JP3855489B2 - Vehicle drive device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、走行用の駆動力源として少なくとも電動機を備えた車両の駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、環境保全および資源の有効利用などの観点から車両の燃費を向上し、また排ガスを削減する要求が高まっている。このような要請に応えるために、従来の内燃機関に替えて、もしくは内燃機関と共に電動機が使用されるようになってきている。すなわち前者がいわゆる電気自動車であり、後者がハイブリッド車である。この後者の例が特開平8−168104号公報に記載されている。
【0003】
この公報に記載された装置は、エンジンの出力側にモータ・ジェネレータを配置し、さらにこのモータ・ジェネレータに続けてトルクコンバータと変速機構とを順に配列したハイブリッド駆動装置である。この公報に記載された発明は、エンジントルクの脈動をモータ・ジェネレータの出力トルクでキャンセルすることを目的としたものであるが、モータ・ジェネレータを上記のように配置してエンジンと共にトルクコンバータに連結した構成であるから、減速時にエネルギを回生して蓄電し、その電力を使用して発進あるいは加速することができ、このようにすることにより燃費を改善し、また排ガスの排出量を削減することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の装置は、動力源を内燃機関とした自動変速機付の車両に、新たにモータ・ジェネレータを追加した構成である。一般に、車両では小型軽量化と併せて車室空間の拡大などの要請があり、そのために動力装置やそれに付随する機器などに許容される空間容積がきわめて制限されており、したがって上記のようにモータ・ジェネレータを新たに追加設置する場合、単にエンジンとトルクコンバータとの間にモータ・ジェネレータを設置したのでは、駆動装置の全体としての長さが長くなり、あるいは体格が大きくなって車載性が損なわれる問題が生じる。
【0005】
また上記従来の装置のように、トルクコンバータに隣接させてモータ・ジェネレータを配置する場合、トルクコンバータが動力源と変速機構との連結手段となるから、モータ・ジェネレータをトルクコンバータに連結することになる。その場合、トルクコンバータは内部のオイル(フルード)の圧力の変化によって膨張収縮するから、その変形を許容する構造が要求される。またモータ・ジェネレータでは、固定子と回転子とのギャップを正確に設定かつ維持する必要がある。これらのトルクコンバータやモータ・ジェネレータについての機構上の要請は相反するものであるが、これらの要請を満たしつつ、全体としての小型軽量化を図ることは、全く新たな技術的な課題であり、従来、この種の課題に応える技術は見当たらない。
【0006】
この発明は、上記の事情を背景としてなされたものであり、流体伝動装置や電動機を、全体の小型化を図りつつその機構上の要請を満たす配置とすることのできる車両用駆動装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、流体伝動装置と電動機とが、それらの回転中心軸線に沿う方向に互いに隣接して配列された車両用駆動装置において、前記流体伝動装置の流体を収容している外殻に、その軸線方向での前後両側に延びた回転部材が一体的に設けられるとともに、その前後いずれか一方の回転部材に前記電動機の出力用回転部材が一体に連結され、この出力用回転部材が連結された前記一方の回転部材が軸線方向の移動が阻止された状態で軸受部材によって回転自在に支持され、かつ他方の回転部材が軸線方向の移動が可能な状態で他の軸受部材によって回転自在に支持されていることを特徴とするものである。
【0008】
したがって請求項1の発明によれば、流体伝動装置の外殻と一体化されている一方の回転部材と電動機の出力用回転部材とが連結されており、その一方の回転部材が軸受部材によって軸線方向への移動を阻止した状態で回転自在に保持されている。したがって電動機の出力用回転部材も軸線方向への移動が阻止された状態となり、その結果、電動機における出力用回転部材と共に回転するロータなどの回転子の軸線方向での位置が固定されている。これに対して流体伝動装置の外殻と一体の他方の回転部材が軸線方向への移動が可能な他の軸受部材によって回転自在に支持されているので、流体伝動装置の外殻がその内部の流体の圧力の変動で変形した場合には、前記他方の軸受部材によって支持されている回転部材が軸線方向に移動し、したがって圧力変動に基づく過大な応力が生じることがない。また、他方の回転部材の軸線方向への移動によって圧力変動を吸収するので、流体伝動装置の支持精度や電動機での固定子と回転子との相対位置の精度を良好な状態に維持することができる。
【0009】
また、請求項2の発明は、固定子と回転子とが相対回転して動力を出力しもしくは電力を発生する電動機を備えた車両用駆動装置において、前記固定子が第1のハウジングの内周面に固定され、その第1のハウジングの内周面に半径方向で内側に突出した隔壁部が設けられるとともに、その隔壁部の内周部に取り付けた軸受部材によって前記回転子と一体の軸部材が回転自在に直接保持され、さらに前記第1のハウジングが一体化して取り付けられた第2のハウジングに機能装置が一体的に固定され、前記軸部材の他の一部がこの機能装置における固定構造部によって更に回転自在に保持されていることを特徴とするものである。
【0010】
したがって請求項2の発明によれば、回転子と一体の軸部材が、固定子を取り付けてある第1のハウジングと一体の隔壁部に取り付けてある軸受部材によって直接支持され、その第1のハウジングを取り付けて一体化してある第2のハウジングに機能装置が一体的に固定され、この機能装置における固定構造部によって、その軸部材の他の一部が回転自在に支持されている。したがって回転子を支持している部材と固定子を取り付けてある部材とが全体として一体化されているので、固定子と回転子との相対的な位置精度が高くなる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記機能装置は、油圧ポンプからなることを特徴とする車両用駆動装置である。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記他の軸受部材は、ブッシュからなることを特徴とする車両用駆動装置である。
請求項5の発明は、請求項1または4の発明において、前記一方の回転部材を支持している前記軸受部材は、スラスト力を受けるように構成されていることを特徴とする車両用駆動装置である。
請求項6の発明は、請求項1,4,5のいずれかの発明において、中心部に向けて延びた隔壁部を内周面に一体に備えた第1のハウジングと、該第1のハウジングが開口端部に連結された第2のハウジングと、該第2のハウジングの内周部に前記隔壁部に対向するように取り付けられた油圧ポンプとを更に備え、前記電動機が、前記隔壁部と油圧ポンプとの間に配置されていることを特徴とする車両用駆動装置である。
請求項7の発明は、請求項1,4,5,6のいずれかの発明において、前記流体伝動装置の外殻の一部が内側に窪まされて凹部が形成され、その凹部に前記電動機のステータの一部が配置されていることを特徴とする車両用駆動装置である。したがって、軸線方向の寸法および半径方向の寸法を小さくして全体として小型化を図ることができる。
請求項8の発明は、請求項1,4,5,6,7のいずれかの発明において、前記電動機がレゾルバを備えるとともに、前記一方の回転部材に伝達されるトルクの制振を行うダンパが設けられ、前記レゾルバが前記電動機の回転子の内周側に配置され、かつ前記ダンパが前記電動機のステータの内周側に配置されていることを特徴とする車両用駆動装置である。したがって、全長の短縮化を図ることができる。
