JP3815919B2 - タキサン型ジテルペンの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、卵巣癌、乳癌、肺癌等の治療薬として有用であるタキソールを含むタキサン型ジテルペンの製造方法並びに新規なジャスモン酸誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
卵巣癌、乳癌、肺癌等の治療薬として有用であるタキソール(Taxol)は、イチイ科イチイ属植物であるタイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia NUTT)より単離同定されたタキサン型ジテルペンであり、前記薬理活性と関連する複雑なエステルグループを有している。タキソールはタイヘイヨウイチイ植物体中のどの部位にも存在し、その含有量は樹皮において最も高いことが報告されている。現在、タキソールは植物体中からの採取、あるいは、植物体中に存在する前駆体の10−デアセチルバッカチンIIIを原料とする半合成により得られている。とはいえ、イチイ属植物は地上20cmの高さに成長するのに10年以上かかる生育の遅い植物であり、また樹皮を剥ぐと木が枯れてしまうため、大量のタキソールを得ることは容易でない。もし、タキソールおよびタキソールの前駆物質であるバッカチンIII等のタキサン型ジテルペンの合成が組織培養を利用して行なうことができれば、樹木を伐採する事なく、大量のタキソールを容易に得ることができるので有利である。
【0003】
現在までの植物の培養細胞を利用したタキサン型ジテルペンの生産方法については、ジャスモン酸メチルの存在下、イチイ細胞を培養することにより、タキソールやバッカチンIIIなどのタキサン型ジテルペンの生産性が向上することが報告されている(特開平8−33490号公報)。
【0004】
しかし、当該公報には本発明に使用されるジャスモン酸誘導体は開示されておらず、それら化合物がタキサン型ジテルペンの生産方法に与える影響は未知であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、タキサン型ジテルペンを産生する植物の細胞または組織を培養することにより、タキサン型ジテルペンをより簡便且つ効率的に製造する方法並びに新規なジャスモン酸誘導体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究の結果、新しく種々のジャスモン酸誘導体を合成し、合成した該誘導体をタキサン型ジテルペンを産生する植物の培養細胞または培養組織の培地中に添加して培養を行なうと、従来知られていたジャスモン酸メチルを添加した場合に比べて培養物中のタキサン型ジテルペンの生産性がより向上することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、タキサン型ジテルペンを産生する植物の細胞又は組織を、一般式(I)(化7)
【0008】
【化7】
[式中、XはO、S、またはNHを表し、Rは、式II又は式III(化8)
【0009】
【化8】
(式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ独立にH、OH、または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R3及びR6は、それぞれ独立にH、炭素数1〜6のアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいアリールアルキル基を表し、nは1〜5の整数を表し、yは1〜5の整数を表す。)を表す。]で示されるジャスモン酸誘導体の存在下に培養し、得られる培養物からタキサン型ジテルペンを回収することを特徴とするタキサン型ジテルペンの製造方法、および一般式(Ia)(化9)
【0010】
【化9】
[式中、XはO又はSを表し、Rは、式II(化10)
【0011】
【化10】
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立にH、OH、または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R3は独立にH、炭素数1〜6のアルキル基、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいアリールアルキル基を表し、nは1〜5の整数を表す。)を表す。]で示されるジャスモン酸誘導体である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法の対象となるタキサン型ジテルペンとしては、タキサン骨格を有するジテルペンであれば特に制限はなく、具体的には、タキソール、バッカチンIII、セファロマニン、バッカチンVI等を例示できる。
【0013】
