JP3887038B2 - Resin composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性ポリウレタン、末端に水酸基を有する重合体およびポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物、並びに該樹脂組成物からなる成形品に関する。本発明の樹脂組成物は、力学的強度、耐衝撃性、耐摩耗性、成形加工性に優れており、各種成形品の素材として有用である。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリウレタンは、力学的強度、高弾性、耐摩耗性および耐油性に優れるなど多くの特徴を有するため、ゴムやプラスチックスの代替材料として注目されており、通常のプラスチックス成形加工法が適用できる成形材料として、広範囲な用途で使用されている。しかしながら、従来の熱可塑性ポリウレタンは、他の樹脂に比べて粘着性(タック性)が非常に強く、成形加工性に劣っている。例えば、押出成形においては、フィルム、シート、チューブなどの巻き返しが困難な状況が生じやすい。また、射出成形においては、金型からの離型性が悪く、成形サイクルが長くなる。一方、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂は、成形加工性、機械的物性、耐水性、耐薬品性などに優れているものの、柔軟性、接着性、印刷性、低温衝撃性などに劣っている。そこで、熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂のそれぞれの欠点を改善するために、これらの樹脂を配合する試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂の相溶性は非常に乏しいため、例えば、これらを単に溶融混練しても力学的強度や成形性に優れたものは得られない。さらに、この樹脂組成物を射出成形する場合には、得られる成形品の表面剥離や層間剥離が生じやすい。また、押出成形する場合には、ダイスに目脂が発生しやすい。さらに、フィルムに成形する場合には、フィルムに穴あきが生じやすい。
【0004】
本発明の目的は、構成成分である熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂の相溶性が良好で、優れた力学的強度、耐衝撃性、耐摩耗性を有しているのみならず、成形加工性にも優れた樹脂組成物を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、上記した樹脂組成物からなる成形品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するべく本発明者らが検討を重ねた結果、熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物に、末端に水酸基を有する特定の重合体を配合することにより、これらの樹脂の相溶性が著しく改善され、力学的強度、耐衝撃性、耐摩耗性、成形加工性などに優れた樹脂組成物が得られることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、(i)熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)およびポリオレフィン系樹脂(C)からなる樹脂組成物であって;
(ii)(A)〜(C)の合計重量に基づいて、熱可塑性ポリウレタン(A)を3〜90重量%、末端に水酸基を有する重合体(B)を3〜30重量%およびポリオレフィン系樹脂(C)を5〜90重量%の割合で含有し;そして、
(iii)末端に水酸基を有する重合体(B)が、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)単独からなるか、または水素添加した共役ジエン化合物単位(I)と芳香族ビニル化合物単位(II)からなり、構造単位(I)/構造単位(II)のモル比が10/90〜100/0であり、数平均分子量が10,000〜150,000であることを特徴とする樹脂組成物に関する。
【0007】
そして、本発明は、熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)およびポリオレフィン系樹脂(C)の合計重量に基づいて、更に高級脂肪酸ビスアミド(D)を0.3〜5重量%の割合で含有する上記した樹脂組成物に関する。さらに、本発明は、上記の樹脂組成物からなる成形品に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる熱可塑性ポリウレタン(A)は、実質的に、高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を反応させて得られたものである。
【0009】
高分子ジオールとしては、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルポリカーボネートジオールなどのエステル系高分子ジオール;ポリエーテルジオールなどのエーテル系高分子ジオールが好ましい。高分子ジオールの数平均分子量は、900〜6,000であるのが好ましく、1,000〜6,000であるのがより好ましい。なお、本明細書でいう高分子ジオールの数平均分子量は、いずれもJIS K 1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
【0010】
上記ポリエステルジオールは、例えば、常法に従って、ジカルボン酸またはそのエステル、無水物などのエステル形成性誘導体と低分子ジオールとを直接エステル化反応もしくはエステル交換反応に付すことにより得られる。
【0011】
ポリエステルジオールの製造原料として用いられるジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸などの炭素数5〜12の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸などの芳香族ジカルボン酸などを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これらのなかでも、炭素数が5〜12の脂肪族ジカルボン酸を使用するのが好ましく、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸を使用するのがより好ましい。
【0012】
ポリエステルジオールの製造原料として用いられる低分子ジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの脂肪族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式ジオールなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これなのなかでも、炭素数4〜12の脂肪族ジオールを使用するのが好ましく、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールを使用するのがより好ましい。
【0013】
上記したポリカーボネートジオールは、例えば、低分子ジオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリールカーボネートなどのカーボネート化合物との反応により得られる。ポリカーボネートジオールの製造原料である低分子ジオールとしては、ポリエステルジオールの製造原料として先に例示した低分子ジオールを用いることができる。また、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどを、アルキレンカーボネートとしてはエチレンカーボネートなどを、ジアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネートなどを挙げることができる。
【0014】
上記したポリエステルポリカーボネートジオールは、例えば、低分子ジオール、ジカルボン酸およびカーボネート化合物を同時に反応させることにより得られる。あるいは、予め上記した方法によりポリエステルジオールおよびポリカーボネートジオールをそれぞれ合成し、次いでそれらをカーボネート化合物と反応させるか、またはジオールおよびジカルボン酸と反応させることによって得られる。
【0015】
ポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これらのなかでも、ポリテトラメチレングリコールを用いるのが好ましい。
【0016】
熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に用いられる有機ジイソシアネートの種類は特に制限されず、通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来から用いられている有機ジイソシアネートのいずれもが使用できるが、分子量500以下の芳香族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートのうちの1種または2種以上が好ましく使用される。有機ジイソシアネートの例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これらのなかでも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いるのが好ましい。また、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの3官能以上のポリイソシアネートを、必要に応じて少量用いることもできる。
【0017】
熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に用いられる鎖伸長剤の種類は特に制限されず、通常の熱可塑性ポリウレタンの製造に従来から用いられている鎖伸長剤のいずれもが使用できるが、イソシアネート基と反応し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量300以下の低分子化合物を使用することが好ましい。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリレングリコールなどのジオール類;ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドなどのジアミン類;アミノエチルアルコール、アミノプロピルアルコールなどのアミノアルコール類などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらの中でも、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを使用することが好ましく、1,4−ブタンジオールを使用することがより好ましい。
【0018】
鎖伸長剤の使用量は特に制限されず、ポリウレタンに付与すべき硬度などに応じて適宜選択することができるが、通常は、高分子ジオール1モル当たり、0.1〜10モルの割合で使用するのが好ましく、0.3〜7モルの割合で使用するのがより好ましい。
【0019】
熱可塑性ポリウレタン(A)の製造に当たっては、上記の高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を、下記の数式(1);
1.00≦b/(a+c)≦1.10 (1)
(式中、aは高分子ジオールのモル数、bは有機ジイソシアネートのモル数、cは鎖伸長剤のモル数を示す)
を満足する割合で反応させることが好ましい。高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を、上記の範囲内で反応させた熱可塑性ポリウレタンを用いることにより、力学的性能、耐衝撃性、耐摩耗性、成形加工性がより優れた樹脂組成物が得られる。
【0020】
上記の高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を用いて熱可塑性ポリウレタン(A)を製造するに当たって、ウレタン化反応に対して触媒活性を有するスズ系ウレタン化触媒を使用するのが好ましい。スズ系ウレタン化触媒を使用すると、ポリウレタンの分子量が速やかに増大し、各種物性がより良好なポリウレタンが得られる。スズ系ウレタン化触媒としては、例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートなどのジアルキルスズジアシレート、ジブチルスズビス(3−メルカプトプロピオン酸エトキシブチルエステル)塩などのジアルキルスズビスメルカプトカルボン酸エステル塩などを挙げることができる。これらのスズ系ウレタン化触媒の使用量は、ポリウレタン(即ち、ポリウレタンの製造に用いる高分子ジオール、有機ジイソシアネート、鎖伸長剤などの反応性原料化合物の全重量)に対して、スズ原子換算で0.5〜15ppmであるのが好ましい。
【0021】
熱可塑性ポリウレタン(A)の製造方法は特に制限されず、上記した高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を使用して、公知のウレタン化反応技術を利用して、プレポリマー法またはワンショット法のいずれで製造してもよい。そのうちでも、実質的に溶剤の不存在下に溶融重合することが好ましく、特に多軸スクリュー型押出機を用いて連続溶融重合することが好ましい。
【0022】
