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JP3889742B2 - 半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は半導体レーザ装置の製造方法に関する。
近年、半導体レーザ装置の改良が数多くなされているが、その中で例えば特許文献1で開示された半導体レーザ装置とそれの支持具を、図8の平面断面図と、図8のCC断面図である図9に従い説明する。これらの図に於て、第1リード41上に受光素子42が載置され、その上に半導体レーザ素子43が載置されている。半導体レーザ素子43の副出射面と受光素子42の受光面44までを透光性樹脂45が覆っている。第2リード46と第3リード47が第1リード41と離れて設けられ、各々金属細線48、49にて配線されている。そして、受光素子42と半導体レーザ素子43と金属細線48、49を開放する様に絶縁枠50が設けられ、この半導体レーザ装置51が光学部品52を内蔵した支持具53に固定されている。
特開平6−53603号公報
しかし上述の半導体レーザ装置では、受光面44への受光量が装置によりばらつく、という第1の欠点がある。図5(b)に示す様に、120個の装置の各々の受光電流値を測定し、それを棒グラフで表した。この図で判る様に、受光量のばらつきが大きい。本発明者がその原因を究明したところ、第1に絶縁枠50の内壁54、55、56が第1リード41に対して垂直に形成されているからである。すなわち、半導体レーザ素子43の副出射面からの副出射光の1部が透光性樹脂45を貫き、それが内壁55に反射され直接に、又はその反射光が内壁54と56で反射され再び受光面44に入射し、入射光量がばらつくからである。
第2の原因は、透光性樹脂45を注射器等で滴下し略ドーム状に形成しているが、その滴下量がばらつき、かつ滴下後の最終形状がばらつくためである事が判った。また、絶縁枠50の大きさを小さく出来ない欠点もある。その理由は、金属細線48、49をボンディングするキャピラリ57と、内壁54、55、56との間に所定の隙間が必要なためである。
第2の欠点は、半導体レーザ素子43の主出射面上の発光点と光学部品52との関係位置が正規の位置からずれる事である。その原因は、第1リード41の端面58にタイバー跡59が形成されており、そのタイバー跡59があるため、支持具53の基準面58と一様に当接しないためである。故に、本発明はこの様な従来の欠点を考慮して、受光量のばらつきの少ない、かつ光学部品との関係位置を正確に保持出来る半導体レーザ装置を提供するものである。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、請求項1に記載のように、複数のリードと、前記リードの1つの上に載置された半導体レーザ素子と、前記複数のリードの表と裏を挟むように形成され、前記半導体レーザ素子を収納するとともに前記半導体レーザ素子の主出射面を露出する凹部を有した絶縁枠とを具備し、前記半導体レーザ素子の主出射側に於けるリードの端面が基準面に当接される半導体レーザ装置の製造方法であって、前記リードを有するリードフレームが切断される前に、前記リードフレームを2個のリテーナ間につなげる複数のタイバーが設けられ、このタイバーは、前記半導体レーザ素子の主出射側に於けるリードの端面とは結ばれず、その端面と反対側が結ばれている事を特徴とする。
本発明の半導体レーザ装置の製造方法は、請求項2に記載のように、切断される前の前記タイバーは、前記絶縁枠からその左右に延びるリードの端面に結ばれている事を特徴とする。
半導体レーザ素子の主出射側に於けるリードの端面とは反対側にタイバーを結ぶので、主出射側に於けるリードの端面はタイバー跡がなく平坦になり、半導体レーザ装置の位置を正しく維持する事ができる。
上述の課題を解決するために、リードと、リード上に載置され受光面を有する受光素子と、受光素子上に又はその前方のリード上に載置されかつ前方に主出射面と後方に副出射面を有する半導体レーザ素子と、受光素子と半導体レーザ素子とを収納する凹部を有する様にリードの周辺に形成され、かつ受光素子の後方に位置する凹部の内部に於て外向きに傾斜した内壁が形成され、かつその内壁と略直交する凹部の内部に於て傾斜した内壁が形成された絶縁枠とを設けるものである。
望ましくは、少なくとも半導体レーザ素子の副出射面から受光素子の受光面までの領域を露出させるものである。
更に望ましくは、半導体レーザ素子の主出射方向側に於て、リードの端面をタイバー跡がなく平坦に形成するものである。
上述の様に、受光素子の後方の凹部の内部に於て外向きに傾斜した内壁を設け、それに略直交する凹部の内部に於て外向きに傾斜した内壁を設けるので、半導体レーザ素子の副出射面からの光は後方の内壁およびそれに略直交する内壁で反射され、斜め上方に進行する。故に、この反射光は受光面に進入しないので、受光量のばらつきが少ない。
