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JP3808841B2 - 重量検出装置 - Google Patents

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JP3808841B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重量検出装置、詳しくは載置された物品の重量を高精度で検出する重量検出装置に関し、重量検出技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、物品の重量をロードセル等の重量検出器によって検出する重量検出装置は各方面に広範に用いられている。このような重量検出装置において、振動による外乱を排除してさらなる検出精度の向上を目的としたものとして、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載のものがある。
【0003】
まず、特許文献1に記載の重量検出装置では、図5に示すように、重量検出ロードセル(計量用ロードセル)A1及び振動検出ロードセル(ダミー用ロードセル)A2がそれぞれの固定端を介して固定ベース(床)Bに固定されている。そして、重量検出ロードセルA1の自由端に物品Xを載置する載置台Cが連結される一方、振動検出ロードセルA2の自由端に既知重量の分銅Dが取り付けられている。
【0004】
これにより、床の振動に起因して固定ベースBが矢印で示すように振動した場合、重量検出ロードセルA1からは物品Xの重量に床振動成分が重畳された検出信号が出力される一方、振動検出ロードセルA2からは床振動成分に応じた検出信号が出力される。そして、例えば図6に示すように、対象負荷の大小等に応じてセル感度特性が相違するのが通例である重量検出及び振動検出ロードセルA1,A2による検出信号間の演算処理を可能とするため、検出信号に対する補正演算処理が行われる。すなわち、重量検出ロードセルA1による検出信号から所定の補正演算処理が行われた振動検出ロードセルA2による検出信号が減算処理され、つまり、重量検出ロードセルA1による検出信号から装置据付側の振動成分が除去されることとなり、その結果、物品Xの重量に一致した信号のみが得られるようになる。
【0005】
また、特許文献2に記載の重量検出装置では、図7に示すように、重量検出ロードセル(第1のロードセル)A1が固定端を介して床上の固定ベース(基台)Bに固定されている。そして、重量検出ロードセルA1の自由端には振動検出ロードセル(第2のロードセル)A3を介して搬送コンベア(搬送手段)C′が固定されている。この場合、搬送コンベアC′は、振動検出ロードセルA3の自由端に連結されている。
【0006】
これにより、例えば搬送コンベアC′の搬送駆動源である図示しないモータの駆動によって物品Xを載置した搬送コンベアC′が矢印で示すように変位つまり一種の振動が生じた場合、重量検出ロードセルA1からは物品Xの重量にモータ振動成分が重畳された検出信号が出力される一方、振動検出ロードセルA3からはモータ振動成分に応じた検出信号が出力される。そして、前記特許文献1におけると略同様に、特性の相違する重量検出及び振動検出ロードセルA1,A3による検出信号間の演算処理を可能とするため、検出信号に対する補正演算処理が行われる。すなわち、重量検出ロードセルA1による検出信号から所定の補正演算処理が行われた振動検出ロードセルA3による検出信号が減算処理され、つまり、重量検出ロードセルA1による検出信号から物品載置側の振動成分が除去されることとなり、その結果、この場合にも物品Xの重量に一致した信号のみが得られるようになる。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−110261号公報(第4頁及び第5頁、図1)
【特許文献2】
特開平8−136330号公報(第2頁及び第3頁、図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特許文献1及び特許文献2に記載の重量検出装置においてもなお、以下のような問題がある。すなわち、特許文献1に記載の重量検出装置では、載置台Cが特許文献2に記載のような搬送コンベアC′である場合には、該搬送コンベアC′に起因する振動成分が重量検出ロードセルA1の検出信号に重畳されることになるが、この場合の装置は物品載置側の振動成分を除去するための構成要素を欠いているから、その分検出精度が低下することになる。
【0009】
また、特許文献2に記載の重量検出装置では、固定ベースBの振動を考慮する場合、この振動成分が重量検出及び振動検出ロードセルA1,A3の検出信号にそれぞれ重畳されることになるが、この場合の装置は装置据付側の振動成分を除去するための構成要素を欠いているから、前述したと同様にその分検出精度が低下することになる。
【0010】
