JP3948388B2 - Stabilizer bush - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のスタビライザバーの外周に嵌合固定される筒状のゴム弾性体部と、ゴム弾性体部の外周側に装着されたブラケットとを有し、ブラケットにより下側から車体側部材に対して固定されて、スタビライザバーを車両上下方向に弾性支持するスタビライザブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスタビライザブッシュは、スタビライザバーに接着されることなく、筒状のゴム弾性体部にブラケットで締め付けて予圧縮を与えることによりスタビライザバーに緊密に固定されている(例えば特許文献1参照)。しかし、このスタビライザブッシュは、空間部を有しないゴム弾性体のみからなるために、ブラケットの締付けによる予圧縮が不十分であった。そのため、例えばスタビライザバーとスタビライザブッシュ間に水が侵入したときや、気温が−30℃程度のような非常な低温に下がったようなとき、スタビライザバーとスタビライザブッシュとの間ですべり(スティックスリップ)が起こり、そのために異音を発生するという問題があった。
【0003】
これに対して、他のスタビライザブッシュは、ゴム弾性体部の軸穴内周面全体に、摺動性の良好な例えばポリテトラフロロエチレン繊維等で編んだ円筒形の摺動層とその外周側に重ね合せたポリエステル繊維で編んだ補強層とからなる筒状のライナーを一体で設けている(例えば特許文献2参照)。このライナーを設けることにより、スタビライザブッシュの摩擦係数を低下させ、ライナーをスタビライザバーに対して円滑に滑らせることにより、スタビライザブッシュにおける異音の発生が抑えられていた。しかし、このようなライナーを用いた場合、ライナーの摺動性が良好な場合は良いが、ライナーの材質の経時変化等によってライナーの摺動性が低下することにより、上記異音が発生するおそれがあった。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−91474号公報(第2頁、図4、図5)
【特許文献2】
特開平4−316728号公報(第2頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した問題を解決しようとするもので、スタビライザバーをゴム弾性体部の軸穴に嵌合することにより、ゴム弾性体部に大きな予圧縮を与えると共に捩り方向のばね定数を柔かくして、スタビライザバーの軸穴におけるすべりを抑え、それに伴う異音の発生を確実に防止することができるスタビライザブッシュを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、長尺板状の第1板金具と、長尺板状で長手方向両端側の取付板部と、一対の取付板部に挟まれて山形に折り曲げられた中間山部とを設けており、一対の取付板部にて第1板金具の長手方向両端側に重ね合されて、中間山部により第1板金具との間に幅方向に延びた空間部を形成する第2板金具と、第1板金具及び第2板金具の空間部に面した内側面にそれぞれ直接ゴム加硫成形されて空間部に延びた第1ゴム部及び第2ゴム部からなり、空間部の略中心位置にて第1ゴム部と第2ゴム部に囲まれると共に幅方向に延びる軸穴を有し、軸穴の周方向に沿った少なくとも3箇所から略径方向に延びると共に軸穴に沿って延びたスリットを有するゴム弾性体部とを備え、ゴム弾性体部を介した第1板金具及び第2板金具による締め付けにより、スタビライザバーが軸穴に嵌合固定された状態で、スリットが隙間を有していることにある。
【0007】
上記のように構成した請求項1の発明においては、第1板金具及び第2板金具の内側面に形成されたゴム弾性体部が、その軸穴の周方向に沿った少なくとも3箇所から略径方向に延びると共に軸穴に沿って延びたスリットを設けている。そのため、第1及び第2板金具により第1及び第2ゴム部を介して締め付けられて、スタビライザバーが軸穴に嵌合固定されたときに、径方向に圧縮されたゴム弾性体部の変形がスリットで吸収される。その結果、請求項1の発明によれば、ゴム弾性体部の予圧縮量を多くとることができ、スタビライザバーのゴム弾性体部への取付強度を高めることができる。さらに、スリットは、軸穴にスタビライザバーが嵌合された状態で隙間を有しているため、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数が低くなっている。その結果、請求項1の発明によれば、スタビライザバーからの捩れ入力に対して、ゴム弾性体部が弾性変形により追従できるため、ゴム弾性体部の軸穴におけるスタビライザバーのすべりが適切に防止される。
【0008】
また、上記請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載のスタビライザブッシュにおいて、スリットが周方向に略等間隔に配置されると共に、第1ゴム部及び第2ゴム部の少なくとも一方には設けられており、さらにスリットの径方向長さが第1ゴム部及び第2ゴム部の径方向の肉厚の1/2以上であることにある。
【0009】
上記のように構成した請求項2の発明においては、スリットが規則的にゴム弾性体部に配置されていることにより、ゴム弾性体部の径方向及び周方向のばね定数が均一にされ、径方向の振動入力及び周方向の捩り振動入力に対するゴム弾性体部の均一な変位が確保され、その振動減衰機能が適正に発揮される。また、スリットの径方向長さが第1及び第2ゴム部の径方向の肉厚の1/2以上にされているため、スタビライザバーが軸穴に嵌合固定されたときに、径方向に圧縮されたゴム弾性体部の変形がスリットで一層確実に吸収される。また、スリットを長くしたことにより、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数がさらに柔かくされる。
【0010】
また、上記請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1又は2に記載のスタビライザブッシュにおいて、第1ゴム部と第2ゴム部との境界位置にも、スリットを設けたことにある。このように第1ゴム部と第2ゴム部との境界にも、スリットを設けたことにより、第1及び第2ゴム部でスタビライザバーを挟んで第1及び第2板金具で締め付けてスタビライザブッシュを固定させるときに、第1ゴム部と第2ゴム部との境界に周方向の無用な圧縮力が作用しない。そのため、このスリットによってゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数の柔かさが確保される。
【0011】
また、上記請求項4に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から3のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、ゴム弾性体部に、スリットの間にて軸穴に沿って延びる貫通孔であるすぐり部を設けたことにある。このようにゴム弾性体部にすぐり部を設けたことにより、スリットと同様に、ゴム弾性体部の径方向の圧縮を吸収することができ、ゴム弾性体部の大きな予圧縮量を確保することができる。また、すぐり部により、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数を低くすることができる。
【0012】
