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JP3882303B2 - 光ディスクの記録及び/又は再生装置並びに光ディスクのトラッキング制御方法 - Google Patents

光ディスクの記録及び/又は再生装置並びに光ディスクのトラッキング制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラッキングサーボ制御を行いデータの記録又は再生をする光ディスクの記録及び/又は再生装置、並びに、光ディスクのトラッキング制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ディスクにデータの記録又は再生を行う光ディスクドライブ装置では、光学ピックアップから出射するレーザ光を、光ディスクのトラックの中心位置に正確に追従させるため、つまり、トラッキングさせるため、トラッキングサーボループを形成してループ制御を行っている。
【0003】
具体的に、光ディスクドライブ装置では、トラッキングサーボループを以下のように形成している。光ディスクドライブ装置は、光学ピックアップから光ディスクのトラック上にレーザ光を照射し、出射したレーザの反射光をフォトディテクタにより検出する。フォトディテクタは、その反射光を検出して、この反射光の光量に応じた検出信号をマトリクスアンプに供給する。マトリクスアンプは、検出信号を電圧レベルの信号に変換するとともに、トラックの中心に対するレーザスポットの位置ずれ成分を示すトラッキングエラー信号を生成する。トラッキングエラー信号は、フィルタにより所定の位相補償がされた後、光学ピックアップの対物レンズを移動させる2軸アクチュエータを駆動するトラッキングドライバに供給される。そして、トラッキングドライバは、位相補償がされたトラッキングエラー信号に応じて、2軸アクチュエータのトラッキングコイルを駆動し、対物レンズを光軸に対して垂直かつ光ディスクの半径方向に移動させる。
【0004】
以上のように、光ディスクドライブ装置では、トラッキングサーボループを形成して、トラックの中心に対するレーザスポットの位置ずれを補正し、光ディスクに照射するレーザ光をトラックの中心に追従させるトラッキング制御を行う。
ここで、従来の光ディスクドライブ装置では、反射光の強度の違いやその強度分の違い等により、光ディスク毎それぞれでトラッキングサーボのループゲインに変動が生じていた。特に、トラッキングエラー信号は、トラックに形成されたガイド溝の両エッジから得られる反射光の光量の差分を示すプッシュプル信号に基づき生成されるため、反射光の強度の違いや強度分布に違いによりその感度が大きく異なってしまっていた。そのため、従来の光ディスクドライブ装置では、ループゲインの変動を無くすため、光ディスク装填時やトラッキングの引き込み時等にレーザ光がトラックを横断するときに生じるトラバース信号を検出し、このトラバース信号の振幅を一定にするように、キャリブレーション等を行ってループゲインの調整を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の光ディスクドライブ装置では、同一の光ディスクの記録や再生を行っている最中であっても、記録面のたわみや歪み等の存在及び熱変化や経時変化等の影響のためトラッキングサーボ制御のループゲインが変動してしまっていた。特に、長時間或いは大量のデータの記録や再生を行うために光ディスクの広範囲のトラックにわたって連続的にデータの記録や再生を行う場合、反射強度や強度分布の違いが生じる可能性が高く、ループゲインが変動し易かった。
【0006】
さらに、近年、光ディスクの大容量化のため対物レンズの高NA(開口数)化、レーザ光の短波長化が進み、それに伴いディスク厚が薄くなってきている。そのため、光ディスクに偏心が生じ易く、記録や再生の最中に反射強度や強度分布の違いが生じる可能性がさらに高くなり、ループゲインが変動し易くなった。
【0007】
しかしながら、従来の光ディスクドライブ装置では、トラバース信号を検出してループゲインの調整を行っているため、このループゲインの調整を行うには、一旦トラッキングサーボループを切らなければならなかった。そのため、従来の光ディスクドライブ装置では、データの記録時や再生時において、ループゲインが変動した場合であっても、リアルタイムに調整を行うことができなかった。
【0008】
