JP3841156B2 - 水耕栽培における害虫駆除用植物浸漬装置 - Google Patents
水耕栽培における害虫駆除用植物浸漬装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、培養液を入れた栽培槽の上部に、植物を植えた多数枚の定植パネルを、各植物の根を培養液に浸した状態で、支持して栽培を行う水耕栽培において、植物に付着した害虫を駆除するため上記植物を定植パネルと共に培養液中に浸漬する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の植物浸漬装置として、栽培槽内の培養液面に、植物を植えた発砲スチロール製のフロート型定植パネルを浮かべた水耕栽培槽において、上記定植パネルの上面を押し枠を用いて手作業により下方へ押しこんで定植パネルを培養液中に浸漬し、所要深さに浸漬したら上記押し枠をネジにより栽培槽に係止し、所要時間浸漬後上記係止を解除して定植パネルを元の水耕栽培位置に浮上させるものが知られているが、押し枠をもって定植パネルを上から液中に押しこむ作業に多大の労力を必要とし、特に大規模水耕栽培場において作業遂行が困難となる欠点がある。
【0003】
これを改善するため、上記栽培槽と別に貯槽を設け、上記栽培槽内の培養液の相当量をポンプにより貯槽に移し、それにより栽培槽内の水位とともに定植パネルを降下させ、所要低水位に降下したとき定植パネルをロックした後上記貯槽内の培養液を栽培槽内に戻して、上記ロックされた定植パネルを液中に埋没させ、所要時間浸漬後上記ロックを解除して定植パネルを元の水耕栽培位置に浮上させるものが提案された。しかし、この提案システムでは、装置が大型となり、設置スペース及び設備コストがかさむ欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、定植パネルの培養液中への没入を軽快に行うと共に、設置スペース及び設備コストの節減を可能にする植物浸漬装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を達成するための手段】
上記課題を達成のするため、本発明は、
培養液を入れた上面開口の箱形栽培槽の前端部に、前部駆帯車を、その軸線を培養液面と平行に且つ駆帯車のほぼ全部又は一部を液中に浸漬した状態で、回転自在に支持すると共に、栽培槽後端部に後部駆帯車を回転自在に支持し、
無端駆帯を、上記後部駆帯車から上記培養液のほぼ液面以上の高さで前部駆帯車に至る上部直線走行路に導き、ついで前部駆帯車をめぐりつつ培養液中に浸入させ、ついで栽培液中を下部直線走行路を経て後部駆帯車に戻るように掛け回し、
上記駆帯上に、多数の小幅定植パネルを該駆帯と直交する向きでパネル同志隣接状態で連結し、
上記駆帯を走行させる駆動手段を設けた、
水耕栽培における害虫駆除用植物浸漬装置を提案する。
【0006】
【作用】
植物を植えられた定植パネルが、駆帯の走行により上部直線走行路を走行して前部駆帯車に至ると、各定植パネルは該駆帯車の外周面をめぐりつつ培養液面に対し傾斜姿勢をとって液中に浸入していき、それにより各定植パネルは大きな抵抗を受けることなく、軽快に液中に没入することができる。各定植パネルが前部駆帯車から液中の下部直線走行路に移動すれば各定植パネルの植物が倒立状態の浸漬態勢をとることとなる。
【0007】
本発明における上記「駆帯」とは、布ベルト、繊維強化樹脂帯、ステンレス鋼帯、その他のベルト類、チェン、ローラチェン、その他のチェン類、その他種々のものを含む。
また上記「駆帯車」には、上記ベルト類についてはプーリー、ドラム等、チェン類についてはスプロケット等が使用される。
さらに上記「定植パネル」には、発砲スチロール、木等でつくったフロート型のものや、合成樹脂、金属等でつくった沈下型のものが使用される。
また、さらに上記「駆帯の走行駆動手段」には、上記駆帯車を手回しハンドルにより回すもの、モータにより回転させるものが含まれる。
以下図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0008】
【実施例】
