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JP3854901B2 - 帯電装置及び画像形成装置 - Google Patents

帯電装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP3854901B2 JP2002179638A JP2002179638A JP3854901B2 JP 3854901 B2 JP3854901 B2 JP 3854901B2 JP 2002179638 A JP2002179638 A JP 2002179638A JP 2002179638 A JP2002179638 A JP 2002179638A JP 3854901 B2 JP3854901 B2 JP 3854901B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性粒子を被帯電体に接触させ電圧を印加して被帯電体を帯電する接触帯電方式の帯電装置、及び該帯電装置を電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体の帯電手段として具備させた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
便宜上、電子写真プロセス利用の複写機・レーザービームプリンタ等の画像形成装置を例にして以下説明する。該画像形成装置は、基本的には、像担持体として回転ドラム型を一般的とする電子写真感光体と、該回転感光体の面を所定の極性・電位に一様に帯電させる帯電手段と、該回転感光体の帯電処理面に静電潜像(電子潜像)を形成させる画像露光手段と、該静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、該トナー像を感光体面から記録媒体としての転写紙に転写させる転写手段と、転写紙側に転写させたトナー像を永久固着像として定着させる定着手段と、転写紙側へのトナー像転写後の回転感光体面から転写残トナーを除去して感光体面を清掃する感光体クリーニング手段(クリ−ナ)を有する。
【0003】
定着手段で像定着処理された転写紙が画像形成物(コピー、プリント)として排出される。クリーニング手段で清掃された感光体面は繰り返して画像形成に供される。
【0004】
被帯電体である感光体の面を所定の極性・電位に一様に帯電させる帯電手段としては、従来、非接触方式であるコロナ帯電器が利用されてきた。コロナ帯電器は感光体に非接触に対向配設し、高圧を印加したコロナ帯電器から放出されるコロナシャワーに感光体面を曝して所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0005】
近年はこれに代わって、接触帯電方式の帯電装置が実用化されてきている。これは、被帯電体としての感光体に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるもので、コロナ帯電器に比べて、低オゾン、低電力等の有利性がある。
【0006】
接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)にはコロナ帯電系と直接注入帯電系の2種類が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現れる。
【0007】
コロナ帯電系は、接触帯電部材と被帯電体である感光体との微小間隙に生じるコロナ放電現象による放電生成物で感光体表面が帯電する系である。コロナ帯電は接触帯電部材と感光体に一定のしきい値を有するため、帯電電位よりも大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電生成物を生じる。
【0008】
直接注入帯電系は、接触帯電部材から感光体に直接に電荷が注入されることで感光体表面が帯電する系であり、中抵抗の接触帯電部材が感光体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いないで感光体表面に直接電荷注入を行なうものであり、放電現象を用いないため、帯電に必要とされる電圧は所望する感光体表面電位分のみであり、オゾンの発生もない、オゾンレス・低電力の帯電方式である。また電荷を直接注入するために、表面電位は印加した電圧に対して等価であり帯電開始電圧Vthは現われない。このため直流電圧を印加した場合でも、湿度などの環境の変動に対して変化せず、安定した帯電が可能となる。
【0009】
またその一方で、帯電部材が感光体表面に接触した領域のみに電荷が注入するという特性から、帯電部材と感光体表面の接触確率が帯電能力を左右する。接触確率が不十分で、未帯電領域が多い場合、帯電部材に印加した電圧に感光体表面電位が達する前に帯電が終了してしまうことになる。
【0010】
磁気ブラシ帯電装置や、例えば特開平10−307454〜307459号公報に記載の導電性粒子を用いた接触帯電装置は、接触帯電部材と感光体表面の高い接触確率が均一に得られて、直接注入帯電機構が支配的である。
【0011】
前者の磁気ブラシ帯電装置は一般的にマグネットローラを内包したスリーブ表面に導電性磁性粒子を磁気的に拘束して、スリーブを回転させることにより、感光体表面との接触確率を高めつつ帯電を行なうものである。
【0012】
後者の導電性粒子を用いた接触帯電装置は、導電性のスポンジなどから形成されたスポンジローラ上に導電性の微粒子を付着させ、感光体表面に粒子を介在させることにより感光体との摩擦抵抗を減らして感光体と速度差を設けることを可能とし、速度差と粒子の介在により感光体との接触確率を向上させるものである。
【0013】
【発明が解決しようとしている課題】
上記のような磁気ブラシ帯電装置や、導電性粒子を用いた接触帯電装置のように、帯電部材(粒子担持体)の表面に付着させた導電性粒子(導電性磁性粒子又は導電性微粒子)を被帯電体である感光体に接触させて電荷を注入する帯電方式では、導電性粒子の安定且つ均一な接触状態を常に維持していなければ、良好な帯電を行なうことが出来ない。導電性粒子が粒子担持体より脱落するなどして不足してくると感光体との接触確率を十分に得ることが出来ず、帯電不良となる。導電性粒子が脱落する要因としては、導電性粒子にかかる感光体との付着力が担持体の保持力、静電気力に勝った場合に生じる。
