JP3873675B2 - インクカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置のインクジェットヘッドに供給するためのインクを収容するインクカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、インクジェットヘッドのノズルからインク滴を噴射して、用紙などに所定の画像を記録するものであって、インクジェットヘッドにインクを供給するためのインクカートリッジが、インクジェットヘッドに着脱自在に装着されている。
【0003】
このようなインクカートリッジは、たとえば、特開2000−71472に記載され、かつ、図6に示すように、上部および下部が開放される平板矩形状のケース部材1と、そのケース部材1の上部を覆う上蓋部材2と、下部を覆う下蓋部材3とを備えており、ケース部材1内には、インクを吸収した多孔質材4を収容する多孔質材室5と、インクを収容するインク室6と、多孔質材室5と大気とを連通させる大気連通室7とが区画形成されている。
【0004】
すなわち、このケース部材1は、ケース部材1の側壁8および9とその内側に所定の間隔を隔てて平行状に延び、その上端部が上蓋部材2に当接される側部仕切り壁10および11と、ケース部材1の下蓋部材3と内側に所定の間隔を隔てて平行状に延び、側部仕切り壁10および11の下端部の間を閉鎖する底部仕切り壁13とが設けられる2重壁構造として形成されている。また、底部仕切り壁13と下蓋部材3との間には、長手方向略中央付近において、それらの間を閉鎖する分割仕切り壁14が設けられている。
【0005】
そして、多孔質材室5は、側部仕切り壁10および11と上蓋部材2と底部仕切り壁13とによって区画される内側の空間として形成されており、その多孔質材室5内に、ウレタンフォームなどからなる多孔質材4が、インクを吸収した状態で収容されている。
【0006】
インク室6は、上蓋部材2と一方の側壁8と一方の側部仕切り壁10とによって区画される鉛直方向の空間と、その空間に連続し、下蓋部材3と底部仕切り壁13と分割仕切り壁14とによって区画される水平方向一方側の空間とによって、断面略L字状の空間として形成されている。
【0007】
大気連通室7は、上蓋部材2と他方の側壁9と他方の側部仕切り壁11とによって区画される鉛直方向の空間と、その空間に連続し、下蓋部材3と底部仕切り壁13と分割仕切り壁14とによって区画される水平方向他方側の空間とによって、断面略逆L字状の空間として形成されている。
【0008】
そして、底部仕切り壁13における分割仕切り壁14の近くには、多孔質材室5とインク室6とを連通させるための断面円形状の連通孔15が貫通形成されるとともに、ケース部材1の下蓋部材3には、インク室6からインクジェットヘッド16にインクを供給するためのインク供給口17が開口形成されている。
【0009】
また、大気連通室7における下蓋部材3には、大気に開放される大気開放孔18が開口形成されるとともに、上蓋部材2には、多孔質材室5と大気連通室7とを連通させるための断面略逆U字状の空気連通路19が形成されている。
【0010】
そして、インクジェットヘッド16の駆動時においては、多孔質材4に吸収されているインクは、連通孔15を介して、一旦、インク室6に溜められた後、そのインク室6からインク供給口17を介してインクジェットヘッド16に供給される。この時、多孔質材4に吸収されているインクは、インクジェットヘッド16に供給されるに従って減少するが、大気開放孔18を介して大気連通室7内に流入する空気が、空気連通路19を介して、多孔質材室5の上方から多孔質材4に流入するので、インクは、その上方から流入する空気の圧力により、液面が次第に下がるように減少し、連続的なインクの供給が確保されている。
【0011】
そして、多孔質材4に吸収されているインクがなくなると、次いで、インク室6内に溜まっているインクがインクジェットヘッド16に供給されるようになるが、この時には、インクの供給に従って、多孔質材室5から連通孔15を介してインク室6内に空気が入り込み、供給されるインクと置換するように、その連通孔15から気泡としてインク室6の上方に移動して、そのインク室6の上部に溜まるようになる。そのため、インク室6においても、インクは、その液面が次第に下がるように減少し、連続的なインクの供給が確保されている。
