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JP3940742B2 - 洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄方法および洗浄装置に係わり、特に半導体基板や液晶基板など精密基板のフォトレジストなどの有機被膜を室温で剥離、除去可能な洗浄方法および洗浄装置に関するものである。
従来、半導体デバイスや液晶ディスプレイ製造のウェットプロセスにおいて、フォトレジスト除去は、硫酸と過酸化水素水を原液で混合して、100〜150℃の高温処理が行われている。あるいは、濃度の濃い有機溶剤を高温で処理した後、精密基板に付着した有機溶剤をさらに別の有機溶剤で処理する方法が用いられている。また、フォトレジストをマスクとしてイオン注入やリアクティブイオンエッチングを行うと、フォトレジスト表面に大量のイオンが照射され、フォトレジスト材料自身が殆ど炭化(カーボン化)するため薬品では、除去できなくなり、酸素プラズマや紫外線(UV)とオゾンガスによりプラズマ処理する方法により、炭化したフォトレジスト部を燃焼除去した後に、残りのフォトレジストを薬品で除去している。
しかし、硫酸・過酸化水素を用いる方法においては、高濃度薬品を用いた高温処理のため、その洗浄液やシリコンウェハ搬送の操作性が悪く、また、洗浄液中の過酸化水素が分解するため液の管理が煩雑である上に、薬品蒸気や水蒸気が大量に発生してその除去に大量のクリーンな空気が必要となること、および排気空気中から薬品蒸気除去の除害設備が必要となることなど、電力代、装置代などが高価になり、さらに硫酸などの薬品廃液処理にコストがかかるという欠点がある。
有機溶剤を用いる方法においても、高温処理をしているため操作性が悪く、廃液処理もやっかいである。硫酸・過酸化水素水にしろ、有機溶剤処理にしろ、その除去機構は、フォトレジストの溶解である。よって半導体などの基板表面略々全面に1〜2μmの厚さで塗布されたフォトレジストを全て溶解するため、除去薬液の劣化が極めて激しい、という欠点も有している。
プラズマ処理法は、処理後にウェハ上にフォトレジスト中に含まれている金属、微粒子などの汚染物が残存するという欠点が問題である。
本発明は従来の洗浄方法および洗浄装置の問題を解決し、半導体基板や液晶基板など精密基板のフォトレジストなどの有機被膜を室温で溶解ではなく剥離除去するため、洗浄処理が極めて短時間で済み、洗浄液が長時間にわたって劣化せず、しかも洗浄効果が高く、薬品蒸気や水蒸気が殆ど発生しないため装置が小型簡素化されるなど極めて優れた特徴を有する洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、精密基板、例えば下地材料やパターン形状などへのダメージを低減し、省資源、ゼロエミッションが可能な、環境対策を講じたフォトレジストなどの有機被膜除去技術において、従来の有機被膜溶解除去方法に替わり、剥離除去を行うことが効果的であることを見出した。
すなわち、従来の高濃度薬品を用いた高温処理による有機被膜溶解除去方法では、有害な薬品蒸気や水蒸気が大量に発生するため、その除害に多額の費用がかかるばかりではなく、薬品の反応性により精密基板にダメージを与えてしまい、製造歩留の低下、製品の信頼性低下など、多くの課題を抱えている。
しかしながら、有機被膜の除去技術において、使用する洗浄液の有機被膜表面の接触角を低減させることにより、従来の溶解除去法による有機被膜除去洗浄から剥離除去法による
有機被膜除去洗浄が可能となり、また有機被膜表面の接触角を低減させるために使用する薬液は、低濃度の有機溶剤であり、かつ洗浄温度も室温付近であるため、省資源、ゼロエミッションが可能で、環境問題にも対応した洗浄方法が可能であるという知見を本発明者らは明らかにした。
求項1に記載の洗浄方法は、機溶剤を純水で希釈し、フッ化アンモニウム又はハロゲン化金属塩を添加した洗浄液により、有機被膜除去を行うことを特徴とする。
さらに、請求項2に記載の洗浄方法は、請求項1において、有機被膜下地の基板材料をエッチングするフッ化水素酸を添加した洗浄液により、有機被膜除去を行うことを特徴とする。
また、請求項3に記載の洗浄方法は、密閉雰囲気中で有機被膜除去を行うことを特徴とする。
請求項4に記載の洗浄方法は、前記有機被膜は、イオン注入または/及びリアクティブイオンエッチング工程後におけるフォトレジストであることを特徴とする
請求項5に記載の洗浄方法は、使用する有機溶剤がイソプロピルアルコールであることを特徴とする
本発明は、半導体基板、液晶ガラス基板、磁気ディスクなどの精密基板におけるフォトレジストなどの有機被膜を室温で剥離、除去可能な洗浄方法であるため、洗浄液には金属イオンやパーティクル、また他有機溶剤などの不純物が極微量しか含まれていないという極めて高い清浄度が求められており、現在、電子材料用に精製され、入手が容易な有機溶剤はイソプロピルアルコールである。