請求項9の発明は、請求項1の発明において、前記流体伝動装置を収容する第2のハウジングと、該第2のハウジングの内部に組み付けられた油圧ポンプと、該油圧ポンプの内周部に挿入された前記他の軸受部材とによって構成される第1のモジュールと、前記流体伝動装置と、その流体伝動装置の外殻に一体化された前記前後両側の回転部材と、前記いずれか一方の回転部材に一体化された前記電動機の回転子とからなり、かつ前記第2のハウジングの開口端側から挿入されて前記第1のモジュールに組み付けられる第2のモジュールと、前記第2のハウジングの開口端に取り付けられかつその中心部に延びる隔壁部を備えた第1のハウジングと、その第1のハウジングの内周面に取り付けられた前記電動機の固定子と、前記隔壁部の内周部に嵌合させられた前記軸受部材とからなり、かつ前記第1のモジュールに組み付けられた前記第2のモジュールに組み付けられる第3のモジュールとを有することを特徴とする車両用駆動装置である。したがって組み立て性を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図面を参照して具体的に説明する。図2はこの発明による駆動装置の基本的な構成を示しており、第1駆動力源1と第2駆動力源2とが設けられている。その第1駆動力源1は、燃料の燃焼によって動力を出力する形式の装置であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのほかに、液化石油ガスや天然ガスなどのガス燃料を燃焼させるエンジンなどがその例である。この発明は、その第1駆動力源1として出力されるトルクが繰り返し変動(脈動)するエンジンを使用した場合に、特に有効である。なお、以下の説明では、第1駆動力源1をエンジン1と記す。
【0012】
第2駆動力源2は、要は、エンジン1とは異なる種類の駆動力源であり、原理的にはトルクの変動(脈動)を生じさせることなく動力を出力することのできる装置であり、電気的エネルギを回転運動などの運動エネルギに変化して出力することのできる電動機がその例である。特に、この発明は、発電機能(回生機能)のある電動機を使用した場合に、有効である。なお、以下の説明では、第2駆動力源2をモータ・ジェネレータ2と記す。
【0013】
上記のエンジン1にフライホイール3が連結されている。このフライホイール3は、従来のガソリンエンジンやディーゼルエンジンに取り付けられているものと同様に、エンジン1のトルクの変動を抑制するためのものであり、回転慣性モーメントの大きい円板状の部材である。また、このフライホイール3に制振機構(ダンパ)4が連結されている。このダンパ4は、フライホイール3から入力される動力の変動を減衰させて、すなわち振動もしくは脈動の振幅を小さく(平準化)して出力する機構であり、必要に応じて各種の構成のものを使用することができる。一般的には、相対回転可能な入力側の部材と出力側の部材との間に弾性体を介在させ、その弾性体の伸縮によって振動を減衰させる構成のものを使用することができる。なお、このフライホイール3とダンパ4とは、予め一体に組み付けた構成のものを使用することができる。また、フライホイール3は、選択的に採用することのできる部材であって、これを省いてエンジン1とダンパ4とを直接連結してもよい。
【0014】
上記のダンパ4に流体伝動装置5が連結され、その流体伝動装置5の出力側に変速機6が連結されている。この発明で対象とする駆動装置における流体伝動装置5は、要は、流体を介して動力を伝達することのできる構成であればよく、トルクの増幅作用のない装置、あるいはトルクの増幅作用のある装置(トルクコンバータ)のいずれであってもよい。また、流体を介して相互にトルクの伝達をおこなう入力側の部材と出力側の部材とを選択的に直接連結するロックアップクラッチを備えていない流体伝動装置あるいは備えている流体伝動装置のいずれかを使用することができる。なお、以下の説明では、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ(T/C)5を例に示す。
【0015】
また一方、変速機6は、入力回転数と出力回転数との比(変速比)を適宜に変更することのできる装置であって、有段式の変速機や変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機などを採用することができる。また自動変速機と手動変速機とのいずれであってもよい。以下の説明では、変速機6として自動変速機(AT)6を使用した例を示す。
【0016】
前記モータ・ジェネレータ2は、ダンパ4とトルクコンバータ5とを連結している部材、言い換えればトルクコンバータ5の入力側の部材に連結され、かつこれらモータ・ジェネレータ2とトルクコンバータ5とはそれらの回転中心軸線に沿う方向に互いに隣接して配列されている。すなわちエンジン1の動力とモータ・ジェネレータ2の動力とをトルクコンバータ5を介して自動変速機6に出力できるように構成されている。なお、モータ・ジェネレータ2として例えば永久磁石型同期モータを使用した場合には、その出力側部材であるロータの回転角度を検出するためのレゾルバ7がモータ・ジェネレータ2と並列に配列される。その場合、レゾルバ7のロータもモータ・ジェネレータ2のロータと同様に、ダンパ4とトルクコンバータ5とを連結している部材もしくはトルクコンバータ5の入力側の部材に連結される。
【0017】
図2に示す構成を更に具体化した構成を図3に部分断面図として示してある。前記トルクコンバータ5を収容しているトランスミッションハウジング10のエンジン1側の端部に、アダプタ11が取り付けられている。このアダプタ11は、トランスミッションハウジング10の開口端とほぼ等しい外径の円筒状の部材であって、トランスミッションハウジング10の端部とエンジン1との間に挟み込んだ状態でこれらトランスミッションハウジング10とエンジン1とに連結されて固定されている。このアダプタ11の内周面で軸線方向での中間部には、中心部に向けて適宜に屈曲して延びた隔壁部12が一体に形成されている。その隔壁部12には、トルクコンバータ5の中心軸線と軸線を一致させた貫通孔が形成されている。
【0018】
前記アダプタ11の内周側の空間部のうち隔壁部12によって仕切られたエンジン1側の空間部に、エンジン1の出力部材であるクランクシャフト13の先端部が延びており、そのクランクシャフト13の先端部にフライホイール3がボルト14によって固定されている。このフライホイール14の正面(エンジン1とは反対側の面)にダンパ4が取り付けられている。したがってフライホイール3とダンパ4とが、アダプタ11の内周側で隔壁部12によって仕切られたエンジン1側の空間部に収容されている。
【0019】
ダンパ4は、半径方向で外側に延びた平板部を有する中空円板状の第1のプレートとその中心側の部分に対向して取り付けられかつ第1のプレートと共に円周方向に沿う窓孔部を形成する第2のプレートとからなる駆動側部材15と、その駆動側部材15における各プレートの間に相対回転可能に延ばした板状の突出部を円筒状のボス部16の外周側に一体化させ、かつその板状の突出部に前記窓孔部と一致する窓孔部を形成した従動側部材17と、それらの窓孔部に保持させ、駆動側部材15と従動側部材17とが相対回転することによってこれらの部材15,17によって圧縮されるダンパスプリング18とによって構成されている。そしてその駆動側部材15における半径方向で外側に延びた平板部が、フライホイール3の正面にボルト19によって固定されている。すなわち駆動側部材15がダンパ4の入力側部材となり、かつ従動側部材17がダンパ4の出力側部材となっている。
【0020】
前記隔壁部12の内周側の端部は、軸線方向に延びた比較的短い円筒状に形成され、この円筒状の部分20に軸受21が嵌合させられており、この軸受21は、前記円筒状の部分20の内周面に取り付けた固定用部材であるスナップリング22によって固定されている。そしてこの軸受21の内周側に入力軸23が嵌合させられ、したがってこの入力軸23が軸受21を介して隔壁部12によって回転自在に支持され、また軸線方向に対しては固定されている。
【0021】
この入力軸23の先端部(図3での左側端部)が、前記ダンパ4の内周部にまで延びており、かつ前記ダンパ4における従動側部材17のボス部16に挿入されている。そして、これら入力軸23と従動側部材17とが、それぞれに形成されたスプライン24によって連結されている。また、入力軸23の外周部のうち前記軸受21に隣接する部分に、レゾルバ7のロータ25が嵌合させられており、このロータ25は、キー26によって入力軸23に対して回り止めされるとともに、スナップリング27によって軸線方向に対して固定されている。すなわちこのロータ25の図3での右側の端部が前記軸受21に当接しており、したがってロータ25は軸受21とスナップリング27とによって挟み込まれて固定されている。
【0022】
前記隔壁部12は、図3に示すように、その中間部が軸線方向に二段に屈曲しており、内周側の屈曲部分の内周面には、複数のインロー嵌合部28が円周方向に一定の間隔をあけて形成され、このインロー嵌合部28にレゾルバ7におけるステータ29が嵌合されかつボルト30によって固定されている。より具体的には、そのステータ29は、軸線方向における位置を前記ロータ25と一致させ、そのロータ25の外周面に接近した位置に配置されている。なお、ボルト30がステータ29を貫通している部分は円周方向に沿う長孔となっており、かつボルト30は図3に示すように隔壁部12よりエンジン1側から挿入されて隔壁部12に螺合している。したがってダンパ4を入力軸23に対してスプライン嵌合させるに先立って、ボルト30をゆるめた状態でステータ29を円周方向に回動させることにより、ロータ25に対するステータ29の円周方向での相対位置を調整できるように構成されている。
