JP3944126B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、直流電圧を所望の電圧に変換して電子機器に供給するスイッチング電源装置であって、特に同期整流回路を備えたスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2000−262052号公報
従来、直流電圧を変換するために、例えば同期整流回路を備えたシングルフォワードコンバータと称されるスイッチング電源装置が用いられている。このスイッチング電源装置は、図7の回路図に示すように、入力電源V1のプラス側の端子がメイントランスT1の一次巻線N1のドットを付した側の端子に接続され、一次巻線N1のドットのない側の端子が、MOS−FET等の主スイッチング素子TR1のドレインに接続されている。主スイッチング素子TR1のソースは、入力電源V1のマイナス側の端子に接続されている。さらに、主スイッチング素子TR1のゲートには、遅延回路2を介して制御回路4の制御信号が入力されている。制御回路4は、内部に発振回路を備え、主スイッチング素子TR1をオン/オフさせるための信号を出力する。
【0003】
メイントランスT1には、コアを介して二次巻線N2、及び三次巻線N3が設けられている。二次巻線N2のドットを付した側の端子は、フォワード側同期整流素子TR2のゲートに接続されているとともに、フライホイール側同期整流素子TR3のドレインに接続されている。さらに、二次巻線N2のドットを付した側の端子は、出力コンデンサC1の一端、及びプラス側の出力端子6に接続されている。二次巻線N2のドットのない側の端子は、フォワード側同期整流素子TR2のドレインに接続され、フォワード側同期整流素子TR2のソースが、出力チョークコイルL1のドットを付した側の端子、及びフライホイール側同期整流素子TR3のソースに接続されている。そして、出力チョークコイルL1のドットのない側の端子が、出力コンデンサC1の他端に接続されているとともに、マイナス側の出力端子8に接続されている。
【0004】
また、三次巻線N3のドットのない側の端子はダイオードD1のアノードに接続され、ダイオードD1のカソードは、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートに接続されているとともに、MOS−FET等のスイッチ素子TR4のドレインに接続されている。三次巻線N3のドットを付した側の端子は、スイッチ素子TR4のソースに接続されているとともに、フライホイール側同期整流素子TR3のソースに接続されている。
【0005】
また、メイントランスT1と並んで、信号伝達用トランスT2が設けられている。信号伝達用トランスT2の一次巻線N21のドットを付した側の端子が、制御回路4の出力に接続され、一次巻線N21のドットのない側の端子が入力電源V1のマイナス側の端子に接続されている。さらに、信号伝達用トランスT2は、メイントランスT1とは別体のコアを介して二次巻線N22を有し、二次巻線N22のドットを付した側の端子が、スイッチ素子TR4のゲートに接続され、二次巻線22のドットのない側の端子が、スイッチ素子TR4のソースに接続されている。
【0006】
次に、この同期整流型シングルフォワードコンバータの回路動作について、図8を基に説明する。まず、図8(a)に示すように、制御回路4から主スイッチング素子TR1をオン/オフさせるための制御パルス信号が出力される。そして、図8の期間Aで示されるように、制御回路4から出力されたパルス信号は、遅延回路2に入力され、一定の時間(図8中に示した遅延時間d)だけ遅延されて、遅延回路2からパルス信号が出力される。遅延回路2の出力は、主スイッチング素子TR1のゲート電圧として入力される(図8(b))。
【0007】
主スイッチング素子TR1がオンすると、入力電源V1からメイントランスT1の一次巻線N1のドットを付した側の端子にプラスの電圧が印加され、同時にメイントランスT1の一次巻線N1のドットを付した側の端子に電流が流れ込む。このとき、メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子からプラスの電圧が出力され、同時に、メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子から電流が流れ出す。
【0008】
メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子からプラスの電圧が出力されると、フォワード側同期整流素子TR2のゲートに電圧が印加され(図8(e))、フォワード側同期整流素子TR2が、主スイッチング素子TR1のオンと同期してオンする。これにより、メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子から出力された電流は、出力コンデンサC1、若しくは出力端子6,8に接続されている図示されていない負荷を経由し、出力チョークコイルL1のドットの無い側の端子からドットを付した側の端子を経由し、フォワード側同期整流素子TR2のソースからドレインを経て、メイントランスT1の二次巻線N2のドットの無い側の端子に流れ込む。このとき、出力チョークコイルL1のドットの無い側の端子には、プラスの電圧が印加されている状態となり、出力チョークコイルL1は、磁気エネルギーを蓄積する。
【0009】
次に、期間Aから期間Bへ移行する瞬間においては、制御回路4の出力がオフし、遅延時間dが経過して、主スイッチング素子TR1がオフすると(図8(c))、メイントランスT1の一次巻線N1のドットを付した側の端子への電流の流れ込みが止まる。同時に、メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子からの電流の流れ出しが止まる。このとき、メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子の電圧は、プラス側からゼロまで低下する(図8(d))。
