JP3858498B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の表示器を備えた表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ハウジング1内に速度計,回転計等の指示計器2(表示器)と蛍光表示管等の発光型表示器3(表示器)とを収納した車両用表示装置がある(図4参照)。指示計器2の表示板4は透光性基板に指標部(目盛りや数字)を除いて黒色印刷等の遮光部が形成されており、指針5が目盛りを指示することにより車両の速度やエンジンの回転数を表示する。表示板4の後方にはバルブ等の光源6が設けられており、この光源6によって表示板4の指標部が透過照明される。指針5の基部には発光ダイオード等の光源が配設されており、指示部5aが発光する。ハウジング1の前面にはスモークカバー7が設けられており、各表示器2,3を保護している。指示計器2とスモークカバー7の間には半透過反射板8が配設されており、発光型表示器3の表示光Lは半透過反射板8に反射されて観察者に達するように構成されている。発光型表示器3は時刻を数字で表示するものであり、観察者は表示板4と略同じ高さに時刻表示の虚像9を視認できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半透過反射板8の透過率は約50%、スモークカバー7の透過率は約20%であるため、指示計器2が暗くなってしまうという問題を有していた。即ち、指示計器2の光(指示部5a及び表示板4の指標部の光)が半透過反射板7及びスモークカバー9を透過するときに約10%まで減光されてしまう。
本発明は、虚像を表示することができ、且つ表示器(指示計器)の輝度が著しく低下することがない表示装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、表示板と前記表示板を透過照明する光源と前記表示板を指示する指針と前記指針を駆動する指針駆動手段とを有する指示計器からなる第一の表示器と、表示光を射出する発光型表示器からなる第二の表示器と、前記表示光が投影される反射板と、前記第一の表示器と前記第二の表示器と前記反射板とを収納するハウジングと、を有する表示装置であって、前記表示光は前記反射板に反射されて、前記第一の表示器の光は前記反射板を透過しないで、観察者に達するように構成したものである。
【0005】
また、本発明は、表示板と前記表示板を透過照明する光源とを有する第一の表示器と、第一の表示光を射出する第一の発光型表示器からなる第二の表示器と、前記第一の表示光が投影される半透過反射板と、前記半透過反射板の後方に配設され第二の表示光を射出する第二の発光型表示器からなる第三の表示器と、前記第一の表示器と前記第二の表示器と前記半透過反射板と前記第三の表示器とを収納するハウジングと、を有する表示装置であって、前記第一の表示光は前記半透過反射板に反射されて、前記第二の表示光は前記半透過反射板を透過して、前記前記第一の表示器の光は前記半透過反射板を透過しないで、観察者に達するように構成したものである。
【0006】
また、本発明は、前記第一の表示器は、前記表示板を指示する指針と、前記指針を駆動する指針駆動手段と、を有する指示計器であるものである。
【0007】
また、本発明は、前記第一の表示器に対応する箇所に設けられた第一の透過率を有する第一の透視部と、前記第二の表示器に対応する箇所に設けられ第二の透過率を有する第二の透視部と、を有し、前記ハウジングに係止されるカバーを有するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
指示計器(第一の表示器15)は、表示板21と、表示板21を指示する指針24と、表示板21を透過照明する光源22と、指針24を駆動する指針駆動手段25とを有する。ハウジング10には、第一の表示器15と、第一の発光型表示器からなる第二の表示器17と、第二の発光型表示器からなる第三の表示器16と、が収納される。第二の表示器17が射出する第一の表示光L1は半透過反射板20に反射されて、第三の表示器16が射出する第二の表示光L2は半透過反射板20を透過して、第一の表示器15の光は半透過反射板20を透過しないで、観察者に達する。
【0009】
【実施例】
以下、添付の図面に基いて、本発明を車両用表示装置に適用した一実施例を説明する。図1は車両用表示装置の要部断面図、図2及び図3は正面図である。
【0010】
10はハウジングであり、このハウジング10は前側ハウジング11,後側ハウジング12,後側カバー13及び上側カバー14を有している。ハウジング10には4個の指示計器15(第一の表示器)、即ち、速度計15a,燃料計15b,水温計15c,回転計15dが収納されている。速度計15a及び回転計15dは燃料計15b及び水温計15cよりも大きくなっており、燃料計15b及び水温計15cは速度計15a及び回転計15dの間に配置されている。