【0014】
そこで本発明は、導電性粒子を被帯電体に接触させ電圧を印加して被帯電体を帯電する接触帯電方式の帯電装置、及び該帯電装置を電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体の帯電手段として具備させた画像形成装置において、接触帯電部材側から被帯電体(像担持体)側への導電性粒子の付着を可及的に無くすことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする帯電装置及び画像形成装置である。
【0016】
(1)帯電部材の表面に付着させた導電性粒子を被帯電体に接触させ、帯電部材に電圧を印加させることで移動する被帯電体を帯電する主帯電手段と、被帯電体の移動方向に対し主帯電手段よりも上流側に配置され、主帯電手段と同極性の電圧を印加して被帯電体を帯電する副帯電手段と、主帯電手段と副帯電手段に印加する電圧を制御する制御手段と、を有する帯電装置において、
主帯電手段と同極性の電圧を印加される前記副帯電手段による帯電開始タイミングから、該副帯電手段による被帯電体の帯電面が主帯電手段の帯電領域に到達する以前に、主帯電手段による被帯電体の帯電開始され、この副帯電手段による帯電終了して前記副帯電手段による被帯電体の帯電面が主帯電手段の帯電領域を通過した後に、主帯電手段による被帯電体の帯電終了するように、制御手段は主帯電手段と副帯電手段に電圧を印加するタイミングを制御することを特徴とする帯電装置。
【0017】
(2)主帯電手段の導電性粒子は、帯電部材に磁気的に拘束された導電性の磁性体であり、該導電性粒子を被帯電体に接触させて帯電を行なうことを特徴とする(1)に記載の帯電装置。
【0018】
(3)主帯電手段の導電性粒子は、帯電部材に付着しており、帯電部材と導電性粒子とが被帯電体に接触して帯電を行なうことを特徴とする(1)に記載の帯電装置。
【0019】
(4)被帯電体は電荷が注入される電荷注入層を有する像担持体であることを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の帯電装置。
【0020】
(5)被帯電体が、感光層、および表面層を有し、該表面層が樹脂および導電粒子を有することを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の帯電装置。
【0021】
(6)導電粒子がSnO2であることを特徴とする(5)に記載の帯電装置。
【0022】
(7)被帯電体が非晶質のシリコンを有する表面層からなることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の帯電装置。
【0023】
(8)被帯電体は像担持体であり、この像担持体に、該像担持体を一様に帯電する帯電工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置において、像担持体を一様に帯電する帯電工程手段が、(1)から(7)の何れかに記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0024】
(9)像担持体と、帯電部材の表面に付着させた導電性粒子を像担持体に接触させ、帯電部材に電圧を印加することにより移動する像担持体を帯電する主帯電手段と、像担持体の移動方向に対し主帯電手段よりも上流側に配置され、主帯電手段と同極性の電圧を印加して像担持体を帯電する副帯電手段と、主帯電手段と副帯電手段に印加する電圧を制御する制御手段と、主帯電手段による像担持体の帯電面に静電潜像を形成する像露光手段と、像担持体面の静電潜像を顕画化する現像手段と、を有する画像形成装置において、
主帯電手段と同極性の電圧を印加される前記副帯電手段による帯電開始タイミングから、該副帯電手段による像担持体の帯電面が主帯電手段の帯電領域に到達する以前に、主帯電手段による像担持体の帯電開始され、この副帯電手段による帯電終了して前記副帯電手段による像担持体の帯電面が主帯電手段の帯電領域を通過した後に、主帯電手段による像担持体の帯電終了するように、制御手段は主帯電手段と副帯電手段に電圧を印加するタイミングを制御することを特徴とする画像形成装置。
【0025】
(10)副帯電手段は、像担持体上の顕画像を転写材に転写する転写手段よりも像担持体の移動方向に対して下流側に配置されていることを特徴とする(9)に記載の画像形成装置。
【0026】
(11)像担持体上の顕画像を転写材に転写する転写手段と、転写材に転写された顕画像を定着する定着手段を有することを特徴とする(9)または(10)に記載の画像形成装置。
【0027】
(12)主帯電手段の導電性粒子は、帯電部材に磁気的に拘束された導電性の磁性体であり、該導電性微粒子を像担持体に接触させて帯電を行なうことを特徴とする(10)または(11)に記載の画像形成装置。
【0028】
(13)主帯電手段の導電性粒子は、帯電部材に付着しており、帯電部材と導電性粒子とが像担持体に接触して帯電を行なうことを特徴とする(10)または(11)に記載の画像形成装置。
【0029】
(14)像担持体は電荷が注入される電荷注入層を有することを特徴とする(10)から(13)の何れかに記載の画像形成装置。
【0030】
(15)像担持体が、感光層、および表面層を有し、該表面層が樹脂および導電粒子を有することを特徴とする(10)から(14)の何れかに記載の画像形成装置。
【0031】
(16)導電粒子がSnO2であることを特徴とする(15)に記載の画像形成装置。
【0032】
(17)像担持体が非晶質のシリコンを有する表面層からなることを特徴とする(10)から(14)の何れかに記載の画像形成装置。
【0033】
〈作 用〉
すなわち、帯電部材の表面に付着させた導電性粒子(導電性磁性粒子又は導電性微粒子)を被帯電体(像担持体)に接触させ、帯電部材に電圧を印加して移動する被帯電体を帯電する主帯電手段の他に、被帯電体の移動方向に対し上記の主帯電手段よりも上流側に配置され、主帯電手段と同極性の電圧を印加して被帯電体を帯電する副帯電手段を具備させ、主帯電手段と同極性の電圧を印加される副帯電手段による帯電開始タイミングから、該副帯電手段による被帯電体帯電面が主帯電手段の帯電領域に到達する以前に、主帯電手段による被帯電体の帯電開始され、この副帯電手段による帯電終了して副帯電手段による被帯電体帯電面が主帯電手段の帯電領域を通過した後に、主帯電手段による被帯電体の帯電終了するように、主帯電手段と副帯電手段に電圧を印加するタイミングを制御することにより、主帯電手段において導電性粒子と被帯電体との間に働く電界を弱め、被帯電体面への導電性粒子の付着を防止することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉
図1は本発明に従う帯電装置を具備している画像形成装置例の概略構成模型図である。本例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタである。
【0035】
(1)プリンタの全体的な概略構成
1は像担持体(被帯電体)としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。本例における該感光ドラム1は、図2に層構成模型図を示すように、ドラム基体としての直径30mmのアルミシリンダ1a上に、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した電荷発生層1bと、ポリカーボネート樹脂にヒドラゾンを分散した電荷輸送層1cからなる有機感光層を持ち、さらに最表層には光硬化性のアクリル樹脂に導電粒子1eとして超微粒子のSnO2を分散した電荷注入層1dを持ち、矢印の時計方向に100mm/secの周速度で回転駆動される。
【0036】
2は主帯電手段であり、本例では磁気ブラシ帯電装置である。S1はこの磁気ブラシ帯電装置に対する帯電バイアス印加電源である。回転する感光ドラム1の表面はこの磁気ブラシ帯電装置2により帯電領域aにおいて所定の極性・電位、本例ではほぼ−600Vに一様に直接注入帯電機構にて接触帯電処理される。この磁気ブラシ帯電装置2については後記(2)項で詳述する。
【0037】
3は副帯電手段であり、本例では接触式のローラ帯電装置である。31はこのローラ帯電装置3の接触帯電部材としての補助帯電ローラであり、主帯電手段である磁気ブラシ帯電装置2よりも感光ドラム回転方向上流側において感光ドラム1に接触させて配設してあり、感光ドラム1の回転に従動して回転する。S3はこのローラ帯電装置に対する帯電バイアス印加電源であり、主帯電手段である磁気ブラシ帯電装置と同極性の電圧を印加する。回転する感光ドラム1の表面はこのローラ帯電装置3により帯電領域bにおいて所定の極性・電位、本例では負の所定電位に一様に接触帯電処理される。すなわち感光ドラム1はこの副帯電手段としてのローラ帯電装置3の補助帯電ローラ31によってあらかじめ負帯電された後に再び主帯電手段としての上記の磁気ブラシ帯電装置2によって重ねて負帯電される。このローラ帯電装置3については後記(3)項で詳述する。
【0038】
4は情報書き込み手段としての像露光手段であり、本例ではレーザービームスキャナである。このレーザービームスキャナ4は画像信号に対応してオン−オフ変調された発光波長680nmのレーザーLを出力して、主帯電手段である磁気ブラシ帯電装置2により一様に帯電処理された回転感光ドラム表面を露光部cにて走査露光する。
【0039】
このレーザービーム走査露光により感光ドラム一様帯電面の露光明部(レーザービームが照射された所)の電位が減衰して露光暗部の電位との静電コントラストにより走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。
【0040】
5は現像装置であり、感光ドラム1の面に上記のように形成された静電潜像をトナー画像として現像する。本例における該現像装置5は反転現像装置であり、負帯電性のトナー(ネガトナー)を用い、このトナーを静電潜像の露光明部に付着させて静電潜像をトナー画像として反転現像する。
【0041】
この現像装置5には、固定されたマグネットロール52を内包した回転する現像スリーブ51が設けられ、現像容器53内の現像剤54をブレード55で薄層に現像スリーブ51上にコーティングし、現像部dへ搬送している。現像スリーブ51は図示しないモータによって駆動され、矢印の反時計方向に150mm/secの周速度で回転している。現像剤54は2成分現像剤であり、負帯電性の平均粒径8μmのトナーと、正帯電性の平均粒径50μmの磁性キャリアが重量トナー濃度5%で混合されている。トナー濃度は図示しない光学式トナー濃度センサーによって制御され、トナーホッパー56内の補給用トナー54′が供給ローラ57によって補給される。現像容器53内の現像剤54は攪拌部材58、59により均一に攪拌される。現像スリーブ51には現像バイアス印加電源S2から2kVpp、2kHzの交番電界に−500Vの直流電圧Vdeを重畳した現像バイアスが印加される。現像スリーブ51上に薄層にコーティングされ、現像部dに搬送された現像剤は前記AC+DCの現像バイアス電圧による電界によって感光ドラム1上の静電潜像をトナー画像として反転現像する。
【0042】
6は接触転写装置としての導電性弾性転写ローラであり、感光ドラム1に所定の押圧力をもって圧接させて転写ニップ部eを形成させてある。S4は転写バイアス印加電源であり、転写ローラ6に対してトナーの帯電極性とは逆極性、本例では正の所定電圧の直流バイアスを印加する。不図示の給紙機構部から所定の制御タイミングにて記録媒体(受容体)としての転写材Pが給送され、ガイド11にて転写ニップ部eに導入され、転写ニップ部eで挟持搬送される過程で、感光ドラム1の面に形成されているトナー画像が転写材Pの面に順次に静電転写される。
【0043】
転写ニップ部eを出た転写材Pは感光ドラム1の面から分離され、ガイド12にて定着装置7に導入されてトナー画像の熱定着処理を受け、画像形成物(プリント、コピー)として排紙される。
【0044】
一方、転写材分離後の感光ドラム面は位置fにおいて除電光ランプ8によって中心波長660nm・光量8lmの全面露光処理を受けて除電処理され、次いでクリーニング装置9による転写残トナーの除去処理を受けて清浄面化されて繰返して作像に供される。
【0045】
本例におけるクリーニング装置9はクリーニングブレード当接式であり、gがクリーニングブレード91の感光ドラム1に対するエッジ当接部である。クリーニングブレード91はシリコン変性ポリウレタンゴムからなり、支持板92に接着されている。クリーニングブレード91によって感光ドラム1から掻き落とされたトナーはスクリュー93によって図示しない廃トナー容器に運ばれ回収される。
