JP3892578B2 - ウエハ搬送装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、複数枚のウエハが収容された石英ボートを吊支した状態で、上記石英ボートとともにウエハを高温加熱炉まで搬送する装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
通常、半導体チップは、シリコンなどのウエハの表面に様々な工程を経て複数の回路素子を形成した後に、ウエハを各回路素子毎に分割することによって形成される。上記した工程としては、ウエハ表面に酸化膜を形成する工程、レジストを形成するためのフォトリソ工程、不純物の拡散工程、あるいは電極形成工程などがある。これらの各工程は、それぞれ所定の装置を用いて行われるが、各装置間におけるウエハの移動は、金属製などのカセット内に複数枚のウエハが収容された状態で行われる。
【0003】
周知の通り、拡散工程は、ウエハの表面から内部に不純物を拡散させ、不純物が拡散させられた領域をP型、あるいはN型とする工程である。拡散速度は、高温ほど大きいことから、不純物をウエハの内部に良好に拡散させるためには、数百度から千度程度(不純物の種類などによっても異なる)の高温の状態で行わなければならない。一方、ウエハの酸化膜の表面に何らかの金属、たとえばナトリウムなどが付着している場合には、高温の拡散工程においては付着物が酸化膜内に取り込まれてしまうといった不具合が生じる。このような不具合を回避するために、不純物の拡散は、石英などによって形成された高温拡散炉内において行われている。また、金属製などのカセットでは、ウエハにナトリウムなどが付着して拡散してしまうことが懸念されるため、石英などのボートにウエハを移載し、石英ボートとともにウエハを高温拡散炉内に搬入することによって拡散処理が行われている。
【0004】
ところで、複数枚のウエハが収容された石英ボートは、図8に示すようなウエハ搬送装置によって高温拡散炉の近傍まで搬送される。上記ウエハ搬送装置1は、装置本体10からY軸方向に突出する長手状とされているとともにX軸方向およびZ軸方向に移動可能とされたエレベーションアーム2と、このエレベーションアーム2の長手方向に一定距離隔ててそれぞれ連結される一対のハンド3,4と、を備えている。これらのハンド3,4は、上記エレベーションアーム2からX軸方向に突出するようにしてそれぞれ連結されており、その先端部には石英製の保持部30,40がそれぞれ設けられている。これらの保持部30,40の上面には、X軸方向に延びるとともに下方に凹入した溝部31,41が形成されている。すなわち、これらの溝部31,41に上記石英ボート5の設けられた把手50を保持して上記石英ボート5を上記各ハンド3,5間に橋渡すような恰好とし、この状態において上記石英ボート5が搬送される。
【0005】
上述したように、上記石英ボート5には、カセットに収容されたウエハ11が移載されるが、ウエハの移載は、たとえばウエハを挟持できるハンドを有する移載装置(図示略)などによって自動的に行われる。このため、移載装置によってカセットから石英ボート5にウエハ11を移載できるようにするためには、所定の場所に石英ボート5およびカセットをそれぞれ位置決めした状態で置いておく必要がある。通常、拡散処理を施すべきウエハ11が収容されたカセットは、たとえば上記移載装置に隣接する棚などに板状のトレイなどに載置された状態で収納されている。このため、棚などからトレイとともにカセットを取り出し、これを所定の場所に位置決めして置く必要がある。
【0006】
このような作業は、作業者の手作業によって行われ、あるいは所定の装置によって自動的に行われる。しかしながら、人力では、作業効率が極めて悪い一方、所定の装置を用いれば作業効率は改善されるが、上記したウエハ搬送装置とは異なる新たな装置を必要とすることから、コスト的に不利である。
【0007】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、作業効率の改善を図るとともに、コスト的に有利にウエハを搬送できるようにすることをその課題としている。
【0008】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
すなわち、本願発明により提供されるウエハ搬送装置は、装置本体からY軸方向に突出する長手状とされているとともに、少なくともX軸方向およびZ軸方向に移動可能とされたエレベーションアームと、このエレベーションアームの長手方向に一定距離隔ててそれぞれ連結される第1ハンドおよび第2ハンドと、を備えたウエハ搬送装置であって、上記第1ハンドおよび第2ハンドには、複数枚のウエハが収容された石英ボートが上記各ハンド間を橋渡すようにして吊支される石英ボート吊支部がそれぞれ設けられているとともに、複数枚のウエハが収容されたカセットが載置されたカセットトレイを上記各ハンド間を橋渡すようにして載置するトレイ載置部がそれぞれ設けられていることを特徴としている。
【0010】
上記構成では、従来と同様に上記各ハンドの石英ボート吊支部間に石英ボートを橋渡すような状態として石英ボートの搬送が可能である。しかも、上記各ハンドには、トレイ載置部がそれぞれ設けられていることから、これらのトレイ載置部間を橋渡すようにして上記トレイを載置することによってトレイの搬送を行うこともできる。上述したように、上記カセットは、上記トレイに載置された状態で棚などに収容されていることがあることから、この場合には上記ウエハ搬送装置によってトレイに載置されたカセットを取り出して搬送することができる。
【0011】
このように、上記ウエハ搬送装置では、石英ボートばかりでなくカセットの搬送も行うことができる。このため、棚などに収納されたカセットを人力によって取り出すまでもなく自動的に行うことができ、作業効率の改善を図ることができる。また、高温拡散炉などの近傍に石英ボートを搬送する装置によって棚などからのカセットの取り出し・搬送を行うことができるため、棚などからカセットを取り出して搬送するための装置を別途設けるまでもない。このため、上記ウエハ搬送装置では、製造コストの低減を図ることができる。