熱可塑性ポリウレタン(A)の対数粘度は、n−ブチルアミンを0.05モル/リットル含有するN,N−ジメチルホルムアミド溶液に、熱可塑性ポリウレタンを濃度0.5g/dlになるように溶解し、30℃で測定したときに、0.5〜2.0dl/gであることが好ましく、0.8〜1.9dl/gであることがより好ましい。対数粘度が0.5〜2.0dl/gの範囲の熱可塑性ポリウレタンを使用すると、力学的性能、耐摩耗性、非粘着性などが良好な樹脂組成物が得られるので好ましい。
【0023】
本発明に用いられる末端に水酸基を有する重合体(B)は、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)単独からなるか、または水素添加した共役ジエン化合物単位(I)および芳香族ビニル化合物単位(II)からなり、構造単位(I)/構造単位(II)のモル比は10/90〜100/0であり、20/80〜95/5であるのが好ましい。構造単位(I)と構造単位(II)の含有割合が上記の範囲の重合体(B)を用いることにより、相溶性が良好で、力学的性能、耐摩耗性などに優れた樹脂組成物が得られる。
【0024】
重合体(B)を構成する共役ジエン化合物単位(I)としては、例えば、イソプレン、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらを1種または2種以上含ませることができる。これらのなかでもイソプレン、1,3−ブタジエンから誘導される単位が好ましい。イソプレンから誘導される単位としては、具体的には、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基〔−CH2−C(CH3)=CH−CH2−;1,4−結合のイソプレン単位〕、イソプロペニルエチレン基〔−CH{C(CH3)=CH2}−CH2−;3,4−結合のイソプレン単位〕、1−メチル−1−ビニルエチレン基〔−C(CH3)(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合のイソプレン単位〕を挙げることができる。1,3−ブタジエンから誘導される単位としては、具体的には、ビニルエチレン基〔−CH(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合のブタジエン単位〕、2−ブテン1,4−ジイル基〔−CH2−CH=CH−CH2−;1,4−結合のブタジエン単位〕を挙げることができる。
【0025】
重合体(B)を構成する芳香族ビニル化合物単位(II)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらを1種または2種以上含ませることができる。これらのなかでもスチレンから誘導される単位が好ましい。
【0026】
重合体(B)は、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)のみから構成される重合体、または水素添加した共役ジエン化合物単位(I)と芳香族ビニル化合物単位(II)とから構成される重合体である。重合体(B)が、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)と芳香族ビニル化合物単位(II)とから構成される場合には、構成単位(I)と構成単位(II)の配置は、ランダム状、ブロック状、テーパーブロック状のいずれの形態になっていてもよいが、得られる樹脂組成物の相溶性、成形加工性などがより優れているという点において、各構成単位がそれぞれブロック状に配置されているのが好ましい。すなわち、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)からなる重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物単位(II)からなる重合体ブロックとをそれぞれ少なくとも1個含有しているブロック共重合体が好ましい。
【0027】
水素添加した共役ジエン化合物単位(I)からなる重合体ブロックとしては、水素添加したポリイソプレンブロック、水素添加したポリブタジエンブロックおよび水素添加したイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましい。
【0028】
水素添加したポリイソプレンブロックは、イソプレンに由来する単位から主としてなるポリイソプレンの不飽和結合の一部または全部が、水素添加されて飽和結合になっている重合体ブロックである。水素添加したポリイソプレンブロックでは、その水素添加前には、前記した1,4−結合のイソプレン単位、3,4−結合のイソプレン単位および1,2−結合のイソプレン単位から選ばれる少なくとも1種からなっており、各単位の割合は特に限定されないが、1,4−結合のイソプレン単位の割合が40モル%以上であることが、得られる樹脂組成物の力学的性能、耐衝撃性、耐摩耗性が優れることから好ましい。そして、水素添加したポリイソプレンブロックは、その数平均分子量が8,000〜100,000であるのが、得られる樹脂組成物の力学的性能、成形加工性などが優れることから好ましく、10,000〜80,000であるのがより好ましい。
【0029】
水素添加したポリブタジエンブロックは、ブタジエンに由来する単位から主としてなるポリブタジエンの不飽和結合の一部または全部が、水素添加によって飽和結合になっている重合体ブロックである。水素添加したポリブタジエンブロックでは、その水素添加前には、好ましくは30〜80モル%、より好ましくは35〜60モル%が前記した1,2−結合のブタジエン単位であり、好ましくは70〜20モル%、より好ましくは65〜40モル%が前記した1,4−結合のブタジエン単位である。水素添加したポリブタジエンブロックにおける1,2−結合のブタジエン単位の割合が30〜80モル%の範囲から外れると、得られる樹脂組成物の耐衝撃性が不良となる。そして、水素添加したポリブタジエンブロックは、その数平均分子量が8,000〜100,000であるのが、得られる樹脂組成物の力学的性能、成形加工性などが優れることから好ましく、10,000〜80,000であるのがより好ましい。
【0030】
水素添加したイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックは、イソプレンに由来する単位およびブタジエンに由来する単位から主としてなるイソプレン/ブタジエン共重合体の不飽和結合の一部または全部が、水素添加によって飽和結合になっている重合体ブロックである。水素添加したイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックでは、その水素添加前には、イソプレンに由来する単位は、前記した1,4−結合のイソプレン単位、3,4−結合のイソプレン単位および1,2−結合のイソプレン単位から選ばれる少なくとも1種の単位であり、ブタジエンに由来する単位は、前記した1,2−結合のブタジエン単位および/または1,4−結合のブタジエン単位である。水素添加前におけるイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックにおけるこれらの単位の割合は特に制限されず、さらに、ランダム状、ブロック状、テーパーブロック状のいずれの形態になっていてもよい。そして、水素添加したイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックは、その数平均分子量が8,000〜100,000であるのが、得られる樹脂組成物の力学的性能、耐衝撃性、耐摩耗性などが優れることから好ましく、10,000〜80,000であるのがより好ましい。
【0031】
本発明においては、樹脂組成物の耐衝撃性の改善効果の点から、重合体(B)を構成する水素添加した共役ジエン化合物単位(I)からなる重合体ブロックは、水素添加したポリイソプレンブロックおよび水素添加したイソプレン/ブタジエン共重合体ブロックの少なくとも一方からなっているのが好ましく、イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックからなっているのがより好ましい。イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックの場合、(イソプレンに由来する単位):(ブタジエンに由来する単位)のモル比が1:9〜9:1の範囲内であるのが耐衝撃性の改善の点から好ましく、3:7〜7:3の範囲内であるのがより好ましい。
【0032】
重合体(B)を構成する芳香族ビニル化合物単位(II)からなる重合体ブロックは、その数平均分子量が2,000〜50,000であるのが、得られる樹脂組成物の力学的性能、成形加工性などが優れることから好ましく、数平均分子量が2,500〜40,000であるのがより好ましい。
【0033】
本発明に用いられる好ましい重合体(B)としては、例えば下記の式▲1▼〜▲4▼で示されるブロック共重合体を挙げることができる。
【0034】
〔式中、AおよびA’はそれぞれ独立して芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックを、BおよびB’はそれぞれ独立して水素添加した共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロックを、k、l、m、nはそれぞれ独立して1以上の整数を表し、−OHは水酸基を表す。〕
【0035】
上記式▲1▼〜▲4▼で示されるブロック共重合体において、k、l、m、nが1〜5の範囲内の整数であるのが好ましく、芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックを2個以上有しているブロック共重合体が、得られる樹脂組成物の耐衝撃性を一層向上させる点においてさらに好ましい。特に、下記の式▲5▼で示されるトリブロック共重合体が好ましい。
【0036】
A−B−A’−OH …… ▲5▼
〔式中、AおよびA’はそれぞれ独立して芳香族ビニル化合物単位からなる重合体ブロックを、Bは水素添加した共役ジエン化合物単位からなる重合体ブロックを表し、−OHは水酸基を表す。〕
【0037】
重合体(B)は、末端に水酸基を含有している必要がある。重合体(B)の水酸基含有量は、1分子当たり0.5個以上であるのが好ましく、0.7〜2.0個であるのがより好ましい。末端に水酸基を全く有していないものは、熱可塑性ポリウレタン(A)とポリオレフィン系樹脂(C)の相溶性を十分に改善することができず、力学的強度、耐衝撃性、耐摩耗性などに優れた樹脂組成物は得られない。
【0038】
重合体(B)の数平均分子量は、10,000〜150,000であり、12,500〜120,000であるのが好ましい。数平均分子量がこの範囲の重合体(B)を用いることにより、熱可塑性ポリウレタン(A)とポリオレフィン系樹脂(C)との相溶性がより向上し、力学的物性、耐摩耗性がより優れた樹脂組成物が得られる。
【0039】
重合体(B)は、例えば、ブチルリチウムなどの有機アルカリ金属触媒を用いるアニオンリビング重合などにより、上記した単量体単位からなるリビングポリマーを得、その重合活性末端をエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドなどで処理して末端に水酸基を導入した後、さらに公知の方法を用いて共役ジエン化合物単位を水素添加することにより得られる。
【0040】
重合体(B)を構成する共役ジエン化合物単位(I)における炭素−炭素二重結合の水素添加の状態は、部分水添であっても、または完全水添であってもよい。耐熱劣化性および耐候性などがより優れた樹脂組成物が得られる点において、炭素−炭素二重結合の50%以上が水素添加されている(すなわち、不飽和度が50%以下である)のが好ましく、80%以上が水素添加されている(すなわち、不飽和度が20%以下である)のがより好ましい。
【0041】
共役ジエン化合物単位の水素添加反応には、触媒として均一系触媒または不均一系触媒を用いることができる。均一系触媒としては、例えば、有機遷移金属触媒(ニッケルアセチルアセトナート、コバルトアセチルアセトナート、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等)とアルミニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などの金属のアルキル化合物との組み合わせによるチーグラー触媒などを挙げることができる。これらの触媒は、共役ジエン化合物単位中に含まれる炭素−炭素二重結合に対して0.01〜0.1モル%の割合で用いられるのが好ましい。水素添加反応は、通常、常温〜160℃、常圧〜50kg/cm2の水素圧下で行われ、約1〜50時間で終了する。
【0042】
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂(C)としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレン/α−オレフィン共重合体などが挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デカン、1−オクタデカンなどを挙げることができ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのポリオレフィン系樹脂(C)のメルトフローレート(MI;190℃、2.16kg荷重)は、0.02〜30g/10分であるのが好ましい。
【0043】
