JP3845177B2 - 吸水性樹脂 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、架橋重合体の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、吸水性樹脂を得るための架橋重合体の製造方法に関する。さらに本発明は、常圧下および荷重下吸収倍率が大きく、かつ劣化可溶分が少ない、衛生材料に用いた際に優れた性能を示す吸水性樹脂およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大量の水を吸ってゲル化する高分子として吸水性樹脂が開発され、生理用ナプキン、紙おむつ等の衛材用吸収剤として、あるいは農園芸用分野、土木業分野において保水剤、脱水剤等として幅広い用途に応用されている。
【0003】
吸水性樹脂を得るための架橋重合体としては、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、架橋ポリビニルアルコール変成物、架橋イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキサイドの架橋体、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体のケン化物、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体等が知られいる。
【0004】
これらの架橋重合体の製法としては、逆相懸濁重合法として、例えば特開昭56-161,408号、同57-94,011 号、同57-158,209号および同57-198,714号に記載の方法が知られており、また、水溶液重合法として、例えば特公平2-19,122号、特公昭48-42,466 号、特開昭58-49,714 号、特公昭59-37,003 号、米国特許第4,286,082 号および米国特許第4,625,001 号に記載されている方法が知られている。
【0005】
逆相懸濁重合法は、有機溶媒を使用するので、作業環境が悪くなるばかりでなく引火爆発の危険性があり、そのための対策を講じなければならず、有機溶媒の費用ならびにその除去費用と併せてコスト高となる。また、この有機溶媒が製品中に微量残存するので、これを完全に除去するにはさらにコスト高となる。さらに、逆相懸濁重合法で得られる架橋重合体は球状で、しかも粒径が小さいので、例えば紙おむつ等に使用した場合、パルプ等の繊維状の吸収コア成分に保持されずに脱落しやすい上に、取扱いも不便である。
【0006】
一方、水溶液重合法では前記のごとき問題点はなく、特公平2-19,122号および米国特許第4,625,001 号等に開示されている方法が知られている。前記特許公報に記載されている方法は、水溶液重合時に架橋構造を形成して含水ゲル状重合体となる単量体の水溶液および重合開始剤を、回転攪拌軸を備えた容器内でラジカル水溶液重合するに際して、重合の進行に伴って生成する含水ゲル状重合体を、該攪拌軸に備わった回転腕または攪拌翼の回転により生じる剪断力により、細分化しながらラジカル水溶液重合を行うことよりなる架橋重合体の製造方法である。これらの製造方法によれば、作業性が極めて良好であるばかりでなく、分子中に架橋構造を有する、細分化された含水ゲル状重合体が、生産性よく製造できるとういう利点がある。しかしながら、このような方法において、吸収倍率が比較的大きく、可溶分が十分に少ない架橋重合体を生産するための満足な条件は知られていなかった。可溶分の十分に少ない架橋重合体を得ようとすると、生産性が著しく低下したり、残存単量体が多くなったりした。
【0007】
架橋密度を下げることによって吸収倍率は向上するが、同時に、可溶分も増すことは当業者においてよく知られていることである。可溶分は、架橋重合体が、水、尿、体液等の被吸収液体と接触してヒドロゲルを形成した際に、そこから浸出されてしまう。このように被吸収液体によって抽出される可溶分は、架橋重合体の吸収倍率を低下させるばかりでなく、架橋重合体の劣化を促進する。また、そのヌルつきのために不快感を与えたり、被吸収液体を汚染する等の好ましくない状況を作り出す。
【0008】
従って、吸水倍率が高く、しかも可溶分の少ない架橋重合体の製造方法が望まれていた。
【0009】
米国特許第4,654,039 号や特開平1-144,404 号では、遊離酸型あるいは特定の中和率の単量体を水溶液重合して吸収倍率が高く、可溶分の少ない架橋重合体の製造方法を提案している。しかしながら、これらの製造方法は残存単量体が多くなったり、後中和工程が必要であったり、操作が繁雑であったりして生産性が低かった。
【0010】
特開昭56-91,837 号や特開平4-175,319 号では、単量体水溶液を攪拌することなく、重合中の温度を制御して重合することにより吸収倍率が高く、可溶分および残存単量体の少ない架橋重合体の製造方法を開示している。しかしながら、重合工程を攪拌なしで行うことは、これを工業的規模で実施する際に重合機が限定されてしまうとともに、重合中の温度を所定の範囲に制御して重合するためには、生産性が低くなったり、重合機が著しく大きくなるなど、問題点を含んでいた。
【0011】
以上のように簡便でコンパクトなプロセスで、しかも生産性が高く、吸収倍率が高く、可溶分の少ない架橋重合体を製造する方法は従来確立されていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、吸収倍率が高く、かつ可溶分の少ない架橋重合体を、高い生産性で製造することのできる製造方法を提供することにある。
【0013】
また、これら架橋重合体の吸水性樹脂として望まれる特性としては、被吸収液に対する高い吸収倍率と可溶分が少ないことに加え、荷重下での高い吸収倍率等があげられる。しかし、吸水性樹脂を純水や生理食塩水で膨潤した場合は長時間安定的にその特性を維持するが、尿で膨潤した場合には、経時的に劣化して可溶分が増加し、常圧下および荷重下の吸収倍率を低下させたり、そのヌルつきのために著しく不快感を与える等、紙おむつ等の衛生材料に用いた際に問題点を有していた。
【0014】
従って、本発明の別の目的は、吸水性樹脂が組み込まれた紙おむつ等の製品が、実際の使用状況において優れた性能を発揮できる吸水性樹脂を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
これらの諸目的は、下記(1)〜(10)により達成させる。
【0016】
(1) 重合により含水ゲル状重合体となる水溶性エチレン性不飽和単量体と第1の架橋剤とを含んでなる重合性単量体の水溶液を重合する際に、重合開始時点から重合系全体がゲル化する時点までの間、実質的に静置状態で重合を行い、その後該重合系が重合熱により最高温度に到達するまでに、該重合系に十分な剪断力を加え、含水ゲル状重合体を粒子状にし、さらに重合を継続することを特徴とする架橋重合体の製造方法。
【0017】
(2) 重合により含水ゲル状重合体となる水溶性エチレン性不飽和単量体と第1の架橋剤とを含んでなる重合性単量体の水溶液を重合する際に、重合開始時点から重合系全体がゲル化する時点までの間、実質的に静置状態で除熱重合を行い、その後重合系が重合熱により最高温度に到達するまでに、該重合系に十分な剪断力を加え、含水ゲル状重合体を粒子状にし、さらに除熱重合を継続することを特徴とする前記(1)に記載の架橋重合体の製造方法。
【0018】
(3) 重合により含水ゲル状重合体となる水溶性エチレン性不飽和単量体と第1の架橋剤とを含んでなる重合性単量体の水溶液を重合する際に、回転腕または撹拌翼を有する反応容器内で、重合開始時点から重合系全体がゲル化する時点までの間、実質的に静置状態で除熱重合を行い、その後重合系が重合熱により最高温度に到達するまでに、前記回転腕または撹拌翼の回転によって該重合系に十分な剪断力を加え、含水ゲル状重合体を粒子状にし、さらに除熱重合を継続することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の架橋重合体の製造方法。
【0019】
(4) 重合系の温度が少なくとも40℃に達するまで、実質的に静置状態で重合を行う前記(1)または(2)に記載の架橋重合体の製造方法。
【0020】
