JP3830300B2 - Aluminum alloy plate and manufacturing method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エッチング後アルマイト被膜を被着する建材等の用途に使用されるアルミニウム合金板及びその製造方法に関し、特に、エッチングの均一性を高めたアルミニウム合金板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建材等に用いられるアルミニウム板の中には、表面を粗面化し、更にその上にアルマイト皮膜を設け、必要に応じて、更にその表面に機能性皮膜(樹脂及び感光剤等)を設けたものがある。これらのアルミニウム板材は、表面の色調及び保水性、そして機能性皮膜の密着性等の特性が優れている必要がある。
【0003】
一方、この粗面化処理としては、ボール研磨法及びブラシ研磨法等の機械的処理法と、塩酸若しくは硝酸を主体とする水溶液を電解液としてアルミニウム板表面を電気化学的に粗面化する電解粗面化処理法と、機械的処理法と電解粗面化処理法を組み合わせた粗面化処理方法とがある。また、水酸化ナトリウムを主体とする電解液中にアルミニウム板を浸漬して化学的にエッチングする方法もある。
【0004】
ところで、建材等の用途においては、表面の色調を高めることと機能性皮膜とアルミニウム板材との密着性を向上させるために、粗面化処理によって均一で微細な凹凸(ピット)を形成できる材料が要求される。このような微細なピットを設けるためのアルミニウム板として、例えば、特開昭58−210144号公報及び特開平5−331581号公報に記載された組成からなるものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のアルミニウム合金においては、粗面化処理の条件によっては未エッチング部(アルミニウム合金板表面の粗面化処理されない部分)を完全になくすことは困難であり、特に、粗面化面のピットを微細化すると共に、粗面化処理のコストを低減するために、エッチング量(粗面化処理によるアルミニウム合金板の溶解量)を抑制した条件では、未エッチング部が発生し易いという問題点がある。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、粗面化処理条件によらず粗面化面におけるピットを均一化し、未エッチング部の発生を防止して、その上に形成される膜の密着性及び保水性を向上できると共に、表面の色調を向上させることができるアルミニウム合金板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアルミニウム合金板は、Fe:0.2乃至0.6重量%、Si:0.03乃至0.20重量%及びTi:0.005乃至0.05重量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金板において、その表面に粒子径1乃至10μmの金属間化合物が2000乃至3500個/mm 2 存在すると共に、前記粒子径1乃至10μmの金属間化合物の1mm 2 あたりの個数をy個/mm 2 、粒子径をxμmとしたとき、aを−0.35乃至−0.3の定数、bを任意の定数として、x及びyがlog(y)=a・x+bの関係を満足することを特徴とする。
【0008】
このアルミニウム合金板において、更に、Niを0.005乃至0.2重量%、Cuを0.005乃至0.05重量%、又はBを50重量ppm含有してもよい。
【0009】
本発明に係るアルミニウム合金板の製造方法は、Fe:0.2乃至0.6重量%、Si:0.03乃至0.20重量%及びTi:0.005乃至0.05重量%を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金鋳塊に350乃至540℃の温度で均質化処理を施す工程と、均質化処理後の鋳塊を圧延開始温度350乃至450℃で熱間圧延する工程と、熱間圧延材を冷間圧延する工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
前記アルミニウム合金鋳塊は、更に、Niを0.005乃至0.2重量%、Cuを0.005乃至0.05重量%、又はBを50重量ppm含有するように構成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。アルミニウム合金中にはFe−Al系、Fe−Al−Si系及びFe−Al−Ni系等の金属間化合物が存在する。これらの金属間化合物とアルミニウムマトリクス(母材)との間には電位差があるため、金属間化合物は電解粗面化処理時に、エッチングピットの起点として作用する。この金属間化合物のうち、特に、粒子径が1乃至10μmのものは、エッチングピットの起点として有効に作用するため、この金属間化合物の個数及び分布を制御することが粗面化面の均一性の向上、特に未エッチング部の極小化、即ち、発生の防止には極めて重要である。
【0012】
本願発明者等は、未エッチング部の発生を防止できるアルミニウム合金板を得るために、鋭意実験研究を行った。その結果、アルミニウム合金板が含有する合金元素のうち、Fe、Si及びTiの含有量を適切に調整すると共に、合金板の表面に存在する粒子径が1乃至10μmの金属間化合物の単位面積あたりの個数を規定すると共に、この個数と前述の粒子径とが所定の関係を満足するように金属間化合物の分布を規定することにより、均一なピットが形成された粗面化面を得て未エッチング部の発生を防止できることを見い出した。また、必要に応じてNi、Cu及びBからなる群から選択された少なくとも1種類の元素を添加すると、更に、ピットの均一化効果及び未エッチング部の残存防止効果を向上させることができる。
【0013】
また、上述の作用効果は、電解エッチング及び化学的エッチングの双方に有効である。
【0014】
以下、本発明におけるアルミニウム合金板について、更に説明する。先ず、アルミニウム合金板に含有される化学成分及び組成限定理由について説明する。
【0015】
Fe:0.2乃至0.6重量%
Feはアルミニウム合金板の主要構成成分である。また、Feはアルミニウム合金中において他の元素と結合し、Al−Fe系の金属間化合物を形成する。この金属間化合物は、再結晶粒を微細化し組織を均一化して機械的強度を維持する効果を有すると共に、粗面化処理時にピットの起点として作用するものである。Fe含有量が0.2重量%未満であると、金属間化合物が十分に形成されず、粗面化ピットの反応起点数が不足するので、未エッチング部が残存し、粗面化面(エッチング面)の均一性が低下する。一方、Fe含有量が0.6重量%を超えると、粗大化合物が形成されることにより粗大なピットが形成されるので、粗面化面(エッチング面)の均一性が劣化する。従って、Fe含有量は0.2乃至0.6重量%とする。
