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JP3738794B2 - 延伸ポリアミド繊維およびその製造方法 - Google Patents

延伸ポリアミド繊維およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はラケット用ストリング、ゴム補強材および製紙用ろ布材等のスポーツ用品や工業用資材等に有用な、高強度、高弾性率を有しかつ真円度の高い延伸ポリアミド繊維およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド繊維はラケット用ストリング、ゴム補強材および製紙用ろ布材等のスポーツ用品や工業用資材等として使用されている。これらの用途においては、材料である繊維の弾性率(ヤング率)や引掛強度、結節強度等の機械的強度が必要とされる。また、これらの用途においては、最終製品の実際の使用時に当たって又は二次加工の際に繊維の真円度の高さが要求される。
すなわち、繊維の真円度が低い場合、精密に加工された物品の間隙や孔に繊維を通しにくく、二次加工用機器への適合性が低いという問題が生じることがあり、また、二次加工後の製品の形状が一定にならないなどの問題を引き起こすことがある。
【0003】
キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから得られるアミド結合繰り返し単位を含有するポリアミド(例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド、以下、「ポリアミドMXD6」ということがある)はポリアミド6やポリアミド66に比べて高強度、高ヤング率等の特性を有するため、上記の用途への応用が期待されているが、従来の紡糸法では真円度の高い繊維が得られず実用への障害となっている。
すなわち、ラケット用ストリング、ゴム補強材および製紙用ろ布材等のスポーツ用品や工業用資材等として使用されるポリアミド繊維は、通常溶融紡糸法により製造されている。具体的にはポリアミド樹脂を単軸もしくは二軸押出機を用いて溶融し、紡糸口金を通して紡出し、紡糸口金面の下方に位置する冷媒浴中に引き取って未延伸糸を得た後延伸する紡糸方法が採用されており、例えば、ポリアミド6やポリアミド66の場合、冷媒浴の温度を該ポリアミド樹脂のTgよりも30℃以上低くし、結晶化を抑えた未延伸糸を得ることにより、未延伸糸の真円性を保持したまま延伸操作を行うことが容易となり、結果として得られる繊維の真円度を高める方法が専ら採用されている。
【0004】
これに対し、ポリアミドMXD6含有ポリアミドの場合、Tgがポリアミド6やポリアミド66に比べて著しく高いため、従来のポリアミドの溶融紡糸法での冷却温度では急冷によって未延伸糸の固化が急速に起こり、また、ポリアミドMXD6の弾性率の高さ故に冷却槽内での未延伸糸と冷媒との抵抗や引取時の振動が糸揺れとなって強度の低い溶融部分に伝わり易く、糸径ムラや真円度低下の原因となる。このため真円度の高いポリアミドMXD6含有ポリアミド繊維を安定的かつ連続的に製造することは従来極めて困難なことであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の状況下でなし遂げられたものである。すなわち、本発明は、高強度、高弾性率を有しかつ真円度の高いポリアミドMXD6含有延伸ポリアミド繊維を提供するものであり、また、これを通常の溶融紡糸法により安定的かつ連続的に得ることが可能な製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記本発明の目的を達成するため鋭意検討した結果、溶融紡糸を特定の条件で行うことにより上記の問題を解決し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、(1)ジアミン成分としてメタキシリレンジアミン、ジカルボン酸成分としてアジピン酸をそれぞれ70モル%以上含むモノマーを重合して得た結晶性ポリアミドもしくは共重合ポリアミド(A)を少なくとも20重量%含むポリアミド樹脂を単軸もしくは二軸押出機を用いて溶融し、紡糸口金を通して紡出し、紡糸口金面の下方に位置する冷媒浴中に引き取って未延伸糸を得た後、該ポリアミドのガラス転移温度(Tg)以上融点以下の温度条件で 2. 5〜 8. 0倍に延伸された延伸ポリアミド繊維を製造する方法であって、紡糸機の紡糸口金断面積ADと、紡糸機から押し出された後冷媒浴中で冷却して得られた未延伸糸の断面積AMとの比AD/AM(以下、「ドラフト率」という)が1.0〜3.0であり、紡糸機の溶融樹脂吐出口と冷却用冷媒浴面との間に空気層を介し、かつ紡糸機から押し出された糸を引き取る冷媒浴の温度(T)がTg−30≦T≦Tg+10℃の範囲であることを特徴とする延伸ポリアミド繊維の製造方法
