JP3839359B2 - Chemically modified solid support and use thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分子生物学分野、生化学関連分野において有用な、ペプチドの固定化が可能な、又はマイクロラボラトリーとして有用な固体支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒトゲノム計画の終了に伴い、生物、医学の研究は遺伝子解読からタンパク質解析、即ちプロテオミクスという新たなステップへと踏み出した。遺伝子は、タンパク質を生成するための単なるプログラムコードでしかなく、ほとんど全ての生体活動はそれらのコードをもとに生成された、非常に複雑な構造を持つタンパク質の分子間で行なわれている。ある種のタンパク質が正常に機能しない場合、健康に支障をきたすことが知られている。それゆえに、個々のタンパク質の機能を解明することは、医学の更なる進歩に欠かすことのできないステップであると言える。
【0003】
従来は、タンパク質の性質、発現状態、構造、活性などの分析には、抽出したタンパク質の混合物を分子量や等電点の違いにより分離し、解析する2次元電気泳動法(2−D PAGE)が使用されてきた。しかし、2次元電気泳動法は、ハイスル−プット解析に不向きで、検出感度、およびサンプルの可溶化の面でも問題があった。
【0004】
一方、今日までに数々のDNAチップが報告されている。それらのDNAチップは、ある表現型や生理状態での遺伝子発現の変化の確認や、発現パターンのデータベースを作ることに有用であった。しかし通常、遺伝子とタンパク質の発現量やパターンは必ずしも正確に相関しないため、DNAチップはタンパク質の発現レベルの定量化には使用することができない。またタンパク質は翻訳後に、リン酸化、糖鎖付加、切断などの、さまざまな修飾を受けることによってその機能が変化するため、それらの翻訳後修飾の情報をDNA解析からは得ることもできない。
【0005】
そこでDNAアレイ技術を、タンパク質解析のツールとして用いたものとしてプロテインチップが開発された。プロテインチップの原理はDNAチップと同じで、スライドガラスや膜の上にタンパク質を高密度に固定し、それらと相互作用するタンパク質や核酸などを検出するものである。しかし、強固なDNA鎖に対し、巧みにアミノ酸が絡み合ってできている非常に不安定な構造をもつタンパク質を基板上に固定化させることは容易ではない上、多くの場合、タンパク質の反応性は3次元の折りたたみ構造の変化によって変わるため、タンパク質を取り巻く僅かな環境の変化がタンパク質を変性させることもあり、目的のタンパク質を機能が保持された状態で解析することは困難であった。
【0006】
また、従来開発されたプロテインチップは、スライドガラス又はシリコン基板表面にポリリジン等の高分子を塗布し、その後にタンパク質を固定化するものであるが、スライドガラス又はシリコン基板表面にポリリジン等の高分子を塗布してタンパク質を固定化する方法では、タンパク質の固定化状態が不安定であり、洗浄工程において剥離するといった問題が生じるとともに、固定化されたタンパク質を長期間保存することも不可能であった。また、生体物質の非特異吸着や、タンパク質の機能失活、検出系UV不透明性等の問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、タンパク質の解析やタンパク質保存を効率的に行うための、ペプチドを安定に固定化する固体支持体であって、タンパク質の機能失活がなく、検出系UVに対して透明性であり、さらに結合させたペプチドの脱着が可能な固体支持体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、表面がカーボン層から構成された基板を化学修飾し、さらに金属キレートを形成させた固体支持体により、上記課題が解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)基板表面の一部又は全部がカーボン層で構成されており、その層上に金属キレートが形成されてなる固体支持体。
(2)カーボン層がダイヤモンドライクカーボン層又はダイヤモンド層である(1)に記載の固体支持体。
(3)前記カーボン層の厚みが、炭素単分子〜100μmである(1)又は(2)に記載の固体支持体。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の固体支持体の表面にペプチドを固定化してペプチドを解析する方法。
(5)(1)〜(3)のいずれかに記載の固体支持体の表面にペプチドを固定化してペプチドを保存する方法。
(6)その表面に形成された金属キレートにペプチドが固定化されてなる(1)〜(3)のいずれかに記載の固体支持体。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の固体支持体は、基板の表面にカーボン層を形成し、このカーボン層に特定の化学修飾を施したことを特徴とするものである。本発明における化学修飾とは、このカーボン層の上に金属キレートを形成するキレート配位子を、スペーサーを介して導入して、金属キレートを形成させることを意味する。このような化学修飾によって、ペプチドを固体支持体の表面に固定化することができる。
【0011】
本発明において基板とはカーボン層を形成させるための基材を意味し、このような基材は、特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン等の金属;上記金属とセラミックスとの積層体;ガラス;シリコン;繊維;木材;紙;ポリカーボネート、フッ素樹脂等のプラスチック;及びプラスチックと上記金属、セラミックス、ダイヤモンド等との混合体を挙げることができる。本発明においては、蛍光測定におけるバックグラウンドの低減、透過光による測定、コスト、生産性の観点から、ガラス又はシリコンを用いるのが好ましい。基板の形状及びサイズは特に限定されないが、平板状のものを用いる場合、通常は、幅0.1〜100mm、長さ0.1〜100mm、厚み0.01〜10mm程度である。
【0012】
スペーサーの構造としては、ペプチドの結合を阻害せず、金属キレート配位子を導入できるものであれば特に限定されないが、炭素数1〜12、中でも1〜6の炭化水素鎖が好ましい。このような炭化水素鎖は、飽和でも不飽和でもよく、置換されていても無置換でもよい。また、直鎖状、分枝状又は環状でもよい。例えば、炭素数1〜12、好ましくは1〜6のアルキレン基、例えば、メチレン、エチリデン、ジメチルメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、1,2−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン;(メチル)(フェニル)メチレン、ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基;−CH2−CH(OH)−CH2−O−CH2−CH(OH)−CH2−;フェニレン等のアリーレン基;及びベンゼン誘導体又はシクロヘキサン誘導体構造を有する2価の基等を挙げることができる。
【0013】
本発明においてキレート配位子とは、金属イオンに配位してキレート化合物をつくることができる多座配位子をいう。キレート配位子の構造としては、例えば、イミノジカルボン酸、ニトリロトリ酢酸、テルピリジン、ビピリジン、トリエチレンテトラアミン、ビエチレントリアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸類似化合物、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、大環状ポリアミンジオキソ誘導体、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、ジメチルグリオキシム、2,4−ペンタンジオン、アラニン、ビピリジン、ジアミノシクロペンタン、ジエチレントリアミン、ジメチルグリオキシム、アエチレントリアミン五酢酸、グリシン、ヘキサエチレンヘキサミン、2−メチル−1,2−プロパンジアミン、イソキノリン、マロン酸、O−フェニレンジアミン、シュウ酸、N,N,N',N'−テトラキス(2−アミノエチル)エチレンジアミン、1,10−フェナントロリン、γ−ピコリン−1,2−プロパンジアミン、ピリジン、キノリン、ヒスチジン、3,4−ジアセチル−2,5−ヘキサンジオン、2,2',2''−テルピリジン、テトラエチレンペンタアミン、1,3−プロパンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラアミン及び尿素等の構造を有するものが挙げられる。本発明においては、イミノジカルボン酸構造、イミノジカルボン酸類似構造、トリエチレンテトラアミン構造をとるものが好ましい。
