JP3855500B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェイス吹出口から吹き出される空調風の吹出方向、吹出位置または吹出範囲等の吹出状態を変更することが可能な吹出状態変更装置を備えた車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、特公平3−29607号公報に記載のスイングルーバ装置を備えた車両用空調装置がある。このスイングルーバ装置は、自動車に搭乗した乗員の着座状態を検出する複数個のシートスイッチを助手席用シートクッションおよび後部座席用シートクッションに設置し、車室内の前面で開口するフェイス吹出口から吹き出される空調風の吹出方向(風向き)が、それらのシートスイッチにて検出される乗員の着座状態に応じて予め設定された吹出方向となるように複数枚のルーバフィンのルーバ方向を制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のスイングルーバ装置においては、車両を長時間駐車した後に車両の乗員が搭乗して冷房運転を行う場合、フェイス吹出口から吹き出される空調風が乗員の身体に集中的に当たるように吹出方向を固定すると、クールダウン中は快適であるが、定常状態になるに従ってその空調風が煩わしくなるという問題が生じている。
【0004】
また、予め設定された吹出方向が運転席の乗員と助手席の乗員との間を狙った吹出方向では、空調風を直接身体に当てる場合と比較して、充分な冷風感を与えることはできないという問題が生じる。さらに、後部座席にシートセンサを設置していない自動車では、後部座席の乗員はいつまでたっても暑いままか、あるいは上記制御を行うことができないという問題が生じる。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記問題点に鑑み、高熱負荷条件から定常状態になった時の煩わしさを解消するという点と、後部座席にシートセンサ等の乗員在席検出手段を持たなくても後部座席側の空調が犠牲になり難いという点と、直接空調風が供給されることにより後部座席の乗員の快適感を向上できるという点とを兼ね備えた車両用空調装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、乗員不在検出手段にて助手席が乗員存在であることを検出した時には、助手席側フェイス吹出口の吹出状態可変手段の空調範囲を、助手席を中心に空調するように設定し、助手席が乗員不在であることを検出した時には、助手席側フェイス吹出口の吹出状態可変手段の空調範囲を、運転席又は後部座席を優先して空調する空調範囲に変更される。それによって、助手席が乗員不在であれば運転席又は後部座席の乗員に優先して助手席側フェイス吹出口から吹き出される空調風が直接当たる可能性が高くなる。したがって、仮に後部座席にシートセンサ等の乗員在席検出手段を持たなくても、後部座席側の空調が犠牲になることはなく、直接空調風が供給されることにより、後部座席の乗員の快適感を向上できる。
【0007】
また、助手席よりも運転席又は後部座席を優先して空調する空調範囲の設定を、所定時間後または所定の空調条件になったら、解除するか、あるいは所定時間前または所定の空調条件になる前よりも優先度を緩和することにより、仮にクールダウン時に吹出口から吹き出される空調風が乗員の身体に集中的に当たるような空調範囲に設定した場合でも、定常状態になればその空調状態が解除、あるいは優先度が緩和されるので、煩わしさを感じることはない。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、乗員不在検出手段が助手席の乗員不在を検出した場合には、助手席側フェイス吹出口の吹出状態可変手段の空調範囲を運転席と後部座席との間に設定することにより、後部座席の乗員に優先して吹出口から吹き出される空調風が運転席と助手席との間を通って後部座席に至るので、後部座席の乗員の身体に直接当たる可能性が高くなり、後部座席の乗員が直接空調風による快適感を充分に得ることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、助手席よりも運転席又は後部座席を優先して空調する空調範囲の設定を、第1空調ゾーンの設定温度と第2空調ゾーンの設定温度との温度差に応じて補正することにより、第1空調ゾーンと第2空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行う独立コントロール性を維持(確保)することができる。
【0010】
請求項4に記載の発明によれば、第1空調ゾーンと第2空調ゾーンとのうち、設定温度が低い側の空調ゾーンを優先的に空調するように補正することにより、設定温度が低い側の空調ゾーン内に着座している乗員が空調風による快適感を充分に得ることができ、設定温度が高い側の空調ゾーン内に着座している乗員の空調風による違和感を抑えることができる。
【0011】
請求項5に記載の発明によれば、乗員不在検出手段にて助手席が乗員存在であることを検出した場合には、助手席側フェイス吹出口の吹出状態可変手段の向きを、前記助手席を中心に空調するように設定し、助手席が乗員不在であることを検出した場合には、助手席側フェイス吹出口の吹出状態可変手段の向きを、助手席よりも運転席又は後部座席を優先して空調する吹出方向に変更される。さらに、助手席よりも運転席又は後部座席を優先して空調する吹出方向の設定を、所定時間後または所定の空調条件になったら、解除するか、あるいは所定時間前または所定の空調条件になる前よりも優先度を緩和することにより、仮にクールダウン時に吹出口から吹き出される空調風が乗員の身体に集中的に当たるような吹出方向に設定した場合でも、定常状態になればその空調状態が解除、あるいは優先度が緩和されるので、煩わしさを感じることはない。
【0012】
請求項6に記載の発明によれば、運転席側フェイス吹出口から吹き出される空調風の吹出方向と助手席側フェイス吹出口から吹き出される空調風の吹出方向とが略同一方向になるように設定されることにより、乗員に当たる空調風にメリハリが出て、空調風の煩わしさを軽減できる。また、視覚の上からも、特別な空調制御を行っているように見受けられるので、乗員に高級感を与えることができる。また、請求項7に記載の発明によれば、助手席よりも運転席又は後部座席を優先して空調する吹出方向の設定を、第1空調ゾーンの設定温度と第2空調ゾーンの設定温度との温度差に応じて補正することにより、第1空調ゾーンと第2空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行う独立コントロール性を維持(確保)することができる。
【0013】
請求項8に記載の発明によれば、助手席よりも運転席又は後部座席を優先して空調する吹出方向の設定を、第1空調ゾーンと第2空調ゾーンとのうち、設定温度が低い側の空調ゾーンを優先的に空調するように補正することにより、設定温度が低い側の空調ゾーン内に着座している乗員が空調風による快適感を充分に得ることができ、設定温度が高い側の空調ゾーン内に着座している乗員の空調風による違和感を抑えることができる。
【0014】
請求項9に記載の発明によれば、所定の空調条件としては、エバポレータを通過した直後の空気温度、車室内温度、皮膚温度、吹出温度、前記吹出口からの空調風の吹出風量、送風機の風量、送風機への印加電圧、吹出口モード、日射量、日射方向、設定温度変化、設定温度と車室内温度との温度差、シート温度、ステアリング温度または車速のうち1つ以上が所定状態になった時などが考えられる。
【0015】
請求項10に記載の発明によれば、所定の空調条件としては、エバポレータを通過した直後の空気温度、車室内温度、皮膚温度、吹出温度、前記吹出口からの空調風の吹出風量、送風機の風量、シート温度、ステアリング温度、車速または日射量が所定値以下に下がった時、あるいは送風機への印加電圧が所定電圧以下に下がった時、あるいは日射方向が乗員に与える熱負荷を下げる方向に変わった時、あるいは乗員が設定温度上昇操作を行った時、あるいは吹出口モードが乗員の下半身方向からの吹出風量が増えるモードに変わった時、あるいは設定温度と車室内温度との温度差が所定値以下になった時のうち1つ以上が所定状態になった時などが考えられる。
【0016】
請求項11に記載の発明によれば、所定時間を、車室外温度、空調初期エバ後温度、空調初期車室内温度、空調初期吹出温度、空調初期風量、空調初期送風機への印加電圧、吹出口モード、日射量、日射方向、設定温度、空調初期車室内温度と設定温度との温度差、初期シート温度または車速のうち1つ以上を利用して決定しても良い。また、請求項12に記載の発明によれば、所定時間を、車室外温度、空調初期エバ後温度、空調初期車室内温度、空調初期吹出温度、空調初期風量、空調初期送風機への印加電圧または日射量が大きい程、あるいは吹出口モードが乗員の下半身方向からの吹出風量が少ないモードである程、あるいは日射方向が乗員に与える熱負荷が大きい方向である程、あるいは設定温度が低い程、長くなるように設定しても良い。さらに、請求項14に記載の発明によれば、乗員不在検出手段として、シートスイッチ、赤外線センサ、車室内映像検出手段、シートベルト装着信号、ドア開閉信号、各種スイッチ入力信号または超音波センサのうち1つ以上を利用しても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態の構成〕
