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JP3889721B2 - 光波長分割多重伝送ネットワーク装置 - Google Patents

光波長分割多重伝送ネットワーク装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の送受信装置間において波長分割多重された光信号を伝送するフルメッシュ型の光波長分割多重伝送ネットワーク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
波長が異なる複数の光信号を多重化させて1本の光ファイバで伝送する方法、即ち、波長分割多重(WDM,Wavelength Division Multiplexing)伝送方法は、伝送容量を大幅に増大できるだけでなく、多重化された各光信号に信号の行き先情報を割り当てられるアドレッシングが可能である。また、周期的な入出力関係の分波特性を有する光波長ルータを中心としこれと複数の送受信装置をスター状に光ファイバで接続して構成されたネットワークは、各光ファイバに波長分割多重された光信号(以下、WDM光信号と言う)を通すことによってフルメッシュ型の光波長分割多重伝送ネットワーク装置を構築できる。
【0003】
図1は、特開2000−201112号公報等に記載された光波長分割多重伝送ネットワーク装置の概略図である。図中の101〜107はWDM光信号(λ1〜λN)を送受信するN台の送受信装置(1〜N)、108はN個の入力ポート及び出力ポートを有するN×Nの光波長ルータ、OF1,OF2は各送受信装置101〜107と光波長ルータ108とを接続する光ファイバである。光波長ルータ108には、周期的な入出力関係の分波特性を有するアレイ導波路回折格子(AWG,Arrayed Waveguide Grating)型合分波回路(以下、AWGルータと言う)が用いられている。
【0004】
図2は、図1に示した光波長分割多重伝送ネットワーク装置の構成図である。図中の210〜240はN台の送受信装置(1,2,i,N)、211〜241は各送受信装置210〜240にあって異なる波長(λ1〜λN)の光信号を受信可能なN個の受信回路、212〜242は各送受信装置210〜240にあって異なる波長(λ1〜λN)の光信号を送信可能なN個の送信回路、213〜243は各送受信装置210〜240にあって入力されたWDM光信号を波長別に分波するための分波回路、214〜244は各送受信装置210〜240にあって各送信回路212〜242からの光信号を合波するための合波回路である。
【0005】
また、図2中の250はN×NのAWGルータ、261,262は送受信装置210とAWGルータ250とを接続する光ファイバ、271,272は送受信装置220とAWGルータ250とを接続する光ファイバ、281,282は送受信装置230とAWGルータ250とを接続する光ファイバ、291,292は送受信装置240とAWGルータ250とを接続する光ファイバである。
【0006】
図3は、図2に示した光波長分割多重伝送ネットワーク装置にあって8台の送受信装置(1)〜(8)を8×8のAWGルータに接続した場合におけるAWGルータの入出力関係の分波特性と、8台の送受信装置(1)〜(8)とAWGルータのポート接続関係を示す図である。
【0007】
8台の送受信装置(1)〜(8)の送信側がAWGルータの8個の入力ポート1〜8に順に光接続され、且つ、8台の送受信装置(1)〜(8)の受信側がAWGルータの8個の出力ポート1〜8に順に光接続されていて、8波長(λ1〜λ8)多重のWDM光信号が8台の送受信装置(1)〜(8)からAWGルータの入力ポート1〜8にそれぞれ入力されている場合には、AWGルータの波長周回性規則により、AWGルータの入力ポート1〜8にそれぞれ入力されたWDM光信号は出力ポート1〜8に対して図に示すように波長別(λ1〜λ8)に分波され、AWGルータの各出力ポート1〜8からは8波長(λ1〜λ8)の光信号が合波されたWDM光信号が図に示すように出力されて8台の送受信装置(1)〜(8)の受信側に送り込まれる。
【0008】
つまり、8×8のAWGルータでは入出力ポート間に最小限の波長数8で64通りのパスを独立に設定することができ、8台の送受信装置(1)〜(8)間で設定できる全てのパスで独立に光信号を送ることができる。また、個々のパスには特定の波長が割り当てられるため、送受信装置の送信回路側で所定の受信回路に対応する波長を選択すれば、選択波長の光信号を目的の送受信装置の受信回路に送れる波長アドレッシング機能が実現できる。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−201112号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先に述べた従来の光波長分割多重伝送ネットワーク装置に使用されるAWGルータは入出力ポート数によって波長アドレッシング機能が固定されているため、送受信装置の数を増減する場合にはその数に応じた入出力ポート数を有するAWGルータをその都度用意して交換するか、或いは、送受信装置の数を減少する場合には各送受信装置において異なる波長の光信号を使用する必要がある。
