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JP3875472B2 - ドアロック装置におけるチャイルドロック機構 - Google Patents

ドアロック装置におけるチャイルドロック機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車におけるドアの車内側に設けられたインサイドハンドルの操作を有効にしたり、または無効にしたりするドアロック装置におけるチャイルドロック機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のドアロック装置におけるチャイルドロック機構には、ドアに固着されるロック本体に枢着され、ドアの車内側に設けられたインサイドハンドルの操作により回動させられるようにしたインサイドレバーに、操作部がドアパネルに穿設されたパネル孔を通って外部に突出するようにしたチャイルドレバーを、チャイルドアンロック位置とチャイルドロック位置とに移動可能として装着し、前記チャイルドレバーをチャイルドアンロック位置とすることにより、インサイドハンドルの回動によるロック解除を可能とし、かつ前記チャイルドレバーをチャイルドロック位置とすることにより、インサイドハンドルの回動によるロック解除を不能とするようにしたものがある(例えば、特許第2895722号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来のドアロック装置におけるチャイルドロック機構は、チャイルドレバーがアンロック位置にあるとき、インサイドレバーが回動すると、それに伴ってチャイルドレバーが回動して、操作部が大きく動いてしまうため、パネル孔を操作部の移動を許容しうる大きなものとしなければならない。
【0004】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、チャイルドレバーの操作部の移動量を少なくして、パネル孔を小さくできるようにしたドアロック装置におけるチャイルドロック機構を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) ドアに固着されるロック本体に枢着され、ドアの車内側に設けられたインサイドハンドルの操作により回動させられるようにしたインサイドレバーに、操作部がドアパネルに穿設されたパネル孔を通って外部に突出するようにしたチャイルドレバーを、チャイルドアンロック位置とチャイルドロック位置とに移動可能として装着し、前記チャイルドレバーを前記チャイルドアンロック位置とすることにより、前記インサイドハンドルの回動によるロック解除を可能とし、かつ前記チャイルドレバーを前記チャイルドロック位置とすることにより、前記インサイドハンドルの回動によるロック解除を不能とするようにしたドアロック装置におけるチャイルドロック機構において、前記インサイドレバーを枢支するための回転軸に、前記チャイルドレバーに設けた長孔を、摺動かつ回動可能に嵌合して、前記チャイルドレバーを前記チャイルドロック位置と前記チャイルドアンロック位置との間を直線的に変位しうるようにするとともに、前記チャイルドレバーが、前記チャイルドアンロック位置と前記チャイルドロック位置とのいずれか一方の位置にあるとき、前記操作部と前記回転軸の軸線とを一致させる
【0006】
(2) 上記(1)項において、チャイルドレバーを、チャイルドロック位置とチャイルドアンロック位置との間を直線的に変位しうるように、インサイドレバーのアームに摺動可能に係合する
【0007】
(3) 上記(2)項において、チャイルドレバーの長孔が設けられた基部を、インサイドレバーとロック本体のベースプレートとの間に摺動可能に挟持し、操作部を、パネル孔側に向けてクランク状に突出したアームの端部に設ける。
【0008】
(4) 上記(2)または(3)項において、長孔の側縁に、インサイドレバーの回転軸に弾性係合して、チャイルドレバーを各位置に弾圧保持するチェック部を設ける。
【0009】
(5) 上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、操作部を円柱状とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。なお、以下の説明では、図1における左方を自動車の「車内側」、右方を「車外側」、図2における左方を「前方」、右方を「後方」とする。
【0011】
(1)は、自動車におけるドア内のサイドパネルに複数のボルト(図示略)をもって固定されたロック本体で、その内部には、噛合機構として、ドアの開閉に伴って車体側に固着されたストライカ(図示略)と係脱可能なラッチ(図示略)と、ラッチに係合することにより、ラッチの回動を阻止して、ドアを閉止位置に拘束する係合部材(図示略)とが、それぞれ回動可能に収容されている。
【0012】
