JP3880045B2 - レンズ墨塗り装置用レンズホルダー、及びレンズ墨塗り装置のレンズ保持方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズのコバ面等に墨塗りを行う時にレンズを保持するためのレンズ墨塗り装置用レンズホルダー、及びこのレンズ墨塗り装置用レンズホルダーを用いてレンズを保持する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レンズを用いた光学機器、例えば、図6(A)に示すような鏡筒50においては、レンズL4に入る通常の光線W1以外に、レンズL4の側面で反射して入光する光線W2は、ゴーストやフレア等の発生の原因となり、本来の光学機器の機能を阻害する不要な光線であり、これを防止する必要がある。
【0003】
このため、従来は、図6(B)に示すようにしてレンズL4を保持し、レンズL4の側面であるコバ面S12に、筆等を用いて反射防止用の塗料、例えば黒色つや消し塗料等を塗布していた。この作業を、以下、「墨塗り」という。
【0004】
この場合には、図6(B)に示すように、墨塗り時に、レンズホルダー61を用いてレンズL4を保持している。レンズホルダー61は、テーパー筒部62と、平板部63と、直筒部64を有しており、直筒部64には、空気吸引用開口65が設けられている。
【0005】
レンズL4を保持する場合には、直筒部64に真空ポンプ等を接続し、空気を吸引する。これにより、負圧が発生し、レンズL4は、レンズホルダー61に吸着されて保持される。この状態で、直筒部64を回転駆動させ、レンズL4のコバ面S12に筆等を当接することにより、コバ面S12の墨塗りを行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のレンズホルダー61では、テーパー筒部62の上端縁66とレンズL4のレンズ面S11は、円曲線の線接触状態で接触している。このため、墨塗りが完了したレンズL4の面のうち、吸着保持されたレンズ面S11には、上端縁66の位置にリング状の接触痕が付いてしまう、という問題があった。
【0007】
また、図7(A)に示すように、墨塗りの対象となるレンズの中には、レンズ面S13及びS17と、コバ面S15のほか、面取り面S14及びS16を有するレンズL5もある。このようなレンズL5において、コバ面S15だけでなく、面取り面S14やS16に墨塗りを行う場合には、図7(B)に示すように、筆80を用い、その腹部となる塗布部81を対象となるレンズ面(例えば面取り面S14)に当接させていた。しかし、上記したレンズホルダー61によりレンズL5を保持している場合には、筆80の先端部82がテーパー筒部62の外側面と干渉してしまい、墨塗り作業が困難になる、という問題があった。
【0008】
本発明は上記した問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、墨塗り作業におけるレンズ保持時に作業が容易でかつ接触痕が生じないレンズ墨塗り装置用レンズホルダー、及びレンズ墨塗り装置のレンズ保持方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るレンズ墨塗り装置用レンズホルダーは、
下面が下方に向かって凸面となる曲面を有し、少なくともコバ面を有するレンズの墨塗り対象面であるコバ面に墨塗りを行うレンズ墨塗り装置において前記墨塗り時に前記レンズの前記曲面を保持するレンズ墨塗り装置用レンズホルダーであって、
上端が最も薄肉となる杯状に成形されるとともに前記杯状部の下部に空気吸引用開口を有し、上端の開口が少なくとも前記曲面よりも小さく形成され且つ前記杯状部の内表面は、前記レンズのの凸曲面の中央部を含む部分を収容可能な凹曲面をなすように形成され、前記空気吸引用開口からの空気の吸引により前記杯状部の上端縁付近の内表面で前記レンズの前記曲面を面接触により吸着保持させ、前記杯状部の下端付近がホルダー支持軸の先端に装着されて回転駆動され、前記レンズを回転させながら前記墨塗りが可能に構成されること
を特徴とする。
【0011】
また、上記したレンズ墨塗り装置用レンズホルダーにおいて、好ましくは、前記凹曲面は、凹円錐面である。
【0012】
また、上記したレンズ墨塗り装置用レンズホルダーにおいて、好ましくは、
前記レンズの下面は、前記レンズの凸曲面の外縁に接続する凸円錐面であるとともに前記墨塗りが行われる墨塗り面を有し、かつ、前記杯状部の外表面は凸曲面状に形成され、
前記杯状部の上端縁付近の外表面の傾斜角度は、前記凸円錐面となる墨塗り面の傾斜角度よりも小さな値に設定される。
【0013】