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)およびポリオレフィン系樹脂(C)の合計重量に基づいて、熱可塑性ポリウレタン(A)を3〜90重量%、末端に水酸基を有する重合体(B)を3〜30重量%およびポリオレフィン系樹脂(C)を5〜90重量%の割合で含有していることが必要であり、熱可塑性ポリウレタン(A)を15〜90重量%、末端に水酸基を有する高分子(B)を5〜25重量%、およびポリオレフィン系樹脂(C)を5〜80重量%の割合で含有しているのが好ましい。
【0044】
熱可塑性ポリウレタン(A)の含有量が3重量%未満の場合には、得られる樹脂組成物の柔軟性、力学的強度、耐衝撃性、耐摩耗性などの性能が低下する。熱可塑性ポリウレタン(A)の含有量が90重量%を超える場合には、得られる樹脂組成物が粘着性、ブロッキング性を有するようになるため、フィルムに成形する際に、巻き取り、巻き戻しなどが困難になる。また、射出成形する際には成形サイクルが長くなる傾向がある。重合体(B)の含有量が3重量%未満の場合には、熱可塑性ポリウレタン(A)とポリオレフィン系樹脂(C)との相溶性が劣るため、射出成形する際に、成形品の表面で樹脂の剥離現象が生じやすい。また、押出成形する際には、ダイスに目脂が発生しやすくなる。重合体(B)の含有量が30重量%を超える場合には、熱可塑性ポリウレタン(A)と重合体(B)の相溶性が低下したり、得られる樹脂組成物が粘着性を有するようになる。ポリオレフィン系樹脂(C)の含有量が5重量%未満の場合には、得られる樹脂組成物の非粘着性が十分に改善されない。ポリオレフィン系樹脂(C)の含有量が90重量%を超える場合には、熱可塑性ポリウレタン(A)とポリオレフィン系樹脂(C)の相溶性が低下し、各種物性が低下する傾向がある。
【0045】
また、本発明の樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)およびポリオレフィン系樹脂(C)の合計重量に基づいて、更に高級脂肪酸ビスアミド(D)を0.3〜5重量%の割合で含有することが好ましい。高級脂肪酸ビスアミド(D)を前記の割合で含有することによって、得られる樹脂組成物の非粘着性、相溶性などがより一層向上し、力学的特性がより優れたものが得られる。
【0046】
本発明に用いることができる高級脂肪酸ビスアミド(D)としては、炭素数14〜35の高級脂肪酸と炭素数が1〜10の脂肪族ジアミンから製造されるものが好ましい。高級脂肪酸としては、例えば、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セチン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げられる。脂肪族ジアミンとしては、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカンなどが挙げられる。前記高級脂肪酸と脂肪族ジアミンから製造される高級脂肪酸ビスアミドの中でも、エチレンビスステアリン酸アミド、テトラメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサンメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスモンタン酸アミド、テトラメチレンビスモンタン酸アミド、ヘキサメチレンビスモンタン酸アミドなどが好ましい。これらの高級脂肪酸ビスアミドは単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0047】
さらに、所望により、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲内の量において、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、加水分解防止剤等の添加剤を併用することができる。
【0048】
本発明の樹脂組成物は、上記の熱可塑性ポリウレタン(A)、末端に水酸基を有する重合体(B)、ポリオレフィン系樹脂(C)、および必要に応じて高級脂肪酸ビスアミド(D)などの添加剤を、所望の方法で混合することにより製造することができる。例えば、樹脂材料の混合に通常用いられるような縦型または水平型の混合機を用いて、上記各成分を所定の割合で予備混合した後、一軸または二軸の押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサーなどを用いて、回分式または連続式で加熱下に溶融混練することにより製造することができる。
【0049】
本発明の樹脂組成物は、熱溶融成形、加熱加工が可能であり、押出成形、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形、注型などの任意の成形方法によって、種々の成形品を円滑に成形することができる。
【0050】
本発明の樹脂組成物は、自動車部品、機械部品、靴底、時計バンド、パッキン材、フィルム、シート、ベルト、ホース、チューブなどの広範囲な各種用途の素材などとして有用である。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例において、熱可塑性ポリウレタンの硬度、対数粘度;樹脂組成物の引張強伸度、耐衝撃性、耐摩耗性、成形品の表面剥離、非粘着性および相溶性は以下の方法により測定または評価した。
【0052】
[硬度]
熱可塑性ポリウレタンを射出成形(シリンダー温度:180〜200℃、金型温度:30℃)することにより得られた直径120mm、厚さ2mmの円板状物を2枚重ね合わせたものを用いて、JIS K 6301に準拠してショアー硬度Aを求めた。
【0053】
[対数粘度]
n−ブチルアミンを0.05モル/リットル含有するN,N−ジメチルホルムアミド溶液に、熱可塑性ポリウレタンを濃度0.5g/dlになるように溶解し、ウベローデ型粘度計を用いて、その熱可塑性ポリウレタン溶液の30℃における流下時間を測定し、下式により対数粘度を測定した。
対数粘度={ln(t/t0)}/c
〔式中、tは熱可塑性ポリウレタン溶液の流下時間(秒)を、toは溶媒の流下時間(秒)を、cは熱可塑性ポリウレタン溶液の濃度(g/dl)を表す。〕
【0054】
[引張強伸度]
樹脂組成物を射出成形(シリンダー温度:180〜200℃、金型温度:30℃)することにより得られた直径120mm、厚さ2mmの円板状物からダンベル3号で打ち抜き試験片を作成し、JIS K 7311に準拠して引張強度および引張伸度を測定した。
【0055】
[耐衝撃性]
樹脂組成物を200℃で熱プレスすることにより得られた厚さ120μのシートについて、フィルムインパクトテスターを用いて耐衝撃性を測定した。
【0056】
[耐摩耗性]
樹脂組成物を射出成形(シリンダー温度:180〜200℃、金型温度:30℃)することにより得られた直径120mm、厚さ2mmの円板状物を使用し、JIS K 7311(荷重1kg、1000回、摩耗輪H−22)に準拠して摩耗量を測定した。
【0057】
[成形品の表面剥離]
樹脂組成物を射出成形(シリンダー温度:180〜200℃、金型温度:30℃)することにより得られた直径120mm、厚さ2mmの円板状物の表面を肉眼で観察し、表面に剥離が生じているがどうかを調べた。
【0058】
[非粘着性]
Tダイ型押出成形機(25mmφ、シリンダー温度:190〜200℃、ダイス温度:200℃)を使用して厚さ約38μのフィルムを製膜する際に、離型紙を用いずに巻き取ったフィルムについて、巻き戻して、フィルム間の耐ブロッキング性の程度を観察し、下記の評価基準で判定した。
(記号) (評価基準)
◎: 巻き戻しが容易にできる。
○: 巻き戻し可能だが、巻き戻しに少し引張力を要する。
×: 巻き戻し可能だが、巻き戻しにかなりの引張力を要する。
【0059】
[相溶性]
Tダイ型押出成形機(25mmφ、シリンダー温度:190〜200℃、ダイス温度:200℃)を用いて押出成形した厚さ35μのフィルムを引き伸ばしたものを肉眼で観察し、白化現象を起こしているものを×,白化現象を起こしていないものを○とした。
【0060】
以下、実施例および比較例で用いた化合物および重合体に関する略号を下記に示す。
【0061】
BD: 1,4−ブタンジオール
【0062】
MDI: 4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
【0063】
PNOA:
1,9−ノナンジオール(ND)、2−メチル−1,8−オクタンジオール(MOD)(ND:MODのモル比65:35)およびアジピン酸からなる数平均分子量2,000のポリエステルジオール
【0064】
PMPA:
3−メチル−1,5−ペンタンジオールおよびアジピン酸からなる数平均分子量3,500のポリエステルジオール
【0065】
PBA:
1,4−ブタンジオールおよびアジピン酸からなる数平均分子量2,000のポリエステルジオール
【0066】
PTG:
数平均分子量1,000のポリテトラメチレングリコール
【0067】
IP−OH:
末端に水酸基を有するポリイソプレンの水添物;
〔数平均分子量:20,000、水酸基含有量:1分子当たり0.93個、水素添加率:98%、水素添加前のポリイソプレンブロックにおける1,4−結合:91モル%〕
【0068】
SEP−OH:
末端に水酸基を有する、ポリスチレンブロック(数平均分子量:10,000)/ポリイソプレンブロック(数平均分子量:20,000)からなるジブロック共重合体の水添物;
〔数平均分子量:30,000、スチレン単位/イソプレン単位のモル比:25/75、水酸基含有量:1分子当たり0.89個、水素添加率:97%、水素添加前のポリイソプレンブロックにおける1,4−結合:90モル%〕
【0069】
SEPS−OH:
末端基に水酸基を有する、ポリスチレンブロック(数平均分子量:6,000)/ポリイソプレンブロック(数平均分子量:28,000)/ポリスチレンブロック(数平均分子量:6,000)からなるトリブロック共重合体の水添物;
〔数平均分子量:40,000、スチレン単位/イソプレン単位のモル比:22/78、水酸基含有量:1分子当たり0.89個、水素添加率:98%、水素添加前のポリイソプレンブロックにおける1,4−結合量:92モル%〕
【0070】
SEEPS−OH:
末端に水酸基を有する、ポリスチレンブロック(数平均分子量:6,000)/1,3−ブタジエンとポリイソプレンとの共重合体ブロック(数平均分子量:30,000)/ポリスチレンブロック(数平均分子量:6,000)からなるトリブロック共重合体の水添物;
〔数平均分子量:42,000、スチレン単位/1,3−ブタジエン単位およびイソプレン単位のモル比:19/81、1,3−ブタジエン単位/イソプレン単位のモル比:50/50、水酸基含有量:1分子当たり0.80個、水素添加率:98%、水素添加前の1,3−ブタジエン単位における1,4−結合:55モル%、水素添加前のイソプレン単位における1,4−結合:95モル%〕
【0071】
SIS−OH:
末端に水酸基を有する、ポリスチレンブロック(数平均分子量:6,000)/ポリイソプレンブロック(数平均分子量:40,000)/ポリスチレンブロック(数平均分子量:6,000)からなるトリブロック共重合体の水添物;
〔数平均分子量:52,000、スチレン単位/イソプレン単位のモル比:17/83、水酸基含有量:1分子当たり0.89個、水素添加率:85%、水素添加前のポリイソプレンブロックにおける1,4−結合量:55モル%〕
【0072】
SEP:
末端に水酸基を有しない、ポリスチレンブロック(数平均分子量:11,000)−ポリイソプレンブロック(数平均分子量:20,000)からなるジブロック共重合体の水添物;
〔数平均分子量:31,000、スチレン単位/イソプレン単位のモル比:27/73、水素添加率:98%、ポリイソプレンブロックにおける1,4−結合:93モル%〕
【0073】
PP: ポリプロピレン(MI:5g/10分)
【0074】
PE: 高密度ポリエチレン(MI:0.05g/10分)
【0075】
EPR: エチレン−プロピレン共重合体(プロピレン含量:22重量%、MI:0.9g/10分)
【0076】
EBSA: エチレンビスステアリン酸アミド
【0077】
実施例1
PMPA、BDおよび50℃で加熱溶融したMDIを、PMPA:BD:MDIのモル比が1:4.17:5.32となる割合で、かつこれらの総量が300g/minになるように、定量ポンプにより、同軸で回転する二軸押出機(30mmφ、L/D=36、シリンダー温度:75〜260℃)に連続的に供給して、連続溶融重合を行った。生成したポリウレタンの溶融物をストランド状で水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーでペレットに切断し、このペレットを80℃で20時間除湿乾燥することにより、下記の表1に示す硬度および対数粘度を有する熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタン20重量部、ポリプロピレン(MI:5g/10分)60重量部、およびSEP−OH20重量部を、単軸押出機(25mmφ、シリンダー温度:170〜200℃、ダイス温度:190℃)で溶融混練した後、ペレット化し、このペレットを80℃で5時間以上除湿乾燥させた。この乾燥ペレットを使用して、上記の方法で各種物性値を測定または評価した結果を下記の表2に示す。
【0078】
実施例2〜9、比較例1〜3
下記の表1に示すポリウレタン原料を所定の割合で使用する以外は、実施例1と同様にして連続溶融重合反応を行い、表1に示す硬度および対数粘度を有する熱可塑性ポリウレタンを得た。さらに表1に示す配合割合で樹脂組成物を製造し、上記の方法で各種物性値を測定または評価した結果を下記の表2に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