【0010】
そして、メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子の電圧がプラスからゼロに変化すると、フォワード側同期整流素子TR2のゲート電圧もゼロになり、フォワード側同期整流素子TR2が、主スイッチング素子TR1と同期してオフする(図8(e))。
【0011】
その後、期間Bにおいて、メイントランスT1に流れていた励磁電流によって、メイントランスT1の一次巻線N1のドットを付した側の端子、およびメイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子にマイナスの電圧が発生し、メイントランスT1のリセット動作が行われる(図8のT1のリセット期間)。
【0012】
メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子にマイナスの電圧が発生すると、メイントランスT1の三次巻線N3のドットのない側の端子にプラスの電圧が発生する。このときメイントランスT1の三次巻線N3に発生した電圧は、ダイオードD1を経由して、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートに印加される。そして、フライホイール側同期整流素子TR3のゲート電圧が上昇して閾値Vthを超えると、フライホイール側同期整流素子TR3がオンする(図8(f))。
【0013】
この期間Bの間は、上記期間Aで出力チョークコイルL1が蓄えた磁気エネルギーが放出されるもので、出力チョークコイルL1のドットを付した側の端子にプラスの電圧が発生し、ドットの無い側の端子にマイナスの電圧が発生する。そして、出力チョークコイルL1のドットを付した側の端子から電流が流れ出し、フライホイール側同期整流素子TR3のソースからドレインを経由し、出力コンデンサC1、もしくは、出力端子6,8間に接続されている図示されていない負荷を経て、出力チョークコイルL1のドットの無い側の端子へと電流が流れ込む。
【0014】
次に制御回路4の出力がオンすると、遅延回路2および信号伝達用トランスT2の一次巻線N21のドットを付した側の端子にプラスの電圧が印加される。このとき、主スイッチング素子TR1は、遅延回路2による遅延時間dだけ、遅延回路2からの出力が遅れるため、制御回路4がオンしたときにはオンしない。信号伝達用トランスT2の一次巻線N21のドットを付した側の端子にプラスの電圧が印加されると、二次巻線N22のドットを付した側の端子からプラスの電圧が出力される(図8(g))。これにより、スイッチ素子TR4のゲートが充電され、スイッチ素子TR4がオンし、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートが放電され(図8(f))、フライホイール側同期整流素子TR3がオフする。
【0015】
そして、制御回路4のオンから遅延時間dが経過すると、遅延回路2の出力がオンし、上記期間A、期間B、期間Cの動作が繰り返される。
【0016】
なお、この同期整流シングルフォワードコンバータの回路では、期間Cの存在は、そのスイッチング電源装置の損失を低減させるために必要な期間である。即ち、期間Cが存在することにより、主スイッチング素子TR1がオンするより先に、フライホイール側同期整流素子TR3が必ずオフしている。もし、主スイッチング素子TR1がオンしてからもフライホイール側同期整流素子TR3がオンする期間が存在すると、主スイッチング素子TR1のオンにより、メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子から流れ出した電流がフライホイール側同期整流素子TR3を通過し、フォワード側同期整流素子TR2を流れて、メイントランスT1のドットの無い側の端子に流れ込む。つまり、主スイッチング素子TR1とフライホイール側同期整流素子TR3が同時にオンしている期間は、メイントランスT1の二次巻線N2がショートされている状態となり、電源装置にとって著しい損失となるからである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術のシングルフォワードコンバータの場合、以下に述べるような問題があった。先ず、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートは、図8(f)に示すように、メイントランスT1のリセット期間に、三次巻線N3に発生するリセット電圧を用いて充電される(図8の期間B1)。この電圧は、正弦波状の電圧波形となって電圧が上昇するため、フライホイール側同期整流素子TR3のゲート電圧が、そのFETがオンする閾値Vthに達するまでにある程度の時間toを必要とし、ゲート電圧がその閾値Vthまで達しない期間は、フライホイール側同期整流素子TR3はオフの状態である。従って、この時間toのフライホイール側同期整流素子TR3を流れる電流は、フライホイール側同期整流素子TR3の寄生ダイオードを流れる形となり、大きな損失を発生させると言う問題がある。
【0018】
さらに、このシングルフォワードコンバータのフライホイール側同期整流素子TR3のゲートには、三次巻線N3のリセット電圧のピーク電圧が充電されており、大きな電荷がフライホイール側同期整流素子TR3のゲートに残留する。このため、フライホイール側同期整流素子TR3を放電させるスイッチ素子TR4には定格の大きな部品が必要になると言う問題もある。
【0019】
