JP3878667B2 - 分注システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、バイオチップ製造等の分野にて好適に用いられ、所定の分注液を一定微量ずつ小分けしてスポット的に注ぐのに使用される分注システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、薬液等の液体を一定微量ずつ小分けしてスポット的に相手基板等に注ぐ(分注する)のに使用される分注装置として、例えば、下記の特許文献1、特許文献2及び非特許文献1に記載されるものがある。
【0003】
特許文献1及び特許文献2の分注装置(マイクロピペット)は、ピペット本体のキャビティに、外部から試料を注入して貯留し、ピペット本体の外面上に設けた圧電/電歪素子を駆動させてキャビティの体積を変化させ、試料の一定量を吐出口から吐出させるものである。
【0004】
非特許文献1の分注装置は、分注器のノズル先端から、「0.1〜2.5μl」程度の容量の液体を「0.1μl」の精度で押し出して分注するようになっている。
【0005】
一方、所定の液体が分注されるバイオチップの一つとして、例えば、下記の特許文献3に記載されるマクロアレイがある。このマクロアレイは、遺伝子発現解析等の分野において利用され、多種類のDNA試料に基づく多数のスポットを整然と配置したものである。このマクロアレイは、被検物質含有スポットを形成する基材となる多孔質メンブレンを備え、そのメンブレンの孔が相互に独立した貫通孔となっている。従って、メンブレンの表面に滴下された試料の一部は、各貫通孔に滲入し、メンブレン表層の横方向への拡散が抑えられる。これにより、高密度なスポットがマクロアレイに形成・配置される。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−196010号公報(第6頁,図1)
【特許文献2】
特開2002−204945号公報(第6頁,図1)
【特許文献3】
特開2001−83163号公報(第2頁〜第4頁,図1,図2,図3)
【非特許文献1】
アズワン(株)カタログ「研究用総合機器70000」第568頁
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記の特許文献1、特許文献2及び非特許文献1に記載された装置では、「μl」レベルの精度の分注が限界であり、それ以上の精度で液体を微量に分注することが困難であった。これは、前記分注装置では、主として「液滴法」が使用され、液体には表面張力と呼ばれる「液体分子間の凝集力」や「管壁に対する付着力」があるたである。一般に、垂直な管の下端から落下する液滴は、その質量分の重力が表面張力等に打ち勝つときに落下することから、落下に必要な最少の液滴量が「μl」レベルになるからである。従って、従来の分注装置を使用したのでは、「nl」レベルの超微量の分注を行うことができなかった。
【0008】
又、前記の特許文献3に記載されたマクロアレイは、貫通孔毎にスポットが形成されるのではなく、複数の貫通孔を含む範囲で一つ分のスポットがメンブレン表面に形成されるものであった。このため、マクロアレイとしては、「nl」レベルの超微量の分注液により一つのスポットを形成することが困難であった。
【0009】
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、「nl」レベルの超微量な分注を行うことを可能とした分注システムを提供することにある。この発明
の第2の目的は、上記分注システムにおいて好適に使用され、超微量な分注液により一つのスポットを形成することを可能とした分注基板を提供することにある。この発明の第3の目的は、「nl」レベルの超微量な分注を行うことを可能とした分注方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】
【0012】
上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、分注液を極細管から吐出させる分注液吐出手段と、吐出された分注液を分注する貫通孔を含む分注基板とを備えた分注システムであって、極細管を分注基板に対して進退させるための進退手段と、進退手段により極細管が貫通孔に非接触で挿入され、非接触で引き抜かれることと、極細管が貫通孔に挿入されたときに極細管から分注液の吐出が開始され、その吐出と同時に極細管が貫通孔から引き抜かれるように分注液吐出手段と進退手段を制御するための制御手段とを備えたことを趣旨とする。
【0013】
上記発明の構成によれば、制御手段により進退手段が制御されて極細管が貫通孔に非接触で挿入される。このとき、制御手段により分注液吐出手段が制御されて極細管から分注液の吐出が開始されると、同時に制御手段により進退手段が制御されて貫通孔から極細管が引き抜かれ、それと共に貫通孔に分注液が受け入れられることになる。従って、貫通孔の容積を予め超微量に設定しておくことにより、自重で滴下するときの容量より少ない超微量の分注液が容易に分注される。
【0014】