また、上記請求項5に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から4のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、第1板金具及び第2板金具のいずれか一方の長手方向両端に係合孔を設けると共に、第1板金具及び第2板金具の他方の長手方向両端に係合孔に係止される係止片を設けたことにある。これにより、第1板金具側と第2板金具側とでスタビラーザーバーを挟持した状態で、いずれか一方の板金具の長手方向両端に設けた係合孔に、他方の板金具の長手方向両端に設けた係止片を係止させることにより、別個の取付部材等を用いることなく、第1及び第2板金具の取り付けが簡易かつ強固に行われる。
【0013】
また、上記請求項6に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から5のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、第1板金具及び第2板金具の空間部を囲む部分の形状が略正三角形にされていることにある。このように、空間部に面した第1板金具及び第2板金具部分の形状が略正三角形にされていることにより、スタビライザバーからの振動入力が三角形の3辺によって略対称にバランスよく受けとめられる。そのため、ゴム弾性体部の予圧縮量のバラツキが抑えられ、捩れ方向のばね定数が均一にされる。
【0014】
また、上記請求項7に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から6のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、第2板金具が、長手方向中間で分離可能に固定された第1板部と第2板部とに分けられており、さらに第2ゴム部がそれぞれ第1板部と第2板部に加硫成形された第1小部分と第2小部分に分離されていることにある。このように第2板金具を2つに分離することによっても、一体の場合と同様の効果が得られ、さらに、ゴム弾性体部の形成が容易に行われ、成形型の形成が簡易かつ安価に行われる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1,図2は、第1実施形態である自動車のサスペンション装置に設けたスタビライザバーSに装着されたスタビライザブッシュ10を軸直角断面図及び軸線位置での断面図により示したものである。スタビライザブッシュ10は、長尺板状で略平坦な第1板金具11と、長尺板状で長手方向両端側の取付板部16と、一対の取付板部16に挟まれて山形に折り曲げられた中間山部17とを設けており、一対の取付板部16にて第1板金具11の長手方向両端側に重ね合されて、中間山部17により第1板金具11との間に幅方向に延びた空間部Kを形成する第2板金具15と、第1及び第2板金具11,15の内側面にそれぞれゴム加硫成形されて空間部Kに延びると共に空間部Kの中心位置に軸穴21aを有し、軸穴21aの周方向に沿った少なくとも3箇所から略径方向に延びると共に軸穴21aに沿って延びたスリット23,27,28を有するゴム弾性体部21とを備えている。
【0016】
第1板金具11は、図3に示すように、長方形の平板にプレス加工を施して形成されたもので、長手方向幅方向共にそれぞれの中心線に対して対称形状となっており、長手方向両端側の平板部12と、両平板部12の間にて平板部12から一表面側にわずかに突出した中間部13とを有している。中間部13は、長手方向両端にて平板部12に対して垂直に突出しており、突出面の平板部12側が長手方向内方に向けて平坦にかつわずかに延びた平坦部13aになっており、さらに両平坦部13aの間が平板部12側に円弧状にわずかに凹んだ凹部13bとになっている。平板部12の長手方向両端には、係止片14が取り付けられている。係止片14は、幅が平板部12及び中間部13の略1/3程度であり、長手方向にわずかに突出する水平片14aと、水平片14aの突出端にて中間部13の突出方向に垂直に折り曲げられてわずかに突出した垂直片14bとを有している。また、平板部12は、係止片14との境界近傍位置に、取付孔12aを設けている。
【0017】
凹部13bの第2板金具15と対向する内壁面には、後述する第2ゴム部25と共にゴム弾性体部21を構成する第1ゴム部22が、長手方向両端及び幅方向の両端近傍位置にかけて加硫成形により形成されている。第1ゴム部22は、長手方向両側面が平板部12に対して略垂直に立ち上がっており、その上側で正面視で頂角が略45°の3つの略二等辺三角形状の山形部22a,22b,22cが頂部を合せて略扇形になるように組み合わされており、両側の山形部22a,22cの外側面が略135°をなしている。各山形部22a,22b,22cの間は、それぞれ線状のスリット23になっており、凹部13bの内壁面近傍位置まで延びている。各山形部22a,22b,22cの頂部はわずかに凹んだ面になっており、ゴム弾性体部21の軸穴21aの一部を構成するように円弧形状に配列されている。
【0018】
第2板金具15は、図4に示すように、長方形の平板にプレス加工を施して曲げ形成されたもので、長手方向幅方向共にそれぞれの中心線に対して対称形状となっており、長手方向両端側の取付板部16と、両取付板部16の間にて略正三角形山形に形成された中間山部17とを有している。中間山部17は、三角形の辺より外側にわずかに円弧状に膨出しており、頂部も円弧状に丸められている。取付板部16の長手方向両端近傍位置には、一対の取付孔16aが第1板金具11の取付孔12aとの対応位置に設けられている。さらに、両取付板部16の長手方向外端と取付孔16aとの間には、それぞれ幅方向に延びた細長い係合孔18が設けられている。第1板金具11の係止片14が、係合孔18に挿入されさらに垂直片14bが長手方向端部側に折り曲げられることにより、係合孔18に係止されるようになっている。
【0019】
中間山部17の内壁面には、第2ゴム部25が、長手方向の下端近傍位置及び幅方向の両端近傍位置の間に加硫成形により形成されている。第2ゴム部25は、長手方向両側が内壁面からわずかに突出した平坦部25aになっており、一対の平坦部25aの間に、正面視で頂角が略45°の5つの三角形の山形部26a,26b,26c,26d,26eが各頂部を合せて扇形になるように組み合わされており、両側の山形部22a,22cの外側面による中心角が略225°になっている。各山形部26a,26b,26c,26d,26eの間は、それぞれ線状のスリット27になっており、中間山部17の内壁面近傍位置まで延びている。各山形部26a,26b,26c,26d,26eの頂部はわずかに凹んだ面になっており、ゴム弾性体部21の軸穴21aの一部を構成するように円弧形状に配列されている。
【0020】
このスタビライザブッシュ10については、スタビライザバーSの外周面に、第1板金具11に形成された第1ゴム部22の山形部22a〜22cの頂部を合せ、さらに第2板金具15に形成された第2ゴム部25の山形部26a〜26eの頂部を合せ、第1及び第2板金具11,15によって締め付けられ、第1板金具11の平板部12と第2板金具15の取付板部16とが重ね合わされる。これにより、第1及び第2ゴム部22,25が、大きな予圧縮を受ける。さらに、第1板金具11の係止片14を第2板金具15の係合孔18に挿入し、垂直片14bを長手方向外側に曲げることにより、係止片14が係合孔18に係止され、スタビライザブッシュ10が形成されると共に、スタビライザバーSに強固に固定される。ここで、第1ゴム部22の第1山形部22aと第2ゴム部25の平坦部25a及び第1山形部26aの外側面との間、第3山形部22cと第2ゴム部25の平坦部25a及び第5山形部26eの外側面との間にそれぞれ隙間が設けられ、さらに第2ゴム部25の平坦部25aと第1板金具11の中間部13の両側平坦部13aとの間に隙間が設けられる。これら両隙間が繋がって第3のスリット28が構成される。
【0021】