【0011】
後者に関して詳述すれば、例えば、8×8のAWGルータを用いて4×4のフルメッシュネットワークを構築する場合には、図3に太線枠で示すように、送受信装置(1)には波長λ1〜λ4の光信号が送受できる回路が必要となり、送受信装置(2)には波長λ2〜λ5の光信号が送受できる回路が必要となり、送受信装置(3)には波長λ3〜λ6の光信号が送受できる回路が必要となり、送受信装置(4)には波長λ4〜λ7の光信号が送受できる回路が必要となる。
【0012】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、送受信装置の数を増減する場合でも光波長ルータ自体を他のものと交換する必要がなく、しかも、各送受信装置で同一種類の波長の光信号を用いることができる光波長分割多重伝送ネットワーク装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、N個(Nは複数)の入力ポート及び出力ポートを有する光波長ルータに、波長分割多重の光信号を送受信するM台(Mは2以上N以下の整数)の送受信装置を光接続して構成されたフルメッシュ型の光波長分割多重伝送ネットワーク装置であって、前記送受信装置は、波長が異なるM種類の光信号を個別に送信可能なM個の送信回路と、送信回路から入力された波長が異なるM種類の光信号を合波する合波回路と、光波長ルータから入力されたM波長多重の光信号を波長別に分波する分波回路と、分波回路から入力された波長が異なるM種類の光信号を個別に受信可能なM個の受信回路とを備え、前記光波長ルータは、入力ポートに対応して配されM波長多重の光信号を波長別に分波する少なくともM個の分波部と、出力ポートに対応して配され波長が異なるM種類の光信号を合波する少なくともM個の合波部と、入出力ポートに光接続されたM台の送受信装置がフルメッシュ接続されるように分波部の出力側と合波部の入力側とを接続するMの二乗数の光導波路を有する光導波部とを備える、ことをその特徴とする。
【0014】
この光波長分割多重伝送ネットワーク装置によれば、送受信装置の増減する場合でも、基本的には光波長ルータの光導波部の接続形態を変えるだけでフルメッシュネットワークを構築できるので、送受信装置の増減に際して光波長ルータ自体を他のものと交換する必要はなく、また、各送受信装置で同一種類の波長の光信号を用いて(波長種類が送受信装置の数と同じ光信号を用いて)通信を行うことができる。
【0015】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図4は、本発明を適用した2ノードの光波長分割多重伝送ネットワーク装置の構成図である。図中の310,320は2波長多重のWDM光信号を送受信する2台の送受信装置、400は4個の入力ポートIP1〜IP4及び出力ポートOP1〜OP4を有する光波長ルータ、511,512,521,522は2台の送受信装置310,320と光波長ルータ400とを光学的に接続する光ファイバである。
【0017】
各送受信装置310,320は、波長が異なる2種類の光信号(λ1,λ2)を個別に送信可能な2個の送信回路311,321と、送信回路311,321から入力された波長が異なる2種類の光信号(λ1,λ2)を合波する合波回路312,322と、光波長ルータ400から入力された2波長多重のWDM光信号を波長別(λ1,λ2)に分波する分波回路313,323と、分波回路313,323から入力された波長が異なる2種類の光信号(λ1,λ2)を個別に受信可能な2個の受信回路314,324とを備える。
【0018】
光波長ルータ400は、各入力ポートIP1〜IP4に入力側を接続された4個の分波部411〜414と、各出力ポートOP1〜OP4に出力側を接続された4個の合波部421〜421と、4個の分波部411〜414の出力側と4個の合波部421〜424の入力側とを後述のように接続する光導波部430とを備える。
【0019】
送受信装置310の出力側は光ファイバ511を介して光波長ルータ400の入力ポートIP1に接続され、且つ、入力側は光ファイバ512を介して光波長ルータ400の出力ポートOP1に接続されており、また、送受信装置320の出力側は光ファイバ521を介して光波長ルータ400の入力ポートIP2に接続され、且つ、入力側は光ファイバ522を介して光波長ルータ400の出力ポートOP2に接続されている。