本発明の製造方法に用いられるタキサン型ジテルペンを産生する植物としては、例えば、セイヨウイチイ(Taxus baccata LINN)、イチイ(T. cuspidata SIEB.et ZUCC)、キャラボク(T. cuspidata SIEB.et ZUCC var. nana REHDER)、タイヘイヨウイチイ(T. brevifolia NUTT)、カナダイチイ(T. canadiensis MARSH)、中国イチイ(T. chinensis)、メディアイチイ(T.media)等のイチイ属植物が挙げられる。これらの中でもメディアイチイ(T.media)が特に好ましい。
前記植物の組織培養は、本発明により一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体を添加する以外は、従来から知られている方法によって行なうことができる。
【0014】
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体において、R1、R2、R3、R4、R5又はR6で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体において、R3及びR6で表される炭素数1〜6の置換されていてもよいアリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体において、R3及びR6で表される炭素数1〜6の置換されていてもよいアリールアルキル基としては、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−クロロベンジル基、p−フルオロベンジル基等が挙げられる。
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体の具体例としては、以下に示す化合物A(式IV,化11)、化合物B(式V,化12)、化合物C(式VI,化13)、化合物D(式VII,化14)が挙げられる。
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
【0017】
【化13】
【0018】
【化14】
【0019】
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体の合成方法を化合物Bを例として述べる。
まず、市販のジャスモン酸メチルをアルカリ加水分解し、ジャスモン酸(JA)を得る。JA(100mg、0.48 mmol)、グリコール酸メチル(110μl、1.44mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(4.7mg、0.038mmol)を添加したジクロロメタン(6ml)溶液に窒素気流下、0℃にてジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)108mg、0.52mmol)を加える。0℃にて1時間、室温にて3時間撹拌後、溶媒を留去し、残さに酢酸エチルを加えて不溶物をろ別する。ろ液を2N HCl、飽和NaHCO3水溶液、飽和食塩水の順に順次洗浄後、Na2SO4にて乾燥する。溶媒留去後、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物Bを無色油状物として得る。
【0020】
上記と同様の反応条件および後処理操作に従い、JAとメチルグリシン塩酸塩より化合物A、JAとエチレングリコール モノメチルエーテルより化合物C、JAとジメチレングリコール モノメチルエーテルより化合物Dを得ることができる。
【0021】
本発明において、ジャスモン酸誘導体は、培養細胞が増殖期ないし定常期に添加することがもっとも効果的であり、この中でも特に増殖期から定常期に移行する時期にジャスモン酸誘導体を添加することが本発明の方法にとって好ましい。たとえば、14日おきに細胞を移植している場合には、7〜14日目がジャスモン酸誘導体の添加の適期にあたる。また、添加方法としては、一度に行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体を含む組織培養培地中で組織培養し、得られる組織培養物および/または培地からタキサン型ジテルペンを回収することができる。
【0022】
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体は、培地における濃度が1〜1000μMとすることが必要であり、この中でも特に誘導体の濃度を10〜300μMの範囲に調整することが本発明の方法にとって好ましい。
【0023】
本発明における組織培養に使用される培地としては、従来から知られている植物の組織培養に用いられる培地、例えばムラシゲ・スクーグ(Murashige & Skoog)の培地、リンスマイヤー・スクーグ(Linsmaier Skoog)の培地、ウッディー・プラント・メディウム(Woody Plant Medium)の培地、ガンボルグ(Gamborg)のB−5培地、三井のM−9培地等が挙げられる。
【0024】