上記第1の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、貫通孔が開口する分注基板の表面に撥水性コートを設けたことを趣旨とする。
【0015】
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、分注基板の表面で分注液が撥水性コートにより弾かれて粒化するので、分注液が貫通孔の周囲へ拡がり難くなる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
上記第3の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、予め親水性コートを設けた貫通孔を含む分注基板に対して極細管を前進させ、その極細管を貫通孔に非接触で挿入した後に極細管から分注液の吐出を開始し、その吐出と同時に極細管を分注基板に対して後退させて貫通孔から非接触で引き抜くことにより貫通孔に分注液を分注することを趣旨とする。
【0023】
上記発明の構成によれば、極細管が貫通孔に非接触で挿入された後、極細管から分注液の吐出が開始され、その吐出と同時に貫通孔から極細管が非接触で引き抜かれると、貫通孔に分注液が受け入れられて分注される。従って、貫通孔の容積を予め超微量に設定しておくことにより、自重で滴下するときの容量より少ない超微量の分注液が容易に分注される。
【0024】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の分注システム及び分注方法を具体化した第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1に、本実施の形態の分注システムの概略構成図を示す。この分注システムは、エア駆動タイプの液カートリッジ1と、その液カートリッジ1の下方に配置された分注基板2とを備える。液カートリッジ1は、分注液を貯留するキャビティ3を含む筐体4と、キャビティ3に貯留された分注液を吐出する極細管5とを備える。極細管5から吐出された分注液は、分注基板2に分注される。
【0026】
この分注システムは、液カートリッジ1のキャビティ3に圧送用エアを供給するためのエア供給装置を備える。このエア供給装置は、エア配管6と、そのエア配管6の途中に設けられた電磁弁7及び圧力調整器8とを含んで構成される。電磁弁7をオン・オフすることにより、キャビティ3に対するエアの供給・停止が制御される。これら液カートリッジ1とエア供給装置とにより、分注液を極細管5から吐出させる本発明の分注液吐出手段が構成される。
【0027】
この分注システムは、分注基板2を平面縦方向へ移動させるための縦フレーム9と、その縦フレーム9を駆動させるための縦用アクチュエータ10と、分注基板2を平面横方向へ移動させるための横フレーム11と、その横フレーム11を駆動させる横用アクチュエータ12とを備える。これら縦フレーム9、縦用アクチュエータ10、横フレーム11及び横用アクチュエータ12は、分注基板2と極細管5を相対移動させるために、分注基板2を縦方向及び横方形へ移動させる移動手段に相当する。
【0028】
図2に、分注基板2を平面図に示す。分注基板2は、縦横規則的に配置された多数の貫通孔2aを含む。各貫通孔2aには、極細管5から吐出される分注液が分注される。図3に、分注基板2と極細管5の関係を拡大断面図に示す。極細管5と分注基板2とは、互いに近付けられて非接触に配置される。この実施の形態で、分注基板2は、正方形のアクリル板より形成され、縦横「50mm×50mm」の長さと、「1mm」の厚さを有する。分注基板2は、アクリル板以外に、紫外線硬化樹脂板により形成することもできる。この実施の形態で、貫通孔2aの数は「10000」である。各貫通孔2aの内径R1は「0.1mm」であり、各貫通孔2aのピッチP1は「0.5mm」である。この実施の形態で、各貫通孔2aは、ドリルにより加工される。極細管5の外径は「1100μm」であり、その内径は「290μm」である。
【0029】
図1に示すように、電磁弁7、縦用アクチュエータ10及び横用アクチュエータ12は、それぞれコントローラ13に接続される。コントローラ13は、図3に示すように分注基板2の各貫通孔2aを極細管5の真下に整合させるために、両アクチュエータ10,12をそれぞれ制御する。又、コントローラ13は、各貫通孔2aを極細管5に整合させた後、極細管5から1スポット分の分注液を吐出させるために、電磁弁7のオン・オフを制御する。
【0030】
図4に、分注基板2及び極細管5を更に拡大して示す(分注基板2のみを断面図に示す。)。図4に示すように、各貫通孔2aの内面には、親水性コート14が設けられる。この実施の形態では、親水性コート14が金(Au)より形成される。この親水性コート14の厚みは「1000Å」である。金よりなる親水性コート14は、ニッケルカッパストライクメッキで置換されたものである。
【0031】
この実施の形態では、各貫通孔2aが開口する分注基板2の表面(上下両面)に、撥水性コート15が設けられる。この実施の形態で、撥水性コート15は、ポリイミド(PI)より形成される。この撥水性コート15の厚みは「1μm」である。