【0020】
前記光波長ルータ400には最大で4台の送受信装置が接続可能なものが使用されていることから、この光波長ルータ400に設けられた分波部411〜414と合波部421〜421には4種類の光信号(λ1〜λ4)を合波または分波可能なものが用いられている。また、各送受信装置310,320に設けられた合波回路312,322と分波回路313,323にも4種類の光信号(λ1〜λ4)を合波または分波可能なものが用いられている。
【0021】
また、前記光波長ルータ400の光導波部430は、送受信装置が2台であることから4本の光導波路430aを有している。この4本の光導波路430aは2個の分波部411,412の出力側と2個の合波部421,422の入力側とが周期的な入出力関係の分波特性を有するように接続していて、これにより、光波長ルータ400は各入力ポートIP1,IP2に入力された2波長多重のWDM光信号を光のまま波長λ1,λ2に応じて異なる出力ポートOP1,OP2に振り分ける働きをしている。因みに、前記光導波部430は4本の光ファイバで構成する他、4本の光ファイバ芯線を有する光ファイバシートや2×2の光スイッチ等で構成することができる。
【0022】
図4に示した2ノードのネットワーク装置にあっては、送受信装置310から入力ポートIP1に入力された2波長多重のWDM光信号は分波部411によって波長別(λ1,λ2)に分波され、送受信装置320から入力ポートIP2に入力された2波長多重のWDM光信号は分波部412によって波長別(λ1,λ2)に分波される。
【0023】
また、光導波部430から合波部421に入力された波長が異なる2種類の光信号(λ1,λ2)は合波部421によって合波されて出力ポートOP1から送受信装置310に送り込まれ、光導波部430から合波部422に入力された波長が異なる2種類の光信号(λ1,λ2)は合波部422によって合波されて出力ポートOP2から送受信装置320に送り込まれる。
【0024】
図5は、図4に示した2ノードのネットワーク装置にあって2台の送受信装置310,320を光波長ルータ400に接続した場合における光波長ルータ400の周期的な入出力関係の分波特性と、2台の送受信装置310,320と光波長ルータ400のポート接続関係を示す図である。同図から分かるように、2台の送受信装置310,320の間には4通りの波長パスが独立に形成されており、2台の送受信装置310,320は光波長ルータ400によってフルメッシュ接続されている。
【0025】
図6は、本発明を適用した3ノードの光波長分割多重伝送ネットワーク装置の構成図である。このネットワーク装置は、図4に示した2ノードのネットワーク装置に1台の送受信装置330を追加して光波長ルータ400に光接続すると共に、前記の送受信装置310,320に波長λ3の光信号を送・受信可能な送信回路及び受信回路を1個宛増設することで構築されたものである。
【0026】
各送受信装置310,320,330は、波長が異なる3種類の光信号(λ1〜λ3)を個別に送信可能な3個の送信回路311,321,331と、送信回路311,321,331から入力された波長が異なる3種類の光信号(λ1〜λ3)を合波する合波回路312,322,332と、光波長ルータ400から入力された3波長多重のWDM光信号を波長別(λ1〜λ3)に分波する分波回路313,323,333と、分波回路313,323,333から入力された波長が異なる3種類の光信号(λ1〜λ3)を個別に受信可能な3個の受信回路314,324,334とを備える。
【0027】
送受信装置310の出力側は光ファイバ511を介して光波長ルータ400の入力ポートIP1に接続され、且つ、入力側は光ファイバ512を介して光波長ルータ400の出力ポートOP1に接続されており、また、送受信装置320の出力側は光ファイバ521を介して光波長ルータ400の入力ポートIP2に接続され、且つ、入力側は光ファイバ522を介して光波長ルータ400の出力ポートOP2に接続されており、さらに、送受信装置330の出力側は光ファイバ531を介して光波長ルータ400の入力ポートIP3に接続され、且つ、入力側は光ファイバ532を介して光波長ルータ400の出力ポートOP3に接続されている。
【0028】
