JP3893919B2 - 流体加熱用の誘導加熱ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は流体加熱用の誘導加熱ユニットに関し、断面形状が長方形状であっても、加熱温度分布を均一化することができるように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】
誘導加熱の原理は、図6に示すように、誘導コイル(誘導子)1に交流電流iaを流すことにより発生する交番磁束Φが、誘導コイル1の近傍におかれた加熱ワーク(導電性材料)2中を通過することにより誘導電流(渦電流)ieを流し、これによりジュール熱が発生することにより加熱が行われる。誘導加熱は温度制御時の応答性が良く、加熱効率も非常に優れた特長を有している。誘導加熱技術の応用例としては、溶解炉や溶接やろう付けをはじめとする金属材料の熱加工装置などが主流である。
【0003】
一方、このような誘導加熱を利用して気体や液体などを加熱する場合には、図6の加熱ワークを熱交換体として、加熱対象物である流体を二次的に加熱する方法が一般的である。
【0004】
ところで、気体を加熱する場合には、加熱対象が金属材料のような直接加熱とは異なり、加熱ワークからの熱伝達による間接加熱であることから、効率良く加熱するためには加熱ワークと気体の接触面積を多くする必要がある。
【0005】
図7は誘導加熱を用いて気体を加熱する、流体加熱用の誘導加熱ユニットの概略図である。この誘導加熱ユニットでは、直径1mm〜2mm、肉厚0.05mm〜0.1mmの導電性金属の微細管を多数束ねた微細管集合体3を、断熱・耐熱性のあるセラミック製のヒータケース4に納め、ヒータケース4の外周に誘導コイル5を巻いて構成している。この誘導加熱ユニットでは、誘導コイル5に高周波電流(20〜50kHz)を流すと微細管集合体3が瞬時に加熱され、このとき微細管集合体3を通る気体が管内面からの熱伝達により加熱される。このときの微細管集合体3の材質は磁性体が好ましいが、周波数が400kHz以上においては非磁性体でも加熱は可能である。
【0006】
なお、誘導加熱ユニットの具体的な形状としては、図8に示すような断面円形状としたり、図9及び図10に示すような断面長方形状としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示すような断面円形状の誘導加熱ユニットの場合、その断面における微細管集合体(加熱体)3の熱分布は、中心部が最も高くなり(つまり熱集中部Hが中心部にあり)、中心部から周辺部に向かうに従い低くなる。流体加熱の場合、このような熱分布の不均一があっても、管内における気体流体の攪拌作用および熱の拡散作用によって気体そのものはほぼ均一方向に向かう。
【0008】
一方、図9及び図10に示すような断面長方形状の誘導加熱ユニットの場合、熱集中部Hは、両端部に位置し、加熱による熱分布はその両端部において集中的に高くなり、中央部ではほとんど加熱が行われない。つまり、断面形状が長方形となっている筒形のヒータケース4の外周に誘導コイル5を外周巻きした誘導加熱ユニットでは、幅方向に関して加熱温度分布が不均一となる。この場合、ユニット内での攪拌作用や拡散作用では追いつかず、幅方向に均一な流体の加熱は不可能である。
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑み、断面形状が長方形状であっても加熱温度分布を均一化することができる誘導加熱ユニットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の構成は、断面形状が長方形状である筒状のヒータケースと、前記ヒータケース内に備えられており、軸方向が前記ヒータケースの軸方向に向いた状態で配置された多数の導電性の管と、前記ヒータケースの外周側の上面と下面に配置された誘導コイルとでなる流体加熱用の誘導加熱ユニットにおいて、前記誘導コイルは、渦状に巻いた複数の渦巻コイルを直列接続して形成された第1の誘導コイルと、渦状に巻いた複数の渦巻コイルを直列接続して形成された第2の誘導コイルとでなり、第1の誘導コイルの渦巻コイルを前記上面及び前記下面の幅方向に沿う両端側に、第2の誘導コイルの渦巻コイルを前記上面及び前記下面の幅方向に沿う中央側に配置し、しかも第1の誘導コイルに流す交流電流の電流値を第2の誘導コイルに流す交流電流の電流値よりも大きくすることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
図1及び図2は本発明の実施の形態にかかる、流体加熱用の誘導加熱ユニット10を示す。この誘導加熱ユニット10のヒータケース11は、断熱・耐熱性のある材料(例えばセラミック)により形成されており、断面形状が長方形状の筒体となっている。ここにおいて、「断面形状が長方形状」とは、筒状のヒータケース11の軸方向に対して直角に切断した断面形状が長方形状になっていることを意味する。
【0015】
ヒータケース11の内部空間には、多数本の微細管12が備えられている。微細管12は導電性金属で形成されており、その軸方向が、ヒータケース11の軸方向に向いた状態で配置されている。このように、ヒータケース11の内部空間を充填するように、多数本の微細管12が緊密に配置されている。加熱対象である気体は、多数の微細管12の内部空間や、隣接する微細管12の間の隙間や、微細管12とヒータケース11の間の空間を流通していくことができる。