これら培地に植物ホルモンを添加し、更に必要に応じて炭素源、無機成分、ビタミン類、アミノ酸等を添加することもできる。
炭素源としては、シュクロース、マルトース、ラクトース等の二糖類、グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類、デンプンあるいはこれら糖源の2種類以上を適当な比率で混合したものを使用できる。
無機成分としては、例えばリン、窒素、カリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウ、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、銅、モリブデン、塩素、ナトリウム、ヨウ素、コバルト等が挙げられ、これらの成分は例えば硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、塩化カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、ホウ酸、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、三酸化モリブデン、ヨウ化カリウム、塩化コバルト等の化合物として添加できる。
【0025】
植物ホルモンとしては、例えばインドール酢酸(IAA)、ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)等のオーキシン類、カイネチン、ゼアチン、ジヒドロゼアチン等のサイトカイニン類が用いられる。
ビタミン類としては、例えばビオチン、チアミン(ビタミンB1)、ピリドキシン(ビタミンB6)、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等が用いられる。
アミノ酸類としては、例えばグリシン、フェニルアラニン、ロイシン、グルタミン、システイン等を添加できる。
【0026】
一般に前記の各成分は、無機成分が約0.1μM、ないし100mM、炭素源が約1〜約30g/l、植物ホルモン類が約0.01〜約10μM、ビタミン類およびアミノ酸類がそれぞれ約0.1〜約100mg/lの濃度で用いられる。
尚、本発明には液体培地および寒天やゲランガム等を通常0.1〜1%含有する固形培地のいずれも使用できるが、通常は液体培地が好ましい。
本発明における組織培養においては、前記植物の根、生長点、葉、茎、種子、花粉、葯、がく等の組織片または細胞、あるいはこれらを上記培地あるいは他の従来の培地によって組織培養して得られる培養細胞を使用することができる。
【0027】
これらの組織または細胞を前記一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体の存在下に組織培養すると、無添加または無処理の場合と比較して、タキサン型ジテルペンの高生産性培養組織または培養細胞が得られる。
【0028】
以上のようにして得られた培養組織または培養細胞および/または培地から、メタノール、ジクロロメタン等の有機溶媒による抽出によってタキサン型ジテルペンを分離することができる。また、培地中に適当な吸着剤や有機溶媒を共存させ、連続的にタキサン型ジテルペンを回収することもできる。
【0029】
本発明における組織培養の好ましい一例としては、次の方法が挙げられる。
先ずイチイ属に属する植物の植物体、例えば根、生長点、葉、茎、種子などから採取される植物片を殺菌処理後、ゲランガムで固めたウッディー・プラント・メディウムの固体培地上に置床し、10〜35℃で14〜60日程度経過させて組織片の一部をカルス化させる。このようにして得られたカルスを継代培養すると生育速度が漸次高まり安定化したカルスが得られる。ここで、安定化したカルスとは、培養中にカルスの一部がシュートや根に分化しないでカルスの状態を保持する性質をもち細胞の生育速度が均質であるものをいう。
この安定化したカルスを増殖に適した液体培地、例えばウッディー・プラント・メディウムの液体培地に移して増殖させる。液体培地において更に生育速度が高められる。本発明では、この安定化したカルスまたは該カルスを構成する細胞は、一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体を含有する固体培地または液体培地で培養される。
【0030】
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体を用いて2段培養を行う場合、1段目の培養では、ジャスモン酸誘導体を含まない培地で細胞を増殖後、次に2段目の培養でジャスモン酸を添加して培養することができる。その際、2段目に移行する細胞の状態は増殖期ないし定常期であることが好ましい。
本発明における組織培養の培養温度としては、通常は約10〜約35℃、特に約23〜28℃が増殖速度が大きいので好適である。また、培養期間としては、14〜42日間が好適である。
【0031】
