JP3882515B2 - 積層型セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、積層型セラミック電子部品の製造方法に関するもので、特に、複数のセラミックグリーンシートを積層して得られたセラミック積層体に対して実施されるプレス工程における改良に向けられるものである。
【0002】
【従来の技術】
積層型セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサは、たとえば、次のように製造されている。
【0003】
まず、誘電体セラミック粉末、バインダおよび溶剤を含むスラリーからセラミックグリーンシートが作製される。
【0004】
次に、これらセラミックグリーンシートの特定のものの上に、内部電極となる導体膜を、導電性ペーストの印刷によって形成し、乾燥させた後、所望の枚数だけセラミックグリーンシートを積み重ね、セラミック積層体を得る。
【0005】
次いで、セラミック積層体を、たとえば40〜90℃の温度下で、積層方向にプレスし、それによって、セラミック積層体の密度を高める。
【0006】
次いで、個々の積層セラミックコンデンサのための積層体チップを得るように、このセラミック積層体を所定の大きさにカットし、得られた積層体チップを、その後、焼成する。
【0007】
次いで、これら焼成後の積層体チップの両端部に、それぞれ、外部電極を形成することによって、所望の積層セラミックコンデンサを得る。
【0008】
上述した積層セラミックコンデンサの製造方法に含まれる、セラミック積層体をプレスする工程は、たとえば、図4に示すような状態で実施されている。
【0009】
すなわち、セラミック積層体1が、金型アセンブリ2内に装填された状態で、この金型アセンブリ2を介してプレスされる。このプレスにあたっては、剛体プレスまたは静水圧プレスが適用される。
【0010】
金型アセンブリ2は、セラミック積層体1の一方主面に接する上ポンチ3と、上ポンチ3およびセラミック積層体1の周囲を取り囲む枠4および上ポンチ3と対向しながらセラミック積層体1の他方主面に接するベース板5からなるベース6とを備える。
【0011】
また、セラミック積層体1の内部には、内部電極となるべき導体膜7が形成されている。これら導体膜7は、セラミック積層体1を構成する複数の特定のセラミックグリーンシート上であって、その主面方向中央部に分布されるように形成されており、セラミック積層体1の厚み方向に重なり合っている。なお、図4、ならびにこれと同種の後述する図6および図1ないし図3において、重なり合う複数の導体膜7は、黒塗りされた矩形をもって一体に図示されている。
【0012】
しかしながら、上述した金型アセンブリ2を用いたセラミック積層体1のプレス工程において、セラミック積層体1の厚みが、導体膜7の存在する部分と存在しない部分との間、あるいは比較的多く存在する部分と比較的少なく存在する部分との間で差を生じるため、次のような不都合に遭遇することがある。
【0013】
すなわち、上ポンチ3を矢印8で示すように、作動させ、セラミック積層体1をプレスしたとき、セラミック積層体1に含まれるセラミックは流動する。この流動は、導体膜7の存在によって厚みが増した部分では圧力が高められるため、ここにあるセラミックが、導体膜7の存在しない、あるいは比較的少なく存在する、圧力の相対的に低い部分へと移動するように生じる。
【0014】
他方、セラミック積層体1の、上ポンチ3およびベース板5にそれぞれ接している部分では、摩擦により流動が抑制されるが、厚み方向の中央部では、このような抑制を受けにくいため、比較的大きく流動を生じる。
【0015】
そのため、このセラミックの流動に伴われて、導体膜7は、図5に示すように、セラミック積層体1の厚み方向の中央部に位置するものほど、位置ずれを大きく生じる。また、このような位置ずれは、特に、セラミック積層体1の周縁部に近い導体膜7ほど、より大きく生じる。
【0016】
上述した導体膜7の位置ずれは、得られた積層型セラミック電子部品の特性劣化や特性ばらつきを生じさせる。また、複数の積層型セラミック電子部品のための積層体チップを取り出すようにセラミック積層体1をカットしたとき、得られた積層体チップの不所望な面に導体膜7が露出してしまうこともあり、この場合には、得られた積層型セラミック電子部品のショート不良といった致命的な欠陥に通じる。
【0017】
このような問題を解決するため、たとえば、特開平5−175072号公報では、図6を参照して説明するようなプレス方法が提案されている。図6は、前述した図4に相当する図である。図6において、図4に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
図6に示した金型アセンブリ2aは、上ポンチ3aとして、セラミック積層体1の一方主面の中央部に接する中央部ポンチ9と、セラミック積層体1の一方主面の周縁部に接する周縁部ポンチ10とを備えている。これら中央部ポンチ9と周縁部ポンチ10とは、別々に作動するように構成されている。