このように、ゴム弾性体部21がスタビライザバーSによって大きな予圧縮を受けることにより、スタビライザバーSが、ゴム弾性体部21の軸穴21aに大きな締め代で強固に固定される。ゴム弾性体部21については、径方向に大きな圧縮力を受けて、さらに第1及び第2板金具11,15に加硫接着されていることにより、大きな予圧縮を受けるが、この状態でスリット23,27,28の隙間が確保されていることから、その捩れ方向(周方向)のばね定数は柔かくされている。
【0022】
スタビライザバーSに取り付けられたスタビライザブッシュ10は、第1板金具11を上側にして、取付孔12a,16aを通してボルト等の取付部材により車体側部材(図示しない)に固定される。このようにスタビライザバーSと車体側部材間に組付けられたスタビライザブッシュ10により、サスペンション装置側からの振動の車体側への伝播を抑えることができる。
【0023】
上記第1実施形態においては、第1板金具11及び第2板金具15の内側面に形成されたゴム弾性体部21が軸穴21aの周方向に沿った複数箇所から径方向に延びると共に軸穴21aに沿って延びたスリット23,27,28を設けており、このスリット23,27,28の長さが第1及び第2ゴム部22,25の径方向の肉厚の1/2以上にされている。そのため、スタビライザバーSが軸穴21aに嵌合されることにより、ゴム弾性体部21が径方向に大きく予圧縮されたとき、ゴム弾性体部21の弾性変形がスリット23,27,28で部分的に吸収される。その結果、スタビライザブッシュ10は、ゴム弾性体部21の予圧縮量を多くとることができ、ゴム弾性体部21のスタビライザバーSへの取付強度を高めることができる。
【0024】
さらに、スリット23,27,28は、軸穴21aにスタビライザバーSが嵌合された状態で隙間を確保しているため、ゴム弾性体部21の捩れ方向のばね定数が低くなっている。その結果、第1実施形態においては、スタビライザバーSからの捩れ入力に対しては、ゴム弾性体部21が弾性変形により追従できるため、ゴム弾性体部21の軸穴21aにおけるスタビライザバーSのすべりが抑えられ、すべりによる異音の発生が確実に防止される。
【0025】
また、このスタビライザブッシュ10においては、第1ゴム部22と第2ゴム部25との境界にもスリット28が設けられたことにより、第1及び第2ゴム部22,25でスタビライザバーSを挟んで第1板金具11及び第2板金具15で締め付けてスタビライザブッシュ10を固定させるときに、第1ゴム部22と第2ゴム部25との境界部分に周方向の無用な圧縮力が作用しない。そのため、ゴム弾性体部21の捩れ方向のばね定数の柔かさがスリット28によって確保される。
【0026】
さらに、スタビライザブッシュ10においては、第1板金具11側と第2板金具15側とでスタビラーザーバーSを挟持し、両板金具11,15の平板部12,16がそれぞれ重ね合された状態で、第2板金具15の長手方向両端に設けた係合孔18に、第1板金具11の長手方向両端に設けた係止片14の垂直片14bを折り曲げて係止させることにより、スタビライザブッシュ10がスタビライザバーSに強固に取り付けられる。このように、第1板金具11と第2板金具15が、別個の取付部材を用いることなく、簡易に取り付けられるため、両板金具11、15を取り付けるためのコストが大幅に削減される。
【0027】
また、スタビライザブッシュ10においては、ゴム弾性体部21が突出した空間部Kに面した第1板金具11及び第2板金具15部分の形状が略正三角形にされていることにより、スタビライザバーSからの振動入力が三角形の3辺によりバランスよく受け止められる。そのため、ゴム弾性体部21の予圧縮量のバラツキが抑えられ、捩れ方向のばね定数が均一にされる。その結果、軸穴21aでのスタビライザバーSのすべりがより確実に抑えられ、すべりに伴う異音の発生が防止される。
【0028】
つぎに、第2実施形態について説明する。
図5,図6は、第2実施形態であるスタビライザバーSに装着されたスタビライザブッシュ30を正面図及び断面図により示したものである。本実施形態においては、ゴム弾性体部31の第1ゴム部32及び第2ゴム部35の構造について変更を加えたものであり、第1及び第2板金具11,15については上記第1実施形態と同様である。
【0029】
第1ゴム部32は、図7に示すように、第1板金具11の中間部13に設けた凹部13bの長手方向両端及び幅方向の両端近傍位置にかけて加硫成形により形成されている。第1ゴム部32は、長手方向両側が平板部12に対して略垂直に立ちあがった平坦部32aになっており、平坦部32aに挟まれた中間が山状の山形部32bになっている。山形部32bは、両側面により略120°の頂角を形成している。山形部32bの頂部32cは、ゴム弾性体部31の軸穴31aに構成するためにわずかに円弧状に凹んでいる。さらに、第1ゴム部32の長手方向中間位置には、径方向に長い略菱形状のすぐり部33が幅方向に貫通して設けられている。
【0030】
第2ゴム部35は、図8に示すように、第2板金具15の中間山部17の内壁面にて長手方向の下端近傍位置及び幅方向両端近傍位置の間に加硫成形により形成されている。第2ゴム部35は、長手方向両側部分(図示下端部分)が壁面からわずかに突出した略平坦な平坦部35a,35bであり、一対の平坦部35a,35bから第2板金具15の頂部の間に、正面視で頂角が略120°の2つの三角形の山形部36a,36bが各頂部を合せて略扇形になるように組み合わされており、両山形部36a,36bの外側面による中心角が略240°になっている。両山形部36a,36bの間は、それぞれ幅の広い略菱形状のスリット37になっており、中間山部17の内壁面近傍位置まで延びている。各山形部36a,36bの頂部36c,36dは、わずかに凹んでおり、ゴム弾性体部31の軸穴31aを構成するように円弧形状に配列されている。また、両山形部36a,36bは、その周方向の中心位置には、それぞれ縦長菱形形状のすぐり部38を設けている。
【0031】
上記スタビライザブッシュ30についても、スタビライザバーSの外周面に、第1板金具11に形成された第1ゴム部32の山形部32bの頂部32cを合せ、さらに第2板金具15に形成された第2ゴム部35の山形部36a,36bの頂部36c,36dを合せ、第1及び第2板金具11,15によって締め付けられ、第1板金具11の平板部12と第2板金具15の取付板部16とが重ね合わされる。これにより、第1及び第2ゴム部32,35が、大きな予圧縮を受ける。さらに、第1板金具11の係止片14を第2板金具15の係合孔18に挿入し、垂直片14bを長手方向外側に曲げることにより、係止片14が係合孔18に係止され、スタビライザブッシュ30が形成されると共に、スタビライザバーSに強固に固定される。
【0032】
これにより、第1ゴム部32の平坦部32a及び山形部32bと第2ゴム部35の平坦部35a及び第1山形部36aとの間に菱形の隙間が設けられると共に、第1ゴム部32の平坦部32a及び山形部32bと第2ゴム部35の平坦部35b及び第2山形部36bとの間に菱形の隙間が設けられる。また、第2ゴム部35の両平坦部35aと第1板金具11の中間部13の両側平坦部13aとの間に隙間が設けられる。これらの隙間が繋がって一対の第2のスリット39が構成される。
【0033】
このようにゴム弾性体部31がスタビライザバーSによって大きな予圧縮を受けることにより、スタビライザバーSが、ゴム弾性体部31の軸穴31aに大きな締め代で強固に固定される。ゴム弾性体部31は、径方向に大きな圧縮力を受けて、また第1及び第2板金具11,15に加硫接着されていることにより、大きな予圧縮を受けるが、この状態でスリット37,39の隙間が確保されており、さらにすぐり部33,38が設けられていることから、捩れ方向(周方向)のばね定数は柔かくされている。スタビライザバーSに取り付けられたスタビライザブッシュ30は、第1板金具11を上側にして、取付孔12a,16aを通してボルト等の取付部材により車体側部材に固定される。