本発明における培養方法において液体培地を用いた場合には、培養終了後に培養細胞をデカンテーションまたは濾過等の方法によって培地から分離し、培養細胞および/または培地から目的とするタキサン型ジテルペンをメタノール、ジクロロメタン等の有機溶媒による抽出等の方法によって分離することができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
ナフタレン酢酸を10-5Mの濃度になるように添加したウッディー・プラント・メディウムの固体培地(ゲランガム0.25重量%)に、前もって2%アンチホルミン溶液または70%エタノール溶液等で滅菌処理したメディアイチイ(Taxus media)の胚の一部を置床し、25℃で暗所にて静置培養してメディアイチイカルスを得た。次にこのカルス1g(新鮮重)を、前記成分を同じ濃度で添加したウッディー・プラント・メディウムの液体培地20ml入りの三角フラスコに移し、ロータリーシェーカー上で旋回培養(振幅25mm、100rpm)し、14日毎に植え継ぎ、該カルスの生育速度を速めた。
このようにして得られた培養細胞2g(新鮮重)を、前記成分を同じ濃度で添加したウッディー・プラント・メディウム20ml入りの三角フラスコに移し、ジャスモン酸の誘導体として化合物A(式(IV))をその終濃度が1〜1000μMになるように添加し、さらに14日間培養した。
培養終了後、メディアイチイ培養細胞を濾過により採取し、凍結乾燥した後その乾燥重量を測定し、液体培地1L当たりの培養細胞の生育重量を求めた。得られた乾燥カルス及び培地からメタノール等を用いてタキサン型ジテルペンを抽出し、高速液体クロマトグラフィーを用いて標準品タキソール、セファロマニン、バッカチンIII、バッカチンVIと比較定量することによってタキサン型ジテルペン収量を測定した。その結果を表1に示す。
【0033】
〔比較例1〕
実施例1において、ジャスモン酸の誘導体を添加しない以外は実施例1と同様に操作した。その結果を表1(表1)に示す。
【0034】
〔比較例2〕
実施例1において、ジャスモン酸の誘導体としてジャスモン酸メチル(特開平8−33490号公報の実施例1で使用されている化合物に相当する)を添加する以外は実施例1と同様に操作した。その結果を表1(表1)に示す。
【0035】
〔実施例2〕
実施例1において、ジャスモン酸の誘導体として化合物B(式(V))を添加する以外は実施例1と同様に操作した。その結果を表1(表1)に示す。
【0036】
〔実施例3〕
実施例1おいて、ジャスモン酸の誘導体として化合物C(式(VI))を100μM添加する以外は実施例1と同様に操作した。その結果を表1(表1)に示す。
【0037】
〔実施例4〕
実施例1において、ジャスモン酸の誘導体として化合物D(式(VII))を100μM添加する以外は実施例1と同様に操作した。その結果を表1(表1)に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
〔実施例5〕 化合物Bの合成
市販のジャスモン酸メチルをアルカリ加水分解し、ジャスモン酸(JA)を得る。JA(100mg、0.48 mmol)、グリコール酸メチル(110μl、1.44mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(4.7mg、0.038mmol)を添加したジクロロメタン(6ml)溶液に窒素気流下、0℃にてジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)108mg、0.52mmol)を加え他。0℃にて1時間、室温にて3時間撹拌後、溶媒を留去し、残さに酢酸エチルを加えて不溶物をろ別した。ろ液を2N HCl、飽和NaHCO3水溶液、飽和食塩水の順に順次洗浄後、Na2SO4にて乾燥した。溶媒留去後、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物Bを無色油状物として得た。得られた化合物のNMRデータを表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、タキサン型ジテルペンを産生する植物の細胞又は組織の培養培地にジャスモン酸誘導体を添加して培養することによって、大量のタキサン型ジテルペンを簡便且つ効率的に生産することが可能になる。本発明において使用されるジャスモン酸誘導体は従来知られていたジャスモン酸メチルをはじめとするジャスモン酸誘導体に比べ、タキサン型ジテルペンを産生する植物の細胞又は組織のタキサン型ジテルペンの生産を促進する作用が高いため、本発明の方法は従来知られている方法よりもより簡便且つ効率的である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、卵巣癌、乳癌、肺癌等の治療薬として有用であるタキソールを含むタキサン型ジテルペンの製造方法並びに新規なジャスモン酸誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