【0014】
キレート配位子を導入するための工程は、特に限定されないが、例えば、基板表面を塩素化、アミノ化した状態で、形成された第1級アミノ基に、ハロカルボン酸類を反応させてキレート配位子を形成することができる。アミノ化は、例えば、アンモニアガス又はポリアミン類ガス中で紫外線照射することにより実施できる。あるいは、適宜触媒を用い、適当な溶媒下でポリアミン類を反応させることにより行うこともできる。この場合に使用できるポリアミン類としては、特に限定されないが、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、ベンジジン、ジアミノスチルベン、トリジン、ジアミノベンジジン、ポリアリルアミン等が挙げられ、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ポリアリルアミンを用いるのが好ましい。溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、ジメトキシエタン、ジオキサン、クロロホルム、塩化メチレン等を用いることができ、触媒又は反応試薬としては、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン等を用いることができる。
【0015】
続いて、ハロカルボン酸を用いることによりイミノジ酢酸類似構造を有するキレート配位子を形成することができる。ハロカルボン酸としては特に限定されないが、例えば、クロロ酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、2−クロロプロピオン酸、3−クロロプロピオン酸等が挙げられ、クロロ酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸を用いるのが好ましい。
あるいは、無水エチレンジアミン四酢酸を用いることによりキレート配位子を形成することもできる。
【0016】
別法として、カーボン層が形成された基板を塩素化し、次いでこれをアミノ化した後、さらにカルボキシル基を導入し、末端のカルボキシル基にキレート配位子を導入することもできる。この場合、塩素化及びアミノ化は上記と同様の方法によって実施できる。カルボキシル基は、例えば、アミノ基を適当なジカルボン酸と反応させることにより導入できる。形成されたカルボキシル基に、例えば、イミノジ酢酸などのイミノジカルボン酸、ニトリロトリ酢酸、テルピリジン、ビピリジン、トリエチレンテトラアミン、ビエチレントリアミン及びこれらの塩を加えることによりキレート配位子を導入することができる。本発明においては、イミノジカルボン酸を用いるのが好ましい。キレート配位子を導入する際には、適宜触媒や反応試薬などを用いて適当な溶媒下で行うことができる。
【0017】
そして、上記のようにして形成されたキレート配位子に対して金属イオンを添加することにより、金属キレートを形成させることができる。キレートを形成する金属イオンとしては、例えば、鉄イオン、ニッケルイオン、コバルトイオン、カルシウムイオン、銀イオン、銅イオン、錫イオン、クロムイオン、ルテニウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、カドミウムイオン、マンガンイオン、バリウムイオン、ストロンチウムイオン、水銀イオン、鉛イオン等が挙げられ、ペプチドに対する親和性の観点からニッケルイオン、コバルトイオン、亜鉛イオン、銅イオン等が好ましい。キレート配位子が形成された基板表面にこれらの金属の塩、例えば、硫酸ニッケル、コハク酸ニッケル、水酸化ニッケル、酢酸コバルト、アミド硫酸コバルト、塩化コバルト、安息香酸コバルト、ホウ酸コバルト、臭化コバルト、クロム酸コバルト、ギ酸コバルト、ナフテン酸コバルト、硝酸コバルト、オレイン酸コバルト、リン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、硫酸コバルト、酒石酸コバルト、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、硝酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、硫酸亜鉛、酒石酸亜鉛、塩化銅、フッ化銅、ギ酸銅、グルコン酸銅、硝酸銅、シュウ酸銅、リン酸銅、硫酸銅等を添加することにより、金属キレートを形成させることができる。この際、錯形成を安定に行わせるために、クエン酸、酒石酸等を加え、必要に応じpHを3〜11に調整することが望ましい。このようにして形成された金属キレートに対して、ペプチドが配位することにより固体支持体に固定化される。
【0018】
また金属キレートは、静電結合、イオン性結合又は同位共有結合によってカーボン層に導入することもできる。カーボン層に疎水性相互作用が可能な官能基を導入してこれに金属キレートを導入することもできる。
【0019】
本発明においてペプチドは、ポリペプチド、オリゴペプチド、タンパク質を包含し、単純タンパク質、複合タンパク質でもよく、天然のものでも合成のものでもよい。ペプチドの長さは特に限定されないが、アミノ酸数1〜10000、好ましくは1〜1000のものを固定化するのに好適である。本発明の固体支持体に固定化できる標的ペプチドとしては、特に限定されず、例えば、抗体、酵素、病原性タンパク、ペプチド系ホルモン、レセプター、キナーゼ、糖タンパク質、金属タンパク質、ウイルス、誘導タンパク質等のタンパク質を好適に固定化することができる。
【0020】
標的ペプチドは、キレートを形成している金属イオンと特異的に作用するように、適当な標識を有するのが好ましい。このような標識としては、亜鉛、ニッケル又はコバルトイオンのような金属イオンと特異的に相互作用するポリヒスチジン配列(例えば、ヘキサヒスチジン配列)、又は、それぞれ、亜鉛若しくは銅と特異的に相互作用する、少なくとも約4個のリシンを含むポリリシン配列若しくは少なくとも4個のアルギニン残基を含むポリアルギニン配列が挙げられる。このような標識を有するペプチドは、例えば、標的ペプチドをコードするヌクレオチド配列を標識ペプチドをコードするヌクレオチド配列に連結し、これをin vitroで転写及び翻訳し、続いて標識と特異的に相互作用する試薬を用いて翻訳反応物から単離することによって入手できる。
【0021】
本発明において基板上に形成させるカーボン層としては、特に限定されないが、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、無定形炭素、グラファイト、炭化ハフニウム、炭化ニオブ、炭化珪素、炭化タンタル、炭化トリウム、炭化チタン、炭化ウラン、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化クロム又は炭化バナジウム等を挙げることができる。カーボン層は、化学的安定性に優れておりその後の化学修飾やペプチドの結合における反応に耐えることができる点、及びUV吸収がないため検出系UVに対して透明性である点において有利である。
【0022】
本発明においてカーボン層の形成は公知の方法で行うことができる。例えば、マイクロ波プラズマCVD(Chemical Vapor Deposit)法、ECRCVD(Electric Cyclotron Resonance Chemical Vapor Deposit)法、IPC(Inductively Coupled Plasma)法、直流スパッタリング法、ECR(Electric Cyclotron Resonance)スパッタリング法、イオン化蒸着法、アーク式蒸着法、レーザ蒸着法、EB(Electron Beam)蒸着法、抵抗加熱蒸着法などが挙げられる。
