測点の計測位置を中心とした半径Rの小円を求める小円演算部と、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記パラメータ演算部および前記小円演算部における各演算が、前記パラメータが前記パラメータ変更部で変更されながら複数回繰り返される間に求められた複数の小円どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の小円を小円描画空間に描画したときの小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求める検出部とを備えたものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記小円演算部が、前記小円を求めるとともに、求められた小円を小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の強度に対応する値を投票するものであり、前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記パラメータ演算部および前記小円演算部における各演算が複数回繰り返される間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記演算部が、前記計測点の前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第2のパラメータとして該第2のパラメータの値を変更する第2のパラメータ変更部を備え、
前記パラメータ演算部が、前記パラメータ変更部で設定された規格化最短距離nsと、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、該計測点の前記2つの計測時間のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第2のパラメータ変更部で設定された前記運動視差τとを用いて、前記半径Rを求めるものであり、
前記小円変換部が、前記計測点に対応する前記小円を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた小円を小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するものであり、
前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記計測空間内の複数の計測点について、前記パラメータ演算部と前記小円変換部における各演算を、前記パラメータ変更部および前記第2のパラメータ変更部で各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるものであることも好ましい態様である。
【0255】
また、上記第3の画像計測装置は、前記演算部が、前記計測点の各位置pinf,p0,p1として球面上に写影された各位置を採用すると共に、前記最短距離を指標する物理量として、前記観察点と前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面との間の最短距離をds、2つの計測時刻どうしの間の前記計測点の、前記観察点に対する相対的な移動距離をΔxとしたときの、
ns=ds/Δx
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、
前記移動方向vを第1のパラメータとして該第1のパラメータの値を変更することにより前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfを変更する第1のパラメータ変更部と、
前記規格化最短距離nsを第2のパラメータとして該第2のパラメータの値を変更する第2のパラメータ変更部と、
前記第1のパラメータ変更部で設定された、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、前記第2のパラメータ変更部で設定された規格化最短距離nsと、単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算とを用いて、
R=cos-1ns/(pinf01))
なる関係式あるいは該関係式と等価な関係式で規定される半径Rを求めるパラメータ演算部と、
前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測点の計測位置を中心とした半径Rの小円を求める小円演算部と、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記パラメータ演算部および前記小演算部における各演算が、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のパラメータ変更部および前記第2のパラメータ変更部で変更しながら複数回繰り返される間に求められた複数の小円を前記第1のパラメータの値に応じた複数の小円描画空間のうちのそれぞれ対応する小円描画空間に描画したときの小円どうしの交差点を各小円描画空間ごとに求め該交差点で交わる小円の本数の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する小円描画空間について求められた交差点で交わる複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求める検出部とを備えたものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記小円演算部が、前記小円を求めるとともに、求められた小円を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の強度に対応する値を投票するものであり、前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記パラメータ演算部および前記小円演算部における各演算が繰り返される間の投票による値が極大値となる極大点を各小円描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する小円描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるものであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記演算部が、前記計測点の前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第3のパラメータとして該第3のパラメータの値を変更する第3のパラメータ変更部を備え、
前記パラメータ変更部が、前記第1のパラメータ変更部で設定された、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、前記第2のパラメータ変更部で設定された規格化最短距離nsと、該計測点の前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第3のパラメータ変更部で設定された前記運動視差τとを用いて、前記半径Rを求めるステップであり、
前記小円演算部が、前記計測点に対応する前記小円を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた小円を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するものであり、
前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記計測空間内の複数の計測点について、前記パラメータ演算部および前記小円演算部における各演算を、前記第1、第2および第3のパラメータ変更部で各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各小円描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する小円描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるものであることも好ましい形態である。
【0256】
さらに、本発明の画像計測装置のうちの第4の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinfとしたとき、
前記計測点の3つの位置pinf,p0,p1で決まる単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算を用いて、前記観察点と、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測点との間の距離を指標する物理量を求める演算部を備えたことを特徴とする。
【0257】
ここで、上記第4の画像計測装置の、前記演算部において実行される、前記単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1に代えて、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τとを用いる演算が包含されるものである。
【0258】
上記第4の画像計測装置は、前記演算部が、前記距離を指標する物理量として、前記観察点と前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測点との間の距離をd0、前記2つの計測時刻どうしの間の前記計測点の、前記観察点に対する移動距離をΔxとしたときの、
n0=d0/Δx
であらわされる規格化距離n0を採用し、該規格化距離n0を、
n0=(pinf01
の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めるものであってもよい。
【0259】
また、本発明の画像計測装置のうちの第5の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標をパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、該計測点の、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfと、前記パラメータ設定部で設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを求める運動視差演算部と、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記パラメータ設定部で設定された座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記運動視差演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記パラメータ設定部でパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0260】
また、本発明の画像計測装置のうちの第6の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記計測点の、該移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の該計測点の位置pinfを設定する第1のパラメータ設定部と、
前記移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を第2のパラメータとして設定する第2のパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第1のパラメータ設定部で設定された位置pinfと、前記第2のパラメータ設定部で設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを求める運動視差演算部と、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第2のパラメータ設定部で設定された座標に投票する第5の投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記運動視差演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記第1および第2のパラメータ設定部で各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0261】
また、本発明の画像計測装置のうちの第7の画像計測装置は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の観察点と、該観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含む、相互に異なる2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標をパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、該計測点の、該2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfと、前記パラメータ設定部で設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを求める運動視差演算部と、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記パラメータ設定部で設定された座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の前記運動視差演算部、前記応答強度演算部、および投票部における各処理を、前記パラメータ設定部でパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0262】
さらに、本発明の画像計測装置のうちの第8の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記計測点の、該移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の該計測点の位置pinfを設定する第1のパラメータ設定部と、
前記観測点から、前記計測点を含む、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を第2のパラメータとして設定する第2のパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第1のパラメータ設定部で設定された位置pinfと、前記第2のパラメータ設定部で設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを求める運動視差演算部と、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第2のパラメータ設定部で設定された座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記運動視差演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記第1および第2のパラメータ設定部で各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0263】
また、本発明の画像計測装置のうちの第9の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τをパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、該計測点の、前記2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、該計測点の無限時間経過後の位置pinfと、前記パラメータ設定部で設定された運動視差τとから、前記移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標を求める座標演算部と、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第1のステップで設定された運動視差τに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記座標演算部で求められた座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記座標演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における処理を、前記パラメータ設定部でパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0264】
また、本発明の画像計測装置のうちの第10の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記計測点の、該移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の該計測点の位置pinfを設定する第1のパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τを第2のパラメータとして設定する第2のパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第1のパラメータ設定部で設定された位置pinfと、前記第2のパラメータ設定部で設定された運動視差τとから、前記移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を求める座標演算部と、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第2のステップで設定された運動視差τに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記座標演算部で求められた座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記座標演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記第1および第2のパラメータ設定部で各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0265】
また、本発明の画像計測装置のうちの第11の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τをパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における、計測位置p0と、該計測点の、前記2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、該計測点の無限時間経過後の位置pinfと、前記パラメータ設定部で設定された運動視差τとに基づいて、前記観察点から、前記計測点を含む、2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標を求める座標演算部と、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第1のステップで設定された運動視差τに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記座標演算部で求められた座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記座標演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記パラメータ設定部でパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0266】
さらに、本発明の画像計測装置のうちの第12の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記計測点の、該移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の該計測点の位置pinfを設定する第1のパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを第2のパラメータとして設定する第2のパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第1のパラメータ設定部で設定された位置pinfと、前記第2のパラメータ設定部で設定された運動視差τとに基づいて、前記観察点から、前記計測点を含む、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を求める座標演算部と、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第2のパラメータ設定部で設定された運動視差τに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記座標演算部で求められた座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記座標演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記第1および第2のパラメータ設定部で各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0267】
また、本発明の画像計測装置のうちの第13の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から、該計測空間内を、相互に異なる2つの計測時刻において眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの計測時刻における2つの計測位置どうしの位置の差である運動視差に対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記計測点の、前記2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される投票空間内の、前記計測点と前記運動視差とに対応した座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について前記応答強度演算部および前記投票部における各処理を複数回実行することを特徴とする。
【0268】
ここで、上記第13の画像計測装置は、前記投票空間内の、前記投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める検出部を備えたものであってもよい。
【0269】
また、本発明の画像計測装置のうちの第14の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向をパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記観察点から、前記計測空間内を前記2つの計測時刻において眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、該2つの計測時刻における2つの計測位置どうしの位置の差である運動視差に対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記計測点の、前記2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される、前記第1のステップで設定されたパラメータに応じた投票空間内の、前記計測点と前記運動視差とに対応した座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記応答強度演算部および前記投票部における各処理を、前記パラメータ設定部でパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0270】
ここで、上記第14の画像計測装置は、前記投票による値が極大値となる極大点を各投票空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する投票空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する投票空間について求められた極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める検出部を備えたものであってもよい。
【0271】
また、本発明の画像計測装置のうちの第15の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を相互に異なる2つの計測時刻において眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの計測時刻における2つの計測位置どうしの位置の差である運動視差に対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記観察点から、前記計測点を含む、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される投票空間内の、前記計測点と前記運動視差とに対応した座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記応答強度演算部および前記投票部における各処理を複数回実行することを特徴とする。
【0272】
ここで、上記第15の画像計測装置は、前記投票空間内の、前記投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める検出部を備えたものであってもよい。
【0273】
さらに、本発明の画像計測装置のうちの第16の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向をパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記観察点から前記計測空間内を前記2つの計測時刻において眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、該2つの計測時刻における2つの計測位置どうしの位置の差である運動視差に対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記観察点から、前記計測点を含む、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される、前記第1のステップで設定されたパラメータに応じた投票空間内の、前記計測点と前記運動視差とに対応した座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記応答強度演算部および前記投票部における各処理を、前記パラメータ設定部でパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0274】
ここで、第16の画像計測装置は、前記投票による値が極大値となる極大点を各投票空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する投票空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する投票空間について求められた極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める検出部を備えたものであってもよい。
【0275】
また、本発明の画像計測装置のうちの第17の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置をそれぞれpR,pL、前記計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vと同一の方向に延びる直線上の無限遠点の位置をpaxis、前記2つの観察点のうちの一方の観察点を含み、前記計測点を含む計測平面と平行に広がる観察平面上の、前記直線との交点の位置をpcとしたとき、
前記4つの位置paxis,pR,pL,pcで決まる複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める演算部を備えたことを特徴とする。
【0276】
ここで、上記第17の画像計測装置において、前記演算部において実行される、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLに代えて、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σとを用いる演算が包含されるものである。
【0277】
上記第17の画像計測装置において、前記演算部が、前記計測平面と前記2つの観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量として、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離をdc、前記2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
nc=dc/ΔxLR
であらわされる規格化距離ncを採用し、該規格化距離ncを、
nc={paxisRLc
の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めるものであってもよい。
【0278】
また、上記第17の画像計測装置において、前記演算部が、
前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量をパラメータとして該パラメータの値を変更するパラメータ変更部と、
前記パラメータ変更部で設定された、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σと、前記無限遠点の位置paxisとから、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求める複比変換部と、
前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより前記計測点に対応する極線を求める極変換部と、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部および前記極変換部における各演算が、前記パラメータの値が前記パラメータ変更部で変更されながら複数回繰り返される間に求められた複数の極線を極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める検出部と備えたものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記極変換部が、前記極線を求めるとともに、求められた極線のを極線描画空間に描画したときの該極線軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するものであり、前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記複比変換部および前記極変換部における各演算を、前記パラメータの値を前記パラメータ変換部で変更しながら複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるものであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記演算部が、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第2のパラメータとして該第2のパラメータの値を変更する第2のパラメータ変更部を備え、
前記複比変換部が、前記パラメータ変更部で設定された、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第2のパラメータ変更部で設定された前記両眼視差σと、前記無限遠点の位置paxisとから、前記観察平面上の交点pcを求めるものであり、
前記極変換部が、前記計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を投票するものであって、
前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部および前記極変換部における各演算を、前記パラメータ変更部および前記第2のパラメータ変更部で各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるものであることも好ましい態様である。
【0279】
また、上記第17の画像計測装置において、前記演算部が、
前記視軸方向vを第1のパラメータとして該パラメータの値を変更することにより前記無限遠点の位置paxisを変更する第1のパラメータ変更部と、
前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を第2のパラメータとして該第2のパラメータの値を変更する第2のパラメータ変更部と、
前記第1のパラメータ変更部で設定された位置paxisと、前記第2のパラメータ変更部で設定された、前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σとから、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記観察平面上の交点の位置pcを求める複比変換部と、
前記計測点の、前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求める極変換部と、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部および前記極変換部における各演算が、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値がそれぞれ前記第1のパラメータ変更部および前記パラメータ変更部で変更されながら複数回繰り返される間に求められた複数の極線を前記第1のパラメータの値に応じた複数の極線描画空間のうちのそれぞれ対応する極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を各極線描画空間ごとに求め該交差点で交わる極線の本数の情報に基づいて真の視軸方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する極線描画空間について求められた交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記観察点と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める検出部とを備えたものであることが好ましく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第極変換部が、前記極線を求めるとともに、求められた極線を該極線に対応する極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するものであり、前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記複比変換部および前記極変換部における各演算が、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値が変更されながら複数回繰り返される間の投票による値が極大値となる極大点を各極線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する極線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるものであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記演算部が、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第3のパラメータとして該第3のパラメータの値を変更する第3のパラメータ変更部を備え、
前記複比変換部が、前記第1のパラメータ変更部で設定された位置paxisと、前記第2のパラメータ変更部で設定された、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第3のパラメータ変更部で設定された前記両眼視差σとを用いて、前記観察平面上の交点pcを求めるものであり、
前記極変換部が、前記計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を投票するものであって、
前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部および前記極変換部における各演算を、前記第1、第2、および第3のパラメータ変更部で各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各極線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する極線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるものであることも好ましい態様である。
【0280】
また、上記本発明の画像計測装置のうちの第18の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置をそれぞれpR,pL、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向をv、前記計測点を含み、前記視軸方向vと同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置をpaxis、前記2つの観察点のうちの一方の観察点を含み、前記計測点を含む計測平面と平行に広がる観察平面上の、前記直線との交点の位置をpc、前記計測平面の方位をnsとしたとき、
前記4つの位置paxis,pR,pL,pcで決まる複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算と、前記計測平面の方位nsと前記視軸の方向vとの内積(ns・v)とを用いて、前記計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求める演算部を備えたことを特徴とする。
【0281】
ここで、上記第18の画像計測装置において、演算部により実行される、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLに代えて、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σとを用いる演算が包含されるものである。
【0282】
上記第18の画像計測装置は、前記最短距離を指標とする物理量として、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離をds、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離をdc、前記2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
ns=ds/ΔxLR
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、該規格化最短距離nsを、
nc=dc/ΔxLR
であらわされる規格化距離ncと前記内積(ns・v)とを用いた、
nsnc(ns・v)
の関係式を用いて求めるものであってもよい。
【0283】
また、上記第18の画像計測装置において、前記演算部が前記最短距離を指標する物理量を第1のパラメータとして該第1のパラメータの値を変更する第1のパラメータ変更部と、
前記内積(ns・v)を第2のパラメータとして該第2のパラメータの値を変更する第2のパラメータ変更部と、
前記第1のパラメータ変更部で設定された前記最短距離を指標する物理量と、前記第2のパラメータ変更部で設定された内積(ns・v)と、前記計測点の前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σと、前記無限遠点の位置paxisとから、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求める複比変換部と、
前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求める極変換部と、
前記極線上の点であって、かつ前記視軸の方向vと角度
r=cos-1(ns・v)
を成す点を求める点演算部とを備えるとともに、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算が、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値がそれぞれ第1のパラメータ変更部および前記第2のパラメータ変更部で変更されながら複数回繰り返されることにより、前記点演算部における、1つの計測点に関する、前記第1のパラメータの値が同一であって、かつ前記第2のパラメータの値がそれぞれ異なる複数回の演算により求められる複数の点を結ぶ曲線が、前記第1のパラメータの各値ごとに前記複数の計測点について求められた後に演算を実行する、
前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算が複数回繰り返される間に求められた複数の曲線を曲線描画空間に描画したときの曲線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求める検出部を備えたものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記点演算部が、前記点を求めるとともに、該点に対応する計測点の強度に対応する値を該点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するものであり、前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算が複数回繰り返される間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めるものであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記演算部が、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第3のパラメータとして該第3のパラメータの値を変更する第3のパラメータ変更部を備え、
前記複比変換部が、前記第1のパラメータ変更部で設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第2のパラメータ変更部で設定された内積(ns・v)と、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第3のパラメータ変更部で設定された前記両眼視差σと、前記無限遠点の位置paxisとを用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求めるものであり、
前記点演算部が、前記計測点に対応する極線上の前記点を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、該極線上の前記点に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を、該極線上の前記点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するものであって、
前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算を、前記第1、第2、および第3のパラメータ変更部で各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めるものであることも好ましい態様である。
【0284】
また、上記第18の画像計測装置において、前記演算部が、
前記視軸の方向vを第1のパラメータとして該第1のパラメータの値を変更することにより前記無限遠点の位置paxisを変更する第1のパラメータ変更部と、
前記最短距離を指標する物理量を第2のパラメータとして該第2のパラメータを変更する第2のパラメータ変更部と、
前記内積(ns・v)を第3のパラメータとして該第3のパラメータの値を変更する第3のパラメータ変更部と、
前記第2のパラメータ変更部で設定された、前記無限遠点の位置paxisと、前記第3のパラメータ変更部で設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記極変換部で設定された内積(ns・v)と、前記計測点の前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σとから、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求める複比変換部と、
前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求める極変換部と、
前記極線上の点であって、かつ前記視軸方向vと角度
r=cos-1(ns・v)
を成す点を求める点演算部とを備えるとともに、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算が、前記第1から第3までのパラメータの各値がそれぞれ前記第1から第3までの各パラメータ変更部で変更されながら複数回繰り返されることにより、前記点演算部における、1つの計測点に関する、前記第1のパラメータの値が同一であるとともに前記第2のパラメータの値が同一であって、かつ前記第3のパラメータの値がそれぞれ異なる複数回の演算により求められる複数の点を結ぶ曲線が、前記第1のパラメータの各値と前記第2のパラメータの各値との各組合せごとに前記複数の計測点について求められた後に演算を実行する、
前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算が複数回繰り返される間に求められた複数の曲線を前記第1のパラメータの値に応じた複数の曲線描画空間のうちのそれぞれ対応する曲線描画空間に描画したときの曲線どうしの交差点を各曲線描画空間ごとに求め該交差点で交わる曲線の本数の情報に基づいて真の視軸方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する曲線描画空間について求められた交差点で交わる複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求める検出部を備えたものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記点演算部が、前記点を求めるとともに、該点に対応する計測点の強度に対応する値を該点に対応する、該点を含む曲線が描かれる曲線描画空間内の点に投票するステップであり、前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算が複数回繰り返される間の投票による値が極大値となる極大点を各曲線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する曲線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めるものであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記演算部が、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第4のパラメータとして該第4のパラメータを変更する第4のパラメータ変更部を備え、
前記複比変換部が、前記第1のパラメータ変更部で設定された、前記無限遠点の位置paxisと、前記第2のパラメータ変更部で設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第3のパラメータ変更部で設定された内積(ns・v)と、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第4のパラメータ変更部で設定された前記両眼視差σとを用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求めるものであり、
前記点演算部が、前記計測点に対応する極線上の前記点を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、該極線上の前記点に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を、該極線上の前記点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するものであって、
前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記計測空間内の複数の計測点について、前記複比変換部、前記極変換部、および前記点演算部における各演算部を、前記第1、第2、第3および第4のパラメータ変更部で各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各曲線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する曲線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0285】
また、本発明の画像計測装置のうち第19の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置をそれぞれpR,pL、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸の方向をv、前記計測点を含み、前記2つの視軸と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置をpaxisとしたとき、
前記3つの位置paxis,pR,pLで決まる単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求める演算部を備えたことを特徴とする。
【0286】
ここで、上記第19の画像計測装置の、前記演算部により実行される、前記単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σとを用いる演算が包含されるものである。
【0287】
上記第19の画像計測装置は、前記演算部が、前記各位置paxis,pR,pLとして球面上に写影された各位置を採用すると共に、前記最短距離を指標する物理量として、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離をds、2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
ns=ds/ΔxLR
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、
前記規格化最短距離nsをパラメータとして該パラメータを変更するパラメータ変更部と、
前記パラメータ変更部で設定された規格化最短距離nsと、単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算とを用いて、
R=cos-1ns/(paxisRL))
なる関係式あるいは該関係式と等価な関係式で規定される半径Rを求めるパラメータ演算部と、
前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの前記計測点の計測位置を中心とした半径Rの小円を求める小円演算部と、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記パラメータ演算部および前記小演算部における各演算が、前記パラメータが前記パラメータ変更部で変更されながら複数回繰り返される間に求められた複数の小円を小円描画空間に描画したときの小円どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求める検出部とを備えたものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記小円演算部が、前記小円を求めるとともに、求められた小円を小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の強度に対応する値を投票するものであり、
前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記パラメータ演算部および前記小円演算部における各演算が複数回繰り返される間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記演算部が、前記計測点の前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第2のパラメータとして該第2のパラメータの値を変更する第2のパラメータ変更部を備え、
前記パラメータ演算部が、前記パラメータ変更部で設定された規格化最短距離nsと、前記無限遠点の位置paxisと、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第2のパラメータ変更部で設定された前記両眼視差σとを用いて、前記半径Rを求めるものであり、
前記小円変換部が、前記計測点に対応する前記小円を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた小円を小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の、前記両眼視差に対応する応答強度を投票するステップであり、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のパラメータ演算部およびと前記小円変換部における各演算を、前記パラメータ変更部および前記第2のパラメータ変更部で各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第5、第2および第3のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0288】
また、上記第19の画像計測装置は、前記演算部が、前記各位置paxis,pR,pLとして球面上に写影された各位置を採用すると共に、前記最短距離を指標する物理量として、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離をds、前記2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
ns=ds/ΔxLR
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、
前記視軸方向vを第1のパラメータとして該第1のパラメータの値を変更することにより前記無限遠点の位置paxisを変更する第1のパラメータ変更部と、
前記規格化最短距離nsを第2のパラメータとして該第2のパラメータの値を変更する第2のパラメータ変更部と、
前記第1のパラメータ変更部で設定された、前記無限遠点の位置paxisと、前記パラメータ変更部で設定された規格化最短距離nsと、単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算とを用いて、
R=cos-1ns/(paxisRL))
なる関係式あるいは該関係式と等価な関係式で規定される半径Rを求めるパラメータ演算部と、
前記2つの観察点のうちの一方の観察点とから観察したときの前記計測点の計測位置を中心とした半径Rの小円を求める小円演算部とを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記パラメータ演算部および前記小円演算部における各演算が、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値がそれぞれ前記第1のパラメータ変更部および前記第2のパラメータ演算部で変更されながら複数回繰り返される間に求められた複数の小円を前記第1のパラメータの値に応じた複数の小円描画空間のうちのそれぞれ対応する小円描画空間に描画したときの小円どうし交差点を各小円描画空間ごとに求め該交差点で交わる小円の本数の情報に基づいて真の視軸方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する小円描画空間について求められた交差点で交わる複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求める検出部とをそなえたものであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記小円演算部が、前記小円を求めるとともに、求められた小円を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の強度に対応する値を投票するものであり、前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記パラメータ演算部および前記小円演算部における各演算が複数回繰り返される間の投票による値が極大値となる極大点を各小円描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する小円描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるものであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記演算部が、前記計測点の前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第3のパラメータとして該第3のパラメータの値を変更する第3のパラメータ変更部を備え、
前記パラメータ演算部が、前記第1のパラメータ変更部で設定された、前記無限遠点の位置paxisと、前記第2のステップで設定された規格化最短距離nsと、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第3のパラメータ変更部で設定された前記両眼視差σとを用いて、前記半径Rを求めるステップであり、
前記小円演算部が、前記計測点に対応する前記小円を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた小円を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を投票するものであり、前記検出部が、前記交差点を求めることに代わり、前記計測空間内の複数の計測点について、前記パラメータ演算部および前記小円演算部における各演算を、前記第1、第2および第3のパラメータ変更部で各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各小円描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する小円描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるものであることも好ましい態様である。
【0289】
さらに、本発明の画像計測装置のうちの第20の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置をそれぞれpR,pL、前記計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸の方向vと同一の方向に延びる直線上の無限遠点の位置をpaxisとしたとき、
前記3つの位置paxis,pR,pL,で決まる単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算を用いて、前記計測点と、前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の距離を指標する物理量を求める演算部を備えたことを特徴とする。
【0290】
ここで、上記第20の画像計測装置の、前記演算部により実行される、前記単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの2つの計測位置pR,pLに代えて、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σとを用いる演算が包含されるものである。
【0291】
上記第20の画像計測装置は、前記距離を指標する物理量として、前記計測点と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の距離をd0、前記2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
n0=d0/ΔxLR
であらわされる規格化距離n0を採用し、該規格化距離n0を、
n0=(paxisRL
の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めるものであってもよい。
【0292】
また、本発明の画像計測装置のうちの第21の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる該計測空間内の任意の計測点を含む計測平面と、前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標をパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、該計測点を含み、前記視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisと、前記パラメータ設定部で設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを求める両眼視差演算部と、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記パラメータ設定部で設定された座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記両眼視差演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記パラメータ設定部でパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0293】
また、本発明の画像計測装置のうちの第22の画像計測装置は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含み、該視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisを設定する第1のパラメータ設定部と、
前記計測点を含む計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を第2のパラメータとして設定する第2のパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第1のパラメータ設定部で設定された位置paxisと、前記第2のパラメータ設定部で設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを求める両眼視差演算部と、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第2のパラメータ設定部で設定された座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記両眼視差演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記第1および第2のパラメータ設定部で各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0294】
また、本発明の画像計測装置のうちの第23の画像計測装置は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点のうちの一方の観察点と、該2つの観察点から該計測空間を眺めたときの画像にあらわれた該計測空間内の任意の計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標をパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、該計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisと、前記パラメータ設定部で設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを求める両眼視差演算部と、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記パラメータ設定部で設定された座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記両眼視差演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記パラメータ設定部でパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0295】
さらに、本発明の画像計測装置のうちの第24の画像計測装置は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記2つの観察点から該計測空間を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含み、該視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisを設定する第1のパラメータ設定部と、
