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JP3877621B2 - スピーカ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノート型パーソナルコンピュータ等の小型電子機器に搭載されるスピーカ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型パーソナルコンピュータ等の電子機器においては、益々小型化、薄型化が進んでいるが、この様な小型の電子機器においても、高い音質で音楽を再生することが要求されている。
【0003】
図3(a)(b)(c)は、小型の電子機器に装備されている従来のスピーカ装置の構造を示している。図3(a)に示すスピーカ装置においては、一対のボックス半体(91)(92)を接着剤(5)により接合してスピーカボックス(9)が構成されており、該スピーカボックス(9)の内壁には、放音口(93)へ向けて、スピーカユニット(6)が接着剤(51)によって固定されている。
又、図3(b)に示すスピーカ装置においては、スピーカユニット(6)の端部(61)をネジ(7)によってスピーカボックス(9)に固定している。
更に、図3(c)に示すスピーカ装置においては、スピーカボックス(9)を構成している一方のボックス半体(92)に突片(94)を形成すると共に、該突片(94)とスピーカユニット(6)の間に緩衝材(8)を介在せしめ、一方のボックス半体(91)を他方のボックス半体(91)に対してネジ(7)によって締め付けることにより、スピーカユニット(6)をスピーカボックス(9)に固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3(a)に示すスピーカ装置は、構成は簡単であるが、接着剤(51)によってスピーカユニット(6)を固定しているため、固定強度が不十分であり、信頼性に欠ける問題がある。
図3(b)に示すスピーカ装置によれば、スピーカユニット(6)の固定強度は高いものとなるが、ネジ(7)を締め付ける工程が必要となり、部品点数及び工数が増加して、コストアップに繋がる問題がある。又、ネジ(7)を取り付けるためのスペースが必要となって、スピーカボックス(9)の容積が小さくなり、音質の劣化を招く問題がある。更に、スピーカユニット(6)をネジ(7)によって締め付け固定することによって発生する応力により、スピーカユニット(6)に歪みが発生して、歩留りが低下する問題がある。
又、図3(c)に示すスピーカ装置によれば、緩衝材(8)の設置によってスピーカユニット(6)に作用する外力はある程度緩和されるが、依然としてスピーカユニット(6)に発生する歪みは消失せず、歩留りが低下する問題がある。又、突片(94)の形成及び緩衝材(8)の設置によって、スピーカボックス(9)の容積が更に小さくなり、音質の更なる劣化を招く問題がある。又、ネジ(7)や緩衝材(8)によって部品点数が増大し、工数も増大する問題がある。
【0005】
そこで本発明の目的は、スピーカユニットの固定強度の増大、部品点数及び組立工数の削減、スピーカボックスの容積の増大、並びにスピーカユニットに発生する歪みの抑制を同時に図ることが出来るスピーカ装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係るスピーカ装置は、スピーカボックス(3)と、該スピーカボックス(3)の内壁に取り付けられたスピーカユニット(4)とを具え、スピーカボックス(3)は、一対のボックス半体(1)(2)を接着剤(5)により互いに接合して構成されている。スピーカユニット(4)は、一方のボックス半体の前面壁部に設けられた段差部 (14) に係合されると共に、その外周面から突出する端部が前記一対のボックス半体(1)(2)の間に介在する接着剤(5)の中で両ボックス半体 ( )( ) の接合面に挟圧されることなく配置され、スピーカボックス(3)内に保持されている。
【0007】
例えば、スピーカユニット(4)の外周面には、スピーカボックス(3)の内壁へ向けて複数本のアーム(41)が突設され、これら複数本のアーム(41)の先端部が、前記接着剤(5)の中に侵入して配置されている。
【0008】
上記本発明のスピーカ装置においては、スピーカユニット(4)の端部が、両ボックス半体(1)(2)間に接着剤(5)を介して挟持され、この状態で両ボックス半体(1)(2)の接合面に接着剤(5)によって接着されているので、スピーカユニット(4)はスピーカボックス(3)に十分な強度で固定されることになる。従って、ねじを用いた固定構造は不要である。
又、スピーカユニット(4)の端部は、両ボックス半体(1)(2)間の接着剤(5)の中へ侵入して、両ボックス半体(1)(2)の接合面によって間接的に挟持されているに過ぎないので、該スピーカユニット(4)の端部は、無理な力が作用しない自由な状態のまま、接着剤(5)が固化することによって、スピーカボックス(3)に固定されることになる。従って、スピーカユニット(4)に歪みが発生することはない。
【0009】
具体的構成において、一対のボックス半体(1)(2)が接合された状態で、両ボックス半体(1)(2)の接合面間には、隙間が形成され、該隙間に接着剤が充填されると共に、前記複数本のアーム(41)の先端部が配置されている。
従って、一対のボックス半体(1)(2)を接合方向に挟圧した状態で接着剤(5)による接合を行なう場合においても、複数本のアーム(41)の先端部が両ボックス半体(1)(2)の接合面によって直接に挟圧されることはない。従って、スピーカユニット(4)に無理な力が作用することはない。
【0010】
【発明の効果】
