JP3823504B2 - 液拡散性シートおよびそれを用いた吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、尿、経血などの人体から排出される液体を吸収し保持する構造体において該液体を素早く移動,拡散させるために用いる液拡散性シートに関するものである。さらに詳しくは、生理用品、生理用ナプキンまたは紙おむつ、吸収シートなどの吸収性物品に人体からの排出液のより効率的な吸収、保持を目的として配置される液拡散性シートおよびそれを用いた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
人体から排出される液体、例えば、尿、経血などを吸収する様々な態様の吸収性物品はよく知られている。一般に吸収性物品は、液体透過性のトップシート、ポリエチレンフィルムなどの液体不透過性のバックシート、および前記トップシートとバックシートとの間に保持されている木材パルプ綿、セルロース綿、コットン、レーヨン繊維、セルローススポンジ、高分子吸収材などからなる吸収層を備えている。このような吸収性物品は、使い捨ての紙おむつや生理用ナプキンに代表されるものであり、人体からの排出物、つまり尿や経血といったものをできるだけ多く、速やかに横漏れなく吸収、保持し得ること、さらには、その形態は薄く、かつ軽くといった性能が要求されている。
【0003】
これらの性能を満足させるためには、吸収性物品の装着者から排出された液体がトップシートを透過して吸収層に吸収、保持される過程において、迅速な液体の移動と拡散性の改良が必要不可欠である。なぜなら一般的な吸収性物品において人体からの排出物つまり尿や経血といったものは液透過性のトップシートのほぼ同じ部分に滴下、または、流入が繰り返される。このため、吸収層の一定の部分に吸収が集中してしまうことになり、その部分の吸収が飽和しやすくなる。そのため吸収層の一部分しか使用されない状態であるにもかかわらず、トップシートからのオーバーフロー、すなわち横漏れを起こしやすい状態になってしまい、結果として吸収層を厚くしないと吸収量を確保できない吸収性物品となる。
【0004】
この吸収が一定の部分に集中することをさけるために付加層を介在させて排出物の迅速な搬送、拡散を図るため、様々な検討、改良がなされている。例えば、特開平6−70957号公報では、吸収性物品のトップシート全体をプリーツ状、波型状および凸凹状にすることが開示されているが、吸収性物品を装着した場合、長手方向の縁部分は、人体からの排出物、尿、経血などの滴下または流入地点である中央部分よりも位置的に高くなるため、トップシートをプリーツ状などにするだけではそれらの液体の長手方向への拡散がそれほど効果的には行われないおそれがある。かつ、トップシートは装着者の肌に直接触れる部分であることから、液拡散性を付与することはシートの液残り性、液戻り性の面から望ましいものではない。
また、特開平3−234255号公報では、液体透過性のトップシートと木材パルプ綿と高分子吸収材料などからなる吸収層との間に、親水性繊維ウェブと疎水性繊維ウェブからなる吸液拡散シートを配置することを開示しているが、液体拡散方向が明確にできないために意図しない方向へも拡散してしまうおそれがある。また、特開昭61−48359号公報においては、吸収性物品の幅方向に交互に繊維密度の高い部分と低い部分とが配列する縞模様を有する液体拡散シートを開示しているが、繊維密度差のみを利用した液拡散では、まとまった量の液体の流入に対して対応しきれずにその性能を活かせないおそれがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記吸収性物品の従来技術の問題を解決することである。すなわち、吸収性物品において、人体からの排出物、尿や経血といったものに対し、ある任意の方向へ迅速に拡散させて、吸収層に効率よく吸収、保持させることが可能となる液拡散性シートを提供することである。また、それを用いた吸収性物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、不織布シートの表面に液体搬送溝を有し、かつ、その液体搬送溝が設けられたシート中央部を低密度繊維集合部とし、その中央部分からシート長手方向端部にかかる部分を高密度繊維集合部とすることで、その不織布シートが液体を迅速に拡散,吸収させる性能を持つことを知り本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の液拡散性シートは、以下の(1)〜(7)項で示される。
(1) 中央部に低密度繊維集合部、該中央部から長手方向端部にかけて高密度繊維集合部、および長手方向に液体を中央部から該高密度繊維集合部へ拡散させる少なくとも一本の液体搬送溝を具備してなる不織布で構成された、液拡散性シート。
