JP3806540B2 - ラミネート外装体を用いた薄型電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄型電池の製造方法に関し、特に金属層と樹脂層からなるラミネート外装体を備えた薄型電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属層と樹脂層とからなるラミネート外装体を用いた薄型電池は、このラミネート外装体内に発電要素を挿入し、電解液を充填して、ラミネート外装体の周縁を熱溶着で封止することにより製造される。ラミネート外装体は、その外周封止部を加圧して加熱すると、外周封止部分において、積層されたラミネート外装体の内面に位置する樹脂層同士が溶融して溶着され、封止することが可能となる。
【0003】
しかしながら、プレポリマー等を注入し、重合によりゲル状電解質とする場合には、ラミネート外装体の外周封止部分には、ゲル状電解質等が付着しており、熱溶着でも確実に封止できないことがある。
【0004】
即ち、ラミネート外装体の外周封止部分にゲル状電解質が付着していると、熱溶着時、このゲル状電解質を十分に除去することはできずに、外周封止部分の溶着面にゲル状電解質を挟んだまま封止することになり、この部分は溶着することができず、その結果、封止できていない個所が存在することになる。
【0005】
また、ラミネート外装体を作製する際に、1枚のラミネート体の一端部の内面樹脂層と他端部の外面樹脂層とを積層し溶着した場合、ラミネート外装体の未封止部分の開口端部の一部には、前記積層された溶着部分が存在することになる。そして、注入の後にローラー等でその開口端部全体を加圧しても、前記積層された溶着部分と、その他の部分ではラミネート外装体の厚みが異なり、この厚みの相違による段差が生じるため、ローラー等で全てのゲル状電解質を絞り出して除去することはできない。
【0006】
以上のように、従来の薄型電池の製造方法では、封止部分を確実に溶着することができず、封止部分から電池外部の水分等が電池内部に侵入することにより、電池の保存特性が劣化するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を鑑み、薄型電池の封止部分を確実に溶着することにより、電池の保存特性が向上する薄型電池の製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のラミネート外装体を用いた薄型電池の製造方法は、金属層と樹脂層からなるラミネート体の両端部近傍を積層して樹脂層同士を溶着して、発電要素を収納する空間を有するラミネート外装体を構成する工程と、前記ラミネート外装体に発電要素を収容した後、ラミネート外装体の一方端開口部に発電要素の正負極集電端子を挟み込んで、溶着により封止する工程と、前記ラミネート外装体の他方端開口部からプレポリマーと溶媒と電解質からなる混合物を注入する工程と、前記ラミネート外装体の他方端開口部の少なくとも一部分にガス排出口を形成し、それ以外の部分を溶着により封止する工程と、前記混合物を重合させる工程と、前記発電要素を充放電して、発生したガスを前記ガス排出口から排出する工程と、前記ガス排出口の封止面に付着する付着物を除去する工程と、前記ガス排出口を溶着により封止する工程とを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記本発明の製造方法では、プレポリマーと溶媒と電解質からなる混合物を注入した後、ラミネート外装体の他方端開口部の少なくとも一部分にガス排出口を形成する。
【0010】
上記混合物は、重合前では比較的流動性があるので、たとえ、ラミネート外装体の他方端開口部の封止面に付着していたとしても、溶着時の加圧力によって、この混合物を絞り出すことが可能である。
【0011】
しかしながら、この混合物が重合してゲル状電解質となった場合、封止面にはゲル状電解質が強固に付着することになり、溶着時の加圧力だけでは、このゲル状電解質を十分に除去することはできない。
【0012】
したがって、本発明の製造方法は、上記混合物を注入した後、この混合物を重合する前にラミネート外装体の他方端開口部の少なくとも一部分にガス排出口を設けて、それ以外の他方端開口部の個所を溶着することによって、その部分を確実に封止することができる。
【0013】
そして、上記混合物を重合し、発電要素を充放電して、発生したガスをガス排出口から排出した後、ガス排出口に付着しているゲル状電解質をローラー等で絞り出して除去することにより、ガス排出口の溶着が確実に行える。
【0014】