また、図7に示すシングルフォワードコンバータでは、フォワード側同期整流素子TR2のゲートを、メイントランスT1の二次巻線N2のドットの有る端子に接続し、フォワード側同期整流素子TR2の駆動を行っている。しかしながら、図7に示す回路において、出力端子6,8間に外部から電圧を印加した場合、印加された電圧が、フォワード側同期整流素子TR2のゲートの閾値電圧以上の場合、フォワード側同期整流素子TR2がオンしてしまうと言う現象が生じる。そして、フォワード側同期整流素子TR2がオンしたことが、トリガとなって、メイントランスT1の2巻線N2側の回路で、フォワード側同期整流素子TR2とフライホイール側同期整流素子TR3が交互にオン・オフを繰り返すという、異常発振動作が誘発される。この異常発振状態では、メイントランスT1の二次巻線N2側から一次巻線N1側に電力が伝送される状態となり、制御回路4の制御下での動作ではないため、フライホイール側同期整流素子TR3、フォワード側同期整流素子TR2、及び主スイッチング素子TR1等の半導体部品の破損や、メイントランスT1の一次巻線N1側に電力が伝送されることで、入力電源V1の破損等が引き起こされる可能性もある。
【0020】
また、以上の従来技術の他、スイッチング電源装置の効率を高めるための回路として、特許文献1に開示されているスイチング電源装置が提案されている。この回路では、主スイッチング素子がオフの期間のリセット電圧によりフライホイール側同期整流素子をオンさせるものである。さらに、制御装置が主スイッチング素子をオンさせる制御信号と同位相の信号により、放電用回路のトランジスタをオンし、フライホイール側同期整流素子のゲート容量の電荷を放電させるようにしたものである。
【0021】
しかしながら、この場合も上記と同様に、主スイッチング素子がオフした後、二次巻線に発生する電圧がフライホイール側同期整流素子のFETの閾値電圧まで立ち上がるための一定の時間は、FETの寄生ダイオードに電流が流れてしまい、この点で電源効率が低下するものであった。また、フォワード側同期整流素子のゲートには二次巻線のドットのある側の端子が接続されているため、上記異常発振動作を誘発する恐れもあるものであった。
【0022】
この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑みて成されたもので、電源装置としての効率が高く、半導体部品の小型化も可能であり、異常発振も生じないスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この発明は、直流入力電力をオン・オフするMOS−FET等の主スイッチング素子と、上記主スイッチング素子に接続され上記主スイッチング素子のオン・オフを制御する制御回路と、一次巻線と二次巻線及び三次巻線を有するトランスを設け、上記一次巻線に入力電源と上記主スイッチング素子を接続し、上記二次巻線に、上記主スイッチング素子のオンと同期してオンし、主スイッチング素子のオフと同期してオフするMOS−FET等のフォワード側同期整流素子と、上記主スイッチング素子のオフと同期してオンし、上記主スイッチング素子のオンと同期してオフするMOS−FET等のフライホイール側同期整流素子とを接続し、上記各同期整流素子を駆動させる同期整流素子駆動回路と、上記制御回路から上記フライホイール側同期整流素子のゲートの放電タイミングを、絶縁回路を介して制御するゲート放電回路を備えたスイッチング電源装置についてのものである。上記同期整流素子駆動回路は、上記主スイッチング素子のオン期間に上記三次巻線に発生する電圧を用いて上記フォワード側同期整流素子のゲートの充電を行い、上記主スイッチング素子がオンからオフに移行するときに、上記主スイッチング素子のオン期間に上記フォワード側同期整流素子のゲートに蓄えられた電荷を、上記フライホイール側同期整流素子のゲートに分配するとともに、上記主スイッチング素子がオフする際に上記三次巻線に発生する電圧を利用して、上記フォワード側同期整流素子のゲート電荷を放電するとともに上記フライホイール側同期整流素子のゲートを充電する電流経路を備える。さらに、上記同期整流素子駆動回路は、上記主スイッチング素子がオフの期間に上記メイントランスの三次巻線のリセット電圧が低下するにつれて、上記フライホイール側同期整流素子のゲートに充電された電荷を回生し、上記フライホイール側同期整流素子のゲート電圧が所定の電圧まで降下した時点で、上記フライホイール側同期整流素子のゲート電圧を保持する電圧保持手段を備える。
【0024】
上記主スイッチング素子がオフする際に上記フライホイール側同期整流素子のゲートを充電する上記同期整流素子駆動回路の上記電流経路は、上記フォワード側同期整流素子のゲートから、上記三次巻線の上記主スイッチング素子がオンの期間に電圧が発生する側である一方の端子を経て、上記三次巻線の他方の端子からツエナーダイオードのアノードに接続され、このツエナーダイオードのカソードが、上記フライホイール側同期整流素子のゲートに接続され、上記フライホイール側同期整流素子のソースから上記フォワード側同期整流素子のソースに接続された電流経路と、上記フライホイール側同期整流素子のソースから上記三次巻線の一方の端子へ、上記フライホイール側同期整流素子と同期してオン・オフするMOS−FET等のスイッチ素子を介して接続された電流経路とからなり、上記電圧保持手段は上記ツエナーダイオードにより構成されるものである。
【0025】
また、上記電流経路には、上記フォワード側同期整流素子のゲートと上記三次巻線の一方の端子との間にコンデンサを介在させ、このコンデンサと上記フォワード側同期整流素子のゲートとの間にダイオードのカソードを接続し、このダイオードのアノードを上記フォワード側同期整流素子のソース側に接続したものである。
【0026】