前記2つの観測点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面までの最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を第2のパラメータとして設定する第2のパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第1のパラメータ設定部で設定された位置paxisと、前記第2のパラメータ設定部で設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを求める両眼視差演算部と、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第2のパラメータ設定部で設定された座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記両眼視差演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記第1および第2のパラメータ設定部で各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0296】
また、本発明の画像計測装置のうちの第25の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの2つの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σをパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、該計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisと、前記パラメータ設定部で設定された両眼視差σとから、前記計測点を含む計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標を求める座標演算部と、
前記2つの観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第1のステップで設定された両眼視差σに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記座標演算部で求められた座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記座標演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記パラメータ設定部でパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0297】
また、本発明の画像計測装置のうちの第26の画像計測装置は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記2つの観察点から該計測空間を眺めたときの画像にあらわれる該計測空間内の任意の計測点を含み、該視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisを設定する第1のパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを第2のパラメータとして設定する第2のパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第1のパラメータ設定部で設定された位置paxisと、前記第2のパラメータ設定部で設定された両眼視差σとから、前記計測点を含む計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を求める座標演算部と、
前記2つの観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第2のステップで設定された両眼視差σに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記座標演算部で求められた座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記座標演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記第1および第2のパラメータ設定部で各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0298】
また、本発明の画像計測装置のうちの第27の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの2つの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σをパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、該計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisと、前記パラメータ設定部で設定された両眼視差σとに基づいて、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標を求める座標演算部と、
前記2つの観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第1のステップで設定された両眼視差σに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記座標演算部で求められた座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記座標演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記パラメータ設定部でパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0299】
さらに、本発明の画像計測装置のうちの第28の画像計測装置は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含み、該視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisを設定する第1のパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを第2のパラメータとして設定する第2のパラメータ設定部と、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第1のパラメータ設定部で設定された位置paxisと、前記第2のパラメータ設定部で設定された両眼視差σとに基づいて、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を求める座標演算部と、
前記2つの観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第2のパラメータ設定部で設定された両眼視差σに対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記座標演算部で求められた座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記座標演算部、前記応答強度演算部、および前記投票部における各処理を、前記第1および第2のパラメータ設定部で各パラメータの各値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0300】
また、本発明の画像計測装置のうちの第29の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から、該計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの観察点から観察したときの2つの計測位置どうしの位置の差である両眼視差に対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記計測点を含む計測平面と、
前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される投票空間内の、前記計測点と前記両眼視差とに対応した座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について前記応答強度演算部および前記投票部における各処理を複数回実行することを特徴とする。
【0301】
ここで、上記第29の画像計測装置は、前記投票空間内の、前記投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める検出部を備えたものであってもよい。
【0302】
また、本発明の画像計測装置のうちの第30の画像計測装置は、
所定の計測空間内を観察する該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向をパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの観察点から観察したときの2つの計測位置どうしの位置の差である両眼視差に対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記計測点を含む計測平面と、前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される、前記第1のステップで設定されたパラメータに応じた投票空間内の、前記計測点と前記両眼視差とに対応した座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記応答強度演算部および前記投票部における各処理を、前記第1のパラメータ設定部でパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0303】
ここで、上記第30の画像計測装置は、前記投票による値が極大値となる極大点を各投票空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の視軸方向に対応する投票空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する投票空間について求められた極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める検出部を備えたものであってもよい。
【0304】
また、本発明の画像計測装置のうちの第31の画像計測装置は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの観察点から観察したときの2つの計測位置どうしの位置の差である両眼視差に対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される投票空間内の、前記計測点と前記両眼視差σとに対応した座標に投票する投票部とを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記応答強度演算部および前記投票部における各処理を複数回実行することを特徴とする。
【0305】
ここで、上記第31の画像計測装置は、前記投票空間内の、前記投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測平面との間の最短距離を指標する物理量を求める検出部を備えたものであってもよい。
【0306】
また、本発明の画像計測装置のうちの第32の画像計測装置は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向をパラメータとして設定するパラメータ設定部と、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの観察点から観察したときの2つの計測位置どうしの位置の差である両眼視差に対応する応答強度を求める応答強度演算部と、
前記応答強度演算部で求められた応答強度を、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される、前記第1のステップで設定されたパラメータに応じた投票空間内の、前記計測点と前記両眼視差とに対応する座標に投票する投票部とを備え、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記応答強度演算部および前記投票部における各処理を、前記パラメータ設定部でパラメータの値を変更しながら複数回実行することを特徴とする。
【0307】
ここで、上記第32の画像計測装置は、前記投票による値が極大値となる極大点を各投票空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の視軸方向に対応する投票空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する投票空間について求められた極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測平面との最短距離を指標する物理量を求める検出部を備えたものであってもよい。
【0308】
また、本発明は画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムのうちの、本発明の第1の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinf、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をpcとしたとき、
前記計測点の4つの位置pinf,p0,p1,pcで決まる複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0309】
ここで、上記第1の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムが実行する、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1に代えて、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τとを用いる演算が包含されるものである。
【0310】
上記第1の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、前記重畳時刻を指標する物理量として、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻と前記重畳時刻との間の時間をtc、前記2つの計測時刻どうしの間の時間をΔtとしたときの、
nc=tc/Δt
であらわされる規格化時間ncを採用し、該規格化時間ncを、
nc={pinf01c
の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めるプログラムであってもよい。
【0311】
また、上記第1の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、
前記重畳時刻を指標する物理量をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記重畳時刻を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τと、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとから、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求める第2のステップと、
前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求める第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記パラメータの値を前記第1のステップで順次変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の極線を極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める第4ステップを実行するプログラムであってもよく、
この場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第3のステップが、前記極線を求めるとともに、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記画像計測プログラムが、前記計測点の前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第2のパラメータとして設定する第5のステップを有するプログラムであって、
前記第2のステップが、前記第1のステップで設定された、前記重畳時刻を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第5のステップで設定された前記運動視差τと、該計測点の前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとを用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求めるステップであり、
前記第3のステップが、前記計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記第1のステップおよび前記第5のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第5、第2および第3のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0312】
また、上記第1の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、
前記移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記重畳時刻を指標する物理量を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記第1のステップで設定された位置pinfと、前記第2のステップで設定された、前記重畳時刻を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τとから、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求める第3のステップと、
前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求める第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のステップおよび前記第2のステップで順次変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の極線を前記第1のパラメータの値に応じた複数の極線描画空間のうちのそれぞれ対応する極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を各極線描画空間ごとに求め該交差点で交わる極線の本数の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する極線描画空間について求められた交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める第5ステップを実行するプログラムであってもよく、
この場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第4のステップが、前記極線を求めるとともに、求められた極線を該極線に対応する極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各極線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する極線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記画像計測プログラムが、前記計測点の前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第3のパラメータとして設定する第6のステップを有するプログラムであって、
前記第3のステップが、前記第2のステップで設定された、前記重畳時刻を指標する物理量と、前記第1のステップで設定された位置pinfと、前記計測点の前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第6のステップで設定された前記運動視差τとを用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求めるステップであり、
前記第4のステップが、前記計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1のステップ、前記第2のステップおよび前記第6のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第6、第3および第4のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各極線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する極線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい形態である。
【0313】
本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの本発明の第2の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向をv、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinf、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をpc、前記計測平面の方位をnsとしたとき、
前記計測点の4つの位置pinf,p0,p1,pcで決まる複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算と、前記計測平面の方位nsと前記移動方向vとの内積(ns・v)とを用いて、前記計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0314】
ここで、上記第2の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムが実行する、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1に代えて、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τとを用いる演算が包含されるものである。
【0315】
上記第2の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、前記最短距離を指標とする物理量として、前記観察点と、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面との間の最短距離をds、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻と前記重量時刻との間の時間をtc、前記2つの計測時刻どうしの間の、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な移動距離をΔx、前記2つの計測時刻どうしの間の時間をΔtとしたときの、
ns=ds/Δx
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、該規格化最短距離nsを、
nc=tc/Δt
であらわされる規格化時間ncと前記内積(ns・v)とを用いた、
nsnc(ns・v)
の関係式を用いて求めるプログラムであってもよい。
【0316】
また、上記第2の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、
前記最短距離を指標する物理量を第1のパラメータとして設定する第1のステップと、
前記内積(ns・v)を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第2のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τと、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとから、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求める第3のステップと、
前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求める第4のステップと、
前記極線上の点であって、かつ前記移動方向vと角度
r=cos-1(ns・v)
を成す点を求める第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5のステップのうちの前記第3から第5までのステップを、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のステップおよび前記第2のステップで順次変更しながら複数回繰り返すことにより、前記第5のステップの、1つの計測点に関する、前記第1のパラメータの値が同一であって、かつ前記第2のパラメータの値がそれぞれ異なる複数回の実行により求められる複数の点を結ぶ曲線を、前記第1のパラメータの各値ごとに前記複数の計測点について求め、その後、前記第1から第5のステップを複数回繰り返す間に求められた複数の曲線を曲線描画空間に描画したときの曲線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める第6のステップを実行するプログラムであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第5のステップが、前記点を求めるとともに、該点に対応する計測点の強度に対応する値を該点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するステップであり、前記第6のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第5までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記画像計測プログラムが、前記計測点の前記2つの計測時間における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第3のパラメータとして設定する第7のステップを有するプログラムであって、
前記第3のステップが、前記第1のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第2のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第7のステップで設定された前記運動視差τと、該計測点の、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfとを用いて、該計測点の、前記重畳時刻における位置pcを求めるステップであり、
前記第5のステップが、前記計測点に対応する極線上の前記点を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、該極線上の前記点に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を、該極線上の前記点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3から第5までのステップを、前記第1、第2、および第7のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、その後実行される前記第6のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第7および前記第3から第5までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0317】
また、上記第2の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、
前記移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記最短距離を指標する物理量を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記内積(ns・v)を第3のパラメータとして設定する第3のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、前記第2のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第3のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の前記2つの計測時刻における各計測位置p0,p1あるいは、これら2つの計測位置p0,p1に代わる、該計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0および該計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τとから、前記複比{pinf01c}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記重畳時刻における位置pcを求める第4のステップと、
前記計測点の、前記重畳時刻における位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求める第5のステップと、
前記極線上の点であって、かつ前記移動方向vと角度
r=cos-1(ns・v)
を成す点を求める第6のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第6のステップのうちの前記第4から第6までのステップを、前記第1から第3までのパラメータの各値を、それぞれ前記第1から第3までの各ステップで順次変更しながら複数回繰り返すことにより、前記第6のステップの、1つの計測点に関する、前記第1のパラメータの値が同一であるとともに前記第2のパラメータの値が同一であって、かつ前記第3のパラメータの値がそれぞれ異なる複数回の実行により求められる複数の点を結ぶ曲線を、前記第1のパラメータの各値と前記第2のパラメータの各値との各組合せごとに前記複数の計測点について求め、その後、
前記第1から第6までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の曲線を前記第1のパラメータの値に応じた複数の曲線描画空間のうちのそれぞれ対応する曲線描画空間に描画したときの曲線どうしの交差点を各曲線描画空間ごとに求め該交差点で交わる曲線の本数の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する曲線描画空間について求められた交差点で交わる複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める第7のステップを実行するプログラムであってもよく、
この場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第6のステップが、前記点を求めるとともに、該点に対応する計測点の強度に対応する値を該点に対応する、該点を含む曲線が描かれる曲線描画空間内の点に投票するステップであり、前記第7のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第6までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各曲線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する曲線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時間のうちの一方の計測時間における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記画像計測プログラムが、前記計測点の前記2つの計測時間における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第4のパラメータとして設定する第8のステップを有するプログラムであって、
前記第4のステップが、前記第1のステップで設定された、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、前記第2のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第3のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第8のステップで設定された前記運動視差τとを用いて、該計測点の、前記重畳時刻における位置pcを求めるステップであり、
前記第6のステップが、前記計測点に対応する極線上の前記点を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、該極線上の前記点に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を、該極線上の前記点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第4から第6までのステップを、前記第1、第2、第3および第8のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、その後実行される前記第7のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第3、第8および前記第4から第6までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各曲線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する曲線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0318】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第3の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向をv、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinfとしたとき、
前記計測点の3つの位置pinf,p0,p1で決まる単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0319】
ここで、上記第3の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムが実行する、前記単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1に代えて、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τとを用いる演算が包含されるものである。
【0320】
上記第3の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、前記計測点の各位置pinf,p0,p1として球面上に写影された各位置を採用すると共に、前記最短距離を指標する物理量として、前記観察点と前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面との間の最短距離をds、2つの計測時刻どうしの間の前記計測点の、前記観察点に対する相対的な移動距離をΔxとしたときの、
ns=ds/Δx
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、
前記規格化最短距離nsをパラメータとして設定する第1のステップと、
前記第1のステップで設定された規格化最短距離nsと、単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算とを用いて、
R=cos-1ns/(pinf01))
なる関係式あるいは該関係式と等価な関係式で規定される半径Rを求める第2のステップと、
前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測点の計測位置を中心とした半径Rの小円を求める第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記パラメータを前記第1のステップで順次変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の小円を小円描画空間に描画したときの小円どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求める第4ステップを実行するプログラムであってもよく、
この場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第3のステップが、前記小円を求めるとともに、求められた小円を小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記画像計測プログラムが、前記計測点の前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第2のパラメータとして設定する第5のステップを有するプログラムであって、
前記第2のステップが、前記第1のステップで設定された規格化最短距離nsと、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、該計測点の前記2つの計測時間のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第5のステップで設定された前記運動視差τとを用いて、前記半径Rを求めるステップであり、
前記第3のステップが、前記計測点に対応する前記小円を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた小円を小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するステップであり、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記第1のステップおよび前記第5のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第5、第2および第3のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0321】
また、上記第3の画像計測プログラム記憶媒体に格納された画像計測プログラムは、前記計測点の各位置pinf,p0,p1として球面上に写影された各位置を採用すると共に、前記最短距離を指標する物理量として、前記観察点と前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面との間の最短距離をds、2つの計測時刻どうしの間の前記計測点の、前記観察点に対する相対的な移動距離をΔxとしたときの、
ns=ds/Δx
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、
前記移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記規格化最短距離nsを第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、前記第2のステップで設定された規格化最短距離nsと、単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算とを用いて、
R=cos-1ns/(pinf01))
なる関係式あるいは該関係式と等価な関係式で規定される半径Rを求める第3のステップと、
前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測点の計測位置を中心とした半径Rの小円を求める第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のステップおよび前記第2のステップで順次変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の小円を前記第1のパラメータの値に応じた複数の小円描画空間のうちのそれぞれ対応する小円描画空間に描画したときの小円どうし交差点を各小円描画空間ごとに求め該交差点で交わる小円の本数の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する小円描画空間について求められた交差点で交わる複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求める第5のステップを実行するプログラムであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第4のステップが、前記小円を求めるとともに、求められた小円を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記画像計測プログラムが、前記計測点の前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の運動視差τを第3のパラメータとして設定する第6のステップを有するプログラムであって、
前記第2のステップが、前記第1のステップで設定された、前記移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置pinfと、前記第3のステップで設定された規格化最短距離nsと、該計測点の前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第5のステップで設定された前記運動視差τとを用いて、前記半径Rを求めるステップであり、
前記第4のステップが、前記計測点に対応する前記小円を求めるとともに、該計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求め、求められた小円を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を投票するステップであり、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1、第2および第6のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される前記第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第6、第3および第4のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各小円描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の移動方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する小円描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0322】
さらに、上記本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第4の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp0,p1、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinfとしたとき、
前記計測点の3つの位置pinf,p0,p1で決まる単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算を用いて、
前記観察点と、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測点との間の距離を指標する物理量を求める画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0323】
この第4の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムが実行する、前記単比(pinf01)あるいは該単比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1に代えて、前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τとを用いる演算が包含されるものである。
【0324】
上記第4の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、前記距離を指標する物理量として、前記観察点と前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測点との間の距離をd0、前記2つの計測時刻どうしの間の前記計測点の、前記観察点に対する移動距離をΔxとしたときの、
n0=d0/Δx
であらわされる規格化距離n0を採用し、該規格化距離n0を、
n0=(pinf01
の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めるプログラムであってもよい。
【0325】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第5の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、該計測点の、前記移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfと、前記第1のステップで設定された前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを求める第2のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第1のステップで設定された座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0326】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第6の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記計測点の、該移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の該計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第1のステップで設定された位置pinfと、前記第2のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを求める第3のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第2のステップで設定された座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0327】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第7の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の観察点と、該観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含む、相互に異なる2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、該計測点の、該2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の位置pinfと、前記第1のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを求める第2のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第1のステップで設定された座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0328】
さらに、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第8の画像計測プログラム記憶媒体所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記計測点の、該移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の該計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記観測点から、前記計測点を含む、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第1のステップで設定された位置pinfと、前記第2のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを求める第3のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記運動視差τに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第2のステップで設定された座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0329】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第9の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τをパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、該計測点の、前記2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、該計測点の無限時間経過後の位置pinfと、前記第1のステップで設定された運動視差τとから、前記移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標を求める第2のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第1のステップで設定された運動視差τに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第2のステップで求められた座標に投票する第4ののステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を順次変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0330】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第10の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記計測点の、該移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の該計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τを第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第1のステップで設定された位置pinfと、前記第2のステップで設定された運動視差τとから、前記移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を求める第3のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第2のステップで設定された運動視差τに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第3のステップで求められた座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0331】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第11の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの間の位置の差である運動視差τをパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における、計測位置p0と、該計測点の、前記2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、該計測点の無限時間経過後の位置pinfと、前記第1のステップで設定された運動視差τとに基づいて、前記観察点から、前記計測点を含む、2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標を求める第2のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第1のステップで設定された運動視差τに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第2のステップで求められた座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0332】
さらに、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第12の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記計測点の、該移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の該計測点の位置pinfを設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻における2つの計測位置p0,p1どうしの位置の差である運動視差τを第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測位置p0と、前記第1のステップで設定された位置pinfと、前記第2のステップで設定された運動視差τとに基づいて、前記観察点から、前記計測点を含む、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を求める第3のステップと、
前記2つの計測時刻における、前記観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第2のステップで設定された運動視差τに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第3のステップで求められた座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0333】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第13の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から、該計測空間内を、相互に異なる2つの計測時刻において眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの計測時刻における2つの計測位置どうしの位置の差である運動視差に対応する応答強度を求める第1のステップと、
前記第1のステップで求められた応答強度を、前記計測点の、前記2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される投票空間内の、前記計測点と前記運動視差とに対応した座標に投票する第2のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について前記第1のステップと前記第2のステップを複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0334】
ここで、上記第13の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された前記画像計測プログラムは、前記投票空間内の、前記投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める第3のステップを有するプログラムであってもよい。
【0335】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第14の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記観察点から、前記計測空間内を前記2つの計測時刻において眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、該2つの計測時刻における2つの計測位置どうしの位置の差である運動視差に対応する応答強度を求める第2のステップと、
前記第2のステップで求められた応答強度を、前記計測点の、前記2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向と同一方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における、前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される、前記第1のステップで設定されたパラメータに応じた投票空間内の、前記計測点と前記運動視差とに対応した座標に投票する第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第3までのステップのうちの第2および第3のステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0336】
ここで、上記第14の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、前記投票による値が極大値となる極大点を各投票空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する投票空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する投票空間について求められた極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める第4のステップを有するプログラムであってもよい。
【0337】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第15の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を相互に異なる2つの計測時刻において眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの計測時刻における2つの計測位置どうしの位置の差である運動視差に対応する応答強度を求める第1のステップと、
前記第1のステップで求められた応答強度を、前記観察点から、前記計測点を含む、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される投票空間内の、前記計測点と前記運動視差とに対応した座標に投票する第2のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1のステップと前記第2のステップを複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0338】
ここで、上記第15の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、前記投票空間内の、前記投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める第3のステップを有するプログラムであってもよい。
【0339】
さらに、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第16の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻の間における前記観察点に対する相対的な移動方向をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記観察点から前記計測空間内を前記2つの計測時刻において眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、該2つの計測時刻における2つの計測位置どうしの位置の差である運動視差に対応する応答強度を求める第2のステップと、
前記第2のステップで求められた応答強度を、前記観察点から、前記計測点を含む、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における計測平面までの間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される、前記第1のステップで設定されたパラメータに応じた投票空間内の、前記計測点と前記運動視差に対応する座標に投票する第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第3までのステップのうちの第2および第3のステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0340】
ここで、上記第16の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラム記憶媒体は、前記投票による値が極大値となる極大点を各投票空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の移動方向に対応する投票空間を選択することにより該真の移動方向を求めるとともに、該真の移動方向に対応する投票空間について求められた極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める第4のステップを有するプログラムであってもよい。
【0341】
また、本発明は画像計測プログラム記憶媒体のうちの、第17の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置をそれぞれpR,pL、前記計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vと同一の方向に延びる直線上の無限遠点の位置をpaxis、前記2つの観察点のうちの一方の観察点を含み、前記計測点を含む計測平面と平行に広がる観察平面上の、前記直線との交点の位置をpcとしたとき、
前記4つの位置paxis,pR,pL,pcで決まる複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0342】
ここで、第17の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムが実行する、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLに代えて、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σとを用いる演算が包含されるものである。
【0343】
上記第17の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、前記計測平面と前記2つの観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量として、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離をdc、前記2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
nc=dc/ΔxLR
であらわされる規格化距離ncを採用し、該規格化距離ncを、
nc={paxisRLc
の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めるプログラムであってもよい。
【0344】
また、上記第17の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された第17の画像計測プログラムは、
前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σと、前記無限遠点の位置paxisとから、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求める第2のステップと、
前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより前記計測点に対応する極線を求める第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記パラメータの値を前記第1のステップで順次変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の極線を極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める第4ステップを実行するプログラムであってもよく、
この場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第3のステップが、前記極線を求めるとともに、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記画像計測プログラムが、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第2のパラメータとして設定する第5のステップを有するプログラムであって、