【0012】
一方、インクジェットヘッド16が駆動されていない時には、多孔質材4内のインクがほとんどなくなっても、インク室6内のインクが連通孔15を介して多孔質材4に接している限り、多孔質材4がインク室6内のインクを毛細管力により吸引しているので、これによって、インクジェットヘッド16からのインク漏れが有効に防止されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、連通孔15が水平断面において円形状であると、上記したように、多孔質材室5からインク室6に流入しようとする空気が、気泡となってその連通孔15内において滞留してしまい、球形の気泡が大きくなると円形状の連通孔15の内面に沿う状態となって、連通孔15を塞いでしまう場合を生じる。
【0014】
そうすると、多孔質材4とインク室6内のインクとが非接触となり、多孔質材4からの吸引力がインク室6内のインクに作用せず、その結果、たとえば、キャリジの移動や環境温度の変化による各部材の収縮などに起因して、インクジェットヘッド16からインクが漏れてしまうという不具合を生じる。
【0015】
本発明は、上記した不具合を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、多孔質材室とインク室とを連通する連通孔の気泡による閉塞を防止して、インクジェットヘッドからのインク漏れなどを有効に防止することのできる、インクカートリッジを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、インクジェットヘッドに供給されるインクを収容するインクカートリッジにおいて、インクを吸収した多孔質材を収容する多孔質材室と、前記多孔質材室の少なくとも下方に配置され、前記多孔質材室から供給されるインクを収容するインク室とを備え、前記多孔質材室と前記インク室とは、長方形状の底部仕切り壁によって区画され、前記底部仕切り壁の長手方向における中央部には、前記多孔質材室と前記インク室とを連通する連通孔が形成されており、前記連通孔の開口断面形状が、気泡によって閉塞されない長方形状であり、その長辺が前記底部仕切り壁の長手方向に沿うとともに、前記底部仕切り壁における長手方向と直交する方向の両端からそれぞれ内側に所定の間隔を隔てており、前記連通孔の前記長辺の長さとこの長辺に直交する短辺の長さとの比が、前記底部仕切り壁の長手方向の長さとこの長手方向に直交する幅方向の長さとの比と等しいことを特徴としている。
【0017】
このような構成によると、連通孔が、気泡によって閉塞されることがないので、多孔質材とインク室のインクとを、連通孔において常に接触させることができる。そのため、インク室内のインクを多孔質材によって常に吸引することができ、インクジェットヘッドからのインク漏れなどを有効に防止することができる。
【0018】
また、連通孔の開口断面形状が長方形状であれば、気泡によって閉塞されない形状を簡易に形成することができる。そのため、気泡によって閉塞されない連通孔を有するインクカートリッジを生産効率よく製造することができる。
【0019】
さらに、連通孔は、仕切り壁の長手方向に長く開口形成されるので、その仕切り壁の長手方向両端部に対向する、多孔質材の角部に滞留しやすいインクを、より連通孔に導き易くすることができ、良好なインクの供給を確保することができる。
【0020】
そのうえ、連通孔は、仕切り壁における長手方向と直交する方向における両端から直ぐに開口形成されているのではなく、その両端には、所定の幅で仕切り壁があるので、多孔質材の抵抗の少ない多孔質材室の稜線部分を伝って流れてくる気泡が、連通孔に流れ込むことを有効に防止することができる。そのため、連通孔の気泡による閉塞を、より一層防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態としてのインクカートリッジ22が装着されるカラーインクジェットプリンタを示す斜視図である。図1において、このカラーインクジェットプリンタ21は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のカラーインクがそれぞれ充填される、後に詳述するインクカートリッジ22と、用紙23に印字するための後に詳述するインクジェットヘッド24を備えるヘッドユニット25と、これらインクカートリッジ22およびヘッドユニット25が搭載されるキャリッジ26と、このキャリッジ26を直線方向に往復移動させる駆動ユニット27と、キャリッジ26の往復移動方向に延び、インクジェットヘッド24と対向配置されるプラテンローラ28と、パージ装置29とを備えている。