図1、2、3において、栽培槽(1)はの前後方向に長い上面開口の箱形槽で、槽内に培養液(2)を入れてあり、この栽培槽(1)の前端部に、左右一対のフランジつき前部プーリー(3)、(3)を、その軸線を培養液(2)液面と平行に且つ該プーリー(3)、(3)上端を液面に一致させた状態で、回転自在に支持すると共に、栽培槽(1)後端部のベース台(4)に後部ドラム(5)を、その軸線を培養液(2)液面と平行に且つ該液面から高い位置で、回転自在に支持し、そして布製無端ベルト(6)、(6)を、上記ドラム(5)からガイドロール(7)を始点として液面とほぼ同一の高さで上記プーリー(3)、(3)に至る上部直線走行路(A)に導き、ついで上記プーリー(3)、(3)をめぐりつつ液中に深く浸入させ、ついで液中をガイドロール(8)に至る下部直線走行路(B)を経て上記ドラム(5)に戻るように掛け回し、このベルト(6)、(6)上に、上記上部直線走行路(A)の長さ範囲にわたって、発砲スチロール製のフロート型細長定植パネル(9)…両端部を、該ベルト(6)、(6)と直交する向きで且つパネル同志隣接状態で、ベルト(6)、(6)との間にスペーサを介してそれぞれ連結してある。(10)…は各定植パネル(9)…の植物定植孔である。
【0009】
上記ベルト(6)、(6)は、本例では定植パネル(9)…を連結された位置から後方の所要長さ範囲を一枚布の広幅ベルトからなるカバー(25)に形成し、それにより上記定植パネル(9)…を液中に浸漬したとき、該カバー(25)が培養液(2)面を覆って断熱、遮光を行う。
【0010】
上記プーリー(3)、(3)の支持構造は、本例では、栽培槽(1)の左右外側にフレーム(11)、(11)を立設し、各フレーム(11)、(11)の上端部に槽(1)内に垂下する吊りブラケット(12)、(12)をそれぞれ固定し、これらブラケット(12)、(12)の垂下端部に設けたオイルレスベアリング(13)、(13)に軸(14)の両端部を回転自在に支持させ、該軸(14)にプーリー(3)、(3)をそれぞれ固定してある。
【0011】
上記ガイドロール(7)、(8)は、フレーム(15)、(15)に固定された吊りブラケット(16)、(16)にそれぞれ2個づつのオイルレスベアリングを設け、これらベアリングに該ガイドロール(7)、(8)の各軸両端部を回転自在に支持してある。
【0012】
上記ベルト(6)、(6)を走行させる駆動手段として、上記ドラム(5)の軸(17)両端部を支持台(18)の軸受板(19)、(19)に回転自在に支持させ、該軸(17)の一端部に手回しハンドル(20)を固定してある。
【0013】
上記ベルト(6)、(6)のたるみ調整装置として、上記ドラム支持台(18)の左右両端部をベース台(4)に前後方向へ摺動自在に支持させ、そして上記ベース台(4)の後端部に螺合したネジ棒(21)の先端部を上記支持台(18)に回転自在に連結すると共に、ネジ棒(21)後端にハンドル(22)を固定し、上記ハンドル(22)の回し操作によりドラム支持台(18)を前後方向に移動させ、それによりベルト(6)、(6)のゆるみを調整する。(23)、(23)は上記支持台(18)の前後方向摺動を案内する案内ロッドである。
【0014】
上例の作用を次に説明する。図1、2は、各定植パネル(9)…が上部直線走行路(A)にあって培養液(2)面に浮いた状態で水耕栽培を行っている。この状態から、今各植物(P)…の害虫駆除のため培養液(2)中へ浸漬させる場合は、作業員がハンドル(20)を図1時計方向へ回して各定植パネル(9)…を図1矢印方向(右方)へ走行させる。走行される定植パネル(9)…が前部プーリー(3)、(3)に至ると、各定植パネルが液(2)面に対し傾斜姿勢をとって液(2)中に軽快に浸入していき、ついで反転して倒立状態で液(2)中を下部直線走行路(B)に順次移動していく。それと共に、上記カバー(25)が定植パネル(9)…の移動した後を上部直線走行路(A)に引き出されていく。
【0015】
全定植パネル(9)…が下部直線走行路(B)に移動し、カバー(25)が上部直線走行路(A)に引き出されたとき、ハンドル(20)の回しを停止し、その状態で所要時間植物の浸漬を行う。浸漬は、植物に付着する害虫の種類に応じて60〜120分行われるが、その間、上記カバー(25)が培養液(2)面を覆って、培養液の温度の昇降を抑制すべく断熱すると共に、培養液中での藻の発生を抑制すべく遮光を行う。
【0016】
植物浸漬の完了後は、上記ハンドル(20)を逆回ししてカバー(25)及び定植パネル(9)…を図1矢印と反対方向へ逆走させて元の水耕栽培の状態に戻す。