【0019】
この金型アセンブリ2aを用いて、セラミック積層体1をプレスするにあたっては、まず、周縁部ポンチ10が矢印11で示すように作動され、セラミック積層体1の主面方向周縁部が積層方向にプレスされる。
【0020】
次いで、中央部ポンチ9が、矢印12で示すように作動され、セラミック積層体1の主面方向中央部が積層方向にプレスされる。
【0021】
このような手順に従ってセラミック積層体1をプレスするようにすれば、セラミック積層体1の主面方向周縁部が先に固められるので、この部分が比較的強固な枠の作用を果たし、セラミック積層体1に含まれるセラミックの主面方向周縁部への流動を抑制し、その結果、図5に示すような導体膜7の位置ずれを生じにくくすることができる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
良好な品質をもって積層型セラミック電子部品を得ようとするためには、上述したようなセラミック積層体1における隣り合うセラミックグリーンシート間に空気が残らないようにすることが重要である。不所望にも、空気が残った状態になっていると、この空気が、焼成後のセラミック積層体1において、デラミネーションやボイド等の内部欠陥を引き起こす原因となるからである。
【0023】
上述した空気は、主として、セラミックグリーンシートを積み重ねる際に、隣り合うセラミックグリーンシート間に取り込まれるものであるが、通常、積み重ねられた複数のセラミックグリーンシートを積層方向にプレスする工程において、隣り合うセラミックグリーンシート間から排出される。
【0024】
しかしながら、図6に示した方法を採用すると、セラミック積層体1の主面方向周縁部が先にプレスされるため、セラミックグリーンシート間の空気の排出経路が失われてしまい、そのため、前述したようなデラミネーションやボイド等の内部欠陥が引き起こされやすくなるという新たな問題に遭遇する。
【0025】
そこで、この発明の目的は、上述のような問題を解決し得る、積層型セラミック電子部品の製造方法を提供しようとすることである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述した技術的課題を解決するため、次の構成を備えることを特徴としている。
【0027】
すなわち、この発明に係る積層型セラミック電子部品の製造方法は、その主面方向中央部に分布されるように導体膜が形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層してセラミック積層体を得る工程と、セラミック積層体の主面方向中央部のみを、比較的低い圧力をもって積層方向にプレスする、中央部仮プレス工程と、次いで、セラミック積層体の主面方向周縁部を、比較的高い圧力をもって積層方向にプレスする、周縁部本プレス工程と、次いで、セラミック積層体の主面方向中央部を、前述した中央部仮プレス工程での圧力より高い圧力をもって積層方向にプレスする、中央部本プレス工程とを備え、上記周縁部本プレス工程において、前記比較的高い圧力が付与されるのは、セラミック積層体の主面方向周縁部のみであり、周縁部本プレス工程は、中央部仮プレス工程でのプレスが維持されている段階で開始されることを特徴としている。
【0029】
この発明において、好ましくは、中央部本プレス工程の間、周縁部本プレス工程でのプレスが維持される。
【0030】
また、中央部本プレス工程は、周縁部本プレス工程での昇圧を終えた段階で開始されても、あるいは、周縁部本プレス工程での昇圧の途中の段階で開始されてもよい。
【0031】
また、中央部本プレス工程での最終圧力へは、一様な昇圧によって到達するようにされても、加圧と除圧とを繰り返しながら段階的に昇圧することによって到達するようにされてもよい。
【0032】
この発明において、中央部仮プレス工程での圧力は、中央部本プレス工程での圧力の20〜80%の範囲に選ばれることが好ましい。
【0033】
この発明に係る製造方法を実施するにあたって、好ましくは、セラミック積層体の一方主面の中央部に接する中央部ポンチ、セラミック積層体の一方主面の周縁部に接する周縁部ポンチ、およびセラミック積層体の他方主面に接するベースがそれぞれ用意される。そして、ベース上に、他方主面が接するようにセラミック積層体が配置され、この状態において、前述した中央部仮プレス工程および中央部本プレス工程の各々は、セラミック積層体の一方主面に対して、中央部ポンチを作用させることによって実施され、周縁部本プレス工程は、セラミック積層体の一方主面に対して、周縁部ポンチを作用させることによって実施される。
【0034】
上述したベースは、中央部ポンチおよび周縁部ポンチの双方に対向しながらセラミック積層体の他方主面に接するベース板と、セラミック積層体の周囲を取り囲む枠とからなることがより好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3は、この発明の一実施形態による積層型セラミック電子部品の製造方法に含まれるいくつかの工程を順次示している。図1ないし図3において、前述した図4および図6に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明を省略することがある。