【0046】
10はプリンタの制御回路部(制御手段)であり、プリンタ全体のシーケンス制御を司る。
【0047】
(2)磁気ブラシ帯電装置2
主帯電手段としての磁気ブラシ帯電装置2において、21は装置筐体であり、この装置筐体21内に、帯電スリーブ22、粒子攪拌スクリュー25を配設してある。また導電性粒子としての導電性磁性粒子24を収容させてある。26は装置筐体21の下向き開口部に配設した粒子規制ブレードである。帯電スリーブ22の下面は装置筐体21の下向き開口部に臨ませてあり、この帯電スリーブ22の下面を感光ドラム1の上面に500μmの間隔をもって対向させて磁気ブラシ帯電装置2を感光ドラム1に対して配設してある。
【0048】
帯電スリーブ22はφ16mmの非磁性導電性スリーブであり、不図示の駆動系により矢印の時計方向に150mm/secの周速度で回転駆動される。この帯電スリーブ22内にマグネットローラ23を挿入配設してある。このマグネットローラ23は非回転の固定部材であり、帯電スリーブ22の回転方向に5つの磁極ピークを持ち、隣接して同極性の磁極ピークを持つ反発極構成となっている。
【0049】
装置筐体21内に収容させた導電性磁性粒子24の総量は200gであり、粒子規制ブレード26の帯電スリーブ回転方向の上流側には導電性磁性粒子24の溜まり部Tが形成されており、スクリュー25はこの溜まり部Tの導電性磁性粒子24を帯電スリーブ母線方向に攪拌している。スクリュー25は楕円形の羽を方向を交互に取り付けたものであり、溜まり部Tの導電性磁性粒子を偏らせることなく攪拌することが出来る。そして溜まり部Tの導電性磁性粒子24はこのスクリュー25およびマグネットローラ23の反発極による攪拌効果で磁性粒子全体が緩やかに攪拌される構成となっている。
【0050】
溜まり部Tの導電性磁性粒子24の一部はマグネットローラ23による磁気拘束力によって帯電スリーブ22上に磁気ブラシ層として保持され、それが帯電スリーブ22の回転とともに搬送され、粒子規制ブレード26によってその層厚が所定に規制される。
【0051】
粒子規制ブレード26によって層厚規制された導電性磁性粒子24の磁気ブラシ層は引き続く帯電スリーブ22の回転で帯電スリーブと感光ドラム1との対向隙間部に搬送されて感光ドラム1の面に接触し感光ドラム1面を摺擦しながら帯電スリーブと感光ドラム1との対向隙間部を通過していく。この磁気ブラシ層の感光ドラム面接触摺擦部が帯電領域aである。帯電領域aにおける帯電スリーブ22上でのマグネットロール23による磁束密度は950×10-4Tである。対向隙間部を通過した導電性磁性粒子24の磁気ブラシ層は引き続く帯電スリーブ22の回転で再び装置筐体21内の溜まり部Tに戻されて循環的に使用される。
【0052】
帯電領域aにおいて感光ドラム1と帯電スリーブ22の回転方向は逆方向であり周速差をもつことにより、帯電領域aにおいて感光ドラム1の面は帯電スリーブ22の回転に伴い搬送される導電性磁性粒子24の磁気ブラシ層により満弁なく摺擦される。
【0053】
そして、帯電スリーブ31には電源S1より本例の場合は500Vpp、1kHzの交番電界に−600Vの直流電圧Vchを重畳した帯電バイアスが印加される。
【0054】
これにより、回転する感光ドラム1の表面はこの磁気ブラシ帯電装置2により帯電領域aにおいてほぼ−600Vに一様に直接注入帯電機構にて接触帯電処理される。
【0055】
帯電スリーブ22の回転周速度は遅すぎると感光ドラム表面と導電性磁性粒子の接触確率が不十分となり、帯電ムラ等画像不良の要因となり、速すぎると導電性磁性粒子の飛散を引き起こしてしまう。良好な帯電が行なえる周速度は、帯電スリーブ22の外径や感光ドラム1との間隔にも依存するが、本実施例における帯電スリーブ22の周速度としては50〜250mm/secが好ましい。
【0056】
導電性磁性粒子24としては、下記のものが好適に用いられる。
【0057】
▲1▼.樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に成型したもの、もしくはこれに抵抗値調節のために導電カーボン等を混ぜるたもの、
▲2▼.焼結したマグネタイト、フェライト、もしくはこれらを還元または酸化処理して抵抗値を調節したもの、
▲3▼.上記の磁性粒子を抵抗調整をしたコート材(フェノール樹脂にカーボンを分散したもの等)でコートまたはNi等の金属でメッキ処理して抵抗値を適当な値にしたもの等。
【0058】
これら導電性磁性粒子24の抵抗値としては、高すぎると感光ドラム1に電荷が均一に注入できず、微小な帯電不良によるカブリ画像となってしまう。低すぎると感光ドラム表面にピンホールがあったとき、ピンホールに電流が集中して帯電電圧が降下し感光ドラム表面を帯電することができず、帯電ニップ状の帯電不良となる。よって導電性磁性粒子の抵抗値としては、1×104〜1×107Ωが望ましい。
【0059】
導電性磁性粒子24の磁気特性としては、感光ドラム1への導電性磁性粒子付着を防止するために磁気拘束力を高くする方がよく、飽和磁化が50(A・m2/kg)以上が望ましい。
【0060】
実際に、本実施例で用いた導電性磁性粒子24は、体積平均粒径が30μm、見かけ密度2.0[g/cm3]、抵抗値1×106Ω、飽和磁化58(A・m2/kg)であった。また、導電性磁性粒子24の粒径は帯電能力や帯電の均一性に影響する。つまり、粒径が大きすぎると感光ドラムとの接触割合が低下し帯電ムラの原因となる。粒径が小さいと帯電能力、均一性ともに向上する反面、一粒子に作用する磁力が低下し、感光ドラムへの付着が起きやすくなる。このため磁性粒子の粒径としては5〜100μmのものが好適に用いられる。
【0061】
(3)ローラ帯電装置3
副帯電手段としてのローラ帯電装置3の接触帯電部材である補助帯電ローラ31は、φ6mmのステンレス製芯金32に、厚さ3mmのカーボンブラックを分散させたEPDM層33を形成し、ディッピング方法にて皮膜層34を形成し、150℃、30分間加熱乾燥させて、弾性層33と抵抗制御体としての表層34を持つφ12mmのローラとしたものである。
【0062】