【0023】
高周波プラズマCVD法では、13.56MHzの高周波によって電極間に生じるグロー放電により原料ガス(メタン)を分解し、基体上にDLC(Diamond Like Carbon、ダイヤモンドライクカーボン)層を合成する。イオン化蒸着法では、タングステンフィラメントで生成される熱電子を利用して、原料ガス(ベンゼン)を分解・イオン化し、バイアス電圧によって基体上にカーボン層を形成する。水素ガス1〜99体積%と残りメタンガス99〜1体積%からなる混合ガス中で、イオン化蒸着法によりDLC層を形成しても良い。
【0024】
アーク式蒸着法では、固体のグラファイト材料(陰極蒸発源)と真空容器(陽極)の間に直流電圧を印加することにより真空中でアーク放電を起こして陰極から炭素原子のプラズマを発生させ蒸発源よりもさらに負のバイアス電圧を基体に印加することにより基体に向かってプラズマ中の炭素イオンを加速しカーボン層を形成することができる。
【0025】
レーザ蒸着法では、例えばNd:YAG(Yttrium aluminum garnet)レーザ(パルス発振)光をグラファイトのターゲット板に照射して溶融させ、ガラス基板上に炭素原子を堆積させることによりカーボン層を形成することができる。
【0026】
ペプチドを本発明の固体支持体に固定化してこれを保存する場合は、基板表面にダイヤモンド層が形成されていることが好ましい。ダイヤモンドは熱伝導性に優れており、急速な冷却が可能だからである。
【0027】
ダイヤモンドとして、合成ダイヤモンド、高圧形成ダイヤモンド、又は天然のダイヤモンド等のいずれも使用できる。また、それらの構造が単結晶体又は多結晶体のいずれでも差し支えない。生産性の観点よりマイクロ波プラズマCVD法などの気相合成法を用いて製造されたダイヤモンド層を用いることが好ましい。
【0028】
本発明の固体支持体をペプチドの保存に用いる場合、固体支持体の表面は意図的に粗面化されていることが望ましい。このような粗面化表面は表面積が増えて多量のペプチドを固定させることに好都合だからである。固体支持体の形状は平板状、糸状、球状、多角形状、粉末状など特に問わない。さらに、この固体支持体は、ダイヤモンドと他の物質との複合体(例えば、2層からなる基板)であってもよい。
【0029】
各ペプチドが機能を失うことなく安定に存在できるバッファー中に本発明の固体支持体を浸漬する事により、本発明の方法により固定化されたペプチドは、バッファー中で保存するのと同等の期間にわたって、その機能を失うことなく安定に固体支持体上に固定化される。
【0030】
本発明の固体支持体をペプチドの解析に用いる場合、基板表面は、ペプチドの非特異的吸着を防ぎ、試薬に対する耐性を高め、蛍光測定におけるバックグラウンドを低減し、透過光による測定を可能にし、そして、コスト及び生産性も高いという観点からダイヤモンドライクカーボンで形成されていることが好ましい。ダイヤモンドの場合と同様に、ダイヤモンドライクカーボン層を形成させる基板は特に限定されず、スライドガラス、金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン等の金属;上記金属とセラミックスとの積層体;ガラス;シリコン;繊維;木材;紙;ポリカーボネート、フッ素樹脂等のプラスチック;及びプラスチックと上記金属、セラミックス、ダイヤモンド等との混合体等を使用することができる。また、タンパク質等の解析に用いる場合は、基板の形状は解析装置に合わせた形状、例えば球状又は平板状であることが好ましい。
【0031】
ダイヤモンドライクカーボン層を基板表面に形成し、そして上記のように化学修飾して金属キレートを形成した固体支持体を用い、例えば、蛍光標識したペプチドをこの固体支持体に固定化して蛍光検出を行うと、バックグラウンドが低く蛍光シグナルが高くなる、すなわち高度のS/N比がもたらされる。
【0032】
本発明の固体支持体表面のカーボン層の厚さは、可視光の透過性、蛍光に対するバックグラウンドの低下の観点から炭素単分子〜100μmであることが好ましく、より好ましくは炭素単分子〜100nm、さらに好ましくは炭素単分子〜10nmである。なお、透過性の点で若干劣るが、固体支持体のすべてがカーボンで構成されたものでも適用できる。
【0033】
本発明の固体支持体は、これに結合した標的ペプチドを質量分析によって解析するためにも好適である。この場合の質量分析に使用可能な質量分析計の様式は、マトリックス補助レーザ脱着(MALDI、Matrix−assistedlaser desorption ionization)、連続的又はパルス型電子スプレー(ESI、Electrospray ionization)及びイオンスプレー又は熱スプレーのような関連方法、ならびに大質量クラスター衝撃(MCI、Massive−cluster impact ionization)のようなイオン化(I)手法を含むが、これらに限定されない。そのようなイオン源は、線形又は非線形反射飛行時間(TOF:Time of flight)、単一又は多重四重極、単一又は多重磁気セクター、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(FTICR、Fourier transform ion cyclotron resonance)、イオン捕獲、ならびにイオン捕獲/飛行時間のようなそれらの組合せを含む検出様式に適合させることができる。イオン化については、数多くのマトリックス/波長の組合せ(MALDI)又は溶媒の組合せ(ESI)が使用できる。アットモル以下のレベルのタンパク質は、例えばESI質量分析(Valaskovicら、Science 273:1199−1202(1996))及びMALDI質量分析(Liら、J.Am.Chem.Soc.118:1662−1663(1996))を用いて検出できる。
【0034】
電子スプレー質量分析はFennら(J.Phys.Chem.88:4451−59(1984);WO90/14148)によって記述されている。MALDI−TOF質量分析はHillenkampら("Matrix Assisted UV−Laser Desorption/Ionization:A New Approach to Mass Spectrometry of Large Biomolecules,Biological Mass Spectrometry"(BurlingameとMcCloskey編集、Elsevier Science Publ.1990),p.49−60)によって記述されている。ESIに関しては、多数のイオンピークが存在し、そのすべてが質量計算に使用できるため、サンプルのフェムトモル量の分子量の測定が非常に正確である。
【0035】
質量分析によって測定した標的ペプチドの質量を、対応する既知のペプチドの質量と比較することができる。例えば、標的ペプチドが突然変異タンパク質である場合、対応する既知のペプチドとして対応する正常タンパク質と比較することができる。
【0036】
上記のような質量分析を用いて標的ペプチドを解析する工程は、標的ペプチドのアミノ酸配列又はその一部を決定することによって実施できる。アミノ酸配列決定は、例えば、カルボキシペプチダーゼY、カルボキシペプチダーゼP、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼG若しくはカルボキシペプチダーゼBのようなカルボキシペプチダーゼ等の酵素を用いてカルボキシル末端から、又はエドマン分解法を用いて若しくはアラニンアミノペプチダーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、ピログルタミン酸ペプチダーゼ、ジペプチジルペプチダーゼ、マイクロクロソームペプチダーゼのようなアミノペプチダーゼ等の酵素を用いて、標的ペプチドのN末端から実施することができる。そして放出されたアミノ酸を質量分析によって同定する。
このようなペプチドの質量分析に用いる場合は、ダイヤモンドライクカーボン層を有する固体支持体を用いるのが好ましい。
