JP3736732B2 - 車両用ナビゲーション装置及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車等の移動体に搭載して好適な車両用ナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、代表的な車両である自動車の分野においては、目的地への経路誘導を行うナビゲーション装置が普及している。
【0003】
また、近年においては、通信機能を備えるナビゲーション装置も提案されており、このような通信機能を備えるナビゲーション装置として、例えば特開平10−105897号には、自車両に搭載されたCDやDVD等の記憶媒体に予め格納された地図情報に基づいて、表示器に地図画像を表示するに際して、他車両の現在位置を表わす位置情報とメッセージ情報とを受信したときには、その位置情報に対応するシンボル画像を含む地図画像と、受信したメッセージの内容とを表示するナビゲーション装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の通信機能を備えるナビゲーション装置は、位置情報とメッセージ情報とを交換することはできるが、同じ機能を備えるナビゲーション装置同士の通信に限られ、移動軌跡や過去に撮影された画像等は送信することができない。
【0005】
従って、例えば、上記のようなナビゲーション装置が搭載された車両により旅行等で移動している人は、移動中の状況を同様な機能のナビゲーション装置を所有しない他の車外の人に対して知らせるのは容易ではない。
【0006】
そこで本発明は、自車両の移動軌跡を送信する車両用ナビゲーション装置及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る車両用ナビゲーション装置は、以下の構成を特徴とする。
【0008】
即ち、自機の現在位置を検出する現在位置検出手段と、検出された現在位置を表わす位置情報を、外部通信装置に対して送信する通信制御手段とを備える車両用ナビゲーション装置であって、前記現在位置検出手段は、検出した現在位置を表わす位置情報を時系列に複数地点にわたって格納することにより、過去の移動軌跡を記憶する記憶手段を含み、前記通信制御手段は、前記現在位置を表わす位置情報と共に、前記記憶手段から時系列に読み出した複数地点の位置情報を、所定の外部通信装置に対して送信し、前記通信制御手段は、更に、前記現在位置を表わす位置情報、その現在位置の周辺地域を表わす地図情報、並びに前記複数地点の位置情報に基づいて、前記現在位置と、前記複数地点の位置情報によって表される過去の移動軌跡とを識別可能なシンボル画像を含む前記周辺地域の地図画像を表わす地図画像情報を生成すると共に、その地図画像情報を、前記所定の外部通信装置に対して送信することを特徴とする。
更に、上記の車両用ナビゲーション装置として動作可能な制御プログラムコードが格納されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を特徴とする。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、自車両の移動軌跡を送信する車両用ナビゲーション装置の提供が実現する。これにより、例えば、本発明に係るナビゲーション装置が搭載された車両により旅行等で移動している人は、他の車外の人に対して、移動中の状況を知らせることができる。そして、外部通信装置が地図情報やナビゲーション装置と同じ画像表示機能を備えていなくても、地図画像を表示することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用ナビゲーション装置及びその情報通信方法を、自動車に搭載されたナビゲーションユニットに適用した実施形態として、図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
はじめに、本実施形態におけるナビゲーションユニットの装置構成、並びに、そのナビゲーションユニットと外部通信装置とによって構成される通信システムの全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
【0031】
図1は、本実施形態に係るナビゲーションユニットが搭載された自動車の運転席周辺の機器配置を例示する図である。
【0032】
同図において、1は、ナビゲーションユニットであり、例えば車室内のセンタコンソールに操作パネルを露出した状態で埋設される。2は、ナビゲーションユニット1の各種操作が可能なナビ操作モジュールであり、例えばレンジシフトレバーの近傍等に設けられる。ナビ操作モジュール2には、ナビゲーション機能を操作するスイッチ、デジタルカメラ4から写真情報(画像情報)を取り込むためのスイッチ、或いは携帯電話3を介して外部装置とのデータの送受信を行うためのスイッチ等が統合された操作スティックが設けられており、操作者は、ディスプレイ8等の表示画面を参照しながら、ナビゲーションユニット1の各種操作を行う。
