JP3855023B2 - Wood decomposition product, and method for bonding an object, method for curing an uncured epoxy compound, method for producing an epoxy resin, and method for producing a urethane resin using the wood decomposition product - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材の分解および当該分解生成物の利用に係り、特に、木材端材を化学的に処理して工業的に価値のある原料を得ることによって、木材の再利用を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、用済みとなった木材は粉砕してチップにし、製紙用として製紙工場に輸送するか、パーティクルボード用としてボード製造工場に輸送するか、あるいは焼却処理に付されていた。かかる木材チップは嵩比重が小さいこと、多くの製紙工場などが遠隔地に立地していることから、輸送費がかさむ。また、ダイオキシン類対策特別措置法(平成12年1月15日施行)により廃棄物焼却炉からのダイオキシン類の大気排出基準値が定められ、小規模な焼却炉での焼却処理も困難になっている。とりわけ、家具や建具の製作時に生じる木材端材には、ポリ塩化ビニルを張ってあるものが存在し、製紙化、ボード化、および焼却処理のいずれもが困難であった。
【0003】
一方、木製枕木、木製電柱、家屋の木製土台や大引きなどのように、防虫機能ないし防腐機能を有する防腐剤が塗布ないし含浸処理された木材(防腐剤処理木材、例えばクロム、銅、砒素などといった有害な重金属を含有する防腐剤を塗布した、いわゆるCCA木材など)は廃棄処理ができず、そのまま野積みされているのが実情である。
そこで、木材をフェノール−硫酸系の分解試薬で分解しその分解生成物をフェノール樹脂の原料とする方法が、例えば特開平6−263880号公報に開示されている。または、木材をグリコール−硫酸系の分解試薬で分解しその分解生成物をウレタン樹脂の原料とする方法も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したフェノール樹脂原料化やウレタン樹脂原料化のように、硫酸触媒を用いたこれらの分解は炭化作用により分解生成物が真っ黒になる欠点があり、用途が著しく限定される。そのうえ、前者はフェノールの留去が困難で、成形時の流動性も悪い。
他方で、合板などに用いられる接着剤はホルムアルデヒドを遊離する尿素樹脂(メチロール化尿素)、トリメチロールメラミンなどを主成分とするものが多いが、かかる接着剤から遊離したホルムアルデヒドによるハウスシック症候群が問題となっていて、ハウスシック症候群を引き起こさない接着剤の開発が嘱望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、本発明者らは、例えば粉砕した木材を、100〜300℃程度の比較的低温で分解して木材分解生成物を得る発明を創案し、この木材分解生成物を、接着剤、エポキシ樹脂原料や硬化剤、あるいは、ウレタン樹脂原料として利用する方法を案出した。
すなわち、本発明者らが創案した発明は、木材を、ヒドロキシカルボン酸により分解して得られた木材分解生成物である。前記の化合物で木材を分解するにあたっては、木材膨潤剤を併用してもよい。
【0006】
また、本発明の木材分解生成物は、木材を、ルイス酸の存在下で、ヒドロキシカルボン酸により分解しても得られる。
【0007】
本発明の木材分解生成物を得る原料木材としては、防腐剤処理の施された木材、またはポリ塩化ビニル皮膜で被われた木材も適用される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明においては、木材端材を原料木材としてそのまま使用できるが、原料木材は粉砕し(必要ならばポリ塩化ビニルなどを分別し)、この粉砕物をふるいに掛ける前処理を行うのが好ましい。前記の粉砕は、例えば、衝撃式破砕機(ハンマー式、チェーン式)、せん断式破砕機、切断式破砕機、圧縮式破砕機(ロール式、コンベア式、スクリュ式)、スタンプミル、ボールミル、ロッドミル粉砕機などにより行うことができる。粉砕物は小さい方が反応に関わる表面積が大きくなるので望ましいが、目の開き10mmのふるいを通過する程度のものが良い。好ましくは目の開き3mm、更に好ましくは目の開き1mmのふるいを通過する粉砕物が良い。
【0009】
そして、本発明の原料木材となる樹種としては、特に限定されないが、例えばマツ、モミ、トウヒ、カラマツ、トガサワラ、ツガ、ヒノキ、ヒバ、ネズコ、スギなどの針葉樹や、ツゲ、カエデ、ブナ、ハンノキ、サクラ、カキ、トチノキ、シラカンバ、マカンバ、アカガシ、オニグルミ、クリ、シイ類、ナラ類、カシワ、クヌギ、キハダ、ハルニレ、ケヤキ、ホオノキ、クスノキ、タブノキ、イスノキ、カツラ、アサダ、ドロノキ、シナノキ、ミズキ、ハリギリ、キリ、タモ類、イヌエンジュ、ヤマグワなどの広葉樹が挙げられる。
【0010】
本発明に用いられる木材分解試薬であるヒドロキシカルボン酸は、飽和ヒドロキシカルボン酸と不飽和ヒドロキシカルボン酸を含んでいる。
前記の飽和ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸、2−ヒドロキシ−4−メチルペンタン酸、2−エチル−2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、3,3,3−トリクロロ−2−ヒドロキシプロピオン酸、2−(ラクトイルオキシ)プロピオン酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、5−クロロサリチル酸、3,5−ジクロロサリチル酸、3−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、メチルサリチル酸、チモチン酸、バニリン酸、イソバニリン酸、ヒドロキシフェニル酢酸、3−(o−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、マンデル酸、フェニル乳酸、3−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、2−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルエタン酸などが挙げられる。
また、前記の不飽和ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、ヒドロキシけい皮酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシけい皮酸、3−ヒドロキシ−4−メトキシけい皮酸、2−ヒドロキシ−4−フェニル−3−ブテン酸、4−アリル−2−ヒドロキシ−6−メトキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−(8,11−ペンタデカジエニル)安息香酸、12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸などが挙げられる。
【0011】
木材端材と、分解試薬として用いる化合物との重量比は1:0.2〜35、好ましくは1:0.5〜5とするのが望ましい。この比を変えることにより、得られる分解生成物の分子量を調整できる。因みに、分解試薬が少ないと分解生成物の分子量が大きくなり、分解試薬が多いと分解生成物の分子量が小さくなる。
処理コストの面からは、加える物質は少ないほうがよい。しかしながら、ぬれ性などの観点から少なくできないことがある。また、木材粉砕物は嵩高いので、分解試薬中に十分浸からず、木材粉砕物の表面がぬれないことがある。但し、十分にぬれない場合は、分解に用いたものと同種の新たな分解試薬に、分解により生じた液(分解生成物)を加えることによって、木材粉砕物をぬらして分解させることができる。また、分解生成物から過剰の分解試薬を分離することにより、木材粉砕物を効率良く有効利用することも可能である。
【0012】
本発明に用いられる木材膨潤剤としては、例えば、硝酸ナトリウム−水系(硝酸ナトリウム水溶液)、エチレンカーボネート、ラクチトール−水系(ラクチトール水溶液)、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルモルホリン−N−オキシド、N,N−ジメチルアセトアミド−塩化リチウム系(N,N−ジメチルアセトアミドと塩化リチウムの混合物)、アニソール、尿素、水などが挙げられる。これらの木材膨潤剤は、木材成分である、リグニン、ヘミセルロース、セルロースの溶解剤、膨潤剤として働き、木材成分の分解を早める。例えば、アニソールは高温でのリグニンの縮合による不溶化を防止すると考えられる。
【0013】