【0012】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記第1ハンドおよび第2ハンドは、L字状、V字状またはU字状とされているとともに、Z軸周りに回転可能とされており、また、上記各ハンドの石英ボート吊支部がそれぞれ上記エレベーションアームからX軸方向に突出させられ、これらの石英ボート吊支部によって上記石英ボートが吊支されて上記石英ボートとともにウエハを搬送する状態と、上記各ハンドのトレイ載置部が上記エレベーションアームからそれぞれX軸方向に突出させられ、これらのトレイ載置部によって上記トレイが載置されて上記トレイとともにウエハを搬送する状態とを選択可能なように構成することもできる。
【0013】
上記構成では、上記各ハンドが回転可能なL字状、V字状またはU字状とされているため、上記各ハンドを回転させるだけで、上記各ハンドの石英ボート吊支部がそれぞれ上記エレベーションアームからX軸方向に突出した状態と、上記各トレイ載置部が上記エレベーションアームからそれぞれX軸方向に突出した状態とを選択することができる。
【0014】
また、上記各ハンドがL字状、V字状またはU字状とされていることから、上記各石英ボート吊支部を上記エレベーションアームから突出させた状態では、平面視において上記各トレイ載置部が上記エレベーションアームの下部に隠された恰好とされる。一方、上記各トレイ載置部が突出した状態では、上記各石英ボート吊支部が上記エレベーションアームに隠された恰好とされる。このように、上記ウエハ搬送装置では、上記各ハンドの石英ボート吊支部およびトレイ載置部の両方が上記エレベーションアームの両側部から突出するといった状態とはならず、使用をする一方のみが突出する状態とされる。
【0015】
このため、上記ウエハ搬送装置では、使用時における上記エレベーションアームからX軸方向に突出する部分を最小限とすることができ、上記ウエハ搬送装置周りのスペース効率を改善することができる。すなわち、たとえば上記石英ボートを所定の場所から取り上げたり、あるいは所定の場所に置いたりする場合を考えれば、使用していないハンドの部分が上記カセット、カセットが収納された棚、あるいは高温拡散炉に石英ボートを搬入するためのアームなどに干渉しないようにするために、カセットや棚などを大きく離間させる必要はない。また、上記ウエハ搬送装置の周りのスペース効率を改善できることから、上記エレベーションアームの移動させるべき距離も小さく設定することができる。このため、上記ウエハ搬送装置の小型化を実現することができる。
【0016】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1は本願発明に係るウエハ搬送装置の一例を表す斜視図であり、図2は上記ウエハ搬送装置の平面図であり、図3(a)および(b)は上記ウエハ搬送装置の動作を説明するための要部斜視図である。なお、本実施形態を説明するために参照する図面においては、従来例を説明するために参照した図面に描かれている部材や要素などと同等のものには同一の符号を付してある。
【0019】
図1に示すように、上記ウエハ搬送装置1は、装置本体10からY軸方向に突出する長手状とされたエレベーションアーム2と、このエレベーションアーム2の長手方向に一定距離隔ててそれぞれ連結される第1ハンド3および第2ハンド4と、を備えて大略構成されている。そして、図2に良く表れているように、上記ウエハ搬送装置1では、上記各ハンド3,4間に石英ボート5を吊支した状態と、カセットトレイ6を載置した状態とを選択できるようになされている。
【0020】
図1に良く表れているように、上記エレベーションアーム2は、上記装置本体10に対してZ軸方向にスライド移動可能とされたスライダ12に、X軸方向にスライド移動可能に連結されている。すなわち、上記エレベーションアーム2は、上記装置本体10に対してX軸方向およびZ軸方向のそれぞれに移動可能とされている。
【0021】
図1および図2に良く表れているように、上記第1ハンド3は、石英ボート吊支部32およびトレイ載置部33を有するL字状とされており、そのコーナ部を中心としてZ軸周りに回転可能に上記エレベーションアーム2に連結されている。
【0022】
上記石英ボート吊支部32には、石英製などの保持部材30が取り付けられている。この保持部材30には、上記石英ボート吊支部32の長手方向に延びるとともに下方に凹入した溝部31が形成されており、この溝部31に石英ボート5に設けられた把手50が保持される。一方、上記トレイ載置部33には、上記カセットトレイ6に形成された位置決め穴61に嵌め込まれる位置決めピン34が形成されている。
【0023】
図2および図3に示すように、上記第1ハンド3は、第1回転機構7によってZ軸周りに回転可能とされている。図3(a)および(b)に良く表れているように、上記第1回転機構7は、上記エレベーションアーム2の先端部においてZ軸周りに回転可能に挿通保持された第1回転軸70と、この第1回転軸70の上端部にその一端部が一体的に連結された長円形状の第1回動部材71と、この第1回動部材71の他端部に設けられた軸部71aに対して回動可能に連結されるとともにシリンダ72内を摺動してY軸方向に伸縮可能とされたピストン73と、このピストン73を伸縮させる駆動源(図示略)と、を有して構成されている。
【0024】
上記第1回転機構7では、上記回転軸70の下端部が上記第1ハンド3のコーナ部において一体的に連結されており、上記第1ハンド3が上記第1回転軸70と一体的に回転するようになされている。すなわち、上記第1回転軸70は、上記第1回動部材71と一体化されていることから、ピストン73を伸縮させて上記第1回動部材71を回動させれば上記第1回転軸70が回転し、結局、上記第1ハンド3が回転させられるようになされている。なお、本実施形態では、ピストン73が縮められた場合には、図3(a)に示すような上記トレイ載置部33が上記エレベーションアーム2からX軸の正方向に突出した状態とされ、ピストン73が伸ばされた場合には、図3(b)に示すような上記石英ボート吊支部32が上記エレベーションアーム2からX軸の負方向に突出した状態とされるようになされている。
【0025】
