JP3822692B2 - 消しゴム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は消しゴムに関し、さらに詳細には、消しゴム材料がポリ塩化ビニル等の基材樹脂と可塑剤などからなるいわゆるプラスチック消しゴムの軽量化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のプラスチック消しゴムは、ポリ塩化ビニル等の基材樹脂および可塑剤に、必要に応じて、炭酸カルシウム等の充填剤や安定剤が適宜添加されて、これらが混合、攪拌された後、成形型への流し込みや押出等により加熱、成形されてなる。
【0003】
消しゴムの使用時のメカニズムは、消去すべき紙面上の文字等の筆跡に対する消しゴムの押圧摩擦により、この筆跡を消しゴムに吸着して紙面から除去消失させるとともに、この吸着した筆跡を含む消しゴムの消しカスは、消しゴムから取り除かれることになる。
【0004】
この場合の消しゴムに要求される機能・特性、例えば消字率や消屑量等は、炭酸カルシウム等の充填剤の含有量が影響するところ、これらの比重は比較的大きく、したがって消しゴム全体の重量にも大きく影響している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近時の各種工業製品の低価格化には目を見張るものがあり、消しゴムに関してもその例外ではなく、そのための企業努力が日夜続けられている昨今である。
【0006】
この点に関して、本来低価格製品である消しゴムの製品コストに占める輸送費の比率はかなり大きく、よってコスト低減化の一方法として輸送費の低減化があり、このための有力な手段として消しゴム自体の軽量化がある。
【0007】
しかしながら、消しゴムの重量に大きく影響している充填剤の含有量の減少は、そのまま消しゴムの消字率等の機能・特性に反映してしまうことから、これに代わる軽量化技術の開発が強く叫ばれていた。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、本来的機能である消字率等の機能・特性を低下させることなく、軽量化を図ることができ、しかも製造工程の作業性も良好な消しゴムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の消しゴムは、基材樹脂および可塑剤等からなる消しゴム材料中に、微小な独立気泡球体が多数散在含有されてなり、上記独立気泡球体が、有機系中空球体と無機系中空球体からなることを特徴とする。
【0011】
本発明者らは、本発明を完成するまでにも、消しゴム自体の軽量化のために、種々の試行錯誤および試験研究を行ってきており、その一例として、消字率向上の一手段として従来公知の、消しゴム材料または材料中に空隙を形成させる方法についても試験研究を行った。
【0012】
この方法の代表的なものとしては、消しゴム材料の混合時に泡立てて空気等の気体を巻き込んで、加熱、成形時に発泡させる方法や、消しゴム材料の混合時に発泡剤を混入させておき、その後の加熱、成形時の熱による発泡剤の分解・気体発生により空隙を形成させる方法などがあるが、いずれも消字率向上に加えて軽量化という点のみに着目してみれば一応所期の効果が得られるものの、反面、消しゴムとして保持しなければならない他の機能・特性を損なってしまうという新たな問題が生じてしまい、実用品としてはまだ完全なものではなかった。
【0013】
つまり、前者にあっては、消しゴム材料のチキソトロピー性が悪く、これがため作業性も非常に悪く、かつ成形物の形状寸法が不均一となるなど製品不良を生じやすい。また後者にあっては、発生した気体同士が互いに接触して、連続した空隙を形成する結果、空隙が過度に大きくなるとともに、各空隙の形状寸法にも大きなバラツキがあって、所期の製品強度が得られない。
【0014】
本発明者らは、これらの問題点についての種々の検討および試験研究を行った結果、従来周知の一般的な消しゴム材料中に、微小な独立気泡球体を多数散在含有させることにより、上記問題点をすべて解消しつつ所要の空隙を形成させることに成功した。
【0015】