(5) 重合開始時点から、重合系全体がゲル化する時点までの間に、生成した含水ゲル状重合体を一時的に破断する前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の架橋重合体の製造方法。
【0021】
(6) 重合開始時点から、重合系全体がゲル化する時点までの間に、生成した含水ゲル状重合体を回転腕または攪拌翼の回転によって一時的に破断する前記(5)に記載の架橋重合体の製造方法。
【0022】
(7) 重合性単量体の水溶液が、アクリル酸および/またはそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、またはアミン塩と、1分子当たり少なくとも2つの重合性不飽和二重結合を有する第1の架橋剤とを主成分とする前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の架橋重合体の製造方法。
【0023】
(8) 前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の製造方法で得られた架橋重合体を乾燥、粉砕して得られる架橋重合体粒子と、該架橋重合体粒子の表面近傍の少なくとも2つの官能基と反応する第2の架橋剤とを混合し、加熱処理することを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
【0024】
(9) 水溶性エチレン性不飽和単量体と第1の架橋剤とを含んでなる重合性単量体の水溶液を重合して得られる含水ゲル状重合体である架橋重合体を乾燥、粉砕して得られる架橋重合体粒子と、該架橋重合体粒子の表面近傍の少なくとも2つの官能基と反応する第2の架橋剤と混合し加熱処理して得られる吸水性樹脂であって、
生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)での30分間の常圧下吸収倍率(250Gで3分間水切り)が少なくとも30g/g、生理食塩水で60分間の荷重下吸収倍率(内径60mmの支持円筒中の吸水性樹脂0.9gに荷重1390g)が少なくとも25g/g、かつ劣化可溶分が15重量%以下であることを特徴とする不定形状を有する吸水性樹脂
[ただし、劣化可溶分は人工尿(人工尿組成;尿素95g、塩化ナトリウム40g、硫酸マグネシウム5g、塩化カルシウム5g、L−アスコルビン酸0.25gおよび脱イオン485g)を用いて吸水性樹脂1gを25倍に膨潤させて37℃で16時間放置後の吸水性樹脂中の可溶分量(重量%)]。
(10) 前記(9)に記載の吸水性樹脂を用いた衛生材料。
【0025】
本発明において、除熱重合とは重合系の温度を外部冷却により、具体的にはジャケットに冷却水を循環する等により、最適な温度に制御しながら重合することをいい、重合系を積極的に除熱するという概念のない断熱重合と比べて良好な物性が得られる重合方法である。例えば、ジャケット冷却水の温度は、重合開始から重合系が最高到達温度に達するまでの間、重合系の温度と同等あるいはそれ以下にコントロールする。より好ましくは冷却水の温度は重合開始温度と同等以下に保つ。また、重合容器はジャケットで冷却するために伝導面積の大きいものが好ましい。
【0026】
本発明において、重合系とは重合性単量体の水溶液および/または含水ゲル状重合体のことを言う。重合開始時点は、重合系の粘度上昇、重合系の白濁あるいは重合系の温度上昇によって知ることができる。また、重合系全体がゲル化する時点とは、例えば反応容器を傾けても重合系が流動しない時点、あるいは重合系が所定の形状を保ち得る時点を言う。
【0027】
本発明において、実質的に静置状態で重合を行うとは、回転腕または攪拌翼を停止状態に維持して重合を行う事を意味するだけでなく、例えば以下の様な方法も実質的に静置状態での重合の意味に含まれるものとする。
【0028】
(a) 5rpm程度の低速回転、好ましくは0rpmにより重合を行う方法。
【0029】
(b) 全く回転を行わない状態と、5rpm程度の低速回転、好ましくは0rpmを併用して重合を行う方法。
【0030】
(c) (a)の方法であって、ゲルを破断するのに十分な剪断力を与えることができる程度の回転を一時的にさせて重合する方法。
【0031】
(d) (b)の方法であって、ゲルを破断するのに十分な剪断力を与えることができる程度の回転を一時的にさせて重合する方法。
【0032】
(e) 全く回転をさせないが、ゲルを破断するのに十分な剪断力を与えることができる程度の回転を一時的にさせて重合する方法。
【0033】
ただし、本発明はこれら(a)〜(e)の方法に限定されるものではない。
【0034】
本発明における常圧下吸収倍率とは、吸水性樹脂に圧力を加えない条件で測定された生理食塩水の吸収倍率である。なお、常圧下吸収倍率の測定方法については、後段の実施例にて詳述する。
【0035】
一方、本発明における荷重下吸収倍率とは、吸水性樹脂に所定の荷重を加えた条件下で測定された生理食塩水の吸収倍率である。なお、荷重下吸収倍率の測定方法については、後段の実施例にて詳述する。
【0036】
また、本発明における劣化可溶分とは、所定量の人工尿を吸水性樹脂に吸収させて所定倍率に膨潤させた含水ゲルを、所定条件下で、所定時間放置した後の水可溶分量である。人工尿吸液後の吸水性樹脂は、経時的に劣化し、同時に可溶分が増大するが、この増加した可溶分量が多いと吸水性樹脂の常圧下および荷重下吸収倍率を低下さたり、そのヌルつきのために著しく不快感を与える等、特に衛材用吸水剤として好ましくない。よって、この劣化可溶分が少ないほど、尿に対するゲル安定性が高く、かつ長時間優れた性能を維持し、紙おむつ等に使用される吸水性樹脂としては最適である。なお、人工尿とは、尿素、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、およびL−アスコルビン酸を、実際の尿と含有率がほぼ等しくなるように溶解させた水溶液である。また、劣化可溶分量の測定方法については、後段の実施例にて詳述する。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0038】
本発明で用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体としては、水に溶解性のエチレン性不飽和単量体であれば特に限定されず、またこれらの単量体以外に、本発明の目的を逸脱しない範囲で疎水性単量体を併用して使用してもよい。水溶性エチレン性不飽和単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、等のアニオン性単量体やその塩;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のノニオン性親水性基含有単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和単量体やそれらの4級化物等を具体的にあげることができ、これらの群から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。また、得られる重合体の親水性を極度に阻害しない程度の量で、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル類や酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の疎水性単量体を使用してもよい。
【0039】
得られる架橋重合体の性能やコストの点から、好ましい単量体はアニオン性単量体であり、アクリル酸および/またはそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、またはアミン塩で中和されたアクリル酸の塩を主成分として用いるのが、得られる架橋重合体の吸収特性が優れており、特に好ましい。その際、アクリル酸および/またはそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、またはアミン塩で中和されたアクリル酸の塩の含有量は水溶性エチレン性不飽和単量体の内で50重量%以上とすることが好ましく、さらに好ましくは75重量%以上とすることである。また(メタ)アクリル酸等の酸基含有単量体を主成分として用いる際に、該酸基の中和率が50モル%未満の場合は、重合中あるいは重合完了後(例えば、重合系が最高温度に到達した後)、重合系に水酸化物、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、またはアミン塩等のアルカリ物質を添加、混合し、該酸基の中和率を50〜90モル%にすることが好ましく、55〜80モル%にすることがさらに好ましい。
