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JP3815885B2 - ポンプ装置 - Google Patents

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JP3815885B2 JP11927298A JP11927298A JP3815885B2 JP 3815885 B2 JP3815885 B2 JP 3815885B2 JP 11927298 A JP11927298 A JP 11927298A JP 11927298 A JP11927298 A JP 11927298A JP 3815885 B2 JP3815885 B2 JP 3815885B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はとくに自動車のパワーステアリング装置に用いられるポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車にパワーステアリング装置が採用されている場合、そのパワーステアリング装置を駆動するためにポンプ装置が必要となる。ポンプ装置はポンプユニットと、このポンプユニットを駆動するためのモータとから構成されている。このモータは制御ユニット(ECU)によって駆動が制御されるようになっている。
【0003】
ところで、自動車に用いられるポンプ装置の場合、自動車用のバッテリーは通常12Vと低電圧なため、出力を上げるためには高電流を流さなければならないから、バッテリー電源を制御するためにパワーモジュール制御(PWM制御)が行われる。
【0004】
PWM制御を行なう場合の主要な電気部品としては、インバータ、サージ吸収素子およびバッテリー電源から上記インバータへの給電を制御する可逆防止リレーなどが用いられる。
【0005】
可逆防止リレーには機械式リレーと半導体スイッチとがある。しかしながら、機械式リレーは動作に伴う振動の発生や外形状が大きく小型化が難しいなどのことがあるため、他の電気部品と同一の制御基板に設けることに問題がある。そのため、機械式リレーを用いる場合には、この機械式リレーを他の電気部品とは別の制御基板に設けるようにしていたので、PWM制御用の制御基板が2枚必要になるということがあった。
【0006】
上記機械式リレーに代わり半導体スイッチを用いれば、動作に伴う振動の発生などがない。しかしながら、半導体スイッチは使用に伴う発熱が大きいため、他の電気部品に熱影響を及ぼす虞があるため、やはり機械式リレーと同様、他の電気部品と同一の制御基板に設けることが難しいということがあった。
【0007】
一方、パワーステアリング装置に用いられる上記ポンプ装置は自動車のエンジンルームに設置される。エンジンルームは約−30〜140℃の範囲で温度変化するばかりか、ポンプ装置のモータ自体も発熱する。
【0008】
そのため、上記ECUは、通常、上記ポンプ装置と別体化して温度環境が適した場所に設置し、上記ポンプ装置とハーネスで接続してそのポンプ装置のモータの駆動を制御するようにしていた。
【0009】
しかしながら、そのような構造によると、上記ハーネスにノイズが乗り、そのノイズによって上記ECUが誤動作するという虞があるばかりか、別々に設置するために設置空間を確保することが困難となったり、上記ECUを収容するためのケースが必要となったり、さらにはECUとポンプ装置とを接続するためのハーネスが必要となるなどのことによって部品点数の増大によるコストアップを招くということがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、自動車のパワーステアリング装置に用いられるモータをPWM制御する回路には逆接防止用リレーが組み込まれるが、その逆接防止用リレーが機械式スイッチの場合には作動に伴う振動の発生があり、半導体スイッチの場合には発熱が大きいため、どちらのスイッチを用いる場合でも、他の電気部品と同一の制御基板に設けることができないということがあった。
【0011】
また、モータとポンプユニットとを一体化したポンプ装置の場合、上記モータを制御するECU(制御基板)も一体的に設けることが望ましいが、パワーステアリング装置の場合には使用環境の温度条件が厳しいので、一体的に設けることが難しいということもあった。
【0012】