(2) 中央部に低密度繊維集合部、該中央部から長手方向端部にかけて高密度繊維集合部、および長手方向に液体を中央部から該高密度繊維集合部へ拡散させる少なくとも一本の液体搬送溝を具備してなる不織布と、他の不織布、フィルム、パルプシート、編物及び織物から選ばれた少なくとも1種が積層されてなる、液拡散性シート。
(3) 低密度繊維集合部から高密度繊維集合部にかけて、順次密度勾配が形成されてなる(1)または(2)項に記載の液拡散性シート。
(4) 不織布が熱融着性繊維で構成される(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の液拡散性シート。
(5) 熱融着性繊維が10℃以上の融点差を有する低融点樹脂と高融点樹脂とから構成される複合繊維ある(4)に記載の液拡散性シート。
(6) 液体搬送溝の少なくとも底部が撥水性を有する(1)〜(5)項のいずれか一項に記載の液拡散性シート。
(7) 液体搬送溝の深さが高密度繊維集合部に向かって順次浅く形成されている(1)〜(6)項のいずれか一項に記載の液拡散性シート。
【0008】
(8) (1)〜(7)項のいずれか一項に記載の液拡散性シートを含む吸収性物品。
(9) 液体透過性のトップシート、液体不透過性のバックシート、吸収層からなる吸収性物品において、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の液拡散性シートが、トップシートと吸収層との間、吸収層とバックシートとの間、または、複数に分かれた吸収層と吸収層との間に配置されてなる、吸収性物品。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の液拡散シートは、液体透過性のトップシート、液体不透過性のバックシート、吸収層からなる吸収性物品において、トップシートと吸収層との間、吸収層とバックシートとの間、または複数に分かれた吸収層と吸収層との間に配置され使用される。
本発明の液拡散シートは、不織布または不織布と他の材料との積層で構成されて、中央部に低密度繊維集合部、該中央部から長手方向端部にかけて高密度繊維集合部、および長手方向に液体を中央部から該高密度繊維集合部へ拡散させる少なくと一本の液体搬送溝を具備している。この液体搬送溝により、人体からの排出物である尿、経血などの滴下、または、流入を、液体搬送溝に対して直角方向への液流れを抑制しながら、これを迅速に長手方向へ搬送,拡散させることができる。かつ、尿、経血などが滴下もしくは流入するシート中央部に対し、十分に繊維密度の高い高密度繊維集合部を有することで、液体の毛細管現象を利用し、液体搬送溝により搬送,拡散された液体をより一層効果的に拡散吸収させることが可能となるのである。
【0010】
本発明をさらに図面を用いて詳細に説明する。
図1(a)は、高密度繊維集合部1、低密度繊維集合部2、シート中央部流入する液体を搬送する液体搬送溝3を設けた液拡散性シートの一つの実施例を示す全体平面図である。人体からの排出物である尿、経血などの滴下、または、流入がシート中央部5にあるものとして、中央部5から長手方向端部へ向かって液体搬送溝3がその幅を広げながら形成されている。
図1(b)は図1(a)のX1−X1’の断面図、図(c)は図1(a)のX2−X2’の断面図、図1(d)は図1(a)のY−Y’の断面図である。液体搬送溝3の深さは、シート中央部5が最も深く、長手方向端部つまり高密度繊維集合部1に向かって浅くなっている。これは、滴下、または、流入した液体を、液体搬送溝による拡散、搬送から順次密度差を利用した更なる拡散へとすみやかに移行させようと意図したものであって、液体搬送溝の幅が長手方向に広がりながら延びているのも同様の理由による。また、均一な厚みの不織布シートに、中央部5からシート長手方向端部にかけて、圧縮度合いを順次高くなるように厚み方向へ圧縮加工を施すことによって、中央部5から高密度繊維部1に向かって繊維密度勾配が設けられている。このような繊維密度勾配は、液体の毛細管現象を促進させるため、より好ましいものである。
【0011】
本発明における液拡散性シートの液体搬送溝形状は、特に限定されたものではない。例えばシート表面の液体搬送溝の断面形状は、図1(b),(c)にあるような、その幅や深さの異なる凹形の他、図2(a)のような半円形、図2(b)のような逆三角形の断面形状、また、図2(c)のような、液体搬送溝の上部分よりも液体搬送溝の底部分4が大きく広がった、逆Ω形でもよい。これら液体搬送溝の形状と併せて、液体搬送溝の底部分4に撥水性を付加した場合は、液体の搬送、拡散が促進されるのでより好ましい。
【0012】
