JP3811281B2 - ズームレンズ鏡筒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ズームレンズ鏡筒、詳しくは撮影光学系の焦点距離を連続的に変更し得るズームレンズ鏡筒の機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、銀塩フイルムを使用して写真撮影等を行なう小型カメラや、CCD等の撮像手段から出力される画像信号・画像情報等を記録する電子スチルカメラ(Electronic Still Camera;以下、電子カメラという。)等の写真撮影装置等(以下、両者をカメラと総称する)においては、撮影光学系の焦点距離を連続的に変更することのできる変倍レンズ(以下、ズームレンズという)が一般的に実用化されている。そして、近年においては、このズームレンズの高倍率化への要望が高まっており、高倍率化・高焦点距離化に伴って、同ズームレンズの撮影光学系(撮影レンズ)等を保持するレンズ鏡筒の全長(光軸方向の長さ寸法)が長くなる傾向にある。
【0003】
この場合において、レンズ鏡筒の全長が長くなると、一般的な小型カメラ等の大きな利点である携帯性を大きく損なうこととなるために、例えばカメラの不使用時や携帯中にはレンズ鏡筒をカメラ本体の内部に移動させることで、レンズ鏡筒がカメラ本体から突出する突出量を少なくするように構成した、いわゆる沈胴式のズームレンズ鏡筒が広く採用され、一般的に普及している。
【0004】
一方、上記カメラにおいては、焦点・露出等の調整を自動的に行なう自動焦点装置(AF装置)や自動露出制御装置(AE装置)等を具備し、AF・AE等を実現した自動化されたカメラが広く普及している。
【0005】
このような自動化されたカメラに採用される沈胴式のズームレンズ鏡筒の場合、撮影光学系を構成する撮影レンズ群は、2群〜4群によって形成されることとなり、この複数の撮影レンズ群は、それぞれ各別に配設されるレンズ鏡枠によって支持されるので、上記ズームレンズ鏡筒は、構成レンズ群と同数の複数のレンズ鏡枠によって構成されることとなる。
【0006】
そして、これら複数のレンズ鏡枠は、撮影レンズの光軸を中心に回動するカム筒によってそれぞれ所定の距離だけ光軸方向に移動される。この場合における各レンズ鏡枠の動作は、変倍動作を行なう変倍(ズーム)領域内での移動と、沈胴動作を行なう沈胴領域内での移動があり、上記カム筒は、これら二つの異なる領域内を移動し得るように構成されている。
【0007】
上記カム筒のカム形式としては、例えば変倍領域用のズームカム筒と沈胴領域用の沈胴カム筒の二本のカム筒を各別に設けたものが、従来から用いられている。また最近では、カメラ本体が小型化の傾向にあるために、一つのカム筒に変倍領域用カム部と、これに連続した沈胴領域用カム部を形成するようにしたものが主に用いられている。
【0008】
一方、近接撮影機能(マクロ機能)等を有するマクロ機能付きのズームレンズ鏡筒においても、一つのカム筒において変倍領域用カム部と、これに連続するマクロ領域用カム部を形成し、これによってレンズ鏡枠を両領域間で移動し得るように工夫されたものが、一般的に用いられている。
【0009】
このようにズームレンズ鏡筒においては、一つのカム筒上に連続する二つの異なるカム曲線を形成し、一つのカム筒の回動動作によって、二つの動作を行わしめるようにしたものが一般的に実用化されている。
【0010】
このような形式のズームレンズ鏡筒によれば、円筒カムを回動させることで変倍領域用カム部によって所望のレンズ鏡枠を移動させて変倍動作を行わしめると共に、連続した動作によって沈胴等の他の動作をも行わしめることができる。したがって、変倍動作以外の沈胴等のための異なる移動手段を省略することができるので、これによってズームレンズ鏡筒及びこれを使用するカメラ自体の小型化・軽量化及び低コスト化等に寄与することができるという利点がある。
【0011】
ここで、上述のような形式が適用された沈胴式ズームレンズ鏡筒におけるカム筒の展開図を図10に示し、このカム筒によって移動する撮影レンズ光学系の動作を説明する。なお、この図10の展開図は、カム筒の内周面側から見た場合を示している。
【0012】
また、図9(A)・図9(B)・図9(C)は、従来のズームレンズ鏡筒の各状態にあるときの各撮影レンズ群の概略位置を示しており、図9(A)は、非撮影時に各撮影レンズ群が格納位置にある沈胴状態を、図9(B)は、各撮影レンズ群が撮影状態にあり、短焦点(又は広角;ワイド)位置にある状態を、図9(C)は、各撮影レンズ群が撮影状態にあり長焦点(又は望遠;テレ)位置にある状態をそれぞれ示している。まず、この図9(A)・図9(B)・図9(C)によって、上記ズームレンズ鏡筒を構成する各撮影レンズ群の各状態時の位置関係を、以下に簡単に説明する。
【0013】
このズームレンズ鏡筒における撮影レンズ光学系は、四群の撮影レンズ群によって構成されており、同撮影レンズ群は、被写体101側から第1群レンズ11・第2群レンズ21・第3群レンズ31・第4群レンズ41の順に配置されている。そして、これら第1〜第4群レンズ11・21・31・41は、各別に四つのレンズ鏡枠によって支持されている。これら四つのレンズ鏡枠は、後述するカム筒160(図10参照)が回動することによって、それぞれ所定の位置に移動するように構成されている。なお、図9(A)・図9(B)・図9(C)においては、図面の繁雑化を避けるため四つのレンズ鏡枠及びカム筒160は省略している。
【0014】
まず、このズームレンズ鏡筒が図9(A)に示す沈胴状態(格納位置)にあるときに、同レンズ鏡筒が配設されるカメラの主電源がオン状態にされ撮影モードに移行する。すると、これに連動して同カメラのレンズ鏡筒のカム筒160(図10参照)が回動して、各撮影レンズ群を図9(B)の撮影準備状態(撮影状態の短焦点位置)に移動させる。このとき第1群レンズ11及び第2群レンズ21のみが移動し、第3群レンズ31・4群レンズ41は移動しない。
【0015】
この撮影状態にあるときに、変倍(ズーミング)動作が行われることで、各撮影レンズ群は、図9(B)の短焦点位置と図9(C)の長焦点位置との間で移動することとなる。ただし、この変倍動作時には、第1群レンズ11は移動しない。
【0016】
そして、撮影状態にある時に撮影動作を終了させるためにカメラの主電源をオフ状態とすると、各撮影レンズ群は図9(B)の短焦点位置を経て図9(A)の格納位置へと移動し沈胴状態となる。
このようにして各撮影レンズ群は、カム筒160(図10参照)の作用によって移動される。
【0017】
次に、上記カム筒160の作用を図10によって、以下に説明する。
上記各レンズ鏡枠を移動させるカム筒160は中空の円筒形状によって形成されており、その外周面上又は内周面上に複数のカム溝が形成されている。このカム筒160の内周側及び外周側の所定位置に上記各レンズ鏡枠が摺動自在に配設されており、各レンズ鏡枠の外周面上又は内壁面上には、それぞれ所定のカムピンが植設されていて、これら所定のカムピンが上記カム筒160の所定のカム溝に係合している。
【0018】
図10は、上述したように沈胴式ズームレンズ鏡筒におけるカム筒160の展開図であって、同カム筒160の周面上に形成された複数のカム溝をそれぞれ示している。なお、図10に示される[0°]・[90°]・[180°]・[270°]・[360°]は、それぞれカム筒160の回転角度を示している。また同カム筒160は、図10の矢印X方向に回転し、各レンズ鏡枠は光軸方向(矢印Y方向)に移動するようになっている。なお、ここでは矢印Y1方向を被写体側としている。
【0019】
上記カム筒160には、外周側に第1レンズ鏡枠を移動させる第1カム溝161(破線で示す)、内周側に第2カム溝162・第3カム溝163・第4カム溝164が形成されている。
【0020】
このように構成された上記ズームレンズ鏡筒における各カム溝の詳細な形状について、上記第2カム溝162を例に取って説明する。
【0021】
上記第2カム溝162は、変倍領域用カム部であるZu部と沈胴領域用カム部であるCo部とが連続して形成されたものであり、同第2カム溝162を形成するカム曲線は、上記レンズ鏡枠位置と上記カム筒160の回転角度とに対応している。
【0022】
上記沈胴領域用カム部(Co)における最終端部C2は、図9(A)に対応する沈胴状態の格納位置に相当する。また変倍領域用カム部であるZu部の一端部の最広角位置W2は、図9(B)に対応する短焦点位置に、他端部T2は、図9(C)に対応する長焦点位置にそれぞれ相当し、この両者間が撮影領域となる。