本発明に用いられるルイス酸としては、例えば、硫酸アルミニウム、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、四塩化チタン、三塩化スズ(微量の水などが共触媒として必要)、ジエチルエーテラートなどが挙げられる。これらのルイス酸は木材分解反応の触媒として働き、木材成分の分解速度を速くする。
【0014】
本発明における木材の分解温度は、比較的低温の100℃から300℃程度で済む。好ましくは、200℃〜300℃の分解温度とするのが、分解速度が速くなって望ましい。そして、窒素雰囲気下で分解させる方が、酸化反応による着色などを防ぐうえで望ましい。更には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどの酸化防止剤を添加して分解させると、よりいっそう着色を防ぐことができる。また、大気圧下あるいは加圧下で分解を行うことも可能である。因みに、低沸点ヒドロキシカルボン酸などを用いる場合、その沸点以上の温度では加圧下で分解を行うことが望ましい。
【0015】
木材の構成成分は主にリグニン、ヘミセルロース、セルロースである。これらの化合物(R−O−R’)にはエーテル結合が存在し、次式のように、酸(HX)によって容易に開列する。
R−O−R’+ HX → R−X + R’−OH
そして、ヘミセルロース、セルロースのグリコキシ結合は一般に酸に弱く塩基には安定であるが、還元末端のアルデヒド基によってC−2(α位)の水素が塩基に攻撃される。この場合、還元末端から糖残基が1つづつ除かれていく。従って、(1→3)結合>(1→4)結合=(1→6)結合>(1→2)結合の順に塩基分解されやすい。
既述した、ヒドロキシカルボン酸は二官能基を有するので、これらにより加溶媒分解されて得た分解生成物の末端にも官能基が存在することとなる。因みに、ヒドロキシカルボン酸による木材の加溶媒分解生成物は一部多糖のヒドロキシカルボン酸エステルである。これらの分解生成物は精製せずに、接着剤、エポキシ樹脂原料、ウレタン樹脂原料に用いることができる。この分解生成物の利用法は精製工程を必要とせず、また多少の水分が有っても支障無く行える。
【0016】
また、防腐剤処理木材を原料木材とすることもできる。その場合は、防腐剤中に含まれるクロム、銅、砒素などの重金属を回収して処理することができる。更には、また、ポリ塩化ビニル皮膜で被われたポリ塩化ビニル張り合板(例えば、家具や建具の木材端材など)は木材部分のみが分解して液状となるため、ろ過などによりポリ塩化ビニルを容易に分離することができる。
【0017】
本発明の木材分解生成物に多く含まれるOH基やCOOH基がイオン結合や水素結合を生じやすいので、本発明の木材分解生成物は物同士の接着剤として利用される。この木材分解生成物からなる接着剤はリグニンなどの天然成分を多量に含んでいるので、人にやさしく、ハウスシック症候群の解消に貢献するものと考えられる。
また、本発明の木材分解生成物に含まれているOH基やNH2基の活性水素が未硬化のエポキシ化合物の酸素原子に付加して分子間架橋させるので、この木材分解生成物は未硬化エポキシ化合物の硬化剤として利用される。
そして、本発明の木材分解生成物は、セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンに存在して多くのOH基を有するポリヒドロキシ化合物を含んでいるため、エピクロルヒドリンと反応するエポキシ樹脂の原料の一部となり得る。あるいは、イソシアネート化合物と反応するウレタン樹脂の原料の一部となり得る。この場合、本発明に用いるイソシアネート化合物としては、例えば、ジイソシアネート類、ポリイソシアネート類、イソシアネート再生体、非黄変性イソシアネートなどが例示される。
【0018】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
以下の実施例では、木材として、米ツガ(学名:Tsuga heterophylla Sarg.)をウイレー型粉砕機で粉砕した木粉(ふるいの目の開き0.25mmの通過分、嵩比重0.45)、または和歌山県産杉(学名:Cryptomeria japonica D.Don)の間伐材粉砕物をふるい機(森下機械(株)製の製品名「ウグラン」で、ふるいの目の開き0.25〜2mm)により分級して通過したもの(嵩比重0.17)を用いた。そこで、密封状の反応容器(耐圧硝子工業(株)製のポータブルリアクターで型名TVS−N2型(キャップボルト方式)、内容量200ml)中に、粉砕木材、分解試薬などを仕込み、所定温度で所定時間分解させた。分解終了後に固形分をろ別し、更に、グラスフィルター上の固形分をメタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、および、水などの溶媒で逐次洗浄し、グラスフィルター上に残った不溶分を減圧乾燥後に秤量し、この秤量値を原料の粉砕木材重量で除して分解率を算出した。グラスフィルターを通過した液状の分解生成物の分子量はゲル浸透クロマトグラフによりテトラヒドロフラン溶媒を用いて40℃で測定した。
【0019】
(実施例1)
下記の実施例1〜10は「L−乳酸」による分解例を示す。
杉間伐材粉砕物1.00gにL−乳酸20.00gを加え、200℃で2時間分解させた。分解率は27.4%であった。
【0020】
(実施例2)
220℃で分解させたこと以外は、実施例1と同じ条件で分解生成物を得た。分解率は54.5%であった。
【0021】
(実施例3)
240℃で分解させたこと以外は、実施例1と同じ条件で分解生成物を得た。分解率は48.6%であった。
【0022】
(実施例4)
260℃で分解させたこと以外は、実施例1と同じ条件で分解生成物を得た。分解率は43.5%であった。
【0023】
(実施例5)
280℃で分解させたこと以外は、実施例1と同じ条件で分解生成物を得た。分解率は42.2%であった。
【0024】
上記した実施例1〜5における実験条件および結果を以下の表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
実施例1〜5を示した表1からわかるように、分解試薬のヒドロキシカルボン酸であるL−乳酸を用いて、木材を分解させることができた。この場合、反応温度を高くすることは必ずしも分解率の向上につながらず、むしろ高くなるにつれて分解率の低下を招いている。
【0027】
(実施例6)
杉間伐材粉砕物1.00gにL−乳酸20.00gを加え、220℃で1時間分解させた。分解率は52.8%であった。
【0028】
(実施例7)
3時間反応させたこと以外は、実施例6と同じ条件で分解生成物を得た。分解率は47.7%であった。
【0029】
(実施例8)
5時間反応させたこと以外は、実施例6と同じ条件で分解生成物を得た。分解率は35.7%であった。
【0030】
上記した実施例6〜8における実験条件および結果を以下の表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
実施例6〜8を示した表2から明らかなように、反応時間を長くしても分解率の増大につながっていない。すなわち、上述した反応温度以外に、個々の反応系毎に最適な反応温度および反応時間が存在するものと考えられる。
【0033】
(実施例9)
杉間伐材粉砕物1.00gにL−乳酸20.00gを加え、260℃で7時間分解させた。分解率は62.6%であった。
【0034】
(実施例10)
290℃で分解させたこと以外は、実施例9と同じ条件で分解生成物を得た。分解率は3.2%であった。
上記した実施例9,10における実験条件および結果を以下の表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
実施例9,10を示した表3によれば、表1の実施例1〜5と同様、分解率が反応温度に依存していない。むしろ実施例10のように、高温では分解率が極端に低くなった。この結果より、290℃の高温ではリグニンなどの不溶化が起こると思われる。
【0037】
尚、実施例9における分解残さを赤外吸収スペクトル分析に供した。得られた分解残さの赤外吸収スペクトルより、1746cm−1 にエステル基の吸収があり、2924、1456cm−1にメチレン、1030、1058、1107cm−1に一級OH基、二級OH基、エーテル結合の吸収が有り、エステル基の吸収以外はセルロースの吸収スペクトルと同じであった。従って、分解残さはL−乳酸がエステル化したセルロースである。
【0038】
(実施例11)
米ツガ木粉1.00gにL−乳酸20.00gを加え、200℃で2時間分解させた。分解率は7.0%であった。