図1ないし図10は本発明の第1実施形態を示したもので、図1(a)〜図1(c)は助手席不在時の空調範囲の移り変わりを示した図で、図2は車両用空調装置の全体構成を示した図で、図3は車両のインストルメントパネルを示した図である。
【0018】
本実施形態の車両用空調装置は、エンジンを搭載する自動車等の車両の車室内を空調する空調ユニット1における各空調手段(アクチュエータ)を、空調制御装置(以下エアコンECUと言う)50によって制御するように構成されている。その空調ユニット1は、車両の車室内の一方側の第1空調ゾーンとしての運転席側(右前部座席側、ドライバー側)空調ゾーンと車両の車室内の他方側の第2空調ゾーンとしての助手席側(左前部座席側、パッセンジャー側)空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行うことが可能なエアコンユニットである。なお、車両の前部座席を以下前席と言い、車両の後部座席を以下後席と言う。
【0019】
空調ユニット1は、車両の車室内の前方に配置された空調ダクト2を備えている。この空調ダクト2の上流側には、内外気切替ドア3およびブロワ4とが設けられている。内外気切替ドア3は、サーボモータ5により駆動されて内気吸込口6と外気吸込口7との開度を変更する吸込口切替手段である。ブロワ4は、ブロワ駆動回路8により制御されるブロワモータ9により回転駆動されて空調ダクト2内において車室内に向かう空気流を発生させる送風機である。
【0020】
空調ダクト2の中央部には、空調ダクト2内を通過する空気を冷却する冷凍サイクルのエバポレータ(冷却用熱交換器)10が、空調ダクト2の全面に渡って設けられている。また、そのエバポレータ10の下流側には、第1空気通路11および第2空気通路12を通過する空気を加熱するヒータコア(加熱用熱交換器)13が設けられている。なお、第1空気通路11および第2空気通路12は仕切り板14により区画されており、ヒータコア13は仕切り板14を貫通して設けられている。そのヒータコア13の下流側には、車室内の運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行うための運転席側、助手席側エアミックス(A/M)ドア15、16が設けられている。そして、運転席側、助手席側A/Mドア15、16は、サーボモータ17、18により駆動される。
【0021】
第1空気通路11の下流側では、デフロスタ(DEF)吹出口20、運転席側センタフェイス(FACE)吹出口(右座席側吹出口、第1センタ吹出口、上部吹出口)21a、運転席側サイドフェイス(FACE)吹出口(右座席側吹出口、第1サイド吹出口、上部吹出口)22aおよび運転席側フット(FOOT)吹出口23aが開口している。なお、DEF吹出口20からは、運転席側空調ゾーンのフロントウインドの内面だけでなく、助手席側空調ゾーンのフロントウインドの内面に向けても空調風が吹き出される。
【0022】
第2空気通路12の下流側では、助手席側センタフェイス(FACE)吹出口(左座席側吹出口、第2センタ吹出口、上部吹出口)21b、助手席側サイドフェイス(FACE)吹出口(左座席側吹出口、第2サイド吹出口、上部吹出口)22bおよび助手席側フット(FOOT)吹出口23bが開口している。そして、第1、第2空気通路11、12内には、車室内の運転席側と助手席側との吹出口モードの設定を互いに独立して行う運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜28が設けられている。
【0023】
そして、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜28は、サーボモータ30〜32により駆動されて運転席側、助手席側の吹出口モードをそれぞれ切り替えるモード切替ドアである。ここで、運転席側、助手席側の吹出口モードとしては、FACEモード、B/Lモード、FOOTモード、F/Dモード、DEFモード等がある。そして、運転席側、助手席側センタFACE吹出口21a、21bおよび運転席側、助手席側サイドFACE吹出口22a、22bには、インストルメントパネル(格納部材)39に吹出状態可変装置がそれぞれ取り付けられている。なお、運転席側サイドFACE吹出口22aおよび助手席側サイドFACE吹出口22bは車両の前側ドアまたは側面ボディのインナパネルにそれぞれ取り付けられていても良い。
【0024】
次に、吹出状態可変装置を図2ないし図6に基づいて簡単に説明する。ここで、図4は吹出状態可変装置の全体構成を示した図である。吹出状態可変装置は、運転席側、助手席側センタグリル41a、41bおよび運転席側、助手席側サイドグリル42a、42b内にそれぞれ設けられている。なお、これらの各グリル内に形成される空気通路は、上記の運転席側、助手席側センタFACE吹出口21a、21bおよび運転席側、助手席側サイドFACE吹出口22a、22bとして利用される。そして、各グリルには吹出状態可変装置がそれぞれ設置され、各吹出状態可変装置にはルーバ左右方向揺動機構(ルーバアクチュエータ)およびルーバ上下方向揺動機構(ルーバアクチュエータ)がそれぞれ設けられている。
【0025】
各グリル内には、図5に示したように、車両の進行方向に対して左右方向(水平方向)に複数列設されたルーバフィン(偏向板、可変ルーバ:以下スイングルーバと言う)43が設けられている。なお、各グリル内において揺動自在に支持されたスイングルーバ43は、各グリルから吹き出される空調風の吹出方向(風向き)、吹出領域、吹出位置または吹出範囲等の吹出状態を変更する吹出状態可変手段に相当する。
【0026】
ルーバアクチュエータは、図5に示したように、スイングルーバ43を支点を中心にして左右方向に所定のスイング範囲(例えば50度)でスイングさせるリンクレバー44と、アームプレート44aを介してリンクレバー44を左右方向に往復運動させるルーバモータ45とから構成されている。なお、ルーバモータ45は、例えばDCサーボモータが使用され、リンクレバー44等を介してスイングルーバ43に揺動運動を与えるアクチュエータ(ルーバ駆動手段)を構成する。
【0027】
各グリル内には、図6に示したように、車両の進行方向に対して上下方向に複数列設されたルーバフィン(偏向板、可変ルーバ:以下スイングルーバと言う)46が設けられている。なお、各グリル内において揺動自在に支持されたスイングルーバ46は、各グリルから吹き出される空調風の吹出方向(風向き)、吹出領域、吹出位置または吹出範囲等の吹出状態を変更する吹出状態可変手段に相当する。
【0028】
ルーバアクチュエータは、図6に示したように、スイングルーバ46を支点を中心にして上下方向に所定のスイング範囲(例えば50度)でスイングさせるリンクレバー47と、アームプレート47aを介してリンクレバー47を上下方向に往復運動させるルーバモータ48とから構成されている。なお、各グリルのスイングルーバ46は、本発明の吹出状態可変手段に相当し、ルーバモータ48は、例えばDCサーボモータが使用され、リンクレバー47等を介してスイングルーバ46に揺動運動を与えるアクチュエータ(ルーバ駆動手段)を構成する。
【0029】
エアコンECU50は、本発明の空調範囲設定手段に相当するもので、内部にCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータが設けられ、各センサからのセンサ信号が図示しない入力回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成された吹出状態制御手段である。そして、エアコンECU50には、図2に示したように、運転席側空調ゾーンを所望の温度に設定するための運転席側温度設定スイッチ51、助手席側空調ゾーンを所望の温度に設定するための助手席側温度設定スイッチ52、およびスイングスイッチ53等が接続されている。
【0030】
なお、スイングスイッチ53は、各グリル(各FACE吹出口21a、21b、22a、22b)の吹出状態可変装置のスイングルーバ43、46の揺動作動および停止を指令するルーバ作動指令手段である。さらに、エアコンECU50には、車室内温度(以下内気温度と呼ぶ)を検出する内気温度センサ54、車室外温度(以下外気温度と呼ぶ)を検出する外気温度センサ55、および日射量検出手段としての日射センサ56が接続されている。
【0031】
また、エバポレータ10を通過した直後の空気温度(以下エバ後温度と呼ぶ)を検出するエバ後温度センサ57、エンジンの冷却水温度を検出する冷却水温度センサ58、FACE吹出口からの空調風の吹出方向および吹出位置を検出するポテンショメータ59、60、および各座席への乗員在席または乗員不在を検出するシートスイッチ61〜63が接続されている。
【0032】
これらのうち日射センサ56は、運転席側、助手席側空調ゾーン内に照射される日射量(日射強度)を検知する日射強度検知手段(例えばフォトトランジスタ、フォトダイオード、太陽電池)を有している。なお、エアコンECU50には、日射センサ56の出力信号(日射量信号)を読み込んで、太陽光の照射方向(日射方向、日射方位角)を演算する日射方向演算手段(本発明の日射方向検出手段に相当する)、および太陽光の高度(日射仰角、日射高度、太陽仰角)を演算する日射高度演算手段(日射方向検出手段)を有している。なお、これらの演算には、ナビゲーションシステムによる正確な太陽位置と車両位置との関係を考慮することが望ましい。
【0033】