前記第2のステップが、前記第1のステップで設定された、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第5のステップで設定された前記両眼視差σと、前記無限遠点の位置paxisとを用いて、前記観察平面上の交点pcを求めるステップであり、
前記第3のステップが、前記計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記第1のステップおよび前記第5のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第5、第2および第3のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるステップであってもよい。
【0345】
また、上記第17の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、前記視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより前記無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記第1のステップで設定された位置paxisと、前記第2のステップで設定された、前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σとから、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測点の前記観察平面上の交点の位置pcを求める第3のステップと、
前記計測点の、前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより該計測点に対応する極線を求める第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のステップおよび前記第2のステップで変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の極線を前記第1のパラメータの値に応じた複数の極線描画空間のうちのそれぞれ対応する極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を各極線描画空間ごとに求め該交差点で交わる極線の本数の情報に基づいて真の視軸方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する極線描画空間について求められた交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記観察点と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める第5ステップを実行するプログラムであってもよく、
この場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第4のステップが、前記極線を求めるとともに、求められた極線を該極線に対応する極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに該極線に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各極線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する極線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記画像計測プログラムが、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第3のパラメータとして設定する第6のステップを有するプログラムであって、
前記第3のステップが、前記第1のステップで設定された位置paxisと、前記第2のステップで設定された、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、前記計測点の前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第5のステップで設定された前記両眼視差σとを用いて、前記観察平面上の交点pcを求めるステップであり、
前記第4のステップが、前記計測点に対応する極線を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた極線を極線描画空間に描画したときの該極線の軌跡上の各点それぞれに、該極線に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1のステップ、前記第2のステップおよび前記第6のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第6、第3および第4のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各極線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する極線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する極線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量を求めるステップであってもよい。
【0346】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第18の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置をそれぞれpR,pL、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向をv、前記計測点を含み、前記視軸方向vと同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置をpaxis、前記2つの観察点のうちの一方の観察点を含み、前記計測点を含む計測平面と平行に広がる観察平面上の、前記直線との交点の位置をpc、前記計測平面の方位をnsとしたとき、
前記4つの位置paxis,pR,pL,pcで決まる複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算と、前記計測平面の方位nsと前記視軸の方向vとの内積(ns・v)とを用いて、前記計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求める画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0347】
ここで、上記第18の画像計測プログラムに記憶された画像計測プログラムが実行する、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLに代えて、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σとを用いる演算が包含されるものである。
【0348】
上記第18の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、前記最短距離を指標とする物理量として、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離をds、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離をdc、前記2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
ns=ds/ΔxLR
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、該規格化最短距離nsを、
nc=dc/ΔxLR
であらわされる規格化距離ncと前記内積(ns・v)とを用いた、
nsnc(ns・v)
の関係式を用いて求めるプログラムであってもよい。
【0349】
上記第18の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、
前記最短距離を指標する物理量を第1のパラメータとして設定する第1のステップと、
前記内積(ns・v)を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記第1のステップで設定された前記最短距離を指標する物理量と、前記第2のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σと、前記無限遠点の位置paxisとから、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求める第3のステップと、
前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求める第4のステップと、
前記極線上の点であって、かつ前記視軸の方向vと角度
r=cos-1(ns・v)
を成す点を求める第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5のステップのうちの前記第3から第5までのステップを、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のステップおよび前記第2のステップで変更しながら複数回繰り返すことにより、前記第5のステップの、1つの計測点に関する、前記第1のパラメータの値が同一であって、かつ前記第2のパラメータの値がそれぞれ異なる複数回の実行により求められる複数の点を結ぶ曲線を、前記第1のパラメータの各値ごとに前記複数の計測点について求め、その後、
前記第1から第5のステップを複数回繰り返す間に求められた複数の曲線を曲線描画空間に描画したときの曲線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求める第6のステップを実行するプログラムであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第5のステップが、前記点を求めるとともに、該点に対応する計測点の強度に対応する値を該点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するステップであり、前記第6のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第5までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記画像計測プログラムが、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第3のパラメータとして設定する第7のステップを有するプログラムであって、
前記第3のステップが、前記第1のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第2のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第7のステップで設定された前記両眼視差σと、前記無限遠点の位置paxisとを用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求めるステップであり、
前記第5のステップが、前記計測点に対応する極線上の前記点を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、該極線上の前記点に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を、該極線上の前記点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3から第5までのステップを、前記第1、第2、および第7のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、その後実行される前記第6のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第7および前記第3から第5までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0350】
また、上記第18の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、
前記視軸の方向vを第1のパラメータとして設定することにより前記無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記最短距離を指標する物理量を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記内積(ns・v)を第3のパラメータとして設定する第3のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記無限遠点の位置paxisと、前記第2のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第3のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置pR,pLあるいは、これら2つの計測位置pR,pLに代わる、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRおよび該計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σとから、前記複比{paxisRLc}あるいは該複比と等価な演算を用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求める第4のステップと、
前記観察平面上の交点の位置pcを極変換することにより該位置pcに対応する極線を求める第5のステップと、
前記極線上の点であって、かつ前記視軸の方向vと角度
r=cos-1(ns・v)
を成す点を求める第6のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第6のステップのうちの前記第4から第6までのステップを、前記第1から第3までのパラメータの各値を、それぞれ前記第1から第3までの各ステップで変更しながら複数回繰り返すことにより、前記第6のステップの、1つの計測点に関する、前記第1のパラメータの値が同一であるとともに前記第2のパラメータの値が同一であって、かつ前記第3のパラメータの値がそれぞれ異なる複数回の実行により求められる複数の点を結ぶ曲線を、前記第1のパラメータの各値と前記第2のパラメータの各値との各組合せごとに前記複数の計測点について求め、その後、
前記第1から第6までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の曲線を前記第1のパラメータの値に応じた複数の曲線描画空間のうちのそれぞれ対応する曲線描画空間に描画したときの曲線どうしの交差点を各曲線描画空間ごとに求め該交差点で交わる曲線の本数の情報に基づいて真の視軸方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する曲線描画空間について求められた交差点で交わる複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求める第7のステップを実行するプログラムであってもよく、
この場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第6のステップが、前記点を求めるとともに、該点に対応する計測点の強度に対応する値を該点に対応する、該点を含む曲線が描かれる曲線描画空間内の点に投票するステップであり、前記第7のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第6までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点対応する、該点を含む曲線が描かれる曲線描画空間内の点に極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記画像計測プログラムが、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第4のパラメータとして設定する第8のステップを有するプログラムであって、
前記第4のステップが、前記第1のステップで設定された、前記無限遠点の位置paxisと、前記第2のステップで設定された、前記最短距離を指標する物理量と、前記第3のステップで設定された内積(ns・v)と、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第8のステップで設定された前記両眼視差σとを用いて、前記観察平面上の交点の位置pcを求めるステップであり、
前記第6のステップが、前記計測点に対応する極線上の前記点を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、該極線上の前記点に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を、該極線上の前記点に対応する、前記曲線描画空間内の点に投票するステップであって、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第4から第6までのステップを、前記第1、第2、第3および第8のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、その後実行される前記第7のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第3、第8および前記第4から第6までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各曲線描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する曲線描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する曲線描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の曲線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位ns、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0351】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第19の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置をそれぞれpR,pL、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向をv、前記計測点を含み、前記2つの視軸と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置をpaxisとしたとき、
前記3つの位置paxis,pR,pLで決まる単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算を用いて、前記計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離を指標する物理量を求める画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0352】
ここで、上記第19の画像計測プログラム記憶された画像計測プログラムが実行する、前記単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLに代えて、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σとを用いる演算が包含されるものである。
【0353】
上記第19の画像計測プログラム記憶媒体に格納された画像計測プログラムは、前記各位置paxis,pR,pLとして球面上に写影された各位置を採用すると共に、前記最短距離を指標する物理量として、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離をds、2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
ns=ds/ΔxLR
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、
前記規格化最短距離nsをパラメータとして設定する第1のステップと、
前記第1のステップで設定された規格化最短距離nsと、単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算とを用いて、
R=cos-1ns/(paxisRL))
なる関係式あるいは該関係式と等価な関係式で規定される半径Rをを求める第2のステップと、
前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの前記計測点の計測位置を中心とした半径Rの小円を求める第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記パラメータを前記第1のステップで変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の小円を小円描画空間に描画したときの小円どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求める第4ステップを実行するプログラムであってもよく、
この場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第3のステップが、前記小円を求めるとともに、求められた小円を小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第3までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記画像計測プログラムが、前記計測点の前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第2のパラメータとして設定する第5のステップを有するプログラムであって、
前記第2のステップが、前記第1のステップで設定された規格化最短距離nsと、前記無限遠点の位置paxisと、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第5のステップで設定された前記両眼視差σとを用いて、前記半径Rを求めるステップであり、
前記第3のステップが、前記計測点に対応する前記小円を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた小円を小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の、前記両眼視差に対応する応答強度を投票するステップであり、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第2のステップと前記第3のステップを、前記第1のステップおよび前記第5のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、
その後実行される前記第4のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第5、第2および第3のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0354】
また、上記第19の画像計測プログラム記憶媒体に格納された画像計測プログラムは、前記各位置paxis,pR,pLとして球面上に写影された各位置を採用すると共に、前記最短距離を指標する物理量として、前記計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の最短距離をds、前記2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
ns=ds/ΔxLR
であらわされる規格化最短距離nsを採用し、
前記視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより前記無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記規格化最短距離nsを第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記第1のステップで設定された、前記無限遠点の位置paxisと、前記第2のステップで設定された規格化最短距離nsと、単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算とを用いて、
R=cos-1ns/(paxisRL))
なる関係式あるいは該関係式と等価な関係式で規定される半径Rを求める第3のステップと、
前記2つの観察点のうちの一方の観察点とから観察したときの前記計測点の計測位置を中心とした半径Rの小円を求める第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1のパラメータおよび前記第2のパラメータの各値をそれぞれ前記第1のステップおよび前記第2のステップで変更しながら複数回繰り返し、その後、
前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間に求められた複数の小円を前記第1のパラメータの値に応じた複数の小円描画空間のうちのそれぞれ対応する小円描画空間に描画したときの小円どうし交差点を各小円描画空間ごとに求め該交差点で交わる小円の本数の情報に基づいて真の視軸方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する小円描画空間について求められた交差点で交わる複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求める第5のステップを実行するプログラムであってもよく、
その場合に、前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、前記第4のステップが、前記小円を求めるとともに、求められた小円を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の強度に対応する値を投票するステップであり、前記第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1から第4までのステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各小円描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する小円描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることが好ましく、あるいは、
前記画像上にあらわれた計測点が強度の情報を有するものであって、
前記画像計測プログラムが、前記計測点の前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の両眼視差σを第3のパラメータとして設定する第6のステップを有するプログラムであって、
前記第2のステップが、前記第1のステップで設定された、前記無限遠点の位置paxisと、前記第2のステップで設定された規格化最短距離nsと、該計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第5のステップで設定された前記両眼視差σとを用いて、前記半径Rを求めるステップであり、
前記第4のステップが、前記計測点に対応する前記小円を求めるとともに、該計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求め、求められた小円を該小円に対応する小円描画空間に描画したときの該小円の軌跡上の各点それぞれに該小円に対応する計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を投票するステップであり、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第3のステップと前記第4のステップを、前記第1、第2および第6のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回繰り返し、その後実行される前記第5のステップが、前記交差点を求めることに代わり、前記第1、第2、第6、第3および第4のステップを複数回繰り返す間の投票による値が極大値となる極大点を各小円描画空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記真の視軸方向に対応する小円描画空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する小円描画空間について求められた極大点の投票に参加した複数の小円に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位nso、及び/又は、該計測平面についての規格化最短距離ns0を求めるステップであることも好ましい態様である。
【0355】
さらに、上記本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第20の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの各計測位置をそれぞれpR,pL、前記計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸の方向vと同一の方向に延びる直線上の無限遠点の位置をpaxisとしたとき、
前記3つの位置paxis,pR,pL,で決まる単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算を用いて、前記計測点と、前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の距離を指標する物理量を求める画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0356】
この第20の画像計測プログラム記憶媒体に記録された画像計測プログラムが実行する、前記単比(paxisRL)あるいは該単比と等価な演算には、前記計測点の、前記2つの観察点それぞれから観察したときの2つの計測位置pR,pLに代えて、前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σとを用いる演算が包含されるものである。
【0357】
上記第20の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、前記距離を指標する物理量として、前記計測点と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の距離をd0、前記2つの観察点どうしの間の距離をΔxLRとしたときの、
n0=d0/ΔxLR
であらわされる規格化距離n0を採用し、該規格化距離n0を、
n0=(paxisRL
の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めるプログラムであってもよい。
【0358】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第21の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含む計測平面と、前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、該計測点を含み、前記視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisと、前記第1のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを求める第2のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第1のステップで設定された座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0359】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第22の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含み、該視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記計測点を含む計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の前記視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第1のステップで設定された位置paxisと、前記第2のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを求める第3のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第2のステップで設定された座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0360】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第23の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点のうちの一方の観察点と、該2つの観察点から該計測空間を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、該計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisと、前記第1のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを求める第2のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第1のステップで設定された座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0361】
さらに、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第24の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記2つの観察点から該計測空間を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含み、該視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記2つの観測点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面までの最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第1のステップで設定された位置paxisと、前記第2のステップで設定された、前記投票空間内の座標とから、前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを求める第3のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記両眼視差σに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第2のステップで設定された座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0362】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第25の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの2つの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σをパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、該計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisと、前記第1のステップで設定された両眼視差σとから、前記計測点を含む計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標を求める第2のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第1のステップで設定された両眼視差σに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第2のステップで求められた座標に投票する第4ののステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0363】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第26の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記2つの観察点から該計測空間を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含み、該視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第1のステップで設定された位置paxisと、前記第2のステップで設定された両眼視差σとから、前記計測点を含む計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を求める第3のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第2のステップで設定された両眼視差σに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第3のステップで求められた座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0364】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第27の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの2つの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点の2つの計測位置pR,pLどうしの間の位置の差である両眼視差σをパラメータとして設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、該計測点を含み、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisと、前記第1のステップで設定された両眼視差σとに基づいて、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される投票空間内の座標を求める第2のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第1のステップで設定された両眼視差σに対応する応答強度を求める第3のステップと、
前記第3のステップで求められた応答強度を、前記投票空間内の、前記第2のステップで求められた座標に投票する第4のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第4までのステップのうちの第2から第4までのステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0365】
さらに、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第28の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向方向vを第1のパラメータとして設定することにより、前記2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれる、該計測空間内の任意の計測点を含み、該視軸方向と同一方向に延びる直線上の無限遠点の位置paxisを設定する第1のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点から観察したときの2つの計測位置pR,pLどうしの位置の差である両眼視差σを第2のパラメータとして設定する第2のステップと、
前記計測点の、前記2つの観察点のうちの一方の観察点から観察したときの計測位置pRと、前記第1のステップで設定された位置paxisと、前記第2のステップで設定された両眼視差σとに基づいて、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位nsとで規定される、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の座標を求める第3のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間を眺めたときの2つの画像に基づいて、前記計測点の、前記第2のステップで設定された両眼視差σに対応する応答強度を求める第4のステップと、
前記第4のステップで求められた応答強度を、前記第1のパラメータに応じた投票空間内の、前記第3のステップで求められた座標に投票する第5のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第5までのステップのうちの第3から第5までのステップを、前記第1および第2のステップで各パラメータの各値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0366】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第29の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から、該計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの観察点から観察したときの2つの計測位置どうしの位置の差である両眼視差に対応する応答強度を求める第1のステップと、
前記第1のステップで求められた応答強度を、前記計測点を含む計測平面と、前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される投票空間内の、前記計測点と前記両眼視差とに対応した座標に投票する第2のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について前記第1のステップと前記第2のステップを複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0367】
ここで、上記第29の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された前記画像計測プログラムは、前記投票空間内の、前記投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める第3のステップを有するプログラムであってもよい。
【0368】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第30の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内を観察する該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの観察点から観察したときの2つの計測位置どうしの位置の差である両眼視差に対応する応答強度を求める第2のステップと、
前記第2のステップで求められた応答強度を、前記計測点を含む計測平面と、前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される、前記第1のステップで設定されたパラメータに応じた投票空間内の、前記計測点と前記両眼視差とに対応した座標に投票する第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第3までのステップのうちの第2および第3のステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0369】
ここで、上記第30の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された前記画像計測プログラムは、前記投票による値が極大値となる極大点を各投票空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の視軸方向に対応する投票空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する投票空間について求められた極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面と前記2つの観察点のうちの一方の観察点との間の、前記視軸方向の距離を指標する物理量を求める第4のステップを有するプログラムであってもよい。
【0370】
また、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第31の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内の所定の2つの観察点から該計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの観察点から観察したときの2つの計測位置どうしの位置の差である両眼視差に対応する応答強度を求める第1のステップと、
前記第1のステップで求められた応答強度を、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される投票空間内の、前記計測点と前記両眼視差σとに対応した座標に投票する第2のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1のステップと前記第2のステップを複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0371】
ここで、上記第31の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、前記投票空間内の、前記投票による値が極大値となる極大点を求めることにより、該極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測平面との間の最短距離を指標する物理量を求める第3のステップを有するプログラムであってもよい。
【0372】
さらに、本発明の画像計測プログラム記憶媒体のうちの第32の画像計測プログラム記憶媒体は、
所定の計測空間内を観察する、該計測空間内の所定の2つの観察点どうしを結ぶ視軸方向をパラメータとして設定する第1のステップと、
前記2つの観察点から前記計測空間内を眺めたときの2つの画像に基づいて、該計測空間内の任意の計測点の、該2つの観察点から観察したときの2つの計測位置どうしの位置の差である両眼視差に対応する応答強度を求める第2のステップと、
前記第2のステップで求められた応答強度を、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測点を含む計測平面との間の最短距離を指標する物理量と、該計測平面の方位とで規定される、前記第1のステップで設定されたパラメータに応じた投票空間内の、前記計測点と前記両眼視差とに対応する座標に投票する第3のステップとを有し、
前記計測空間内の複数の計測点について、前記第1から第3までのステップのうちの第2および第3のステップを、前記第1のステップでパラメータの値を変更しながら複数回実行する画像計測プログラムが記憶されてなることを特徴とする。
【0373】
ここで、上記第32の画像計測プログラム記憶媒体に記憶された画像計測プログラムは、前記投票による値が極大値となる極大点を各投票空間ごとに求め該極大点における極大値の情報に基づいて前記計測点の前記観察点に対する相対的な真の視軸方向に対応する投票空間を選択することにより該真の視軸方向を求めるとともに、該真の視軸方向に対応する投票空間について求められた極大点の投票に参加した複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、前記2つの観察点のうちの一方の観察点と、前記計測平面との最短距離を指標する物理量を求める第4のステップを有するプログラムであってもよい。
【0374】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0375】
図2は、本発明の画像計測装置の一実施形態として採用されるコンピュータシステムの外観を示す図である。
【0376】
このコンピュータシステム300は、CPU、RAMメモリ、磁気ディスク、通信用ボード、画像入力用ボード等を内蔵した本体301、本体301からの指示により画面表示を行なうCRTディスプレイ302、このコンピュータ内にユーザの指示や文字情報を入力するためのキーボード303、およびCRTディスプレイ302の表示画面上の任意の位置を指定することによりその位置に表示されていたアイコン等に応じた指示を入力するマウス304を備えている。本体301には、外観上、フロッピィディスクやMO(光磁気ディスク)が取り出し自在に装填されるフロッピィディスク装填口301aやMO装填口301bを有しており、その内部には、装填されたフロッピィディスク、MOをドライブするフロッピィディスクドライバ、MOドライバも内蔵されている。
【0377】
図3は、図2に示すコンピュータシステムのハードウェア構成図である。
【0378】
このハードウェア構成図には、中央演算処理装置(CPU)311、RAM312、磁気ディスクコントローラ313、フロッピィディスクドライバ314、MOドライバ315、マウスコントローラ316、キーボードコントローラ317、ディスプレイコントローラ318、通信用ボード319、および画像入力用ボード320が示されており、それらはバス310で相互に接続されている。
【0379】
磁気ディスクコントローラ313は、本体301(図2参照)に内蔵された磁気ディスク321をアクセスするものである。
【0380】
また、フロッピィディスクドライバ314、MOドライバ315は、図2を参照して説明したように、それぞれフロッピィディスク322、MO323が装填され、装填されたフロッピィディスク322、MO323をアクセスするものである。
【0381】
また、マウスコントローラ316、キーボードコントローラ317は、それぞれ、マウス304、キーボード303の操作をこのコンピュータ内部に伝えるものである。
【0382】
また、ディスプレイコントローラ318は、CPU311で動作するプログラムに応じて、CRTディスプレイ302に画像を表示させるコントローラである。
【0383】
さらに、通信用ボード319は、通信回線400によりLANやインターネットなどの通信網と接続されており、この通信用ボード319は、例えば、その通信網を流れる画像データを受信する役割りを担っている。
【0384】
さらに、画像入力用ボードは、外部のカメラ11(電子スチールカメラ、あるいはビデオカメラ等)と接続され、そのカメラ11での撮影により得られた画像データをこのコンピュータ内部に取り込む役割りを担っている。尚、この図3には、カメラは1台のみ示されているが、この画像入力用ボード320には2台のカメラが接続され、例えば人間の両眼の視差に対応した異なる方向から同一の被写体を同時に撮影して得た2枚の画像を入力することもできる。
【0385】
このコンピュータシステム300は、フロッピィディスク322やMO323に記憶されていたプログラムがインストールされ、あるいは、通信回線400を経由してきたプログラムがインストールされて、後述する本発明の画像計測装置として動作するものであり、したがって、図2,図3に示したコンピュータシステムのハードウェアと、そのコンピュータシステムにインストールされて実行されるプログラムとの組合せとして本発明の画像計測装置の一実施形態が実現されている。また、このコンピュータシステムを本発明の画像計測装置として動作させるプログラムが、本発明にいう画像計測プログラムに相当し、フロッピィディスク322やMO323にその画像計測プログラムが記憶されている場合に、その画像計測プログラムを記憶した状態にあるフロッピィディスク322やMO323が本発明にいう画像計測プログラム記憶媒体に相当する。また、その画像計測プログラムがこのコンピュータシステムにインストールされると、そのインストールされた画像計測プログラムは磁気ディスク321に記憶される。従って、その画像計測プログラムを記憶した状態にある磁気ディスク321も本発明の画像計測プログラム記憶媒体の一例に相当する。
【0386】
ここで、この図2,図3に示すコンピュータシステム300の、画像計測装置としての機能は、後述する各種の機能ブロック図で示されており、そこで動作する画像計測プログラムの内容は後述する各種のフローチャートで示されている。また、それら後述する各種のフローチャートは「方法」の形態として捉えることもでき、したがって、それら後述する各種のフローチャートは、本発明の画像計測方法の各種実施形態にも相当する。
【0387】
ここで、本発明の実施形態の説明は一旦中断し、本発明による画像計測の原理説明を行ない、その後、本発明の各種の実施形態を説明する。
【0388】
1.平面の3次元方位と横切るまでの時間の計測法
平面の三次元幾何情報のうち、平面の3次元方位nsと平面を横切るまでの時間tcを計測する方法を提供する。
【0389】
平面がある方向vに移動しているとする。法線ベクトルがnsの平面(3次元方位がnsの平面)が、現時刻t0から次の時刻t1へと移動し、さらに時刻tcに平面がカメラ中心Oを横切る様子を、図4に示す。各時刻の平面上の三角形の頂点(白丸)は、眼球の網膜(あるいは球面カメラ)の上では、カメラ中心と各頂点を結んだ線と眼球面(あるいは球面カメラ)との交点(黒丸)として写る。以降では簡単のために、眼球(あるいは球面カメラ)の直径は1とする。従って、カメラ中心と黒丸を結ぶベクトルは大きさ1の“単位ベクトル”になる。
【0390】
1.1. 平面の3次元方位nsを計測する原理
図4の時刻tcの様子を抜き出して図5に示す。この時刻では、平面がカメラ中心Oを通るため、平面上の点群(白丸)は球面上では“大円gnsの上の点群(黒丸)”として縮退して投影される。この大円は平面と球面との交線であり、従ってベクトルpcは平面の法線ベクトルnsと直交する。この関係から、平面の法線ベクトルnsはベクトルpcの「極変換」として次のようにして計測できる。すなわち、各ベクトルpcについてそれを中心とする大円――大円は球面上で最も大きい円――を描くと、それら大円群は一点で交差し、その交差点として平面の法線ベクトル(すなわち3次元方位)nsが計測される。このように、平面上の複数の点についてpcが判ると、極変換を行って平面の3次元方位を求めることができる。(ここで、極変換の用語を説明しておくと、上記の球面上の点pcおよび大円がそれぞれ「極」および「極線」と言われ、その極pcを極線(大円)に変換する操作が「極変換(polar transformation)(あるいは双対変換(duality))」と言われる。)
1.2. 平面を横切るまでの規格化時間ncを計測する原理
規格化時間ncを計測する原理を説明する。ここで、規格化時間は、平面を横切るまでの時間tcを“現時刻t0と次の時刻t1の時間差Δt”で規格化した時間であり、式(1)で表される。
【0391】
nc=tc/Δt (1)
Δt=t1−t0 (2)
図4の球面上に投影された三角形(黒丸)が移動する様子を図6に示す。現時刻t0での三角形102030が次時刻t1では112131に移動し、次に平面を横切る時刻tcでは“平面の法線ベクトルnsと直交する大円gns”の上の三点1c2c3cに縮退して移動し、最後に無限時間経過後には移動方向vに収束する。各頂点は“移動方向vとそれらを結ぶ大円1g,2g,3g”の上を移動する。なお、移動方向vは無限時間経過後の位置であることから、以降ではpinfとも記す。
【0392】
規格化時間ncを計測するための準備として、現時刻の位置p0、次時刻の位置p1、そして無限時間経過後の位置pinfを知って、現時刻での点の三次元距離(すなわち、カメラ中心Oから点P0までの距離)d0を計測できることを図7で示す。図6の“移動軌跡を表す大円の一つg”で球面を切断した断面を図7に示す。三角形OP01に正弦定理を用いると、点P0までの距離d0と“現在から次時刻までの移動距離Δx”の間には
Δx/sin(p01)=d0/sin(pinf1) (3)
の関係がある。ここで、p01はp0からp1への中心角であり、pinf1はpinfからp1への中心角である。式(3)を変形すると、点P0までの距離d0は下式で求められる。
【0393】
0=Δx sin(pinf1)/sin(p01) (4)
ここで、大円の三点a,b,cについての「単比(abc)」は
(abc)=ac/bc=sin(ac)/sin(bc) (5)
と定義される(「射影幾何(グーリエビッチ著、東京図書)」の6頁)。この単比を用いると式(4)は式(6)で表される。この単比表現により中心投影の方式によらなくなるため、“球面カメラや眼球”の大円上を移動する上記の三点p0,p1,pcだけでなく、“平面カメラ画像の直線”の上を移動する三点p0,p1,pcからでも距離d0を計測することができる。すなわち、画像を撮影するカメラ方式によらずに、点の距離d0を三次元計測できる。
【0394】
0=Δx(pinf01) (6)
以上の準備に基づいて、規格化時間ncを計測する原理を説明する。“時刻tcにカメラ中心Oを横切っている平面”を図7に書き加えたのが図8である。移動速度をVとすると、“現在から次の時刻までの移動距離Δx”は“現在から次の時刻までの時間差Δt”と
Δx=V Δt (7)
の関係にあるから、式(4)および式(6)に式(7)を代入すると次式になる。
【0395】
0=V Δt sin(pinf1)/sin(p01) (8a)
=V Δt(pinf01) (8b)
また、現在から平面を横切るまでの時間をtcとすると、三角形O0PPcに正弦定理を適用して上記と同様に変形すると、距離d0が下式で求められる。
【0396】
0=V tc sin(pinfc)/sin(p0c) (9a)
=V tc(pinf0c) (9b)
式(8)と式(9)の比をとって整理すると、平面を横切るまでの規格化時間ncが下式で求められる。
【0397】
Figure 0003949333
ここで、大円上の四点a,b,c,dについての複比{abcd}は、“二つの単比、(abc)と(abd)、の比”として式(11a)で定義され、その複比には式(11c)の関係がある(「射影幾何(グーリエビッチ著、東京図書)」の257頁および119頁)。
【0398】
Figure 0003949333
この複比の定義(式(11a))を用いると式(10)は
nc={pinf01c} (12a)
と表される。このように、移動軌跡上の四点p0,p1,pc,pinfが判ると、規格化時間ncは式(12a)の複比として求められる。
【0399】
ここで、式(12a)の射影幾何学的な意味を考える。「射影幾何学(弥永と平野著、朝倉書店)」の86頁によると、「基点系a,b,cによるdの座標λを複比といい、{abcd}で表される」として複比が定義されている(「射影幾何(グーリエビッチ著、東京図書)」の119頁にも同様の記載あり)。この定義において、基点系a,b,cを基点系pinf,p0,p1に換え、また複比の値λをncに換えると「基点系pinf,p0,p1によるpcの座標ncを複比といい、{pinf01c}で表される」になる。従って、式(12a)は射影幾何学的には、
「規格化時間ncは、原点、無限遠点、単位点をそれぞれp0,pinf,p1とする基点系で計測したpcの座標である」 (12b)
を意味する。
【0400】
式(12a)の複比は射影幾何学の基本的な不変量であり、任意の射影と切断に対して変わらない――つまり、球面カメラや平面カメラなどの“任意のカメラ方式の画像”に対して複比は変わらない。従って、“球面カメラや眼球”の大円上を移動する上記の四点p0,p1,pc,pinfだけでなく、“平面カメラ画像の直線”の上を移動する四点p0,p1,pc,pinfからでも“平面を横切るまでの規格化時間nc”を複比として計測することができる。すなわち、画像を撮影するカメラの方式によらずに、規格化時間ncを計測できることを示している。
【0401】
1.3. 複比変換と極変換により平面の三次元幾何情報を求める方法
以上の原理で用いた四つの位置p0,p1,pc,pinfを知ることができるかどうかを考えてみる。まず、現時刻の位置p0と次の時刻の位置p1はカメラ画像から知ることができる。次に、無限時刻の位置は、平面(あるいはカメラ)の移動方向vに等しいから知ることができる。上記の四つの位置のうち直接に知ることができないのは、平面がカメラ中心を横切る時刻tcでの位置pcである。
【0402】
式(10a)あるいは式(12a)を変形して得られる「複比変換」によりその位置pcを推定でき、次にそのpcを1.1の方法で「極変換」することにより、平面の三次元幾何情報(3次元方位ns0と横切るまでの規格化時間nc0)を計測できることを以下に示す。
【0403】
1.3.1 複比変換
この複比変換は、規格化時間ncおよび三つの時刻での位置p0,p1,pinfを知って、三次元幾何情報の決定に重要な“上記の位置pc”を計算するものである。式(12a)において四つの変数nc,p0,p1,pinfが判るから、残りの変数pcを求めることができる――この計算は射影幾何学の複比の計算法としてよく知られている。
【0404】
この計算を具体的に数式で表す。図8の球の断面部分を取り出して図9に示す。pinfを基点にして、それからの中心角a,b,xでp0,p1,pcの位置を表す(注:この基点は任意の位置でよい)。各種の中心角を纏めて下記に示す。
【0405】
inf0=a (13)
inf1=b
infc=x
01=b−a
0c=x−a
これら中心角を用いて上記の複比変換を数式で示す。式(10a)の右辺すなわち複比を、式(13)の中心角を用いて表すと
Figure 0003949333
となる。これを変形すると、pcとpinfとの中心角xが
Figure 0003949333
で与えられる。従って、規格化時間ncおよび“三つの時刻の位置p0,p1,pinf”を与えると、平面を横切る時刻での位置pcが式(14b)により計算されること、すなわち複比変換の数式が示された。
【0406】
ここで、一般の動画像処理やオプティカルフローの研究では上記で用いた“次の時刻の位置p1”の代わりに、“現時刻からの変化分p1−p0(すなわち、運動視差τであり中心角p01で表される)”を扱うことが多い。オプティカルフロー・パターン(図1)の各矢印がこの変化分であり、矢印の始点が現時刻位置p0で終点が次時刻位置p1である。図9ではその変化分を角度τで表した。この場合の複比変換の数式を以下に示す。各種の中心角は
inf0=a (15)
01=τ
infc=x
inf1=a+τ
0c=x−a
であり、式(10a)の右辺を式(15)の中心角を用いて表すと
Figure 0003949333
となる。これを変形すると、pcとpinfとの中心角xが
Figure 0003949333
で与えられ、複比変換の別の数式が得られた。
【0407】
1.3.2 平面の3次元方位と横切るまでの規格化時間の決定法
上記の複比変換を用いて、平面の3次元方位nsと横切るまでの規格化時間ncを決定する方法を説明する。それは以下の四つのステップで行われる。
【0408】
(1)規格化時間パラメータncを任意に設定する。
【0409】
(2)画像内の各点について、現在と次の時刻での位置p0,p1をカメラ画像から知り、また無限時間経過後の位置pinfを移動方向vから知って、それらを式(14b)あるいは式(16b)に代入して複比変換を行って、位置pcを計算する。
【0410】
(3)1.1の“平面の3次元方位nsを計測する原理”に基づいて、平面の法線ベクトルnsの候補を求める。すなわち、ステップ(2)で求めたpcを極変換して、球面上に大円を描く。ここで、大円を描く意味を説明する。もしステップ(1)で与えた規格化時間パラメータncが真の規格化時間nc0であれば、図5で述べたように、それら大円の交差点として平面の法線ベクトルns0が求まる。しかし、ステップ(1)では任意にパラメータncを与えているため、一般には一点で交差しない。従って、ここで描く大円は、平面の法線ベクトルnsの候補を求めたことになる。なお、上記大円の強度は“画像内の位置p0の明るさ”にし、また複数の大円が交わる場所ではそれら大円の強度を加算した強度にする。
【0411】
(4)以上のステップを規格化時間パラメータncを変えて行い、ステップ(3)で描かれる複数の大円が一点で交差するパラメータ値nc0を求める。そのパラメータ値として“平面を横切るまでの規格化時間nc0”が得られる。また、上記の交差点の座標として、平面の方位ns0が得られる。なお、上記の交差点検出の代わりに、強度がピークになる点を検出してもよい。
【0412】
ここで、ステップ(2)の複比変換で計算した位置pcの幾何学的意味を説明しておく。そのpcは、任意時刻ncΔtでの位置を「予測」したものである。この予測は、複比変換のベースである式(10a)の導出過程から明らかであるが、直感的には式(12b)を言い換えて
「任意時刻ncΔt(すなわち規格化時間nc)の位置を予測するには、原点、無限遠点、単位点をそれぞれp0,pinf,p1とする基点系において、座標がncの位置pcを求めればよい」
とすると理解できる。このようにして予測されるpcが大円上に並ぶ時刻が、図5に示した“平面がカメラ中心を横切る時刻nc0Δt(すなわちtc0)”であり、その時刻に対応して“平面を横切るまでの規格化時間nc0”が決定される。これらpcを極変換した大円は一点で交わり、その交差点の座標として平面の3次元方位ns0が決定される(図5)。