【0040】
本発明で用いられる第1の架橋剤は、重合時に架橋構造を形成させるためのものであり、そのようなものとしては、分子内に重合性不飽和二重結合を2個以上有する化合物、水溶性エチレン性不飽和単量体が有する酸基、ヒドロキシル基、アミノ基等の官能基と反応する基を分子内に2個以上有する化合物、分子内に不飽和結合および単量体の官能基と反応する基をそれぞれ1個以上有する化合物、分子内に単量体の官能基と反応する点を2個以上有する化合物、または単量体成分が重合する際にグラフト結合等により架橋構造を形成し得る親水性高分子等をあげることができる。
【0041】
これらの第1の架橋剤の例として、例えばN,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多価(メタ)アクリルアミド化合物;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プリピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンアクリレートメタクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多価(メタ)アクリレート化合物;トリアリルアミン、(ポリ)アリロキシアルカン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート等の多価アリル化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価グリシジル化合物;2,4−トルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;ポリオキサゾリン化合物;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート等の反応基含有(メタ)アクリルアミドまたは(メタ)アクリレート;塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の多価金属塩等をあげることができ、これらのうち反応性を考慮して、1種または2種以上を用いることができる。
【0042】
得られる架橋重合体の吸水性樹脂としての性能の点から、好ましい第1の架橋剤は、分子内に重合性不飽和二重結合を2個以上有する化合物であり、より好ましくは、多価(メタ)アクリルアミド化合物、多価(メタ)アクリレート化合物である。これらの第1の架橋剤の使用量は特に制限はないが、用いる第1の架橋剤の種類に応じて水溶性エチレン性不飽和単量体に対して、0.001〜20重量%、好ましくは0.005〜5重量%の範囲で使用する。使用量が0.001重量%未満では、得られる含水ゲル状重合体の架橋密度が小さくなり、未架橋部分が著しく多くなり、可溶分が多くなる。また20重量%を越える量では、得られる架橋重合体の吸収倍率が小さいものになる。
【0043】
また上記第1の架橋剤の他に、デンプン、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸等の親水性高分子の存在下で上記単量体成分を重合させることによって、重合と同時にグラフト結合やコンプレックスを形成させる方法を併用してもよい。これらの親水性高分子は、水溶性エチレン性不飽和単量体に対して、例えば0.5〜50重量%の範囲で用いるのが好ましい。また、必要に応じて重合性単量体の水溶液に増粘剤を使用してもよい。この様な増粘剤としては、例えばポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等を挙げることができる。
【0044】
本発明における重合性単量体水溶液の濃度は、水溶性エチレン性不飽和単量体を該水溶液の重量に基づいて10〜80重量%、好ましくは10〜45重量%、より好ましくは10〜35重量%の範囲で含んでなるものである。前記濃度が10重量%未満では重合工程での生産性が悪くなるばかりか、乾燥物を得るための乾燥工程にも多くのエネルギーを必要とし、工業的生産性の観点から好ましくない。また80重量%を越えると重合反応の制御が困難になり、重合熱による重合系の最高到達温度が高くなり過ぎ、可溶分が多くなる等の吸収性能の低下が起こる場合がある。
【0045】
本発明における重合性単量体水溶液を重合する方法としては、通常の重合方法を用いることができる。例えばラジカル重合開始剤を用いる方法や活性エネルギー線による重合法等をあげることができるが、水溶性ラジカル重合開始剤を用いる方法が好ましい。水溶性ラジカル重合開始剤としては、公知のものを使用でき、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物;2,2´−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス[N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラハイドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ化合物;その他、第二セリウム塩、過マンガン酸塩等をあげることができる。
【0046】
中でも得られる架橋重合体の性能および化合物の安全性の点から、過硫酸塩、過酸化物、アゾ化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましい。またラジカル重合開始剤が酸化性ラジカル重合開始剤の場合、亜硫酸塩;亜硫酸水素塩;チオ硫酸塩;亜二チオン酸塩;硫酸第一銅、硫酸第一鉄等の金属塩;L−アスコルビン酸等の有機還元剤;アニリン、モノエタノールアミン等のアミン類等の還元剤と組み合わせて、レドックス開始剤として用いてもよい。これらの重合開始剤の使用量は特に限定されないが、通常単量体成分に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.002〜5重量%である。この使用量が0.001重量%未満では重合時間や誘導期間が長くなり、また残存単量体も多くなる傾向にあり好ましくない。使用量が10重量%を越える場合には、重合反応の制御が困難となり得られる架橋重合体の性能が低下する傾向にあり好ましくない。
【0047】
本発明の製造方法を実施する上で、特に好ましい重合開始剤は、熱分解性開始剤と分解温度の異なる少なくとも2種の酸化性ラジカル重合開始剤、および還元剤を併用する場合である。好ましい熱分解性開始剤としては上記のアゾ化合物があげられる。低い温度からの重合開始を可能とするレドックス開始剤と、生成した含水ゲル状重合体中の残存単量体量を減少させるために有効であるアゾ化合物および過硫酸塩を併用することが本発明の目的を達成するために好ましい。上記低い温度からの重合開始可能とするレドックス開始剤とは、0〜40℃、好ましくは0〜30℃において、誘導期間が0〜1時間以内、好ましくは0〜30分以内、より好ましくは0〜10分以内で重合が開始されるレドックス開始剤である。
【0048】
本発明において、重合開始温度は特に制限されないが、使用する重合開始剤の分解温度によって適宜選択され、通常0〜45℃、好ましくは0〜40℃の範囲である。重合開始温度が低すぎると、誘導期間が長くなり生産性が低下することがある。一方、重合開始温度が高すぎると、重合反応、すなわち重合熱の発熱の制御が困難となり重合系の最高到達温度が高くなり過ぎ、可溶分が多くなる等の物性低下を起こす。
【0049】
本発明の架橋重合体の製造方法は、重合開始時点から重合系全体がゲル化する時点までの間、実質的に静置状態で重合を行う工程(以下、保持期間と記す)、保持期間後の重合系に十分な剪断力を加え含水ゲル状重合体を粒子状にする工程(以下、ゲル解砕工程と記す)、該重合系が重合熱により最高温度に到達するまでさらに継続して重合を行う工程(以下、継続重合工程と記す)を必須とする。
【0050】