【0022】
駆動ユニット27は、キャリッジ26の下端部に配置されプラテンローラ28と平行に延びるキャリッジ軸30と、キャリッジ26の上端部に配置されキャリッジ軸30と平行に延びるガイド板31と、そのキャリッジ軸30とガイド板31との間であって、キャリッジ軸30の両端部に配置される2つのプーリ32および33と、これらプーリ32および33の間に掛け渡されるエンドレスベルト34とを備えている。
【0023】
キャリッジ26の下端部には、キャリッジ軸30を挿通可能なキャリッジ軸支持部35が設けられるとともに、キャリッジ26の上端部には、ガイド板31に当接可能なガイド板当接部36が設けられている。また、キャリッジ26の後側面には、エンドレスベルト34が接合されている。
【0024】
そして、一方のプーリ32が、モータ32Aの駆動により正逆回転されると、そのプーリ32の正逆回転に伴って、エンドレスベルト34に接合されているキャリッジ26が、キャリッジ軸30およびガイド板31に沿って、直線方向に往復移動される。
【0025】
用紙23は、インクジェットプリンタ21の側方に設けられた図示しない給紙カセットから給紙され、インクジェットヘッド24と、プラテンローラ28との間に導入されて、インクジェットヘッド24から噴射されるインクにより所定の印字がなされ、その後、排紙される。なお、図1においては、これらの用紙23の給紙機構および排紙機構の図示を省略している。
【0026】
また、パージ装置29は、プラテンローラ28の側方に設けられ、ヘッドユニット25がリセット位置にある時に、インクジェットヘッド24と対向するように配置されている。このパージ装置29は、インクジェットヘッド24のインクの初期導入時におけるインクの滞留や気泡の成長などに起因する噴射不良などを防止するために用いられる。すなわち、このパージ装置29は、インクジェットヘッド24を覆い得る吸引キャップ37と、ポンプ38およびカム39と、インク貯留部40とを備えており、ヘッドユニット25がリセット位置にある時に、インクジェットヘッド24を吸引キャップ37で覆い、インクジェットヘッド24の内部に溜まる気泡などを含んだ不良インクを、カム39の駆動によりポンプ38によって吸引することにより、インクジェットヘッド24の回復を図るようにしている。なお、吸引された不良インクは、インク貯留部40に貯められる。また、ヘッドユニット25のリセット位置には、このパージ装置29とともに、パージ後のインクジェットヘッド24の噴射面を払拭するワイパ部材41や、印字停止時にインクジェットヘッド24を覆う保護キャップ42が設けられている。
【0027】
次に、図2を参照して、インクカートリッジ22およびヘッドユニット25について詳述する。図2は、インクカートリッジ22がヘッドユニット25に装着されている状態を示す断面図である。
【0028】
インクカートリッジ22は、上部および下部が開放される平板矩形状のケース部材51と、そのケース部材51の上部を覆う上蓋部材52と、下部を覆う下蓋部材53とを備えており、ケース部材51内には、インクを吸収した多孔質材54を収容する多孔質材室55と、インクを収容するインク室56と、多孔質材室55と大気とを連通させる大気連通室57とが区画形成されている。
【0029】
ケース部材51は、ケース部材51の側壁58および59とその内側に所定の間隔を隔てて平行状に延び、その上端部が上蓋部材52に当接される側部仕切り壁60および61と、ケース部材51の下蓋部材53と内側に所定の間隔を隔てて平行状に延び、側部仕切り壁60および61の下端部の間を閉鎖する底部仕切り壁63とが設けられる2重壁構造として形成されている。また、底部仕切り壁63と下蓋部材53との間には、長手方向略中央付近において、それらの間を閉鎖する分割仕切り壁64が設けられている。