【0008】
(2)上記ポリアミド樹脂が、更に、ポリアミド(A)以外の他の結晶性ポリアミド(B)を80重量%以下含むものであることを特徴とする上記(1)記載の延伸ポリアミド繊維の製造方法、(3)結晶性ポリアミド(B)が、ポリアミド6、ポリアミド66及びポリアミド6成分とポリアミド66成分とからなる共重合体から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(2)記載の延伸ポリアミド繊維の製造方法、及び
【0009】
(4)紡糸機の溶融樹脂吐出口と冷却用冷媒浴面との間の距離が10〜150mmであることを特徴とする上記(1)記載の延伸ポリアミド繊維の製造方法、を提供するものである。
【0010】
本発明で使用するポリアミド(A)とは、ジアミン成分としてメタキシリレンジアミン、ジカルボン酸成分としてアジピン酸をそれぞれ70モル%以上含むモノマーを重合して得た結晶性ポリアミドもしくは共重合ポリアミドである。
ポリアミド(A)が、ジアミン成分としてメタキシリレンジアミン、ジカルボン酸成分としてアジピン酸をそれぞれ70モル%未満含むモノマーを重合して得たものである場合は、最終的に繊維としたときの高強度、高ヤング率等の特性が失われる。
【0011】
本発明で使用する延伸ポリアミド繊維には上記ポリアミド(A)以外の他の結晶性ポリアミド(B)を含有することができる。
他の結晶性ポリアミド(B)としては種々のポリアミドが使用可能であるが、具体的にはポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6/66(ポリアミド6成分およびポリアミド66成分からなる共重合体)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12およびこれらの混合物等を例示できるが、本発明においては、ポリアミド6、ポリアミド66またはポリアミド6/66を好ましく使用することができる。これらの樹脂の使用により、溶融押出時の条件調節によって、強度や伸度等の物理的性質の調整が容易となる。
【0012】
本発明の延伸ポリアミド繊維は上記ポリアミド(A)を20重量%以上含有する必要がある。ポリアミド(A)の配合割合が20重量%未満では、ポリアミドMXD6の有する高強度、高弾性率、紡糸容易な結晶化速度等の特性が、得られる繊維の物理的性質に反映しにくくなる。また、他の結晶性ポリアミド(B)の配合割合は80重量%以下であることが好ましい。
本発明の延伸ポリアミド繊維のヤング率は400kgf/mm2 以上、好ましくは500kgf/mm2 以上である。ヤング率が400kgf/mm2 未満ではラケット用ストリング、ゴム補強材および製紙用ろ布材として使用する際に変形が起こり、商品としての価値が失われる。
【0013】
また、本発明の延伸ポリアミド繊維の引掛強度は4.5gf/D以上、好ましくは5.0gf/D以上である。引掛強度が4.5gf/D未満ではラケット用ストリングとして用いる場合、ラケットへの装着時にストリング屈曲部での破断が生じ、商品としての価値が失われる。また、製紙用ろ布材として使用する場合にも、抄紙機のロ−ルにろ布材を装着する際にろ布材繊維の一部を屈曲させその部分に芯糸を通して接続する方法を採るため、引掛強度が4.5gf/D未満では接続部分の破断が生じ、やはり商品としての価値が失われる。
更に、本発明の延伸ポリアミド繊維の結節強度は3.5gf/D、好ましくは4.0gf/D以上である。結節強度が3.5gf/D未満ではラケット用ストリングとして用いる場合、ラケットへの装着時にストリングの結び目での破断が生じ、商品としての価値が失われる。
【0014】
本発明の延伸ポリアミド繊維の製造方法は、ジアミン成分としてメタキシリレンジアミン、ジカルボン酸成分としてアジピン酸をそれぞれ70モル%以上含むモノマーを重合して得た結晶性ポリアミドもしくは共重合ポリアミド(A)を少なくとも20重量%含むポリアミド樹脂を単軸もしくは二軸押出機を用いて溶融し、紡糸口金を通して紡出し、紡糸口金面の下方に位置する冷媒浴中に引き取って未延伸糸を得た後、該ポリアミドのガラス転移温度(Tg)以上融点以下の温度条件で2.5〜8.0倍に延伸された延伸ポリアミド繊維を製造する方法に関するものである。
【0015】
特に、本発明においては、上記の方法においてドラフト率(紡糸機の紡糸口金断面積ADと、紡糸機から押し出された後冷却層中で冷却して得られた未延伸糸の断面積AMとの比AD/AM)が、1.0〜3.0、好ましくは1.0〜2.5である。ドラフト率が1.0未満では現実に未延伸糸の作成が困難である。また、3.0を越えると押出、冷却条件が未延伸糸に与える影響が増幅されるため、真円度の高いポリアミド繊維を得るのが困難となる。尚、本発明においては、上記紡糸機から押し出された後冷却層中で冷却して得られた未延伸糸の断面積AMは次式によって規定されるものである。
