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JP3813727B2 - 回転レーザ装置 - Google Patents

回転レーザ装置 Download PDF

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JP3813727B2 JP04865098A JP4865098A JP3813727B2 JP 3813727 B2 JP3813727 B2 JP 3813727B2 JP 04865098 A JP04865098 A JP 04865098A JP 4865098 A JP4865098 A JP 4865098A JP 3813727 B2 JP3813727 B2 JP 3813727B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光線を照射しつつ回転し、レーザ光線により基準平面を形成する回転レーザ装置、特に水平基準面の他に水平基準面に対して所定の角度に傾斜した任意傾斜設定面を形成可能な回転レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転レーザ装置は基準とする平面上にレーザ光線を回転照射し、レーザ光線により基準平面を形成するものであり、レーザ光線が壁面等を走査することでレーザ光線の軌跡は前記基準平面上にある基準線となる。従って、前記基準面が水平面である場合は前記基準線は水平となり、又基準線の高さは前記基準面の高さとなり、前記基準線は水平又は高さの基準として使用される。又、前記レーザの回転軸を傾斜させることで、水平面に対して傾斜している基準面を形成することができる。傾斜基準面は土木建築の工事等の傾斜面の位置出しに利用される。
【0003】
回転レーザ装置は所定の位置、又は基準点等基準となる位置の鉛直上に専用スタンド、三脚を介して設置される。前述した様に回転レーザ装置はレーザ光線を水平方向に照射し、回転することで水平基準面を形成し、又レーザ光線の照射回転軸を傾けることで傾斜基準面を形成する。回転レーザ装置は水平基準面又は傾斜基準面を形成することから、前記基準面を傾斜させる為の高精度の傾斜設定機能が設けられている。図6により従来の回転レーザ装置ついて説明する。
【0004】
図6は回転レーザ装置1の機構要部を示しており、回転レーザ装置1は、レーザ光線を射出する発光素子、光学系を収納する発光部2、該発光部2に回転自在に設けられレーザ光線を基準平面内に回転照射する回動部3、回転レーザ装置1の整準を行うと共に、基準面の傾斜を設定する傾斜設定部4、回転レーザ装置1の傾斜、前記発光部2の傾斜角を検出する傾斜検出部5から主に構成される。
【0005】
前記発光部2の一部に球面部6が形成され、該球面部6は球面の突起を有する受座7(又はジンバル)により自在に傾動可能に支持されており、前記発光部2の上端には前記回動部3が回転自在に設けられ、該回動部3には走査ギア8が嵌着され、該走査ギア8は前記発光部2に固着された走査モータ9の駆動ギア11に噛合する。該駆動ギア11の駆動により、前記回動部3が回転される。該回動部3は前記発光部2から射出されるレーザ光線を反射して水平方向に変向するペンタプリズム13を有しており、該ペンタプリズム13よりレーザ光線14が水平方向に照射される。
【0006】
前記発光部2より水平方向に2本の傾動アーム12(一方は図示せず)が延出し、2本の傾動アーム12,12は直交し、それぞれ後述する傾斜設定部4(一方は図示せず)に連結している。
【0007】
傾斜設定部4について説明する。
【0008】
前記回転レーザ装置1のケーシング15に取付けられた傾動モータ16はギア列17を介して傾斜設定スクリュー18に連結され、該傾斜設定スクリュー18にはスライドナット19が螺合され、該スライドナット19は前記傾動アーム12の先端と係合している。前記傾動モータ16の駆動によりギア列17を介して傾斜設定スクリュー18が回転され、前記スライドナット19が昇降し、前記傾動アーム12を介して前記発光部2が傾斜する。而して、2組の前記傾斜設定部4により前記発光部2を任意な方向に傾斜設定が可能となっている。
【0009】