従って、従来の光ディスクドライブ装置では、長時間或いは大量のデータの記録や再生を行うために光ディスクの広範囲にわたって連続的にデータの記録や再生を行う場合に、トラッキングサーボの安定性を確保することが困難であった。
本発明は、このような実情を鑑みてなされたものであり、リアルタイムで、トラッキングサーボ制御でのループゲインの変動を抑え、照射するレーザ光を正確に記録トラックの中心位置に追従させることができる光ディスクの記録及び/又は再生装置並びに光ディスクのトラッキング制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る光ディスクの記録及び/又は再生装置は、照射されるレーザ光のレーザスポットを記録トラックの中心位置に追従させるため、上記記録トラックにガイド溝が形成され、このガイド溝が所定の周波数のウォブル信号に応じて蛇行形成された光ディスクから、レーザスポットと記録トラックの中心位置との誤差成分を表すトラッキングエラー信号とウォブル信号とが含まれたプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出手段と、上記プッシュプル信号から上記トラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成手段と、上記光ディスクの装填時、記録開始時又は再生開始時に、上記プッシュプル信号から上記ウォブル信号を検出し、そのウォブル信号の振幅値を初期値として保持する初期値保持手段と上記光ディスクに対して信号を記録又は上記光ディスクから信号を再生する場合に検出した上記ウォブル信号の振幅値を計測し、上記振幅値と上記初期値とを比較する比較手段と、上記比較手段による比較結果に基づいて、上記トラッキングエラー信号のゲインを調整するゲイン調整手段と、上記ゲインが調整されたトラッキングエラー信号に基づいて、トラッキング制御を行うトラッキング制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
この光ディスク記録及び/又は再生装置では、検出したウォブル信号のレベルに応じて、トラッキングエラー信号のゲインを調整し、このゲインが調整されたトラッキングエラー信号に基づいて、トラッキング制御を行う
【0011】
また、本発明に係る光ディスクのトラッキング制御方法は、 照射されるレーザ光のレーザスポットを記録トラックの中心位置に追従させるため、上記記録トラックにガイド溝が形成され、このガイド溝が所定の周波数のウォブル信号に応じて蛇行形成された光ディスクから、レーザスポットと記録トラックの中心位置との誤差成分を表すトラッキングエラー信号とウォブル信号とが含まれたプッシュプル信号を検出し、上記プッシュプル信号から、上記トラッキングエラー信号を生成し、上記光ディスクの装填時、記録開始時又は再生開始時に、上記プッシュプル信号から上記ウォブル信号を検出し、そのウォブル信号の振幅を初期値として保持し、上記光ディスクに対して信号を記録又は上記光ディスクから信号を再生する場合に検出した上記ウォブル信号の振幅値を計測し、上記振幅値と上記初期値とを比較し、上記比較した結果に基づいて、上記トラッキングエラー信号のゲインを調整し、上記ゲインが調整されたトラッキングエラー信号に基づいて、トラッキング制御を行うことを特徴とする。
【0012】
この光ディスクのトラッキング制御方法では、検出したウォブル信号のレベルに応じて、トラッキングエラー信号のゲインを調整し、このゲインが調整されたトラッキングエラー信号に基づいて、トラッキング制御を行う
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した光ディスクドライブ装置について、図面を参照しながら説明する。この実施の形態の光ディスクドライブ装置は、光ディスクにデータの記録又は再生のいずれか或いは記録及び再生の両者を行う装置である。
【0014】
図1に、本発明の実施の形態の光ディスクドライブ装置のブロック構成図を示す。
【0015】
光ディスクドライブ装置1は、光ディスクDにレーザ光を出射してその反射光を検出する光学ピックアップ2と、この光学ピックアップ2の検出信号から再生(RF)信号,フォーカスエラー(FE)信号,プッシュプル(PP)信号等を生成するマトリクスアンプ3と、マトリクスアンプ3により生成されたPP信号を増幅するゲインコントロールアンプ(GCA)4と、ゲインコントロールアンプ4により増幅されたPP信号の位相補償を行う位相補償フィルタ5と、位相補償フィルタ5により位相補償されたPP信号に基づき光学ピックアップ2が有する2軸アクチュエータ15を駆動するアクチュエータドライバ6と、マトリクスアンプ3により生成されたPP信号からウォブル信号を検出するバンドパスフィルタ7と、バンドパスフィルタ7により検出されたウォブル信号をデジタル化するA/Dコンバータ8と、A/Dコンバータ8によりデジタル化されたウォブル信号に基づきゲインコントロールアンプ4の増幅度を制御するシステムコントローラ9とを備えている。