液拡散シートの表面の液体搬送溝の本数は、液拡散シートに尿や経血といった液体が滴下、または流入する部分に、少なくとも1本好ましくは複数本を設ける。その形状としては、直線状でもよく、曲線状でもよい。例えば、図3(a)のように曲線状の液体搬送溝3を2本長手方向に対して対称的に配置したものや、図3(b)のように、シート中央部5から長手方向へ直線状の液体搬送溝が放射状に延びているものや、図3(c)のように、シート中央部5は1本の直線状の液体搬送溝であるものが、シート長手方向に延びていく途中で複数の液体搬送溝に分岐しているようなものでもよく、これらに限定されるものではない。また、液体搬送溝の幅も常に一定でなくてもよく、好ましくは、液拡散シートに尿や経血といった液体が滴下、または、流入する中央部5において、液拡散の液体搬送溝の幅が一本あたり2mm〜7mmであって、長手方向へ延びるに従って液体搬送溝の幅が少しずつ増加していくものがよいが、液体搬送溝の本数や形状に合わせて調整してよい。
【0013】
液拡散シートの表面の液体搬送溝の長さは、好ましくは図1(a)にあるように、低密度繊維集合部2であるシート中央部5から高密度繊維集合部1に届く長さがあればよいが、これに限定されるものではない。また、液体搬送溝の深さは、尿や経血といった液体が滴下、または、流入するシート中央部5において、好ましくは
1mm以上あればよいが、液体搬送溝がシート中央部5からシート長手方向端部の高密度繊維集合部1へと延びるにしたがって、液拡散シートの各部分の厚みを考慮してその深さを順次浅く形成するのが好ましい。これに限定されずに、液体搬送溝の深さを変化、調整してもよい。また、滴下もしくは流入する液体の重さや装着者の体圧などの加圧に対してつぶれにくい溝を形成することが重要である。
【0014】
液拡散性シートの表面の液体搬送溝は、凸型のプレス機やロールなどによる加工で形成することができる。例えば、不織布シート表面に、形成したい液体搬送溝の形状を持った凸型の金型をのせてプレス加工を行うことで、比較的簡単に液体搬送溝が形成できる。また、ロールの表面に円周に沿って断線状に、形成したい液体搬送溝の形状を持った凸部分を設けたエンボスロールと、フラットロールの間に不織布シートを通すことで、シート表面に液体搬送溝を形成することができる。また、液拡散性シートの高密度繊維集合部は、シート長手方向端部の、形成したい部分に適量のバインダーなどを塗布したのち、プレス機などで適度に圧縮することで形成される。
液拡散性シートに用いる不織布は熱融着性複合繊維からなるのが好ましい。熱融着性複合繊維製の不織布の場合は、バインダーなどが使用されていないため、構成繊維の持つ液透過性や不織布の持つ柔軟性を損なうことなく、熱プレス加工だけで最も簡単に、シート表面の液体搬送溝や高密度繊維集合部を設けることが可能である。
【0015】
拡散性シートが同一繊維で構成されている場合は、一般的に前記のような手法で容易に高密度繊維集合部を付与できるが、より高度な構成として、高密度繊維集合部1と低密度繊維集合部2とにそれぞれ異品種繊維を配置することで密度差を形成してもよい。例えば、極細繊維または細繊度繊維を高密度繊維集合部1として配し、低繊度繊維または中繊度繊維を低密度繊維集合部2に配することで密度差を形成してもよい。このような場合は、エアレイド法などで部分的に異なる繊度の原綿を供給することにより、異繊度かつ密度差を有する液拡散性シートが得られる。
【0016】
液拡散性シートに、シート中央部を含む低密度繊維集合部からシート長手方向端部の高密度繊維集合部にかけて、繊維密度を順次高密度化させる密度勾配を付与することは、液体の毛細管現象を促進させ、さらに効果的な液拡散が可能となるため、より好ましいものである。
図1(a)では、均一な厚みの不織布シートに、中央部5からシート長手方向端部にかけて、圧縮度合いを順次高くなるように厚み方向へ圧縮加工を施すことによって、中央部5から高密度繊維部1に向かって繊維密度勾配が設けられている。
このような繊維密度勾配の付与の他の方法としては、熱融着性複合繊維からなる不織布シートを用いた場合の金型を使用した熱プレス加工や熱ロール加工などがある。例えば、熱融着性複合繊維からなる不織布シートの上に、なだらかな山形に曲げられたステンレス製の板を金型としたものをのせ、適度な温度下でプレス加工を施すことで、シート中央部はほとんど圧縮されずに、長手方向端部にかけて順次圧縮の度合いが高くなった繊維密度勾配を有する液拡散性シートが容易に形成される。
【0017】
本発明の液拡散性シートにおける繊維密度(g/cc)は、比容積(cc/g)として算出し比較する。
低密度繊維集合部2/高繊維密度集合部1の比容積の比は好ましくは2/1程度、更に好ましくは2.5/1以上である。液拡散性シートの長手方向の長さも考慮し、これらの比容積の比に限定されずに必要に応じて変更してもよい。