【0016】
Si:0.03乃至0.20重量%
SiはFeと同様に、Al−Fe−Si系金属間化合物を形成し、粗面化処理時に粗面化ピットの反応起点として作用する。Si含有量が0.03重量%未満であると、金属間化合物が十分に形成されず、粗面化ピットの反応起点数が不足するので、粗面化面が不均一になる。一方、Si含有量が0.20重量%を超えると、粗大化合物が形成されることにより粗大なピットが形成されるので、粗面化面が不均一になる。従って、Si含有量は0.03乃至0.20重量%とする。
【0017】
Ti:0.005乃至0.05重量%
Tiは、鋳造組織を微細化して、金属間化合物均一に分散させる作用を有する。Ti含有量が0.005重量%未満であると、鋳造組織の微細化効果を十分に得ることができない。一方、Ti含有量が0.05重量%を超えると、鋳造組織の微細化効果が飽和するため、それ以上添加しても無駄であると共に、不均一なエッチングピットが形成される。従って、Ti含有量は0.005乃至0.05重量%とする。
【0018】
アルミニウム合金板の表面に形成された金属間化合物のうち粒子径1乃至10μmのものの1mm 2 あたりの個数:2000乃至3500個/mm 2
前述の如く、金属間化合物はエッチングにおける粗面化ピットの反応起点として作用し、エッチング面の均一化に多大の効果を奏する。特に、アルミニウム合金板の表面に存在する金属間化合物のうちその粒子径が1乃至10μmであるものは、エッチング面の均一化作用が極めて大きい。
【0019】
粒子径1乃至10μmの金属間化合物が2000個/mm 2 未満しか存在しないと、粗面化ピットの反応起点が十分に形成されず、未エッチング部の残存が顕著になる。一方、粒子径1乃至10μmの金属間化合物が3500個/mm 2 を超えて存在すると、粗大なピットが形成されやすいので、粗面の均一性が損なわれてしまう。従って、アルミニウム合金板の表面に形成された金属間化合物のうち、粒子径1乃至10μmのものが2000乃至3500個/mm 2 存在するものとする。
【0020】
粒子径1乃至10μmの金属間化合物の1mm 2 あたりの個数をy個/mm 2 、粒子径をxμmとしたとき、金属間化合物はyとxとがlog(y)=a・x+b(a:傾き、b:定数)の関係を満足するように分布する。但し、前記式の傾きaは−0.35乃至−0.3である。
【0021】
粗面化面の均一性を向上させるためには、金属間化合物の単位面積あたりの個数を規定することに加えて、その個数と粒子径との関係(分布)を規定する必要がある。即ち、粒子径1乃至10μmの金属間化合物の1mm 2 あたりの個数をy個/mm 2 、粒子径をxμmとしたとき、個数yと粒子径xとがlog(y)=a・x+bの関係を満足するときの傾きaが(−0.35)未満であると、個々の粗面化ピットの均一性は良好であるものの、粒子径の小さい金属間化合物の比率が過剰に高くなり、個々の粗面化ピットの径が小さくなり過ぎるので、各粗面化ピット間に未エッチング部が発生する。一方、傾きaが(−0.3)より大きいと、粗大な金属間化合物の比率が過剰に高くなり、粗大なピットが形成され易いので、粗面化面のピットの均一性が不良となる。従って、傾きaは−0.35乃至−0.3とする。
【0022】
Ni:0.005乃至0.2重量%
Niは被処理材の化学溶解性を向上させ、より短時間で均一な粗面化面を得る作用を有する。Ni含有量が0.005重量%未満であると、化学溶解性の向上効果が不十分である。一方、Ni含有量が0.2重量%を超えると、化学溶解性が過剰になり粗面化面の均一性が損なわれる。従って、アルミニウム合金板中にNiを含有させる場合は、その含有量を0.005乃至0.2重量%とすることが好ましい。
【0023】
Cu:0.005乃至0.05重量%
Cuはアルミニウム合金中に固溶状態で存在し、アルミニウムマトリクスと金属間化合物との間の電位差を調整し、粗面化面の均一性を向上させる作用を有する。Cu含有量が0.005重量%未満であると、電位を調整する作用が不十分となり、粗面化面の均一性を向上する効果が得られなくなる。一方、Cu含有量が0.05重量%を超えると、化学溶解性抑制作用により、アルミニウム合金板の表面に未エッチング部が発生し粗面化面が不均一になる。従って、アルミニウム合金板中にCuを含有させる場合は、その含有量を0.005乃至0.05重量%とすることが好ましい。
【0024】
B:1乃至50重量ppm
通常、BはTi−B母合金として結晶粒微細化剤として作用する。この結晶粒微細化作用は、固溶Tiの減少と共に、Ti−B粒子が増加することにより、微細な核が増加することによって得られる。本願発明者等は、更に、Ti−Bの粒子数が増加することによって、粗面化面の均一性を向上する効果を得ることができることを見い出した。B含有量が50重量ppmを超えると、Ti−B粒子の凝集により粗大な化合物が形成され、粗面化面が不均一になることがある。従って、アルミニウム合金板中にBを含有させる場合は、その含有量を50重量ppm以下とする。
【0025】
なお、本発明に係るアルミニウム合金板は、不可避的不純物として、Mg、Mn、Cr、Zr、In、Sn、Pb、Ga、Zn又はVを含有しても良い。Mg、Ga及びZnの各成分においてはその含有量が夫々0.05重量%以下、Mn、Cr及びZrの各成分においてはその含有量が夫々0.03重量%以下、並びにIn、Sn、Pb及びVの各成分においてはその含有量が夫々0.02重量%以下であれば、本発明の効果に悪影響を与えない。
【0026】
また、本発明に係るアルミニウム合金板の製造方法においては、上述の組成を有するアルミニウム合金鋳塊を均質化処理し、熱間圧延し、冷間圧延してアルミニウム合金板を得る場合に、均質化処理温度を適切に規定することにより、金属間化合物の量が上述の範囲に入るアルミニウム合金板を得ることができる。
【0027】
以下、アルミニウム合金板の製造方法における均質化処理温度の数値限定理由について説明する。
【0028】
均質化処理温度:350乃至540℃