ここで、車室内の空調負荷を検出する空調負荷検出手段としては、各FACE吹出口21a、21b、22a、22bからの吹出風量、ブロワ4のブロワ風量、ブロワモータ9への印加電圧(ブロワ制御電圧)、設定温度、内気温度、外気温度、エバ後温度、冷却水温度、実際の吹出温度、目標吹出温度、車速、前席(運転席、助手席)および後席(運転席側後席、助手席側後席)のシート温度、ステアリング温度、皮膚温度または乗員数等が考えられ、これらの値を検出するセンサや温度を設定する温度設定手段をも空調負荷検出手段として使用できる。
【0034】
ポテンショメータ59は、複数枚のスイングルーバ43の左右方向の吹出方向または吹出位置を検出するルーバ位置検出手段(吹出方向検出手段)で、ルーバアクチュエータ近傍にそれぞれ設けられている。また、ポテンショメータ60は、複数枚のスイングルーバ46の上下方向の吹出方向または吹出位置を検出するルーバ位置検出手段(吹出方向検出手段)で、ルーバアクチュエータ近傍にそれぞれ設けられている。具体的には、ポテンショメータ59、60は、図5および図6に示したように、リンクレバー44、47と一体的に左右方向、上下方向に往復移動する可動接点59a、60a、およびこの可動接点59a、60aの移動により分圧比を変える抵抗素子59b、60b等よりなる。
【0035】
シートスイッチ61〜63は、本発明の乗員不在検出手段に相当するもので、図1(a)に示したように、助手席、運転席側後席および助手席側後席にそれぞれ設置(装備)されて、所定の荷重が座席のシートクッションに加わった時に着座と判断し、乗員が在席(着座)するとエアコンECU50に乗員座席信号を出力し、乗員が不在であるとエアコンECU50に乗員不在信号を出力する。
【0036】
ここで、複数の座席のうち少なくとも1つ以上の座席が乗員不在であることを検出する乗員不在検出手段としては、シートスイッチ61〜63の他に、乗員から放出される赤外線を検出する赤外線センサ、人間の形状を識別して在席、不在を検出するCCD等の車室内映像検出手段、または乗員を検出する超音波センサのうち1つ以上を利用しても良い。また、乗員がシートベルトを装着した際に発信されるシートベルト装着信号を乗員不在検出手段として利用しても良い。さらに、車両のドアを開閉する際に発生するドア開閉信号を利用して、乗員の乗り降りから乗員の在席、不在を推定するようにしても良い。そして、座席付近に設置されて、乗員が在席していないと容易に入力できないスイッチ類を操作することで発生する各種スイッチ入力信号を利用して、乗員の在席、不在を推定するようにしても良い。
【0037】
これらの中には、現在車両への装備がなく、新たに車両への装備が必要なセンサ類の使用例も含めて説明したが、近年、エアバックの正確な作動のため、乗員在席検出手段や乗員不在検出手段等の乗員検出手段(乗員センサ)の設定が増えつつあり、このセンサを利用すれば大きなコストアップなしに車室内の空調機能を向上することができる。
【0038】
〔第1実施形態の空調制御方法〕
次に、本実施形態のエアコンECU50による空調制御方法を、図1ないし図10に基づいて説明する。ここで、図7はエアコンECU50の制御プログラムの一例を示したフローチャートである。
【0039】
先ず、イグニッションスイッチがONされてエアコンECU50に直流電源が供給されると、制御プログラム(図7のルーチン)の実行が開始される。このとき、先ず、データ処理用メモリ等の初期化を行う(ステップS1)。次に、データを読み込む。すなわち、各スイッチからのスイッチ信号や各センサからのセンサ信号を入力する(ステップS2)。
【0040】
次に、上記のような記憶データおよび下記の数1の式、数2の式に基づいて、運転席側の目標吹出温度TAO(Dr)、および助手席側の目標吹出温度TAO(Pa)を演算する(ステップS3)。
【数1】
【0041】
【数2】
【0042】
但し、Tset(Dr)およびTset(Pa)は、それぞれ運転席側空調ゾーンの設定温度、助手席側空調ゾーンの設定温度を表し、TR、TAM、TSdr、TSpaは、それぞれ内気温度、外気温度、運転席側空調ゾーン、助手席側空調ゾーン内への日射量を表す。Kset、KR、KAM、KS、Kd(Dr)およびKd(Pa)は、それぞれ温度設定ゲイン、内気温度ゲイン、外気温度ゲイン、日射量ゲイン、第1、第2空調ゾーンの温度差補正ゲインを表す。
【0043】
なお、Ka(Dr)、Ka(Pa)は、それぞれ外気温度TAMが運転席側空調ゾーンおよび助手席側空調ゾーンの各空調温度に及ぼす影響度合を補正するゲインを表し、CD(Dr)、CD(Pa)は上記影響度合に応じた定数、Cは補正定数を表す。ここで、Ka(Dr)、Ka(Pa)、CD(Dr)、CD(Pa)といった値は、車両の形や大きさ、空調ユニット1の吹出方向等様々なパラメータで変化する。
【0044】
次に、上記のステップS3で求めた運転席側の目標吹出温度TAO(Dr)および助手席側の目標吹出温度TAO(Pa)に基づいてブロワ4に印加するブロワ制御電圧VAを演算する(ステップS4)。具体的には、上記のブロワ制御電圧VAは、目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)にそれぞれ適合したブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を図8の特性図に基づいて求めると共に、それらのブロワ制御電圧VA(Dr)、VA(Pa)を平均化処理することにより得ている。なお、左右で風量を異ならせることができる場合には、平均化する必要はない。
【0045】
次に、上記のステップS3で求めた運転席側の目標吹出温度TAO(Dr)および助手席側の目標吹出温度TAO(Pa)と、図9の特性図に示した目標吹出温度に対する吹出口モード特性とに基づいて運転席側空調ゾーンおよび助手席側空調ゾーンの各吹出口モードを決定する(ステップS5)。具体的には、吹出口モードの決定においては、上記の目標吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)が低い温度から高い温度にかけて、FACEモード、B/Lモード、FOOTモードおよびF/Dモードとなるように決定されている。なお、F/Dモードは、図示しないエアコン操作パネルに設けられた吹出口モード切替スイッチを操作したときのみ設定されるようにしても良い。
【0046】
なお、上記のFACEモードとは、空調風を乗員の上半身(頭胸部)に向けて吹き出す吹出口モードである。また、B/Lモードとは、空調風を乗員の上半身(頭胸部)および足元部に向けて吹き出す吹出口モードである。そして、FOOTモードとは、空調風を乗員の足元部に向けて吹き出す吹出口モードである。
【0047】
さらに、F/Dモードとは、空調風を乗員の足元部および車両のフロントウインドの内面に向けて吹き出す吹出口モードである。そして、本実施形態では、図示しないエアコン操作パネルに設けられたデフロスタスイッチを操作すると、空調風を車両のフロントウインドの内面に向けて吹き出すDEFモードが設定される。また、いずれの吹出口モードにおいても、運転席側サイドFACE吹出口22aおよび助手席側サイドFACE吹出口22bは開口している。
【0048】
次に、運転席側A/Mドア15の開度SW(Dr)(%)および助手席側A/Mドア16の開度SW(Pa)(%)を演算する(ステップS6)。なお、このような開度SW(Dr)および開度SW(Pa)の演算は、運転席側の目標吹出温度TAO(Dr)および助手席側の目標吹出温度TAO(Pa)と、エバ後温度センサ57にて検出したエバ後温度(TE)と、冷却水温度センサ58にて検出した冷却水温度(TW)と、下記の数3の式および数4の式とに基づいて行われる。
【0049】
【数3】
SW(Dr)={TAO(Dr)−TE}×100/(TW−TE)
【数4】
SW(Pa)={TAO(Pa)−TE}×100/(TW−TE)
【0050】
次に、各グリル(各FACE吹出口21a、21b、22a、22b)の吹出状態可変装置のスイングルーバ43、46の揺動範囲(以下スイング範囲)を決定する(揺動範囲設定手段:ステップS7)。本実施形態では、スイングルーバ43、46のスイング範囲を50度としている。これは、運転席と助手席側後席との間をスイングする時の範囲で、車種毎に異ならせても良い。また、助手席側後席が乗員不在であることが分かっている時は、ここまでスイングルーバ43、46をスイングする必要はないし、乗員検出手段が設定されていなくても、ここまでスイングさせなくても良い。
【0051】
次に、図10のルーチンが起動して、運転席側、助手席側センタグリル41a、41b(運転席側、助手席側センタFACE吹出口21a、21b)のスイングルーバ(運転席側、助手席側センタルーバ)43、46の空調範囲(どの範囲をスイングさせるか)を決定すると共に、運転席側、助手席側サイドグリル42a、42b(運転席側、助手席側サイドFACE吹出口22a、22b)のスイングルーバ(運転席側、助手席側サイドルーバ)43、46の空調範囲(どの範囲をスイングさせるか)を決定する(空調範囲設定手段:ステップS8)。
【0052】
次に、決定されたブロワ制御電圧VAとなるようにブロワ駆動回路8に出力信号を送る。また、決定された吹出口モードとなるようにサーボモータ30〜32を通電制御する。さらに、決定された開度SW(Dr)および開度SW(Pa)となるようにサーボモータ17、18を通電制御する。そして、決定されたスイング範囲および空調範囲となるようにルーバモータ45、48に制御信号を送る(吹出状態制御手段:ステップS9)。その後に、ステップS2の処理に戻る。
【0053】
次に、エアコンECU50による空調範囲決定制御を図10ないし図12に基づいて説明する。ここで、図10はエアコンECU50による空調範囲決定を示したフローチャートである。