前記光波長ルータ400の光導波部430は、送受信装置が3台であることから9本の光導波路430aを有している。この9本の光導波路430aは3個の分波部411,412,413の出力側と3個の合波部421,422,423の入力側とが周期的な入出力関係の分波特性を有するように接続していて、これにより、光波長ルータ400は各入力ポートIP1〜IP3に入力された3波長多重のWDM光信号を光のまま波長λ1〜λ3に応じて異なる出力ポートOP1〜0P3に振り分ける働きをしている。因みに、前記光導波部430は9本の光ファイバで構成する他、9本の光ファイバ芯線を有する光ファイバシートや3×3の光スイッチ等で構成することができる。
【0029】
図6に示した3ノードのネットワーク装置にあっては、送受信装置310から入力ポートIP1に入力された3波長多重のWDM光信号は分波部411によって波長別(λ1〜λ3)に分波され、送受信装置320から入力ポートIP2に入力された3波長多重のWDM光信号は分波部412によって波長別(λ1〜λ3)に分波され、送受信装置330から入力ポートIP3に入力された3波長多重のWDM光信号は分波部413によって波長別(λ1〜λ3)に分波される。
【0030】
また、光導波部430から合波部421に入力された波長が異なる3種類の光信号(λ1〜λ3)は合波部421によって合波されて出力ポートOP1から送受信装置310に送り込まれ、光導波部430から合波部422に入力された波長が異なる3種類の光信号(λ1〜λ3)は合波部422によって合波されて出力ポートOP2から送受信装置320に送り込まれ、光導波部430から合波部423に入力された波長が異なる3種類の光信号(λ1〜λ3)は合波部423によって合波されて出力ポートOP3から送受信装置330に送り込まれる。
【0031】
図7は、図6に示した3ノードのネットワーク装置にあって3台の送受信装置310,320,330を光波長ルータ400に接続した場合における光波長ルータ400の周期的な入出力関係の分波特性と、3台の送受信装置310,320,330と光波長ルータ400のポート接続関係を示す図である。同図から分かるように、3台の送受信装置310,320,330の間には9通りの波長パスが独立に形成されており、3台の送受信装置310,320,330は光波長ルータ400によってフルメッシュ接続されている。
【0032】
図8は、本発明を適用した4ノードの光波長分割多重伝送ネットワーク装置の構成図である。このネットワーク装置は、図6に示した3ノードのネットワーク装置に1台の送受信装置340を追加して光波長ルータ400に光接続すると共に、前記の送受信装置310,320,330に波長λ4の光信号を送・受信可能な送信回路及び受信回路を1個宛増設することで構築されたものである。
【0033】
各送受信装置310,320,330,340は、波長が異なる4種類の光信号(λ1〜λ4)を個別に送信可能な4個の送信回路311,321,331,341と、送信回路311,321,331,341から入力された波長が異なる4種類の光信号(λ1〜λ4)を合波する合波回路312,322,332,342と、光波長ルータ400から入力された4波長多重のWDM光信号を波長別(λ1〜λ4)に分波する分波回路313,323,333,343と、分波回路313,323,333,343から入力された波長が異なる4種類の光信号(λ1〜λ4)を個別に受信可能な4個の受信回路314,324,334,344とを備える。
【0034】
送受信装置310の出力側は光ファイバ511を介して光波長ルータ400の入力ポートIP1に接続され、且つ、入力側は光ファイバ512を介して光波長ルータ400の出力ポートOP1に接続されており、また、送受信装置320の出力側は光ファイバ521を介して光波長ルータ400の入力ポートIP2に接続され、且つ、入力側は光ファイバ522を介して光波長ルータ400の出力ポートOP2に接続されており、さらに、送受信装置330の出力側は光ファイバ531を介して光波長ルータ400の入力ポートIP3に接続され、且つ、入力側は光ファイバ532を介して光波長ルータ400の出力ポートOP3に接続されており、さらに、送受信装置340の出力側は光ファイバ541を介して光波長ルータ400の入力ポートIP4に接続され、且つ、入力側は光ファイバ542を介して光波長ルータ400の出力ポートOP4に接続されている。
【0035】
前記光波長ルータ400の光導波部430は、送受信装置が4台であることから16本の光導波路430aを有している。この16本の光導波路430aは4個の分波部411,412,413,414の出力側と4個の合波部421,422,423,424の入力側とが周期的な入出力関係の分波特性を有するように接続されていて、これにより、光波長ルータ400は各入力ポートIP1〜IP4に入力されたWDM光信号を光のまま波長λ1〜λ4に応じて異なる出力ポートOP1〜0P4に振り分ける働きをしている。因みに、前記光導波部430は16本の光ファイバで構成する他、16本の光ファイバ芯線を有する光ファイバシートや4×4の光スイッチ等で構成することができる。