【0023】
上記第2カム溝162は、カム曲線を中心とする所定の幅を有する溝によって形成され、同溝162内に第2レンズ鏡枠の第2カムピン122が係合している。なお、図10に示す状態は、上記第2カムピン122が変倍領域用カム部Zu部の一端部の短焦点位置(最広角位置)W2にある撮影状態を示している。その他の各カム溝と各カムピンの関係、つまり、第1カム溝161に対する第1カムピン112・第3カム溝163に対する第3カムピン132・第4カム溝164に対する第4カムピン142についても同様である。
【0024】
また各レンズ鏡枠は、撮影レンズの光軸と平行に配置された二本のガイドシャフトに対して一部が摺動自在に係合しており、これによって各レンズ鏡枠が光軸方向にのみ移動可能に支持されている。そして、カメラ本体内又はレンズ鏡筒内に配設されたレンズ駆動用のモータ(図示せず)によってカム筒60が回動されることにより、各カム溝に係合している各カムピンを介して各レンズ鏡枠(各撮影レンズ群)が光軸方向に移動するようになっている。このときの移動時における所定位置は、各カム溝を形成するカム曲線によって決定される。
【0025】
このように上記カメラにおいて従来より使用されているズームレンズ鏡筒は、カム筒に設けられた複数のカム溝と、複数の撮影レンズ群を各別に保持するレンズ鏡枠に設けられたカムピンがそれぞれ係合して形成され、上記カム筒がモータによって回動されることにより、ズームレンズ鏡筒の沈胴動作・変倍動作等を行わしめるようになっている。
【0026】
上記カム筒は、従来金属部材を切削加工することによって形成されるものであったが、近年においては、主に製造コストの低減化・軽量化を目的として、例えば射出成形による強化プラスチック等の部材によって製造されるようになっている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したように一つのカム筒によって二つの異なる動作、例えば沈胴動作及び変倍動作、あるいは変倍動作及びマクロ動作等を行わしめるズームレンズ鏡筒を製造する場合において、沈胴領域用カム部と変倍領域用カム部、あるいは変倍領域用カム部とマクロ領域用カム部等の二つの異なるカム部を連続させたカム溝を有するカム筒を射出成形によって製造すると、次に示すような問題が生じてしまう。
【0028】
まず第1の問題点としては、カム筒のカム溝がスライド金型を用いて形成されることによって、カム溝内の対向する壁面が平行に形成されず、互いに傾斜したテーパー形状に形成されてしまう。これに伴って、このカム溝に係合されるカムピンの形状もまたテーパー形状に形成することとなる。しかし、上記カム溝は、変倍用領域と沈胴用領域との異なる二つのカム曲線からなるものであるために、カムピンのテーパー角度が不必要に大きくなってしまうことに起因する問題である。
【0029】
ここで、通常の射出成形によって形成されるカム溝の形状がテーパー形状に形成されるという問題について、以下に説明をする。
図11は、円筒形部材の外周面上にカム溝が形成されている一般的な形状のカム筒の側面図を示し、図12・図13・図14は、図11のP−P線に沿う断面図を示している。そして、図12は、従来の金属製のカム筒を切削加工等により形成した場合のカム溝の形状を示し、図13・図14は、従来の射出成形品のカム筒をスライド金型で形成した場合のカム溝の形状を示している。
【0030】
図11において、カム溝の任意の一部分に相当するカム部168の形状と、このカム部168から任意の角度だけ離れた位置の一部分に相当するカム部169の形状とを比較してみると、まず従来行われていた切削加工等によってカム溝が形成された場合には、図12に示すようにカム部168及びカム部169はいずれも、カム筒160の中心軸から放射方向に向けて形成され、その断面形状は、カム溝内の対向する内壁面が常に平行となるように形成される。したがって、カム溝の全域において、カムピンはカム溝の壁面に対して同一角度で接することができる形状とすることができる。また、この場合には、カムピンの形状も円柱形状に形成すれば、問題なくカム係合し得ることとなる。
【0031】
これに対して、近年一般的に用いられている射出成形品では、通常の場合カム筒160の円筒部分は、光軸方向に移動するコアキャビ型によって製造されており、カム溝については、一定ピッチを有し回転抜きを行ない得るカム等の特殊な場合を除いてスライド金型により形成されるのが普通である。
【0032】
この場合においては、スライド金型の移動方向を、いわゆる外スライド方向(図12の矢印X方向)とした場合には、同カム筒160の放射方向がスライド金型の移動方向と平行となるカム部168では、図13に示すように図12と同一形状によりカム溝を形成することができる。
【0033】
一方、その放射方向がスライド金型の方向と平行とはならないカム部169では、カム溝の片側がスライド金型に対して、いわゆるアンダーカットとなってしまう。そこで、このカム部169においては、上記アンダーカットに対応するために、図13に示すようにカム溝の断面形状の片側を放射方向から傾斜したスライド方向と平行な形状としたカム部169aとする。すると、このようなカム溝の断面形状は、極めて不安定な形状となってしまうので、射出成形品に対しては通常の場合、次に示す手段が用いられる。
【0034】
即ち図14に示すようにカム溝の断面は、これに係合されるカムピン等の形状を考慮して、カム溝の両側に所定の傾斜角度を有するカム部169bを形成する。なお、カム部168aも同様にカム溝の両側に所定の傾斜角度を有する形状に形成する。
【0035】
このように所定の傾斜角度を有するカム溝に対応させて、カムピンにも次に示すようにテーパー形状に形成することとなる。即ち、図15は、図11のカム筒に形成されたカム溝の要部を拡大して示す要部拡大図及び同図におけるCC線・DD線・EE線に沿う線の各断面図を示している。なお、図15のカム溝は、図10の第2カム溝162に相当するものである。
【0036】
図15において、Zu部は変倍領域用カム部を示し、カム筒の回動角度に対してレンズ鏡枠の移動量を少なく設定されたカム部であって、カム曲線Fと光軸に直交する面Gとのなす角度θ2が小さく(浅い角度に)設定されている。
【0037】
また、Co部は沈胴領域用カム部を示し、上記変倍領域用カム部(Zu部)と比較して、カム筒の回転角度に対してレンズ鏡枠の移動量を多く設定されたカム部であって、カム曲線Fと光軸に直交する面Gとのなす角度θ1が上記角度θ2より大きく(深い角度に)設定されている。
【0038】
まず、スライド金型による場合のカム溝では、EE断面の傾斜角度θ3は、変倍領域用及び沈胴領域用の二つのカム溝に共通しているが、カム曲線Fは、光軸に対して傾斜しているために、カムピンと接する部分の実際の角度は、カム曲線Fに垂直な断面での開口角度θ4・θ5(図15のCC断面・DD断面参照)となる。
【0039】
上記開口角度θ4・θ5は、カム曲線Fと光軸に垂直な面とのなす角度θ1・θ2が大きい程大きくなるので、カム曲線Fが浅い変倍領域用カム部の開口角度θ4の方が、カム曲線Fが深い沈胴領域用カム部の開口角度θ5よりも小さくなる。なお、カム曲線Fがカム筒(光軸)に対して平行となる場合には開口角度は0で良い。
【0040】
しかし、実際には両カム部に係合するレンズ鏡枠側のカムピンは、一本だけであるので、カム溝の開口角度に対応するカムピンのテーパー角度は、開口角度にあわせて二種類とすることはできない。したがって、いずれか大きな角度を要する方に合わせてカムピンのテーパー角度を設定することになる。図15に示す例においては、カム溝は全て開口角度θ5とされ、これに合わせてカムピンのテーパー角度もこの開口角度θ5に相当する角度に設定することとなる。
【0041】
したがって、本来であれば開口角度をより少なく設定し得る変倍領域用カム部側において、不必要に大きな傾斜角度を設けることとなり、これに合わせてカムピンのテーパー角度を大きくすると、以下に示すような問題が生じる。即ち、
1)カムピンのテーパー形状が大きくなる程、径方向のガタによる係合ガタが大きくなる傾向があり、よって位置決め精度が低下してしまう。
【0042】
つまり、移動のためにレンズ鏡枠とカム筒との間の径方向に設けた若干の隙間がテーパー角度に比例して大きくなり、よってレンズ鏡枠の位置決め方向のズレが大きくなるからである。
【0043】