【0054】
先ず、図10のルーチンが起動すると、スイングモードに入っているか否かを判定する。具体的にはエアコン操作パネル内またはマルチビジョン画面内等に設けられるスイングスイッチ(S/W)53が投入(ON)されているか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果がNOの場合には、図10のルーチンを抜ける。
【0055】
また、ステップS11の判定結果がYESの場合には、スイングルーバ43、46が設けられた各グリル(各FACE吹出口21a、21b、22a、22b)から空調風が吹き出す吹出口モードであるか否かを判定する。ここで、本実施形態では、運転席側、助手席側センタFACE吹出口21a、21bのスイングルーバ(運転席側、助手席側センタルーバ)43、46の作動について述べるので、吹出口モードがFACEモードまたはB/Lモードであるか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果がNOの場合には、図10のルーチンを抜ける。
【0056】
また、ステップS12の判定結果がYESの場合には、シートスイッチ61〜63によって各座席の乗員不在または乗員在席を検出して、例えば助手席が乗員不在であるか否かを判定する(助手席乗員不在判定手段:ステップS13)。この判定結果がYESの場合には、内気温度(TR)と設定温度{Tset(Dr)、(Pa)}との温度差が15(度)以上(クールダウン中)であるか否かを判定する(ステップS14)。
【0057】
この判定結果がYESの場合には、運転席側センタルーバ43、46のルーバ方向(空調風の吹出方向:風向き)を、図1(a)に示したように、運転席の乗員(運転手)の頭胸部に向ける。一方、助手席側センタルーバ43、46の空調範囲を、図1(a)に示したような空調範囲(運転席と助手席側後席との間でスイング)に設定する(空調範囲設定手段:ステップS15)。その後に、図10のルーチンを抜ける。
【0058】
また、ステップS14の判定結果がNOの場合には、内気温度(TR)と設定温度{Tset(Dr)、(Pa)}との温度差が5(度)以上であるか否かを判定する(ステップS16)。この判定結果がYESの場合には、運転席側センタルーバ43、46のルーバ方向(風向き)を、図1(b)に示したように、運転席の乗員の頭胸部に向ける。一方、助手席側センタルーバ43、46の空調範囲を、図1(b)に示したような空調範囲(運転席側後席と助手席側後席との間でスイング)に設定する(空調範囲設定手段:ステップS17)。その後に、図10のルーチンを抜ける。
【0059】
また、ステップS16の判定結果がNOの場合、あるいは、ステップS13の判定結果がNOの場合には、運転席側センタルーバ43、46の空調範囲を、図1(c)に示したような空調範囲(運転席と助手席側後席との間でスイング)に設定する。一方、助手席側センタルーバ43、46の空調範囲を、図1(c)に示したような空調範囲(助手席と運転席側後席との間でスイング)に設定する(空調範囲設定手段:ステップS18)。その後に、図10のルーチンを抜ける。
【0060】
〔第1実施形態の作用〕
次に、本実施形態の車両用空調装置の作用を図1ないし図10に基づいて説明する。
【0061】
スイングスイッチ53が投入(ON)されている時に、吹出口モードがFACEモード(B/Lモードでも良い)の場合には、ブロワ4の作用によって外気吸込口7から吸い込まれた外気がエバポレータ10で例えば4℃程度まで冷やされた後に、第1、第2空気通路11、12に入り、運転席側、助手席側A/Mドア15、16の開度に応じてヒータコア13を通過する量が調節されてそれぞれ最適な温度の空調風となる。
【0062】
その後に、空調風(冷風)は、第1、第2空気通路11、12の最下流端で開口した運転席側センタFACE吹出口21a、運転席側サイドFACE吹出口22a、助手席側センタFACE吹出口21bおよび助手席側サイドFACE吹出口22bから車室内に吹き出される。特に冷風は、運転席側センタ、サイドFACE吹出口21a、22aから運転席の乗員および助手席側後席の乗員の上半身に向けて吹き出され、助手席側センタ、サイドFACE吹出口21b、22bから助手席の乗員および運転席側後席の乗員の上半身に吹き出される。
【0063】
このとき、スイングスイッチ53がONされているので、運転席側、助手席側センタFACE吹出口21a、21bに設置された運転席側、助手席側センタルーバ43、46、および運転席側、助手席側サイドFACE吹出口22a、22bに設置された運転席側、助手席側サイドルーバ43、46は、所定のスイング範囲(例えば50度)でスイングする。
【0064】
ここで、エアコンECU50がシートスイッチ61〜63の出力信号を検出した結果、助手席のみが乗員不在で、且つ車室内が非常に暑い(クールダウン中の)場合には、図1(a)に示したように、先ず運転席の乗員が安全な運転ができるように、運転席の乗員の上半身に向けて多くの冷風が供給される。すなわち、運転席側、助手席側センタルーバ43、46が運転席を中心にスイングすることで、運転席側、助手席側センタFACE吹出口21a、21bからの冷風が多く運転席の乗員の上半身に当たる。
【0065】
このとき、運転席側でのスイングの揺動端において運転席側、助手席側センタルーバ43のスイングを停止させるスイング停止時間を設定しても良いし、後席側でのスイングの揺動端においてスイング停止時間を設定しても良い。さらに、どちら側にもスイング停止時間を設定したり、スイング停止時間をどちらかが長くなるように設定しても良い。
【0066】
このスイング停止時間は、車両の前席側空調ゾーンと後席側空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行うことが可能な車両であれば、設定温度が低い側(より冷たい冷風に当たりたい側)でスイング停止時間が長くなるように設定しても良い。その他、スイッチ類で乗員が設定できるようにしても良い。その他、空調負荷から求めるようにしても良い。また、スイングを停止するのではなく、スイング範囲の一部を非常にゆっくり揺動するようにしても同様な効果が得られる。
【0067】
また、車両の各座席のうち助手席のみが乗員不在で、且つステップS14の状態よりは暑くないが、定常状態よりも暑い場合には、図1(b)に示したように、ステップS15の空調範囲{図1(a)参照}とステップS18の空調範囲{図1(c)参照}との中間の空調範囲で、助手席側センタルーバ43、46をスイングさせる。このとき、運転席側センタルーバ43、46の空調範囲は図1(a)の範囲から変えない。本実施形態では、スイング範囲(例えば50度)を変えないで、助手席側にスイング範囲をシフトしているが、運転席を含むスイング範囲でスイングを拡げるようにしても良い。また、後席側でスイング速度を遅くしても同様の効果が得られる。
【0068】
また、車両の各座席のうち助手席のみが乗員不在で、且つ車室内の空調状態が定常状態である場合、あるいは助手席が乗員不在である場合には、図1(c)に示した空調範囲で助手席側センタルーバ43、46をスイングさせて、不在座席である助手席にも直接冷風が行き渡るようにする。これは、車室内気流の状態によっては、助手席側の空気が運転席側に流れ込むため、助手席側の温度が高いとき、不快な温風が在席座席(着座席)に流れ込むのを防止するためと、助手席に置く可能性のある冷凍食品や冷蔵食品等の食品等の温度を上げ過ぎないようにするためである。
【0069】
〔第1実施形態の効果〕
以上のように、本実施形態の車両用空調装置は、シートスイッチ61〜63にて例えば助手席が乗員不在であることを検出した場合には、助手席側センタFACE吹出口21bに設けられた助手席側センタルーバ43、46の揺動範囲を、助手席よりも運転席の乗員、運転席側後席の乗員および助手席側後席の乗員を優先して空調(冷風を当てる)する空調範囲(スイング範囲は例えば50度)が選択される。
【0070】
それによって、仮に後席にシートセンサを持たなくても、助手席が乗員不在であれば運転席側後席の乗員および助手席側後席の乗員に優先して助手席側センタFACE吹出口21bから吹き出される空調風が直接当たる可能性が高くなる。したがって、仮に後席にシートセンサを持たなくても、後席側の空調が犠牲になることはなく、運転席側後席の乗員および助手席側後席の乗員が直接空調風が当たることにより快適感を向上できる。
【0071】
また、不在座席よりも他の座席を優先して空調する空調範囲の設定を、図1(a)→図1(b)に示したように、内気温度と設定温度との温度差が所定の空調条件(例えば15度未満)になる前よりも優先度を緩和したり、図1(b)→図1(c)に示したように、内気温度と設定温度との温度差が所定の空調条件(例えば5度未満)になったら解除したりするようにしている。それによって、仮にクールダウン時に助手席側センタFACE吹出口21bから吹き出される空調風が運転席の乗員の身体に集中的に当たるような空調範囲に設定した場合でも、定常状態になればその空調状態が解除されるので、運転席の乗員が煩わしさを感じることはない。
【0072】
なお、本実施形態では、乗員の不在座席である助手席側センタルーバ43、46をスイングさせているため、運転席においては、空調風の煩わしさが少ない。そのため、図1(b)、図1(c)に示したように、運転席側センタルーバ43、46の空調範囲を図1(a)の範囲から変える必要はない。こうした場合、助手席に何が置いてあるのかを考慮しなければ、図1(a)の状態を常に行うことで、省動力空調を行うことができる。
【0073】
