JP3854657B2 - Intestinal protective agent - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カゼイン及び/又はカゼインを蛋白質加水分解酵素で加水分解したカゼイン分解物を有効成分とする腸管保護剤に関する。本発明の腸管保護剤は、腸管に存在するタイト・ジャンクション(Tight Junction)の弛緩を打ち消す作用を有し、アレルゲン物質等の透過を抑制するので、アレルギー疾患等の予防や治療に有用である。
【0002】
【従来の技術】
腸管の上皮細胞間には、粘膜表層細胞同士を洩れなくシールし、表層細胞の周囲を鉢巻き状に取り囲んでいるタイト・ジャンクションが存在しており、イオン等の低分子物質は、このタイト・ジャンクションの間を通り抜けて体内に吸収されることが知られている。また、消化されずに残った細菌、ウイルス、蛋白質等の巨大分子も腸管の上皮細胞間を通り抜けて体内に吸収される場合があり、これが感染症や食物アレルギーを誘発し、増悪する要因の一つと考えられている。特に、乳幼児においては、腸管及びそれに付属する器官の発達が充分でないので、巨大分子が腸管の上皮細胞間を通り抜けて体内に吸収されてしまう機会が多く、これが感染症や食物アレルギーの原因となっている。そこで、先に本発明者らは、経口的に摂取することができ、タイト・ジャンクションの形成を促進するような物質を有効成分とする腸管透過抑制剤を提案した (特願平6-234282号公報) 。
【0003】
一方、食品成分中には、グルコース、サイトカラシンD等のようにタイト・ジャンクションを弛緩する作用を有するものがある。また、アレルギー性炎症においては炎症性サイトカイン等、生体側の炎症作用によってもタイト・ジャンクションが弛緩されると考えられる。このように、タイト・ジャンクションは食品成分や炎症作用により弛緩される危険に常に曝されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、食品成分や炎症作用による腸管上皮細胞間のタイト・ジャンクションの弛緩を防止し、感染症や食物アレルギーの予防及び治療を行うという観点から、タイト・ジャンクションの弛緩を防止することができる物質を求めて鋭意研究を進めたところ、カゼイン及び/又はカゼインを蛋白質加水分解酵素で加水分解したカゼイン分解物にタイト・ジャンクションの弛緩を防止する作用があることを見出した。そして、これらの物質を使用して動物実験を行ったところ、タイト・ジャンクションの弛緩を防止してアレルゲン物質の透過を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。したがって、本発明は、カゼイン及び/又はカゼインを蛋白質加水分解酵素で加水分解したカゼイン分解物を有効成分とする、食品成分や炎症作用によるタイト・ジャンクションの弛緩を防止し、アレルゲン物質の透過を抑制して感染症や食物アレルギーを予防及び治療する効果を有する腸管保護剤を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明では、食品成分や炎症作用によるタイト・ジャンクションの弛緩を防止し、アレルゲン物質の透過を抑制して感染症や食物アレルギーを予防及び治療する効果を有する腸管保護剤の有効成分として、β−カゼイン等のカゼイン及び/又はカゼインを蛋白質加水分解酵素で加水分解したカゼイン分解物を使用する。また、カゼイン及び/又はカゼインを蛋白質加水分解酵素で加水分解したカゼイン分解物は、通常行われているように、蛋白質加水分解酵素で蛋白質を加水分解する。
【0006】
なお、これらの物質の腸管保護効果については、先に本発明者らが確立したタイト・ジャンクションの物質透過性を定量する実験系を用いて行った。以下、その実験系について説明する。
【0007】
ヒト結腸癌由来の培養細胞株であるCaco-2(ATCC HTB37)を 100μg/ml濃度のタイプIコラーゲン(新田ゼラチン製)溶液でコーティングした透過性膜(ミリセルCM、ポアサイズ;0.4μm, 0.6cm2 、ミリポア製)上に撒き、10%ウシ胎児血清(バイオセラム製)を含むDMEM培地(日水製薬製)で一定期間培養した後、培地を洗浄してハンクス液に置き換え、ミリセルERS(ミリポア製)で経上皮電気抵抗(TEER)を測定したところ、培養開始48時間で 550Ω・cm2 となった。これは、タイト・ジャンクションが形成されて安定化したことを示す。
【0008】
