JP3871920B2 - 熱交換装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、燃焼ガスから顕熱を回収する主熱交換器と潜熱を回収する副熱交換器とを備えて被加熱流体を加熱する熱交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種の熱交換装置を用いた燃焼器具として、高熱効率を図った潜熱回収型給湯器が知られている。
こうした給湯器としては、図2に示されるように、出湯管16が接続される主熱交換器72と、給水管14が接続される副熱交換器76と、主熱交換器72を加熱するバーナ22と、バーナ22に燃焼用空気を供給する給気ファン36とを備え、バーナ22の燃焼により副熱交換器76と主熱交換器72とで通水(被加熱流体)を加熱し、出湯管16より出湯する強制燃焼式給湯器11が一般的に知られている。
【0003】
この給湯器11では、熱効率を向上するために、熱伝導率の優れた銅製のフィンチューブ(フィン72b付き伝熱管72a)からなる主熱交換器72を用いてバーナ22から発生した燃焼ガスの顕熱を回収することに加えて、副熱交換器76で燃焼ガス中の水蒸気を凝縮させ、その潜熱を回収する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この凝縮したドレンが、燃焼ガス中の硫黄(S)や窒素(N)と反応して酸性になるため、副熱交換器76に銅材を用いると腐食してしまう。
そこで、副熱交換器76に、耐食性のあるステンレス(SUS316)やチタンを用いることが考えられるが、銅よりも熱伝導率が低く、銅材を用いた場合と同じ熱効率を得ようとすると大きな伝熱面積が必要になり、器具が大型化してしまう。しかも、フィン76b,伝熱管76aをステンレス製やチタン製とした場合には、両者のロウ付けが困難であるため、フィン76bと伝熱管76aとの間に隙間が残りやすく、更に伝熱しにくくなる。
従って、副熱交換器をフィンを持たない管(フィンレスチューブ)構造にすることが望ましいが、フィンの分まで伝熱面積を確保しようとすると、伝熱管が非常に長くなってしまう。しかも、材料費が高いため、副熱交換器76のコストアップを招くことになる。
【0005】
一方、別のドレン対策として、副熱交換器76に耐食性のエポキシ樹脂でコーティングすることも考えられるが、エポキシ樹脂には耐熱性が乏しいため、主熱交換器72通過後の燃焼ガスの温度をこの副熱交換器76の入口で120℃程度にまで下げることが望ましい。これを達成するためには、主熱交換器72での熱回収量を増大、つまり熱効率を高くする必要がある。
【0006】
しかしながら、主熱交換器72で熱効率を高くしようとすると、そこでのドレン発生の問題が生じるため、主熱交換器72内の通水の温度を高精度に制御する必要があり、ドレン対策のためのコストが嵩んでしまう。
例えば、バーナの下方に2段の伝熱管を上下に備えた主熱交換器を配置し、上段の伝熱管に給水管を接続した給湯器について説明すると、上段の伝熱管では、入水温度が低くてもバーナに近いため燃焼ガスの温度が高く、ドレンは成長しづらい。ところが、下段の伝熱管では、上段の伝熱管での熱交換により燃焼ガスの温度が下がっており、ドレンが発生しやすい。しかも、熱効率を向上させるためにフィンを大きくすると、フィンの表面温度分布がばらついてしまい、やはりドレンが生じやすい。このように、ドレン対策と熱効率の向上とを同時に達成することは難しかった。
そこで、本発明の熱交換装置は上記課題を解決し、耐久性を維持したまま低コストで熱効率を高くすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の熱交換装置は、
バーナの燃焼ガスから顕熱のみを回収して被加熱流体を加熱するフィンチューブ式主熱交換器と、該燃焼ガス流路における該主熱交換器の下流側に設けられ燃焼ガスから主に潜熱を回収して被加熱流体を加熱するフィンチューブ式副熱交換器とを備えた熱交換装置において、
上記燃焼ガス流路における上記主熱交換器と上記副熱交換器との間に、燃焼ガスから顕熱と潜熱とを回収して伝熱管内の被加熱流体を加熱するフィンレスチューブ式補助熱交換器を設け、
上記補助熱交換器の伝熱管に耐食性および耐熱性を有する金属を用い、上記副熱交換器を耐食性材料でコーティングしたことを要旨とする。