また、図1(a)に示したように、乗員の在席座席である運転席側センタルーバ43、46のルーバ方向(風向き)と乗員の不在座席である助手席側センタルーバ43、46のルーバ方向(風向き)とを揃え、運転席側、助手席側センタルーバ43、46がスイングする方向を揃えることで、運転席の乗員に当たる空調風にメリハリが出て空調風の煩わしさを軽減することもできる。
【0074】
〔第2実施形態〕
図11は本発明の第2実施形態を示したもので、図11は各空調負荷と所定時間との関係を示した特性図である。
【0075】
本実施形態では、第1実施形態の図10のステップS14、S16で行った空調負荷の判定を、下記の表1に示したように、他の空調負荷で行うようにしている。この場合も、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【表1】
【0076】
また、図1(a)から図1(b)に移る時、更に、図1(b)から図1(c)に移る時の条件を所定時間で設定することもできる。この所定時間は固定値にすることもできるし、図11の特性図に示したように、外気温度、空調初期内気温度、初期シート温度または初期ステアリング温度や、空調初期エバ後温度または空調初期吹出温度や、空調初期内気温度と設定温度との温度差や、日射量や、日射方向や、設定温度や、吹出口モードや、車速等の各空調負荷のいずれか1つから求めても良い。このようにすることでも、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0077】
〔第3実施形態〕
図12は本発明の第3実施形態を示したもので、図12(a)〜図12(c)は助手席不在時の空調範囲の移り変わりを示した図である。
【0078】
先ず、吹出温度が下がり難い高熱負荷条件では、図12(a)に示したように、運転席側センタルーバ43、46のルーバ方向を主に運転席に向け、助手席側センタルーバ43、46を運転席側に向けて所定のスイング範囲(例えば50度)でスイングさせる。また、内気温度が設定温度に近づいて来たら、図12(b)に示したように、運転席側センタルーバ43、46のルーバ方向は変えないが、助手席側センタルーバ43、46を運転席後席から助手席側後席に渡るように所定のスイング範囲(例えば50度)でスイングさせる。そして、定常状態となたら、運転席側、助手席側センタルーバ43、46を運転席、助手席を中心に所定のスイング範囲(例えば50度)でスイングさせる。
【0079】
したがって、吹出温度が下がり難い高熱負荷条件では、車両に乗車している乗員は少しでも空調風が外れると暑く感じ不快となる。そのため、図12(a)、(b)に示したように、運転席側センタルーバ43、46の向き(吹出方向、風向き)を常に運転席の乗員の頭胸部に向けて固定しておくことで、運転席の乗員に不快感を与えることはない。さらに、スイングしている助手席側センタルーバ43、46の向きが運転席の乗員に向いた時に空調風に変化できて(運転席の乗員に直接当たる空調風が増えて)、運転席の乗員の快適感をより向上させることもできる。
【0080】
〔第4実施形態〕
図13は本発明の第4実施形態を示したもので、図13(a)〜図13(c)は助手席不在時の風向きおよび空調範囲の移り変わりを示した図である。
【0081】
非常に空調熱負荷が高く、各FACE吹出口から吹き出される空調風の吹出温度が7℃に下がるのに3分間もかかるような空調条件下では、運転席の乗員による安全な運転状態を確保する必要がある。このような空調初期には、図13(a)に示したように、運転席側、助手席側センタルーバ43、46および運転席側、助手席側サイドルーバ43、46の吹出方向(風向き)を全て運転席の乗員に向けた状態で固定するようにしても良い。
【0082】
また、このような場合には、助手席側後席の乗員の空調は後回しとなるため、運転席の乗員の快適感が許容レベルまで向上した後は、図13(b)に示したように、運転席側センタルーバ43、46の向きは運転席の乗員で、助手席側センタルーバ43、46を助手席側後席の乗員に向くようにしても良い。そして、定常状態になれば、図13(c)に示したように、運転席の乗員の煩わしさをなくすため、運転席側、助手席側センタルーバ43、46を所定のスイング範囲(例えば50度)でスイングすることで、乗員の不在座席である助手席を含めた車室内全体を空調する。
【0083】
〔第5実施形態〕
図14は本発明の第5実施形態を示したもので、図14(a)〜図14(c)は助手席不在時の風向きおよび空調範囲の移り変わりを示した図である。
【0084】
前席側空調ゾーンと後席側空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行うことが可能な空調ユニットを搭載した車両で、後席側の設定温度の方が前席側の設定温度よりも低かったり、後席重視タイプの高級車(高級グレード)であったり、吹出状態変更装置の設定が後席優先モードであったりした場合には、図14(a)に示したように、高熱負荷条件下では先ず運転席側、助手席側センタルーバ43、46の向き(風向き)を運転席側後席の乗員方向および助手席側後席の乗員方向に固定する。
【0085】
そして、運転席側後席および助手席側後席を優先的に空調した後に、図14(b)に示したように、運転席側センタルーバ43、46の向き(風向き)を運転席の乗員方向に固定して、運転席を空調する。このとき、助手席側センタルーバ43、46の向きは助手席側後席の乗員方向で、助手席側後席を空調している。そして、定常状態になれば、図14(c)に示したように、運転席側、助手席側センタルーバ43、46を所定のスイング範囲(例えば50度)でスイングさせることで車室内全体を空調する。
【0086】
〔第6実施形態〕
図15ないし図17は本発明の第6実施形態を示したもので、図15(a)〜図15(c)は助手席不在時の空調範囲の移り変わりを示した図で、図16(a)〜図16(c)は助手席不在時の風向きおよび空調範囲の移り変わりを示した図で、図17(a)〜図17(c)は助手席不在時の風向きおよび空調範囲の移り変わりを示した図である。
【0087】
本実施形態は、運転席側、助手席側サイドグリル42a、42bに、吹出状態可変手段としての運転席側、助手席側サイドルーバ43、46が設けられている時の本発明の適用例である。運転席側、助手席側センタグリル41a、41bにも、吹出状態変更手段としての運転席側、助手席側センタルーバ43、46が設けられている場合には、上記の各実施形態と組み合わせることで、より効果的な空調制御を行うことができる。
【0088】
図15(a)〜図15(c)は運転席側、助手席側サイドルーバ43、46を運転席と運転席側後席との間でスイングさせる例で、第1実施形態と同様な効果が得られる上に、運転席から手が届かない助手席側サイドルーバ43、46の向き(スイング揺動端)が運転席の方に向くことにより、運転席側、助手席側サイドルーバ43、46の両方を運転席の乗員に向けることができる。
【0089】
図16(a)は運転席側、助手席側サイドルーバ43、46を運転席の乗員方向に向けた状態で固定する例である。そして、図16(b)、(c)は助手席側サイドルーバ43、46を運転席と運転席側後席との間でスイングさせる例で、第1実施形態と同様な効果が得られる上に、運転席から手が届かない助手席側サイドルーバ43、46の向き(スイング揺動端)が運転席の方に向くことにより、運転席側、助手席側サイドルーバ43、46の両方を運転席の乗員に向けることができる。
【0090】
図17(a)は運転席側サイドルーバ43、46を運転席の乗員方向に向けた状態で固定し、助手席側サイドルーバ43、46を助手席側後席とこの近傍のサイド窓ガラスとの間に向けた状態で固定して、運転席の乗員と助手席側後席の乗員とを主に空調する例である。そして、図17(b)は助手席側サイドルーバ43、46を運転席側後席の乗員方向に向けた状態で固定した例である。そして、図17(c)は運転席側、助手席側サイドルーバ43、46を運転席と運転席側後席との間でスイングさせる例である。
【0091】
〔第7実施形態〕
図18は本発明の第7実施形態を示したもので、図18はエアコン操作パネルを示した図である。
【0092】
本実施形態では、運転席側、助手席側サイドFACE吹出口22a、22bは、近傍のサイドウインドの内面の曇りの除去および防曇のために、吹出口モードがFOOTモード、F/DモードまたはDEFモードであっても常に開口している。また、本実施形態では、運転席側、助手席側センタFACE吹出口21a、21bに設けた複数枚のスイングルーバ43、46をセンタルーバ43、46と呼び、運転席側、助手席側サイドFACE吹出口22a、22bに設けた複数枚のスイングルーバ43、46をサイドルーバ43、46と呼ぶ。また、本実施形態の日射センサ56は、車室内に照射される日射量を検知する日射強度検知手段、太陽光の照射方向を検知する日射方向検知手段、および太陽光の高度を検知する日射高度検知手段を有している。
【0093】
そして、エアコン操作パネル64には、運転席側温度設定スイッチ65、助手席側温度設定スイッチ66、自動制御を指令するAUTOスイッチ67、制御停止を指令するOFFスイッチ68、ブロワ4の風量レベルを設定するブロワスイッチ69、運転席側と助手席側の温度制御を独立に行わせるDUALスイッチ70、吹出口モードを切り替えるMODEスイッチ71、冷凍サイクルの運転および運転停止を指令するA/Cスイッチ72、吸込口モードを切り替えるR/Fスイッチ73、フロントウインドの曇りを防止するためのFrDEFスイッチ74、リヤウインドの曇りを防止するためのRrDEFスイッチ75、および吹出状態可変装置を作動させるためのルーバ操作パネル76等が配設されている。これらの各種スイッチ類は、遠隔操作を行うリモートコントローラに設置しても良い。