【0023】
入力軸23の後端部(図3での右側端部)は、隔壁部12における円筒状の部分20の先端近傍にあってその円筒状の部分20より半径方向で外側に延び、その半径方向で外側に延びた部分にハブ部31が形成されている。したがってこのハブ部31は、前記隔壁部12を挟んで前記ダンパ4とは反対側の空間部に収容されており、また、前記円筒状の部分20の外周側で該円筒状部分20と同心円上の位置に配置されている。そしてそのハブ部31には、モータ・ジェネレータ2のロータ(回転子)32と、トルクコンバータ5のフロントカバー33とが一体的に連結されている。
【0024】
このロータ32は、円板状の部材の外周部に永久磁石を取り付けたものであって、その円板状部材の内周部を、前記ハブ部31における図3での左側端部に溶接などの固定手段によって一体化させることにより、ハブ部31に取り付けられている。なお、入力軸23が前記軸受21を介して隔壁部12によって軸線方向に位置決めされていることにより、ロータ32も入力軸23と共に軸受21を介して隔壁部12によって軸線方向での位置が決められ、かつ軸受21によって回転自在に支持されている。また、トルクコンバータ5に対するスラスト荷重をこの軸受21を介して隔壁部12で受けている。
【0025】
このロータ32の外周側にステータ(固定子)34が配置されている。このステータ34は、積層鉄心とコイルとからなるものであって、前記アダプタ11の内周面に固定されている。そしてその積層鉄心がロータ32における永久磁石と半径方向で接近して対向しており、これに対してコイルが積層鉄心に対して軸線方向に張り出している。したがってモータ・ジェネレータ2は、コイルが軸線方向に突出し、これに対してロータ32の永久磁石の部分がコイルよりも軸線方向で内側に大きく入り込んでおり、さらに永久磁石を取り付けてある円板状の部分が最も薄くて軸線方向に更に入り込んでいる。前記隔壁部12は、モータ・ジェネレータ2におけるこのような輪郭形状に沿って屈曲している。
【0026】
したがってエンジン1側(図3での左側)に突出しているコイルの部分の内周側に、前記フライホイール3の一部が入り込んでおり、かつ前記ダンパ4が配置されている。すなわちダンパ4およびフライホイール3の一部ならびにステータ34の一部を、半径方向に並べて配置することにより、空間を有効利用して軸長の短縮化が図られている。さらにレゾルバ7におけるロータ25を、モータ・ジェネレータ2のロータ32から分離して入力軸23に取り付けることにより、レゾルバ7をモータ・ジェネレータ2を収容している空間部分から外に出し、かつそのレゾルバ7をモータ・ジェネレータ2におけるロータ32の内周側に配置したので、この点でも半径方向に配列する部材を増やして軸長の短縮化が図られている。また、ステータ34およびロータ32の永久磁石の部分を、その回転中心から可及的に外周側に配置することにより、発生するトルクを大きくしてモータ・ジェネレータ2の小型化が図られている。
【0027】
一方、フロントカバー33は、トルクコンバータ5におけるポンプシェル35と一体化されてトルクコンバータ5の外側を覆う部材であって、図3に示すような異形断面の円板状の部材である。このフロントカバー33の中心部分および半径方向での中間部分は、半径方向に沿う比較的単純な平板形状であり、これに対して外周側の部分は、軸線方向に張り出している前記コイルの内周側を通ってそのコイルの軸線方向の側面に到るように屈曲した形状に成形されている。そしてこの屈曲した外周部の先端部でポンプシェル35の先端部に溶接などの固定手段で一体化され、また内周側の端部で前記ハブ部31の軸線方向での他端部(図3での右端部)に溶接などの固定手段で一体化されている。
【0028】
ポンプシェル35は、従来のトルクコンバータのポンプシェルと同様に、回転中心から半径方向に延びた部分が、いわゆる椀形断面に湾曲した形状を成しており、その椀形に湾曲した部分の内面に、ポンプブレードが固定されてポンプインペラを構成している。そしてこのポンプシェル35の他方の端部(図3での右側の端部)は、前記入力軸23と中心軸線を一致させた円筒軸36となっている。そしてこの円筒軸36が油圧ポンプ37のボデー38におけるボス部39の内周側に挿入され、そのボス部39の内周部に挿入したブッシュ40によって軸線方向に移動し得る状態で回転可能に保持されている。なお、このブッシュ40は滑り軸受であり、これに替えて軸線方向への移動を許容できるころがり軸受を使用することもできる。
【0029】
したがってフロントカバー33およびこれに取り付けられたハブ部31ならびにポンプシェル35が、トルクコンバータ5の外殻を形成している。そしてハブ部31に一体の入力軸23と円筒軸36とが、この発明における外殻と一体の回転部材に相当し、前記軸受21がこの発明の一方の軸受部材、ブッシュ40が他方の軸受部材にそれぞれ相当している。
【0030】
この油圧ポンプボデー38は、トランスミッションハウジング10の内周面に固定されるとともに、その内部にロータ37Aを回転自在に収容しており、前記ポンプシェル35における円筒軸36の先端部がそのロータ37Aに係合している。すなわち入力軸23に伝達された動力によって油圧ポンプ37を駆動するように構成されている。なお、ボス部39の先端部と円筒軸36の外周面との間にオイルシール41が配置されている。したがって前記軸受21をシール構造のものとすることにより、モータ・ジェネレータ2が収容されている空間部が液密状態に維持されている。
【0031】
したがって前記ロータ32がこの発明の出力用回転部材に相当し、またアダプタ11がこの発明の第1のハウジング、トランスミッションハウジング10が第2のハウジングにそれぞれ相当し、さらに油圧ポンプ37がこの発明の機能装置に相当している。
【0032】
上記の円筒軸36の内周側に、円筒状の固定軸42が、同一軸線上に配置されている。この固定軸42は、油圧ポンプ37のボデー38に一体化された支持用の軸であって、その先端部がトルクコンバータ5の内部にまで延びている。そしてこの固定軸42の先端部外周に一方向クラッチ43のインナーレースがスプライン嵌合して取り付けられており、またその一方向クラッチ43のアウターレースにステータ35Aが取り付けられている。
【0033】
さらに固定軸42の内周側には変速機入力軸44が挿入され、固定軸42の内周面との間に配置した軸受45によって回転自在に支持されている。この変速機入力軸44の先端部は、前記固定軸42の先端部方向に突出しており、その先端部にハブ46がスプライン嵌合されている。なお、このハブ46と変速機入力軸44との間はオイルシール47によって液密状態に封止されている。
【0034】
ハブ46には、タービンランナ48とロックアップクラッチ49とが連結されている。タービンランナ48は、椀形に湾曲したシェルの内面に複数のブレードを固定した構造であって、前記ポンプインペラとほぼ対称形状を成しており、前記ステータ35Aを挟んでポンプインペラと対向して配置されている。
【0035】
ロックアップクラッチ49は、多板構造のクラッチであって、前記フロントカバー33の内面に対向した位置に設けられている。すなわちフロントカバー33の中間部で半径方向に沿う平板状の部分の正面に対向してクラッチドラム50が配置されている。このクラッチドラム50は、ほぼ有底円筒状の成す部材であって、フロントカバー33の中間部の内面に対向する位置に配置されるとともに、その内周側の端部で前記ハブ46にリベットによって固定・一体化されている。このクラッチドラム50の円筒状を成す外周部の内面に摩擦板51がスプライン嵌合されている。またこの摩擦板51を挟んでフロントカバー33の内面と対向する位置に他の摩擦板52が配置され、この他の摩擦板52は、フロントカバー33の内面の取り付けたリンク状のリテーナ53の外周側に嵌合されている。さらにこれらの摩擦板51,52を挟んでフロントカバー33の内面に対向する位置にピストン54が軸線方向に前後動するように配置されている。このピストン54は、環状の板状体であって、その内周部によって前記ハブ46に液密状態を維持して摺動自在に嵌合するとともに、外周部がクラッチドラム50の円筒状部分の内周面に摺接している。
【0036】
上述したフロントカバー33およびポンプシェル35によって区画されている空間部すなわちトルクコンバータ5の内部にはオイル(オートマチックトランスミッションフルード)が充填されており、入力軸23と共にポンプインペラが回転して生じるオイルの螺旋流がタービンランナ48に供給されてタービンランナ48が回転し、その結果、入力軸23から変速機入力軸44に動力が伝達される。したがって入力軸23がトルクコンバータ5の入力側の部材になっている。