図1および図2に良く表れているように、上記第2ハンド4は、上記第1ハンド3と同様に石英ボート吊支部42およびトレイ載置部43を有するL字状とされている。そして、上記第2ハンド4では、上記第1ハンド3における石英ボート吊支部32に対応する部分がトレイ載置部43とされている一方、石英トレイ載置部33に対応する部分がボート吊支部42とされている。すなわち、上記第1ハンド3と上記第2ハンド4とは、平面視において対象なものとされている。もちろん、上記石英ボート吊支部42には溝部41が形成された保持部材40が取り付けられており、上記トレイ載置部43には位置決めピン44が形成されている。
【0026】
また、上記第1ハンド3は、上記第1回転機構7と同様な構成を有する第2回転機構8によってZ軸周りを回転可能とされている。すなわち、上記第2回転機構8は、ピストン83の伸縮によって回動させられる第2回動部材81を有しており、上記第2ハンド4は上記第2回動部材81と第2回転軸80を介して連結されて上記第2回動部材81によって回転させられるようになされている。
【0027】
図2に良く表れているように、上記構成のウエハ搬送装置1では、上記各ピストン73,83の伸縮によって各ハンド3,4が回転させられて、上記各ハンド3,4の石英ボート吊支部32,42が上記エレベーションアーム2からX軸方向に突出する状態と、上記各トレイ載置部33,43が突出する状態を選択できるようになされている。なお、図2に良く表れているように、上記各石英ボート吊支部32,42が上記エレベーションアーム2から突出する状態では、上記各トレイ載置部33,43が上記エレベーションアーム2の下部に隠された恰好とされおり、上記各トレイ載置部33,43が上記エレベーションアーム2から突出する状態では、上記各石英ボート吊支部32,42が上記エレベーションアーム2の下部に隠された恰好とされている。
【0028】
上記各石英ボート吊支部32,42が上記エレベーションアーム2からそれぞれX軸方向に突出する状態では、上記石英ボート5の両端部に設けられた把手50,50が、それぞれ上記各石英ボート吊支部32,42の保持部材30,40に保持され、上記各石英ボート吊支部32,42間を上記石英ボート5が橋渡すようにして吊支した恰好で上記石英ボート5が搬送される。このとき、上記石英ボート5内にウエハ11が収容されていれば、ウエハ11が搬送されることになる。一方、上記各トレイ載置部43が突出した状態では、上記位置決めピン34,44がカセットトレイ6の両端部に形成された位置決め穴61,61に嵌め込まれ、上記各トレイ載置部33,43の間に上記カセットトレイ6を橋渡すようにして載置した恰好で上記カセットトレイ6が搬送される。
【0029】
次に、上記ウエハ搬送装置1の使用状態を図4ないし図7を参照しつつ説明する。なお、図4は上記ウエハ搬送装置の周りのレイアウトを表す図であり、図5は上記ウエハ搬送装置によってカセットトレイを持ち上げる状態を説明するための図であり、図6は上記ウエハ搬送装置によって石英ボートを持ち上げる状態を説明するための図であり、図7は上記ウエハ搬送装置による搬送対象の切り替えを説明するための図であって、図4の矢印A方向に見た状態に相当する図である。
【0030】
本実施形態における上記ウエハ搬送装置1は、棚8に収納されたカセット60を取り出すとともに、カセット60からウエハ11が移載された石英ボート5を高温拡散炉9の近傍に配置された板状アーム部材90にまで搬送する装置である(図4参照)。なお、上記板状アーム部材90に載置された石英ボート5は、上記板状アーム部材90のY軸方向への移動によって上記高温拡散炉9内に搬入され、また拡散処理が終了すれば搬出されるようになされている。
【0031】
上記カセット60には、複数枚のウエハ11が収容されており、計3個のカセット60が一組とされ、これらのカセット60がカセットトレイ6に載置された状態で棚8に収納されている。図5に示すように、上記カセットトレイ6は、1対のけた62,62間を橋渡すような恰好で収納されている。すなわち、上記カセットトレイ6の下部には空間65が形成されている。この空間65の上下寸法は、上記各ハンド3,4のトレイ載置部33,43が差し込めるように、上記各トレイ載置部33,43の上下寸法(位置決めピン34,44の寸法を含む)よりも大きく設定されている。すなわち、上記各けた62,62の上下寸法は、各トレイ載置部33,43の上下寸法に応じて設定される。なお、上記各けた62,62は、棚8に設けられていていもよく、また上記カセットトレイ6に一体的に取り付けられていてもよい。
【0032】
上記カセットトレイ6は、上記ウエハ搬送装置1によって以下のようにして棚8から取り出される。まず、上記ウエハ搬送装置1の各ハンド3,4の各トレイ載置部33,43を上記エレベーションアーム2からY軸の正方向に突出した恰好としておく。この状態は、上記第1および第2回転機構7,8によって上記各ハンド3,4を回転させることによって選択される。
【0033】
つぎに、上記下部空間65が形成された領域のZ軸方向の高さに応じて上記スライダ12をZ軸方向に移動させて上記エレベーションアーム2をZ軸方向に移動させるとともに、上記エレベーションアーム2をX軸の正方向に移動させることによって上記各トレイ載置部33,43を上記下部空間65に差し込む。このとき、上記各トレイ載置部33,43に形成された位置決めピン34,44が上記カセットトレイ6の形成された位置決め穴61,61に対応した部位にとなるように上記エレベーションアーム2をX軸の正方向に移動させて図5に実線で示した状態とする。
【0034】
そして、上記エレベーションアーム2をZ軸の正方向に移動させることによって、上記位置決めピン34,44を上記位置決め穴61,61に係合しつつ上記カセットトレイ6を所定の高さまで持ち上げる。この状態において上記エレベーションアーム2をX軸の負方向に移動させれば、上記カセットトレイ6が棚から取り出される。
【0035】
このようにして取り出されたカセットトレイ6は、上記エレベーションアーム2のZ軸の負方向に移動させることによって棚8に隣接する所定の部位に載置される(図4および図7参照)。この状態においても、けた63,63によって上記カセットトレイ6の下部に空間が形成されるようにする。
【0036】