このようなレンズ鏡枠の位置決め方向のズレについては、従来から問題とされており、これを解決するために、例えば特開平62−112109号公報等によって種々の技術手段が開示されている。この特開平62−112109号公報に開示されているズームレンズは、略円弧状の付勢ばねをレンズの外周に沿わせて、カムピンをカム溝面に押し付けることで、レンズ鏡枠の位置決め方向のズレによる問題を解決するようにしたものである。
【0044】
2)カムピンのテーパー角度が大きいと、カムピンがカム溝から外れたり、逆に食い込んだりし易くなるという問題がある。特にレンズ鏡筒において最前面側(最も被写体側)に配置される第1レンズ鏡枠には、外力が直接加わることがあり、上述の問題が生じる虞が最も大きくなる。
【0045】
また、レンズ鏡筒自体の小形化・軽量化のために、レンズ鏡筒の直径を小さくし、径方向の係合長さを短くしたり、カム筒の肉厚を薄くする等の処置がなされた場合には、この問題は、なお一層発生し易くなる。
【0046】
なお、図15に示す例においては、スライド金型がカム筒の外側に移動する、いわゆる外スライド式の場合によって説明しているが、スライド金型が内側に移動する場合においても、開口方向が逆になるのみで同様である。
【0047】
次に、二つの異なるカム部を連続させたカム溝を有するカム筒を射出成形によって製造した場合の第2の問題点としては、カム溝の寸法精度が低下してしまうという問題がある。
【0048】
上述した従来の例においては、図10に示すように第1カム溝161の最望遠位置T1近傍と第2カム溝162の最広角位置W2近傍、第1カム溝161の格納位置C1と第3カム163の最望遠位置T3近傍とがそれぞれカム筒の外周側と内周側とに形成され、重なり合う位置関係になっている。このような部分では、局部的に肉厚が大きく変化することとなるので、これによって、いわゆるヒケが生じてしまい、このヒケによりカム溝の寸法が微妙にずれてしまうといった問題が生じる。
【0049】
一般に、カム溝の精度を確保するためには、成形による制限条件を十分考慮してカム筒への配置をしなければならない。しかし、上述のように変倍領域用カム部と沈胴領域用カム部とを連続して形成し、一つの大きなカム溝とした場合、他のレンズ鏡枠の移動用のカム溝との関係によって、カム筒の表面におけるカム溝の配置レイアウトが限定されてしまい、カム筒の小型化とカム溝の寸法精度の確保との両立は極めて困難なものとなる。
【0050】
また、このようなカム溝が両面に重なった部分は、当然に肉厚が薄くなるので落下衝撃等の負荷が加わった場合、この薄肉部分に負荷が集中し変形してしまう等が考えられる。
【0051】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、カム溝からのカムピンの脱落や、カム溝へのカムピンの食い込み等を防止し、カム溝の寸法精度を確保すると共に、容易に小型化・軽量化及び製造コストの低減化に寄与することのできるズームレンズ鏡筒を提供するにある。
【0052】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明によるズームレンズ鏡筒は、第1カム溝と第2カム溝が形成されたカム部材と、上記第1カム溝に係合される第1カムピンと上記第2カム溝に係合される第2カムピンとが設けられたレンズ鏡枠とを備え、このレンズ鏡枠は、同レンズ鏡枠に設けられた上記第1カムピンが上記第1カム溝内を移動することによって光軸方向への第1の領域を移動し、上記レンズ鏡枠に設けられた上記第2カムピンが上記第2カム溝内を移動することによって光軸方向への第2の領域を移動することを特徴とする。
【0053】
また、第2の発明は、上記第1の発明によるズームレンズ鏡筒において、上記第1の領域が撮影時においてズームレンズ鏡筒内の撮影レンズの焦点距離を変更するために移動させる変倍領域であり、上記第2の領域が非撮影時において撮影レンズを格納位置に移動させ、又はこの格納位置から撮影状態位置に移動させる沈胴領域であることを特徴とする。
【0054】
そして、第3の発明は、上記第2の発明によるズームレンズ鏡筒において、上記カム部材が撮影レンズの光軸を中心として回動する略円筒形状のカム筒であることを特徴とする。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態のズームレンズ鏡筒が配設されたカメラの構成を簡単に示す側断面図である。なお、本実施形態においては、ズームレンズ鏡筒が配設される写真撮影装置として、電子カメラを例にとって説明している。
【0056】
まず、本実施形態のズームレンズ鏡筒の詳細を説明する前に、このズームレンズ鏡筒が配設される写真撮影装置としての電子カメラ全体の構成を簡単に説明する。
【0057】
上記電子カメラ1は、図1に示すように被写体像を結像させる撮影光学系である複数の撮影レンズ群(11・21・31・41)及びこれら撮影レンズ群をそれぞれ保持する複数のレンズ鏡枠等からなるズームレンズ鏡筒6と、上記撮影光学系を透過した被写体像を形成する光束(以下、被写体光束ともいう)を電気信号に変換するCCD等の撮像素子4と、被写体を観察するための光学式ファインダ2と、各種制御等を行なわしめる電気回路を構成する電気基板3と、ズームレンズ鏡筒内に設けられ、変倍動作を行わしめるための駆動手段であるズームモータ5等によって構成されている。
【0058】
上記電気基板3は、電子カメラ1内の背面寄りに配置されており、同基板3上には、上記撮像素子4の電気信号を処理する撮像部・この撮像部からの画像信号を記録するメモリ部・このメモリ部によって外部出力用に記録された画像信号を再生する再生部・変倍動作やAF動作等の各種動作部を制御するカメラ制御部・カメラ全体を制御するシステム制御部等が実装されている。
【0059】
上記ズームレンズ鏡筒6内に設けられる撮影光学系は、被写体寄りから順番に第1群レンズ11・第2群レンズ21・第3群レンズ31・第4群レンズ41の四つの撮影レンズ群によって主に構成されている。なお、図1には図示していないが、ズームレンズ鏡筒6内においては、各撮影レンズ群の間などに絞り羽根部材・シャッター部材等の光量調整手段等も配置されている。
【0060】
また、本実施形態におけるズームレンズ鏡筒6の撮影光学系は、変倍動作が可能なズームレンズであって、同鏡筒6は、非撮影時にはカメラ本体内に沈胴するようになっているタイプのものである。そして、図1に示す状態は、ズームレンズ鏡筒6が非撮影時の格納位置にある状態を示しており、図1の二点鎖線で示す状態が同ズームレンズ鏡筒6の撮影状態を示している。
【0061】
図2は、本実施形態のズームレンズ鏡筒の要部を示す縦断面図である。ここでは、図面の繁雑化を避けるために、本発明に直接関連する部材、即ち撮影光学系である複数の撮影レンズ群とこれらを各別に保持する複数のレンズ鏡枠及びこれらの複数のレンズ鏡枠を移動させるカム部材であるカム筒等の主要部材のみを図示している。
【0062】
上記ズームレンズ鏡筒6は、第1群レンズ11を保持する第1レンズ鏡枠10と、第2群レンズ21を保持する第2レンズ鏡枠20と、第3群レンズ31を保持する第3レンズ鏡枠30と、第4群レンズ41を保持する第4レンズ鏡枠40と、これら第1〜第4レンズ鏡枠10・20・30・40を所定の位置に移動させ得るカム部材であるカム筒60と、このカム筒60を回動させるズームモータ5(図2では図示せず。図1参照)及び動力伝達減速機構(図示せず)等によって構成されている。
【0063】
上記第1レンズ鏡枠10は、薄肉で円筒状の部材からなり、略中央部に第1群レンズ11を取り付けるための開口部を有し、一端部にはレンズ保持部10aが設けられている。このレンズ保持部10aには、光軸Oと平行に、同鏡筒6の後端側に向けて二本のガイドシャフト110(図2では一本のみ図示している)の一端部が植設されている。このガイドシャフト110の他端部は、このレンズ鏡筒6の後端側に配設されている固定枠50の嵌合部51に嵌合し、これによって同上記第1レンズ鏡枠10をレンズ鏡筒6内において光軸方向にのみ摺動自在に支持している。
【0064】
上記第2レンズ鏡枠20は、三枚の光学レンズからなる第2群レンズ21を略中央部に保持している。この第2レンズ鏡枠20の外周面上には、光軸Oと平行となるように二つの嵌合孔23が穿設された支持部20cが外方に向けて設けられており、この嵌合孔23には、上記ガイドシャフト110と同様に二本のガイドシャフト111(図2では一本のみ図示している)の一端部が嵌合している。また、同ガイドシャフト111の他端部は、上記固定枠50に植設されており、これによって上記第1レンズ鏡枠10と同様に第2レンズ鏡枠20は、光軸方向にのみ摺動自在に支持されていると同時に、上記第2レンズ鏡枠20の光軸と直交する軸周りへの回転が規制されている。