つまり、有機系中空球体や無機系中空球体等の独立気泡球体は、消しゴム材料にチキソトロピー性を付与するというすぐれた特性を備えており、この結果、独立気泡球体を混合含有する消しゴム材料は、チキソトロピー性が目的に応じて任意に設定でき、成形型への流し込みや押出成形における押出も良く、成形物の形状寸法も均一となる。
【0016】
また、独立気泡球体により形成された空隙の場合、各空隙はいずれも独立して他の空隙と連続するようなことはなく、その形状寸法は独立気泡球体の容積そのもので適度であり、よって各空隙の形状寸法もほぼ均一で、所期の製品強度が得られる。
【0017】
さらに、独立気泡球体として、有機系中空球体と無機系中空球体という異種材料を混合して用いることにより、有機系中空球体と無機系中空球体をそれぞれ単体で用いた場合に比較して、成形物の形状寸法の安定性と軽量化という点においてより大きな効果が得られる。
【0018】
つまり、有機系中空球体だけでは、一定寸法形状を得るための加工性ないしは作業性という点で若干の困難を伴い、一方、無機系中空球体だけでは、低比重化という点で若干の難点があるところ、これら両者を適当に混合させることにより、両者が互いに補完しあって、作業性が向上しつつ、低比重化も実現することになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係る消しゴムは、基材樹脂および可塑剤等からなる消しゴム材料中に、微小な独立気泡球体が多数散在含有されてなるプラスチック消しゴムである。
【0020】
基材樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体−ポリ塩化ビニルグラフト重合体などが挙げられる。
【0021】
可塑剤は上記基材樹脂を可塑化させるために用いられ、多塩基性酸エステル系可塑剤、高分子系可塑剤および含塩素可塑剤などが挙げられる。
【0022】
多塩基性酸エステル系可塑剤としては、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸イソノニル、フタル酸ジイソオクチル等のフタル酸エステル系可塑剤や、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤や、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤や、アセチルクエン酸トリブチルなどがある。また、高分子系可塑剤としては、ポリプロピレンアジペートやポリプロピレンセバケートなどがある。含塩素可塑剤としては、塩化パラフィン、塩素化脂肪酸メチルなどがある。
【0023】
可塑剤の使用量は、量の増減での比重の変化は比較的少ないことから、基材樹脂の種類によっても異なるが、専ら、作業性、消しゴムの硬さ、消去感などの関係から、基材樹脂100重量部に対して100〜300重量部使用するのが好ましい。
【0024】
独立気泡球体は、消しゴムに空隙を形成させるために使用するもので、マイクロバルーンとも呼ばれ、通常5〜300μmの単一な空間をもった微細な中空球体であり、外殻の成分によって、有機系中空球体(有機系バルーン)と無機系中空球体(無機系バルーン)とに大別される。
【0025】
有機系中空球体としては、熱可塑性樹脂やカーボンを成分としたカーボンバルーン、フエノールバルーン、塩化ビニリデンバルーン等が挙げられ、塩化ビニリデン、スチレン、MMA、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのコポリマーを外殻成分としている。具体的な外殻材質としては、ポリ塩化ビニリデン─アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−アクリルエステル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−アクリル共重合体などが挙げられる。
【0026】
有機系中空球体は、真比重が0.03〜0.06程度で、平均粒径が50μm程度である。また有機系中空球体は、その外殻の厚さもわすか0.1μmで、ビニール風船のような弾力性を備えることから、いかにバルーンを壊さないように添加するかが重要である。例えば、材質の選定にあたっては、用いられる可塑剤に成形温度以下で溶解しないものを選択する必要がある。これは成形途中で有機系中空球体が破裂してしまうおそれがあるためである。
【0027】