また、上記電流経路には、上記フォワード側同期整流素子のゲートと上記三次巻線の一方の端子との間にコンデンサを介在させ、上記フォワード側同期整流素子のゲートと上記フライホイール側同期整流素子のソースとの間に、上記フライホイール側同期整流素子と同期して同様にオン・オフするMOS−FET等のスイッチ素子を接続したものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図3はこの発明の第一実施形態について示すものであり、図7の従来技術と同様の構成は同一の符号を付して説明する。この実施形態のスイッチング電源装置は、図1の回路図に示すように、入力電源V1のプラス側の端子がメイントランスT1の一次巻線N1のドットを付した側の端子に接続され、一次巻線N1のドットのない側の端子が、MOS−FET等の主スイッチング素子TR1のドレインに接続されている。主スイッチング素子TR1のソースは、入力電源V1のマイナス側の端子に接続されている。さらに、主スイッチング素子TR1のゲートには、遅延回路2を介して制御回路4の制御信号が入力している。制御回路4は、内部に発振回路を備え、制御回路4により主スイッチング素子TR1をオン/オフさせるための信号を出力する。
【0028】
メイントランスT1には、コアを介して二次巻線N2、及び三次巻線N3が設けられている。二次巻線N2のドットを付した側の端子は、フライホイール側同期整流素子TR3ドレインに接続されている。さらに、二次巻線N2のドットを付した側の端子は、出力コンデンサC1の一端、及びプラス側の出力端子6に接続されている。二次巻線N2のドットのない側の端子は、フォワード側同期整流素子TR2のドレインに接続され、フォワード側同期整流素子TR2のソースが、出力チョークコイルL1のドットを付した側の端子、及びフライホイール側同期整流素子TR3のソースに接続されている。そして、出力チョークコイルL1のドットのない側の端子が、出力コンデンサC1の他端に接続されているとともに、マイナス側の出力端子8に接続されている。
【0029】
また、三次巻線N3は、同期整流素子駆動回路10に接続され、同期整流素子駆動回路10内で三次巻線N3のドットを付した側の端子が、フォワード側同期整流素子TR2のゲートに接続されているとともに、MOS−FET等のスイッチ素子TR32のドレインに接続されている。スイッチ素子TR32のソースは、フォワード側同期整流素子TR2のソースおよびフライホイール側同期整流素子TR3のソースに接続されているとともに、ダイオードD32アノードに接続され、ダイオードD32のカソードが、三次巻線N3のドットのない側の端子に接続されている。また、スイッチ素子TR32のゲートは、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートおよび電圧保持手段であるツエナーダイオードZD31のカソードに接続されている。ツエナーダイオードZD31のアノードは、三次巻線N3のドットのない側の端子に接続されている。
【0030】
また、メイントランスT1と並んで、絶縁回路を構成する信号伝達用トランスT2が設けられている。信号伝達用トランスT2の一次巻線N21のドットを付した側の端子が、制御回路4の出力に接続され、一次巻線N21のドットのない側の端子が入力電源V1のマイナス側の端子に接続されている。
【0031】
さらに、信号伝達用トランスT2は二次巻線N22を有し、二次巻線N22のドットを付した側の端子が、MOS−FET等のスイッチ素子TR31のゲートに接続され、二次巻線N22のドットのない側の端子が、スイッチ素子TR31のソースに接続されているとともに、フライホイール側同期整流素子TR3のソース側に接続されている。信号伝達用トランスT2とスイッチ素子TR31により、フライホイール側同期整流素子TR3のゲート放電回路12を構成している。
【0032】
次に、この同期整流型シングルフォワードコンバータの回路動作について、図2を基に説明する。まず、図2(a)に示すように、制御回路4から主スイッチング素子TR1をオン/オフさせるための制御パルス信号が出力される。そして、図8の期間Aで示されるように、制御回路4から出力されたパルス信号は、遅延回路2に入力され、一定の時間(図2中に示した遅延時間d)だけ遅延されて、遅延回路2からパルス信号が出力される。遅延回路2の出力は、主スイッチング素子TR1のゲート電圧として入力される(図2(b))。
【0033】
主スイッチング素子TR1がオンすると、入力電源V1からメイントランスT1の一次巻線N1のドットを付した側の端子にプラスの電圧が印加され、同時にメイントランスT1の一次巻線N1のドットを付した側の端子に電流が流れ込む。このとき、メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子からプラスの電圧が出力され、同時に、メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子から電流が流れ出す。
【0034】
このとき同時に、三次巻線N3のドットのある側にプラスの電圧が出力され、図3(a)の矢印で電流経路を示すような電流が流れ(図2(f))、フォワード側同期整流素子TR2のゲート容量が充電されることで、ゲートに電圧が印加され(図2(d))、フォワード側同期整流素子TR2が、主スイッチング素子TR1のオンと同期してオンする。これにより、メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子から出力された電流は、出力コンデンサC1、若しくは出力端子6,8に接続されている図示されていない負荷を経由し、出力チョークコイルL1のドットの無い側の端子からドットを付した側の端子を経由し、フォワード側同期整流素子TR2のソースからドレインを経て、メイントランスT1の二次巻線N2のドットの無い側の端子に流れ込む。このとき、出力チョークコイルL1のドットの無い側の端子には、プラスの電圧が印加されている状態となり、出力チョークコイルL1は、磁気エネルギーを蓄積する。
【0035】