液拡散性シートの長手方向に密度勾配を形成する場合は、最低の繊維密度のシート中央部5から最高の繊維密度のシート長手方向端部にかけて順次高密度化する割合は、比容積に換算して好ましくは1cmあたり3.5cc/g程度、更に好ましくは1cmあたり4.5cc/g以上である。しかし、液拡散性シートの長手方向の長さや、密度勾配が形成される前の不織布シートの比容積も考慮し、これらの割合に限定されずに必要に応じて繊維密度勾配を変更してもよい。また、常に一定の割合で高密度化しなくてもよい。
【0018】
液拡散シートの厚みについては、シートが柔軟で表面の液体搬送溝が付与できる厚みであればよく、特に限定されるものではない。例えば、シート表面の液体搬送溝の底部分4とシートの底面6との距離がほとんどないような状態でもかまわない。
【0019】
本発明の液拡散性シートに用いられる原材料シートは、液拡散性シートに求められる機能としての柔軟性、耐久性、安全性、液透過性などを考慮し、比較的安価で、かつ廃棄後の処理が容易な不織布が好ましい。
本発明の液拡散性シートの素材となる不織布には、ポリエチレン,ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6,ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維、レーヨンなどのセルロース系繊維が使用できる。特に例えば、ポリエチレン/ポリプロピレンで構成されるポリオレフィン系の鞘芯型,偏芯型などの熱融着性複合繊維、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートで構成されるポリエステル系の鞘芯型,偏芯型などの熱融着性複合繊維など、およびこれらが混繊したものが主体となって構成されるものが好ましく、複合繊維の場合、低融点樹脂と高融点樹脂との融点差は10℃以上を有する組み合わせが熱融着性効果の点からも好ましい。不織布としては、カード法やエアレイド法で得られた繊維ウェッブをポイントボンド法やスルーエアー法などによって加工された短繊維不織布、スパンボンド法に代表される長繊維不織布などがある。好ましくは、比較的繊維として柔軟で、熱処理により密度勾配を付与しやすい、前記ポリオレフィン系の鞘芯型熱融着性複合繊維が主体の、スルーエアー法によって加工された短繊維不織布が好ましいが、これに限定されるものではない。
【0020】
これらの不織布は、速やかな液透過性を有していることが好ましく、その液透過性が不足している場合などは、界面活性剤などによる化学的繊維表面改質を施して液透過性を付与することが好ましい。つまり、液拡散シートにおいて、表面の液体搬送溝の底部分は、液体搬送溝を形成する加工時にシリコンなどの撥水剤を塗布したり、熱処理などにより構成繊維の熱融着性繊維をフィルム化して撥水性を付与することで、液拡散、搬送が一層効果的になるため撥水性がより好ましいが、それ以外の部分は液透過性を有していることが好ましい。
【0021】
本発明の液拡散性シートは、吸収性物品の使用形態の目的に応じて不織布のみで形成され、他の不織布,フィルム,パルプシート,編物,織物などと積層して使用することもできる。
【0022】
本発明の液拡散性シートは、前述の如く、不織布シートのシート表面に長手方向に延びる液体搬送溝を有することで、人体からの排出物である尿、経血などといった体液の滴下、または、流入に対し、液体搬送溝が延びる方向の直角方向への液流れを抑制しながら、これを迅速に搬送、拡散させることができるようになる。かつ、液体搬送溝が形成されているシート中央部の低密度繊維集合部、シート長手方向端部の高密度繊維集合部を有することで、不織布シートに密度差が付与され、液体搬送溝により搬送された体液を、シート長手方向端部の高密度繊維集合部へ更に効果的に拡散させることが可能となる。
【0023】
また、このような形状の液拡散性シートが吸収性物品に効果的に配置されることにより、従来の技術では得られなかった吸収層を有効的に使用でき、薄く軽い吸収性物品を提供することが可能になる。
【0024】
【実施例】
本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。まず、以下に評価方法を示す。評価には次の試験液を用いたが、効果を目視によって確認するために、水性インクを混ぜて着色した。
【0025】
実施例1〜6、比較例2〜4で得られた液拡散シート、比較例1の不織布シート、実施例7、比較例5で得られる積層液拡散シート、実施例8、比較例6の吸収性物品を評価サンプル(175mm×75mm)として、下記の評価を行った。
(1)液拡散性