次に、ハンクス液に10mM過酸化水素水を加えて形成されたタイト・ジャンクションを30分間処理したところ、TEERは7割以下にまで低下し、タイト・ジャンクションが弛緩した状態となった。なお、タイト・ジャンクションを弛緩する物質として過酸化水素水を使用した理由は、腸管内で発生した炎症で生じたケミカルメディエーターによりタイト・ジャンクションが弛緩されるのと同様の状況を想定したためである。すなわち、炎症においては、炎症部位周辺の細胞は炎症性サイトカインやケミカルメディエーターを放出するが、特に、この際に細胞から放出される過酸化水素水は腸管壁に影響を及ぼし、タイト・ジャンクションを弛緩する。そして、弛緩したタイト・ジャンクションの間を通り抜けてアレルゲンが体内に吸収され、食物アレルギーが発症又は増幅する。
【0009】
そこで、過酸化水素水をハンクス液に加える前に、タイト・ジャンクションの弛緩を防止する作用を有する物質の検索に供する物質をハンクス液に加えて形成されたタイト・ジャンクションを30分間処理した後、ハンクス液に10mM過酸化水素水を加えてタイト・ジャンクションを30分間処理し、TEERを測定して、タイト・ジャンクションの弛緩が抑制されたか否かを調べた。
なお、TEERを測定する実験系のモデルを図1に示す。
【0010】
【試験例1】
本発明のβ−カゼイン、カゼイン、比較例としてβ−ラクトグロブリン、ウシ血清アルブミン(BSA)及びホエー蛋白濃縮物 (WPC)を使用してタイト・ジャンクションの弛緩を防止する作用を調べた。すなわち、上記した実験系により、ハンクス液に、10μM β−カゼイン、2%カゼイン、10μM β−ラクトグロブリン、10μM BSA又は2%WPCを加えて形成されたタイト・ジャンクションを30分間処理した後、ハンクス液に10mM過酸化水素水を加えてタイト・ジャンクションを30分間処理し、TEERを測定した。また、過酸化水素水をハンクス液に加える前に処理を行わなかったものを対照とした。その結果を図2に示す。なお、図にある相対TEERとは、タイト・ジャンクションを過酸化水素水で処理する前のTEER値に対する過酸化水素水で処理した後のTEER値である。
【0011】
このように、形成されたタイト・ジャンクションをβ−カゼイン、カゼイン、β−ラクトグロブリン、BSA又はWPCで処理することにより、TEERの低下が抑制されたので、これらの物質が過酸化水素水によるタイト・ジャンクションの弛緩を抑制することが判った。
【0012】
【試験例2】
β−ラクトグロブリンを使用してタイト・ジャンクションの弛緩を防止する作用の濃度依存性を調べた。すなわち、試験例1と同様の方法により、ハンクス液に5〜 500μM の各濃度に調整したβ−ラクトグロブリンを加えて形成されたタイト・ジャンクションを30分間処理した後、ハンクス液に10mM過酸化水素水を加えてタイト・ジャンクションを30分間処理し、TEERを測定した。また、過酸化水素水をハンクス液に加える前に処理を行わなかったものを対照とした。その結果を図3に示す。なお、図にあるTEER値の幅は、繰り返し6回行った実験の標準誤差である。
【0013】
このように、形成されたタイト・ジャンクションを5μM β−ラクトグロブリンで処理することによってもTEERの低下が抑制され、 500μM β−ラクトグロブリンで処理することによってTEERの低下は完全に抑制されることが判った。なお、BSA及び本発明のβ−カゼインを使用して行った実験でもほぼ同様の傾向が見られた。
【0014】
【試験例3】
10%濃度となるようにBSAを溶解した蟻酸アンモニウム緩衝液(pH 8.0)に、基質濃度の 1/100量のトリプシンを添加し、37℃で12時間反応させた後、トリプシンと等量の大豆トリプシンインヒビターを添加することにより反応を停止し、BSA分解物を調製した。そして、このBSA分解物を使用してタイト・ジャンクションの弛緩を防止する作用の濃度依存性を調べた。すなわち、試験例1と同様の方法により、ハンクス液にBSA換算で5〜 500μM の各濃度に調整したBSA分解物を加えて形成されたタイト・ジャンクションを30分間処理した後、ハンクス液に10mM過酸化水素水を加えてタイト・ジャンクションを30分間処理し、TEERを測定した。また、過酸化水素水をハンクス液に加える前に処理を行わなかったものを対照とした。その結果を図4に示す。
【0015】
このように、形成されたタイト・ジャンクションを5μM BSA分解物で処理することによってもTEERの低下が抑制され、 500μM BSA分解物で処理することによってTEERの低下は完全に抑制されることが判った。なお、同様にして調製したβ−ラクトグロブリン分解物及び本発明のβ−カゼイン分解物を使用して行った実験でもほぼ同様の傾向が見られた。また、酵素反応を停止するために使用した大豆トリプシンインヒビターについては、タイト・ジャンクションの弛緩を防止する作用は認められなかった。
【0016】
【試験例4】
動物実験により、WPC、BSA、BSA分解物、β−ラクトグロブリン分解物及び本発明のβ−カゼイン分解物を使用して、腸管保護効果を調べた。なお、BSA分解物、β−ラクトグロブリン分解物及びβ−カゼイン分解物については、試験例3に示したBSA分解物の調製法に準じて調製した。
【0017】