上記保持期間および継続重合工程において用いられる重合反応容器は、従来公知のものを用いることができる。これらは同一でも異なるものでもよい。継続重合工程において用いられる重合反応容器は、適当なジャケットや回転腕または攪拌翼を備えたものが、該重合系を最適な最高到達温度にコントロールできることから好ましい。また、上記各工程は、同一の重合反応容器内で連続して行われてもよいし、各工程ごとに異なる場所で行われてもよいし、適宜自由に組み合わせて行うことができる。
【0051】
上記ゲル解砕工程において含水ゲル状重合体を粒子状にする手段としては、従来公知のゲル解砕および/または粉砕装置を用いることができる。例えば、ミートチョッパー等の多孔板を有するスクリュウ型押し出し機、エクストルーダー、シュレッダー、エッジランナー、カッターミル、スクリュウ式破砕機(例えば日本スピンドル製造製、アルファ等)等があげられる。また、回転腕または攪拌を有する重合反応容器内で、該回転腕または攪拌翼の回転により生じる剪断力によって含水ゲル状重合体を粒子状にしてもよい。含水ゲル状重合体に対する攪拌力の大きい反応容器が好ましい。例えば、ニーダー、(機械)加圧ニーダー、インターナルミキサー、バンバリーミキサー等のバッチ式のものや、コンティニュアスニーダー等の連続式のものをあげることができる。
【0052】
本発明の製造方法においては、同一容器内で連続して上記3工程が可能で、含水ゲル状重合体に対する攪拌力が大きく、伝熱面積も大きくて最高到達温度のコントロールも容易である等の理由から、上記の回転腕または攪拌翼を有する重合反応容器を用いることが特に好ましい。特に双腕型ニーダーが好ましく用いられる。また特開平5-112,654 号および特開平5-247,225 号記載のような加圧ニーダーも好適に用いられる。
【0053】
従来、回転腕または攪拌翼を有する反応容器内で、重合の進行に伴い生成する含水ゲル状重合体を該回転腕または攪拌翼の回転により生じる剪断力によって細分化しながら重合する方法が知られていたが、重合熱の除去あるいは重合系の均一化を図るため含水ゲル状重合体を細分化することだけに注意が向けられていたためか、本発明のような保持期間を設けるという試みはこれまでなされていなかった。保持期間を設けない場合には、得られる架橋重合体の吸収倍率が低下する傾向がある。保持期間を設けることによって、重合初期のTrommsdorff 効果を期待できない条件下で分子量を上げることができる、あるいは機械的に攪拌されること無く、均一な架橋のネットワークが形成されるために本発明の効果が得られることも考えられるが、本発明はこの様な考え方により制限されるものではない。
【0054】
本発明においては、重合系の温度が少なくとも40℃に達するまで、実質的に静置状態で重合を行うのが好ましい。また、重合系の温度が少なくとも50℃に達するまで、実質的に静置状態で重合を行なうのがさらに好ましい。
【0055】
重合系の温度が40℃未満で保持期間を終え、該重合系に剪断力を加えると、本発明の目的の架橋重合体が得られない場合がある。すなわち、可溶分が多くなったり、吸収倍率が小さくなったりすることがある。重合性単量体水溶液の濃度や重合開始温度により異なるが、重合系の温度が60℃に達する時点まで、実質的に静置状態で重合を行うのがより好ましい。
【0056】
一方、重合系の温度が70℃を越えても該重合系に剪断力を加えないと、含水ゲル状重合体の細分化ができず、重合系の最高到達温度が高くなり過ぎ、可溶分が多くなる等の物性低下を起こす場合がある。
【0057】
前記保持期間は、少なくとも60秒の時間であることが好ましい。60秒未満であると、本発明の効果が得られにくい。さらに好ましくは、少なくとも120秒の時間、最も好ましくは少なくとも180秒の時間を保持期間とすることである。
【0058】
本発明の架橋重合体の製造方法の好ましい実施態様は、前記保持期間中に、重合系に加えられる単位重量当たりの力学的エネルギーの総量を、約800ジュール/kg以下とすることである。重合系に加えられる力学的エネルギーは、重合系を攪拌するモーターへの入力電力より求めることができる。保持期間中に、該重合系に加える力学的エネルギーを著しく小さくすることで、本発明の目的である吸収倍率が高く、可溶分の少ない架橋重合体が得られる。保持期間中に、重合系に加えられる力学的エネルギーの総量は、好ましくは約800ジュール/kg以下、より好ましくは約500ジュール/kg以下、さらに好ましくは約0ジュール/kgである。
【0059】
本発明の架橋重合体の製造方法において、前記保持期間を過ぎた後は、該重合系に十分な剪断力を加え、含水ゲル状重合体を粒子状に粉砕することが必要である。含水ゲル状重合体は、粒子状に粉砕されることによって表面積が増え、水分の蒸発による冷却、あるいは反応容器のジャケットによる冷却がさらに有効になり、重合温度のコントロールが容易になる。
【0060】
重合系が、最高温度に到達した時点で、150mm以上のサイズの含水ゲル状重合体がないようにすることが好ましい。最高温度に到達した時点での含水ゲル状重合体のサイズが150mmを越えるものであると、重合系の温度を制御することが困難となり、得られる架橋重合体の可溶分が増大するばかりか、重合系内の温度分布が広くなり均質な物性の重合体が得られない。含水ゲル状重合体のサイズは、その最短長を代表するものとする。100mm以上のサイズの含水ゲル状重合体がないようにすることが好ましく、50mm以上のサイズの含水ゲル状重合体がないようにすることがさらに好ましく、30mm以上のサイズの含水ゲル状重合体がないようにすることが最も好ましい。
【0061】
本発明の架橋重合体の製造方法において、重合系の最高到達温度は65〜85℃の範囲にコントロールすることが好ましい。最高温度が低過ぎると重合性単量体の重合率が低くなり、得られる架橋重合体の残存単量体量が多くなる。一方、最高温度が高くなり過ぎると、可溶分が多くなる等の物性低下の傾向を示す。重合系の最高到達温度のコントロールは、本発明では含水ゲル状重合体を粒子状に粉砕するため、容易に行える。すなわち、含水ゲル状重合体の表面積が増加し、重合系が発熱気味の場合には水分蒸発による蒸発潜熱が大きくなるとともに、反応容器あるいはそれに付随するジャケットからの伝導伝熱により効率よく冷却できる。
【0062】
本発明の製造方法において、保持期間中に、生成した含水ゲル状重合体を一時的に破断してもよい。該操作をすることによって、保持期間後、含水ゲル状重合体を粒子状にすることが容易になる場合がある。一時的に破断する方法としては、保持期間で用いる重合反応容器によって異なるが、該重合容器内に備わる回転腕または攪拌翼の回転によるものが特に好ましい。破断のタイミングは、重合系が剪断力により破断可能な程度までゲル化する時点以降である。破断の程度は、含水ゲル状重合体が大きなブロックに破断される程度でよい。破断する時間は、通常30秒以内でよい。
【0063】
本発明の製造方法において、重合系が最高温度に到達した後、該重合系を50〜85℃の範囲で少なくとも5分間、好ましくは少なくとも10分間保持することが残存単量体の少ない架橋重合体を得る点で好ましい。またこの間に、必要により回転腕または攪拌翼を回転させて、さらに該含水ゲルを細分化してもよい。不活性ガス雰囲気中で保持することがより好ましい。
【0064】
さらに、本発明の製造方法において、残存単量体を減少させるために、重合系が最高温度に到達した後、含酸素イオウ系還元剤を添加、混合してもよい。少なくとも45℃の含水ゲル状重合体に、添加、混合することが好ましい。本発明に用いられる含酸素イオウ系還元剤としては、還元作用を有する含酸素イオウ系化合物であれば特に制限なく、例えば、亜硫酸、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩;亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸水素塩;チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩等があげられる。中でも亜硫酸水素ナトリウムが好ましい。これら含酸素イオウ系還元剤の使用量は特に制限がないが、水溶性エチレン性不飽和単量体の重量に対して0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%である。含水ゲル状重合体への添加方法は、従来公知の添加、混合方法が用いられる。例えば、粉末状の含酸素イオウ系還元剤をそのまま添加してもよく、あるいは該還元剤を水または有機溶媒等に溶解または分散させて添加しても良い。