このとき得た分解生成物を上記のゲル浸透クロマトグラフで分析した。ゲル浸透クロマトグラフの分析結果より、米ツガ木粉の分解生成物のピーク1は数平均分子量=154、重量平均分子量=157、重量平均分子量/数平均分子量=1.02であった。分解生成物のピーク2は数平均分子量=239、重量平均分子量=240、重量平均分子量/数平均分子量=1.01であった。分解生成物のピーク3は数平均分子量=314、重量平均分子量=315、重量平均分子量/数平均分子量=1.00であった。分解生成物のピーク4は数平均分子量=674、重量平均分子量=923、重量平均分子量/数平均分子量=1.37であった。分解生成物の全体ピークは数平均分子量=232、重量平均分子量=424、重量平均分子量/数平均分子量=1.83であった。
【0039】
(実施例12)
この実施例は「グリコール酸」による分解例を示している。
杉間伐材粉砕物1.00gにグリコール酸20.00gを加え、220℃で2時間分解させた。分解率は43.0%であった。
【0040】
(実施例13)
下記の実施例13〜15は「L−乳酸と木材膨潤剤系」による分解例を示している。
杉間伐材粉砕物1.00gにL−乳酸20.00g、更に木材膨潤剤としてエチレンカーボネート5.00gを加え、260℃で3時間分解させた。分解率は50.2%であった。
【0041】
(実施例14)
エチレンカーボネート5.00gに代えてアニソール10.00gを用い、7時間反応させたこと以外は、実施例13と同じ条件で分解生成物を得た。分解率は53.8%であった。
【0042】
(実施例15)
ラクチトール1.00gと水1.00gを加えた以外は、実施例14と同じ条件で分解生成物を得た。分解率は63.7%であった。
【0043】
上記した実施例12〜15における実験条件および結果を以下の表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
実施例12〜15を示した表4によれば、グリコール酸(ヒドロキシカルボン酸)によっても木材を良好に分解することができた。また、L−乳酸(ヒドロキシカルボン酸)に、木材膨潤剤(エチレンカーボネート(実施例13)、アニソール(実施例14,15)、ラクチトール−水(実施例15))を加えたものは、同様な実験条件である実施例4や実施例9と比べて分解率が高くなっている。
【0046】
(比較例1)
下記の比較例1〜3は杉間伐材粉砕物に「木材膨潤剤だけ」を加えて観察したものである。
杉間伐材粉砕物1.00gに、木材膨潤剤としてアニソール20.00gを加え、260℃で7時間反応させた。分解率は16.4%であった。
【0047】
(比較例2)
アニソール20.00gに代えて、ラクチトール2.00gを水10.00g に溶かした水溶液を用いた以外は比較例1と同じ条件で反応させた。分解率は−22.78%と、残存固形分が増加した。
【0048】
(比較例3)
アニソール20.00gに代えて無水酢酸20.00gを用い、反応時間を2時間にした以外は比較例1と同じ条件で反応させた。分解率は−36.72%と、残存固形分が増加した。
【0049】
上記した比較例1〜3における実験条件および結果を以下の表5に示す。
【0050】
【表5】
【0051】
実施例13〜15と比べ、表5に示した比較例1〜3は、分解試薬を用いることなく木材膨潤剤だけを加えたものである。従って、杉間伐材粉砕物があまり分解されなかったり(比較例1)、逆に残存固形分が増えたもの(比較例2,3)もある。
【0052】
(実施例16)
下記の実施例16〜20は「別の木材膨潤剤」を加えた場合の分解例を示している。
杉間伐材粉砕物1.00gにL−乳酸20.00g、更に木材膨潤剤としてN,N―ジメチルアセトアミド10.00gおよび塩化リチウム0.45gを加え、220℃で2時間分解させた。分解率は34.8%であった。
【0053】
(実施例17)
N,N―ジメチルアセトアミド10.00gおよび塩化リチウム0.45gの代わりに、4−メチルモルホリン−4−オキシド2.00gを用いた以外は実施例16と同じ条件で反応させた。分解率は65.3%であった。
【0054】
(実施例18)
N,N―ジメチルアセトアミド10.00gおよび塩化リチウム0.45gの代わりに、尿素2.00gを用いた以外は実施例16と同じ条件で反応させた。分解率は43.5%であった。
【0055】
(実施例19)
N,N―ジメチルアセトアミド10.00gおよび塩化リチウム0.45gの代わりに、ジメチルホルムアミド5.00gを用いた以外は実施例16と同じ条件で反応させた。分解率は42.4%であった。
【0056】
(実施例20)
N,N―ジメチルアセトアミド10.00gおよび塩化リチウム0.45gの代わりに、水10.00gを用いた以外は実施例16と同じ条件で反応させた。分解率は28.8%であった。
【0057】
上記した実施例16〜20における実験条件および結果を以下の表6に示す。
【0058】
【表6】
【0059】
実施例16〜20を示した表6のように、種々の木材膨潤剤(N,N−ジメチルアセトアミド−塩化リチウム系、4−メチルモルホリン−4−オキシド、尿素、ジメチルホルムアミド、水)をL−乳酸(分解試薬)と併用した結果、分解率は、あまり低下することなく一定以上のレベルに保たれていることがわかる。そして、実施例17(4−メチルモルホリン−4−オキシド)では実施例2より分解率は大きくなった。
【0060】
(比較例4)
この比較例は「エタノールアミン」による分解例を示している。
米ツカ゛木粉1.00gにエタノールアミン20.00gを加え、250℃で2時間分解させた。分解率は18.5%であった。
【0061】
(比較例5)
この比較例は「ジエタノールアミン」による分解例を示している。
米ツカ゛木粉1.00gにジエタノールアミン20.00gを加え、250℃で2時間分解させた。分解率は20.0%であった。
【0062】
(比較例6)
この比較例は「エタノールアミンと木材膨潤剤系」による分解例を示している。
杉間伐材粉砕物1.00gにエタノールアミン20.00g、ジメチルホルムアミド1.00gを加え、250℃で2時間分解させた。分解率は39.7%であった。
【0063】
(比較例7)
この比較例は「アジピン酸」による分解例を示している。
米ツガ木粉1.00gにアジピン酸20.00gを加え、260℃で2時間分解させた。分解率は28.1%であった。
【0064】
(比較例8)
この比較例は「コハク酸」による分解例を示している。
米ツガ木粉1.00gにコハク酸20.00gを加え、220℃で2時間分解させた。分解率は30.0%であった。
【0065】
(比較例9)
下記の比較例9,10は「アジピン酸と木材膨潤剤系」による分解例を示している。
杉間伐材粉砕物1.00gにアジピン酸2.00g、硝酸ナトリウム1.00gを水17.00gに溶かした水溶液を加え、260℃で2時間分解させた。分解率は34.3%であった。
【0066】
(比較例10)
硝酸ナトリウム1.00gおよび水17.00gに代えて、水のみ10gを加え、220℃で分解させたこと以外は、比較例9と同じ条件で分解生成物を得た。分解率は34.3%であった。
【0067】
上記した比較例4〜10における実験条件および結果を以下の表7と表8に示す。
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】
表7および表8に示した比較例4〜10は、概ね分解率が低いが種々の分解試薬(エタノールアミン(比較例4,6)、ジエタノールアミン(比較例5)、アジピン酸(比較例7,9,10)、コハク酸(比較例8))によって、木材を十分に分解できた。この場合も、木材膨潤剤(ジメチルホルムアミド、硝酸ナトリウム、水)を併用すると、分解率が高くなっている。尚、これらの比較例4〜10においても、他の反応条件を最適に選定すれば、まずまずの分解率が得られるものと考えられる。
【0071】
(実施例21)
下記の実施例21〜24は分解触媒となるルイス酸として「硫酸アルミニウム」を用いた例を示している。
杉間伐材粉砕物1.00gにL−乳酸20g、硫酸アルミニウム0.2gを加え、220℃で2時間分解させた。分解率は93.3%であった。
【0072】
(実施例22)
実施例21に対し、更にジメチルホルムアミド1.00gを加え、反応時間を1時間にした以外は実施例21と同じ条件で反応させた。分解率は49.5%であった。
【0073】
(実施例23)
実施例21に対し、更にジメチルスルホキシド1.00gを加え、反応時間を1時間にした以外は実施例21と同じ条件で反応させた。分解率は51.7%であった。
【0074】
(実施例24)
実施例21に対し、更にジメチルスルホキシド5.00gを加えた以外は実施例21と同じ条件で反応させた。分解率は49.5%であった。
【0075】
(比較例11)
実施例21に対し、L−乳酸20gに代えて水20gを用いた以外は実施例21と同じ条件で反応させた。分解率は30.0%であった。
【0076】
(比較例12)
実施例21に対し、L−乳酸20gに代えて水20gを用い、更にジメチルスルホキシド1.00gを加えた以外は実施例21と同じ条件で反応させた。分解率は22.4%であった。
【0077】
(実施例25)
この実施例はルイス酸として「三フッ化ホウ素エチルエーテル」を用いた分解例を示している。