また、上記したレンズ墨塗り装置用レンズホルダーにおいて、好ましくは、前記レンズを面接触により吸着保持する部分は、合成樹脂材料により形成されている。
【0014】
また、本発明に係るレンズ墨塗り装置のレンズ保持方法は、
下面が下方に向かって凸面となる曲面を有し、少なくともコバ面を有するレンズの墨塗り対象面であるコバ面に墨塗りを行うレンズ墨塗り装置における、前記墨塗り時に前記レンズを保持するレンズ墨塗り装置のレンズ保持方法であって、
上端が最も薄肉となる杯状に成形されるとともに前記杯状部の下部に空気吸引用開口を有し、上端の開口が少なくとも前記曲面よりも小さく形成され且つ前記杯状部の内表面は、前記レンズの凸曲面の中央部を含む部分を収容可能な凹曲面をなすように形成されたレンズ墨塗り装置用レンズホルダーを用い、前記空気吸引用開口からの空気の吸引により前記杯状部の上端縁付近の内表面で前記レンズを面接触により吸着保持させ、前記杯状部の下端付近をホルダー支持軸の先端に装着し回転駆動し、前記レンズを回転させながら前記墨塗りを行うこと
を特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態であるレンズ墨塗り装置用レンズホルダーの構成を示す図である。
【0016】
図1(A)に示すように、このレンズ墨塗り装置用レンズホルダー1は、合成樹脂材料からなり、杯状部2の下部に空気吸引用開口5が形成された形状を有している。
【0017】
杯状部2は、上部に配置されたコーン状部3と、コーン状部3の下方に接続する直筒部4を有している。コーン状部3は、円錐台形の内部に、同軸の円錐台形の内部空間9を有する部分である。コーン状部3は、上部と下部の両方が開口するとともに、上部開口の内径の方が下部開口の内径よりも大きくなっており、一種の筒状となっている。
【0018】
また、コーン状部3の外表面8は、外側に凸となる円錐面(以下、「凸円錐面」という。)の形状に形成されている。また、コーン状部3の内表面7は、凹んだ円錐面(以下、「凹円錐面」という。)の形状に形成されている。そして、コーン状部3の外表面8の傾斜角度(水平面を基準とした場合の角度)は、コーン状部3の内表面7の傾斜角度(水平面を基準とした場合の角度)よりも大きくなっている。このため、コーン状部3の肉厚は、下部から上部へ向かうにつれて減少しており、コーン状部3の上端縁6では最も薄肉となっている。
【0019】
また、直筒部4は、円柱の内部に、同軸の円柱形の内部空間を有する部分である。この直筒部4の内部空間は、上記したコーン状部3の内部空間9の下部の開口で連通している。また、直筒部4の下端の開口が、空気吸引用開口5となっている。
【0020】
図1(B)は、レンズL1の墨塗り時に、上記したレンズ墨塗り装置用レンズホルダー1の上にレンズL1を載置した状態(吸引前の状態)を示した図である。図1(B)に示すように、レンズL1の下面であるレンズ面S1は下方に向かって凸となる曲面、例えば球面となっている。
【0021】
また、杯状部2のコーン状部3の内表面7は、上記したように凹円錐面となっているから、この状態では、レンズL1のレンズ面S1の凸曲面の中央部を含む部分は、内表面7によって収容された状態となっている。
【0022】
この場合、直筒部4には、パイプ等(図示せず)を介して真空ポンプ等(図示せず)が接続される。次に、上記の状態で、図示しない真空ポンプ等を作動させ、空気を吸引する。これにより、負圧が発生し、レンズL1は、レンズ墨塗り装置用レンズホルダー1に吸着されて保持される。
【0023】
図2は、上記のようにして、レンズL1がレンズ墨塗り装置用レンズホルダー1によって吸着保持されている場合の上端縁6の近傍の状態を示す拡大図である。
【0024】
杯状部2の上部を構成するコーン状部3は、合成樹脂材料で形成されている。このため、ある程度の弾性を有している。したがって、図1(B)の状態で空気吸引が行われ、コーン状部3の内部空間9が負圧になると、上端縁6付近の内表面7の部分、すなわち、図2においてP1で示す部分は、負圧の影響を受け、レンズL1の表面に接近するように弾性変形する。これにより、コーン状部3の内表面7のうち、領域P1の部分は、レンズL1の表面S1に密着する。
【0025】
したがって、レンズL1は、レンズ墨塗り装置用レンズホルダー1の領域P1によって面接触で吸引保持されることになる。このため、接触面積が大きくなるので、保持される部分に作用する保持力(圧力)は、線接触状態で保持する従来の場合よりも小さくなる。接触痕は、負圧による吸着保持に伴い、レンズホルダーの接触部にあった汚れ等が、レンズ表面に付着又は転写されることにより発生すると考えられるが、本実施形態のレンズ墨塗り装置用レンズホルダー1によれば、レンズホルダーとレンズの接触部分の圧力が低減されるので、従来のような接触痕は発生しない。