【0413】
1.3.3 上記ステップの幾何学的意味
【0414】
上述の各ステップの幾何学的意味を図10により説明する。図10(A)に示されているように、球面カメラ画像の上の各点は、現時刻の位置p0から次の時刻の位置p1に移動し、次に“平面がカメラ中心を横切る時刻”での位置pcを経て、最後に無限時間経過後には“平面(あるいはカメラ)の移動方向vに等しい位置pinf”に到達する(図6参照)。
【0415】
位置pcの決定(ステップ(2)の意味):“現在と次の時刻の位置p0,p1”およびステップ(1)で与えた“規格化時間パラメータnc”を式(14b)により複比変換して、“平面がカメラ中心を横切る時刻”での位置pcを決定する。この様子を図10(A)に示す。なお、式(16b)の複比変換を用いる場合は、次時刻の位置p1の代わりに“現時刻位置p0から次時刻位置p1への差ベクトルτ”を用いる。
【0416】
平面方位の候補群{ns}の描画(ステップ(3)の意味):上記で決定された位置pcを極変換して、球面上に大円、すなわち平面方位の候補群{ns}を図10(A)のように描く。もしステップ(1)で与えた規格化時間パラメータncが真の規格化時間nc0であれば、画像内の複数の点に対応するこれら大円の交差点として平面の法線ベクトルns0が求まる。
【0417】
円柱配列の座標値として三次元幾何情報を決定(ステップ(4)の意味):図10(A)の球面を平面の上に射影して、球面上の像を「円」の内部に変換する――射影する方法には、等立体角射影法、等距離射影法、正射影法等が知られている(「最新レンズ設計講座23レンズ設計に付随する諸問題(1) (中川著、写真工業、1982年)」:「昭和59年度実用原子力発電施設作業ロボット開発委託研究成果報告書(極限作業ロボット技術研究組合)」の4.2.2.1節;「昭和60年度実用原子力発電施設作業ロボット開発委託研究成果報告書(極限作業ロボット技術研究組合)」の4.2.2.1節)。その円を規格化時間パラメータncを縦軸にして積み重ねて、図10(B)のような「円柱配列」にする。このようにすると、ステップ(1)の幾何学的意味がはっきりする。すなわち、ステップ(1)で任意に与えた規格化時間パラメータncは、この円柱の高さ座標を指定したことになり、ステップ(2)と(3)では、その高さでの断面円――図10(A)の球面像を「円」の内部に変換したもの――を描いたことになる。ステップ(1)では任意にパラメータncを与えているため、図10(B)の上面に示すように大円は一点で交差しないが、その高さが真の規格化時間nc0に等しくなる断面円では、大円が一点で交差する。従って、この円柱の「高さ座標」として平面の規格化時間nc0が得られ、また「断面円内での交差座標」として3次元方位nsが得られる(図10(B))。
【0418】
1.4 シミュレーションによる確認
1.3.2と1.3.3で説明した“平面の三次元幾何情報を計測するアルゴリズム”が正しいことを計算機シミュレーションで示す(図11)。そのシミュレーションは、実施形態A−1のフローで行った。
【0419】
まず、入力データを説明する。球面カメラ(あるいは眼球)の真正面に垂直な平面があり、カメラ中心までの距離が3mである。その平面が、それに垂直な方向(すなわち、平面の法線ベクトルns0と平行な方向)に、カメラに向かって1m/秒の速度で移動する。その平面の上に8個の点があり、それらの点の“現在と次の時刻の球面上位置p0,p1”が入力画像データとして観測される。なお、現在から次の時刻までの時間差Δtは0.05秒であり、無限時刻の位置pinfはカメラの移動方向vに等しく視野中心にある。以上から、カメラが平面を横切るまでの時間tcは3/1=3秒であり、従って規格化時間nc0は3/0.05=60である。また、平面の法線ベクトルns0は視野中心にある。
【0420】
現在と次の時刻の位置p0,p1および無限時間経過後の位置pinfから、前述のアルゴリズム(複比変換と極変換)により、平面の三次元幾何情報(nc0とns0)を求めたシミュレーション結果を図11に示す。1.3.3で説明した各規格化時間パラメータncでの“円柱の断面円”を並べて示す。各断面円は、図10(A)の球面を“1.3.3で説明した等距離射影方式(実施形態の式(103c)を参照)”で球を通る平面上に射影してある。右下が現在時刻に対応するnc=0での断面円で、左上の無限時刻に対応するnc=無限に向かって、パラメータncが大きくなる順に並べてある。各断面円について説明する。各断面円には、位置p0,p1とパラメータncから「複比変換」で計算した位置pcがドットで描かれており、平面上の8個の点に対応して8個のpcが描かれている――これらpcは、1.3.2で述べたように、任意の時刻ncΔtで各点の見える位置を「予測」したものである。次に、それらpcを「極変換」した8個の大円が描かれている。
【0421】
最初の断面円(右下、nc=0)ではそれら大円が散らばって存在するが、パラメータncが大きくなるにつれて収束していき、ncが60の断面円(右端の上から2番目)ではそれら大円が一点で交差する。これよりもncが大きくなるとまた発散していく。このように、nc=60の高さでだけ大円が一点で交差する。この高さncが上述の“平面を横切るまでの規格化時間nc0”の値60に等しい。また、一点に交差する方位は視野の中心にあり、上述の“平面の法線ベクトルns0”に等しい。以上のシミュレーションから、1.3.2と1.3.3で説明した“平面の三次元幾何情報を計測するアルゴリズム”の正しいことが確認された。
【0422】
1.5 移動方向に平面を横切るまでの規格化距離ncを計測する方法
規格化距離ncは、“移動方向に平面を横切るまでの距離dc(この距離は図8のVtcである)”を“現在から次の時刻までの移動距離Δx”で規格化したものであり、下式で表される。
【0423】
Figure 0003949333
式(7)を代入し、また式(1)を用いて変形すると
Figure 0003949333
になり、規格化距離ncは前述の“規格化時間nc”に等しいことが示された。従って、規格化時間ncを求める方法(1.3.2)をそのまま用いて規格化距離ncを計測できる。
【0424】
1.6 移動方向vを知らなくても良い方法
以上では、移動方向vは既知であるとして、平面の3次元方位nsとそれを横切るまでの規格化時間ncを計測する方法を述べた。すなわち、その方向vから“無限時刻の位置pinf”を定め、次にその位置を用いて複比変換を行い、最後に極変換を行って三次元方位nsと規格化時間ncを求めた。
【0425】
ここでは、移動方向vが未知でも“平面の三次元方位nsと規格化時間nc”を計測できる方法を提供する。この方法により、例えばインターネット・ビデオ・映画の画像などで撮影中の移動方向が判らない場合でも“それら方位と時間”を計測できる。また、平面が移動している場合にはその移動方向は一般に判らないが、その場合でも“それら方位と時間”を移動方向vとともに計測できる。その方法の概要を説明すると、移動方向vが全ての方向にあり得ると仮定し、各移動方向に対して1.3.2の“複比変換と極変換”を行って極線を描く。それら極線が一定で交差する移動方向を求めると、それが真の移動方向v0であり、またその交差点の座標として平面の三次元方位nsと規格化時間ncが求められるものである。それは下記のステップで行われる。
【0426】
(1)移動方向パラメータvを任意に設定する。
【0427】
(2)そのパラメータvの方向を“無限時刻の位置pinf”とする。
【0428】
(3)1.3.2のステップ(1)〜(4)を実行し、全ての規格化時間パラメータncに対する極線を円柱配列(図10(B))の内部に描く。
【0429】
(4)以上のステップを移動方向パラメータvを変えて行い、上記ステップで描かれる極線が一点で交差するパラメータ値v0を求める。このパラメータ値が真の移動方向v0である。その交差点の座標として、平面の方位ns0および平面を横切るまでの規格化時間nc0が求められる。なお、上記の交差点検出の代わりに、強度がピークになる点を検出してもよい。
【0430】
2.平面までの規格化最短距離の計測法
平面の3次元方位nsと平面までの規格化最短距離nsを計測する方法を提供する。ここで規格化最短距離は、平面までの最短距離dsを“現在から次の時刻までにカメラ(あるいは平面)が移動した距離Δx”で規格化した距離であり、式(19)で表される。
【0431】
ns=ds/Δx (19)
この規格化最短距離nsと“1で説明した規格化時間nc”との間には、nsを平面の3次元方位、vを移動方向、そして()をスカラー積として
nsnc(ns・v) (20)
の関係がある。その理由を図12――平面のベクトルnsと移動方向vが横たわる平面での断面――を用いて説明する。“カメラ中心Oから平面までの最短距離ds”は、“移動方向に平面を横切るまでの距離Vtc”の法線方向成分であるから、
s=Vtc(ns・v) (21)
の関係がある――Vは移動速度の大きさである。この式の両辺を移動距離Δxで規格化すると、下式になり式(20)が得られた。
【0432】
Figure 0003949333
なお、上記の変形には、“現在から次の時刻までの時間差Δt”と“その間に移動する距離Δx”との次の関係を用いた。
【0433】
Δx=VΔt (23)
2.1 平面の規格化最短距離nsと3次元方位nsを計測する方法
1.3.2で述べたアルゴリズム(複比変換と極変換)に“nsncとの関係(式(20))”を組み合わせると、平面の3次元方位nsと規格化最短距離nsを計測できる。
【0434】
図13を用いて説明する。それは以下の六つのステップで行われる。
【0435】
(1)規格化最短距離パラメータnsを任意に設定する。
【0436】
(2)移動方向vを中心とする小円を考え、その半径rを任意に設定する(図13)。この小円上にある“平面の3次元方位候補ns”をステップ(4)で求める。そのためには、規格化時間パラメータncを下式で決まる値に設定する必要がある。
【0437】
ncns/cos(r) (24)
その理由を説明する。まず、nsは“vを中心とする半径rの小円”の上にあるからns、v、そしてrの間には下式の関係があり、
cos(r)=(ns・v) (25a)
またnsは式(20)を満たす必要があるから、式(20)に式(25a)を代入すると
nsnc cos(r) (25b)
になり、これを変形して式(24)が得られる。
【0438】
(3)画像内の各点について、現在と次の時刻での位置p0,p1をカメラ画像から知り、また無限時間経過後の位置pinfを移動方向vから知って、それらと規格化時間パラメータncを式(14b)あるいは式(16b)に代入して複比変換を行って、位置pcを計算する。
【0439】
(4)ステップ(3)で求めたpcを極変換して、球面上に大円gpcを描く。
この大円とステップ(2)の小円との二つの交点rs+rs-が“平面の3次元方位候補”である(図13)。なお、この交点が式(29)で表されることを後述する。
【0440】
(5)ステップ(2)〜(4)を半径rを変えて行い、ステップ(4)で求まる二つの交点rs+rs-からなる曲線を描く(図13)――この曲線は、2.2で述べるように“p0を中心とする小円”になる。ここで、この曲線を描く意味を説明する。もしステップ(1)で与えた規格化最短距離パラメータnsが真の規格化最短距離ns0であれば、それら曲線の交差点として平面の法線ベクトルns0が求まる。しかし、ステップ(1)では任意にパラメータnsを与えているため、一般には一点で交差しない。従って、ここで描く曲線は、平面の法線ベクトルnsの候補を求めたことになる。なお、上記曲線の強度は“画像内の位置p0の明るさ”にし、また複数の曲線が交わる場所ではそれら曲線の強度を加算した強度にする。
【0441】
(6)以上のステップを規格化最短距離パラメータnsを変えて行い、ステップ(5)で描かれる複数の曲線が一点で交差するパラメータ値ns0を求める。
そのパラメータ値として“カメラ中心Oから平面までの規格化最短距離ns0”が得られる。また、上記の交差点の座標として、平面の方位ns0が得られる。なお、上記の交差点検出の代わりに、強度がピークになる点を検出してもよい。
【0442】
2.2 平面の規格化最短距離nsと3次元方位nsを計測する別の方法
まず、2.1(5)で描かれる曲線が小円であることを示し、次に、その小円描画を用いて平面の規格化最短距離ns0と3次元方位ns0を計測する方法を説明する。
【0443】
2.2.1 小円になることの証明
証明のために図13に各種パラメータを書き込んだものを図14に示す。これらパラメータを用いて2.1のステップ(3)〜(5)を下記のように数式で表現し、2.1(5)の曲線が小円であることを示す。
【0444】
まず、ステップ(3)で述べた“位置pc”を数式で表現する。すなわち、pcとpinfとの中心角x(図9)は式(16b)に式(24)を代入して下式で表現される。なお、ここでは式(16b)を用いるが、それと等価な式(14b)を用いても同様にして証明できる。
【0445】
Figure 0003949333
次に、“そのpcを極変換した大円”とステップ(2)の小円”との交点、すなわち平面の3次元方位候補rs+rs-を数式で表現する。三角形rs+cvに余弦定理を適用すると
Figure 0003949333
になる。上式のπ/2は方位候補点rs+が“pcの極線”上にあることに起因する。式(27)に式(26)を代入して、xを消去すると
Figure 0003949333
になり、さらに変換すると
Figure 0003949333
になる。平面方位の候補点rs+rs-の経度座標点rαs+rαs-は式(28)を変形して
Figure 0003949333
で計算される。従って、平面方位の候補点rs+rs-の経度座標rが“ステップ(2)の小円の半径r”として、また経度座標点rαs+rαs-は式(29)で表現された。
【0446】
以上の準備に基づいて、“二つの交点rs+rs-からなる曲線”がp0を中心とする小円であることを示す。p0を中心とする半径Rの小円は、三角形rs+0vに余弦定理を適用をして
Figure 0003949333
で表される(「幾何学大辞典2(岩田至康、槇書店)」の72頁)。式(30)と式(28)を比較すると、式(28)――すなわち、二つの交点rs+rs-からなる曲線――は“半径Rが下式で表されるp0を中心とする小円”であることが判る。
【0447】
R=cos-1ns sin(τ)/sin(a+τ)) (31)
以上により、図14の二つの交点rs+rs-からなる曲線(すなわち式(28))は、“p0を中心とする半径Rの小円”であることが示された。これは、任意の点p0をこの小円に変換するとみることができ、この変換を「小円変換」と言うことにする。ここで、式(31)を現在時刻の位置p0、次時刻の位置p1、そして無限時刻の位置pinfで表現しておく。τ、a+τを式(15)の中心角で表現すると式(31)は下式で表される。
【0448】
R=cos-1ns sin(p01)/sin(pinf1)) (32)
式(31)では運動視差τを用いて半径Rを表現したが、次の時刻の位置p1が判る場合には、式(13)を式(32)に代入して下式で与えられる。
【0449】
R=cos-1ns sin(b−a)/sin(b)) (33)
2.2.2. 小円変換の幾何学的意味
【0450】
(1)半径Rの幾何学的意味
【0451】
式(32)を式(4)を用いて変形すると
R=cos-1ns/(d0/Δx)) (34a)
になり、さらに式(19)を代入して変形すると
Figure 0003949333
になる。
【0452】
半径Rの幾何学的な意味を図15により説明する。式(34b)で決まるRは、“カメラ中心Oから距離d0にある点P0”を通り且つ最短距離がdsの平面が存在するための必要条件を示している。すなわち、平面が存在するためには、その方位nsが点の方向p0から“式(34b)で決まる角度R”だけ傾いていなければならないことを示している。
【0453】
そのような“点P0を通り最短距離がdsの平面”は、p0を回転軸として多数存在する。それら平面の垂線の足Phを全て描くと、図16の“カメラ中心Oを頂点とする直円錐(稜の長さがds、頂角が2R)”の底辺になる。この直円錐の稜と“Oを中心とする単位球”との交線が小円になる。2.2.1で述べた小円変換は、“点の方向p0”をこの小円に変換するものである。
【0454】
なお、式(34b)は“平面の規格化最短距離ns”と式(36)で定義される“点の規格化最短距離n0”を用いて式(35)と表すこともでき、
R=cos-1nsn0) (35)
n0=d0/Δx (36)
また、式(34a)に式(6)を代入して下式で表すこともできる。
【0455】
R=cos-1ns/(pinf01)) (37)
(2)小円変換の幾何学的意味
【0456】
以上の考察から、2.2.1の球面上の小円変換は、3次元空間内の次の変換と等価である。すなわち、「空間内の点P0(方向p0、距離d0)」を、図16の直円錐の底の円周――すなわち“P0を通りカメラ中心Oからの最短距離がdsの全平面”の法線ベクトル群{ns}――へ変換するのと等価である。これが小円変換の幾何学的意味である。
【0457】
2.2.3. 平面の規格化最短距離nsと3次元方位nsを計測する別の方法
2.2.2.で説明した「小円変換」を用いて平面の規格化最短距離nsと3次元方位nsを計測する方法を説明する。それは以下の四つのステップで行われる。
【0458】
(1)規格化最短距離パラメータnsを任意に設定する。
【0459】
(2)画像内の各点について、現在と次の時刻の位置p0,p1をカメラ画像から知り、また無限時間経過後の位置pinfを移動方向vから知って、小円変換の半径Rを式(32)により計算する。
【0460】
(3)各点p0を小円変換する。すなわち、p0を中心とする半径Rの小円を球面上に描く。ここで、この小円を描く意味を説明する。もしステップ(1)で与えた規格化最短距離パラメータnsが真の規格化最短距離ns0であれば、それら小円の交差点として平面の法線ベクトルns0が求まる。しかし、ステップ(1)では任意にパラメータnsを与えているため、一般には一点で交差しない。従って、ここで描く小円は、平面の法線ベクトルnsの候補を求めたことになる。なお、上記小円の強度は“画像内の位置p0の明るさ”にし、また複数の小円が交わる場所ではそれら小円の強度を加算した強度にする。
【0461】
(4)以上のステップを規格化最短距離パラメータnsを変えて行い、ステップ(3)で描かれる複数の小円が一点で交差するパラメータ値ns0を求める。そのパラメータ値として“カメラ中心Oから平面までの規格化最短距離ns0”が得られる。また、上記の交差点の座標として、平面の方位ns0が得られる。なお、上記の交差点検出の代わりに、強度がピークになる点を検出してもよい。
【0462】
ここで、以上の小円変換法を図17により幾何学的に説明する。画像内の各点について、現在と次の時刻のp0,p1をカメラ画像から知り、また無限時間経過後の位置pinfを移動方向vから知り、さらに規格化最短距離パラメータnsがステップ(1)で与えられる。これらを式(32)に代入して半径Rを決定し、図17(A)のように小円変換を行う。すなわち、p0を中心として半径Rの小円を球面上に描く。次に図17(A)の球面を、1.3.3のステップ(4)でと同様に平面の上に射影して、球面上の像を「円」の内部に変換する。その円を規格化最短距離パラメータnsを縦軸にして積み重ねて、図17(B)の「円柱配列」にする。
【0463】
ステップ(1)で与えた規格化最短距離パラメータnsは、この円柱の高さ座標を指定したことになり、ステップ(2)と(3)では、その高さでの断面円――図17(A)の球面像を「円」の内部に変換したもの――を描いたことになる。ステップ(1)では任意にパラメータnsを与えているため、図17(B)の上面に示すように小円は一点で交差しないが、その高さが真の規格化最短距離ns0に等しくなる断面円では、小円が一点で交差する。従って、この円柱の「高さ座標」として平面の規格化最短距離nc0が得られ、また「断面円内の交差点の座標」として3次元方位nsが得られる。
【0464】
ここで、小円変換が成立するパラメータnsの範囲と性質を検討する。この変換が成立するのは、式(35)において|cos(R)|≦1、すなわち、
ns|≦|n0| (38)
の範囲にあるときである。この範囲では、半径Rはパラメータnsにより次のように変化する。ns=0では小円の半径Rがπ/2(すなわち大円)になり、|ns|が大きくなるにつれて半径Rは小さくなって、|ns|≦|n0|でRがゼロになる。この“半径Rがゼロになるns”は、図15において、“点P0を通りベクトル0P0に直交する平面”に対応する。
【0465】
以上の検討に基づいて、画像内の任意の点p0が円柱配列内のどのような幾何学形状に小円変換されるかを図17(C)で説明する。変換される小円の中心は高さnsによらずp0にあり、また半径Rは上記で説明したように変化するため、点p0は“回転楕円体のような立体”の表面に小円変換される。その頂点がn0で、回転軸がp0である。画像内に複数の点があると、それらが小円変換された“回転楕円体表面”が一点で交わり、その交差点の座標として、平面の三次元方位ns0と規格化最短距離ns0が得られる。なお、図17(C)ではp0が円柱中心にある場合の“回転楕円体”を描いたが、中心からはずれる場合にはその楕円体は円柱からはみ出すが、その部分は描かなくてよい。
【0466】
2.3 シミュレーションによる確認
2.2.3で説明した“平面の三次元幾何情報を計測するアルゴリズム”の正しいことを計算機シミュレーションで示す(図18)。そのシミュレーションは、実施形態A−3のフローで行った。
【0467】
まず、入力データを説明する。球面カメラ(あるいは眼球)の真正面に垂直な平面があり、カメラ中心Oまでの距離が3mである。その平面が、それに垂直な方向(すなわち、平面の法線ベクトルns0と平行な方向)に、カメラに向かって1m/秒の速度で移動する。その平面の上に8個の点があり、それらの点の“現在と次の時刻の球面上位置p0,p1”が入力画像データとして観測される。なお、現在から次の時刻までの時間差Δtは0.05秒であり、従って現在から次の時刻までの移動距離Δxは0.05×1=0.05mである。無限時刻の位置pinfはカメラの移動方向vに等しく視野中心にある。以上から、平面の規格化最短距離ns0は式(19)により30.05=60であり、平面の法線ベクトルns0は視野中心にある。
【0468】
現在と次の時刻の位置p0,p1および無限時刻の位置pinfから、2.2.3の小円変換アルゴリズムにより、平面の三次元幾何情報(ns0とns0)を求めたシミュレーション結果を図18に示す。図17(B)で説明した“各規格化最短距離パラメータnsでの円柱の断面円”を並べて示す。各断面円は、図17(A)の球面を“1.3.3で説明した等距離射影方式(実施形態の式(107c)を参照)”で球を通る平面上に射影してある。右下がns=0での断面円であり、左上に向かってパラメータnsが大きくなる順に並べてある。各断面円について説明する。現在時刻の位置p0がドットで描かれている。そのp0を中心にして“式(32)で計算した半径Rの小円”が、平面上の8個の点に対応して描かれている。
【0469】
最初の断面円(右下、ns=0)ではそれら小円が散らばって存在するが、パラメータnsが大きくなるにつれて収束していき、nsが60の断面円(右端の上から2番目)ではそれら小円が一点で交差する。これよりもnsが大きくなるとまた発散していく。このように、ns=60の高さだけ小円が一点で交差する。この高さnsが上述の“平面を横切るまでの規格化時間ns0”の値60に等しい。また、一点で交差する方位は視野の中心にあり、上述の“平面の法線ベクトルns0”に等しい。以上のシミュレーションから、2.2.3で説明した“小変換アルゴリズム”の正しいことが確認された。なお、それと等価の2.1の方法でも平面の三次元幾何情報を正しく求められることをシミュレーションで確認している。
【0470】
2.4 移動方向vを知らなくてもよい方法
2.1と2.2.3.では、移動方向vは既知であるとして、平面の三次元方位nsと規格化最短距離nsを求めた。ここでは、移動方向vが未知でもそれら方位と距離を計測できる方法を提供する。1.6と類似の方法である。この方法により、例えばインターネット・ビデオ・映画の画像などで撮影中の移動方向が判らない場合でも“それら方位と距離”を計測できる。また、平面が移動している場合にはその移動方向は一般に判らないが、その場合でも“それら方位と距離”を移動方向vとともに計測できる。その方法の概要を2.2.3について説明する(2.1についても同様に行える)。移動方向vが全ての方向にあり得ると仮定し、各移動方向に対して2.2.3の“小円変換”を行って小円を描く。それら小円が一点で交差する移動方向を求めると、それが真の移動方向v0であり、またその交差点の座標として平面の三次元方位nsと規格化最短距離nsを求められるものである。それは下記のステップで行われる。
【0471】
(1)移動方向パラメータvを任意に設定する。
【0472】
(2)そのパラメータvの方向を“無限時刻の位置pinf”とする。
【0473】
(3)2.2.3.のステップ(1)〜(4)を実行し、全ての規格化最短距離パラメータnsに対する小円を円柱配列(図17(B))の内部に描く。
【0474】
(4)以上のステップを移動方向パラメータvを変えて行い、上記ステップで描かれる小円が一点で交差するパラメータ値v0を求める。このパラメータ値が真の移動方向v0である。その交差点の座標として、平面の方位ns0および規格化最短距離ns0が求められる。なお、上記の交差点検出の代わりに、強度がピークになる点を検出してもよい。
【0475】
3.一般化
3.1 平面移動とカメラ移動
以上では平面が移動すると説明してきたが、カメラが移動する場合も同じアルゴリズムで平面の三次元幾何情報を計測できる。それは、平面移動とカメラ移動は相対的な運動であり、したがって移動方向vを反転すれば同じアルゴリズムになるからである。その等価性を、図19により説明する。
【0476】
図19(B)は平面がvの方向に移動した場合であり、平面上の点もそれにともなってp0,p1と空間内を移動する。各時刻での球面上位置p0,p1(図8)は、カメラ中心Oから見た角度α0,α1として観測されて決定される。無限時間経過後の球面位置pinfは平面の移動方向vに等しい。これら三つの球面上位置p0,p1,pinfから複比変換により“平面がカメラ中心を横切る時刻での球面上位置pc”を予測し、次にそのpcを極変換して平面の三次元幾何情報(3次元方位ns、横切るまでの規格化時間nc、規格化最短距離ns)を計測できることを1.3.2、2.2.3で述べた。なお、tc、Δt、Δx、Vはそれぞれ、平面を横切るまでの時間、現在から次の時刻までの時間差、次の時刻までの移動距離、移動速度の大きさである。
【0477】
一方、図19(A)はカメラが移動した場合である。平面上の点Pを見ながらカメラ中心がO0、O1、Ocと移動すると、点Pは各時刻でのカメラ中心から見た角度α0,α1,αcとして観測され、球面上の位置p0,p1,pcが決定される。無限時間経過後の球面上位置pinfは平面の移動方向vに等しい。これら位置p0,p1,pc,pinfを一つの球面上に描くように図19(A)をモディファイすると、その図は“平面が移動した場合(図19(B))”と同じになる。図19(B)と異なるのは移動方向が反対であることだけである。以上の検討から、カメラが移動する場合も、移動方向vを半転さえすれば、前述の“平面が移動した場合のアルゴリズム(1.3.2、2.1、2.2.3)”を用いて平面の三次元幾何情報を求めることができることが判る。同様に、カメラが移動する場合の点距離の計測でも“平面が移動した場合のアルゴリズム(式(6))”を用いて計測できる。
【0478】
3.2 円柱配列への投票
図10(B)では、円柱の各断面円に“球面上の大円を平面に射影した曲線”を「描画」するとした。この描画の代わりに、各断面円をメモリ配列やレジスタ配列で構成して、上記曲線に対応するメモリあるいはレジスタに「投票」をしてもよい。
【0479】
また、図17(B)では、円柱の各断面円に“球面上の小円を平面に射影した曲線”を「描画」するとした。この描画の代わりに、上記と同様に「メモリあるいはレジスタへの投票」にしてもよい。
【0480】
3.3 平面上での極変換
まず、極変換(双対変換とも言われる)の一般的な定義を図20により説明する。任意のベクトルaと“それを法線ベクトルとしかつ中心Oを通る平面π”を考える。そのベクトルaから平面πへの変換が広義の「極変換(あるいは双対変換)」である。このベクトルと平面を2次元的に表現するために、球面あるいは平面との交点あるいは交線が用いられる。
【0481】
球面の場合には、ベクトルaとの交点をasphere、平面πとの交線(すなわち大円)をgとすると、asphereとgがそれぞれ球面の極と極線である。極asphereから極線gへの変換が「球面上の極変換」である。一方、平面の場合には、ベクトルaとの交点をaplane、平面πとの交線(すなわち直線)をlとすると、aplaneとlがそれぞれ平面上の極と極線である。極aplaneから極線lへの変換が「平面上の極変換」である。
【0482】
1.3.2(3)では、pcを極変換した極線を「球面上の大円」として描画した。上記の説明に基づいて、その極線を「平面上の直線」として描画しても良い。
【0483】
また、2.1(5)と2.2.3(3)では、p0を小円変換した小円を「球面」の上に描いた。この小円を、カメラ中心から「任意の平面」に投影して、楕円として描いてもよい。
【0484】
3.4. 点までの規格化距離n0を計測する方法
現時刻、次の時刻、そして無限時刻の球面上位置p0,p1,pinfを知って、点までの規格化距離n0を計測できることを図7を用いて示す。ここで点の規格化距離n0は、点までの距離(すなわち、図7のカメラ中心Oから点P0までの距離)d0を、現在から次の時刻までにカメラ(あるいは点)が移動する距離Δxで規格化した距離である。その計測法を以下に示す。
【0485】
点までの距離d0を、上記三つの位置p0,p1,pinfを用いて式(6)で計測できることを1.2で述べた。式(6)の両辺をカメラ移動距離で規格化すると
Figure 0003949333
となり、したがって、規格化距離n0を単比(pinf01)として計測できることが示された。式(39a)に式(13)(あるいは式(15))を代入して中心角で表すと、下式になる。
【0486】
Figure 0003949333
3.5 平面カメラ
以上では球面カメラ(あるいは眼球)による画像を用いるとして説明したが、平面カメラによる画像を用いることもできる(図21)。その場合には、平面カメラで撮像された画像(白丸の三角形)を球面上の画像(黒丸の三角形)に変換して前述した“球面上のアルゴリズム”を実行すればよい。
【0487】
4.ステレオ画像から三次元幾何情報を計測する方法
以上で述べた運動視アルゴリズム――すなわち、カメラ(あるいは平面)を移動して平面の三次元幾何情報を計測するアルゴリズム――のパラメータ名を両眼視の名前に変えると、ステレオ画像から三次元幾何情報を計測することができる。すなわち、運動視アルゴリズムの現時刻の位置p0、次の時刻の位置p1、そして無限時刻の位置pinfを、それぞれ右カメラ画像での位置pR、左カメラ画像での位置pL、そして“左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis”に置き換えると、そのアルゴリズムを用いてステレオ画像から(i)平面の3次元方位ns、(ii)視軸方向に平面を横切るまでの規格化距離nc、(iii)平面までの規格化最短距離ns、そして(iv)点までの規格化距離n0を決定できる。それら方位と距離の計測法を以下で説明する。ここで、平面までの規格化距離nc、平面までの規格化最短距離ns、そして点までの規格化距離n0は、それぞれ“視軸方向に平面を横切るまでの右カメラからの距離dc”、“右カメラからの平面までの最短距離ds”、そして“右カメラから点までの距離d0”を左右カメラ間の距離ΔxLRで規格化した距離である(図22参照)。それら距離は下式で表される。なお、上記で右カメラと左カメラを交換してもよい。
【0488】
nc=dc/ΔxLR (50)
ns=ds/ΔxLR (51)
n0=d0/ΔxLR (52)
4.1 運動視との対応
両眼視のパラメータ(図22)は、前述の運動視アルゴリズムに用いられたパラメータ(図19)と次のように対応している。
【0489】
図22(A)に“平面上の点P”を両眼で見たときの様子を示す。左右カメラの中心OL、ORから見た点Pの角度αL,αRが観測され、それにより球面上の位置pL,pRが決定される。左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis――無限時間経過後の位置pinf(例えば図19(B))に対応――は、視軸方向axisに等しい。また右カメラが視軸方向に平面を横切るまで移動すると考えたときのカメラ中心の位置がOcである。Ocから見た点Pの角度αcが観測され、それにより球面上の位置pcが決定される。
【0490】
この図を前述の図19(A)と比較すると、名前が異なるだけで全く同じである。すなわち、図19(A)の現時刻の位置p0、次の時刻の位置p1、そして無限時刻の位置pinf、単位移動距離Δx、そして移動方向に平面を横切るまでの距離Vtcを、それぞれ右カメラ画像での位置pR、左カメラ画像での位置pL、視軸上の位置paxis、左右カメラ間の距離ΔxLR、そして視軸方向に平面を横切るまでの距離dcに置き換えると図22(A)になる。また、図22(B)は、図22(A)に四つの位置pR,pL,pc,paxisを“Ocを中心とする球面”の上に重ねて描くようにモディファイしたものであり、それらの四つの位置を“運動視におけるp0,p1,pc,pinf”に置き換えると図19(B)と同じになる。
【0491】
このように運動視とステレオ視の幾何学的関係は、パラメータの名前を上記のように交換すると全く同じになる。従って、前述の運動視アルゴリズム(1.3.2、2.1、2.2.3)のパラメータ名を変えることにより、同じアルゴリズムでステレオ画像から平面の三次元幾何情報を計測できることが判る。以下で詳述する。
【0492】
4.2 平面の三次元方位nsと“視軸方向に平面を横切るまでの規格化距離nc”を計測する方法
運動視アルゴリズム(1.2、1.3)と同様の手順で、平面の三次元方位nsと規格化距離nc”を計測することができる。
【0493】
4.2.1 規格化距離ncの複比{paxisRLc}による表現
図22(B)において、三角形PRLcに正弦定理を用いると、Ocから点PRまでの距離d0と左右カメラ間の距離ΔxLRの間には
ΔxLR/sin(αL−αR)=d0/sin(π−αL) (53a)
の関係があり、これを球面上の位置pL,pR,paxisで表すと下式になる。
【0494】
ΔxLR/sin(pRL)=−d0/sin(paxisL) (53b)
これを変形すると距離d0は下式で求められる。
【0495】
Figure 0003949333
また、三角形PRLcに正弦定理を適用して上記と同様に変形すると、距離d0が下式で求められる。
【0496】
Figure 0003949333
式(54)と式(55)の比をとって整理すると、規格化距離ncが複比{paxisRLc}として下式で求められる。
【0497】
Figure 0003949333
なお、この式は、式(12a)において、“運動視のパラメータnc,pinf,p0,p1,pc”を“両眼視のパラメータnc,paxis,pR,pL,pc”に交換したものになっている。
【0498】
4.2.2複比変換
この複比変換は、四つの変数nc,pR,pL,paxisを知って、残りの変数pcを式(56)を用いて計算する変換である。運動視の場合の複比変換(1.3.1)に対応する。
【0499】
この複比変換を具体的に数式で示す。図22(B)の球の断面を取り出して図23に示す。paxisを基点にして、それから中心角c,d,xでpR,pL,pcの位置を表す(注:この基点は任意の位置でよい)。これらの中心角を纏めて下記に示す。
【0500】
axisR=c (57)
axisL=d
axisc=x
RL=d−c
Rc=x−c
これらの中心角を用いて複比変換を数式で示す。式(56a)の右辺すなわち複比を、式(57)の中心角を用いて表すと
Figure 0003949333
となる。これを変形すると、pcとpaxisとの中心角xが
Figure 0003949333
で与えられる。従って、規格化距離ncおよび“三つの球面上位置pR,pL,paxis”を与えると、“右カメラが平面を横切るときの位置pc(図22(B))”が式(58b)で計算されることが示された。これが複比変換の数式である。なお、式(58b)は、式(14b)において運動視のパラメータ(規格化時間ncと中心角pinf0,pinf1,p01,pinfc)を両眼視のパラメータ(規格化距離ncと中心角paxisR,paxisL,pRL,paxisc)に交換したもの――すなわち運動視のパラメータ(規格化時間ncと球面上位置pinf,p0,p1,pc)を両眼視のパラメータ(規格化距離ncと中心角paxis,pR,pL,pc)に交換したもの――になっている。
【0501】
ここで、一般のステレオ画像処理の研究では上記で用いた“左カメラの位置pL”の代わりに、“右カメラからの変化分pL−pR(すなわち、両眼視差σであり中心角pRLで表される)”を扱うことが多い。この場合の複比の変換の数式表現を以下に示す。各種の中心角は
axisR=c (59)
RL=σ
axisc=x
axisL=c+σ
Rc=x−c
であり、式(56a)の右辺を式(59)の中心角を用いて表すと
Figure 0003949333
となる。これを変形すると、pcとpinfとの中心角xが
Figure 0003949333
で与えられ、複比変換の別の数式表現が得られた。なお、式(60b)は、式(16b)において運動視のパラメータ(規格化時間ncと中心角pinf0,pinf1,p01,pinfc)を両眼視のパラメータ(規格化距離ncと中心角paxisR,paxisL,pRL,paxisc)に交換したもの――すなわち運動視のパラメータ(規格化時間ncと球面上位置pinf,p0,p1,pc)を両眼視のパラメータ(規格化距離ncと球面上位置paxis,pR,pL,pc)に交換したもの――になっている。
【0502】
4.2.3 平面の3次元方位nsと規格化距離ncの決定法
上記の複比変換を用いて、平面の3次元方位nsと規格化距離ncを決定する方法を説明する。運動視の場合(1.3.2)と同様に行われる。それは以下の四つのステップで行われる。
【0503】
(1)規格化距離パラメータncを任意に設定する。
【0504】
(2)画像内の各点について、左右カメラでの位置pL,pRをカメラ画像から知り、また視軸上の位置paxisを視軸方向axisから知って、それらを式(58b)あるいは式(60b)に代入して複比変換を行い、位置pcを計算する。
【0505】
(3)1.1の“平面の3次元方位nsを計測する原理”に基づいて、平面の法線ベクトルnsの候補を求める。すなわち、具体的には、ステップ(2)で求めたpcを極変換して、球面上に大円を描く。ここで、大円を描く意味を説明する。もしステップ(1)で与えた規格化時間パラメータncが真の規格化距離nc0であれば、図5で述べたように、それら大円の交差点として平面の法線ベクトルns0が求まる。しかし、ステップ(1)では任意にパラメータncを与えているため、一般には一点で交差しない。従って、ここで描く大円は、平面の法線ベクトルnsの候補を求めたことになる。なお、上記大円の強度は“画像内の位置pRの明るさ”にし、また複数の大円が交わる場所ではそれら大円の強度を加算した強度にする。
【0506】
(4)以上のステップを規格化距離パラメータncを変えて行い、ステップ(3)で描かれる複数の大円が一点で交差するパラメータ値nc0を求める。そのパラメータ値として“視軸方向に平面を横切るまでの規格化距離nc0”が得られる。また、上記の交差点の座標として、平面の方位ns0が得られる。なお、上記の交差点検出の代わりに、強度がピークになる点を検出してもよい。
【0507】
なお、この方法は1.3.2において、運動視のパラメータ(規格化時間ncと球面上位置pinf,p0,p1)を両眼視のパラメータ(規格化距離ncと球面上位置paxis,pR,pL)に交換したものになっている。
【0508】
4.2.4 上記ステップの幾何学的意味
【0509】
上記ステップの幾何学的意味を図24により説明する。1.3.3で述べた“運動視の場合の幾何学的意味”において、運動視のパラメータを両眼視のパラメータに換えたものになっている。
【0510】
平面方位の候補群{ns}の描画(ステップ(3)):ステップ(2)で複比変換により決定された位置pcを極変換して、球面上に大円、すなわち平面方位の候補群{ns}を図24(A)のように描く。
【0511】
円柱配列の座標値として三次元幾何情報を決定(ステップ(4)):図24(A)の球面を、1.3.3のステップ(4)でと同様に平面の上に射影して、球面上の像を「円」の内部に変換する。その円を規格化最短距離パラメータncを縦軸にして積み重ねて、図24(B)のような「円柱配列」にする。このようにすると、ステップ(1)の幾何学的意味がはっきりする。すなわち、ステップ(1)で任意に与えた規格化距離パラメータncは、この円柱の高さ座標を指定したことになり、ステップ(2)と(3)では、その高さでの断面円――図24(A)の球面像を「円」の内部に変換したもの――を描いたことになる。ステップ(1)では任意にパラメータncを与えているため、図24(B)の上面に示すように大円は一点で交差しないが、その高さが真の規格化距離nc0に等しくなる断面円では、大円が一点で交差する。従って、この円柱の「高さ座標」として平面の規格化距離nc0が得られ、また「断面円内での交差座標」として3次元方位nsが得られる(図24(B))。
【0512】
4.2.5 視軸方向axisを知らなくてもよい方法
以上では、視軸方向axisが既知であるとして、平面の3次元方位nsと規格化距離ncを計測する方法を述べた。すなわち、その方向axisに等しい球面上位置としてpaxisを定め、次にその位置を用いて複比変換を行い、最後に極変換を行ってそれら方位nsと距離ncを求めた。
【0513】
ここでは、視軸方向axisが未知でも“平面の三次元方位nsと規格化距離nc”を計測できる方法を提供する――1.6と同様の方法である。この方法により、例えばインターネットなどのステレオ画像で、撮影中の視軸方向が判らない場合でも“それら方位と距離” 視軸方向axisとともに計測できる。その方法の概要を説明すると、視軸方向axisが全ての方向にあり得ると仮定し、各視軸方向に対して4.2.3の“複比変換と極変換”を行って極線を描く。それら極線が一点で交差する視軸方向を求めると、それが真の視軸方向axis0であり、またその交差点の座標として平面の三次元方位nsと規格化距離ncを求められるものである。それは下記のステップで行われる。
【0514】
(1)移動方向パラメータaxisを任意に設定する。
【0515】
(2)そのパラメータaxisの方向を“球面上の位置paxis”とする。
【0516】
(3)4.2.3.のステップ(1)〜(4)を実行し、全ての規格化距離パラメータncに対する極線を円柱配列(図24(B))の内部に描く。
【0517】
(4)以上のステップを視軸方向パラメータaxisを変えて行い、上記ステップで描かれる極線が一点で交差するパラメータ値axis0を求める。このパラメータ値が真の視軸方向axis0である。その交差点の座標として、平面の方位ns0および平面を横切るまでの規格化距離nc0が求められる。なお、上記の交差点検出の代わりに、強度がピークになる点を検出してもよい。
【0518】
4.3 平面までの規格化最短距離の計測法
平面の3次元方位nsと“式(51)の規格化最短距離ns”を計測する方法を提供する――2で述べた運動視のアルゴリズムと同様の方法で行われる。この規格化最短距離nsと“4.2.3で説明した規格化距離nc”との間には、nsを平面の3次元方位、axisを視軸方向、そして()をスカラー積として
nsnc(ns・axis) (61)
の関係がある。その理由を図25を用いて説明する。平面の法線ベクトルnsと視軸方向axisが横たわる平面での断面を図25に示す。“右カメラ中心ORから平面までの最短距離ds”は、“視軸方向に平面を横切るまでの距離dc”の法線方向の成分であるから、
s=dc(ns・axis) (62)
の関係がある。この式の両辺をカメラ間距離ΔxLRで規格化すると、下式になり式(61)が得られる。
【0519】
Figure 0003949333
4.3.1 平面の規格化最短距離nsと3次元方位nsを計測する方法
4.2.3で述べたアルゴリズム(複比変換と極変換)に“nsncとの関係(式(61))”を組み合わせると、平面の3次元方位nsと規格化最短距離nsを計測できることを図26を用いて説明する。――2.1で述べた運動視のアルゴリズムと同様の方法で行われる。それ以下の六つのステップで行われる。
【0520】
(1)規格化最短距離パラメータnsを任意に設定する。
【0521】
(2)視軸方向axisを中心とする小円を考え、その半径rを任意に設定する(図26)。この小円上にある“平面の3次元方位候補ns”をステップ(4)で求める。そのためには、規格化距離パラメータncを下式で決まる値に設定する必要がある。
【0522】
ncns/cos(r) (64)
その理由を説明する。まず、nsは“axisを中心とする半径rの小円”の上にあるからns、axis、そしてrの間には下式の関係があり、
cos(r)=(ns・axis) (65a)
またnsは式(61)を満たす必要があるから、式(61)に式(65a)を代入すると
nsnc cos(r) (65b)
になり、これを変形して式(64)が得られる。
【0523】
(3)画像内の各点について、左右カメラでの球面位置pL,pRをカメラ画像から知り、また視軸上の位置paxisを視軸方向axisから知って、それらと規格化距離パラメータncを式(58b)あるいは式(60b)に代入して複比変換を行って、位置pcを計算する。
【0524】
(4)ステップ(3)で求めたpcを極変換して、球面上に大円gpcを描く。
この大円とステップ(2)の小円と二つの交点rs+rs-が“平面の3次元方位候補”である(図26)。なお、この交点の緯度座標はr(図26参照)であり、また経度座標点rαs+rαs-は、式(29)において“運動視のパラメータαa,a,τ”を“両眼視のパラメータαc,c,σ”に置き換えて、
Figure 0003949333
で計算される。ここで、αcとcは、“図14の運動視のパラメータαaとa(すなわち、p0の経度座標と緯度座標)”に対してpRの経度座標と緯度座標である。
【0525】
(5)ステップ(2)〜(4)を半径rを変えて行い、ステップ(4)で求まる二つの交点rs+rs-からなる曲線を描く(図26)――この曲線は、4.3.2で述べるように“pRを中心とする小円”になる。ここで、この曲線を描く意味を説明する。もしステップ(1)で与えた規格化最短距離パラメータnsが真の規格化最短距離ns0であれば、それら曲線の交差点として平面の法線ベクトルns0が求まる。しかし、ステップ(1)では任意にパラメータnsを与えているため、一般には一点で交差しない。従って、ここで描く曲線は、平面の法線ベクトルnsの候補を求めたことになる。なお、上記曲線の強度は“画像内の位置pRの明るさ”にし、また、複数の曲線が交わる場所ではそれら曲線の強度を加算した強度にする。
【0526】
(6)以上のステップを規格化最短距離パラメータnsを変えて行い、ステップ(5)で描かれる複数の曲線が一点で交差するパラメータ値ns0を求める。
そのパラメータ値として“右カメラ中心ORから平面までの規格化最短距離ds0”が得られる。また、上記の交差点の座標として、平面の方位ns0が得られる。
なお、上記の交差点の検出の代わりに、強度がピークになる点を検出してもよい。
【0527】
4.3.2 平面の規格化最短距離nsと3次元方位nsを計測する別の方法図26の“両眼視に関するパラメータpR,pL,paxis,axis”を“運動視に関するパラメータp0,p1,pinf,v”に換えると、図13と同じになる。
従って、4.3.1のステップ(5)の曲線は、2.2.1での証明をそのまま用いることが出来て、「pRを中心として半径がRの小円」である。その半径Rは、式(31)、式(32)の“運動視のパラメータτ,a,p01,pinf1,”を“両眼視のパラメータσ,c,pRL,paxisL”に換えて下式で表される。
【0528】
Figure 0003949333
以上により、図26の二つの交点rs+rs-からなる曲線は、“pRを中心とする半径Rの小円”であることが示された。これは、任意の点pRをこの小円に変換するとみることができ、この変換を「小円変換」と言うことにする。この小円変換の性質は運動視と同じであり、2.2.2に示されている。なお、式(66a)では両眼視差σを用いて半径Rを表現したが、左カメラでの位置PLが判る場合には、式(57)を式(66b)に代入して下式で与えられる。
【0529】
R=cos-1ns sin(d−c)/sin(d)) (66c)
以上の準備に基づいて、「小円変換」を用いて平面の規格化最短距離nsと3次元方位nsを計測する別法を説明する。それは以下の四つのステップで行われる――2.2.3で述べた運動視のアルゴリズムと同様の手順である。
【0530】
(1)規格化最短距離パラメータnsを任意に設定する。
【0531】
(2)画像内の各点について、左右カメラでの位置pR,pLを画像から知り、また“左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis”を視軸方向axisから知って、小円変換の半径Rを式(66b)により計算する。
【0532】
(3)各点pRを小円変換する。――すなわち、pRを中心とする半径Rの小円を球面上に描く。ここで、この小円を描く意味を説明する。もしステップ(1)で与えた規格化最短距離パラメータnsが真の規格化最短距離ns0であれば、
それら小円の交差点として平面の法線ベクトルns0が求まる。しかし、ステップ(1)では任意にパラメータnsを与えているため、一般には一点で交差しない。従って、ここで描く小円は、平面の法線ベクトルnsの候補を求めたことになる。なお、上記小円の強度は“画像内の位置pRの明るさ”にし、また複数の小円が交わる場所ではそれら小円の強度を加算した強度にする。
【0533】
(4)以上のステップを規格化最短距離パラメータnsを変えて行い、ステップ(3)で描かれる複数の小円が一点で交差するパラメータ値ns0を求める。
そのパラメータ値として“右カメラ中心ORから平面までの規格化最短距離ns0”が得られる。また、上記の交差点の座標として、平面の方位ns0が得られる。
なお、上記の交差点検出の代わりに、強度がピークになる点を検出してもよい。
【0534】
ここで、以上の小円変換法を図27により幾何学的に説明する。画像内の各点について、左右カメラでの位置pR,pLを画像から知り、また“左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis”を視軸方向axisから知り、さらに規格化最短距離パラメータnsがステップ(1)で与えられる。これらを式(66b)に代入して半径Rを決定し、小円変換を行う(図27(A))――。すなわち、pRを中心として半径Rの小円を球面上に描く。次に、図27(A)の球面を、1.3.3のステップ(4)でと同様に平面の上に射影して、球面上の像を「円」の内部に変換する。その円を規格化最短距離パラメータnsを縦軸にして積み重ねて、図27(B)の「円柱配列」にする。
【0535】
ステップ(1)で与えた規格化最短距離パラメータnsは、この円柱の高さ座標を指定したことになり、ステップ(2)と(3)では、その高さでの断面円――図27(A)の球面像を「円」の内部に変換したもの――を描いたことになる。ステップ(1)では任意にパラメータnsを与えているため、図27(B)の上面に示すように小円は一点で交差しないが、その高さが真の規格化最短距離ns0に等しくなる断面円では、小円が一点で交差する。従って、この円柱の「高さ座標」として平面の規格化最短距離ns0が得られ、また「断面円内での交差座標」として3次元方位ns0が得られる。
【0536】
4.3.3 視軸方向axisを知らなくてもよい方法
4.3.1と4.3.2では、視軸方向axisは既知であるとして、平面の三次元方位nsと規格化最短距離nsを求めた。ここでは、視軸方向axisが未知でもそれら方位と距離を計測できる方法を提供する。2.5と類似の方法である。
この方法により、例えばインターネットなどのステレオ画像で、撮影中の視軸方向が判らない場合でも“それら方位と距離”を視軸方向axisとともに計測できる。その方法の概要を4.3.2について説明する(4.3.1についても同様に行える)。視軸方向axisが全ての方向にあり得ると仮定し、各視軸方向に対して4.3.2の“小円変換”を行って小円を描く。それら小円が一点で交差する視軸方向を求めると、それが真の視軸方向axis0であり、またその交差点の座標として平面の三次元方位nsと規格化最短距離nsを求められるものである。それは下記のステップで行われる。
【0537】
(1)移動方向パラメータaxisを任意に設定する。
【0538】
(2)そのパラメータaxisの方向を球面上の位置paxisとする。
【0539】
(3)4.3.2のステップ(1)〜(4)を実行し、全ての規格化最短距離パラメータnsに対する小円を円柱配列(図27(B))の内部に描く。
【0540】
(4)以上のステップを視軸方向パラメータaxisを変えて行い、上記ステップで描かれる小円が一点で交差するパラメータ値axis0を求める。このパラメータ値が真の視軸方向axis0である。その交差点の座標として、平面の方位ns0および規格化最短距離ns0が求められる。なお、上記の交差点検出の代わりに、強度がピークになる点を検出してもよい。
【0541】
4.4 一般化
4.4.1 円柱配列への投票
図24(B)では円柱の各断面円に“球面上の大円を平面に射影した曲線”を「描画」するとした。この描画の代わりに、各断面円をメモリ配列やレジスタ配列で構成して、上記曲線に対応するメモリあるいはレジスタに「投票」をしてもよい。
【0542】
また、図27(B)では、円柱の各断面円に“球面上の小円を平面に射影した曲線”を「描画」するとした。この描画の代わりに、上記と同様に「メモリあるいはレジスタへの投票」にしてもよい。
【0543】
4.4.2 平面上での極変換
4.2.3(3)では、pcを極変換した極線を「球面上の大円」として描画した。その極線を、3.3と同様に「平面上の直線」として描画してもよい。
【0544】
また、4.3.1(5)と4.3.2(3)では、pRを小円変換した小円を「球面」の上に描いた。この小円を、3.3と同様に、カメラ中心から「任意の平面」に投影して楕円として描いてもよい。
【0545】
4.4.3 点までの規格化距離n0を計測する方法
式(39a)において、“運動視のパラメータΔx,p0,p1,pinf”を“両眼視のパラメータΔxLR,pR,pL,paxis”に置き換えると
Figure 0003949333
になる。この式により、点までの規格化距離n0を計測できる。式(67a)に式(57)(あるいは式(59))を代入して中心角で表すと、下式になる。
【0546】
Figure 0003949333
4.4.4 平面カメラ
以上では球面カメラ(あるいは眼球)による画像を用いるとして説明したが、平面カメラによる画像を用いる事もできる。その場合には、3.5と同様に、平面カメラで撮像された画像を球面上に変換して、以上で説明したアルゴリズムを実行すればよい。
【0547】
以上で、本発明の原理的な説明を終了し、以下、本発明の各種の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各種ブロック図は、図2,図3に示すコンピュータシステム300の機能ブロックと捉えることもでき、本発明の画像計測装置をハードウェアで構成したときの各種実施形態と捉えることもできる。また、以下に説明する各種フローチャートは、図2,図3に示すコンピュータシステム300にインストールされて実行される、本発明にいう画像計測プログラムの各種実施形態と捉えることもでき、本発明の画像計測方法の各種実施形態と捉えることもできる。
【0548】
実施形態A運動視
実施形態A−1.(平面の3次元方位ns0と横切るまでの規格化時間nc0の計測)
掲記の計測、すなわち1.3.2の方法を図28の実施形態で説明する。それは図29に示す以下のフローで行われる。
(Start)
(1)無限時刻の位置pinfを下記のようにして設定する(A−1−1)。カメラ11で得られた、現在と次の時刻での全点の位置{i0},{i1}を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から「移動方向vの抽出ユニット14」に入力して、移動方向vを抽出する――この抽出を行う方法と実施形態は、特許(特公平06−14355号公報)に述べられている。次に、「pinf設定ユニット15」により、この移動方向vに等しいとして“無限時刻の位置pinf”を設定する。
【0549】
(2)規格化時間パラメータncを「ncパラメータの走査ユニット16」により下限値nc,minから上限値nc,maxまで走査する(A−1−2,A−1−3,A−1−16)。
ncを走査)
(3)画像内の各アドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(A−1−4,A−1−5,A−1−15)。
(iを走査)
(4)現在と次の時刻の位置i0i1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(A−1−6)。
【0550】
(5)以上で設定された四つのパラメータnci0i1,pinfを「複比変換ユニット17」に入力して位置icを出力する。位置icの計算は、そのユニット内で次の二つのステップで行われる。
【0551】
(a)icとpinfとの中心角ixの計算(A−1−7)
nci0i1,pinfから、ixを式(14b)により下式で計算する(図9参照)。
【0552】
Figure 0003949333
(b)icの計算(A−1−8)
球面上の位置icを、上記のixを用いて下式で計算する。
【0553】
ic=cos(ix) Γx+sin(ix) Γy (100b)
ここで、ΓxとΓyは、[×]および||をそれぞれベクトルの外積演算及び絶対値演算として下式で計算される。
【0554】
Γx=v (100c)
Γz=[v×i0]/|[v×i0]|
Γy=[Γz×Γx
(6)上記の位置icを「極変換ユニット18」により球面上の大円に極変換する(1.3.3と図10(A)参照)。その極変換は、ユニット内の次の二つのステップで行われる(図30(A)参照)。
【0555】
(a)icを極座標に変換(A−1−9)
icを直交座標および“球面上の極座標”で
Figure 0003949333
と表現して、icの極座標成分(経度iαcと緯度iβc)を下式で計算する。
【0556】
iαc=tan-1icYicX) (101c)
iβc=tan-1(√(icX 2icY 2)/icZ)) (101d)
ここで、Oは“球面上の原点”の単位ベクトル、XとYはX軸とY軸の単位ベクトルである。
(kを走査)
(b)icの極変換(A−1−12)
icを極変換した球面上の大円――すなわち、その大円を構成する任意の点kGC(そのアドレスをkとする)の座標(経度kαGCと緯度kβGC)――はicの座標iαciβcで決まり、式(102b)で表される(幾何学大辞典2(岩田至康、槇書店)」の72頁)。
【0557】
kGC=(kαGCkβGC) (102a)
cos(kαGCiαc)=−cot(kβGC)cot(iβc) (102b)
大円の具体的な計算は、kを下限値kminから上限値kmaxまで走査して次のように行われる。ΔβGCを緯度分解能として緯度kβGCをkΔβGCと計算し、その緯度を用いて経度kαGCを下式で計算する。
【0558】
kαGCiαc+cos-1(cot(kβGC)cot(iβc)) (102c)
(7)上記の大円を構成する点kGCを、「円柱配列投票ユニット19」の高さncの断面円内の、極座標(傾角kαGC,Proj、動径kβGC,Proj)で表される点kGC,Projに変換して投票する(A−1−13)――その投票は“位置i0の明るさ”を加算して行われる(1.3.3、図10(B)、そして図30(B)を参照)。その変換は一般的にはf()を射影関数として、
kβGC,Proj=f(kβGC) (103a)
kαGC,ProjkαGC (103b)
で表される――f()の詳細は文献(「最新レンズ設計講座23レンズ設計に付随する諸問題(1)(中川著、写真工業、1982年)」:「昭和59年度実用原子力発電施設作業ロボット開発委託研究成果報告書(極限作業ロボット技術研究組合)」の4.2.2.1節)を参照されたい。等距離射影方式の場合にはf()=1であり、kβGC,Projは下式で与えられる。
【0559】
kβGC,ProjkβGC (103c)
以上を纏めると、大円を構成する“球面上の点kGC”を断面円内の“平面上の点kGC,Proj”に変換して、その点に“位置i0の明るさ”を投票(加算)する。各断面円はレジスタ配列あるいはメモリ配列で実現できる。なお、“球面上で大円に極変換するアルゴリズム”とその“その大円を円内に射影して投票するアルゴリズム”は、文献(「昭和60年度実用原子力発電施設作業ロボット開発委託研究成果報告書(極限作業ロボット技術研究組合)」の4.2.2.1節)に詳しく述べられている。
(kを走査(A−1−14))
(8)ここまでの処理で、位置i0の点が“複比変換および極変換”された一個の大円が、高さがncの断面円内に描かれる。但し、その大円は式(103)により変換されている。
(iを走査(A−1−15))
(9)ここまでの処理で、高さがncの断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。なお、上記で述べた、球面上の極変換を“円の内部に対応するレジスタ配列”に投票するハードウェアについては、特公平01−57831号公報、特公平01−59619号公報、特公平06−70795号公報、特公平06−70796号公報に詳しく記載されている。
ncを走査(A−1−16))
(10)ここまでの処理で、全ての高さ{nc}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円内に投票が行われる。
【0560】
(11)「ピーク抽出ユニット20」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“大円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面を横切るまでの規格化時間nc0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(A−1−17)。このフローを用いて行われた計算機シミュレーション結果を図11に示す。
【0561】
(End)
実施形態A−2.(“平面の3次元方位ns0と横切るまでの規格化時間nc0”を移動方向vを知らずに計測)
掲記の計測、すなわち1.6の方法を図31の実施形態で説明する。それは実施形態A−1をモディファイした、図32に示す、以下のフローで行われる。下記の(2)から(10)までのステップは、実施形態A−1の対応するステップと同じである。
【0562】
(Start)
(0)「vパラメータの走査ユニット21」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する。
(vを走査)
(1)「pinf設定ユニット15」により、“無限時間経過後の位置pinf”をこのパラメータvに等しいとして設定する(A−2−3)。
【0563】
(2)規格化時間パラメータncを「ncパラメータの走査ユニット16」により、下限値nc,minから上限値nc,maxまで走査する(A−2−4,A−2−5,A−2−16)。
ncを走査)
(3)画像内の各アドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(A−2−6,A−2−7,A−2−15)。
(iを走査)
(4)現在と次の時刻の位置i0i1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(A−2−8)。
【0564】
(5)以上で設定された四つのパラメータnci0i1,pinfを「複比変換ユニット17」に入力して、位置icを出力する(A−2−9)。
【0565】
(6)上記の位置icを「極変換ユニット18」により球面上の大円に極変換する(A−2−10)。
(kを走査)
(7)その大円を構成する点kGCを、「円柱配列投票ユニット19」の“高さncの断面円内の点”に変換して投票する(A−2−13)。
【0566】
kを走査(A−2−14)
(8)ここまでの処理で、位置i0の点が“複比変換および極変換”された一個の大円が、高さがncの断面円内に描かれる。但し、その大円は式(103)により変換されている。
(iを走査(A−2−15))
(9)ここまでの処理で、高さがncの断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。
ncを走査(A−2−16))
(10)ここまでの処理で、全ての高さ{nc}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円内に投票が行われる。
(vを走査(A−2−17))
(11)ここまでの処理で、“全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
【0567】
(12)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット20」により抽出する。この配列に対する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面を横切るまでの規格化時間nc0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(A−2−18)。
【0568】
(End)
実施形態A−3. (平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0の計測)
掲記の計測、すなわち、2.2.3の方法を図33の実施形態で説明する。それは、図34に示す以下のフローで行われる。
(Start)
(1)移動方向vを「移動方向vの抽出ユニット14」により、実施形態A−1のステップ(1)と同様にして抽出する。次に、「pinf設定ユニット15」により、この移動方向vに等しいとして“無限時刻の位置pinf”を設定する(A−3−1)。