【0065】
上記第3レンズ鏡枠30は、三枚の光学レンズからなる第3群レンズ31を略中央部に保持している。同第3レンズ鏡枠30には、上記第2レンズ鏡枠20と同様に設けられた支持部30bに穿設されている二つの嵌合孔33に上記二本のガイドシャフト111がそれぞれ嵌合している。これによって、第3レンズ鏡枠30は、上記第1レンズ鏡枠10・第2レンズ鏡枠20と同様に光軸方向にのみ摺動自在に支持されている。
【0066】
上記第4レンズ鏡枠40は、第4群レンズ41を保持しており、上記第2レンズ鏡枠20・第3レンズ鏡枠30と同様に設けられた支持部40bに穿設されている二つの嵌合孔43に上記二本のガイドシャフト111がそれぞれ嵌合している。これによって、この第4レンズ鏡枠40もまた上記第1レンズ鏡枠10・第2レンズ鏡枠20・第3レンズ鏡枠30と同様に、光軸方向にのみ摺動自在に支持されている。
【0067】
また、本実施形態においては、上記第1〜第4レンズ鏡枠10・20・30・40は、カム部材であるカム筒60による変倍動作及び沈胴動作によって、それぞれ所定の位置に移動することとなる。ここで、このカム筒60について説明する。なお、本実施形態におけるカム部材は、円筒形状のカム筒60としているが、これに代えて平板形状のカム部材を適用しても良い。
【0068】
上記カム筒60は、両端が開口した円筒形状の円筒カムからなり、上記第1レンズ枠10が外周側に係合している一方、内部には、上記第2レンズ鏡枠20・第3レンズ鏡枠30・第4レンズ鏡枠40が順次係合している。そして、同カム筒60の内部には、上記四本のガイドシャフト110・111が挿通されていて、同シャフト110・111の各最後端部は、光軸Oに平行に、かつカメラの前面に対して垂直となるように上記固定枠50に固着支持されている。
【0069】
上記カム筒60の先端部は、本レンズ鏡筒6が非撮影時の格納位置にあるときには、上記第1レンズ鏡枠10のレンズ保持部10aの内壁面に当接する位置に配置されるようになっている。
【0070】
また、上記カム筒60の内周面には、上記ズームモータ5の駆動力を同カム筒60に伝達し、これを回動させるための伝達手段であるギアー部65(図3参照)が形成されている。
【0071】
さらに、同カム筒60の外周面上には、第1レンズ鏡枠10用の第1カム溝60aと第2カム溝60bの二本のカム溝が形成されている。これら第1カム溝60a・第2カム溝60bには、上記第1レンズ鏡枠10の内周面上に、同鏡枠10の内方に向けて植設された二つのカムピン、即ち第1カムピン10a・第2カムピン10bが係合している。
【0072】
また、上記カム筒60の内周面側には、第2レンズ鏡枠20用の第1カム溝60cと第2カム溝60dの二本のカム溝が形成されていると共に、第3レンズ鏡枠30用の第3カム溝60e・第4レンズ鏡枠40用の第4カム溝60fが形成されている。そして、上記第1カム溝60c・第2カム溝60dには、上記第2レンズ鏡枠20の外周面上に、同鏡枠20の外方に向けて植設されている二つのカムピン、即ち第1カムピン20a・第2カムピン20bが係合し、上記3カム溝63には同様に植設された第3カムピン30aが係合し、上記第4カム溝64には同様に植設された第4カムピン40aがそれぞれ係合している。
【0073】
上記固定枠50には、撮影光学系を透過した被写体光束のうち赤外光成分を取り除くためのIRカットフィルター9と、同IRカットフイルター9を透過した被写体光束から高周波成分を取り除くローパスフイルター(LPF)8と、上記撮像素子4とが被写体側から順番に配置されている。
【0074】
そして、上記固定枠50の内部には、上記ズームモータ5及び動力伝達減速機構が配置されており、同動力伝達減速機構の出力ギアーは、上記カム筒60のギアー部65に噛合している。これによって、上記モータ5の駆動力は動力伝達減速機構・ギアー部65を介して上記カム筒60に伝達され、これを回動させるようになっている。
【0075】
次に、上記電子カメラ1の動作を、以下に簡単に説明する。なお、カメラの各状態(沈胴状態・撮影状態)時における各撮影レンズ群の所定位置は、図9(A)・図9(B)・図9(C)によって説明したものと同様である。
【0076】
まず、上記電子カメラ1の主電源が撮影者によってオン状態とされると、上記電気基板3のシステム制御部が各種のカメラ起動動作を行なう。続けて、カメラ制御部の指示を受けて上記ズームモータ5が回転し、ズームレンズ鏡筒6のカム筒を介して上記各撮影レンズ群を撮影準備位置である広角位置(図1の二点鎖線で示す位置;図9(B)参照)へと移動させる。
【0077】
このとき上記第1レンズ鏡枠10は、前面側(被写体側)に向けて突出し、図1の実線で示す格納位置(沈胴状態)から二点鎖線で示す撮影準備位置(広角位置)に移動する。これと同時に第2群レンズ21は、被写体寄りの所定位置に移動する。また第3群レンズ31・第4群レンズ41は移動しない。
【0078】
この撮影準備位置(広角位置)にあるときに、撮影者が変倍操作を行なうことによってズームモータ5が駆動して、任意の変倍動作が行われる。このように撮影時において変倍動作が行われる際には、第1群レンズ11以外の第2群レンズ21・第3群レンズ31・第4群レンズ41等が所定の位置に移動する(図9(C)参照)。
【0079】
そして、撮影者によってシャッターレリーズ操作が行われることで、AF用駆動モータ(図示せず)が駆動され、これによって第4群レンズ41が所定の合焦位置に移動した後、撮像素子4に結像された画像が電気信号として記録される。
【0080】
他方、撮影を終了する場合には、撮影者による主電源のオフ操作によって、システム制御部が所定のカメラ終了動作を行った後、ズームモータ5が駆動され、カム筒60が回動し、上記撮影光学系を格納位置に移動させる(図9(A)参照)。
【0081】
図3は、本実施形態のズームレンズ鏡筒におけるカム筒の展開図であって、各カム溝を示す図である。この図3においては、カム筒60の内周面側を示しており、図3の矢印X方向を同カム筒60の回動方向としている。なお、図3において[0°]・[90°]・[180°]・[270°]・[360°]はそれぞれカム筒60の回転角度を示している。また、矢印Y方向は各レンズ鏡枠の移動方向(光軸方向)を示し、矢印Y1方向を被写体側とする。また、図3で示す各カムピンの配置は、撮影準備状態(広角位置)の場合を示している。
【0082】
上記カム筒60において、第1レンズ鏡枠10を移動させる第1のカム溝(破線で示す)は、カム筒60の外周側に凹形状に形成されていて、第1の領域である変倍領域と、第2の領域である沈胴領域とが連続したカム曲線からなっている。そして、この第1のカム溝は、光軸方向に一定の距離だけ離して並べて配置された二つの同一カム曲線からなる第1カム溝60a及び第2カム溝60bとによって構成され、上記第1レンズ鏡枠10の第1カムピン10a及び第2カムピン10bがそれぞれ係合している。
【0083】
また、上記第2レンズ鏡枠20を移動させる第2のカム溝(実線で示す)は、上記カム筒60の内周側に凹形状に形成されていて、変倍領域Zu部と沈胴領域Co部とが連続したカム曲線からなっている。そして、この第2のカム溝は、光軸方向に一定の距離だけ離して並べて配置された二つの同一カム曲線からなる第1カム溝60cと第2カム溝60dとによって構成され、上記第2レンズ鏡枠20の第1カムピン20a及び第2カムピン20bがそれぞれ係合している。なお、変倍領域Zu部のカム曲線は、沈胴領域Co部のカム曲線よりも回転角に対する移動量が少なく設定された、いわゆる浅いカムによって形成されている。格納位置への移動だけでよい沈胴領域に比べて、途中での位置決め精度も必要な変倍領域の方にカム回転角度を多く割当てるのが普通である。
【0084】
そして、上記第3レンズ鏡枠30・第4レンズ鏡枠40を移動させるカム溝(実線で示す)は、上記カム筒60の内周側に凹形状に形成されていて、それぞれ異なるカム曲線からなる第3カム溝60e・第4カム溝60fとによって構成され、上記第3レンズ鏡枠30のカムピン30a・上記第4レンズ鏡枠40のカムピン40aがそれぞれ係合している。
【0085】
そして、上記各カム溝の望遠位置近傍には、光軸に平行な溝部からなる導入部66がそれぞれ形成されていて、この導入部66は、ズームレンズ鏡筒6を組み立てる際に、各カムピンをカム筒60に係合させるための入口溝の役目をしている。