【0011】
また、ハウジング10には液晶表示器16(第三の表示器)及び蛍光表示管17(第二の表示器)が収納されており、燃料計15b及び水温計15cの上方に配置されている。蛍光表示管17は回路基板18に接続されており、上側カバー14は蛍光表示管17及び回路基板18を覆うように前側ハウジング11にビスにより固定され、蛍光表示管17及び回路基板18を保護している。前側ハウジング11には蛍光表示管17に対向する箇所に開口19が形成されており、蛍光表示管17の表示光L1は開口19を透過し後述するハーフミラーに投影される。また、前側ハウジング11は、指示計器15と液晶表示器16との間に遮光壁11aを有している。
【0012】
20はハーフミラー(反射板)であり、このハーフミラー20は傾斜配置され前側ハウジング11と後側ハウジング12とに挟持されている。ハーフミラー20の透過率は約50%となっている。液晶表示器16の表示光L2はハーフミラー20を透過し観察者に達する。一方、蛍光表示管17の表示光L1はハーフミラー20に反射されて観察者に達する。後側カバー13は前側ハウジング11及び後側ハウジング12に係止爪により係止され、ハウジング10内への塵埃の侵入を防止している。
【0013】
指示計器15は、文字板21(表示板),冷陰極管22(光源),導光部材23,指針24,ステッピングモータ25(指針駆動手段)及び回路基板26を有している。文字板21はポリカーボネート等の透光性樹脂からなる基板に目盛(指標部27)を除いて黒色の印刷を施したものである。冷陰極管22及び導光部材23は文字板21の後方に配置されており、指標部27は冷陰極管22の光により透過照明される。指針24はステッピングモータ25により回動され、文字板21の指標部27を指示する。冷陰極管22の光は導光部材23により指針24に導かれ、指針24の指示部28が光輝する。
【0014】
液晶表示器16は、多数の画素が配設されたTFT(薄膜トランジスタ)型の液晶表示素子と、この液晶表示素子を後方から照明する光源とからなるものであり、経路誘導情報等を表示する。蛍光表示管17は日字形の発光セグメントを有しており時刻を表示する。通常、液晶表示器16は非表示状態であり、蛍光表示管17により時刻を虚像で表示する(図2参照)。また、使用者が操作スイッチにより表示を切換え、蛍光表示管17を消灯させ液晶表示器16により経路誘導情報を表示することができる(図3参照)。
【0015】
29は保護カバー(カバー)であり、この保護カバー29は係止爪により前側ハウジング11の前側に係止されている。保護カバー29はフレーム部材30,第一の透視板31(第一の透視部)及び第二の透視板32(第二の透視部)からなるものである。フレーム部材30は指示計器15及び液晶表示器16に対応する箇所に夫々第一の開口部33及び第二の開口部34を有しており、この第一の開口部33及び第二の開口部34には夫々第一の透視板31及び第二の透視板32が溶着されている。
【0016】
フレーム部材30はポリプロピレン等の不透明樹脂からなるものであり、第一,第二の透視板31,32はポリカーボネート等の透光性樹脂からなるものである。第一の透視板31及び第二の透視板32の透過率は約20%となっている。第一,第二の透視板31,32は湾曲した形状となっており、液晶表示器16側に凸となっている。
【0017】
指示計器15の光(指示部28及び表示板21の指標部の光)はハーフミラー20を透過しないため、ハーフミラー20で減光されることがなく、発光輝度の約20%の明るさ(従来例の約2倍)で観察することができる。
また、保護カバー29はフレーム部材30,第一の透視板31及び第二の透視板32で構成されているので、第一,第二の透視板31,32の透過率は指示計器15及び蛍光表示管17の輝度バランスが良好になるように適宜選定することができる。即ち、本実施例において指示計器15の明るさが従来例の約2倍の明るさになり、蛍光表示管17による時刻表示が相対的に暗く感じるため、例えば第一の透視板31の透過率(第一の透過率)は約20%、第二の透視板32の透過率(第二の透過率)は約30%として、指示計器15及び液晶表示器16の輝度バランスが良好にすることが望ましい。
【0018】
なお、本実施例は指示計器15(第一の表示器),蛍光表示管16(第二の表示器)及び液晶表示器16(第三の表示器)を有するものであったが、第3の表示器はなくとも良く、表示装置を指示計器15(第一の表示器)及び蛍光表示管16(第二の表示器)を備えた構成とし、反射板は全反射ミラーとしても良い。