よって、有機溶剤をイソプロピルアルコールとすることにより、精密基板に求められる清浄度を維持した洗浄液の提供が可能となるため、電子デバイス部品の洗浄液として大変使いやすい洗浄液が得られる。
請求項6に記載の洗浄方法は、ハロゲン化金属塩がフッ化カリウムまたは/及び塩化カリウムであることを特徴としている。
カリウム、フッ素、塩素の残留物(洗浄残渣として精密基板表面に残る物質)は、比較的洗浄除去が容易であることが報告されており、これらの化合物であるフッ化カリウムまたは/及び塩化カリウムを用いることにより、短時間で有機被膜の剥離除去が行うことが可能で、かつ剥離除去後の残渣洗浄が容易となる。
また、前記フッ化水素酸の濃度は、0.05〜0.5wt%が好ましく、フッ化アンモニウムは0.6〜6.5wt%とするのが好ましい。
フッ化カリウムの濃度は0.05〜10wt%が好ましく、塩化カリウムは0.5〜10wt%の濃度とするのが好ましい。
本発明にかかる発明の効果のついて説明する。本発明は、有機溶剤を純水で希釈し、フッ化アンモニウム又はハロゲン化金属塩を添加した洗浄液により、有機被膜除去を行うことを特徴としており、有機被膜の剥離除去効果を高めるために有機被膜下地の基板材料をエッチングするフッ化水素酸や、精密基板と有機被膜界面への洗浄液の浸透を向上させるためにフッ化アンモニウム、フッ化カリウム、塩化カリウムを添加することにより、イオン注入または/及びリアクティブイオンエッチングなどのフォトレジスト材料自身が殆ど炭化してしまい除去が困難であった工程後においても極めて高い洗浄効果が得られる。
また、使用する薬品種が少なく低濃度であるため環境問題にも対応している。
さらに薬品蒸気や水蒸気が殆ど発生しないため、装置の小型簡素化が可能で、装置の占有面積削減が図られるため、省スペース化が可能で、半導体デバイスや液晶ディスプレイなどの製造工場の経費削減に貢献可能である。
以下、本発明の実施形態を、具体的に詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、半導体基板や液晶基板など精密基板の特にイオン注入やリアクティブイオンエッチング後のフォトレジストなどの有機被膜除去洗浄方法において、使用薬品種と濃度について種々検討した結果、本発明を完成させたもので、その具体的な一例を図1と図2に示す。
図1は、浸漬法を用いてフォトレジスト剥離除去を行う洗浄装置である。まず、純水で希釈された有機溶剤の溶液に、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム、または塩化カリウムのいずれか1つ以上を混合した洗浄液502を調整して、洗浄液貯留タンク506に供給する。洗浄液はポンプ507で加圧され膜脱気装置508に送られ、洗浄液中の溶存ガスを取り除かれた後、洗浄槽の内槽501に送られる。
洗浄液502のフッ化水素酸の濃度は0.05〜0.5wt%が好ましく、フッ化アンモニウムの濃度は0.6〜6.5wt%が好ましい。また、フッ化カリウムの配合量は0.05〜10wt%が好ましく、塩化カリウムの配合量は0.5〜10wt%が好ましい。
一方、純水504は、膜脱気装置509で脱ガスされ、熱交換器510により所望の温度に冷却され、この冷却用純水も回収され再利用することができる。
なお、外槽503の外壁には、超音波振動子505が取り付けられている。フォトレジストの付着しているウェハを内槽501に浸し、超音波振動子505により超音波を照射してフォトレジスト除去を実行する。
より詳細には、超音波振動子505に電圧を印加することにより、超音波振動子505から発振される超音波は、外槽503、純水504、内槽501を介して洗浄溶液502に照射され、超音波と洗浄溶液成分との相乗効果により、室温付近の温度で精密基板上のフォトレジストが極めて効果的に剥離除去される。
なお、内槽501に取り付けられているレベルセンサー511は、液面制御用であり、外槽に取り付けられているレベルセンサー512は超音波振動子の空炊き防止用である。
洗浄液はポンプ513によりフィルター514を介してタンク506に戻される。ウェハから剥離したフォトレジストはフィルター514で除去される。なお、図の例では2段のフィルターが2系列配設された例である。除去率が低下したところで、フィルター系列の切り替えが行われる。例えば、前段のフィルターは、0.5μm以上のフォトレジスト粒子を除去するフィルターを用い、後段では0.05μm以上の粒子を除去するものを用いればよい。
なお、純水504を所望の温度に冷却する理由については、本発明者らは、除去効果の洗浄液温度依存性について、洗浄液502の温度は、15〜40℃とするのが好ましく、さらには20〜35℃がより好ましいことを見出した。温度が40℃を超えると、フォトレジストは溶解し精密基板に強固に吸着したようになるため除去効果が減少する。また、低温域においても洗浄液の表面張力が増加しフォトレジストと精密基板の界面に液が浸透し難くなるため除去効果が減少する。しかしながら、本発明の洗浄方法においては洗浄液温度に対しては限定の限りではなく、本例においては、所望の除去効果が得られるように適宜調整を行えるように熱交換器510を取り付けた例を示している。洗浄液の温度制御装置においては既に種々の市販品が存在するため、いかなる手段を用いて温度制御を行っても良い。