ロック本体(1)の前面には、金属製のベースプレート(2)の基片(2a)が固着されており、基片(2a)には、主に図1に示すように、係合部材と一体的に回動可能なオープンレバー(3)と、後述の2位置に移動可能な施解錠レバー(4)及びサブレバー(5)と、ドアの車外側の側面に設けられたアウトサイドハンドル(図示略)に連結されたアウトサイドレバー(6)とが設けられている。
【0013】
本実施形態においては、オープンレバー(3)と、サブレバー(5)と、アウトサイドレバー(6)とによって、ドアと車体との噛合状態を解除するオープン機構を形成してある。このオープン機構は、ドアロック装置の構成により適宜変更可能である。
【0014】
基片(2a)の車内側の側端より直角に折曲形成された側片(2b)には、ドアの車内側に設けられたインサイドハンドル(図示略)に連結され、インサイドハンドルの操作を有効にするチャイルドアンロック位置と、同じく無効にするチャイルドロック位置とに変位可能なチャイルドロック機構(7)が設けられている。
【0015】
施解錠レバー(4)は、ベースプレート(2)の基片(2a)に前後方向の軸(4a)をもって枢着され、かつドアの車外側に設けられた施解錠操作用のキーシリンダ及びドアの車内側に設けられたロックノブに適宜のレバーを介して連結されて、図1に示す施錠位置と、施錠位置から反時計方向に所定量回動した解錠位置との2位置に回動しうるとともに、各位置に弾圧保持されるようになっている。
【0016】
サブレバー(5)は、上部に設けられた上下方向の長孔(5a)が、施解錠レバー(4)に設けられた突起(4b)に係合して、上下方向に摺動可能に支持されるとともに、下部が前後方向の軸(5b)をもって、アウトサイドレバー(6)に枢着されている。
【0017】
サブレバー(5)は、施解錠レバー(4)の各位置への移動に連動して、その中央部に設けられた解除部(5c)が、図1に示すようにオープンレバー(3)の係合部(3a)に係合不能な施錠位置と、施錠位置から時計方向に回動して係合部(3a)に係合可能な解錠位置とに移動することができるようになっている。
【0018】
アウトサイドレバー(6)は、ベースプレート(2)の基部(2a)の下部に前後方向の軸(6a)をもって枢着されるとともに、右端に設けられた連結部(6b)が、ワイヤー(図示略)を介してドアの車外側の側面に設けられたアウトサイドハンドル(図示略)に連結されている。アウトサイドハンドルが操作されると、アウトサイドレバー(6)が、オープン方向(図1における反時計方向)に回動して、サブレバー(5)を下方に移動させるようになっている。
【0019】
サブレバー(5)が解錠位置にあるときには、アウトサイドレバー(6)のオープン方向への回動により、サブレバー(5)が下方に移動させられると、解除部(5c)がオープンレバー(3)の係合部(3a)に係合して、オープンレバー(3)を介して係合部材をオープン方向に回動させて、ドアを開けることができる。また、サブレバー(5)が施錠位置にあるときには、アウトサイドハンドルが操作されて、サブレバー(5)が下方に移動しても、解除部(5c)が係合部(3a)に空振りして、ドアを開けることはできない。
【0020】
チャイルドロック機構(7)は、ベースプレート(2)の側片(2b)に左右方向の軸(8)をもって枢着され、インサイドハンドルにワイヤー(図示略)を介して連結されたインサイドレバー(9)と、インサイドレバー(9)に装着され、図2に示すチャイルドロック位置と、図7に示すチャイルドアンロック位置とに移動可能なチャイルドレバー(10)とを備えている。
【0021】
インサイドレバー(9)は、主に図10に示すように、ほぼL字型をなして、下方に延出して、ワイヤーが連結される連結部(9a)と、右方に延出するアーム(9b)とを有し、インサイドハンドルの操作によりオープン方向(図2において時計方向)に回動する。
【0022】
チャイルドレバー(10)の板状の基部(11)は、主に図2及び図4に示すように、インサイドレバー(9)とベースプレート(2)における側片(2b)の一側面との間に摺動可能に介在され、基部(11)には、軸(8)が摺動かつ回動可能に係合するほぼ左右方向の長孔(12)が、また同じく右端部には、インサイドレバー(9)のアーム(9b)が摺動可能に係合する支持孔(13a)を有する支持部(13)が、それぞれ設けられている。
【0023】
チャイルドレバー(10)は、長孔(12)と軸(8)、及び支持孔(13a)とアーム(9b)との係合によって、チャイルドロック位置とチャイルドアンロック位置との間を直線移動可能であるとともに、インサイドレバー(9)とともに回動することができるようになっている。
【0024】
チャイルドレバー(10)の基部(11)にはさらに、右方に延出する解除部(14)と、ドアパネル(A)に設けられたパネル孔(B)を通って、ドアを開けたときのみ操作可能なドアの端面に突出する操作部(15)とが設けられている。