【0086】
なお、本実施形態における複数のカムピン、即ち第1カムピン10a・第2カムピン10b、第1カムピン20a・第2カムピン20bは、それぞれ光軸に平行となるように設けられている。これに対応させて上記導入部66も、光軸に平行となる方向に形成されているものである。しかし、これに限らず、例えば上記複数の各カムピンの配置が異なる場合には、導入部も各カムピンの配置に合わせて形成されることとなる。
【0087】
また、本実施形態においては、上記導入部66を望遠位置の近傍に配置するようにしているが、これに限らず、例えば格納位置側の近傍や各カム溝の途中位置等に設けるようにしても良い。
【0088】
ここで、上記複数のカム溝について、その詳細を第2レンズ鏡枠20を移動させる第2のカム溝(第1カム溝60c・第2カム溝60d)を例にとって、以下に説明する。
【0089】
上記第2レンズ鏡枠20には、上記二つのカム溝に対応する二つのカムピン、即ち第1カムピン20a・第2カムピン20bが設けられていて(図2参照)、両カムピン20a・20bは、本ズームレンズ鏡筒6の光軸に平行となるように並べて設置されている。
【0090】
上述したように図3は、このズームレンズ鏡筒6が撮影準備状態、即ち最広角位置にあるときの各カムピンの位置を示している。つまり、図3において符号Wで示す位置が最広角位置であり、符号Tで示す位置が最望遠位置であり、符号Cで示す位置が格納(沈胴)位置である。したがって、符号Cから符号Wの間が沈胴領域Co部となり、符号Wから符号Tの間が変倍領域Zu部となっている。
【0091】
また、図4・図5は、上記第1カム溝60c・第2カム溝60dのカム曲線に垂直となる面の要部拡大縦断面図であり、図4は、上記第1カム溝60c・第2カム溝60dの変倍領域Zu部であって、図3のM−M線に沿う断面図を、図5は、上記第1カム溝60c・第2カム溝60dの沈胴領域Co部であって、図3のN−N線に沿う断面図をそれぞれ示している。
【0092】
図3に示すように、上記第第1カム溝60c・第2カム溝60dは、沈胴領域Co部と変倍領域Zu部とが連続して形成されているが、沈胴領域Co部と変倍領域Zu部とでは、それぞれスライド金型によるアンダーカットのため必要な部分のみに所定の開口角度を有して形成されている。したがって、沈胴領域Co部と変倍領域Zu部とでは、それぞれ異なる開口角度が設定されている。
【0093】
つまり、変倍領域Zu部においては、図4に示すように第1カム溝60cと第2カム溝60dとは、共通の開口角度θAに設定されている。また、これと同様に沈胴領域Co部においても、図5に示すように第1カム溝60cと第2カム溝60dは、共通の開口角度θBに設定されている。ここで、開口角度θAと開口角度θBとは異なる値に設定されている。
【0094】
つまり、両カム溝60c・60dのカム曲線は、沈胴領域Co部よりも変倍領域Zu部の方が浅く設定されているため、上述した理由によって変倍領域Zu部の開口角度θAの方が沈胴領域Co部の開口角度θBよりも小さく設定されることとなる(θA<θB)。
【0095】
そして、上記第1カムピン20aのテーパー角度θCは、開口角度θAに合わせた値に設定され、第2カムピン20bのテーパー角度θDは、開口角度θBに合わせた値に設定される。
【0096】
このようにして形成された上記第2レンズ鏡枠20の第1・第2カムピン20c・20dとカム筒60の第1・第2カム溝60c・60dとが係合した場合には、変倍領域Zu部においては、図4に示すように第1カム溝60cには、第1カムピン20aが略隙間なく係合し、第2カム溝60dは、第2カムピン20bとの間に隙間を生じる溝形状に設定し、よって溝60dの内壁とピン20bの摺動面とが接触しない状態となる。
【0097】
また、沈胴領域Co部においては、第2カム溝60dには、第2カムピン20bが略隙間なく係合し、第1カム溝60cは、第2カムピン20aとの間に隙間を生じる溝形状に設定し、よって溝60cの内壁とピン20aの摺動面とが接触しない状態となる。
【0098】
なお、上記第1レンズ鏡枠10の第1・第2カム溝60a・60bとカム筒60の第1・第2カムピン10a・10bとの関係も、この第2レンズ鏡枠20とカム筒60との関係と同様に形成される。
【0099】
一方、第3レンズ鏡枠30には、図3に示すように一本のみの第3カム溝63が設けられていて、同第3カム溝63のカム曲線は、沈胴領域Co部では、カム筒60の回動方向に平行に、変倍領域Zu部では、カム曲線と光軸に直交する面とのなす角度を小さく(浅い角度に)設定されている。したがって、第3カム溝63においては、沈胴領域Co部と変倍領域Zu部とでは、カム曲線に大きな差がないので、同第3カム溝63は、変倍領域Zu部に合わせた開口角度によって均一に形成されている。また、第4レンズ鏡枠40の第4カム溝64も、上記第3レンズ鏡枠30の第3カム溝63と同様に形成されている。
【0100】
このように構成された本実施形態のズームレンズ鏡筒6の動作を、以下に簡単に説明する。
カメラの主電源がオン状態とされることによって、カム筒60が回動する。これによって、沈胴状態(格納位置)にある各レンズ鏡枠が連動して、自動的に撮影準備状態である最広角位置まで移動する。このとき、第1レンズ鏡枠10は、カム筒60の第2カム溝60bに係合支持された第2カムピン10bを介して被写体側に移動する。また、第1カムピン10aは、第1カム溝60aには係合しないので、第1カム溝60a内を通過するのみである。
【0101】
一方、第2レンズ鏡枠20は、カム筒60の第2カム溝60cに係合支持された第2カムピン20bを介して被写体側に移動する。第1カムピン20aは、第1カム溝60cに係合しないので第1カム溝60c内を通過するのみである。
【0102】
また、第3レンズ鏡枠30は、第3カムピン30aを介して第3カム溝63に案内されて移動し、第4レンズ鏡枠40は、第4カムピン40aを介して第4カム溝64に案内されて移動する。このとき、第3・第4カム溝63・64は、それぞれ回動方向に平行に設定されているので、両レンズ鏡枠30・40は光軸方向には移動しない。このようにして、同カメラは撮影準備状態となる。
【0103】
次に、撮影状態にあるときには、撮影者が行なう所定の変倍操作に応じて、カム筒60が回動される。第1レンズ鏡枠10は、第1カム溝60aに第1カムピン10aが係合支持されているが、同第1カム溝60aは、カム筒60の回動方向に平行に設定されているので、同レンズ鏡枠10は光軸方向には移動しない。また、第2カムピン10bは、第2カム溝60a内を通過するのみである。
【0104】
一方、第2レンズ鏡枠20は、第1カム溝60aに係合支持された第1カムピン20aを介して図3の符号Wで示す最広角位置と、図3の符号Tで示す最望遠位置との間の変倍領域Zu部内を移動する。このとき、第2カムピン20bは第2カム溝60d内を通過するのみである。
【0105】
さらに、第3レンズ鏡枠30・第4レンズ鏡枠40は、カム筒60の第3・第4カム溝63・64に従って移動する。
また、撮影を終了するときには、主電源をオフ状態とすると、上記各レンズ鏡枠は、カム筒60の回動によって最広角位置(図3の符号W)に移動した後、格納位置(図3の符号C)に自動的に移動する。
【0106】
なお、第2カム溝60bと第2カムピン10bとの間に設けられる隙間は、小さくなるように設定されていて、第1レンズ鏡枠10に対して大きな外力が加わったような場合には、第1カムピン10aと第1カム溝60aに加えて、第2カムピン10bが第2カム溝60bに接触することによって、もう一つのストッパーになるので、一組のカムピン・カム溝だけの場合に比べて頑丈である。
【0107】
つまり、前面側に配置される第1レンズ鏡枠10は、変倍動作を行ったときに直接前面側に向けて外部に延び出すこととなるので、同レンズ鏡枠10には、外力が直接加わることが多いが、本実施形態においては、同レンズ鏡枠10は、複数のカムピンによって支持されるように構成されているので、これら複数のカムピンが平行ピンではなくテーパー状に形成されていても、カムピンとカム溝との係合状態が脱落したり、食い込んだりする等の虞がない。
【0108】