卵巣癌、乳癌、肺癌等の治療薬として有用であるタキソール(Taxol)は、イチイ科イチイ属植物であるタイヘイヨウイチイ(Taxus brevifolia NUTT)より単離同定されたタキサン型ジテルペンであり、前記薬理活性と関連する複雑なエステルグループを有している。タキソールはタイヘイヨウイチイ植物体中のどの部位にも存在し、その含有量は樹皮において最も高いことが報告されている。現在、タキソールは植物体中からの採取、あるいは、植物体中に存在する前駆体の10−デアセチルバッカチンIIIを原料とする半合成により得られている。とはいえ、イチイ属植物は地上20cmの高さに成長するのに10年以上かかる生育の遅い植物であり、また樹皮を剥ぐと木が枯れてしまうため、大量のタキソールを得ることは容易でない。もし、タキソールおよびタキソールの前駆物質であるバッカチンIII等のタキサン型ジテルペンの合成が組織培養を利用して行なうことができれば、樹木を伐採する事なく、大量のタキソールを容易に得ることができるので有利である。
【0003】
現在までの植物の培養細胞を利用したタキサン型ジテルペンの生産方法については、ジャスモン酸メチルの存在下、イチイ細胞を培養することにより、タキソールやバッカチンIIIなどのタキサン型ジテルペンの生産性が向上することが報告されている(特開平8−33490号公報)。
【0004】
しかし、当該公報には本発明に使用されるジャスモン酸誘導体は開示されておらず、それら化合物がタキサン型ジテルペンの生産方法に与える影響は未知であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、タキサン型ジテルペンを産生する植物の細胞または組織を培養することにより、タキサン型ジテルペンをより簡便且つ効率的に製造する方法並びに新規なジャスモン酸誘導体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究の結果、新しく種々のジャスモン酸誘導体を合成し、合成した該誘導体をタキサン型ジテルペンを産生する植物の培養細胞または培養組織の培地中に添加して培養を行なうと、従来知られていたジャスモン酸メチルを添加した場合に比べて培養物中のタキサン型ジテルペンの生産性がより向上することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、タキサン型ジテルペンを産生する植物の細胞又は組織を、一般式(I)(化7)
【0008】
【化7】
[式中、XはO、S、またはNHを表し、Rは、式II又は式III(化8)
【0009】
【化8】
(式中、R1、R2、R4及びR5は、それぞれ独立にH、OH、または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R3及びR6は、それぞれ独立にH、炭素数1〜6のアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいアリールアルキル基を表し、nは1〜5の整数を表し、yは1〜5の整数を表す。)を表す。]で示されるジャスモン酸誘導体の存在下に培養し、得られる培養物からタキサン型ジテルペンを回収することを特徴とするタキサン型ジテルペンの製造方法、および一般式(Ia)(化9)
【0010】
【化9】
[式中、XはO又はSを表し、Rは、式II(化10)
【0011】
【化10】
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立にH、OH、または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R3は独立にH、炭素数1〜6のアルキル基、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいアリールアルキル基を表し、nは1〜5の整数を表す。)を表す。]で示されるジャスモン酸誘導体である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法の対象となるタキサン型ジテルペンとしては、タキサン骨格を有するジテルペンであれば特に制限はなく、具体的には、タキソール、バッカチンIII、セファロマニン、バッカチンVI等を例示できる。
【0013】
本発明の製造方法に用いられるタキサン型ジテルペンを産生する植物としては、例えば、セイヨウイチイ(Taxus baccata LINN)、イチイ(T. cuspidata SIEB.et ZUCC)、キャラボク(T. cuspidata SIEB.et ZUCC var. nana REHDER)、タイヘイヨウイチイ(T. brevifolia NUTT)、カナダイチイ(T. canadiensis MARSH)、中国イチイ(T. chinensis)、メディアイチイ(T.media)等のイチイ属植物が挙げられる。これらの中でもメディアイチイ(T.media)が特に好ましい。