この発明は、可逆防止用の半導体スイッチを他の電気部品と同一の制御基板に設けるようにしても、上記半導体スイッチの熱影響が他の電気部品に及ぶことが内容にしたモータを用いられたポンプ装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、オイルを循環させるためのポンプ装置において、中空状に形成されたヒートシンクと、このヒートシンクの一側に設けられ、回転軸が前記ヒートシンクを貫通して該ヒートシンクの他側に突出したモータと、上記ヒートシンクの他側に設けられ、内装したポンプ機構の駆動軸が前記回転軸に連結されて上記モータによって駆動されることで上記オイルを循環させるポンプユニットと、インバータおよび逆接防止用の半導体スイッチが設けられ、上記ヒートシンクの中空部における上記ポンプユニットが設けられた他側の内面に接合配設された上記モータの駆動を制御する金属製の制御基板とを具備し、前記ポンプユニットは、熱伝導性に優れた金属材料により形成され前記ヒートシンクの他側に接合されるポンプサポートと、該ポンプサポートと液密状に接合されるポンプケースとを備え、前記ポンプ機構は、前記ポンプサポートと前記ポンプケースとに囲まれた空間に配置されており、前記駆動軸と前記回転軸とは、前記ポンプサポートに形成された通孔内にて連結されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ヒートシンクは、一側の第1の部材と他側の第2の部材とにより構成され、前記第1の部材及び第2の部材には前記回転軸が挿通する通孔が透設されており、前記第1の部材における前記通孔に前記回転軸を支持する軸受が支持されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記ポンプユニットは、前記ポンプ機構の駆動によりオイルが循環する構成であり、前記ポンプサポートの前記ヒートシンクに接合する部分の一部に循環オイルが前記ヒートシンクに近接するよう薄肉部が形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項1の発明によれば、モータを中空状ヒートシンクの一側に取付け、このヒートシンクの中空部における他側内面に金属製制御基板を取付け、ヒートシンクの他側にポンプユニットを設けるようにしたことで、上記ヒートシンクを上記ポンプユニットによって循環される流体によって冷却できるから、モータ及び制御基板の熱をヒートシンクへ放散させることが可能となり、特に、制御基板に設けられた半導体スイッチからの熱を上記制御基板を通じて上記ヒートシンクへ放散させることができるため、上記半導体スイッチと他の電気部品とを同一の制御基板に設けることが可能となり、温度変化の大きい使用環境であっても、使用可能となる。
【0017】
請求項2の発明によれば、中空状ヒートシンクを2分割構成とし、一方の第1の部材にモータの回転軸を支持する軸受を設けるようにしたので、モータとヒートシンクとが一体的に構成することが可能となる。
【0018】
請求項3の発明によれば、ポンプユニットにおける金属製ポンプサポートのヒートシンクに接合する部分の一部に薄肉部を形成したので、ポンプユニット内を循環するオイルとヒートシンクとの熱交換効率を向上させることができ、ヒートシンクによる制御基板の冷却効率を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1に示すこの発明のポンプ装置は中空状のヒートシンク1を備えている。このヒートシンク1はアルミニウムなどの熱伝導性に優れた金属材料によって形成された平板状の第1の部材2と、一側面が開放した容器状に形成されその一側面に上記第1の部材2が接合固定された、アルミニウムなどの熱伝導性に優れた金属材料によって形成された第2の部材3とからなる。
【0020】
上記第1の部材2の外面にはモータ4が取付けられている。このモータ4はモータフレーム5を有する。このモータフレーム5にはフランジ5aが形成され、このフランジ5aが上記第1の部材2に接合固定されている。
【0021】
上記モータフレーム5の内部にはコイル6が巻装された環状のステータ7が収容保持され、このステータ7内には回転軸8を有するとともに外周面に永久磁石9が取着されたロータ11が回転自在に収容されている。
【0022】
上記回転軸8の一端部は上記モータフレーム5内に設けられた第1の軸受12に回転自在に保持され、中途部は上記第1の部材2に形成された通孔2aに設けられた第2の軸受13に回転自在に支持されている。上記回転軸8の他端部は上記第2の部材3に形成された通孔14からヒートシンク1の外部に突出している。
【0023】
上記ヒートシンク1の第2の部材3の外面にはポンプユニット15が設けられている。このポンプユニット15は、アルミニウムなどの熱伝導性に優れた材料によって形成され上記第2の部材3の外面に一側面を接合させて固定されたポンプサポート16を有する。このポンプサポート16の他側面にはポンプケース17がそのフランジ18をパッキング19を介して液密に接合させて固定されている。
【0024】
上記ポンプケース17内には、ポンプ機構21が上記ポンプサポート16の他側面に液密に接合して設けられている。このポンプ機構21は駆動軸22によって駆動されるようになっており、この駆動軸22は上記ポンプサポート16に厚さ方向に貫通して形成された通孔23内に突出している。