杉間伐材粉砕物1.00gにL−乳酸20.00g、三フッ化ホウ素エチルエーテル0.2gを加えて、220℃で、2.0時間分解させた。分解率は59.5%であった。
【0078】
上記した実施例21〜24における実験条件と結果を以下の表9に示し、比較例11,12および実施例25における実験条件と結果を表10に示す。
【0079】
【表9】
【0080】
【表10】
【0081】
実施例21〜24を示した表9のように、分解触媒として硫酸アルミニウムを併用した場合は、低濃度で短時間の反応であっても良好な分解率が得られることがわかる。また、比較例11,12は比較的分解率が低い。
【0082】
(実施例26)
下記の実施例26,27はポリ塩化ビニル皮膜で被われた「ポリ塩化ビニル張り合板」を原料木材とした例を示している。
ポリ塩化ビニル張り合板の粉砕物(ふるいの目の開きが0.84〜1.68mmのふるいを通過した分)1.00gに、L−乳酸20.0g、硫酸アルミニウム0.2gを加え、220℃で2時間分解させた。分解率は31.9%であった。ポリ塩化ビニルは塊となり、木材分解生成物から容易に分離できた。
【0083】
(実施例27)
ポリ塩化ビニル張り合板の小片(縦20mm、横20mm、厚さ2.5mm)1.00gに、L−乳酸20.0gを加え、220℃で10分間分解させた。分解率は12.0%であった。ポリ塩化ビニルは合板木材から剥がれ容易に分離できた。
【0084】
(実施例28)
この実施例は「防虫機能ないし防腐機能を有する防腐剤が塗布されたCCA木材」を原料木材とした例を示している。
CCA木材の粉砕物(ふるいの目の開きが0.84〜1.68mmのふるいを通過した分)1.00gに、L−乳酸20.0gを加え、撹拌機および冷却器付き三口フラスコを用いた開放系で、220℃で1時間分解させた。分解率は32.6%であった。分解生成液にはクロム、銅、砒素などの重金属が含まれており、これら重金属の回収が可能となった。従って、防腐剤処理木材の廃棄処理が容易になった。
【0085】
(実施例29)
下記の実施例29〜31は分解生成物を「接着剤」に利用した例を示している。
杉間伐材粉砕物1.00gに、L−乳酸20.00g、硫酸アルミニウム0.20gを加え、220℃で2時間分解させた。分解率は93.3%であった。得られた分解生成物11gを杉間伐材粉砕物89gと混合し、ホットプレスにて、180℃で、2MPa、10分間圧縮した。そして、インストロン材料試験機5569型により、ヘッドスピード5mm/分、スパン45mmの条件で曲げ強度を測定した。
【0086】
(実施例30)
ホットプレスによる圧縮時間を20分間にした以外は、実施例29と同じ条件で行った。
【0087】
(実施例31)
杉間伐材粉砕物1.00gに、L−乳酸20.00gを加え、220℃で2時間分解させた。分解率は54.5%であった。得られた分解生成物11gを杉間伐材粉砕物89gと混合し、ホットプレスにて、180℃で、6MPa、20分間圧縮した。そして、インストロン材料試験機1122型により、ヘッドスピード10mm/分、スパン45mmの条件で曲げ強度を測定した。
これらの実施例29〜31の結果は以下の表11に示す。
【0088】
【表11】
【0089】
表11中でカッコ内の値は分解生成物を用いずに、杉間伐材粉砕物だけを圧縮して固めたものの曲げ強度を示している。
実施例29〜31のように、分解生成物を併存させて杉間伐材粉砕物をプレスすると、分解生成物を用いることなくプレスしたもの(かっこ内数値)と比べ、7〜19倍程度に曲げ強度が向上した。すなわち、分解生成物が杉間伐材粉砕物に対し優れた接着性を有していることがわかる。
【0090】
尚、実施例29〜31により得た分解生成物はいずれも、プレスの際に樹脂が熱で流動してフィルムになった。そのフィルムの赤外吸収スペクトルから、1736cm−1 にエステル基の吸収、1604、1509、1459cm−1 にフェニル基の吸収、1266cm−1 にフェニル−O−Cのエーテル結合の吸収、他の吸収はヘミセルロース、セルロースの吸収とほぼ一致した。すなわち、2937、2850、1459cm−1 にメチレン結合の吸収、1112、1057、1000cm−1 に二級OH、一級OH、C−O−Cエーテル結合の吸収があった。従って、これはリグニン成分、L−乳酸でエステル化したヘミセルロース成分、セルロース成分を示しており、これらの成分が接着に寄与しているものと考えられる。
【0091】
(実施例32)
この実施例は分解生成物を「エポキシ化合物の硬化剤」に利用した例を示している。
実施例2で得た分解生成物20gに、ビスフェノールAタイプのエポキシ化合物(未硬化のプレポリマーであり、油化シェルエポキシ(株)製で商品名エピコート828を使用)を50g、硬化促進剤としての三フッ化ホウ素アニリン錯体を2.5g加え、100℃で2時間、その後150℃で2時間加熱し、硬化エポキシ樹脂を得た。
尚、フェノール性OH基やカルボキシル基の多い分解生成物の場合は、促進剤としてベンジルジメチルアミンなどの芳香族第三級アミンを用いると良い。
【0092】
(実施例33)
この実施例は分解生成物を「エポキシ樹脂原料」に利用した例を示している。
実施例2で得た分解生成物50gに、40%水酸化ナトリウム水溶液20gを加え、50℃で10分間撹拌する。そして、エピクロルヒドリン50gを加え、100℃で1時間反応させる。その後、水洗し、エバポレータで過剰のエピクロルヒドリンを留去して、粘ちょう液状のエポキシ樹脂を得た。
一方、実施例2で得た分解生成物20gに、三フッ化ホウ素アニリン錯体1.0gを加え、100℃で2時間、その後150℃で2時間加熱することにより、硬化エポキシ樹脂が得られる。
【0093】
(実施例34)
この実施例は分解生成物を「ウレタン樹脂原料」に利用した例を示している。
実施例2で得た分解生成物50gに、ウレタン化触媒としてトリエチレンジアミン0.05g、オクテン酸スズ(II)0.18gを加え、次いでトルイレンジイソシアネート25gを加えて撹拌する。その後、100℃で2時間放置すると、発泡状のウレタン樹脂が得られた。この場合、ウレタン化触媒無しでも、加熱するだけでウレタン樹脂が得られる。
【0094】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、木材を分解処分することができ、工業的に有用な分解生成物が得られた。この木材分解生成物は原材料として接着剤や樹脂原料となり得、色も淡い褐色程度なので種々の用途に用いられる。また、分解生成物を得る分解反応は比較的低い温度で、比較的短時間に、かつ比較的簡単な操作により実現可能であるので、簡易な設備をもって木材の処分および有効利用を図ることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to the decomposition of wood and the use of the decomposition products. In particular, the present invention intends to recycle wood by chemically treating wood scraps to obtain industrially valuable raw materials. It is.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, used wood has been crushed into chips and transported to a paper mill for paper making, transported to a board manufacturing factory for particle board, or subjected to incineration. Such wood chips have a low bulk specific gravity and many paper mills are located in remote areas, which increases transportation costs. In addition, the Dioxin Measures Special Measures Law (enforced on January 15, 2000) established air emission standard values for dioxins from waste incinerators, making incineration in small incinerators difficult. Yes. In particular, some of the wood scraps produced during the manufacture of furniture and joinery are covered with polyvinyl chloride, making papermaking, boarding and incineration difficult.