【0037】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
ガラス基板として、25mm(幅)×75mm(長さ)×1mm(厚み)のものを用いた。このガラス基板の表面に、イオン化蒸着法により、メタンガス95体積%、水素ガス5体積%を混合したガスを原料として、DLC層を10nm厚みに形成したスライドガラスを作成した。
【0038】
次に、このスライドガラス表面を化学修飾し、ニッケルイオンを配位させた。すなわち、スライドガラスを入れた反応容器内に塩素を導入した後、高圧水銀灯の光を1分間照射することによってガラス基板表面を塩素化し、ジメチルホルムアミド200ml、エチレンジアミン12ml、トリエチルアミン38mlの混合液に浸漬し、室温で5時間撹拌した後、水200mlで3回洗浄し、クロロ酢酸28.2gを含む1.25モル水酸化ナトリウム水溶液240mlに加えて室温で一晩撹拌した。このスライドガラスを酒石酸15.0g、クエン酸21.0g、28%アンモニア水30mlを含む0.2モル硫酸ニッケル水溶液500mlに浸漬し、室温で3時間撹拌し、水200mlで3回洗浄した後、XPS(X−ray photo−electron spectroscopy)にて表面分析したところ、855.0〜859.0eVにニッケル由来のピークを確認した。
【0039】
前記において、XPSで分析する前の固体支持体を水200mlで3回洗浄し、乾燥後、真空パックをした。真空パックは、真空容器を1Torr以下まで排気した後に、その中で真空袋を熱融着することによりパックする。真空パック内で4℃にて6ヶ月放置してもXPSによるニッケルピークの分析結果は、経時しない場合と同じであり、キレートとして固定化する機能に変化が見られなかった。
【0040】
実施例2
DLC(Diamond like carbon、ダイヤモンドライクカーボン)層を形成した基板上に金属キレートを形成させた固体支持体を作成し、この固体支持体上にポリヒスチジン配列を融合させたGFP(緑色蛍光タンパク質)をピペッターで0.2μlずつスポットした。そして、37℃に保った湿箱に入れ、1時間反応させた。その後1×PBSで15分間洗浄し、LAS1000(富士写真フィルム株式会社製)にて蛍光測定を行った。条件は次の通りである。CCD(Charge coupled device);130万画素(冷却CCDカメラ)、有効画素;1384(H)×922(V)ピクセル、画角;7cm×11cm、露出時間;10秒。GFPによる自家蛍光を測定した。測定結果を図1に示す。図1は、タンパク質を固定化した固体支持体について、化学発光測定装置により、GFPによる自家蛍光の強度を二次元に画像化したものである。丸くスポットになっているところがGFPの存在部分である。この結果ポリヒスチジン配列を融合したGFPから蛍光が観測された。以上から、GFPは蛍光機能を保持したまま固定化されていることが明らかとなった。
【0041】
また、前記したように、ポリヒスチジン配列を融合させたGFP(緑色蛍光タンパク質)を固定化した固体支持体を、オートクレーブ減菌した0.05M Tris−HCl(pH7.4)45mLに、4℃で1週間、2週間、1ヶ月間浸漬した後、LAS1000(富士写真フィルム株式会社製)にて、GFPによる自家蛍光を測定した。測定条件は以下の通りである。CCD:130万画素(冷却CCDカメラ)、有効画素:1384(H)×922(V)ピクセル、画角:7cm×11cm、露出時間:10秒。測定結果を図3に示す。図3は、タンパク質を固定化した固体支持体について、化学発光測定装置により測定したGFPによる自家蛍光の強度率をグラフ化したものである。この時GFPの自家蛍光はスポット部位の89ピクセルを測定し、各ピクセルの平均を自家蛍光強度とした。これにより、GFPを固定化した状態で、4℃で1ヶ月保存しても、初期の自家蛍光強度率1に対して、強度率0.8を維持しており、GFPが安定に固定化されているとともに、その機能が保持されていることが明らかとなった。
【0042】
実施例3
DLC(ダイヤモンドライクカーボン)層を形成した基板上に金属キレートを形成させた固体支持体を作成し、この固体支持体上にCy5蛍光標識したポリヒスチジン配列を融合させたGFPとCy3蛍光標識したプロテインAをピペッターで0.2μlずつスポットした。そして37℃に保った湿箱に入れ、1時間反応させた。そして、▲1▼1×PBSで15分間洗浄、▲2▼10mMイミダゾール/1×PBSで15分間洗浄、▲3▼500mMイミダゾール/1×PBSで15分間洗浄、の3種の処理を行った後、FLA8000(富士写真フィルム株式会社製)にて蛍光測定を行った。測定結果を図2に示す。図2は、タンパク質を固定化した固体支持体について、蛍光測定装置により測定した色素による蛍光強度を二次元に画像化したものである。丸くスポットになっているところが蛍光標識したタンパクの存在部分である。その結果、▲1▼ではCy5蛍光標識したポリヒスチジン配列を融合させたGFPとCy3蛍光標識したプロテインAの両方が固定化しており、▲2▼ではCy5蛍光標識したポリヒスチジン配列を融合したGFPのみが固定化しており、▲3▼では両方が固定化されていなかった。以上から、本発明の固体支持体においては、イミダゾールの濃度を変えることによりタンパク質の脱着が可能であることが明らかとなった。
【0043】
実施例4
ガラス基板として、25mm(幅)×75mm(長さ)×1mm(厚み)のものを用いた。このガラス基板の表面に、イオン化蒸着法により、メタンガス95体積%、水素ガス5体積%を混合したガスを原料として、DLC層を10nm厚みに形成したスライドガラスを作成した。
【0044】
次に、このスライドガラス表面を化学修飾し、ニッケルイオンを配位させた。すなわち、スライドガラスを入れた反応容器内に塩素を導入した後、高圧水銀灯の光を1分間照射することによってガラス基板表面を塩素化し、イミノジ酢酸19.8gを含む0.8モル水酸化ナトリウム水溶液250mlに入れて溶液を室温で一晩撹拌した。このスライドガラスを酒石酸15.0g、クエン酸21.0g、28%アンモニア水30mlを含む0.2モル硫酸ニッケル水溶液500mlに浸漬し、室温で3時間撹拌し、水200mlで3回洗浄した後、XPSにて表面分析したところ、855.0〜859.0eVにニッケル由来のピークを確認した。前記において、XPSで分析する前の固体支持体を水200mlで3回洗浄し、乾燥した後、真空パックをした。真空パックは、真空容器を1Torr以下まで排気した後に、その中で真空袋を熱融着することによりパックする。真空パックの中で、4℃で6ヶ月放置してもニッケル由来のピークの分析結果は、経時しない場合と同じであり、キレートとしての機能が維持されていることが明らかとなった。
【0045】
【発明の効果】
本発明のカーボン層上に金属キレートを形成した固体支持体は、UV透過性などの光学的特性に優れており、さらに、ペプチドをその機能を失うことなく長期間にわたり安定に固定化できるとともに、ペプチドの脱着が可能である。従って、ペプチドの保存及び解析において有用な手段として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】タンパク質の固定化された固体支持体について、化学発光測定装置により、GFPによる自家蛍光の強度を二次元に画像化したものである。丸くスポットになっているところがGFPの存在部分である。
【図2】タンパク質を固定化した固体支持体について、蛍光測定装置により、色素による蛍光強度を二次元に画像化したものである。丸くスポットになっているところが蛍光標識したタンパクの存在部分である。
【図3】タンパク質を固定化した固体支持体の蛍光強度を、経時的に試験した結果を表すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a solid support useful in the field of molecular biology and biochemistry, capable of immobilizing peptides, or useful as a microlaboratory.