【0032】
この分注システムでは、上記構成において、極細管5から吐出される分注液が、その表面張力により分注基板2の表面に接触して各貫通孔2aに受け入れられるようになっている。
【0033】
ここで、上記の分注システムを使用して行われる分注方法を、図4〜図6に従って説明する。
【0034】
先ず、コントローラ13が縦用及び横用のアクチュエータ10,12を制御することにより、図4に示すように、極細管5を分注基板2の一つの貫通孔2aに整合させる。
【0035】
次に、コントローラ13が電磁弁7を制御することにより、図5に示すように、極細管5から分注液16を吐出させ、その吐出される分注液16を、極細管5と非接触に近付けて配置された分注基板2の表面から、予め親水性コート14を設けた貫通孔2aに受け入れさせ、その貫通孔2aに分注液を分注する。このとき、分注基板2の貫通孔2aへ向けて極細管5から吐出される分注液は、その表面張力により分注基板2の表面に橋渡しされて接触する。ここで、貫通孔2aの内面には、親水性コート14が設けられることから、分注基板2の表面に接触する分注液16は、毛細管現象で吸引されて貫通孔2aに受け入れられる。
【0036】
このようにすることにより、図6に示すように、1スポット分の分注液が、一つの貫通孔2aの中に分注され、貫通孔2aが分注液で満たされる。
【0037】
以上説明したこの実施の形態の分注システム及び分注方法によれば、分注基板2の各貫通孔2aの容積が予め超微量に設定され、その貫通孔2aに毛細管現象により分注液が吸引されるので、自重で滴下するときの容量より少ない超微量の分注液が各貫通孔2aに容易に分注される。このため、「nl」レベルの超微量な分注液を1スポット分としてスムーズに分注基板2に分注することができる。
【0038】
ここで、図7に、電磁弁7のオン時間と分注液のスポット量(貫通孔2aに分注される分注液の量)との関係をグラフに示す。このグラフには、分注液の供給圧力を「0.1MPa,0.05MPa,0.02MPa」として計測したデータを示す。このグラフからも明らかなように、分注液のスポット量は、電磁弁7のオン時間の長さに比例して増大し、かつ、供給圧力が高いほど多くなることが分かる。
【0039】
この実施の形態の分注システムの構成によれば、分注基板2の表面で分注液が撥水性コート15により弾かれて粒化するので、分注液が各貫通孔2aの周囲へ拡がり難くなる。このため、隣り合う貫通孔2aの間で異なる種類の分注液が分注された場合でも、それら異なる分注液が接触して混じり合うことを防止することができる。
【0040】
この実施の形態では、分注液を分注する多数の貫通孔2aを備えた分注基板2において、各貫通孔2aの内面に親水性コート14が設けられるので、各貫通孔2aで分注液が毛細管現象により吸引されて同孔2aに受け入れられる。従って、多数の貫通孔2a毎に分注液が容易に受け入れられて分注される。このため、上記の分注システムに好適に使用することができ、超微量の分注液により1スポットをスムーズに形成することができる。
【0041】
又、この実施の形態の分注基板2では、分注基板2の表面で撥水性コート15により分注液16が弾かれて粒化するので、分注液16が各貫通孔2aの周囲へ拡がり難くなる。従って、各貫通孔2aに受け入れられる分注液が他の貫通孔2aの分注液と混じり難くなる。このため、高精密な分注を行うことができる。
【0042】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の分注システム及び分注方法を具体化した第2の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。尚、本実施の形態を含む以下に説明する各実施の形態において、前記第1の実施の形態と同一の構成については、同一の符合を付して説明を省略し、以下には異なった点を中心に説明する。
【0043】
図8に本実施の形態の分注システムの概略構成図を示す。図9に、分注基板2と極細管17の関係を拡大断面図に示す。この分注システムは、極細管5を分注基板2に対して進退させることにより、極細管5を各貫通孔2aに挿入・引き抜きするようにした点で、前記第1の実施の形態と異なる。
【0044】
即ち、この実施の形態の分注システムでは、極細管17が、第1の実施の形態の極細管5より細く、貫通孔2aに挿入可能な外径を有している。この実施の形態では、極細管17の外径が「0.05mm」に設定される。極細管17と分注基板2とは、互いに近付けられて配置される。
【0045】
この実施の形態の分注システムは、液カートリッジ1を上下動させるための上下フレーム18と、その上下フレーム18を駆動させるための上下アクチュエータ19とを備える。これら上下フレーム18及び上下アクチュエータ19は、極細管17を分注基板2に対して進退させるための本発明の進退手段に相当する。
【0046】