【0008】
また、上記課題を解決する本発明の請求項2記載の熱交換装置は、請求項1記載の熱交換装置において、
上記副熱交換器の母材に銅を用いエポキシ樹脂でコーティングしたことを要旨とする。
【0009】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の熱交換装置は、主熱交換器がバーナの燃焼ガスから顕熱のみを回収する。そして、補助熱交換器は、主熱交換器で顕熱回収された燃焼ガスから顕熱と潜熱とを回収し、燃焼ガスを所定温度まで下げる。そして、副熱交換器は、補助熱交換器で温度が下げられた燃焼ガスから主に潜熱を回収する。このようにして、顕熱および潜熱を回収して熱交換器を流れる被加熱流体を加熱する。
【0010】
また、補助熱交換器の伝熱管が耐熱性を有するため、主熱交換器を通過した燃焼ガスの温度が副熱交換器の耐熱温度に下がるまで主熱交換器で熱交換する必要が無く、主熱交換器で回収しきれなかった顕熱を補助熱交換器で回収する。
この結果、ドレンに対して主熱交換器で高精度に通水温度制御をしなくてもよい。
【0011】
また、補助熱交換器では、潜熱をできる限り多く回収することを目的としていないため、熱回収量を増加するためのフィンを伝熱管に設ける必要がない。
この結果、補助熱交換器によって熱交換装置を大型化させることがない。しかも、ロウ付けに適していない耐食性金属を補助熱交換器に用いることができ、ドレンを発生させても問題がなく、燃焼ガスの温度を下げることができる。従って、副熱交換器に耐熱性が要求されなくなり、副熱交換器を耐食材料でコーティングすることができる。
【0012】
また、上記構成を有する本発明の請求項2記載の熱交換装置は、副熱交換器の伝熱管の母材およびフィンの母材を耐食性に優れたエポキシ樹脂でコーティングしているため、ドレンを発生させても支障無く潜熱を回収でき、しかも、これらの母材に熱伝導率の高い銅を用いることができて燃焼ガスと良好に熱交換できる。 この結果、熱効率を高く維持したまま、副熱交換器の小型化が可能となる。
【0013】
【発明の実施形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の熱交換装置の好適な実施形態を説明する。
本発明の一実施形態としての熱交換装置を備えた強制燃焼式給湯器について図1を用いて説明する。
【0014】
給湯器10は、器具本体12内の下方位置に、通水を加熱する熱交換装置60が燃焼室20内に装着された状態で設けられる。熱交換装置60の上方には、熱交換装置60を加熱するブンゼンバーナ(以下、バーナ22)がそのバーナ炎孔側を下向きにして取付板24を介して設けられる。熱交換装置60の入口には給水管14が接続され、熱交換装置60の出口には出湯管16が接続される。尚、出湯管16は、浴室や台所等へ延びており、その先端には、給湯栓17が設けられている。
器具本体12には、外気を燃焼用空気として取り込むための給気口30と、給気口30より上方に排気口44とが開口される。
【0015】
一方、熱交換装置60を支持する燃焼室20の下端には、バーナ22の燃焼ガスにより熱交換装置60を加熱した後の燃焼ガスを排出する排気フード32が設けられる。この排気フード32は上方に大きく開口した椀形状をなし、下方でシリコンチューブのドレン通路33を介して、ドレンを中和する中和装置35と接続されている。尚、この排気フード32は、燃焼ガス中のドレンの受け皿としてのドレンパンを兼ね備えている。
排気フード32の側面には排気通路34が連結され、この排気通路34の上端開口は排気口44に臨む。
【0016】
また、熱交換装置60は、燃焼ガス流路の上流から順に、主熱交換器62,補助熱交換器64,副熱交換器66からなり、この主熱交換器62は、燃焼熱を吸収をする複数の銅製の主フィン62bに銅製の主伝熱管62aが貫通し複数段蛇行したものである。この主伝熱管62aは、バーナ22の近傍で燃焼室20を巻回する出湯管16と接続される。
【0017】
一方、補助熱交換器64は、フィンを備えない管(フィンレスチューブ)構造をしており、耐熱性および耐食性のあるステンレス(SUS316)製の蛇腹形状をした補助伝熱管64aが前後に蛇行したもので、通水出口で主熱交換器62の主伝熱管62aと接続される。この補助熱交換器64の耐熱温度は250℃以上が望ましい。