次に、期間Aから期間Bへ移行する瞬間においては、制御回路4の出力がオフし、遅延時間dが経過して、主スイッチング素子TR1がオフすると(図2(c))、メイントランスT1の一次巻線N1のドットを付した側の端子への電流が流れ込み、およびメイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子からの電流の流れ出しが止まる。このとき、メイントランスT1の二次巻線N2のドットを付した側の端子の電圧は、プラス側からゼロまで低下する。
【0036】
同時にこの瞬間において、三次巻線N3のドットを付した側の端子の電圧も、プラス側からゼロまで低下する。これにより、フォワード側同期整流素子TR2のゲートに蓄えられていた電荷が、図3(b)で電流経路を矢印で示すように、三次巻線N3およびツエナーダイオードZD31を経由してフライホイール側同期整流素子TR3のゲートに分配される。この動作は、図2(g)の矢印jで示すように一瞬のパルスである。これにより、フォワード側同期整流素子TR2のゲート電圧が閾値以下となり、フォワード側同期整流素子TR2がオフする(図2(d))。これにより、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートは、従来例のように三次巻線N3のリセット電圧の上昇を待つことなく素早くチャージされて電圧上昇し(図2(e))、従来技術の図8(f)に示すようにゲート電圧が閾値Vthに上昇するための時間toだけ、寄生ダイオードに電流が流れるといった現象を防ぐことができる。
【0037】
この瞬間の後、さらに図2の期間B1において、主スイッチング素子TR1がオフしたときのメイントランスT1のリセット動作により、三次巻線N3のドットのない側の端子にプラスの電圧が発生し、三次巻線N3のドットのない端子から電流が流れ出し、ツエナーダイオードZD31のアノードからカソード、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートからソース、フォワード側同期整流素子TR2のソースからゲートを経由し、三次巻線N3のドットの有る端子に流れ込み、フォワード側同期整流素子TR2のゲートの電荷が完全に放電される。フォワード側同期整流素子TR2のゲートの電荷が完全に放電されると、電流の流れる経路は、図3(c)に矢印で示した電流経路に変化し、三次巻線N3のドットのない側の端子から、ツエナーダイオードZD31のアノードからカソード、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートからソース、スイッチ素子TR32のソースからドレイン、三次巻線N3のドットの有る側の端子へと電流が流れ、フライホイール側同期整流素子TR3のゲート電圧をさらに上昇させ(図2(e))、フライホイール側同期整流素子TR3の導通抵抗をより低減する。
【0038】
そして、主スイッチング素子TR1がオフしたときの、メイントランスT1のリセット動作により、三次巻線N3に発生した電圧がピークを超え、降下し始めると(図2の期間B2)、三次巻線N3のドットの有る端子から電流が流れ出すように電流経路が変化する。このとき、スイッチ素子TR32のゲートは、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートに接続されているため、スイッチ素子TR32は、フライホイール側同期整流素子TR3と同期してオンする。このため、図3(d)で電流経路を矢印で示すように、三次巻線N3のドットの有る側の端子から、スイッチ素子TR32のドレインからソース、フライホイール側同期整流素子TR3のソースからゲート、ツエナーダイオードZD31カソードからアノード、三次巻線N3のドットのない側の端子へと電流が流れ、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートに蓄えられていた電荷を、三次巻線N3に回生する(図2(g,h))。これにより、電圧保持手段であるツエナーダイオードZD31で決定される電圧まで、フライホイール側同期整流素子TR3およびスイッチ素子TR32のゲート電圧が低下する(図2(e))。
【0039】
後に、スイッチ素子TR31がオンすることで、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートおよびスイッチ素子TR32のゲートの電荷が放電されるが、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートは、三次巻線N3に発生するピーク電圧よりも低い電圧となっているため、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートを放電させる際に、スイッチ素子TR31を通過するエネルギー量は、従来例のスイッチ素子TR4がフライホイール側同期整流素子TR3のゲートを放電させる際にスイッチ素子TR4を通過するエネルギー量よりも小さくてすむ。従って、スイッチ素子TR31は、従来例のスイッチ素子TR4よりも小さな定格の素子を使用することが可能となる。
【0040】
この期間Bの間は、上記期間Aで出力チョークコイルL1が蓄えた磁気エネルギーが放出されるもので、出力チョークコイルL1のドットを付した側の端子にプラスの電圧が発生し、ドットの無い側の端子にマイナスの電圧が発生する。そして、出力チョークコイルL1のドットを付した側の端子から電流が流れ出し、フライホイール側同期整流素子TR3のソースからドレインを経由し、出力コンデンサC1、もしくは、出力端子6,8間に接続されている図示されていない負荷を経て、出力チョークコイルL1のドットの無い側の端子へと電流が流れ込む。
【0041】