【0025】
解除部(14)は、インサイドレバー(9)のアーム(9b)の方向に進退するように移動して、チャイルドレバー(10)が、図7に示すチャイルドアンロック位置にあるとき、インサイドレバー(9)とともにオープン方向に回動することにより、図8に示すように、アウトサイドレバー(6)の車内側端部に設けられた係合部(6c)に係合し、また、同じく図1に示すチャイルドロック位置にあるとき、インサイドレバー(9)とともにオープン方向に回動しても、図6に示すように、アウトサイドレバー(6)の係合部(6c)と非係合となる。
【0026】
基部(11)にはさらに、クランク状のアーム(16)が、ベースプレート(2)における側片(2b)に設けられた孔(2c)を貫通して、ベースプレート(2)の他側面側に突出するように設けられている。アーム(16)の先端には、操作部(15)が形成されている。
【0027】
操作部(15)は、円柱状をなして、ドアパネル(A)のパネル孔(B)に嵌入して、ドアの外側に突出するとともに、チャイルドレバー(10)がチャイルドロック位置のとき、その中心軸線がインサイドレバー(9)の回転軸である軸(8)の軸線と一致し、またチャイルドアンロック位置のとき、チャイルドレバー(10)の各位置間の操作ストローク分だけ、図7に示すように軸(8)の右方に変位する。
【0028】
長孔(12)の下側縁には、長孔(12)に係合した軸(8)に弾性係合して、チャイルドレバー(10)を各位置に弾圧保持する弾性変形可能なチェック部(12a)が設けられている。
【0029】
図2に示すように、チャイルドレバー(10)がチャイルドロック位置にあるときは、インサイドハンドルの操作により、インサイドレバー(9)及びチャイルドレバー(10)がオープン方向に回動しても、解除部(14)は、図6に示すように、アウトサイドレバー(6)の係合部(6c)と非係合であるので、アウトサイドレバー(6)をオープン方向に回動させることはできない。したがって、インサイドハンドルの操作は無効となり、ドアを開けることができない。
【0030】
このとき、操作部(15)は、インサイドレバー(9)の軸(8)の軸線と一致して、チャイルドレバー(10)のオープン方向への回動に伴って軸(8)と同軸上で回転するため、位置が変ることがない。
【0031】
チャイルドレバー(10)の操作部(15)を操作して、チャイルドレバー(10)を、図7に示すように、チャイルドアンロック位置に変位させると、操作部(15)が軸(8)の右方に変位して、解除部(14)がアウトサイドレバー(6)の係合部(6c)に係合しうるように突出する。
【0032】
この状態において、インサイドハンドルの操作により、インサイドレバー(9)及びチャイルドレバー(10)がオープン方向に回動すると、図8に示すように、チャイルドレバー(10)の解除部(14)は、アウトサイドレバー(6)の係合部(6c)に係合して、アウトサイドレバー(6)をオープン方向に回動させる。このとき、サブレバー(5)が解錠位置にあるならば、サブレバー(5)を介してオープンレバー(3)をオープン方向に回動させてドアを開けることができる。
【0033】
操作部(15)は、チャイルドレバー(10)の回動に伴って、軸(8)を中心として時計方向に移動する。そのときの操作部(15)の移動は、軸(8)を回転中心として円弧運動する。
【0034】
ドアパネル(A)のパネル孔(B)は、操作部(15)の移動に合わせて形成される。すなわち、パネル孔(B)は、図11に示すように、チャイルドレバー(10)の各位置間の操作ストロークに対応する直線部(B1)と、オープン方向の操作ストロークに対応する、直線部(B1)の右端から連続する短い円弧部(B2)とにより形成される。
【0035】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものでない。例えば、上記実施形態においては、チャイルドレバー(10)がチャイルドロック位置にあるとき、操作部(15)をインサイドレバー(9)の回転中心と一致するようにしたが、それに代えて、チャイルドレバー(10)がチャイルドアンロック位置にあるとき、操作部(15)をインサイドレバー(9)の回転中心と一致するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(a)請求項1記載の発明によると、インサイドレバーを枢支するための回転軸に、チャイルドレバーに設けた長孔を、摺動かつ回動可能に嵌合して、チャイルドレバーをチャイルドロック位置とチャイルドアンロック位置との間を直線的に変位しうるようにするとともに、チャイルドレバーが、チャイルドアンロック位置とチャイルドロック位置とのいずれか一方の位置にあるとき、操作部と回転軸の軸線とを一致させたことにより、前記いずれか一方の位置にあるときは、チャイルドレバーがオープン方向に回動しても、操作部は、回転するだけで位置が変化することがない。