【0016】
AM(cm2 )=G/(L×ρ)
ここで、G(g)は密度ρ(g/cm3 )の未延伸糸の長さL(cm)の重量を表す。
【0017】
また、本発明の方法においては、紡糸機の溶融樹脂吐出口と冷却用冷媒浴面との間に、糸が急冷されるのを防止するため空気層を介する必要がある。この間に実質的に空気層が存在しない場合は、溶融樹脂が冷媒と接触した際の冷媒の沸騰による糸揺れ、もしくは糸が急冷されるために起こる真空泡の発生等の問題が生じる。
このような点から、上記空気層の厚さ、すなわち紡糸機の溶融樹脂吐出口と冷却用冷媒浴面との間の距離(以下、「エアギャップ」という)は、実用的には、少なくとも10mmであることが望ましい。また、上記空気層が厚すぎると溶融樹脂のドロ−ダウン等により真円度の高いポリアミド繊維を得るのが困難な場合がある。この点から、上記エアギャップは、実用的には、150mm以下であることが好ましい。本発明においては、上記エアギャップは更に好ましくは10〜110mmである。
【0018】
更に、本発明の方法においては、紡糸機から押し出されたポリアミドの糸を冷媒中に引き取るが、この冷媒の温度(T)は該ポリアミド樹脂のガラス転移温度(Tg)との関係においてTg−30≦T≦Tg+10℃の温度範囲である必要がある。冷媒温度をTg−30℃未満にした場合には未延伸糸表面と内部の温度差の問題もしくは急冷による真空泡の発生等の問題が生じる。また、Tg+10℃を越える温度では冷却不足による未延伸糸の潰れ、もしくは未延伸糸の結晶化により延伸が困難になる等の問題が生じる。
また、ポリアミド樹脂として複数の樹脂をブレンドした材料を用いる場合、本発明においてはTgは次式によって定義される値を用いる。
【0019】
Tg(℃)=a×TgA+b×TgB+c×TgC+・・・+n×TgN
ここで、a, b, c, ・・・nは、A,B,C,・・・N各成分のそれぞれの体積分率を示し、TgA,TgB,TgC,・・・・TgNは、A,B,C,・・・N各成分のそれぞれのガラス転移温度(℃)を示す。
本発明の製造方法においては、冷媒温度を従来の一般的な紡糸条件の場合よりも高くすることにより真円度の高い繊維の製造が可能となり、また、従来のような冷媒の冷却装置を必要としない。
【0020】
尚、本発明の製造方法に用いられる、ジアミン成分としてメタキシリレンジアミン、ジカルボン酸成分としてアジピン酸をそれぞれ70モル%以上含むモノマーを重合して得た結晶性ポリアミドもしくは共重合ポリアミド(A)は、前記本発明の延伸ポリアミド繊維に含有されるものと同様のものである。また、溶融・紡出に用いられる単軸もしくは二軸押出機については、通常用いられる種々の押出機を任意に使用することができる。尚、本発明に用いられるポリアミド(A)と他の結晶性ポリアミド(B)の混合は、例えばペレットのような固体同士をそのまま混合して押出機に投入する一般にドライブレンドと呼ばれている方法、もしくは固体同士を一度溶融押出し、再ペレット化したものを原料として用いる一般にメルトブレンドと呼ばれている方法のいずれも行うことが可能である。更に、本発明は該ポリアミドのTg以上融点以下の温度条件で2.5〜8.0倍に延伸された延伸ポリアミド繊維を製造する方法に関するものである。
【0021】
本発明は、真円度が97〜100%の範囲である延伸ポリアミド繊維およびその製造方法に係る発明である。ここで真円度(%)は次式によって定義される値であり、この値が100%に近づくほどそのモノフィラメントの断面形状は真円に近づく事になる。
【0022】
【化1】
Figure 0003738794
【0023】
〔式中、RSi はn個の測定部位におけるi点における繊維短径(mm)を表し、RMi はn個の測定部位におけるi点における糸径中央値(mm)を表す。〕
【0024】
繊維の真円度が97%未満では二次加工後の製品、例えば、最近のテニスガットのような多層構造糸、製紙用ろ布材のような織布あるいは不織布等の形状が一定にならず、商品価値を失う原因となる。また、精密に加工された物品の間隙や孔に繊維を通しにくい、二次加工用機器への適合性が低い等の問題が生ずる。
【0025】
本発明によれば、延伸ポリアミド繊維としては、最終的な延伸後のその径が0.05〜2mm、好ましくは0.1〜1.5mmのものを製造可能である。
また、本発明に使用するポリアミド樹脂には、必要に応じ、熱老化防止剤、着色防止剤、架橋防止剤、耐候性改良剤、紫外線吸収剤、顔料、制電剤、難燃剤等の無機あるいは有機化合物を単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。