上記カム筒に設けるカム溝の形状については、上記第1の実施形態に示した形状に限らず、その他の形状で形成することも考えられる。例えば図6・図7は、カム筒に形成するカム溝の一変形例を示す図であって、図6は、第1レンズ鏡枠を移動させる第1のカム溝(上記第1カム溝60a・第2カム溝60bに相当する)の一変形例を示すカム筒の展開図である。また、図7は、第2レンズ鏡枠を移動させる第2のカム溝(第1カム溝60c・第2カム溝60d)の一変形例を示すカム筒の展開図である。なお、図6はカム筒の外周側から、図7はカム筒の内周側から見た場合を示している。
【0109】
この図6・図7によって、上記第1の実施形態のズームレンズ鏡筒の一変形例を、以下に説明する。なお、基本的な構成については、上述の第1の実施形態と略同様であるので、図示されない構成等については、上述の図1〜図5を参照するものとする。
【0110】
第1レンズ鏡枠(10)を移動させるためのカム部材であるカム筒60Aに設けらる第1のカム溝は、回動方向に平行となる平行カムである変倍領域Zu部を一つのカム溝61で形成され、このカム溝61に対して傾きが互いに同一で平行となる沈胴領域Co部が二つのカム溝、即ち第1カム溝60Aa・第2カム溝60Abによって形成されている。
【0111】
つまり、変倍領域Co部のカム溝61は、平行カムで形成されているので、このカム溝61の開口角度は0度に設定されており、後述する第1カムピン10Aaが接触せずに通過する程度の大きな溝幅を有して形成されている。
【0112】
一方、沈胴領域Co部の第1カム溝61Aa・第2カム溝61Abは、カム曲線とスライド金型等の条件によって、所定の開口角度が設定されて形成されている。
【0113】
第1レンズ鏡枠(10)側には、外周面に沿って一定角度だけ離して二つのカムピン、即ち第1カムピン10Aa・第2カムピン10Abが植設されている。この第1カムピン10Aaの係合部は、カム溝60Aaの溝幅よりも小さな直径の棒状部材によって形成されていて、同第1カムピン10Aaはカム溝61に係合している。
【0114】
第2カムピン10Abの係合部は、カム溝61の開口角度に合わせたテーパー形状で、かつカム溝61よりも小さく形成されていて、第1カムピン10Aaと同様にカム溝61に係合している。
【0115】
このように構成された上記一変形例におけるズームレンズ鏡筒(カム筒60A及び第1レンズ鏡枠(10))の動作を、以下に簡単に説明する。なお、基本的な動作は、上述の第1の実施形態と同様である。
【0116】
まず、本ズームレンズ鏡筒が格納位置にある沈胴状態においては、第1カムピン10Aa・第2カムピン10Abは、それぞれ図6に示す符号A1・B1に位置している。この状態において、カム筒60Aが回動すると、カム筒60Aは、図6の矢印X1方向に移動する。これによって、第1レンズ鏡枠(10)は、第2カムピン10Abを介してカム溝61に沿って被写体側(矢印Y1方向)に移動し撮影準備状態である最広角位置に移動する。このとき、第1・第2カムピン10Aa・10Abは、それぞれ符号A2・B2に位置している。
【0117】
なお、沈胴動作時において第1カムピン10Aaは、第1カムピン10Aaの係合部が、上述したようにカム溝60Aaの溝幅よりも小さな直径の棒状に形成されているので、同第1カムピン10Aaは、カム溝61内を通過するのみである。したがって、上記第1カムピン10Aaは、第1レンズ鏡枠(10)の移動には無関係である。
【0118】
次に、撮影状態にあるときに行われる変倍動作時には、第1レンズ鏡枠(10)は、第1カムピン10Aaを介してカム溝61に沿って移動する。ただし、カム溝61は平行カムからなるものであるので、第1レンズ鏡枠(10)は、光軸方向には移動しない。つまり、第1カムピン10Aaの位置が図6の符号A2の位置と符号A3の位置との間で移動する。
【0119】
なお、第2カムピン10Abは、その係合部がカム溝61の溝幅よりも小さく設定されているのでカム溝61内を通過するのみであり、同第2カムピン10Abは、第1レンズ鏡枠(10)の移動には無関係となっている。
【0120】
一方、図7に示すように第2レンズ鏡枠(20)を移動させるための第1・第2カム溝70a・70bは、沈胴領域Co部と変倍領域Zu部とが連続して形成されたカム溝からなり、両カム溝70a・70bは、互いに光軸方向に平行に配置され、かつ同一のカム曲線からなっている。そして、両カム溝70a・70bは、沈胴領域のカム曲線と変倍領域のカム曲線のカム筒60Aの回動方向に対する傾きは同一方向に形成されている。
【0121】
上記二つのカム溝(第1・第2カム溝70a・70b)の主な役割は、上述の第1の実施形態のものと同様であって、第1カム溝70aは、沈胴領域移動用であり、第2カム溝70bは、変倍領域移動用のものである。
【0122】
カム筒60Aの光軸方向の寸法(筒長さ)は、図7に示すように二つのカム溝70a・70bのそれぞれの先端部が途中で切れるように設定されている。つまり、第1カム溝70aにおいては、第1カムピン(20a)が通過するだけの変倍領域Zu部のうち最望遠側を含む先端部が省略されている(図7の破線で示す部分)。また、第2カム溝70bにおいては、第2カムピン10bが通過するだけの沈胴領域Co部のうち格納位置を含む先端部が省略されて形成されている(同様に図7の破線で示す部分)。
【0123】
このように各カム溝の一部が省略されて形成されていないのは、沈胴又は変倍動作時において、各カムピンが通過するだけの部分であって、同カムピンとカム溝とが係合していない部分であるため、レンズ鏡枠の移動に無関係な部分となるからである。
【0124】
このように上記カム筒60A及び各レンズ鏡枠を形成し、光軸方向の移動に直接関与しないカム溝の一部を省略することによって、カム筒60Aの光軸方向における寸法(筒長さ寸法)をより短く設計することができる。
【0125】
図8は、本発明の第2の実施形態のズームレンズ鏡筒におけるカム筒の展開図であって、同カム筒の周面上に形成された複数のカム溝をそれぞれ示している。この第2の実施形態の基本的な構成は、上述の第1の実施形態と略同様であり、複数のカム溝の形状、及び各カム溝に係合するカムピンの配置が異なるのみである。したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、その説明を省略し相違点を中心に説明する。なお、この図8は、カム部材であるカム筒60Bの内周面側から見た場合を示している。また、図8に示される[0°]・[90°]・[180°]・[270°]・[360°]は、図3・図10と同様にそれぞれカム筒の回転角度を示している。
【0126】
本実施形態のカム部材であるカム筒60Bは、図8の矢印X方向に回転し、各レンズ鏡枠(図示せず)は光軸方向(矢印Y方向)に移動する。また、矢印Y1方向が被写体側を示している。
【0127】
複数のレンズ群を保持する各レンズ鏡枠の光軸方向への移動は、上述の第1の実施形態と同様である。即ち第1レンズ鏡枠(10)は沈胴領域でのみ行われ、変倍領域では移動しない。また、第2レンズ鏡枠(20)は、沈胴領域及び変倍領域の異なる二つの領域で光軸方向に移動する。そして、第3・第4レンズ鏡枠(30・40)は、変倍領域でのみ光軸方向に移動する。
【0128】
第1レンズ鏡枠(10)を移動させる第1のカム溝61Bは、カム筒60Bの外周側に凹部状に形成され、変倍領域と沈胴領域とが連続したカム曲線によって形成されている。また、第2・第3・第4レンズ鏡枠(20・30・40)を移動させる第2・第3・第4のカム溝は、各カム曲線を中心として所定の間隔で配設され、カム筒60Bの内方に向けて突出する一対の凸状部によって形成されている。
【0129】
そして、第2レンズ鏡枠(20)を移動させる第2のカム溝は、上記第1のカム溝61Bと異なり、変倍領域のための第1カム溝60Baと、沈胴領域のための第2カム溝60Bbの二つの部分に分かれて形成されている。
【0130】
上記第2のカム溝の第1カム溝60Baは、カム曲線の最望遠位置T1と最広角位置W1との間の変倍領域でのみカム溝が形成されおり、最広角位置W1から先は開口している。したがって、沈胴領域の溝部が形成されていない。一方、上記第2のカム溝の第2カム溝60Bbは、カム曲線の最広角位置W2と格納位置C2の間の沈胴領域のみカム溝が形成されていて、最広角位置W2より先の変倍領域側の溝部が形成されていない。このように、両カム溝60Ba・60Bbの双方に最広角位置W1・W2が重複して形成される。
【0131】
また、第3レンズ鏡枠(30)を移動させる第3のカム溝も、変倍領域のための第1カム溝60Bcと、沈胴領域のための第2カム溝60Bdの二つの部分に分かれて形成されている。これら第1カム溝60Bc・第2カム溝60Bdの関係は、第2のカム溝と同様である。なお、沈胴領域は平行カムで形成されている。