【0033】
3は、ナビゲーションユニット1に着脱可能に接続される携帯電話である。4は、ナビゲーションユニット1に着脱可能に接続されるデジタルカメラであり、写真データを外部通信装置に対して送信しないのであれば、接続する必要は無い。
【0034】
本実施形態において、デジタルカメラ4には、CCD(Charg-Coupled Device)等の撮像デバイスを含む一般的な撮影機能の他に、撮影方向を検出可能なコンパス42、並びに受信したGPS信号に基づいて現在位置を検出するGPSセンサ43が備えられており、デジタルカメラ4によって撮影された写真データ(画像データ)には、写真1枚づつ個別の識別(ID)データ、撮像デバイスによって生成された写真データ、GPSセンサ43によって検出された撮影位置を表わす座標データ(緯度、経度、標高)、コンパス42によって検出された方位データ、並びに当該写真データが生成された日付データの各フィールドからなるデータフォーマットを有する。
【0035】
尚、写真データは、上記の如くデジタルカメラ4により入手したデータに限られるものではなく、例えばスキャナを用いて外部のパーソナルコンピュータに入手した写真データを、携帯電話3等を用いた通信ラインを介して入手しても、或いは着脱可能な記憶媒体を介して入手しても良い。
【0036】
6は、ナビゲーションユニット1に対して乗員が音声を入力するマイクと、当該ユニットから出力される音声信号が出力されるスピーカとを備えるスピーカ・マイクユニットであり、携帯電話3による通話や、音声出力によるガイダンス等に使用される。スピーカ・マイクユニット6は、一例として車両のAピラーに埋設される。7は、ナビゲーションユニット1による経路誘導情報や車速等の各種情報が表示されるヘッドアップディスプレイ(HUD)である。8は、ダッシュボードに設けられたディスプレイであり、ヘッドアップディスプレイ7と同様な情報や、更に詳細な車両の作動状態等のモニタ情報等が表示される。
【0037】
図2は、本実施形態における通信システムの全体構成と、ナビゲーションユニット及び外部通信装置の概略構成を示す図である。
【0038】
<ナビゲーションユニット1>
同図において、ナビゲーションユニット1には、図1を参照して上述したように、ナビ操作モジュール2、携帯電話3、デジタルカメラ4、マイク・スピーカユニット6、HUD7、そしてディスプレイ8が不図示のインタフェースを介して接続されており、マイクロコンピュータ11は、予めROM等に格納された制御プログラムを実行することにより、地図データ12、GPS(グローバルポジショニングシステム)センサ13やジャイロ等のセンサ出力信号に基づいて、一般的な手法により現在位置の検出や、所望の目的地への経路誘導等を行うと共に、外部通信装置としての据置型の通信装置9との通信処理(詳細は後述する)を行う。
【0039】
ここで、地図データ12は、DVD−RAMドライブ等の不図示のドライブユニットを含み、道路、鉄道、河川等のルートを表わす位置情報、地名、店舗や民家、並びにそれらの電話番号及び住所等の各種情報が格納されたDVD等の記憶媒体から読み出したデータである。
【0040】
また、地図データ12は、所定の規格に基づくデータフォーマットを有しており、上記の位置情報は、GPS信号等に基づくマップマッチング等の一般的なナビゲーション処理を実現すべく、所定の座標系における座標値を表わす座標情報(緯度データ、経度データ)からなり、且つその座標情報には、ディスプレイ8に乗員(操作者)が認識可能な地図画像を表示するために、その座標情報に対応する地点の属性情報(道路及びその等級、鉄道、河川、店舗等の識別情報)が各地点毎に予め関連付けされている。
【0041】
<通信装置9>
また、図2において、通信装置9は、マイクロコンピュータ91、ディスプレイ92、スピーカ93、マイク94、ハードディスク等の記憶装置95、そしてモデム(或いはターミナル・アダプタ)96が備えられており、携帯電話3との音声やデータの双方向通信可能な通信機能を備えるところの、例えば家庭用のパーソナルコンピュータや所謂テレビ電話等の情報機器が想定される。
【0042】
マイクロコンピュータ91は、予めROMや記憶装置95等に格納された制御プログラムを実行することにより、モデム96を介して、一般的な手順に基づいて市中の公衆回線に通信ラインを確立する機能を有すると共に、ナビゲーションユニット1との通信処理(詳細は後述する)を行う。
【0043】
尚、通信装置9は、本実施形態の特徴を容易に説明すべく据置型の通信装置として説明するが、据置型に限られるものではなく、自機の現在位置を検出する、或いは外部より入手する機能と、ナビゲーション1に接続された携帯電話3との音声やデータの双方向通信可能な通信機能とを備えていれば、携帯型の情報端末(PDA)であっても良い。