評価サンプルに試験液を滴下し、試験液が透過した後でサンプル表面に広がった液体の拡散状況を、サンプルの長手方向と幅方向とに分けて測定し、その比率、つまり長手方向/幅方向の比を算出することで、そのサンプルの液拡散性とする。この時、長手方向/幅方向の数値が大きいほど、液拡散性が高いことを示す。なお、試験液の滴下は一定間隔で3回行い、その都度、拡散比率を算出する。また、第3回の試験液の滴下後に拡散面積を算出し、拡散比率と併せて液拡散性の評価基準とする。拡散比率が高く、拡散面積が大きいほど液拡散性が高いとするが、拡散面積が大きいだけでは、液拡散性が高いとは限らない。なお、拡散面積S(mm2)は、長手方向の拡散距離をl1(mm),幅方向の拡散距離をl2とした時、下記の式で求められる。
S=(l1/2)×(l2/2)×π
【0026】
この評価で使用する備品としては次の3点を用いた。
▲1▼ 吸収体
市販の生理用ナプキンから採取したもので、パルプ100%、165g/m2、大きさは170mm×75mm、厚み3.5mmのもの。評価の際には、吸収体の下に防液シートとしてポリエチレンフィルムを敷いてもかまわない。
▲2▼ 測定台
半径110mmの半球状のガラス繊維強化プラスチック製ボウルを用いた。ボウルの材質は特に限定しない。評価サンプルは、ボウルの内底中央部分吸収体の大きさにマークされた部分に設置する。
▲3▼ 分液ロート
試験液の滴下用であり、活栓付き、容量100cc、足部分の内径5mmのものを使用した。
【0027】
液拡散性の評価の手順を説明する。
まず評価するサンプル(175mm×75mm)を用意した吸収体の上にのせ、固定された測定台の底部分のマーキングに合わせて設置する。この時、サンプルの中央部分に対して、長手方向の縁部分は20mm以上位置的に高い状態である。そして分液ロートを、設置されたサンプルの中央部分に、出口が高さ10mmになるように配置する。38℃に保温された試験液(人工尿:8cc/回、人工血液:2cc/回)を分液ロートに入れる。活栓を開き試験液をサンプル中央に滴下した後、液体がすべて透過した時点から5分間そのままの状態で放置する。そしてサンプル表面に残っている液拡散の跡を長手方向と幅方向に分けて、その長さを測定する(単位:mm)。このような手順を3回繰り返し、評価を終了する。この評価を行う雰囲気としては、室温20℃、湿度60%が好ましい。
【0028】
(2)密度差(比容積の比)
評価サンプルにおける密度差(比容積の比)の算出方法は、まず、評価サンプルの低密度繊維集合部と高密度繊維集合部の重量を測定し、それぞれの面積から、単位面積あたりの重量、つまり目付w1(g/m2),w2(g/m2)を算出する。そして、低密度繊維集合部と高密度繊維集合部の、各々の厚みであるt1(mm),t2(mm)を測定し、下記の式を用いて比容積を算出し、低密度繊維集合部の比容積v1(cc/g)/高密度繊維集合部の比容積v2(cc/g)として比を求める。
v1=t1/w1×1000
v2=t2/w2×1000
【0029】
(3)繊維密度勾配
繊維密度勾配の割合の算出方法は、まず、評価サンプルの低密度繊維集合部から高密度繊維集合部にかけて設けられている密度勾配において、最も高い比容積v3(cc/g)と最も低い比容積v4(cc/g)を前記の式をい用いて算出し、それらの値を算出した2つの部分の間の直線距離l3(cm)を測定する。そして下記の式を用いて1cmあたりの比容積の平均減少率を算出し、密度勾配の割合R(cc/g・cm)とする。
R=(v3−v4)/l3
【0030】
【実施例1】
鞘の成分が融点130℃のポリエチレン、芯の成分が融点162℃のポリプロピレンからなり、アルキルホスフェートカリウム塩を主成分とする界面活性剤で表面処理された繊度2デニール/フィラメント,カット長51mmの熱融着性複合繊維を使用し、スルーエアー法により温度138℃,時間12sec,風速0.8m/minの加工条件で得られた目付25g/m2,比容積60cc/gの短繊維不織布を、繊維並び方向を長手方向として175mm×75mmにカットし液拡散性シート用の不織布シートを得た。
このカットされた不織布シート表面中央部に、TESTER SANGYO co.,LTD.製のHEAT SEAL TESTER TP−701Sを使用して、温度125℃,圧力1.0kg/cm2,時間30secの条件で凸型プレス加工を施し、長手方向に沿って幅5mm、深さ1mm、長さ70mmの直線状の液体搬送溝を1本設けた。
また、長手方向両端部から各々70mmの長さの部分に、HASHIMA co.,LTD.製の平板プレス機HP380Aを使用して、温度115℃,圧力350g/cm2,時間60secの加工条件で熱プレスを施して圧縮し、高密度繊維集合部を設けた。
これらの加工によりシート中央部の低密度繊維部とシート長手方向端部の高密度繊維集合部との比容積の比が2.2/1、液体搬送溝の深さはシート中央部で一定、底部分が液透過性の液拡散性シートを得た。
このようにして得られた液拡散性シートの液拡散性を評価した。その結果を表1と表2に示す。