7週齢のDBA/2マウス(日本クレア)を1週間予備飼育した後、1群3匹として、1%WPC、1%BSA、 0.1%BSA、1%BSA分解物、 0.1%BSA分解物、 0.1%β−ラクトグロブリン分解物又は 0.1%β−カゼイン分解物をそれぞれ市販CE−2粉末飼料(日本クレア製)に添加して調製した飼料を摂取させ、7日間飼育した。そして、24時間絶食、絶飲させた後、10mM過酸化水素水 200μl を経口ゾンデで2時間毎に5回投与した。さらに、 0.5%卵白アルブミン (OVA、シグマ製)を含むCE−2粉末飼料を自由摂取させてOVAを経口投与した後、眼底静脈叢より 0.5週 (3日又は4日) 毎に 100μl 採血して血清中OVA特異的抗体価の変動を測定した。また、CE−2粉末飼料のみで飼育した群を対照とした。その結果を図5に示す。
【0018】
なお、血清中OVA特異的抗体価の測定は、以下のように行った。
(1)OVAを生理的リン酸緩衝液(PBS)10μg/mlに溶解した溶液 100μl をELISAプレートの各ウエルに添加した後、室温で2時間放置してOVAを固定した。
(2)0.05%Tween 20を含む生理的リン酸緩衝液(PBST)でOVAを固定した各ウエルを3回洗浄した後、10mg/ml 濃度としたBSAを含む0.1Mクエン酸緩衝液(pH 6.4) 200μl を各ウエルに添加し、室温で2時間放置してブロッキングした。
(3)PBSTでブロッキングした各ウエルを3回洗浄した後、1%BSA及び0.05%Tween 20を含む生理的リン酸緩衝液(PBSTB)で血清を 100倍に希釈した試料 100μl を各ウエルに添加した。
(4)4℃で17時間放置し、PBSTで各ウエルを3回洗浄した後、ビオチン標識抗マウスIgG(シグマ製)を10,000倍にPBSTBで希釈した溶液 100μl を各ウエルに添加した。
(5)室温で1時間放置し、PBSTで各ウエルを3回洗浄した後、アビジン標識アルカリフォスファターゼ溶液を 5,000倍にPBSTBで希釈した溶液 100μl を各ウエルに添加した。
(6)室温で 0.5時間放置し、PBSTで各ウエルを3回洗浄し、1Mジエタノールアミン−塩酸緩衝液(pH 9.8)に0.02%塩化マグネシウム及びp-nitrophenyl phosphate 1mg/mlを溶解させた基質溶液 100μl を各ウエルに添加し、室温で発色させて吸光度(415 nm)を2連で測定した。
【0019】
なお、試料の非特異的吸着の影響を見るために、OVA溶液に代えて10mg/ml 濃度となるようBSAをPBSに溶解した溶液 100μl を各ウエルに添加してBSAを固定したウエルも作成した。また、抗体価は、1群3匹の吸光値の相乗平均とした。
【0020】
このように、対照群では、OVA投与開始後1週でOVA特異的抗体価が上昇し始めたのに対して、1%WPC、1%BSA、 0.1%BSA、1%BSA分解物、 0.1%BSA分解物、 0.1%β−ラクトグロブリン分解物又は 0.1%β−カゼイン分解物を添加した飼料を投与した各実験群では、OVA特異的抗体価が上昇し始める時期が 0.5〜1週間遅れ、また、抗体価も低い値であった。したがって、これらの物質は、マウス腸管の透過性を減少させて腸管からのOVAの生体内への進入を防止し、食物アレルギーを予防したことが判った。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明では、腸管保護剤の有効成分として、カゼイン及び/又はカゼインを蛋白質加水分解酵素で加水分解したカゼイン分解物を使用する。そして、粉末、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤等の形で製剤化し、腸管保護効果を有する医薬として使用しても良いし、各種栄養組成物や飲食品等に配合し腸管保護効果を賦与して使用しても良い。また、年齢、治療効果、病態等により異なるが、カゼイン及び/又はカゼインを蛋白質加水分解酵素で加水分解したカゼイン分解物に腸管保護効果を発揮させるためには、通常、1回に体重1kg当たり 130mg〜13g の範囲で、1日1回から数回経口投与すれば良い。
【0022】
【実施例1】
カゼイン及び/又はカゼインを蛋白質加水分解酵素で加水分解したカゼイン分解物100gとラクトース 65gを混和し、60メッシュの篩を通した後、アルコール性ポリビニルピロリドン 20gで湿らせ、12メッシュの篩を通して乾燥した。そして、タルク 25gと澱粉 10gを加え、常法により打錠して重量 300mgの腸管保護作用を有する錠剤を製造した。
【0023】
【実施例2】
カゼイン及び/又はカゼインの分解物 100g、メチルセルロース 75g、コーンスターチ 40g及び香料少々を混和し、60メッシュの篩を通した後、アルコール性ポリビニルピロリドン 15gで湿らせ、0.7 mm径ステンレススチールの篩を通し、腸管保護作用を有する顆粒剤を製造した。