【0036】
図8に示した4ノードのネットワーク装置にあっては、送受信装置310から入力ポートIP1に入力された4波長多重のWDM光信号は分波部411によって波長別(λ1〜λ4)に分波され、送受信装置320から入力ポートIP2に入力された4波長多重のWDM光信号は分波部412によって波長別(λ1〜λ4)に分波され、送受信装置330から入力ポートIP3に入力された4波長多重のWDM光信号は分波部413によって波長別(λ1〜λ4)に分波され、送受信装置340から入力ポートIP4に入力された4波長多重のWDM光信号は分波部414によって波長別(λ1〜λ4)に分波される。
【0037】
また、光導波部430から合波部421に入力された波長が異なる4種類の光信号(λ1〜λ4)は合波部421によって合波されて出力ポートOP1から送受信装置310に送り込まれ、光導波部430から合波部422に入力された波長が異なる4種類の光信号(λ1〜λ4)は合波部422によって合波されて出力ポートOP2から送受信装置320に送り込まれ、光導波部430から合波部423に入力された波長が異なる4種類の光信号(λ1〜λ4)は合波部423によって合波されて出力ポートOP3から送受信装置330に送り込まれ、光導波部440から合波部424に入力された波長が異なる4種類の光信号(λ1〜λ4)は合波部424によって合波されて出力ポートOP4から送受信装置340に送り込まれる。
【0038】
図9は、図8に示した4ノードのネットワーク装置にあって4台の送受信装置310,320,330,340を光波長ルータ400に接続した場合における光波長ルータ400の周期的な入出力関係の分波特性と、4台の送受信装置310,320,330,340と光波長ルータ400のポート接続関係を示す図である。同図から分かるように、4台の送受信装置310,320,330,340の間には16通りの波長パスが独立に形成されており、4台の送受信装置310,320,330,340は光波長ルータ400によってフルメッシュ接続されている。
【0039】
このように前述の光波長分割多重伝送ネットワーク装置によれば、送受信装置の数を2から3,3から4,2から4に増加する場合、或いは、4から3,3から2,4から2に減少する場合でも、基本的には光波長ルータの光導波部の接続形態を変えるだけでフルメッシュネットワークを構築できるので、送受信装置の増減に際して光波長ルータ自体を他のものと交換する必要はなく、また、各送受信装置で同一種類の波長の光信号を用いて(波長種類が送受信装置の数と同じ光信号を用いて)通信を行うことができる。つまり、送受信装置の数の増減に対して極めて柔軟性が高く、設計及び保守の面でも有利なフルメッシュ型の光波長分割多重伝送ネットワーク装置を提供できる。
【0040】
尚、図4,図6及び図8にそれぞれ示したネットワーク装置にあっては、光波長ルータ400の分波部411〜414と合波部421〜424は個別の部品で構成する他、4個の分波部または合波部を1つの基板に集積化したもの等で構成してもよい。
【0041】
また、図4に示した2ノードのネットワーク装置の場合は光波長ルータ400の2個の入力ポートIP3,IP4及び分波部413,414と2個の出力ポートOP3,OP4及び合波部423,424は使用されていないため、これらを予め除外したものを光波長ルータ400として用いてもよく、また、図6に示した3ノードのネットワーク装置の場合は光波長ルータ400の1個の入力ポートIP4及び分波部414と1個の出力ポートOP4及び合波部424は使用されていないため、これらを予め除外したものを光波長ルータ400として用いてもよい。
【0042】
この場合には、送受信装置の数を2から3に増加して3ノードのネットワーク装置を構築するときに1個の入力ポートIP3及び分波部413と1個の出力ポートOP3及び合波部423を光波長ルータ400に増設するとよく、また、送受信装置の数を3から4に増加して4ノードのネットワーク装置を構築するときに1個の入力ポートIP4及び分波部414と1個の出力ポートOP4及び合波部424を光波長ルータ400に増設するとよく、さらに、送受信装置の数を2から4に増加して4ノードのネットワーク装置を構築するときに2個の入力ポートIP3,IP4及び分波部413,414と2個の出力ポートOP3,0P4及び合波部423,424を光波長ルータ400に増設するとよい。
【0043】
勿論、送受信装置の数を4から3に減少するときや、3から2に減少するときや、4から2に減少するときも、不要な入出力ポートと分波部と合波部を除外することで所期のノード数のネットワーク装置を構築できる。
【0044】