実施例10〜20、比較例4、5
下記の表3に示すポリウレタン原料を所定の割合で使用する以外は、実施例1と同様にして連続溶融重合反応を行い、表3に示す硬度および対数粘度を有する熱可塑性ポリウレタンを得た。さらに表3に示す配合割合で樹脂組成物を製造し、上記の方法で各種物性値を測定または評価した結果を下記の表4に示す。
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、構成成分である熱可塑性ポリウレタンとポリオレフィン系樹脂の相溶性が良好なため、引張強伸度、耐衝撃性、耐摩耗性、成形加工性に優れており、各種成形品の素材として有用である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a thermoplastic polyurethane, a resin composition comprising a polymer having a hydroxyl group at the terminal, and a polyolefin resin, and a molded article comprising the resin composition. The resin composition of the present invention is excellent in mechanical strength, impact resistance, wear resistance and molding processability, and is useful as a material for various molded products.
[0002]
[Prior art]
Thermoplastic polyurethane is attracting attention as an alternative material for rubber and plastics because it has many features such as excellent mechanical strength, high elasticity, abrasion resistance and oil resistance. As a molding material that can be used, it is used in a wide range of applications. However, the conventional thermoplastic polyurethane has very strong adhesiveness (tackiness) as compared with other resins and is inferior in molding processability. For example, in extrusion molding, a situation where it is difficult to roll back a film, a sheet, a tube or the like is likely to occur. Moreover, in injection molding, the releasability from a metal mold | die is bad, and a molding cycle becomes long. On the other hand, polyolefin resins such as polyethylene and polypropylene are excellent in molding processability, mechanical properties, water resistance, chemical resistance, etc., but inferior in flexibility, adhesiveness, printability, low temperature impact resistance, etc. Yes. Therefore, attempts have been made to blend these resins in order to improve the respective disadvantages of thermoplastic polyurethane and polyolefin resins.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, since the compatibility between the thermoplastic polyurethane and the polyolefin resin is very poor, for example, even if these are simply melt-kneaded, those having excellent mechanical strength and moldability cannot be obtained. Furthermore, when this resin composition is injection-molded, surface peeling and delamination of the resulting molded product are likely to occur. Moreover, when extrusion molding is performed, it is easy to generate grease on the die. Furthermore, when forming into a film, it is easy to produce a hole in a film.
[0004]
The object of the present invention is that the compatibility between the thermoplastic polyurethane and the polyolefin resin, which are the constituent components, is good, and not only has excellent mechanical strength, impact resistance, and wear resistance, but also in moldability. Is to provide an excellent resin composition.
Furthermore, the other object of this invention is to provide the molded article which consists of an above-described resin composition.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of repeated investigations by the present inventors to achieve the above object, these resins can be obtained by blending a specific polymer having a hydroxyl group at a terminal with a resin composition comprising a thermoplastic polyurethane and a polyolefin resin. The present inventors have found that a resin composition excellent in mechanical strength, impact resistance, abrasion resistance, molding processability and the like can be obtained, and the present invention has been completed based on these findings.
[0006]
That is, the present invention is a resin composition comprising (i) a thermoplastic polyurethane (A), a polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal, and a polyolefin resin (C);
(Ii) Based on the total weight of (A) to (C), 3 to 90% by weight of the thermoplastic polyurethane (A), 3 to 30% by weight of the polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal, and a polyolefin resin (C) in a proportion of 5 to 90% by weight; and
(Iii) a polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal,Consisting of hydrogenated conjugated diene compound unit (I) alone, orIt consists of hydrogenated conjugated diene compound unit (I) and aromatic vinyl compound unit (II), and the molar ratio of structural unit (I) / structural unit (II) is 10/90 to 100/0, and the number average molecular weight Is a resin composition characterized by being 10,000 to 150,000.
[0007]
Then, the present invention further adds higher fatty acid bisamide (D) from 0.3 to 5 based on the total weight of thermoplastic polyurethane (A), polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal and polyolefin resin (C). The present invention relates to the above-described resin composition that is contained in a percentage by weight. Furthermore, this invention relates to the molded article which consists of said resin composition.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The thermoplastic polyurethane (A) used in the present invention is substantially obtained by reacting a polymer diol, an organic diisocyanate and a chain extender.
[0009]
As the polymer diol, ester polymer diols such as polyester diol, polycarbonate diol, and polyester polycarbonate diol; ether polymer diols such as polyether diol are preferable. The number average molecular weight of the polymer diol is preferably 900 to 6,000, and more preferably 1,000 to 6,000. The number average molecular weight of the polymer diol referred to in this specification is a number average molecular weight calculated based on the hydroxyl value measured in accordance with JIS K 1577.
[0010]
The polyester diol can be obtained, for example, by subjecting an ester-forming derivative such as dicarboxylic acid or its ester or anhydride and a low molecular diol directly to an esterification reaction or transesterification reaction according to a conventional method.