そこで、本発明は、以上の現状に鑑み、装置据付側及び物品載置側からの振動外乱の影響を除去することにより、検出精度の向上が可能な重量検出装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0012】
まず、請求項1に記載の発明は、物品の重量を検出する重量検出装置に関するもので、一端が固定されると共に他端に物品の重量が負荷されて、該重量を検出する重量検出手段と、該重量検出手段の固定端側に設けられて該固定端側の振動成分を検出する第1振動検出手段と、前記重量検出手段の自由端側に設けられて該自由端側の振動成分を検出する第2振動検出手段と、前記各検出手段による検出信号に基き、重量検出手段の検出信号から前記両振動成分を除去することにより前記物品の重量を算出する重量算出手段とが備えられていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、重量検出手段の固定端側及び自由端側の振動成分を第1及び第2振動検出手段を用いて検出した上で、該重量検出手段の検出信号から両振動成分を除去することにより物品の重量に一致した信号のみが得られるから、物品の重量の検出精度が向上する。
【0014】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の重量検出装置において、前記重量算出手段は、前記第1振動検出手段と第2振動検出手段とによる検出信号に基き、前記重量検出手段の自由端側の振動成分を算出することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、前記請求項1に記載の重量検出装置の構成がさらに具体化される。そして、重量検出手段の固定端側の振動成分と自由端側の振動成分とが共存する場合に、従来実現することができなかった前記自由端側の振動成分の算出が可能となる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の重量検出装置において、前記重量算出手段は、前記各検出信号を補正演算処理することにより重量検出手段の検出信号から前記両振動成分を除去して前記物品の重量を算出することを特徴とする。
【0017】
検出すべき重量レベル或いは振動モード等に応じて、各検出手段の感度等の特性が設定されるのが通例である。この発明によれば、各検出手段にそれぞれ相違する特性を有するものを使用した場合においても、重量算出手段は各検出手段による検出信号間の演算処理を可能とするため、各検出信号を補正演算処理することができる。対象負荷の相違や設置スペース上の制約等の理由から、重量検出手段に比較して第1及び第2振動検出手段は寸法が小型化することがあるが、そのような場合にこの発明は効果的となる。
【0018】
そして、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の重量検出装置において、前記重量算出手段には、前記各検出手段による検出信号がそれぞれ入力されるA/D変換器と、該A/D変換器からの出力信号が入力される演算回路と、該演算回路からの出力信号が入力されるローパスフィルタとが備えられていることを特徴とする。
【0019】
また、請求項5に記載の発明は、同じく前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の重量検出装置において、前記重量算出手段には、前記各検出手段による検出信号がそれぞれ入力されるA/D変換器と、該A/D変換器からの出力信号がそれぞれ入力されるローパスフィルタと、該ローパスフィルタからの出力信号が入力される演算回路とが備えられていることを特徴とする。
【0020】
これらのいずれの発明によっても、重量算出手段の構成がさらに具体化される。特に請求項5に記載の発明によれば、各検出手段による検出信号のサンプリング周期に対して演算回路の能力に問題がある場合においても、ローパスフィルタの配設によって演算回路による演算効率が維持される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る重量検出装置について説明する。
【0022】
図1に示すように、この重量検出装置1は、支持フレーム11の上部に支持された搬送コンベア12と、支持フレーム11に連結されると共に床に立設された固定ベース13に組み付けられた重量検出機構14とを有し、前記搬送コンベア12に載置されて搬送される物品Xの重量が重量検出機構14によって検出されるように構成されている。
【0023】
搬送コンベア12は、一対のサイドフレーム(一方のみ図示)21,21間にに回転自在に支持された前後一対の駆動及び従動ローラ22,23と、両ローラ22,23間に巻き掛けられた無端状ベルト24とを有している。また、支持フレーム11には搬送駆動源としてのモータ25が取り付けられ、かつ、このモータ25の出力軸に同軸に組み付けられた出力プーリと、前記駆動ローラ22に同軸に組み付けられた入力プーリとの間にタイミングベルト26が巻き掛けられており、モータ25の駆動力がタイミングベルト26を介して駆動ローラ22に伝達されるようになっている。