アルミニウム合金鋳塊からアルミニウム合金板を圧延等により製造する場合、鋳塊を圧延する前に、所定温度で均質化処理することが必要である。均質化処理温度が350℃未満であると、金属間化合物の粒子径が十分に大きくならないため、未エッチング部の発生を抑制することができない。一方、均質化処理温度が540℃を超えると、金属間化合物が十分な個数形成されず、粗面化面の均一性が不十分である、従って、均質化処理温度は350乃至540℃とする。
【0029】
なお、本発明方法においては、その他の製造条件は、通常のアルミニウム合金板の製造条件によればよいが、均質化処理時間は、成分偏析の解消及び経済性の観点から2乃至30時間とするのが好ましい。また、熱間圧延の開始温度は、組織の均一化を図る観点から350乃至450℃とするのが好ましい。
【0030】
更に、本発明においては、強度の適正化のために、熱間圧延工程後又は冷間圧延途中に中間焼鈍処理工程を設けることができる。また、冷間圧延板の平面性を向上させるために、レベラーを使用してアルミニウム合金板を矯正することができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明のアルミニウム合金板の実施例について、その比較例と比較して具体的に説明する。
【0032】
先ず、下記表1乃至表4に示す種々の化学組成を有する各アルミニウム合金鋳塊を面削して厚さを470mmとし、500℃の温度で4時間の均質化処理を施した。次に、圧延開始温度を430℃に設定して熱間圧延し、更に冷間圧延、中間焼鈍及び冷間圧延を順次施すことにより、板厚が0.3mmのアルミニウム合金板を製造した。そして、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用し、各アルミニウム合金板の表面の反射電子線像を拡大率500倍で観察した。次に、1個の視野の面積が0.04mm 2 になるようにして、25個の視野に対し、写真撮影し、この写真を画像解析して金属間化合物の個数及び粒子径を測定した。なお、圧延後表面処理を行なわない合金板の表面、及び圧延後40℃、10%の水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間溶解した金属板の表面に対し、電子顕微鏡による表面観察を行なったが、両条件において金属間化合物の個数及び粒子径が同等であったため、圧延後表面処理を行なわない合金板を実施例における代表値とした。
【0033】
その後、得られたアルミニウム合金板に対して、下記表5に示す処理条件により、脱脂及び中和洗浄を実施した後、交流電解粗面化処理を実施し、更に、電解により形成された酸化物等を除去するためにデスマット処理を施した。その後、デスマット処理を施した各サンプルを水洗及び乾燥し、これを一定の大きさに切り取って電解粗面化処理試験片を作製した。
【0034】
また、得られたアルミニウム合金板に対して、下記表6に示す条件により化学粗面化処理による粗面化処理を実施した。その後、粗面化処理を実施した各サンプルを水洗及び乾燥し、これを一定の大きさに切り取って化学粗面化処理試験片を作製した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
その後、各試験片の粗面化表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して500倍の倍率で写真を撮影し、得られた写真上において、総計100cmの線を引き、この線の下に写っているピットの大きさを測定し粗面化面の均一性を評価した。均一性の評価は、最小のピットと最大のピットとの大きさの差が2μm以下である場合は均一性が優良(◎)とし、同じく差が2μmを超え3μm以下である場合は良好(○)とし、また、同じく差が3μmを超える場合は不良(×)とした。
【0042】
また、各試験片の粗面化表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して350倍の倍率で写真を撮影し、得られた写真を基に粗面化されていない部分(未エッチング部)の面積を測定し、下記数式1より未エッチング率を算出することにより、未エッチング部を評価した。
【0043】
【数1】
未エッチング率(%)=(粗面化されていない部分の面積/全体の面積)×100
電解粗面化処理試験片の未エッチング部の評価は、上記数式1により算出された未エッチング率が5.0%以下の場合を優良(◎)とし、未エッチング率が5.0%を超え8.0%以下である場合は良好(○)とし、また、未エッチング率が8.0%を超える場合は不良(×)とした。
【0044】
化学粗面化処理試験片の未エッチング部の評価は、未エッチング率が5.0%以下の場合を優良(◎)とし、未エッチング率が5.0%を超え10.0%以下である場合は良好(○)とし、また、未エッチング率が10.0%を超える場合は不良(×)とした。
【0045】
その結果を上記表1乃至表4に示す。上記表1に示すように、実施例A1〜A7は、各元素の含有量、金属間化合物の単位面積あたりの個数及び傾きaが本発明に規定した範囲内であるため、粗面の均一性評価及び未エッチング部評価のいずれも良好であった。なお、処理条件1及び2において、評価結果は同じであった。
【0046】
一方、比較例A8は、Fe含有量が0.65重量%であり、本発明範囲の上限を超えていると共に、化合物個数が3680個/mm2であり、本発明範囲の上限を超えているので、粗大なピットが形成されてピットの均一性が不良であった。比較例A9は、Fe含有量が0.18重量%であり、本発明範囲の下限未満であると共に、化合物個数が1850個/mm2であり、本発明範囲の下限未満であるので、粗面化ピットの反応起点数が不足し均一性評価及び未エッチング部評価が不良であった。比較例A10は、Si含有量が0.02重量%であり、本発明範囲の下限未満であると共に、化合物個数が1990個/mm2であり、本発明範囲の下限未満であるので、粗面化ピットの反応起点数が不足し均一性評価及び未エッチング部評価が不良であった。
【0047】
また、比較例A11は、化合物個数が3510個/mm2であり、本発明範囲を超えているので、粗大なピットが形成されてピットの均一性が不良であった。比較例A12は、Ti含有量が0.004重量%であり、本発明範囲の下限未満であるので、結晶粒微粒化効果が十分に得られず粗面の均一性が不良であった。比較例A13は、Ti含有量が0.06重量%であり、本発明範囲の上限を超えているので、結晶粒微粒化効果が飽和するため均一性評価が不良であった。
【0048】
また、表2に示すように、実施例B1〜B3は、各元素の含有量、金属間化合物の単位面積あたりの個数及び傾きaが本発明に規定した範囲内であることに加え、Niを所定量含有しているため、化学的溶解性が向上し一層短時間で均一な粗面化面を得ることができた。