【0044】
上記のような装置構成を備えるナビゲーションユニット1の携帯電話3と、通信装置9は、交換局15及びその送受信アンテナ16を介して、市中の公衆回線を利用した1対1の通信ラインを確立する。本実施形態において使用する公衆回線としては、アナログ方式またはデジタル方式の電話回線であっても、パケット通信が可能な回線であっても良い。
【0045】
[データ通信処理]
ここで、上述したナビゲーションユニット1及び通信装置9により行われる動作制御処理に含まれるところの、データ通信処理について概説する。
【0046】
ナビゲーションユニット1は、通信ラインを介して、当該ユニットが搭載された自動車(車両)の現在位置周辺地域の地図画像(図6参照)を表わす地図画像情報を、通信装置9に送信する。この地図画像情報には、ナビゲーションユニット1の現在位置、自車両の過去の移動軌跡、目的地への経路誘導路を識別可能なシンボル画像の情報、そして移動軌跡に対応する通過時刻(日時)、メッセージ、写真(またはそのサムネイル画像)の情報が含まれており、この地図画像情報のデータ形式は、一般的なパーソナルコンピュータで容易に再生可能な、所謂ビットマップ、JPEG、GIF等のデータ形式を、使用する通信ラインのデータ転送速度、どの程度詳細な地図画像を通信装置9側にて表示するかに応じて選択すれば良い。
【0047】
本実施形態によれば、当該地図画像情報を受信した通信装置9は、ナビゲーションユニット1の地図データ12と同じ規格の地図情報及びその地図情報に基づく地図画像の表示処理モジュール(ソフトウエアまたはハードウエア)を自機に備えていなくても、受信した地図画像情報をディスプレイ92に容易に表示することができ、通信装置9の操作者は、表示された地図画像を見ることにより、ナビゲーションユニット1が搭載された自動車の所在地、移動の経過を容易に認識することができる。
【0048】
次に、ナビゲーションユニット1及び通信装置9の動作制御処理について詳細に説明する。尚、本実施形態において、ナビゲーションユニット1は、当該ユニットが搭載された自動車のバッテリから電源を供給されており、イグニッションがオフ状態であっても、後述する通信処理は実行可能な装置構成とする。
【0049】
<ナビゲーションユニット1の動作制御処理>
図3は、本実施形態におけるナビゲーションユニット1の動作制御処理を示すフローチャートであり、マイクロコンピュータ11が実行するソフトウエアの手順を表わす。
【0050】
同図において、ステップS1,ステップS2:ナビゲーション1が搭載された自動車のイグニッションキースイッチ(不図示)がオン状態に操作されたかを判断し(ステップS1)、この判断でNO(イグニッション:オフ)のときにはステップS7に進み、YES(イグニッション:オン)のときにはGPSセンサ13の出力信号等に基づいて、一般的な手法により自車両の現在位置(緯度・軽度データ等からなる座標情報)を算出する(ステップS2)。
【0051】
ステップS3,ステップS4:ステップS2にて算出した現在位置の座標情報に基づいて、地図データ12から現在位置周辺の地図情報を読み出し(ステップS3)、設定された所望の目的地への経路誘導路の設定処理を行う(ステップS4)。
【0052】
ステップS5,ステップS6:現在位置、その周辺地域、走行軌跡(経路誘導路)等を含む地図画像を、一般的なナビゲーション装置と同様な手順により、ステップS3にて読み出した地図情報を利用して、乗員によって設定された所望の縮尺でディスプレイ8に表示する(ステップS5)と共に、マイク・スピーカユニット6やHUD7を利用した経路誘導等の所定のナビゲーション処理を行う(ステップS6)。
【0053】
ステップS7:外部の通信装置に送信すべき各種のデータを記憶するデータ記憶処理を行う。
【0054】
ステップS8:本実施形態の特徴となるデータ通信処理を行う。
【0055】
尚、上述したステップS1からステップS6の各ステップにおける処理は、一般的な手法によるものとし、本実施形態における詳細な説明は省略する。
【0056】
図4は、本実施形態におけるナビゲーションユニット1のデータ記憶処理を示すフローチャートであり、図3のステップS7の詳細を示す。
【0057】
同図において、ステップS11〜ステップS13:所定の時間周期(例えば10分程度)が経過したかを判断し(ステップS11)、この判断でNOのとき(所定時間が経過していないとき)にはステップS14に進み、YESのとき(所定時間が経過したとき)には、ステップS2にて検出した現在位置及びその現在位置における時刻を、EEPROM(不図示)等のメモリに記憶し(ステップS12)、更にステップS4にて経路誘導路が設定されているときには、その経路誘導路を表わす経路誘導路情報を、当該メモリに記憶する(ステップS13)。これらのステップにより、当該メモリには、現在位置が当該所定の時間周期で時系列に格納されるため、係る時系列の位置情報は、自車両の移動軌跡を表わす情報として使用することができる。