[0002]
[Prior art]
With the completion of the Human Genome Project, biological and medical research has taken a new step from genetic decoding to protein analysis, or proteomics. A gene is simply a program code for producing a protein, and almost all biological activities are performed between molecules of a protein having a very complicated structure generated based on the code. It is known that if certain proteins do not function properly, they can interfere with health. Therefore, elucidating the functions of individual proteins can be said to be an indispensable step for further progress in medicine.
[0003]
Conventionally, two-dimensional electrophoresis (2-D PAGE), which separates and analyzes a mixture of extracted proteins based on differences in molecular weight or isoelectric point, is used for analysis of protein properties, expression state, structure, activity and the like. Have been used. However, the two-dimensional electrophoresis method is not suitable for high-throughput analysis, and has problems in terms of detection sensitivity and sample solubilization.
[0004]
On the other hand, many DNA chips have been reported to date. These DNA chips were useful for confirming changes in gene expression in a certain phenotype or physiological state and for creating a database of expression patterns. However, since the expression levels and patterns of genes and proteins do not always accurately correlate, DNA chips cannot be used for quantification of protein expression levels. In addition, since the function of a protein is changed by being subjected to various modifications such as phosphorylation, sugar chain addition, and cleavage after translation, information on the post-translational modification cannot be obtained from DNA analysis.
[0005]
Thus, a protein chip was developed using the DNA array technology as a tool for protein analysis. The principle of a protein chip is the same as that of a DNA chip. Proteins are immobilized on a slide glass or membrane at a high density, and proteins or nucleic acids that interact with them are detected. However, it is not easy to immobilize on a substrate a protein with a very unstable structure that is skillfully entangled with a strong DNA strand, and in many cases, the reactivity of the protein is Since it changes depending on the change in the three-dimensional folding structure, a slight change in the environment surrounding the protein may denature the protein, making it difficult to analyze the target protein while maintaining its function.
[0006]
In addition, conventionally developed protein chips are those in which a polymer such as polylysine is applied to the surface of a slide glass or silicon substrate, and then proteins are immobilized. The polymer such as polylysine is immobilized on the surface of a slide glass or silicon substrate. In the method of immobilizing proteins by applying the protein, the protein immobilization state is unstable, causing problems such as peeling during the washing process, and it is impossible to store the immobilized proteins for a long period of time. It was. In addition, there are problems such as non-specific adsorption of biological substances, protein function inactivation, and detection system UV opacity.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is a solid support for stably immobilizing peptides for efficient protein analysis and protein storage, which does not deactivate the function of the protein and is transparent to the detection system UV Furthermore, it is to provide a solid support capable of desorbing the bound peptide.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have found that the above problems can be solved by a solid support in which a substrate having a surface composed of a carbon layer is chemically modified and a metal chelate is further formed. The present invention has been completed.
[0009]
That is, the present invention includes the following inventions.
(1) A solid support in which a part or all of the substrate surface is composed of a carbon layer, and a metal chelate is formed on the layer.
(2) The solid support according to (1), wherein the carbon layer is a diamond-like carbon layer or a diamond layer.
(3) The solid support according to (1) or (2), wherein the carbon layer has a thickness of carbon monomolecule to 100 μm.
(4) A method for analyzing a peptide by immobilizing the peptide on the surface of the solid support according to any one of (1) to (3).
(5) A method for preserving the peptide by immobilizing the peptide on the surface of the solid support according to any one of (1) to (3).
(6) The solid support according to any one of (1) to (3), wherein a peptide is immobilized on a metal chelate formed on the surface thereof.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The solid support of the present invention is characterized in that a carbon layer is formed on the surface of a substrate and the carbon layer is subjected to specific chemical modification. The chemical modification in the present invention means that a chelate ligand that forms a metal chelate is introduced onto the carbon layer via a spacer to form a metal chelate. By such chemical modification, the peptide can be immobilized on the surface of the solid support.
[0011]
In the present invention, the substrate means a base material for forming a carbon layer, and such a base material is not particularly limited. For example, a metal such as gold, silver, copper, aluminum, tungsten, molybdenum; And glass; silicon; fiber; wood; paper; plastic such as polycarbonate and fluororesin; and mixtures of plastic and the above metals, ceramics, diamond, and the like. In the present invention, glass or silicon is preferably used from the viewpoints of background reduction in fluorescence measurement, measurement by transmitted light, cost, and productivity. The shape and size of the substrate are not particularly limited, but when a flat plate is used, it is usually about 0.1 to 100 mm in width, 0.1 to 100 mm in length, and about 0.01 to 10 mm in thickness.
[0012]
The structure of the spacer is not particularly limited as long as it can introduce a metal chelate ligand without inhibiting the binding of the peptide, but a hydrocarbon chain having 1 to 12, particularly 1 to 6 carbon atoms is preferable. Such hydrocarbon chains may be saturated or unsaturated and may be substituted or unsubstituted. Further, it may be linear, branched or cyclic. For example, an alkylene group having 1 to 12 carbon atoms, preferably 1 to 6 carbon atoms, such as methylene, ethylidene, dimethylmethylene, ethylene, trimethylene, tetramethylene, 1,2-cyclohexylene, 1,4-cyclohexylene; Arylalkylene groups such as methyl) (phenyl) methylene, diphenylmethylene;2-CH (OH) -CH2-O-CH2-CH (OH) -CH2-An arylene group such as phenylene; and a divalent group having a benzene derivative or cyclohexane derivative structure.
[0013]
In the present invention, the chelate ligand refers to a multidentate ligand that can coordinate with a metal ion to form a chelate compound. Examples of the chelating ligand structure include iminodicarboxylic acid, nitrilotriacetic acid, terpyridine, bipyridine, triethylenetetraamine, biethylenetriamine, ethylenediamine, trimethylenediamine, ethylenediaminetetraacetic acid, ethylenediaminetetraacetic acid analog, diethylenetriaminepentaacetic acid , Macrocyclic polyamine dioxo derivatives, sodium pyrophosphate, sodium tripolyphosphate, sodium polyphosphate, tartaric acid, citric acid, gluconic acid, dimethylglyoxime, 2,4-pentanedione, alanine, bipyridine, diaminocyclopentane, diethylenetriamine, dimethyl Glyoxime, ethylenetriaminepentaacetic acid, glycine, hexaethylenehexamine, 2-methyl-1,2-propanediamine, isoquinoline, Acid, O-phenylenediamine, oxalic acid, N, N, N ′, N′-tetrakis (2-aminoethyl) ethylenediamine, 1,10-phenanthroline, γ-picoline-1,2-propanediamine, pyridine, quinoline , Histidine, 3,4-diacetyl-2,5-hexanedione, 2,2 ′, 2 ″ -terpyridine, tetraethylenepentamine, 1,3-propanediamine, tris (2-aminoethyl) amine, triethylene What has structures, such as a tetraamine and urea, is mentioned. In the present invention, those having an iminodicarboxylic acid structure, an iminodicarboxylic acid-like structure, and a triethylenetetraamine structure are preferred.