また、洗浄液温度は、超音波のパワー、周波数、照射時間などの、条件によってその上昇する度合いが変化する。温度を所定範囲に保つためには、種々の方法がある。例えば、本例で示すように、純水504を恒温槽、熱交換器510との間で循環すれば良い。また、超音波を間欠的に照射して温度上昇を抑えることが効果的である。
なお、超音波の周波数は、0.8〜10MHzの範囲が好ましい。0.8MHzより低い周波数では、キャビテーションが発生しやすく半導体基板などに加工されている微細素子の形状破壊が起こる場合がある。0.8MHz以上ではキャビテーションは起こらず、また周波数が高くなると音圧(振動加速度)が高くなり、フォトレジストの除去効果が一層高くなり好ましいが、10MHzを越えると、温度上昇が激しくなり冷却能力の大きな装置が必要となる。しかしながら、本発明の洗浄方法においては超音波周波数に対しては限定の限りではなく、所望の除去効果が得られるように適宜調整を行い、必要な装置を配置すれば良い。
また、液面付近で高いフォトレジスト除去効果があることを本発明者らは見出しており、洗浄中に精密基板の引き上げおよび引き下げを行うことが、より好ましい。これにより、フォトレジスト除去効果は一層向上する。この理由としては、液面においては、超音波により速い洗浄液の流速が得られること、液面での直進波と反射波との合成波(定在波)の中で、界面近傍の密になった活性部分ができることなどにより、洗浄効果は高くなると考えられる。
さらに、精密基板を左右に揺動させることにより、音波が均一に照射され、洗浄効果をさらに高めることが、より好ましい。
また、フォトレジスト表面に、予め傷を設けることによりフォトレジストの除去効果を一層高めることができることは周知の事実であるため、フォトレジスト除去の前に予め傷をつけておくことが好ましい。傷をつける方法としては、例えば微細な針でなぞる方法、微細な氷などを吹き付ける方法(アイススクラブ法)、オゾン水(5〜20ppm)による処理、又はオゾン水に超音波を照射してフォトレジスト表面を荒らす方法などがある。なお、傷は、基板表面に傷をつけない範囲でできるだけ深い傷を形成するのが好ましい。また、以上のような傷を形成する代わりに、パターンを形成することによっても、フォトレジストの除去効果を高めることができる。
また、本例で使用する純水は、洗浄の対象となる精密基板の種類によるが不純物を極力抑えることが好ましく、半導体基板のフォトレジスト除去を行う場合は、0.05μm以上の粒径のゴミが数個/cc以下、比抵抗値が18MΩ・cm以上で、TOC(全有機炭素)やシリカの値が1ppb以下の超純水が好ましい。
なお、図1において用いられる純水504は、超音波を効率的に伝搬するために脱気したものを用いるのが好ましい。また、洗浄液502も同様脱気したものを用いるのが好ましい。なお、超音波周波数が2MHzの場合、純水中の気体成分は2.5ppm以下が好ましく、1.5ppm以下がより好ましい。超音波周波数が2MHz以上では純水中の気体成分が1ppm以下、より好ましくは100ppb以下である。
本例は、2槽構成の洗浄装置を示しているが、構成については限定の限りではなく、1槽構成としてその外壁に振動子を取り付け、直接超音波を洗浄液に照射してもよく、その場合前述したように、超音波の間欠照射、あるいは洗浄液を恒温槽との間で循環させることにより温度を一定に保つことが好ましい。
また、振動子の設置箇所や数についても限定の限りではなく、槽の側壁、底面、上面などに最適な箇所に必要な数だけ設けることが好ましい。また、洗浄液中のフォトレジストを循環過程でフィルターにより除去することが好ましい。
次に、洗浄溶液のスプレー噴射による枚葉式のフォトレジスト剥離除去を行う洗浄装置の例を図2に示す。まず、純水で希釈された有機溶剤の溶液に、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化カリウム、または塩化カリウムのいずれか1つ以上を混合した洗浄液を調整して、洗浄液貯留タンク601に供給する。タンク601の洗浄液はポンプ602で加圧され膜脱気装置603に送られて洗浄溶液中に含まれる溶存ガスが除去される。
脱気された洗浄液は洗浄ノズル605に送られ、超音波が超音波振動子606により照射されて、精密基板に供給される。そして洗浄溶液が供給され、フォトレジスト除去が実行される。
なお、精密基板は回転台604に保持されており、回転可能となっている。これにより、超音波が照射された洗浄溶液を回転する精密基板表面に噴射することにより、遠心力の作用との相乗効果により、フォトレジストが効率よく除去される。
洗浄排液は回収タンク607に溜められ、ポンプ608で加圧され、フィルター609で剥離したフォトレジストを除去した後、タンク601に戻され、再利用される。