【0018】
他方、副熱交換器66は、燃焼熱を吸収をする銅製の複数の副フィン66bに銅製の副伝熱管66aを貫通させ複数段蛇行させ炉中ロウ付けした組立体に、エポキシ樹脂コーティング(特に、エポキシフェノール系水系塗料)したものである。この副伝熱管66aは、通水出口で補助熱交換器64の補助伝熱管64aと接続され、通水入口で給水管14と接続される。
【0019】
給水管14には、水流センサや水ガバナあるいは水量制御弁を備える水側制御ユニット50が設けられ、またバーナ22へのガス管52には、主電磁弁54及びガス比例弁56が設けられる。
バーナ22を覆うバーナカバー26上のファン取付台38には、給気ファン36を取り付ける。この給気ファン36にはDCモータ48が連結される。
【0020】
また、給水管14に設けられる水側制御ユニット50内の水流センサや、バーナ22のガス管52に設けられる主電磁弁54及びガス比例弁56、そしてDCモータ48等はこの給湯器10の燃焼を制御するバーナコントローラ58に電気的に接続されている。
【0021】
このように構成された給湯器10では、給湯栓17を開くことにより給水管14に水(図中破線矢印)が流れ、水側制御ユニット50内の水流センサからの検知信号によりバーナコントローラ58が制御動作を行い、給気ファン36がDCモータ48の駆動により回転し始める。所定のプリパージが完了すると、バーナ22の主電磁弁54及びガス比例弁56が開いてバーナ22にガス(図中実線矢印)が供給され、図示しないイグナイタによりバーナ22に点火が行われる。
【0022】
点火動作が終了すると、比例制御が開始され、図示しない出湯温サーミスタで検出される湯温と設定温度との差があると、バーナコントローラ58でそれを判断しガス比例弁56へ信号を送り、ガス量を連続的に変化させて熱交換装置60(ここでは、主伝熱管62a)の出口温度を一定に保つ。また、ガス比例弁56によるガス量の変化に応じてバーナコントローラ58から給気ファン36のDCモータ48に信号が送られ、給気ファン36の回転数も変えられ、常にガス量と給気量との関係が一定に保たれるように制御される。
【0023】
このような燃焼制御において、給気ファン36の動作に伴い、器具本体12に設けられる給気口30より外気が器具本体12内に吸引され、バーナ22へ導入されて燃焼用空気として燃焼に供される。
バーナ22の炎口近傍では混合気が燃焼して火炎を形成し、熱交換装置60の燃焼ガス上流側近傍に至る間に燃焼が完結(完全燃焼)する。
【0024】
バーナ22の燃焼ガスは、給気ファン36により下向きに流れ、主熱交換器62の各主フィン62b間を貫流して顕熱が回収され排気温度が約214℃になり、そして、補助熱交換器64の補助伝熱管64a間を貫流して顕熱および潜熱が回収され排気温度が約120℃になり、そして、副熱交換器66の各副フィン66b間を貫流して顕熱および潜熱が回収され排気温度が約37℃となった後、排気フード32,排気通路34を介して排気口44から器具の外へ排出される。
尚、燃焼ガスの温度は、条件によって変化するもので、この時の条件は、給気温度20℃、湿度60%、気圧760mmH2O、燃料ガス13Aであった。
【0025】
一方、熱交換装置60の通水は、副伝熱管66a,補助伝熱管64a,主伝熱管62aの順に流れ、燃焼ガスとの熱交換により徐々に加熱されていく。この副伝熱管66aおよび補助伝熱管64aでは、通水温が露点以下であるため、燃焼ガス中の水蒸気は、熱交換により冷却されて結露し、燃焼ガス中の硫黄や窒素と反応して酸性ドレン(H2SO4、HNO3等)になる。この水蒸気の凝縮により副熱交換器66および補助熱交換器64は、蒸発潜熱を回収している。
【0026】
熱交換装置60で発生する酸性ドレンは、排気フード32内に落下し、ドレン通路33へ流れ、中和装置35で中和されて器体外へ排出される。
また、バーナ22が熱交換装置60の上方に設けられているため、熱交換装置60から酸性ドレンが落下しても、バーナ22の炎孔を目詰まりさせることがなく、良好な燃焼状態が維持される。
【0027】
上述した熱交換装置60の熱効率は、主熱交換器62での78%(顕熱のみ)と、補助熱交換器64での6%(顕熱と潜熱)と、副熱交換器66での11%(顕熱と潜熱)を合計した95%となって非常に高い。