【0024】
重量検出機構14は、3つのロードセル31〜33を有している。まず、重量検出ロードセル31は物品Xの重量を検出するためのもので、その固定端31aは固定ベース13に固定される一方、その自由端31bには支持フレーム11の下端部が連結されている。また、重量検出ロードセル31に比較して寸法の小さい第1振動検出ロードセル32は矢印aで示す床の振動に起因する振動成分を検出するためのもので、その固定端32aは固定ベース13に固定される一方、その自由端32bには既知重量のウエイト部材34が取り付けられている。そして、同様に重量検出ロードセル31に比較して寸法の小さい第2振動検出ロードセル33は矢印bで示すモータ25の駆動に起因する振動成分を検出するためのもので、その固定端33aは支持フレーム11の下端部を介して重量検出ロードセル31の自由端31bに固定される一方、その自由端33bには既知重量のウエイト部材35が取り付けられている。
【0025】
このような構成によると、重量検出ロードセル31の自由端31bには、支持フレーム11、搬送コンベア12、モータ25、物品X、第2振動検出ロードセル33、及びウエイト部材35等の重量と共に、固定ベース13を介した床振動成分及び支持フレーム11を介したモータ振動成分が負荷される。この場合、支持フレーム11、搬送コンベア12、モータ25、第2振動検出ロードセル33、及びウエイト部材35等の重量は既知であるから、重量検出ロードセル31による検出信号におけるこれらの部材の寄与分は容易に排除可能である。したがって、以降の説明を簡潔かつ明快なものとするため、便宜上、重量検出ロードセル31の自由端31bには物品Xの重量、床振動成分、及びモータ振動成分が負荷されると共に、重量検出ロードセル31からはこれに応じた検出信号が出力される、と表現する。
【0026】
また、第1振動検出ロードセル32の自由端32bには、ウエイト部材34の重量と固定ベース13を介した床振動成分とが負荷されるが、この場合にもウエイト部材34の重量は既知であるから、便宜上、第1振動検出ロードセル32の自由端32bには床振動成分が負荷されると共に、第1振動検出ロードセル32からはこれに応じた検出信号が出力される、と表現する。
【0027】
そして、第2振動検出ロードセル33の自由端33bには、ウエイト部材35の重量、固定ベース13を介した床振動成分、及び支持フレーム11を介したモータ振動成分が負荷されるが、この場合にもウエイト部材35の重量は既知であるから、便宜上、第2振動検出ロードセル33の自由端33bには床振動成分とモータ振動成分とが負荷されると共に、第2振動検出ロードセル33からはこれに応じた検出信号が出力される、と表現する。
【0028】
次に、これらのロードセル31〜33によって検出された信号を処理する信号処理回路の一例について説明する。
【0029】
図2に示すように、各ロードセル31〜33にはそれぞれ増幅器41…41が接続されており、該増幅器41…41は入力された各ロードセル31〜33による検出信号を増幅する。また、各増幅器41…41にはそれぞれローパスフィルタ42…42が接続されており、該ローパスフィルタ42…42は入力された検出信号から一定周波数以上の信号を除去する。また、各ローパスフィルタ42…42にはそれぞれA/D変換器43…43が接続されており、該A/D変換器43…43は入力されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。また、各A/D変換器43…43は演算回路44に接続されており、該演算回路44は入力された検出信号について各種演算処理を実行する。そして、演算回路44にはローパスフィルタ45が接続されており、該ローパスフィルタ45は入力された検出信号から一定周波数以上の信号を除去した上で出力する。なお、ローパスフィルタ42…42は、A/D変換器43…43のサンプリング周期に関連して設けたものであり、また、ローパスフィルタ45は、搬送コンベア12に物品Xが載置されたときの衝撃に起因する振動成分を除去するために設けたものである。
【0030】
演算回路44はA/D変換器43…43及びローパスフィルタ45と協働して重量算出手段を構成し、入力された検出信号について所定の補正演算処理を行うことにより重量検出ロードセル31による検出信号から床振動成分とモータ振動成分とを除去するもので、DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)やマイコン等が適用される。
【0031】
ところで、重量検出ロードセル31、第1振動検出ロードセル32、及び第2振動検出ロードセル33においては、一般に、検出対象とする負荷の大小等に応じて特性が相違するように構成されており(図6参照)、これらのロードセル31〜33における入力と出力との関係を示す伝達関数は相違する。そのため、本実施の形態におけるように異なるロードセル31〜33による検出信号間で演算処理を行う場合には、一方のロードセル31〜33の伝達関数を他方のロードセル31〜33の伝達関数に合致させる補正演算処理が必要となる。