【0049】
比較例B4は、Ni含有量が0.3重量%であり、請求項2に規定した範囲の上限を超えているので、粗面化処理時の化学溶解性が過剰になり均一性評価が不良になった。実施例B5は、Ni含有量が0.004重量%であり、請求項2に規定した範囲の下限未満であるので、粗面化処理時の化学溶解性の向上効果が不十分であり均一性評価及び未エッチング部評価は特に優れているものはなかった。
【0050】
更に、表3に示すように、実施例C1及びC2は、各元素の含有量、金属間化合物の単位面積あたりの個数及び傾きaが本発明に規定した範囲内であることに加え、Cuを所定量含有しているため、アルミニウムマトリクスと金属間化合物との間の電位差が調整されるので、粗面化面の均一性評価が一層向上した。
【0051】
一方、比較例C3は、Cu含有量が0.35重量%であり、請求項3に規定した範囲の上限を超えているので、均一性評価及び未エッチング部評価が不良になった。また、比較例C4は、Cu含有量が0.004重量%であり、請求項3に規定した範囲の下限未満であるので、電解粗面化処理時における電位調整作用が不十分であり、均一性評価が特に優れたものではなかった。
【0052】
更にまた、表4に示すように、実施例D1〜D3は、B含有量が請求項4の範囲に入っているので、エッチング均一性が優れていた。これに対し、比較例D4,D5はB含有量が請求項4の範囲から外れるので、ピット均一性及び未エッチング部の評価が実施例D1〜D3よりも低かった。
【0053】
次いで、本発明に係るアルミニウム合金板の製造方法の実施例について、その比較例と比較して具体的に説明する。
【0054】
先ず、上記表1に示す実施例A2と同一の化学組成を有するアルミニウム合金鋳塊を面削して厚さを470mmとし、下記表7に示す種々の温度で均質化処理を施した。更に、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍及び冷間圧延を順次施すことにより、板厚が0.3mmのアルミニウム合金板を製造すると共に、得られた各アルミニウム合金板の表面に存在する金属間化合物のうち粒子径が1乃至10μmのものの個数及び粒子径を前述した方法で測定した。次に、表5に示す処理条件にて各アルミニウム合金板に脱脂、中和洗浄を実施した後、交流電解粗面化処理を実施し、更に、電解により形成された酸化物等を除去するためにデスマット処理を施した。その後、デスマット処理を施した各サンプルを水洗及び乾燥し、これを一定の大きさに切り取って電解粗面化処理試験片を作製した。
【0055】
また、得られたアルミニウム合金板に対して、上記表6に示す処理条件で化学粗面化処理による粗面化処理を実施した。その後、粗面化処理を実施した各サンプルを水洗及び乾燥し、これを一定の大きさに切り取って化学粗面化処理試験片を作製した。そして、各試験片について、前述した評価方法により粗面均一性評価及び未エッチング部評価を実施した。
【0056】
【表7】
【0057】
上記表7に示すように、実施例E1〜E5は、各元素の含有量及び均質化処理温度が本発明方法に規定した範囲内であるため、表面に形成された金属間化合物のうち粒子径1乃至10μmのものが2000乃至3500個/mm2存在すると共に、粒子径1乃至10μmの金属間化合物の1mm2あたりの個数をy個/mm2、粒子径をxμmとしたとき、粒子径1乃至10μmの金属間化合物は個数yと粒子径xとがlog(y)=a・x+b(a:傾き、b:定数)の関係を満足するときの傾きaが(−0.35)乃至(−0.3)であるように分布し、粗面化面が均一であると共に、未エッチング率が少ない優れたアルミニウム合金板が得られた。
【0058】
一方、比較例E6は、各元素の含有量は本発明方法に規定した範囲内であるが、均質化処理温度が300℃であり、本発明方法に規定した範囲下限未満であるので、金属間化合物の粒子径が過剰に小さくなるため、得られた合金板の未エッチング率が不良になった。比較例E7及びE8は、各元素の含有量は本発明方法に規定した範囲内であるが、均質化処理温度が本発明方法に規定した範囲上限を超えているので、得られた合金板において、金属間化合物の個数が2000個/mm2以下と少なく、傾きaが(−0.30)以上であるので、均一な粗面化面が得られないと共に、未エッチング率が不良になった。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、アルミニウム合金板の化学組成を適切に規定すると共に、その表面に形成された金属間化合物のうち粒子径1乃至10μmのものの単位面積あたりの個数を規定する共に、金属間化合物の単位面積あたりの個数と粒子径が所定の関係を満足するように分布させているので、エッチングによる粗面化面の均一性が向上し、未エッチング部の発生を防止することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an aluminum alloy plate used for a building material or the like on which an alumite film is applied after etching and a method for producing the same, and more particularly to an aluminum alloy plate having improved etching uniformity and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Among aluminum plates used for building materials, etc., the surface is roughened, and an alumite film is further provided on the surface, and a functional film (resin, photosensitive agent, etc.) is further provided on the surface as necessary. There is. These aluminum plates need to be excellent in characteristics such as surface color tone and water retention, and adhesion of functional films.