【0037】
また、ピストン54の背面側すなわち摩擦板51,52とは反対側の油圧を、正面側すなわち摩擦板51,52側の油圧より高くすることにより、ピストン54が摩擦板51,52をフロントカバー33の内面との間に挟み付け、その結果、フロントカバー33からこれらの摩擦板51,52を介してクラッチドラム50ならびにハブ46および変速機入力軸44に動力が伝達される。すなわちロックアップクラッチ49が係合することにより、このロックアップクラッチ49を介して入力軸23から変速機入力軸44に直接動力が伝達される。
【0038】
このようにロックアップクラッチ49が設けられている位置は、フロントカバー33の中間部であって半径方向に沿う平板部分に対向する位置であり、これは、フロントカバー33が前述したように屈曲していることにより、モータ・ジェネレータ2におけるステータ34の内周側、より正確にはステータ34におけるコイルの内周側の位置である。言い換えれば、流体伝動装置であるトルクコンバータ5の外周側の一部が半径方向で内側に窪まされて凹部を形成しており、このようにして外径を縮小した部分が、モータ・ジェネレータ2におけるステータ34の内側に入り込まされている。言い換えれば、トルクコンバータ5の外周側の一部に凹部が形成され、その凹部にステータ34のコイルの一部が配置されている。
【0039】
このような構成が可能になったのは、以下の理由による。ステータ34の内周側に入り込んでいるトルクコンバータ5の一部は、ロックアップクラッチ49であり、ロックアップクラッチ49が多板構造とされてその外径寸法を小さくしても必要十分な伝達トルク容量を確保できるからである。また、ロックアップクラッチ49が係合すると、トルクコンバータ5に対する入力トルクの変動がそのまま出力側に伝達されるが、図3に示す構成では、入力軸23の入力側にダンパ4が配置されていて、トルクコンバータ5に対する入力トルクの変動が抑制もしくは防止されており、その結果、ロックアップクラッチ49にダンパ機構を設ける必要がなく、そのためにロックアップクラッチ49を小径化できたためである。
【0040】
なお、特には符号を付さないが、入力軸23とハブ46との間、ハブ46と一方向クラッチ43との間、一方向クラッチ43と円筒軸36のフランジ部との間には、それぞれスラスト軸受が配置されている。また、上記のトルクコンバータ5におけるステータ35Aの作用およびこれを支持している一方向クラッチ43の作用は、従来のトルクコンバータと同様であるので、その説明は省略する。
【0041】
上述したようにトルクコンバータ5は、フロントカバー33およびポンプシェル35ならびに入力軸23の一部と円筒軸36の一部とによって構成された中空容器の内部にオイルを充填した構造であり、そのオイルの圧力が高くなると、その全体が幾分膨張する。その場合、図3に示す構成では、ポンプシェル35と実質的に一体の入力軸23が前記軸受21によって軸線方向に対しては移動しないように支持され、これに対して円筒軸36がブッシュ40によって支持されているので、トルクコンバータ5の油圧の上昇による変形は、円筒軸36の軸線方向の変位によって吸収される。その結果、トルクコンバータ5の支持精度が良好に維持されるとともに、モータ・ジェネレータ2におけるロータ32とステータ34との軸線方向での相対位置やレゾルバ7におけるロータ25とステータ29との軸線方向での相対位置にズレが生じることが防止されている。
【0042】
ここで、図3に示す装置の組み付け手順を説明する。トランスミッションハウジング10の開口端(図3の左側の開口端)から見て油圧ポンプ37がトルクコンバータ5の奥に配置されるから、トルクコンバータ5やアダプタ11を組み付けるのに先立って油圧ポンプ37をトランスミッションハウジング10の内部に組み付ける。その場合、前記ブッシュ40をポンプボデー38におけるボス部39の内周側に嵌合させておく。すなわち図1に模式的に示すように、これら油圧ポンプ37およびブッシュ40をトルクコンバータハウジング10に組み付けて第1のモジュールIとして一体化しておく。
【0043】
一方、トルクコンバータ5は、その内部にポンプインペラやタービンランナ48およびロックアップクラッチ49、ステータ35Aなどを収容した全体として密閉構造であるから、それらを予め第2のモジュールIIとして組み立てて一体化しておく。その場合、前述したように入力軸23のハブ部31がトルクコンバータ5の外殻の一部となっており、またポンプシェル35の内周側の端部に円筒軸36が一体的に形成されているから、これら入力軸23および円筒軸36も第2のモジュールIIの一部として一体化される。さらに、モータ・ジェネレータ2のロータ32は、入力軸23におけるハブ部31に溶接などの固着手段で固定されて第2のモジュールIIの一部として一体化される。この第2のモジュールIIを上記の第1のモジュールIに、トランスミッションハウジング10の開口端側から挿入して組み付ける。
【0044】
さらに、アダプタ11の内周部にモータ・ジェネレータ2のステータ34を取り付けるとともに、その隔壁部12の内周側の円筒状の部分20に軸受21を嵌合させてスナップリング22で固定し、これらを第3のモジュールIII として一体化しておく。そして、前記の第1のモジュールIに組み付けられた第2のモジュールIIにこの第3のモジュールIII を組み付ける。すなわち、軸受21に入力軸23を挿入しつつアダプタ11をトランスミッションハウジング10の端部に当接させ、図示しないボルトなどで固定する。
【0045】
この状態で隔壁部12におけるアダプタ11の開口端側の側面にレゾルバ7のステータ29を取り付けるとともに、入力軸23にロータ25をキー26を介して嵌合させ、かつスナップリング27で固定する。また、これらロータ29とステータ28との相対位置は、ボルト30をゆるめてステータ28を円周方向に移動させることにより、微調整する。
【0046】
そして、最終的に、互いに組み付けて一体化した第1ないし第3のモジュールI,II,III をエンジン1に対して組み付ける。すなわちエンジン1のクランクシャフト13の先端部にフライホイール3およびダンパ4を取り付けておき、そのダンパ4の出力側の部材である従動側部材17のボス部16に入力軸23の先端部を挿入してスプライン嵌合させる。その状態でアダプタ11をエンジンに図示しないボルトなどの固定手段で連結して固定する。
【0047】
上述した構成では、アダプタ11がトランスミッションハウジング10に連結されて一体化され、そのアダプタ11に隔壁部12が一体的に形成されるとともに、固定構造部となるボデー38を備えた油圧ポンプ37がトランスミッションハウジング10に一体化される。そしてモータ・ジェネレータ2のロータ32を取り付けてある入力軸23が隔壁部12に軸受21を介して回転自在に支持され、しかもその入力軸23が、ブッシュ40を介して油圧ポンプ37によって回転自在に支持される円筒軸36と共にトルクコンバータ5の外殻に一体化されている。その結果、ステータ34を取り付けてあるアダプタ11と実質的に一体の油圧ポンプ37によって入力軸23を更に支持することになる。すなわち、ステータ34を取り付けてある部材とロータ32を支持している部材とが実質的に一体であることにより、ステータ34とロータ32との相対的な位置精度が高く、またそのズレが効果的に防止される。
【0048】
ところで、上記の構成では、トランスミッションハウジング10の先端部にアダプタ11を連結することにより、トランスミッションハウジング10が延長された状態になり、かつその開口端側に隔壁部12が形成されてその隔壁部12の内側にモータ・ジェネレータ2が配置される。そしてその隔壁部12の内周端に嵌合させた軸受21によって入力軸23が回転自在に支持される。したがってその軸受21をシール構造のものとすれば、アダプタ11およびその隔壁部12ならびにトランスミッションハウジング10と油圧ポンプ37とによって包囲しているモータ・ジェネレータ2の周囲が液密状態に維持される。すなわちモータ・ジェネレータ2を上記のように包囲した構成とすることにより、モータ・ジェネレータ2のためのシールが容易になる。
【0049】
ここで、上記の駆動装置を構成している各要素の配列順序を示せば、図4のとおりである。すなわちここに示す例は、エンジン1を車両の前後方向に向けて配置したFR車(フロントエンジン・リヤドライブ車)に適する配置例であり、エンジン1の出力側にモータ・ジェネレータ2が配置され、そのモータ・ジェネレータ2の出力側にトルクコンバータ5を介して自動変速機6が配置されている。この自動変速機6は、後述する歯車変速機部55と油圧制御部56とを備えており、歯車変速機部55から後方側に延びた出力軸57を介して動力を出力するようになっている。また、油圧制御部56は、前記ロックアップクラッチ49の係合・解放の制御および変速制御ならびに摩擦係合装置の係合圧の制御をおこなうためのものであって、複数の電磁バルブや切り換えバルブならびに調圧バルブを備え、電磁バルブを電気的に制御することにより、上記の各制御を実行するように構成されている。なお、この油圧制御部56としては、従来知られている自動変速機用の油圧制御装置を採用することができる。