【0024】
【発明の効果】
カゼイン及び/又はカゼインを蛋白質加水分解酵素で加水分解したカゼイン分解物は、タイト・ジャンクションの弛緩を防止する作用を有し、タイト・ジャンクションの間を通り抜けて体内に吸収されるアレルゲン等の物質の透過を防止する効果を有する。したがって、これらの物質を有効成分として含有する腸管保護剤を使用することにより、食物アレルギー等の予防及び治療の効果を発揮させることが可能となる。また、これらの物質は、食品素材として通常使用されている成分であり、安全性の面でも全く問題はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】TEERを測定する実験系のモデルを示す。
【図2】試験例1におけるβ−カゼイン、カゼイン、β−ラクトグロブリン、BSA及びWPCのタイト・ジャンクション弛緩防止効果を示す。
【図3】試験例2におけるβ−ラクトグロブリンの濃度の違いによるタイト・ジャンクション弛緩防止効果を示す。
【図4】試験例3におけるBSA分解物の濃度の違いによるタイト・ジャンクション弛緩防止効果を示す。
【図5】試験例4におけるWPC、BSA、BSA分解物、β−ラクトグロブリン分解物及びβ−カゼイン分解物の腸管保護効果を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an intestinal protective agent containing casein and / or a casein hydrolyzate obtained by hydrolyzing casein with a protein hydrolase as an active ingredient. The intestinal protective agent of the present invention has an action of counteracting relaxation of tight junctions present in the intestinal tract and suppresses permeation of allergen substances and the like, and thus is useful for the prevention and treatment of allergic diseases and the like.
[0002]
[Prior art]
Between the epithelial cells of the intestinal tract, there is a tight junction that seals the mucosal surface cells without leakage and surrounds the surface cells in a headband shape. It is known that it is absorbed by the body through the space. In addition, macromolecules such as bacteria, viruses, and proteins that remain undigested may pass through the epithelial cells of the intestinal tract and be absorbed into the body, which causes infections and food allergies and is a cause of exacerbations. It is considered one. Especially in infants, because the intestinal tract and its associated organs are not sufficiently developed, macromolecules often pass between the epithelial cells of the intestinal tract and are absorbed into the body, which causes infections and food allergies. ing. Therefore, the present inventors previously proposed an intestinal permeation inhibitor containing a substance that can be taken orally and promotes the formation of tight junctions (Japanese Patent Application No. 6-234282). (Publication).