洗浄ノズル605については、ノズルと精密基板の角度は45°程度とするのが好ましい。ノズルの吹き出し口は円形で、基板の半径方向に往復させてもよいし、基板の半径方向には線状で円周方向には狭い吹き出し口を有するライン状ノズルでも良い。ノズル吹き出し口の大きさは、超音波が効率よく通過するために、洗浄溶液中の超音波の波長より大きくしておくのが好ましい。例えば0.95MHzの超音波を用いる場合は、吹き出し口の大きさは1.5mm以上2mm以下とするのが好ましい。洗浄効果をさらに高めるため複数のノズルを配置して基板表面へ洗浄溶液を噴射しても良い。
また、基板を回転しながらフォトレジストを塗布する際、フォトレジストは表面から裏面に垂れることがある。よって裏面に付着しているフォトレジストを除去するために、有機被膜表面における接触角が40°以下になるよう有機溶剤を純水で希釈し、有機被膜の剥離除去効果を高めるために有機被膜下地の基板材料をエッチングするフッ化水素酸や、精密基板と有機被膜界面への洗浄液の浸透を向上させるためにフッ化アンモニウム、フッ化カリウム、塩化カリウムを添加した洗浄液を用いて精密基板裏面を洗浄することにより、他工程装置への汚染の影響を少なくすることが好ましい。なお、裏面洗浄は、洗浄装置の下部に回転台と垂直又は傾斜させて洗浄ノズルを配置すればよい。
なお、本例の洗浄溶液の成分については前述の各濃度に調整することが好ましく、また洗浄液温度制御や循環のためのフィルター設置や配管などについても、フォトレジスト除去効果を高めるためにそれぞれ対策を講じることが好ましい。
さらに、本例の図1および図2に示す洗浄装置を用いた洗浄方法に先立ち、有機溶剤による前処理を行うことにより、フォトレジスト除去効果を一層高めることが有効的である。
すなわち、洗浄工程を、2工程に分け、第1工程で有機溶剤に有機被膜が付着している精密基板を浸漬し、続いて、第2工程で本発明の有機被膜表面における接触角が40°以下になるよう有機溶剤を純水で希釈し、有機被膜の剥離除去効果を高めるために有機被膜下地の基板材料をエッチングするフッ化水素酸や、精密基板と有機被膜界面への洗浄液の浸透を向上させるためにフッ化アンモニウム、フッ化カリウム、塩化カリウムなどを添加した洗浄液を用いてフォトレジスト除去を行えばよい。
ここで、第1工程の有機溶剤としては、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシドなどが効果的であり、100%のイソプロピルアルコールが特に好ましい。また、第1工程の処理雰囲気は、密閉とし、水分を1ppm以下の雰囲気で行うのが好ましい。なお、第1工程は浸漬のみならず、シャワー方式や、スプレー方式を用いてもよい。
本発明は種々のフォトレジストの除去に好適であり、耐熱性が高く除去が困難とされているTSMR−8900(東京応化工業株式会社製)についても、極めて高い除去効果を有している。i線用フォトレジスト、エキシマレーザー用フォトレジスト、電子線フォトレジストにも有効である。
また、本発明はフォトレジストに限らず、塗料や接着剤などの種々の高分子有機被膜、機械油など(焼き付いて高分子化した物を含む)の皮膜、界面活性剤や染料の除去などに適用できることは言うまでもない。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されることがないことは言うまでもない。
図1の洗浄装置を用いて、洗浄液中のフッ化水素酸の濃度とフォトレジスト除去されるまでの時間との関係を調べた。
なお、洗浄液は超純水にイソプロピルアルコール100%を投入し(このとき、イソプロピルアルコール濃度は、可変するフッ化水素酸量に対応して20wt%となるようにした)、次に50wt%のフッ化水素酸を投入してフッ化水素酸濃度を調整して、超音波を照射して行った。又、洗浄液の温度は、図1の純水504を恒温槽間で循環して25℃に保った。使用した超音波の周波数は0.95MHzである。
本実施例では、精密基板として、以下の手順でフォトレジストを被覆した直径33mmのシリコン板を用いた。
直径33mmのシリコン基板のプリベークを150℃で5分間行った後、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)塗布を1分30秒間行った。次に、フォトレジスト(TSMR−8900)を800rpmで2秒間、3000rpmで40秒間行い、フォトレジストの膜厚が1.0〜1.3μmになるように塗布した。その後、フォトレジスト乾燥のためベークを90℃で1分30秒間行った後、超純水リンスを1分間行い、フォトレジスト固化のためポストベークを130℃で5分間行った。
フッ化水素酸(HF)の濃度を変化させた各洗浄液を用いてフォトレジスト除去を行い、フッ化水素酸(HF)の濃度と処理時間の関係を調べた。結果を表1に示す。なお、表中の処理時間は、精密基板上のフォトレジストの膜厚を予め測定し、光学顕微鏡観察を用いてフォトレジスト残渣がなくなるまでの時間を除去時間として測定し、フォトレジスト1μm厚さに対する除去処理時間として換算した値である。
Figure 0003940742