この補助帯電ローラ31は芯金32の両端部が付勢部材(付図示)によって感光ドラム1に向けて付勢されており、感光ドラム1表面に対して所定の押圧力を持って圧接され、感光ドラム1との間に帯状の帯電ニップ部を形成している。この帯電ニップ部が帯電領域bである。補助帯電ローラ31は駆動機構をもたず、感光ドラム1の回転に伴って矢印の反時計方向に従動回転する。芯金32には電源S3より−1.2kVの直流電圧が印加されている。
【0063】
補助帯電ローラ31の弾性層33としては上記に限ったものではなく、ウレタン、SBR、EVA、SBS、SEBS、SIS、TPO、EPM、NBR、IR、BR、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴム等があり、必要な抵抗値に応じて、たとえばカーボンブラック、カーボン繊維、金属酸化物、金属紛、過酸化水素塩などの固体電解質や界面活性剤などの導電性付与剤を添加したものなどがある。
【0064】
抵抗制御体としての表層34の材料としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、フッ素、ポリビニルアルコール、シリコン、NBR、EPDM、CR、IR、BR、ヒドリンゴムなどの樹脂やゴム類などがあり、そこに例えば導電性あるいは、絶縁性のフィラーや添加剤などを混合したものがある。上述のような材料を使用し、帯電部材の電気抵抗値を1×10 Ω〜1×1010 Ωにするが最終的にこの値になるのであれば上述の材料の組み合わせは特に問わない。本実施例のローラの電気抵抗値は1×10 Ωであった。
【0065】
(4)主・副帯電手段2・3の帯電開始・終了タイミング制御
図3に、主帯電手段である磁気ブラシ帯電装置2と、副帯電手段であるローラ帯電装置3の帯電開始・終了タイミングチャートを示す。このタイミング制御は磁気ブラシ帯電装置2に対する帯電バイアス印加電源S1と、ローラ帯電装置3に対する帯電バイアス印加電源S3が制御回路10により所定にON−OFFシーケンス制御されることでなされる。
【0066】
すなわち、副帯電手段であるローラ帯電装置3による帯電開始後、このローラ帯電装置3の帯電領域bにあった感光ドラム面が、主帯電手段である磁気ブラシ帯電装置2の帯電領域aに到達する以前に、磁気ブラシ帯電装置2による帯電を開始させる。
【0067】
逆に動作を終了する場合、ローラ帯電装置3による帯電終了後、このローラ帯電装置3の帯電領域bにあった感光ドラム面が、磁気ブラシ帯電装置2の帯電領域aを通過以降に、磁気ブラシ帯電装置2による帯電を終了させる。
【0068】
これにより、副帯電手段であるローラ帯電装置3のみで帯電された感光ドラム面と、主帯電手段である磁気ブラシ帯電装置2において電圧を印加されていない状態の導電性磁性粒子が接触しない。ゆえに導電性磁性粒子に働く感光ドラム面への静電気力が小さくなるので、磁気ブラシ帯電装置2における導電性磁性粒子の感光ドラム面への付着が無くなる。
【0069】
また副帯電手段であるローラ帯電装置3に印加する電圧は固定値とする必要はなく、たとえば補助帯電ローラ31の汚染や通電劣化による抵抗変化に応じて可変としても良い。また放電閾値の二倍以上の交流電圧を印加して、より安定した帯電を行なうことも出来る。
【0070】
以上の構成を用いれば、帯電領域全面に渡って主帯電手段である磁気ブラシ帯電装置2における導電性磁性粒子の感光ドラム1への付着を防止することが出来る。
【0071】
なお、副帯電手段3として本実施例ではローラ帯電装置を用いたが、本発明はこれに限ったものではなく例えば一般的なコロナ帯電器、又は導電性のブラシを感光ドラムに接触させるファーブラシ帯電装置などでも、同様の効果を得ることが出来る。副帯電手段3は複数具備させる構成にすることもできる。主帯電手段2も同様である。
【0072】
〈実施例2〉
本実施例は実施例1のプリンタにおいて、副帯電手段としてのローラ帯電装置3の接触帯電部材である補助帯電ローラ31に図4のように清掃部材35・36を設けたことを特徴とするものである。その他のプリンタ構成は実施例1のプリンタと同様であるので、再度の説明は省略する。
【0073】
補助帯電ローラ31にはクリーニング装置9のクリーニングブレード91を通り抜けたトナー外添剤などの微粒子が付着することによってローラ表層が高抵抗化して接触帯電の放電閾値(帯電開始電圧)Vthが変化し、帯電電圧が変動してしまうという問題がある。そこで本実施例ではPET材質からなるスクレーバー35を補助帯電ローラ31のおよそ全長域に渡って当接させて、補助帯電ローラ表面の付着物を除去している。除去した付着物は容器36に収容される。
【0074】
以上の構成により補助帯電ローラ31の表面は常に付着物のない状態が保たれ、長期にわたって良好な帯電を行なうことが出来る。その結果、補助帯電ローラ31と感光ドラム1との間に生じる電界を一定に保ち、主帯電手段である磁気ブラシ帯電装置2において帯電領域全面における導電性磁性粒子の感光ドラム1への付着を長期にわたり防止することが出来る。
【0075】
〈実施例3〉
本実施例は実施例1のプリンタにおいて、副帯電手段としてのローラ帯電装置3の接触帯電部材である補助帯電ローラ31に印加する帯電バイアスを制御することにより、主帯電手段である磁気ブラシ帯電装置2における導電性磁性粒子の感光ドラム1への付着を防止するものである。図5は本実施例の構成図であり、37は電流検出器であり、電源S3から補助帯電ローラ31に流れる電流量を検出する。その検出結果が制御回路10にフィードバックされる。制御回路10はその入力する検出結果を基づいて電源S1を制御して補助帯電ローラ31に対する印加バイアスを適切に制御する。その他のプリンタ構成は実施例1のプリンタと同様であるので、再度の説明は省略する。
【0076】
補助帯電ローラ31に印加する電圧Vdcと流れる電流Idには図6に示すような関係がある。すなわち、放電閾値Vthを超えると電圧Vdcに対し電流Idは一次的に変化する。そこで本実施例では放電閾値Vthよりも十分に大きい電圧V1、V2を与え、そのときの電流I1、I2より電流Idと電圧Vdの関係を表す一次式を求める。その式よりId=0となるときの電圧を求めそれをVth’として算出する。補助帯電ローラ31に印加する電圧は所望の帯電電位Vd’にVth’を加えた値となる。このような制御を行なうことにより長期にわたって補助帯電ローラ31と感光ドラム1との間に生じる電界を一定に保ち、主帯電手段である磁気ブラシ帯電装置2において帯電領域全面における導電性磁性粒子の感光ドラム1への付着を長期にわたり防止することが出来る。