【0050】
前述したようにモータ・ジェネレータ2は、ダンパ4とトルクコンバータ5とを連結している部材、より具体的には入力軸23に連結されており、したがってモータ・ジェネレータ2を駆動することによりモータ走行をおこない、また反対に入力軸23からモータ・ジェネレータ2に動力を伝達することにより、モータ・ジェネレータ2で発電をおこなってエネルギの回生をおこなう。そのために、モータ・ジェネレータ2には、図5に示すように、インバータ57を介してバッテリ58が接続されている。
【0051】
そのインバータ57は、モータ・ジェネレータ2の制御のために従来使用されているものと同様であって、モータ・ジェネレータ2に対する電流および周波数を制御し、またモータ・ジェネレータ2で発電する際の電流を制御するように構成されている。そして、それらの制御をおこなうためにコントローラ59が設けられている。このコントローラ59は、一例としてマイクロコンピュータを主体とするものであって、エンジン1の始動要求、発進あるいは加速要求、さらには制動要求などに従ってインバータ57およびバッテリ58を制御するように構成されている。
【0052】
その制御の例を挙げると、エンジン1の始動要求があると、バッテリ58からモータ・ジェネレータ2に電流を供給してモータ・ジェネレータ2を駆動し、その動力によってクランクシャフト13を回転させ、同時にエンジン1に燃料を供給してエンジン1を始動する。また発進や加速などのために大きい駆動力が要求された場合には、モータ・ジェネレータ2をバッテリ58の電力で駆動し、エンジン1による動力に加えてモータ・ジェネレータ2による動力をトルクコンバータ5に入力する。さらに制動操作に伴う制動要求があった場合には、モータ・ジェネレータ2を入力軸23から伝達される動力によって回転させて発電をおこなわせ、その電流をバッテリ58に供給して充電する。したがって運動エネルギを電気エネルギに変換するので、これが車両の走行に対しては負荷となり、制動力を得ることができる。なお、バッテリ58がほぼ満杯まで充電されていたり、あるいは温度が上限程度まで高くなっていれば、バッテリ58に対する充電が制限されるので、充電回路を開くなどのことによって充電を中止する。
【0053】
上記のエンジン1やモータ・ジェネレータ2ならびに自動変速機6などの各装置は、車両の状態を示す各種のデータに基づいて制御される。例えば図6に示すように、マイクロコンピュータを主体とする総合制御装置(ECU)60に各種の信号を入力し、その入力された信号に基づく演算結果を制御信号として出力するようになっている。この入力信号の例を挙げれば、ABS(アンチロックブレーキ)コンピュータからの信号、車両安定化制御(VSC:商標)コンピュータからの信号、エンジン回転数NE 、エンジン水温、イグニッションスイッチからの信号、バッテリSOC(State of Charge:充電状態)、ヘッドライトのオン・オフ信号、デフォッガのオン・オフ信号、エアコンのオン・オフ信号、車速信号、自動変速機(AT)油温、シフトポジション、サイドブレーキのオン・オフ信号、フットブレーキのオン・オフ信号、触媒(排気浄化触媒)温度、アクセル開度、カム角センサからの信号、スポーツシフト信号、車両加速度センサからの信号、駆動力源ブレーキ力スイッチからの信号、タービン回転数NT センサからの信号、レゾルバ信号などである。
【0054】
また、出力信号の例を挙げると、点火信号、噴射(燃料の噴射)信号、スタータへの信号、前記コントローラ59への信号、減速装置への信号、ATソレノイドへの信号、ATライン圧コントロールソレノイドへの信号、ABSアクチュエータへの信号、エアコン用コンプレッサへの信号、駆動力源インジケータへの信号、スポーツモードインジケータへの信号、VSCアクチュエータへの信号、ATロックアップコントロールバルブへの信号などである。
【0055】
この発明に係る上記の駆動装置は、基本的には、走行のための動力をエンジン1によって出力し、またエンジン1によって減速し、モータ・ジェネレータ2は走行のための駆動力あるいは制動力を補助するために使用される。したがって前記自動変速機6は後進段を含む複数の変速段を設定することができるように構成されている。その歯車変速機部55の一例を図7に示してある。
【0056】
ここに示す構成では、前進5段・後進1段の変速段を設定するように構成されている。すなわちここに示す自動変速機6は、トルクコンバータ5に続けて副変速部61と、主変速部62とを備えている。その副変速部61は、いわゆるオーバードライブ部であって1組のシングルピニオン型遊星歯車機構63によって構成され、キャリヤ64が前記変速機入力軸44に連結され、またこのキャリヤ64とサンギヤ65との間に一方向クラッチF0 と一体化クラッチC0 とが並列に配置されている。なお、この一方向クラッチF0 はサンギヤ65がキャリヤ64に対して相対的に正回転(変速機入力軸44の回転方向の回転)する場合に係合するようになっている。またサンギヤ65の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が設けられている。そしてこの副変速部61の出力要素であるリングギヤ66が、主変速部62の入力要素である中間軸67に接続されている。
【0057】
したがって副変速部61は、多板クラッチC0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態では遊星歯車機構63の全体が一体となって回転するため、中間軸67が変速機入力軸44と同速度で回転し、低速段となる。またブレーキB0 を係合させてサンギヤ65の回転を止めた状態では、リングギヤ66が変速機入力軸44に対して増速されて正回転し、高速段となる。
【0058】
他方、主変速部62は三組の遊星歯車機構70,80,90を備えており、それらの回転要素が以下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構70のサンギヤ71と第2遊星歯車機構80のサンギヤ81とが互いに一体的に連結され、また第1遊星歯車機構70のリングギヤ73と第2遊星歯車機構80のキャリヤ82と第3遊星歯車機構90のキャリヤ92との三者が連結され、かつそのキャリヤ92に出力軸57が連結されている。さらに第2遊星歯車機構80のリングギヤ83が第3遊星歯車機構90のサンギヤ91に連結されている。
【0059】
この主変速部62の歯車列では後進段と前進側の四つの変速段とを設定することができ、そのためのクラッチおよびブレーキが以下のように設けられている。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されている第2遊星歯車機構80のリングギヤ83および第3遊星歯車機構90のサンギヤ91と中間軸67との間に第1クラッチC1 が設けられ、また互いに連結された第1遊星歯車機構70のサンギヤ71および第2遊星歯車機構80のサンギヤ81と中間軸67との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0060】
つぎにブレーキについて述べると、第1ブレーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機構70および第2遊星歯車機構80のサンギヤ71,81の回転を止めるように配置されている。またこれらのサンギヤ71,81(すなわち共通サンギヤ軸)とトランスミッションハウジング10との間には、第1一方向クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキB2 とが直列に配列されており、その第1一方向クラッチF1 はサンギヤ71,81が逆回転(変速機入力軸44の回転方向とは反対方向の回転)しようとする際に係合するようになっている。多板ブレーキである第3ブレーキB3 は第1遊星歯車機構70のキャリヤ72とトランスミッションハウジング10との間に設けられている。そして第3遊星歯車機構90のリングギヤ93の回転を止めるブレーキとして多板ブレーキである第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチF2 とがトランスミッションハウジング10との間に並列に配置されている。なお、この第2一方向クラッチF2 はリングギヤ93が逆回転しようとする際に係合するようになっている。