【0032】
一例として、図3に示すブロック図に基き、演算回路34が実行する重量検出ロードセル31、第1振動検出ロードセル32、及び第2振動検出ロードセル33の伝達関数G(s),G(s),G(s)を介した検出信号の演算処理について説明する。
【0033】
まず、重量検出ロードセル31と第1振動検出ロードセル32とによる検出信号間の演算処理を行うため、両ロードセル31,32の伝達関数G(s),G(s)を合致させる。この場合、第1振動検出ロードセル32の伝達関数G(s)を重量検出ロードセル31の伝達関数G(s)に合致させるため、図例の式に基いて、前記伝達関数G(s)と伝達関数G(s)との比である新たな伝達関数G(s)を算出する。そして、第1振動検出ロードセル32による検出信号をこの伝達関数G(s)に基いて補正演算処理したのち、重量検出ロードセル31による検出信号からこの補正処理された検出信号を減算処理する。その結果、重量検出ロードセル31による物品Xの重量、床振動成分、及びモータ振動成分に応じた検出信号から、第1振動検出ロードセル32によって検出された床振動成分が除去されると共に、該検出信号は、物品Xの重量とモータ振動成分とに応じた信号となる。
【0034】
一方、第1振動検出ロードセル32と第2振動検出ロードセル33とによる検出信号間の演算処理を行うため、両ロードセル32,33の伝達関数G(s),G(s)を合致させる。この場合、第1振動検出ロードセル32の伝達関数G(s)を第2振動検出ロードセル33の伝達関数G(s)に合致させるため、図例の式に基いて、前記伝達関数G(s)と伝達関数G(s)との比である新たな伝達関数G(s)を算出する。そして、第1振動検出ロードセル32による検出信号をこの伝達関数G(s)に基いて補正演算処理したのち、第2振動検出ロードセル33による検出信号からこの補正処理された検出信号を減算処理する。その結果、第2振動検出ロードセル32による床振動成分とモータ振動成分とに応じた検出信号から、第1振動検出ロードセル32によって検出された床振動成分が除去されると共に、該検出信号は、モータ振動成分のみに応じた信号となる。
【0035】
次いで、重量検出ロードセル31と第2振動検出ロードセル33とによる検出信号間の演算処理を行うため、両ロードセル31,33の伝達関数G(s),G(s)を合致させる。この場合、第2振動検出ロードセル33の伝達関数G(s)を重量検出ロードセル31の伝達関数G(s)に合致させるため、図例の式に基いて、前記伝達関数G(s)と伝達関数G(s)との比である新たな伝達関数G(s)を算出する。そして、第2振動検出ロードセル32の前記減算処理された検出信号をこの伝達関数G(s)に基いて補正演算処理したのち、重量検出ロードセル31の前記減算処理された検出信号からこの補正処理された検出信号を減算処理する。その結果、減算処理されて物品Xの重量とモータ振動成分とに応じた信号とされた重量検出ロードセル31の検出信号から、減算処理されてモータ振動成分に応じた信号とされた第2振動検出ロードセル33の検出信号が除去されて、物品Xの重量のみに応じた検出信号が分離して得られるようになる。
【0036】
そして、前述したように演算処理された重量検出ロードセル31による検出信号は、ローパスフィルタ45に入力されたのち、所定のフィルタリング処理が行われて出力される。
【0037】
このように、重量検出ロードセル31の固定端31a側及び自由端31b側の振動成分、つまり床振動成分及びモータ振動成分を第1及び第2振動検出ロードセル32,33を用いて検出した上で、該重量検出ロードセル31の検出信号から両振動成分を除去することにより物品Xの重量に一致した信号のみが得られるから、物品Xの重量の検出精度が向上する。
【0038】
また、本実施の形態におけるように、前記両振動成分が共存する場合に、従来実現することができなかった自由端31b側の振動成分つまりモータ振動成分の分離・算出が可能となる。
【0039】
また、本実施の形態におけるように、各ロードセル31〜33にそれぞれ相違する特性を有するものを使用した場合においても、各検出信号は適正に補正演算処理される。検出対象の相違や設置スペース上の制約等の理由から、重量検出ロードセル31に比較して第1及び第2振動検出ロードセル32,33は寸法が小型化することがあるが、そのような場合にこの補正演算処理により、物品Xの重量は高精度で検出される。
【0040】
なお、前記実施の形態では、重量検出ロードセル31による検出信号からまず床振動成分を減算処理したのち、次いでモータ振動成分を減算処理したが、床振動成分とモータ振動成分とを予め加算処理しておき、重量検出ロードセル31による検出信号からこの加算処理された検出信号を減算処理するようにしてもよい。
【0041】