【0034】
上記第2実施形態においては、第1板金具11及び第2板金具15の内側面に形成されたゴム弾性体部31が軸穴31aの周方向に沿った3箇所から径方向に延びると共に軸穴21aに沿って延びたスリット37,39が設けられており、このスリット37,39の長さが第1及び第2ゴム部32,35の径方向の肉厚の1/2以上にされており、さらにスリット37,39の間にすぐり部33,38が設けられている。そのため、軸穴31aにスタビライザバーSが嵌合されたときに、ゴム弾性体部31が径方向に圧縮されることによる弾性変形がスリット37,39及びすぐり部33,38で部分的に吸収される。その結果、スタビライザブッシュ30においても、第1実施形態に示したスタビライザブッシュ10と同様に、ゴム弾性体部31の軸穴31aにおけるスタビライザバーSのすべりが抑えられ、すべりによる異音の発生が確実に防止される。
【0035】
つぎに、第3実施形態について説明する。
図9は、第3実施形態であるスタビライザバーSに装着されたスタビライザブッシュ40を軸直角断面図により示したものである。本実施形態においては、第2板金具41について、第1板部42と第2板部46に分割すると共に、第2ゴム部25Aについても、互いに対称形状の第1小部分25Bと第2小部分25Cとに2分割したものである。第1板金具11及び第1ゴム部22については上記第1実施形態と同一である。
【0036】
第2板金具41は、図10に示すように、上記第1実施形態に示した第2板金具15と全体として同一形状であるが、長手方向中間位置で第1板部42と第2板部46に分割されている。第1板部42と第2板部46とは、連結部分を除いて同一形状になっている。第1板部42は、長手方向一端側の平板部43と、平板部に続く半山形形状の曲板部44と、曲板部44の長手方向他端にて平板部43に垂直にわずかに突出した連結板部45とを設けている。連結板部45には、他端側に幅方向に延びた細い長い係合孔45aが設けられている。第2板部46も、第1板部42と同様に、長手方向一端側の平板部47と、平板部に続く半山形形状の曲板部48と、曲板部48の長手方向他端にて平板部47に垂直にわずかに突出した連結板部49とを設けている。連結板部49の突出端側の幅方向中間位置には、係止片49aが連結板部49の延長方向にわずかに突出して設けられており、上記係合孔45aに係止されるようになっている。
【0037】
第2ゴム部25Aは、図10に示すように、上記第1実施形態における第2ゴム部25を長手方向中間にて第1板部42に加硫成形された第1小部分25Bと、第2板部46に加硫成形された第2小部分25Cとに分割したものであり、第1小部分25Bと第2小部分25Cは全く対称形状になっている。したがって、第1小部分25Bと第2小部分25Cのスリットを含む各部分の形状についても、第2ゴム部25と同様である。そして、第1小部分25Bを設けた第1板部42と、第2小部分25Cを設けた第2板部46とを、第1及び第2小部分25B,25Cを重ね合わせると共に連結板部45、49を重ね合わせて、係止片49aを係合孔45aに係止させることにより、第2板金具41及び第2ゴム部25Aとして一体化される。
【0038】
以上に説明したように、第3実施形態においては、第2板金具41及び第2ゴム部25Aが2つに分離されているが、これによっても、上記第1実施形態に示した一体の第2板金具15を用いた場合と同様の効果が得られる。さらに、ゴム弾性体部の形成が容易に行われるため、成形型の形成が簡易かつ安価に行われる。なお、第3実施形態については、上記第2実施形態に示した第2板金具15及び第2ゴム部35に対しても、同様に適用することが可能である。
【0039】
なお、上記各実施形態においては、スリットが、周方向に略等間隔で配置されているが、周方向の間隔を不規則な配置とすることも可能である。また、スリットが第1ゴム部と第2ゴム部との境界位置に設けられているが、スリットを第1及び第2ゴム部のみに設けて、境界位置には設けないようにすることも可能である。なお、上記各実施形態においては、第1板金具に係止片が、第2板金具に係合孔が設けられているが、この逆の配置であってもよい。また、第1板金具と第2板金具の取り付けについては、上記係止片及び係合孔を用いる代りに、別個の取付部材を用いて行ってもよい。また、スタビライザバーのゴム弾性体部の軸穴への嵌合については、上記各実施形態に代えて、予め第1及び第2板金具側を固定しておき、その軸穴にスタビライザバーを挿嵌させることも可能である。その他、上記実施形態に示したスタビライザブッシュについては、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【0040】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、ゴム弾性体部にスリットを設けたことにより、ゴム弾性体部の予圧縮量を多くとることができ、スタビライザバーのゴム弾性体部への取付強度が高められると共に、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数が低くされており、スタビライザバーからの捩れ入力に対してゴム弾性体部が弾性変形により追従できる。その結果、請求項1の発明においては、ゴム弾性体部の軸穴におけるスタビライザバーのすべりが抑えられ、それに伴う異音の発生が確実に防止される。また、請求項2の発明によれば、スリットが規則的にゴム弾性体部に配置されていることにより、径方向の振動入力及び周方向の捩り振動入力に対するゴム弾性体部の均一な変位が確保され、その振動減衰機能が適正に発揮される。さらに、スリットの径方向長さを、第1及び第2ゴム部の径方向の肉厚の1/2以上とすることにより、ゴム弾性体部の径方向の圧縮変形を吸収する効果が高められる。
【0041】
また、第1ゴム部と第2ゴム部との境界にも、スリットを設けたことにより、スタビライザバーをスタビライザブッシュの軸穴に嵌合固定させるときに、第1ゴム部と第2ゴム部との境界に周方向の無用な圧縮力が作用しない。そのため、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数の柔かさがスリットによって確保される(請求項3の発明の効果)。さらに、スリットに加えてゴム弾性体部にすぐり部を設けることにより、スリットと同様に、ゴム弾性体の径方向の圧縮を吸収することができ、ゴム弾性体部の大きな予圧縮量を確保することができると共に、ゴム弾性体部の捩れ方向のばね定数を低くすることができる(請求項4の発明の効果)。また、第1板金具側と第2板金具側とを、それぞれの両端に設けた係合孔に係止片を係止させて固定できることにより、別個の取付部材を用いることなく第1及び第2板金具の取り付けが簡易かつ強固に行われるため、その取付コストが低減される(請求項5の発明の効果)。
【0042】
また、空間部に面した第1板金具及び第2板金具部分の形状が略正三角形にされていることにより、ゴム弾性体部の予圧縮量のバラツキが抑えられ、捩れ方向のばね定数が均一にされ、その結果、スタビライザバーの軸孔におけるすべりが抑えられ、それに伴う異音の発生が防止される(請求項6の発明の効果)。また、第2板金具を2つに分離することによっても、一体の場合と同様の効果が得られ、さらに、ゴム弾性体部の形成が容易に行われ、成形型の形成が簡易かつ安価に行われる(請求項7の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態であるスタビライザバーに取り付けられたスタビライザブッシュを示す図2のI−I線方向の断面図である。
【図2】スタビライザバーに取り付けられたスタビライザブッシュを示す図1のII−II線方向の断面図である。
【図3】スタビライザブッシュを構成する第1板金具及び第1ゴム部を示す正面図、平面図及びIII−III線方向の断面図である。