[0003]
On the other hand, the roughening treatment includes mechanical treatment methods such as a ball polishing method and a brush polishing method, and electrolytic surface roughening of the aluminum plate surface electrochemically using an aqueous solution mainly composed of hydrochloric acid or nitric acid. There are a roughening treatment method and a roughening treatment method combining a mechanical treatment method and an electrolytic roughening treatment method. There is also a method of chemically etching by immersing an aluminum plate in an electrolyte mainly composed of sodium hydroxide.
[0004]
By the way, in applications such as building materials, there is a material that can form uniform and fine irregularities (pits) by roughening treatment in order to improve the surface color tone and improve the adhesion between the functional coating and the aluminum plate. Required. As an aluminum plate for providing such fine pits, for example, one having a composition described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 58-210144 and Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-331581 has been proposed.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described conventional aluminum alloy, it is difficult to completely eliminate an unetched portion (a portion not subjected to the roughening treatment on the surface of the aluminum alloy plate) depending on the roughening treatment conditions. In order to reduce the pits on the surface and reduce the cost of the surface roughening treatment, the condition that the etching amount (the amount of dissolution of the aluminum alloy plate by the surface roughening treatment) is suppressed is likely to cause an unetched portion. There is a problem.
[0006]
The present invention has been made in view of such problems, and uniformizes the pits on the roughened surface irrespective of the roughening treatment conditions, prevents the occurrence of unetched portions, and is formed thereon. An object of the present invention is to provide an aluminum alloy plate capable of improving the adhesion and water retention of the film and improving the surface color tone, and a method for producing the same.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The aluminum alloy plate according to the present invention contains Fe: 0.2 to 0.6% by weight, Si: 0.03 to 0.20% by weight, and Ti: 0.005 to 0.05% by weight, with the balance being in the aluminum alloy plate made of Al and unavoidable impurities, with the intermetallic compounds having a particle diameter of 1 to 10μm on the surface there are two 2000 to 3500 / mm, 2 per 1mm of the particle size of 1 to 10μm of intermetallic compounds Where y is mm / mm 2 and the particle diameter is x μm, a is a constant of −0.35 to −0.3, b is an arbitrary constant, and x and y are log (y) = a · x + b It is characterized by satisfying the relationship.
[0008]
This aluminum alloy plate may further contain 0.005 to 0.2% by weight of Ni, 0.005 to 0.05% by weight of Cu, or 50% by weight of B.
[0009]
The method for producing an aluminum alloy sheet according to the present invention includes Fe: 0.2 to 0.6% by weight, Si: 0.03 to 0.20% by weight, and Ti: 0.005 to 0.05% by weight. , A step of homogenizing the aluminum alloy ingot, the balance of which is made of Al and inevitable impurities, at a temperature of 350 to 540 ° C., and hot rolling the ingot after the homogenization treatment at a rolling start temperature of 350 to 450 ° C. And a step of cold rolling the hot-rolled material.
[0010]
The aluminum alloy ingot can be further configured to contain 0.005 to 0.2 wt% Ni, 0.005 to 0.05 wt% Cu, or 50 wt ppm B.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Examples of the present invention will be described in detail below. In the aluminum alloy, there are intermetallic compounds such as Fe-Al, Fe-Al-Si, and Fe-Al-Ni. Since there is a potential difference between these intermetallic compounds and the aluminum matrix (base material), the intermetallic compounds act as starting points for etching pits during the electrolytic surface roughening treatment. Among these intermetallic compounds, particularly those having a particle size of 1 to 10 μm effectively act as starting points of etching pits. Therefore, it is possible to control the number and distribution of the intermetallic compounds to make the roughened surface uniform. In particular, it is extremely important for improving the resistance, particularly minimizing the unetched portion, that is, preventing the occurrence.
[0012]
The inventors of the present application conducted extensive experimental research in order to obtain an aluminum alloy plate that can prevent the occurrence of unetched portions. As a result, among the alloy elements contained in the aluminum alloy plate, the content of Fe, Si and Ti is appropriately adjusted, and the unit area of the intermetallic compound having a particle diameter of 1 to 10 μm existing on the surface of the alloy plate And the distribution of the intermetallic compound so that the number and the above-mentioned particle diameter satisfy a predetermined relationship, thereby obtaining a roughened surface with uniform pits. It has been found that the generation of an etched portion can be prevented. Further, if at least one element selected from the group consisting of Ni, Cu and B is added as necessary, the effect of uniformizing the pits and the effect of preventing the remaining of the unetched part can be further improved.
[0013]
Moreover, the above-mentioned effect is effective for both electrolytic etching and chemical etching.
[0014]
Hereinafter, the aluminum alloy plate in the present invention will be further described. First, the chemical components contained in the aluminum alloy plate and the reasons for limiting the composition will be described.
[0015]
Fe: 0.2 to 0.6% by weight
Fe is a main component of the aluminum alloy plate. In addition, Fe combines with other elements in the aluminum alloy to form an Al—Fe-based intermetallic compound. This intermetallic compound has the effect of maintaining the mechanical strength by refining the recrystallized grains and making the structure uniform, and also acts as a starting point of pits during the surface roughening treatment. When the Fe content is less than 0.2% by weight, the intermetallic compound is not sufficiently formed, and the number of reaction starting points of the roughened pits is insufficient, so that the unetched portion remains and the roughened surface (etched) Surface) uniformity is reduced. On the other hand, when the Fe content exceeds 0.6% by weight, coarse pits are formed due to the formation of the coarse compound, so that the uniformity of the roughened surface (etched surface) deteriorates. Therefore, the Fe content is 0.2 to 0.6% by weight.
[0016]
Si: 0.03 to 0.20% by weight
Si, like Fe, forms an Al—Fe—Si intermetallic compound, and acts as a reaction starting point for the roughened pits during the roughening treatment. If the Si content is less than 0.03% by weight, the intermetallic compound is not sufficiently formed, and the number of reaction starting points of the roughened pits is insufficient, so that the roughened surface becomes non-uniform. On the other hand, when the Si content exceeds 0.20% by weight, a coarse compound is formed, and coarse pits are formed, so that the roughened surface becomes non-uniform. Therefore, the Si content is 0.03 to 0.20% by weight.