【0094】
上記のうちルーバ操作パネル76には、吹出状態可変装置の作動モード切替スイッチ77と、切り替えられた作動モードに応じて点灯する5個のLCDと、運転席側の吹出状態可変装置のみを作動させる運転席側押しボタン78と、助手席側の吹出状態可変装置のみを作動させる助手席側押しボタン79と、運転席側,助手席側の吹出状態可変装置の両方を作動させるMATCH押しボタン80とが設置されている。なお、作動モード切替スイッチ77は、回すことにより、吹出状態可変装置の作動を停止する「STOP」、吹出状態可変装置の作動を自動制御(オートルーバ制御)する「AUTO」、後席側空調ゾーンへの配風量を増やす「Rr」、ルーバアクチュエータのみを作動させる「R−L/SWING」、ルーバアクチュエータ「U−D/SWING」のみを作動させる等の各作動モードに切り替えることができる。ここで、81は各センタFACE吹出口21a、21bを開閉するシャッタ機構(図示せず)を手動操作するための操作レバーであり、82は乗員が手動操作によりスイングルーバ43、46の向きを変更するための摘みである。
【0095】
〔第8実施形態〕
図19は本発明の第8実施形態を示したもので、エアコン操作パネルを示した図である。
【0096】
本実施形態では、運転席側と助手席側とにそれぞれルーバ操作パネル76を設けている。そして、運転席側、助手席側のルーバ操作パネル76には、運転席側、助手席側センタFACE吹出口21a、21bの吹出状態可変装置と運転席側、助手席側サイドFACE吹出口22a、22bの吹出状態可変装置とを独立して制御できるように、センタルーバスイッチ91とサイドルーバスイッチ92とがそれぞれ設けられている。
【0097】
本実施形態では、運転席側、助手席側のルーバ操作パネル76に設けられた作動モード切替スイッチ77を「U−DSWING」または「R−LSWING」に設定すると、定められた所定のスイング範囲で、スイングルーバ43、46をスイングさせることができる。このスイング範囲は、乗員のマニュアル操作、着座位置、空調熱負荷、スイング時間等に応じて補正を加えても良い。
【0098】
〔第9実施形態〕
図20および図21は本発明の第9実施形態を示したもので、図20は車両のインストルメントパネルを示した図で、図21は空調ユニットのフェイスダクトを示した図である。
【0099】
本実施形態では、第2実施形態の空調ダクト2内の仕切り板14を廃止している。そして、前席側FACE吹出口として、空調ダクト2の空気下流側端部に連結されたフェイスダクト160の最空気下流側で開口するワイドフローFACE吹出口161が設けられている。ワイドフローFACE吹出口161は、インストルメントパネル39の前面中央で開口する運転席側、助手席側センタFACE吹出口162、163と、インストルメントパネル39の車両幅方向両側、すなわち、車両のサイドウインド近傍で開口する運転席側、助手席側サイドFACE吹出口164、165と、これらのFACE吹出口の間で開口する運転席側、助手席側ミドルFACE吹出口166、167とから構成されている。なお、各FACE吹出口162〜167には、乗員の手動操作により空調風の吹出方向を変更するための複数のルーバがそれぞれ設けられている。
【0100】
そして、フェイスダクト160には、各FACE吹出口162〜167を開閉するためのFACEドア171が回動自在に取り付けられており、運転席側サイド、ミドルFACE吹出口164、166を開閉するための運転席側ミドルFACEドア172が回動自在に取り付けられており、助手席側サイド、ミドルFACE吹出口165、167を開閉するための助手席側ミドルFACEドア173が回動自在に取り付けられている。なお、運転席側、助手席側ミドルFACEドア172、173は、本発明の吹出状態可変手段に相当するもので、開度に応じて運転席側、助手席側サイドFACE吹出口164、165および運転席側、助手席側ミドルFACE吹出口166、167から各空調エリア内に吹き出す空調風の吹出状態(例えばワイド吹出モードとスポット吹出モード)を変更する。
【0101】
本実施形態では、サーボモータ等のアクチュエータによりFACEドア171を開放側に動かし、サーボモータ等のアクチュエータにより運転席側、助手席側ミドルFACEドア172、173を閉塞側に動かす。それによって、運転席側、助手席側センタFACE吹出口162、163および運転席側、助手席側サイドFACE吹出口164、165を開放し、運転席側、助手席側ミドルFACE吹出口166、167を閉塞することにより、ワイドフローFACE吹出口161の開口面積を小さくすることで、ワイドフローFACE吹出口161から吹き出される空調風の吹出範囲を小さくして空調エリア内の乗員の身体の一部分に局所的に空調風を吹き出す(スポット吹出モード)。
【0102】
また、FACEドア171を開放側に動かし、運転席側、助手席側ミドルFACEドア172、173を中間位置に動かす。それによって、運転席側、助手席側センタFACE吹出口162、163、運転席側、助手席側サイドFACE吹出口164、165および運転席側、助手席側ミドルFACE吹出口166、167を開放することにより、ワイドフローFACE吹出口161の開口面積を大きくすることで、ワイドフローFACE吹出口161から吹き出される空調風の吹出範囲を大きくして空調エリア内に拡散的に空調風を吹き出す(ワイド吹出モード)。
【0103】
なお、フェイスダクト160内にFACEドアを追加して更に細やかな配風量の変更制御を行うようにしても良いし、空調ダクト2およびフェイスダクト160内に仕切り板を1個または2個以上入れて、それぞれの空気通路毎に送風機を配置して、各送風機の送風量を異ならせることで、運転席側、助手席側空調エリア内の乗員毎の配風量を変更しても良い。
【0104】
〔第10実施形態〕
図22および図23は本発明の第10実施形態を示したもので、図22は吹出状態可変装置を示した図である。
【0105】
本実施形態の吹出状態可変装置は、複数のルーバ201、ルーバモータ202、リンクプレート203およびリンクレバー204等から構成されている。ルーバ201は、FACE吹出口205を形成するFACEグリル206に回転自在に支持された回転軸207を中心として回動可能に設けられ、回転軸207と反対側の上端部に図示上方へ突出するピン208を具備している。
【0106】
ルーバモータ202は、出力軸(図示せず)の先端外周にギヤ209が固定されている。リンクプレート203は、FACEグリル206の上部に配されて、その一端部にルーバモータ202のギヤ209と噛み合うラック210を具備し、出力軸の回転に伴ってFACEグリル206の前後にスライド可能に設けられている。また、リンクプレート203には、複数本(ルーバ201の個数と同じ)のリンク溝211が形成されている。
【0107】
リンクレバー204は、リンクプレート203の動きをルーバ201に伝達するもので、ルーバ201と同じ個数だけ設けられ、リンクプレート203のリンク溝211に嵌合するピン212と、ルーバ201に具備されたピン208が嵌合するガイド溝213とが形成されている。
【0108】
本実施形態では、ルーバモータ202の出力軸が回転してリンクプレート203がFACEグリル206上を前方へ移動すると、図23(a)に示したように、各リンクレバー204を介して各ルーバ201の向きがそれぞれ乗員方向を向いた位置に駆動される。これにより、センタFACEグリル206とサイドFACEグリル206より空調風が乗員方向へ集中的に吹き出される(集中モード)。
【0109】
一方、ルーバモータ202の出力軸が逆回転してリンクプレート203がFACEグリル206上を後方へ移動すると、図23(b)に示したように、各リンクレバー204を介して各ルーバ201の向きが外側へ拡がるように駆動される。これにより、センタFACEグリル206とサイドFACEグリル206より吹き出される空調風がそれぞれ拡散される(拡散モード)。
【0110】
この吹出状態可変装置によれば、集中モードを選択することで空調風を集中的に乗員に向けることができる。また、拡散モードを選択すれば、空調ゾーン内に広く空調風を当てることができると共に、乗員への空調風の配風量を減らすこともできる。
【0111】
〔第11実施形態〕
図24は本発明の第11実施形態を示したもので、吹出状態可変装置を示した図である。
【0112】
本実施形態の吹出状態可変装置は、ケース221と、このケース221に対して回動自在に組み付けられたドラム222と、このドラム222に取り付けられたルーバ223等から構成されている。この吹出状態可変装置は、ケース221に対しドラム222を回動させることにより、ドラム222と一体的にルーバ223の向きが変化して空調風の吹出方向を変えることができる。
【0113】
〔第12実施形態〕
図25ないし図29は本発明の第12実施形態を示したもので、図25および図26(a)は吹出状態可変装置を示した図である。
【0114】
本実施形態の吹出状態可変装置は、細長い円筒状態に設けられたルーバ本体301と、このルーバ本体301を回転駆動するルーバモータ302とを備えている。ルーバ本体301には、図26(b)に示したように、回転中心より偏心した位置に一定幅の円弧状を成す空気通路301aが形成されている。
この吹出状態可変装置は、例えば図27に示したように、ワンボックスカー等の車両303の空気吹出口304{図26(a)参照}に取り付けて使用することができる。