[0014]
The process for introducing the chelate ligand is not particularly limited. For example, in the state where the substrate surface is chlorinated and aminated, the formed primary amino group is reacted with a halocarboxylic acid to form a chelate coordination. A child can be formed. Amination can be carried out, for example, by irradiation with ultraviolet light in ammonia gas or polyamine gas. Or it can also carry out by making polyamines react in a suitable solvent using a catalyst suitably. Polyamines that can be used in this case are not particularly limited. For example, methylenediamine, ethylenediamine, trimethylenediamine, tetramethylenediamine, pentamethylenediamine, hexamethylenediamine, phenylenediamine, benzidine, diaminostilbene, tolidine, diaminobenzidine. Polyallylamine and the like, and ethylenediamine, trimethylenediamine, tetramethylenediamine, and polyallylamine are preferably used. Examples of the solvent include N-methyl-2-pyrrolidone, N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, dimethyl sulfoxide, ethyl acetate, tetrahydrofuran, methanol, ethanol, dimethoxyethane, dioxane, chloroform, methylene chloride and the like. As the catalyst or reaction reagent, triethylamine, diazabicycloundecene, pyridine, pyrrolidine, piperidine, morpholine, and the like can be used.
[0015]
Subsequently, a chelate ligand having an iminodiacetic acid-like structure can be formed by using a halocarboxylic acid. Although it does not specifically limit as halocarboxylic acid, For example, chloroacetic acid, fluoroacetic acid, bromoacetic acid, iodoacetic acid, 2-chloropropionic acid, 3-chloropropionic acid etc. are mentioned, For example, chloroacetic acid, fluoroacetic acid, bromoacetic acid, iodoacetic acid Is preferably used.
Alternatively, chelate ligands can be formed by using anhydrous ethylenediaminetetraacetic acid.
[0016]
Alternatively, the substrate on which the carbon layer is formed can be chlorinated and then aminated, and then a carboxyl group can be further introduced to introduce a chelate ligand into the terminal carboxyl group. In this case, chlorination and amination can be carried out by the same method as described above. The carboxyl group can be introduced, for example, by reacting an amino group with an appropriate dicarboxylic acid. A chelating ligand can be introduced into the formed carboxyl group by adding, for example, iminodicarboxylic acid such as iminodiacetic acid, nitrilotriacetic acid, terpyridine, bipyridine, triethylenetetraamine, biethylenetriamine, and salts thereof. . In the present invention, it is preferable to use iminodicarboxylic acid. When the chelate ligand is introduced, it can be carried out in an appropriate solvent using a catalyst or a reaction reagent as appropriate.
[0017]
And a metal chelate can be formed by adding a metal ion with respect to the chelate ligand formed as mentioned above. Examples of metal ions that form chelates include iron ions, nickel ions, cobalt ions, calcium ions, silver ions, copper ions, tin ions, chromium ions, ruthenium ions, magnesium ions, zinc ions, cadmium ions, manganese ions, Examples include barium ions, strontium ions, mercury ions, lead ions, and the like, and nickel ions, cobalt ions, zinc ions, copper ions, and the like are preferable from the viewpoint of affinity for peptides. On the substrate surface on which the chelating ligand is formed, a salt of these metals, for example, nickel sulfate, nickel succinate, nickel hydroxide, cobalt acetate, cobalt amidosulfate, cobalt chloride, cobalt benzoate, cobalt borate, bromide Cobalt, cobalt chromate, cobalt formate, cobalt naphthenate, cobalt nitrate, cobalt oleate, cobalt phosphate, cobalt stearate, cobalt sulfate, cobalt tartrate, zinc chloride, zinc citrate, zinc nitrate, zinc oxalate, zinc sulfate A metal chelate can be formed by adding zinc tartrate, copper chloride, copper fluoride, copper formate, copper gluconate, copper nitrate, copper oxalate, copper phosphate, copper sulfate, and the like. At this time, in order to stably perform complex formation, it is desirable to add citric acid, tartaric acid or the like and adjust the pH to 3 to 11 as necessary. The peptide is coordinated to the metal chelate formed in this manner, thereby being immobilized on the solid support.
[0018]
Metal chelates can also be introduced into the carbon layer by electrostatic, ionic or isotope covalent bonds. It is also possible to introduce a functional group capable of hydrophobic interaction into the carbon layer and introduce a metal chelate therein.
[0019]
In the present invention, peptides include polypeptides, oligopeptides, and proteins, and may be simple proteins or complex proteins, and may be natural or synthetic. The length of the peptide is not particularly limited, but is suitable for immobilizing a peptide having 1 to 10000 amino acids, preferably 1 to 1000 amino acids. The target peptide that can be immobilized on the solid support of the present invention is not particularly limited, and examples thereof include antibodies, enzymes, pathogenic proteins, peptide hormones, receptors, kinases, glycoproteins, metalloproteins, viruses, derived proteins and the like. A protein can be suitably immobilized.
[0020]
The target peptide preferably has an appropriate label so that it specifically acts with the metal ion forming the chelate. Such labels include polyhistidine sequences that specifically interact with metal ions such as zinc, nickel or cobalt ions (eg, hexahistidine sequences), or specifically interact with zinc or copper, respectively. A polylysine sequence comprising at least about 4 lysines or a polyarginine sequence comprising at least 4 arginine residues. Peptides having such a label, for example, link a nucleotide sequence encoding a target peptide to a nucleotide sequence encoding a labeled peptide, which is transcribed and translated in vitro, and then specifically interacts with the label It can be obtained by isolation from the translation reaction using reagents.
[0021]
The carbon layer formed on the substrate in the present invention is not particularly limited, but diamond, diamond-like carbon, amorphous carbon, graphite, hafnium carbide, niobium carbide, silicon carbide, tantalum carbide, thorium carbide, titanium carbide, uranium carbide. , Tungsten carbide, zirconium carbide, molybdenum carbide, chromium carbide, vanadium carbide, and the like. The carbon layer is advantageous in that it has excellent chemical stability, can withstand subsequent chemical modification and reaction in peptide binding, and is transparent to the detection system UV because it has no UV absorption. .
[0022]
In the present invention, the carbon layer can be formed by a known method. For example, a microwave plasma CVD (Chemical Vapor Deposition) method, an ECRCVD (Electrical Cyclotron Resonance) method, an IPC (Inductive Coupled Plasma) method, a DC sputtering method, a DC sputtering method, a DC sputtering method, an ECR method. Examples thereof include a vapor deposition method, a laser vapor deposition method, an EB (Electron Beam) vapor deposition method, and a resistance heating vapor deposition method.