次に、制御回路4の出力がオンすると、図2の期間Cにおいて、遅延回路2および信号伝達用トランスT2の一次巻線N21のドットを付した側の端子にプラスの電圧が印加される。このとき、主スイッチング素子TR1は、遅延回路2による遅延時間dだけ、遅延回路2からの出力が遅れるため、制御回路4の出力がオンしたときにはオンしない。信号伝達用トランスT2の一次巻線N21のドットを付した側の端子にプラスの電圧が印加されると、二次巻線N22のドットを付した側の端子にプラスの電圧が出力される(図2(i))。これにより、スイッチ素子TR31のゲートが充電され、スイッチ素子TR31がオンし、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートが放電され(図2(e))、フライホイール側同期整流素子TR3がオフする。
【0042】
そして、制御回路4のオンから遅延時間dが経過すると、遅延回路2の出力がオンし、上記期間A、期間B、期間Cの動作が繰り返される。
【0043】
この実施形態のスイッチング電源装置によれば、主スイッチング素子TR1のオフに同期した三次巻線N3のドットのある端子の電圧の低下とともに、フォワード側同期整流素子TR2のゲートに蓄えられていた電荷が、三次巻線N3およびツエナーダイオードZD31を経由して、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートに分配され、ゲート電圧が上昇する。従って、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートは、従来例のように三次巻線N3のリセット電圧の上昇を待つことなく素早く充電されて電圧上昇し、寄生ダイオードに電流が流れるといったことがなく、スイッチング電源装置の効率向上に寄与する。さらに、主スイッチング素子TR1がオフしたときの三次巻線N3のリセット電圧により、スイッチ素子TR32がオンし、フライホイール側同期整流素子TR3のゲート電圧をさらに上昇させ、フライホイール側同期整流素子TR3の導通抵抗をより低減する。
【0044】
また、フライホイール側同期整流素子TR3と同期してスイッチ素子TR32がオンしているため、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートに蓄えられていた電荷が、メイントランスT1のリセット期間の後半で三次巻線N3に回生され、ツエナー電圧まで低下する。従って、この後、スイッチ素子TR31がオンしてフライホイール側同期整流素子TR3のゲートの電荷が放電されるとき、そのゲート電圧は、三次巻線N3に発生するピーク電圧よりも低いツエナーダイオードZD31で決定される電圧となっている。このため、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートを放電させる際に、スイッチ素子TR31を通過するエネルギー量を小さくすることができ、スイッチ素子TR31に小さな定格の素子を使用することが可能となる。
【0045】
さらに、この実施形態の回路では、フォワード側同期整流素子TR2が、メイントランスT1の二次巻線N2のドットのある端子に直接接続されていないため、出力端子6,8から外部電圧が印加されても、フォワード側同期整流素子TR2が外部電圧によりオンすることが無い。従って、二次巻線N2に電流が流れることが無く、異常発振を誘起するような動作が発生しない。
【0046】
次に、この発明のスイッチング電源装置の第二実施形態について、図4,図5を基にして説明する。ここで上記実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略する。この実施形態は、同期整流素子駆動回路10において、フォワード側同期整流素子TR2のゲートと三次巻線N3のドットのある側の端子との間にコンデンサC31を直列に設けるとともに、フォワード側同期整流素子TR2のゲートとソースとの間に、ダイオードD31を設けたものである。ダイオードD31は、アノードがフォワード側同期整流素子TR2のソースに接続され、カソードがフォワード側同期整流素子TR2のゲート側に接続されている。
【0047】
この実施形態のスイッチング電源装置の動作は、上記第一実施形態と同様であり、特に、期間Aから期間Bへ移行する瞬間においては、三次巻線N3のドットを付した側の端子の電圧は、プラス側からゼロまで低下する。これにより、フォワード側同期整流素子TR2のゲートおよびコンデンサC31に蓄えられていた電荷が、図5(a)で矢印により示す電流経路のように、三次巻線N3およびツエナーダイオードZD31を経由してフライホイール側同期整流素子TR3のゲートに分配される。この動作は、上記実施形態の図2(g)の矢印jで示すように一瞬のパルスである。これにより、フォワード側同期整流素子TR2のゲート電圧が閾値以下となり、フォワード側同期整流素子TR2がオフする。そして、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートは、従来例のように三次巻線N3のリセット電圧の上昇を待つことなく素早く充電されて電圧上昇し、ゲート電圧が閾値Vthに上昇するための時間toだけ、寄生ダイオードに電流が流れるといった現象を防ぐことができる。
【0048】
この瞬間の後、さらに主スイッチング素子TR1がオフしたときのメイントランスT1のリセット動作により、三次巻線N3のドットのない側の端子にプラスの電圧が発生し、三次巻線N3のドットのない端子から電流が流れ出し、ツエナーダイオードZD31のアノードからカソード、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートからソース、フォワード側同期整流素子TR2のソースからゲート、コンデンサC31を経由し、三次巻線N3のドットの有る端子に流れ込み、フォワード側同期整流素子TR2のゲートおよびコンデンサC31の電荷が完全に放電される。また、何らかの原因により、フォワード側同期整流素子TR2のゲートに充電された電荷量とコンデンサC31に充電された電荷量に、アンバランスが生じ、コンデンサC31に充電された電荷量が、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートに充電された電荷量よりも多くなったとしても、フォワード側同期整流素子TR2のゲートの放電が終わった後に、図5(a)に示す電流経路の状態から、図5(b)に示す電流経路の状態に変化し、ダイオードD31を経由して、電流を通過させることで、コンデンサC31を必ず放電させることができる。