又、前記発光部2の傾斜角は前記発光部2の下端に設けられた前記傾斜検出部5により検出される。該傾斜検出部5は直交する2の傾斜センサ22,23と該傾斜センサ22,23からの出力信号を基に前記発光部2の傾斜を検出する傾斜量演算部(図示せず)を具備している。前記傾動モータ16は前記傾斜検出部5からの出力を基に駆動が制御される。又、傾斜設定はパルス数に換算した角度で前記傾動モータ16を駆動することで達成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の回転レーザ装置に於いて、傾斜面設定の為、前記傾斜設定部4を駆動し、発光部2を所要角度傾斜させた場合、前記発光部2は球面部6の中心Oを中心に傾動する為、図7に示される様に前記ペンタプリズム13の傾斜設定後の中心(図7(A))は傾斜前の位置(図7(B))から水平方向の変位ΔH、上下方向の変位ΔVを生じてしまう。上下方向の変位ΔVは基準面の高さ誤差になるが、値も小さく容易に補正ができ問題は大きくない。しかし、水平方向の変位ΔHは誤差も大きく、設置した基準点上から大きくズレてしまう問題があった。又、照射するレーザ光線を利用して距離を測定する場合、測定値を利用する場合に問題があった。
【0011】
本発明は斯かる実情に鑑み、傾斜設定をした場合に、水平方向、鉛直方向の誤差が少ない回転レーザ装置を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーザ光線を射出する発光部と、該発光部を収納するケーシングと、前記発光部に回転自在に設けられ前記レーザ光線を回転照射し基準面を形成する回動部と、前記発光部がリンクを介して前記ケーシングに支持され、前記リンクは発光部枢着側が前記回動部に向って倒れる様に傾斜して設けられ、前記発光部は前記回動部を略中心として揺動自在である回転レーザ装置に係り、又前記発光部は揺動ベースを介して前記ケーシングに支持され前記発光部は前記回動部を略中心として第1の方向に揺動する様、台形形状に配設された2組のリンクにより前記揺動ベースに支持され、該揺動ベースは前記発光部が前記回動部を略中心として前記揺動ベースとは直角方向の第2の揺動方向に揺動する様台形形状に配設された他の2組のリンクにより前記ケーシングに支持された回転レーザ装置に係り、又前記発光部が前記回動部に向って倒れる様に傾斜して設けられた4本のリンクを介して前記ケーシングに支持され、該4本のリンクはピボットジョイントにより枢着されている回転レーザ装置に係り、更に又前記発光部第1揺動ピンが突設され、前記揺動ベース第2揺動ピンが突設され、前記第1揺動ピンに連結し該第1揺動ピンを第1の揺動方向に変位させる第1傾斜設定部と、前記第2揺動ピンに連結し該第2揺動ピンを第2の揺動方向に変位させる第2傾斜設定部を設けた回転レーザ装置に係るものであり、発光部を傾斜させた場合、所定の範囲では回動部の中心は殆ど変位せず、傾斜設定部により発光部を所定の傾斜に設定した場合に、前記回動部の位置が殆どずれないので、目標に対して位置の補正等する必要がない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
尚、図1、図2中、図6中で示したものと同様のものには同符号を付しその説明を省略する。
【0015】
ケーシング15の内面に棚片25が水平に突設され、該棚片25にX方向リンク26を介して揺動ベース27がX方向に揺動自在に設けられている。前記揺動ベース27は凹字形状をしており、前記X方向リンク26の上端が揺動ベース27に枢着され、前記X方向リンク26の下端が前記棚片25に枢着されている。前記X方向リンク26は図1中左右対称的に等脚台形状に配設された2組の平行リンクから構成され、前記揺動ベース27が水平な状態で各組毎の2本のリンクの4の枢着点を含む平面は前記発光部2の中心、即ちペンタプリズム13の中心で交差する。
【0016】
又、前記揺動ベース27にY方向リンク28を介して発光部2がY方向に揺動自在に設けられている。前記Y方向リンク28は図2中左右対称的に等脚台形状に配設された2組の平行リンクから構成され、前記発光部2が水平な状態で各組毎の2本のリンクの4の枢着点を含む平面は前記ペンタプリズム13の中心(ペンタプリズム内でレーザ光線が交差する点)で交差する。
【0017】
前記発光部2の上端には前記回動部3が軸受29を介してレーザ光線光軸を中心に回転自在に設けられ、該回動部3の頂部には前記ペンタプリズム13が設けられている。