また、有機系中空球体は、加熱、成形時に膨張する未発泡有機系中空球体と、加熱、成形時に形状寸法が一定の既発泡有機系中空球体に分けられる。
【0028】
未発泡有機系中空球体は、その内部に、膨張性物質として、ブタン、ペンタン等の低沸点炭化水素、フロン等の低沸点ハロゲン化炭化水素、あるいはその他低沸点有機溶剤などを含んでなり、これら内封物が成形時の熱により膨張して空隙を形成し、膨張と同時に蒸散・気散する。この場合の外殻を構成する樹脂は、50℃以上で軟化が開始するような材質であることが適切である。50℃未満で軟化してしまう材質の粒子では、成形が開始される前に有機系中空球体の膨張が開始されてしまい、成形途中で有機系中空球体が破裂してしまうおそれがあるためである。
【0029】
有機系中空球体の具体例としては、既発泡のものとして、エクスパンセル社製のEXPANCEL461DE、同051DE、同551DE、同091DE等が挙げられ、また、未発泡のものとしてエクスパンセル社製のEXPANCEL461DU、同051DU、同551DU、同091DU等が挙げられる。この他にも、松本油脂製薬株式会社等の製造販売に係る有機系中空球体など、一般市販の有機系中空球体が使用可能である。
【0030】
未発泡有機系中空球体については、必要とする空隙の大きさや成形温度により内封物が選択されるが、ゲル化温度より高い沸点の物質を内封すると、マイクロカプセルが膨張せず、空隙の効果が少なくなってしまうので、沸点の低い物質を用いることが好ましい。使用する量は、内封物質により異なるが、本発明の効果を考慮すると、基材樹脂100重量部に対して1〜20重量部使用するのが好ましい。
【0031】
一方、既発泡有機系中空球体についても、必要とする消しゴムの空隙の大きさや使用する有機系中空球体の粒子径により、有機系中空球体の使用量は異なるが、空隙形成の効果を考慮すると、基材樹脂100重量部に対して1〜15重量部使用するのが好ましい。
【0032】
無機系中空球体としては、ガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーンなどが挙げられ、一般的に内部が空で、壁厚が数μm程度、球径が数10μm程度の微小な真球体で、ピンポン玉を微小化したのと同様の形状をもつ粉体である。無機系中空球体の外周面に樹脂コーティングして、補強したものもある。無機系中空球体の具体例として、日本シリカ社製のグラスマイクバルーン、イヂチ化成株式会社製のウィンライトMSB−5011、旭硝子株式会社製のQ−CEL200、同300、鈴木油脂工業株式会社製のシリカB−25C等が挙げられる。使用する量は、比重減小効果も考慮して、基材樹脂100重量部に対して5〜50重量部使用するのが好ましい。
【0033】
これら独立気泡球体は、消しゴムの各構成材料に均等に代えて、あるいはその一部の特定構成材料に代えて含有され、好適な一例としては、消しゴムの構成材料として大きな比重を占める従来公知の充填剤の一部に代えて含有される。
【0034】
また、独立気泡球体の具体的構成は、目的に応じて、有機系中空球体または無機系中空球体単体で、あるいはこれら両者を混合して、さらには、有機系中空球体についても、未発泡有機系中空球体または既発泡有機系中空球体単体で、あるいはこれら両者を混合して用いられる。
【0035】
一例として、消しゴムの比重を1以下にするには、例えば、基材樹脂100重量部に対して、有機系中空球体を単体で用いる場合は8〜10重量部が好ましく、無機系中空球体を単体で用いる場合は10〜50重量部が好ましく、また、有機系中空球体と無機系中空球体を混合して用いる場合は、有機系中空球体が5〜10重量部で、無機系中空球体が5〜20重量部で、合計10〜50重量部が好ましい。
【0036】
また、場合により、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等の充填剤や、溶剤、着色材など、従来消しゴム材料として使用されている各種添加物を適宜選択使用することも可能である。さらに、インキ等を溶解する溶剤が内包されたマイクロカプセルや研磨剤を添加して、インキによる筆跡やコピー機の複写跡など鉛筆による筆跡以外の筆跡等を消去する機能を付加することも可能である。
【0037】