【図4】スタビライザブッシュを構成する第2板金具及び第2ゴム部を示す正面図、平面図及びIV−I線方向の断面図である。
【図5】第2実施形態であるスタビライザバーに取り付けられたスタビライザブッシュを示す正面図である。
【図6】スタビライザバーに取り付けられたスタビライザブッシュを示す図5のVI−VI線方向の断面図である。
【図7】スタビライザブッシュを構成する第1板金具及び第1ゴム部を示す正面図、平面図及びVII−VII線方向の断面図である。
【図8】スタビライザブッシュを構成する第2板金具及び第2ゴム部を示す正面図、平面図及びVIII−VIII線方向の断面図である。
【図9】第3実施形態であるスタビライザブッシュを示す軸直角断面図である。
【図10】スタビライザブッシュを構成する第2板金具及び第2ゴム部を示す正面図、底面図及びVIII−VIII線方向の側面図である。
【符号の説明】
10…スタビライザブッシュ、11…第1板金具、12…平板部、13…中間部、14…係止片、15…第2板金具、16…取付板部、17…中間山部、18…係合孔、21…ゴム弾性体部、22…第1ゴム部、22a〜22c…山形部、23…スリット、25…第2ゴム部、25A…第2ゴム部、25B…第1小部分、25C…第2小部分、25a…平坦部、26a〜26e…山形部、27…スリット、28…スリット、30…スタビライザブッシュ、31…ゴム弾性体部、32…第1ゴム部、32a…平坦部、32b…山形部、33…すぐり部、35…第2ゴム部、35a,35b…平坦部、36a,36b…山形部、37…スリット、38…すぐり部、39…スリット、40…スタビライザブッシュ、41…第2板金具、42…第1板部、45a…係合孔、46…第2板部、49a…係止片、S…スタビライザバー。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention has a cylindrical rubber elastic body portion fitted and fixed to the outer periphery of a stabilizer bar of a vehicle, and a bracket attached to the outer peripheral side of the rubber elastic body portion. It is related with the stabilizer bush fixed with respect to, and elastically supporting a stabilizer bar in a vehicle up-down direction.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, this type of stabilizer bush is tightly fixed to a stabilizer bar by being fastened with a bracket to a cylindrical rubber elastic body portion and pre-compressed without being bonded to the stabilizer bar (for example, Patent Document 1). reference). However, since this stabilizer bush consists only of the rubber elastic body which does not have a space part, the precompression by clamp | tightening of a bracket was inadequate. Therefore, for example, when water enters between the stabilizer bar and the stabilizer bush, or when the temperature drops to a very low temperature of about -30 ° C, the slip between the stabilizer bar and the stabilizer bush (stick slip). There was a problem that abnormal noise was generated.
[0003]
In contrast, other stabilizer bushes have a cylindrical sliding layer knitted with, for example, polytetrafluoroethylene fiber having good slidability on the entire inner peripheral surface of the shaft hole of the rubber elastic body portion and the outer peripheral side thereof. A cylindrical liner composed of a reinforcing layer knitted with superposed polyester fibers is integrally provided (see, for example, Patent Document 2). By providing this liner, the friction coefficient of the stabilizer bush is lowered, and the liner is smoothly slid with respect to the stabilizer bar, thereby suppressing the generation of abnormal noise in the stabilizer bush. However, when such a liner is used, it is good if the liner has good slidability, but the above-mentioned abnormal noise may occur due to deterioration of the slidability of the liner due to changes in the liner material over time, etc. was there.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-7-91474 (2nd page, FIG. 4, FIG. 5)
[Patent Document 2]