[0003]
On the other hand, some food ingredients have an action of relaxing tight junctions such as glucose and cytochalasin D. In allergic inflammation, it is considered that tight junctions are also relaxed by inflammatory actions on the living body side such as inflammatory cytokines. Thus, tight junctions are constantly exposed to the danger of being relaxed by food components and inflammatory effects.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present inventors prevent the relaxation of tight junctions from the viewpoint of preventing tight junctions between intestinal epithelial cells due to food components and inflammatory effects, and preventing and treating infections and food allergies. As a result of diligent research in search of a substance capable of achieving this, it was found that casein and / or a casein hydrolyzate obtained by hydrolyzing casein with a protein hydrolase has an action of preventing relaxation of tight junctions. As a result of animal experiments using these substances, it was found that tight junctions can be prevented from loosening and permeation of allergen substances can be suppressed, and the present invention has been completed. Therefore, the present invention uses casein and / or a casein hydrolyzate obtained by hydrolyzing casein with a protein hydrolase as an active ingredient, prevents relaxation of tight junctions due to food components and inflammatory action, and suppresses permeation of allergen substances. It is an object of the present invention to provide an intestinal protective agent having an effect of preventing and treating infectious diseases and food allergies.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, as an active ingredient of an intestinal protective agent that prevents the relaxation of tight junctions due to food components and inflammatory action, suppresses the permeation of allergen substances, and prevents and treats infections and food allergies, β- Casein such as casein and / or a casein degradation product obtained by hydrolyzing casein with a protein hydrolase is used. Further, casein and / or casein casein hydrolyzate hydrolysis with proteolytic enzymes, as is normal practice, you hydrolyzing protein with proteolytic enzyme.
[0006]
The intestinal protective effect of these substances was carried out using an experimental system for quantitatively determining the substance permeability of tight junctions previously established by the present inventors. The experimental system will be described below.
[0007]
Permeable membrane coated with Caco-2 (ATCC HTB37), a cultured cell line derived from human colon cancer, with a type I collagen (made by Nitta Gelatin) solution at a concentration of 100 μg / ml (Millicell CM, pore size; 0.4 μm, 0.6 cm) 2 ) After culturing on DMEM medium (manufactured by Nissui Pharmaceutical) containing 10% fetal bovine serum (manufactured by Bioserum) for a certain period of time, the medium was washed and replaced with Hanks' solution, and Millicell ERS (Millipore) Manufactured), the transepithelial electrical resistance (TEER) was measured to be 550 Ω · cm 2 48 hours after the start of the culture. This indicates that a tight junction was formed and stabilized.
[0008]
Next, when the tight junction formed by adding 10 mM hydrogen peroxide to Hanks' liquid was treated for 30 minutes, the TEER decreased to 70% or less, and the tight junction was in a relaxed state. The reason for using hydrogen peroxide as a substance that relaxes the tight junction is that a situation similar to that in which the tight junction is relaxed by a chemical mediator caused by inflammation occurring in the intestinal tract is assumed. That is, in inflammation, cells around the inflammatory site release inflammatory cytokines and chemical mediators. In particular, the hydrogen peroxide solution released from the cells affects the intestinal tract wall and relaxes tight junctions. To do. Then, the allergen is absorbed into the body through the relaxed tight junction, and food allergy is developed or amplified.
[0009]
Therefore, before adding the hydrogen peroxide solution to the Hanks solution, after processing the tight junction formed by adding to the Hanks solution a substance that serves to search for substances that have the action of preventing the relaxation of the tight junction, A 10 mM hydrogen peroxide solution was added to Hanks' solution to treat the tight junction for 30 minutes, and the TEER was measured to determine whether the relaxation of the tight junction was suppressed.
An experimental system model for measuring TEER is shown in FIG.
[0010]
[Test Example 1]
Using β-casein, casein of the present invention, and β-lactoglobulin, bovine serum albumin (BSA) and whey protein concentrate (WPC) as comparative examples, the effect of preventing tight junction relaxation was examined. That is, after the above-described experimental system, a tight junction formed by adding 10 μM β-casein, 2% casein, 10 μM β-lactoglobulin, 10 μM BSA or 2% WPC to Hanks solution for 30 minutes, A 10 mM hydrogen peroxide solution was added to the solution to treat the tight junction for 30 minutes, and the TEER was measured. Moreover, what did not process before adding hydrogen peroxide solution to Hanks liquid was used as a control. The result is shown in FIG. The relative TEER in the figure is the TEER value after the tight junction is treated with the hydrogen peroxide solution relative to the TEER value before the treatment with the hydrogen peroxide solution.