【0077】
また制御方法はこれに限ったものではなく、例えば補助帯電ローラ31に微小な低電流を加え、そのときの該ローラ31と感光ドラム1にかかる電圧を測定し、その電圧をVthとする方法などでも良い。
【0078】
〈実施例4〉
主帯電手段2は上記各実施例のような磁気ブラシ帯電装置に限られず、特開平10−307454〜307459号公報に記載の導電性粒子を用いた接触帯電装置を用いることも出来、この場合も導電性粒子の感光ドラム1の付着を防止することが出来る。
【0079】
図7はこの種の帯電装置2の一例の概略構成模型図である。この帯電装置2は、接触帯電部材としての帯電ローラ27と、該帯電ローラ27に対する帯電バイアス印加電源S1と、該帯電ローラに対する導電性粒子供給器28を有する。
【0080】
帯電ローラ27は、芯金27aと、この芯金27aの外周に同心一体にローラ状に形成した導電性粒子担持体としてのゴムあるいは発泡体(スポンジローラ)の弾性・中抵抗層27bからなり、更に、この弾性・中抵抗層27bの外周面に導電性粒子mを薄層に担持させて構成される。
【0081】
この帯電ローラ27は被帯電体としての感光ドラム1に所定の侵入量をもって押圧当接させて、所定幅の帯電接触部(帯電領域)aを形成させている。帯電ローラ27に担持させた導電性粒子mが帯電接触部nにおいて感光ドラム1面に接触する。
【0082】
帯電ローラ27は感光ドラム1と同じ矢印の時計方向に回転駆動され、帯電接触部aにおいて感光ドラム1の回転方向と逆方向(カウンター)で回転することで、導電性粒子mを介して感光ドラム1面に対して速度差を持って接触する。
【0083】
感光ドラム1に対する帯電ローラ27の相対速度差は、帯電ローラ2と逆方向(感光ドラム1の回転に順回転方向)に周速度を異ならせて回転駆動させることでも持たせることができる。ただ、直接注入帯電の帯電性は感光ドラム1の周速と帯電ローラ27の周速の比に依存するため、帯電ローラ27を感光ドラム1と同じ方向に回転駆動させる方が回転数の点で有利であるとともに、粒子の保持性の点でも、この構成にすることが好ましい。
【0084】
プリンタの作像時には該帯電ローラ27の芯金27aに帯電バイアス印加電源S1から所定の帯電バイアスが印加される。これにより、感光ドラム1の周面が直接注入帯電機構で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
【0085】
導電性粒子供給器28による帯電ローラ27に対する導電性粒子mの塗布は、帯電粒子供給器28のハウジング容器28a内に蓄えられた導電性粒子mを攪拌羽根28bにより攪拌し帯電ローラ27の外周面に供給して行われる。そして、目標の塗布量に応じて過剰となる帯電粒子mをファーブラシ28cに掻き取らせて適正量の帯電粒子塗布を行う。帯電粒子塗布量の制御はファーブラシ28cの回転数制御により随時調整可能である。
【0086】
導電性粒子mは、例えば、比抵抗が103Ω・cm、平均粒径1.3μmの導電性酸化亜鉛である。導電性粒子mの材料としては他の金属酸化物などの導電性無機粒子や有機物との混合物、あるいは、これらに表面処理を施したものなど各種導電性粒子が使用可能である。また、導電性粒子mは磁気拘束する必要がないため、磁性を有する必要がない。粒子抵抗は粒子を介した電荷の授受を行うため比抵抗としては1012Ω・cm以下が必要であり、好ましくは1010Ω・cm以下が望ましい。一方、ドラムにピンホールがあった場合にリーク跡を防ぐために、10-1Ω・cm以上、好ましくは102Ω・cm以上であることが望ましい。
【0087】
〈その他〉
1)感光ドラム1についていま少し解説する。像担持体(被帯電体)としての感光ドラム1は、通常用いられている有機感光体等を用いることができるが、好ましくは、有機感光体上に低抵抗の表面層を持つものや、アモルファスシリコン感光体など、表面抵抗が109〜1014Ω・cmの低抵抗層を持つことが、直接注入帯電機構を主体的にすることができ、オゾン発生の防止に効果がある。また帯電性についても向上させることが可能となる。上記実施例においては、有機感光体の表面に電荷注入層として導電粒子(SnO2)が分散され、表面抵抗が1013Ω・cm程度のものを用いている。
【0088】
[有機感光体]:電子写真感光体の光導電材料として、近年種々の有機光導電材料の開発が進み、特に電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型感光体は既に実用化され複写機やレーザービームプリンタに搭載されている。
【0089】
しかしながら、これらの感光体は一般的に耐久性が低い事が1つの大きな欠点であるとされてきた。耐久性としては、感度、残留電位、帯電能、画像ぼけ等の電子写真物性面の耐久性及び摺擦による感光体表面の摩耗や引っ掻き傷等の機械的耐久性に大別されいずれも感光体の寿命を決定する大きな要因となっている。
【0090】
この内、電子写真物性面の耐久性、特に画像ぼけに関しては、コロナ帯電器から発生するオゾン、NOx等の活性物質により感光体表面層に含有される電荷輸送物質が劣化する事が原因である事が知られている。
【0091】
また機械的耐久性に関しては、感光層に対して紙、ブレード/ローラ等のクリーニング部材、トナー等が物理的に接触して摺擦する事が原因である事が知られている。
【0092】
電子写真物性面の耐久性を向上させる為には、オゾン、NOx等の活性物質により劣化されにくい電荷輸送物質を用いることが重要であり、酸化電位の高い電荷輸送物質を選択する事が知られている。また、機械的耐久性を上げる為には、紙やクリーニング部材による摺擦に絶える為に、表面の潤滑性を上げ摩擦を小さくする事、トナーのフィルミング融着等を防止する為に表面の離形性をよくすることが重要であり、フッ素系樹脂粉体粒子、フッ化黒鉛、ポリオレフィン系樹脂粉体等の滑材を表面層に配合することが粒子知られている。
【0093】
帯電方式として直接注入帯電を用いる場合、電荷の注入効率を高めるために導電性微粒子を分散した表層をもうける場合がある。
【0094】