【0569】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット22」により下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(A−3−2,A−3−3,A−3−15)。
nsを走査)
(3)画像内の各アドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(A−3−4,A−3−5,A−3−14)。
(iを走査)
(4)現在と次の時刻の位置i0i1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(A−3−6)。
【0570】
(5)以上で設定された四つのパラメータnsi0i1,pinfを「半径Rの計算ユニット23」に入力して、半径iRと位置i0を出力する(A−3−7)。そのユニットの中で、半径iRが式(33)により下式で計算される。
【0571】
iR=cos-1ns sin(ib−ia)/sin(ib)) (104)
(6)上記の半径iRと位置i0を「小円変換ユニット24」に入力して、小円変換――すなわち、位置i0をそれを中心とする半径iRの“球面上の小円”に変換――を行う(2.2.1と図17(A)参照)。その小円変換は、ユニット内の次の二つのステップで行われる(図35(A)参照)。
【0572】
(a)i0を極座標に変換(A−3−8)
i0を直交座標および“球面上の極座標”で
Figure 0003949333
と表現して、i0の極座標成分(経度iα0と緯度iβ0)を下式で計算する。
【0573】
iα0=tan-1i0Yi0X) (105c)
iβ0=tan-1(√(i0X 2i0Y 2)/i0Z)) (105d)
kを走査(A−3−9,A−3−10,A−3−13)
(b)小円変換(A−3−11)
i0を小円変換した球面上の大円――すなわち、その小円を構成する任意の点kSC(そのアドレスをkとする)の座標(経度kαSCと緯度kβSC)――はi0の座標iα0iβ0と半径iRで決まり、式(106b)で表される。この式は、図35(A)のパラメータを用いて式(30)を表したものである。
【0574】
Figure 0003949333
小円の具体的な計算は、kを走査して次のように行われる。ΔβSCを緯度分解能として緯度kβSCをkΔβSCと計算し、その緯度を用いて経度kαSCを下式で計算する。
【0575】
Figure 0003949333
(7)上記の小円を構成する点kSCを、「円柱配列投票ユニット25」の高さnsの断面円内の、極座標(傾角kαSC,Proj、動径kβSC,Proj)で表される点kSC,Projに変換して投票する(A−3−12)――その投票は“位置i0の明るさ”を加算して行われる(2.2.3、図17(B)、そして図35(B)を参照)。その変換はf()を射影関数として、下式で表される。
【0576】
kβSC,Proj=f(kβSC) (107a)
kαSC,ProjkαSC (107b)
等距離射影方式の場合にはf()=1であり、kβSC,Projは下式で与えられる。(実施形態A−1(7)参照)。
【0577】
kβSC,ProjkβSC (107c)
以上を纏めると、小円を構成する“球面上の点kSC”を断面円内の“平面上の点kSC,Proj”に変換して、その点に“位置i0の明るさ”を投票(加算)する。各断面円はレジスタ配列あるいはメモリ配列で実現できる。
(kを走査(A−3−13))
(8)ここまでの処理で、位置i0の点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(107)により変換されている。
(iを走査(A−3−14))
(9)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(A−3−15)
(10)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
【0578】
(11)「ピーク抽出ユニット26」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(A−3−16)。このフローを用いて行われた計算機シミュレーション結果を図18に示す。
(End)
実施形態A−4.(“平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0”を移動方向vを知らずに計測)
掲記の計測、すなわち2.4の方法を図36の実施形態で説明する。それは、実施形態A−3をモディファイした、図37に示す、以下のフローで行われる。
下記の(2)から(10)までのステップは、実施形態A−3の対応するステップと同じである。
【0579】
(Start)
(0)「vパラメータの走査ユニット21」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(A−4−1,A−4−2,A−4−17)。
(vを走査)
(1)「pinf設定ユニット15」により、“無限時間経過後の位置pinf”をこのパラメータvに等しいとして設定する(A−4−3)。
【0580】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット22」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(A−4−4,A−4−5,A−4−16)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(A−4−6,A−4−7,A−4−15)。
(iを走査)
(4)現在と次の時刻の位置i0i1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(A−4−8)。
【0581】
(5)以上で設定された四つのパラメータnsi0i1,pinfを「半径Rの計算ユニット23」に入力して、半径iRと位置i0を出力する(A−4−9)。
【0582】
(6)この半径iRと位置i0を「小円変換ユニット24」に入力して、位置i0を中心とする半径iRの“球面上の小円”に変換する(A−4−10)。
(kを走査A−4−11,A−4−12,A−4−14)
(7)その小円を構成する点kSCを、「円柱配列投票ユニット」の“高さnsの断面円内の点”に変換して投票する(A−4−13)。
(kを走査A−4−14)
(8)ここまでの処理で、位置i0の点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(107)により変換されている。
(iを走査(A−4−15))
(9)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(A−4−16))
(10)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円内に投票が行われる。
(vを走査(A−4−17))
(11)ここまでの処理で、“全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
【0583】
(12)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット26」により抽出する。この配列に対する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(A−4−18)。
(End)
実施形態A−5. (“点の規格化距離n0”の計測)
掲記の計測、すなわち、3.4の方法を図38の実施形態で説明する。それは、図39に示す以下のフローで行われる。
(Start)
(1)移動方向vを「移動方向vの抽出ユニット14」により、実施形態A−1のステップ(1)と同様にして抽出する。次に、「pinf設定ユニット15」により、この移動方向vに等しいとして“無限時間経過後の位置pinf”を設定する(A−5−1)。
【0584】
(2)現在と次の時刻の位置p0,p1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(A−5−2)。
【0585】
(3)以上で設定された三つのパラメータp0,p1,pinfを「点距離計算ユニット27」に入力して、点までの規格化距離n0が出力される(A−5−3)。n0の計算は、ユニット内で式(39b)を計算して行われる。
(End)
実施形態A−6. (“平面の3次元方位ns0と横切るまでの規格化時間nc0”を運動視差τにより計測)
掲記の計測、すなわち1.3.2の方法において、“運動視差τによる複比変換(式16b))”を用いる場合を図40の実施形態で説明する。それは、図41に示す、以下のフローで行われる。下記の(7)から(12)までのステップは、実施形態A−1の対応するステップと同じである。
【0586】
(Start)
(1)移動方向vを「移動方向vの抽出ユニット14」により、実施形態A−1のステップ(1)と同様にして抽出する。次に、「pinf設定ユニット15」により、この移動方向vに等しいとして“無限時刻の位置pinf”を設定する(A−6−1)
(2)規格化時間パラメータncを「ncパラメータの走査ユニット16」により、下限値nc,minから上限値nc,maxまで走査する(A−6−2,A−6−3,A−6−16)。
ncを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(A−6−4,A−6−5,A−6−15)。
(iを走査)
(4)現在と次の時刻の位置i0i1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(A−6−6)。
【0587】
(5)現在と次の時刻の位置i0i1を「τ決定ユニット28」に入力して、運動視差iτ(すなわち、i1i0)を出力する(A−6−7)。この運動視差は「従来技術および発明が解決しようとする課題」で述べた局所運動であり、それを計測するアルゴリズムとその実現方法については詳しく報告されている(特開平05−165956号公報、特開平05−165957号公報、特開平06−044364号公報、特開平09−081369号公報;“2次元相関およびコンボリューションをハフ平面のρ座標に沿って1次元的に行う方法,” 川上と岡本, 信学技報, vol. IE96−19, pp.31−38,1996;“A cell model for the detection of local image motion on the magnocellular pathway of the visual cortex,”Kawakami, S. and Okamoto, H., Vision Research, vol. 36, pp. 117−147, 1996)。
【0588】
(6)以上で設定された四つのパラメータnciτ,i0,pinfを「複比変換ユニット17」に入力して、位置icを出力する。位置icの計算は、そのユニット内で次の二つのステップで行われる。
【0589】
(a)icとpinfとの中心角ixの計算(A−6−8)
nci0i1,pinfから、ixを式(16b)により下式で計算する。
【0590】
Figure 0003949333
(b)icの計算(A−6−9)
球面上の位置icを、上記のixを用いて下式で計算する。
【0591】
ic=cos(ix) Γx+sin(ix) Γy (110b)
ここで、ΓxとΓyは実施形態A−1の式(100c)で計算される。
【0592】
(7)上記の位置icを「極変換ユニット18」により球面上の大円に極変換する(A−6−10)。
(kを走査(A−6−11,A−6−12,A−6−14))
(8)その大円を構成する点kGCを、「円柱配列投票ユニット19」の“高さncの断面円内の点”に変換して投票する(A−6−13)。
(kを走査(A−6−14))
(9)ここまでの処理で、位置i0の点が“複比変換および極変換”された一個の大円が、高さがncの断面円内に描かれる。但し、その大円は式(103)により変換されている。
(iを走査(A−6−15))
(10)ここまでの処理で、高さがncの断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。
ncを走査(A−6−16))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{nc}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
【0593】
(12)「ピーク抽出ユニット20」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“大円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面を横切るまでの規格化時間nc0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(A−6−17)。
(End)
実施形態A−7.(“平面の3次元方位ns0と横切るまでの規格化時間nc0”を移動方向vを知らずに、かつ運動視差τにより計測)
掲記の計測、すなわち1.6の方法において“運動視差τによる複比変換(式16b))”を用いる場合を図42の実施形態で説明する。それは、実施形態A−6をモディファイした、図43に示す以下のフローで行われる。下記の(2)から(11)までのステップは、実施形態A−6の対応するステップと同じである。
【0594】
(Start)
(0)「vパラメータの走査ユニット21」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(A−7−1,A−7−2,A−7−18)。
(vを走査)
(1)「pinf設定ユニット15」により、“無限時間経過後の位置pinf”をこのパラメータvに等しいとして設定する(A−7−3)。
【0595】
(2)規格化時間パラメータncを「ncパラメータの走査ユニット16」により、下限値nc,minから上限値nc,maxまで走査する(A−7−4,A−7−5,A−7−17)。
ncを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(A−7−6,A−7−7,A−7−16)。
(iを走査)
(4)現在と次の時刻の位置i0i1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(A−7−8)。
【0596】
(5)現在と次の時刻の位置i0i1を「τ決定ユニット28」に入力して、運動視差iτ(すなわち、i1i0)を出力する(A−7−9)。
【0597】
(6)以上で設定された四つのパラメータnciτ,i0,pinfを「複比変換ユニット17」に入力して、位置icを出力する(A−7−10)。
【0598】
(7)上記の位置icを「極変換ユニット18」により球面上の大円に極変換する(A−7−11)。
(kを走査(A−7−12,A−7−13,A−7−15))
(8)その大円を構成する点kGCを、「円柱配列投票ユニット19」の“高さncの断面円内の点”に変換して投票する(A−7−14)。
(kを走査(A−7−15))
(9)ここまでの処理で、位置i0の点が“複比変換および極変換”された一個の大円が、高さがncの断面円内に描かれる。但し、その大円は式(103)により変換されている。
(iを走査(A−7−16))
(10)ここまでの処理で、高さがncの断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。
ncを走査(A−7−17))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{nc}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
(vを走査(A−7−18))
(12)ここまでの処理で、“全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
【0599】
(13)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット20」により抽出する。この配列に対応する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面を横切るまでの規格化時間nc0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(A−7−19)。
(End)
実施形態A−8. (“平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0”を運動視差τにより計測)
掲記の計測、すなわち2.2.3の方法において、“運動視差τによる小円変換(式31))”を用いる場合を図44の実施形態で説明する。それは、図45に示す以下のフローで行われる。下記の“(1)から(4)”および“(7)から(12)”までは実施形態A−3の対応するステップと同じであり、また(5)は実施形態A−6の対応するステップと同じである。
【0600】
(Start)
(1)移動方向vを「移動方向vの抽出ユニット14」により、実施形態A−1のステップ(1)と同様にして抽出する。次に、「pinf設定ユニット15」により、この移動方向vに等しいとして“無限時間経過後の位置pinf”を設定する(A−8−1)
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット22」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(ステップA−8−2,A−8−3,A−8−15)。
nsを走査)
(3)画像内の各アドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(A−8−4,A−8−5,A−8−14)。
(iを走査)
(4)現在と次の時刻の位置i0i1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(A−8−6)。
【0601】
(5)現在と次の時刻の位置i0i1を「τ決定ユニット28」に入力して、運動視差iτ(すなわち、i1i0)を出力する(A−8−7)。
【0602】
(6)以上で設定された四つのパラメータnsiτ,i0,pinfを「半径Rの計算ユニット23」に入力して、半径iRと位置i0を出力する(A−8−8)。そのユニットの中で、半径iRが式(31)により下式で計算される。
【0603】
iR=cos-1ns sin(iτ)/sin(ia+iτ)) (115)
(7)この半径iRと位置i0を「小円変換ユニット24」に入力して、位置i0を中心とする半径iRの“球面上の小円”に変換する(A−8−9)。
(kを走査(A−8−10,A−8−11,A−8−13))。
【0604】
(8)その小円を構成する点kSCを、「円柱配列投票ユニット25」の“高さnsの断面円内の点”に変換して投票する(A−8−12)。
(kを走査(A−8−13))
(9)ここまでの処理で、位置i0の点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(107)により変換されている。
(iを走査(A−8−14))
(10)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(A−8−15))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円内に投票が行われる。
【0605】
(12)「ピーク抽出ユニット26」により、円柱配列の中で“投票された強度が最大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(A−8−16)。このフローを用いて行われた計算機シミュレーション結果を図18に示す。
(End)
実施形態A−9.(“平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0”を移動方向vを知らずに、かつ運動視差τにより計測)
掲記の計測、すなわち2.5の方法において“運動視差τによる小円変換(式31))”を用いる場合を図46の実施形態で説明する。それは、実施形態A−8をモディファイした、図47に示す、以下のフローで行われる。下記の(2)から(11)までのステップは、実施形態A−8の対応するステップと同じである。
【0606】
(Start)
(0)「vパラメータの走査ユニット21」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmax)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(A−9−1,A−9−2,A−9−18)。
(vを走査)
(1)「pinf設定ユニット15」により、“無限時間経過後の位置pinf”をこのパラメータvに等しいとして設定する(A−9−3)。
【0607】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット22」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(A−9−4,A−9−5,A−9−17)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(A−9−6,A−9−7,A−9−16)。
(iを走査)
(4)現在と次の時刻の位置i0i1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(A−9−8)。
【0608】
(5)現在と次の時刻の位置i0i1を「τ決定ユニット28」に入力して、運動視差iτ(すなわち、i1i0)を出力する(A−9−9)。
【0609】
(6)以上で設定された四つのパラメータnsiτ,i0,pinfを「半径Rの計算ユニット23」に入力して、半径iRと位置i0を出力する(A−9−10)。
【0610】
(7)この半径iRと位置i0を「小円変換ユニット24」に入力して、位置i0を中心とする半径iRの“球面上の小円”に変換する(A−9−11)。
(kを走査(A−9−12,A−9−13,A−9−15))
(8)その小円を構成する点kSCを、「円柱配列投票ユニット25」の“高さnsの断面円内の点”に変換して投票する(A−9−14)。
(kを走査A−9−15))
(9)ここまでの処理で、位置i0の点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(107)により変換されている。
(iを走査(A−9−16))
(10)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(A−9−17))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
(vを走査(A−9−18))
(12)ここまでの処理で、“全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
【0611】
(13)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット26」により抽出する。この配列に対する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離ns が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(A−9−19)。
(End)
実施形態A−10. (“点の規格化距離n0”を運動視差τにより計測)
掲記の計測、すなわち3.4の方法において、“運動視差τによる計測法(式39c))”を用いる場合を図48の実施形態で説明する。それは図49に示す以下のフローで行われる。
【0612】
(Start)
(1)移動方向vを「移動方向vの抽出ユニット14」により、実施形態A−1のステップ(1)と同様にして抽出する。次に、「pinf設定ユニット15」により、この移動方向vに等しいとして“無限時間経過後の位置pinf”を設定する(A−10−1)
(2)現在と次の時刻の位置p0,p1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(A−10−2)。
【0613】
(3)現在と次の時刻の位置p0,p1を「τ決定ユニット28」に入力して、運動視差τ(すなわち、p1−p0)を出力する(A−10−3)。
【0614】
(4)以上で設定された三つのパラメータτ,p0,pinfを「点距離計算ユニット27」に入力して、点までの規格化距離n0が出力される(A−10−4)。n0の計算は、ユニット内で式(39c)を計算して行われる。
(End)
実施形態B 両眼視
実施形態B−1. (平面の3次元方位ns0と横切るまでの規格化距離nc0の計測)
掲記の計測、すなわち4.2.3の方法を図50の実施形態で説明する。それは、図51に示す以下のフローで行われる。ステップ(6)以降は実施形態A−1と同じである。
(Start)
(1)ステレオカメラの幾何学的配置から“左右カメラを結ぶ視軸方向axis”は一般に判っている。「paxis設定ユニット115」により、この視軸方向axisに等しいとして“視軸上の位置paxis”を設定する。
【0615】
(2)規格化距離パラメータncを「ncパラメータの走査ユニット116」により、下限値nc,minから上限値nc,maxまで走査する(B−1−2,B−1−3,B−1−16)。
ncを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(B−1−4,B−1−5,B−1−15)。
(iを走査)
(4)左右カメラでの位置iRiLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(B−1−6)。
【0616】
(5)以上で設定された四つのパラメータnciRiL,paxisを「複比変換ユニット117」に入力して位置icを出力する。位置icの計算は、そのユニット内で次の二つのステップで行われる。
【0617】
(a)icとpaxisとの中心角ixの計算(B−1−7)
nciRiL,paxisから、ixを式(58b)により下式で計算する(図23参照)。
【0618】
Figure 0003949333
(b)icの計算
球面上の位置icを、上記のixを用いて下式で計算する。
【0619】
ic=cos(ix) Γx+sin(ix) Γy (150b)
ここで、ΓxとΓyは、[×]および||をそれぞれベクトルの外積演算および絶対値演算として下式で計算される。
【0620】
Γx=axis (150c)
Γz=[axis×iR]/|[axis×iR]|
Γy=[Γz×Γx
(6)上記の位置icを、「極変換ユニット118」により球面上の大円に極変換する(図24(A)参照)。その極変換は、ユニット内の次の二つのステップで行われる(図30(A)参照)。
【0621】
(a)icを極座標に変換(B−1−9)
icを直交座標および“球面上の極座標”で
Figure 0003949333
と表現して、icの極座標成分(経度iαcと緯度iβc)を下式で計算する。
【0622】
iαc=tan-1icYicX) (151c)
iβc=tan-1(√(icX 2icY 2)/icZ)) (151d)
(kを走査(B−1−10,B−1−11,B−1−14))
(b)icの極変換(B−1−12)
icを極変換した球面上の大円――すなわち、その大円を構成する任意の点kGC(そのアドレスをkとする)の座標(経度kαGC、緯度kβGC)――はicの座標iαciβcで決まり、式(152b)で表される。
【0623】
kGC=(kαGCkβGC) (152a)
cos(kαGCiαc)=−cot(kβGC)cot(iβc) (152b)
大円の具体的な計算は、kを下限値kminから上限値kmaxまで走査して次のように行われる。ΔβGCを緯度分解能として緯度kβGCをkΔβGCと計算し、その緯度を用いて経度kαGCを下式で計算する。
【0624】
kαGCiαc+cos-1(cot(kβGC)cot(iβc)) (152c)
(7)上記の大円を構成する点kGCを、「円柱配列投票ユニット119」の高さncの断面円内の、極座標(傾角kαGC,Proj、動径kβGC,Proj)で表される点kGC,Projに変換して投票する(B−1−13)。その変換は一般的にはf()を射影関数として、
kβGC,Proj=f(kβGC) (153a)
kαGC,ProjkαGC (153b)
で表される。等距離射影方式の場合にはf()=1であり、kβGC,Projは下式で与えられる。
【0625】
kβGC,ProjkβGC (153c)
以上を纏めると、大円を構成する“球面上の点kGC”を断面円内の“平面上の点kGC,Proj”に変換して、その点に“位置iRの明るさ”を投票(加算)する。各断面円はレジスタ配列あるいはメモリ配列で実現できる。
(kを走査(B−1−14))
(8)ここまでの処理で、位置iRの点が“複比変換および極変換”された一個の大円が、高さがncの断面円内に描かれる。但し、その大円は式(153)により変換されている。
(iを走査(B−1−15))
(9)ここまでの処理で、高さがncの断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。
ncを走査(B−1−16))
(10)ここまでの処理で、全ての高さ{nc}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円内に投票が行われる。
【0626】
(11)「ピーク抽出ユニット120」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“大円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面を横切るまでの規格化距離nc0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(B−1−17)。
(End)
実施形態B−2.(“平面の3次元方位ns0と規格化距離nc0”を視軸方向axisを知らずに計測)
掲記の計測、すなわち4.2.5の方法を図52の実施形態で説明する。それは実施形態B−1をモディファイした、図53に示す、以下のフローで行われる。下記の(2)から(10)までのステップは、実施形態B−1の対応するステップと同じである。
【0627】
(Start)
(0)「axisパラメータの走査ユニット121」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(B−2−1,B−2−2,B−2−17)。
(axisを走査)
(1)「paxis設定ユニット115」により、“視軸上の位置paxis”をこのパラメータaxisに等しいとして設定する(B−2−3)。
【0628】
(2)規格化距離パラメータncを「ncパラメータの走査ユニット116」により、下限値nc,minから上限値nc,maxまで走査する(B−2−4,B−2−7,B−2−16)。
ncを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(B−2−6,B−2−7,B−2−15)。
(iを走査)
(4)左右カメラでの位置iRiLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(B−2−8)。
【0629】
(5)以上で設定された四つのパラメータnciRiL,paxisを「複比変換ユニット117」に入力して、位置icを出力する(B−2−9)。
【0630】
(6)上記の位置icを「極変換ユニット118」により球面上の大円に極変換する(B−2−10)。
(kを走査(B−2−11,B−2−12,B−2−14))
(7)その大円を構成する点kGCを、「円柱配列投票ユニット119」の“高さncの断面円内の点”に変換して投票する(B−2−13)。
【0631】
(8)ここまでの処理で、位置iRの点が“複比変換および極変換”された一個の大円が、高さがncの断面円内に描かれる。但し、その大円は式(153)により変換されている。
(iを走査(B−2−15))
(9)ここまでの処理で、高さがncの断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。
ncを走査(B−2−16))
(10)ここまでの処理で、全ての高さ{nc}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円内に投票が行われる。
(axisを走査(B−2−17))
(11)ここまでの処理で、“全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
【0632】
(12)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット120」により抽出する。この配列に対応する視軸方向パラメータとして、真の視軸方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面を横切るまでの規格化距離nc0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(B−2−18)。
(End)
実施形態B−3. (平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0の計測)
掲記の計測、すなわち、4.3.2の方法を図54の実施形態で説明する。それは、図55に示す、以下のフローで行われる。ステップ(7)以降は実施形態A−3と同じである。
(Start)
(1)「paxis設定ユニット115」により、視軸上の位置paxisを視軸方向axisに等しいとして設定する(実施形態B−1参照(B−3−1))。
【0633】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット122」により下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(B−3−2,B−3−3,B−3−15)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(B−3−4,B−3−5,B−3−14)。
(iを走査)
(4)左右カメラでの位置iRiLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(B−3−6)。
【0634】
(5)以上で設定された四つのパラメータnsiRiL,paxisを「半径Rの計算ユニット123」に入力して、半径iRと位置iRを出力する(B−3−7)。そのユニットの中で、半径iRが式(66c)により下式で計算される。
【0635】
iR=cos-1ns sin(id−ic)/sin(id)) (154)
(6)上記の半径iRと位置iRを「小円変換ユニット124」に入力して、小円変換――すなわち、位置iRをそれを中心とする半径iRの“球面上の小円”に変換――を行う(4.3.2と図27(A)参照)。その小円変換は、ユニット内の次の二つのステップで行われる(図56(A)参照)。
【0636】
(a)iRを極座標に変換(B−3−8)
iRを直交座標および“球面上の極座標”で
Figure 0003949333
と表現して、iRの極座標成分(経度iαRと緯度iβR)を下式で計算する。
【0637】
iα0=tan-1iRYiRX) (155c)
iβ0=tan-1(√(iRX 2iRY 2)/iRZ) (155d)
(kを走査)
(b)小円変換(B−3−11)
iRを小円変換した球面上の小円――すなわち、その小円を構成する任意の点kSC(そのアドレスをkとする)の座標(経度kαSC、緯度kβSC)――はiRの座標iαRiβRと半径iRで決まり、式(156b)で表される。この式は、図56(A)のパラメータを用いて式(30)を表したものである。
【0638】
kSC=(kαSCkβSC) (156a)
cos(kβSC)cos(iβR
+sin(kβSC)sin(iβR)cos(kαSCiαR
=cos(iR) (156b)
小円の具体的な計算は、kを走査して次のように行われる。ΔβSCを緯度分解能として緯度kβSCをkΔβSCと計算し、その緯度を用いて経度kαSCを下式で計算する。
【0639】
Figure 0003949333
(7)上記の小円を構成する点kSCを、「円柱配列投票ユニット125」の高さnsの断面円内の、極座標(傾角kαSC,Proj、動径kβSC,Proj)で表される点kSC,Projに変換して投票する(B−3−12)。その変換はf()を射影関数として、下式で表される。
【0640】
kβSC,Proj=f(kβSC) (157a)
kαSC,ProjkαSC (157b)
等距離射影方式の場合にはf()=1であり、kβSC,Projは下式で与えられる。
【0641】
kβSC,ProjkβSC (157c)
以上を纏めると、小円を構成する“球面上の点kSC”を断面円内の“平面上の点kSC,Proj”に変換して、その点に“位置iRの明るさ”を投票(加算)する。各断面円はレジスタ配列あるいはメモリ配列で実現できる。
(kを走査(B−3−13))
(8)ここまでの処理で、位置iRの点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(157)により変換されている。
(iを走査(B−3−14))
(9)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(B−3−15)
(10)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
【0642】
(11)「ピーク抽出ユニット126」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(B−3−16)。
(End)
実施形態B−4.(“平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0”を視軸方向axisを知らずに計測)
掲記の計測、すなわち4.3.3の方法を図57の実施形態で説明する。それは、実施形態B−3をモディファイした、図58に示す、以下のフローで行われる。下記の(2)から(10)までのステップは、実施形態B−3の対応するステップと同じである。
【0643】
(Start)
(0)「axisパラメータの走査ユニット121」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(B−4−1,B−4−2,B−4−17)。
(axisを走査)
(1)「paxis設定ユニット115」により、“視軸上の位置paxis”をこのパラメータaxisに等しいとして設定する(B−4−3)。
【0644】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット122」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(B−4−4,B−4−5,B−4−16)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(B−4−6,B−4−7,B−4−15)。
(iを走査)
(4)左右カメラでの位置iRiLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(B−4−8)。
【0645】
(5)以上で設定された四つのパラメータnsiRiL,paxisを「半径Rの計算ユニット123」に入力して、半径iRと位置iRを出力する(B−4−9)。
【0646】
(6)この半径iRと位置iRを「小円変換ユニット124」に入力して、位置iRを中心とする半径iRの“球面上の小円”に変換する(B−4−10)。
(kを走査(B−4−11,B−4−12,B−4−14))
(7)その小円を構成する点kSCを、「円柱配列投票ユニット125」の“高さnsの断面円内の点”に変換して投票する(B−4−13)。
(kを走査(B−4−14))
(8)ここまでの処理で、位置iRの点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(157)により変換されている。
(iを走査(B−4−15))
(9)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(B−4−16))
(10)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円内に投票が行われる。
(axisを走査(B−4−17))
(11)ここまでの処理で、“全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
【0647】
(12)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット126」により抽出する。この配列に対する視軸方向パラメータとして、真の移動方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(B−4−18)。
(End)
実施形態B−5. (“点の規格化距離n0”の計測)
掲記の計測、すなわち、4.4.3の方法を図59の実施形態で説明する。それは、図60に示す以下のフローで行われる。
(Start)
(1)「paxis設定ユニット115」により、“視軸上の位置paxis”を視軸方向axisに等しいとして設定する(実施形態B−1参照(B−5−1))。
【0648】
(2)左右カメラでの位置pR,pLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(B−5−2)。
【0649】
(3)以上で設定された三つのパラメータpR,pL,paxisを「点距離計算ユニット127」に入力して、点までの規格化距離n0が出力される(B−5−3)。n0の計算は、ユニット内で式(67b)を計算して行われる。
(End)
実施形態B−6. (“平面の3次元方位ns0と規格化距離nc0”を両眼視差σにより計測)
掲記の計測、すなわち4.2.3の方法において、“両眼視差σによる複比変換(式60b))”を用いる場合を図61の実施形態で説明する。それは、図62に示す、以下のフローで行われる。下記の(7)から(12)までのステップは、実施形態B−1の対応するステップと同じである。
【0650】
(Start)
(1)「paxis設定ユニット115」により、視軸上の位置paxisを視軸方向axisに等しいとして設定する(実施形態B−1参照)。
【0651】
(2)規格化距離パラメータncを「ncパラメータの走査ユニット116」により、下限値nc,minから上限値nc,maxまで走査する(B−6−2,B−6−3,B−6−16)。
ncを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(B−6−4,B−6−5,B−6−15)。
(iを走査)
(4)左右カメラでの位置iRiLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(B−6−6)。
【0652】
(5)左右カメラでの位置iRiLを「σ決定ユニット128」に入力して、両眼視差iσ(すなわち、iLiR)を出力する(B−6−7)。この両眼視差を計測するアルゴリズムとその実現方法については報告されている(特開平05−165956号公報、特開平05−165957号公報、特開平06−044364号公報、特開平09−081369号公報;“2次元相関およびコンボリューションをハフ平面のρ座標に沿って1次元的に行う方法,” 川上と岡本, 信学技報, vol. IE96−19, pp.31−38, 1996)。
【0653】
(6)以上で設定された四つのパラメータnciσ,iR,paxisを「複比変換ユニット117」に入力して、位置icを出力する。位置icの計算は、そのユニット内で次の二つのステップで行われる。
【0654】
(A)icとpaxisとの中心角ixの計算(B−6−8)
nciσ,iR,paxisから、ixを式(60b)により下式で計算する。
【0655】
Figure 0003949333
(b)icの計算(B−6−9)
球面上の位置icを、上記のixを用いて下式で計算する。
【0656】
ic=cos(ix) Γx+sin(ix) Γy (160b)
ここで、ΓxとΓyは式(150c)で計算される。
【0657】
(7)上記の位置icを「変換ユニット118」により球面上の大円に極変換する(B−6−10)。
(kを走査(B−6−11,B−6−12,B−6−14))
(8)その大円を構成する点kGCを、「円柱配列投票ユニット119」の“高さncの断面円内の点”に変換して投票する(B−6−13)。
(kを走査(B−6−14))
(9)ここまでの処理で、位置iRの点が“複比変換および極変換”された一個の大円が、高さがncの断面円内に描かれる。但し、その大円は式(153)により変換されている。
(iを走査(B−6−15))
(10)ここまでの処理で、高さがncの断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。
ncを走査(B−6−16))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{nc}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
【0658】
(12)「ピーク抽出ユニット120」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“大円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面を横切るまでの規格化距離nc0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(B−6−17)。
(End)
実施形態B−7.(“平面の3次元方位ns0と横切るまでの規格化距離nc0”を視軸方向axisを知らずに、かつ両眼視差σにより計測)
掲記の計測、すなわち4.2.5の方法において“両眼視差σによる複比変換(式60b))”を用いる場合図63の実施形態で説明する。それは、実施形態B−6をモディファイした、図64に示す以下のフローで行われる。下記の(2)から(11)までのステップは、実施形態B−6の対応するステップと同じである。
【0659】
(Start)
(0)「axisパラメータの走査ユニット121」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(B−7−1,B−7−2,B−7−18)。
(axisを走査)
(1)「paxis設定ユニット115」により、“視軸上の位置paxis”をこのパラメータaxisに等しいとして設定する(B−7−3)。
【0660】
(2)規格化距離パラメータncを「ncパラメータの走査ユニット116」により、下限値nc,minから上限値nc,maxまで走査する(B−7−4,B−7−5,B−7−17)。
ncを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(B−7−6,B−7−7,B−7−16)。
(iを走査)
(4)左右カメラでの位置iRiLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(B−7−8)。
【0661】
(5)左右カメラでの位置iRiLを「σ決定ユニット128」に入力して、両眼視差iσ(すなわち、iLiR)を出力する(B−7−9)。
【0662】
(6)以上で設定された四つのパラメータnciτ,iR,paxisを「複比変換ユニット117」に入力して、位置icを出力する(B−7−10)。
【0663】
(7)上記の位置icを「極変換ユニット118」により球面上の大円に極変換する(B−7−11)。
(kを走査B−7−12,B−7−13,B−7−15))
(8)その大円を構成する点kGCを、「円柱配列投票ユニット」の“高さncの断面円内の点”に変換して投票する(B−7−14)。
(kを走査B−7−15)
(9)ここまでの処理で、位置iRの点が“複比変換および極変換”された一個の大円が、高さがncの断面円内に描かれる。但し、その大円は式(153)により変換されている。
(iを走査(B−7−16))
(10)ここまでの処理で、高さがncの断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。
ncを走査(B−7−17))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{nc}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
(axisを走査(B−7−18))
(12)ここまでの処理で、“全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
【0664】
(13)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット120」により抽出する。この配列に対応する視軸方向パラメータとして、真の視軸方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面を横切るまでの規格化距離nc0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(B−7−19)。
(End)
実施形態B−8. (“平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0”を両眼視差σにより計測)
掲記の計測、すなわち4.3.2の方法において“両眼視差σによる小円変換(式(66a))”を用いる場合を図65の実施形態で説明する。それは、図66に示す、以下のフローで行われる。下記の“(1)から(4)”および“(7)から(12)”までは実施形態B−3の対応するステップと同じであり、また(5)は実施形態B−6の対応するステップと同じである。
【0665】
(Start)
(1)「paxis設定ユニット115」により、視軸上の位置paxisを視軸方向axisに等しいとして設定する(実施形態B−1参照)(B−8−1)。
【0666】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット122」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(B−8−2,B−8−3,B−8−15)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(B−8−4,B−8−5,B−8−14)。
(iを走査)
(4)左右カメラでの位置iRiLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(B−8−6)。
【0667】
(5)左右カメラでの位置iRiLを「σ決定ユニット128」に入力して、両眼視差iσ(すなわち、iLiR)を出力する(B−8−7)。
【0668】
(6)以上で設定された四つのパラメータnsiσ,iR,paxisを「半径Rの計算ユニット123」に入力して、半径iRと位置iRを出力する(B−8−8)。そのユニットの中で、半径iRが式(66a)により下式で計算される。
【0669】
iR=cos-1nssiniσ/sin(ic+iσ)) (115)
(7)この半径iRと位置iRを「小円変換ユニット124」に入力して、位置iRを中心とする半径iRの“球面上の小円”に変換する(B−8−9)。
(kを走査(B−8−10,B−8−11,B−8−13))
(8)その小円を構成する点kSCを、「円柱配列投票ユニット125」の“高さnsの断面円内の点”に変換して投票する(B−8−12)。
(kを走査(B−8−13)
(9)ここまでの処理で、位置iRの点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(157)により変換されている。
(iを走査(B−8−14))
(10)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(B−8−15))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円内に投票が行われる。
【0670】
(12)「ピーク抽出ユニット126」により、円柱配列の中で“投票された強度が最大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(B−8−16)。
(End)
実施形態B−9.(“平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0”を視軸方向axisを知らずに、かつ両眼視差σにより計測)
掲記の計測、すなわち4.3.3の方法において“両眼視差σによる小円変換(式(66a))”を用いる場合を図67の実施形態で説明する。それは、実施形態B−8をモディファイした、図68に示す、以下のフローで行われる。下記の(2)から(11)までのステップは、実施形態B−8の対応するステップと同じである。
【0671】
(Start)
(0)「axisパラメータの走査ユニット121」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する。
(axisを走査)
(1)「paxis設定ユニット115」により、“視軸上の位置paxis”をこのパラメータaxisに等しいとして設定する(B−9−3)。
【0672】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット122」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(B−9−4,B−9−5,B−9−17)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(B−9−6,B−9−7,B−9−16)。
(iを走査)
(4)左右カメラでの位置iRiLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(B−9−8)。
【0673】
(5)左右カメラでの位置iRiLを「σ決定ユニット128」に入力して、両眼視差iσ(すなわち、iLiR)を出力する(B−9−9)。
【0674】
(6)以上で設定された四つのパラメータnsiτ,iR,paxisを「半径Rの計算ユニット123」に入力して、半径iRと位置iRを出力する(B−9−10)。
【0675】
(7)この半径iRと位置iRを「小円変換ユニット124」に入力して、位置iRを中心とする半径iRの“球面上の小円”に変換する。
(kを走査)
(8)その小円を構成する点kSCを、「円柱配列投票ユニット125」の“高さnsの断面円内の点”に変換して投票する(B−9−14)。
(kを走査(B−9−15))
(9)ここまでの処理で、位置iRの点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(157)により変換されている。
(iを走査(B−9−16))
(10)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(B−9−17))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
(axisを走査(B−9−18))
(12)ここまでの処理で、“全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
【0676】
(13)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット126」により抽出する。この配列に対応する視軸方向パラメータとして、真の視軸方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(B−9−19)。
(End)
実施形態B−10. (“点の規格化距離n0”を両眼視差σにより計測)
掲記の計測、すなわち4.4.3の方法において“両眼視差σによる計測法(式(67c))”を用いる場合を図69の実施形態で説明する。それは、図70に示す以下のフローで行われる。
【0677】
(Start)
(1)「paxis設定ユニット115」により、視軸上の位置paxisを視軸方向axisに等しいとして設定する(実施形態B−1参照)(B−10−1)。
【0678】
(2)左右カメラでの位置pR,pLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(B−10−2)。
【0679】
(3)左右カメラでの位置pR,pLを「σ決定ユニット128」に入力して、両眼視差σ(すなわち、pL−pR)を出力する(B−10−3)。
【0680】
(4)以上で設定された三つのパラメータτ,pR,paxisを「点距離計算ユニット127」に入力して、点までの規格化距離n0が出力される(B−10−4)。n0の計算は、ユニット内で式(67c)を計算して行われる。
(End)
実施形態C−1. (“平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0”を運動視差τにより計測)
掲記の計測、すなわち2.1の方法において運動視差τによる場合を図71の実施形態で説明する。それは、図72に示す、以下のフローで行われる。
【0681】
(Start)
(1)移動方向vを「移動方向vの抽出ユニット14」により、実施形態A−1のステップ(1)と同様にして抽出する。次に、「pinf設定ユニット15」により、この移動方向vに等しいとして“無限時間経過後の位置pinf”を設定する(C−1−1)。
【0682】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット221」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(C−1−2,C−1−3,C−1−14)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(C−1−4,C−1−5,C−1−13)。
(iを走査)
(4)現在と次の時刻の位置i0i1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(C−1−6)。
【0683】
(5)現在と次の時刻の位置i0i1を「τ決定ユニット28」に入力して、実施形態A−6のステップ(5)と同様にして、運動視差iτ(すなわち、i1i0)を出力する(C−1−7)。
【0684】
(6)移動方向vを中心する半径rの円(図13)を考え、そのrを「半径rの走査ユニット222」により0からπ/2まで走査する(C−1−8,C−1−9,C−1−12)。
(rを走査)
(7)以上で設定された五つのパラメータnsi0,pinfiτ,rを「小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット223」に入力して、2.1(4)の二つの交点i rs+i rs-を出力する(C−1−10)。この交点は、2.2.1で証明したように“i0を中心にする半径iRの小円”の構成要素である。この点i rs+i rs-の“球面上の極座標(経度i rαs+i rαs-、緯度i rβs+i rβs-)”は、式(29)より下式で計算される。
【0685】
Figure 0003949333
ここで、iαaiaはi0の経度座標と緯度座標である(図14参照)。
【0686】
(8)上記の小円を構成する点i rs+i rs-を、「円柱配列投票ユニット224」の高さnsの断面円内の、極座標(傾角i rαs+,Proji rαs-,Proj、動径i rβs+,Proji rβs-,Proj)で表される点i rs+,Proji rs-,Projに変換して投票する(C−1−11)――その投票は“位置i0の明るさ”を加算して行われる。その変換は一般的にはf()を射影関数として、
i rβs+,Proj=f(i rβs+
i rβs-,Proj=f(i rβs-) (201a)
i rαs+,Proji rαs+
i rαs-,Proji rαs- (201b)
で表される(実施形態A−1のステップ(7)参照)。等距離射影方式の場合にはf()=1であり、i rβs+,Proji rβs-,Projは下式で与えられる。
【0687】
i rβs+,Proji rβs+
i rβs-,Proji rβs- (201c)
以上を纏めると、小円を構成する“球面上の点i rs+i rs-”を断面円内の“平面上の点i rs+,Proji rs-,Proj”に変換して、その点に“位置i0の明るさ”を投票(加算)する。各断面円はレジスタ配列あるいはメモリ配列で実現できる。
(rを走査(C−1−12))
(9)ここまでの処理で、位置i0の点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(201)により変換されている。
(iを走査(C−1−13))
(10)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(C−1−14))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
【0688】
(12)「ピーク抽出ユニット225」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する(C−1−15)――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面の規格化最短距離ns”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる。
(End)
実施形態C−2.(“平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0”を移動方向vを知らずに、かつ運動視差τにより計測)
掲記の計測、すなわち“移動方向vを知らずに計測する方法(2.5)”を、2.1についてかつ運動視差τを用いて行う場合を図73の実施形態で説明する。それは、図74に示す、以下のフローで行われる。下記の(2)から(11)までのステップは、実施形態C−1の対応するステップと同じである。
【0689】
(Start)
(0)「vパラメータの走査ユニット21」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmax)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(C−2−1,C−2−2,C−2−17)。
(vを走査)
(1)「pinf設定ユニット15」により、“無限時間経過後の位置pinf”をこのパラメータvに等しいとして設定する(C−2−3)。
【0690】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット221」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(C−2−4,C−2−5,C−2−16)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(C−2−6,C−2−7,C−2−15)。
(iを走査)
(4)現在と次の時刻の位置i0i1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(C−2−8)。
【0691】
(5)現在と次の時刻の位置i0i1を「τ決定ユニット28」に入力して、実施形態A−5のステップ(5)と同様にして、運動視差iτ(すなわち、i1i0)を出力する(C−2−9)。
【0692】
(6)移動方向vを中心する半径rの円(図13)を考え、そのrを「半径rの走査ユニット222」により0からπ/2まで走査する(C−2−10,C−2−11,C−2−14)。
(rを走査)
(7)以上で設定された五つのパラメータnsi0,pinfiτ,rを「小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット223」に入力して、2.1(4)の二つの交点i rs+i rs-を出力する(C−2−12)。
【0693】
(8)その小円を構成する点i rs+i rs-を、「円柱配列投票ユニット224」の“高さnsの断面円内の点”に変換して投票する(C−2−13)。
(rを走査(C−2−14))
(9)ここまでの処理で、位置i0の点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(201)により変換されている。
(iを走査(C−2−15))
(10)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(C−2−16))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
(vを走査(C−2−17))
(12)ここまでの処理で、“全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
【0694】
(13)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット225」により抽出する。この配列に対する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離ns が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(C−2−18)。
(End)
実施形態C−3. (“平面の3次元方位s0と規格化最短距離ns0”を両眼視差σにより計測)
掲記の計測、すなわち4.3.1の方法において両眼視差σによる場合を図75の実施形態で説明する。それは、図76に示す、以下のフローで行われる。ステップ(8)以降は、iRと{iR}をi0と{i0}に置き換えると実施形態C−1と同じである。
【0695】
(Start)
(1)「paxis設定ユニット115」により、視軸上の位置paxisを視軸方向axisに等しいとして設定する(実施形態B−1のステップ(1)参照)。
【0696】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット221」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(C−3−2,C−3−3,C−3−14)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(C−3−4,C−3−5,C−3−13)。
(iを走査)
(4)左右カメラでの位置iRiLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(C−3−6)。