次に、これら構成材料を用いて消しゴムを成形する方法を説明すると、流し込み成形法により消しゴムを成形するには、各構成材料を所定量ずつ混合して攪拌し、この混合材料を所定温度に加熱保温した成形型に流し込み、この状態のまま所定時間放置する。その後、この成形型に充填された構成材料を冷却してから成形型から取り出し、この成形物を所定寸法形状に切断して製品とする。
【0038】
また、押出成形法により消しゴムを成形するには、各構成材料を所定量ずつ混合して攪拌し、この混合材料を押出成形機に投入して、所定温度に加熱しながら所定形状に成形し、この成形物を冷却した後、所定寸法形状に切断して製品とする。
【0039】
さらに、射出成形法により消しゴムを成形するには、各構成材料を所定量ずつ混合して攪拌し、この混合材料を射出成形機に投入して、所定形状寸法の製品とする。
【0040】
しかして、以上のように構成された消しゴムにおいては、微小な有機系中空球体や無機系中空球体等の独立気泡球体が、基材樹脂および可塑剤等からなる消しゴム材料中に多数散在含有されてなることにより、形状寸法の均一な成形物が得られる。これは、独立気泡球体が消しゴム材料に任意のチキソトロピー性を付与する結果、その成形工程において、成形型への流し込みや押出成形が良好であるためと考えられる。
【0041】
また、上記独立気泡球体により消しゴム内部には多数の微小な空隙が形成されることになるが、これらの各空隙はいずれも、独立気泡球体自体の外殻により互いに独立していて、他の空隙と連続するようなことはなく、その形状寸法は独立気泡球体の容積そのもので適度(予め設定した形状寸法)である。したがって、各空隙の形状寸法も全体としてほぼ均一であり、消しゴム自体に所期の製品強度を得ることができる。
【0042】
さらに、独立気泡球体として、有機系中空球体と無機系中空球体という異種材料を混合して用いる場合には、有機系中空球体と無機系中空球体をそれぞれ単体で用いた場合に比較して、成形物の形状寸法の安定性と軽量化という点においてより大きな効果を得ることができる。
【0043】
すなわち、有機系中空球体と無機系中空球体をそれぞれ単体で用いた場合にも上記のような効果が得られるが、これら各単体では次のような不具合も若干伴う。つまり、有機系中空球体だけでは、一定寸法形状を得るための加工性ないしは作業性という点で若干の困難を伴い、一方、無機系中空球体だけでは、低比重化という点で若干の難点がある。
【0044】
これに対して、有機系中空球体と無機系中空球体を適量ずつ混合させることにより、両者が互いに補完しあって、成形工程における作業性が向上しつつ、消しゴムの低比重化も実現することができる。
【0045】
つまり、例えば消しゴム材料中に未発泡有機系中空球体のみを含ませ、加工の際の熱で中空球体内に内包される膨張性物質を膨張させる方法では、有機系中空球体の膨張の大きさにバラツキを生じ、この結果、消しゴムの仕上がり表面に凹凸を生じてしまう。この点を考慮して、有機系中空球体の含有量を相対的に減量すると、今度は消しゴムの形状は安定するが、比重は1以下にならない。そこで、無機系中空球体を併用含有させることにより、密度設定が容易確実となり、仕上がり形状寸法の安定が得られるとともに、消しゴムの仕上がり表面に凹凸を生じることもなく、比重の減小化に一層の効果が得られる。
【0046】
【0047】
以上の構成成分を混合攪拌したものを、内寸10mm×100mm×100mmの成形金型に流し込み、これを120℃に設定した恒温槽に20分間放置してから冷却した後、成形金型から取り出して、製品である消しゴムを得た(流し込み成形方法)。
【0048】
【0049】
以上の構成成分を実施例1と同様の成形方法で消しゴムを得た。
【0050】
【0051】
以上の構成成分を実施例1と同様の成形方法で消しゴムを得た。
【0052】
【0053】
以上の構成成分を実施例1と同様の成形方法で消しゴムを得た。
【0054】
【0055】
以上の構成成分を実施例1と同様の成形方法で消しゴムを得た。
【0056】
【0057】
以上の構成成分を実施例1と同様の成形方法で消しゴムを得た。
【0058】
【0059】
以上の構成成分を実施例1と同様の成形方法で消しゴムを得た。
【0060】
【0061】
以上の構成成分を実施例1と同様の成形方法で消しゴムを得た。
【0062】