表1から明らかなように、イソプロピルアルコールと超純水でもフォトレジストは除去できるが、フッ化水素酸(HF)を混合すると処理時間が大きく短縮でき、特に0.05〜0.5wt%の濃度範囲で除去効果は一層向上することが分かった。
これらの理由の詳細は明らかではないが、本発明者らは、本発明のフォトレジスト除去のメカニズムが、従来法のフォトレジスト溶解による除去ではなく、剥離による除去であることから、洗浄液がフォトレジストと精密基板の界面に浸透して、さらにフッ化水素酸により有機被膜下地の基板材料をエッチングされることで、フォトレジストと精密基板表面の密着力を極端に低下させたためであると想定した。
図1の洗浄装置を用いて、洗浄液中のフッ化アンモニウムの濃度とフォトレジスト除去されるまでの時間との関係を調べた。
なお、洗浄液は超純水にイソプロピルアルコール100%を投入し(このとき、イソプロピルアルコール濃度は、可変するフッ化アンモニウムに対応して20wt%となるようにした)、次に30wt%のフッ化アンモニウムを投入してフッ化アンモニウム濃度を調整した。
酸化シリコン(SiO2)膜をエッチングするフッ化水素酸のかわりに、酸化シリコン膜をエッチングすることのないフッ化アンモニウム(NH4F)を用いた以外の除去条件は、実施例1と同様にした。フッ化アンモニウム(NH4F)の濃度を変化させた各洗浄液を用いてフォトレジスト除去を行い、フッ化アンモニウム(NH4F)の濃度と処理時間の関係について調べた。結果を表2に示す。なお、表中の処理時間の算出方法は、実施例1と同様である。
また、比較例として、硫酸・過酸化水素水を用いて、130℃で従来の洗浄を行った。結果を表3に示す。
Figure 0003940742
Figure 0003940742
フォトレジストの除去効果について、フッ化アンモニウム(NH4F)濃度依存性は、フッ化水素酸(HF)と同様で濃度を高めると効果は向上し、0.6〜6.5wt%で、特に高い除去効果が得られることが確認できた。本実施例の洗浄は低濃度の薬品を使用し、室温で行うことができるにもかかわらず、高温処理が必要な従来の硫酸・過酸化水素処理に比べても優れた除去能力が得られることが判明した。これは硫酸・過酸化水素処理による除去が溶解による除去であるのに対し、本発明の除去は剥離除去であることに起因するためと考えられる。
図1の洗浄装置を用いて、洗浄液中のフッ化カリウムの濃度とフォトレジスト除去されるまでの時間との関係を調べた。
なお、洗浄液は超純水にイソプロピルアルコール100%を投入し(このとき、イソプロピルアルコール濃度は、可変するフッ化カリウムに対応して20wt%となるようにした)、次にフッ化カリウム粉末を投入して、フッ化カリウム濃度を調整した。
フッ化水素酸に代わり、フッ化カリウム(KF)を用いた以外の除去条件は、実施例1と同様にした。フッ化カリウム(KF)の濃度を変化させた各洗浄液を用いてフォトレジスト除去を行い、フッ化カリウム(KF)の濃度と処理時間の関係について調べた。結果を表4に示す。なお、表中の処理時間の算出方法は、実施例1と同様である。
Figure 0003940742
フォトレジストの除去効果について、フッ化カリウム(KF)濃度依存性は、フッ化水素酸(HF)と同様で濃度を高めると効果は向上し、0.05wt%以上で、高い除去効果が得られることが確認できた。なおフッ化カリウム(KF)濃度が10wt%以上の洗浄液を使用した場合には、洗浄装置内にフッ化カリウム(KF)塩の析出が確認された。恐らく、フォトレジスト除去中に洗浄液の蒸気が洗浄装置内壁に付着、乾燥したためだと考えられる。このような析出物は、洗浄装置から精密基板への再汚染の原因となるため、フッ化カリウム(KF)濃度は0.05〜10wt%とすることが好ましいことが確認された。
図1の洗浄装置を用いて、洗浄液中の塩化カリウムの濃度とフォトレジスト除去されるまでの時間との関係を調べた。
なお、洗浄液は超純水にイソプロピルアルコール100%を投入し(このとき、イソプロピルアルコール濃度は、可変する塩化カリウムに対応して20wt%となるようにした)、次に塩化カリウム粉末を投入して、塩化カリウム濃度を調整した。
フッ化水素酸に代わり、塩化カリウム(KCl)を用いた以外の除去条件は、実施例1と同様にした。塩化カリウム(KCl)の濃度を変化させた各洗浄液を用いてフォトレジスト除去を行い、塩化カリウム(KCl)の濃度と処理時間の関係について調べた。結果を表5に示す。なお、表中の処理時間の算出方法は、実施例1と同様である。
Figure 0003940742
フォトレジストの除去効果について、塩化カリウム(KCl)濃度依存性は、フッ化水素酸(HF)と同様で濃度を高めると効果は向上し、0.5wt%以上で、高い除去効果が得られることが確認できた。なお塩化カリウム(KCl)濃度が10wt%以上の洗浄液を使用した場合には、実施例3と同様に洗浄装置内に塩化カリウム(KCl)塩の析出が確認された。よって塩化カリウム(KCl)濃度は0.5〜10wt%とすることが好ましいことが確認された。