【0026】
また、図3に示すように、レンズ面S3及びS7と、コバ面S5と、面取り面S4及びS6を有するレンズL2の場合にも、本実施形態のレンズ墨塗り装置用レンズホルダー1は有効である。この場合、面取り面S4は、レンズL2の凸曲面S3の外縁に接続する凸円錐面となっている。また、面取り面S4は、特許請求の範囲における墨塗り面に相当している。
【0027】
上記のレンズL2において、コバ面S5だけでなく、面取り面S4に墨塗りを行う場合には、筆80を用い、その腹部となる塗布部81を面取り面S4に当接させる。
【0028】
この場合、コーン状部3の上端縁6の付近の外表面8の傾斜角度θ1を、面取り面S4の傾斜角度θ2よりも小さな値に設定しておけば、レンズL2の吸着保持時に、筆80の先端部82がレンズ墨塗り装置用レンズホルダー1のいずれの部分とも干渉することはなく、墨塗り作業の支障となることはない。
【0029】
図4は、上記したレンズ墨塗り装置用レンズホルダー1を用いたレンズ墨塗り装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、このレンズ墨塗り装置100においては、回転台101の上にホルダー支持軸102が複数個配置されている。回転台101には、ベルト104が取り付けられており、ベルト104は、図示しない回転駆動源によって回転されるプーリー103によって駆動される。回転駆動源としては、電動モータ(図示せず)等が用いられる。このような構成により、回転台101は、台軸105の周りに回転駆動される。
【0030】
また、ホルダー支持軸102には、連通用開口102aが設けられており、連通用開口102aは、パイプ等(図示せず)を介して真空ポンプ等(図示せず)が接続されている。また、ホルダー支持軸102自体も回転可能な構造となっており、上記したベルト104の駆動によって回転するようになっている。
【0031】
このような構成により、レンズ墨塗り装置100のホルダー支持軸102の先端にレンズ墨塗り装置用レンズホルダー1を装着すると、レンズ墨塗り装置用レンズホルダー1の空気吸引用開口5と、ホルダー支持軸102の連通用開口102aが連通するようになっている。
【0032】
レンズL3のコバ面S8に墨塗りを行う場合には、真空ポンプ等(図示せず)により空気を吸引する。これにより、負圧が発生し、レンズL3は、レンズ墨塗り装置用レンズホルダー1に吸着されて保持される。この状態で、プーリー103を回転駆動させると、回転台101が回転するとともに、回転台101の上の各ホルダー支持軸102が回転し、各レンズL3が回転する。この状態で、レンズL3のコバ面S8筆等(図示せず)を当接することにより、図4で符号Bで示したように、コバ面S8に墨塗りを行うことができる。
【0033】
図5は、上記したレンズ墨塗り装置用レンズホルダー1、あるいはレンズ墨塗り装置100を用いて作業者が人力で行うレンズ墨塗り作業に適用可能なレンズ墨塗り器200の構成例を示す図である。図5に示すように、このレンズ墨塗り器200においては、基台201の上に支柱202が立設され、支柱202に取付金具203が取り付けられている。取付金具203は、梁状又は棒状の金具本体部203aの一端側にクランプ部203bが接続しており、このクランプ部203bは、バネや締結ネジの締付力を利用して支柱202にスライド可能に固定されるようになっている。
【0034】
また、取付金具203の金具本体部203aの他端側には、環状のタンク保持部203cが接続しており、このタンク保持部203cにより、塗料タンク204が保持されるようになっている。塗料タンク204は、略筒状のタンク本体部204aを有し、この中に液体状の黒色塗料(墨)300が貯留可能となっている。タンク本体部204aの下部は、徐々に内径が小さくなる漏斗部204bとなっており、漏斗部204bの下端には、排出口204cが接続している。
【0035】
排出口204cには、可撓パイプ205の一端が嵌め込まれている。可撓パイプ205は、ゴム系材料等からなり、管状に形成された部材である。ゴム系材料には、天然ゴム、合成ゴム等が含まれる。可撓パイプ205の多端は、把持軸206の一端(図5における上端)に嵌め込まれている。把持軸206は、合成樹脂材料や金属材料等からなる略筒状の部材であり、把持軸206の内部の空間は、可撓パイプ205の内部空間と連通するようになっている。
【0036】
また、把持軸206の他端(図5における下端)には、筆状部207が接続している。筆状部207は、フェルトやスポンジのような液体を含浸しやすい材料からなり、筆のような略紡錘形に形成されている。