【0017】
上記ドラム(5)を、手回しハンドル(20)に代え、正逆回転式減速機つきモータにより回転させるようにするのもよい。その場合、各定植パネル(9)…への苗の植えつけ及び収穫の作業は、各定植パネル(9)…を走行させながら作業員が栽培槽の一側の定位置にあって行うことができる。
【0018】
図4、5、6の他の実施例は、駆帯にローラチェン(6a)、(6a)を使用すると共に、その上部直線走行路(Aa)を液(2a)面からやや上に配設した例である。栽培槽(1a)の前後端内に支持された軸(14a)、(17a)に左右一対づつの前部スプロケット(3a)、(3a)、後部スプロケット(5a)、(5a)を液(2a)面から一部突出させた状態でそれぞれ固定し、これらスプロケット(3a)(5a)、(3a)(5a)に無端ローラチェン(6a)、(6a)を掛け回し、このチェン(6a)、(6a)の一方の直線走行路に相当する範囲にフロート型定植パネル(9a)…を隣接状態に連結すると共に、他方の直線走行路に相当する範囲に定植パネル(9a)…と同形の定植孔の無い多数パネルからなるカバー(25a)を連結してある。(26a)、(26a)は、上部直線走行路(Aa)におけるローラチェン(6a)、(6a)を下から走行自在に支えるレールで、栽培槽(1a)側壁内面から張り出したフランジ(27a)、(27a)上に敷設されている。
【0019】
チェン(6a)、(6a)の走行駆動手段として、支持台(18a)に減速機つきモータ(20a)を設置し、該モータの出力軸に固定したスプロケット(28a)と、上記軸(14a)の一側端に固定されたスプロケット(29a)とにチェン(30a)を掛けてある。他の構造は図1、2、3と実質的に同一である。
【0020】
本例によれば、水耕栽培において、植物(Pa)…の根の一部を空気中に露出させて空気中の酸素を吸収させることができる。またモータ(20a)の回転によりチェン(6a)、(6a)を一方向へ走行させて水耕栽培と浸漬を繰り返すことができるほか、図1、2、3の例と同一の作用を行う。
【0021】
上例において、チェン(6a)、(6a)のたるみを調整する適宜の装置を備えるとよい。また、上記各例において、培養液の露出する部分を遮へいする断熱、遮光カバーを着脱自在に設けることが望ましい。
【0022】
露地又はビニルハウス内で水耕栽培を行う場合は、通常1日に1回は害虫駆除のための浸漬を行う必要がある。
【0023】
【発明の効果】
本発明の水耕栽培における害虫駆除用植物浸漬装置によれば、各定植パネルを上部直線走行路において水耕栽培を行いつつ、植物に害虫が付着したときは駆帯の走行により各定植パネルを下部直線走行路に移動させて所要の浸漬を行い、このように駆帯の走行により水耕栽培と害虫駆除用浸漬を軽快に繰り返し行うことができるものであり、しかも、浸漬においては、各定植パネルを上部直線走行路から前部駆帯車に走行させると、各定植パネルを培養液面に対し傾斜姿勢をとって液中に進入させ、それにより各定植パネルを液中に容易に没入させることができ、さらに装置としては、栽培槽だけの設置スペースで足りると共に、設備コストが大きくかさむことがない利点もえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水耕栽培及び害虫駆除用植物浸漬装置の一部省略縦断側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】図2のIII−III線拡大断面図である。
【図4】他の実施例の一部省略縦断側面図である。
【図5】栽培槽前端部分の一部切欠拡大平面図である。
【図6】図4のVI−VI線拡大断面図である。
【符号の説明】
1、1a 栽培槽
2、2a 培養液
3 フランジつき前部プーリー
3a前部スプロケット
5 後部ドラム
5a 後部スプロケット
6 ベルト
6a ローラチェン
9、9a 定植パネル
20 手回しハンドル
20a モータ
A、Aa 上部直線走行路
B、Ba 下部直線走行路
【発明の属する技術分野】