上記ウエハ搬送装置1においては、上記各トレイ載置部33,43が上記エレベーションアーム2から突出した状態では、上記各石英ボート吊支部32,42が上記エレベーションアーム2の下部に隠された恰好とされているので、上記各ハンド3,4における使用していない部分(石英ボート吊支部32,42)が上記石英ボート5など干渉することを懸念する必要はない。このため、上記石英ボート5に極めて近接した部位に上記カセットトレイ6を配置することができ、上記ウエハ搬送装置1の周りのスペース効率が改善される。これにともない、上記ウエハ搬送装置1のエレベーションアーム2を移動させるべき距離を小さくすることができるため、上記ウエハ搬送装置1の小型化を実現することができる。
【0037】
上述したように、上記カセットトレイ6には、複数枚のウエハ11が収容されたカセット60が載置されており、これらのカセット60に収容されたウエハ11は、上記カセットトレイ6に隣接して配置された石英ボート5に移載される。なお、ウエハ11の移載は、図示されていない所定の装置によって行われる。この装置としては、たとえばウエハ11を挟持可能なクランプを有するものなどが採用される。
【0038】
図7に良く表れているように、上記カセット60から上記石英ボート5にウエハ11が移載されている間に、上記各ハンド3,4をZ軸周りに回転させ、上記各石英ボート吊支部32,42が上記エレベーションアーム2からX軸の負方向に突出した状態とする。このとき、上記各石英ボート吊支部32,42の保持部材30,40が上記石英ボート5の各把手50,50と対応するように上記石英ボート5を配置しておくことが望ましい。すなわち、図6および図7に示すように、上記各ハンド3,4を回転させれば、上記各保持部30,40が上記各把手50,50の下方位置になるように上記石英ボート5を配置し、上記エレベーションアーム2をZ軸の正方向に移動させれば上記各ハンド3,4によって上記石英ボート5が持ち上げれるようにしておくことが望ましい。
【0039】
ウエハ11が移載された石英ボート5は、上記ウエハ搬送装置1によって上記高温拡散炉9の近傍にまで搬送され、高温拡散炉9の近傍に配置された板状アーム部材90上に載置される。具体的には、図7および図8に良く表れているように、上記エレベーションアーム2をZ軸の正方向に移動させて上記石英ボート5を持ち上げ、上記エレベーションアーム2をX軸の負方向に移動させるとともに、さらに上記エレベーションアーム2をZ軸の負方向に移動させることによって上記石英ボート5が上記板状アーム部材90上に載置される。
【0040】
このように、上記ウエハ搬送装置1では、石英ボート5ばかりでなくカセット60の搬送も行うことができる。このため、棚8に収納されたカセット60を人力によって取り出すまでもなく自動的に行うことができ、作業効率の改善を図ることができる。また、高温拡散炉9などの近傍に石英ボート5を搬送する装置1によって棚8からのカセットの取り出し・搬送を行うことができるため、棚などからカセット60を取り出して搬送するための装置を別途設けるまでもない。このため、上記ウエハ搬送装置1では、製造コストの低減を図ることができる。
【0041】
上記板状アーム部材90に載置された石英ボート5は、上記板状アーム部材90の移動により高温拡散炉9内に搬入されて、ウエハ11に拡散処理が施される。一方、ウエハ11の拡散処理が行われている間に、ウエハ11が移載されて空になったカセット60を上記エレベーションアーム2を適宜移動させて取り除くとともに空の石英ボート5を新たに配置して、棚8に収容されたカセット60を取り出して上記石英ボート5にウエハ11を移載できる状態としておく。
【0042】
なお、拡散処理が終了したウエハ11は、石英ボート5からカセット60に移載されて次の工程を行うべき場所に搬送される。このときに使用するカセット60としては、先の空にされたカセット60であってもよく、新たにカセット60を用意してもよい。
【0043】
もちろん、本願発明は上述した実施形態には限定されず様々に設計変更可能である。たとえば、上記各ハンド3,4は、本実施形態ではL字状とされていたが、これには限定されず、石英ボート吊支部32,42およびトレイ載置部33,43が形成されているものであればよい。すなわち、上記各ハンド3,4は、V字状であってもよく、その他の形状であってもよい。
【0044】
また、上記各ハンド3,4を回転させる機構も適宜変更可能である。たとえば、所定の回転力を上記各ハンド3,4に伝達して上記各ハンド3,4を回転させるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るウエハ搬送装置の一例を表す斜視図である。
【図2】上記ウエハ搬送装置の平面図である。
【図3】上記ウエハ搬送装置の動作を説明するための要部斜視図である。
【図4】上記ウエハ搬送装置の周りのレイアウトを表す図である。
【図5】上記ウエハ搬送装置によってカセットトレイを持ち上げる状態を説明するための図である。
【図6】上記ウエハ搬送装置によって石英ボートを持ち上げる状態を説明するための図である。
【図7】上記ウエハ搬送装置による搬送対象の切り替えを説明するための図であり、図4の矢印A方向に見た状態に相当する図である。
【図8】従来のウエハ搬送装置の一例を表す斜視図である。
【符号の説明】
1 ウエハ搬送装置
2 エレベーションアーム
3 第1ハンド
4 第2ハンド
5 石英ボート
6 カセット
10 装置本体
11 ウエハ
30 石英ボート吊支部(第1ハンドの)
32 トレイ載置部(第1ハンドの)
40 石英ボート吊支部(第2ハンドの)
42 トレイ載置部(第2ハンドの)
【発明の属する技術分野】
本願発明は、複数枚のウエハが収容された石英ボートを吊支した状態で、上記石英ボートとともにウエハを高温加熱炉まで搬送する装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
通常、半導体チップは、シリコンなどのウエハの表面に様々な工程を経て複数の回路素子を形成した後に、ウエハを各回路素子毎に分割することによって形成される。上記した工程としては、ウエハ表面に酸化膜を形成する工程、レジストを形成するためのフォトリソ工程、不純物の拡散工程、あるいは電極形成工程などがある。これらの各工程は、それぞれ所定の装置を用いて行われるが、各装置間におけるウエハの移動は、金属製などのカセット内に複数枚のウエハが収容された状態で行われる。