実施例3、実施例4から明らかなように、フッ化カリウム、塩化カリウムのいずれを用いても優れたフォトレジスト除去効果が得られることが分かった。特に、フッ化カリウムは、フッ化水素酸やフッ化アンモニウムよりもさらに優れたフォトレジスト除去効果があることが分かった。
これらの理由の詳細は明らかではないが、本発明者らは、本発明のフォトレジスト除去のメカニズムが、従来法のフォトレジスト溶解による除去ではなく、剥離による除去であることから、洗浄液がフォトレジストと精密基板の界面に浸透して、フォトレジストを若干溶解、膨張させ、さらにフォトレジストと精密基板表面の密着力を極端に低下させることにあると想定した。
そこで、本発明者らは、洗浄液のフォトレジストと精密基板界面への浸透性(濡れ性)に着目し、接触角計を用いて各洗浄液の濡れ性について調査を行った。結果を図3に示す。
図3は、各洗浄液のフォトレジスト表面における接触角を示している。フォトレジストに対する各洗浄液の接触角は、30wt%イソプロピルアルコール/超純水(IPA)では32°、30wt%イソプロピルアルコール/5wt%塩化カリウム(IPA/KCl)では28°であるのに対して、30wt%イソプロピルアルコール/5wt%フッ化カリウム(IPA/KF)は18°と低く、フッ化カリウムを添加した場合に、最もフォトレジストの濡れ性が高いことが分かる。
実施例1からも分かるように、超純水だけでは剥離除去が不可能なフォトレジストも、イソプロピルアルコールを添加することにより剥離除去が可能である理由は、本実施例で得られたソプロピルアルコール添加による接触角の低減により、洗浄液がフォトレジストと精密基板の界面に浸透しやすくなっているためであるという、本発明者らの推測を裏付ける結果が得られた。
すなわち、超純水では剥離除去が不可能な有機被膜は、一般的に疎水性を有することが知られており、超純水の接触角は72°という浸透性(濡れ性)であるのに対し、30wt%イソプロピルアルコールを添加することにより接触角が32°と半減し、この浸透性(濡れ性)の向上により、洗浄液が有機被膜と精密基板の界面に浸透しやすくなっているため有機被膜の剥離除去が可能になったものと推測できる。
また、30wt%イソプロピルアルコール/超純水に5wt%のフッ化カリウム(KF)、塩化カリウム(KCl)、またはフッ化アンモニウム(NH4F)を添加することにより、接触角がさらに低減し、フッ化カリウム(KF)を添加した時に最も低い接触角が得られることから、実施例3で得られた他添加薬品に比べ最も優れた有機被膜の剥離効果を裏付ける結果となっており、フォトレジストと精密基板界面への浸透性が高いほど、高い除去効果が得られるという根拠を示している。
また、30wt%イソプロピルアルコール/超純水に0.5wt%フッ化水素酸(IPA/HF)を添加した溶液においては、30wt%イソプロピルアルコール/超純水(IPA)と接触角に差異はないものの、優れた剥離効果が得られた理由については、有機被膜と精密基板界面への洗浄液の浸透性(濡れ性)と有機被膜下地の基板材料をエッチングすることにより剥離除去効果が向上するという本発明者らの推測を裏付ける結果が得られた。
このことから濡れ性が高い、すなわちフォトレジストと精密基板界面への浸透性が高いほど、高い除去効果が得られる、という本発明者らの推測は正しく、また上述のような結果を明らかにしたのは本発明者らが初めてである。
また、本実施例で用いたフォトレジスト材料は、TSMR−8900を用いているが、他フォトレジスト材料においても、上述の各溶液の接触角に差異がないことは確認できており、またイソプロピルアルコール添加による剥離除去効果が得られるのは接触角が40°以下であることから、接触角を40°以下になるように有機溶剤(イソプロピルアルコール)により調製した溶液を有機被膜剥離除去洗浄液に用いるという本発明の根拠を示している。
本実施例では、本発明の洗浄方法を用いて、MOSキャパシタを作製し、キャパシタ特性の評価を行った。
まず、MOSキャパシタの作製手順を以下に示す。直径33mmのシリコンウェハ(Cz、n(100))をSPM(H2SO4:H2O2=4:1)で15分間、DHF(0.5wt%HF)で1分間、さらにAPM(NH4OH:H2O2:H2O=0.05:1:5)を用い85〜90℃で10分間、洗浄を行った後、超純水で10分間洗浄した。
フィールド酸化膜を600nmウェット酸化により形成し、実施例1と同様にして1μmのフォトレジストを形成し、所望の形状のパターンにフォトリソグラフィを行った。
続いて、フィールド酸化膜のエッチングをバッファードフッ酸(橋本化成株式会社製LAL700)で11分間行い、超純水で10分間洗浄した。
次に、フォトレジスト除去を、0.95MHzの超音波(MS)を照射しながら各洗浄液に160秒間浸漬して行った。
各洗浄液は、イソプロピルアルコール(IPA)30wt%と、それぞれフッ化カリウム(KF)4.5wt%、フッ化アンモニウム(NH4F)4.8wt%、フッ化水素酸(HF)0.5wt%になるように調整した。なお、浸漬時間の160秒は、完全にフォトレジストが除去される時間である。