【0065】
本発明の架橋重合体の製造方法において得られた粒子状の含水ゲル状重合体は、ゲル解砕および/または粉砕機によりさらに細粒化してもよい。必要により該粒子状含水ゲルを45〜90℃の温度に加温して細粒化することが好ましい。細粒化の方法は従来公知のゲル解砕および/または粉砕機を用いることができる。特に、特開平5-70,597号、特開平6-41,319号等に記載されている方法により、多孔板より押し出して細粒化することが好ましい。また必要により粗大粒子を特開平6-107,800 号に記載のようなゲル分級機により分級した後、該粗大粒子のみを細粒化してもよい。
【0066】
本発明の製造方法により得られた架橋重合体は、従来公知の方法により乾燥されてもよい。例えば有機溶剤中での共沸脱水による方法、強制通風炉、減圧乾燥機、マイクロ波乾燥機、赤外線乾燥機、所定温度に加熱されたベルトまたはドラムドライヤー等を用いる乾燥方法があげられる。これらの乾燥方法を用い、重合後の含水ゲル状重合体を50℃〜230℃で、より好ましくは50℃〜180℃で乾燥することができる。50℃未満では乾燥に時間がかかり生産性の点で好ましくない。また230℃を越えると架橋重合体の劣化が起こる場合があり注意を要する。通常、これらの方法によって、固形分60重量%以上、さらには90重量%以上まで乾燥されることが好ましい。
【0067】
上記の様に乾燥された架橋重合体は、必要により従来公知の方法で粉砕および/または分級されてもよい。例えば、高速回転式粉砕機(ピンミル、ハンマーミル等)、スクリューミル(コーヒーミル)、ロールミル等があげられる。粉末状の架橋重合体を目的とする場合、平均粒子径10〜2000μm、さらに好ましくは100〜1000μm、最も好ましくは300〜600μm程度に調製され、かつ、その粒度分布は狭い方が好ましい。
【0068】
本発明の製造方法によって得られた架橋重合体は、従来の架橋重合体に比べ吸水倍率が大きく、可溶分量が少ない、優れた吸水特性を示す。
【0069】
さらに、本発明は、上記いずれかの製造方法で得られた架橋重合体を乾燥、粉砕して得られる架橋重合体粒子と、該架橋重合体粒子の表面近傍の少なくとも2つの官能基と反応する第2の架橋剤とを混合し、加熱処理することを特徴とする吸水性樹脂の製造方法をも提供する。
【0070】
本発明に用いられる第2の架橋剤としては、例えば、該架橋重合体がカルボキシル基を有する場合には、少なくとも2つのカルボキシル基と反応する化合物であれば特に制限なく用いる事ができ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の多価エポキシ化合物;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の多価アミン類;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート類;エチレンカーボネート(1,3−ジオキソラン−2−オン)、プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン)、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等があげられるが、これら化合物に限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、また、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0071】
これら第2の架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、該架橋重合体の固形分100重量%に対して、0.001〜10重量%、より好ましくは0.01〜5重%である。第2の架橋剤の使用量が10重量%を越える場合には、不経済となるばかりか、得られる吸水性樹脂における最適な架橋構造を形成する上で架橋剤の使用量が過剰となるため好ましくない。また、第2の架橋剤の使用量が0.001重量%未満の場合には、得られる吸水性樹脂の荷重下吸収倍率や劣化可溶分等の性能を向上させる上でその改良効果が得られ難いため好ましくない。
【0072】
該架橋重合体と第2の架橋剤とを混合する際には、溶媒として水を用いることが好ましい。水の使用量は、架橋重合体の種類や粒径等にもよるが、架橋重合体の固形分100重量%に対して、0を越え、20重量%以下が好ましく、0.5〜10重量%の範囲内がより好ましい。また、該架橋重合体と第2の架橋剤とを混合する際には、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒を用いてもよい。親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等があげられる。
【0073】
親水性有機溶媒の使用量は、架橋重合体の種類や粒径等にもよるが、架橋重合体の固形分100重量%に対して、20重量%以下が好ましく、0.1〜10重量%の範囲内がより好ましい。そして、該架橋重合体と第2の架橋剤とを混合する際には、混合方法は特に限定されるものではない。種々の混合方法のうち、必要に応じて水および/または親水性有機溶媒に溶解させた第2の架橋剤を、架橋重合体に直接、噴霧若しくは滴下して混合する方法が好ましい。また、水を用いて混合する場合には、水に不溶な微粒子状の粉体や、界面活性剤等を共存させてもよい。該架橋重合体と第2の架橋剤とを混合する際に用いられる混合装置は、両者を均一かつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が好適である。
【0074】
該架橋重合体と第2の架橋剤とを混合した後、加熱処理を行い、架橋重合体の表面近傍を第2の架橋剤で架橋させる。上記加熱処理の処理温度は、用いる架橋剤にもよるが、50℃以上、250℃以下が好ましい。処理温度が50℃未満の場合には、均一な架橋構造が形成されず、従って、荷重下吸収倍率等の性能に優れた吸水性樹脂を得ることができないため、好ましくない。処理温度が250℃を越える場合には、得られる吸水性樹脂の劣化を引き起こし、その性能が低下するため、好ましくない。上記の加熱処理は、通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができる。上記の乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、デスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等があげられる。
【0075】
本発明により生産性良く得られる架橋重合体は、従来の架橋重合体に比べ吸水倍率が大きく、可溶分量が少ない、優れた特徴を有する。さらに、上記架橋重合体から得られる不定形状を有する吸水性樹脂は、常圧下吸収倍率が少なくとも30g/g、好ましくは少なくとも35g/g、荷重下吸収倍率が少なくとも25g/g、好ましくは少なくとも28g/gでともに高く、かつ劣化可溶分が15重量%以下、好ましくは10重量%以下で少ない、これまでにない特徴を有している。
【0076】
(1)無荷重下および荷重下吸収倍率が高いので、紙おむつ等に使用した場合、赤ちゃんから大人までの体重等の荷重に耐えて多量の尿等を吸収、保持することができる。
【0077】
(2)溶出する可溶分が少ないので、紙おむつ着用時のヌルつき等の不快感を与えない。
【0078】
(3)劣化可溶分が少ないことから、長時間、上記(1)および(2)の優れた性能を維持することができる。
【0079】
(4)不定形状を有することから、紙おむつ着用時に吸収体コアからの脱落が少なく、着用者の肌に対する安全性も高い。
【0080】
上記効果を奏することから、本発明で得られた架橋重合体、および吸水性樹脂は、子供用および大人用紙おむつ、生理用ナプキン、失禁用パッド、母乳パッド、ペットシート等の衛生材料に特に最適に使用することができる。
【0081】
また、本発明で得られる架橋重合体、および吸水性樹脂は、鮮度保持材、保冷材、ドリップ吸収材等の保水材、結露防止剤、土木建築用の止水材やパッキング材、電線や光ファイバーの止水材、等の吸水性樹脂を利用する各種用途にも有用である。