JP-A-4-316728 (2nd page, FIG. 5)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is intended to solve the above-described problem, and by fitting a stabilizer bar to the shaft hole of the rubber elastic body portion, the rubber elastic body portion is largely precompressed and the spring constant in the torsion direction is softened. An object of the present invention is to provide a stabilizer bush that can suppress slippage in the shaft hole of the stabilizer bar and reliably prevent the generation of abnormal noise.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the constitutional feature of the invention described in claim 1 includes a long plate-shaped first plate metal fitting, a long plate-shaped attachment plate portion at both longitudinal ends, a pair And an intermediate peak portion that is bent in a mountain shape by being sandwiched between the mounting plate portions of the first metal plate and is overlapped on both ends in the longitudinal direction of the first metal plate by the pair of mounting plate portions. A rubber plate is directly vulcanized and molded on the inner surface of the first plate and the second plate that faces the space, and a second plate that forms a space extending in the width direction between the plate and the plate. A first rubber part and a second rubber part extending in the middle of the space part. The shaft part is surrounded by the first rubber part and the second rubber part at a substantially central position of the space part and has a shaft hole extending in the width direction. A rubber elastic body portion having a slit extending in a substantially radial direction from at least three locations along the direction and extending along the shaft hole. Tightening of the first plate metal member and the second plate fitting through elastic body, in a state where the stabilizer bar is fitted and fixed to the shaft bore, in that the slit has a gap.
[0007]
In the invention of claim 1 configured as described above, the rubber elastic body portions formed on the inner surface of the first plate metal fitting and the second plate metal fitting are substantially from at least three locations along the circumferential direction of the shaft hole. A slit extending in the radial direction and extending along the axial hole is provided. Therefore, when the stabilizer bar is fastened by the first and second metal fittings via the first and second rubber parts and the stabilizer bar is fitted and fixed in the shaft hole, the deformation of the rubber elastic body part compressed in the radial direction is deformed. Is absorbed by the slit. As a result, according to the invention of claim 1, it is possible to increase the amount of pre-compression of the rubber elastic body portion, and it is possible to increase the mounting strength of the stabilizer bar to the rubber elastic body portion. Furthermore, since the slit has a gap in a state where the stabilizer bar is fitted in the shaft hole, the spring constant in the twist direction of the rubber elastic body portion is low. As a result, according to the invention of claim 1, since the rubber elastic body portion can follow the torsional input from the stabilizer bar by elastic deformation, it is possible to appropriately prevent the stabilizer bar from slipping in the shaft hole of the rubber elastic body portion. Is done.
[0008]
The structural feature of the invention described in claim 2 is that, in the stabilizer bush according to claim 1, the slits are arranged at substantially equal intervals in the circumferential direction, and the first rubber portion and the second rubber are provided. It is provided in at least one of the portions, and the radial length of the slit is more than 1/2 of the radial thickness of the first rubber portion and the second rubber portion.