[0003]
On the other hand, wood that has been coated or impregnated with antiseptic or antiseptic preservatives, such as wooden sleepers, wooden utility poles, wooden bases and large drawers in houses (preservative treated wood such as chromium, copper, arsenic, etc.) The so-called CCA timber coated with a preservative containing harmful heavy metals such as CCA timber cannot be disposed of and is currently piled up.
Therefore, a method for decomposing wood with a phenol-sulfuric acid-based decomposing reagent and using the decomposition product as a raw material for phenol resin is disclosed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-263880. Alternatively, a method is known in which wood is decomposed with a glycol-sulfuric acid-based decomposition reagent and the decomposition product is used as a raw material for urethane resin.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, like the above-mentioned phenol resin raw material and urethane resin raw material, such decomposition using a sulfuric acid catalyst has a defect that the decomposition product becomes black due to carbonization, and its use is remarkably limited. In addition, the former is difficult to distill off phenol, and the fluidity during molding is poor.
On the other hand, adhesives used for plywood, etc., are mainly composed of urea resin that releases formaldehyde (methylol urea), trimethylol melamine, etc., but there is a problem with house sick syndrome due to formaldehyde released from such adhesives. Therefore, the development of an adhesive that does not cause Housesick syndrome is eagerly desired.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present inventors have devised an invention in which, for example, pulverized wood is decomposed at a relatively low temperature of about 100 to 300 ° C. to obtain a wood decomposition product. Has been devised for use as an adhesive, an epoxy resin raw material and a curing agent, or a urethane resin raw material.
That is, the invention created by the present inventors is that the woodAcidIt is a wood decomposition product obtained by further decomposition. In decomposing wood with the above compound, a wood swelling agent may be used in combination.
[0006]
In addition, the wood degradation product of the present invention is obtained by converting wood into hydroxycarboxylic acid in the presence of Lewis acid.AcidIt can also be obtained by further decomposition.
[0007]
As the raw wood from which the wood decomposition product of the present invention is obtained, wood treated with a preservative or wood covered with a polyvinyl chloride film is also applied.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, the wood scrap can be used as a raw material as it is, but it is preferable to perform a pretreatment by pulverizing the raw material (if necessary, separating polyvinyl chloride or the like) and sieving the pulverized product. Examples of the crushing include impact crushers (hammer type, chain type), shear crushers, cutting crushers, compression crushers (roll type, conveyor type, screw type), stamp mills, ball mills, rod mills. It can be performed by a pulverizer or the like. The smaller the pulverized product, the larger the surface area involved in the reaction, which is desirable, but a pulverized product that passes through a sieve with an opening of 10 mm is preferable. A pulverized material passing through a sieve having an opening of 3 mm, more preferably 1 mm, is preferable.
[0009]
The tree species used as the raw material wood of the present invention is not particularly limited. For example, coniferous trees such as pine, fir, spruce, larch, togasawara, tsuka, hinoki, hiba, nezuko, cedar, and boxwood, maple, beech, alder tree. , Cherry, persimmon, cypress, birch, birch, red oak, onigurumi, chestnut, shii, oak, oak, geese, yellowfin, haruni, zelkova, honoki, camphor, taboo, cypress, wig, asada, dronoki, linden , Hardwoods such as bark, drill, tammo, Inuenju, and Yamaguchi.
[0010]
Wood decomposition test used in the present inventionWith medicineSome hydroxycarboxylic acids include saturated hydroxycarboxylic acids and unsaturated hydroxycarboxylic acids.
Examples of the saturated hydroxycarboxylic acid include glycolic acid, lactic acid, 2-hydroxybutyric acid, 2-hydroxy-2-methylpropanoic acid, 2-hydroxy-4-methylpentanoic acid, 2-ethyl-2-hydroxybutyric acid, 3-hydroxypropionic acid, 10-hydroxystearic acid, 3,3,3-trichloro-2-hydroxypropionic acid, 2- (lactoyloxy) propionic acid, hydroxybenzoic acid, salicylic acid, 5-chlorosalicylic acid, 3,5 -Dichlorosalicylic acid, 3-nitrosalicylic acid, 3,5-dinitrosalicylic acid, methylsalicylic acid, thymotic acid, vanillic acid, isovanillic acid, hydroxyphenylacetic acid, 3- (o-hydroxyphenyl) propionic acid, mandelic acid, phenyllactic acid, 3 -Hydroxyphenylpropionic acid, 2 Such as hydroxy-2,2-diphenylethane acid.
Examples of the unsaturated hydroxycarboxylic acid include hydroxycinnamic acid, 4-hydroxy-3-methoxycinnamic acid, 3-hydroxy-4-methoxy cinnamic acid, and 2-hydroxy-4-phenyl-3. -Butenoic acid, 4-allyl-2-hydroxy-6-methoxybenzoic acid, 2-hydroxy-6- (8,11-pentadecadienyl) benzoic acid, 12-hydroxy-9-octadecenoic acid, etc..
[0011]
The weight ratio between the wood chips and the compound used as the decomposition reagent is 1: 0.2 to 35, preferably 1: 0.5 to 5. By changing this ratio, the molecular weight of the resulting decomposition product can be adjusted. Incidentally, when the decomposition reagent is small, the molecular weight of the decomposition product increases, and when the decomposition reagent is large, the molecular weight of the decomposition product decreases.
In terms of processing costs, it is better to add less material. However, there are cases where it cannot be reduced from the viewpoint of wettability. Further, since the pulverized wood is bulky, it may not be sufficiently immersed in the decomposition reagent, and the surface of the pulverized wood may not be wetted. However, when it does not wet sufficiently, the pulverized wood can be wetted and decomposed by adding a liquid (decomposition product) generated by the decomposition to a new decomposition reagent of the same type as that used for the decomposition. Moreover, it is also possible to efficiently use the pulverized wood efficiently by separating the excessive decomposition reagent from the decomposition product.
[0012]
Examples of the wood swelling agent used in the present invention include sodium nitrate-water (sodium nitrate aqueous solution), ethylene carbonate, lactitol-water (lactitol aqueous solution), dimethyl sulfoxide, dimethylformamide, N-methylmorpholine-N-oxide, N , N-dimethylacetamide-lithium chloride system (mixture of N, N-dimethylacetamide and lithium chloride), anisole, urea, water and the like. These wood swelling agents act as solubilizers and swelling agents for lignin, hemicellulose, and cellulose, which are wood components, and accelerate the decomposition of the wood components. For example, anisole is believed to prevent insolubilization due to condensation of lignin at high temperatures.
[0013]
Examples of the Lewis acid used in the present invention include aluminum sulfate, boron trifluoride, aluminum trichloride, titanium tetrachloride, tin trichloride (a trace amount of water is required as a cocatalyst), diethyl etherate, and the like. . These Lewis acids act as a catalyst for the wood decomposition reaction and increase the decomposition rate of the wood components.
[0014]
The decomposition temperature of the wood in the present invention is about 100 to 300 ° C., which is a relatively low temperature. Preferably, a decomposition temperature of 200 ° C. to 300 ° C. is desirable because the decomposition rate is increased. And it is desirable to decompose in a nitrogen atmosphere in order to prevent coloring due to oxidation reaction. Furthermore, when an antioxidant such as 2,6-di-t-butyl-4-methylphenol is added and decomposed, coloring can be further prevented. It is also possible to perform decomposition under atmospheric pressure or under pressure. Incidentally, when using a low boiling point hydroxycarboxylic acid or the like, it is desirable to perform decomposition under pressure at a temperature higher than the boiling point.
[0015]
The constituent components of wood are mainly lignin, hemicellulose, and cellulose. These compounds (R—O—R ′) have an ether bond and are easily opened by an acid (HX) as shown in the following formula.