本発明に係るスピーカ装置によれば、ネジによる固定構造を用いることなく、スピーカユニット(4)をスピーカボックス(3)に十分な強度で固定することが可能であるので、部品点数及び組立工数の削減を図ることが出来る。又、スピーカボックス(3)の内部に十分な容積を確保することが可能となるので、音質の向上を図ることが出来る。然も、スピーカユニット(4)に無理な力は作用しないので、スピーカユニット(4)に歪みが発生することはない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明に係るスピーカ装置は、図1に示す如く、トレイ状の一対のボックス半体(1)(2)を接着剤(5)により互いに接合して、扁平なスピーカボックス(3)を構成している。前面側のボックス半体(1)には円形の放音口(13)が開設されており、スピーカボックス(3)の内部には、放音口(13)へ向けて、スピーカユニット(4)が設置されている。
尚、接着剤(5)としては、比較的粘性の高いものが使用されており、両ボックス半体(1)(2)の接合面間には、一定値以上の厚さを有する接着剤層が形成されている。
【0012】
図2に示す如く、前面側のボックス半体(1)は、矩形平板状の前面壁部(11)と枠状の側面壁部(12)とから構成され、前面壁部(11)に前記放音口(13)が開設されると共に、該放音口(13)を包囲して断差部(14)が形成されており、該段差部(14)にスピーカユニット(4)が係合している。又、該ボックス半体(1)の側面壁部(12)には、その内面に段差部(15)が形成されており、該段差部(15)の各辺の中央部には、それぞれ角溝状の凹部(16)が形成されている。
一方、背面側のボックス半体(2)には、前面側のボックス半体(1)との係合部に、ボックス半体(1)の段差部(15)と係合すべき薄肉部(21)が形成されている。
【0013】
スピーカユニット(4)は、円板状の扁平な形状を有し、その外周面には、4本のアーム(41)が突設されており、各アーム(41)の先端部が前記ボックス半体(1)の凹部(16)に遊びをもって係合している。
【0014】
図1に示す如く、一対のボックス半体(1)(2)の接合面間に接着剤(5)を介在させて、両ボックス半体(1)(2)が接合されている状態で、接着剤(5)は、前記凹部(16)にも充填されており、スピーカユニット(4)の各アーム(41)の先端部は、凹部(16)内の接着剤(5)の中に侵入して配置され、該接着剤(5)によって両ボックス半体(1)(2)の両接合面と接着固定されている。
但し、スピーカユニット(4)の各アーム(41)の先端部は、両ボックス半体(1)(2)の両接合面によって直接には挟圧されておらず、単に固化した接着剤(5)によって保持されているに過ぎない。
【0015】
上述の如く、本発明に係るスピーカ装置によれば、ネジによる固定構造を用いることなく、スピーカユニット(4)のアーム(41)が、両ボックス半体(1)(2)の接合面間に挟持された状態で、両接合面間に充填された接着剤(5)によって、両接合面に十分な強度で接着固定されているので、図3(a)に示す従来のスピーカ装置よりも、スピーカユニット(4)の固定強度が高く、然も図3(b)(c)に示す従来のスピーカ装置に比べて、部品点数及び組立工数の削減を図ることが出来る。
又、スピーカボックス(3)の内部には、スピーカユニット(4)が収容されているに過ぎず、従来の如きネジや緩衝材は存在しないので、スピーカボックス(3)内に十分な容積が確保されて、音質が向上することになる。
【0016】
然も、本発明のスピーカ装置の組立工程において、一対のボックス半体(1)(2)の接合面に接着剤を塗布した後、スピーカユニット(4)の各凹部(16)に各アーム(41)の先端部を係合させた状態で、両ボックス半体(1)(2)を接合せしめ、接着剤を固化させることによって両ボックス半体(1)(2)を互いに固定する過程で、スピーカユニット(4)のアーム(41)の先端部は、単に接着剤中に侵入して配置されているに過ぎず、無理な外力を受けることはないので、スピーカユニット(4)に歪みが発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピーカ装置の拡大断面図である。
【図2】該スピーカ装置の分解斜視図である。
【図3】従来の各種スピーカ装置の断面図である。
【符号の説明】
(1) ボックス半体
(13) 放音口
(15) 段差部
(16) 凹部
(2) ボックス半体
(21) 薄肉部
(3) スピーカボックス
(4) スピーカユニット
(41) アーム
(5) 接着剤

Claims (3)

  1. スピーカボックス(3)と、該スピーカボックス(3)の内壁に取り付けられたスピーカユニット(4)とを具え、スピーカボックス(3)は、一対のボックス半体(1)(2)を接着剤(5)により互いに接合して構成されているスピーカ装置において、スピーカユニット(4)は、一方のボックス半体の前面壁部に設けられた段差部 (14) に係合されると共に、その外周面から突出する端部が前記一対のボックス半体(1)(2)の間に介在する接着剤(5)の中で両ボックス半体 ( )( ) の接合面に挟圧されることなく配置され、スピーカボックス(3)内に保持されていることを特徴とするスピーカ装置。
  2. スピーカユニット(4)の外周面には、スピーカボックス(3)の内壁へ向けて複数本のアーム(41)が突設され、これら複数本のアーム(41)の先端部が、前記接着剤(5)の中に配置されている請求項1に記載のスピーカ装置。
  3. 一対のボックス半体(1)(2)が接合された状態で、両ボックス半体(1)(2)の接合面間には、隙間が形成され、該隙間に接着剤が充填されると共に、前記複数本のアーム(41)の先端部が配置されている請求項2に記載のスピーカ装置。
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