ここで、ラミネート外装体の他方端開口部は、少なくとも一部分をガス排出口として、溶着せずに残している。
【0015】
この理由は、発電要素を初回充放電した時に、電極と溶媒との反応により大量のガスを発生するので、この発生したガスを電池外部に放出する必要があるからである。
【0016】
このガス排出口がなければ、僅かな電池内圧の上昇によって変形するようなラミネート外装体を用いた薄型電池では、電池内部で発生したガスによって電池自体が膨れエネルギー密度が低下すると共に、本来の電池性能を発揮できなくなるという問題を生じるからである。。
【0017】
したがって、本発明は初回に発生するガスを排出するために、敢えて、ガス排出口をラミネート外装体の他方端開口部の少なくとも一部分に設けているのである。
【0018】
なお、上記説明では、混合物を重合させた後、発電要素を充放電しているが、発電要素を充放電して、ガスを排出した後、混合物を重合しても同様の効果を得ることができる。
【0019】
そして、ガス排出口に付着している付着物(ゲル状電解質)を除去する工程により、ガス排出口の溶着を確実に行えるものである。
【0020】
また、請求項2の本発明では、ガス排出口全体は、前記ラミネート外装体の両端部を積層した溶着部分が位置する以外の部分、あるいは、前記ラミネート外装体の両端部を積層した溶着部分が位置する部分に設けているので、このガス排出口の封止面全体には、段差がなく、ローラー等でより確実に付着物を除去することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図5に基づいて、以下に説明する。
【0022】
図1は本発明の製造方法により作製した薄型電池の正面図、図2は図1のA−A線矢視部分断面図、図3は本発明の実施の形態に係る薄型電池に用いるラミネート外装体の断面の模式図、図4は本発明の実施の形態に係る薄型電池のガス排出口形成時の状態を示す説明図、図5は本発明の実施の形態に係る薄型電池の除去工程と封止工程を示す説明図である。
【0023】
本発明の製造方法により作製した薄型電池は、正極と、負極と、正負極間を離間するポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを介した発電要素6と、金属層の両側に樹脂層を備えたラミネート外装体1とからなる。図2に示すように、外装体1からなる収納空間に発電要素6を配置しており、この収納空間は、図1に示すように、外装体の上下端と中央部とをそれぞれ封止部2a、2b、2cで封口することにより形成されている。なお、封止部2bは、ラミネート体の一端部内面の樹脂層と他端部内面の樹脂層とを積層して熱溶着し、この溶着部分を折り返すことによってラミネート外装体表面に重なり合わせ、外装体の中央部にこの溶着部分を位置させている。
【0024】
さらに、正極は正極集電端子3に、負極は負極集電端子4にそれぞれ接続され、電池内部で生じた化学エネルギーを電気エネルギーとして外部へ取り出し得るようになっており、封止部2aに挟まれて溶着している。ここで、各集電端子を単に封止部2aで挟んで溶着するだけでは、確実に集電端子の回りを溶着できないので、各集電端子には予め変性ポリプロピレン5を付着させておき、この変性ポリプロピレン5を介して溶着させることにより、強固に溶着できる。
【0025】
また、金属層の両側に樹脂層を備えたラミネート外装体の具体的な構造は、図3に示すようにポリプロピレン層1a(約40μm)、変性ポリプロピレン層1b(約2μm)、アルミニウム層1c(約30μm)、ウレタン系接着剤層1d(約2μm)、ナイロン層1e(約25μm)、ウレタン系接着剤層1f(約2μm)、ポリエチレンテレフタレート層1g(約12μm)を順次積層してなる7層構造である。
【0026】
上記構造の薄型電池を、以下のようにして作製した。
【0027】
先ず、正極活物質としてのLiCoO2と、導電剤としてのアセチレンブラック及びグラファイトと、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で、90:2:3:5の割合で混合して正極合剤とし、この正極合剤をアルミニウムからなる集電体の両面に塗布し、乾燥、圧延して正極を作製した。
【0028】
負極活物質としての天然黒鉛と、結着剤としてのPVdFとを重量比で、90:10の割合で混合して負極合剤とし、この負極合剤を銅からなる集電体の両面に塗付し、乾燥、圧延して負極を作製した。
【0029】
上記正極、負極にそれぞれ正極集電端子3及び負極集電端子4を取り付けた後、正負極をポリエチレン製微多孔膜のセパレータを介して渦巻状に巻回し、上下から圧延することにより、断面楕円形状の発電要素6を作製した。