本発明は、培養液を入れた栽培槽の上部に、植物を植えた多数枚の定植パネルを、各植物の根を培養液に浸した状態で、支持して栽培を行う水耕栽培において、植物に付着した害虫を駆除するため上記植物を定植パネルと共に培養液中に浸漬する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の植物浸漬装置として、栽培槽内の培養液面に、植物を植えた発砲スチロール製のフロート型定植パネルを浮かべた水耕栽培槽において、上記定植パネルの上面を押し枠を用いて手作業により下方へ押しこんで定植パネルを培養液中に浸漬し、所要深さに浸漬したら上記押し枠をネジにより栽培槽に係止し、所要時間浸漬後上記係止を解除して定植パネルを元の水耕栽培位置に浮上させるものが知られているが、押し枠をもって定植パネルを上から液中に押しこむ作業に多大の労力を必要とし、特に大規模水耕栽培場において作業遂行が困難となる欠点がある。
【0003】
これを改善するため、上記栽培槽と別に貯槽を設け、上記栽培槽内の培養液の相当量をポンプにより貯槽に移し、それにより栽培槽内の水位とともに定植パネルを降下させ、所要低水位に降下したとき定植パネルをロックした後上記貯槽内の培養液を栽培槽内に戻して、上記ロックされた定植パネルを液中に埋没させ、所要時間浸漬後上記ロックを解除して定植パネルを元の水耕栽培位置に浮上させるものが提案された。しかし、この提案システムでは、装置が大型となり、設置スペース及び設備コストがかさむ欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、定植パネルの培養液中への没入を軽快に行うと共に、設置スペース及び設備コストの節減を可能にする植物浸漬装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を達成するための手段】
上記課題を達成のするため、本発明は、
培養液を入れた上面開口の箱形栽培槽の前端部に、前部駆帯車を、その軸線を培養液面と平行に且つ駆帯車のほぼ全部又は一部を液中に浸漬した状態で、回転自在に支持すると共に、栽培槽後端部に後部駆帯車を回転自在に支持し、
無端駆帯を、上記後部駆帯車から上記培養液のほぼ液面以上の高さで前部駆帯車に至る上部直線走行路に導き、ついで前部駆帯車をめぐりつつ培養液中に浸入させ、ついで栽培液中を下部直線走行路を経て後部駆帯車に戻るように掛け回し、
上記駆帯上に、多数の小幅定植パネルを該駆帯と直交する向きでパネル同志隣接状態で連結し、
上記駆帯を走行させる駆動手段を設けた、
水耕栽培における害虫駆除用植物浸漬装置を提案する。
【0006】
【作用】
植物を植えられた定植パネルが、駆帯の走行により上部直線走行路を走行して前部駆帯車に至ると、各定植パネルは該駆帯車の外周面をめぐりつつ培養液面に対し傾斜姿勢をとって液中に浸入していき、それにより各定植パネルは大きな抵抗を受けることなく、軽快に液中に没入することができる。各定植パネルが前部駆帯車から液中の下部直線走行路に移動すれば各定植パネルの植物が倒立状態の浸漬態勢をとることとなる。
【0007】
本発明における上記「駆帯」とは、布ベルト、繊維強化樹脂帯、ステンレス鋼帯、その他のベルト類、チェン、ローラチェン、その他のチェン類、その他種々のものを含む。
また上記「駆帯車」には、上記ベルト類についてはプーリー、ドラム等、チェン類についてはスプロケット等が使用される。
さらに上記「定植パネル」には、発砲スチロール、木等でつくったフロート型のものや、合成樹脂、金属等でつくった沈下型のものが使用される。
また、さらに上記「駆帯の走行駆動手段」には、上記駆帯車を手回しハンドルにより回すもの、モータにより回転させるものが含まれる。
以下図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0008】
【実施例】
図1、2、3において、栽培槽(1)はの前後方向に長い上面開口の箱形槽で、槽内に培養液(2)を入れてあり、この栽培槽(1)の前端部に、左右一対のフランジつき前部プーリー(3)、(3)を、その軸線を培養液(2)液面と平行に且つ該プーリー(3)、(3)上端を液面に一致させた状態で、回転自在に支持すると共に、栽培槽(1)後端部のベース台(4)に後部ドラム(5)を、その軸線を培養液(2)液面と平行に且つ該液面から高い位置で、回転自在に支持し、そして布製無端ベルト(6)、(6)を、上記ドラム(5)からガイドロール(7)を始点として液面とほぼ同一の高さで上記プーリー(3)、(3)に至る上部直線走行路(A)に導き、ついで上記プーリー(3)、(3)をめぐりつつ液中に深く浸入させ、ついで液中をガイドロール(8)に至る下部直線走行路(B)を経て上記ドラム(5)に戻るように掛け回し、このベルト(6)、(6)上に、上記上部直線走行路(A)の長さ範囲にわたって、発砲スチロール製のフロート型細長定植パネル(9)…両端部を、該ベルト(6)、(6)と直交する向きで且つパネル同志隣接状態で、ベルト(6)、(6)との間にスペーサを介してそれぞれ連結してある。(10)…は各定植パネル(9)…の植物定植孔である。