すなわち、図4に示すように、第1振動検出ロードセル32による検出信号を伝達関数G(s)に基いて補正演算処理し、重量検出ロードセル31による検出信号から減算処理可能な信号とする。一方、第2振動検出ロードセル33による検出信号を前述したように減算処理したのち、伝達関数G(s)に基いて補正演算処理し、同様に重量検出ロードセル31による検出信号から減算処理可能な信号とする。そして、このように補正処理された第1及び第2振動検出ロードセル32,33の検出信号を加算処理した上で、重量検出ロードセル31による検出信号から加算処理された検出信号を減算処理する。この場合にも、物品Xの重量に一致した信号のみが得られるから、物品Xの重量の検出精度が向上する。
【0042】
また、前記実施の形態では、伝達関数G(s)〜G(s)に基いて各種演算処理を行い、物品Xの重量に一致した信号のみが得られるようにしたが、限定された条件下では、或いは要求される検出精度に応じて、伝達関数G(s)〜G(s)の代わりに定数を用いてもよい。例えば、ローパスフィルタ42…42の配設によって検出信号が比較的低周波数のものとされ、図6に示すように、ロードセル間でセル感度の周波数依存性の差を無視することができる場合には、ロードセルの検出信号を補正演算処理するときの補正比率として伝達関数に代えて定数を用いてもよい。この定数は、各ロードセルの特性に基いて予め設定可能である。
【0043】
そして、前記実施の形態では、演算回路44の直下流にローパスフィルタ45を接続したが、各A/D変換器43…43の直下流にそれぞれローパスフィルタを接続してもよい。これにより、各ロードセル31〜33による検出信号のサンプリング周期に対して演算回路44の能力に問題がある場合においても、該ローパスフィルタの配設によって演算回路44による演算効率が維持される。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、装置据付側及び物品載置側からの振動外乱の影響を除去することにより、検出精度の向上が可能な重量検出装置が提供される。すなわち、本発明は、載置された物品の重量を高精度で検出する重量検出装置に関し、重量検出技術の分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る重量検出装置の概略側面図である。
【図2】 信号処理回路の一例を示すブロック図である。
【図3】 物品の重量を算出する手順を説明するためのブロック図である。
【図4】 物品の重量を算出する別なる手順を説明するためのブロック図である。
【図5】 従来の重量検出装置の模式的な側面図である。
【図6】 各ロードセルの感度の周波数特性を示す図である。
【図7】 従来の別なる重量検出装置の模式的な側面図である。
【符号の説明】
1 重量検出装置
31 重量検出ロードセル(重量検出手段)
32 第1振動検出ロードセル(第1振動検出手段)
33 第2振動検出ロードセル(第2振動検出手段)
43 A/D変換器(重量算出手段)
44 演算回路(重量算出手段)
45 ローパスフィルタ(重量算出手段)
X 物品

Claims (5)

  1. 物品の重量を検出する重量検出装置であって、一端が固定されると共に他端に物品の重量が負荷されて、該重量を検出する重量検出手段と、該重量検出手段の固定端側に設けられて該固定端側の振動成分を検出する第1振動検出手段と、前記重量検出手段の自由端側に設けられて該自由端側の振動成分を検出する第2振動検出手段と、前記各検出手段による検出信号に基き、重量検出手段の検出信号から前記両振動成分を除去することにより前記物品の重量を算出する重量算出手段とが備えられていることを特徴とする重量検出装置。
  2. 前記重量算出手段は、前記第1振動検出手段と第2振動検出手段とによる検出信号に基き、前記重量検出手段の自由端側の振動成分を算出することを特徴とする請求項1に記載の重量検出装置。
  3. 前記重量算出手段は、前記各検出信号を補正演算処理することにより重量検出手段の検出信号から前記両振動成分を除去して前記物品の重量を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の重量検出装置。
  4. 前記重量算出手段には、前記各検出手段による検出信号がそれぞれ入力されるA/D変換器と、該A/D変換器からの出力信号が入力される演算回路と、該演算回路からの出力信号が入力されるローパスフィルタとが備えられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の重量検出装置。
  5. 前記重量算出手段には、前記各検出手段による検出信号がそれぞれ入力されるA/D変換器と、該A/D変換器からの出力信号がそれぞれ入力されるローパスフィルタと、該ローパスフィルタからの出力信号が入力される演算回路とが備えられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の重量検出装置。
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