【0132】
第4レンズ鏡枠(40)を移動させる4群のカム溝は、第1のカム溝と同様に、変倍領域と沈胴領域とが連続したカム曲線によって形成されており、沈胴領域は第3のカム溝と同様に平行カムからなっている。
【0133】
上述したように、上記従来のズームレンズ鏡筒(図10参照)においては、第1カム溝161の最望遠位置T1近傍と第2カム溝162の最広角位置W近傍、第1カム溝161の格納位置Cと第3カム163の最望遠位置T3近傍がそれぞれカム筒60の外周側と内周側との関係となっている。
【0134】
しかし、本実施形態においては、第2レンズ鏡枠(20)を移動させる第2のカム溝及び第3レンズ鏡枠(30)を移動させる第3のカム溝の形状を、それぞれ変倍領域Zu部と沈胴領域Co部の二つの部分に分離してカム筒60B上に配置して、カム筒60Bの内周側と外周側とでカム溝が重なり合うような配置とならないように工夫されている。
【0135】
そして、上記第1のカム溝61Bには、第1レンズ鏡枠(10)に設けられたカムピン10Baが係合している。また、上記第2のカム溝である第1カム溝60Baと第2カム溝60Bbには、第2レンズ鏡枠(20)にそれぞれ設けられた第1カムピン20Baと第2カムピン20Bbとが係合している。
【0136】
さらに、第3のカム溝の第1カム溝60Bcと第2カム溝60Bdには、第3レンズ鏡枠(30)にそれぞれ設けられた第1カムピン30Baと第2カムピン30Bbとが係合している。また、第4カム溝60Beには、第4レンズ鏡枠(40)に設けられたカムピン40Baが係合している。その他の構成については、上述の第1の実施形態と同様である。
【0137】
このように構成された本実施形態のズームレンズ鏡筒の動作を、以下に簡単に説明する。
上述の第1の実施形態と同様にカメラの主電源がオン状態とされると、これを受けてカム筒60Bが回動する。すると、沈胴状態(格納位置)にある各レンズ鏡枠が連動し自動的に撮影準備状態である最広角位置まで移動する。これによって、第1レンズ鏡枠(10)は、カム筒60Bの第2カム溝60Bbに係合支持された第2カムピン20Bbを介して被写体側(光軸方向)に移動する。つまり、同レンズ鏡枠(10)は、所定の撮影準備位置であり最広角位置まで移動する。
【0138】
これと同時に第2レンズ鏡枠(20)は、第2カムピン20Bbを介して第2カム溝60Bbに案内されて最広角位置W2まで移動している。また、第3レンズ鏡枠(30)は、第2カムピン30Bbを介して第2カム溝60Bdに案内されて回動するが光軸方向へは移動しない。さらに、第4レンズ鏡枠(40)は、第4カム溝60Beに案内されて回動するが、第3レンズ鏡枠(30)と同様に光軸方向へは移動しない。
【0139】
なお、この場合において、第2レンズ鏡枠(20)の第1カムピン20Baは、カム筒60Bのカム溝の設けられていない空間部分を移動し、上記第2カムピン20Bbが最広角位置W2に到達する直前に第1カム溝60Baの一端部から進入し最広角位置W1に到達する。上記第1カムピン20Baは、このようにして格納位置C1から最広角位置W1の間を移動する。
【0140】
これと同時に、第3レンズ鏡枠(30)の第1カムピン30Baも、カム筒60Bのカム溝の設けられていない空間部分を移動し、上記第2カムピン30Bbが最広角位置W11に到達する直前に第1カム溝60Bcの一端部から進入し最広角位置W11に到達する。このようにして上記第1カムピン30Baは、格納位置C11から最広角位置W11の間を移動する。
【0141】
そして、この最広角位置W1・W11の位置決めは、第1のカム溝61B及びカムピン10Baの組み合わせによって決定されている。そして、第1カムピン20Ba・30Baが最広角位置W1・W11に到達する直前に、上記第2カムピン20Bb・30Bbと第2カム溝60Bb・60Bdとの係合が解除されるように第2カム溝60Bb・60Bdの溝長さ寸法が設定されている。
このようにして、同カメラは撮影準備状態となる。
【0142】
次に、撮影状態にあるときには、撮影者が行なう所定の変倍操作に応じて、カム筒60が回動される。すると、第2レンズ鏡枠(20)は、第1カムピン20Baを介して第1カム溝60Baに案内されて光軸方向に移動する。また、第3レンズ鏡枠(30)は、第1カムピン30Baを介して第1カム溝60Baに案内されて光軸方向に移動する。そして、第4レンズ鏡枠(40)は、第4カム溝60Beに沿って光軸方向に移動する。
【0143】
この場合において、上記第2カムピン20Bb・30Bbは、上述の格納位置C1・C11から最広角位置W1・W11に移動する際の上記第1カムピン20Ba・30Baと同様に、カム筒60Bのカム溝の設けられていない空間部分を移動する。その動作は、上記第1カムピン20Ba・30Baの場合と同様である。これにより、上記第2カムピン20Bb・30Bbは、最広角位置W2・W12から最望遠位置T2・T12の間を移動する。
一方、第1レンズ鏡枠(10)は、カムピン10Baを介して第1のカム溝61Bに沿って回動するが光軸方向へは移動しない。
【0144】
さらに、撮影を終了するときには、主電源をオフ状態とすると、上記各レンズ鏡枠は、カム筒60Bの回動によって最広角位置それぞれに移動した後、格納位置に自動的に戻る。
【0145】
以上説明したように上記第2の実施形態によれば、変倍領域部分と沈胴領域部分とをそれぞれ別個に形成したカム溝としたので、変倍領域と沈胴領域とを連続させて形成した場合と比較して、カム筒上におけるカム溝の変倍領域及び沈胴領域の配置の自由度が大きくなり、よってカム筒の外周側と内周側とでカム溝が重ならないような配置とすることが容易となる。これによって、ヒケ等によるカム溝精度の低下を防止することができると共に、各レンズ鏡枠の位置決め精度を維持しつつ、カム部材の小型化を容易に実現することができる。
【0146】
なお、上述した各実施形態においては、本発明のズームレンズ鏡筒を電子カメラに適用した場合について説明しているが、これに限らず銀塩フイルムを使用するカメラ、CCD等の撮像素子によって得られる映像信号を動画として記録及び再生することのできるビデオカメラ等の映像記録再生装置においても、全く同様に適用することができ、その場合にも同様の効果を得ることができる。
【0147】
また、上述した各実施形態においては、変倍領域と沈胴領域の二つの領域が連続して形成されるカム溝について説明しているが、これに限らず、例えば沈胴領域に代えてマクロ動作を行わしめるマクロ領域とした場合には、マクロ機能付きのズームレンズ鏡筒に対しても容易に対応することができる。このようにレンズ鏡枠を二つの異なる領域を連続して移動させるようにしたレンズ鏡筒に広く適用することが容易にできる。
【0148】
さらに、上述した各実施形態におけるカム筒に設けられるのカム溝については、底部を有する、いわゆる有底カム溝として説明しているが、これに限らず、例えばカム筒の壁面を貫通して形成される形状の貫通カム溝とした場合にも、同様に本発明を適用することができる。
【0149】
[付記]
また、以上述べた発明の実施形態によれば、以下のような構成を有する発明を得ることができる。即ち、
(1) 第1カム溝と第2カム溝とが連続的に形成されたカム部材と、
上記第1カム溝に係合する第1カムピンと上記第2カム溝に係合する第2カムピンとが設けられたレンズ鏡枠とを備え、
このレンズ鏡枠は、同レンズ鏡枠に設けられた上記第1カムピンが上記第1カム溝内を移動することによって光軸方向への第1の領域を移動し、上記レンズ鏡枠に設けられた上記第2カムピンが上記第2カム溝内を移動することによって光軸方向への第2の領域を移動するズームレンズ鏡筒。
したがって、一つのカム部材において、移動領域毎に二つのカム溝を形成したので、最適なカム形状を設定することができる。
【0150】
(2) 付記1に記載のズームレンズ鏡筒において、
上記第1の領域は、撮影時において撮影レンズの焦点距離を変更するために移動させるズーム領域であり、上記第2の領域は、非撮影時において撮影レンズを格納位置に移動させ、又はこの格納位置から撮影状態位置に移動させる沈胴領域である。
したがって、カム曲線が異なるズーム領域と沈胴領域とを別個のカム溝によって形成したので、各カム溝の形状の適正化を図ることができる。
【0151】
(3) 付記2に記載のズームレンズ鏡筒において、
上記カム部材は、撮影レンズの光軸を中心として回動する略円筒形状のカム筒である。