以上、図4〜図9を引用して送受信装置の数を2から4に増加(4から2に減少)する場合を説明したが、5台以上の送受信装置が接続可能なものを光波長ルータとして用いれば、送受信装置の数を2から5以上に数に増加(5以上の数から2に減少)することができ、この場合にも前記同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、送受信装置の数の増減に対して極めて柔軟性が高く、設計及び保守の面でも有利なフルメッシュ型の光波長分割多重伝送ネットワーク装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光波長分割多重伝送ネットワーク装置の概略図
【図2】図1に示した光波長分割多重伝送ネットワーク装置の構成図
【図3】図2に示した光波長分割多重伝送ネットワーク装置にあって8台の送受信装置(1)〜(8)を8×8のAWGルータに接続した場合におけるAWGルータの入出力関係の分波特性と、8台の送受信装置(1)〜(8)とAWGルータのポート接続関係を示す図
【図4】本発明を適用した2ノードの光波長分割多重伝送ネットワーク装置の構成図
【図5】図4に示した2ノードのネットワーク装置にあって2台の送受信装置310,320を光波長ルータ400に接続した場合における光波長ルータ400の周期的な入出力関係の分波特性と、2台の送受信装置310,320と光波長ルータ400のポート接続関係を示す図
【図6】本発明を適用した3ノードの光波長分割多重伝送ネットワーク装置の構成図
【図7】図6に示した3ノードのネットワーク装置にあって3台の送受信装置310,320,330を光波長ルータ400に接続した場合における光波長ルータ400の周期的な入出力関係の分波特性と、3台の送受信装置310,320,330と光波長ルータ400のポート接続関係を示す図
【図8】本発明を適用した4ノードの光波長分割多重伝送ネットワーク装置の構成図
【図9】図8に示した4ノードのネットワーク装置にあって4台の送受信装置310,320,330,340を光波長ルータ400に接続した場合における光波長ルータ400の周期的な入出力関係の分波特性と、4台の送受信装置310,320,330,340と光波長ルータ400のポート接続関係を示す図
【符号の説明】
310,320,330,340…送受信装置、311,321,331,341…送信回路、312,322,332,342…合波回路、313,323,333,343…分波回路、314,324,334,344…受信回路、400…光波長ルータ、411〜414…分波部、421〜424…合波部、430…光導波部、430a…光導波路、511,512,521,522,531,532,541,542…光ファイバ。

Claims (4)

  1. N個(Nは複数)の入力ポート及び出力ポートを有する光波長ルータに、波長分割多重の光信号を送受信するM台(Mは2以上N以下の整数)の送受信装置を光接続して構成されたフルメッシュ型の光波長分割多重伝送ネットワーク装置であって、
    前記送受信装置は、波長が異なるM種類の光信号を個別に送信可能なM個の送信回路と、送信回路から入力された波長が異なるM種類の光信号を合波する合波回路と、光波長ルータから入力されたM波長多重の光信号を波長別に分波する分波回路と、分波回路から入力された波長が異なるM種類の光信号を個別に受信可能なM個の受信回路とを備え、
    前記光波長ルータは、入力ポートに対応して配されM波長多重の光信号を波長別に分波する少なくともM個の分波部と、出力ポートに対応して配され波長が異なるM種類の光信号を合波する少なくともM個の合波部と、入出力ポートに光接続されたM台の送受信装置がフルメッシュ接続されるように分波部の出力側と合波部の入力側とを接続するMの二乗数の光導波路を有する光導波部とを備える、
    ことを特徴とする光波長分割多重伝送ネットワーク装置。
  2. 光波長ルータの光導波部は、Mの二乗数の光ファイバから成る、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光波長分割多重伝送ネットワーク装置。
  3. 光波長ルータの光導波部は、Mの二乗数の光ファイバ芯線を有する光ファイバシートから成る、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光波長分割多重伝送ネットワーク装置。
  4. 光波長ルータの光導波部は、M×Mの光スイッチから成る、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光波長分割多重伝送ネットワーク装置。
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