[0011]
Examples of the dicarboxylic acid used as a raw material for producing the polyester diol include glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, dodecanedicarboxylic acid, 2-methylsuccinic acid, 2-methyladipic acid, 3- Aliphatic dicarboxylic acids having 5 to 12 carbon atoms such as methyladipic acid, 3-methylpentanedioic acid, 2-methyloctanedioic acid, 3,8-dimethyldecanedioic acid, 3,7-dimethyldecanedioic acid; terephthalic acid And aromatic dicarboxylic acids such as isophthalic acid and orthophthalic acid. One or more of these can be used. Among these, it is preferable to use an aliphatic dicarboxylic acid having 5 to 12 carbon atoms, and it is more preferable to use adipic acid, azelaic acid, or sebacic acid.
[0012]
Examples of the low molecular diol component used as a raw material for producing polyester diol include ethylene glycol, 1,3-propanediol, 2-methyl-1,3-propanediol, 1,4-butanediol, neopentyl glycol, 1 , 5-pentanediol, 3-methyl-1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, 1,8-octanediol, 2-methyl-1,8-octanediol, 1,9-nonanediol, Aliphatic diols such as 1,10-decanediol; cycloaliphatic diols such as cyclohexanedimethanol and cyclohexanediol; and one or more of these can be used. Among these, it is preferable to use an aliphatic diol having 4 to 12 carbon atoms, such as 1,4-butanediol, 3-methyl-1,5-pentanediol, 2-methyl-1,8-octanediol, More preferably, 1,9-nonanediol is used.
[0013]
The above polycarbonate diol can be obtained, for example, by a reaction between a low molecular diol and a carbonate compound such as dialkyl carbonate, alkylene carbonate, or diaryl carbonate. As the low molecular diol which is a raw material for producing polycarbonate diol, the low molecular diols exemplified above as the raw material for producing polyester diol can be used. Examples of the dialkyl carbonate include dimethyl carbonate and diethyl carbonate, examples of the alkylene carbonate include ethylene carbonate, and examples of the diaryl carbonate include diphenyl carbonate.
[0014]
The above-described polyester polycarbonate diol can be obtained, for example, by reacting a low molecular diol, a dicarboxylic acid and a carbonate compound simultaneously. Alternatively, polyester diol and polycarbonate diol are respectively synthesized in advance by the method described above, and then reacted with a carbonate compound or obtained by reacting with diol and dicarboxylic acid.
[0015]
Examples of the polyether diol include polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene glycol, and the like, and one or more of these can be used. Of these, polytetramethylene glycol is preferably used.
[0016]
The type of the organic diisocyanate used in the production of the thermoplastic polyurethane (A) is not particularly limited, and any of the organic diisocyanates conventionally used in the production of ordinary thermoplastic polyurethanes can be used. One or more of aliphatic diisocyanates, alicyclic diisocyanates and aliphatic diisocyanates are preferably used. Examples of organic diisocyanates include 4,4′-diphenylmethane diisocyanate, p-phenylene diisocyanate, xylylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, tolylene diisocyanate, 1,5-naphthylene diisocyanate, 4,4′-dicyclohexylmethane. A diisocyanate etc. can be mentioned, Among these, 1 type (s) or 2 or more types can be used. Of these, 4,4'-diphenylmethane diisocyanate is preferably used. Further, a trifunctional or higher functional polyisocyanate such as triphenylmethane triisocyanate can be used in a small amount as required.
[0017]
The type of chain extender used in the production of the thermoplastic polyurethane (A) is not particularly limited, and any of chain extenders conventionally used in the production of ordinary thermoplastic polyurethanes can be used. A low molecular weight compound having a molecular weight of 300 or less having at least two active hydrogen atoms capable of reacting in the moleculeUseIs preferred. For example, ethylene glycol, propylene glycol, 1,4-butanediol, 1,6-hexanediol, 1,4-bis (β-hydroxyethoxy) benzene, 1,4-cyclohexanediol, bis- (β-hydroxyethyl) Diols such as terephthalate and xylylene glycol; hydrazine, ethylenediamine, propylenediamine,ISophorone diamine, piperazine and its derivatives, phenylene diamine, tolylenediamine, xyReDiamines such as range amine, adipic acid dihydrazide, and isophthalic acid dihydrazide; amino alcohols such as aminoethyl alcohol and aminopropyl alcohol, etc., of which one or moreusebe able to. theseDuring ~However, an aliphatic diol having 2 to 10 carbon atomsUseIs preferred, and 1,4-butanediol isUseIs more preferable.
[0018]
The amount of the chain extender used is not particularly limited and can be appropriately selected according to the hardness to be imparted to the polyurethane. Usually, it is used at a ratio of 0.1 to 10 moles per mole of the polymer diol. It is preferable to use it at a ratio of 0.3 to 7 mol.
[0019]
In the production of the thermoplastic polyurethane (A), the polymer diol, the organic diisocyanate and the chain extender are represented by the following formula (1);
1.00 ≦ b / (a + c) ≦ 1.10 (1)
(Wherein, a represents the number of moles of the polymer diol, b represents the number of moles of the organic diisocyanate, and c represents the number of moles of the chain extender)
It is preferable to make it react in the ratio which satisfies. Resin composition with better mechanical performance, impact resistance, wear resistance, and molding processability by using thermoplastic polyurethane in which polymer diol, organic diisocyanate and chain extender are reacted within the above range Is obtained.
[0020]
In producing the thermoplastic polyurethane (A) using the above polymer diol, organic diisocyanate and chain extender, it is preferable to use a tin-based urethanization catalyst having catalytic activity for the urethanization reaction. When a tin-based urethanization catalyst is used, the molecular weight of the polyurethane increases rapidly, and a polyurethane having better physical properties can be obtained. Examples of the tin-based urethanization catalyst include dialkyltin diamerates such as dibutyltin diacetate and dibutyltin dilaurate, and dialkyltin bismercaptocarboxylic acid ester salts such as dibutyltin bis (3-mercaptopropionic acid ethoxybutyl ester) salt. be able to. The amount of these tin-based urethanization catalysts used is 0 in terms of tin atoms relative to polyurethane (that is, the total weight of reactive raw material compounds such as polymer diols, organic diisocyanates, chain extenders, etc. used in the production of polyurethane). It is preferably 5 to 15 ppm.
[0021]
The production method of the thermoplastic polyurethane (A) is not particularly limited, and a prepolymer method or a one-shot method using the above-described polymer diol, organic diisocyanate and chain extender and utilizing a known urethanization reaction technique. You may manufacture by either. Among them, it is preferable to perform melt polymerization in the substantial absence of a solvent, and it is particularly preferable to perform continuous melt polymerization using a multi-screw extruder.
[0022]
The logarithmic viscosity of the thermoplastic polyurethane (A) was obtained by dissolving the thermoplastic polyurethane at a concentration of 0.5 g / dl in an N, N-dimethylformamide solution containing 0.05 mol / liter of n-butylamine. When measured at ° C., it is preferably 0.5 to 2.0 dl / g, more preferably 0.8 to 1.9 dl / g. The use of a thermoplastic polyurethane having a logarithmic viscosity in the range of 0.5 to 2.0 dl / g is preferable because a resin composition having good mechanical performance, abrasion resistance, non-adhesiveness, and the like can be obtained.
[0023]
The polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal used in the present invention is:Consisting of hydrogenated conjugated diene compound unit (I) alone, orIt consists of hydrogenated conjugated diene compound unit (I) and aromatic vinyl compound unit (II), and the molar ratio of structural unit (I) / structural unit (II) is 10/90 to 100/0, It is preferably ~ 95/5. By using the polymer (B) in which the content ratio of the structural unit (I) and the structural unit (II) is in the above range, a resin composition having good compatibility, excellent mechanical performance, wear resistance, and the like can be obtained. can get.
[0024]
Examples of the conjugated diene compound unit (I) constituting the polymer (B) include isoprene, 1,3-butadiene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, 1,3-pentadiene, 1,3- The unit derived from hexadiene etc. can be mentioned, These can be included 1 type or 2 types or more. Of these, units derived from isoprene and 1,3-butadiene are preferred. As the unit derived from isoprene, specifically, a 2-methyl-2-butene-1,4-diyl group [—CH 22-C (CHThree) = CH-CH2-; 1,4-bonded isoprene unit], isopropenylethylene group [-CH {C (CHThree) = CH2} -CH2-; 3,4-bonded isoprene unit], 1-methyl-1-vinylethylene group [-C (CHThree) (CH = CH2) -CH2-; 1,2-linked isoprene units]. As a unit derived from 1,3-butadiene, specifically, a vinylethylene group [—CH (CH═CH2) -CH2-; 1,2-bonded butadiene unit], 2-butene 1,4-diyl group [-CH2-CH = CH-CH2-; 1,4-bonded butadiene units].
[0025]
Examples of the aromatic vinyl compound unit (II) constituting the polymer (B) include styrene, α-methylstyrene, o-methylstyrene, m-methylstyrene, p-methylstyrene, 2,4-dimethylstyrene, Units derived from vinyl naphthalene, vinyl anthracene and the like can be mentioned, and one or more of these can be contained. Of these, units derived from styrene are preferred.
