JP3849049B2 - 梁の構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプレキャストコンクリート製の梁体を用いて、建物の外殻となる位置に梁を構築する方法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来から建物を構築する上で工期短縮や型枠、仮設工事作業の軽減に有効な技術として建物を構成する各種部材をプレキャスト化する工法があり、柱に比べて鉄筋継手などの接合が容易なことから梁のプレキャストコンクリート化が広く実施されている。
ところで最近では高層建物でも外壁側をタイル仕上げとする要求があり、タイルを始めとする外装仕上げ材をプレキャスト部材に予め打ち込むようになってきている。このようなことから上記したプレキャストコンクリート製の梁体において、建物の外殻に沿って配置されることになる梁体には予め建物の外面側となる面にそのタイルなどの外装仕上げ材を備えるようにしたいとの要望があった。
一方、建物の架構は地震力などの外力に対して抵抗するものとなるが、この架構を構成する大梁などをプレキャスト化した場合、柱とこのプレキャスト化された梁とが直接連結されているため、主として梁端部に大きく生起する変形によって、プレキャスト部材が著しく損傷したり、打ち込みタイルなどの剥落、損傷が発生する可能性があり、品質上問題となっていた。
【0003】
そこで本発明は上記事情に鑑み、プレキャストコンクリート製の梁体が梁としての応力伝達の役割を果たすようにしながら、地震時などに大きく変形する接合部(柱との接合部)近傍において、地震時などでの応力が梁外表面側に伝達されないようにすることを課題とし、地震時などで柱との接合部近傍が大きく損傷したりタイルなどの予め打ち込まれた外装仕上げ材が剥離しないようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、建物の外殻となる位置に沿って柱構築部の間にプレキャストコンクリート製の梁体を配置して梁を構築するにあたり、前記梁体は、両端それぞれに、外方板と下方板と内方板とからなる断面略U型状の延長部を梁体の長手方向に張り出し、梁体上方側と柱構築部側との二方が開放されたコンクリート打設用の凹部を備えて、前記凹部の延長部側の内面が平坦に設けられ、かつ梁体中央側の内面が凹凸に設けられ、前記延長部と柱構築部との間に隙間を介在させた状態にして梁体を柱構築部の間に配置し、梁体側の鉄筋を前記凹部で所要の鉄筋に連結した後に、柱構築部から前記凹部に亘ってコンクリートを打設して、前記柱構築部に打設形成された柱体に連続する梁連結体を前記凹部に打設形成し、梁体の延長部と柱体との間に隙間を介在させた状態にして前記梁連結体を介して梁体と柱体とを連結することを特徴とする梁の構築方法を提供して、上記課題を解消するものである。
また、上記延長部は内方板が切り欠かれて、上記コンクリート打設用の凹部は梁体上方側と柱構築部側と建物内方側との三方が開放され、この三方が開放された凹部を両端に備える梁体を柱構築部の間に配置するものとすることができるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を図1から図4に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1はプレキャストコンクリート製の梁体であり、該梁体1の両端それぞれには断面略U字型の延長部2がその梁体の長手方向に張り出され、この延長部2を張り出すことでその延長部2の内部に梁体上方側と柱構築部側とが開放されたコンクリート打設用の凹部3が形成されている。なお、図1と図2とは梁体1の一端側のみを示しているが、図示されていない他方側も同一の構造である。
上記延長部2は、建物の外方に位置している外方板4と梁下側となる下方板5と建物の内方に位置している内方板6とからなるものであり、前記外方板4は梁体1の外方面と面一に連続し、図示されていないが両方の外方板4から梁体1の外方面に亘ってタイルなどの外装仕上げ材が予め打ち込まれている。また、同様に下方板5も梁体の下方面と面一に連続し、内方板6も梁体1の内方面に連続している。
さらに、凹部3の延長部側の各内面7,8,9、即ち、外方板4と内方板6の対向面それぞれと下方板5の上面とは平坦なコンクリート面として仕上げられている。また、前記凹部3における梁体1の中央側の内面10が凹凸面として仕上げされている。
【0006】
鉄筋コンクリート造での柱と梁との架構において、柱との接合部近傍は地震時などに大きく変形するが、予めその塑性化領域が想定できるものであり、上記凹部3の梁体長手方向の長さは梁を架構した時に柱から短くともこの塑性化領域を越えて梁中心側に及ぶ長さとされている。このように梁体1の凹部3は前記塑性化領域より長く設定されているものであり、そして、プレキャストコンクリート製とされている上記延長部2はこの塑性化領域に位置し、接合部近傍にてこの延長部2が表出するようにしている。
【0007】
上記梁体の延長部は断面略U字型としたが、本発明はこれに限定されるものではない。図2はその他の例を示している。この例においては図1に示した梁体の延長部における内方板が切り欠かれた状態となって存在しておらず、延長部2は外方板4と下方板5とから断面略L字型として梁体1の長手方向に張り出されたものとされ、凹部3にあっては梁体上方側と柱構築部側と建物内方側との三方が開放されている。そして、この例においても外方板4の内面7と下方板5の内面8とは平坦なコンクリート面であり、梁体中央側の内面10は上記例と同様に凹凸面として仕上げられている。
【0008】
つぎに上記構造の梁体を用いて建物の外殻に沿った位置に梁を構築する方法を説明する。なお、図3と4において梁体は、両端の延長部が断面略L字型とされて三方が開放された凹部を備えるものを例示している。
まず、建物の外殻となる位置に設定され柱筋などが組まれている二つの柱構築部11の間に、上記のプレキャストコンクリート製の梁体1を配置するものであって、この梁体1は建物の外殻となる位置に沿い、また、梁体1の延長部2と柱構築部11との間に隙間12を介在させた状態にして配置される。