[0023]
In the high-frequency plasma CVD method, a source gas (methane) is decomposed by glow discharge generated between electrodes by a high frequency of 13.56 MHz, and a DLC (Diamond Like Carbon, diamond-like carbon) layer is synthesized on the substrate. In the ionized vapor deposition method, the source gas (benzene) is decomposed and ionized using thermoelectrons generated by a tungsten filament, and a carbon layer is formed on the substrate by a bias voltage. The DLC layer may be formed by ionized vapor deposition in a mixed gas consisting of 1 to 99% by volume of hydrogen gas and 99 to 1% by volume of the remaining methane gas.
[0024]
In the arc evaporation method, an arc discharge is generated in a vacuum by applying a DC voltage between a solid graphite material (cathode evaporation source) and a vacuum vessel (anode), and a plasma of carbon atoms is generated from the cathode to generate an evaporation source. Further, by applying a negative bias voltage to the substrate, carbon ions in the plasma can be accelerated toward the substrate to form a carbon layer.
[0025]
In the laser vapor deposition method, for example, a carbon target layer is formed by depositing carbon atoms on a glass substrate by irradiating a graphite target plate with an Nd: YAG (Yttrium aluminum garnet) laser (pulse oscillation) light to melt it. it can.
[0026]
When the peptide is immobilized on the solid support of the present invention and stored, a diamond layer is preferably formed on the substrate surface. This is because diamond has excellent thermal conductivity and can be rapidly cooled.
[0027]
As diamond, any of synthetic diamond, high pressure formed diamond, natural diamond, and the like can be used. Further, the structure may be either a single crystal or a polycrystal. From the viewpoint of productivity, it is preferable to use a diamond layer manufactured by a vapor phase synthesis method such as a microwave plasma CVD method.
[0028]
When the solid support of the present invention is used for storage of peptides, it is desirable that the surface of the solid support is intentionally roughened. This is because such a roughened surface is advantageous for immobilizing a large amount of peptide by increasing the surface area. The shape of the solid support is not particularly limited, such as a flat plate shape, a thread shape, a spherical shape, a polygonal shape, and a powder shape. Further, the solid support may be a composite of diamond and another substance (for example, a substrate having two layers).
[0029]
By immersing the solid support of the present invention in a buffer in which each peptide can exist stably without losing its function, the peptide immobilized by the method of the present invention can be used for a period equivalent to that stored in the buffer. It is stably immobilized on a solid support without losing its function.
[0030]
When the solid support of the present invention is used for peptide analysis, the substrate surface prevents nonspecific adsorption of the peptide, increases the resistance to the reagent, reduces the background in fluorescence measurement, enables measurement by transmitted light, And it is preferable to form with diamond-like carbon from a viewpoint that cost and productivity are also high. As in the case of diamond, the substrate on which the diamond-like carbon layer is formed is not particularly limited, and a glass such as a slide glass, gold, silver, copper, aluminum, tungsten, molybdenum, etc .; a laminate of the above metal and ceramic; glass; Silicon; fiber; wood; paper; plastic such as polycarbonate and fluororesin; and a mixture of plastic and the above metals, ceramics, diamond, and the like can be used. Moreover, when using for analysis of protein etc., it is preferable that the shape of a board | substrate is a shape according to the analyzer, for example, spherical shape or flat plate shape.
[0031]
Using a solid support in which a diamond-like carbon layer is formed on the substrate surface and chemically modified as described above to form a metal chelate, for example, fluorescence detection is performed by immobilizing a fluorescently labeled peptide on the solid support. Results in a low background and a high fluorescence signal, ie a high S / N ratio.
[0032]
The thickness of the carbon layer on the surface of the solid support of the present invention is preferably from a carbon monomolecule to 100 μm, more preferably from a carbon monomolecule to 100 nm, from the viewpoint of visible light transmittance and a decrease in background to fluorescence. More preferably, it is carbon single molecule-10 nm. In addition, although it is slightly inferior in terms of permeability, it can be applied even when the solid support is entirely composed of carbon.
[0033]
The solid support of the present invention is also suitable for analyzing the target peptide bound thereto by mass spectrometry. Mass spectrometer formats that can be used for mass spectrometry in this case include matrix-assisted laser desorption (MALDI), continuous or pulsed electron spray (ESI), and ion spray or thermal spray. Related methods such as, but not limited to, ionization (I) techniques such as Massive-cluster impact ionization (MCI). Such ion sources include linear or non-linear reflection time-of-flight (TOF), single or multiple quadrupoles, single or multiple magnetic sectors, Fourier transform ion cyclotron resonance (FTICR), Fourier transform ion cyclotron resonance (FTICR). Can be adapted to detection modalities including ion capture, and combinations thereof such as ion capture / time of flight. A number of matrix / wavelength combinations (MALDI) or solvent combinations (ESI) can be used for ionization. Proteins at submolar levels are described, for example, by ESI mass spectrometry (Valaskovic et al., Science 273: 1199- 1202 (1996)) and MALDI mass spectrometry (Li et al., J. Am. Chem. Soc. 118: 1662-1663 (1996). ) Can be detected.
[0034]
Electrospray mass spectrometry is described by Fenn et al. (J. Phys. Chem. 88: 4451-59 (1984); WO 90/14148). MALDI-TOF mass spectrometry Hillenkamp et al. ( "Matrix Assisted UV-Laser Desorption / Ionization: A New Approach to Mass Spectrometry of Large Biomolecules, Biological Mass Spectrometry" (Burlingame and McCloskey editing, Elsevier Science Publ.1990), p.49- 60). For ESI, the measurement of the molecular weight of the femtomolar amount of the sample is very accurate because there are numerous ion peaks, all of which can be used for mass calculation.
[0035]
The mass of the target peptide measured by mass spectrometry can be compared to the corresponding known peptide mass. For example, if the target peptide is a mutein, it can be compared with the corresponding normal protein as the corresponding known peptide.
[0036]
The step of analyzing the target peptide using mass spectrometry as described above can be performed by determining the amino acid sequence of the target peptide or a part thereof. Amino acid sequencing can be performed, for example, from the carboxyl terminus using an enzyme such as carboxypeptidase Y, carboxypeptidase P, carboxypeptidase A, carboxypeptidase G or carboxypeptidase B, or using Edman degradation or alanine An enzyme such as aminopeptidase, leucine aminopeptidase, pyroglutamate peptidase, dipeptidyl peptidase, and microcrosomal peptidase can be used from the N-terminus of the target peptide. The released amino acids are then identified by mass spectrometry.
When used for mass spectrometry of such peptides, it is preferable to use a solid support having a diamond-like carbon layer.
[0037]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
Example 1
A glass substrate of 25 mm (width) × 75 mm (length) × 1 mm (thickness) was used. On the surface of this glass substrate, a slide glass having a DLC layer formed to a thickness of 10 nm was prepared by ionized vapor deposition using a gas mixed with 95% by volume of methane gas and 5% by volume of hydrogen gas as a raw material.