【0016】
光学ピックアップ2は、レーザダイオード11から出射するレーザ光を例えば偏光ビームスプリッタ12や対物レンズ13等からなる光学系を介して光ディスクDのトラック上に照射し、その照射したレーザ光の反射光をフォトディテクタ14を用いて検出する。また、光学ピックアップ2は、光ディスクDに照射するレーザ光がジャストフォーカス及びジャストトラックとなるように対物レンズを移動させる2軸アクチュエータ15を有している。
【0017】
この光ディスクドライブ装置1が記録又は再生をする光ディスクDのトラックには、図2に示すように、対物レンズ13を介して照射されるレーザ光のレーザスポットをトラックの中心位置に追従させるために、プリグルーブと呼ばれるガイド溝が形成されている。また、この光ディスクDには、回転速度の制御又はトラックのアドレス情報のためのウォブル信号が、このプリグルーブを蛇行形成することにより記録されている。
【0018】
光学ピックアップ2のフォトディテクタ14は、このようにトラックにプリグルーブが形成された光ディスクDの反射光を検出して、その検出信号をマトリクスアンプ3に供給する。
【0019】
マトリクスアンプ3は、フォトディテクタ14からの検出信号を電圧値に変換し、RF信号、FE信号、PP信号等を生成する。RF信号は、光ディスクDに記録されている情報を示す信号であり形成されたピットの反射率の違いに基づき検出され、例えば、光ディスクDからの反射光の総光量に基づき生成される。FE信号は、レーザ光の合焦位置と光ディスクDの記録層との位置の違いに基づき検出され、例えば、いわゆる非点収差法と呼ばれる方式を用いて生成される。
【0020】
PP信号は、光ディスクD上のレーザスポットの照射位置と光ディスクDのトラックの中心との位置の違いに基づき検出され、例えば1ビームプッシュプルや差動プッシュプルと呼ばれるプリグルーブの両エッジからの反射光の差信号を検出する方法を用いて生成される。
【0021】
例えば、マトリクスアンプ3は、フォトディテクタ14が図3に示すような4分割フォトディテクタからなる場合には、このフォトディテクタのトラックの接線方向の中心軸φを中心に、トラックからの反射光の光量の差分を演算してPP信号を生成する。具体的には、PP信号は、4分割された各フォトディテクタの検出出力A,B,C,Dに基づき、マトリクスアンプ3が(A+D)−(B+C)を演算することにより生成される。このような演算を行うことにより、マトリクスアンプ3は、トラックの中心に対するレーザスポットの位置の誤差を示すPP信号を検出することができる。また、このPP信号には、光ディスクDのプリグルーブが蛇行形成されていることから、この蛇行に応じて検出されるウォブル信号が含まれている。
【0022】
このようにマトリクスアンプ3により生成されるPP信号には、トラッキングエラー信号とウォブル信号が含まれている。例えば、このPP信号には、光ディスクDがCD−R(Compact Disc-Recordable)であれば、図4に示すように、その規格上のトラックピッチ1.6μmに対して、振幅が25〜36nmのウォブル成分が含まれている。なお、このウォブル信号は、光ディスクDの最内周から最外周の全面において25〜36nmの振幅を有している。
【0023】
RF信号は、このマトリクスアンプ3から図示しないRF信号処理部等に供給され、このRF信号処理部により、2値化、EFM復調、エラー訂正処理等がされてインターフェースを介して外部装置に供給される。FE信号は、このマトリクスアンプ3から図示しないフォーカスサーボ処理部に供給される。このフォーカスサーボ処理部は、FE信号を位相補償した後、2軸アクチュエータ15を駆動して、FE信号を0とするように対物レンズを移動させ、レーザ光の合焦位置が光ディスクDの記録層に一致するように制御を行う。
【0024】
PP信号は、このマトリクスアンプ3から、ゲインコントロールアンプ4及びバンドパスフィルタ7に供給される。
【0025】
ゲインコントロールアンプ4は、後述するシステムコントローラ9の制御に従いPP信号のゲインを制御し、位相補償フィルタ5に供給する。