【0082】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。本発明において、架橋重合体の吸収倍率および可溶分量、吸水性樹脂の常圧下吸収倍率、荷重下吸収倍率、および劣化可溶分量は以下の方法で測定した。
【0083】
(A)架橋重合体の吸収倍率
固形分A重量%の粒子状含水ゲル状架橋重合体W1 (g)(100重量%固形分として約0.2g)を不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。24時間後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、袋の重量W2 (g)を測定した。また、同様の操作を含水ゲル状架橋重合体を用いないで行い、その時の重量W0 (g)を測定した。そして、これら重量W1 ・W2 およびW0 から次式に従って吸収倍率(g/g)を算出した。
【0084】
吸収倍率(g/g )=[(W2 (g )−W0 (g ))]/W1 (g )×(100 /A)−1
(B)架橋重合体の可溶分量
固形分A重量%の粒子状含水ゲル状架橋重合体W3 (g)(100重量%固形分として約0.5g)を1000gの脱イオン水中に分散し、16時間攪拌した後、濾紙で濾過した。次に、得られた濾液50gを100mlビーカーにとり、該濾液に0.1N−水酸化ナトリウム水溶液1ml、N/200−メチルグリコールキトサン水溶液10ml、および、0.1%トルイジンブルー水溶液4滴を加えた。次いで、上記ビーカーの溶液を、N/400−ポリビニル硫酸カリウム水溶液を用いてコロイド滴定し、溶液の色が青色から赤紫色に変化した時点を滴定の終点として滴定量B(ml)を求めた。また、濾液50gに代えて脱イオン水50gを用いて同様の操作を行い、ブランクとして滴定量C(ml)を求めた。そして、これら滴定量B・Cと含水ゲル状架橋重合体の繰り返し単位の分子量Dとから、次式に従って可溶分量(重量%)を算出した。
【0085】
可溶分量(重量%)=[(C−B)×0.005 ×D/W3 ]×(100 /A)
(C)吸水性樹脂の常圧下吸収倍率
吸水性樹脂0.2gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、袋の重量W4 (g)を測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂を用いないで行い、その時の重量W0 (g)を測定した。そして、これら重量W4 およびW0 から次式に従って常圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
【0086】
常圧下吸収倍率(g/g )=(W4 (g )−W0 (g ))/吸水性樹脂(g )−1
(D)吸水性樹脂の荷重下吸収倍率
先ず、荷重下吸収倍率の測定に用いる測定装置について、図1を参照しながら、以下に簡単に説明する。
【0087】
図1に示すように、測定装置は、天秤1と、この天秤1上に載置された所定容量の容器2と、外気吸入パイプ3と、導管4と、ガラスフィルタ6と、このガラスフィルタ6上に載置された測定部5とからなっている。上記の容器2は、その頂部に開口部2aを、その側面部に開口部2bをそれぞれ有しており、開口部2aに外気吸入パイプ3が嵌入される一方、開口部2bに導管4が取り付けられている。また、容器2には、所定量の生理食塩水12が入っている。外気吸入パイプ3の下端部は、生理食塩水12中に没している。外気吸入パイプ3は、容器2内の圧力をほぼ大気圧に保つために設けられている。上記のガラスフィルタ6は、直径70mmに形成されている。そして、容器2およびガラスフィルタ6は、シリコーン樹脂からなる導管4によって互いに連通している。また、ガラスフィルタ6は、容器2に対する位置および高さが固定されている。そして、上記測定部5は、濾紙7、内径60mmの支持円筒9と、この支持円筒9の底部に貼着された金網10と、重り11とを有している。そして、測定部5は、ガラスフィルタ6上に、濾紙7、支持円筒9(つまり金網10)がこの順に載置されると共に、支持円筒9内部、即ち、金網10上に重り11が載置されてなっている。金網10は、ステンレス鋼からなり、400メッシュ(目の大きさ38μm )に形成されている。また、金網10の上面、つまり、金網10と吸水性樹脂15との接触面の高さは、外気吸入パイプ3の下端面3aの高さと等しくなるように設定されている。そして、金網10上に、所定量の吸水性樹脂が均一に散布されるようになっている。重り11の重量は1390gで、金網10、即ち、吸水性樹脂15に対して荷重を均一に加えることができるようになっている。
【0088】
上記構成の測定装置を用いて荷重下吸収倍率を測定した。測定方法について以下に説明する。
【0089】
先ず、容器2に所定量の生理食塩水12を入れる。容器2に外気吸入パイプ3を嵌入する、等の所定の準備動作を行った。次に、ガラスフィルタ6上に濾紙7を載置した。また、この載置動作に平行して、支持円筒9内部、即ち、金網10上に、吸水性樹脂0.9gを均一に散布し、この吸水性樹脂15上に重り11を載置した。次いで、濾紙7上に、金網10、つまり、吸水性樹脂15および重り11を載置した上記支持円筒9を、その中心部がガラスフィルター6の中心部に一致するようにして載置した。そして、濾紙7上に支持円筒9を載置した時点から、60分間にわたって経時的に、該吸水性樹脂15が吸収した生理食塩水12の重量W5 (g)を天秤1の測定値から求めた。また、同様の操作を吸水性樹脂15を用いないで行い、ブランク重量、つまり、吸水性樹脂以外の例えば濾紙7等が吸収した生理食塩水12の重量を、天秤1の測定値から求め、ブランク値W6 (g)とした。そして、重量W5 (g)に、ブランク値W6 (g)の補正を行って、吸収開始から60分後に吸水性樹脂が実際に吸収した生理食塩水の重量W7 (g)=W5 (g)−W6 (g)を求めた。この重量W7 (g)と、吸水性樹脂の重量(0.9g)から、次式に従って荷重下吸収倍率(g/g)を算出した。
【0090】
荷重下吸収倍率(g/g )=重量W7 (g )/吸水性樹脂(g )
(E)吸水性樹脂の劣化可溶分量
人工尿(人工尿組成:尿素95g,塩化ナトリウム40g,硫酸マグネシウム5g,塩化カルシウム5g,L−アスコルビン酸0.25g,脱イオン水4855g)を用いて、100mlの蓋付プラスチック容器中で、あらかじめ300〜600μmに分級、調製した吸水性樹脂1gを25倍に膨潤させ、温度37℃で16時間放置した。16時間後、上記膨潤ゲルを975gの脱イオン水中に分散し、1時間攪拌した後、濾紙で1分間濾過した。次に、得られた濾液50gを100mlビーカーにとり、該濾液に0.1N−水酸化ナトリウム水溶液1ml、N/200−メチルグリコールキトサン水溶液10ml、および、0.1%トルイジンブルー水溶液4滴を加えた。次いで、上記ビーカーの溶液を、N/400−ポリビニル硫酸カリウム水溶液を用いてコロイド滴定し、溶液の色が青色から赤紫色に変化した時点を滴定の終点として滴定量B(ml)を求めた。また、吸水性樹脂を用いないで同様の操作を行い、ブランクとして滴定量C(ml)を求めた。そして、これら滴定量BおよびCと吸水性樹脂の繰り返し単位の分子量Dとから、次式に従って劣化可溶分量(重量%)を算出した。
【0091】
劣化可溶分量(重量%)=(C−B)×0.005 ×D
実施例1
中和率75モル%の部分中和アクリル酸ナトリウム塩の30重量%水溶液6570gに、第1の架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)10.6g(対モノマー0.1モル%)を溶解させ、これを内容積10リットルでシグマ型羽根を2本有するジャケット付きステンレス製双腕型ニーダー(小池鉄工株式会社製)に蓋をつけた反応器中で30℃の水を循環させたジャケットにより液温を30℃に保ったまま窒素置換した。次いで、ニーダーのブレードを40rpmで撹拌しながら、重合開始剤として20重量%過硫酸ナトリウム水溶液15.6gと0.1重量%L−アスコルビン酸水溶液14.9gを添加して重合を開始させた。白濁により重合開始を確認した時点でブレードを停止し、ジャケットにより除熱しながら内温が60℃になるまでそのまま保持した(保持期間)。内温が60℃を越えた時点(この時点で重合系は流動性を失い、ゲル状を呈していた。)でブレードを回転させて、ゲルを粒子状に解砕し、内温の最高温度が75℃となるようにさらに重合を行った。続いてジャケット温度を60℃に上昇させて20分間、ゲルを解砕しながら重合系を65℃以上に保持し重合を完結させ、粒子状含水ゲル状架橋重合体(1)を得た。得られた架橋重合体(1)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に記載した。