[0009]
In the invention of claim 2 configured as described above, since the slits are regularly arranged in the rubber elastic body portion, the radial and circumferential spring constants of the rubber elastic body portion are made uniform, and the diameter Uniform displacement of the rubber elastic body portion with respect to the vibration input in the direction and the torsional vibration input in the circumferential direction is ensured, and the vibration damping function is properly exhibited. Further, since the radial length of the slit is at least half of the radial thickness of the first and second rubber portions, when the stabilizer bar is fitted and fixed in the shaft hole, The deformation of the compressed rubber elastic body portion is more reliably absorbed by the slit. Further, by making the slit longer, the spring constant in the twisting direction of the rubber elastic body portion is further softened.
[0010]
The structural feature of the invention described in claim 3 is that the stabilizer bush according to claim 1 or 2 is provided with slits at the boundary position between the first rubber portion and the second rubber portion. There is. Thus, by providing a slit also at the boundary between the first rubber portion and the second rubber portion, the stabilizer bush is clamped by the first and second plate fittings with the stabilizer bar sandwiched between the first and second rubber portions. When the is fixed, unnecessary circumferential compressive force does not act on the boundary between the first rubber part and the second rubber part. Therefore, the flexibility of the spring constant in the torsional direction of the rubber elastic body portion is ensured by this slit.
[0011]
Further, the structural feature of the invention according to claim 4 is that the stabilizer bush according to any one of claims 1 to 3, in the rubber elastic body portion, along the shaft hole between the slits. In other words, a straight portion that is a through-hole extending in the direction is provided. By providing the curving portion in the rubber elastic body portion in this way, the compression in the radial direction of the rubber elastic body portion can be absorbed similarly to the slit, and a large pre-compression amount of the rubber elastic body portion is ensured. Can do. Further, the spring part can reduce the spring constant in the twist direction of the rubber elastic body part.
[0012]
Further, the structural feature of the invention described in claim 5 is that the stabilizer bush according to any one of claims 1 to 4, wherein either one of the first plate fitting and the second plate fitting is elongated. In addition to providing engagement holes at both ends in the direction, locking pieces to be locked to the engagement holes are provided at both ends in the other longitudinal direction of the first plate fitting and the second plate fitting. As a result, in the state where the stabilizer bar is sandwiched between the first metal plate side and the second metal plate side, the longitudinal direction of the other metal plate is fitted into the engagement holes provided at both longitudinal ends of either metal plate. By locking the locking pieces provided at both ends, the first and second plate fittings can be easily and firmly attached without using separate mounting members or the like.
[0013]
The structural feature of the invention described in claim 6 is that the stabilizer bushing according to any one of claims 1 to 5 is a portion surrounding the space portion of the first plate fitting and the second plate fitting. The shape of this is that it is a substantially equilateral triangle. As described above, the shape of the first and second metal fittings facing the space is made into a substantially equilateral triangle, so that vibration input from the stabilizer bar is received in a substantially symmetrical manner in a balanced manner by the three sides of the triangle. It is done. Therefore, variation in the precompression amount of the rubber elastic body portion is suppressed, and the spring constant in the torsion direction is made uniform.
[0014]
Further, the structural feature of the invention described in claim 7 is that in the stabilizer bush according to any one of claims 1 to 6, the second plate metal fitting is fixed so as to be separable in the middle in the longitudinal direction. The first rubber plate is divided into a first plate portion and a second plate portion, and the second rubber portion is further separated into a first small portion and a second small portion formed by vulcanization of the first plate portion and the second plate portion, respectively. There is in being. By separating the second plate metal fitting into two in this way, the same effect as in the case of integration can be obtained, the rubber elastic body portion can be easily formed, and the molding die can be formed easily and inexpensively. To be done.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. 1 and 2 show a
[0016]
As shown in FIG. 3, the
[0017]
A
[0018]
As shown in FIG. 4, the
[0019]
A
[0020]
For the
[0021]
Thus, when the rubber
[0022]
The
[0023]
In the first embodiment, the rubber
[0024]
Furthermore, since the
[0025]
In the
[0026]
Further, in the
[0027]
Further, in the
[0028]
Next, a second embodiment will be described.
5 and 6 are a front view and a sectional view of a
[0029]
As shown in FIG. 7, the
[0030]
As shown in FIG. 8, the
[0031]
In the
[0032]
Thereby, a rhombus gap is provided between the
[0033]
Thus, when the rubber
[0034]
In the second embodiment, the rubber
[0035]
Next, a third embodiment will be described.
FIG. 9 shows a
[0036]
As shown in FIG. 10, the second plate fitting 41 has the same shape as the second plate fitting 15 shown in the first embodiment as a whole, but the
[0037]
As shown in FIG. 10, the
[0038]
As described above, in the third embodiment, the
[0039]
In each of the above embodiments, the slits are arranged at substantially equal intervals in the circumferential direction. However, the intervals in the circumferential direction can be irregularly arranged. Moreover, although the slit is provided at the boundary position between the first rubber part and the second rubber part, it is also possible to provide the slit only at the first and second rubber parts and not at the boundary position. It is. In each of the above embodiments, the first plate metal fitting is provided with a locking piece, and the second plate metal fitting is provided with an engagement hole. Moreover, you may perform attachment of a 1st board metal fitting and a 2nd board metal fitting using a separate attachment member instead of using the said locking piece and an engagement hole. As for fitting the rubber elastic body portion of the stabilizer bar into the shaft hole, the first and second plate metal parts are fixed in advance, and the stabilizer bar is inserted into the shaft hole instead of the above embodiments. It can also be fitted. In addition, the stabilizer bush shown in the above embodiment is an example and can be implemented in various forms without departing from the gist of the present invention.