【0115】
ルーバ本体301は、ルーバモータ302により回転駆動されることで、空気吹出口304より吹き出される空調風の吹出方向を上下方向の任意の方向に選択できる。例えば図28(a)に示す位置では、主に乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すことができる。また、図28(b)に示す位置では、主に乗員の下半身に向けて空調風を吹き出すことができる。そして、図28(c)に示す位置では、車両303の天井方向に向けて空調風を吹き出すことができる。さらに、図28(d)に示す位置では、空気吹出口304を閉塞することができる。
また、ルーバ本体301をスイングさせると、図29(a)〜図29(c)に示したように、ルーバ本体301のスイング幅に応じて、空気吹出口304より吹き出される空調風を所定のスイング範囲で吹き出すことができる。
【0116】
〔第13実施形態〕
図30ないし図33は本発明の第13実施形態を示したもので、図30は吹出状態可変装置を示した図である。
【0117】
本実施形態の吹出状態可変装置は、空調風の吹出領域を車幅方向で変更できるもので、FACE吹出口307を形成するケース308に対し回転自在に取り付けられた回転バルブ309を備えている。ケース308には、背面に接続された2本の送風ダクト310より空調風が供給される。ケース308の前面には、格子状のFACEグリル311が取り付けられている。
【0118】
回転バルブ309は、両端に取り付けられた調整ダイヤル312、および図示しないバルブモータによって回転位置を調整することができ、例えば図31(a)〜図31(c)および図32(a)〜図32(c)に示したように、回転バルブ309の回転位置によりFACE吹出口307の開口状態を変更することにより、空調風の吹出領域を車幅方向で変更することができる。また、図33(a)〜図33(e)に示したように、回転バルブ309の形状を変更することで多様な吹出状態を得ることが可能である。なお、この回転バルブ309を第7実施形態のルーバ本体301として使用することもできる。
【0119】
〔第14実施形態〕
図34および図35は本発明の第14実施形態を示したもので、図34および図35はルーバアクチュエータを示した図である。
【0120】
本実施形態では、ルーバ駆動手段としてステッピングモータ43a、46aを用い、乗員がスイングスイッチ(図示せず)を操作することによってエアコンECU50からステッピングモータ43a、46aにパルス信号が出力されてスイングルーバ43、46をスイングさせることができる。そして、エアコンECU50から出力されるパルスの数(ONの数)をカウントすることによりルーバ移動量を演算できるため、第1実施形態のポテンショメータ59、60の代わりにルーバ位置検出手段として利用できる。
【0121】
但し、乗員がスイングルーバ43、46を操作すると、実際の風向きとエアコンECU50が記憶している風向きとが異なってしまうため、目標の風向きに正確に向ける時には、多くのパルスを送ってスイング限界点に突き当たって、そこを原点として目標位置に向くため、パルスを送るという手順が必要である。
【0122】
本実施形態の吹出状態可変装置は、上述した方法によりスイングルーバ制御を行うことにより、本実施形態の全ての制御を適用することがきる。
なお、ステッピングモータ43a、46aを用いたスイングルーバ43、46にポテンショメータを設けたり、また、ルーバ方向を手動操作するための手動操作スイッチを設け、手動操作した分(操作量)だけパルスを余分に送る(逆方向も含む)手段を設けても良い。
【0123】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、各グリルをインストルメントパネル39に固定したが、各グリルを左右方向に回動自在に支持された状態で格納部材に取り付けても良く、各グリルを上下方向に回動自在に支持された状態で格納部材に取り付けても良い。この場合には、グリル本体を吹出状態可変手段として使用できる。
【0124】
本実施形態では、スイングルーバとして、各FACE吹出口に左右方向に揺動運動するスイングルーバ43および上下方向に揺動運動するスイングルーバ46の両方を設けたが、スイングルーバとして、各FACE吹出口に左右方向に揺動運動するスイングルーバ43または上下方向に揺動運動するスイングルーバ46のいずれか一方のみを設けても良い。本実施形態では、定常状態の時に、運転席側、助手席側センタルーバ43、46のスイング範囲を同一にしているが、異ならせても良い。また、運転席側、助手席側サイドルーバ43、46のスイング範囲を同一にしているが、異ならせても良い。
【0125】
そして、運転席側、助手席側センタルーバ43、46の揺動開始の方向を、空調風の吹出方向(風向き)が互いに近づく方向となるようにしても良く、逆に、空調風の吹出方向(風向き)が互いに遠ざかる方向となるようにしても良い。また、運転席側センタ、サイドルーバ43、46の揺動開始の方向を、空調風の吹出方向(風向き)が互いに近づく方向となるようにしても良く、逆に、空調風の吹出方向(風向き)が互いに遠ざかる方向となるようにしても良い。同じように、助手席側センタ、サイドルーバ43、46の揺動開始の方向を、空調風の吹出方向(風向き)が互いに近づく方向となるようにしても良く、逆に、空調風の吹出方向(風向き)が互いに遠ざかる方向となるようにしても良い。
【0126】
本実施形態では、吹出口から吹き出される空調風の吹出状態を変更する吹出状態可変手段として、空調風の吹出方向、吹出範囲または配風量(吹出風量)を変更する吹出方向可変手段を使用した例を説明したが、吹出状態可変手段として、空調風の吹出位置(吹出高さ、吹出幅)を変更する吹出位置可変手段を使用しても良い。
【0127】
また、日射方向検出手段として、カーナビゲーションシステムのマイクロコンピュータにその日時の太陽高度や車両の現在位置に対する日射方向を記憶させている場合には、そのカーナビゲーションシステムの出力信号を日射センサ信号としてエアコンECUに読み込むようにしても良い。
【0128】
本実施形態では、本発明を車両の前席側の吹出状態可変装置に適用した例を示したが、本発明を車両の中間座席側、後席側の吹出状態可変装置に適用しても良い。
また、スイングルーバ43、46等の吹出状態可変手段のスイングの原点は、その吹出状態可変手段の近傍のサイドウインド側にしても良いし、乗員側にしても良い。
【0129】
本実施形態では、乗員のシート位置(ポジション)や乗員の好みに応じて、補正や変更できるように、エアコン操作パネルの液晶素子(ディスプレイ)上で設定操作ができたり、特殊なスイッチ操作により設定操作ができたり、外部機器(例えばリモートコントローラ)からの通信入力により設定操作ができることが望ましい。特に乗員のシートポジションや乗員の好みに応じた補正を必要とするものは、内気温度が非常に高い時にスイングルーバ43、46等の吹出状態可変手段を乗員に向けるか向けないか、また、向ける方向はどこにするのか、また、吹出状態可変手段のスイング範囲を広めに設定するのか狭めに設定するのか等である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は助手席不在時の空調範囲の移り変わりを示した説明図である(第1実施形態)。
【図2】車両用空調装置の全体構成を示した構成図である(第1実施形態)。
【図3】車両のインストルメントパネルを示した正面図である(第1実施形態)。
【図4】吹出状態可変装置の全体構成を示した概略図である(第1実施形態)。
【図5】スイングルーバとルーバアクチュエータを示した概略図である(第1実施形態)。
【図6】スイングルーバとルーバアクチュエータを示した概略図である(第1実施形態)。
【図7】エアコンECUの制御プログラムの一例を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図8】目標吹出温度に対するブロワ制御電圧特性を示した特性図である(第1実施形態)。
【図9】目標吹出温度に対する吹出口モード特性を示した特性図である(第1実施形態)。
【図10】空調範囲決定を示したフローチャートである(第1実施形態)。
【図11】各空調負荷と所定時間との関係を示した特性図である(第2実施形態)。
【図12】(a)〜(c)は助手席不在時の空調範囲の移り変わりを示した説明図である(第3実施形態)。
【図13】(a)〜(c)は助手席不在時の風向きおよび空調範囲の移り変わりを示した説明図である(第4実施形態)。
【図14】(a)〜(c)は助手席不在時の風向きおよび空調範囲の移り変わりを示した説明図である(第5実施形態)。
【図15】(a)〜(c)は助手席不在時の空調範囲の移り変わりを示した説明図である(第6実施形態)。
【図16】(a)〜(c)は助手席不在時の風向きおよび空調範囲の移り変わりを示した説明図である(第6実施形態)。
【図17】(a)〜(c)は助手席不在時の風向きおよび空調範囲の移り変わりを示した説明図である(第6実施形態)。
【図18】エアコン操作パネルを示した正面図である(第7実施形態)。
【図19】エアコン操作パネルを示した正面図である(第8実施形態)。
【図20】車両のインストルメントパネルを示した正面図である(第9実施形態)。
【図21】空調ユニットのフェイスダクトを示した断面図である(第9実施形態)。
【図22】吹出状態可変装置を示した斜視図である(第10実施形態)。
【図23】(a)、(b)は吹出状態可変装置の作動説明図である(第10実施形態)。