【0036】
図1を参照して、まず、その主面方向中央部に分布されるように導体膜7が形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層することによって、セラミック積層体1が作製される。
【0037】
また、この実施形態では、前述の図6に示したものと実質的に同様の構造を有する金型アセンブリ2aが用いられる。この金型アセンブリ2aは、前述したように、セラミック積層体1の一方主面に接する上ポンチ3aと、上ポンチ3aおよびセラミック積層体1の周囲を取り囲む枠4および上ポンチ3aと対向しながらセラミック積層体1の他方主面に接するベース板5からなるベース6とを備えている。なお、ベース6を構成する枠4とベース板5とは、この実施形態では、分離可能とされているが、機械的に一体化されてもよい。
【0038】
また、上ポンチ3aは、セラミック積層体1の一方主面の中央部に接する中央部ポンチ9と、この一方主面の周縁部に接する周縁部ポンチ10とに分割され、各々が別々にセラミック積層体1に対して作動するように構成されている。
【0039】
セラミック積層体1に対してプレス工程を実施するため、セラミック積層体1は金型アセンブリ2a内に装填される。より具体的には、図1において矢印13で示すように、セラミック積層体1が、枠4およびベース板5からなるベース6が規定する凹部内に挿入される。このとき、セラミック積層体1の周囲と枠4の内周面とは、ほぼ接触するか、わずかなクリアランスを残す状態となる。
【0040】
次に、図2(1)に示すように、上ポンチ3aに備える中央部ポンチ9のみが、矢印14で示すように、セラミック積層体1に向かって作動する。これによって、セラミック積層体1の主面方向中央部のみを、比較的低い圧力をもって積層方向にプレスする、中央部仮プレス工程が実施される。
【0041】
この中央部仮プレス工程は、主として、セラミック積層体1に備える複数のセラミックグリーンシート間に取り込まれた空気を排出するためのもので、その圧力は、後述する中央部本プレス工程での圧力の20〜80%の範囲に選ばれることが好ましい。
【0042】
この圧力が20%未満であると、空気を十分に排出する効果を得ることができず、セラミック積層体1の内部に空気が残されたままで、この中央部仮プレス工程が完了してしまい、デラミネーションやボイド等の内部欠陥の原因となることがある。他方、この圧力が80%を超えると、セラミック積層体1の主面方向中央部での側方への伸びが比較的大きく生じ、図5に示したような導体膜7の位置ずれや導体膜7の湾曲等の不具合が生じることがある。
【0043】
なお、中央部仮プレス工程は、1回で完了しても、複数回繰り返すようにしてもよい。
【0044】
次に、図2(2)に示すように、上ポンチ3aに備える周縁部ポンチ10がセラミック積層体1に向かって矢印15方向に作動される。これによって、セラミック積層体1の主面方向周縁部を、比較的高い圧力をもって積層方向にプレスする、周縁部本プレス工程が実施される。
【0045】
上述した周縁部本プレス工程の結果、セラミック積層体1における導体膜7が存在しない主面方向周縁部が固められる。
【0046】
なお、この周縁部本プレス工程は、前の中央部仮プレス工程でのプレスが維持されている段階で開始される。この場合において、周縁部本プレス工程を終了するまで、中央部仮プレス工程でのプレスが維持され、周縁部本プレス工程の終了と同時に中央部仮プレス工程を終了するようにしても、あるいは、周縁部本プレス工程を実施している途中の段階で、中央部仮プレス工程を終了するようにしてもよい。いずれにしても、この周縁部本プレス工程において、前記比較的高い圧力が付与されるのは、セラミック積層体1の主面方向周縁部のみである。
【0047】
次に、図2(3)に示すように、上ポンチ3aに備える中央部ポンチ9がセラミック積層体1に向かって矢印16方向に作動される。これによって、セラミック積層体1の主面方向中央部を、前述した中央部仮プレス工程での圧力より高い圧力をもって積層方向にプレスする、中央部本プレス工程が実施される。
【0048】
上述した中央部本プレス工程の結果、セラミック積層体1の主面方向中央部においてもセラミックグリーンシート相互間の密着性が高められ、最終的に、セラミック積層体1全体の密度が高められる。
【0049】
なお、上述の中央部本プレス工程の間、前の周縁部本プレス工程でのプレスが維持されていることが好ましい。
【0050】
また、中央部本プレス工程を開始するタイミングは、前の周縁部本プレス工程での昇圧を終えた段階であっても、周縁部本プレス工程での昇圧の途中の段階であってもよい。
【0051】
また、中央部本プレス工程において、一様な昇圧によって最終圧力へ到達するようにされても、加圧と除圧とを繰り返しながら段階的に昇圧させることによって最終圧力へ到達するようにされてもよい。