R—O—R ′ + HX → R—X + R′—OH
The glycoxy bond of hemicellulose and cellulose is generally weak against acids and stable to bases, but the C-2 (α-position) hydrogen is attacked by the bases by the aldehyde group at the reducing end. In this case, sugar residues are removed one by one from the reducing end. Therefore, the base is easily decomposed in the order of (1 → 3) bond> (1 → 4) bond = (1 → 6) bond> (1 → 2) bond.
Hydroxycarvone as described aboveAcidSince it has a bifunctional group, a functional group also exists at the terminal of the decomposition product obtained by solvolysis. Incidentally, the solvolysis products of wood with hydroxycarboxylic acids are partly polysaccharide hydroxycarboxylic acid esters. These decomposition products can be used for adhesives, epoxy resin raw materials, and urethane resin raw materials without purification. This method of using the decomposition product does not require a purification step and can be carried out without any problem even if there is some moisture.
[0016]
Further, the preservative-treated wood can be used as raw material wood. In that case, heavy metals such as chromium, copper, and arsenic contained in the preservative can be recovered and processed. In addition, polyvinyl chloride-clad plywood covered with a polyvinyl chloride film (for example, wood ends of furniture and fittings) is decomposed into a liquid state only by the wood part. It can be easily separated.
[0017]
Since OH groups and COOH groups contained in a large amount in the wood decomposition product of the present invention tend to cause ionic bonds and hydrogen bonds, the wood decomposition product of the present invention is used as an adhesive between objects. Since the adhesive made of this wood decomposition product contains a large amount of natural components such as lignin, it is considered human-friendly and contributes to the elimination of Housesick syndrome.
Moreover, since the active hydrogen of OH group and NH2 group contained in the wood decomposition product of the present invention is added to the oxygen atom of the uncured epoxy compound to cause intermolecular crosslinking, the wood decomposition product is not uncured epoxy. Used as a curing agent for compounds.
And since the wood decomposition product of this invention exists in a cellulose, hemicellulose, and lignin and contains the polyhydroxy compound which has many OH groups, it can become a part of the raw material of the epoxy resin which reacts with epichlorohydrin. Or it can become a part of the raw material of the urethane resin which reacts with an isocyanate compound. In this case, examples of the isocyanate compound used in the present invention include diisocyanates, polyisocyanates, isocyanate regenerated products, and non-yellowing isocyanates.
[0018]
【Example】
The present invention will be specifically described with reference to examples.
In the following examples, wood powder obtained by pulverizing rice tsuga (scientific name: Tsuga heterophylla Sarg.) With a Willet-type pulverizer as a timber (passage with a sieve opening of 0.25 mm, bulk specific gravity of 0.45), or Wakayama prefecture cedar (scientific name: Cryptomeria japonica D.Don) crushed thinned timber is classified by sieve machine (product name “Ugran” manufactured by Morishita Kikai Co., Ltd., 0.25-2 mm sieve opening) Used (bulk specific gravity 0.17). Therefore, pulverized wood, decomposition reagent, etc. are charged into a sealed reaction vessel (type name TVS-N2 type (cap bolt type), 200 ml capacity with a portable reactor manufactured by Pressure Glass Industry Co., Ltd.) at a predetermined temperature. Decompose for a predetermined time. After completion of the decomposition, the solid content is filtered off, and the solid content on the glass filter is washed successively with a solvent such as methanol, tetrahydrofuran, acetone, and water, and the insoluble content remaining on the glass filter is weighed after drying under reduced pressure. The decomposition rate was calculated by dividing this weighed value by the weight of the crushed wood of the raw material. The molecular weight of the liquid decomposition product that passed through the glass filter was measured at 40 ° C. using a tetrahydrofuran solvent by gel permeation chromatography.
[0019]
(Example 1)
The following Examples 1-10 show the decomposition example by "L-lactic acid".
20.00 g of L-lactic acid was added to 1.00 g of the crushed cedar thinned material and decomposed at 200 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 27.4%.
[0020]
(Example 2)
A decomposition product was obtained under the same conditions as in Example 1 except that decomposition was performed at 220 ° C. The decomposition rate was 54.5%.
[0021]
(Example 3)
A decomposition product was obtained under the same conditions as in Example 1 except that decomposition was performed at 240 ° C. The decomposition rate was 48.6%.
[0022]
(Example 4)
A decomposition product was obtained under the same conditions as in Example 1 except that decomposition was performed at 260 ° C. The decomposition rate was 43.5%.
[0023]
(Example 5)
A decomposition product was obtained under the same conditions as in Example 1 except that decomposition was performed at 280 ° C. The decomposition rate was 42.2%.
[0024]
Table 1 below shows the experimental conditions and results in Examples 1 to 5 described above.
[0025]
[Table 1]
[0026]
As can be seen from Table 1 showing Examples 1 to 5, wood could be decomposed using L-lactic acid which is a hydroxycarboxylic acid as a decomposition reagent. In this case, increasing the reaction temperature does not necessarily lead to an improvement in the decomposition rate, but rather causes a decrease in the decomposition rate as the reaction temperature increases.
[0027]
(Example 6)
20.00 g of L-lactic acid was added to 1.00 g of cedar thinned timber, and the mixture was decomposed at 220 ° C. for 1 hour. The decomposition rate was 52.8%.
[0028]
(Example 7)
A decomposition product was obtained under the same conditions as in Example 6 except that the reaction was performed for 3 hours. The decomposition rate was 47.7%.
[0029]
(Example 8)
A decomposition product was obtained under the same conditions as in Example 6 except that the reaction was performed for 5 hours. The decomposition rate was 35.7%.
[0030]
The experimental conditions and results in Examples 6 to 8 described above are shown in Table 2 below.
[0031]
[Table 2]
[0032]
As is apparent from Table 2 showing Examples 6 to 8, even if the reaction time was increased, the decomposition rate was not increased. That is, it is considered that there is an optimum reaction temperature and reaction time for each individual reaction system in addition to the reaction temperature described above.
[0033]
Example 9
20.00 g of L-lactic acid was added to 1.00 g of cedar thinned timber, and the mixture was decomposed at 260 ° C. for 7 hours. The decomposition rate was 62.6%.
[0034]
(Example 10)
A decomposition product was obtained under the same conditions as in Example 9 except that decomposition was performed at 290 ° C. The decomposition rate was 3.2%.
The experimental conditions and results in Examples 9 and 10 described above are shown in Table 3 below.
[0035]
[Table 3]
[0036]
According to Table 3 showing Examples 9 and 10, as in Examples 1 to 5 in Table 1, the decomposition rate does not depend on the reaction temperature. Rather, as in Example 10, the decomposition rate was extremely low at high temperatures. From this result, it seems that insolubilization such as lignin occurs at a high temperature of 290 ° C.
[0037]
The decomposition residue in Example 9 was subjected to infrared absorption spectrum analysis. From the infrared absorption spectrum of the obtained decomposition residue, there was absorption of an ester group at 1746 cm −1, methylene at 2924, 1456 cm −1, primary OH group, secondary OH group, ether bond at 1030, 1058, 1107 cm −1. The absorption spectrum of cellulose was the same as that of cellulose except for the ester group. Therefore, the decomposition residue is cellulose esterified with L-lactic acid.
[0038]
(Example 11)
20.00 g of L-lactic acid was added to 1.00 g of rice tsuga wood flour, and decomposed at 200 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 7.0%.
The decomposition product obtained at this time was analyzed by the gel permeation chromatograph. From the analysis results of the gel permeation chromatograph, the peak 1 of the decomposition product of rice tsuga wood flour was number average molecular weight = 154, weight average molecular weight = 157, weight average molecular weight / number average molecular weight = 1.02. Peak 2 of the decomposition product was number average molecular weight = 239, weight average molecular weight = 240, and weight average molecular weight / number average molecular weight = 1.01. Peak 3 of the decomposition product was number average molecular weight = 314, weight average molecular weight = 315, and weight average molecular weight / number average molecular weight = 1.00. Peak 4 of the decomposition product was number average molecular weight = 674, weight average molecular weight = 923, weight average molecular weight / number average molecular weight = 1.37. The overall peaks of the decomposition products were number average molecular weight = 232, weight average molecular weight = 424, weight average molecular weight / number average molecular weight = 1.83.