【0018】
前記揺動ベース27の下面、前記発光部2の光軸延長上にX揺動ピン31が突設され、該X揺動ピン31は後述するX方向傾斜設定部32と連結している。該X方向傾斜設定部32は前記ケーシング15の底面に設けられている。
【0019】
X方向傾斜設定部32を説明する。
【0020】
前記ケーシング15の底面に固着されたブラケット33に、Xスクリューロッド34が回転自在に設けられると共にX傾斜設定モータ35が取付けられている。該X傾斜設定モータ35の出力軸に駆動ギア36が嵌着され、前記Xスクリューロッド34に被動ギア37が嵌着され、前記駆動ギア36と被動ギア37が噛合している。前記Xスクリューロッド34の軸心はX方向に延び前記揺動ベース27の揺動方向と一致している。前記Xスクリューロッド34にXスライドナット38が螺合し、該Xスライドナット38に突設されたX連結ピン39が前記X揺動ピン31と係合している。前記揺動ベース27と前記ケーシング15間に引張りバネ41が張設される。該引張りバネ41の力の作用方向は図1中右下方向、前記X揺動ピン31が前記X連結ピン39に当接する方向で且前記X方向リンク26の枢着点のガタツキを抑止する方向となっている。
【0021】
前記揺動ベース27にはY方向傾斜設定部42が設けられる。
【0022】
該揺動ベース27にはブラケット43,44が突設され、該ブラケット43,44の間に、Y方向に延びる軸心を有するYスクリューロッド45が回転自在に設けられ、前記ブラケット43にはY傾斜設定モータ46が設けられている。前記Yスクリューロッド45には被動ギア47が嵌着され、前記Y傾斜設定モータ46の出力軸には駆動ギア48が嵌着され、該駆動ギア48と前記被動ギア47とが噛合している。
【0023】
前記発光部2の下面には前記回動部3の光軸延長上にY揺動ピン51が突設される。前記Yスクリューロッド45にはYスライドナット52が螺合し、該Yスライドナット52に突設されたY連結ピン53が前記Y揺動ピン51と係合する。前記発光部2と前記ケーシング15との間には引張りバネ54が張設される。該引張りバネ54の力の作用方向は図2中右下方向、前記Y揺動ピン51が前記Y連結ピン53に当接する方向で且前記Y方向リンク28の枢着点のガタツキを抑止する方向となっている。
【0024】
而して、前記X傾斜設定モータ35を駆動して、前記駆動ギア36、被動ギア37を介して前記Xスクリューロッド34を回転し、前記Xスライドナット38をスライドさせることで、前記揺動ベース27は前記ペンタプリズム13の中心を略中心として揺動し、前記Y傾斜設定モータ46を駆動して、前記駆動ギア48、被動ギア47を介して前記Yスクリューロッド45を回転し、Yスライドナット52をスライドさせることで前記発光部2は前記ペンタプリズム13の中心を略中心として揺動する。
【0025】
以下図3を参照して作動を説明する。
【0026】
基準面の傾斜設定を行う場合、例えばY方向の傾斜設定を行う場合は、図示しない制御部により前記Y傾斜設定モータ46を駆動してYスクリューロッド45を所要の方向に回転させ、Yスライドナット52を移動させ、前記引張りバネ54に抗して前記Y揺動ピン51に水平方向の変位を与える。例えば、前記Y揺動ピン51を前記図2中左方に変位させると、前記左側のY方向リンク28は反時計方向に回転し上端側の枢着点は上方に変位すると共に左方に変位する。又、右側の前記Y方向リンク28は反時計方向に回転して上端側の枢着点は下方に変位すると共に左方に変位する。従って、前記発光部2は前記Yスライドナット52の移動量に応じて傾斜する。発光部2の傾斜量は前記傾斜センサ22,23により検出され、検出結果は制御部にフィードバックされ、前記Y傾斜設定モータ46の駆動が制御され、傾斜は設定入力した値となる。
【0027】
X方向の傾斜設定については、上記Y方向と同様であるので説明は省略する。
【0028】
前記傾斜設定作動に於いて、図3に見られる様に、傾斜角があまり大きくない範囲(実際の傾斜設定範囲)では、前記ペンタプリズム13の中心は殆ど変位することがない。従って、実際の使用の範囲で傾斜設定を行った場合に、前記ペンタプリズム13の位置ずれは実用上問題とならない。特に、図4(A)、図4(B)に見られる如く水平方向の変位は極めて少なく、レーザ光線による距離測定等、精度の向上、測定の信頼性等が向上する。又、上下方向の変位は若干生じるが上下方向の変位は目視、或は受光側の機器により判断でき補正が可能であるので、支障を生ずる様なことはない。