前記植物の組織培養は、本発明により一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体を添加する以外は、従来から知られている方法によって行なうことができる。
【0014】
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体において、R1、R2、R3、R4、R5又はR6で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体において、R3及びR6で表される炭素数1〜6の置換されていてもよいアリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、p−フルオロフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体において、R3及びR6で表される炭素数1〜6の置換されていてもよいアリールアルキル基としては、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−クロロベンジル基、p−フルオロベンジル基等が挙げられる。
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体の具体例としては、以下に示す化合物A(式IV,化11)、化合物B(式V,化12)、化合物C(式VI,化13)、化合物D(式VII,化14)が挙げられる。
【0015】
【化11】
【0016】
【化12】
【0017】
【化13】
【0018】
【化14】
【0019】
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体の合成方法を化合物Bを例として述べる。
まず、市販のジャスモン酸メチルをアルカリ加水分解し、ジャスモン酸(JA)を得る。JA(100mg、0.48 mmol)、グリコール酸メチル(110μl、1.44mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(4.7mg、0.038mmol)を添加したジクロロメタン(6ml)溶液に窒素気流下、0℃にてジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)108mg、0.52mmol)を加える。0℃にて1時間、室温にて3時間撹拌後、溶媒を留去し、残さに酢酸エチルを加えて不溶物をろ別する。ろ液を2N HCl、飽和NaHCO3水溶液、飽和食塩水の順に順次洗浄後、Na2SO4にて乾燥する。溶媒留去後、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物Bを無色油状物として得る。
【0020】
上記と同様の反応条件および後処理操作に従い、JAとメチルグリシン塩酸塩より化合物A、JAとエチレングリコール モノメチルエーテルより化合物C、JAとジメチレングリコール モノメチルエーテルより化合物Dを得ることができる。
【0021】
本発明において、ジャスモン酸誘導体は、培養細胞が増殖期ないし定常期に添加することがもっとも効果的であり、この中でも特に増殖期から定常期に移行する時期にジャスモン酸誘導体を添加することが本発明の方法にとって好ましい。たとえば、14日おきに細胞を移植している場合には、7〜14日目がジャスモン酸誘導体の添加の適期にあたる。また、添加方法としては、一度に行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体を含む組織培養培地中で組織培養し、得られる組織培養物および/または培地からタキサン型ジテルペンを回収することができる。
【0022】
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体は、培地における濃度が1〜1000μMとすることが必要であり、この中でも特に誘導体の濃度を10〜300μMの範囲に調整することが本発明の方法にとって好ましい。
【0023】
本発明における組織培養に使用される培地としては、従来から知られている植物の組織培養に用いられる培地、例えばムラシゲ・スクーグ(Murashige & Skoog)の培地、リンスマイヤー・スクーグ(Linsmaier Skoog)の培地、ウッディー・プラント・メディウム(Woody Plant Medium)の培地、ガンボルグ(Gamborg)のB−5培地、三井のM−9培地等が挙げられる。
【0024】
これら培地に植物ホルモンを添加し、更に必要に応じて炭素源、無機成分、ビタミン類、アミノ酸等を添加することもできる。
炭素源としては、シュクロース、マルトース、ラクトース等の二糖類、グルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類、デンプンあるいはこれら糖源の2種類以上を適当な比率で混合したものを使用できる。