続いて、SPM(10分間)、DHF(1分間)、APM(10分間)、DHF(1分間)による洗浄を行った後、2ppmオゾン含有超純水に20分間浸漬し、プレオキサイドを形成後、900℃ドライ酸化によりゲート酸化膜(7.5nm)を形成した。
次に、ゲート電極用のp型ポリSiをCVDで500nm形成し、850℃で30分間アニールした後、SPM(5分間)、超純水(3分間)による洗浄を行った。次に、上述と同じ方法によりフォトリソリソグラフィを行い、HF:HNO3:H2O(0.02:1:1)を用いてポリSiのエッチングを行った。その後、フォトレジストを同様にして超音波(MS)を照射しながら洗浄液に160秒間浸漬して除去し、SPM(10分間)、DHF(1分間)、超純水(3分間)による洗浄を行った。
次に、SiO2を常圧CVDにより400℃で18分間形成し、所望の形状にパターニング後、Al1μmをスパッタリングにより形成し、パターニングした。
以上の工程により、ゲート電極面積1×10−4cm2、ゲート酸化膜厚7.5nmのMOSキャパシタを作製した。
作製したMOSキャパシタについて、ヒュレット・パッカード製パラメータ・アナライザーHP4145Aを用いて、絶縁耐圧を測定した。なお、絶縁耐圧は電流密度10−4A/cm2が流れる電圧値とした。結果をまとめて表6に示す。
また、同様にして、MOSFETを作製して、飽和領域におけるIDと(VG−VTH)2のグラフの傾きから移動度を求めた。なお、IDはドレイン電流、VGはゲート電圧、VTHはしきい値である。この結果も表6に示す。
Figure 0003940742
以上から明らかなように、本発明の洗浄液を使用したフォトレジスト除去技術は、微細加工、高清浄度が求められる半導体デバイスの製造工程においても使用可能であり、使用する薬品種が少なく低濃度であるため環境問題にも対応し、さらに薬品蒸気や水蒸気が殆ど発生しないため、装置の小型簡素化が可能で、装置の占有面積削減が図られる省スペース化や経費削減に貢献可能な洗浄技術であることが明らかである。
また、本実施例で作成したMOSキャパシタおよびMOSFETにおいて、フッ化カリウム(KF)を用いた洗浄液が、フッ化アンモニウム(NH4F)、フッ化水素酸(HF)を含む洗浄液に比べ、絶縁耐圧や移動度において半導体デバイス特性が優れていることが判明した。
この理由について、本発明者らは、本発明のフォトレジスト除去用洗浄液による精密基板へのダメージに依存しているということに着目し、本実施例においては、各洗浄液がシリコンウェハの表面状態に及ぼす影響について調査を行った。
まず、シリコンウェハ(Cz、n(100))をDHF(0.5%HF)で1分間浸漬した後、超純水リンスを10分間行い、2ppmオゾン添加超純水で10分間洗浄した後、超純水リンスを10分間行った。
その後、さらにDHFに1分間浸漬した後、0.95MHzの超音波(MS)を照射しながら各洗浄液に160秒間浸漬した。各洗浄液の調整濃度は実施例6と同様である。
洗浄後、原子間力顕微鏡(AFM)により、ウェハの面内30点でシリコン表面の表面粗さRaを測定した。結果を表7に示す。
Figure 0003940742
表7から明らかなように、フッ化カリウム(KF)を含有する洗浄液が、最もシリコンウェハの表面荒れを起こさず、調査前のシリコンウェハ表面粗さと同じ値が保たれた。一方、フッ化アンモニウム(NH4F)、フッ化水素酸(HF)を含有する洗浄液はフッ化カリウム(KF)含有洗浄液に比べ表面荒れが生じ、面内でばらつきが大きくなるのが分かった。
すなわち、実施例6において、フッ化カリウム(KF)を用いた洗浄液が、フッ化アンモニウム(NH4F)、フッ化水素酸(HF)を含む洗浄液に比べ、半導体デバイス特性に優れている原因は、本発明のフォトレジスト除去用洗浄液による精密基板へのダメージに依存しているという本発明者らの推測が正しいことを明らかにした。
また、本実施例から明らかなように、微細加工、高清浄度が求められる半導体デバイスや液晶ディスプレイなどの精密基板の洗浄工程(レジスト除去工程)において、使用する薬品種が少なく、低濃度で、環境問題に対応し、さらに薬品蒸気や水蒸気が殆ど発生しない省スペース化、経費削減に貢献可能な洗浄方法は、純水で希釈されたイソプロピルアルコールにフッ化カリウムを混合した洗浄液を用い、かつ洗浄液に超音波を照射することが最も効果的であることが明らかである。
本発明により、すなわち、純水で希釈されたイソプロピルアルコールにフッ化カリウム、塩化カリウム、フッ化水素酸またはフッ化アンモニウムの少なくとも1種類以上を混合した洗浄液と洗浄液に超音波を照射することにより、精密基板に付着したフォトレジストのような有機被膜を除去する洗浄方法により、極めて高い洗浄効果が得られる。
高い洗浄効果が得られる理由の詳細は、現在のところ完全には明らかではないが、本実施例の結果から、次のように推測される。まず、イソプロピルアルコールとフッ化カリウム、塩化カリウム、フッ化水素酸またはフッ化アンモニウムがフォトレジスト内部に、特にフォトレジストと精密基板の界面に浸透して、フォトレジストを若干溶解、膨張させ、さらにフォトレジストと精密基板表面の密着力を極端に低下させることによって、フォトレジストは超音波によって剥離するものと考えられる。