上記実施例1〜8についての特性試験を、従来品と比較して行い、その試験結果を表1に示す。なお、従来品としては、実施例6における未発泡有機系中空球体が含有されていない他、その構成成分および成形方法共に実施例6と同様である。
【0063】
【表1】
【0064】
これらの試験結果より明らかなように、実施例1〜8のいずれにおいても比重が1以下であり、従来品の比重1.35に比較して大幅に減小している。
【0065】
また、作業性については、実施例1が若干良くないが、その他の実施例2〜8のいずれも良好である。寸法安定性については、実施例2が若干良くないが、その他の実施例1、3〜8のいずれも良好である。さらに、消しゴムの本来的機能である消字力については、実施例1〜8のいずれにおいても従来品より優れた値が得られた。引張り強さについては、実施例1〜8のいずれも従来品より若干劣るものの、実用品としては全く問題のない値が得られた。
【0066】
以上から、本発明に係る実施例1〜8のいずれにおいても、消しゴムとしての本来的機能である消字率を低下させることなく、従来品に比較して大幅に軽量化を図ることができ、しかも製造工程の作業性や成形物の寸法安定性も実用品として満足できることが判明した。
【0067】
特に、独立気泡球体として、有機系中空球体と無機系中空球体という異種材料を混合して用いる実施例4、5および8においては、上述のごとく所期の軽量化が実現するとともに、作業性および寸法安定性においても従来品と同等の大変良好な結果が得られることが判明した。
【0068】
なお、上述した実施例1〜8はあくまでも、本発明の好適な具体的実施態様を示すものであって、これに限定されることなく、その範囲内で種々設計変更することができると解釈されるべきである。
【0069】
例えば、実施例1〜8は、いずれも流し込み成形法により消しゴムを製造する場合であるが、本発明は、実施形態の説明において示した押出成形法による場合や、あるいは射出成形法による場合など、従来周知の消しゴムの他の成形法にも適用可能であることはもちろんである。
【0070】
また、独立気泡球体の具体的内容については、実施例1〜8以外の組み合わせも可能であり、つまり、有機系中空球体を未発泡有機系中空球体と既発泡有機系中空球体の双方で構成したり、あるいは、無機系中空球体をガラスバルーン、シラスバルーン、シリカバルーンなどの複数種類のもので構成するなど、目的に応じて種々選択可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、基材樹脂および可塑剤等からなる消しゴム材料中に、微小な独立気泡球体が多数散在含有されてなり、上記独立気泡球体が、有機系中空球体と無機系中空球体からなるから、消しゴム自体の大幅な軽量化を図ることができ、輸送費の大幅な低減化により、低価格製品である消しゴムのさらなる製品コストの低減化を実現でき、しかも、本来的機能である消字率は低下することなく、製造工程の良好な作業性や寸法安定性も得られ、強度的にも十分である。
【0072】
また、上記独立気泡球体が、消しゴムの構成材料として大きな比重を占める充填剤の一部に代えて含有されると、充填剤の減少による材料費の節減や充填剤による脆性増加の防止も図ることができる。
Claims (5)
- 基材樹脂および可塑剤等からなる消しゴム材料中に、微小な独立気泡球体が多数散在含有されてなり、
前記独立気泡球体が、有機系中空球体と無機系中空球体からなることを特徴とする消しゴム。 - 前記有機系中空球体は、加熱、成形時に膨張する未発泡有機系中空球体であることを特徴とする請求項1に記載の消しゴム。
- 前記有機系中空球体は、加熱、成形時に形状寸法が一定の既発泡有機系中空球体であることを特徴とする請求項1に記載の消しゴム。
- 前記有機系中空球体は、加熱、成形時に膨張する未発泡有機系中空球体と、加熱、成形時に形状寸法が一定の既発泡有機系中空球体とからなることを特徴とする請求項1に記載の消しゴム。
- インキ等を溶解する溶剤が内包されたマイクロカプセルが添加されてなることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の消しゴム。
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