この実施の形態の分注システムは、極細管17を各貫通孔2aに挿入すべく同管17を特定の貫通孔2aに位置決めするために、分注基板2の下方に確認用のカメラ20が配置される。このカメラ20はコントローラ13に接続される。コントローラ13は、カメラ20で撮影される画像を処理し、縦用及び横用のアクチュエータ10,12を制御して分注基板2を移動させることにより、ある貫通孔2aと極細管17とを同一軸線上に整合させて位置決めするようになっている。コントローラ13は、貫通孔2aと極細管17を位置決めした状態で、上下アクチュエータ19を制御することにより、極細管17を貫通孔2aに挿入・引き抜きするようになっている。ここでは、カメラ20の撮影画像を処理することにより、貫通孔2aと極細管17とを位置決めしているが、レーザセンシングにより両者2a,17を位置決めするようにしてもよい。
【0047】
この分注システムでは、上記構成において、上下フレーム18及び上下アクチュエータ19により、極細管17が貫通孔2aに非接触で挿入され、非接触で引き抜かれるようになっている。そして、極細管17が貫通孔2aに挿入されたときに、極細管17から分注液の吐出が開始され、その吐出と同時に極細管17が貫通孔2aから引き抜かれるように、コントローラ13が電磁弁7と上下アクチュエータ19を制御するようになっている。この意味で、コントローラ13は、電磁弁7と上下アクチュエータ19を制御するための本発明の制御手段に相当する。
【0048】
ここで、上記の分注システムを使用して行われる分注方法を、図10〜図13に従って説明する。
【0049】
先ず、コントローラ13が縦用及び横用のアクチュエータ10,12を制御することにより、図10に示すように、極細管17を分注基板2の一つの貫通孔2aに整合させて位置決めする。
【0050】
次に、コントローラ13が上下アクチュエータ19を制御することにより、分注基板2に対して極細管17を前進させ、図11に示すように、極細管17を親水コート14を設
けた貫通孔2aに非接触で挿入する。
【0051】
その後、コントローラ13が電磁弁7を制御することにより、図12に示すように、極細管17から分注液の吐出を開始し、その吐出と同時にコントローラ13が上下アクチュエータ19を制御することにより、極細管17を分注基板2に対して後退させて貫通孔2aから非接触で引き抜く。このとき、貫通孔2aの内面には、親水性コート14が設けられることから、極細管17から吐出される分注液16は、毛細管現象で吸引されて貫通孔2aに受け入れられる。又、極細管17が引き抜かれながら分注液16が吐出されるので、貫通孔2aの中で極細管17が分注液16に浸ることがない。
【0052】
このようにすることにより、図13に示すように、1スポット分の分注液が、一つの貫通孔2aの中に分注され、貫通孔2aが分注液で満たされる。
【0053】
以上説明したこの実施の形態の分注システム及び分注方法によれば、分注基板2の各貫通孔2aの容積が予め超微量に設定され、その貫通孔2aに対して極細管17が挿入・引き抜きされて同管17から分注液16が吐出される。ここで、吐出される分注液16は、毛細管現象により吸引されて貫通孔2aに受け入れられるので、自重で滴下するときの容量より少ない超微量の分注液が各貫通孔2aに容易に分注される。このため、「nl」レベルの超微量な分注液を1スポット分としてスムーズに分注基板2に分注することができる。
【0054】
[第3の実施の形態]
以下、本発明の分注システムを具体化した第3の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0055】
図14に本実施の形態の分注システムの概略構成図を示す。この分注システムは、分注液を極細管5から吐出させる分注液吐出手段の構成の点で、第1の実施の形態の分注システムと構成が異なる。
【0056】
この実施の形態では、第1の実施の形態におけるエア配管6、電磁弁7、圧力調整器8及びエア供給が削除され、それに代わって、液カートリッジ1にピエゾアクチュエータ21が設けられる。液カートリッジ1は、ピエゾアクチュエータ21に対応する部分が可撓部材により構成される。この可撓部材の部分が、ピエゾアクチュエータ21の歪み動作に基づいて変形することにより、キャビティ3に貯留された分注液が極細管5から吐出されるようになっている。ピエゾアクチュエータ21は、縦用及び横用のアクチュエータ10,12と同様、コントローラ13に接続される。コントローラ13は、極細管5からの分注液の吐出タイミングを制御するために、ピエゾアクチュエータ21の動作を制御するようになっている。
【0057】
以上説明した本実施の形態の分注装置でも、内管3の吐出口3aから分注液が自重で滴下する以前に、外管2の吐出口2aから搬送用エアが吐出されるので、内管3の吐出口3aに導かれた分注液が、その外周に作用する搬送用エアにより、表面張力等に打ち勝って吹き落とされる。従って、自重で滴下するときの容量より少ない超微量の分注液が基板4に分注される。このため、「nl」レベルの超微量な分注を行うことができるようになる。
【0058】
しかも、この実施の形態では、液カートリッジ1のキャビティ3に貯留された分注液をピエゾアクチュエータ21の歪み動作により極細管5から吐出させる。従って、エア供給により分注液を吐出する第1の実施の形態における分注システムに比べ、エア配管6、電磁弁7、圧力調整器8及びエア供給が除かれた分だけ、システムの構成が簡略化される。