【0031】
【実施例2】
鞘の成分が融点130℃のポリエチレン、芯の成分が融点253℃のポリエチレンテレフタレートからなり、アルキルホスフェートカリウム塩を主成分とする界面活性剤で表面処理された繊度2デニール/フィラメント,カット長51mmの熱融着性複合繊維を使用し、スルーエアー法により温度138℃,時間12sec,風速0.8m/minの加工条件で得られた目付25g/m2,比容積75cc/gの短繊維不織布を、繊維並び方向を長手方向として175mm×75mmにカットし液拡散性シート用の不織布シートを得た。
以下、実施例1と同様にして、カットした不織布シート表面に液体搬送溝と高密度繊維集合部を形成し、シート中央部の低密度繊維部とシート長手方向端部の高密度繊維集合部との比容積の比が2.1/1、液体搬送溝の深さはシート中央部で一定で底部分は液透過性の液拡散性シートを得た。
その結果を表1と表2に示す。
【0032】
【実施例3】
実施例1と同様にして、液体搬送溝を1本設けるところまで加工を行ったシートを用いて、このシートの上になだらかな山形に曲げられたステンレス製の金型をのせ、HASHIMA co.,LTD.の平板プレス機HP380Aを使用して、温度115℃,圧力350g/cm2,時間60secの加工条件で、熱プレスを施して圧縮し液拡散性シートを得た。
得られたシートは中央部から長手方向端部にかけて順次高密度になるように密度勾配を有し、その密度勾配の割合は1cmあたり3.5cc/gであり、また、液体搬送溝の深さはシート中央部からシート長手方向端部に向かって順次浅くなるように形成されており、底部分は液透過性である。
その結果を表1と表2に示す。
【0033】
【実施例4】
図3(a)のような幅5mm深さ1mm長さ70mmの曲線状の液体搬送溝を2本、幅方向の中心線を軸として対称的に設けた以外は、前記の実施例3と同様にして液拡散性シートを得た。
、その結果を表1と表2に示す。
【0034】
【実施例5】
図3(b)のような幅5mm深さ1mm長さ70mmの直線状の液体搬送溝を3本、シート中央部からシート長手方向へ放射状に設けた以外は、前記の実施例3と同様にして液拡散性シートを得た。
その結果を表1と表2に示す。
【0035】
【実施例6】
175mm×75mmにカットするところまで実施例1と同様に行った不織布シートを用い、このシート表面中央部に、TESTER SANGYO co.,LTD.のHEAT SEAL TESTER TP−701Sを使用して、温度125℃,圧力1.0kg/cm2,時間30secの条件で、凸型の表面にシリコーンを塗布した状態で凸型プレス加工を施し、長手方向に沿って幅5mm深さ1mm長さ70mmの直線状の液体搬送溝を1本設けた。
また、このシートの上に、なだらかな山形に曲げられたステンレス製の金型をのせ、HASHIMA co.,LTD.の平板プレス機HP380Aを使用して、温度115℃,圧力400g/cm2,時間60secの加工条件で、熱プレスを施して圧縮して液拡散性シートを得た。
得られた液拡散性シートは、シート中央部からシート長手方向端部にかけて、順次高密度された密度勾配を有し、その密度勾配の割合は、1cmあたり4.5cc/gである、また、液体搬送溝の深さは、シート中央部からシート長手方向端部に向かって順次浅く形成されており、加工時にシリコーンが移行して液体搬送溝底部分に撥水性が付与された。
その結果を表1と表2に示す。
【0036】
【実施例7】
凸型プレスの加工条件として、温度を135℃,時間を15secで底部分をフイルム化し、凸型の表面にシリコーンを塗布しない以外は前記の実施例6と同じ工程で液拡散性シートを得た。
得られた液拡散性シートの液体搬送溝の底部分が構成繊維のフィルム化によって撥水性となった。
この液拡散シートの裏面(未加工面)にティッシュペーパーを、さらに、そのテュッシュペーパーに、短繊維不織布(融点253℃のポリエチレンテレフタレートからなる繊度5.8デニール/フィラメント,カット長38mmの短繊維をレジンボンド法で加工して得られた、目付45g/m2の不織布)をポリエチレンオキシドなどの水溶性熱可塑性樹脂を用いて貼り合わせ、ナチュラルドライヤー内で85℃、5分間加熱して乾燥した。
このようにして得られた積層液拡散性シートの液拡散性を評価した。その結果を表1と表2に示す。
【0037】
【実施例8】
実施例1と同じ工程で得られた液拡散性シートにティッシュペーパーをのせたものを、1mm径の穴が多数設けられているポリエチレンフィルムのトップシートと、吸収体の間に配置して吸収性物品を作製した。
得られた吸収性物品の液拡散性を評価した。その結果を表1と表2に示す。
【0038】
【比較例1】
実施例1で用いた175mm×75mmにカットし液拡散性シート用の不織布シートのみの液拡散性の評価結果を表1と表2に示す。