[0026]
The polymer (B) is composed of only a hydrogenated conjugated diene compound unit (I) or a hydrogenated conjugated diene compound unit (I) and an aromatic vinyl compound unit (II). It is a polymer. When the polymer (B) is composed of a hydrogenated conjugated diene compound unit (I) and an aromatic vinyl compound unit (II), the arrangement of the structural unit (I) and the structural unit (II) is as follows: Random, block, and tapered block shapes may be used, but each structural unit is block-like in that the resulting resin composition has better compatibility, moldability, etc. Is preferably arranged. That is, a block copolymer containing at least one polymer block composed of a hydrogenated conjugated diene compound unit (I) and a polymer block composed of an aromatic vinyl compound unit (II) is preferred.
[0027]
The polymer block comprising the hydrogenated conjugated diene compound unit (I) is at least one selected from a hydrogenated polyisoprene block, a hydrogenated polybutadiene block, and a hydrogenated isoprene / butadiene copolymer block. Is preferred.
[0028]
The hydrogenated polyisoprene block is a polymer block in which a part or all of unsaturated bonds of polyisoprene mainly composed of units derived from isoprene are hydrogenated to form saturated bonds. In the hydrogenated polyisoprene block, before the hydrogenation, at least one selected from the aforementioned 1,4-bonded isoprene units, 3,4-bonded isoprene units, and 1,2-bonded isoprene units is used. The proportion of each unit is not particularly limited, but the proportion of 1,4-bonded isoprene units is 40 mol% or more, and the resulting resin composition has mechanical performance, impact resistance, and abrasion resistance. It is preferable because of its excellent properties. The hydrogenated polyisoprene block has a number average molecular weight of 8,000 to 100,000 because the mechanical performance and molding processability of the resulting resin composition are excellent, and 10,000. More preferably, it is -80,000.
[0029]
The hydrogenated polybutadiene block is a polymer block in which a part or all of unsaturated bonds of polybutadiene mainly composed of units derived from butadiene are saturated bonds by hydrogenation. In the hydrogenated polybutadiene block, the hydrogenated polybutadiene block is preferably 30 to 80 mol%, more preferably 35 to 60 mol% of the 1,2-bonded butadiene units described above, preferably 70 to 20 mol. %, More preferably 65 to 40 mol% is the 1,4-bonded butadiene unit described above. If the proportion of 1,2-bonded butadiene units in the hydrogenated polybutadiene block is out of the range of 30 to 80 mol%, the resulting resin composition has poor impact resistance. The hydrogenated polybutadiene block preferably has a number average molecular weight of 8,000 to 100,000 because the resulting resin composition is excellent in mechanical performance, molding processability, and the like. More preferably, it is 80,000.
[0030]
In the hydrogenated isoprene / butadiene copolymer block, some or all of the unsaturated bonds of the isoprene / butadiene copolymer mainly composed of units derived from isoprene and units derived from butadiene become saturated bonds by hydrogenation. Polymer block. In the hydrogenated isoprene / butadiene copolymer block, before the hydrogenation, the units derived from isoprene are the aforementioned 1,4-bonded isoprene units, 3,4-bonded isoprene units, and 1,2- The unit derived from butadiene is at least one unit selected from bonded isoprene units, and the above-mentioned 1,2-bonded butadiene units and / or 1,4-bonded butadiene units. The ratio of these units in the isoprene / butadiene copolymer block before hydrogenation is not particularly limited, and may be in any form of random, block, or tapered block. In addition, the hydrogenated isoprene / butadiene copolymer block has a number average molecular weight of 8,000 to 100,000. The resulting resin composition has mechanical performance, impact resistance, wear resistance, and the like. It is preferable from the viewpoint of superiority, and more preferably 10,000 to 80,000.
[0031]
In the present invention, from the viewpoint of improving the impact resistance of the resin composition, the polymer block comprising the hydrogenated conjugated diene compound unit (I) constituting the polymer (B) is a hydrogenated polyisoprene block. And at least one of a hydrogenated isoprene / butadiene copolymer block, and more preferably an isoprene / butadiene copolymer block. In the case of an isoprene / butadiene copolymer block, the impact ratio is improved when the molar ratio of (unit derived from isoprene) :( unit derived from butadiene) is in the range of 1: 9 to 9: 1. It is more preferable that it is in the range of 3: 7 to 7: 3.
[0032]
The polymer block comprising the aromatic vinyl compound unit (II) constituting the polymer (B) has a number average molecular weight of 2,000 to 50,000, the mechanical performance of the resulting resin composition, The number average molecular weight is preferably 2,500 to 40,000, more preferably because of excellent molding processability.
[0033]
Examples of the preferred polymer (B) used in the present invention include block copolymers represented by the following formulas (1) to (4).
[0034]
[Wherein, A and A ′ each independently represent a polymer block composed of an aromatic vinyl compound unit, B and B ′ each independently represent a polymer block composed of a hydrogenated conjugated diene compound unit, k, l, m, and n each independently represent an integer of 1 or more, and —OH represents a hydroxyl group. ]
[0035]
In the block copolymer represented by the above formulas (1) to (4), k, l, m and n are preferably integers in the range of 1 to 5, and a polymer block comprising aromatic vinyl compound units A block copolymer having 2 or more is more preferred in that the impact resistance of the resulting resin composition is further improved. In particular, a triblock copolymer represented by the following formula (5) is preferable.
[0036]
A-B-A'-OH ... (5)
[Wherein, A and A 'each independently represent a polymer block composed of an aromatic vinyl compound unit, B represents a polymer block composed of a hydrogenated conjugated diene compound unit, and -OH represents a hydroxyl group. ]
[0037]
The polymer (B) needs to contain a hydroxyl group at the terminal. The hydroxyl group content of the polymer (B) is preferably 0.5 or more per molecule, more preferably 0.7 to 2.0. Those having no hydroxyl group at the terminal cannot sufficiently improve the compatibility between the thermoplastic polyurethane (A) and the polyolefin resin (C), and the mechanical strength, impact resistance, abrasion resistance, etc. An excellent resin composition cannot be obtained.
[0038]
The number average molecular weight of the polymer (B) is 10,000 to 150,000, preferably 12,500 to 120,000. By using the polymer (B) having a number average molecular weight within this range, the compatibility between the thermoplastic polyurethane (A) and the polyolefin resin (C) is further improved, and the mechanical properties and wear resistance are further improved. A resin composition is obtained.
[0039]
The polymer (B) is obtained by, for example, anionic living polymerization using an organic alkali metal catalyst such as butyl lithium to obtain a living polymer composed of the above monomer units, and the polymerization active terminal is made of ethylene oxide or propylene oxide. After the treatment to introduce a hydroxyl group at the terminal, the conjugated diene compound unit is obtained by hydrogenation using a known method.
[0040]
The hydrogenation state of the carbon-carbon double bond in the conjugated diene compound unit (I) constituting the polymer (B) may be partially hydrogenated or completely hydrogenated. 50% or more of the carbon-carbon double bond is hydrogenated (that is, the degree of unsaturation is 50% or less) in that a resin composition having more excellent heat resistance and weather resistance can be obtained. It is more preferable that 80% or more is hydrogenated (that is, the degree of unsaturation is 20% or less).
[0041]
In the hydrogenation reaction of the conjugated diene compound unit, a homogeneous catalyst or a heterogeneous catalyst can be used as a catalyst. Examples of the homogeneous catalyst include an organic transition metal catalyst (nickel acetylacetonate, cobalt acetylacetonate, nickel naphthenate, cobalt naphthenate, etc.) and an alkyl compound of a metal such as aluminum, alkali metal, or alkaline earth metal. A Ziegler catalyst by combination can be mentioned. These catalysts are preferably used in a proportion of 0.01 to 0.1 mol% with respect to the carbon-carbon double bond contained in the conjugated diene compound unit. The hydrogenation reaction is usually from room temperature to 160 ° C., normal pressure to 50 kg / cm.2At about 1 to 50 hours.
[0042]
Examples of the polyolefin resin (C) used in the present invention include low density polyethylene, medium density polyethylene, high density polyethylene, polypropylene, polybutylene, and ethylene / α-olefin copolymer. Examples of the α-olefin include propylene, 1-butene, 2-methyl-1-butene, 3-methyl-1-butene, 1-pentene, 4-methyl-1-pentene, 1-hexene, 1-octene, Examples include 1-decane and 1-octadecane, and these may be used alone or in combination of two or more. The melt flow rate (MI; 190 ° C., 2.16 kg load) of these polyolefin resins (C) is preferably 0.02 to 30 g / 10 min.
[0043]
The resin composition of the present invention comprises 3 to 90 weights of thermoplastic polyurethane (A) based on the total weight of thermoplastic polyurethane (A), polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal and polyolefin resin (C). %, The polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal is contained in an amount of 3 to 30% by weight and the polyolefin resin (C) in a proportion of 5 to 90% by weight, and the thermoplastic polyurethane (A) 15 to 90% by weight, 5 to 25% by weight of the polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal, and 5 to 80% by weight of the polyolefin resin (C).