[0011]
Thus, the treatment of the formed tight junction with β-casein, casein, β-lactoglobulin, BSA, or WPC suppressed the decrease in TEER.・ It was found that the relaxation of the junction was suppressed.
[0012]
[Test Example 2]
Using β-lactoglobulin, the concentration dependency of the effect of preventing relaxation of tight junctions was examined. That is, by treating the tight junction formed by adding β-lactoglobulin adjusted to each concentration of 5 to 500 μM to Hank's solution by the same method as in Test Example 1, it was treated with 10 mM hydrogen peroxide in Hank's solution for 30 minutes. Water was added to treat the tight junction for 30 minutes and the TEER was measured. Moreover, what did not process before adding hydrogen peroxide solution to Hanks liquid was used as a control. The result is shown in FIG. In addition, the width | variety of TEER value in a figure is a standard error of the experiment performed 6 times repeatedly.
[0013]
Thus, the treatment of the formed tight junction with 5 μM β-lactoglobulin can suppress the decrease in TEER, and the treatment with 500 μM β-lactoglobulin can completely suppress the decrease in TEER. understood. In addition, the same tendency was seen also in the experiment conducted using BSA and β-casein of the present invention .
[0014]
[Test Example 3]
Trypsin with a substrate concentration of 1/100 was added to ammonium formate buffer solution (pH 8.0) in which BSA was dissolved to a concentration of 10%, reacted at 37 ° C for 12 hours, and then an equivalent amount of soybean with trypsin. The reaction was stopped by adding trypsin inhibitor and a BSA degradation product was prepared. Then, the concentration dependency of the effect of preventing relaxation of tight junctions using this BSA decomposition product was examined. That is, in the same manner as in Test Example 1, a tight junction formed by adding a BSA degradation product adjusted to each concentration of 5 to 500 μM in terms of BSA to Hanks solution was treated for 30 minutes, and then 10 mM excess was added to Hanks solution. Hydrogen oxide water was added to treat the tight junction for 30 minutes, and the TEER was measured. Moreover, what did not process before adding hydrogen peroxide solution to Hanks liquid was used as a control. The result is shown in FIG.
[0015]
Thus, it was found that treatment of the formed tight junction with 5 μM BSA degradation product also suppressed the decrease in TEER, and treatment with 500 μM BSA degradation product completely suppressed the decrease in TEER. . In addition, the same tendency was seen also in the experiment conducted using the β-lactoglobulin degradation product prepared in the same manner and the β-casein degradation product of the present invention . In addition, the soybean trypsin inhibitor used to stop the enzyme reaction was not effective in preventing relaxation of tight junctions.
[0016]
[Test Example 4]
The intestinal protective effect was examined by animal experiments using WPC, BSA, BSA degradation product, β-lactoglobulin degradation product and β-casein degradation product of the present invention . The BSA degradation product, β-lactoglobulin degradation product, and β-casein degradation product were prepared according to the method for preparing the BSA degradation product shown in Test Example 3.
[0017]
7 weeks old DBA / 2 mice (CLEA Japan) were preliminarily raised for 1 week, and each group consisted of 3 mice, 1% WPC, 1% BSA, 0.1% BSA, 1% BSA degradation product, 0.1% BSA degradation product, Feeds prepared by adding 0.1% β-lactoglobulin degradation product or 0.1% β-casein degradation product to commercially available CE-2 powder feed (manufactured by CLEA Japan, Inc.) were fed and bred for 7 days. Then, after fasting and drinking for 24 hours, 200 μl of 10 mM hydrogen peroxide was administered five times every 2 hours with an oral sonde. In addition, CE-2 powdered diet containing 0.5% ovalbumin (OVA, Sigma) was freely ingested and OVA was orally administered, and then 100 μl was collected from the fundus venous plexus every 0.5 weeks (3 days or 4 days). Changes in serum OVA-specific antibody titers were measured. In addition, a group fed only with CE-2 powder feed was used as a control. The result is shown in FIG.
[0018]
The serum OVA-specific antibody titer was measured as follows.
(1) After adding 100 μl of OVA dissolved in physiological phosphate buffer (PBS) 10 μg / ml to each well of an ELISA plate, the OVA was fixed by leaving it at room temperature for 2 hours.
(2) Each well to which OVA was fixed with a physiological phosphate buffer solution (PBST) containing 0.05% Tween 20 was washed three times, and then 0.1 M citrate buffer solution (pH 6.4) containing BSA at a concentration of 10 mg / ml. 200 μl was added to each well and allowed to block for 2 hours at room temperature.