【0092】
実施例2
実施例1において、PEGDA使用量を6.39g(対モノマー0.06モル%)にすること以外は同様の操作を繰り返し行うことで、粒子状含水ゲル状架橋重合体(2)を得た。この時の内温の最高到達温度は76℃であった。得られた架橋重合体(2)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に記載した。
【0093】
実施例3
実施例1において、保持期間中、内温が40℃になった時点で、30秒間40rpmで生成した含水ゲル状重合体を一時的に破断すること以外は同様の操作を繰り返し行うことで、粒子状含水ゲル状架橋重合体(3)を得た。この時の内温の最高到達温度は72℃であった。得られた架橋重合体(3)の吸収倍率および可溶分を測定し、その結果を表1に記載した。
【0094】
実施例4
実施例1と同様に重合して得られた約65℃のゲル状重合体に10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液39.4gを添加し、十分に混合を行った。続いて該含水ゲル状重合体を、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー:多孔板厚さ10mm,孔径12.5mm,開孔率39%)から押し出し、粒子状含水ゲル状架橋重合体(4)を得た。得られた架橋重合体(4)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に記載した。
【0095】
実施例5
実施例1と同様の重合容器内で、中和率65モル%の部分中和アクリル酸ナトリウム塩の30重量%水溶液3600gに、第1の架橋剤としてPEGDA3.59g(対モノマー0.06モル%)を溶解させ、25℃の水を循環させたジャケットにより液温を25℃に保ったまま窒素置換した。次いで、ニーダーのブレードを40rpmで撹拌しながら、重合開始剤を10重量%2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩水溶液12.5g、10重量%過硫酸ナトリウム水溶液6.3g、0.1重量%L−アスコルビン酸水溶液8.8および0.35重量%過酸化水素水溶液5.4gを添加して重合を開始させた。白濁により重合開始を確認した後、内温が30℃になった時点でブレードを停止し、ジャケットにより除熱しながら内温が60℃になるまでそのまま保持した(保持期間)。内温が60℃を越えた時点(この時点で重合系は流動性を失い、ゲル状を呈していた。)でブレードを回転させて、ゲルを粒子状に解砕し、内温の最高温度が77℃となるようにさらに重合を行った。以下、実施例1と同様の操作を行なうことで、粒子状含水ゲル状架橋重合体(5)を得た。得られた架橋重合体(5)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に記載した。
【0096】
実施例6
実施例1と同様の重合容器内で中和率75モル%の部分中和アクリル酸ナトリウム塩の30重量%水溶液5500gに、第1の架橋剤としてPEGDA8.90g(対モノマー0.1モル%)を溶解させ、30℃の水を循環させたジャケットにより液温を30℃に保ったまま窒素置換した。次いで、ニーダーのブレードを40rpmで撹拌しながら、重合開始剤として20重量%過硫酸ナトリウム水溶液13.0gと0.1重量%L−アスコルビン酸水溶液12.5gを添加して重合を開始させた。系内の昇温により重合開始を確認した時点でブレードを停止し、ジャケットにより除熱しながら内温が60℃になるまでそのまま保持した(保持期間)。内温が60℃を越えた時点(この時点で重合系は流動性を失い、ゲル状を呈していた。)で蓋を別に用意していた加圧蓋にかえて、剪断力が十分にかかる状態でブレードを回転させ、ゲルを粒子状に解砕しながら重合を継続した。この時の内温の最高到達温度は72℃であった。続いて20分間、再び加圧蓋を通常の蓋にもどして、剪断力が過度にかからない状態でジャケット温度を60℃に上昇させてゲルを解砕しながら65℃以上に保持し重合を完結させ、粒子状含水ゲル状架橋重合体(6)を得た。得られた架橋重合体(6)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に記載した。
【0097】
実施例7
内容積2.5リットルのシグマ型羽根を2本有するジャケット付きステンレス製双腕型ニーダー(小池鉄工株式会社製)に蓋をつけた反応容器中で、アクリル酸20重量%の水溶液800gに、第1の架橋剤としてPEGDA1.06g(対モノマー0.1モル%)を溶解させ、20℃の水を循環させたジャケットにより液温を20℃に保ったまま窒素置換した。次いで、ニーダーのブレードを40rpm で撹拌しながら、重合開始剤として5重量%2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩水溶液9.6g、1重量%L−アスコルビン酸水溶液4.0gおよび3.5重量%過酸化水素水溶液4.57gを添加し重合を開始させた。系内の昇温により重合開始を確認した時点でブレードを停止し、ジャケットにより除熱しながら内温が50℃になるまでそのまま保持した(保持期間)。内温が50℃を越えた時点(この時点で重合系は流動性を失い、ゲル状を呈していた。)でブレードを回転させてゲルを粒子状に解砕しながら重合を継続した。この時の内温の最高到達温度は60℃であった。続いて60分間、ジャケット温度を60℃に上昇させてゲルを解砕しながら60℃以上に保持し重合を完結させた。さらに、得られた含水ゲル状架橋重合体に、ブレードを回転させながら炭酸ナトリウム粉末76.6gを添加、混合し、ゲル温を60℃に保ったまま1時間保持して十分に中和を行い、粒子状含水ゲル状架橋重合体(7)を得た。得られた架橋重合体(7)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に記載した。
【0098】
実施例8
実施例6において、アクリル酸水溶液濃度を25重量%に、重合開始剤使用量を5重量%2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩水溶液2.4g、1重量%L−アスコルビン酸水溶液1.0g、および3.5重量%過酸化水素水溶液1.14gにすること以外は同様の操作を繰り返し行うことで含水ゲル状架橋重合体を得た。この時の最高到達温度は65℃であった。さらに、得られた該含水ゲル状架橋重合体に、ブレードを回転させながら炭酸ナトリウム粉末95.7gを添加、混合し、ゲル温を60℃に保ったまま1.5時間保持して十分に中和を行い、粒子状含水ゲル状架橋重合体(8)を得た。得られた架橋重合体(8)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に記載した。
【0099】
実施例9
実施例1で得られた粒子状含水ゲル状架橋重合体(1)を160℃の熱風で65分間乾燥した後、さらに、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し粒子径75〜850μmに分級することで架橋重合体粒子を得た。この架橋重合体粒子100部に対し、第2の架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル0.05部とグリセリン0.5部、水3部およびイソプロピルアルコール0.75部からなる水性液を添加混合し、得られた混合物を200℃で50分間加熱処理して吸水性樹脂(9)を得た。この吸水性樹脂(9)について、常圧下及び荷重下吸収倍率と劣化可溶分量を測定し、その結果を表2に記載した。
【0100】
比較例1
実施例1において、重合開始からブレードを停止させる保持時間を設けないこと以外は、全く同様に行うことで、比較用含水ゲル状架橋重合体(10)を得た。得られた比較用架橋重合体(10)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に記載した。