【0052】
次に、図3(1)に示すように、中央部ポンチ9および周縁部ポンチ10を含む上ポンチ3aが矢印17方向に上昇し、セラミック積層体1に対するプレスが解除される。この場合、中央部ポンチ9および周縁部ポンチ10は、いずれが先に上昇しても、あるいは同時に上昇してもよい。
【0053】
次に、図3(2)に示すように、ベース6から、プレス工程を終えたセラミック積層体1が矢印19で示すように取り出される。
【0054】
なお、このプレス工程を終えたセラミック積層体1には、上ポンチ3aに備える中央部ポンチ9と周縁部ポンチ10とが別々に作動したことが原因となって、周縁部に段差18が形成されている。しかしながら、このような段差18が形成された部分は、セラミック積層体1をカットして、個々の積層型セラミック電子部品となるべき積層体チップを得るとき、これら積層体チップを取り出すための領域とはならないので、段差18の形成が問題となることはない。
【0055】
以上、この発明を図示した実施形態に関連して説明し、図示の実施形態は、得ようとする積層型セラミック電子部品が積層セラミックコンデンサを意図したものであったが、この発明は、その他、積層セラミックインダクタ、多層セラミック基板など、広く、積層型セラミック電子部品の製造において適用することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、セラミック積層体における導体膜が形成されることによって厚みが増す主面方向中央部とそうでない主面方向周縁部とを別々にプレスするようにしながら、まず、セラミック積層体の主面方向中央部のみを、比較的低い圧力をもって積層方向にプレスする、中央部仮プレス工程、セラミック積層体の主面方向周縁部を比較的高い圧力をもって積層方向にプレスする、周縁部本プレス工程、およびセラミック積層体の主面方向中央部を上述の中央部仮プレス工程での圧力より高い圧力をもって積層方向にプレスする、中央部本プレス工程をこの順序で実施するようにしている。そして、周縁部本プレス工程において、前記比較的高い圧力が付与されるのは、セラミック積層体の主面方向周縁部のみとされる。
【0057】
したがって、まず、厚みが前述のように部分的に異なるセラミック積層体に対して、その全域にわたって実質的に均一なプレス作用を及ぼすことができるようになる。
【0058】
また、周縁部本プレス工程によって、セラミック積層体の主面方向周縁部を固めてから、セラミック積層体の主面方向中央部を固めるように、中央部本プレス工程を実施するようにしているので、セラミック積層体の主面方向での伸びが抑制され、導体膜の位置ずれや湾曲等を生じにくくすることができる。
【0059】
また、上述した周縁部本プレス工程の前に、セラミック積層体の主面方向中央部のみに対して、中央部仮プレス工程を実施するようにしているので、セラミック積層体に含まれる隣り合うセラミックグリーンシート間の空気がこの段階で効果的に排出され、セラミックグリーンシート間に空気が残留することを防止でき、したがって、セラミック積層体ないしは積層体チップを焼成して得られた焼結積層体において、デラミネーションやボイド等の内部欠陥を生じにくくすることができる。
【0060】
このようなことから、この発明によれば、特性の劣化やばらつきが抑制された状態で、高い信頼性をもって、品質の優れた積層型セラミック電子部品を製造することができる。
【0061】
また、この発明によれば、周縁部本プレス工程が、中央部仮プレス工程でのプレスが維持されている段階で開始されるので、比較的低い圧力しか付与されない中央部仮プレス工程を終えた後でのセラミックグリーンシート相互間の位置ずれを確実に防止することができる。
【0062】
この発明において、中央部本プレス工程の間、周縁部本プレス工程でのプレスが維持されるようにすると、セラミック積層体の主面方向周縁部での固定が維持された状態で、主面方向中央部が本プレスされるので、前述した導体膜の位置ずれ防止効果が一層高められる。
【0063】
また、この発明において、中央部仮プレス工程での圧力が、中央部本プレス工程での圧力の20〜80%の範囲に選ばれると、上述したような効果をより確実に達成できるようになる。
【0064】
また、この発明を実施するにあたって、セラミック積層体の一方主面の中央部に接する中央部ポンチ、セラミック積層体の一方主面の周縁部に接する周縁部ポンチ、およびセラミック積層体の他方主面に接するベースを備える、金型アセンブリを用いると、中央部ポンチおよび周縁部ポンチを別々に作動させることにより、前述した中央部仮プレス工程、周縁部本プレス工程および中央部本プレス工程を、それぞれ、適正かつ能率的に実施することができる。
【0065】