[0017]
Ti: 0.005 to 0.05% by weight
Ti has the effect of refining the cast structure and uniformly dispersing the intermetallic compound. When the Ti content is less than 0.005% by weight, the effect of making the cast structure fine cannot be sufficiently obtained. On the other hand, if the Ti content exceeds 0.05% by weight, the effect of refining the cast structure is saturated, so adding more is useless and non-uniform etching pits are formed. Accordingly, the Ti content is set to 0.005 to 0.05% by weight.
[0018]
Number of intermetallic compounds formed on the surface of the aluminum alloy plate having a particle diameter of 1 to 10 μm per 1 mm 2 : 2000 to 3500 / mm 2
As described above, the intermetallic compound acts as a reaction starting point of roughened pits in etching, and has a great effect on making the etched surface uniform. In particular, among the intermetallic compounds existing on the surface of the aluminum alloy plate, those having a particle size of 1 to 10 μm have a very large etching surface uniformizing effect.
[0019]
When the intermetallic compound having a particle diameter of 1 to 10μm is only exist less than 2000 / mm 2, the reaction origin roughening pits is not sufficiently formed, residual unetched area becomes remarkable. On the other hand, when the intermetallic compound particle size of 1 to 10μm are present at greater than 3500 / mm 2, so easy to be coarse pits formed, the uniformity of the roughened surface is impaired. Therefore, among the intermetallic compounds formed on the surface of the aluminum alloy plate, those having a particle diameter of 1 to 10 μm are present at 2000 to 3500 / mm 2 .
[0020]
When the number of intermetallic compounds having a particle diameter of 1 to 10 μm per mm 2 is y / mm 2 and the particle diameter is x μm, y and x of the intermetallic compound are log (y) = a · x + b (a: The distribution is such that the relationship of slope, b: constant) is satisfied. However, the slope a of the above equation is −0.35 to −0.3.
[0021]
In order to improve the uniformity of the roughened surface, in addition to defining the number of intermetallic compounds per unit area, it is necessary to define the relationship (distribution) between the number and the particle diameter. That is, when the number per 1 mm 2 of an intermetallic compound having a particle diameter of 1 to 10 μm is y / mm 2 and the particle diameter is x μm, the relationship between the number y and the particle diameter x is log (y) = a · x + b. When the inclination a when satisfying the above is less than (−0.35), the uniformity of the individual roughened pits is good, but the ratio of the intermetallic compound having a small particle diameter becomes excessively high. Since the diameter of the roughened pits becomes too small, unetched portions are generated between the roughened pits. On the other hand, if the slope a is larger than (−0.3), the ratio of coarse intermetallic compounds becomes excessively high, and coarse pits are easily formed, so that the uniformity of pits on the roughened surface becomes poor. . Accordingly, the inclination a is set to −0.35 to −0.3.
[0022]
Ni: 0.005 to 0.2% by weight
Ni improves the chemical solubility of the material to be treated and has the effect of obtaining a uniform roughened surface in a shorter time. If the Ni content is less than 0.005% by weight, the effect of improving the chemical solubility is insufficient. On the other hand, if the Ni content exceeds 0.2% by weight, the chemical solubility becomes excessive and the uniformity of the roughened surface is impaired. Therefore, when Ni is contained in the aluminum alloy plate, the content is preferably 0.005 to 0.2% by weight.
[0023]
Cu: 0.005 to 0.05% by weight
Cu exists in the aluminum alloy in a solid solution state, and has an effect of adjusting the potential difference between the aluminum matrix and the intermetallic compound and improving the uniformity of the roughened surface. When the Cu content is less than 0.005% by weight, the effect of adjusting the potential becomes insufficient, and the effect of improving the uniformity of the roughened surface cannot be obtained. On the other hand, when the Cu content exceeds 0.05% by weight, an unetched portion is generated on the surface of the aluminum alloy plate due to the chemical solubility suppressing action, and the roughened surface becomes non-uniform. Therefore, when Cu is contained in the aluminum alloy plate, the content is preferably 0.005 to 0.05% by weight.
[0024]
B: 1 to 50 ppm by weight
Usually, B acts as a grain refiner as a Ti-B master alloy. This crystal grain refining action is obtained by increasing the number of fine nuclei as the Ti-B particles increase as the solid solution Ti decreases. The inventors of the present application have further found that the effect of improving the uniformity of the roughened surface can be obtained by increasing the number of Ti-B particles. If the B content exceeds 50 ppm by weight, a coarse compound may be formed due to aggregation of Ti-B particles, and the roughened surface may become uneven. Therefore, when B is contained in the aluminum alloy plate, the content is set to 50 ppm by weight or less.
[0025]
The aluminum alloy plate according to the present invention may contain Mg, Mn, Cr, Zr, In, Sn, Pb, Ga, Zn, or V as an inevitable impurity. The content of each component of Mg, Ga and Zn is 0.05% by weight or less, the content of each component of Mn, Cr and Zr is 0.03% by weight or less, and In, Sn, Pb If the content of each of the components V and V is 0.02% by weight or less, the effects of the present invention are not adversely affected.
[0026]
Further, in the method for producing an aluminum alloy plate according to the present invention, the aluminum alloy ingot having the above composition is homogenized, hot-rolled, and cold-rolled to obtain an aluminum alloy plate. By appropriately defining the treatment temperature, it is possible to obtain an aluminum alloy sheet in which the amount of intermetallic compound falls within the above range.
[0027]
Hereinafter, the reason for limiting the numerical value of the homogenization treatment temperature in the method for producing an aluminum alloy plate will be described.