【図24】吹出状態可変装置を示した断面図である(第11実施形態)。
【図25】吹出状態可変装置を示した斜視図である(第12実施形態)。
【図26】(a)は吹出状態可変装置を示した断面図で、(b)はルーバ本体を示した断面図である(第12実施形態)。
【図27】吹出状態可変装置の取付位置を示した車両の模式図である(第12実施形態)。
【図28】(a)〜(d)は吹出状態可変装置の作動説明図である(第12実施形態)。
【図29】(a)〜(c)は空調風のスイング範囲を示した模式図である(第12実施形態)。
【図30】吹出状態可変装置を示した分解斜視図である(第13実施形態)。
【図31】(a)〜(c)は吹出状態可変装置の作動説明図である(第13実施形態)。
【図32】(a)〜(c)は吹出状態可変装置の作動説明図である(第13実施形態)。
【図33】(a)〜(e)は回転バルブの変形例を示した斜視図である(第13実施形態)。
【図34】スイングルーバとルーバアクチュエータを示した概略図である(第14実施形態)。
【図35】スイングルーバとルーバアクチュエータを示した概略図である(第14実施形態)。
【符号の説明】
1 空調ユニット
2 空調ダクト
4 ブロワ(送風機)
43 スイングルーバ(吹出状態可変手段)
46 スイングルーバ(吹出状態可変手段)
50 エアコンECU(空調範囲設定手段)
21a 運転席側センタFACE吹出口
22a 運転席側サイドFACE吹出口
21b 助手席側センタFACE吹出口
22b 助手席側サイドFACE吹出口
Claims (13)
- (a)車両の複数の座席に対応して開口した複数の吹出口を有する空調ユニットと、
(b)前記複数の吹出口に設けられ、前記吹出口から車室内に向けて吹き出す空調風の空調範囲をそれぞれ変更する複数の吹出状態可変手段と、
(c)前記複数の座席のうち少なくとも1つ以上の座席が乗員不在であることを検出する乗員不在検出手段とを備え、
(d)前記複数の座席は、前部座席としての運転席および助手席と、これらの運転席および助手席よりも後方に設置された後部座席とを有し、
(e)前記複数の吹出口は、前記運転席の車両前方側の運転席側フェイス吹出口と、前記助手席の車両前方側の助手席側フェイス吹出口とを備え、
(f)前記乗員不在検出手段は、前記助手席の乗員不在を検出し、
(g)前記乗員不在検出手段にて前記助手席が乗員存在であることを検出した時には、前記助手席側フェイス吹出口の前記吹出状態可変手段の空調範囲を、前記助手席を中心に空調するように設定し、前記助手席が乗員不在であることを検出した時には、前記助手席側フェイス吹出口の前記吹出状態可変手段の空調範囲を、前記運転席又は後部座席を優先して空調する空調範囲に変更する空調範囲設定手段とを備え、
(h)前記空調範囲設定手段は、前記運転席又は後部座席を優先して空調する空調範囲の設定を、所定時間後または所定の空調条件になったら、解除するか、あるいは所定時間前または所定の空調条件になる前よりも優先度を緩和する
ことを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1に記載の車両用空調装置において、前記空調範囲設定手段は、前記乗員不在検出手段が前記助手席の乗員不在を検出した時に、前記助手席側フェイス吹出口の吹出状態可変手段の空調範囲を運転席と後部座席との間に設定することを特徴とする車両用空調装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の車両用空調装置において、前記空調ユニットは、車室内の第1空調ゾーンとこの第1空調ゾーンと異なる車室内の第2空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行うことが可能な空調ユニットで、前記空調範囲設定手段は、前記助手席よりも前記運転席又は後部座席を優先して空調する空調範囲の設定を、前記第1空調ゾーンの設定温度と前記第2空調ゾーンの設定温度との温度差に応じて補正することを特徴とする車両用空調装置。
- 請求項3に記載の車両用空調装置において、前記空調範囲設定手段は、前記助手席よりも前記運転席又は後部座席を優先して空調する空調範囲の設定を、前記第1空調ゾーンと前記第2空調ゾーンとのうち、設定温度が低い側の空調ゾーンを優先的に空調するように補正することを特徴とする車両用空調装置。
- (a)車両の複数の座席に対応して開口した複数の吹出口を有する空調ユニットと、
(b)前記複数の吹出口に設けられ、前記複数の吹出口から車室内に向けて吹き出す空調風の吹出方向をそれぞれ変更する複数の吹出状態可変手段と、
(c)前記複数の座席のうち少なくとも1つ以上の座席が乗員不在であることを検出する乗員不在検出手段とを備え、
(d)前記複数の座席は、前部座席としての運転席および助手席と、これらの運転席および助手席よりも後方に設置された後部座席とを有し、
(e)前記複数の吹出口は、前記運転席の車両前方側の運転席側フェイス吹出口と、前記助手席の車両前方側の助手席側フェイス吹出口とを備え、
(f)前記乗員不在検出手段は、前記助手席の乗員不在を検出し、
(g)前記乗員不在検出手段にて前記助手席が乗員存在であることを検出した時には、前記助手席側フェイス吹出口の前記吹出状態可変手段の向きを、前記助手席を中心に空調するように設定し、前記助手席が乗員不在であることを検出した時には、前記助手席側フェイス吹出口の前記吹出状態可変手段の向きを、前記運転席又は後部座席を優先して空調する吹出方向に変更する空調範囲設定手段とを備え、
(h)前記吹出方向設定手段は、前記助手席よりも前記運転席又は後部座席を優先して空調する吹出方向の設定を、所定時間後または所定の空調条件になったら、解除するか、あるいは所定時間前または所定の空調条件になる前よりも優先度を緩和する
ことを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項5に記載の車両用空調装置において、前記吹出方向設定手段は、前記運転席側フェイス吹出口から吹き出される空調風の吹出方向と前記助手席側フェイス吹出口から吹き出される空調風の吹出方向とが略同一方向になるように設定することを特徴とする車両用空調装置。
- 請求項5または請求項6に記載の車両用空調装置において、前記空調ユニットは、車室内の第1空調ゾーンとこの第1空調ゾーンと異なる車室内の第2空調ゾーンとの温度調節を互いに独立して行うことが可能な空調ユニットで、前記吹出方向設定手段は、前記助手席よりも前記運転席又は後部座席を優先して空調する吹出方向の設定を、前記第1空調ゾーンの設定温度と前記第2空調ゾーンの設定温度との温度差に応じて補正することを特徴とする車両用空調装置。
- 請求項7に記載の車両用空調装置において、前記吹出方向設定手段は、前記助手席よりも前記運転席又は後部座席を優先して空調する吹出方向の設定を、前記第1空調ゾーンと前記第2空調ゾーンとのうち、設定温度が低い側の空調ゾーンを優先的に空調するように補正することを特徴とする車両用空調装置。
- 請求項1または請求項5に記載の車両用空調装置において、前記所定の空調条件とは、エバポレータを通過した直後の空気温度、車室内温度、皮膚温度、吹出温度、前記吹出口からの空調風の吹出風量、送風機の風量、送風機への印加電圧、吹出口モード、日射量、日射方向、設定温度変化、設定温度と車室内温度との温度差、シート温度、ステアリング温度または車速のうち1つ以上が所定状態になった時であることを特徴とする車両用空調装置。
- 請求項9に記載の車両用空調装置において、前記所定の空調条件とは、エバポレータを通過した直後の空気温度、車室内温度、皮膚温度、吹出温度、前記吹出口からの空調風の吹出風量、送風機の風量、シート温度、ステアリング温度、車速または日射量が所定値以下に下がった時、あるいは送風機への印加電圧が所定電圧以下に下がった時、あるいは日射方向が乗員に与える熱負荷を下げる方向に変わった時、あるいは乗員が設定温度上昇操作を行った時、あるいは吹出口モードが乗員の下半身方向からの吹出風量が増えるモードに変わった時、あるいは設定温度と車室内温度との温度差が所定値以下になった時のうち1つ以上が所定状態になった時であることを特徴とする車両用空調装置。
- 請求項1または請求項5に記載の車両用空調装置において、前記所定時間は、車室外温度、空調初期エバ後温度、空調初期車室内温度、空調初期吹出温度、空調初期風量、空調初期送風機への印加電圧、吹出口モード、日射量、日射方向、設定温度、空調初期車室内温度と設定温度との温度差、初期シート温度または車速のうち1つ以上を利用して決定することを特徴とする車両用空調装置。
- 請求項11に記載の車両用空調装置において、前記所定時間は、車室外温度、空調初期エバ後温度、空調初期車室内温度、空調初期吹出温度、空調初期風量、空調初期送風機電圧または日射量が大きい程、あるいは吹出口モードが乗員の下半身方向からの吹出風量が少ないモードである程、あるいは日射方向が乗員に与える熱負荷が大きい方向である程、あるいは設定温度が低い程、長くなるように設定することを特徴とする車両用空調装置。
- 請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の車両用空調装置において、前記乗員不在検出手段は、シートスイッチ、赤外線センサ、車室内映像検出手段、シートベルト装着信号、ドア開閉信号、各種スイッチ入力信号または超音波センサのうち1つ以上を利用して、前記助手席が乗員不在であることを検出することを特徴とする車両用空調装置。
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