【0037】
また、前記のいずれか他方の位置においては、チャイルドレバーのオープン方向への回動により、操作部が、回転中心に極めて近い位置で円弧移動するため、操作部の移動量を極めて小さくすることができる。したがって、操作部が嵌入するドアのパネル孔を小さくすることができ、見栄えの向上を図ることができる。
【0038】
(b)請求項2記載の発明によると、簡単な構成で、チャイルドレバーを各位置に正確に案内することができる。
【0039】
(c)請求項3記載の発明によると、チャイルドレバーを確実に安定して支持することができ、かつ簡単な構成で、操作部とインサイドレバーの回転軸とを一致させることができる。
【0040】
(d)請求項4記載の発明によると、構成部品を増やすことなく、かつ小さなスペースで、チャイルドレバーを各位置に保持することができる。
【0041】
(e)請求項5記載の発明によると、操作部がインサイドレバーの回転軸線上で回転する際、操作部の外周面とパネル孔の内縁との干渉を防止して、チャイルドレバーは円滑に作動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を備えるドアロック装置の正面図である。
【図2】同じく、図1におけるII矢視図である。
【図3】同じく、図1におけるIII矢視図である。
【図4】同じく、図2におけるIV-IV線に沿う横断平面図である。
【図5】同じく、図2におけるV−V線に沿う縦断側面図である。
【図6】同じく、チャイルドロック機構におけるチャイルドロック状態の作用図である。
【図7】同じく、チャイルドロック機構におけるチャイルドアンロック状態図である。
【図8】同じく、チャイルドロック機構におけるチャイルドアンロック状態の作用図である。
【図9】同じく、チャイルドレバーの正面図である。
【図10】同じく、インサイドレバーの正面図である。
【図11】同じく、図1におけるXI−XI線に沿う縦断側面図である。
【符号の説明】
(1)ロック本体
(2)ベースプレート
(2a)基片
(2b)側片
(2c)孔
(3)オープンレバー
(3a)係合部
(4)施解錠レバー
(4a)軸
(4b)突起
(5)サブレバー
(5a)長孔
(5b)軸
(5c)解除部
(6)アウトサイドレバー
(6a)軸
(6b)連結部
(6c)係合部
(7)チャイルドロック機構
(8)軸
(9)インサイドレバー
(9a)連結部
(9b)アーム
(10)チャイルドレバー
(11)基部
(12)長孔
(12a)チェック部
(13)支持部
(13a)支持孔
(14)解除部
(15)操作部
(16)アーム
(A)ドアパネル(インナーパネル)
(B)パネル孔

Claims (5)

  1. ドアに固着されるロック本体に枢着され、ドアの車内側に設けられたインサイドハンドルの操作により回動させられるようにしたインサイドレバーに、操作部がドアパネルに穿設されたパネル孔を通って外部に突出するようにしたチャイルドレバーを、チャイルドアンロック位置とチャイルドロック位置とに移動可能として装着し、前記チャイルドレバーを前記チャイルドアンロック位置とすることにより、前記インサイドハンドルの回動によるロック解除を可能とし、かつ前記チャイルドレバーを前記チャイルドロック位置とすることにより、前記インサイドハンドルの回動によるロック解除を不能とするようにしたドアロック装置におけるチャイルドロック機構において、
    前記インサイドレバーを枢支するための回転軸に、前記チャイルドレバーに設けた長孔を、摺動かつ回動可能に嵌合して、前記チャイルドレバーを前記チャイルドロック位置と前記チャイルドアンロック位置との間を直線的に変位しうるようにするとともに、前記チャイルドレバーが、前記チャイルドアンロック位置と前記チャイルドロック位置とのいずれか一方の位置にあるとき、前記操作部と前記回転軸の軸線とを一致させたことを特徴とするドアロック装置におけるチャイルドロック機構。
  2. チャイルドレバーを、チャイルドロック位置とチャイルドアンロック位置との間を直線的に変位しうるように、インサイドレバーのアームに摺動可能に係合した請求項1記載のドアロック装置におけるチャイルドロック機構。
  3. チャイルドレバーの長孔が設けられた基部を、インサイドレバーとロック本体のベースプレートとの間に摺動可能に挟持し、操作部を、パネル孔側に向けてクランク状に突出したアームの端部に設けた請求項2記載のドアロック装置におけるチャイルドロック機構。
  4. 長孔の側縁に、インサイドレバーの回転軸に弾性係合して、チャイルドレバーを各位置に弾圧保持するチェック部を設けた請求項2または3記載のドアロック装置におけるチャイルドロック機構。
  5. 操作部を円柱状とした請求項1〜4のいずれかに記載のドアロック装置のチャイルドロック機構。
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