【0058】
ステップS14,ステップS15:デジタルカメラ4からの写真データの入力操作が行われたかを判断し(ステップS14)、この判断でNO(当該操作無し)のときにはステップS16に進み、YES(当該操作有り)のときには、入力される写真データを、その写真データに関連づけされている撮影位置の座標データ(緯度、経度、標高)、撮影方向の方位データ、並びに当該写真データが生成された日付データと共に、EEPROM(不図示)等のメモリに記憶する(ステップS15)。
【0059】
ステップS16,ステップS17:ナビ操作モジュール2等の操作により、コメント(メッセージ)の入力操作が行われたかを判断し(ステップS16)、この判断でNO(入力操作無し)のときにはステップS18に進み、YES(入力操作有り)のときには、入力されるメッセージデータを、ステップS2にて検出した現在位置及びその現在位置における時刻に関連付けした状態で、EEPROM(不図示)等のメモリに記憶する(ステップS17)。
【0060】
ステップS18,ステップS19:ナビゲーション1が搭載された自動車のイグニッションキースイッチ(不図示)の操作状態(オン・オフ状態)に変化があったかを判断し(ステップS18)、この判断でNO(操作状態の変化無し)のときには処理を終了(即ち、図3のステップS8に進み)し、YES(操作状態の変化有り)のときには、当該スイッチの操作状態を、ステップS2にて検出した現在位置及びその現在位置における時刻に関連付けした状態で、EEPROM(不図示)等のメモリに記憶し(ステップS19)、処理を終了する。
【0061】
図5は、本実施形態におけるナビゲーションユニット1のデータ通信処理を示すフローチャートであり、図3のステップS8の詳細を示す。
【0062】
同図において、ステップS21:ナビ操作モジュール2等の操作により、データ送信を開始可能な所定の送信スイッチのオン操作が行われたかを判断し、この判断でYES(当該スイッチの操作有り)のときには、ステップS26に進み、NO(当該スイッチの操作無し)のときにはステップS22に進む。
【0063】
ステップS22,ステップS23:データ送受信の許容・禁止を設定可能な所定のスイッチの設定状態を判断することにより、データ送受信の許可モードが設定されているかを判断し(ステップS22)、この判断でYES(許可モード)のときにはステップS23に進み、NO(禁止モード)のときにはステップS24に進む。そして、ステップS23では、外部の通信装置(通信装置9)からデータ送信をリクエストする所定の信号を受信したかを判断し、この判断でYESのとき(当該信号を受信したとき)にはステップS26に進み、NOのとき(当該信号を受信しないとき)にはステップS24に進む。尚、使用する通信ラインが電話回線の場合は、リクエスト信号を受信するために回線が確立したものとする。
【0064】
ステップS24,ステップS25:外部の通信装置へのデータ送信を自動的に行う自動送信モードが設定されているかを判断し、この判断でYES(自動送信モード)のときにはステップS25に進み、NOのとき(マニュアル送信モードのとき)には処理を終了する(即ち、図3のステップS1に戻る)。
【0065】
ステップS25:前回データを送信してから所定の時間周期(例えば10分程度)が経過した場合、外部の通信装置に前回データを送信した時点からデータを送信しない状態で自車両が走行した距離が所定距離を越えた場合、或いは送信すべき画像データが表わす地図画像の縮尺レベルが所定の縮尺率より大きく(即ち、広範囲な地図画像)なる場合の何れかに相当するかを判断し、この判断で何れかの場合に相当するときにはステップS26に進み、何れの場合にも相当しない場合には処理を終了する。
【0066】
ここで、送信すべき画像データが表わす地図画像の縮尺レベルが所定の縮尺率より大きくなる場合とは、例えば、設定されている経路誘導路の目的地と、次回のデータ送信時に送信すべきデータであってメモリに記憶された未だ送信していない過去の現在位置との距離が離れ過ぎており、それら2ヶ所の位置が当該所定の縮尺率の地図画像には納まらない場合である。
【0067】
ステップS26,ステップS27:ステップS7(データ記憶処理:図4)にて記憶したデータ(最新及び過去の現在位置情報、写真情報、メッセージ情報、イグニッションの操作状態情報等)を当該メモリから読み出し(ステップS26)、読み出したデータの中から今回送信すべきデータを選択する(ステップS27)。ステップS27における選択の基準としては、データの通信量を最小限にすべく、前回のデータ送信では送信しなかったデータ或いは当該メモリに記憶されていなかったデータ、最新の現在位置から所定時間前までの現在位置までのデータ、或いは所定距離を走行する間に記憶したデータを選択する。