【0003】
周知の通り、拡散工程は、ウエハの表面から内部に不純物を拡散させ、不純物が拡散させられた領域をP型、あるいはN型とする工程である。拡散速度は、高温ほど大きいことから、不純物をウエハの内部に良好に拡散させるためには、数百度から千度程度(不純物の種類などによっても異なる)の高温の状態で行わなければならない。一方、ウエハの酸化膜の表面に何らかの金属、たとえばナトリウムなどが付着している場合には、高温の拡散工程においては付着物が酸化膜内に取り込まれてしまうといった不具合が生じる。このような不具合を回避するために、不純物の拡散は、石英などによって形成された高温拡散炉内において行われている。また、金属製などのカセットでは、ウエハにナトリウムなどが付着して拡散してしまうことが懸念されるため、石英などのボートにウエハを移載し、石英ボートとともにウエハを高温拡散炉内に搬入することによって拡散処理が行われている。
【0004】
ところで、複数枚のウエハが収容された石英ボートは、図8に示すようなウエハ搬送装置によって高温拡散炉の近傍まで搬送される。上記ウエハ搬送装置1は、装置本体10からY軸方向に突出する長手状とされているとともにX軸方向およびZ軸方向に移動可能とされたエレベーションアーム2と、このエレベーションアーム2の長手方向に一定距離隔ててそれぞれ連結される一対のハンド3,4と、を備えている。これらのハンド3,4は、上記エレベーションアーム2からX軸方向に突出するようにしてそれぞれ連結されており、その先端部には石英製の保持部30,40がそれぞれ設けられている。これらの保持部30,40の上面には、X軸方向に延びるとともに下方に凹入した溝部31,41が形成されている。すなわち、これらの溝部31,41に上記石英ボート5の設けられた把手50を保持して上記石英ボート5を上記各ハンド3,5間に橋渡すような恰好とし、この状態において上記石英ボート5が搬送される。
【0005】
上述したように、上記石英ボート5には、カセットに収容されたウエハ11が移載されるが、ウエハの移載は、たとえばウエハを挟持できるハンドを有する移載装置(図示略)などによって自動的に行われる。このため、移載装置によってカセットから石英ボート5にウエハ11を移載できるようにするためには、所定の場所に石英ボート5およびカセットをそれぞれ位置決めした状態で置いておく必要がある。通常、拡散処理を施すべきウエハ11が収容されたカセットは、たとえば上記移載装置に隣接する棚などに板状のトレイなどに載置された状態で収納されている。このため、棚などからトレイとともにカセットを取り出し、これを所定の場所に位置決めして置く必要がある。
【0006】
このような作業は、作業者の手作業によって行われ、あるいは所定の装置によって自動的に行われる。しかしながら、人力では、作業効率が極めて悪い一方、所定の装置を用いれば作業効率は改善されるが、上記したウエハ搬送装置とは異なる新たな装置を必要とすることから、コスト的に不利である。
【0007】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、作業効率の改善を図るとともに、コスト的に有利にウエハを搬送できるようにすることをその課題としている。
【0008】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
すなわち、本願発明により提供されるウエハ搬送装置は、装置本体からY軸方向に突出する長手状とされているとともに、少なくともX軸方向およびZ軸方向に移動可能とされたエレベーションアームと、このエレベーションアームの長手方向に一定距離隔ててそれぞれ連結される第1ハンドおよび第2ハンドと、を備えたウエハ搬送装置であって、上記第1ハンドおよび第2ハンドには、複数枚のウエハが収容された石英ボートが上記各ハンド間を橋渡すようにして吊支される石英ボート吊支部がそれぞれ設けられているとともに、複数枚のウエハが収容されたカセットが載置されたカセットトレイを上記各ハンド間を橋渡すようにして載置するトレイ載置部がそれぞれ設けられていることを特徴としている。
【0010】
上記構成では、従来と同様に上記各ハンドの石英ボート吊支部間に石英ボートを橋渡すような状態として石英ボートの搬送が可能である。しかも、上記各ハンドには、トレイ載置部がそれぞれ設けられていることから、これらのトレイ載置部間を橋渡すようにして上記トレイを載置することによってトレイの搬送を行うこともできる。上述したように、上記カセットは、上記トレイに載置された状態で棚などに収容されていることがあることから、この場合には上記ウエハ搬送装置によってトレイに載置されたカセットを取り出して搬送することができる。
【0011】
このように、上記ウエハ搬送装置では、石英ボートばかりでなくカセットの搬送も行うことができる。このため、棚などに収納されたカセットを人力によって取り出すまでもなく自動的に行うことができ、作業効率の改善を図ることができる。また、高温拡散炉などの近傍に石英ボートを搬送する装置によって棚などからのカセットの取り出し・搬送を行うことができるため、棚などからカセットを取り出して搬送するための装置を別途設けるまでもない。このため、上記ウエハ搬送装置では、製造コストの低減を図ることができる。
【0012】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記第1ハンドおよび第2ハンドは、L字状、V字状またはU字状とされているとともに、Z軸周りに回転可能とされており、また、上記各ハンドの石英ボート吊支部がそれぞれ上記エレベーションアームからX軸方向に突出させられ、これらの石英ボート吊支部によって上記石英ボートが吊支されて上記石英ボートとともにウエハを搬送する状態と、上記各ハンドのトレイ載置部が上記エレベーションアームからそれぞれX軸方向に突出させられ、これらのトレイ載置部によって上記トレイが載置されて上記トレイとともにウエハを搬送する状態とを選択可能なように構成することもできる。
【0013】