【0049】
フォワード側同期整流素子TR2のゲートの電荷およびコンデンサC31の電荷が完全に放電されると、電流の流れる経路は、図5(c)に矢印で示した電流経路に変化し、三次巻線N3のドットのない側の端子から、ツエナーダイオードZD31のアノードからカソード、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートからソース、スイッチ素子TR32のソースからドレイン、三次巻線N3のドットの有る側の端子へと電流が流れ、フライホイール側同期整流素子TR3のゲート電圧をさらに上昇させ、フライホイール側同期整流素子TR3の導通抵抗をより低減する。
【0050】
そして、主スイッチング素子TR1がオフしたときの、メイントランスT1のリセット動作により、三次巻線N3に発生した電圧がピークを超え、降下し始めると、三次巻線N3のドットの有る端子から電流が流れ出すように電流経路が変化する。このとき、スイッチ素子TR32のゲートは、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートに接続されているため、スイッチ素子TR32は、フライホイール側同期整流素子TR3と同期してオンしている。このため、図5(d)で電流経路を矢印で示すように、三次巻線N3のドットの有る側の端子から、スイッチ素子TR32のドレインからソース、フライホイール側同期整流素子TR3のソースからゲート、ツエナーダイオードZD31カソードからアノード、三次巻線N3のドットのない側の端子へと電流が流れ、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートに蓄えられていた電荷を、三次巻線N3に回生する。これにより、電圧保持手段であるツエナーダイオードZD31で決定される電圧まで、フライホイール側同期整流素子TR3およびスイッチ素子TR32のゲート電圧が低下する。
【0051】
このとき、ツエナーダイオードZD31で決定される電圧まで、スイッチ素子TR32のゲート電圧が低下し、その後スイッチ素子TR31がオンしてフライホイール側同期整流素子TR3のゲートが放電されるが、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートは、ツエナー電圧となっているため、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートを放電させる際のスイッチ素子TR31を通過するエネルギー量は、従来例のスイッチ素子TR4がフライホイール側同期整流素子TR3のゲートを放電させる際にスイッチ素子TR4を通過するエネルギー量よりも小さくてすむ。
【0052】
この実施形態のスイッチング電源装置によれば、上記第一実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、フォワード側同期整流素子TR2のゲートに直列にコンデンサC31を挿入することで、フォワード側同期整流素子TR2のゲートに印加される電圧を自由に調整することができる。
【0053】
次に、この発明のスイッチング電源装置の第三実施形態について、図6を基にして説明する。ここで上記実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略する。この実施形態は、上記第二実施形態の同期整流素子駆動回路10において、フォワード側同期整流素子TR2のゲートとソースとの間に、ダイオードD31に代えてMOS−FET等のスイッチ素子TR33を設けたものである。スイッチ素子TR33のドレインがフォワード側同期整流素子TR2のゲートに接続され、スイッチ素子TR33のソースがフォワード側同期整流素子TR2のソースに接続されている。そして、スイッチ素子TR33のゲートは、フライホイール側同期整流素子TR3のゲートに接続されている。
【0054】
この実施形態のスイッチング電源装置の動作は、上記第二実施形態と同様であるが、特に図4のダイオードD31の代わりに、スイッチ素子TR33が設けられている。スイッチ素子TR33は、フライホイール側同期整流素子TR3と同期してオン/オフする。従って、フォワード側同期整流素子TR2がオフしている期間は、スイッチ素子TR33がオンしており、フォワード側同期整流素子TR2のゲート−ソース間がショートされた状態となっている。
【0055】
本実施形態は、同期整流素子として使用されるFETとして、通過電力量の大きなFETを用いた場合に特に有用な効果を得ることができる。これは、通過電力量の大きなFETの場合、FETがオフしている状態において、本来オフであるはずの期間であるにもかかわらず、ドレインとソースの間に高い電圧が印加されると、ドレイン−ゲート間の寄生容量を電流が透過し、ゲートが充電され、ゲートの電圧が上昇してしまい、FETが誤オンしてしまうといった現象があるためである。
【0056】
そこで、この実施形態のように、スイッチ素子TR33によりフォワード側同期整流素子TR2のゲート−ソース間をショートした状態を作り出すことにより、フライホイール側同期整流素子TR3のオン期間(フォワード側同期整流素子TR2のオフ期間)は、フォワード側同期整流素子TR2のドレインとソースの間に高い電圧が印加されてもゲートの電圧が上昇することを防止し、フォワード側同期整流素子TR2が誤オンしてしまうといった現象を防止することができる。従って、この実施形態の回路は、特に大電力用のスイッチング電源装置に利用することができる。