[0044]
When the content of the thermoplastic polyurethane (A) is less than 3% by weight, performances such as flexibility, mechanical strength, impact resistance, and wear resistance of the resulting resin composition are lowered. When the content of the thermoplastic polyurethane (A) exceeds 90% by weight, the resulting resin composition has adhesiveness and blocking properties. Therefore, when forming into a film, winding, rewinding, etc. Becomes difficult. Further, when injection molding is performed, the molding cycle tends to be long. When the content of the polymer (B) is less than 3% by weight, the compatibility between the thermoplastic polyurethane (A) and the polyolefin resin (C) is inferior. Resin peeling phenomenon is likely to occur. Further, when extrusion is performed, it is easy to generate grease on the die. When the content of the polymer (B) exceeds 30% by weight, the compatibility between the thermoplastic polyurethane (A) and the polymer (B) is lowered, or the resulting resin composition has adhesiveness. Become. When the content of the polyolefin resin (C) is less than 5% by weight, the non-adhesiveness of the resulting resin composition is not sufficiently improved. When the content of the polyolefin resin (C) exceeds 90% by weight, the compatibility between the thermoplastic polyurethane (A) and the polyolefin resin (C) is lowered, and various physical properties tend to be lowered.
[0045]
Further, the resin composition of the present invention further contains higher fatty acid bisamide (D) based on the total weight of thermoplastic polyurethane (A), polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal, and polyolefin resin (C). It is preferable to contain in the ratio of 3 to 5 weight%. By containing the higher fatty acid bisamide (D) in the above-mentioned proportion, the non-adhesiveness, compatibility and the like of the resulting resin composition are further improved, and the mechanical properties are further improved.
[0046]
As higher fatty acid bisamide (D) which can be used for this invention, what is manufactured from a C14-35 higher fatty acid and C1-C10 aliphatic diamine is preferable. Examples of higher fatty acids include myristic acid, pentadecylic acid, palmitic acid, heptadecylic acid, stearic acid, nonadecanoic acid, arachidic acid, behenic acid, lignoceric acid, cetinoic acid, serotic acid, heptacosanoic acid, montanic acid, and melicic acid. Can be mentioned. Examples of the aliphatic diamine include methylene diamine, ethylene diamine, trimethylene diamine, tetramethylene diamine, pentamethylene diamine, hexamethylene diamine, 1,7-diaminoheptane, 1,8-diaminooctane, 1,9-diaminononane, , 10-diaminodecane and the like. Among the higher fatty acid bisamides produced from the higher fatty acids and aliphatic diamines, ethylene bis stearamide, tetramethylene bis stearamide, hexanemethylene bis stearamide, ethylene bismontanoic acid amide, tetramethylene bismontanic acid amide, Hexamethylene bismontanic acid amide is preferred. These higher fatty acid bisamides may be used alone or in combination of two or more.
[0047]
Furthermore, if desired, additives such as an ultraviolet absorber, an antioxidant, a plasticizer, an antistatic agent, and a hydrolysis inhibitor can be used in combination in an amount that does not adversely affect the effects of the present invention.
[0048]
The resin composition of the present invention includes additives such as the thermoplastic polyurethane (A), a polymer having a hydroxyl group at the terminal (B), a polyolefin resin (C), and, if necessary, a higher fatty acid bisamide (D). Can be produced by mixing in a desired manner. For example, using a vertical or horizontal mixer that is usually used for mixing resin materials, the above components are premixed at a predetermined ratio, and then a single or twin screw extruder, a mixing roll, a Banbury mixer. Can be produced by melt-kneading under heating in a batch or continuous manner.
[0049]
The resin composition of the present invention can be hot-melt molded and heat-processed, and smoothly molds various molded products by any molding method such as extrusion molding, injection molding, blow molding, calendar molding, casting, etc. be able to.
[0050]
The resin composition of the present invention is useful as a material for a wide variety of applications such as automobile parts, machine parts, shoe soles, watch bands, packing materials, films, sheets, belts, hoses, tubes, and the like.
[0051]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention concretely, this invention is not limited at all by these Examples. In Examples and Comparative Examples, the hardness and logarithmic viscosity of thermoplastic polyurethane; tensile strength and elongation of resin composition, impact resistance, wear resistance, surface peeling of molded product, non-adhesiveness and compatibility are as follows: Measured or evaluated by the method.
[0052]
[hardness]
Using a superposition of two disk-shaped objects having a diameter of 120 mm and a thickness of 2 mm obtained by injection molding of thermoplastic polyurethane (cylinder temperature: 180 to 200 ° C., mold temperature: 30 ° C.) Shore hardness A was determined according to JIS K 6301.
[0053]
[Logarithmic viscosity]
A thermoplastic polyurethane is dissolved to a concentration of 0.5 g / dl in an N, N-dimethylformamide solution containing 0.05 mol / liter of n-butylamine, and the thermoplastic polyurethane is dissolved using an Ubbelohde viscometer. The flowing time of the solution at 30 ° C. was measured, and the logarithmic viscosity was measured by the following formula.
Logarithmic viscosity = {ln (t / t0)} / C
[Wherein, t is the flow time (seconds) of the thermoplastic polyurethane solution, toRepresents the flow time (second) of the solvent, and c represents the concentration (g / dl) of the thermoplastic polyurethane solution. ]
[0054]
[Tensile strength and elongation]
A stamping test piece was made with a dumbbell No. 3 from a disk-like material having a diameter of 120 mm and a thickness of 2 mm obtained by injection molding (cylinder temperature: 180 to 200 ° C., mold temperature: 30 ° C.) of the resin composition. The tensile strength and tensile elongation were measured according to JIS K 7311.
[0055]
[Shock resistance]
The impact resistance of a sheet having a thickness of 120 μm obtained by hot pressing the resin composition at 200 ° C. was measured using a film impact tester.
[0056]
[Abrasion resistance]
A disk-shaped product having a diameter of 120 mm and a thickness of 2 mm obtained by injection molding (cylinder temperature: 180 to 200 ° C., mold temperature: 30 ° C.) of the resin composition was used, and JIS K 7311 (load 1 kg, The amount of wear was measured 1000 times in accordance with wear wheel H-22).
[0057]
[Surface peeling of molded products]
The surface of a disk-shaped material having a diameter of 120 mm and a thickness of 2 mm obtained by injection molding (cylinder temperature: 180 to 200 ° C., mold temperature: 30 ° C.) of the resin composition is observed with the naked eye, and peeled off to the surface It was investigated whether or not.
[0058]
[Non-adhesive]
A film wound up without using a release paper when a film having a thickness of about 38 μm is formed using a T-die extrusion molding machine (25 mmφ, cylinder temperature: 190 to 200 ° C., die temperature: 200 ° C.) The film was rewound, the degree of blocking resistance between the films was observed, and judged according to the following evaluation criteria.
(Symbol) (Evaluation criteria)
A: Rewinding can be easily performed.
○: Rewinding is possible, but a little tensile force is required for rewinding.
X: Rewinding is possible, but considerable tensile force is required for rewinding.
[0059]
[Compatibility]
A stretched 35μ thick film extruded using a T-die extrusion machine (25 mmφ, cylinder temperature: 190 to 200 ° C., die temperature: 200 ° C.) is observed with the naked eye, causing a whitening phenomenon. The thing was set as x and the thing which did not raise | generate the whitening phenomenon was set as (circle).
[0060]
Hereinafter, abbreviations relating to the compounds and polymers used in Examples and Comparative Examples are shown below.