【0039】
【比較例2】
液体搬送溝を設けない以外は実施例1と同様にして液拡散性シートを得た。
得られたシートの液拡散性を評価した。その結果を表1と表2に示す。
【0040】
【比較例3】
高密度繊維集合部を形成する加工を行わない以外は実施例1と同様にして液拡散性シートを得た。
得られたシートの液拡散性を評価した。その結果を表1と表2に示す。
【0041】
【比較例4】
実施例1で用いた175mm×75mmにカットし液拡散性シート用の不織布シートの全体に長手方向を折り目線としてプリーツ幅10mmでプリーツ加工を施し、ブリーツの谷部分を液体搬送溝とした。
得られた液拡散性シートの液拡散性を評価した。その結果を表1と表2に示す。
【0042】
【比較例5】
実施例7で用いた実施例6と同じ工程でえられた液拡散性シートに代えて、実施例1で用いた175mm×75mmにカットし液拡散性シート用の不織布シートを用いる以外は実施例7と同様にして、積層液拡散性シートを作製した。
その結果を表1と表2に示す。
【0043】
【比較例6】
実施例8で用いた液拡散性シートに代えて、実施例1で用いた175mm×75mmにカットし液拡散性シート用の不織布シートを用いる以外は実施例8と同様にして吸収性物品を作製した。
得られた吸収性物品の液拡散性を評価した。その結果を表1と表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
表1と表2に示される評価結果について考察する。
実施例1と比較例1を比較した場合、比較例1は滴下回数がすすむに従ってシートの幅方向への広がりが増しており、横漏れが危惧される。これに対し、シート表面に液体搬送溝が設けられている実施例1は、滴下回数がすすむに従って幅方向の広がりを抑えながら長手方向に拡散させており、シート表面の液体搬送溝の有効性は明らかである。これは、実施例2のように液拡散シートを構成する熱融着性複合繊維の種類が異なっても同じである。
しかし、比較例3のように、ただ不織布表面に液体搬送溝が設けられていても、繊維密度差がないと幅方向への広がりが抑えられる程度であ流る。比較例4は構造的にはっきりした液体搬送溝がプリーツ加工により施されているが、長手方向への液拡散が一定のところで停止している。液体搬送溝による幅方向への液の広がりの抑制だけでなく、積極的に、位置的に高くなった部分へ液拡散を行うためには、実施例1,2にあるような繊維密度差を設けることが必要なことがわかる。
しかし、比較例2のように不織布に単に繊維密度勾配を設けただけでは、滴下総量が増加すると、その性能を発揮できないから、シート表面の液体搬送溝と長手方向の繊維密度差との組み合わせは不可欠のことがわかる。
【0047】
実施例3は、実施例1と比較しても、第1回の滴下から長手方向への液拡散性に優れており、液拡散性シートに低密度繊維集合部と高密度繊維集合部を設けるだけでなく、シート中央部からシート長手方向端部にかけて順次高密度化される密度勾配を付与することが更に好ましいものであることを示す。また、シート表面に設けられた液体搬送溝の深さが、低密度繊維部から高密度繊維部に向かって順次浅くなっていることによって、体液の液体搬送溝による液搬送から密度勾配による液拡散へとすみやかに移行させていることがわかる。
【0048】
実施例4,5は、液体搬送溝の本数と形状が異なるものの、実施例1と比較しても液拡散の比率が向上しており、かつ、液拡散面積も大きい。複数の本数の液体搬送溝を効果的に配置することが更に好ましいことがわかる。
また、実施例6を見た場合、シート表面の液体搬送溝が1本であるにもかかわらず、実施例3,4よりも液拡散性が高く、かつ、液拡散面積も大きい。シート表面の液体搬送溝の底部分に撥水性を付与することは、液体搬送溝による液体の拡散、搬送を促進させるため、有効であることは明らかである。
【0049】
実施例7と比較例5を比較した場合、比較例5は、長手方向への液拡散性を示さないのに対し、実施例7は、実施例6と拡散比率,拡散面積ともほぼ同等で、積層してもその液拡散性は損なわれていない。
実施例8は、液拡散性シートが配置された吸収性物品であるが、液拡散性シート単体での評価結果と比較して、拡散比率,拡散面積とも大きくなっている。これは、吸収性物品のトップシート表面に滴下された人工尿および人工血液が、吸収性物品のトップシート、この場合はポリエチレンフィルムによって長手方向および幅方向へ拡散面積を少し広げられて液拡散性シートに透過し、液拡散性シートによって、その拡散面積をさらに長手方向へ広げられた結果である。
【0050】
これらより、実施例1〜7の液拡散性シートが、シートに滴下された体液を長手方向に拡散させる性能において優れていることがわかる。