つぎに、柱構築部11側の鉄筋と梁体1側の鉄筋とを凹部3で連結するとともに、柱構築部11を間にして梁体1が対向する場合には、その梁体1の鉄筋も相互に連結する。
この後、梁体1の延長部2と柱構築部11との間にコンクリートが充填されないようにして梁体端部の廻りや柱構築部の廻りに型枠を組み、柱構築部11から凹部3に亘ってコンクリートを打設する。この打設によって柱構築部11に柱体13が打設形成されるとともに、この柱体13に連続する梁連結体14が凹部3に打設形成され、この梁連結体14を介して梁体1が柱体13に一体化されて梁が構築される。
このようにして凹部3に打設形成された梁連結体14は上記外方板4の内面に対して平坦な面で接合しているため、延長部およびその外面側には応力が伝達されない構造となる。また、梁体中央側の内面10にはその内面形状を合致させた状態の凹凸面で梁連結体14が梁体1に接合するため、柱からの応力伝達が適正に行われて所要の構造性能を実現できる。さらに、延長部2と柱体13との間にも隙間12が介在した状態となるため、変形に伴う柱体側面との支圧による損傷が延長部側に生じないようになる。
なお、上記した構築方法においては梁体端部の延長部が断面略L字型のものとしたが、延長部が断面略U字型の梁体を用いて構築することもできるものである。
【0009】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の梁の構築方法によれば、建物の外殻となる位置に沿って柱構築部の間にプレキャストコンクリート製の梁体を配置して梁を構築するにあたり、前記梁体は、両端それぞれに、外方板と下方板と内方板とからなる断面略U型状の延長部を梁体の長手方向に張り出し、梁体上方側と柱構築部側との二方が開放されたコンクリート打設用の凹部を備えて、前記凹部の延長部側の内面が平坦に設けられ、かつ梁体中央側の内面が凹凸に設けられ、前記延長部と柱構築部との間に隙間を介在させた状態にして梁体を柱構築部の間に配置し、梁体側の鉄筋を前記凹部で所要の鉄筋に連結した後に、柱構築部から前記凹部に亘ってコンクリートを打設して、前記柱構築部に打設形成された柱体に連続する梁連結体を前記凹部に打設形成し、梁体の延長部と柱体との間に隙間を介在させた状態にして前記梁連結体を介して梁体と柱体とを連結することを特徴とするものである。
【0010】
このように梁体の両端それぞれの凹部に、柱体に連続した梁連結体を打設形成することから、その梁連結体が凹部内方における小口面の凹凸に合致した状態で接合され、これによって、この梁体は柱に架構された梁として応力伝達の役割を果たし、十分に所要の構造性能を実現できる。また、前記梁連結体は延長部の内面に対して平坦な面で接合することとなるため、延長部およびその外面側には応力が伝達されない構造となり、梁の変形に対して端部塑性化領域の損傷の軽減や外装仕上げ材の剥落防止が実現できるようになる。さらに、延長部と柱体との間にも隙間が介在した状態となるため、梁の変形に伴なる柱側面との支圧による損傷が生じず、ひび割れ本数の減少やひび割れ幅の抑制が行えるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る梁の構築方法における梁体の一例を示す説明図である。
【図2】同じく梁体の他の例を示す説明図である。
【図3】柱構築部に対して梁体を配置した状態を示すもので、(イ)は平断面で示す説明図、(ロ)は立断面で示す説明図である。
【図4】柱体と梁体とが一体化された状態を示すもので、(イ)は平断面で示す説明図、(ロ)は立断面で示す説明図である。
【符号の説明】
1…梁体 2…延長部 3…凹部 4…外方板 5…下方板
6…内方板 11…柱構築部 12…隙間 13…柱体
14…梁連結体
Claims (2)
- 建物の外殻となる位置に沿って柱構築部の間にプレキャストコンクリート製の梁体を配置して梁を構築するにあたり、
前記梁体は、両端それぞれに、外方板と下方板と内方板とからなる断面略U型状の延長部を梁体の長手方向に張り出し、梁体上方側と柱構築部側との二方が開放されたコンクリート打設用の凹部を備えて、前記凹部の延長部側の内面が平坦に設けられ、かつ梁体中央側の内面が凹凸に設けられ、
前記延長部と柱構築部との間に隙間を介在させた状態にして梁体を柱構築部の間に配置し、梁体側の鉄筋を前記凹部で所要の鉄筋に連結した後に、柱構築部から前記凹部に亘ってコンクリートを打設して、前記柱構築部に打設形成された柱体に連続する梁連結体を前記凹部に打設形成し、梁体の延長部と柱体との間に隙間を介在させた状態にして前記梁連結体を介して梁体と柱体とを連結することを特徴とする梁の構築方法。 - 上記延長部は内方板が切り欠かれて、上記コンクリート打設用の凹部は梁体上方側と柱構築部側と建物内方側との三方が開放され、この三方が開放された凹部を両端に備える梁体を柱構築部の間に配置する請求項1に記載の梁の構築方法。
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JP12978297A JP3849049B2 (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 梁の構築方法 |
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JPH10317480A JPH10317480A (ja) | 1998-12-02 |
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JP (1) | JP3849049B2 (ja) |
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1997
- 1997-05-20 JP JP12978297A patent/JP3849049B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10317480A (ja) | 1998-12-02 |
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