望ましくは、半導体レーザ素子の副出射面から受光面までの領域を露出させるので、従来の様に、この間に透光性樹脂の量のばらつきによる受光量のばらつきが少なくなる。
更に望ましくは、半導体レーザ素子の主出射方向側に於て、リードの端面はタイバー跡がなく平坦に形成されているので、リードの端面は支持具の基準面と一様に当接される。その結果、半導体レーザ素子の発光点と支持具の光学部品との関係位置が正しく維持出来る。
以下に、本発明の実施例に係る半導体レーザ装置を図1乃至図4に従い説明する。図1は本実施例に係る半導体レーザ装置とそれを支持する支持具の斜視図、図2はそれらの平面図、図3は図2のAA断面図、図4は図2のBB断面図である。
これらの図に於て、リード1は厚みが0.2乃至1.0mmの銅等の金属材料ならなり、載置部2と突出部3と端子部4とを有する。望ましくは、リード1の端面5はタイバー跡がなく平坦に形成されている。また望ましくは、リード1の突出部3には、例えば円弧状の孔6が形成されている。
受光素子7は例えばP−I−N構造からなり、半導体基板8の裏面に裏面電極9と、表面に表面電極10、11が形成されたものである。表面電極10はP型拡散領域からなる受光面12とオーミック接触して形成され、表面電極11は受光面12と離れた位置に形成されている。受光素子7は銀ペースト等の導電性接着剤を介してリード1上に固着されている。
半導体レーザ素子13は例えば、活性層とそれを挟むクラッド層からなるGaAlAsの発光層から構成されている。半導体レーザ素子13の両端面は劈開され、その両端面上に反射膜が形成されている。半導体レーザ素子13は前方に主出射面が位置する様に、受光素子7の表面電極11上に銀ペーストまたは半田を介して固着されている。半導体レーザ素子13は後方に副出射面が形成されている。すなわち、半導体レーザ素子13は後方にモニター用の副出射が行われる様に、後面の反射膜の反射率が前面のそれよりも高くなる様に形成されている。
他のリード14、15は銅等の金属材料からなり、共にリード1と離れて位置し、半導体レーザ素子13の主出射方向と逆に延びている。金属細線16、1718は共に金等からなり、各々受光素子7の表面電極10と他のリード14との間、半導体レーザ素子13と他のリード15との間、受光素子7の表面電極11とリード1との間を結ぶ様に配線されている。
絶縁枠19は例えばポリカーボネート樹脂又はエポキシ樹脂からなり、半導体レーザ素子13の主出射面を露出する様に、かつ受光素子7と半導体レーザ素子13と金属細線16、17、18を開放する凹部20を有する様に、リード1と他のリード14、15の周辺に形成されている。
すなわち、絶縁枠19は例えばリード1と他のリード14、15の各表面と裏面を挟む様に、トランスファーモールドにより形成されている。また、絶縁枠19の凹部20に於て、受光素子7の後方に位置する内壁21と、それに略直交する内壁22、23は外向きに傾斜する様に形成されている。つまり、内壁21、22、23は各々リード1との角度が鈍角になる様に、上方に行く程、空間が広がる様に傾斜している。
また望ましくは、半導体レーザ素子13の副出射面から受光素子7の受光面12までの領域は大気中に露出させた方が良い。何故ならば従来の様に、この両者間に透光性樹脂を設けると、上述した様に樹脂量のばらつき及び最終形状のばらつきにより、受光面での受光量が大きくばらつくからである。本実施例の様に両者間を露出させる事により、受光面12での受光量は減るが、ばらつきは極めて少なくなる。
これらの部品により、本実施例の半導体レーザ装置24が構成されている。また本実施例と異なり、半導体レーザ素子13を受光素子7の前方のリード1上にサブマウントを介して載置し、半導体レーザ素子13の光軸を受光面12より高い位置に設けても良い。
この半導体レーザ装置24に於て、半導体レーザ素子13の副出射面から出た光の1部は絶縁枠19の内壁21で反射され、その反射光の1部は斜め上方に進行し、受光面12に再び入射しない。また上述の反射光の残部は絶縁枠19の凹部20の内部で迷光26となるが、この迷光26も内壁22、23で反射され、殆ど全部が斜め上方に進行する。その結果、光25は再び受光面12に入射する事がないので、受光量は安定しばらつきが少なくなる。
また、金属細線16、17、18を各々他のリード14、15とリード1に接続するために、通常はワイヤボンダーのキャピラリ27によりボンディングされている。本実施例の様に、絶縁枠19の内壁21、22、23は外向きに傾斜しているので、キャピラリ27の先端の傾斜部と接触せずにかつ近接してボンティング出来る。故に、キャピラリ27の入る空間を従来より狭く出来るので、半導体レーザ装置24の小型化が計れる。
そして支持具28に形成された透孔29に半導体レーザ装置24は挿入され、支持具28に形成されたネジ孔30と半導体レーザ装置24の孔6が合わされ、ビス等(図示せず)により固定されている。支持具28の透孔29の先端には、回折格子とハーフミラーと対物レンズからなる光学部品31が固定されている。