【0026】
位相補償フィルタ5は、トラッキングサーボのループ制御には関係の無い外乱、例えば、ウォブル信号成分やデータ成分等を除去するとともに、光ディスクの回転の偏心等による外乱を吸収して、低域におけるオープンループサーボゲインをかせぐように位相補償を行って、アクチュエータドライバ6に供給する。
【0027】
アクチュエータドライバ6は、位相補償がされたPP信号に基づき、2軸アクチュエータ15のトラッキングアクチュエータを駆動し、トラッキングエラーを0とするように対物レンズを移動させ、光ディスクDに照射されたレーザスポットがトラックの中心に追従するように制御を行う。
【0028】
一方、バンドパスフィルタ7は、供給されたPP信号からウォブル信号を検出し、A/Dコンバータ8に供給する。このバンドパスフィルタ7は、光ディスクDが例えばCD−Rであれば、PP信号から、22.05kHz±1KHzの帯域成分のみを取出してA/Dコンバータ8に供給する。
【0029】
A/Dコンバータ8は、検出されたウォブル信号をデジタル化して、システムコントローラ9に供給する。
【0030】
システムコントローラ9は、デジタル化されたウォブル信号に基づき、ゲインコントロールアンプ4のゲイン調整を行う。
【0031】
ここで、このシステムコントローラ9は、図5のフローチャートに示すようにゲインコントロールアンプ4のゲイン調整を行う。
【0032】
すなわち、システムコントローラ9は、ディスクの装填時、記録開始時、再生開始時等において、フォーカスサーボをオンさせてフォーカスを引き込む(ステップS1)。
【0033】
続いて、システムコントローラ9は、トラッキングサーボをオンさせてトラッキングサーボループを引き込む。このときに、システムコントローラ9は、レーザ光がトラックを横断するときに生じるトラバース信号等を検出して、PP信号が所定のレベルとなるようにゲインコントロールアンプ4の増幅度を設定する。例えば、システムコントローラ9は、トラバース信号のピーク間の電圧が1ボルトとなるように設定する(ステップS2)。
【0034】
続いて、システムコントローラ9は、このときのウォブル信号の振幅を測定し、その値を初期設定値として記憶しておく。例えば、ウォブル信号のピーク間電圧が100mボルトであれば、この値を記憶しておく(ステップS3)。
【0035】
システムコントローラ9は、以上ステップS1〜ステップS3までの処理を、イニシャル処理として、ディスク装填時、記録開始時、再生開始時等に行う。
【0036】
続いて、システムコントローラ9は、光ディスクDへのデータの記録中、又は、光ディスクDからのデータの再生中に、ウォブル信号の振幅を測定する(ステップS4)。
【0037】
続いて、システムコントローラ9は、検出したウォブル信号の振幅を、初期設定値として記憶したウォブル信号の振幅値と比較する。システムコントローラ9は、比較した結果に基づき、ゲインコントロールアンプ4のゲインを増減させる。例えば、ウォブル信号とPP信号には比例関係があることから、システムコントローラ9は、ウォブル信号の初期設定値と測定値とを比較して、このウォブル信号の増減の割合に応じた増幅度を設定する。
【0038】
つまり、システムコントローラ9は、光ディスクの内周側から外周側にわたる全面において記録されたウォブル信号の振幅が略同一であることから、検出したウォブル信号の振幅の変動がPP信号の振幅の変動に比例しているものとして、その変動の割合に応じたゲイン調整を行う。
【0039】
システムコントローラ9は、このステップS4とステップS5の処理を、データの記録中、及び、データの再生中に常に行い、ゲインコントロールアンプ4のゲインを制御する。
【0040】
以上のようにステップS1〜ステップS5までの処理を行うことにより、システムコントローラ9では、記録中又は再生中におけるプッシュプル信号の変動を抑えることができる。
【0041】
つぎに、光ディスクドライブ装置1において、ウォブル信号の変動に応じてゲインを調整したプッシュプル信号等の測定結果を示す。これら図6〜図8には、一例として市販されたCD−Rを内周から外周まで再生した場合の、プッシュプル信号等の振幅の変動率を示している。
【0042】