無機成分としては、例えばリン、窒素、カリウム、カルシウム、マグネシウム、イオウ、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、銅、モリブデン、塩素、ナトリウム、ヨウ素、コバルト等が挙げられ、これらの成分は例えば硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、塩化カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、ホウ酸、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、三酸化モリブデン、ヨウ化カリウム、塩化コバルト等の化合物として添加できる。
【0025】
植物ホルモンとしては、例えばインドール酢酸(IAA)、ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)等のオーキシン類、カイネチン、ゼアチン、ジヒドロゼアチン等のサイトカイニン類が用いられる。
ビタミン類としては、例えばビオチン、チアミン(ビタミンB1)、ピリドキシン(ビタミンB6)、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等が用いられる。
アミノ酸類としては、例えばグリシン、フェニルアラニン、ロイシン、グルタミン、システイン等を添加できる。
【0026】
一般に前記の各成分は、無機成分が約0.1μM、ないし100mM、炭素源が約1〜約30g/l、植物ホルモン類が約0.01〜約10μM、ビタミン類およびアミノ酸類がそれぞれ約0.1〜約100mg/lの濃度で用いられる。
尚、本発明には液体培地および寒天やゲランガム等を通常0.1〜1%含有する固形培地のいずれも使用できるが、通常は液体培地が好ましい。
本発明における組織培養においては、前記植物の根、生長点、葉、茎、種子、花粉、葯、がく等の組織片または細胞、あるいはこれらを上記培地あるいは他の従来の培地によって組織培養して得られる培養細胞を使用することができる。
【0027】
これらの組織または細胞を前記一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体の存在下に組織培養すると、無添加または無処理の場合と比較して、タキサン型ジテルペンの高生産性培養組織または培養細胞が得られる。
【0028】
以上のようにして得られた培養組織または培養細胞および/または培地から、メタノール、ジクロロメタン等の有機溶媒による抽出によってタキサン型ジテルペンを分離することができる。また、培地中に適当な吸着剤や有機溶媒を共存させ、連続的にタキサン型ジテルペンを回収することもできる。
【0029】
本発明における組織培養の好ましい一例としては、次の方法が挙げられる。
先ずイチイ属に属する植物の植物体、例えば根、生長点、葉、茎、種子などから採取される植物片を殺菌処理後、ゲランガムで固めたウッディー・プラント・メディウムの固体培地上に置床し、10〜35℃で14〜60日程度経過させて組織片の一部をカルス化させる。このようにして得られたカルスを継代培養すると生育速度が漸次高まり安定化したカルスが得られる。ここで、安定化したカルスとは、培養中にカルスの一部がシュートや根に分化しないでカルスの状態を保持する性質をもち細胞の生育速度が均質であるものをいう。
この安定化したカルスを増殖に適した液体培地、例えばウッディー・プラント・メディウムの液体培地に移して増殖させる。液体培地において更に生育速度が高められる。本発明では、この安定化したカルスまたは該カルスを構成する細胞は、一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体を含有する固体培地または液体培地で培養される。
【0030】
一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体を用いて2段培養を行う場合、1段目の培養では、ジャスモン酸誘導体を含まない培地で細胞を増殖後、次に2段目の培養でジャスモン酸を添加して培養することができる。その際、2段目に移行する細胞の状態は増殖期ないし定常期であることが好ましい。
本発明における組織培養の培養温度としては、通常は約10〜約35℃、特に約23〜28℃が増殖速度が大きいので好適である。また、培養期間としては、14〜42日間が好適である。
【0031】
本発明における培養方法において液体培地を用いた場合には、培養終了後に培養細胞をデカンテーションまたは濾過等の方法によって培地から分離し、培養細胞および/または培地から目的とするタキサン型ジテルペンをメタノール、ジクロロメタン等の有機溶媒による抽出等の方法によって分離することができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