【0101】
比較例2
実施例2において、重合開始からブレードを停止させる保持時間を設けないこと以外は、全く同様に行うことで、比較用含水ゲル状架橋重合体(11)を得た。得られた比較用架橋重合体(11)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に記載した。
【0102】
比較例3
実施例1において、重合開始からブレードを停止させる保持時間を内温の最高到達温度までとすること以外は、全く同様に行うことで、比較用含水ゲル状架橋重合体(12)を得た。この時、最高到達温度は100℃を越えて含水ゲル重合体は激しく突沸した。得られた比較用架橋重合体(12)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に記載した。
【0103】
比較例4
実施例1と同様の容器内で、実施例1と同様の重合性単量体の水溶液を、30℃の水を循環させたジャケットにより液温を30℃に保ったまま窒素置換した。次いで、ニーダーのブレードを40rpmで撹拌しながら、重合開始剤として20重量%過硫酸ナトリウム水溶液15.6gと0.1重量%L−アスコルビン酸水溶液14.9を添加して重合を開始させた。白濁により重合開始を確認した時点でブレードを停止し、ジャケットを昇温しながら断熱状態でそのまま保持した。内温が60℃を越えた時点で生成したゲル状物を重合容器から取り出して、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー:孔径3mm)で粉砕し、比較用粒子状含水ゲル状架橋重合体(13)を得た。この直後の粒子状架橋重合体の温度は55℃まで冷却された。得られた比較用架橋重合体(13)の吸収倍率、および可溶分を測定し、その結果を表1に記載した。
【0104】
比較例5
実施例9において、含水ゲル状架橋重合体(1)を比較用含水ゲル状架橋重合体(11)にする以外は同様に乾燥・粉砕・加熱処理することで、比較用吸水性樹脂(14)を得た。この比較用吸水性樹脂(14)について、常圧下及び荷重下吸収倍率と劣化可溶分量を測定し、その結果を表2に記載した。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【発明の効果】
本発明により得られる架橋重合体は、従来の架橋重合体に比べ吸水倍率が大きく、可溶分量が少ない、優れた特徴を有する。さらに、上記架橋重合体を乾燥、粉砕して得られる架橋重合体粒子と、該架橋重合体粒子の表面近傍の少なくとも2つの官能基と反応する第2の架橋剤とを混合し、加熱処理することにより得られる不定形状を有する吸水性樹脂は、生理食塩水の常圧下吸収倍率が少なくとも30g/g、生理食塩水の荷重下吸収倍率が少なくとも25g/g、かつ劣化可溶分が15重量%以下を示し、これまでにない特徴を有している。従って、本発明の吸水性樹脂は、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料に最適に使用するこ
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において使用した荷重下吸収倍率の測定に用いる測定装置の概略の断面図である。
【符号の説明】
1 天秤、
2 容器、
3 外気吸入パイプ、
4 導管、
5 測定部、
6 ガラスフィルタ、
7 濾紙、
9 支持円筒、
10 金網、
11 重り、
12 生理食塩水、
15 吸水性樹脂。
Claims (11)
- 水溶性エチレン性不飽和単量体と第1の架橋剤とを含んでなる重合性単量体の水溶液を重合して得られる含水ゲル状重合体である架橋重合体を乾燥、粉砕して得られる架橋重合体粒子と、該架橋重合体粒子の表面近傍の少なくとも2つの官能基と反応する第2の架橋剤と混合し加熱処理して得られる吸水性樹脂であって、生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)での30分間の常圧下吸収倍率(250Gで3分間水切り)が少なくとも30g/g、生理食塩水で60分間の荷重下吸収倍率(内径60mmの支持円筒中の吸水性樹脂0.9gに荷重1390g)が少なくとも25g/g、かつ劣化可溶分が15重量%以下であることを特徴とする不定形状を有する吸水性樹脂[ただし、劣化可溶分は人工尿(人工尿組成;尿素95g、塩化ナトリウム40g、硫酸マグネシウム5g、塩化カルシウム5g、L−アスコルビン酸0.25gおよび脱イオン水4855g)を用いて吸水性樹脂1gを25倍に膨潤させて37℃で16時間放置後の吸水性樹脂中の可溶分量(重量%)]。
- 前記水溶性エチレン性不飽和単量体が、アクリル酸、ならびにそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、およびアミン塩から選ばれる少なくとも一種を75質量%以上含み、前記第1の架橋剤が分子内に重合性不飽和基を2個以上有する化合物であり、前記第1の架橋剤の含有量が前記水溶性エチレン性不飽和単量体に対して0.001〜20質量%である請求項1に記載の吸水性樹脂。
- 前記水溶性エチレン不飽和単量体が、アクリル酸および/またはその塩であり、中和された該アクリル酸の酸基の中和率が55〜80モル%である請求項1または2に記載の吸水性樹脂。
- 前記第2の架橋剤が、多価アルコール化合物、多価エポキシ化合物、多価アミン類、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂。
- 前記常圧下吸収倍率が少なくとも35g/gである請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸水性樹脂。
- 前記含水ゲル状重合体となる水溶性エチレン性不飽和単量体と第1の架橋剤とを含んでなる重合性単量体の水溶液を重合する際に、重合開始時点から重合系全体がゲル化する時点までの間、下記(a)〜(f)から選ばれる方法で重合を行い:
(a)前記重合系に5rpm以下の回転を加える;
(b)前記重合系に全く回転を加えない状態と、5rpm以下の低速回転を加える状態を併用する;
(c)前記重合系に全く回転を加えない;
(d)前記(a)であって、ゲルを破断するのに十分な剪断力を与えることができる程度の回転を一時的にさせる;
(e)前記(b)であって、ゲルを破断するのに十分な剪断力を与えることができる程度の回転を一時的にさせる;
(f)前記(c)であって、ゲルを破断するのに十分な剪断力を与えることができる程度の回転を一時的にさせる:
その後該重合系が重合熱により最高温度に到達するまでに、該重合系に十分な剪断力を加え、含水ゲル状重合体を粒子状にし、さらに重合を継続することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。 - 重合開始時点から重合系全体がゲル化する時点までの間、除熱重合を行い、さらに、重合系が重合熱により最高温度に到達するまで除熱重合を継続することを特徴とする請求項6に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 前記重合を回転腕または撹拌翼を有する反応容器内で行い、重合系が重合熱により最高温度に到達するまでに、前記回転腕または撹拌翼の回転によって該重合系に十分な剪断力を加え、含水ゲル状重合体を粒子状にすることを特徴とする請求項6または7に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 重合系の温度が少なくとも40℃に達するまで、前記(a)〜(f)の状態で重合を行う請求項6または7に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 重合開始時点から、重合系全体がゲル化する時点までの間に、生成した含水ゲル状重合体を一時的に破断する請求項6〜9のいずれか一項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸水性樹脂、または請求項6〜10のいずれか1項に記載の製造方法により製造された吸水性樹脂を用いた衛生材料。
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