上記構成では、上記各ハンドが回転可能なL字状、V字状またはU字状とされているため、上記各ハンドを回転させるだけで、上記各ハンドの石英ボート吊支部がそれぞれ上記エレベーションアームからX軸方向に突出した状態と、上記各トレイ載置部が上記エレベーションアームからそれぞれX軸方向に突出した状態とを選択することができる。
【0014】
また、上記各ハンドがL字状、V字状またはU字状とされていることから、上記各石英ボート吊支部を上記エレベーションアームから突出させた状態では、平面視において上記各トレイ載置部が上記エレベーションアームの下部に隠された恰好とされる。一方、上記各トレイ載置部が突出した状態では、上記各石英ボート吊支部が上記エレベーションアームに隠された恰好とされる。このように、上記ウエハ搬送装置では、上記各ハンドの石英ボート吊支部およびトレイ載置部の両方が上記エレベーションアームの両側部から突出するといった状態とはならず、使用をする一方のみが突出する状態とされる。
【0015】
このため、上記ウエハ搬送装置では、使用時における上記エレベーションアームからX軸方向に突出する部分を最小限とすることができ、上記ウエハ搬送装置周りのスペース効率を改善することができる。すなわち、たとえば上記石英ボートを所定の場所から取り上げたり、あるいは所定の場所に置いたりする場合を考えれば、使用していないハンドの部分が上記カセット、カセットが収納された棚、あるいは高温拡散炉に石英ボートを搬入するためのアームなどに干渉しないようにするために、カセットや棚などを大きく離間させる必要はない。また、上記ウエハ搬送装置の周りのスペース効率を改善できることから、上記エレベーションアームの移動させるべき距離も小さく設定することができる。このため、上記ウエハ搬送装置の小型化を実現することができる。
【0016】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1は本願発明に係るウエハ搬送装置の一例を表す斜視図であり、図2は上記ウエハ搬送装置の平面図であり、図3(a)および(b)は上記ウエハ搬送装置の動作を説明するための要部斜視図である。なお、本実施形態を説明するために参照する図面においては、従来例を説明するために参照した図面に描かれている部材や要素などと同等のものには同一の符号を付してある。
【0019】
図1に示すように、上記ウエハ搬送装置1は、装置本体10からY軸方向に突出する長手状とされたエレベーションアーム2と、このエレベーションアーム2の長手方向に一定距離隔ててそれぞれ連結される第1ハンド3および第2ハンド4と、を備えて大略構成されている。そして、図2に良く表れているように、上記ウエハ搬送装置1では、上記各ハンド3,4間に石英ボート5を吊支した状態と、カセットトレイ6を載置した状態とを選択できるようになされている。
【0020】
図1に良く表れているように、上記エレベーションアーム2は、上記装置本体10に対してZ軸方向にスライド移動可能とされたスライダ12に、X軸方向にスライド移動可能に連結されている。すなわち、上記エレベーションアーム2は、上記装置本体10に対してX軸方向およびZ軸方向のそれぞれに移動可能とされている。
【0021】
図1および図2に良く表れているように、上記第1ハンド3は、石英ボート吊支部32およびトレイ載置部33を有するL字状とされており、そのコーナ部を中心としてZ軸周りに回転可能に上記エレベーションアーム2に連結されている。
【0022】
上記石英ボート吊支部32には、石英製などの保持部材30が取り付けられている。この保持部材30には、上記石英ボート吊支部32の長手方向に延びるとともに下方に凹入した溝部31が形成されており、この溝部31に石英ボート5に設けられた把手50が保持される。一方、上記トレイ載置部33には、上記カセットトレイ6に形成された位置決め穴61に嵌め込まれる位置決めピン34が形成されている。
【0023】
図2および図3に示すように、上記第1ハンド3は、第1回転機構7によってZ軸周りに回転可能とされている。図3(a)および(b)に良く表れているように、上記第1回転機構7は、上記エレベーションアーム2の先端部においてZ軸周りに回転可能に挿通保持された第1回転軸70と、この第1回転軸70の上端部にその一端部が一体的に連結された長円形状の第1回動部材71と、この第1回動部材71の他端部に設けられた軸部71aに対して回動可能に連結されるとともにシリンダ72内を摺動してY軸方向に伸縮可能とされたピストン73と、このピストン73を伸縮させる駆動源(図示略)と、を有して構成されている。
【0024】
上記第1回転機構7では、上記回転軸70の下端部が上記第1ハンド3のコーナ部において一体的に連結されており、上記第1ハンド3が上記第1回転軸70と一体的に回転するようになされている。すなわち、上記第1回転軸70は、上記第1回動部材71と一体化されていることから、ピストン73を伸縮させて上記第1回動部材71を回動させれば上記第1回転軸70が回転し、結局、上記第1ハンド3が回転させられるようになされている。なお、本実施形態では、ピストン73が縮められた場合には、図3(a)に示すような上記トレイ載置部33が上記エレベーションアーム2からX軸の正方向に突出した状態とされ、ピストン73が伸ばされた場合には、図3(b)に示すような上記石英ボート吊支部32が上記エレベーションアーム2からX軸の負方向に突出した状態とされるようになされている。
【0025】
図1および図2に良く表れているように、上記第2ハンド4は、上記第1ハンド3と同様に石英ボート吊支部42およびトレイ載置部43を有するL字状とされている。そして、上記第2ハンド4では、上記第1ハンド3における石英ボート吊支部32に対応する部分がトレイ載置部43とされている一方、石英トレイ載置部33に対応する部分がボート吊支部42とされている。すなわち、上記第1ハンド3と上記第2ハンド4とは、平面視において対象なものとされている。もちろん、上記石英ボート吊支部42には溝部41が形成された保持部材40が取り付けられており、上記トレイ載置部43には位置決めピン44が形成されている。
【0026】
また、上記第1ハンド3は、上記第1回転機構7と同様な構成を有する第2回転機構8によってZ軸周りを回転可能とされている。すなわち、上記第2回転機構8は、ピストン83の伸縮によって回動させられる第2回動部材81を有しており、上記第2ハンド4は上記第2回動部材81と第2回転軸80を介して連結されて上記第2回動部材81によって回転させられるようになされている。