[0039]
(Example 12)
This example shows an example of decomposition by “glycolic acid”.
20.00 g of glycolic acid was added to 1.00 g of cedar thinned wood, and decomposed at 220 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 43.0%.
[0040]
(Example 13)
Examples 13 to 15 below show examples of decomposition by “L-lactic acid and wood swelling agent system”.
20.00 g of L-lactic acid and 5.00 g of ethylene carbonate as a wood swelling agent were added to 1.00 g of cedar thinned timber and further decomposed at 260 ° C. for 3 hours. The decomposition rate was 50.2%.
[0041]
(Example 14)
A decomposition product was obtained under the same conditions as in Example 13 except that 10.00 g of anisole was used instead of 5.00 g of ethylene carbonate and the reaction was performed for 7 hours. The decomposition rate was 53.8%.
[0042]
(Example 15)
A decomposition product was obtained under the same conditions as in Example 14 except that 1.00 g of lactitol and 1.00 g of water were added. The decomposition rate was 63.7%.
[0043]
Table 4 below shows the experimental conditions and results in Examples 12 to 15 described above.
[0044]
[Table 4]
[0045]
According to Table 4 showing Examples 12 to 15, wood could be satisfactorily decomposed with glycolic acid (hydroxycarboxylic acid). Moreover, what added the wood swelling agent (ethylene carbonate (Example 13), anisole (Examples 14 and 15), lactitol-water (Example 15)) to L-lactic acid (hydroxycarboxylic acid) is the same. Compared with Example 4 and Example 9 which are experimental conditions, the decomposition rate is high.
[0046]
(Comparative Example 1)
The following Comparative Examples 1 to 3 are observed by adding “only wood swelling agent” to the crushed cedar thinned material.
20.00 g of anisole as a wood swelling agent was added to 1.00 g of cedar thinned timber and reacted at 260 ° C. for 7 hours. The decomposition rate was 16.4%.
[0047]
(Comparative Example 2)
The reaction was carried out under the same conditions as in Comparative Example 1 except that an aqueous solution in which 2.00 g of lactitol was dissolved in 10.00 g of water was used instead of 20.00 g of anisole. The decomposition rate was -22.78%, and the residual solid content increased.
[0048]
(Comparative Example 3)
The reaction was conducted under the same conditions as in Comparative Example 1 except that 20.00 g of acetic anhydride was used instead of 20.00 g of anisole and the reaction time was 2 hours. The decomposition rate was -36.72%, and the residual solid content increased.
[0049]
The experimental conditions and results in Comparative Examples 1 to 3 described above are shown in Table 5 below.
[0050]
[Table 5]
[0051]
Compared with Examples 13-15, Comparative Examples 1-3 shown in Table 5 add only a wood swelling agent, without using a decomposition reagent. Therefore, the cedar thinned timber is not decomposed much (Comparative Example 1), or conversely, the residual solid content is increased (Comparative Examples 2 and 3).
[0052]
(Example 16)
Examples 16 to 20 below show examples of decomposition when “another wood swelling agent” is added.
20.00 g of L-lactic acid, 10.00 g of N, N-dimethylacetamide and 0.45 g of lithium chloride as a wood swelling agent were added to 1.00 g of cedar thinned wood, and decomposed at 220 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 34.8%.
[0053]
(Example 17)
The reaction was conducted under the same conditions as in Example 16 except that 2.00 g of 4-methylmorpholine-4-oxide was used instead of 10.00 g of N, N-dimethylacetamide and 0.45 g of lithium chloride. The decomposition rate was 65.3%.
[0054]
(Example 18)
The reaction was conducted under the same conditions as in Example 16 except that 2.00 g of urea was used instead of 10.00 g of N, N-dimethylacetamide and 0.45 g of lithium chloride. The decomposition rate was 43.5%.
[0055]
(Example 19)
The reaction was conducted under the same conditions as in Example 16 except that 5.00 g of dimethylformamide was used instead of 10.00 g of N, N-dimethylacetamide and 0.45 g of lithium chloride. The decomposition rate was 42.4%.
[0056]
(Example 20)
The reaction was conducted under the same conditions as in Example 16 except that 10.00 g of water was used instead of 10.00 g of N, N-dimethylacetamide and 0.45 g of lithium chloride. The decomposition rate was 28.8%.
[0057]
The experimental conditions and results in Examples 16 to 20 described above are shown in Table 6 below.
[0058]
[Table 6]
[0059]
As shown in Table 6 showing Examples 16 to 20, various wood swelling agents (N, N-dimethylacetamide-lithium chloride system, 4-methylmorpholine-4-oxide, urea, dimethylformamide, water) were added to L- As a result of the combined use with lactic acid (decomposition reagent), it can be seen that the decomposition rate is maintained at a certain level or more without much decrease. In Example 17 (4-methylmorpholine-4-oxide), the decomposition rate was higher than in Example 2.
[0060]
(ComparisonExample4)
thisComparisonThe example shows an example of decomposition with “ethanolamine”.
Ethanolamine (20.00 g) was added to 1.00 g of rice bran wood flour, and decomposed at 250 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 18.5%.
[0061]
(ComparisonExample5)
thisComparisonThe example shows an example of decomposition with “diethanolamine”.
20.00 g of diethanolamine was added to 1.00 g of rice vine wood powder and decomposed at 250 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 20.0%.
[0062]
(ComparisonExample6)
thisComparisonThe example shows an example of decomposition by “ethanolamine and wood swelling agent system”.
Ethanolamine (20.00 g) and dimethylformamide (1.00 g) were added to 1.00 g of cedar thinned timber, and decomposed at 250 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 39.7%.
[0063]
(ComparisonExample7)
thisComparisonThe example shows an example of decomposition by “adipic acid”.
20.00 g of adipic acid was added to 1.00 g of rice tsuga wood flour and decomposed at 260 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 28.1%.
[0064]
(ComparisonExample8)
thisComparisonThe example shows an example of decomposition with “succinic acid”.
20.00 g of succinic acid was added to 1.00 g of rice tsuga wood flour and decomposed at 220 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 30.0%.
[0065]
(ComparisonExample9)
belowComparisonExample9,10Shows an example of decomposition by “adipic acid and wood swelling agent system”.
An aqueous solution obtained by dissolving 2.00 g of adipic acid and 1.00 g of sodium nitrate in 17.00 g of water was added to 1.00 g of cedar thinned timber, and the mixture was decomposed at 260 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 34.3%.
[0066]
(ComparisonExample10)
In place of 1.00 g of sodium nitrate and 17.00 g of water, 10 g of water alone was added and decomposed at 220 ° C.ComparisonExample9The decomposition product was obtained under the same conditions. The decomposition rate was 34.3%.
[0067]
AboveComparisonExample4~10The experimental conditions and results are shown in Tables 7 and 8 below.
[0068]
[Table 7]
[0069]
[Table 8]
[0070]
Shown in Table 7 and Table 8ComparisonExample4~10Has a low degradation rate, but various degradation reagents (ethanolamine (ComparisonExample4,6), Diethanolamine (ComparisonExample5), Adipic acid (ComparisonExample7,9,10), Succinic acid (ComparisonExample8)), The wood was fully decomposed. Also in this case, when a wood swelling agent (dimethylformamide, sodium nitrate, water) is used in combination, the decomposition rate is high. In addition, theseComparisonExample4~10However, it is considered that a reasonable decomposition rate can be obtained if other reaction conditions are optimally selected.
[0071]
(Example21)
Examples below21~24Shows an example in which “aluminum sulfate” is used as a Lewis acid as a decomposition catalyst.
20 g of L-lactic acid and 0.2 g of aluminum sulfate were added to 1.00 g of cedar thinned timber and decomposed at 220 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 93.3%.
[0072]
(Example22)
Example21Dimethylformamide was further added in an amount of 1.00 g, and the reaction time was 1 hour.21It was made to react on the same conditions. The decomposition rate was 49.5%.