【0025】
上記第2の部材3に形成された通孔14からヒートシンク1の外部に突出した上記回転軸8の他端部は上記ポンプサポート16の通孔23に挿通され、ここで上記駆動軸22とカップリング24によって連結されている。したがって、上記ポンプ機構21は上記モータ4の回転軸8によって駆動されるようになっている。
【0026】
上記ポンプケース17には吸引管25が設けられ、上記ポンプサポート16には上記ポンプ機構21の図示しない吐出口に一端を連通させた排出路26が形成されている。
【0027】
上記吸引管25と排出路26は図示しない自動車のステアリング装置に配管接続され、上記ポンプ機構21が作動することでオイルが上記ステアリング装置とポンプユニット15との間で循環させられるようになっている。
【0028】
上記ポンプサポート16の上記ポンプケース17内に位置する他側面には凹部27が形成され、この凹部27によって上記ポンプサポート16の一部を他の部分に比べて十分に薄い、薄肉部27aに形成している。それによって、この薄肉部27aがポンプケース17内を循環するオイルとヒートシンク1との熱交換効率を高めることができるようになっている。
【0029】
上記ヒートシンク1の内部で、外面に上記ポンプサポート16が接合された上記第2の部材3の内面には上記モータ4の駆動を制御するために制御ユニット28が設けられている。この制御ユニット28は、上記第2の部材3の内面に接合固定された制御基板29と、この制御基板29に実装されたパワーモジュール制御用の後述する電気部品とからなる。上記制御基板29は熱伝導性に優れたアルミニウムなどの金属によって形成され、上記ヒートシンク1との熱交換を効率よく行うことができるようになっている。
【0030】
なお、上記制御ユニット28には図示しない車載用バッテリに接続された給電用ハーネス32と、パワーモジュール制御された電流を上記モータ4へ出力する出力用ハーネス33とが接続されている。
【0031】
上記制御基板29の構成を図2に示す。すなわち、制御基板29には、上記電気部品として上記車載用バッテリのプラス側とマイナス側に接続される一対の端子32間に設けられた6つの半導体スイッチ33aからなるインバータ33と、上記車載用のバッテリのプラス側の端子32と上記インバータ33との間に設けられた逆接防止用の半導体スイッチ34と、この半導体スイッチ34と上記インバータ33との間に、このインバータ33と並列に接続されたサージ吸収素子35とが設けられている。
【0032】
上記インバータ33にはモータ4のコイル6が上記出力用ハーネス33を介して接続され、さらに上記インバータ33の各半導体スイッチ33aは上記ヒートシンク1の内部に設けられた図示しない信号基板からの制御信号によって制御され、それによって上記モータ4がインバータ制御されるようになっている。なお、上記給電用ハーネス32は上記端子32に接続されている。
【0033】
上記構成のポンプ装置によれば、モータ4を作動させ、ポンプユニット15のポンプ機構21を駆動してステアリング装置を作動させるためのオイルを循環させると、ポンプケース17内に流入するオイルは、ステアリング装置およびこのステアリング装置と吸引管25とを接続した図示しない配管を流れてくることで冷却される。冷却されたオイルはポンプサポート16を介してヒートシンク1を冷却する。
【0034】
したがって、制御ユニット28がバッテリからの電源をパワーモジュール制御することで発熱しても、上記制御ユニット28はオイルによって冷却されたヒートシンク1と熱交換して冷却されるため、その温度上昇が抑制されることになる。
【0035】
上記制御ユニット28の制御基板29は、熱伝導性の良好な金属材料によって形成されているから、制御ユニット28の制御基板29とヒートシンク1との間の熱交換が効率よく行われることになる。そのため、逆接防止用リレーとして半導体スイッチ34を用いることで、この半導体スイッチ34が発熱しても、その熱は制御基板29へ逃げ、さらにヒートシンク1に伝わって放散されるから、上記制御基板29に設けられた各電器部品33,34,35の温度上昇が抑制されることになる。
【0036】
つまり、1枚の制御基板29に半導体スイッチ34、インバータ33、サージ吸収素子35などの電気部品を設けても、上記半導体スイッチ34の発熱によって他の電気部品に熱影響を与えるのを抑制することができる。言い換えれば、制御基板29を従来のように2枚必要としないから、部品点数の減少による小型化やコストの低減を図ることができる。
【0037】
さらに、ポンプユニット15のポンプサポート16には凹部27が形成され、この凹部27によって上記ポンプサポート16に薄肉部27aを形成することで、ポンプケース17内を循環するオイルとヒートシンク1との熱交換効率を向上させるようにしているから、上記ヒートシンク1による上記制御ユニット28の冷却効率を向上させることができる。