また上述した様に望ましくは、リード1の端面5はタイバー跡がなく平坦に形成されているので、支持具28の基準面32と端面5は完全に当接している。故に、半導体レーザ素子13の主出射面上の発光点と、支持具28の光学部品31との関係位置を正しく維持出来る。
次に、この半導体レーザ装置24の受光電流値の測定結果を図5(a)に従い説明する。横軸は受光電流値(mA)であり、縦軸は測定された120個の装置に於ける、各々の受光電流値に対する個数である。この図より、受光量すなわち受光電流のばらつきが従来より極めて少ない事が判る。
次に、この半導体レーザ装置24の経時変化特性を図6に従い説明する。この図に於て、横軸は経過時間であり、縦軸は受光電流値である。実線で示した半導体レーザ装置24の特性では、連続運転した時の受光電流の変化量が少ない事が判る。例えば、400時間運転した時の受光電流値は初期値の±2%以内の値である。これに対して、破線で示した従来の装置では、初期値の約+20%に変化する事が判る。これは連続運転する事により透光性樹脂に於て、樹脂の収縮により樹脂の外形形状が変化し、受光量が変化するものと考えられる。
最後に、この半導体レーザ装置24の製造について図7に従い説明する。図7はリードフレームが切断される前の工程を示す平面図である。この図に於て、リードフレーム33は2個のリテーナ34間に複数のタイバー35がつながる様にプレス加工にて打ち抜かれている。複数のタイバー35の所定個所に絶縁枠19が形成され、受光素子と半導体レーザ素子と金属細線(いずれも図示せず)が設けられている。
この図に於て注目すべきは、半導体レーザ素子の主出射側に於けるリードの端面5がタイバー35と結ばれていなく、端面5と反対側がタイバー35と結ばれている事である。つまり、端面5はプレス加工にて打ち抜かれおり平坦であり、タイバー35の跡がない。故に、端面5は支持具28の基準面32と完全に当接される。
上述の様に、受光素子の後方とそれに略直交する絶縁枠の凹部に於て外向きに傾斜した内壁を設けるので、半導体レーザ素子の副出射面からの光は後方の内壁およびそれに略直交する内壁で反射され、斜め上方に進行する。故に、この反射光は受光面に進入しないので、受光量のばらつきが少なくなり、出力制御が正確に行える。
望ましくは、半導体レーザ素子の副出射面から受光面までの領域を露出させるので、従来の様に、この間に透光性樹脂の量のばらつきによる受光量のばらつきが少なくなる。
更に望ましくは、半導体レーザ素子の主出射方向側に於て、リードの端面はタイバー跡がなく平坦に形成されているので、リードの端面は支持具の基準面と完全に当接される。その結果、半導体レーザ素子の発光点と支持具の光学部品との関係位置が正しく維持出来る。
複数のリードを樹脂製の絶縁枠にて一体化したパッケージに半導体レーザ素子を組み込んだ半導体レーザ装置として利用する事ができる。
本発明の実施例に係る半導体レーザ装置と、支持具の斜視図である。 本発明の実施例に係る半導体レーザ装置と、それを支持する支持具の平面断面図である。 図2のAA断面図である。 図2のBB断面図である。 図5(a)は本発明の実施例に係る半導体レーザ装置の受光電流値分布図であり、図5(b)は従来の半導体レーザ装置の受光電流値分布図である。 本発明の実施例に係る半導体レーザ装置と従来の半導体レーザ装置に於ける、各々の経時変化特性図である。 本発明の実施例に係る半導体レーザ装置の製造を説明するための図面である。 従来の半導体レーザ装置と、それを支持する支持具の平面断面図である。 図8のCC断面図である。
符号の説明
1リード
7 受光素子
13 半導体レーザ素子
19 絶縁枠
20 凹部
21、22、23内壁

Claims (2)

  1. 複数のリードと、前記リードの1つの上に載置された半導体レーザ素子と、前記複数のリードの表と裏を挟むように形成され、前記半導体レーザ素子を収納するとともに前記半導体レーザ素子の主出射面を露出する凹部を有した絶縁枠とを具備し、前記半導体レーザ素子の主出射側に於けるリードの端面が基準面に当接される半導体レーザ装置の製造方法であって、前記リードを有するリードフレームが切断される前に、前記リードフレームを2個のリテーナ間につなげる複数のタイバーが設けられ、このタイバーは、前記半導体レーザ素子の主出射側に於けるリードの端面とは結ばれず、その端面と反対側が結ばれている事を特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  2. 切断される前の前記タイバーは、前記絶縁枠からその左右に延びるリードの端面に結ばれている事を特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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