【0697】
(5)左右カメラでの位置iRiLを「σ決定ユニット128」に入力して、両眼視差iσ(すなわち、iLiR)を出力する(実施形態B−6のステップ(5)参照(C−3−7))。
【0698】
(6)視軸方向axisを中心する半径rの円(図26)を考え、そのrを「半径rの走査ユニット222」により0からπ/2まで走査する(C−3−8,C−3−9,C−3−12)。
(rを走査)
(7)以上で設定された五つのパラメータnsiR,paxisiσ,rを「小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット223」に入力して、4.3.1(4)の二つの交点i rs+i rs-を出力する(C−3−10)。この交点は、4.3.2で証明したように“iRを中心にする半径iRの小円”の構成要素である。この点i rs+i rs-の“球面上の極座標(経度i rα+i rα-、緯度i rβ+i rβ-)”は、4.3.1(4)で述べたように下式で計算される。
【0699】
Figure 0003949333
(8)この小円を構成する点i rs+i rs-を、「円柱配列投票ユニット224」の“高さnsの断面円内”に変換して投票する(C−3−11)。
(rを走査(C−3−12))
(9)ここまでの処理で、位置iRの点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(201)により変換されている。
(iを走査(C−3−13))
(10)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(C−3−14))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
【0700】
(12)「ピーク抽出ユニット225」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する(C−3−15)――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる。
(End)
実施形態C−4.(“平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0”を視軸方向axisを知らずに、かつ両眼視差σにより計測)
掲記の計測、すなわち“視軸方向axisを知らずに計測する方法(4.3.3)”を、4.3.1についてかつ両眼視差σを用いて行う場合を図77の実施形態で説明する。それは、実施形態C−3をモディファイした、図78に示す、以下のフローで行われる。下記の(1)から(11)までのステップは、実施形態C−3の対応するステップと同じである。
【0701】
(Start)
(0)「axisパラメータの走査ユニット121」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(C−4−1,C−4−2,C−4−17)。
(axisを走査)
(1)「paxis設定ユニット115」により、“視軸上の位置paxis”をこのパラメータaxisに等しいとして設定する(C−4−3)。
【0702】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット221」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(C−4−4,C−4−5,C−4−16)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(C−4−6,C−4−7,C−4−15)。
(iを走査)
(4)左右カメラでの位置iRiLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(C−4−8)。
【0703】
(5)左右カメラでの位置iRiLを「σ決定ユニット128」に入力して、両眼視差iσ(すなわち、iLiR)を出力する(C−4−9)。
【0704】
(6)視軸方向axisを中心する半径rの円(図26)を考え、そのrを「半径rの走査ユニット222」により0からπ/2まで走査する(C−4−10,C−4−11,C−4−14)。
(rを走査)
(7)以上で設定された五つのパラメータnsiR,paxisiσ,rを「小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット223」に入力して、4.3.1(4)の二つの交点i rs+i rs-を出力する(C−4−12)。
【0705】
(8)その小円を構成する点i rs+i rs-を、「円柱配列投票ユニット224」の高さnsの断面円内の点”に変換して投票する(C−4−13)。
(rを走査(C−4−14))
(9)ここまでの処理で、位置iRの点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(201)により変換されている。
(iを走査(C−4−15))
(10)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(C−4−16))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
(axisを走査(C−4−17))
(12)ここまでの処理で、“全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
【0706】
(13)上記の円柱配列群中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット225」により抽出する。この配列に対する視軸方向パラメータとして、真の視軸方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる。(C−4−18)。
(End)
実施形態C−5. (平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0の計測)
掲記の計測、すなわち、2.1の方法を図79の実施形態で説明する。それは、図80に示す以下のフローで行われる。下記の(7)から(11)までのステップは、実施形態C−1の(8)から(12)までのステップと同じである。
(Start)
(1)移動方向vを「移動方向vの抽出ユニット14」により、実施形態A−1のステップ(1)と同様にして抽出する。次に、「pinf設定ユニット15」により、この移動方向vに等しいとして“無限時間経過後の位置pinf”を設定する(C−5−1)。
【0707】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット221」により下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(C−5−2,C−5−3,C−5−13)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(C−5−4,C−5−5,C−5−12)。
(iを走査)
(4)現在と次の時刻の位置i0i1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する。
【0708】
(5)移動方向vを中心とする半径rの円(図13)を考え、そのrを「半径rの走査ユニット222」により0からπ/2まで走査する(C−5−7,C−5−8,C−5−11)。
(rを走査)
(6)以上で設定された五つのパラメータnsi0i1,pinf,rを「小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット223」に入力して、2.1(4)の二つの交点i rs+i rs-を出力する。この交点は、2.2.1で証明したように“i0を中心にする半径iRの小円”の構成要素である。この点i rs+i rs-の“球面上の極座標(経度i rαs+i rαs-、緯度i rβs+i rβs-)”は、式(29)をモディファイして下式で計算される。
【0709】
Figure 0003949333
ここで、iαaiaはi0の経度座標と緯度座標であり、ibはi1の緯度座標でる(図14および図9参照)。
【0710】
(7)その小円を構成する点i rs+i rs-を、「円柱配列投票ユニット224」の“高さnsの断面円内の点”に変換して投票する(実施形態C−1のステップ(8)参照(C−5−10))。
(rを走査(C−5−11))
(8)ここまでの処理で、位置i0の点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(201)により変換されている。
(iを走査(C−5−12))
(9)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(C−5−13))
(10)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
【0711】
(11)「ピーク抽出ユニット225」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(C−5−14)。
(End)
実施形態C−6.(“平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0”を移動方向vを知らずに計測)
掲記の計測、すなわち“移動方向vを知らずに計測する方法(2.5)”を、2.1について行う場合を図81の実施形態で説明する。それは、図82に示す、以下のフローで行われる。下記の(2)から(10)までのステップは、実施形態C−5の対応するステップと同じである。
【0712】
(Start)
(0)「vパラメータの走査ユニット21」により、可能性のある全ての方向(下限値Vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(C−6−1,C−6−2,C−6−16)。
(vを走査)
(1)「pinf設定ユニット15」により、“無限時間経過後の位置pinf”をこのパラメータvに等しいとして設定する(C−6−3)。
【0713】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット221」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(C−6−4,C−6−5,C−6−15)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(C−6−6,C−6−7,C−6−14)。
(iを走査)
(4)現在と次の時刻の位置i0i1を「現時刻t0の画像レジスタ12」と「次時刻t1の画像レジスタ13」から出力する(C−6−8)。
【0714】
(5)移動方向vを中心とする半径rの円(図13)を考え、そのrを「半径rの走査ユニット222」により0からπ/2まで走査する(C−6−9,C−6−10,C−6−13)。
(rを走査)
(6)以上で設定された五つのパラメータnsi0i1,pinf,rを「小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット223」に入力して、2.1(4)の二つの交点i rs+i rs-を出力する(C−6−11)。
【0715】
(7)その小円を構成する点i rs+i rs-を、「円柱配列投票ユニット224」の“高さnsの断面円内の点”に変換して投票する(実施形態C−6−12)。
(rを走査(C−6−13))
(8)ここまでの処理で、位置i0の点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(201)により変換されている。
(iを走査(C−6−14))
(9)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(C−6−15))
(10)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
(vを走査(C−6−16))
(11)ここまでの処理で、“全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
【0716】
(12)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット225」により抽出する。この配列に対応する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(C−6−17)。
(End)
実施形態C−7. (平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0の計測)
掲記の計測、すなわち、4.3.1の方法を図83の実施形態で説明する。それは、図84に示す、以下のフローで行われる。ステップ(7)以降は、iRと{iR}をi0と{i0}に置き換えると実施形態C−5と同じである。
(Start)
(1)「paxis設定ユニット115」により、視軸上の位置paxisを視軸方向axisに等しいとして設定する(実施形態B−1のステップ(1)参照(C−7−1))。
【0717】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット221」により下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(C−7−2,C−7−3,C−7−13)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(C−7−4,C−7−5,C−7−12)。
(iを走査)
(4)左右カメラでの位置iRiLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(C−7−6)。
【0718】
(5)視軸方向axisを中心とする半径rの円(図26)を考え、そのrを「半径rの走査ユニット222」により0からπ/2まで走査する(C−7−7,C−7−8,C−7−11)。
(rを走査)
(6)以上で設定された五つのパラメータnsiRiL,paxis,rを「小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット223」に入力して、4.3.1(4)の二つの交点i rs+i rs-を出力する(C−7−9)。この交点は、4.3.2で証明したように“iRを中心にする半径iRの小円”の構成要素である。この点i rs+i rs-の“球面上の極座標(経度i rαs+i rαs-、緯度i rβs+i rβs-)”は、式(65c)をモディファイして下式で計算される。
【0719】
Figure 0003949333
ここで、iαcicはiRの経度座標と緯度座標であり、idは iLの緯度座標でる(図26および図23参照)。
【0720】
(7)この小円を構成する点i rs+i rs-を、「円柱配列投票ユニット224」の“高さnsの断面円内の点”に変換して投票する(C−7−10)。
(rを走査(C−7−11))
(8)ここまでの処理で、位置iRの点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(201)により変換されている。
(iを走査(C−7−12))
(9)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(C−7−13)
(10)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
【0721】
(11)「ピーク抽出ユニット225」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(C−7−14)。
(End)
実施形態C−8.(“平面の3次元方位ns0と規格化最短距離ns0”を視軸方向axisを知らずに計測)
掲記の計測、すなわち“視軸方向axisを知らずに計測する方法(4.3.3)”を、4.3.1について行う場合を図85の実施形態で説明する。それは、実施形態C−7をモディファイした、図86に示す、以下のフローで行われる。下記の(1)から(10)までのステップは、実施形態C−7に対応するステップと同じである。
【0722】
(Start)
(0)「axisパラメータの走査ユニット121」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(C−8−1,C−8−2,C−8−16)。
(axisを走査)
(1)「paxis設定ユニット115」により、“視軸上の位置paxis”をこのパラメータaxisに等しいとして設定する(C−8−3)。
【0723】
(2)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット221」により下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(C−8−4,C−8−5,C−8−15)。
nsを走査)
(3)画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(C−8−6,C−8−7,C−8−14)。
(iを走査)
(4)左右カメラでの位置iRiLを「右カメラ画像レジスタ112」と「左カメラ画像レジスタ113」から出力する(C−8−8)。
【0724】
(5)視軸方向axisを中心とする半径rの円(図26)を考え、そのrを「半径rの走査ユニット222」により0からπ/2まで走査する(C−8−9,C−8−10,C−8−13)。
(rを走査)
(6)以上で設定された五つのパラメータnsiRiL,paxis,rを「小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット223」に入力して、4.3.1(4)の二つの交点i rs+i rs-を出力する(C−8−11)。
【0725】
(7)その小円を構成する点i rs+i rs-を、「円柱配列投票ユニット224」の“高さnsの断面円内の点”に変換して投票する(C−8−12)。
(rを走査(C−8−13))
(8)ここまでの処理で、位置iRの点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。但し、その小円は式(201)により変換されている。
(iを走査(C−8−14))
(9)ここまでの処理で、高さがnsの断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。
nsを走査(C−8−15))
(10)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行われる。
(axisを走査(C−8−16))
(11)ここまでの処理で、“全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
【0726】
(12)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット225」により抽出する。この配列に対応する移動方向パラメータとして、真の移動方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面の規格化最短距離nsが、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(C−8−17)。
(End)
実施形態D
実施形態D−1(規格化時間)
本実施形態について図87を参照して説明する。それは、図88に示す、以下のフローで行なわれる。
(1)移動方向vを実施形態A−1のステップ(1)と同様にして抽出し、「pinf設定ユニット15」により、この移動方向vに等しいとして“無限時間経過後の位置pinf”を設定する(D−1−1)。
(2)「画素番号iの走査ユニット401」により、画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(D−1−2,D−1−3,D−1−17)。
【0727】
(iを走査)
(3)「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット402」により、カメラ11で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする各局所領域画像(特開平09−081369号公報の図1および信学技報(川上、岡本、Vol.IE−19、PP.31−38、1996)の図1を参照)を、図159の左端に示すように、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(D−1−4)。
(4)「運動視差番号kの走査ユニット403」により、運動視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(D−1−5,D−1−6,D−1−16)。 (kを走査)
(5)この番号kは運動視差のシリアル番号であり、運動視差kτすなわち動きベクトル(kτx kτy)と図160に示すように対応している。「運動視差kτ変換ユニット404」によりこの対応付けを行なって、運動視差kτを出力する(D−1−7)。
【0728】
但し、運動視差kτすなわち動きベクトル(kτx kτy)の方向が、図10(A)の“i0からv(すなわち、pinf)への方向”と違っているときは、この移動方向vと矛盾する運動視差のため、ステップ(10)までをスキップする(D−1−8)。
(6)以上で設定された“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差kτを「運動視差検出ユニット405」(図159参照)に入力して、応答強度を下式で計算する(D−1−9)。
【0729】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−kτx,y−kτy) (301)
ここで、i0(x,y)は、現時刻の局所領域画像(図159左上)内の(x,y)画素の強度であり、i1(x,y)は次時刻の局所領域画像(図159左下)内の(x,y)画素の強度である。
【0730】
なお、この応答強度の計算は簡単のために2次元相関で示したが、例えば、MPEG2エンコーダーに標準的に用いられている差分絶対値による2次元相関、乗算的演算による2次元相関、ハフ変換と逆ハフ変換による相関(“2次元相関およびコンボリューションをハフ平面のρ座標に沿って1次元的に行う方法,”川上と岡本, 信学技報, vol. IE96−19, pp.31−38, 1996、および特開平05−165956号公報、特開平05−165957号公報、特開平06−044364号公報、特開平09−081369号公報 参照)でもよい。また、微分勾配法などの速度を検出する方法でもよい。すなわち、この応答強度は、画素の強度に基いて求められるものであればよい。この点、本発明の、応答強度を求める全ての実施形態について同様である。
(7)規格化時間パラメータncを「ncパラメータの走査ユニット16」により、下限値nc,minから上限値nc,maxまで走査する(D−1−10,D−1−11,D−1−15)。
【0731】
ncを走査)
前掲の実施形態A−6と同じ処理で、以下が行なわれる。但し、本実施形態では、実施形態A−6とは異なり、以下のステップ(10)において「運動視差検出ユニットの応答強度を投票する」という処理が行なわれる。
(8)「i0変換ユニット406」では画素番号iが画素i0に変換され、以上で設定された四つのパラメータnckτ,i0,pinfを「複比変換ユニット17」に入力して、位置ikcを出力する(D−1−12)。
(9)上記の位置ikcを「極変換ユニット18」により球面上の大円に極変換して、その大円を構成する点群の位置{ikGC}を出力する(D−1−13)。
【0732】
なお、前掲の実施形態A−6では、ikτ,ikcikGCiτ,iciGCと記されている。
(10)「円柱配列投票ユニット19」の“高さncの大円上の点群”に、“運動視差検出ユニット405の応答強度”を投票する(D−1−14)。ここまでの処理で、位置i0の点が“複比変換および極変換”された一個の大円が、高さがncの断面円内に描かれる。
【0733】
尚、ここでは円柱配列としたが、本発明の全ての実施形態(全ての図も含めて)において‘円柱’である必要はなく、3自由度配列と一般化してもよい。その場合には、上記の大円はそれに対応した曲線になる。
【0734】
ncを走査(D−1−15))
(kを走査(D−1−16))
(iを走査(D−1−17))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{nc}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行なわれる。
(12)「ピーク抽出ユニット20」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“大円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面を横切るまでの規格化時間nc0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(D−1−18)。
【0735】
尚、ここでは規格化時間ncとしたが、Δtが一定のため、絶対時間tc(すなわち、ncΔt)でもよい。この点は、本発明の、規格化時間ncを取扱う全ての実施形態について同様である。
【0736】
実施形態D−2(規格化時間+v未知)
本実施形態について図89のブロック図を参照して説明する。それは、図90のフローで行なわれる。
【0737】
下記の(2)から(11)までのステップは、実施形態D−1の対応するステップと同じである。
(0)「vパラメータの走査ユニット21」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(D−2−1,D−2−2,D−2−20)。
【0738】
(vを走査)
(1)「pinf設定ユニット15」により、“無限時間経過後の位置pinf”をこのパラメータvに等しいとして設定する(D−2−3)。
(2)「画像番号iの走査ユニット401」により、画像内の各点のアドレスを下限値iminから上限値imaxまで走査する(D−2−4,D−2−5,d−2−19)。
【0739】
(iを走査)
(3)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0 を中心とする局所領域画像の切出しユニット402」により、カメラ11で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から、“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする各局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(D−2−6)。
(4)「運動視差番号kの走査ユニット403」により、運動視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(D−2−7,D−2−8,D−2−18)。
【0740】
(kを走査)
(5)実施形態D−1のステップ(5)と同様にして、「運動視差kτ変換ユニット404」により、この番号kを運動視差kτに変換して出力する(D−2−9)。
【0741】
但し、運動視差kτすなわち動きベクトル(kτx kτy)の方向が、図10(A)の“i0からv(すなわち、pinf)への方向”と違っているときは、この移動方向vと矛盾する運動視差のため、ステップ(10)までをスキップする(D−2−10)。
(6)以上で設定された“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差kτを「運動視差検出ユニット405」(図159参照)に入力して、応答強度を下式で計算する(D−2−11)。
【0742】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−kτx,y−kτy
(7)規格化時間パラメータncを「ncパラメータの走査ユニット16」により、下限値nc,minから上限値nc,maxまで走査する(D−2−12,D−2−13,D−2−17)。
【0743】
ncを走査)
前掲の実施形態A−6と同じ処理で、以下が行なわれる。但し、本実施形態では、実施形態A―6とは異なり、ステップ(10)において「運動視差検出ユニットの応答強度を投票する」という処理が行なわれている。
(8)「i0変換ユニット406」では画素番号iが画素i0に変換され、以上で設定された四つのパラメータnckτ,i0,pinfを「複比変換ユニット17」に入力して、位置ikcを出力する(D−2−14)。
(9)上記の位置ikcを「極変換ユニット18」により球面上の大円に極変換して、その大円を構成する点群の位置{ikGC}を出力する(D−2−15)。
(10)「円柱配列投票ユニット19」の“高さncの大円上の点群”に、“運動視差検出ユニット405の応答強度”を投票する(D−2−16)。ここまでの処理で、位置i0の点が“複比変換および極変換”された一個の大円が、高さがncの断面円内に描かれる。
【0744】
ncを走査(D−2−17))
(kを走査(D−2−18))
(iを走査(D−2−19))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{nc}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行なわれる。
【0745】
(vを走査(D−2−20))
(12)ここまでの処理で、“全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
(13)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット20」により抽出する。この配列に対する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面を横切るまでの規格化時間nc0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(D−2−21)。
【0746】
実施形態D−3(規格化最短距離)
図91は、本実施形態D−3のブロック図、図92はその実施形態D−3のフローチャートである。
(1)移動方向vを実施形態A−1のステップ(1)と同様にして抽出し、「pinf設定ユニット15」により、この移動方向vに等しいとして“無限時間経過後の位置pinf”を設定する(D−3−1)。
(2)「画素番号iの走査ユニット401」により、画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(D−3−2,D−3−3,D−3−17)。
【0747】
(iを走査)
(3)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット402」により、カメラ11で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から、“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする各局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(D−3−4)。
(4)「運動視差ユニットkの走査ユニット403」により、運動視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(D−3−5,D−3−6,D−3−16)。
【0748】
(kを走査)
(5)実施形態D−1のステップ(5)と同様にして、「運動視差kτ変換ユニット404」により、この番号kを運動視差kτに変換して出力する(D−3−7)。但し、運動視差kτすなわち動きベクトル(kτx kτy)の方向が、図10(A)の“i0からv(すなわち、pinf)への方向”と違っているときは、この移動方向vと矛盾する運動視差のため、ステップ(10)までをスキップする(D−3−8)。
(6)実施形態D−1のステップ(6)と同様にして、“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差kτを「運動視差検出ユニット405」(図159参照)に入力して、応答強度を下式で計算する(D−3−9)。
【0749】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−kτx,y−kτy
(7)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット22」により下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する。
【0750】
nsを走査)
前掲の実施形態A−8と同じ処理で、以下が行なわれる。但し、本実施形態では、実施形態A−8とは異なり、ステップ(10)において「運動視差検出ユニットの応答強度を投票する」という処理が行なわれる。
(8)「i0変換ユニット406」では画素番号iが画素i0に変換され、以上で設定された四つのパラメータnskτ,i0,pinfを実施形態A−8のステップ(6)と同様にして、「半径Rの計算ユニット23」に入力して、半径ikRと位置i0を出力する(D−3−12)。そのユニット23の中で、半径ikRが下式で計算される。
【0751】
ikR=cos-1ns sin kτ/sin(ia+kτ))
(9)実施形態A−8のステップ(7)と同様にして、この半径ikRと位置i0を「小円変換ユニット24」に入力して、位置i0を中心とする半径ikRの“球面円の小円”に変換する(D−3−13)。
(10)実施形態A−8のステップ(8)から(9)と同様にして、「円柱配列投票ユニット25」の“高さnsの小円上の点群”にステップ(6)の運動視差検出ユニット405の応答強度を投票する(D−3−14)。ここまでの処理で、位置i0の点が小円変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。
【0752】
nsを走査(D−3−15))
(kを走査(D−3−16))
(iを走査(D−3−17))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が小円変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行なわれる。
(12)「ピーク抽出ユニット26」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大になる点”を抽出する――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面までの規格化最短距離ns0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(D−3−18)。
【0753】
実施形態D−4(規格化最短距離+v未知)
本実施形態について、図93のブロック図を参照して説明する。これは、図94に示す以下のフローに従って実行される。
【0754】
下記の(2)から(11)までのステップは、実施形態D−3の対応するステップと同じである。
(0)「vパラメータの走査ユニット21」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(D−4−1,D−4−2,D−4−20)。
【0755】
(vを走査)
(1)「pinf設定ユニット15」により、“無限時間経過後の位置pinf”をこのパラメータvに等しいとして設定する(D−4−3)。
(2)「画素番号iの走査ユニット401」により、画像内の各点のアドレスを下限値iminから上限値imaxまで走査する(D−4−4,D−4−5,D−4−19)。
【0756】
(iを走査)
(3)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット402」により、カメラ11で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から、“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする各局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(D−4−6)。
(4)「運動視差番号kの走査ユニット403」により、運動視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(D−4−7,D−4−8,D−4−18)。
【0757】
(kを走査)
(5)実施形態D−1のステップ(5)と同様にして、「運動視差kτ変換ユニット404」により、この番号kを運動視差kτに変換して出力する(D−4−9)。但し、運動視差kτすなわち動きベクトル(kτx kτy)の方向が、図10(A)の“i0からv(すなわち、pinf)への方向”と違っているときは、この移動方向vと矛盾する運動視差のため、ステップ(10)までをスキップする(D−4−10)。
(6)実施形態D−1のステップ(6)と同様にして、“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差kτを「運動視差検出ユニット405」(図159)に入力して、応答強度を下式で計算する(D−4−11)。
【0758】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−kτx,y−kτy
(7)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット22」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(D−4−12,D−4−13,D−4−17)。
【0759】
nsを走査)
前掲の実施形態A−8と同じ処理で、以下が行なわれる。但し、本実施形態では、実施形態A−8とは異なり、ステップ(10)において、「運動視差検出ユニットの応答強度を投票する」という処理が行なわれる。
(8)「変換ユニット406」では画素番号iが画素に変換され、以上で設定された四つのパラメータnskτ,i0,pinfを、実施形態A−8のステップ(6)と同様にして、「半径Rの計算ユニット23」に入力して、半径ikRと位置i0を出力する(D−4−14)。そのユニット23の中で、半径ikRが下式で計算される。
【0760】
ikR=cos-1ns sin kτ/sin(ia+kτ))
(9)実施形態A−8のステップ(7)と同様にして、この半径ikRと位置i0を「小円変換ユニット24」に入力して、位置i0を中心とする半径ikRの“球面円の小円”に変換する(D−4−15)。
(10)実施形態A−8のステップ(8)から(9)と同様にして、「円柱配列投票ユニット25」の“高さnsの小円上の点群”にステップ(6)の運動視差検出ユニット405の応答強度を投票する(D−4−16)。ここまでの処理で、位置i0の点が小円変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。
【0761】
nsを走査(D−4−17))
(kを走査(D−4−18))
(iを走査(D−4−19))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が小円変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行なわれる。
【0762】
(vを走査(D−4−20))
(12)ここまでの処理で、“全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列群”の全断面に投票が行なわれる。
(13)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット26」により抽出する。この配列に対する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面までの規格化最短距離nsが、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(D−4−21)。
【0763】
実施形態D−5(ステレオ+規格化距離)
図95は、本実施形態D−5を示すブロック図、図96は、そのフローチャートである。
(1)前掲の実施形態B−1と同様、「paxis設定ユニット115」により、視軸上の位置paxisを視軸方向axisに等しいとして設定する(D−5−1)。
(2)「画素番号iの走査ユニット421」により、画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(D−5−2,D−5−3,D−5−3−17)。
【0764】
(iを走査)
(3)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット422」により、“アドレスiに対するiR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラ412,413で得られた各画像から切り出す(D−5−4)。
(4)「両眼視差番号kの走査ユニット423」により、両眼視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(D−5−5,D−5−6,D−5−16)。
【0765】
(kを走査)
(5)この番号kは両眼視差のシリアル番号であり、両眼視差kσすなわち視差ベクトル(kσx kσy)と図168に示すように対応している。「両眼視差kσ変換ユニット424」によりこの対応付けを行なって、両眼視差kσを出力する(D−5−7)。
【0766】
但し、両眼視差kσすなわち視差ベクトル(kσx kσy)の方向が、図24(A)の“iRからaxis(すなわち、paxis)への方向”と違っているときは、この視軸方向axisと矛盾する両眼視差のため、ステップ(10)までをスキップする(D−5−8)。
(6)以上で設定された“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差kσを「両眼視差検出ユニット425」(図167)に入力して、応答強度を下式で計算する(D−5−9)。
【0767】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−kσx,y−kσy) (302)
ここで、iR(x,y)は、右カメラの局所領域画像(図167左上)内の(x,y)画素の強度であり、iL(x,y)は左カメラの局所領域画像(図167左下)内の(x,y)画素の強度である。
【0768】
なお、この応答強度の計算は簡単のために2次元相関で示したが、MPEG2エンコーダーに標準的に用いられている差分絶対値による2次元相関、乗算的演算による2次元相関、ハフ変換と逆ハフ変換による相関(“2次元相関およびコンボリューションをハフ平面のρ座標に沿って1次元的に行う方法,” 川上と岡本, 信学技報, vol. IE96−19, pp.31−38, 1996、および特開平05−165956号公報、特開平05−165957号公報、特開平06−044364号公報、特開平09−081369号公報 参照)でもよく、さらに微分勾配法などでもよく、この応答強度は、画素の強度に基づいて求められるものであればよい。
(7)規格化距離パラメータncを「ncパラメータの走査ユニット116」により、下限値nc,minから上限値nc,maxまで走査する(D−5−10,D−5−11,D−5−15)。
【0769】
ncを走査)
前掲の実施形態B−6と同じ処理で、以下が行なわれる。但し、本実施形態では、実施形態B−6とは異なり、ステップ(10)において「両眼視差検出ユニットの応答強度を投票する」という処理が行なわれる。
(8)「iR変換ユニット426」では、画素番号iが画素iRに変換され、以上で設定された四つのパラメータnckσ,iR,paxisを「複比変換ユニット117」に入力して、位置ikcを出力する(D−5−12)。
(9)上記の位置ikcを「極変換ユニット118」により球面上の大円に極変換して、その大円を構成する点群の位置{ikGC}を出力する(D−5−13)。
(10)「円柱配列投票ユニット119」の“高さncの大円上の点群”に、“両眼視差検出ユニットの応答強度”を投票する(D−5−14)。ここまでの処理で、位置iRの点が“複比変換および極変換”された一個の大円が、高さがncの断面円内に描かれる。
【0770】
nsを走査(D−5−15))
(kを走査(D−5−16))
(iを走査(D−5−17))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{nc}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行なわれる。
(12)「ピーク抽出ユニット120」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“大円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面までの規格化距離nc0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(D−5−18)。
【0771】
尚、ここでは規格化距離ncとしたが、ΔxLRが一定のため、絶対距離dc(すなわち、ncΔxLR)でもよい。この点は、本発明の、規格化距離ncを取り扱う全ての実施形態について同様である。
実施形態D−6(ステレオ+規格化距離+axis未知)
図97は、本実施形態D−6を示すブロック図、図98はそのフローチャートである。
【0772】
下記の(2)から(11)までのステップは、実施形態D−5の対応するステップと同じである。
(0)「axisパラメータの走査ユニット121」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(D−6−1,D−6−2,D−6−20)。
【0773】
(axisを走査)
(1)「paxis設定ユニット115」により、“視軸上の位置paxis”をこのパラメータaxisに等しいとして設定する(D−6−3)。
(2)「画素番号iの走査ユニット421」により、画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(D−6−4,D−6−5,D−6−19)。
【0774】
(iを走査)
(3)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット422」により、“アドレスiに対応する画素iR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラ412,413で得られた各画像から切り出す(D−6−6)。
(4)「両眼視差番号kの走査ユニット423」により、両眼視差検出ユニットの両眼視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(D−6−7,D−6−8,D−6−18)。
【0775】
(kを走査)
(5)実施形態D−5のステップ(5)と同様にして、「運動視差kσの変換ユニット424」により、この番号kを両眼視差kσに変換して出力する(D−6−9)。
【0776】
但し、両眼視差kσすなわち視差ベクトル(kσx kσy)の方向が、図24(A)の“iRからaxis(すなわち、paxis)への方向”と違っているときは、この視軸方向axisと矛盾する両眼視差のため、ステップ(10)までをスキップする(D−6−10)。
(6)以上で設定された“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差kσを「両眼視差検出ユニット425」(図167)に入力して、応答強度を下式で計算する(D−6−11)。
【0777】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−kσx,y−kσy
(7)規格化距離パラメータncを「ncパラメータの走査ユニット116」により、下限値nc,minから上限値nc,maxまで走査する(D−6−12,D−6−13,D−6−17)。
【0778】
ncを走査)
前掲の実施形態B−6と同じ処理で、以下が行なわれる。但し、本実施形態では実施形態B−6とは異なり、ステップ(10)において「両眼視差検出ユニットの応答強度を投票する」という処理が行なわれる。
(8)「iR変換ユニット426」では画素番号iが画素iRに変換され、以上で設定された四つのパラメータnckσ,iR,paxisを「複比変換ユニット117」に入力して、位置ikcを出力する(D−6−14)。
(9)上記の位置ikcを「極変換ユニット118」により球面上の大円に極変換して、その大円を構成する点群の位置{ikGC}を出力する(D−6−15)。
(10)「円柱配列投票ユニット119」の“高さncの大円上の点群”に、“両眼視差検出ユニット425の応答強度”を投票する(D−6−16)。ここまでの処理で、位置iRの点が“複比変換および極変換”された一個の大円が、高さがncの断面円内に描かれる。
【0779】
ncを走査(D−6−17))
(kを走査(D−6−18))
(iを走査(D−6−19))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{nc}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が複比変換および極変換された大円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行なわれる。
【0780】
(axisを走査((D−6−20))
(12)ここまでの処理で、“全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
(13)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット120」により抽出する(D−6−21)。この配列に対する移動方向パラメータとして、真の視軸方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面をまでの規格化距離nc0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる。
【0781】
実施形態D−7(ステレオ+規格化最短距離)
図99は、本実施形態D−7を示すブロック図、図100はそのフローチャートである。
(1)前掲の実施形態B−1と同様、「paxis設定ユニット115」により、視軸上の位置paxisを視軸方向axisに等しいとして設定する(D−7−1)。
(2)「画像番号iの走査ユニット421」により、画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(D−7−2,D−7−3,D−7−17)。
【0782】
(iを走査)
(3)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット422」により、“アドレスiに対応する画素iR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラ412,413で得られた各画像から切り出す(D−7−4)。
(4)「両眼視差番号kの走査ユニット425」により、両眼視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(D−7−5,D−7−6,D−7−16)。
(5)実施形態D−5のステップ(5)と同様にして、「両眼視差番号kの走査ユニット425」により、この番号kを両眼視差kσに変換して出力する(D−7−7)。但し、両眼視差kσすなわち視差ベクトル(kσx kσy)の方向が、図24(A)の“iRからaxis(すなわち、paxis)への方向”と違っているときは、この視軸方向axisと矛盾する両眼視差のため、ステップ(10)までをスキップする(D−7−8)。
(6)実施形態D−5のステップ(6)と同様にして、“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差kσを「両眼視差検出ユニット425」(図167)に入力して、応答強度を下式で計算する(D−7−9)。
【0783】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−kσx,y−kσy
(7)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット122」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(D−7−10,D−7−11,D−7−15)。
【0784】
nsを走査)
前掲の実施形態B−8と同じ処理で、以下が行なわれる。但し、本実施形態では、実施形態B−8とは異なり、ステップ(10)において「両眼視差検出ユニットの応答強度を投票する」という処理が行なわれる。
(8)「iR変換ユニット」では画素番号iが画素iRに変換され、以上で設定された四つのパラメータnskσ,iR,paxisを、実施形態B−8のステップ(6)と同様にして、「半径Rの計算ユニット123」に入力して、半径ikRと位置iRを出力する(D−7−12)。そのユニット123の中で、半径ikRが下式で計算される。
【0785】
ikR=cos-1ns sin kσ/sin(ic+kσ))
(9)実施形態B−8のステップ(7)と同様にして、この半径ikRと位置iRを「小円変換ユニット124」に入力して、位置iRを中心とする半径ikRの“球面上の小円”に変換する(D−4−13)。
(10)実施形態B−8のステップ(8)から(9)と同様にして、「円柱配列投票ユニット125」の“高さnsの小円上の点群”に、ステップ(6)の両眼視差検出ユニット425の応答強度を投票する(D−7−14)。ここまでの処理で、位置iRの点が小円変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。
【0786】
nsを走査(D−7−15))
(kを走査(D−7−16))
(iを走査(D−7−17))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が小円変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行なわれる。
(12)「ピーク抽出ユニット126」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大になる点”を抽出する――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面までの規格化距離ns0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(D−7−18)。
【0787】
実施形態D−8(ステレオ+規格化最短距離+axis未知)
図101は、本実施形態のD−8のブロック図、図102は、そのフローチャートである。
【0788】
下記の(2)から(11)までのステップは、実施形態D−7の対応するステップと同じである。
(0)「axisパラメータの走査ユニット121」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(D−8−1,D−8−2,D−8−20)。
【0789】
(axisを走査)
(1)「paxis設定ユニット115」により、“視軸上の位置paxis”をこのパラメータaxisに等しいとして設定する(D−8−3)。
(2)「画素番号iの走査ユニット421」により、画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(D−8−4,D−8−5,D−8−19)。
【0790】
(iを走査)
(3)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット422」により、“アドレスiに対応する画素iR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラ412,413で得られた各画像から切り出す(D−8−6)。
(4)「両眼視差番号kの走査ユニット423」により、両眼視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(D−8−7,D−8−8,D−8−18)。
【0791】
(kを走査)
(5)実施例形態D−5のステップ(5)と同様にして、「両眼視差kσ変換ユニット424」により、この番号kを両眼視差kσに変換して出力する(D−8−9)。但し、両眼視差kσすなわち視差ベクトル(kσx kσy)の方向が、図24(A)の“iRからaxis(すなわち、paxis)への方向”と違っているときには、この視軸方向axisと矛盾する両眼視差のため、ステップ(10)までをスキップする(D−8−10)。
(6)実施形態D−5のステップ(6)と同様にして、“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差kσを「両眼視差検出ユニット425」(図167)に入力して、応答強度を下式で計算する(D−8−11)。
【0792】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−kσx,y−kσy
(7)規格化距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット122」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(D−8−12,D−8−13,D−8−17)。
【0793】
nsを走査)
前掲の実施形態B−8と同じ処理で、以下が行なわれる。但し、本実施形態では、実施形態B−8とは異なり、ステップ(10)において「両眼視差検出ユニットの応答強度を投票する」という処理が行なわれている。
(8)「iR変換ユニット426」では画素番号iが画素iRに変換され、以上で設定された四つのパラメータnskσ,iR,paxisを実施形態B−8のステップ(6)と同様にして、「半径Rの計算ユニット123」に入力して、半径ikRと位置iRを出力する(D−8−14)。そのユニット123の中で、半径ikRが下式で計算される。
【0794】
ikR=cos-1ns sin kσ/sin(ic+kσ))
(9)実施形態B−8のステップ(7)と同様にして、この半径ikRと位置iRを「小円変換ユニット124」に入力して、位置iRを中心とする半径ikRの“球面上の小円”に変換する(D−8−15)。
(10)実施形態B−8のステップ(8)から(9)と同様にして、「円柱配列投票ユニット125」の“高さnsの小円上の点群”に、ステップ(6)の両眼視差検出ユニット425の応答強度を投票する(D−8−16)。ここまでの処理で、位置iRの点が小円変換一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。
【0795】
nsを走査(D−8−17))
(kを走査(D−8−18))
(iを走査(D−8−19))
(11)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が小円変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行なわれる。
(axisを走査)
(12)ここまでの処理で、“全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
(13)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット126」により抽出する。この配列に対する視軸方向パラメータとして、真の視軸方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面までの規格化最短距離ns0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(D−8−21)。
【0796】
実施形態D−9(規格化最短距離)
図103は、本実施形態D−9の構成を示すブロック図、図104はその動作を示すフローチャートである。
(1)移動方向vを前掲の実施形態A−1のステップ(1)と同様にして抽出し、「pinf設定ユニット15」により、この移動方向vに等しいとして“無限時間経過後の位置pinf”を設定する(D−9−1)。
(2)「画素番号iの走査ユニット401」により、画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(D−9−2,D−9−3,D−9−19)。
【0797】
(iを走査)
(3)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット402」により、カメラ11で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から、“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする各局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(D−9−4)。
(4)「運動視差番号kの走査ユニット403」により、運動視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(D−9−5,D−9−6,D−9−18)。
【0798】
(kを走査)
(5)実施形態D−1のステップ(5)と同様にして、「運動視差kτ変換ユニット404」により、「この番号kを運動視差kτに変換して出力する(D−9−7)。但し、運動視差kτすなわち動きベクトル(kτx kτy)の方向が、図10(A)の“i0からv(すなわち、pinf)への方向”と違っているときは、この移動方向vと矛盾する運動視差のため、ステップ(11)までをスキップする(D−9−8)。
(6))実施形態D−1のステップ(6)と同様にして、“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差kτを「運動視差検出ユニット405」(図159参照)に入力して、応答強度を下式で計算する(D−9−9)。
【0799】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−kτx,y−kτy
(7)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット22」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(D−9−10,D−9−11,D−9−17)。
【0800】
nsを走査)
(8)移動方向vを中心する半径rの円(図13)を考え、そのrを0からπ/2まで走査する(D−9−12,D−9−13,D−9−16)。
【0801】
(rを走査)
(9)「i0変換ユニット406」では画素番号iが画素に変換され、以上で設定された5つのパラメータnsi0,pinfkτ,rを「小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット223」に入力して、図13を参照して説明した二つの交点i rs+i rs-を出力する(D−9−14)。
(10)その小円を構成する点i rs+i rs-を、「円柱配列投票ユニット224」の“高さnsの断面円内の点”に変換する。次に、その点にステップ(6)で計算した「運動視差検出ユニットの応答強度」を投票する(D−9−15)。
【0802】
(rを走査(D−9−16))
(11)ここまでの処理で、位置i0の点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。
【0803】
nsを走査(D−9−17))
(kを走査(D−9−18))
(iを走査(D−9−19))
(12)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が小円変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行なわれる。
(13)「ピーク抽出ユニット225」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大になる点”を抽出する――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面までの規格化最短距離ns0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(D−9−20)。
【0804】
尚、ここでは規格化最短距離nsとしたが、Δxが一定のため、最短距離ds(すなわちnsΔx)でもよい。この点は、本発明の、規格化最短距離nsを取り扱う全ての実施形態について同様である。
【0805】
実施形態D−10(規格化最短距離+v未知)
図105は、本実施形態D−10の構成を示すブロック図、図106はその動作を示すフローチャートである。
【0806】
下記の(2)から(11)までのステップは、実施形態D−9の対応するステップと同じである。
(0)「vパラメータの走査ユニット21」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(D−10−1,D−10−2,D−10−22)。
【0807】
(vを走査)
(1)「pinf設定ユニット15」により、“無限時間経過後の位置pinf”をこのパラメータvに等しいとして設定する(D−10−3)。
(2)「画素番号iの走査ユニット401」により、画像内の各点のアドレスを下限値iminから上限値imaxまで走査する(D−10−4,D−10−5,D−10−21)。
【0808】
(iを走査)
(3)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット402」により、カメラ11で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から、“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする各局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(D−10−6)。
(4)「運動視差番号kの走査ユニット403」により、運動視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(D−10−7,D−10−8,D−10−20)。
【0809】
(kを走査)