【0061】
上述した各変速部61,62の回転部材のうち副変速部61のクラッチC0 の回転数を検出するタービン回転数センサ68と、出力軸57の回転数を検出する出力軸回転数センサ69とが設けられている。
【0062】
上記の自動変速機6では、各クラッチやブレーキを図8の作動表に示すように係合・解放することにより前進5段・後進1段の変速段を設定することができる。なお、図8において○印は係合状態、空欄は解放状態、◎印はエンジンブレーキ時の係合状態、△印は係合するものの動力伝達に関係しないことをそれぞれ示す。
【0063】
図8に示すP(パーキング)、R(リバース:後進段)、N(ニュートラル)ならびに第1速(1st)ないし第5速(5th)の各シフト状態は、図示しないシフト装置のレバーをマニュアル操作することにより設定される。そのシフトレバーによって設定される各シフトポジションの配列は、図9に示すとおりであり、P(パーキング)ポジション、R(リバース)ポジション、N(ニュートラル)ポジション、D(ドライブ)ポジションが、ここに挙げた順序で車両の前後方向に沿って配列され、そのDポジションに対して車両の幅方向に隣接する位置に“4”ポジションが配置され、その“4”ポジションに対して車両後方側に隣接して“3”ポジションが配置され、さらにこの“3”ポジションの位置から車両の斜め後方に“2”ポジションおよびLポジションが順に配列されている。
【0064】
ここで、Dポジションは車速やアクセル開度などの車両の走行状態に基づいて前進第1速ないし第5速を設定するためのポジションであり、また“4”ポジションは、第1速ないし第4速、“3”ポジションは第1速ないし第3速、“2”ポジションは第1速および第2速、Lポジションは第1速をそれぞれ設定するためのポジションである。なお、“3”ポジションないしLポジションは、エンジンブレーキレンジを設定するポジションであり、それぞれのポジションで設定可能な変速段のうち最も高速側の変速段でエンジンブレーキを効かせるように構成されている。
【0065】
また、DポジションないしLポジションのいずれかをシフトレバーによって選択することにより、そのポジションに応じた変速段を設定することができるようになっている。すなわち、マニュアル操作によって変速段を設定する変速モードであって、これが前記のスポーツモードである。このスポーツモードを選択するスポーツモードスイッチ100がインストルメントパネルもしくはセンターコンソール(それぞれ図示せず)などに設けられている。このスイッチ100をオン操作した状態で、シフトレバーをDポジションに設定すると前進第5速となり、また“4”ポジションに設定すると前進第4速、“3”ポジションに設定すると前進第3速、“2”ポジションに設定すると前進第2速、Lポジションに設定すると前進第1速の各変速段が設定される。
【0066】
なお、この発明は、上述した具体例に限定されないのであって、細部の形状や構造もしくは配置は適宜に変更することができる。例えばモータ・ジェネレータ2の冷却のためにアダプタ11の外周面に多数の放熱フィンを取り付け、あるいはアダプタ11に冷却水を流通させる中空部を形成してもよい。また、ロックアップクラッチ49における摩擦板の枚数は、上記の例で示した2枚に限らず、更に多数の摩擦板を設けた構成としてもよい。さらにモータ・ジェネレータ2を収容した空間部を液密状態に維持するために軸受21をシール材を備えた構成としたが、これに替えて軸受21とは別にシール材を設けてもよい。
【0067】
また、この発明においては、電動機の種類によってレゾルバを廃止することができ、またレゾルバを設ける場合であってもその位置は、前記隔壁部の内側すなわちモータ・ジェネレータ2側であってもよい。さらにこの発明では、電動機を流体伝動装置よりも後ろ側すなわち変速機側に配置してもよい。その場合、前記のブッシュ40を軸線方向への移動を阻止するタイプの軸受部材に変更し、また前記軸受21を軸線方向への移動を許容するタイプの軸受部材に変更する。そしてまたこの発明は、電動機のみを駆動力源として備えた電気自動車の駆動装置にも適用することができる。さらに流体伝動装置の外殻に取り付けた回転部材を支持する機能装置は、上述した油圧ポンプに限定されないのであり、要は、ハウジングに固定される装置であればよい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1および請求項4〜9の発明によれば、流体伝動装置の外殻と一体化されている一方の回転部材と電動機の出力用回転部材とが連結されており、その一方の回転部材が軸受部材によって軸線方向への移動を阻止した状態で回転自在に保持され、これに対して流体伝動装置の外殻と一体の他方の回転部材が軸線方向への移動が可能な他の軸受部材によって回転自在に支持されているので、流体伝動装置の外殻がその内部の流体の圧力の変動で変形した場合には、前記他方の軸受部材によって支持されている回転部材が軸線方向に移動し、したがって圧力変動に基づく過大な応力が生じることがないのみならず、他方の回転部材の軸線方向への移動によって圧力変動を吸収するので、流体伝動装置の支持精度や電動機での固定子と回転子との相対位置の精度を良好な状態に維持することができる。
【0069】
また、請求項2および3の発明によれば、回転子と一体の軸部材が、固定子を取り付けてある第1のハウジングと一体の隔壁部によって支持され、またその軸部材の他の一部が、その第1のハウジングを取り付けて一体化してある第2のハウジングと一体化されている機能装置の固定構造部によって回転自在に支持されているので、回転子を支持している部材と固定子を取り付けてある部材とが全体として一体化された状態となり、固定子と回転子との相対的な位置精度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明における電動機および流体伝動装置の配置構造および支持構造の一例を模式的に示す図である。
【図2】 この発明に係る駆動装置の一例における配列を原理的に示すブロック図である。
【図3】 この発明の駆動装置の一例を具体的に示す部分断面図である。
【図4】 この発明の一例におけるエンジンから変速機までの各要素の配列を示す模式図である。
【図5】 そのモータ・ジェネレータの制御系統を示すブロック図である。
【図6】 この発明の一例における総合制御装置における入出力信号を示す図である。
【図7】 この発明の一例における自動変速機のギヤトレーンを示すスケルトン図である。
【図8】 その自動変速機の各変速段を設定するためのクラッチおよびブレーキの係合作動表を示す図表である。
【図9】 その自動変速機についてのシフトレバーポジションの配列を示す図である。
【符号の説明】
2…モータ・ジェネレータ(電動機)、 5…トルクコンバータ(流体伝動装置)、 10…トルクコンバータハウジング(第2のハウジング)、 11…アダプタ(第1のハウジング)、 12…隔壁部、 21…軸受(軸受部材)、 23…入力軸、 32…ロータ、 33…フロントカバー、 34…ステータ、35…ポンプシェル、 36…円筒軸、 37…油圧ポンプ(機能装置)、 40…ブッシュ(軸受部材)、 I…第1のモジュール、 II…第2のモジュール、 III …第3のモジュール。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vehicle drive apparatus including at least an electric motor as a driving force source for traveling.
[0002]
[Prior art]
Recently, there is an increasing demand for improving the fuel efficiency of vehicles and reducing exhaust gas from the viewpoint of environmental conservation and effective use of resources. In order to meet such demands, electric motors have been used instead of or in conjunction with conventional internal combustion engines. That is, the former is a so-called electric vehicle and the latter is a hybrid vehicle. This latter example is described in JP-A-8-168104.