【0030】
そして、多孔質材室55は、側部仕切り壁60および61と上蓋部材52と底部仕切り壁63とによって区画される内側の空間として形成されており、その多孔質材室55内に、ウレタンフォームなどからなる多孔質材54が、インクを吸収した状態で収容されている。
【0031】
インク室56は、上蓋部材52と一方の側壁58と一方の側部仕切り壁60とによって区画される鉛直方向の空間と、その空間に連続し、下蓋部材53と底部仕切り壁63と分割仕切り壁64とによって区画される水平方向一方側の空間とによって、断面略L字状の空間として形成されている。
【0032】
大気連通室57は、上蓋部材52と他方の側壁59と他方の側部仕切り壁61とによって区画される鉛直方向の空間と、その空間に連続し、下蓋部材53と底部仕切り壁63と分割仕切り壁64とによって区画される水平方向他方側の空間とによって、断面略逆L字状の空間として形成されている。
【0033】
そして、底部仕切り壁63における分割仕切り壁64の近くには、多孔質材室55とインク室56とを連通させるための、後述する断面矩形状の連通孔65が貫通形成されるとともに、下蓋部材53には、インク室56からインクジェットヘッド24にインクを供給するためのインク供給口67が開口形成されている。
【0034】
また、大気連通室57における下蓋部材53には、大気に開放される大気開放孔68が開口形成されるとともに、上蓋部材52には、多孔質材室55と大気連通室57とを連通させるための断面略逆U字状の空気連通路69が形成されている。
【0035】
ヘッドユニット25は、インクカートリッジ22が装着されるヘッドホルダ71に取付けられ、ヘッドカバー81により噴射面を除く周囲を覆われたインクジェットヘッド24を備えており、ヘッドホルダ71によりキャリッジ26に装着されている。
【0036】
インクジェットヘッド24は、インクをノズルから液滴として噴射させるための複数の噴射チャンネル76を備えるアクチュエータ73と、このアクチュエータ73に接合され、アクチュエータ73の各噴射チャンネル76にインクを供給するためのマニホールド74とを備えている。
【0037】
マニホールド74は、樹脂からなり、インクカートリッジ22からインクを導入するインク導入部75と、アクチュエータ73の各噴射チャンネル76にインクを分配供給するインク供給部78とが一体形成されている。
【0038】
ヘッドホルダ71には、インク供給口67の対向位置にホルダ孔72が形成されおり、そのホルダ孔72の内周面には、リング状の弾性材料からなるシール部材79が接着固定されている。
【0039】
そして、マニホールド74のインク導入部75が、このシール部材79内に挿入されることにより、そのシール部材79を介して、マニホールド74のインク導入部75がインク室56のインク供給口67に接続されている。
【0040】
なお、ヘッドホルダ71とインク導入部75との間には、金属材料からなるベースプレート80が介在されている。このベースプレート80は、インクジェットヘッド24の基準位置を位置決めするものであって、インク供給部78が、このベースプレート80に接着固定されることによって、インクジェットヘッド24が、このベースプレート80に支持されている。なお、このベースプレート80は、図示しないがヘッドホルダ71に接着固定されている。
【0041】
そして、インクカートリッジ22のインク室56内のインクは、そのインク供給口67から、マニホールド74のインク導入部75を介してインク供給部78に供給され、さらに、そのインク供給部78から、アクチュエータ73の各噴射チャンネル76内に分配供給される。アクチュエータ73は、圧電セラミック材料などからなり、アクチュエータ73の各噴射チャンネル76内に供給されたインクは、アクチュエータ73の変形により、その容積減少時に、ノズルから液滴として噴射され、一方、容積増大時には、インク供給部78から再び噴射チャンネル76内にインクが導入される。このような動作が繰り返されることにより、用紙などに所定の印字が形成される。
【0042】