【0057】
なお、この発明のスイッチング電源装置は、上記各実施の形態に限定されず、各回路構成は適宜変更可能であり、同期整流素子やその他のスイッチ素子としては、n-チャネルMOS−FETに限定されることはなく、p-チャネルMOS−FETやその他のトランジスタ、IGBT等の素子を用いても良い。
【0058】
【発明の効果】
この発明のスイッチング電源装置は、同期整流素子の損失を低減することを可能とし、電源効率が高く、半導体部品の小型化も可能であり、異常発振も生じないものである。これにより、スイッチング電源装置のより小型化・薄型化及び低コスト化に大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施形態のスイッチング電源装置としての同期整流型シングルフォワードコンバータの回路図である。
【図2】この実施形態のスイッチング電源装置である同期整流型シングルフォワードコンバータの動作を示すタイミングチャートである。
【図3】この実施形態の同期整流型シングルフォワードコンバータの動作時の電流経路を示した概略図(a)、(b)、(c)、(d)である。
【図4】この発明の第二実施形態のスイッチング電源装置としての同期整流型シングルフォワードコンバータの回路図である。
【図5】この実施形態の同期整流型シングルフォワードコンバータの動作時の電流経路を示した概略図(a)、(b)、(c)、(d)である。
【図6】この発明の第三実施形態のスイッチング電源装置としての同期整流型シングルフォワードコンバータの回路図である。
【図7】従来の技術の同期整流型シングルフォワードコンバータの回路図である。
【図8】従来の技術の同期整流型シングルフォワードコンバータの動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
2 遅延回路
4 制御回路
6,8 出力端子
10 同期整流素子駆動回路
12 ゲート放電回路
N1,N21 一次巻線
N2,N22 二次巻線
N3 三次巻線
T1 メイントランス
T2 信号伝達用トランス
TR1 主スイッチング素子
TR2 フォワード側同期整流素子
TR3 フライホイール側同期整流素子
TR31、TR32、TR33 スイッチ素子
ZD31 ツエナーダイオード
Claims (3)
- 直流入力電力をオン・オフする主スイッチング素子と、上記主スイッチング素子に接続され上記主スイッチング素子のオン・オフを制御する制御回路と、一次巻線と二次巻線及び三次巻線を有するトランスを設け、上記一次巻線に入力電源と上記主スイッチング素子を接続し、上記二次巻線に、上記主スイッチング素子のオンと同期してオンし、主スイッチング素子のオフと同期してオフするフォワード側同期整流素子と、上記主スイッチング素子のオフと同期してオンし、上記主スイッチング素子のオンと同期してオフするフライホイール側同期整流素子とを接続し、上記各同期整流素子を駆動させる同期整流素子駆動回路と、上記制御回路から上記フライホイール側同期整流素子のゲートの放電タイミングを制御するゲート放電回路を備えたスイッチング電源装置において、
上記同期整流素子駆動回路は、上記主スイッチング素子のオン期間に上記三次巻線に発生する電圧を用いて上記フォワード側同期整流素子のゲートの充電を行い、上記主スイッチング素子がオンからオフに移行するときに、上記三次巻線に発生する電圧を利用して、上記フォワード側同期整流素子のゲート電荷を放電可能にし、上記主スイッチング素子のオン期間に上記フォワード側同期整流素子のゲートに蓄えられた上記電荷を上記フライホイール側同期整流素子のゲートに分配して、上記フライホイール側同期整流素子のゲートを充電する電流経路を備え、
上記電流経路は、上記フォワード側同期整流素子のゲートから、上記三次巻線の上記主スイッチング素子がオンの期間に電圧が発生する側である一方の端子を経て、上記三次巻線の他方の端子からツエナーダイオードのアノードに接続され、このツエナーダイオードのカソードが、上記フライホイール側同期整流素子のゲートに接続され、上記フライホイール側同期整流素子のソースから上記フォワード側同期整流素子のソースに接続された第一の電流経路と、上記フライホイール側同期整流素子のソースから上記三次巻線の一方の端子へ、上記フライホイール側同期整流素子と同期してオン・オフするスイッチ素子を介して接続された第二の電流経路とからなり、
上記ツエナーダイオードは、上記主スイッチング素子がオフの期間に、上記メイントランスの三次巻線のリセット電圧が低下するにつれて上記フライホイール側同期整流素子のゲートに充電された電荷を回生し、上記フライホイール側同期整流素子のゲート電圧が所定の電圧まで降下した時点で、上記フライホイール側同期整流素子のゲート電圧を保持する電圧保持手段として設けられたことを特徴とするスイッチング電源装置。 - 上記第一の電流経路には、上記フォワード側同期整流素子のゲートと上記三次巻線の一方の端子との間にコンデンサを介在させ、上記コンデンサと上記フォワード側同期整流素子のゲートとの間にダイオードのカソードを接続し、上記ダイオードのアノードを上記フォワード側同期整流素子のソース側に接続したことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
- 上記第一の電流経路には、上記フォワード側同期整流素子のゲートと上記三次巻線の一方の端子との間にコンデンサを介在させ、上記フォワード側同期整流素子のゲートと上記フライホイール側同期整流素子のソースとの間に、上記フライホイール側同期整流素子と同期して同様にオン・オフするスイッチ素子を接続したことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
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