【0030】
次いで、図4に示すようにラミネート体の一端部内面の樹脂層と他端部内面の樹脂層とを積層して熱溶着し、この溶着部分を折り返すことによってラミネート外装体表面に重なり合わせ、外装体の中央部にこの溶着部分を位置させて、筒状のラミネート外装体を作製した。この封止幅は10mmとし、この封止個所を封止部2bとする。
【0031】
このラミネート外装体1に前記発電要素6を収納し、ラミネート外装体の一方端開口部から正極集電端子3及び負極集電端子4が突出するように配置し、溶着した。この封止部を封止部2aとする。尚、この封止幅は5mmとする。また、各集電端子が封止部2aで挟まれる個所には、予め変性ポリプロピレンを付着させ、この部分における溶着力を強化させた。
【0032】
次いで、ラミネート外装体の他方端開口部から、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とが体積比3:7の割合で混合された混合溶媒に、混合電解質としてLiPF6とLiN(C2F5SO2)2とがモル比5:95の割合で溶解された電解液と、プレポリマーとしてのポリエチレングリコールジアクリレートとが体積比7:1の割合で混合された混合物に、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリルを2000ppm混入したプレポリマー組成物を注入した。
【0033】
なお、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを添加しているが、重合開始剤なしで重合できるプレポリマーを用いれば、特に重合開始剤は必要ない。
【0034】
そして、ラミネート外装体の他方端開口部の端から10mmを溶着せずに残してガス排出口7aとし、残りの個所を溶着して封止する。なお、このガス排出口7a全体は、ラミネート外装体の両端部を積層した溶着部分が位置する以外の部分に存在している。
【0035】
次いで、ラミネート外装体内に注入したプレポリマー組成物に熱を加えることにより、重合させ、ゲル状電解質とした。
【0036】
次いで、ラミネート外装体内の発電要素を充放電し、発生するガスをガス排出口から排出した。
【0037】
そして、図5に示すように、ガス排出口7aに付着しているゲル状電解質をローラー8で絞り出し、ガス排出口7aの封止を熱溶着装置9により溶着して封止し、完成電池とした。
【0038】
ここで、筒状にラミネート外装体を形成する方法としては、ラミネート外装体の一端部内面の樹脂層と他端部内面の樹脂層とを積層して熱溶着し、この溶着部分を折り返すことによってラミネート外装体表面に重なり合わせる他に、ラミネート外装体の一端部内面の樹脂層と他端部外面の樹脂層とを重なり合わせて積層して熱溶着することも可能である。
【0039】
加えて、発電要素としては、上記渦巻電極体に限定するものではなく、スタック構造の発電要素を用いることも可能である。
【0040】
また、ラミネート外装体の構造としては、上記の7層構造に限定されるものではない。
【0041】
さらに、プレポリマーとしては、ポリエチレングリコールジアクリレートの他、アクリル系の高分子を用いることができる。
【0042】
さらに、重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリルの他、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルエキサノエート等のパーオキシエステル類が用いられる。
【0043】
さらに、上記プレポリマー組成物に重合調整剤を添加することもできる。重合調整剤とは、プレポリマーに熱をかけて重合させる工程までに、先に重合してしまわないように、重合するまでの時間を調整できるものであり、重合調整剤の量により、その時間を適宜調整することが可能となる。プレポリマーを重合させるまでの時間を重合調整剤により決定できるので、製造工程上非常に有効である。この重合調整剤としては、ポリマーラジカルによって水素が引き抜かれることによってポリマーラジカルを安定なポリマーにして、自身は安定なラジカルになる化合物、例えば、α−メチルスチレンダイマー等が用いられる。
【0044】
さらに、正極材料としては、上記LiCoO2の他、LiNiO2、LiMn2O4等が用いられ、負極材料としては、上記天然黒鉛の他、コークス、炭素繊維などが用いられる。
【0045】