【0009】
上記ベルト(6)、(6)は、本例では定植パネル(9)…を連結された位置から後方の所要長さ範囲を一枚布の広幅ベルトからなるカバー(25)に形成し、それにより上記定植パネル(9)…を液中に浸漬したとき、該カバー(25)が培養液(2)面を覆って断熱、遮光を行う。
【0010】
上記プーリー(3)、(3)の支持構造は、本例では、栽培槽(1)の左右外側にフレーム(11)、(11)を立設し、各フレーム(11)、(11)の上端部に槽(1)内に垂下する吊りブラケット(12)、(12)をそれぞれ固定し、これらブラケット(12)、(12)の垂下端部に設けたオイルレスベアリング(13)、(13)に軸(14)の両端部を回転自在に支持させ、該軸(14)にプーリー(3)、(3)をそれぞれ固定してある。
【0011】
上記ガイドロール(7)、(8)は、フレーム(15)、(15)に固定された吊りブラケット(16)、(16)にそれぞれ2個づつのオイルレスベアリングを設け、これらベアリングに該ガイドロール(7)、(8)の各軸両端部を回転自在に支持してある。
【0012】
上記ベルト(6)、(6)を走行させる駆動手段として、上記ドラム(5)の軸(17)両端部を支持台(18)の軸受板(19)、(19)に回転自在に支持させ、該軸(17)の一端部に手回しハンドル(20)を固定してある。
【0013】
上記ベルト(6)、(6)のたるみ調整装置として、上記ドラム支持台(18)の左右両端部をベース台(4)に前後方向へ摺動自在に支持させ、そして上記ベース台(4)の後端部に螺合したネジ棒(21)の先端部を上記支持台(18)に回転自在に連結すると共に、ネジ棒(21)後端にハンドル(22)を固定し、上記ハンドル(22)の回し操作によりドラム支持台(18)を前後方向に移動させ、それによりベルト(6)、(6)のゆるみを調整する。(23)、(23)は上記支持台(18)の前後方向摺動を案内する案内ロッドである。
【0014】
上例の作用を次に説明する。図1、2は、各定植パネル(9)…が上部直線走行路(A)にあって培養液(2)面に浮いた状態で水耕栽培を行っている。この状態から、今各植物(P)…の害虫駆除のため培養液(2)中へ浸漬させる場合は、作業員がハンドル(20)を図1時計方向へ回して各定植パネル(9)…を図1矢印方向(右方)へ走行させる。走行される定植パネル(9)…が前部プーリー(3)、(3)に至ると、各定植パネルが液(2)面に対し傾斜姿勢をとって液(2)中に軽快に浸入していき、ついで反転して倒立状態で液(2)中を下部直線走行路(B)に順次移動していく。それと共に、上記カバー(25)が定植パネル(9)…の移動した後を上部直線走行路(A)に引き出されていく。
【0015】
全定植パネル(9)…が下部直線走行路(B)に移動し、カバー(25)が上部直線走行路(A)に引き出されたとき、ハンドル(20)の回しを停止し、その状態で所要時間植物の浸漬を行う。浸漬は、植物に付着する害虫の種類に応じて60〜120分行われるが、その間、上記カバー(25)が培養液(2)面を覆って、培養液の温度の昇降を抑制すべく断熱すると共に、培養液中での藻の発生を抑制すべく遮光を行う。
【0016】
植物浸漬の完了後は、上記ハンドル(20)を逆回ししてカバー(25)及び定植パネル(9)…を図1矢印と反対方向へ逆走させて元の水耕栽培の状態に戻す。
【0017】
上記ドラム(5)を、手回しハンドル(20)に代え、正逆回転式減速機つきモータにより回転させるようにするのもよい。その場合、各定植パネル(9)…への苗の植えつけ及び収穫の作業は、各定植パネル(9)…を走行させながら作業員が栽培槽の一側の定位置にあって行うことができる。
【0018】