【0037】
このような構成により、レンズ墨塗り作業の作業者(図示せず)が、レンズ墨塗り器200の把持軸206を手及び指で把持し、クランプ部203bを鉛直上下方向のいずれかへスライドさせて、塗料タンク204と筆状部207との高さ位置(高低差)を調整することにより、黒色塗料300の筆状部207からのしみ出し量を調整する。すなわち、筆状部207の高さ位置を、塗料タンク204内の塗料300の液面位置よりも低くなるように保持すれば、液体である塗料300の高低差に伴う圧力により、塗料タンク204内の黒色塗料300は、可撓パイプ205及び把持軸206の内部空間を通って筆状部207に到達し、黒色塗料300が筆状部207の外部へしみ出してくる。筆状部207の高さ位置をさらに低くすれば、黒色塗料300が筆状部207からしみ出す黒色塗料300の程度(しみ出し量、その速度等)は増大する。逆に、筆状部207の高さ位置を上記位置よりも高くすれば、黒色塗料300が筆状部207からしみ出す黒色塗料300の程度(しみ出し量、その速度等)は減少する。
【0038】
レンズ墨塗り作業者は、把持軸206を把持し、塗料タンク204、又は筆状部207、若しくは両者の高さ位置を適宜に調整することにより両者の間の高低差を適宜に設定し、しみ出す黒色塗料300の量・速度などを調整し、上記したレンズホルダー1に保持されたレンズ(図示せず)のコバ面(図示せず)に筆状部207の側部等を当接させ、これにより、レンズコバ面に墨塗りを行うことができる。
【0039】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0040】
例えば、上記実施形態においては、レンズ墨塗り装置用レンズホルダーによって保持されるレンズとして、図1(B)に示す片凸レンズL1、図3に示す面取り面を有する両凸レンズL2を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成のレンズ、例えば、面取り面を有しない両凸レンズ、一面が凸面で他面が凹面のレンズなどであってもよい。要は、少なくとも一面が凸面であれば、どのようなレンズであってもよいのである。
【0041】
また、上記実施形態においては、レンズ墨塗り装置用レンズホルダーの杯状部の内表面(例えば7)が、凹円錐面に形成された例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の内表面、例えば、レンズの凸曲面の中央部を含む部分を収容可能でかつレンズの下面の外縁部付近と面接触可能な凹んだ曲面(凹曲面)であれば、どのような凹曲面であってもよく、凹んだ球面などであってもよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、レンズ墨塗り装置用レンズホルダーの杯状部の外表面(例えば8)が、凸円錐面に形成された例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の外表面、例えば、外に向かって凸な球面などであってもよい。
【0043】
また、上記実施形態においては、レンズ墨塗り装置用レンズホルダーとして、図1に示すように上端が最も薄肉となる杯状に成形されるとともに、図3に示すように杯状部の上端縁付近の外表面の傾斜角度が、凸円錐面となる墨塗り面の傾斜角度よりも小さな値に設定される例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成のレンズ墨塗り装置用レンズホルダー、例えば、図1に示すように上端が最も薄肉となる杯状に成形されただけの構成であってもよい。このような構成によっても、接触痕を生じないという本発明の効果は達成可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上端が最も薄肉となる杯状に成形されるとともに杯状部の下部に空気吸引用開口を有するように構成されたので、空気吸引用開口からの空気の吸引により杯状部の上端縁付近の内表面でレンズを面接触により吸着保持させ、杯状部の下端付近がホルダー支持軸の先端に装着されて回転駆動され、レンズを回転させながら墨塗りが可能であり、接触痕が生じない、という利点を有している。
【0045】
また、上記のレンズ墨塗り装置用レンズホルダーにおいて、杯状部の上端縁付近の外表面の傾斜角度を、凸円錐面となる墨塗り面の傾斜角度よりも小さな値に設定することにより、墨塗り時に筆と干渉せず、容易に墨塗りを行うことができる、という利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるレンズ墨塗り装置用レンズホルダーの構成を示す図である。