そして、このようなインクジェットヘッド24の駆動時においては、多孔質材54に吸収されているインクは、連通孔65を介して、一旦、インク室56に溜められた後、そのインク室56のインク供給口67からシール部材79を介してインクジェットヘッド24に供給される。この時、多孔質材54に吸収されているインクは、インクジェットヘッド24に供給されるに従って減少するが、大気開放孔68を介して大気連通室57内に流入する空気が、空気連通路69を介して、多孔質材室55の上方から多孔質材54に流入するので、インクは、その上方から流入する空気の圧力により、液面が次第に下がるように減少し、連続的なインクの供給が確保される。
【0043】
そして、多孔質材54に吸収されているインクがなくなると、次いで、インク室56内に溜まっているインクがインクジェットヘッド24に供給されるようになるが、この時には、インクの供給に従って、多孔質材室55から連通孔65を介してインク室56内に空気が入り込み、供給されるインクと置換するように、その連通孔65から気泡としてインク室56の上方に移動して、そのインク室56の上部に溜まるようになる。そのため、インク室56においても、インクは、その液面が次第に下がるように減少し、連続的なインクの供給が確保される。
【0044】
また、インクジェットヘッド24の駆動が停止すると、多孔質材54内のインクがほとんどなくなっても、インク室56内のインクが連通孔65を介して多孔質材54に接している限り、多孔質材54がインク室56内のインクを毛細管力により吸引しているので、これによって、インクジェットヘッド24からのインク漏れが有効に防止される。
【0045】
そして、このインクカートリッジ22においては、連通孔65は、図2に示すように、底部仕切り壁63の長手方向の中央部において、図3にも示すように、その水平方向の開口断面形状が矩形状をなし、底部仕切り壁63の上面から下面に向かって狭まるテーパ状として形成されている。より具体的には、連通孔65は、底部仕切り壁63において、底部仕切り壁63の長手方向に沿う長方形に形成されており、底部仕切り壁63の長手方向に沿う長辺Xが、底部仕切り壁63の幅方向(長手方向に直交する方向)に沿う短辺Yよりも長く形成され、それら長辺Xと短辺Yとの比が、底部仕切り壁63の長手方向の長さと幅方向の長さとの比と略等しく形成されている。そして、各長辺Xは、底部仕切り壁63の幅方向において、その底部仕切り壁63の両端(すなわち、インクカートリッジ22の側壁58および59と直交する側壁66の内面)からそれぞれ内側に所定の間隔Wを隔てて、互いに対向するように形成されるとともに、各短辺Yがそれら各長辺Xの長手方向両端部間にわたって形成されている。
【0046】
そして、このようなインクカートリッジ22では、インク室56内に溜まっているインクがインクジェットヘッド24に供給されている時に、多孔質材室55から連通孔65を介してインク室56内に入り込む空気が、その連通孔65において気泡Kとなって滞留しても、連通孔65の水平断面形状が矩形であるため、その連通孔65の角部分で気泡Kが接触しない部分が形成される。そのため、このインクカートリッジ22では、そのような気泡によって連通孔65が完全に閉塞されることがないので、多孔質材54とインク室56のインクとを、連通孔65において常に接触させることができる。そのため、インク室56内のインクを多孔質材54によって常に吸引することができ、インクジェットヘッド24からのインク漏れなどを有効に防止することができる。しかも、このインクカートリッジ22では、連通孔65を矩形状に形成することにより、気泡によって閉塞されない形状が簡易に形成されている。そのため気泡によって閉塞されない連通孔65を有するインクカートリッジ22を生産効率よく製造することができる。
【0047】
また、このインクカートリッジ22では、連通孔65は底部仕切り壁63の長手方向の中央部において、その長手方向に沿う長方形に開口形成されている、つまり、底部仕切り壁63の長手方向に長く開口形成されているので、その底部仕切り壁63の長手方向両端部に対向する、多孔質材54の角部(側部仕切り壁60と底部仕切り壁63との屈曲部分および側部仕切り壁61と底部仕切り壁63との屈曲部分)には、インクが滞留しやすいが、そのような滞留しやすいインクを、より連通孔65に導き易くすることができ、良好なインクの供給を確保することができる。
【0048】