【0038】
上記ヒートシンク1を第1の部材2と第2の部材3とによって中空状に形成し、その内部に制御ユニット28を設けるようにしたことで、この制御ユニット28が外気、とくにポンプ装置が設置されるエンジンルーム内の温度影響を受けにくいばかりか、モータ4をヒートシンク1の第1の部材2に接合させて取付けたことで、このモータ4も上記ヒートシンク1によって冷却されるため、モータ4の熱により制御ユニット28が温度上昇するのも抑制される。
【0039】
実験によると、制御ユニット28をオイルによって冷却しないでモータ4を駆動した場合、その制御基板29の温度は135℃に上昇したが、この発明のようにオイルを循環させたところ、基板29の温度上昇は120℃に抑制されることが確認された。
【0040】
この発明は上記一実施の形態に限定されず、変形可能であり、たとえばヒートシンクの構造は第1の部材と第2の部材とを接合させて形成したが、第1の部材を用いずに、第2の部材だけとし、その開放した側面にモータのフレームのフランジを接合固定するようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、中空状ヒートシンクにモータとポンプユニットとを一体的に設け、モータの回転軸をヒートシンクを通してポンプユニットに連結してモータによりポンプ機構を駆動すると共に、ヒートシンクの中空部にモータの制御基板を配設するようにした。
そのため、上記ヒートシンクが上記ポンプユニットによって循環されるオイルによって冷却されるから、温度変化の大きい使用環境で上記制御基板、ポンプユニット及びモータを一体化した状態で使用しても、制御基板が温度上昇するのを抑制することができる。
【0042】
請求項2の発明によれば、中空状ヒートシンクを2分割構成とし、一方の第1の部材にモータの回転軸を支持する軸受を設けるようにした。
そのため、モータとヒートシンクとを一体的に構成することが可能となる。
【0043】
請求項3の発明によれば、ポンプユニットにおける金属製ポンプサポートのヒートシンクに接合する部分の一部に薄肉部を形成した。
そのため、ポンプユニット内を循環するオイルとヒートシンクとの熱交換効率を向上させることができ、ヒートシンクによる制御基板の冷却効率をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態のポンプ装置を示す断面図。
【図2】同じく制御基板の平面図。
【符号の説明】
1…ヒートシンク
4…モータ
15…ポンプユニット
21…ポンプ機構
28…制御ユニット
29…金属基板
33…インバータ(電気部品)
34…逆接防止用の半導体スイッチ(電気部品)
35…サージ吸収素子(電気部品)

Claims (3)

  1. オイルを循環させるためのポンプ装置において、
    中空状に形成されたヒートシンクと、
    このヒートシンクの一側に設けられ、回転軸が前記ヒートシンクを貫通して該ヒートシンクの他側に突出したモータと、
    上記ヒートシンクの他側に設けられ、内装したポンプ機構の駆動軸が前記回転軸に連結されて上記モータによって駆動されることで上記オイルを循環させるポンプユニットと、
    インバータおよび逆接防止用の半導体スイッチが設けられ、上記ヒートシンクの中空部における上記ポンプユニットが設けられた他側の内面に接合配設された上記モータの駆動を制御する金属製の制御基板とを具備し
    前記ポンプユニットは、熱伝導性に優れた金属材料により形成され前記ヒートシンクの他側に接合されるポンプサポートと、
    該ポンプサポートと液密状に接合されるポンプケースとを備え、
    前記ポンプ機構は、前記ポンプサポートと前記ポンプケースとに囲まれた空間に配置されており、
    前記駆動軸と前記回転軸とは、前記ポンプサポートに形成された通孔内にて連結されていることを特徴とするポンプ装置。
  2. 前記ヒートシンクは、一側の第1の部材と他側の第2の部材とにより構成され、前記第1の部材及び第2の部材には前記回転軸が挿通する通孔が透設されており、前記第1の部材における前記通孔に前記回転軸を支持する軸受が支持されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 前記ポンプユニットは、前記ポンプ機構の駆動によりオイルが循環する構成であり、前記ポンプサポートの前記ヒートシンクに接合する部分の一部に循環オイルが前記ヒートシンクに近接するよう薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポンプ装置。
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