[アモルファスシリコン系感光体(a−Si)]:電子写真において、感光体における感光層を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対して無害であること、等の特性が要求される。特に、事務機としてオフィスで使用される電子写真装置内に組み込まれる電子写真装置用感光体の場合には、大量に、且つ長期にわたり複写される事を考えると、画質、画像濃度の長期安定性も重要な点である。
【0095】
この様な点に優れた性質を示す光導電材料に水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:H」と表記する)があり、例えば、特公昭60−35059号公報には電子写真装置用感光体としての応用が記載されている。
【0096】
このような電子写真装置用感光体は、一般的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CD法、光CD法、プラズマCD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成する。なかでもプラズマCD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に付されている。
【0097】
これらの技術により、電子写真装置用感光体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0098】
また、アモルファスシリコン感光体(非晶質のシリコンを有する表面層からなる感光体)は直接注入帯電方式に対しても良好な帯電性を示す。
【0099】
2)実施例では画像形成装置としてレーザービームプリンタを例示したが、これに限られず、電子写真複写機、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ等他の画像形成装置、また電子黒板などの画像表示装置(ディスプレイ装置)等でもよいことは勿論である。
【0100】
3)静電潜像形成のための露光手段としては、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成するレーザー走査露光手段4に限定されるものではなく、通常のアナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであるなら構わない。
【0101】
4)被帯電体としての像担持体は静電記録装置の場合には静電記録誘電体である。静電記録誘電体の場合はこれを帯電装置で所定の極性・電位に一様に帯電し、その帯電処理面を除電針アレイや電子銃等の除電手段で選択的に除電処理して静電潜像を書き込み形成する。
【0102】
5)像担持体はドラム型に限られず、エンドレス状或いは有端のベルト型、シート状等であってもよい。
【0103】
6)現像装置5の構成についても特に限定するものではない。正規現像装置であってもよい。
【0104】
一般的に、静電潜像の現像方法は、非磁性トナーについてはこれをブレード等でスリーブ等の現像剤担持搬送部材上にコーティングし、磁性トナーについてはこれを現像剤担持搬送部材上に磁気力によってコーティングして搬送して像担持体に対して非接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(1成分非接触現像)と、上記のように現像剤担持搬送部材上にコーティングしたトナーを像担持体に対して接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(1成分接触現像)と、トナー粒子に対して磁性のキャリアを混合したものを現像剤(2成分現像剤)として用いて磁気力によって搬送して像担持体に対して接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(2成分接触現像)と、上記の2成分現像剤を像担持体に対して非接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(2成分非接触現像)との4種類に大別される。
【0105】
7)転写手段はローラ転写に限られず、ベルト転写、コロナ転写などにすることもできる。転写ドラムや転写ベルト等の中間転写体(中間被転写部材)などを用いて、単色画像ばかりでなく、多重転写等により多色やフルカラー画像を形成する画像形成装置であってもよい。
【0106】
8)直接注入帯電は接触帯電部材から被帯電体部分に電荷が直接移動することをその帯電機構とするから、接触帯電部材が十分に被帯電体表面に接触する必要があり、被帯電体に対して接触帯電部材を周速差を持たせて回転させることが望ましい。接触帯電部材と被帯電体との速度差は、具体的には接触帯電部材面を移動駆動して被帯電体との間に速度差を設けることになる。好ましくは接触帯電部材を回転駆動し、さらにその回転方向は被帯電体表面の移動方向とは逆方向に回転するように構成するのがよい。接触帯電部材面を被帯電体表面の移動方向と同じ方向に移動させて速度差をもたせることも可能であるが、直接注入帯電の帯電性は被帯電体の周速と接触帯電部材の周速の比に依存するため、逆方向と同じ周速比を得るには順方向では接触帯電部材の回転数が逆方向の時に比べて大きくなるので、接触帯電部材を逆方向に移動させる方が回転数の点で有利である。ここで記述した周速比は
周速比(%)=(接触帯電部材周速−被帯電体周速)/被帯電体周速×100である(接触帯電部材周速は接触部において接触帯電部材表面が被帯電体表面と同じ方向に移動するとき正の値である)。
【0107】
9)本発明の帯電装置は画像形成装置の像担持体(電子写真感光体、静電記録誘電体等)の帯電装置に限られず、広く被帯電体に帯電処理手段(除電処理も含む)として使用して有効であることは勿論である。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、導電性粒子を被帯電体に接触させ電圧を印加して被帯電体を帯電する接触帯電方式の帯電装置、及び該帯電装置を電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体の帯電手段として具備させた画像形成装置において、帯電領域全域での、接触帯電部材側から被帯電体(像担持体)側への導電性粒子の付着を防止することが出来、長期にわたって安定で帯電不良のない均一な帯電を行なうことが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における画像形成装置の概略構成模型図。