[0003]
The device described in this publication is a hybrid drive device in which a motor / generator is arranged on the output side of an engine and a torque converter and a speed change mechanism are arranged in order after the motor / generator. The invention described in this publication is intended to cancel the pulsation of engine torque with the output torque of the motor / generator. The motor / generator is arranged as described above and connected to the torque converter together with the engine. Therefore, energy can be regenerated and stored when decelerating, and the power can be used to start or accelerate. Change costs It is good, and exhaust gas emissions can be reduced.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The above-described conventional apparatus has a configuration in which a motor / generator is newly added to a vehicle with an automatic transmission having an internal combustion engine as a power source. In general, there is a demand for a vehicle to expand the cabin space in conjunction with a reduction in size and weight, and for this reason, the space volume allowed for the power unit and its associated equipment is extremely limited. -When installing a new generator, simply installing a motor / generator between the engine and the torque converter will increase the overall length of the drive unit, or increase the size of the drive unit. Problems arise.
[0005]
Further, when the motor / generator is arranged adjacent to the torque converter as in the above-described conventional device, the torque converter serves as a connection means between the power source and the transmission mechanism, and therefore the motor / generator is connected to the torque converter. Become. In that case, since the torque converter expands and contracts due to a change in the pressure of the internal oil (fluid), a structure that allows the deformation is required. In the motor / generator, it is necessary to accurately set and maintain the gap between the stator and the rotor. Although the mechanical requirements for these torque converters and motor / generators are contradictory, it is a completely new technical challenge to reduce the overall size and weight while satisfying these requirements. Conventionally, there is no technology that can meet this type of problem.
[0006]
The present invention has been made against the background of the above circumstances, and provides a vehicle drive device in which a fluid transmission device and an electric motor can be arranged so as to satisfy the requirements of the mechanism while reducing the overall size. It is for the purpose.
[0007]
[Means for Solving the Problem and Action]
In order to achieve the above object, the invention according to
[0008]
Therefore, according to the first aspect of the present invention, the one rotary member integrated with the outer shell of the fluid transmission device is connected to the output rotary member of the electric motor, and the one rotary member is connected to the axis line by the bearing member. It is rotatably held in a state where movement in the direction is prevented. Therefore, the output rotating member of the electric motor is also prevented from moving in the axial direction. As a result, the position of the rotor such as the rotor rotating together with the output rotating member in the electric motor is fixed. On the other hand, the other rotating member integral with the outer shell of the fluid transmission device is rotatably supported by another bearing member that can move in the axial direction. In the case of deformation due to fluctuations in the pressure of the fluid, the rotating member supported by the other bearing member moves in the axial direction, so that excessive stress based on pressure fluctuations does not occur. Further, since the pressure fluctuation is absorbed by the movement of the other rotating member in the axial direction, the accuracy of supporting the fluid transmission device and the accuracy of the relative position between the stator and the rotor in the electric motor can be maintained in a good state. it can.
[0009]
According to a second aspect of the present invention, there is provided a vehicle drive device including an electric motor that outputs power or generates electric power by relative rotation of a stator and a rotor, wherein the stator is an inner periphery of a first housing. A partition member fixed to the surface and projecting radially inwardly on the inner peripheral surface of the first housing is provided, and a shaft member integrated with the rotor by a bearing member attached to the inner peripheral portion of the partition unit Is directly held rotatably, and the first housing Integrated Functionally mounted on the attached second housing The device is firmly fixed The other part of the shaft member is To the fixed structure Therefore, it is further characterized by being held rotatably.
[0010]
Therefore, according to the invention of
A third aspect of the invention is the vehicle drive device according to the second aspect of the invention, wherein the functional device is a hydraulic pump.
A fourth aspect of the invention is the vehicle drive device according to the first aspect of the invention, wherein the other bearing member is a bush.
According to a fifth aspect of the present invention, in the first or fourth aspect of the invention, the bearing member that supports the one rotating member is configured to receive a thrust force. It is.
According to a sixth aspect of the present invention, in the first, fourth, or fifth aspect of the present invention, the first housing integrally provided on the inner peripheral surface with the partition wall portion extending toward the center portion, and the first housing And a hydraulic pump attached to an inner peripheral portion of the second housing so as to face the partition wall, and the electric motor includes the partition wall and the second housing. The vehicle drive device is disposed between the hydraulic pump and the vehicle.
According to a seventh aspect of the present invention, in the invention according to any one of the first, fourth, fifth, and sixth aspects, a part of the outer shell of the fluid transmission device is recessed inward to form a recess, and the recess has the recess of the electric motor. A vehicle drive device characterized in that a part of a stator is arranged. Therefore, the size in the axial direction and the size in the radial direction can be reduced to reduce the size as a whole.
According to an eighth aspect of the present invention, in the invention according to any one of the first, fourth, fifth, sixth, and seventh aspects, the motor includes a resolver, and a damper that suppresses the torque transmitted to the one rotating member. It is provided, The said resolver is arrange | positioned at the inner peripheral side of the rotor of the said electric motor, And the said damper is arrange | positioned at the inner peripheral side of the stator of the said electric motor, The drive device for vehicles characterized by the above-mentioned. Accordingly, the overall length can be shortened.
According to a ninth aspect of the present invention, in the first aspect of the present invention, the second housing that houses the fluid transmission device, the hydraulic pump that is assembled inside the second housing, and the inner peripheral portion of the hydraulic pump A first module constituted by the other bearing member inserted; the fluid transmission device; the rotary members on both the front and rear sides integrated with an outer shell of the fluid transmission device; A second module which is composed of a rotor of the electric motor integrated with a rotating member and is inserted from the opening end side of the second housing and assembled to the first module; and A first housing having a partition wall portion attached to the open end and extending to the center thereof, a stator of the electric motor attached to an inner peripheral surface of the first housing, and an inner periphery of the partition wall portion Consists of a said bearing member which is fitted in, and a vehicle drive device, characterized in that it comprises a third module to be assembled to said first of said second module that is assembled to the module. Therefore, assemblability can be improved.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the present invention will be specifically described with reference to the drawings. FIG. 2 shows a basic configuration of the driving apparatus according to the present invention, and a first
[0012]
The second
[0013]
A
[0014]
A
[0015]
On the other hand, the
[0016]
The motor /
[0017]
A configuration that further embodies the configuration shown in FIG. 2 is shown in FIG. 3 as a partial cross-sectional view. An
[0018]
A distal end portion of a
[0019]
The
[0020]
An end on the inner peripheral side of the
[0021]
A tip end portion (left end portion in FIG. 3) of the
[0022]
As shown in FIG. 3, the
[0023]
A rear end portion (right end portion in FIG. 3) of the
[0024]
The
[0025]
A stator (stator) 34 is disposed on the outer peripheral side of the
[0026]
Therefore, a part of the
[0027]
On the other hand, the
[0028]
Similarly to the pump shell of the conventional torque converter, the
[0029]
Therefore, the
[0030]
The
[0031]
Therefore, the
[0032]
A cylindrical fixed
[0033]
Further, a
[0034]
A
[0035]
The
[0036]
The space defined by the
[0037]
Further, by making the oil pressure on the back side of the piston 54, that is, the side opposite to the
[0038]
Thus, the position where the lock-up clutch 49 is provided is a position which is an intermediate portion of the
[0039]
The reason why such a configuration is possible is as follows. A part of the
[0040]
In addition, although not indicated in particular, between the
[0041]
As described above, the
[0042]
Here, the assembly procedure of the apparatus shown in FIG. 3 will be described. Since the
[0043]
On the other hand, the
[0044]
Further, the
[0045]
In this state, the stator 29 of the
[0046]
Finally, the first to third modules I, II, and III that are assembled and integrated with each other are assembled to the
[0047]
In the above-described configuration, the
[0048]
By the way, in the above configuration, the
[0049]
Here, if the arrangement order of each element which comprises said drive device is shown, it will be as FIG. That is, the example shown here is an arrangement example suitable for an FR vehicle (front engine / rear drive vehicle) in which the
[0050]
As described above, the motor /
[0051]
The
[0052]
As an example of the control, when the
[0053]
Each device such as the
[0054]
Examples of output signals include ignition signals, injection (fuel injection) signals, signals to the starter, signals to the
[0055]
The driving device according to the present invention basically outputs power for traveling by the
[0056]
In the configuration shown here, the shift speed is set to five forward speeds and one reverse speed. That is, the
[0057]
Therefore, the
[0058]
On the other hand, the
[0059]
In the gear train of the
[0060]
Next, the brake will be described. The first brake B1 is a band brake and is arranged so as to stop the rotation of the sun gears 71 and 81 of the first
[0061]
Among the rotating members of the
[0062]
In the above
[0063]
The shift states of P (parking), R (reverse: reverse), N (neutral), and first speed (1st) to fifth speed (5th) shown in FIG. It is set by doing. The arrangement of the shift positions set by the shift lever is as shown in FIG. 9, and the P (parking) position, R (reverse) position, N (neutral) position, and D (drive) position are listed here. The “4” position is arranged at a position adjacent to the D position in the width direction of the vehicle, and adjacent to the “4” position on the rear side of the vehicle. The “3” position is arranged, and further, the “2” position and the L position are arranged in order from the position of the “3” position obliquely behind the vehicle.