図6には、サンプルディスク1、サンプルディスク2、サンプルディスク3の3つのディスクを最内周から最外周まで再生し、何等ゲインの調整をしなかった場合のプッシュプル信号の振幅の変化率を示している。横軸には、データの再生時間を示しており、縦軸には、最内周トラックにおけるプッシュプル信号の振幅を1とした場合の変化率を示している。この図6から、プッシュプル信号の振幅が、光ディスクD上の各位置で変動していることがわかる。
【0043】
図7には、サンプルディスク1、サンプルディスク2、サンプルディスク3の3つのディスクを最内周から最外周まで再生し、各サンプルディスクから検出されるウォブル信号の振幅の変化率を示している。横軸には、データの再生時間を示しており、縦軸には、最内周トラックにおけるウォブル信号の振幅を1とした場合の変化率を示している。この図7から、ウォブル信号の振幅が、上記プッシュプル信号の振幅に比例していることがわかる。
【0044】
図8には、サンプルディスク1、サンプルディスク2、サンプルディスク3の3つのディスクから検出されるプッシュプル信号をウォブル信号により正規化した場合の変化率を示している。横軸には、データの再生時間を示しており、縦軸には、最内周トラックにおけるプッシュプル信号の振幅を1とした場合の変化率を示している。この図8から、プッシュプル信号をウォブル信号により正規化することによって、振幅の変動が抑えられることがわかる。
【0045】
以上のように光ディスクドライブ装置1では、システムコントローラ9が、検出したウォブル信号のレベルに応じて、プッシュプル信号のレベルを制御し、トラッキングサーボのループゲインを調整することにより、光ディスクDにおける記録面のたわみや歪み等の存在及び熱変化や経時変化等の影響のため記録又は再生の最中にトラッキングサーボ制御のループゲインが変動した場合であっても、トラッキングサーボ制御でのループゲインの変動を抑え、照射するレーザ光をトラックの中心位置に安定して追従させることができる。
【0046】
なお、以上説明した光ディスクドライブ装置1では、マトリクスアンプ3により直接出力されるプッシュプル信号に基づきウォブル信号を検出して、このマトリクスアンプ3から出力されるプッシュプル信号のゲインを調整する例を示したが、本発明では、ウォブル信号に応じてプッシュプル信号に含まれるトラッキングエラー信号のゲインを調整することができれば良いことから、そのゲインの調整方式は、この例の方式には限られない。
【0047】
例えば、ゲインコントロールアンプ4から出力されるウォブル信号を検出して、このウォブル信号が一定となるように、このゲインコントロールアンプ4のゲインを調整するようなフィードバック制御を行っても良いし、また、ウォブル信号を検出して、レーザダイオード11から出射するレーザ光の強度を制御してもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明にかかる光ディスクの記録及び/又は再生装置並びに光ディスクのトラッキング制御方法では、検出したウォブル信号のレベルに応じて、トラッキングエラー信号のレベルを制御し、トラッキングサーボのループゲインを調整する。
【0049】
このことにより、本発明では、同一の光ディスクにおける記録面のたわみや歪み等の存在及び熱変化や経時変化等の影響のため記録又は再生の最中にトラッキングサーボ制御のループゲインが変動した場合であっても、リアルタイムでトラッキングサーボ制御でのループゲインの変動を抑え、照射するレーザ光を記録トラックの中心位置に安定して追従させることができる。
【0050】
また、本発明では、例えば、長時間或いは大量のデータの記録や再生を行うといった光ディスクの広範囲にわたって連続的にデータの記録や再生を行う場合に、データの記録又は再生範囲全面にわたってループゲインの変動を抑えることができ、照射するレーザ光を記録トラックの中心位置に追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の光ディスクドライブ装置のブロック構成図である。
【図2】上記光ディスクドライブ装置により記録又は再生される光ディスクを説明する図である。
【図3】上記光ディスクドライブ装置のフォトディテクタの一例を示す図である。
【図4】光ディスクドライブ装置により検出されるプッシュプル信号を説明する波形図である。
【図5】上記光ディスクドライブ装置の処理内容を説明するフローチャートである。
【図6】プッシュプル信号の振幅の変化率を示す図である。
【図7】ウォブル信号の振幅の変化率を示す図である。
【図8】上記ウォブル信号により正規化した場合のプッシュプル信号の変化率を示す図である。
【符号の説明】