[0061]
BD: 1,4-butanediol
[0062]
MDI: 4,4'-diphenylmethane diisocyanate
[0063]
PNOA:
Polyester diol having a number average molecular weight of 2,000 comprising 1,9-nonanediol (ND), 2-methyl-1,8-octanediol (MOD) (ND: MOD molar ratio 65:35) and adipic acid
[0064]
PMPA:
Polyester diol having a number average molecular weight of 3,500, comprising 3-methyl-1,5-pentanediol and adipic acid
[0065]
PBA:
Polyester diol having a number average molecular weight of 2,000 comprising 1,4-butanediol and adipic acid
[0066]
PTG:
Number average molecular weight 1,000 polytetramethylene glycol
[0067]
IP-OH:
Hydrogenated polyisoprene having a hydroxyl group at the end;
[Number average molecular weight: 20,000, hydroxyl group content: 0.93 per molecule, hydrogenation rate: 98%, 1,4-bond in polyisoprene block before hydrogenation: 91 mol%]
[0068]
SEP-OH:
Hydrogenated diblock copolymer having a hydroxyl group at the end and consisting of polystyrene block (number average molecular weight: 10,000) / polyisoprene block (number average molecular weight: 20,000);
[Number average molecular weight: 30,000, molar ratio of styrene unit / isoprene unit:25/75, hydroxyl group content: 0.89 per molecule, hydrogenation rate: 97%, 1,4-bond in polyisoprene block before hydrogenation: 90 mol%]
[0069]
SEPS-OH:
Triblock copolymer having a hydroxyl group at a terminal group and comprising a polystyrene block (number average molecular weight: 6,000) / polyisoprene block (number average molecular weight: 28,000) / polystyrene block (number average molecular weight: 6,000) Hydrogenated products;
[Number average molecular weight: 40,000, styrene unit / isoprene unit molar ratio:22/78, hydroxyl group content: 0.89 per molecule, hydrogenation rate: 98%, 1,4-bond amount in polyisoprene block before hydrogenation: 92 mol%]
[0070]
SEEPS-OH:
Polystyrene block (number average molecular weight: 6,000) / 1,3-butadiene and polyisoprene copolymer block (number average molecular weight: 30,000) / polystyrene block (number average molecular weight: 6) having a hydroxyl group at the terminal , 000) triblock copolymer hydrogenated product;
[Number average molecular weight: 42,000, molar ratio of styrene unit / 1,3-butadiene unit and isoprene unit:19/81, 1,3-butadiene unit / isoprene unit molar ratio:50/50, hydroxyl group content: 0.80 per molecule, hydrogenation rate: 98%, 1,4-bond in 1,3-butadiene unit before hydrogenation: 55 mol%,water1,4-bond in the isoprene unit before element addition: 95 moles%]
[0071]
SIS-OH:
A triblock copolymer having a hydroxyl group at the terminal and consisting of a polystyrene block (number average molecular weight: 6,000) / polyisoprene block (number average molecular weight: 40,000) / polystyrene block (number average molecular weight: 6,000). Hydrogenated products;
[Number average molecular weight: 52,000, molar ratio of styrene unit / isoprene unit:17/83, hydroxyl group content: 0.89 per molecule, hydrogenation rate: 85%, 1,4-bond content in polyisoprene block before hydrogenation: 55 mol%]
[0072]
SEP:
Hydrogenated diblock copolymer having no hydroxyl group at the end and consisting of a polystyrene block (number average molecular weight: 11,000) -polyisoprene block (number average molecular weight: 20,000);
[Number average molecular weight: 31,000, molar ratio of styrene unit / isoprene unit:27/73, hydrogenation rate: 98%, 1,4-bond in polyisoprene block: 93 mol%]
[0073]
PP: Polypropylene (MI: 5g / 10min)
[0074]
PE: High density polyethylene (MI: 0.05 g / 10 min)
[0075]
EPR: Ethylene-propylene copolymer (propylene content: 22 wt%, MI: 0.9 g / 10 min)
[0076]
EBSA: Ethylene bis stearamide
[0077]
Example 1
PMPA, BD and MDI heated and melted at 50 ° C. were quantified so that the molar ratio of PMPA: BD: MDI was 1: 4.17: 5.32, and the total amount thereof was 300 g / min. Continuous melt polymerization was carried out by continuously supplying to a twin-screw extruder (30 mmφ, L / D = 36, cylinder temperature: 75 to 260 ° C.) rotating coaxially with a pump. The resulting polyurethane melt was continuously extruded into water in the form of strands, then cut into pellets with a pelletizer, and the pellets were dehumidified and dried at 80 ° C. for 20 hours to obtain the hardness and logarithmic viscosity shown in Table 1 below. A thermoplastic polyurethane having was obtained. 20 parts by weight of the obtained thermoplastic polyurethane, 60 parts by weight of polypropylene (MI: 5 g / 10 min), and 20 parts by weight of SEP-OH were mixed into a single-screw extruder (25 mmφ, cylinder temperature: 170 to 200 ° C., die temperature: 190). C.) was melt-kneaded and pelletized, and the pellet was dehumidified and dried at 80.degree. Table 2 below shows the results of measuring or evaluating various physical property values by using the dried pellets.
[0078]
Examples 2-9, Comparative Examples 1-3
A continuous melt polymerization reaction was carried out in the same manner as in Example 1 except that the polyurethane raw materials shown in Table 1 below were used at a predetermined ratio to obtain a thermoplastic polyurethane having the hardness and logarithmic viscosity shown in Table 1. Furthermore, the resin composition was manufactured with the compounding ratio shown in Table 1, and the results of measuring or evaluating various physical property values by the above methods are shown in Table 2 below.
[0079]
[Table 1]
[0080]
[Table 2]
[0081]
Examples 10-20, Comparative Examples 4, 5
A continuous melt polymerization reaction was carried out in the same manner as in Example 1 except that the polyurethane raw materials shown in Table 3 below were used at a predetermined ratio to obtain a thermoplastic polyurethane having the hardness and logarithmic viscosity shown in Table 3. Furthermore, the resin composition was manufactured with the mixture ratio shown in Table 3, and the result of having measured or evaluated various physical property values by said method is shown in Table 4 below.
[0082]
[Table 3]
[0083]
[Table 4]
[0084]
【The invention's effect】
The resin composition of the present invention has excellent tensile strength / elongation, impact resistance, wear resistance, and molding processability due to good compatibility between the thermoplastic polyurethane, which is a component, and a polyolefin resin. It is useful as a material of goods.
Claims (11)
(ii)(A)〜(C)の合計重量に基づいて、熱可塑性ポリウレタン(A)を3〜90重量%、末端に水酸基を有する重合体(B)を3〜30重量%およびポリオレフィン系樹脂(C)を5〜90重量%の割合で含有し;そして、
(iii)末端に水酸基を有する重合体(B)が、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)単独からなるか、または水素添加した共役ジエン化合物単位(I)と芳香族ビニル化合物単位(II)からなり、構造単位(I)/構造単位(II)のモル比が10/90〜100/0であり、数平均分子量が10,000〜150,000であることを特徴とする樹脂組成物。(I) a resin composition comprising a thermoplastic polyurethane (A), a polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal, and a polyolefin resin (C);
(Ii) Based on the total weight of (A) to (C), 3 to 90% by weight of the thermoplastic polyurethane (A), 3 to 30% by weight of the polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal, and a polyolefin resin (C) in a proportion of 5 to 90% by weight; and
(Iii) The polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal consists of a hydrogenated conjugated diene compound unit (I) alone, or a hydrogenated conjugated diene compound unit (I) and an aromatic vinyl compound unit (II). A resin composition characterized in that the molar ratio of structural unit (I) / structural unit (II) is 10/90 to 100/0 and the number average molecular weight is 10,000 to 150,000.
1.00≦b/(a+c)≦1.10 (1)
(式中、aは高分子ジオールのモル数、bは有機ジイソシアネートのモル数、cは鎖伸長剤のモル数を示す)
を満足する割合で反応させて得られた熱可塑性ポリウレタンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。The thermoplastic polyurethane (A) is a polymer diol having a number average molecular weight of 900 to 6,000, an organic diisocyanate, and a chain extender represented by the following formula (1);
1.00 ≦ b / (a + c) ≦ 1.10 (1)
(Wherein, a represents the number of moles of the polymer diol, b represents the number of moles of the organic diisocyanate, and c represents the number of moles of the chain extender)
The resin composition according to any one of claims 1 to 3, which is a thermoplastic polyurethane obtained by reacting at a ratio satisfying the above.
(ii)(A)〜(C)の合計重量に基づいて、熱可塑性ポリウレタン(A)を3〜90重量%、末端に水酸基を有する重合体(B)を3〜30重量%およびポリオレフィン系樹脂(C)を5〜90重量%の割合で使用し;そして、
(iii)末端に水酸基を有する重合体(B)が、水素添加した共役ジエン化合物単位(I)単独からなるか、または水素添加した共役ジエン化合物単位(I)と芳香族ビニル化合物単位(II)からなり、構造単位(I)/構造単位(II)のモル比が10/90〜100/0であり、数平均分子量が10,000〜150,000であることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。(I) A method for producing a resin composition comprising melt-kneading a thermoplastic polyurethane (A), a polymer having a hydroxyl group at its terminal (B), and a polyolefin resin (C);
(Ii) Based on the total weight of (A) to (C), 3 to 90% by weight of the thermoplastic polyurethane (A), 3 to 30% by weight of the polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal, and a polyolefin resin (C) is used in a proportion of 5 to 90% by weight; and
(Iii) The polymer (B) having a hydroxyl group at the terminal consists of a hydrogenated conjugated diene compound unit (I) alone, or a hydrogenated conjugated diene compound unit (I) and an aromatic vinyl compound unit (II). The resin composition is characterized in that the molar ratio of structural unit (I) / structural unit (II) is 10/90 to 100/0 and the number average molecular weight is 10,000 to 150,000. Production method.
1.00≦b/(a+c)≦1.10 (1)
(式中、aは高分子ジオールのモル数、bは有機ジイソシアネートのモル数、cは鎖伸長剤のモル数を示す)
を満足する割合で反応させて得られた熱可塑性ポリウレタンである請求項7〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。The thermoplastic polyurethane (A) is a polymer diol having a number average molecular weight of 900 to 6,000, an organic diisocyanate, and a chain extender represented by the following formula (1);
1.00 ≦ b / (a + c) ≦ 1.10 (1)
(Wherein, a represents the number of moles of the polymer diol, b represents the number of moles of the organic diisocyanate, and c represents the number of moles of the chain extender)
The method for producing a resin composition according to any one of claims 7 to 9, which is a thermoplastic polyurethane obtained by reacting at a ratio satisfying the above.
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