【0026】
なお、本発明の製造方法に使用される冷媒としては、水、グリセリン、流動パラフィン、シリコンオイル、ハイドロカーボン系オイル、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール等を用いることができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明する。なお、延伸糸の各強度及びヤング率の測定については、JIS L 1013「化学繊維フィラメント糸試験方法」に従って行った。また、延伸糸径測定に関しては延伸糸上の任意の点における短径と長径の測定を10cm間隔の100点について行った。
尚、表1〜4においては、ポリアミドMXD6をN−MXD6と記す。
【0028】
実施例1
ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)製、商品名:6007)を単軸押出機を用いて溶融し、紡糸温度を260℃として紡糸口金を通して紡出し、ドラフト率1.1、エアギャップ100mmの条件で温度70℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。
延伸は延伸2段、熱固定1段で実施し、延伸手段として第1段延伸域に温度90℃の温水浴を、第2段延伸域に220℃の乾熱空気浴を、熱固定域に280℃の乾熱空気浴を用い、延伸条件としては全延伸倍率を5.0、2段延伸倍率を1.2、弛緩率を5%とした。製造速度は48m/minとした。上記方法により単繊維を得た。得られたポリアミド繊維の糸径と真円度を表1に示す。
【0029】
実施例2
実施例1で用いたものと同一のポリアミドMXD6を単軸押出機を用いて溶融し、紡糸温度を260℃として紡糸口金を通して紡出し、ドラフト率2.3、エアギャップ100mmの条件で温度90℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。
延伸は延伸2段、熱固定1段で実施し、延伸手段として第1段延伸域に温度90℃の温水浴を、第2段延伸域に240℃の乾熱空気浴を、熱固定域に280℃の乾熱空気浴を用い、延伸条件としては全延伸倍率を5.2、2段延伸倍率を1.2、弛緩率を5%とした。製造速度は75m/minとした。上記方法により単繊維を得た。得られたポリアミド繊維の糸径と真円度を表1に示す。
【0030】
実施例3
実施例1で用いたものと同一のポリアミドMXD6とポリアミド6(宇部興産(株)製、商品名:1011FB)を重量比80/20でドライブレンドにより溶融紡糸し、紡糸温度を260℃として紡糸口金を通して紡出し、ドラフト率2.3、エアギャップ100mmの条件で温度70℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。
延伸は実施例2と同様の方法により単繊維を得た。得られたポリアミド繊維の糸径と真円度を表1に示す。
【0031】
実施例4
実施例3で用いたものと同一のポリアミドMXD6とポリアミド6を重量比30/70でドライブレンドにより溶融し、紡糸温度を240℃として紡糸口金を通して紡出し、ドラフト率2.5、エアギャップ100mmの条件で温度30℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。延伸条件としては全延伸倍率を5.1、2段延伸倍率を1.5、弛緩率を10%とした。製造速度は78m/minとした。上記方法により単繊維を得た。得られたポリアミド繊維の糸径と真円度を表2に示す。
【0032】
実施例5
実施例3で用いたものと同一のポリアミドMXD6とポリアミド6を重量比30/70でドライブレンドにより溶融し、紡糸温度を240℃として紡糸口金を通して紡出し、ドラフト率2.5、エアギャップ10mmの条件で温度30℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。実施例4と同様の方法により単繊維を得た。
得られたポリアミド繊維の糸径と真円度を表2に示す。
【0033】
実施例6
実施例3で用いたものと同一のポリアミドMXD6とポリアミド6を重量比20/80でドライブレンドにより溶融し、紡糸温度を240℃として紡糸口金を通して紡出し、ドラフト率2.7、エアギャップ100mmの条件で温度30℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。延伸は、実施例4と同様の方法で行い、単繊維を得た。得られたポリアミド繊維の糸径と真円度を表2に示す。
【0034】
実施例7
実施例3で用いたものと同一のポリアミドMXD6とポリアミド66(宇部興産(株)製,商品名:2015B)を重量比95/5でドライブレンドにより溶融し、実施例2と同様の方法により単繊維を得た。得られたポリアミド繊維の糸径と真円度を表3に示す。