[0028]
Homogenization temperature: 350 to 540 ° C
When an aluminum alloy plate is produced from an aluminum alloy ingot by rolling or the like, it is necessary to homogenize at a predetermined temperature before rolling the ingot. When the homogenization temperature is less than 350 ° C., the particle size of the intermetallic compound does not become sufficiently large, so that the generation of unetched portions cannot be suppressed. On the other hand, when the homogenization temperature exceeds 540 ° C., a sufficient number of intermetallic compounds are not formed, and the uniformity of the roughened surface is insufficient. Therefore, the homogenization temperature is 350 to 540 ° C. .
[0029]
In the method of the present invention, other production conditions may be the same as those for ordinary aluminum alloy plates, but the homogenization time is 2 to 30 hours from the viewpoint of eliminating component segregation and economy. Is preferred. The starting temperature for hot rolling is preferably 350 to 450 ° C. from the viewpoint of making the structure uniform.
[0030]
Furthermore, in the present invention, an intermediate annealing treatment step can be provided after the hot rolling step or during the cold rolling in order to optimize the strength. Moreover, in order to improve the flatness of the cold rolled sheet, the aluminum alloy sheet can be corrected using a leveler.
[0031]
【Example】
Hereinafter, examples of the aluminum alloy plate of the present invention will be specifically described in comparison with comparative examples.
[0032]
First, each aluminum alloy ingot having various chemical compositions shown in Tables 1 to 4 below was chamfered to a thickness of 470 mm and subjected to a homogenization treatment at a temperature of 500 ° C. for 4 hours. Next, the rolling start temperature was set to 430 ° C., hot rolling was performed, and cold rolling, intermediate annealing, and cold rolling were sequentially performed to produce an aluminum alloy plate having a thickness of 0.3 mm. And the scanning electron microscope (SEM) was used, and the reflected electron beam image of the surface of each aluminum alloy plate was observed with the magnification of 500 times. Next, photographs were taken with respect to 25 fields of view so that the area of one field of view was 0.04 mm 2 , and the number of intermetallic compounds and the particle diameter were measured by image analysis. The surface of the alloy plate not subjected to surface treatment after rolling and the surface of the metal plate dissolved for 10 seconds in a 10% sodium hydroxide aqueous solution at 40 ° C. after rolling were observed with an electron microscope. Since the number of intermetallic compounds and the particle diameter were the same under both conditions, an alloy plate that was not subjected to surface treatment after rolling was used as a representative value in the examples.
[0033]
Thereafter, the obtained aluminum alloy plate was degreased and neutralized and washed under the treatment conditions shown in Table 5 below, followed by AC electrolytic surface roughening treatment, and further an oxide formed by electrolysis. In order to remove etc., a desmut treatment was performed. Then, each sample which performed the desmut process was washed with water and dried, and this was cut out to a fixed magnitude | size, and the electrolytic-roughening process test piece was produced.
[0034]
Further, the obtained aluminum alloy plate was subjected to a roughening treatment by a chemical roughening treatment under the conditions shown in Table 6 below. Then, each sample which performed the roughening process was washed with water and dried, and this was cut out to a fixed magnitude | size, and the chemical roughening process test piece was produced.
[0035]
[Table 1]
[0036]
[Table 2]
[0037]
[Table 3]
[0038]
[Table 4]
[0039]
[Table 5]
[0040]
[Table 6]
[0041]
Thereafter, a photograph of the roughened surface of each test piece was taken at a magnification of 500 times using a scanning electron microscope (SEM), and a total of 100 cm lines were drawn on the obtained photographs. The size of the pit shown below was measured to evaluate the uniformity of the roughened surface. The uniformity is evaluated to be excellent when the difference in size between the smallest pit and the largest pit is 2 μm or less (◎), and also when the difference is more than 2 μm and 3 μm or less (○ In the same manner, when the difference exceeded 3 μm, it was judged as defective (×).
[0042]
In addition, a photograph of the roughened surface of each test piece was taken at a magnification of 350 times using a scanning electron microscope (SEM), and an unroughened portion (unetched) based on the obtained photograph Part) was measured and the unetched part was evaluated by calculating the unetched rate from the following formula 1.
[0043]
[Expression 1]
Unetched rate (%) = (area of unroughened portion / total area) × 100
The evaluation of the unetched portion of the electrolytic surface-roughened test piece is excellent (◎) when the unetched ratio calculated by the above formula 1 is 5.0% or less, and the unetched ratio exceeds 5.0%. When it was 8.0% or less, it was judged as good (◯), and when the unetched rate exceeded 8.0%, it was judged as defective (x).
[0044]
The evaluation of the unetched portion of the chemical roughening test specimen is excellent (() when the unetched rate is 5.0% or less, and the unetched rate exceeds 5.0% and is 10.0% or less. In this case, it was judged as good (◯), and when the unetched rate exceeded 10.0%, it was judged as defective (x).
[0045]
The results are shown in Tables 1 to 4 above. As shown in Table 1 above, in Examples A1 to A7, since the content of each element, the number of intermetallic compounds per unit area, and the slope a are within the range defined in the present invention, the uniformity of the rough surface Both the evaluation and the unetched part evaluation were good. Note that, in the processing conditions 1 and 2, the evaluation results were the same.
[0046]
On the other hand, in Comparative Example A8, the Fe content is 0.65% by weight, which exceeds the upper limit of the range of the present invention, and the number of compounds is 3680 / mm 2 , which exceeds the upper limit of the range of the present invention. As a result, coarse pits were formed and the pit uniformity was poor. Comparative Example A9 has a Fe content of 0.18% by weight and is less than the lower limit of the present invention range, and the number of compounds is 1850 / mm 2, which is less than the lower limit of the present invention range. The number of reaction starting points of the chemical pits was insufficient, and the uniformity evaluation and the unetched part evaluation were poor. Comparative Example A10 has a Si content of 0.02% by weight, which is less than the lower limit of the present invention range, and the number of compounds is 1990 / mm 2, which is less than the lower limit of the present invention range. The number of reaction starting points of the chemical pits was insufficient, and the uniformity evaluation and the unetched part evaluation were poor.