【図2】図1に示すレンズ墨塗り装置用レンズホルダーの作用を示す第1の図である。
【図3】図1に示すレンズ墨塗り装置用レンズホルダーの作用を示す第2の図である。
【図4】図1に示すレンズ墨塗り装置用レンズホルダーを用いたレンズ墨塗り装置の構成例を示す図である。
【図5】図1に示すレンズ墨塗り装置用レンズホルダー等を用いて行うレンズ墨塗り作業に適用可能な墨塗り器の構成例を示す図である。
【図6】従来のレンズにおける墨塗りについて説明する第1の図である。
【図7】従来のレンズにおける墨塗りについて説明する第2の図である。
【符号の説明】
1 レンズ墨塗り装置用レンズホルダー
2 杯状部
3 コーン状部
4 直筒部
5 空気吸引用開口
6 上端縁
7 内表面
8 外表面
9 内部空間
50 鏡筒
61 レンズホルダー
62 テーパー筒部
63 平板部
64 直筒部
65 空気吸引用開口
66 上端縁
80 筆
81 塗布部
82 先端部
100 レンズ墨塗り装置
101 回転台
102 ホルダー支持軸
102a 連通用開口
103 プーリー
104 ベルト
105 台軸
200 レンズ墨塗り器
201 基台
202 支柱
203 取付金具
203a 金具本体部
203b クランプ部
203c タンク保持部
204 塗料タンク
204a タンク本体部
204b 漏斗部
204c 排出口
205 可撓パイプ
206 把持軸
207 筆状部
300 黒色塗料
B 墨塗り済み面
L1〜L5 レンズ
P1 面接触領域
S1 レンズ面
S2 コバ面
S3 レンズ面
S4 面取り面
S5 コバ面
S6 面取り面
S7 レンズ面
S8 コバ面
S11 レンズ面
S12 コバ面
S13 レンズ面
S14 面取り面
S15 コバ面
S16 面取り面
S17 レンズ面
W1、W2 光線
θ1 杯状部外表面上端縁付近の傾斜角度
θ2 面取り面の傾斜角度
Claims (5)
- 下面が下方に向かって凸面となる曲面を有し、少なくともコバ面を有するレンズの墨塗り対象面であるコバ面に墨塗りを行うレンズ墨塗り装置において前記墨塗り時に前記レンズの前記曲面を保持するレンズ墨塗り装置用レンズホルダーであって、
上端が最も薄肉となる杯状に成形されるとともに前記杯状部の下部に空気吸引用開口を有し、上端の開口が少なくとも前記曲面よりも小さく形成され且つ前記杯状部の内表面は、前記レンズのの凸曲面の中央部を含む部分を収容可能な凹曲面をなすように形成され、前記空気吸引用開口からの空気の吸引により前記杯状部の上端縁付近の内表面で前記レンズの前記曲面を面接触により吸着保持させ、前記杯状部の下端付近がホルダー支持軸の先端に装着されて回転駆動され、前記レンズを回転させながら前記墨塗りが可能に構成されること
を特徴とするレンズ墨塗り装置用レンズホルダー。 - 請求項1記載のレンズ墨塗り装置用レンズホルダーにおいて、
前記凹曲面は、凹円錐面であること
を特徴とするレンズ墨塗り装置用レンズホルダー。 - 請求項1記載のレンズ墨塗り装置用レンズホルダーにおいて、
前記レンズの下面は、前記レンズの凸曲面の外縁に接続する凸円錐面であるとともに前記墨塗りが行われる墨塗り面を有し、かつ、前記杯状部の外表面は凸曲面状に形成され、
前記杯状部の上端縁付近の外表面の傾斜角度は、前記凸円錐面となる墨塗り面の傾斜角度よりも小さな値に設定されること
を特徴とするレンズ墨塗り装置用レンズホルダー。 - 請求項1記載のレンズ墨塗り装置用レンズホルダーにおいて、
前記レンズを面接触により吸着保持する部分は、合成樹脂材料により形成されていること
を特徴とするレンズ墨塗り装置用レンズホルダー。 - 下面が下方に向かって凸面となる曲面を有し、少なくともコバ面を有するレンズの墨塗り対象面であるコバ面に墨塗りを行うレンズ墨塗り装置における、前記墨塗り時に前記レンズを保持するレンズ墨塗り装置のレンズ保持方法であって、
上端が最も薄肉となる杯状に成形されるとともに前記杯状部の下部に空気吸引用開口を有し、上端の開口が少なくとも前記曲面よりも小さく形成され且つ前記杯状部の内表面は、前記レンズの凸曲面の中央部を含む部分を収容可能な凹曲面をなすように形成されたレンズ墨塗り装置用レンズホルダーを用い、前記空気吸引用開口からの空気の吸引により前記杯状部の上端縁付近の内表面で前記レンズを面接触により吸着保持させ、前記杯状部の下端付近をホルダー支持軸の先端に装着し回転駆動し、前記レンズを回転させながら前記墨塗りを行うこと
を特徴とするレンズ墨塗り装置のレンズ保持方法。
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