[0073]
(Example23)
Example21In addition to 1.00 g of dimethyl sulfoxide, the reaction time was 1 hour.21It was made to react on the same conditions. The decomposition rate was 51.7%.
[0074]
(Example24)
Example21In Example, except that 5.00 g of dimethyl sulfoxide was further added.21It was made to react on the same conditions. The decomposition rate was 49.5%.
[0075]
(ComparisonExample11)
Example21On the other hand, Example was used except that 20 g of water was used instead of 20 g of L-lactic acid.21It was made to react on the same conditions. The decomposition rate was 30.0%.
[0076]
(ComparisonExample12)
Example21On the other hand, Example was used except that 20 g of water was used instead of 20 g of L-lactic acid and 1.00 g of dimethyl sulfoxide was further added.21It was made to react on the same conditions. The decomposition rate was 22.4%.
[0077]
(Example25)
This example shows a decomposition example using “boron trifluoride ethyl ether” as a Lewis acid.
20.00 g of L-lactic acid and 0.2 g of boron trifluoride ethyl ether were added to 1.00 g of cedar thinned timber, and the mixture was decomposed at 220 ° C. for 2.0 hours. The decomposition rate was 59.5%.
[0078]
Example above21~24Table 9 shows the experimental conditions and results inExperimental conditions and results in Comparative Examples 11 and 12 and Example 25Table 10 shows.
[0079]
[Table 9]
[0080]
[Table 10]
[0081]
Example21~24Table showing9Thus, it can be seen that when aluminum sulfate is used in combination as a decomposition catalyst, a good decomposition rate can be obtained even in a short time reaction at a low concentration. Also,ComparisonExample11,12Has a relatively low decomposition rateYes.
[0082]
(Example26)
Examples below26,27Shows an example in which “polyvinyl chloride laminated plywood” covered with a polyvinyl chloride film is used as a raw material wood.
Pulverized polyvinyl chloride plywood (sieveofL-lactic acid (20.0 g) and aluminum sulfate (0.2 g) were added to 1.00 g), which was passed through a sieve having an opening of 0.84 to 1.68 mm, and decomposed at 220 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 31.9%. The polyvinyl chloride was agglomerated and could be easily separated from the wood degradation products.
[0083]
(Example27)
20.0 g of L-lactic acid was added to 1.00 g of a piece of polyvinyl chloride-clad plywood (length 20 mm, width 20 mm, thickness 2.5 mm), and decomposed at 220 ° C. for 10 minutes. The decomposition rate was 12.0%. Polyvinyl chloride peeled off the plywood wood and could be easily separated.
[0084]
(Example28)
This example shows an example in which “CCA wood coated with an antiseptic or antiseptic preservative” is used as the raw material wood.
CCA pulverized material (sieveof20.0 g of L-lactic acid was added to 1.00 g), and the open system using a three-neck flask with a stirrer and a condenser was used at 220 ° C. Decompose for 1 hour. The decomposition rate was 32.6%. The decomposition product liquid contains heavy metals such as chromium, copper, and arsenic, and these heavy metals can be recovered. Therefore, disposal processing of the preservative-treated wood is facilitated.
[0085]
(Example29)
Examples below29~31Shows an example in which the decomposition product is used as an “adhesive”.
L-lactic acid (20.00 g) and aluminum sulfate (0.20 g) were added to 1.00 g of cedar thinned wood, and the mixture was decomposed at 220 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 93.3%. 11 g of the obtained decomposition product was mixed with 89 g of cedar thinned timber and compressed with a hot press at 180 ° C. for 2 MPa for 10 minutes. Then, the bending strength was measured with an Instron material testing machine 5569 under the conditions of a head speed of 5 mm / min and a span of 45 mm.
[0086]
(Example30)
Example except that the compression time by hot pressing was 20 minutes29Performed under the same conditions.
[0087]
(Example31)
20.00 g of L-lactic acid was added to 1.00 g of cedar thinned timber and decomposed at 220 ° C. for 2 hours. The decomposition rate was 54.5%. 11 g of the obtained decomposition product was mixed with 89 g of cedar thinned timber and compressed with a hot press at 180 ° C. and 6 MPa for 20 minutes. Then, the bending strength was measured with an Instron material testing machine type 1122 under the conditions of a head speed of 10 mm / min and a span of 45 mm.
These examples29~31The results are shown in Table 11 below.
[0088]
[Table 11]
[0089]
In Table 11, the value in parentheses indicates the bending strength of a product obtained by compressing and hardening only a cedar thinned timber product without using a decomposition product.
Example29~31Thus, when the pulverized cedar thinned material was pressed with the decomposition product coexisting, the bending strength was improved by about 7 to 19 times compared to the pressed product without using the decomposition product (value in parentheses). That is, it can be seen that the decomposition product has excellent adhesiveness to the cedar thinned material.
[0090]
Examples29~31In any of the decomposition products obtained by the above, the resin flowed with heat during pressing to form a film. From the infrared absorption spectrum of the film, the absorption of the ester group at 1736 cm −1, the absorption of the phenyl group at 1604, 1509, 1459 cm −1, the absorption of the ether bond of phenyl-O—C at 1266 cm −1, and other absorptions It almost coincided with the absorption of hemicellulose and cellulose. That is, absorption of methylene bonds was observed at 2937, 2850, and 1459 cm −1, and absorption of secondary OH, primary OH, and C—O—C ether bonds were observed at 1112, 1057, and 1000 cm −1. Therefore, this shows a lignin component, a hemicellulose component esterified with L-lactic acid, and a cellulose component, and these components are considered to contribute to adhesion.
[0091]
(Example32)
In this example, the decomposition product is used as an “epoxy compound curing agent”.
20 g of the decomposition product obtained in Example 2 was added to 50 g of a bisphenol A type epoxy compound (uncured prepolymer, manufactured by Yuka Shell Epoxy Co., Ltd., using the product name Epicoat 828) as a curing accelerator. 2.5 g of the boron trifluoride aniline complex was added and heated at 100 ° C. for 2 hours and then at 150 ° C. for 2 hours to obtain a cured epoxy resin.
In the case of a decomposition product having many phenolic OH groups and carboxyl groups, an aromatic tertiary amine such as benzyldimethylamine may be used as an accelerator.
[0092]
(Example33)
This example shows an example in which a decomposition product is used as an “epoxy resin raw material”.
To 50 g of the decomposition product obtained in Example 2, 20 g of 40% aqueous sodium hydroxide solution is added and stirred at 50 ° C. for 10 minutes. Then, 50 g of epichlorohydrin is added and reacted at 100 ° C. for 1 hour. Thereafter, the mixture was washed with water, and excess epichlorohydrin was distilled off with an evaporator to obtain a viscous liquid epoxy resin.
On the other hand, 1.0 g of boron trifluoride aniline complex is added to 20 g of the decomposition product obtained in Example 2, and the cured epoxy resin is obtained by heating at 100 ° C. for 2 hours and then at 150 ° C. for 2 hours.
[0093]
(Example34)
This example shows an example in which a decomposition product is used as a “urethane resin raw material”.
To 50 g of the decomposition product obtained in Example 2, 0.05 g of triethylenediamine and 0.18 g of tin (II) octenoate are added as a urethanization catalyst, and then 25 g of toluylene diisocyanate is added and stirred. Then, when it was allowed to stand at 100 ° C. for 2 hours, a foamed urethane resin was obtained. In this case, even without a urethanization catalyst, a urethane resin can be obtained by simply heating.
[0094]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, wood can be disposed of by decomposition, and industrially useful decomposition products are obtained. This wood decomposition product can be used as a raw material for an adhesive or a resin material, and has a light brown color, so that it can be used for various purposes. In addition, since the decomposition reaction for obtaining the decomposition product can be realized at a relatively low temperature, in a relatively short time, and by a relatively simple operation, it is possible to dispose and effectively use wood with simple equipment. .
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