このように熱効率が95%と非常に高いため、空気比(λ)を小さくするといった、熱交換装置60の熱効率向上のための対策を行う必要がない。
従って、空気比λの低い全一次バーナを用いる必要がなく、ブンゼンバーナを用いることができて、製造コストアップに繋がることはない。
【0028】
一般に、熱交換器で多くの顕熱を回収する場合には、燃焼ガスの入口温度と出口温度との差が大きくなり、燃焼ガスの出口温度が下がる。従って、顕熱を回収し過ぎると、ドレンが発生してしまい、熱交換器に耐食処理を施す必要性が生じる。
【0029】
これに対して、補助熱交換器64は、ステンレス製であるため、ドレンが発生しても腐食の心配がなく、燃焼ガスが副熱交換器66に達する前の段階でドレンを積極的に発生させることができ、燃焼ガスの温度を120℃まで下げることができる。また、このステンレス製の補助熱交換器64は、耐熱性もあるため、高温の燃焼ガスにも耐えることができ、主熱交換器62で回収しきれなかった顕熱も回収することができる。
【0030】
従って、主熱交換器62で顕熱を最大限回収しなくてもよく、燃焼ガスの温度をドレンが発生しない限界温度まで下げる必要がなくなる。しかも、上述したように、空気比λを下げないため、主熱交換器62でドレンが発生しやすくなることはない。
これらの結果、ドレン発生防止のための主熱交換器62内の通水温度を厳しく管理する必要がない。
【0031】
しかも、副熱交換器66における燃焼ガスの入口温度が120℃以下であるため、耐熱性に優れないエポキシ樹脂を副熱交換器66の耐食材として用いることができる。
このように、副熱交換器66の耐食コーティング材を耐熱性にこだわらずに耐食性を重視して選択することができ、副熱交換器66の耐久性を向上させることができる。
【0032】
また、エポキシ樹脂は、耐食性が優れているため、副熱交換器66に耐食性金属のステンレス(SUS316)やチタンを用いる必要がなくなり、熱伝導率の高い銅を用いることができる。
従って、副熱交換器66は、大きな伝熱面積を確保しなくても、高い熱効率を達成できる。更に、器具の大型化を招かない。
【0033】
一般的に、耐食材料でコーティングされた伝熱管は、耐食性金属製の伝熱管よりも安価であるため、副熱交換器66のドレン腐食対策をこの耐食コーティング材により、安価に行うことができる。
【0034】
また、副熱交換器66に銅材を用いるため、副フィン66bと副伝熱管66とを炉中で容易にロウ付けすることができ、フィンと伝熱管との間に隙間ができにくく伝熱しやすいため、副熱交換器66にステンレス材を用いる場合よりも熱効率が向上する。
【0035】
これに対して、補助熱交換器64は、ステンレス材を用いているが、フィンを持たないため、このような不具合はない。
しかも、補助熱交換器64の補助伝熱管64aは、蛇腹形状をしているため、大きな伝熱面積を確保でき、管長が比較的短くてよい。加えて、燃焼ガスの顕熱の多くは、主熱交換器62で回収されるため、補助熱交換器64での熱交換量が比較的小さくてよく、補助伝熱管64aを長めに形成する必要はない。
従って、熱交換装置60全てにステンレス材を用いるのではなく、耐食性と耐熱製の両方を必要とする補助熱交換器64にのみステンレスを用いることで、熱交換装置60のコストを抑えることができる。
【0036】
また、補助熱交換器64は、フィンを備えないため、上下に大きなスペースを必要とせず、上下方向に複数段形成させなくても伝熱面積を十分に確保することができる。従って、熱交換装置60が大型化しない。
このように、熱交換装置60は、主熱交換器62と副熱交換器66との間に、顕熱と潜熱を回収する補助熱交換器64を設けたため、耐久性を維持したまま低コストで熱効率を高くすることができる。
また、通水の温度を露点以上に保つためのバイパス管を設けるといったドレン対策を主熱交換器62に講じる必要がないため、製造費用を抑えることができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、熱交換装置60をバーナ22の上方に配置し、これらの間にドレン受けを設けドレン通路33と接続してもよい。
また、補助熱交換器64の補助伝熱管64aの材質は、ステンレス(SUS316)に代えて、チタンとしてもよく、耐熱性および耐食性のある材質であればよい。