図4、5、6の他の実施例は、駆帯にローラチェン(6a)、(6a)を使用すると共に、その上部直線走行路(Aa)を液(2a)面からやや上に配設した例である。栽培槽(1a)の前後端内に支持された軸(14a)、(17a)に左右一対づつの前部スプロケット(3a)、(3a)、後部スプロケット(5a)、(5a)を液(2a)面から一部突出させた状態でそれぞれ固定し、これらスプロケット(3a)(5a)、(3a)(5a)に無端ローラチェン(6a)、(6a)を掛け回し、このチェン(6a)、(6a)の一方の直線走行路に相当する範囲にフロート型定植パネル(9a)…を隣接状態に連結すると共に、他方の直線走行路に相当する範囲に定植パネル(9a)…と同形の定植孔の無い多数パネルからなるカバー(25a)を連結してある。(26a)、(26a)は、上部直線走行路(Aa)におけるローラチェン(6a)、(6a)を下から走行自在に支えるレールで、栽培槽(1a)側壁内面から張り出したフランジ(27a)、(27a)上に敷設されている。
【0019】
チェン(6a)、(6a)の走行駆動手段として、支持台(18a)に減速機つきモータ(20a)を設置し、該モータの出力軸に固定したスプロケット(28a)と、上記軸(14a)の一側端に固定されたスプロケット(29a)とにチェン(30a)を掛けてある。他の構造は図1、2、3と実質的に同一である。
【0020】
本例によれば、水耕栽培において、植物(Pa)…の根の一部を空気中に露出させて空気中の酸素を吸収させることができる。またモータ(20a)の回転によりチェン(6a)、(6a)を一方向へ走行させて水耕栽培と浸漬を繰り返すことができるほか、図1、2、3の例と同一の作用を行う。
【0021】
上例において、チェン(6a)、(6a)のたるみを調整する適宜の装置を備えるとよい。また、上記各例において、培養液の露出する部分を遮へいする断熱、遮光カバーを着脱自在に設けることが望ましい。
【0022】
露地又はビニルハウス内で水耕栽培を行う場合は、通常1日に1回は害虫駆除のための浸漬を行う必要がある。
【0023】
【発明の効果】
本発明の水耕栽培における害虫駆除用植物浸漬装置によれば、各定植パネルを上部直線走行路において水耕栽培を行いつつ、植物に害虫が付着したときは駆帯の走行により各定植パネルを下部直線走行路に移動させて所要の浸漬を行い、このように駆帯の走行により水耕栽培と害虫駆除用浸漬を軽快に繰り返し行うことができるものであり、しかも、浸漬においては、各定植パネルを上部直線走行路から前部駆帯車に走行させると、各定植パネルを培養液面に対し傾斜姿勢をとって液中に進入させ、それにより各定植パネルを液中に容易に没入させることができ、さらに装置としては、栽培槽だけの設置スペースで足りると共に、設備コストが大きくかさむことがない利点もえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水耕栽培及び害虫駆除用植物浸漬装置の一部省略縦断側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】図2のIII−III線拡大断面図である。
【図4】他の実施例の一部省略縦断側面図である。
【図5】栽培槽前端部分の一部切欠拡大平面図である。
【図6】図4のVI−VI線拡大断面図である。
【符号の説明】
1、1a 栽培槽
2、2a 培養液
3 フランジつき前部プーリー
3a前部スプロケット
5 後部ドラム
5a 後部スプロケット
6 ベルト
6a ローラチェン
9、9a 定植パネル
20 手回しハンドル
20a モータ
A、Aa 上部直線走行路
B、Ba 下部直線走行路
Claims (1)
- 培養液を入れた上面開口の箱形栽培槽の前端部に、前部駆帯車を、その軸線を培養液面と平行に且つ駆帯車のほぼ全部又は一部を液中に浸漬した状態で、回転自在に支持すると共に、栽培槽後端部に後部駆帯車を回転自在に支持し、
無端駆帯を、上記後部駆帯車から上記培養液のほぼ液面以上の高さで前部駆帯車に至る上部直線走行路に導き、ついで前部駆帯車をめぐりつつ栽培液中に浸入させ、ついで培養液中を下部直線走行路を経て後部駆帯車に戻るように掛け回し、
上記駆帯上に、多数の小幅定植パネルを該駆帯と直交する向きでパネル同志隣接状態で連結し、
上記駆帯を走行させる駆動手段を設けた、
水耕栽培における害虫駆除用植物浸漬装置。
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