さらに、電解質塩としては、上記に限定するものではなく、LiN(CF3SO2)2、LiClO4、LiBF4等を用いることができ、溶媒としては、上記EC、DECの他、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を用いることができる。
【0046】
【実施例】
[実施例1]
実施の形態で示した方法により作製した電池を用いた。このようにして作製した電池を、以下、本発明電池A1とする。
【0047】
[実施例2]
実施例1において、ラミネート外装体の他方端開口部において、端から5mmをガス排出口として残し、残りの未封止個所を熱溶着により封止する以外は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を、以下、本発明電池A2とする。
【0048】
[実施例3]
図6に示すような筒状ラミネート外装体を用い、ラミネート外装体の他方端開口部全体をガス排出口7bとする以外は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を、以下、本発明電池A3とする。
【0049】
ここで、上記筒状ラミネート外装体を作製するに際し、1枚のラミネート体の一端部の内面樹脂層と他端部の内面樹脂層とを積層して熱溶着し、前記溶着部分をラミネート外装体の一端部(一辺)に位置させ、この溶着部分を封止部2dとした。
【0050】
[比較例1]
ガス排出口の封止面に付着したゲル状電解質を除去することなく、ガス排出口を溶着により封止すること以外は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を、以下、比較電池X1とする。
【0051】
[比較例2]
ガス排出口の封止面に付着したゲル状電解質を除去することなく、ガス排出口を溶着により封止すること以外は、上記実施例3と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を、以下、比較電池X2とする。
【0052】
[比較例3]
プレポリマー組成物を注入後、ガス排出口を形成せずに、ラミネート外装体の他方端開口部全体を溶着して封止し、混合物を重合後、発電要素を充放電すること以外は、上記実施例1と同様にして電池を作製した。このようにして作製した電池を、以下、比較電池X3とする。
【0053】
[実験]
上記本発明電池A1〜A3及び比較電池X1〜X2において、ラミネート外装体の他方端開口部の溶着による封止不良発生率、各電池の保存特性を調べたので、それらの結果を表1に示す。
【0054】
なお、封止不良発生率とは、各電池300個作製し、ラミネート外装体の他方端開口部を溶着して封止した封止部の厚みを測定し、基準値以上の厚みのものは、溶着面に異物(ゲル状電解質等)が挟まれているものとし、封止不良と判断して、その割合を計算したものである。
【0055】
また、保存条件は、各電池の保存前に、500mAの定電流で充電し、電池電圧が4.1Vに達すると、4.1Vの定電圧充電をし、電流値が25mAになると充電を終了するといった充電を行った後、500mAの電流で電池電圧が2.75Vに達するまで放電した時の放電容量を「保存前の放電容量」とし、次いで、上記と同様の充電条件で電池を満充電状態にした後、温度60℃、湿度90%の状態下に電池を20日間保存し、保存後、一旦、上記と同様の放電条件で放電した後、再度上記と同様の条件で充放電したときの放電容量を、「保存後の放電容量」としたときの、比率[(保存後の放電容量/保存前の放電容量)×100]を容量回復率として表した。
【0056】
【表1】
表1から明らかなように、本発明電池A1〜A3は、それぞれラミネート外装体の他方端部開口部に設けたガス排出口に付着した付着物(ゲル状電解質等)を除去する工程を備えているので、比較電池X1、X2に比べて封止不良発生率が0.3%〜1.7%と非常に低いことが分かる。
【0057】
この理由は、本発明電池A1〜A3は、ガス排出口に付着している付着物を除去する工程を設けているので、確実に封止面の付着物を除去できているからである。これに対して、比較電池X1、X2は付着物を除去する工程がないので、封止面に存在するゲル状電解質により、溶着面の厚みが異常に厚くなり、封止不良と判断されたと考えられる。
【0058】
さらに、本発明電池A1〜A3に設けられているガス排出口全体が、ラミネート外装体の両端部を積層した溶着部分が位置する以外の部分、あるいは、前記ラミネート外装体の両端部を積層した溶着部分が位置する部分に存在しているので、ガス排出口全体の封止面が平面になるので、ローラー等の除去工程により、簡単に付着物を絞り出すことが可能となる。
【0059】