(5)実施形態Dのステップ(5)と同様にして、「運動視差番号kτ変換ユニット404」により、この番号kを運動視差kτに変換して出力する(D−10−9)。但し、運動視差kτすなわち動きベクトル(kτx kτy)の方向が、図10(A)の“i0からv(すなわち、pinf)への方向”と違っているときは、この移動方向vと矛盾する運動視差のため、ステップ(11)までをスキップする(D−10−10)。
(6)実施形態D−1のステップ(6)と同様にして、“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差kτを「運動視差検出ユニット405」(図159参照)に入力して、応答強度を下式で計算する(D−10−11)。
【0810】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−kτx,y−kτy
(7)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット22」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(D−10−12,D−10−13,D−10−19)。
【0811】
nsを走査)
前掲の実施形態C−2と同じ処理で、以下が行なわれる。但し、本実施形態では、実施形態C−2とは異なり、ステップ(10)において「運動視差検出ユニットの応答強度を投票する」という処理が行なわれる。
(8)移動方向vを中心する半径rの円(図13)を考え、そのrを0からπ/2まで走査する(D−10−14,D−10−15,D−10−18)。
【0812】
(rを走査)
(9)「i0変換ユニット406」では画素番号iが画素i0に変換され、以上で設定された五つのパラメータnsi0,pinfkτ,rを「小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット223」に入力して、図13を参照して説明した二つの交点i rs+i rs-を出力する(D−10−16)。
(10)その小円を構成する点i rs+i rs-を、「円柱配列投票ユニット224」の“高さnsの断面円内の点”に変換し、その点にステップ(6)で計算した「運動視差検出ユニットの応答強度」を投票する(D−10−17)。
【0813】
(rを走査(D−10−18))
(11)ここまでの処理で、位置i0の点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。
【0814】
nsを走査(D−10−19))
(kを走査(D−10−20))
(iを走査(D−10−21))
(12)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{i0}”が小円変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行なわれる。
【0815】
(vを走査(D−10−22))
(13)ここまでの処理で、“全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
(14)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”「ピーク抽出ユニット225」により抽出する。この配列に対する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面までの規格化最短距離ns0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(D−10−23)。
【0816】
実施形態D−11(ステレオ+規格化最短距離)
図107は、本実施形態D−11の構成を示すブロック図、図108は、その動作を示すフローチャートである。
(1)前掲の実施形態B−1と同様、「paxis設定ユニット115」により、視軸上の位置paxisを視軸方向axisに等しいとして設定する(D−11−1)。
(2)「画素番号iの走査ユニット421」により、画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(D−11−2,D−11−3,D−11−19)。
【0817】
(iを走査)
(3)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット422」により、“アドレスiに対するiR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラ412,413で得られた各画像から切り出す(D−11−4)。
(4)「両眼視差番号kの走査ユニット423」により、両眼視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(D−11−5,D−11−6,D−11−18)。
【0818】
(kを走査)
(5)実施形態D−5のステップ(5)と同様にして、「両眼視差kσの変換ユニット424」により、この番号kを両眼視差kσに変換して出力する(D−11−7)。但し、両眼視差kσすなわち視差ベクトル(kσx kσy)の方向が、図24(A)の“iRからaxis(すなわち、paxis)への方向”と違っているときには、この視軸方向axisと矛盾する両眼視差のため、ステップ(10)までをスキップする(D−11−8)。
(6)実施形態Dのステップ(6)と同様にして、“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差kσを「両眼視差検出ユニット425」(図167参照)に入力して、応答強度を下式で計算する(D−11−9)。
【0819】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−kσx,y−kσy
(7)規格化距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット122」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(D−11−10,D−11−11,D−11−17)。
【0820】
nsを走査)
前掲の実施形態C−3と同じ処理で、以下が行なわれる。但し、本実施形態では、実施形態C−3とは異なり、ステップ(10)において「両眼視差検出ユニットの応答強度を投票する」という処理が行なわれる。
(8)視軸方向axisを中心する半径rの円(図26)を考え、そのrを0からπ/2まで走査する(D−11−12,D−11−13,D−11−16)。
【0821】
(rを走査)
(9)「iR変換ユニット426」では画素番号iが画素iRに変換され、以上で設定された五つのパラメータnsi0,pinfkσ,rを「小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット223」に入力して、図26を参照して説明した二つの交点i rs+i rs-を出力する(D−11−14)。
(10)その小円を構成する点i rs+i rs-を、「円柱配列投票ユニット224」の“高さnsの断面円内の点”に変換する。次に、その点にステップ(6)で計算した「両眼視差検出ユニットの応答強度」を投票する(D−11−15)。
【0822】
(rを走査(D−11−16))
(11)ここまでの処理で、位置iRの点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。
【0823】
nsを走査(D−11−17))
(kを走査(D−11−18))
(iを走査(D−11−19))
(12)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が小円変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行なわれる。
(13)「ピーク抽出ユニット225」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大になる点”を抽出する――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面までの規格化最短距離ns0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(D−11−20)。
【0824】
尚、ここでは規格化最短距離nsとしたが、ΔxLRが一定のため、最短距離ds(すなわちnsΔxLR)でもよい。この点は、本発明の、規格化最短距離を取り扱う全ての実施形態について同様である。
【0825】
実施形態D−12(ステレオ+規格化最短距離+axis未知)
図109は、本実施形態D−12の構成を示すブロック図、図110は、その動作を示すフローチャートである。
【0826】
下記の(2)から(11)までのステップは、実施形態D−11の対応するステップと同じである。
(0)「axisパラメータの走査ユニット121」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(D−12−1,D−12−2,D−12−22)。
(1)「paxis設定ユニット115」により、“視軸上の位置paxis”をこのパラメータaxisに等しいとして設定する(D−12−3)。
【0827】
(axisを走査)
(2)「画素番号iの走査ユニット421」により、画像内の各点のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(D−12−4,D−12−5,D−12−21)。
【0828】
(iを走査)
(3)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット422」により、“アドレスiに対応する画素iR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラ412,413で得られた各画像から切り出す(D−12−6)。
(4)「両眼視差番号kの走査ユニット423」により、両眼視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(D−12−7,D−12−8,D−12−20)。
【0829】
(kを走査)
(5)実施形態D−5のステップ(5)と同様にして、「両眼視差kσの変換ユニット425」により、この番号kを両眼視差kσに変換して出力する(D−12−9)。但し、両眼視差kσすなわち視差ベクトル(kσx kσy)の方向が、図24(A)の“iRからaxis(すなわち、paxis)への方向”と違っているときには、この視軸方向axisと矛盾する両眼視差のため、ステップ(10)までをスキップする(D−12−10)。
(6)実施形態D−5のステップ(6)と同様にして、“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差kσを「両眼視差検出ユニット425」(図167参照)に入力して、応答強度を下式で計算する(D−12−11)。
【0830】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−kσx,y−kσy
(7)規格化最短距離パラメータnsを「nsパラメータの走査ユニット122」により、下限値ns,minから上限値ns,maxまで走査する(D−12−12,D−12−13,D−12−19)。
【0831】
nsを走査)
前掲の実施形態C−4と同じ処理で、以下が行なわれる。但し、本実施形態では、実施形態C−4とは異なり、ステップ(10)において「両眼視差検出ユニットの応答強度を投票する」という処理が行なわれる。
(8)視軸方向axisを中心する半径rの円(図26)を考え、そのrを0からπ/2まで走査する(D−12−14,D−12−15,D−12−18)。
【0832】
(rを走査)
(9)「iR変換ユニット426」では画素番号iが画素iRに変換され、以上で設定された五つのパラメータnsiR,pinfkσ,rを「小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット223」に入力して、図26を参照して説明した二つの交点i rs+i rs-を出力する(D−12−16)。
(10)その小円を構成する点i rs+i rs-を、「円柱配列投票ユニット224」の“高さnsの断面円内の点”に変換し、その点にステップ(6)で計算した「両眼視差検出ユニットの応答強度」を投票する(D−12−17)。
【0833】
(rを走査(D−12−18))
(11)ここまでの処理で、位置iRの点が変換された一個の小円が、高さがnsの断面円内に描かれる。
【0834】
nsを走査(D−12−19))
(kを走査(D−12−20))
(iを走査(D−12−21))
(12)ここまでの処理で、全ての高さ{ns}の断面円内に、“画像内の全ての点{iR}”が小円変換された小円群が描かれる。すなわち、円柱配列の全ての断面円に投票が行なわれる。
【0835】
(axisを走査(D−12−22))
(13)ここまでの処理で、“全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列群”の全断面円に投票が行われる。
(14)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット225」により抽出する。この配列に対する視軸方向パラメータとして、真の視軸方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面までの規格化最短距離ns0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(D−12−23)。
【0836】
実施形態E
実施形態E−1(規格化時間)
図111は、本実施形態E−1の構成を示すブロック図、図112,図113はその動作を示すフローチャートである。
(α)ijτテーブル(図163)――すなわち、入力画像の画素番号iと円柱配列の要素番号jから、運動視差ijτを検索して出力するためのテーブル――の作成(図111(A),図112参照)
(α1)移動方向vを前掲の実施形態A−1のステップ(1)と同様にして抽出し、「pinf設定ユニット501」により、この移動方向vに等しいとして“無限時間経過後の位置pinf”を設定する(E−1α−1)。
(α2)「画素番号iの走査ユニット502」により、画像内の各点i0のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−1α−2,E−1α−3,E−1α−10)。
【0837】
(iを走査)
(α3)「要素番号jの走査ユニット503」により、円柱配列内の要素(nsjncj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−1α−4,E−1α−5,E−1α−9)。
【0838】
(jを走査)
(α4)「i0出力ユニット504」、「nsj出力ユニット505」、および「ncj出力ユニット506」により、これらアドレス(i,j)に対応する、画像内の画素i0および円柱配列要素(nsjncj)を出力する(E−1α−6)。
(α5)以上で設定された四つのパラメータnsjncji0,pinfを「ijτテーブル作成ユニット507」に入力して、付録の(A−1)に示す方法で運動視差ijτを計算する(E−1α−7)。
【0839】
ここでは煩雑になるため、以下の運動方向(i0からi1への運動方向、すなわちijφ)などを省略した。第1に、付録の(A)で計算したP1からijφを求め、これもijτテーブルの内容にする必要があり、また、下記ステップ(β5)で検出されるべき動きベクトル(ijτxijτy)の方向tan-1ijτyijτx)とこのijφが一致するときだけ投票する必要があるが、これらを省略した。以下の、同様の処理を伴う実施形態においても同様に省略した。
【0840】
尚、運動視差ijτは、付録の(A−1)に示す方法に限らず、どのような方法で計算してもよい。この点、付録の(A−1)に示す方法で運動視差の計算を行う旨説明した全ての実施形態において同様である。
【0841】
また、本実施形態では、ijτテーブルを作成し、実際の投票にあたってはその作成済のijτテーブルからijτを取り出したが、ijτテーブルをあらかじめ作成しておく必要はなく、投票のための演算を行なう際にijτを計算してもよい。
(α6)この運動視差ijτを、ijτテーブル(図163)のアドレス(i,j)に対応する内容として格納する(E−1α−8)。
【0842】
(jを走査(E−1α−9))
(iを走査(E−1α−10))
以上によりijτテーブル(図163)が得られる。
(β)上記で作成されたijτテーブルを用いて、平面方位ns0と規格化時間nc0を検出する(図111,図113参照)。
(β1)「画素番号iの走査ユニット552」により、画像内の各点i0のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−1β−1,E−1β−2,E−1β−10)。
【0843】
(iを走査)
(β2)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット554」により、カメラ551で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする各局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(E−1β−3)。
(β3)「要素番号jの走査ユニット553」により、円柱配列内の要素(nsjncj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−1β−4,E−1β−5,E−1β−9)。
【0844】
(jを走査)
(β4)これらアドレス(i,j)をijτテーブル555(図163)に入力して、運動視差ijτを出力する(E−1β−6)。
(β5)実施形態D−1のステップ(6)と同様にして、“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差kτを「運動視差検出ユニット556」(図159)に入力して、応答強度を下式で計算する(E−1β−7)。
【0845】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−ijτx,y−ijτy
(β6)この応答強度を、「円柱配列投票ユニット557」内の要素(nsjncj)に投票する(E−1β−8)。
【0846】
(jを走査(E−1β−9))
(iを走査(E−1β−10))
(β7)「ピーク抽出ユニット558」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“大円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面を横切るまでの規格化時間nc0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(E−1β−11)。
【0847】
実施形態E−2(規格化時間+v未知)
図114は、本実施形態E−2の構成を示すブロック図、図115,図116はその動作を示すフローチャートである。
(α)全ての移動方向{v}に対するijτテーブル(図164)――すなわち、入力画像の画素番号i、円柱配列の要素番号j、そして移動方向vから運動視差ijτを検索して出力するためのテーブル――の作成(図114(A),図115参照)
下記の(α2)から(α6)までのステップは、実施形態E−1(α)の対応するステップと同じである。
(α0)「vパラメータの走査ユニット508」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(E−2α−1,E−2α−2,E−2α−13)。
【0848】
(vを走査)
(α1)「pinf設定ユニット501」により、“無限時間経過後の位置pinf”をこのパラメータvに等しいとして設定する(E−2α−3)。
(α2)「画素番号iの走査ユニット502」により、画像内の各点i0のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−2α−4,E−2α−5,E−2α−12)。
【0849】
(jを走査)
(α3)「要素番号jの走査ユニット503」により、円柱配列内の要素(nsjncj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−2α−6,E−2α−7,E−2α−11)。
【0850】
(jを走査)
(α4)「i0出力ユニット504」、「nsj出力ユニット505」、および「ncj出力ユニット506」により、これらアドレス(i,j)に対応する、画像内の画素i0および円柱配列要素(nsjncj)を出力する(E−2α−8)。
(α5)以上で設定された四つのパラメータnsjncji0,pinfを「ijτテーブル作成ユニット507」に入力して、付録(A−1)に示す方法で運動視差ijτを計算する(E−2α−9)。
(α6)この運動視差ijτを、ijτテーブル(図164)のアドレス(i,j)に対応する内容として格納する(E−2α−10)。
【0851】
(jを走査(E−2α−11))
(iを走査(E−2α−12))
(α7)ここまで処理で、各移動方向vに対するijτテーブルが得られる。
【0852】
以上により、全ての移動方向{v}に対するijτテーブル(図164)が得られる。
(β)上記で作成されたijτテーブルを用いて、平面方位ns0と規格化時間nc0を検出する(図114(B),図116参照)
下記の(β1)から(β6)までのステップは、実施形態E−1の対応するステップと同じである。
(β0)「vパラメータの走査ユニット559」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(E−2β−1,E−2β−2,E−2β−13)。
【0853】
(vを走査)
(β1)「画素番号iの走査ユニット552」により、画像内の各点i0のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−2β−3,E−2β−4,E−2β−12)。
【0854】
(iを走査)
(β2)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット554」により、カメラ551で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から、“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする各局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(E−2β−5)。
(β3)「要素番号jの走査ユニット553」により、円柱配列内の要素(nsjncj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−2β−6,E−2β−7,E−2β−11)。
【0855】
(jを走査)
(β4)これらアドレス(i,j)と移動方向vをijτテーブル555(図164)に入力して、運動視差ijτを出力する(E−2β−8)。
(β5)実施形態D−1のステップ(6)と同様にして、“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差ijτを「運動視差検出ユニット556」(図159参照)に入力して、応答強度を下式で計算する(E−2β−9)。
【0856】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−ijτx,y−ijτy
(β6)この応答強度を、「円柱配列投票ユニット557」内の要素(nsjncj)に投票する(E−2β−10)。
【0857】
(jを走査(E−2β−11))
(iを走査(E−2β−12))
(β7)ここまでの処理で、円柱配列内の全要素に投票が行われる。
【0858】
(vを走査(E−2β−13))
(β8)ここまでの処理で、全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列群の全要素に投票が行われる。
(β9)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット558」により抽出する。この配列に対する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面を横切るまでの規格化時間nc0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(E−2β−14)。
【0859】
実施形態E−3(規格化最短距離)
図117は、本実施形態E−3の構成を示すブロック図、図118,図119はそのフローチャートである。
(α)ijτテーブル(図163)――すなわち、入力画像の画素番号iと円柱配列の要素番号jから、運動視差ijτを検索して出力するためのテーブル――の作成(図117(A)、図118参照)
(α1)移動方向vを前掲の実施形態A−1のステップ(1)と同様にして抽出し、「pinf設定ユニット501」により、この移動方向vに等しいとして“無限時間経過後の位置pinf”を設定する(E−3α−1)。
(α2)「画素番号iの走査ユニット502」により、画像内の各点i0のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する。(E−3α−2,E−3α−3,E−3α−10)。
【0860】
(iを走査)
(α3)「要素番号jの走査ユニット503」により、円柱配列内の要素(nsjnsj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する。
【0861】
(jを走査)
(α4)「i0出力ユニット504」、「nsj出力ユニット505」、「nsj出力ユニット509」により、これらアドレス(i,j)に対応する、画像内の画素i0および円柱配列要素(nsjnsj)を出力する(E−3α−6)。
(α5)以上で設定された四つのパラメータnsjnsji0,pinfを「ijτテーブル作成ユニット510」に入力して、付録(A−2)に示す方法で運動視差ijτを計算する(E−3α−7)。
【0862】
尚、運動視差ijτは、付録の(A−2)に示す方法に限らず、どのような方法で計算してもよい。この点、付録の(A−2)に示す方法で運動視差の計算を行う旨説明した全ての実施形態において同様である。
(α6)この運動視差ijτを、ijτテーブル(図163)のアドレス(i,j)に対応する内容として格納する(E−3α−8)。
【0863】
(jを走査(E−3α−9))
(iを走査(E−3α−10))
以上によりijτテーブル(図163)が得られる。
(β)上記で作成されたijτテーブルを用いて、平面方位ns0と規格化最短距離ns0を検出する(図117(B)、図119参照)
(β1)「画素番号iの走査ユニット552」により、画像内の各点i0のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−3β−1,E−3β−2,E−3β−10)。
【0864】
(iを走査)
(β2)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット554」により、カメラ551で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から、“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする各局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(E−3β−3)。
(β3)「要素番号jの走査ユニット553」により、「円柱配列内の要素(nsjnsj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−3β−4,E−3β−5,E−3β−9)。
【0865】
(jを走査)
(β4)これらアドレス(i,j)をijτテーブル565(図163)に入力して、運動視差ijτを出力する(E−3β−6)。
(β5)実施形態D−1のステップ(6)と同様にして、“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差ijτを「運動視差検出ユニット566」(図159参照)に入力して、応答強度を下式で計算する(E−3β−7)。
【0866】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−ijτx,y−ijτy
(β6)この応答強度を、「円柱配列投票ユニット567」内の要素(nsjnsj)に投票する(E−3β−8)。
【0867】
(jを走査(E−3β−9))
(iを走査(E−3β−10))
(β7)「ピーク抽出ユニット568」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“大円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面を横切るまでの規格化最短距離ns0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(E−3β−11)。
【0868】
実施形態E−4(規格化最短距離+v未知)
図120は、本実施形態E−4の構成を示すブロック図、図121、図122は、その動作を示すフローチャートである。
(α)全ての移動方向{v}に対するijτテーブル(図164)――すなわち、入力画像の画素番号i、円柱配列の要素番号j、そして移動方向vから運動視差ijτを検索して出力するためのテーブル――の作成(図120(A),図121参照)
下記の(α2)から(α6)までのステップは、実施形態E−3(α)の対応するステップと同じである。
(α0)「vパラメータの走査ユニット508」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(E−4α−1,E−4α−2,E−4α−13)。
【0869】
(vを走査)
(α1)「pinf設定ユニット501」により、“無限時間経過後の位置pinf”をこのパラメータvに等しいとして設定する(E−4α−3)。
(α2)「画素番号iの走査ユニット502」により、画像内の各点i0のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−4α−4,E−4α−5,E−4α−12)。
【0870】
(iを走査)
(α3)「要素番号jの走査ユニット503」により、円柱配列内の要素(nsjnsj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−4α−6,E−4α−7,E−4α−11)。
【0871】
(jを走査)
(α4)「i0出力ユニット504」、「nsj出力ユニット505」、「nsj出力ユニット509」により、これらアドレス(i,j)に対応する、画像内の画素i0および円柱配列要素(nsjnsj)を出力する(E−4α−8)。
(α5)以上で設定された四つのパラメータnsjnsji0,pinfを「ijτテーブル作成ユニット510」に入力して、付録の(A−2)に示す方法で運動視差ijτを計算する(E−4α−9)。
(α6)この運動視差ijτを、ijτテーブル(図164)のアドレス(i,j)に対応する内容として格納する(E−4α−10)。
【0872】
(jを走査(E−4α−11))
(iを走査(E−4α−12))
(α7)ここまで処理で、各移動方向vに対するijτテーブルが得られる。
【0873】
(vを走査(E−4α−13))
以上により:全ての移動方向{v}に対するijτテーブル(図164)が得られる。
(β)上記で作成されたijτテーブルを用いて、平面方位ns0と規格化最短距離ns0を検出する(図120(B),図122参照)
下記の(β1)から(β6)までのステップは、実施形態E−3の対応するステップと同じである。
(β0)「vパラメータの走査ユニット559」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(E−4β−1,E−4β−2,E−4β−13)
(β1)「画素番号iの走査ユニット552」により、画像内の各点i0のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−4β−3,E−4β−4,E−4β−12)。
【0874】
(iを走査)
(β2)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット554」により、カメラ551で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から、“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(E−4β−5)。
(β3)「要素番号jの走査ユニット553」により、円柱配列内の要素(nsjnsj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−4β−6,E−4β−7,E−4β−11)。
【0875】
(jを走査)
(β4)これらアドレス(i,j)をijτテーブル(図164)に入力して、運動視差ijτを出力する(E−4β−8)。
(β5)実施形態D−1のステップ(6)と同様にして、“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差ijτを「運動視差検出ユニット566」(図159)に入力して、応答強度を下式で計算する(E−4β−9)。
【0876】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−ijτx,y−ijτy
(β6)この応答強度を、「円柱配列投票ユニット567内の要素(nsjnsj)に投票する(E−4β−10)。
【0877】
(jを走査(E−4β−11))
(iを走査(E−4β−12))
(β7)ここまでの処理で、円柱配列内の全要素に投票が行われる。
【0878】
(vを走査(E−4β−13))
(β8)ここまでの処理で、全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列群の全要素に投票が行われる。
(β9)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット568」により抽出する。この配列に対する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面までの規格化最短距離ns0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(E−4β−14)。
【0879】
実施形態E−5(ステレオ+規格化距離)
図123は、本実施形態E−5の構成を示すブロック図、図124,図125はその動作を示すフローチャートである。
(α)ijσテーブル(図171)――すなわち、入力画像の画素番号iと円柱配列の要素番号jから、運動視差ijσを検索して出力するためのテーブル――の作成(図123(A),図124参照)
(α1)前掲の実施形態B−1と同様、「paxis設定ユニット511」により、視軸上の位置paxisを視軸方向axisに等しいとして設定する(E−5α−1)。
(α2)「画素番号iの走査ユニット512」により、画像内の各点iRのアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−5α−2,E−5α−3,E−5α−10)。
【0880】
(iを走査)
(α3)「要素番号jの走査ユニット503」により、円柱配列内の要素(nsjncj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−5α−4,E−5α−5,E−5α−9)。
【0881】
(jを走査)
(α4)「iR出力ユニット514」、「nsj出力ユニット515」、および「ncj出力ユニット516」により、これらアドレス(i,j)に対応する、画像内の画素iRおよび円柱配列要素(nsjncj)を出力する(E−5α−6)。
(α5)以上で設定された四つのパラメータnsjncjiR,paxisを「ijσテーブル作成ユニット517」に入力して、付録の(B−1)に示す方法で両眼視差ijσを計算する(E−5α−7)。
【0882】
尚、両眼視差ijσは、付録(B−1)に示す方法に限らず、どのような方法で計算してもよい。この点、付録の(B−1)に示す方法で両眼視差の計算を行なう旨説明した全ての実施形態において同様である。
(α6)この両眼視差ijσを、ijσテーブル(図171)のアドレス(i,j)に対応する内容として格納する(E−5α−8)。
【0883】
(jを走査(E−5α−9))
(iを走査(E−5α−10))
以上によりijσテーブル(図171)が得られる。
(β)上記で作成されたijσテーブルを用いて、平面方位ns0と規格化距離nc0を検出する(図123(B),図125参照)
(β1)「画素番号iの走査ユニット572」により、画像内の各点iRのアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−5β−1,E−5β−2,E−5β−10)。
【0884】
(iを走査)
(β2)iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット574」により、右カメラ561および左カメラ562で得られた各画像から、“アドレスiに対応する画素iR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラについて切り出す(E−5β−3)。
(β3)「要素番号jの走査ユニット573」により、円柱配列内の要素(nsjncj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−5β−4,E−5β−5,E−5β−9)。
【0885】
(jを走査)
(β4)これらアドレス(i,j)をijσテーブル575(図171)に入力して、両眼視差ijσを出力する(E−5β−6)。
(β5)実施形態D−5のステップ(6)と同様にして、“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差ijσを「両眼視差検出ユニット576」(図167)に入力して、応答強度を下式で計算する(E−5β−7)。
【0886】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−ijσx,y−ijσy
(β6)この応答強度を、「円柱配列投票ユニット577」内の要素(nsjncj)に投票する(E−5β−8)。
【0887】
(jを走査(E−5β−9))
(iを走査(E−5β−10))
(β7)「ピーク抽出ユニット578」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“大円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面までの規格化距離nc0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(E−5β−11)。
【0888】
実施形態E−6(ステレオ+規格化距離+axis未知)
図126は、本実施形態E−6の構成を示すブロック図、図127,図128は、その動作を示すフローチャートである。
(α)全ての視軸方向{axis}に対するijσテーブル(図172)――すなわち、入力画像の画素番号i、円柱配列の要素番号j、そして視軸方向axisから両眼視差ijσを検索して出力するためのテーブル――の作成(図126(A),図127参照)
下記の(α2)から(α6)までのステップは、実施形態E−5(α)の対応するステップと同じである。
(α0)「axisパラメータの走査ユニット518」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(E−6α−1,E−6α−2,E−6α−13)。
【0889】
(axisを走査)
(α1)「paxis設定ユニット511」により、“視軸上の位置paxis”をこのパラメータaxisに等しいとして設定する(E−6α−3)。
(α2)「画素番号iの走査ユニット512」により、画像内の各点iRのアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−6α−4,E−6α−5,E−6α−12)。
【0890】
(iを走査)
(α3)「要素番号jの走査ユニット513」により、円柱配列内の要素(nsjncj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−6α−6,E−6α−7,E−6α−11)。
【0891】
(jを走査)
(α4)「iR出力ユニット514」、「nsj出力ユニット515」、および「ncj出力ユニット516」により、これらアドレス(i,j)に対応する、画像内の画素iRおよび円柱配列要素(nsjncj)を出力する(E−6α−8)。
(α5)以上で設定された四つのパラメータnsjncjiR,paxisを「ijσテーブル作成ユニット517」に入力して、付録の(B−1)に示す方法で両眼視差ijσを計算する(E−6α−9)。
(α6)この両眼視差ijσを、ijσテーブル(図172)のアドレス(i,j)に対応する内容として格納する(E−6α−10)。
【0892】
(jを走査(E−6α−11))
(iを走査(E−6α−12))
(α7)ここまで処理で、各視軸方向axisに対するijσテーブルが得られる。
【0893】
(axisを走査(E−6α−13))
以上により全ての視軸方向{axis}に対するijσテーブル(図172)が得られる。
(β)上記で作成されたijσテーブルを用いて、平面方位ns0と規格化最短距離nc0を検出する(図126(B),図128参照)
下記の(β1)から(β6)までのステップは、実施形態E−5の対応するステップと同じである。
(β0)「axisパラメータの走査ユニット579」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(E−6β−1,E−6β−2,E−6β−13)。
【0894】
(axisを走査)
(β1)「画素番号iの走査ユニット572」により、画像内の各点iRのアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−6β−3,E−6β−4,E−6β−12)。
【0895】
(iを走査)
(β2)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット574」により、右カメラ561および左カメラ562で得られた各画像から、“アドレスiに対応する画素iR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラについて切り出す(E−6β−5)。
(β3)「要素番号jの走査ユニット573」により、円柱配列内の要素(nsjncj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−6β−6,E−6β−7,E−6β−11)。
【0896】
(jを走査)
(β4)これらアドレス(i,j)と視軸方向axisijσテーブル575(図172)に入力して、両眼視差ijσを出力する(E−6β−8)。
(β5)実施形態D−5のステップ(6)と同様にして、“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差ijσを「両眼視差検出ユニット576」(図167)に入力して、応答強度を下式で計算する(E−6β−9)。
【0897】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−ijσx,y−ijσy
(β6)この応答強度を、「円柱配列投票ユニット577」内の要素(nsjncj)に投票する(E−6β−10)。
【0898】
(jを走査(E−6β−11))
(iを走査(E−6β−12))
(β7)ここまでの処理で、円柱配列内の全要素に投票が行われる。
【0899】
(axis走査(E−6β−13))
(β8)ここまでの処理で、全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列群の全要素に投票が行われる。
(β9)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット578」により抽出する。この配列に対する視軸方向パラメータとして、真の移動方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面までの規格化距離nc0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(E−6β−14)。
【0900】
実施形態E−7(ステレオ+規格化最短距離)
図129は、本実施形態E−7の構成を示すブロック図、図130,図131は、その動作を示すフローチャートである。
(α)ijσテーブル(図171)――すなわち、入力画像の画素番号iと円柱配列の要素番号jから、両眼視差ijσを検索して出力するためのテーブル――の作成(図129(A),図130参照)
(α1)前掲の実施形態B−1と同様、「paxis設定ユニット511」により、視軸上の位置paxisを視軸方向axisに等しいとして設定する(E−7α−1)。
(α2)「画素番号iの走査ユニット512」により、画像内の各点iRのアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−7α−2,E−7α−3,E−7α−10)。
【0901】
(iを走査)
(α3)「要素番号jの走査ユニット513」により、円柱配列内の要素(nsjnsj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−7α−4,E−7α−5,E−7α−9)。
【0902】
(jを走査)
(α4)「iR出力ユニット514」、「nsj出力ユニット515」、および「nsj出力ユニット519」により、これらアドレス(i,j)に対応する、画像内の画素iRおよび円柱配列要素(nsjnsj)を出力する(E−7α−6)。
(α5)以上で設定された四つのパラメータnsjnsjiR,paxisを「ijσテーブル作成ユニット520」に入力して、付録の(B−2)に示す方法で両眼視差ijσを計算する(E−7α−7)。
【0903】
尚、両眼視差ijσは、付録の(B−2)に示す方法に限らず、どのような方法で計算してもよい。この点、付録の(B−2)に示す方法で両眼視差の計算を行なう旨説明した全ての実施形態において同様である。
(α6)この両眼視差ijσを、ijσテーブル(図171)のアドレス(i,j)に対応する内容として格納する(E−7α−8)。
【0904】
(jを走査(E−7α−9))
(iを走査(E−7α−10))
以上によりijσテーブル(図171)が得られる。
(β)上記で作成されたijσテーブルを用いて、平面方位ns0と規格化最短距離ns0を検出する(図129(B),図131参照)
(β1)「画素番号iの走査ユニット572」により、画像内の各点iRのアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−7β−1,E−7β−2,E−7β−10)。
【0905】
(iを走査)
(β2)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット574」により、右カメラ561および左カメラ562で得られた各画像から、“アドレスiに対応する画素iR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラについて切り出す(E−7β−3)。
(β3)「要素番号jの走査ユニット573」により、円柱配列内の要素(nsjnsj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−7β−4,E−7β−5,E−7β−9)。
(β4)これらアドレス(i,j)をijσテーブル585(図171)に入力して、両眼視差ijσを出力する(E−7β−6)。
(β5)実施形態D−5のステップ(6)と同様にして、“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差ijσを「両眼視差検出ユニット586」(図167)に入力して、応答強度を下式で計算する(E−7β−7)。
【0906】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−ijσx,y−ijσy
(β6)この応答強度を、「円柱配列投票ユニット587」内の要素(nsjnsj)に投票する(E−7β−8)。
(β7)「ピーク抽出ユニット588」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“大円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面までの規格化最短距離ns0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(E−7β−11)。
【0907】
実施形態E−8(ステレオ+規格化最短距離+axis未知)
図132は、本実施形態E−8の構成を示すブロック図、図133,図134は、その動作を示すフローチャートである。
(α)全ての視軸方向{axis}に対するijσテーブル(図172)――すなわち、入力画像の画素番号i、円柱配列の要素番号j、そして視軸方向axisから両眼視差ijσを検索して出力するためのテーブル――の作成(図132(A),図133参照)
下記の(α2)から(α6)までのステップは、実施形態E−7(α)の対応するステップと同じである。
(α0)「axisパラメータの走査ユニット518」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,max)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(E−8α−1,E−8α−2,E−8α−13)。
【0908】
(axisを走査)
(α1)「paxis設定ユニット511」により、“視軸上の位置paxis”をこのパラメータaxisに等しいとして設定する(E−8α−3)。
(α2)「画素番号iの走査ユニット512」により、画像内の各点iRのアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−8α−4,E−8α−5,E−8α−12)。
【0909】
(iを走査)
(α3)「要素番号jの走査ユニット513」により、円柱配列内の要素(nsjnsj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−8α−6,E−8α−7,E−8α−11)。
【0910】
(jを走査)
(α4)「iR出力ユニット514」、「nsj出力ユニット515」、および「nsj出力ユニット519」により、これらアドレス(i,j)に対応する、画像内の画素iRおよび円柱配列要素(nsjnsj)を出力する(E−8α−8)。
(α5)以上で設定された四つのパラメータnsjnsjiR,paxisを「ijσテーブル作成ユニット520」に入力して、付録の(B−2)に示す方法で両眼視差ijσを計算する(E−8α−9)。
(α6)この両眼視差ijσを、ijσテーブル(図172)のアドレス(i,j)に対応する内容として格納する(E−8α−10)。
【0911】
(iを走査(E−8α−11))
(jを走査(E−8α−12))
(α7)ここまで処理で、各視軸方向axisに対するijσテーブルが得られる。
【0912】
(axisを走査)
以上により全ての視軸方向{axis}に対するijσテーブル(図172)が得られる。
(β)上記で作成されたijσテーブルを用いて、平面方位ns0と規格化最短距離ns0を検出する(図132(B),図134参照)
下記の(β1)から(β6)までのステップは、実施形態D−7の対応するステップと同じである。
(β0)「axisパラメータの走査ユニット579」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(E−8β−1,E−8β−2,E−8β−13)。
【0913】
(axisを走査)
(β1)「画素番号iの走査ユニット572」により、画像内の各点iRのアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(E−8β−3,E−8β−4,E−8β−12)。
【0914】
(iを走査)
(β2)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット574」により、右カメラ561および左カメラ562で得られた各画像から、“アドレスiに対応する画素iR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラについて切り出す(E−8β−5)。
(β3)「要素番号jの走査ユニット573」により、円柱配列内の要素(nsjnsj)のアドレスjを下限値jminから上限値jmaxまで走査する(E−8β−6,E−8β−7,E−8β−11)。
【0915】
(jを走査)
(β4)これらアドレス(i,j)をijσテーブル585(図172)に入力して、両眼視差ijσを出力する(E−8β−8)。
(β5)実施形態D−5のステップ(6)と同様にして、“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差ijσを「両眼視差検出ユニット586」(図167)に入力して、応答強度を下式で計算する(E−8β−9)。
【0916】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−ijσx,y−ijσx
(β6)この応答強度を、「円柱配列投票ユニット587」内の要素(nsjnsj)に投票する(E−8β−10)。
【0917】
(jを走査(E−8β−11))
(iを走査(E−8β−12))
(β7)ここまでの処理で、「円柱配列投票ユニット587」内の全要素に投票が行われる。
【0918】
(axisを走査(E−8β−13))
(β8)ここまでの処理で、全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列群の全要素に投票が行われる。
(β9)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット588」により抽出する。この配列に対する視軸方向パラメータとして、真の移動方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面までの規格化最短距離ns0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(E−8β−14)。
【0919】
実施形態F
実施形態F−1
図135は、本実施形態F−1の構成を示すブロック図、図136、図137は、その動作を示すフローチャートである。
【0920】
実施形態F−1(規格化時間)
(α)実施形態E−1のijτテーブル(図163)を{ikj}テーブルに変換(図135(A),図136参照)
(α1)実施形態E−1αの処理(図112参照)により、ijτテーブル555(図111,図163参照)を作成し(F−1α−1)、{ikj}テーブル変換ユニット601により、そのijτテーブル(すなわち運動視差τ)を、図160の対応関係に基づいて、運動視差番号kに書き換える(F−1α−2)。これにより、図163のijτテーブルは、アドレスが(i,j)で内容がijkの「ijkテーブル(図135(A)の中段)」に書き換えられる。
(α2)次に、その{ikj}テーブル変換ユニット601により、このijkテーブルを並べ換えて、アドレスが(i,k)で内容が“円柱配列の要素番号j”のテーブルを作成する(F−1α−3)。前掲の実施形態A−6で述べたように、任意アドレス(i,k)――すなわち、位置がi0で運動視差がkτの画素――は複比変換と極変換により“円柱配列の大円上の全ての点”に結ばれるから、上記の要素番号jは集合になり、要素番号群{ikj}で表される(図165参照)。
(α3)以上により、任意アドレス(i,k)を指定すると、円柱配列の要素番号群{ikj}が出力される{ikj}テーブル(図165)を作成できた。
(β)上記で作成された{ikj}テーブルを用いて、平面方位ns0と規格化時間nc0を検出する(図135(B),図137参照)
(β1)「画素番号iの走査ユニット652」により、画像内の各点i0のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(F−1β−1,F−1β−2,F−1β−12)。
【0921】
(iを走査)
(β2)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット654」により、カメラ651で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から、“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする各局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(F−1β−3)。
(β3)「運動視差番号kの走査ユニット653」により、運動視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(F−1β−4,F−1β−5,F−1β−11)。
【0922】
(kを走査)
(β4)「運動視差kτ変換ユニット655」により、この番号kを、実施形態D−1のステップ(5)と同様にして運動視差kτに変換する(F−1β−6)。但し、運動視差kτすなわち動きベクトル(kτx kτy)の方向が、図10(A)の“i0からv(すなわち、pinf)への方向”と違っているときには、この移動方向vと矛盾する運動視差のため、ステップ(β7)までをスキップする(F−1β−7)。
(β5)以上で設定された“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差kτを「運動視差検出ユニット656」(図159)に入力して、実施形態D−1のステップ(6)と同様にして応答強度を下式で計算する(F−1β−8)。
【0923】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−kτx,y−kτy
(β6)アドレス(i,k)を{ikj}テーブル602に入力して、円柱配列の要素番号群{ikj}を出力する(F−1β−9)。
(β7)「円柱配列投票ユニット657」中の、この番号群{ikj}に対応する円柱配列の要素番号群に、ステップ(β5)で計算した応答強度を投票する(F−1β−10)。
【0924】
(kを走査(F−1β−11))
(iを走査(F−1β−12))
(β8)「ピーク抽出ユニット658」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“大円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面を横切るまでの規格化時間nc0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(F−1β−13)。
【0925】
実施形態F−2(規格化時間+v未知)
図138は、本実施形態F−2の構成を示すブロック図、図139,図140は、その動作を示すフローチャートである。
(α)全ての移動方向{v}に対する{ikj}テーブル(図166)の作成(図138(A),図139参照)
(α1)実施形態E−2αの処理(図115参照)により、ijτテーブル555(図114,図164参照)を作成し(F−2α−1)、{ikj}テーブル変換ユニット601により、そのijτテーブル555(すなわち運動視差τ)を、図160の対応関係に基づいて、運動視差番号kに書き換える(F−2α−2)。
これにより、図164のijτテーブルは、アドレスが(i,j)で内容がijkの「ijkテーブル(図138(A)の中段)」に書き換えられる。
(α2)次に、その{ikj}テーブル変換ユニット601により、このijkテーブルを並べ換えて、アドレスが(i,k)で内容が“円柱配列の要素番号j”のテーブルを作成する(F−2α−3)。前掲の実施形態A−6で述べたように、任意アドレス(i,k)――すなわち、位置がi0で運動視差がkτの画素――は複比変換と極変換により“円柱配列の大円上の全ての点”に結ばれるから、上記の要素番号jは集合になり、要素番号群{ikj}で表される(図166参照)。
(α3)以上により、任意アドレス(i,k)と移動方向vを指定すると、円柱配列の要素番号群{ikj}が出力される{ikj}テーブル(図166)を作成できた。
(β)上記で作成された{ikj}テーブルを用いて、平面方位ns0と規格化時間nc0を検出する(図138(B),図140参照)
下記の(β1)から(β7)までのステップは、実施形態F−1の対応するステップと同じである。
(β0)「vパラメータの走査ユニット659」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(F−2β−1,F−2β−2,F−2β−15)。
【0926】
(vを走査)
(β1)「画素番号iの走査ユニット652」により、画像内の各点i0のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(F−2β−3,F−2β−4,F−2β−14)。
【0927】
(iを走査)
(β2)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット654」により、カメラ654で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から、“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする各局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(F−2β−5)。
(β3)「運動視差番号kの走査ユニット653」により、運動視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(F−2β−6,F−2β−7,F−2β−13)。
【0928】
(kを走査)
(β4)実施形態E−1のステップ(5)と同様にして、「運動視差kτ変換ユニット653」により、この番号kを運動視差kτに変換する(F−2β−8)。但し、運動視差kτすなわちベクトル(kτx kτy)の方向が、図10(A)の“i0からv(すなわち、pinf)への方向”と違っているときには、この移動方向vと矛盾する運動視差のため、ステップ(β7)までをスキップする(F−2β−9)。
(β5)以上で設定された“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差kτを「運動視差検出ユニット656」(図159参照)に入力して、実施形態D−1のステップ(6)と同様にして応答強度を下式で計算する(F−2β−10)。
【0929】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−kτx,y−kτy
(β6)アドレス(i,k)および移動方向vを{ikj}テーブル602に入力して、円柱配列の要素番号群{ikj}を出力する(F−2β−11)。
(β7)「円柱配列投票ユニット657」中のこの番号群{ikj}に対応する円柱配列の要素群に、ステップ(β5)で計算した応答強度を投票する(F−2β−12)。
【0930】
(kを走査(F−2β−13))
(iを走査(F−2β−14))
(β8)ここまでの処理で、円柱配列内の全要素に投票が行なわれる。
【0931】
(vを走査(F−2β−15))
(β9)ここまでの処理で、全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列内の全要素に投票が行なわれる。
(β10)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット658」により抽出する。この配列に対応する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面を横切るまでの規格化時間nc0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(F−2β−16)。
【0932】
実施形態F−3(規格化最短距離)
図141は、本実施形態F−3の構成を示すブロック図、図142,図143は、その動作を示すフローチャートである。
(α)実施形態E−3のijτテーブル(図163)を{ikj}テーブルに変換(図141(A),図142参照)
(α1)実施形態E−3αの処理(図118参照)により、ijτテーブルの内容565(図117,図163参照)を作成し(F−3α−1)、{ikj}テーブル変換ユニット611により、そのijτテーブル(すなわち運動視差τ)を、図160の対応関係に基づいて、運動視差番号kに書き換える(F−3α−2)。
これにより、図163のijτテーブルは、アドレスが(i,j)で内容がijkの「ijkテーブル(図141(A)の中段)」に書き換えられる。
(α2)次に、その{ikj}テーブル変換ユニット611により、このijkテーブルを並べ換えて、アドレスが(i,k)で内容が“円柱配列の要素番号j”のテーブルを作成する(F−3α−3)。前掲の実施形態A−8で述べたように、任意アドレス(i,k)――すなわち、位置がi0で運動視差がkτの画素――は小円変換により“円柱配列の小円上の全ての点”に結ばれるから、上記の要素番号jは集合になり、要素番号群{ikj}で表される(図165参照)。
(α3)以上により、任意アドレス(i,k)を指定すると、円柱配列の要素番号群{ikj}が出力される{ikj}テーブル(図165)を作成できた。
(β)上記で作成された{ikj}テーブルを用いて、平面方位ns0と規格化最短距離ns0を検出する(図141(B),図143参照)
(β1)「画素番号iの走査ユニット652」により、画像内の各点i0のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(F−3β−1,F−3β−2,F−3β−12)。
【0933】
(iを走査)
(β2)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット654」により、カメラ651で得られた現時刻t0と次時刻t1の各画像から、“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(F−3β−3)。