(3) After washing each well blocked with PBST three times, 100 μl of a sample diluted with a physiological phosphate buffer solution (PBSTB) containing 1% BSA and 0.05% Tween 20 was added to each well. did.
(4) The plate was allowed to stand at 4 ° C. for 17 hours, and each well was washed with PBST three times. Then, 100 μl of a biotin-labeled anti-mouse IgG (Sigma) diluted 10,000 times with PBSTB was added to each well.
(5) The plate was allowed to stand at room temperature for 1 hour, and each well was washed three times with PBST. Then, 100 μl of a solution in which an avidin-labeled alkaline phosphatase solution was diluted 5,000 times with PBSTB was added to each well.
(6) Leave at room temperature for 0.5 hour, wash each well 3 times with PBST, and dissolve substrate solution in 0.02% magnesium chloride and p-nitrophenyl phosphate 1mg / ml in 1M diethanolamine-hydrochloric acid buffer (pH 9.8) 100μl Was added to each well, the color was developed at room temperature, and the absorbance (415 nm) was measured in duplicate.
[0019]
In order to observe the influence of nonspecific adsorption of the sample, a well in which BSA was fixed by adding 100 μl of a solution in which BSA was dissolved in PBS to a concentration of 10 mg / ml instead of the OVA solution was also prepared. . The antibody titer was the geometric mean of the absorbance values of 3 animals per group.
[0020]
Thus, in the control group, the OVA-specific antibody titer started to increase one week after the start of OVA administration, whereas 1% WPC, 1% BSA, 0.1% BSA, 1% BSA degradation product, 0.1% In each experimental group to which a feed supplemented with a BSA degradation product, 0.1% β-lactoglobulin degradation product or 0.1% β-casein degradation product was administered, the time when the OVA-specific antibody titer began to rise was delayed by 0.5 to 1 week, The antibody titer was also low. Therefore, it was found that these substances reduced the permeability of the mouse intestine and prevented the invasion of OVA from the intestine into the living body, thereby preventing food allergies.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, casein and / or a casein hydrolyzate obtained by hydrolyzing casein with a protein hydrolase is used as an active ingredient of the intestinal protective agent. And it can be formulated in the form of powders, granules, tablets, capsules, drinks, etc., and used as a medicine having an intestinal protective effect, or it can be blended in various nutritional compositions and foods and drinks, etc. You may give and use. Furthermore, although it varies depending on age, therapeutic effect, pathological condition, etc., in order to exert an intestinal protective effect on casein and / or a casein hydrolyzate obtained by hydrolyzing casein with a protein hydrolase , it is usually 130 mg / kg body weight at a time. It may be administered orally once to several times a day within a range of ˜13 g.
[0022]
[Example 1]
Casein and / or casein hydrolyzed with protein hydrolase 100g casein hydrolyzate 100g and lactose 65g were mixed, passed through a 60 mesh sieve, then moistened with 20 g of alcoholic polyvinylpyrrolidone and dried through a 12 mesh sieve . Then, 25 g of talc and 10 g of starch were added, and tableting was carried out by a conventional method to produce a tablet having an intestinal tract protecting action with a weight of 300 mg.
[0023]
[Example 2]
Casein and / or
[0024]
【The invention's effect】
Casein and / or a casein hydrolyzate obtained by hydrolyzing casein with a protein hydrolase has an action of preventing relaxation of tight junctions, and is an allergen or other substance that passes through tight junctions and is absorbed into the body. It has the effect of preventing transmission. Therefore, by using an intestinal protective agent containing these substances as active ingredients, it is possible to exert the effects of preventing and treating food allergies and the like. In addition, these substances are components usually used as food materials, and there is no problem in terms of safety.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a model of an experimental system for measuring TEER.
2 shows the effect of preventing tight junction relaxation of β-casein, casein, β-lactoglobulin, BSA and WPC in Test Example 1. FIG.
FIG. 3 shows the effect of preventing tight junction relaxation due to the difference in β-lactoglobulin concentration in Test Example 2.
4 shows the effect of preventing tight junction relaxation due to the difference in the concentration of the BSA degradation product in Test Example 3. FIG.
FIG. 5 shows intestinal protective effects of WPC, BSA, BSA degradation product, β-lactoglobulin degradation product and β-casein degradation product in Test Example 4.
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