【図2】 感光ドラムの層構成模型図。
【図3】 主帯電手段と副帯電手段の帯電動作のタイムチャート。
【図4】 実施例2の画像形成装置の要部の概略構成模型図。
【図5】 実施例3の画像形成装置の要部の概略構成模型図。
【図6】 実施例3の補助帯電ローラに印加する電圧の制御方法を説明するグラフ。
【図7】 実施例4の主帯電手段としての帯電装置の概略構成模型図。
【符号の説明】
1・・像担持体(感光ドラム)、2・・主帯電手段(磁気ブラシ帯電装置)、3・・副帯電手段(ローラ帯電装置)、4・・レーザービームスキャナ、5・・現像装置、6・・転写装置、7・・定着装置、8・・除電光ランプ、9・・クリーニング装置、10・・制御手段(制御回路)

Claims (17)

  1. 帯電部材の表面に付着させた導電性粒子を被帯電体に接触させ、帯電部材に電圧を印加させることで移動する被帯電体を帯電する主帯電手段と、被帯電体の移動方向に対し主帯電手段よりも上流側に配置され、主帯電手段と同極性の電圧を印加して被帯電体を帯電する副帯電手段と、主帯電手段と副帯電手段に印加する電圧を制御する制御手段と、を有する帯電装置において、
    主帯電手段と同極性の電圧を印加される前記副帯電手段による帯電開始タイミングから、該副帯電手段による被帯電体の帯電面が主帯電手段の帯電領域に到達する以前に、主帯電手段による被帯電体の帯電開始され、この副帯電手段による帯電終了して前記副帯電手段による被帯電体の帯電面が主帯電手段の帯電領域を通過した後に、主帯電手段による被帯電体の帯電終了するように、制御手段は主帯電手段と副帯電手段に電圧を印加するタイミングを制御することを特徴とする帯電装置。
  2. 主帯電手段の導電性粒子は、帯電部材に磁気的に拘束された導電性の磁性体であり、該導電性粒子を被帯電体に接触させて帯電を行なうことを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  3. 主帯電手段の導電性粒子は、帯電部材に付着しており、帯電部材と導電性粒子とが被帯電体に接触して帯電を行なうことを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
  4. 被帯電体は電荷が注入される電荷注入層を有する像担持体であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の帯電装置。
  5. 被帯電体が、感光層、および表面層を有し、該表面層が樹脂および導電粒子を有することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の帯電装置。
  6. 導電粒子がSnO2であることを特徴とする請求項5に記載の帯電装置。
  7. 被帯電体が非晶質のシリコンを有する表面層からなることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の帯電装置。
  8. 被帯電体は像担持体であり、この像担持体に、該像担持体を一様に帯電する帯電工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置において、
    像担持体を一様に帯電する帯電工程手段が、請求項1から7の何れかに記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
  9. 像担持体と、帯電部材の表面に付着させた導電性粒子を像担持体に接触させ、帯電部材に電圧を印加することにより移動する像担持体を帯電する主帯電手段と、像担持体の移動方向に対し主帯電手段よりも上流側に配置され、主帯電手段と同極性の電圧を印加して像担持体を帯電する副帯電手段と、主帯電手段と副帯電手段に印加する電圧を制御する制御手段と、主帯電手段による像担持体の帯電面に静電潜像を形成する像露光手段と、像担持体面の静電潜像を顕画化する現像手段と、を有する画像形成装置において、
    主帯電手段と同極性の電圧を印加される前記副帯電手段による帯電開始タイミングから、該副帯電手段による像担持体の帯電面が主帯電手段の帯電領域に到達する以前に、主帯電手段による像担持体の帯電開始され、この副帯電手段による帯電終了して前記副帯電手段による像担持体の帯電面が主帯電手段の帯電領域を通過した後に、主帯電手段による像担持体の帯電終了するように、制御手段は主帯電手段と副帯電手段に電圧を印加するタイミングを制御することを特徴とする画像形成装置。
  10. 副帯電手段は、像担持体上の顕画像を転写材に転写する転写手段よりも像担持体の移動方向に対して下流側に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 像担持体上の顕画像を転写材に転写する転写手段と、転写材に転写された顕画像を定着する定着手段を有することを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。
  12. 主帯電手段の導電性粒子は、帯電部材に磁気的に拘束された導電性の磁性体であり、該導電性微粒子を像担持体に接触させて帯電を行なうことを特徴とする請求項10または11に記載の画像形成装置。
  13. 主帯電手段の導電性粒子は、帯電部材に付着しており、帯電部材と導電性粒子とが像担持体に接触して帯電を行なうことを特徴とする請求項10または11に記載の画像形成装置。
  14. 像担持体は電荷が注入される電荷注入層を有することを特徴とする請求項10から13の何れかに記載の画像形成装置。
  15. 像担持体が、感光層、および表面層を有し、該表面層が樹脂および導電粒子を有することを特徴とする請求項10から14の何れかに記載の画像形成装置。
  16. 導電粒子がSnO2であることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 像担持体が非晶質のシリコンを有する表面層からなることを特徴とする10から14の何れかに記載の画像形成装置。
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