(β3)「運動視差kの走査ユニット653」により、運動視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(F−3β−4,F−3β−5,F−3β−11)。
【0934】
(kを走査)
(β4)「運動視差kτ変換ユニット665」により、この番号kを、実施形態D−1のステップ(5)と同様にして運動視差kτに変換する(F−3β−6)。但し、運動視差kτすなわち動きベクトル(kτx kτy)の方向が、図10(A)の“i0からv(すなわち、pinf)への方向”と違っているときには、この移動方向vと矛盾する運動視差のため、ステップ(β7)までをスキップする(F−3β−7)。
(β5)以上で設定された“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差kτを「運動視差検出ユニット666」(図159)に入力して、実施形態D−1のステップ(6)と同様にして応答強度を下式で計算する(F−3β−8)。
【0935】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−kτx,y−kτy
(β6)アドレス(i,k)を{ikj}テーブル612に入力して、円柱配列の要素番号群{ikj}を出力する(F−3β−9)。
(β7)「円柱配列投票ユニット667」中の、この番号群{ikj}に対応する円柱配列の要素群に、ステップ(β5)で計算した応答強度を投票する(F−3β−10)。
【0936】
(kを走査(F−3β−11))
(iを走査(F−3β−12))
(β8)「ピーク抽出ユニット668」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面までの規格化最短距離ns0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(F−3β−13)。
【0937】
実施形態F−4(規格化最短距離+v未知)
図144は、本実施形態F−4の構成を示すブロック図、図145,図146は、その動作を示すフローチャートである。
(α)実施例形態E−4のikτテーブル(図164)を、{ikj}テーブルに変換(図144(A),図145参照)
(α1)実施形態E−4αの処理(図121参照)により、ijτテーブル565(図120,図164参照)を作成し(F−4α−1)、{ikj}テーブル変換ユニット611により、そのijτテーブル(すなわち運動視差τ)を、図160の対応関係に基づいて、運動視差番号kに書き換える(F−4α−2)。これにより、図164のijτテーブルは、アドレスが(i,j)で内容がijkの「ijkテーブル(図144(A)の中段)」に書き換えられる。
(α2)次に、その{ikj}テーブル変換ユニット611により、このijkテーブルを並べ換えて、アドレスが(i,k)で内容が“円柱配列の要素番号j”のテーブルを作成する(F−4α−3)。前掲の実施形態A−8で述べたように、任意アドレス(i,k)――すなわち、位置がi0で運動視差がkτの画素――は、小円変換により“円柱配列の小円上の全ての点”に結ばれるから、上記の要素番号jは集合になり、要素番号群{ikj}で表される(図166参照)。
(α3)以上により、任意アドレス(i,k)と移動方向vを指定すると、円柱配列の要素番号群{ikj}が出力される{ikj}テーブル612(図166)を作成できた。
(β)上記で作成された{ikj}テーブルを用いて、平面方位ns0と規格化最短距離ns0を検出する(図144(B),図146参照)
下記の(β1)から(β7)までのステップは、実施形態F−3の対応するステップと同じである。
(β0)「vパラメータの走査ユニット659」により、可能性のある全ての方向(下限値vminから上限値vmaxまで)にわたって、“移動方向パラメータv”を走査する(F−4β−1,F−4β−2,F−4β−15)。
【0938】
(vを走査)
(β1)「画素番号iの走査ユニット652」により、画像内の各点i0のアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(F−4β−3,F−4β−4,F−4β−14)。
【0939】
(iを走査)
(β2)実施形態D−1のステップ(3)と同様にして、「i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット654」により、カメラ651で得られた現時刻t0および次時刻t1の各画像から、“アドレスiに対応する画素i0”を中心とする局所領域画像を、現時刻t0と次時刻t1について切り出す(F−4β−5)。
(β3)「運動視差番号kの走査ユニット653」により、運動視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(F−4β−6,F−4β−7,F−4β−13)。
【0940】
(kを走査)
(β4)「運動視差kτ変換ユニット665」により、この番号kを、実施形態D−1のステップ(5)と同様にして運動視差kτに変換する(F−4β−8)。但し、運動視差kτすなわち動きベクトル(kτx kτy)の方向が、図10(A)の“i0からv(すなわち、pinf)への方向”と違っているときには、この移動方向vと矛盾する運動視差のため、ステップ(β7)までをスキップする(F−4β−9)。
(β5)以上で設定された“現時刻t0と次時刻t1の局所領域画像”および運動視差kτを「運動視差検出ユニット666」(図159)に入力して、実施形態D−1のステップ(6)と同様にして応答強度を下式で計算する(F−4β−10)。
【0941】
応答強度=ΣxΣy i0(x,y)i1(x−kτx,y−kτy
(β6)アドレス(i,k)および移動方向vを{ikj}テーブル612に入力して、円柱配列の要素番号群{ikj}を出力する(F−4β−11)。
(β7)「円柱配列投票ユニット667」中の、この番号群{ikj}に対応する円柱配列の要素群に、ステップ(β5)で計算した応答強度を投票する(F−4β−12)。
【0942】
(kを走査(F−4β−13))
(iを走査(F−4β−14))
(β8)ここまでの処理で、円柱配列内の全要素に投票が行なわれる。
【0943】
(vを走査(F−4β−15))
(β9)ここまでの処理で、全ての移動方向パラメータvに対する円柱配列内の全要素に投票が行なわれる。
(β10)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット668」により抽出する。この配列に対応する移動方向パラメータとして、真の移動方向v0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面を横切るまでの規格化最短距離ns0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(F−4β−16)。
【0944】
実施形態F−5(ステレオ+規格化距離)
図147は、本実施形態F−5の構成を示すブロック図、図148、図149は、その動作を示すフローチャートである。
(α)実施形態E−5のijσテーブル(図171)を{ikj}テーブルに変換(図147(A),図145参照)
(α1)実施形態E−5αの処理(図124参照)により、ijσテーブル575(図123,図171参照)を作成し(F−5α−1)、「{ikj}テーブル変換ユニット621」により、そのijσテーブル(すなわち両眼視差σ)を、図168の対応関係に基づいて、両眼視差番号kに書き換える(F−5α−2)。これにより、図171のijσテーブルは、アドレスが(i,j)で内容がijkの「ijkテーブル(図147(A)の中段)」に書き換えられる。
(α2)次に、その{ikj}テーブル変換ユニット621」により、このijkテーブルを並べ換えて、アドレスが(i,k)で内容が“円柱配列の要素番号j”のテーブル622を作成する(F−5α−3)。前掲の実施形態B−6で述べたように、任意アドレス(i,k)――すなわち、位置がiRで両眼視差がkσの画素――は複比変換と極変換により“円柱配列内の大円上の全ての点”に結ばれるから、上記の要素番号jは集合になり、要素番号群{ikj}で表される(図173参照)。
(α3)以上により、任意アドレス(i,k)を指定すると、円柱配列の要素番号群{ikj}が出力される{ikj}テーブル(図173)を作成できた。
(β)上記で作成された{ikj}テーブルを用いて、平面方位ns0と規格化距離nc0を検出する(図147(B),図149参照)
(β1)「画素番号iの走査ユニット672」により、画像内の各点iRのアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(F−5β−1,F−5β−2,F−5β−12)。
【0945】
(iを走査)
(β2)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット674」により、右カメラ661および左カメラ662で得られた各画像から、“アドレスiに対応する画素iR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラについて切り出す(F−5β−3)。
(β3)「両眼視差番号kの走査ユニット673」により、両眼視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(F−5β−4,F−5β−5,F−5β−11)。
【0946】
(kを走査)
(β4)「両眼視差kσ変換ユニット675」により、この番号kを、実施形態D−5のステップ(5)と同様にして両眼視差kσに変換する(F−5β−6)。但し、両眼視差kσすなわち視差ベクトル(kσx kσy)の方向が、図24(A)の“iRからaxis(すなわち、paxis)への方向”と違っているときには、この視軸方向axisと矛盾する両眼視差のため、ステップ(β7)までをスキップする(F−5β−7)。
(β5)以上で設定された“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差kσを「両眼視差検出ユニット676」(図167)に入力して、実施形態D−5のステップ(6)と同様にして応答強度を下式で計算する(F−5β−8)。
【0947】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−kσx,y−kσy
(β6)アドレス(i,k)を{ikj}テーブル622に入力して、円柱配列の要素番号群{ikj}を出力する(F−5β−9)。
(β7)「円柱配列投票ユニット677」中の、この番号群{ikj}に対応する円柱配列の要素群に、ステップ(β5)で計算した応答強度を投票する(F−5β−10)。
【0948】
(kを走査(F−5β−11))
(iを走査(F−5β−12))
(β8)「ピーク抽出ユニット678」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“大円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面までの規格化最短距離nc0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(F−5β−13)。
【0949】
実施形態F−6(ステレオ+規格化距離+aaxis未知)
図150は、本実施形態F−6の構成を示すブロック図、図151,図152は、その動作を示すフローチャートである。
(α)全ての視軸方向{axis}に対する{ikj}テーブル(図166)の作成(図150(A),図151参照)
(α1)実施形態E−6αの処理(図127参照)により、ijσテーブル575(図126,図172参照)を作成し(F−6α−1)、{ikj}テーブル変換ユニット621により、そのijσテーブル(すなわち両眼視差σ)を、図168の対応関係に基づいて、両眼視差番号kに書き換える(F−6α−2)。これにより、図172のijσテーブルは、アドレスが(i,j)で内容がijkの「ijkテーブル(図150(A)の中段)」に書き換えられる。
(α2)次に、その{ikj}テーブル変換ユニット621により、このijkテーブルを並べ換えて、アドレスが(i,k)で内容が“円柱配列の要素番号j”のテーブルを作成する(F−6α−3)。前掲の実施形態B−6で述べたように、任意アドレス(i,k)――すなわち、位置がiRで両眼視差がkσの画素――は、複比変換と極変換により“円柱配列の大円上の全ての点”に結ばれるから、上記の要素番号jは集合になり、要素番号群{ikj}で表される(図174参照)。
(α3)以上により、任意アドレス(i,k)と視軸方向axisを指定すると、
円柱配列の要素番号群{ikj}が出力される{ikj}テーブル(図174)を作成できた。
(β)上記で作成された{ikj}テーブルを用いて、平面方位ns0と規格化距離nc0を検出する(図150(B),図152参照)
下記の(β1)から(β7)までのステップは、実施形態F−5の対応するステップと同じである。
(β0)「axisパラメータの走査ユニット679」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(F−6β−1,F−6β−2,F−6β−15)。
【0950】
(axisを走査)
(β1)「画素番号iの走査ユニット672」により、画像内の各点iRのアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(F−6β−3,F−6β−4,F−6β−14)。
【0951】
(iを走査)
(β2)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット674」により、右カメラ661および左カメラ662で得られた各画像から、“アドレスiに対応する画素iR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラについて切り出す(F−6β−5)。
(β3)「両眼視差番号kの走査ユニット673」により、両眼視差番号kを下限値kminから下限値kmaxまで走査する(F−6β−6,F−6β−7,F−6β−13)。
(β4)実施形態D−5のステップ(5)と同様にして、「両眼視差kσ変換ユニット675」により、この番号kを、両眼視差kσに変換する(F−6β−8)。但し、両眼視差kσすなわち視差ベクトル(kσx kσy)の方向が、図24(A)の“iRからaxis(すなわち、paxis)への方向”と違っているときには、この視軸方向axisと矛盾する両眼視差のため、ステップ(β7)までをスキップする(F−6β−8)。
(β5)以上で設定された“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差kσを「両眼視差検出ユニット676」(図167)に入力して、実施形態D−5のステップ(6)と同様にして応答強度を下式で計算する(F−6β−10)。
【0952】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−kσx,y−kσy
(β6)アドレス(i,k)および視軸方向axisを{ikj}テーブル622に入力して、円柱配列の要素番号群{ikj}を出力する(F−6β−11)。
(β7)「円柱配列投票ユニット677」中の、この番号群{ikj}に対応する円柱配列の要素群に、ステップ(β5)で計算した応答強度を投票する(F−6β−12)。
【0953】
(kを走査(F−6β−13))
(iを走査(F−6β−14))
(β8)ここまでの処理で、円柱配列内の全要素に投票が行なわれる。
【0954】
(axisを変換(F−6β−15))
(β9)ここまでの処理で、全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列内の全要素に投票が行なわれる。
(β10)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット678」により抽出する。この配列に対応する視軸方向パラメータとして、真の視軸方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面までの規格化距離nc0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(F−6β−16)。
【0955】
実施例F−7(ステレオ+規格化最短距離)
図153は、本実施形態F−7の構成を示すブロック図、図154,図155は、その動作を示すフローチャートである。
(α)実施形態E−7のijσテーブル(図171)を{ikj}テーブルに変換(153(A),図154参照)
(α1)実施形態E−7αの処理(図130参照)により、ijσテーブル585(図129,図171参照)を作成し、(F−7α−1)、「{ikj}テーブル変換ユニット631」により、そのijσテーブル(すなわち両眼視差σ)を、図168の対応関係に基づいて、両眼視差番号kに書き換える(F−7α−2)。
これにより、図171のijσテーブルは、アドレスが(i,j)で内容がijkの「ijkテーブル(図153(A)の中段)」に書き換えられる。
(α2)次に、その「{ikj}テーブル変換ユニット631」により、このijkテーブルを並べ換えて、アドレスが(i,k)で内容が“円柱配列の要素番号j”のテーブル632を作成する(F−7α−3)。前掲の実施形態B−8で述べたように、任意アドレス(i,k)――すなわち、位置がiRで両眼視差がkσの画素――は小円変換により“円柱配列内の小円上の全ての点”に結ばれるから、上記の要素番号jは集合になり、要素番号群{ikj}で表される(図173参照)。
(α3)以上により、任意アドレス(i,k)を指定すると、円柱配列の要素番号群{ikj}が出力される{ikj}テーブル(図173)を作成できた。
(β)上記で作成された{ikj}テーブルを用いて、平面方位ns0と規格化距離ns0を検出する(図153(B),図155参照)
(β1)「画素番号iの走査ユニット672」により、画像内の各点iRのアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(F−7β−1,F−7β−2,F−7β−12)。
【0956】
(iを走査)
(β2)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット674」により、右カメラ661および左カメラ662で得られた各画像から、“アドレスiに対応する画素iR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラについて切り出す(F−7β−3)。
(β3)「両眼視差番号kの走査ユニット673」により、両眼視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(F−7β−4,F−7β−5,F−7β−11)。
【0957】
(kを走査)
(β4)「両眼視差kσ変換ユニット685」により、この番号kを、実施形態D−5のステップ(5)と同様にして両眼視差kσに変換する(F−7β−6)。但し、両眼視差kσすなわち視差ベクトル(kσx kσy)の方向が、図24(A)の“iRからaxis(すなわち、paxis)への方向”と違っているときには、この視軸方向axisと矛盾する両眼視差のため、ステップ(β7)までをスキップする(F−7β−7)。
(β5)以上で設定された“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差kσを「両眼視差検出ユニット686」(図167)に入力して、実施形態D−5のステップ(6)と同様にして応答強度を下式で計算する(F−7β−8)。
【0958】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−kσx,y−kσy
(β6)アドレス(i,k)を{ikj}テーブル632に入力して、円柱配列の要素番号群{ikj}を出力する(F−7β−9)。
(β7)「円柱配列投票ユニット687」中の、この番号群{ikj}に対応する円柱配列の要素群に、ステップ(β5)で計算した応答強度を投票する(F−7β−10)。
【0959】
(kを走査(F−7β−11))
(iを走査(F−7β−12))
(β8)「ピーク抽出ユニット688」により、円柱配列の中で“投票された強度が極大(ピーク)になる点”を抽出する――この極大点が“小円群が一点に交差する場所”である。この極大点の“高さ座標”として“平面までの規格化最短距離ns0”が求められ、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(F−7β−13)。
【0960】
実施形態F−8(ステレオ+規格化最短距離+aaxis未知)
図156は、本実施形態F−8の構成を示すブロック図、図157,図158はその動作を示すフローチャートである。
(α)実施形態E−8のikσテーブル(図172)を、{ikj}テーブルに変換(図156(A),図157参照)
(α1)実施形態E−8αの処理(図133参照)により、ijσテーブル585(図132,図172参照)を作成し、(F−8α−1)、{ikj}テーブル変換ユニット631」により、そのijσテーブル(すなわち両眼視差σ)を、図168の対応関係に基づいて、両眼視差番号kに書き換える(F−8α−2)。これにより、図172のijσテーブルは、アドレスが(i,j)で内容がijkの「ijkテーブル(図156(A)の中段)」に書き換えられる。
(α2)次に、その{ikj}テーブル変換ユニット631」により、このijkテーブルを並べ換えて、アドレスが(i,k)で内容が“円柱配列の要素番号j”のテーブル632を作成する(F−8α−3)。前掲の実施形態B−8で述べたように、任意アドレス(i,k)――すなわち、位置がiRで両眼視差がkσの画素――は、小円変換により“円柱配列の小円上の全ての点”に結ばれるから、上記の要素番号jは集合になり、要素番号群{ikj}で表される(図174参照)。
(α3)以上により、任意アドレス(i,k)と視軸方向axisを指定すると、円柱配列の要素番号群{ikj}が出力される{ikj}テーブル(図174)を作成できた。
(β)上記で作成された{ikj}テーブルを用いて、平面方位ns0と規格化最短距離ns0を検出する(図156(B),図158参照)
下記の(β1)から(β7)までのステップは、実施形態F−7の対応するステップと同じである。
(β0)「axisパラメータの走査ユニット679」により、可能性のある全ての方向(下限値axis,minから上限値axis,maxまで)にわたって、“視軸方向パラメータaxis”を走査する(F−8β−1,F−8β−2,F−8β−15)。
【0961】
(axisを走査)
(β1)「画素番号iの走査ユニット672」により、画像内の各点iRのアドレスiを下限値iminから上限値imaxまで走査する(F−8β−3,F−8β−4,F−8β−14)。
【0962】
(iを走査)
(β2)「iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット674」により、右カメラ661および左カメラ662で得られた各画像から、“アドレスiに対応する画素iR”を中心とする局所領域画像を、図167の左端に示すように、右および左カメラについて切り出す(F−8β−5)。
(β3)「両眼視差番号kの走査ユニット673」により、両眼視差番号kを下限値kminから上限値kmaxまで走査する(F−8β−6,F−8β−7,F−8β−13)。
【0963】
(kを走査)
(β4)「両眼視差kσ変換ユニット685」により、この番号kを、実施形態D−5のステップ(5)と同様にして両眼視差kσに変換する(F−8β−8)。但し、両眼視差kσすなわち視差ベクトル(kσx kσy)の方向が、図24(A)の“iRからaxis(すなわち、paxis)への方向”と違っているときには、この視軸方向axisと矛盾する両眼視差のため、ステップ(β7)までをスキップする(F−8β−9)。
(β5)以上で設定された“右および左カメラの局所領域画像”および両眼視差kσを「両眼視差検出ユニット686」(図167)に入力して、実施形態D−5のステップ(6)と同様にして応答強度を下式で計算する(F−8β−10)。
【0964】
応答強度=ΣxΣy iR(x,y)iL(x−kσx,y−kσy
(β6)アドレス(i,k)および視軸方向axisを{ikj}テーブル632に入力して、円柱配列の要素番号群{ikj}を出力する(F−8β−11)。
(β7)「円柱配列投票ユニット687」中の、この番号群{ikj}に対応する円柱配列の要素群に、ステップ(β5)で計算した応答強度を投票する(F−8β−12)。
【0965】
(kを走査(F−8β−13))
(iを走査(F−8β−14))
(β8)ここまでの処理で、円柱配列内の全要素に投票が行なわれる。
【0966】
(axisを走査(F−8β−15))
(β9)ここまでの処理で、全ての視軸方向パラメータaxisに対する円柱配列内の全要素に投票が行なわれる。
(β10)上記の円柱配列群の中で、強度が最大になる“特定の円柱配列”を「ピーク抽出ユニット688」により抽出する。この配列に対応する視軸方向パラメータとして、真の視軸方向axis0が求められる。また、その配列の中で強度がピークになる点を抽出すると、その点の“高さ座標”として平面までの規格化最短距離ns0が、また“断面円内の座標”として平面の3次元方位ns0が求められる(F−8β−16)。
付録 運動視差と両眼視差の計算法
(A)運動視差
(A−1)規格化時間nc、平面方位ns、現時刻位置p0、無限時刻位置pinf(移動方向v)から、運動視差τを計算する二種類の方法を以下に述べる。
【0967】
(A−1−1)方法1:複比と極変換による方法(図161)
ステップ1:規格化時間nc、平面方位ns、現時刻位置p0、無限時刻位置pinfを設定する。
【0968】
ステップ2:pcの決定
cは“p0とpinfを通る大円”と“nsの極線”との交点であるから(図161(A))、下式で決定される。なお、下式の“nsとのベクトル積”は前述の1.3.2の極変換に起因する。
【0969】
c=[[p0×pinf]×ns]/|[p0×pinf]×ns| (付録−1a)
ステップ3:τすなわちcos-1(p01)の決定
nc、pinf、p0、p1、pcの間には
nc={pinf01c} (付録−2a)
の複比の関係がある(式(12a)参照)。pinf、p0、p1、pcを中心角で表して(前述の1.3.1、図161(B))、式(付録−2a)に代入すると下式になる(式(16a)参照)。
【0970】
Figure 0003949333
この式をτについて解くと
Figure 0003949333
になり、運動視差τが決定された。ここでaとxは下式で計算される。
【0971】
a=cos-1(pinf0) (付録−4a)
x=cos-1(pinfc) (付録−4b)
なお、次時刻位置p1を求めたい場合には、
1=cosτ ξ+sinτ η (付録−5a)
と計算できる。ξとηは下式で与えられる。
【0972】
ξ=p0 (付録−5b)
η=[[p0×pinf]×p0]/|[p0×pinf]×p0| (付録−5c)
(A−1−2)方法2:別法
下記の方法でも求めることができる。
【0973】
ステップ1:規格化時間nc、平面方位ns、現時刻位置p0、無限時刻位置pinfを設定する。
【0974】
ステップ2:任意の単位移動距離Δxを設定して、カメラ中心から平面まで距離dc――この距離は図12のVtc――を下式で計算する。
【0975】
cncΔx (付録−6)
ステップ3:方位がnsで距離がdcの平面が決まる。カメラ中心からp0の方向に延長して、その平面と交わる点P0を計算する。
【0976】
ステップ4:その点P0をpinfの方向にΔxだけ移動した点P1を計算する。
【0977】
ステップ5:この点P1を下式で規格化したp1が、次時刻の球面上の位置である。
【0978】
1=P1/|P1| (付録−7)
ステップ6:この位置p1と現時刻位置p0から下式で運動視差τを決定できる。なお、ステップ2で任意に設定した単位移動距離Δxを変化しても、この運動視差は影響されない。
【0979】
τ=cos-1(p01) (付録−8)
(A−2)規格化最短距離nsの場合
規格化最短距離ns、平面方位ns、現時刻位置p0、無限時刻位置pinf(移動方向v)から、運動視差τを計算する二種類の方法を以下に述べる。
【0980】
(A−2−1)方法1:小円変換による方法(図162)
ステップ1:規格化最短距離ns、平面方位ns、現時刻位置p0、無限時刻位置pinfを設定する。
【0981】
ステップ2:小円変換の半径Rを下式で決定する(前述の2.2、図162(A))。
【0982】
R=cos-1(p0s) (付録−11)
ステップ3:τすなわちcos-1(p01)の決定
2.2で述べたように下式の関係がある(図162(B))
Figure 0003949333
この式をτについて解くと
Figure 0003949333
になり、運動視差τが決定された。
【0983】
なお、次時刻位置p1を求めたい場合には、式(付録−5)と同様に下式で計算できる。
【0984】
1=cosτ ξ+sinτ η (付録−14)
(A−2−2)方法2:別法
下記の方法でも求めることができる。
【0985】
ステップ1:規格化最短距離ns、平面方位ns、現時刻位置p0、無限時刻位置pinfを設定する。
【0986】
ステップ2:任意の単位移動距離Δxを設定して、カメラ中心から平面まで最短距離ds(図12)を下式で計算する。
【0987】
snsΔx (付録−15)
ステップ3:方位がnsで最短距離がdsの平面が決まる。カメラ中心からp0の方向に延長して、その平面と交わる点P0を計算する。
【0988】
ステップ4:その点P0をpinfの方向にΔxだけ移動した点P1を計算する。
【0989】
ステップ5:この点P1を下式で規格化したp1が、次時刻の球面上の位置である。
【0990】
1=P1/|P1| (付録−16)
ステップ6:この位置p1と現時刻位置p0から下式で運動視差τを決定できる。なお、ステップ2で任意に設定した単位移動距離Δxを変化しても、この運動視差は影響されない。
【0991】
τ=cos-1(p01) (付録−17)
(B)両眼視差
(B−1)規格化距離ncの場合
規格化距離nc、平面方位ns、右カメラ画像位置pR、左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis(移動方向axis)から、両眼視差σを計算する二種類の方法を以下に述べる。
【0992】
(B−1−1)方法1:複比と極変換による方法(図169)
ステップ1:規格化距離nc、平面方位ns、右カメラ画像位置pR、左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxisを設定する。
【0993】
ステップ2:pcの決定
cは“pRとpaxisを通る大円”と“nsの極線”との交点であるから(図169(A))、下式で決定される。なお、下式の“nsとのベクトル積”は前述の4.2.3の極変換に起因する。
【0994】
c=[[pR×paxis]×ns]/|[pR×paxis]×ns| (付録−21a)
ステップ3:σすなわちcos-1(pRL)の決定
nc、paxis、pR、pL、pcの間には
nc={paxisRLc} (付録−22a)
の複比の関係がある(4.2参照)。paxis、pR、pL、pcを中心角で表して(前述の4.2、図169(B))、式(付録−22a)に代入すると下式になる(式(60a)参照)。
【0995】
Figure 0003949333
この式をτについて解くと
Figure 0003949333
になり、両眼視差σが決定された。ここでcとxは下式で計算される。
【0996】
c=cos-1(paxisR) (付録−24a)
x=cos-1(paxisc) (付録−24b)
なお、左カメラ画像での位置pLを求めたい場合には、
L=cosσ ξ+sinσ η (付録−25a)
と計算できる。ξとηは下式で与えられる。
【0997】
ξ=pR (付録−25b)
η=[[pR×paxis]×pR]/|[pR×paxis]×pR|( 付録−25c)
(B−1−2)方法2:別法
下記の方法でも求めることができる。
【0998】
ステップ1:規格化距離nc、平面方位ns、右カメラ画像位置pR、左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxisを設定する。
【0999】
ステップ2:任意の左右カメラ間距離ΔxLRを設定して、カメラ中心から平面まで距離dc(図22)を下式で計算する。
【1000】
cncΔxLR (付録−26)
ステップ3:方位がnsで距離がdcの平面が決まる。カメラ中心からpRの方向に延長して、その平面と交わる点PRを計算する。
【1001】
ステップ4:その点PRをpaxisの方向にΔxLRだけ移動した点PLを計算する。
【1002】
ステップ5:この点PLを下式で規格化したpLが、左カメラ画像位置である。
【1003】
L=PL/|PL| (付録−27)
ステップ6:この位置pLと現時刻位置pRから下式で両眼視差σを決定できる。なお、ステップ2で任意に設定した左右カメラ間距離ΔxLRを変化しても、この両眼視差は影響されない。
【1004】
σ=cos-1(pRL) (付録−28)
(B−2)規格化最短距離nsの場合
規格化最短距離ns、平面方位ns、右カメラ画像位置pR、左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis(視軸方向axis)から、両眼視差σを計算する二種類の方法を以下に述べる。
【1005】
(B−2−1)方法1:小円変換による方法(図170)
ステップ1:規格化最短距離ns、平面方位ns、右カメラ画像位置pR、左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxisを設定する。
【1006】
ステップ2:小円変換の半径Rを下式で決定する(前述の4.3、図170(A))。
【1007】
R=cos-1(pRs) (付録−31)
ステップ3:σすなわちcos-1(pRL)の決定
4.3で述べたように下式の関係がある(図170(B))
Figure 0003949333
この式をσについて解くと
Figure 0003949333
になり、両眼視差σが決定された。
【1008】
なお、次時刻位置pLを求めたい場合には、式(付録−25)と同様に下式で計算できる。
【1009】
L=cosσ ξ+sinσ η (付録−34)
(B−2−2)方法2:別法
下記の方法でも求めることもできる。
【1010】
ステップ1:規格化最短距離ns、平面方位ns、右カメラ画像位置pR、左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxisを設定する。
【1011】
ステップ2:任意の左右カメラ間距離ΔxLRを設定して、カメラ中心から平面まで最短距離dsを下式で計算する。
【1012】
snsΔxLR (付録−35)
ステップ3:方位がnsで最短距離がdsの平面が決まる。カメラ中心からpRの方向に延長して、その平面と交わる点PRを計算する。
【1013】
ステップ4:その点PRをpaxisの方向にΔxLRだけ移動した点PLを計算する。
【1014】
ステップ5:この点PLを下式で規格化したpLが、左カメラ画像位置である。
【1015】
L=PL/|PL| (付録−36)
ステップ6:この位置pLと右カメラ画像位置pRから下式で両眼視差σを決定できる。なお、ステップ2で任意に設定した左右カメラ距離ΔxLRを変化しても、この両眼視差は影響されない。
【1016】
σ=cos-1(pRL) (付録−37)
【1017】
【発明の効果】
1.運動視アルゴリズム
(1)規格化時間ncを決定する方法の効果
1.3.2で述べたように、現時刻の位置p0、次時刻の位置p1、そして無限時間経過後の位置pinfを知って、平面の3次元方位nsとそれを横切るまでの規格化時間ncを決定できる。
【1018】
この時間はロボットの走行、自動車の自動走行、そして飛行機の自動着陸などに非常に有用である。例えば次のようにして行われる。ロボットが廊下を歩行する例で説明する。廊下に斜めに(ぶつかる方向に)移動すると、図10(B)の円柱配列の中の一点が発火し、その高さ座標として“壁を横切る(壁にぶつかる)までの規格化時間nc”が、また断面円内の座標として“壁の法線ベクトルns”が得られる。この規格化時間ncに“現在から次の時刻までの時間差(すなわち、画像フレーム間の時間差)Δt”を乗ずると、平面にぶつかるまでの時間tcに変換される。この時間tcと法線ベクトルnsにもとづいて、ロボットは次のように回避行動をとることができる。すなわち、計測されたtcが“ロボットの速度・慣性・駆動トルクなどから決まる回避時間の限界値”を下回ると、壁とぶつからない方向(すなわち、上記で計測される法線ベクトルnsと直角な方向)に向きを変えるように制御する。向きが変わると次に計測される“壁にぶつかるまでの時間tc”は回避限界値を超えた値に戻り、さらに回避が進んで壁と平行に移動し始めると“tcが無限大”になり、この方向に移動すればぶつからないことを把握できる。このようにして壁の3次元方位nsとそれにぶつかるまでの時間tcを計測することにより、曲がりくねった廊下でもぶつからずに移動できる。
【1019】
この方法は、三つの時刻での位置p0,p1,pinfを知るだけで移動速度Vを知らなくても、“壁にぶつかるまでの時間tc”を予測できるのが大きな特長である。超音波などで壁までの距離を計って回避する方式では、その距離を“壁にぶつかるまでの時間”に変換するために、移動速度Vの計測が不可欠である。
【1020】
さらに、1.6で述べた方法を用いるとpinf(すなわち、移動方向v)までも判らなくてもよく、二つの時刻での位置p0,p1を知るだけでnsncを計測できる。この方法により、例えばインターネット・ビデオ・映画の画像などで撮影中の移動方向が判らない場合でも“平面の3次元方位nsとそれを横切るまでの規格化時間nc”を計測できる。また、平面が移動している場合にはその移動方向は一般には判らないが、その場合でも“それら方位と時間”を移動方向vとともに計測できる。
【1021】
以上を行えるような方法はこれまでに報告されていない。
【1022】
(2)規格化最短距離nsを決定する方法の効果
2.1と2.2.3で述べたように、現時刻の位置p0、次時刻の位置p1、そして無限時間経過後の位置pinfを知って、平面の3次元方位nsと規格化最短距離nsを決定できる。
【1023】
この規格化最短距離は“画像内に重なり合って見える複数の物体や環境を分離(奥行き分離と言われる)”するのに非常に有用である。すなわち、物体や環境を構成する平面の“相対的な奥行き”と“傾き”を規格化最短距離nsと方位nsとして計測できるため、それらが重なり合っていても分離して識別することができる。
【1024】
この奥行き分離は、三つの時刻での位置p0,p1,pinfを知るだけで、移動速度Vや“現在から次の時刻までの時間差Δtや移動距離Δx”が判らなくても行えるのが大きな特長である。なお、平面までの最短距離dsが必要な場合には、この規格化最短距離nsに“現在から次時刻までの移動距離Δx”を乗じて得ることができる。
【1025】
さらに、2.5で述べた方法を用いるとpinf(すなわち、移動方向v)までも判らなくてよく、二つの時刻での位置p0,p1を知るだけで規格化最短距離nsと方位nsを計測できる。この方法により、例えばインターネット画像・ビデオ・映画などで撮影中の移動方向が判らない場合でも、“それら距離と方位”を計測でき、それに基づいて奥行き分離を行える。また、平面が移動している場合にはその移動方向は一般には判らないが、その場合でも“それら距離と方位”を移動方向vとともに計測できる。
【1026】
以上を行えるような方法はこれまでに報告されていない。
2.両眼視アルゴリズム
(1)規格化最短距離nsを決定する方法の効果
4.3.1と4.3.2で述べたように、左カメラ画像での位置pL、左カメラ画像での位置pR、そして、“左右カメラを結ぶ視軸上の位置paxis”を知って、平面の3次元方位nsと規格化最短距離nsを決定できる。
【1027】
この規格化最短距離は“画像内に重なり合って見える複数の物体や環境を奥行き分離”するのに非常に有用である。すなわち、物体や環境を構成する平面の“相対的な奥行き”と“傾き”を規格化最短距離nsと方位nsとして計測できるため、それらが重なり合っていても分離して識別することができる。
【1028】
この奥行き分離は、左右カメラでの位置pL,pRと視軸上の位置paxisを知るだけで、左右カメラ間の距離ΔxLRが判らなくても行えるのが大きな特長である。なお、平面までの最短距離dsが必要な場合には、この規格化最短距離nsに“左右カメラ間の距離ΔxLR”を乗じて得ることができる。
【1029】
さらに、4.3.3で述べた方法を用いるとpaxis(すなわち、視軸方向axis)までも判らなくてよく、左右カメラでの位置pL,pRを知るだけで規格化最短距離nsと方位nsを計測できる。この方法により、例えばインターネットなどのステレオ画像で、撮影中の視軸方向が判らない場合でも“それら距離と方位”を計測でき、それに基づいて奥行き分離を行える。
【1030】
なお、以上の奥行き分離は、4.2.3で計測される“視軸方向に平面を横切るまでの規格化距離nc”と“平面の3次元方位ns” を用いて行うこともできる。
【1031】
以上を行えるような方法はこれまでに報告されていない。
【図面の簡単な説明】
【図1】オプティカルフロー・パターンの説明図である。
【図2】本発明の画像計測装置の一実施形態として採用されるコンピュータシステムの概観を示す図である。
【図3】図2に示すコンピュータシステムのハードウェア構成図である。
【図4】平面が移動する様子を示す図である。
【図5】平面の3次元方位を計測する原理の説明図である。
【図6】球面を移動する様子を示す図である。
【図7】点までの距離を計測する原理の説明図である。
【図8】平面を横切るまでの時間を計測する原理の説明図である。
【図9】中心角の定義を示す図である。
【図10】円柱配列により規格化時間を計測する原理の説明図である。
【図11】規格化時間計測を計算機シミュレーションした結果を示す図である。
【図12】平面を横切るまでの時間と最短距離の関係を示す図である。
【図13】平面までの最短距離を計測する原理の説明図である。
【図14】小円変換のための模式図である。
【図15】点までの距離と平面までの最短距離との関係を示す図である。
【図16】小円変換の幾何学的意味を示す図である。
【図17】円柱配列により規格化最短距離を計測する原理の説明図である。
【図18】規格化最短距離を卓上図である。
【図19】カメラ移動と平面移動の等価性を示す図である。
【図20】球面上の極変換と平面上の極変換の関係を示す図である。
【図21】球面カメラ画像と平面カメラ画像の関係を示す図である。
【図22】視軸方向に平面を横切るまでの距離の計測原理説明図である。
【図23】中心角の定義を示す図である。
【図24】円柱配列により“視軸方向に平面を横切るまでの規格化距離”を計測する原理の説明図である。
【図25】“視軸方向に平面を横切るまでの規格化距離”と“平面までの最短距離”の関係を示す図である。
【図26】平面までの最短距離を計測する原理説明図である。
【図27】円柱配列により規格化最短距離を計測する原理の説明図である。
【図28】実施形態A−1のブロック図である。
【図29】請求項4の実施形態A−1のフローチャートである。
【図30】実施形態A−1に関する説明図である。
【図31】実施形態A−2のブロック図である。
【図32】実施形態A−2のフローチャートである。
【図33】実施形態A−3のブロック図である。
【図34】実施形態A−3のフローチャートである。
【図35】実施形態A−3に関する説明図である。
【図36】実施形態A−4のブロック図である。
【図37】実施形態A−4のフローチャートである。
【図38】実施形態A−5のブロック図である。
【図39】実施形態A−5のフローチャートである。
【図40】実施形態A−6のブロック図である。
【図41】実施形態A−6のフローチャートである。
【図42】実施形態A−7のブロック図である。
【図43】実施形態A−7のフローチャートである。
【図44】実施形態A−8のブロック図である。
【図45】実施形態A−8のフローチャートである。
【図46】実施形態A−9のブロック図である。
【図47】実施形態A−9のフローチャートである。
【図48】実施形態A−10のブロック図である。
【図49】実施形態A−10のフローチャートである。
【図50】実施形態B−1のブロック図である。
【図51】実施形態B−1のフローチャートである。
【図52】実施形態B−2のブロック図である。
【図53】実施形態B−2のフローチャートである。
【図54】実施形態B−3のブロック図である。
【図55】実施形態B−3のフローチャートである。
【図56】実施形態B−3に関する説明図である。
【図57】実施形態B−4のブロック図である。
【図58】実施形態B−4のフローチャートである。
【図59】実施形態B−5のブロック図である。
【図60】実施形態B−5のフローチャートである。
【図61】実施形態B−6のブロック図である。
【図62】実施形態B−6のフローチャートである。
【図63】実施形態B−7のブロック図である。
【図64】実施形態B−7のフローチャートである。
【図65】実施形態B−8のブロック図である。
【図66】実施形態B−8のフローチャートである。
【図67】実施形態B−9のブロック図である。
【図68】実施形態B−9のフローチャートである。
【図69】実施形態B−10のブロック図である。
【図70】実施形態B−10のフローチャートである。
【図71】実施形態C−1のブロック図である。
【図72】実施形態C−1のフローチャートである。
【図73】実施形態C−2のブロック図である。
【図74】実施形態C−2のフローチャートである。
【図75】実施形態C−3のブロック図である。
【図76】実施形態C−3のフローチャートである。
【図77】実施形態C−4のブロック図である。
【図78】実施形態C−4のフローチャートである。
【図79】実施形態C−5のブロック図である。
【図80】実施形態C−5のフローチャートである。
【図81】実施形態C−6のブロック図である。
【図82】実施形態C−6のフローチャートである。
【図83】実施形態C−7のブロック図である。
【図84】実施形態C−7のフローチャートである。
【図85】実施形態C−8のブロック図である。
【図86】実施形態C−8のフローチャートである。
【図87】実施形態D−1のブロック図である。
【図88】実施形態D−1のフローチャートである。
【図89】実施形態D−2のブロック図である。
【図90】実施形態D−2のフローチャートである。
【図91】実施形態D−3のブロック図である。
【図92】実施形態D−3のフローチャートである。
【図93】実施形態D−4のブロック図である。
【図94】実施形態D−4のフローチャートである。
【図95】実施形態D−5のブロック図である。
【図96】実施形態D−5のフローチャートである。
【図97】実施形態D−6のブロック図である。
【図98】実施形態D−6のフローチャートである。
【図99】実施形態D−7のブロック図である。
【図100】実施形態D−7のフローチャートである。
【図101】実施形態D−8のブロック図である。
【図102】実施形態D−8のフローチャートである。
【図103】実施形態D−9のブロック図である。
【図104】実施形態D−9のフローチャートである。
【図105】実施形態D−10のブロック図である。
【図106】実施形態D−10のフローチャートである。
【図107】実施形態D−11のブロック図である。
【図108】実施形態D−11のフローチャートである。
【図109】実施形態D−12のブロック図である。
【図110】実施形態D−12のフローチャートである。
【図111】実施形態E−1ブロック図である。
【図112】実施形態E−1のフローチャートである。
【図113】実施形態E−1のフローチャートである。
【図114】実施形態E−2のブロック図である。
【図115】実施形態E−2のフローチャートである。
【図116】実施形態E−2のフローチャートである。
【図117】実施形態E−3のブロック図である。
【図118】実施形態E−3のフローチャートである。
【図119】実施形態E−3のフローチャートである。
【図120】実施形態E−4のブロック図である。
【図121】実施形態E−4のフローチャートである。
【図122】実施形態E−4のフローチャートである。
【図123】実施形態E−5のブロック図である。
【図124】実施形態E−5のフローチャートである。
【図125】実施形態E−5のフローチャートである。
【図126】実施形態E−6のブロック図である。
【図127】実施形態E−6のフローチャートである。
【図128】実施形態E−6のフローチャートである。
【図129】実施形態E−7のブロック図である。
【図130】実施形態E−7のフローチャートである。
【図131】実施形態E−7のフローチャートである。
【図132】実施形態E−8のブロック図である。
【図133】実施形態E−8のフローチャートである。
【図134】実施形態E−8のフローチャートである。
【図135】実施形態F−1のブロック図である。
【図136】実施形態F−1のフローチャートである。
【図137】実施形態F−1のフローチャートである。
【図138】実施形態F−2のブロック図である。
【図139】実施形態F−2のフローチャートである。
【図140】実施形態F−2のフローチャートである。
【図141】実施形態F−3のブロック図である。
【図142】実施形態F−3のフローチャートである。
【図143】実施形態F−3のフローチャートである。
【図144】実施形態F−4のブロック図である。
【図145】実施形態F−4のフローチャートである。
【図146】実施形態F−4のフローチャートである。
【図147】実施形態F−5のブロック図である。
【図148】実施形態F−5のフローチャートである。
【図149】実施形態F−5のフローチャートである。
【図150】実施形態F−5のブロック図である。
【図151】実施形態F−6のフローチャートである。
【図152】実施形態F−6のフローチャートである。
【図153】実施形態F−7のブロック図である。
【図154】実施形態F−7のフローチャートである。
【図155】実施形態F−7のフローチャートである。
【図156】実施形態F−8のブロック図である。
【図157】実施形態F−8のフローチャートである。
【図158】実施形態F−8のフローチャートである。
【図159】運動視差検出ユニットのブロック図である。
【図160】運動視差kτと視差ベクトル(kτxkτy)との対応を示した図である。
【図161】複比と極変換による、運動視差τの計算方法の説明図である。
【図162】小円変換による、運動視差τの計算方法の説明図である。
【図163】ijτテーブルの模式図である。
【図164】ijτテーブルの模式図である。
【図165】 [ikj]テーブルの模式図である。
【図166】 [ikj]テーブルの模式図である。
【図167】両目視差検出ユニットのブロック図である。
【図168】両眼視差kσと視差ベクトル(kσx,kσy)との対応を示した図である。
【図169】複比と極変換による、両眼視差τの計算方法の説明図である。
【図170】小円変換による、両眼視差τの計算方法の説明図である。
【図171】ijσテーブルの模式図である。
【図172】ijσテーブルの模式図である。
【図173】 [ikj]テーブルの模式図である。
【図174】 [ikj]テーブルの模式図である。
【符号の説明】
11 カメラ
12 現時刻t0の画像レジスタ
13 次時刻t1の画像レジスタ
14 移動方向vの抽出ユニット
15 pinf設定ユニット
16 ncパラメータの走査ユニット
17 複比変換ユニット
18 極変換ユニット
19 円柱配列投票ユニット
20 ピーク抽出ユニット
21 vパラメータの走査ユニット
22 nsパラメータの走査ユニット
23 半径Rの計算ユニット
24 小円変換ユニット
25 円柱配列投票ユニット
26 ピーク抽出ユニット
27 点距離計算ユニット
28 τ決定ユニット
112 右カメラ画像レジスタ
113 左カメラ画像レジスタ
115 paxis設定ユニット
116 ncパラメータの走査ユニット
117 複比変換ユニット
118 極変換ユニット
119 円柱配列投票ユニット
120 ピーク抽出ユニット
121 axisパラメータの走査ユニット
122 nsパラメータの走査ユニット
123 半径Rの計算ユニット
124 小円変換ユニット
125 円柱配列投票ユニット
126 ピーク抽出ユニット
127 点距離計算ユニット
128 σ決定ユニット
221 nsパラメータの走査ユニット
222 半径rの走査ユニット
223 小円構成要素i rs+i rs-の計算ユニット
224 円柱配列投票ユニット
225 ピーク抽出ユニット
300 コンピュータシステム
301 本体
302 CRTディスプレイ
303 キーボード
304 マウス
310 バス
311 中央演算処理装置(CPU)
312 RAM
313 磁気ディスクコントローラ
314 フロッピィディスクドライバ
315 MOドライバ
316 マウスコントローラ
317 キーボードコントローラ
318 ディスプレイコントローラ
319 通信用ボード
320 画像入力用ボード
401 画素番号iの走査ユニット
402 ioを中心とする局所領域画像の切出しユニット
403 運動視差番号kの走査ユニット
404 運動視差kτ変換ユニット
405 運動視差検出ユニット
406 io変換ユニット
410 通信回線
421 画素番号iの走査ユニット
422 iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット
423 両眼視差kσ変換ユニット
424 両眼視差kσ変換ユニット
425 両眼視差検出ユニット
501 pinf変換ユニット
502,552 画素番号iの走査ユニット
503,553 要素番号jの走査ユニット
504 io出力ユニット
505 nsj出力ユニット
506 ncj出力ユニット
507,510 ijτテーブル作成ユニット
508,559 vパラメータの走査ユニット
509 nsj出力ユニット
511 paxis設定ユニット
512,572 画素番号iの走査ユニット
513,573 要素番号jの走査ユニット
514 iR出力ユニット
515 nsj出力ユニット
516 ncj出力ユニット
517,520 ijσテーブル作成ユニット
518,579 axisパラメータの走査ユニット
519 nsj出力ユニット
554 ioを中心とする局所領域画像の切出しユニット
555,565 ijτテーブル
556 運動視差検出ユニット
557,567 円柱配列断層ユニット
558,568 ピーク検出ユニット
561 右カメラ
562 左カメラ
574 iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット
575,585 ijσテーブル
576,586 両眼視差検出ユニット
577,587 円柱配列投票ユニット
578,588 ピーク抽出ユニット
601,611 {ikj}テーブル変換ユニット
602,612 {ikj}テーブル
651 カメラ
652 画素番号iの走査ユニット
653 運動視差番号kの走査ユニット
654 i0を中心とする局所領域画像の切出しユニット
655,665 運動視差kτ変換ユニット
656,666 運動視差検出ユニット
657,667 円柱配列投票ユニット
658,668 ピーク抽出ユニット
659 vパラメータの走査ユニット
621,631 {ikj}テーブル変換ユニット
622,632 {ikj}テーブル
661 右カメラ
662 左カメラ
672 画素番号iの走査ユニット
673 両眼視差番号kの走査ユニット
674 iRを中心とする局所領域画像の切出しユニット
675,685 両眼視差kσ変換ユニット
676,686 両眼視差検出ユニット
677,687 円柱配列投票ユニット
678,688 ピーク抽出ユニット
679 axisパラメータの走査ユニット

Claims (7)

  1. 所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp,p、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をpinf、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をpとしたとき、
    前記計測点の4つの位置pinf,p,p,pで決まる複比{pinf}あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量として、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻と前記重畳時刻との間の時間をt 、前記2つの計測時刻どうしの間の時間をΔtとたときの、
    =t /Δt
    であらわされる規格化時間 を採用し、該規格化時間 を、
    ={p inf
    の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めることを特徴とする画像計測方法。
  2. 所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp ,p 、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をp inf 、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をp としたとき、
    前記計測点の4つの位置p inf ,p ,p ,p で決まる複比{p inf }と、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻と前記重畳時刻との間の時間をt 、前記2つの計測時刻どうしの間の時間をΔtとしたときの、 =t /Δtであらわされる規格化時間 との関係式、 ={p inf }から位置p を求め、位置p を極変換することにより該位置p に対応する極線を求めるプロセスを、前記計測時空間内に存在する複数の計測点について実行し、
    複数の前記極線を極線描画空間に描画したときの極線どうしの交差点を求めることにより、該交差点で交わる複数の極線に対応する複数の計測点を含む計測平面の方位、及び/又は、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求めることを特徴とする画像計測方法。
  3. 所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp ,p 、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をp inf 、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をp 、前記計測平面の方位をn としたとき、
    前記計測点の4つの位置p inf ,p ,p ,p で決まる複比{p inf }あるいは該複比と等価な演算と、前記計測平面の方位n と前記移動方向vとの内積(n ・v)とを用いて、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量として、前記観察点と、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面との間の最短距離をd 、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻と前記重畳時刻との間の時間をt 、前記2つの 計測時刻どうしの間の、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な移動距離をΔx、前記2つの計測時刻どうしの間の時間をΔtとしたときの、
    =d /Δx
    であらわされる規格化最短距離 を採用し、該規格化最短距離 を、
    =t /Δt
    であらわされる規格化時間 と前記内積(n ・v)とを用いた、
    (n ・v)
    関係式を用いて求めることを特徴とする画像計測方法。
  4. 所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp ,p 、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をp inf 、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をp としたとき、前記計測点の4つの位置p inf ,p ,p ,p で決まる複比{p inf }あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める演算部を備え、
    前記演算部が、前記重畳時刻を指標する物理量として、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻と前記重畳時刻との間の時間をt 、前記2つの計測時刻どうしの間の時間をΔtとしたときの、
    =t /Δt
    であらわされる規格化時間 を採用し、該規格化時間 を、
    ={p inf
    の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めるものであることを特徴とする画像計測装置。
  5. 所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp ,p 、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をp inf 、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をp 、前記計測平面の方位をn としたとき、
    前記計測点の4つの位置p inf ,p ,p ,p で決まる複比{p inf }あるいは該複比と等価な演算と、前記計測平面の方位n と前記移動方向vとの内積(n ・v)とを用いて、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める演算部を備え、
    前記演算部が、前記最短距離を指標とする物理量として、前記観察点と、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面との間の最短距離をd 、前記2つの計測時刻のうちの前記一方の計測時刻と前記重量時刻との間の時階をt 、前記2つの計測時刻どうしの間の前記計測点の、前記観察点に対する相対的な移動距離をΔx、前記2つの計測時刻どうしの間の時間をΔtとしたときの、
    =d /Δx
    であらわされる規格化最短距離 を採用し、該規格化最短距離 を、
    =t /Δt
    であらわされる規格化時間 と前記内積(n ・v)とを用いた、
    (n ・V)
    の関係式を用いて求めるものであることを特徴とする面像計測装置。
  6. 所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画 像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp ,p 、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をp inf 、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をp としたとき、
    前記計測点の4つの位置p inf ,p ,p ,p で決まる複比{p inf }あるいは該複比と等価な演算を用いて、該計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻を指標する物理量を求める画像計測プログラムが記憶され、
    前記画像計測プログラムが、演算装置内で実行されたときに、前記重畳時刻を指標する物理量として、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻と前記重畳時刻との間の時間をt 、前記2つの計測時刻どうしの間の時間をΔtとしたときの、
    =t /Δt
    であらわされる規格化時間 を採用し、該規格化時間 を、前記演算装置に、
    ={p inf
    の関係式あるいは該関係式と等価な関係式を用いて求めさせるプログラムであることを特徴とする画像計測プログラム記憶媒体。
  7. 所定の計測空間内の所定の観察点から該計測空間内を眺めたときの画像にあらわれた、該計測空間内の任意の計測点の、相互に異なる2つの計測時刻における各計測位置をそれぞれp ,p 、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な、前記2つの計測時刻の間における移動方向vと同一の方向への、かつ前記2つの計測時刻の間の移動速度と同一の速度での移動がそのまま継続されるものと予定した移動継続状態における無限時間経過後の前記計測点の位置をp inf 、前記移動継続状態において前記計測点を含む計測平面が前記観察点に重なる重畳時刻における前記計測点の位置をp 、前記計測平面の方位をn としたとき、
    前記計測点の4つの位置p inf ,p ,p ,p で決まる複比{p inf }あるいは該複比と等価な演算と、前記計測平面の方位n と前記移動方向vとの内積(n ・v)とを用いて、前記観察点から前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面までの最短距離を指標する物理量を求める画像計測プログラムが記憶され、
    前記画像計測プログラムが、演算装置内で実行されたときに、前記最短距離を指標とする物理量として、前記観察点と、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻における前記計測平面との間の最短距離をd 、前記2つの計測時刻のうちの一方の計測時刻と前記重量時刻との間の時間をt 、前記2つの計測時刻どうしの間の、前記計測点の、前記観察点に対する相対的な移動距離をΔx、前記2つの計測
    時刻どうしの間の時間をΔtとしたときの、
    =d /Δx
    であらわされる規格化最短距離 を採用し、該規格化最短距離 を、前記演算装置に、
    =t /Δt
    であらわされる規格化時間 と前記内積(n ・v)とを用いた、
    (n ・V)
    の関係式を用いて求めさせるプログラムであることを特徴とする画像計測プログラム記憶媒体。
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