[0064]
Here, the D position is a position for setting the forward first speed to the fifth speed based on the traveling state of the vehicle such as the vehicle speed and the accelerator opening, and the “4” position is the first speed to the fourth speed. The speed, “3” position is a position for setting the first speed to the third speed, the “2” position is a position for setting the first speed and the second speed, and the L position is a position for setting the first speed. The “3” position to the L position are positions for setting the engine brake range, and the engine brake is applied at the highest speed among the speeds that can be set in each position. .
[0065]
In addition, by selecting either the D position or the L position with the shift lever, it is possible to set the gear position according to the position. That is, it is a shift mode in which the gear position is set by a manual operation, and this is the sports mode. A
[0066]
In addition, this invention is not limited to the specific example mentioned above, Comprising: A detailed shape, structure, or arrangement | positioning can be changed suitably. For example, many cooling fins may be attached to the outer peripheral surface of the
[0067]
In the present invention, the resolver can be abolished depending on the type of electric motor, and even when the resolver is provided, the position thereof may be inside the partition wall, that is, on the motor /
[0068]
【The invention's effect】
Claims as described above 1 and claims 4-9 According to the invention, the one rotating member integrated with the outer shell of the fluid transmission device is connected to the rotating member for output of the electric motor, and the one rotating member is moved in the axial direction by the bearing member. Since the other rotating member integral with the outer shell of the fluid transmission device is rotatably supported by the other bearing member capable of moving in the axial direction, while being rotatably held in the blocked state, When the outer shell of the fluid transmission device is deformed due to fluctuations in the pressure of the fluid inside, the rotating member supported by the other bearing member moves in the axial direction, and therefore excessive stress based on the pressure fluctuations is generated. Not only does this occur, but also the pressure fluctuation is absorbed by the movement of the other rotating member in the axial direction, so the accuracy of supporting the fluid transmission device and the accuracy of the relative position between the stator and the rotor in the motor are good. Status It can be maintained.
[0069]
According to the second and third aspects of the invention, the shaft member integral with the rotor is supported by the partition wall portion integral with the first housing to which the stator is attached, and the other part of the shaft member. Installed its first housing Integrated Second housing And one Functional equipment that is embodied To the fixed structure Therefore, since it is rotatably supported, the member supporting the rotor and the member to which the stator is attached are integrated as a whole, and the relative positional accuracy between the stator and the rotor is increased. Can be high.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram schematically showing an example of an arrangement structure and a support structure of an electric motor and a fluid transmission device according to the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing in principle an arrangement in an example of a driving apparatus according to the present invention.
FIG. 3 is a partial cross-sectional view specifically showing an example of the drive device of the present invention.
FIG. 4 is a schematic diagram showing an arrangement of elements from an engine to a transmission in an example of the present invention.
FIG. 5 is a block diagram showing a control system of the motor / generator.
FIG. 6 is a diagram showing input / output signals in an integrated control apparatus according to an example of the present invention.
FIG. 7 is a skeleton diagram showing a gear train of an automatic transmission according to an example of the present invention.
FIG. 8 is a chart showing an engagement operation table of clutches and brakes for setting each gear position of the automatic transmission.
FIG. 9 is a diagram showing an arrangement of shift lever positions for the automatic transmission.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (9)
前記流体伝動装置の流体を収容している外殻に、その軸線方向での前後両側に延びた回転部材が一体的に設けられるとともに、その前後いずれか一方の回転部材に前記電動機の出力用回転部材が一体に連結され、この出力用回転部材が連結された前記一方の回転部材が、軸線方向への移動が阻止された状態で軸受部材によって回転自在に支持され、かつ他方の回転部材が軸線方向の移動が可能な状態で他の軸受部材によって回転自在に支持されていることを特徴とする車両用駆動装置。In the vehicle drive device in which the fluid transmission device and the electric motor are arranged adjacent to each other in the direction along the rotation center axis line thereof,
The outer shell that contains the fluid of the fluid transmission device is integrally provided with a rotating member that extends on both the front and rear sides in the axial direction, and the output rotation of the electric motor is provided on one of the front and rear rotating members. The one rotating member to which the output rotating member is connected is rotatably supported by the bearing member in a state where movement in the axial direction is prevented, and the other rotating member is connected to the axial line. A vehicular drive device, wherein the vehicular drive device is rotatably supported by another bearing member in a state in which movement in a direction is possible.
前記固定子が第1のハウジングの内周面に固定され、その第1のハウジングの内周面に半径方向で内側に突出した隔壁部が設けられるとともに、その隔壁部の内周部に取り付けた軸受部材によって前記回転子と一体の軸部材が回転自在に直接保持され、さらに前記第1のハウジングが一体化して取り付けられた第2のハウジングに機能装置が一体的に固定され、前記軸部材の他の一部がこの機能装置における固定構造部によって更に回転自在に保持されていることを特徴とする車両用駆動装置。In a vehicle drive device including an electric motor that outputs power or generates electric power by relatively rotating a stator and a rotor,
The stator is fixed to the inner peripheral surface of the first housing, and a partition wall portion protruding inward in the radial direction is provided on the inner peripheral surface of the first housing, and is attached to the inner periphery portion of the partition wall portion. shaft member integral with said rotor by a bearing member is rotatably held directly, the second functional equipment in the housing is integrally fixed to further the first housing was attach integrally, It said shaft other part is a vehicle driving apparatus characterized by being retained freely Therefore further rotated to the fixed structure of the functional equipment of the member.
前記流体伝動装置と、その流体伝動装置の外殻に一体化された前記前後両側の回転部材と、前記いずれか一方の回転部材に一体化された前記電動機の回転子とからなり、かつ前記第2のハウジングの開口端側から挿入されて前記第1のモジュールに組み付けられる第2のモジュールと、 The fluid transmission device, the front and rear rotating members integrated with the outer shell of the fluid transmission device, and the electric motor rotor integrated with one of the rotating members, and the first A second module inserted from the open end side of the two housings and assembled to the first module;
前記第2のハウジングの開口端に取り付けられかつその中心部に延びる隔壁部を備えた第1のハウジングと、その第1のハウジングの内周面に取り付けられた前記電動機の固定子と、前記隔壁部の内周部に嵌合させられた前記軸受部材とからなり、かつ前記第1のモジュールに組み付けられた前記第2のモジュールに組み付けられる第3のモジュールと A first housing having a partition wall portion attached to an open end of the second housing and extending to a central portion thereof; a stator of the electric motor attached to an inner peripheral surface of the first housing; and the partition wall A third module that is assembled to the second module and that is assembled to the first module, the bearing member being fitted to the inner peripheral portion of the portion;
を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置。The vehicle drive device according to claim 1, comprising:
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