又、本発明電池A1〜A3では、高温高湿状態での保存後も87.2%〜88.5%と高い容量回復率を示しているのに対して、比較電池X1、X2では、67.8%、66.3%と容量回復率が低いことが認められる。
【0060】
この理由は、本発明電池A1〜A3では、ラミネート外装体の他方端開口部に付着した付着物を十分に除去できているために、封止部の溶着が確実にでき、電池外部からの水分などの侵入を抑制することができていると考えられる。
【0061】
これに対して、比較電池X1、X2は、付着物の除去工程がなく、ラミネート外装体の他方端開口部に付着物が存在することにより、溶着が十分にできず、電池外部から水分などが侵入して容量回復率を低下させたと考えられる。
【0062】
(その他の事項)
本発明電池A1〜A3、比較電池X1〜X3において、完成後の各電池の厚みを調べた。この結果、比較電池X3は、本発明電池A1〜A3、比較電池X1、X2に比べて、電池の厚みが10%以上も厚くなっていることが分かった。
【0063】
これは、比較電池X3は、プレポリマー組成物を注液後、ガス排出口を設けることなく、ラミネート外装体の他方端開口部を全て溶着して封止しているので、発電要素の充放電により電池内部に大量のガスが発生したにもかかわらず、このガスを電池外部に排出することができないために、電池厚みが他の電池よりも10%以上も膨れたと考えられる。
【0064】
比較電池X3のように10%以上も電池が膨れてしまうと、ケースに収納できなくなると共に、エネルギー密度が低下し、さらに電池特性も低下するという悪影響を及ぼす。
【0065】
したがって、本発明電池A1〜A3のように、初回の充放電によって発生するガスを排出するガス排出口を、ラミネート外装体の他方端開口部に設けることによって、電池の膨れを防止することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、封止不良を飛躍的に改善することができるので、その結果、電池の保存特性(容量回復率)が非常に向上でき、また、電池の膨れを防止するという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により作製した薄型電池の正面図
【図2】図1のA−A線矢視部分断面図
【図3】本発明の実施の形態に係る薄型電池に用いるラミネート外装体の断面の模式図
【図4】本発明の実施の形態に係る薄型電池のガス排出口形成時の状態を示す説明図
【図5】本発明の実施の形態に係る薄型電池の除去工程と封止工程を示す説明図
【図6】本発明他の実施の形態に係る薄型電池のガス排出口形成時の状態を示す説明図
【符号の説明】
1:ラミネート外装体
2a、2b、2c:封止部
3:正極集電端子
4:負極集電端子
5:変性ポリプロピレン
6:発電要素
7a、7b、7c:ガス排出口
Claims (2)
- 金属層と樹脂層からなるラミネート体の両端部近傍を積層して樹脂層同士を溶着し、発電要素を収納する空間を有するラミネート外装体を構成する工程と、
前記ラミネート外装体に発電要素を収容した後、ラミネート外装体の一方端開口部に発電要素の正負極集電端子を挟み込んで、溶着により封止する工程と、
前記ラミネート外装体の他方端開口部からプレポリマーと溶媒と電解質からなる混合物を注入する工程と、
前記ラミネート外装体の他方端開口部の少なくとも一部分にガス排出口を形成し、それ以外の部分を溶着により封止する工程と、
前記混合物を重合させる工程と、
前記発電要素を充放電して、発生したガスを前記ガス排出口から排出する工程と、
前記ガス排出口の封止面に付着する付着物を除去する工程と、
前記ガス排出口を溶着により封止する工程とを備えた、
ことを特徴とするラミネート外装体を用いた薄型電池の製造方法。 - 前記ガス排出口全体は、前記ラミネート外装体の両端部を積層した溶着部分が位置する以外の部分、あるいは、前記ラミネート外装体の両端部を積層した溶着部分が位置する部分に存在することを特徴とする請求項1記載のラミネート外装体を用いた薄型電池の製造方法。
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1999
- 1999-03-30 JP JP08926599A patent/JP3806540B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN104106174A (zh) * | 2012-02-13 | 2014-10-15 | 日产自动车株式会社 | 电池按压装置和电池按压方法 |
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