したがって、カム部材をカム筒としたことにより、レンズ鏡筒を小型化・軽量化することができ、よってこれを適用するカメラ等の装置自体の小型化に寄与することができる。
【0152】
(4) 付記3に記載のズームレンズ鏡筒において、
上記第1カムピンは、主に上記ズーム領域で上記第1カム溝と係合し、上記第2カムピンは、主に上記沈胴領域で上記第2カム溝と係合する。
したがって、移動領域別にカムピンとカム溝の組合せを選択できるので、カムピン・カム溝の形状が最適化できる。
【0153】
(5) 付記3に記載のズームレンズ鏡筒において、
上記第1カムピンは、主に上記ズーム領域で上記第1カム溝に係合し、上記第2カムピンは、主に上記沈胴領域で上記第2カム溝に係合し、ズーム領域と沈胴領域の接続部近傍では、第1カムピン及び第2カムピン共に対応するカム溝に係合する。
したがって、2つのカムピンが同時に係合する領域を設けたことによって、レンズ鏡枠の移動が不連続にならない。
【0154】
(6) 付記4又は付記5に記載のズームレンズ鏡筒において、
上記第1カム溝は、上記ズーム領域に対応する第1カム溝ズーム部分と、上記沈胴領域において第1カムピンが隙間を有して通過する通過部分とからなり、
上記第2カム溝は、上記沈胴領域である第2カム溝沈胴部分と、上記ズーム領域において第2カムピンが隙間を有して通過する通過部分とからなる。
したがって、位置決め用のカム溝に連続して位置決めに寄与しない逃げ溝を形成したことにより、外力に対する抵抗力が大きくなり、カム溝とカムピンとが脱落する虞がを抑止することができる。
【0155】
(7) 付記1に記載のズームレンズ鏡筒において、
第1カム溝は、第1領域に対応する鏡枠を光軸方向に移動しない平行カム溝である第1領域部分と、第2領域に対応する第2領域部分からなり、第2カム溝は第2領域に対応する部分が第1カム溝の第1領域部分に連続して形成されている。
したがって、平行カム溝である第1領域部分を共通にしたので、カム溝のスペースを節約することができ、よってズームレンズ鏡筒自体の小型化に寄与することができる。
【0156】
(8) 付記6又は付記7に記載のズームレンズ鏡筒において、
上記第1カムピンと第2カムピンの上記カム溝と係合する部分の形状が互いに異なる。
したがって、カム溝に合わせて最適なカムピンの形状に設定することができるので、高精度にレンズ鏡枠の位置決めを行なうことができる。
【0157】
(9) 付記6に記載のズームレンズ鏡筒において、
上記第1カム溝と第2カム溝は、光軸方向に一定距離だけ離して平行に上記カム部材の円筒面に形成されている。
したがって、二つのカム溝を平行に配置することによって、効率の良い配置とすることができ、よってカム部材の小型化に寄与することができる。
【0158】
(10) 付記6に記載のズームレンズ鏡筒において、
上記カム筒に同カム筒の端部から第1カム溝と第2カム溝に連結する溝が形成されている。
したがって、二つのカムピンをカム筒のカム溝へ案内する挿入用溝を一本にまとめたので、カム筒の円筒面の節約になると共に、組立性を向上させることが容易にできる。
【0159】
(11) 付記6に記載のズームレンズ鏡筒において、
第1カムピンが隙間を有して通過する通過部分、もしくは第2カムピンが隙間を有して通過する通過部分の一部が形成されていない。
したがって、カム筒の光軸方向の長さ寸法を小さくすることができるので、ズームレンズ鏡筒自体の小型化に寄与することが容易にできる。
【0160】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のズームレンズ鏡筒によれば、一つのカム部材において、移動領域毎に二つのカム溝を形成したので、各カム溝及びこれに係合する各カムピンの形状をそれぞれ最適に設定することが容易にできる。
【0161】
本発明の請求項2に記載のズームレンズ鏡筒によれば、カム曲線が異なるズーム領域と沈胴領域とを別個のカム溝によって形成したので、各カム溝の適正化を図ることが容易にできる。
【0162】
本発明の請求項3に記載のズームレンズ鏡筒によれば、カム部材をカム筒としたことによって、ズームレンズ鏡筒自体の小型化・軽量化に寄与することができ、よってこれを適用するカメラ等の装置自体の小型化を容易に実現できる。
【0163】
以上説明したように本発明によれば、カム溝からのカムピンの脱落や、カム溝へのカムピンの食い込み等を防止し、カム溝の寸法精度を確保すると共に、容易に小型化・軽量化及び製造コストの低減化に寄与することのできるズームレンズ鏡筒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のズームレンズ鏡筒が配設されたカメラの構成を簡単に示す側断面図。
【図2】図1のズームレンズ鏡筒の要部を示す縦断面図。
【図3】図1のズームレンズ鏡筒におけるカム筒の展開図。
【図4】図3のカム筒における第1カム溝・第2カム溝のカム曲線に垂直となる面の要部拡大縦断面図であって、図3のM−M線に沿う断面図。
【図5】図3のカム筒における第1カム溝・第2カム溝のカム曲線に垂直となる面の要部拡大縦断面図であって、図3のN−N線に沿う断面図。
【図6】本発明の第1の実施形態のズームレンズ鏡筒の一変形例のカム筒を示し、第1レンズ鏡枠を移動させる第1のカム溝を示すカム筒の展開図。
【図7】図6の一変形例のカム筒において、第2レンズ鏡枠を移動させる第2のカム溝を示すカム筒の展開図。
【図8】本発明の第2の実施形態のズームレンズ鏡筒におけるカム筒の展開図。
【図9】従来のズームレンズ鏡筒において各撮影レンズ群が、(A)は沈胴状態にあるとき、(B)は撮影状態の短焦点(又は広角;ワイド)位置にあるとき、(C)は撮影状態の長焦点(又は望遠;テレ)位置にあるときの概略位置をそれぞれ示す図。
【図10】従来の沈胴式ズームレンズ鏡筒におけるカム筒の展開図。
【図11】従来のズームレンズ鏡筒における一般的な形状のカム筒を示す側面図。
【図12】図11のP−P線に沿う断面図であって、従来の金属製のカム筒を切削加工等により形成した場合のカム溝の形状を示す図。
【図13】図11のP−P線に沿う断面図であって、従来の射出成形品のカム筒をスライド金型で形成した場合のカム溝の形状を示す図。
【図14】図11のP−P線に沿う断面図であって、従来の射出成形品のカム筒をスライド金型で形成した場合のカム溝の形状を示す図。
【図15】図11のカム筒のカム溝の要部を拡大して示す要部拡大図及び図11におけるCC線・DD線・EE線に沿う線の各断面図。
【符号の説明】
4……撮像素子
6……ズームレンズ鏡筒
10……第1レンズ鏡枠
10Ba,40Ba……カムピン
11……第1群レンズ
20……第2レンズ鏡枠
10a,20a,10Aa,20Ba,30Ba……第1カムピン
10b,20b,10Ab,20Bb,30Bb……第2カムピン
21……第2群レンズ
30……第3レンズ鏡枠
31……第3群レンズ
40……第4レンズ鏡枠
41……第4群レンズ
60,60A,60B……カム筒(カム部材)
60a,60c,60Aa,60Ba,60Bc,70a……第1カム溝
60b,60d,60Ab,60Bb,60Bd,70b……第2カム溝
Co……変倍領域
Zu……変倍領域
Claims (3)
- 第1カム溝と第2カム溝が形成されたカム部材と、
上記第1カム溝に係合される第1カムピンと上記第2カム溝に係合される第2カムピンとが設けられたレンズ鏡枠とを備え、
このレンズ鏡枠は、同レンズ鏡枠に設けられた上記第1カムピンが上記第1カム溝内を移動することによって光軸方向への第1の領域を移動し、上記レンズ鏡枠に設けられた上記第2カムピンが上記第2カム溝内を移動することによって光軸方向への第2の領域を移動することを特徴とするズームレンズ鏡筒。 - 上記第1の領域は、撮影時においてズームレンズ鏡筒内の撮影レンズの焦点距離を変更するために移動させる変倍領域であり、上記第2の領域は、非撮影時において撮影レンズを格納位置に移動させ、又はこの格納位置から撮影状態位置に移動させる沈胴領域であることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ鏡筒。
- 上記カム部材は、撮影レンズの光軸を中心として回動する略円筒形状のカム筒であることを特徴とする請求項2に記載のズームレンズ鏡筒。
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1998
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