さらに、超音波によって洗浄液中に生成するラジカル(Hラジカル、OHラジカル)によってフォトレジストと精密基板表面の化学結合を切断し、フォトレジストの剥離を促進させる。
イソプロピルアルコールを用いることにより、精密基板とフォトレジストとの界面にフッ化カリウム、塩化カリウム、フッ化水素酸またはフッ化アンモニウムを浸透させフォトレジストを膨張させる。
さらにイソプロピルアルコールと供にフッ化カリウム、塩化カリウム、フッ化水素酸またはフッ化アンモニウムが界面に侵入し精密基板をわずかにエッチングし、フォトレジストを基板から引き離し、超音波によってフォトレジストが剥離されるものと考えられる。
本発明は、特に半導体デバイスや液晶ディスプレイなどの微細加工工程におけるフォトレジストの除去に好適に適用され、従来の除去方法に比べて、高い洗浄除去効果で、高清浄な表面とすることができる。
さらに、室温付近での処理であるため、取り扱い性・安全性に優れ、しかも廃液処理が容易である。高温高濃度薬品を一切用いない室温ウェット洗浄技術は本発明者らによりすでに開発されている(大見忠弘著、ウルトラクリーンULSI技術、培風館1995年12月刊行)。
また、本発明はフォトレジストに限らず、塗料や接着剤などの種々の高分子有機被膜、機械油など(焼き付いて高分子化した物を含む)の皮膜、界面活性剤や染料の除去などに適用できることは言うまでもない。
また、本発明のフォトレジストなどの有機膜除去は、従来の薬液による溶解ではなく、基板表面からの剥離によっているため、剥離されたフォトレジストなどの有機膜を循環ろ過すれば有機膜はフィルターで全て除去されてしまうため、洗浄液は殆ど劣化せず長期間に渡る使用が可能である。
従って、本発明の洗浄装置で使用後の洗浄液を粗性能フィルター、中性能フィルター、高性能フィルターと順次通過させれば再利用できる。このフィルター系統を2系統設けておけば、順次切り換えて使用し、他方のフィルターを交換すれば連続運転が可能となる。
すなわち、本発明の洗浄(レジスト除去)方法および洗浄装置は、使用する薬品種が少なく低濃度であるため環境問題に適用している。また、薬品蒸気や水蒸気が殆ど発生しないため、装置の小型簡素化が可能で、装置の占有面積削減が図られるため、省スペース化が可能で、半導体デバイスや液晶ディスプレイなどの製造工場の経費削減に適用している。
本発明の洗浄方法を実施するための洗浄装置の一例を示す概念図である。 本発明の洗浄方法を実施するための洗浄装置の一例を示す概念図である。 各種洗浄液とフォトレジストとの接触角を示すグラフである。
符号の説明
501・・・洗浄槽の内槽、
502・・・洗浄液、
503・・・外槽、
504・・・純水、
505・・・超音波振動子、
506・・・洗浄液貯留タンク、
507・・・ポンプ、
508・・・膜脱気装置、
509・・・膜脱気装置、
510・・・熱交換器、
511・・・レベルセンサー、
512・・・レベルセンサー、
513・・・ポンプ、
514・・・フィルター、
601・・・洗浄液貯留タンク、
602・・・ポンプ、
603・・・膜脱気装置、
604・・・回転台、
605・・・洗浄ノズル、
606・・・超音波振動子、
607・・・回収タンク、
608・・・ポンプ、
609・・・フィルター。

Claims (10)

  1. 機溶剤を純水で希釈し、フッ化アンモニウム又はハロゲン化金属塩を添加した洗浄液により、有機被膜除去を行うことを特徴とする洗浄方法。
  2. 請求項1において、有機被膜下地の基板材料をエッチングするフッ化水素酸を添加した洗浄液により、有機被膜除去を行うことを特徴とする洗浄方法。
  3. 密閉雰囲気中で有機被膜除去を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄方法
  4. 前記有機被膜は、イオン注入または/及びリアクティブイオンエッチング工程後におけるフォトレジストであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄方法。
  5. 有機溶剤がイソプロピルアルコールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄方法。
  6. ハロゲン化金属塩がフッ化カリウムまたは/及び塩化カリウムであることを特徴とする請求項に記載の洗浄方法。
  7. 前記フッ化水素酸の濃度は、0.05〜0.5wt%であることを特徴とする請求項2に記載の洗浄方法。
  8. 前記フッ化アンモニウムの濃度は、0.6〜6.5wt%であることを特徴とする請求項に記載の洗浄方法。
  9. 前記フッ化カリウムの濃度は、0.05〜10wt%であることを特徴とする請求項6に記載の洗浄方法。
  10. 前記塩化カリウムの濃度は、0.5〜10wt%であることを特徴とする請求項6に記載の洗浄方法。
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