1 光ディスクドライブ装置、2 光学ピックアップ、3 マトリクスアンプ、4 ゲインコントロールアンプ、5 位相補償フィルタ、6 アクチュエータドライバ、7 バンドパスフィルタ、8 A/Dコンバータ、9 システムコントローラ、11 レーザダイオード、12 偏光ビームスプリッタ、13 対物レンズ、14 フォトディテクタ、15 2軸アクチュエータ

Claims (10)

  1. 照射されるレーザ光のレーザスポットを記録トラックの中心位置に追従させるため、上記記録トラックにガイド溝が形成され、このガイド溝が所定の周波数のウォブル信号に応じて蛇行形成された光ディスクから、レーザスポットと記録トラックの中心位置との誤差成分を表すトラッキングエラー信号とウォブル信号とが含まれたプッシュプル信号を検出するプッシュプル信号検出手段と、
    上記プッシュプル信号から上記トラッキングエラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成手段と、
    上記光ディスクの装填時、記録開始時又は再生開始時に、上記プッシュプル信号から上記ウォブル信号を検出し、そのウォブル信号の振幅値を初期値として保持する初期値保持手段と
    上記光ディスクに対して信号を記録又は上記光ディスクから信号を再生する場合に検出した上記ウォブル信号の振幅値を計測し、上記振幅値と上記初期値とを比較する比較手段と、
    上記比較手段による比較結果に基づいて、上記トラッキングエラー信号のゲインを調整するゲイン調整手段と、
    上記ゲインが調整されたトラッキングエラー信号に基づいて、トラッキング制御を行うトラッキング制御手段と
    を有することを特徴とする光ディスクの記録及び/又は再生装置。
  2. 上記ゲイン調整手段は、上記光ディスクに対して信号を記録し又は上記光ディスクから信号を再生する間、常にゲイン調整を行うことを特徴とする請求項1記載の光ディスクの記録及び/又は再生装置。
  3. 上記ゲイン調整手段は、上記プッシュプル信号の振幅値を調整することにより、ゲインの調整を行うことを特徴とする請求項1記載の光ディスクの記録及び/又は再生装置。
  4. 上記ゲイン調整手段は、上記ウォブル信号の振幅値が一定となるようなフィードバック制御により、ゲイン調整を行うことを特徴とする請求項1記載の光ディスクの記録及び/又は再生装置。
  5. 上記ゲイン調整手段は、上記レーザ光の強度を制御することにより、ゲイン調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の光ディスクの記録及び/又は再生装置。
  6. 照射されるレーザ光のレーザスポットを記録トラックの中心位置に追従させるため、上記記録トラックにガイド溝が形成され、このガイド溝が所定の周波数のウォブル信号に応じて蛇行形成された光ディスクから、レーザスポットと記録トラックの中心位置との誤差成分を表すトラッキングエラー信号とウォブル信号とが含まれたプッシュプル信号を検出し、
    上記プッシュプル信号から、上記トラッキングエラー信号を生成し、
    上記光ディスクの装填時、記録開始時又は再生開始時に、上記プッシュプル信号から上記ウォブル信号を検出し、そのウォブル信号の振幅を初期値として保持し、
    上記光ディスクに対して信号を記録又は上記光ディスクから信号を再生する場合に検出した上記ウォブル信号の振幅値を計測し、上記振幅値と上記初期値とを比較し、
    上記比較した結果に基づいて、上記トラッキングエラー信号のゲインを調整し、
    上記ゲインが調整されたトラッキングエラー信号に基づいて、トラッキング制御を行うことを特徴とする光ディスクのトラッキング制御方法。
  7. 上記光ディスクに対して信号を記録又は上記光ディスクから信号を再生する間、常にゲ インの調整を行うことを特徴とする請求項6記載の光ディスクのトラッキング制御方法。
  8. 上記ゲイン調整を、上記プッシュプル信号の振幅値を調整することにより行うことを特徴とする請求項6記載の光ディスクのトラッキング制御方法。
  9. 上記ゲイン調整を、上記ウォブル信号の振幅値が一定となるようなフィードバック制御により行うことを特徴とする請求項6記載の光ディスクのトラッキング制御方法。
  10. 上記ゲイン調整を、上記レーザ光の強度を制御することにより行うことを特徴とする請求項6記載の光ディスクのトラッキング制御方法。
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