ナフタレン酢酸を10-5Mの濃度になるように添加したウッディー・プラント・メディウムの固体培地(ゲランガム0.25重量%)に、前もって2%アンチホルミン溶液または70%エタノール溶液等で滅菌処理したメディアイチイ(Taxus media)の胚の一部を置床し、25℃で暗所にて静置培養してメディアイチイカルスを得た。次にこのカルス1g(新鮮重)を、前記成分を同じ濃度で添加したウッディー・プラント・メディウムの液体培地20ml入りの三角フラスコに移し、ロータリーシェーカー上で旋回培養(振幅25mm、100rpm)し、14日毎に植え継ぎ、該カルスの生育速度を速めた。
このようにして得られた培養細胞2g(新鮮重)を、前記成分を同じ濃度で添加したウッディー・プラント・メディウム20ml入りの三角フラスコに移し、ジャスモン酸の誘導体として化合物A(式(IV))をその終濃度が1〜1000μMになるように添加し、さらに14日間培養した。
培養終了後、メディアイチイ培養細胞を濾過により採取し、凍結乾燥した後その乾燥重量を測定し、液体培地1L当たりの培養細胞の生育重量を求めた。得られた乾燥カルス及び培地からメタノール等を用いてタキサン型ジテルペンを抽出し、高速液体クロマトグラフィーを用いて標準品タキソール、セファロマニン、バッカチンIII、バッカチンVIと比較定量することによってタキサン型ジテルペン収量を測定した。その結果を表1に示す。
【0033】
〔比較例1〕
実施例1において、ジャスモン酸の誘導体を添加しない以外は実施例1と同様に操作した。その結果を表1(表1)に示す。
【0034】
〔比較例2〕
実施例1において、ジャスモン酸の誘導体としてジャスモン酸メチル(特開平8−33490号公報の実施例1で使用されている化合物に相当する)を添加する以外は実施例1と同様に操作した。その結果を表1(表1)に示す。
【0035】
〔実施例2〕
実施例1において、ジャスモン酸の誘導体として化合物B(式(V))を添加する以外は実施例1と同様に操作した。その結果を表1(表1)に示す。
【0036】
〔実施例3〕
実施例1おいて、ジャスモン酸の誘導体として化合物C(式(VI))を100μM添加する以外は実施例1と同様に操作した。その結果を表1(表1)に示す。
【0037】
〔実施例4〕
実施例1において、ジャスモン酸の誘導体として化合物D(式(VII))を100μM添加する以外は実施例1と同様に操作した。その結果を表1(表1)に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
〔実施例5〕 化合物Bの合成
市販のジャスモン酸メチルをアルカリ加水分解し、ジャスモン酸(JA)を得る。JA(100mg、0.48 mmol)、グリコール酸メチル(110μl、1.44mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(4.7mg、0.038mmol)を添加したジクロロメタン(6ml)溶液に窒素気流下、0℃にてジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC)108mg、0.52mmol)を加え他。0℃にて1時間、室温にて3時間撹拌後、溶媒を留去し、残さに酢酸エチルを加えて不溶物をろ別した。ろ液を2N HCl、飽和NaHCO3水溶液、飽和食塩水の順に順次洗浄後、Na2SO4にて乾燥した。溶媒留去後、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物Bを無色油状物として得た。得られた化合物のNMRデータを表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、タキサン型ジテルペンを産生する植物の細胞又は組織の培養培地にジャスモン酸誘導体を添加して培養することによって、大量のタキサン型ジテルペンを簡便且つ効率的に生産することが可能になる。本発明において使用されるジャスモン酸誘導体は従来知られていたジャスモン酸メチルをはじめとするジャスモン酸誘導体に比べ、タキサン型ジテルペンを産生する植物の細胞又は組織のタキサン型ジテルペンの生産を促進する作用が高いため、本発明の方法は従来知られている方法よりもより簡便且つ効率的である。
Claims (9)
- タキサン型ジテルペンが、タキソール、バッカチンIII、セファロマニン、バッカチンVIから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のタキサン型ジテルペンの製造方法。
- タキサン型ジテルペンを産生する植物がイチイ属植物であることを特徴とする請求項1〜請求項3記載のタキサン型ジテルペンの製造方法。
- 一般式(I)で示されるジャスモン酸誘導体の培地中濃度が1〜1000μMであることを特徴とする請求項1〜請求項3記載のタキサン型ジテルペンの製造方法。
- 式IIにおいて、R1及びR2は共にHであり、nは1であり、R3は炭素数1〜6のアルキル基であり、一般式(I)においてXがOである請求項7に記載のジャスモン酸誘導体。
- 式IIにおいて、R3はメチル基である、請求項8に記載のジャスモン酸誘導体。
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