上述の場合において、ベースが、中央部ポンチおよび周縁部ポンチの双方に対向しながらセラミック積層体の他方主面に接するベース板と、セラミック積層体の周囲を取り囲む枠とから構成されていると、プレス時におけるセラミック積層体の主面方向ヘの伸びをより確実に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による積層型セラミック電子部品の製造方法に含まれるベース6にセラミック積層体1を配置しようとする工程を図解的に示す断面図である。
【図2】図1に示した工程の後に実施されるいくつかの工程を図解的に示す断面図であり、(1)は、中央部仮プレス工程を示し、(2)は、周縁部本プレス工程を示し、(3)は、中央部本プレス工程を示す。
【図3】図2(3)に示した工程の後に実施されるいくつかの工程を図解的に示す断面図であり、(1)は、上ポンチ3aによるプレスを解除する工程を示し、(2)は、プレス後のセラミック積層体1をベース6から取り出す工程を示す。
【図4】この発明にとって興味ある従来の積層型セラミック電子部品の製造方法に含まれるプレス工程を図解的に示す断面図である。
【図5】図4に示した従来技術が遭遇する問題を説明するためのセラミック積層体1の一部を拡大して示す断面図である。
【図6】図4に示した従来技術の問題を改善するが、この発明が解決しようとする課題に遭遇する他の従来技術を図解的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック積層体
2a 金型アセンブリ
3a 上ポンチ
4 枠
5 ベース板
6 ベース
7 導体膜
9 中央部ポンチ
10 周縁部ポンチ
Claims (9)
- その主面方向中央部に分布されるように導体膜が形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層してセラミック積層体を得る工程と、
前記セラミック積層体の主面方向中央部のみを、比較的低い圧力をもって積層方向にプレスする、中央部仮プレス工程と、
次いで、前記セラミック積層体の主面方向周縁部を、比較的高い圧力をもって積層方向にプレスする、周縁部本プレス工程と、
次いで、前記セラミック積層体の主面方向中央部を、前記中央部仮プレス工程での圧力より高い圧力をもって積層方向にプレスする、中央部本プレス工程と
を備え、
前記周縁部本プレス工程において、前記比較的高い圧力が付与されるのは、前記セラミック積層体の主面方向周縁部のみであり、
前記周縁部本プレス工程は、前記中央部仮プレス工程でのプレスが維持されている段階で開始される、
積層型セラミック電子部品の製造方法。 - 前記中央部本プレス工程の間、前記周縁部本プレス工程でのプレスが維持される、請求項1に記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 前記中央部本プレス工程は、前記周縁部本プレス工程での昇圧を終えた段階で開始される、請求項1または2に記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 前記中央部本プレス工程は、前記周縁部本プレス工程での昇圧の途中の段階で開始される、請求項1または2に記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 前記中央部本プレス工程での最終圧力へは、一様な昇圧によって到達するようにされる、請求項1ないし4のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 前記中央部本プレス工程での最終圧力へは、加圧と除圧とを繰り返しながら段階的に昇圧させることによって到達するようにされる、請求項1ないし4のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 前記中央部仮プレス工程での圧力は、前記中央部本プレス工程での圧力の20〜80%の範囲に選ばれる、請求項1ないし6のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
- 前記セラミック積層体の一方主面の中央部に接する中央部ポンチ、前記セラミック積層体の一方主面の周縁部に接する周縁部ポンチ、および前記セラミック積層体の他方主面に接するベースをそれぞれ用意する工程と、
前記ベース上に、前記他方主面が接するように前記セラミック積層体を配置する工程と
をさらに備え、
前記中央部仮プレス工程および前記中央部本プレス工程の各々は、前記セラミック積層体の一方主面に対して、前記中央部ポンチを作用させる工程を備え、
前記周縁部本プレス工程は、前記セラミック積層体の一方主面に対して、前記周縁部ポンチを作用させる工程を備える、請求項1ないし7のいずれかに記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。 - 前記ベースは、前記中央部ポンチおよび前記周縁部ポンチの双方に対向しながら前記セラミック積層体の他方主面に接するベース板と、前記セラミック積層体の周囲を取り囲む枠とからなる、請求項8に記載の積層型セラミック電子部品の製造方法。
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