さらに、このインクカートリッジ22では、連通孔65は、底部仕切り壁63の幅方向両端から直ぐに各長辺Xが開口形成されているのではなく、その両端から、所定の間隔Wを隔てて各長辺Xが形成されており、その所定の間隔Wにはそれぞれ底部仕切り壁63が形成されている。そのため、たとえば、多孔質材室55の角部などの稜線部分では、多孔質材54が十分に接触せず、多孔質材54の抵抗が少なくなるので、そのような稜線部分を伝って気泡が流れてきやすくなるが、そのような気泡が、連通孔65に流れ込むことを有効に防止することができる。そのため、連通孔63の気泡による閉塞を、より一層有効に防止することができる。
【0049】
また、以上の説明においては、インクカートリッジ22の連通孔65の開口断面形状を矩形状に形成したが、本発明においては、連通孔65の開口断面形状が、気泡によって閉塞されない非円形状であれば特に限定されず、たとえば、図4に示すような三角形状として形成してもよい。連通孔65の開口断面形状を三角形状に形成すれば、気泡と連通孔65の内周面との接触面積をより一層小さくすることができ、連通孔65の閉塞をより一層防止することができる。
【0050】
さらに、連通孔65の開口断面形状は、矩形状や三角形状などの多角形状でなくても、たとえば、図5に示すような、略H字状などの複雑な形状に形成してもよく、また、たとえば、星型などに形成してもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、インク室内のインクを多孔質材によって常に吸引することができ、インクジェットヘッドからのインク漏れなどを有効に防止することができる。
【0052】
また、気泡によって閉塞されない連通孔を有するインクカートリッジを生産効率よく製造することができる。
【0053】
さらに、多孔質材の角部に滞留しやすいインクを、より連通孔に導き易くすることができ、良好なインクの供給を確保することができる。
【0054】
そのうえ、多孔質材の抵抗が少ない多孔質材室の稜線部分を伝って流れてくる気泡が、連通孔に流れ込むことを有効に防止することができ、連通孔の気泡による閉塞を、より一層防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カラーインクジェットプリンタの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】 本発明のインクカートリッジの一実施形態を示す断面図である。
【図3】 図2に示すインクカートリッジの連通孔の平面図である。
【図4】 図2に示すインクカートリッジの連通孔の他の実施形態(開口断面形状を三角形状に形成したもの)の平面図である。
【図5】 図2に示すインクカートリッジの連通孔の他の実施形態(開口断面形状を略H字状に形成したもの)の平面図である。
【図6】 従来のインクカートリッジの断面図である。
【符号の説明】
22 インクカートリッジ
24 インクジェットヘッド
54 多孔質材
55 多孔質材室
56 インク室
60 側部仕切り壁
61 側部仕切り壁
63 底部仕切り壁
65 連通孔
X 長辺
Y 短辺
W 幅
Claims (1)
- インクジェットヘッドに供給されるインクを収容するインクカートリッジにおいて、
インクを吸収した多孔質材を収容する多孔質材室と、前記多孔質材室の少なくとも下方に配置され、前記多孔質材室から供給されるインクを収容するインク室とを備え、
前記多孔質材室と前記インク室とは、長方形状の底部仕切り壁によって区画され、
前記底部仕切り壁の長手方向における中央部には、前記多孔質材室と前記インク室とを連通する連通孔が形成されており、
前記連通孔の開口断面形状が、気泡によって閉塞されない長方形状であり、その長辺が前記底部仕切り壁の長手方向に沿うとともに、前記底部仕切り壁における長手方向と直交する方向の両端からそれぞれ内側に所定の間隔を隔てており、
前記連通孔の前記長辺の長さとこの長辺に直交する短辺の長さとの比が、前記底部仕切り壁の長手方向の長さとこの長手方向に直交する幅方向の長さとの比と等しいことを特徴とする、インクカートリッジ。
Priority Applications (4)
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