【0038】
また、熱交換装置60を迂回するバイパス管や全一次空気式バーナを設けないといけないわけではなく、必要に応じて用いても構わない。
例えば、バイパス管を設ける場合には、熱交換器での通水流量が減り、その通水の温度が高くなることから、ドレンの発生が一層防止される。
【0039】
また、ブンゼンバーナに代えて全一次空気式バーナを用いる場合には、低λ(空気比)化を図る、つまりバーナの燃焼のために供給された空気流量を減らすことができるため、この燃焼用空気によって燃焼熱が給湯器外部へ持ち出されることが抑制され、熱効率を向上させることができる。
しかしながら、露点は全体の体積に対する水蒸気の量が多いほど高くなることから、空気比λを下げると、燃焼により発生する水蒸気量が変化しなくても、供給される空気量が減少するため、全体の体積が減少して露点が高くなる。
従って、空気比λを下げるとドレンが発生しやすくなるが、耐熱性のある補助熱交換器で顕熱を回収できるため、主熱交換器で熱回収量を多くする必要がなく、ドレンが発生するほど主熱交換器の排気出口温度が下がらないことから、全一次空気式バーナを用いて空気比λを下げても主熱交換器でドレンが発生することはなく、ドレン対策を講じる必要がない。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の熱交換装置によれば、顕熱を回収する主熱交換器と、潜熱を回収する副熱交換器との間に、耐食性のある補助熱交換器を設けたために、燃焼ガスが副熱交換器に達する前に、燃焼ガスの温度を潜熱回収できる温度まで下げることができる。
しかも、補助熱交換器で潜熱を最大限に回収することを目的としているわけではないため、フィンを伝熱管に設ける必要がない。この結果、ロウ付けに適していない耐食性金属を補助熱交換器に用いることができ、ドレンを発生させても問題がなく燃焼ガスの温度を下げることができる。
これらの結果、副熱交換器に耐熱性が要求されなくなり、副熱交換器を耐食性材料でコーティングでき、安価に腐食を防止することができる。
また、フィンを備えない補助熱交換器によって熱交換装置が大型化することがない。
【0041】
また、補助熱交換器の伝熱管が耐熱性を有するため、主熱交換器で顕熱を多く回収する必要がなく、主熱交換器でドレン発生を防止するために高精度な通水温度制御をしなくてもよく、この結果、安価になる。
【0042】
また、請求項2記載の熱交換装置によれば、副熱交換器の伝熱管の母材およびフィンの母材を耐食性に優れたエポキシ樹脂でコーティングしているため、これらの母材に熱伝導率の高い銅を用いることができる結果、耐食性のある副熱交換器でドレン発生をしても支障なく潜熱を回収できる。
従って、高い熱効率を維持したまま副熱交換器をコンパクト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の強制燃焼式給湯器の概略図である。
【図2】従来例の強制燃焼式給湯器の概略図である。
【符号の説明】
10,11…給湯器、14…給水管、16…出湯管、20…燃焼室、22…バーナ、32…排気フード、33…ドレン通路、36…給気ファン、60…熱交換装置、62,72…主熱交換器、62a…主伝熱管、62b…主フィン、64…補助熱交換器、64a…補助伝熱管、66,76…副熱交換器、66a…副伝熱管、66b…副フィン。
Claims (2)
- バーナの燃焼ガスから顕熱のみを回収して被加熱流体を加熱するフィンチューブ式主熱交換器と、該燃焼ガス流路における該主熱交換器の下流側に設けられ燃焼ガスから主に潜熱を回収して被加熱流体を加熱するフィンチューブ式副熱交換器とを備えた熱交換装置において、
上記燃焼ガス流路における上記主熱交換器と上記副熱交換器との間に、燃焼ガスから顕熱と潜熱とを回収して伝熱管内の被加熱流体を加熱するフィンレスチューブ式補助熱交換器を設け、
上記補助熱交換器の伝熱管に耐食性および耐熱性を有する金属を用い、上記副熱交換器を耐食性材料でコーティングしたことを特徴とする熱交換装置。 - 上記副熱交換器の母材に銅を用いエポキシ樹脂でコーティングしたことを特徴とする請求項1記載の熱交換装置。
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