[0038]
Next, the surface of the slide glass was chemically modified to coordinate nickel ions. That is, after introducing chlorine into a reaction vessel containing a slide glass, the surface of the glass substrate is chlorinated by irradiating light from a high-pressure mercury lamp for 1 minute, and immersed in a mixed solution of 200 ml of dimethylformamide, 12 ml of ethylenediamine, and 38 ml of triethylamine. The mixture was stirred at room temperature for 5 hours, washed three times with 200 ml of water, added to 240 ml of a 1.25 molar aqueous sodium hydroxide solution containing 28.2 g of chloroacetic acid, and stirred overnight at room temperature. This slide glass was immersed in 500 ml of 0.2 molar nickel sulfate aqueous solution containing 15.0 g of tartaric acid, 21.0 g of citric acid, and 30 ml of 28% ammonia water, stirred at room temperature for 3 hours, washed with 200 ml of water three times, When surface analysis was performed by XPS (X-ray photo-electron spectroscopy), a peak derived from nickel was confirmed at 855.0 to 859.0 eV.
[0039]
In the above, the solid support before analysis by XPS was washed 3 times with 200 ml of water, dried and vacuum packed. The vacuum pack is formed by evacuating the vacuum container to 1 Torr or less and then thermally fusing the vacuum bag therein. Even if the sample was left in a vacuum pack at 4 ° C. for 6 months, the analysis result of the nickel peak by XPS was the same as that without aging, and no change was observed in the function of immobilizing as a chelate.
[0040]
Example 2
A solid support in which a metal chelate is formed on a substrate on which a DLC (Diamond like carbon, diamond-like carbon) layer is formed is prepared, and GFP (green fluorescent protein) in which a polyhistidine sequence is fused on the solid support. Spotted by 0.2 μl with a pipettor. And it was made to react for 1 hour in the wet box kept at 37 degreeC. Thereafter, the plate was washed with 1 × PBS for 15 minutes, and fluorescence measurement was performed with LAS1000 (manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd.). The conditions are as follows. CCD (Charge coupled device): 1.3 million pixels (cooled CCD camera), effective pixels: 1384 (H) × 922 (V) pixels, angle of view: 7 cm × 11 cm, exposure time: 10 seconds. Autofluorescence by GFP was measured. The measurement results are shown in FIG. FIG. 1 is a two-dimensional image of the intensity of autofluorescence caused by GFP using a chemiluminescence measuring device for a solid support on which a protein is immobilized. A round spot is a portion where GFP exists. As a result, fluorescence was observed from GFP fused with the polyhistidine sequence. From the above, it was revealed that GFP was immobilized while maintaining the fluorescence function.
[0041]
Further, as described above, a solid support on which GFP (green fluorescent protein) fused with a polyhistidine sequence was immobilized was added to 45 mL of 0.05 M Tris-HCl (pH 7.4) sterilized by autoclaving at 4 ° C. After soaking for 1 week, 2 weeks, and 1 month, autofluorescence by GFP was measured with LAS1000 (manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd.). The measurement conditions are as follows. CCD: 1.3 million pixels (cooled CCD camera), effective pixels: 1384 (H) × 922 (V) pixels, angle of view: 7 cm × 11 cm, exposure time: 10 seconds. The measurement results are shown in FIG. FIG. 3 is a graph showing the intensity ratio of autofluorescence by GFP measured by a chemiluminescence measuring apparatus for a solid support on which a protein is immobilized. At this time, the autofluorescence of GFP was measured at 89 pixels at the spot site, and the average of each pixel was defined as the autofluorescence intensity. As a result, even when stored for 1 month at 4 ° C. with GFP immobilized, the intensity ratio of 0.8 is maintained with respect to the initial autofluorescence intensity ratio of 1, and GFP is stably immobilized. It became clear that the function was retained.
[0042]
Example 3
A solid support in which a metal chelate is formed on a substrate on which a DLC (diamond-like carbon) layer is formed is prepared, and Cy5 fluorescently labeled polyhistidine sequence is fused on this solid support and GFP and Cy3 fluorescently labeled protein A was spotted with a pipettor at 0.2 μl each. And it was made to react for 1 hour in the wet box kept at 37 degreeC. Then, (1) washing with 1 × PBS for 15 minutes, (2) washing with 10 mM imidazole / 1 × PBS for 15 minutes, and (3) washing with 500 mM imidazole / 1 × PBS for 15 minutes. Fluorescence measurement was performed with FLA8000 (Fuji Photo Film Co., Ltd.). The measurement results are shown in FIG. FIG. 2 is a two-dimensional image of the fluorescence intensity of a dye measured by a fluorescence measuring device on a solid support on which a protein is immobilized. A round spot is a fluorescently labeled protein. As a result, in (1), both GFP fused with Cy5 fluorescently labeled polyhistidine sequence and Cy3 fluorescently labeled protein A are immobilized, and in (2), only GFP fused with Cy5 fluorescently labeled polyhistidine sequence. Was immobilized, and in (3), both were not immobilized. From the above, it was revealed that the solid support of the present invention can desorb proteins by changing the concentration of imidazole.
[0043]
Example 4
A glass substrate of 25 mm (width) × 75 mm (length) × 1 mm (thickness) was used. On the surface of this glass substrate, a slide glass having a DLC layer formed to a thickness of 10 nm was prepared by ionized vapor deposition using a gas mixed with 95% by volume of methane gas and 5% by volume of hydrogen gas as a raw material.
[0044]
Next, the surface of the slide glass was chemically modified to coordinate nickel ions. That is, after introducing chlorine into a reaction vessel containing a slide glass, the surface of the glass substrate is chlorinated by irradiating light from a high-pressure mercury lamp for 1 minute, and a 0.8 molar sodium hydroxide aqueous solution containing 19.8 g of iminodiacetic acid The solution was stirred at room temperature overnight in 250 ml. This slide glass was immersed in 500 ml of 0.2 molar nickel sulfate aqueous solution containing 15.0 g of tartaric acid, 21.0 g of citric acid, and 30 ml of 28% ammonia water, stirred at room temperature for 3 hours, washed with 200 ml of water three times, When surface analysis was performed by XPS, a nickel-derived peak was confirmed at 855.0 to 859.0 eV. In the above, the solid support before analysis by XPS was washed with 200 ml of water three times, dried, and then vacuum packed. The vacuum pack is formed by evacuating the vacuum container to 1 Torr or less and then thermally fusing the vacuum bag therein. Even when left in a vacuum pack at 4 ° C. for 6 months, the analysis result of the nickel-derived peak was the same as that without aging, and it became clear that the function as a chelate was maintained.
[0045]
【The invention's effect】
The solid support in which a metal chelate is formed on the carbon layer of the present invention is excellent in optical properties such as UV transparency, and can stably immobilize a peptide over a long period of time without losing its function. Peptide desorption is possible. Therefore, it can be used as a useful means in peptide storage and analysis.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows two-dimensional images of the intensity of autofluorescence by GFP using a chemiluminescence measuring device for a solid support on which a protein is immobilized. A round spot is a portion where GFP exists.
FIG. 2 is a two-dimensional image of the fluorescence intensity of a dye supported by a dye on a solid support on which a protein is immobilized. A round spot is a fluorescently labeled protein.
FIG. 3 is a graph showing the results of examining the fluorescence intensity of a solid support on which a protein is immobilized over time.
Claims (5)
Priority Applications (1)
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