このため、分注システムをコンパクトなものにすることができる。
【0059】
尚、この発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で以下のように実施することもできる。
【0060】
(1)前記各実施の形態では、図4〜6,10〜13に示すように、分注基板2の表面(上下両面)に撥水性コーティング15を設けたが、この撥水性コーティング15を省略することもできる。
【0061】
(2)前記各実施の形態では、分注基板2を水平に配置して極細管5,17から分注液を吐出させるように構成したが、分注基板を垂直に配置して極細管から分注液を吐出させるようにしてもよい。
【0062】
(3)前記第1及び第2の実施の形態では、液カートリッジ1の極細管5,17からの分注液の吐出を制御するために電磁弁7を使用したが、電磁弁以外の流量制御弁を使用してもよい。
【0063】
【発明の効果】
【0064】
請求項1に記載の発明の構成によれば、貫通孔の容積を予め超微量に設定しておくことにより、自重で滴下するときの容量より少ない超微量の分注液が容易に分注される。このため、「nl」レベルの超微量な分注を行うことができるという効果を発揮する。
【0065】
請求項2に記載の発明の構成によれば、分注基板の表面で分注液が撥水性コートにより弾かれて粒化するので、分注液が貫通孔の周囲へ拡がり難くなる。このため、請求項1に記載の発明の効果に加え、隣り合う貫通孔の間で分注液が接触して混じり合うことを防止することができる。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
請求項3に記載の発明の構成によれば、貫通孔の容積を予め超微量に設定しておくことにより、自重で滴下するときの容量より少ない超微量の分注液が容易に分注される。このため、「nl」レベルの超微量な分注を行うことができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の分注システムを示す概略構成図である。
【図2】 分注基板を示す平面図である。
【図3】 分注基板と極細管の関係を示す拡大断面図である。
【図4】 分注基板と極細管を拡大して示す断面図(分注基板のみ断面図)である。
【図5】 分注基板と極細管を拡大して示す断面図(分注基板のみ断面図)である。
【図6】 分注基板と極細管を拡大して示す断面図(分注基板のみ断面図)である。
【図7】 電磁弁オン時間と分注液スポット量との関係を示すグラフである。
【図8】 第2の実施の形態の分注システムを示す概略構成図である。
【図9】 分注基板と極細管の関係を示す拡大断面図である。
【図10】 分注基板と極細管を拡大して示す断面図(分注基板のみ断面図)である。
【図11】 分注基板と極細管を拡大して示す断面図(分注基板のみ断面図)である。
【図12】 分注基板と極細管を拡大して示す断面図(分注基板のみ断面図)である。
【図13】 分注基板と極細管を拡大して示す断面図(分注基板のみ断面図)である。
【図14】 第3の実施の形態の分注システムを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 液カートリッジ
2 分注基板
2a 貫通孔
5 極細管
6 エア配管
7 電磁弁
8 圧力調整器
9 縦フレーム
10 縦用アクチュエータ
11 横フレーム
12 横用アクチュエータ
13 コントローラ
14 親水性コート
15 撥水性コート
16 分注液
17 極細管
18 上下フレーム
19 上下アクチュエータ
21 ピエゾアクチュエータ
Claims (3)
- 分注液を極細管から吐出させる分注液吐出手段と、前記吐出された分注液を分注する貫通孔を含む分注基板とを備えた分注システムであって、
前記貫通孔の内面に親水性コートが設けられることと、
前記極細管を前記分注基板に対して進退させるための進退手段と、
前記進退手段により前記極細管が前記貫通孔に非接触で挿入され、非接触で引き抜かれることと、
前記極細管が前記貫通孔に挿入されたときに前記極細管から分注液の吐出が開始され、その吐出と同時に前記極細管が前記貫通孔から引き抜かれるように前記分注液吐出手段と前記進退手段を制御するための制御手段と
を備えたことを特徴とする分注システム。 - 前記貫通孔が開口する前記分注基板の表面に撥水性コートを設けたことを特徴とする請求項1に記載の分注システム。
- 予め親水性コートを設けた貫通孔を含む分注基板に対して極細管を前進させ、前記極細管を前記貫通孔に非接触で挿入した後に前記極細管から分注液の吐出を開始し、その吐出と同時に前記極細管を前記分注基板に対して後退させて前記貫通孔から非接触で引き抜くことにより前記貫通孔に分注液を分注することを特徴とする分注方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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