[0040]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, by providing the rubber elastic body portion with the slit, it is possible to increase the amount of pre-compression of the rubber elastic body portion and to increase the mounting strength of the stabilizer bar to the rubber elastic body portion. In addition, the spring constant in the twisting direction of the rubber elastic body portion is lowered, and the rubber elastic body portion can follow the torsional input from the stabilizer bar by elastic deformation. As a result, according to the first aspect of the present invention, slippage of the stabilizer bar in the shaft hole of the rubber elastic body portion is suppressed, and the generation of abnormal noise associated therewith is reliably prevented. According to the invention of claim 2, since the slits are regularly arranged in the rubber elastic body portion, uniform displacement of the rubber elastic body portion with respect to radial vibration input and circumferential torsional vibration input is prevented. It is ensured and its vibration damping function is properly demonstrated. Furthermore, the effect of absorbing the radial compressive deformation of the rubber elastic body portion is enhanced by setting the radial length of the slit to ½ or more of the radial thickness of the first and second rubber portions. .
[0041]
Moreover, when the stabilizer bar is fitted and fixed to the shaft hole of the stabilizer bush by providing a slit at the boundary between the first rubber portion and the second rubber portion, the first rubber portion and the second rubber portion No unnecessary compressive force in the circumferential direction acts on the boundary. Therefore, the flexibility of the spring constant in the torsional direction of the rubber elastic body portion is ensured by the slit (effect of the invention of claim 3). Furthermore, by providing a straight portion on the rubber elastic body portion in addition to the slit, it is possible to absorb the compression in the radial direction of the rubber elastic body, as in the case of the slit, and to ensure a large pre-compression amount of the rubber elastic body portion. In addition, the spring constant in the torsional direction of the rubber elastic body portion can be reduced (effect of the invention of claim 4). In addition, the first and second metal plate sides can be fixed by locking the locking pieces in the engagement holes provided at both ends, so that the first and first plate members can be used without using separate mounting members. Since the two-plate metal fitting is easily and firmly attached, the attachment cost is reduced (effect of the invention of claim 5).
[0042]
In addition, since the shapes of the first plate fitting and the second plate fitting facing the space portion are substantially equilateral triangles, variations in the precompression amount of the rubber elastic body portion are suppressed, and the spring constant in the torsional direction is reduced. As a result, the slip in the shaft hole of the stabilizer bar is suppressed, and the generation of abnormal noise accompanying the slip is prevented (effect of the invention of claim 6). Also, by separating the second metal plate into two parts, the same effects as in the case of integration can be obtained, the rubber elastic body part can be easily formed, and the mold can be formed easily and inexpensively. (Effect of the invention of claim 7).
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG. 2, showing a stabilizer bush attached to a stabilizer bar according to a first embodiment of the present invention.
2 is a cross-sectional view taken along the line II-II in FIG. 1, showing a stabilizer bush attached to the stabilizer bar.
FIGS. 3A and 3B are a front view, a plan view, and a cross-sectional view in the III-III line direction showing a first metal plate and a first rubber part constituting the stabilizer bush.
FIGS. 4A and 4B are a front view, a plan view, and a cross-sectional view in the IV-I direction showing a second metal plate and a second rubber part constituting the stabilizer bush.
FIG. 5 is a front view showing a stabilizer bush attached to a stabilizer bar according to a second embodiment.
6 is a cross-sectional view taken along the line VI-VI in FIG. 5, showing a stabilizer bush attached to the stabilizer bar.
FIG. 7 is a front view, a plan view, and a sectional view in the direction of the VII-VII line showing a first metal plate and a first rubber part constituting the stabilizer bush.
FIG. 8 is a front view, a plan view, and a sectional view in the direction of the line VIII-VIII showing a second metal plate and a second rubber part constituting the stabilizer bush.
FIG. 9 is a cross-sectional view perpendicular to an axis showing a stabilizer bush according to a third embodiment.
FIG. 10 is a front view, a bottom view, and a side view in the direction of the line VIII-VIII showing a second metal plate and a second rubber part constituting the stabilizer bush.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (7)
長尺板状で長手方向両端側の取付板部と、該一対の取付板部に挟まれて山形に折り曲げられた中間山部とを設けており、該一対の取付板部にて前記第1板金具の長手方向両端側に重ね合されて、該中間山部により該第1板金具との間に幅方向に延びた空間部を形成する第2板金具と、
前記第1板金具及び第2板金具の前記空間部に面した内側面にそれぞれ直接ゴム加硫成形されて該空間部に延びた第1ゴム部及び第2ゴム部からなり、該空間部の略中心位置にて該第1ゴム部と第2ゴム部に囲まれると共に幅方向に延びる軸穴を有し、該軸穴の周方向に沿った少なくとも3箇所から略径方向に延びると共に該軸穴に沿って延びたスリットを有するゴム弾性体部とを備え、
前記ゴム弾性体部を介した前記第1板金具及び第2板金具による締め付けにより、スタビライザバーが前記軸穴に嵌合固定された状態で、前記スリットが隙間を有していることを特徴とするスタビライザブッシュ。A long plate-shaped first plate metal fitting,
A long plate-like mounting plate portion at both ends in the longitudinal direction and an intermediate mountain portion that is sandwiched between the pair of mounting plate portions and bent into a mountain shape are provided, and the first mounting plate portion includes the first mounting plate portion. A second metal plate that is overlapped on both ends in the longitudinal direction of the metal plate and forms a space extending in the width direction between the intermediate plate and the first metal plate;
The inner surface of the first plate metal fitting and the second plate metal fitting facing the space portion is directly formed by rubber vulcanization, and includes a first rubber portion and a second rubber portion extending to the space portion. The shaft has a shaft hole that is surrounded by the first rubber portion and the second rubber portion at a substantially central position and extends in the width direction. The shaft hole extends in a substantially radial direction from at least three locations along the circumferential direction of the shaft hole. A rubber elastic body portion having a slit extending along the hole,
The slit has a gap in a state where the stabilizer bar is fitted and fixed to the shaft hole by tightening with the first plate metal fitting and the second plate metal fitting through the rubber elastic body portion. Stabilizer bush.
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