【0016】
誘導コイル13は、ヒータケース11の外周側の上面と下面に配置されている。この誘導コイル13は、渦状に巻いた複数の渦巻コイル13a〜13hを直列接続して形成されている。この場合、渦巻コイル13a〜13hの巻方向は、隣接するもの同志が逆になるように配置してある。そして、上面側の渦巻コイル13a〜13eと、下面側の渦巻コイル13f〜13hのうち、上下で対応する渦巻コイルの巻方向が逆になっている。図3は、このような誘導コイル13を抽出して示すものである。
【0017】
このような構成となっている誘導加熱ユニット10の誘導コイル13に交流電流iaを流すと、直列接続された各渦巻コイル13a〜13hに電流値が等しい交流電流iaが流れ、各渦巻コイル13a〜13hから同一強度の磁束が発生する。したがって、幅方向に広がったヒータケース11の内部空間の各部分(渦巻コイルを配置した部分)にて磁束が略均一に発生し、この磁束が微細管12を通過し、渦電流により微細管12が全体的に均一に加熱される。つまり、各渦巻コイル13a〜13hが分担してその近くの微細管12を加熱するため、多数の微細管12は、全体的に均一に一括加熱されることになる。
【0018】
しかも、渦巻コイル13a〜13hの巻方向(電流の流れ方向に沿って辿ったときにできる渦の巻方向)は、隣接するもの同志が逆になるように配置してあり、しかも、上面側の渦巻コイル13a〜13dと、下面側の渦巻コイル13e〜13hのうち、上下で対応する渦巻コイルの巻方向が逆になっている。したがって、磁束状態を示す図4に示すように、渦巻コイル13a〜13hのうち隣接するものから発生する磁束が打ち消し合うことなく協調して流れて磁束のループを形成する。このため、大きな磁束が維持され、微細管12を効果的に加熱することができる。
【0019】
このようにして加熱された微細管12に気体を流通させることにより、気体の加熱をすることができる。
【0020】
図5は誘導コイルの他の例を示す。この誘導コイルは、4つの渦巻コイル13A−1〜13A−4を直列接続した第1の誘導コイルと、4つの渦巻コイル13B−1〜13B−4を直列接続した第2の誘導コイルとでなる。そして、第1の誘導コイルの渦巻コイル13A−1〜13A−4は両端側に配置され、第2の誘導コイルの渦巻コイル13B−1〜13B−4は中央側に配置されている。そして、第1の誘導コイルには交流電流ia−Aを流し、第2の誘導コイルには交流電流ia−Bを流している。しかも、隣接する渦巻コイルの巻方向を逆にしている。
【0021】
幅方向に長い誘導加熱ユニットでは、両端での放熱が大きいため、両端側に配置された渦巻コイル13A−1〜13A−4でなる第1の誘導コイルに流す交流電流ia−Aの電流値を、中央側に配置された渦巻コイル13B−1〜13B−4でなる第2の誘導コイルに流す交流電流ia−Bよりも大きくすることにより、誘導加熱ユニットでの温度分布をより均一に保つことが可能となる。
【0022】
なお、上述した実施の形態により液体の加熱を行うこともできる。
【0023】
【発明の効果】
以上、実施の形態と共に具体的に説明したように、本発明にかかる流体加熱用の誘導加熱ユニットは、複数の渦巻コイルを分割して設置するようにしているため、各渦巻コイルがその近傍の微細パイプを分担して加熱するため、断面形状が長方形状のヒータケース内に配置した管の全体の温度を均一に一括加熱することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる誘導加熱コイルを示す斜視図。
【図2】本発明の実施の形態にかかる誘導加熱コイルを示す正面図。
【図3】誘導コイルを示す説明図。
【図4】本発明の実施の形態にかかる誘導加熱コイルを、磁束状態と共に示す正面図。
【図5】誘導コイルの他の例を示す説明図。
【図6】誘導加熱の原理を示す説明図。
【図7】従来の誘導加熱ユニットの概要を示す分解斜視図。
【図8】従来の円形状の誘導加熱ユニットを示す断面図。
【図9】従来の長方形状の誘導加熱ユニットを示す断面図。
【図10】従来の長方形状の誘導加熱ユニットを示す斜視図。
【符号の説明】
10 誘導加熱ユニット
11 ヒータケース
12 微細管
13 誘導コイル
13a〜13h 渦巻コイル
13A−1〜13A−4,13B−1〜13B−4 渦巻コイル
ia,ia−A,ia−B 交流電流
Claims (1)
- 断面形状が長方形状である筒状のヒータケースと、
前記ヒータケース内に備えられており、軸方向が前記ヒータケースの軸方向に向いた状態で配置された多数の導電性の管と、
前記ヒータケースの外周側の上面と下面に配置された誘導コイルとでなる流体加熱用の誘導加熱ユニットにおいて、
前記誘導コイルは、渦状に巻いた複数の渦巻コイルを直列接続して形成された第1の誘導コイルと、渦状に巻いた複数の渦巻コイルを直列接続して形成された第2の誘導コイルとでなり、第1の誘導コイルの渦巻コイルを前記上面及び前記下面の幅方向に沿う両端側に、第2の誘導コイルの渦巻コイルを前記上面及び前記下面の幅方向に沿う中央側に配置し、しかも第1の誘導コイルに流す交流電流の電流値を第2の誘導コイルに流す交流電流の電流値よりも大きくすることを特徴とする流体加熱用の誘導加熱ユニット。
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