また、実施例8の吸収性物品が、そのトップシートに滴下された体液を長手方向に拡散させる性能において優れていることがわかる。
【0051】
【発明の効果】
(1)本発明の液拡散性シートは、従来のものと比較して、人体からの排出物、つまり尿や経血などの体液を、滴下または流入したシート表面中央部に止めることなく迅速に液体搬送溝を通じて長手方向に拡散させ、さらに、シートの構成繊維の密度差によってシート端部まで拡散を促進させるという優れた効果を発揮する。
(2)本発明の液拡散性シートの素材に、熱融着性複合繊維からなる不織布を使用することにより、簡単な熱処理だけでシート表面に様々な形状,断面の液体搬送溝を設けることができ、密度勾配を付与し、その度合いを調整するのも比較的容易に行うことができる。また、シート形成の際に接着剤などを使用しないため、吸収性物品などに用いられても衛生的で、安全な素材である。
(3)本発明の液拡散性シートの表面に設けられている液体搬送溝の底部を撥水性にすることにより、液体搬送溝による体液搬送をより効率よく行うことが可能となり、液拡散性をさらに高めることができる。
(4)本発明の液拡散性シート表面の液体搬送溝の深さが、低密度繊維部から高密度繊維部へと順次浅く形成されることにより、シート表面に滴下または流入した体液が液体搬送溝によっての液搬送から、その密度勾配を利用した液拡散へと、すみやかに移行される。シート表面の液体搬送溝と密度勾配をより効果的に組み合わせることでさらに液拡散性を高めることができる。
(5)本発明の液拡散性シートが、他の不織布,フィルム,パルプシート,編物および織物から選ばれた少なくとも1種と積層されても、その液拡散性は損なわれないだけではなく、さらに液拡散性を促す素材,シートとの組み合わせにより、液拡散性が向上する効果が期待できる。
(6)本発明の液拡散性シートは、長手方向への積極的な拡散性を有することにより、その直角方向すなわち幅方向への液移動が抑制されて横漏れ防止の効果も得られる。そのため、本発明の液拡散性シートを配置した吸収性物品は、尿、経血などの体液の滴下または流入に対して、横漏れし難くかつ敏速な液拡散性が付与される。結果的に、吸収層全体にわたっての効率の良い液吸収、保持が可能になるため、吸収層を薄くすることができ、吸収性物品そのものを比較的薄く軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例である液拡散性シートの全体平面図である。
(b)は(a)のX1−X’1の断面図である。
(c)は(a)のX2−X’2の断面図である。
(d)は(a)のY−Y’の断面図である。
【図2】(a),(b),(c)は、本発明の液拡散性シートの表面に設けられる液体搬送溝の断面形状の例を示す。
【図3】(a),(b),(c)は、本発明の液拡散性シートの表面に設けられる液体搬送溝の形状の例を示す。
【符号の説明】
1 高密度繊維集合部
2 低密度繊維集合部
3 液体搬送溝
4 液体搬送溝の底部分
5 液拡散性シートの中央部
6 液拡散性シートの底面
Claims (9)
- 中央部に低密度繊維集合部、該中央部から長手方向端部にかけて高密度繊維集合部、および長手方向に液体を中央部から該高密度繊維集合部へ拡散させる少なくとも一本の液体搬送溝を具備してなる不織布で構成された、液拡散性シート。
- 中央部に低密度繊維集合部、該中央部から長手方向端部にかけて高密度繊維集合部、および長手方向に液体を中央部から該高密度繊維集合部へ拡散させる少なくとも一本の液体搬送溝を具備してなる不織布と、他の不織布、フィルム、パルプシート、編物及び織物から選ばれた少なくとも1種が積層されてなる、液拡散性シート。
- 低密度繊維集合部から高密度繊維集合部にかけて、順次密度勾配が形成されてなる請求項1または2に記載の液拡散性シート。
- 不織布が熱融着性繊維で構成される請求項1〜3項のいずれか1項に記載の液拡散性シート。
- 熱融着性繊維が10℃以上の融点差を有する低融点樹脂と高融点樹脂とから構成される複合繊維である請求項4に記載の液拡散性シート。
- 液体搬送溝の少なくとも底部が撥水性を有する請求項1〜5項のいずれか一項に記載の液拡散性シート。
- 液体搬送溝の深さが高密度繊維集合部に向かって順次浅く形成されている請求項1〜6項のいずれか一項に記載の液拡散性シート。
- 請求項1〜7項のいずれか一項に記載の液拡散性シートを含む吸収性物品。
- 液体透過性のトップシート、液体不透過性のバックシート、吸収層からなる吸収性物品において、請求項1〜7のいずれか1項に記載の液拡散性シートが、トップシートと吸収層との間、吸収層とバックシートとの間、または、複数に分かれた吸収層と吸収層との間に配置されてなる、吸収性物品。
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