また、本実施例の指針駆動手段はステッピングモータ25であったが、例えば交差コイル型ムーブメントであっても良い。また、保護カバー29はフレーム部材30に第一,第二の透視板31,32を溶着したものであったが、例えば不透明部,第一,第二の透視部を一体成形した保護カバーであっても良い。また、本実施例の第一の表示器は指示計器15であったが、例えば燃料残量警告,シートベルト警告等の表示板の後方に発光ダイオード,バルブ等の光源を配設したインジケータであっても良い。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、表示板と前記表示板を透過照明する光源と前記表示板を指示する指針と前記指針を駆動する指針駆動手段とを有する指示計器からなる第一の表示器と、表示光を射出する発光型表示器からなる第二の表示器と、前記表示光が投影される反射板と、前記第一の表示器と前記第二の表示器と前記反射板とを収納するハウジングと、を有する表示装置であって、前記表示光は前記反射板に反射されて、前記第一の表示器の光は前記反射板を透過しないで、観察者に達するように構成したものであり、第二の表示器により虚像を表示することができ、且つ第一の表示器の輝度が著しく低下する虞がない。
【0020】
また、本発明は、表示板と前記表示板を透過照明する光源とを有する第一の表示器と、第一の表示光を射出する第一の発光型表示器からなる第二の表示器と、前記第一の表示光が投影される半透過反射板と、前記半透過反射板の後方に配設され第二の表示光を射出する第二の発光型表示器からなる第三の表示器と、前記第一の表示器と前記第二の表示器と前記半透過反射板と前記第三の表示器とを収納するハウジングと、を有する表示装置であって、前記第一の表示光は前記半透過反射板に反射されて、前記第二の表示光は前記半透過反射板を透過して、前記前記第一の表示器の光は前記半透過反射板を透過しないで、観察者に達するように構成したものであり、第二の表示器により虚像を表示することができ、且つ第一の表示器の輝度が著しく低下する虞がない。
【0021】
また、本発明は、前記第一の表示器に対応する箇所に設けられた第一の透過率を有する第一の透視部と、前記第二の表示器に対応する箇所に設けられ第二の透過率を有する第二の透視部と、を有し、前記ハウジングに係止されるカバーを有するものであり、各表示器の輝度バランスを良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す表示装置の断面図。
【図2】同上実施例を示す正面図。
【図3】同上実施例を示す正面図。
【図4】従来例を示す表示装置の分解斜視図。
【符号の説明】
15 指示計器(第一の表示器)
16 液晶表示器(第三の表示器)
17 蛍光表示管(第二の表示器)
20 ハーフミラー(半透過反射板)
21 文字板(表示板)
22 冷陰極管(光源)
24 指針
25 ステッピングモータ(指針駆動手段)
29 保護カバー(カバー)
31 第一の透視板(第一の透視部)
32 第二の透視板(第二の透視部)
Claims (4)
- 表示板と前記表示板を透過照明する光源と前記表示板を指示する指針と前記指針を駆動する指針駆動手段とを有する指示計器からなる第一の表示器と、表示光を射出する発光型表示器からなる第二の表示器と、前記表示光が投影される反射板と、前記第一の表示器と前記第二の表示器と前記反射板とを収納するハウジングと、を有する表示装置であって、前記表示光は前記反射板に反射されて、前記第一の表示器の光は前記反射板を透過しないで、観察者に達するように構成したことを特徴とする表示装置。
- 表示板と前記表示板を透過照明する光源とを有する第一の表示器と、第一の表示光を射出する第一の発光型表示器からなる第二の表示器と、前記第一の表示光が投影される半透過反射板と、前記半透過反射板の後方に配設され第二の表示光を射出する第二の発光型表示器からなる第三の表示器と、前記第一の表示器と前記第二の表示器と前記半透過反射板と前記第三の表示器とを収納するハウジングと、を有する表示装置であって、前記第一の表示光は前記半透過反射板に反射されて、前記第二の表示光は前記半透過反射板を透過して、前記前記第一の表示器の光は前記半透過反射板を透過しないで、観察者に達するように構成したことを特徴とする表示装置。
- 前記第一の表示器は、前記表示板を指示する指針と、前記指針を駆動する指針駆動手段と、を有する指示計器であることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
- 前記第一の表示器に対応する箇所に設けられた第一の透過率を有する第一の透視部と、前記第二の表示器に対応する箇所に設けられ第二の透過率を有する第二の透視部と、を有し前記ハウジングに係止されるカバーを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
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