【0027】
図2に良く表れているように、上記構成のウエハ搬送装置1では、上記各ピストン73,83の伸縮によって各ハンド3,4が回転させられて、上記各ハンド3,4の石英ボート吊支部32,42が上記エレベーションアーム2からX軸方向に突出する状態と、上記各トレイ載置部33,43が突出する状態を選択できるようになされている。なお、図2に良く表れているように、上記各石英ボート吊支部32,42が上記エレベーションアーム2から突出する状態では、上記各トレイ載置部33,43が上記エレベーションアーム2の下部に隠された恰好とされおり、上記各トレイ載置部33,43が上記エレベーションアーム2から突出する状態では、上記各石英ボート吊支部32,42が上記エレベーションアーム2の下部に隠された恰好とされている。
【0028】
上記各石英ボート吊支部32,42が上記エレベーションアーム2からそれぞれX軸方向に突出する状態では、上記石英ボート5の両端部に設けられた把手50,50が、それぞれ上記各石英ボート吊支部32,42の保持部材30,40に保持され、上記各石英ボート吊支部32,42間を上記石英ボート5が橋渡すようにして吊支した恰好で上記石英ボート5が搬送される。このとき、上記石英ボート5内にウエハ11が収容されていれば、ウエハ11が搬送されることになる。一方、上記各トレイ載置部43が突出した状態では、上記位置決めピン34,44がカセットトレイ6の両端部に形成された位置決め穴61,61に嵌め込まれ、上記各トレイ載置部33,43の間に上記カセットトレイ6を橋渡すようにして載置した恰好で上記カセットトレイ6が搬送される。
【0029】
次に、上記ウエハ搬送装置1の使用状態を図4ないし図7を参照しつつ説明する。なお、図4は上記ウエハ搬送装置の周りのレイアウトを表す図であり、図5は上記ウエハ搬送装置によってカセットトレイを持ち上げる状態を説明するための図であり、図6は上記ウエハ搬送装置によって石英ボートを持ち上げる状態を説明するための図であり、図7は上記ウエハ搬送装置による搬送対象の切り替えを説明するための図であって、図4の矢印A方向に見た状態に相当する図である。
【0030】
本実施形態における上記ウエハ搬送装置1は、棚8に収納されたカセット60を取り出すとともに、カセット60からウエハ11が移載された石英ボート5を高温拡散炉9の近傍に配置された板状アーム部材90にまで搬送する装置である(図4参照)。なお、上記板状アーム部材90に載置された石英ボート5は、上記板状アーム部材90のY軸方向への移動によって上記高温拡散炉9内に搬入され、また拡散処理が終了すれば搬出されるようになされている。
【0031】
上記カセット60には、複数枚のウエハ11が収容されており、計3個のカセット60が一組とされ、これらのカセット60がカセットトレイ6に載置された状態で棚8に収納されている。図5に示すように、上記カセットトレイ6は、1対のけた62,62間を橋渡すような恰好で収納されている。すなわち、上記カセットトレイ6の下部には空間65が形成されている。この空間65の上下寸法は、上記各ハンド3,4のトレイ載置部33,43が差し込めるように、上記各トレイ載置部33,43の上下寸法(位置決めピン34,44の寸法を含む)よりも大きく設定されている。すなわち、上記各けた62,62の上下寸法は、各トレイ載置部33,43の上下寸法に応じて設定される。なお、上記各けた62,62は、棚8に設けられていていもよく、また上記カセットトレイ6に一体的に取り付けられていてもよい。
【0032】
上記カセットトレイ6は、上記ウエハ搬送装置1によって以下のようにして棚8から取り出される。まず、上記ウエハ搬送装置1の各ハンド3,4の各トレイ載置部33,43を上記エレベーションアーム2からY軸の正方向に突出した恰好としておく。この状態は、上記第1および第2回転機構7,8によって上記各ハンド3,4を回転させることによって選択される。
【0033】
つぎに、上記下部空間65が形成された領域のZ軸方向の高さに応じて上記スライダ12をZ軸方向に移動させて上記エレベーションアーム2をZ軸方向に移動させるとともに、上記エレベーションアーム2をX軸の正方向に移動させることによって上記各トレイ載置部33,43を上記下部空間65に差し込む。このとき、上記各トレイ載置部33,43に形成された位置決めピン34,44が上記カセットトレイ6の形成された位置決め穴61,61に対応した部位にとなるように上記エレベーションアーム2をX軸の正方向に移動させて図5に実線で示した状態とする。
【0034】
そして、上記エレベーションアーム2をZ軸の正方向に移動させることによって、上記位置決めピン34,44を上記位置決め穴61,61に係合しつつ上記カセットトレイ6を所定の高さまで持ち上げる。この状態において上記エレベーションアーム2をX軸の負方向に移動させれば、上記カセットトレイ6が棚から取り出される。
【0035】
このようにして取り出されたカセットトレイ6は、上記エレベーションアーム2のZ軸の負方向に移動させることによって棚8に隣接する所定の部位に載置される(図4および図7参照)。この状態においても、けた63,63によって上記カセットトレイ6の下部に空間が形成されるようにする。
【0036】
上記ウエハ搬送装置1においては、上記各トレイ載置部33,43が上記エレベーションアーム2から突出した状態では、上記各石英ボート吊支部32,42が上記エレベーションアーム2の下部に隠された恰好とされているので、上記各ハンド3,4における使用していない部分(石英ボート吊支部32,42)が上記石英ボート5など干渉することを懸念する必要はない。このため、上記石英ボート5に極めて近接した部位に上記カセットトレイ6を配置することができ、上記ウエハ搬送装置1の周りのスペース効率が改善される。これにともない、上記ウエハ搬送装置1のエレベーションアーム2を移動させるべき距離を小さくすることができるため、上記ウエハ搬送装置1の小型化を実現することができる。
【0037】