[0047]
In Comparative Example A11, the number of compounds was 3510 / mm 2 , exceeding the range of the present invention, so that coarse pits were formed and the pit uniformity was poor. In Comparative Example A12, since the Ti content was 0.004% by weight and less than the lower limit of the range of the present invention, the effect of crystal grain atomization was not sufficiently obtained, and the uniformity of the rough surface was poor. In Comparative Example A13, since the Ti content was 0.06% by weight and exceeded the upper limit of the range of the present invention, the crystal grain atomization effect was saturated and thus the uniformity evaluation was poor.
[0048]
Further, as shown in Table 2, Examples B1 to B3 include Ni in addition to the content of each element, the number of intermetallic compounds per unit area, and the slope a within the range defined in the present invention. Since it contained a predetermined amount, the chemical solubility was improved and a uniform roughened surface could be obtained in a shorter time.
[0049]
In Comparative Example B4, the Ni content is 0.3% by weight and exceeds the upper limit of the range defined in claim 2, so that the chemical solubility during the surface roughening treatment becomes excessive and the uniformity evaluation is poor. Became. In Example B5, the Ni content is 0.004% by weight, and is less than the lower limit of the range defined in claim 2, so that the effect of improving the chemical solubility during the roughening treatment is insufficient and the uniformity. None of the evaluation and evaluation of the unetched part was particularly excellent.
[0050]
Furthermore, as shown in Table 3, in Examples C1 and C2, in addition to the content of each element, the number of intermetallic compounds per unit area and the slope a being within the range defined in the present invention, Cu was added. Since the predetermined amount is contained, the potential difference between the aluminum matrix and the intermetallic compound is adjusted, so that the evaluation of the uniformity of the roughened surface is further improved.
[0051]
On the other hand, Comparative Example C3 had a Cu content of 0.35% by weight and exceeded the upper limit of the range defined in claim 3, so that the uniformity evaluation and the unetched part evaluation were poor. Further, in Comparative Example C4, the Cu content is 0.004% by weight, and is less than the lower limit of the range defined in claim 3, so that the potential adjusting action during the electrolytic surface roughening treatment is insufficient and uniform. The property evaluation was not particularly excellent.
[0052]
Furthermore, as shown in Table 4, Examples D1 to D3 were excellent in etching uniformity because the B content was within the range of claim 4. On the other hand, in Comparative Examples D4 and D5, the B content was out of the range of Claim 4, so the pit uniformity and the evaluation of the unetched part were lower than in Examples D1 to D3.
[0053]
Next, examples of the method for producing an aluminum alloy plate according to the present invention will be specifically described in comparison with comparative examples.
[0054]
First, an aluminum alloy ingot having the same chemical composition as Example A2 shown in Table 1 was chamfered to a thickness of 470 mm, and homogenized at various temperatures shown in Table 7 below. Further, by sequentially performing hot rolling, cold rolling, intermediate annealing and cold rolling, an aluminum alloy plate having a thickness of 0.3 mm is manufactured, and the metal present on the surface of each obtained aluminum alloy plate Among the intermetallic compounds, the number of particles having a particle diameter of 1 to 10 μm and the particle diameter were measured by the method described above. Next, each aluminum alloy plate is degreased and neutralized and cleaned under the processing conditions shown in Table 5, and then AC electrolytic surface roughening is performed, and further, oxides and the like formed by electrolysis are removed. Was subjected to a desmut treatment. Then, each sample which performed the desmut process was washed with water and dried, and this was cut out to a fixed magnitude | size, and the electrolytic-roughening process test piece was produced.
[0055]
Further, the obtained aluminum alloy plate was subjected to a roughening treatment by a chemical roughening treatment under the treatment conditions shown in Table 6 above. Then, each sample which performed the roughening process was washed with water and dried, and this was cut out to a fixed magnitude | size, and the chemical roughening process test piece was produced. And about each test piece, rough surface uniformity evaluation and unetched part evaluation were implemented by the evaluation method mentioned above.
[0056]
[Table 7]
[0057]
As shown in Table 7 above, Examples E1 to E5 have a particle diameter among the intermetallic compounds formed on the surface because the content of each element and the homogenization temperature are within the range defined in the method of the present invention. There are 2000 to 3500 particles / mm 2 of 1 to 10 μm, and when the number of intermetallic compounds having a particle size of 1 to 10 μm per mm 2 is y / mm 2 and the particle size is x μm, the particle size is 1 An intermetallic compound of 10 to 10 μm has an inclination a (−0.35) to (−0.35) when the number y and the particle diameter x satisfy the relationship log (y) = a · x + b (a: inclination, b: constant). -0.3), an excellent aluminum alloy sheet having a uniform roughened surface and a low unetched rate was obtained.
[0058]
On the other hand, in Comparative Example E6, the content of each element is within the range specified in the method of the present invention, but the homogenization temperature is 300 ° C., which is less than the lower limit of the range specified in the method of the present invention. Since the particle diameter of the compound was excessively small, the unetched rate of the obtained alloy plate was poor. In Comparative Examples E7 and E8, the content of each element is within the range specified in the method of the present invention, but the homogenization temperature exceeds the upper limit of the range specified in the method of the present invention. Since the number of intermetallic compounds is as small as 2000 pieces / mm 2 or less and the slope a is (−0.30) or more, a uniform roughened surface cannot be obtained and the unetched rate becomes poor. .
[0059]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, the chemical composition of the aluminum alloy plate is appropriately defined, and the number of intermetallic compounds having a particle diameter of 1 to 10 μm per unit area among the intermetallic compounds formed on the surface is determined. In addition, the number of intermetallic compounds per unit area and the particle size are distributed so as to satisfy a predetermined relationship, so that the uniformity of the roughened surface by etching is improved and unetched parts are generated. Can be prevented.
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