【0035】
実施例8
実施例7で用いたものと同一のポリアミドMXD6とポリアミド66を重量比80/20でドライブレンドにより溶融し、実施例3と同様の方法により単繊維を得た。得られたポリアミド繊維の糸径と真円度を表3に示す。
【0036】
比較例1
実施例3で用いたものと同一のポリアミドMXD6とポリアミド6を重量比10/90でドライブレンドにより単軸押出機を用いて溶融し、紡糸温度を260℃として紡糸口金を通して紡出し、ドラフト率2.7、エアギャップ10mmの条件で温度6.5℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。延伸は実施例4と同様の方法で行い単繊維を得た。得られたポリアミド繊維の糸径と真円度を表4に示す。
【0037】
比較例2
実施例3で用いたものと同一のポリアミドMXD6とポリアミド6を重量比30/70でドライブレンドにより単軸押出機を用いて溶融し、紡糸温度を260℃として紡糸口金を通して紡出し、ドラフト率2.5、エアギャップ100mmの条件で温度5℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。延伸は実施例4と同様の方法で行い単繊維を得た。得られたポリアミド繊維の糸径と真円度を表4に示す。
【0038】
比較例3
実施例3で用いたものと同一のポリアミドMXD6とポリアミド6を重量比30/70でドライブレンドにより単軸押出機を用いて溶融し、紡糸温度を260℃として紡糸口金を通して紡出し、ドラフト率4.0、エアギャップ100mmの条件で温度30℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。延伸は実施例4と同様の方法で行い、単繊維を得た。得られたポリアミド繊維の糸径と真円度を表4に示す。
【0039】
比較例4
実施例7で用いたものと同一のポリアミドMXD6とポリアミド66を重量比80/20でドライブレンドにより単軸押出機を用いて溶融し、紡糸温度を260℃として紡糸口金を通して紡出し、ドラフト率4.0、エアギャップ100mmの条件で温度70℃の水浴中に引き取り、一旦巻き取ることなく連続して延伸した。
延伸は実施例2と同様の方法で行い、単繊維を得た。得られたポリアミド繊維の糸径と真円度を表4に示す。
【0040】
【発明の効果】
本発明によって得られた延伸ポリアミド繊維は高強度、高弾性率であり、高い真円度を示すため、ラケット用ストリング、ゴム補強材、製紙用ろ布材等のスポーツ用品や工業用資材等の用途に有用である。
【0041】
【表1】
Figure 0003738794
【0042】
【表2】
Figure 0003738794
【0043】
【表3】
Figure 0003738794
【0044】
【表4】
Figure 0003738794

Claims (4)

  1. ジアミン成分としてメタキシリレンジアミン、ジカルボン酸成分としてアジピン酸をそれぞれ70モル%以上含むモノマーを重合して得た結晶性ポリアミドもしくは共重合ポリアミド(A)を少なくとも20重量%含むポリアミド樹脂を単軸もしくは二軸押出機を用いて溶融し、紡糸口金を通して紡出し、紡糸口金面の下方に位置する冷媒浴中に引き取って未延伸糸を得た後、該ポリアミドのガラス転移温度(Tg)以上融点以下の温度条件で2.5〜8.0倍に延伸された延伸ポリアミド繊維を製造する方法であって、紡糸機の紡糸口金断面積ADと、紡糸機から押し出された後冷媒浴中で冷却して得られた未延伸糸の断面積AMとの比AD/AMが1.0〜3.0であり、紡糸機の溶融樹脂吐出口と冷却用冷媒浴面との間に空気層を介し、かつ紡糸機から押し出された糸を引き取る冷媒浴の温度(T)がTg−30≦T≦Tg+10℃の範囲であることを特徴とする延伸ポリアミド繊維の製造方法。
  2. ポリアミド(A)を少なくとも20重量%含むポリアミド樹脂が、更に、ポリアミド(A)以外の他の結晶性ポリアミド(B)を80重量%以下含むものであることを特徴とする請求項1記載の延伸ポリアミド繊維の製造方法。
  3. 結晶性ポリアミド(B)が、ポリアミド6、ポリアミド66及びポリアミド6成分とポリアミド66成分とからなる共重合体から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項2記載の延伸ポリアミド繊維の製造方法。
  4. 紡糸機の溶融樹脂吐出口と冷却用冷媒浴面との間の距離が10〜150mmであることを特徴とする請求項1記載の延伸ポリアミド繊維の製造方法。
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