【0029】
尚、上記実施の形態ではX方向に揺動可能な揺動ベース27に更に発光部2をY方向に揺動可能に設けたが、発光部2をX、Yの2方向に自在に揺動可能に支持してもよい。又、前記Y揺動ピン51、X揺動ピン31は発光部2の光軸延長としたが、揺動可能に変位を伝達できれば任意の位置でもよいことは言う迄もない。又、リンクの交差点を変えることにより所定のΔH、ΔVの移動をさせることもできる。
【0030】
図5に於いて他の実施の形態について略述する。
【0031】
4本のリンク55の上端を発光部2にピボットジョイントし、該リンク55が自在な方向に傾動可能に枢着する。又、上端の枢着点は直角4辺形の4の頂点に位置する様に決定する。更に前記リンク55の下端をケーシング15にピボットジョイントし、リンク55が自在な方向に傾動可能に枢着する。下端の枢着点は前記直角4辺形より大きい4辺の4の頂点に位置する様に決定し、前記リンク55の延長は前記ペンタプリズム13の中心で交差する様にする。而して、前記発光部2が鉛直な状態では前記リンク55は直角四角錐台の脚辺に相当する。而して、前記発光部2の下面に突設した前記X揺動ピン31を所要の方向に変位することで、前記発光部2を所要の方向に傾斜させることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、傾斜設定した場合にペンタプリズムの中心は殆ど変位することがなく、又基準点との補正をする必要がなく、誤差の発生が抑止され、精度の向上、作業性の向上が図れる等種々の優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す正断面図である。
【図2】同前実施の形態を示し、下部を省略した側断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の作動説明図である。
【図4】(A)(B)は同前実施の形態の作動説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を示す骨子図である。
【図6】従来例の要部を示す断面図である。
【図7】(A)(B)は従来例の作動説明図である。
【符号の説明】
1 回転レーザ装置
2 発光部
3 回動部
9 走査モータ
22 傾斜センサ
23 傾斜センサ
26 X方向リンク
27 揺動ベース
28 Y方向リンク
31 X揺動ピン
32 X方向傾斜設定部
34 Xスクリューロッド
35 X傾斜設定モータ
38 Xスライドナット
39 X連結ピン
42 Y方向傾斜設定部
45 Yスクリューロッド
46 Y傾斜設定モータ
51 Y揺動ピン
52 Yスライドナット
53 Y連結ピン

Claims (4)

  1. レーザ光線を射出する発光部と、該発光部を収納するケーシングと、前記発光部に回転自在に設けられ前記レーザ光線を回転照射し基準面を形成する回動部と、前記発光部がリンクを介して前記ケーシングに支持され、前記リンクは発光部枢着側が前記回動部に向って倒れる様に傾斜して設けられ、前記発光部は前記回動部を略中心として揺動自在であることを特徴とする回転レーザ装置。
  2. 前記発光部は揺動ベースを介して前記ケーシングに支持され前記発光部は前記回動部を略中心として第1の方向に揺動する様、台形形状に配設された2組のリンクにより前記揺動ベースに支持され、該揺動ベースは前記発光部が前記回動部を略中心として前記揺動ベースとは直角方向の第2の揺動方向に揺動する様台形形状に配設された他の2組のリンクにより前記ケーシングに支持された請求項1の回転レーザ装置。
  3. 前記発光部が前記回動部に向って倒れる様に傾斜して設けられた4本のリンクを介して前記ケーシングに支持され、該4本のリンクはピボットジョイントにより枢着されている請求項1の回転レーザ装置。
  4. 前記発光部第1揺動ピンが突設され、前記揺動ベース第2揺動ピンが突設され、前記第1揺動ピンに連結し該第1揺動ピンを第1の揺動方向に変位させる第1傾斜設定部と、前記第2揺動ピンに連結し該第2揺動ピンを第2の揺動方向に変位させる第2傾斜設定部を設けた請求項2の回転レーザ装置。
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