上述したように、上記カセットトレイ6には、複数枚のウエハ11が収容されたカセット60が載置されており、これらのカセット60に収容されたウエハ11は、上記カセットトレイ6に隣接して配置された石英ボート5に移載される。なお、ウエハ11の移載は、図示されていない所定の装置によって行われる。この装置としては、たとえばウエハ11を挟持可能なクランプを有するものなどが採用される。
【0038】
図7に良く表れているように、上記カセット60から上記石英ボート5にウエハ11が移載されている間に、上記各ハンド3,4をZ軸周りに回転させ、上記各石英ボート吊支部32,42が上記エレベーションアーム2からX軸の負方向に突出した状態とする。このとき、上記各石英ボート吊支部32,42の保持部材30,40が上記石英ボート5の各把手50,50と対応するように上記石英ボート5を配置しておくことが望ましい。すなわち、図6および図7に示すように、上記各ハンド3,4を回転させれば、上記各保持部30,40が上記各把手50,50の下方位置になるように上記石英ボート5を配置し、上記エレベーションアーム2をZ軸の正方向に移動させれば上記各ハンド3,4によって上記石英ボート5が持ち上げれるようにしておくことが望ましい。
【0039】
ウエハ11が移載された石英ボート5は、上記ウエハ搬送装置1によって上記高温拡散炉9の近傍にまで搬送され、高温拡散炉9の近傍に配置された板状アーム部材90上に載置される。具体的には、図7および図8に良く表れているように、上記エレベーションアーム2をZ軸の正方向に移動させて上記石英ボート5を持ち上げ、上記エレベーションアーム2をX軸の負方向に移動させるとともに、さらに上記エレベーションアーム2をZ軸の負方向に移動させることによって上記石英ボート5が上記板状アーム部材90上に載置される。
【0040】
このように、上記ウエハ搬送装置1では、石英ボート5ばかりでなくカセット60の搬送も行うことができる。このため、棚8に収納されたカセット60を人力によって取り出すまでもなく自動的に行うことができ、作業効率の改善を図ることができる。また、高温拡散炉9などの近傍に石英ボート5を搬送する装置1によって棚8からのカセットの取り出し・搬送を行うことができるため、棚などからカセット60を取り出して搬送するための装置を別途設けるまでもない。このため、上記ウエハ搬送装置1では、製造コストの低減を図ることができる。
【0041】
上記板状アーム部材90に載置された石英ボート5は、上記板状アーム部材90の移動により高温拡散炉9内に搬入されて、ウエハ11に拡散処理が施される。一方、ウエハ11の拡散処理が行われている間に、ウエハ11が移載されて空になったカセット60を上記エレベーションアーム2を適宜移動させて取り除くとともに空の石英ボート5を新たに配置して、棚8に収容されたカセット60を取り出して上記石英ボート5にウエハ11を移載できる状態としておく。
【0042】
なお、拡散処理が終了したウエハ11は、石英ボート5からカセット60に移載されて次の工程を行うべき場所に搬送される。このときに使用するカセット60としては、先の空にされたカセット60であってもよく、新たにカセット60を用意してもよい。
【0043】
もちろん、本願発明は上述した実施形態には限定されず様々に設計変更可能である。たとえば、上記各ハンド3,4は、本実施形態ではL字状とされていたが、これには限定されず、石英ボート吊支部32,42およびトレイ載置部33,43が形成されているものであればよい。すなわち、上記各ハンド3,4は、V字状であってもよく、その他の形状であってもよい。
【0044】
また、上記各ハンド3,4を回転させる機構も適宜変更可能である。たとえば、所定の回転力を上記各ハンド3,4に伝達して上記各ハンド3,4を回転させるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るウエハ搬送装置の一例を表す斜視図である。
【図2】上記ウエハ搬送装置の平面図である。
【図3】上記ウエハ搬送装置の動作を説明するための要部斜視図である。
【図4】上記ウエハ搬送装置の周りのレイアウトを表す図である。
【図5】上記ウエハ搬送装置によってカセットトレイを持ち上げる状態を説明するための図である。
【図6】上記ウエハ搬送装置によって石英ボートを持ち上げる状態を説明するための図である。
【図7】上記ウエハ搬送装置による搬送対象の切り替えを説明するための図であり、図4の矢印A方向に見た状態に相当する図である。
【図8】従来のウエハ搬送装置の一例を表す斜視図である。
【符号の説明】
1 ウエハ搬送装置
2 エレベーションアーム
3 第1ハンド
4 第2ハンド
5 石英ボート
6 カセット
10 装置本体
11 ウエハ
30 石英ボート吊支部(第1ハンドの)
32 トレイ載置部(第1ハンドの)
40 石英ボート吊支部(第2ハンドの)
42 トレイ載置部(第2ハンドの)
Claims (3)
- 装置本体からY軸方向に突出する長手状とされているとともに、少なくともX軸方向およびZ軸方向に移動可能とされたエレベーションアームと、このエレベーションアームの長手方向に一定距離隔ててそれぞれ連結される第1ハンドおよび第2ハンドと、を備えたウエハ搬送装置であって、
上記第1ハンドおよび第2ハンドには、複数枚のウエハが収容された石英ボートが上記各ハンド間を橋渡すようにして吊支される石英ボート吊支部がそれぞれ設けられているとともに、複数枚のウエハが収容されたカセットが載置されたカセットトレイを上記各ハンド間を橋渡すようにして載置するトレイ載置部がそれぞれ設けられていることを特徴とする、ウエハ搬送装置。 - 上記第1ハンドおよび第2ハンドは、L字状、V字状またはU字状とされているとともに、Z軸周りに回転可能とされている、請求項1に記載のウエハ搬送装置。
- 上記各ハンドの石英ボート吊支部がそれぞれ上記エレベーションアームからX軸方向に突出させられ、これらの石英ボート吊支部によって上記石英ボートが吊支されて上記石英ボートとともにウエハを搬送する状態と、上記各ハンドのトレイ載置部が上記エレベーションアームからそれぞれX軸方向に突出させられ、これらのトレイ載置部によって上記トレイが載置されて上記トレイとともにウエハを搬送する状態とを選択可能とされている、請求項2に記載のウエハ搬送装置。
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