【0068】
ステップS28,ステップS29:GPSセンサ13の出力信号等に基づいて、一般的な手法により自車両の現在位置(緯度・軽度データ等からなる座標情報)を算出し(ステップS28:上述した図3のステップS2にて算出した座標情報を利用しても良い)、データを送信すべき相手先の電話番号に従って地図データ12を参照することにより、その相手先の所在地を検出すると共に、自車両の現在位置及び相手先の所在地を含む周辺地域の地図データ(座標情報)を、地図データ12から読み出す(ステップS29)。
【0069】
ステップS30:データを送信すべき相手先(ステップS23にて受信を検出した送信リクエスト信号の送信元、またはステップS21にて操作を検出した自車両の乗員が所望する相手先)がナビゲーションユニット1と同様な規格の地図データを有し、当該ユニットと同様な手順に従って地図画像を表示可能な装置か、或いは一般的なパーソナルコンピュータの如く地図データを有しない装置であるかを判断し、この判断でYES(地図データを有する)のときにはステップS31に進み、NOのときにはステップS32に進む。本ステップにおける判断方法としては、ナビゲーションユニット1から相手先の装置に対して所定の確認信号を送信し(尚、ステップS21にて操作を検出した自車両の乗員が所望する相手先の場合は、通信ラインを確立する処理を含む)、その確認信号に対する所定のレスポンス信号を受信するか否かで判断すれば良い。
【0070】
ステップS31:ステップS30の判断で、当該相手先の装置はナビゲーションユニット1と同様な地図データ及びそのデータに基づく地図画像表示機能を備えると判断されたので、ステップS27にて選択したデータ(座標情報からなる現在位置情報、移動軌跡を表わす過去の現在位置情報、並びに経路誘導路情報等)をそのままのデータ形式で送信し、処理を終了する。
【0071】
ステップS32:ステップS30の判断で、当該相手先の装置はナビゲーションユニット1と同様な地図データ及びそのデータに基づく地図画像表示機能は備えていないと判断されたので、その相手先の通信装置にてナビゲーションユニット1のディスプレイ8に表示される地図画像と同様な画像を表示するためには、一般的なパーソナルコンピュータで容易に再生可能な、所謂ビットマップ、JPEG、GIF等のデータ形式の地図画像情報を送信する必要がある。そこで、本ステップでは、ステップS29にて読み出した地図データ(座標情報)を、上記の何れかのデータ形式の画像データ(地図画像情報)に変換する。
【0072】
ここで、座標情報から画像データへの変換の方法としては、上述したように、座標情報には、ディスプレイ8に乗員(操作者)が認識可能な地図画像を表示するために、その座標情報に対応する地点の属性情報(道路及びその等級、鉄道、河川、店舗等の識別情報)が各地点毎に予め関連付けされているので、属性情報の種類毎に予め変換すべき色情報(例えば、道路は白、鉄道は黒、河川は青、経路誘導路は赤等)を予め設定しておき、その設定に従って、画像データに変換すべき範囲の座標情報に予め関連付けされている個々の属性情報を、それぞれ色情報に変換すれば良い。
【0073】
また、ステップS32では、属性情報の全ての種類について色情報の変換を行うと、送信する画像データのデータ量が大きくなるので、属性情報のうち所定の属性情報(店舗や民家)については、その属性情報が表わす属性を操作者が認識可能な色情報への変換を行わずに、例えば緑色等の地図画像の背景色に設定とすることにより、所定の圧縮形式の画像データとして送出するに際して、送信データ量が少ない簡略化された地図画像情報を生成することができる。
【0074】
また、ステップS32では、通信相手先の所在地が遠方であり、ステップS25の説明における所定の縮尺率の地図画像には納まらない場合、送信すべき地図画像の一部(例えば図6の如く右下角の部分)に、自車両の現在位置と当該通信相手先の所在地とが含まれる程度の高縮尺率(広範囲の)の地図画像(簡易地図画像)を合成すると良い。
【0075】
図6に示す地図画像の例においては、自車両の移動軌跡及びその通過時刻、現在位置及びその先の経路誘導路、写真データのサムネイル、メッセージ等が含まれており、この場合、通信相手先の所在地が遠方であり、ステップS25の説明における所定の縮尺率の地図画像には納まらないので、図6の地図画像の右下角の部分には、自車両の現在位置と当該通信相手先の所在地とが含まれる程度の縮尺率の地図画像(簡易地図画像)を合成すると良い。
【0076】
ステップS33,ステップS34:ステップS32にて入手した画像データ(地図画像情報)に、ステップS27にて選択した送信すべきデータを、ステップS32と同様な方法で合成することにより、図6に例示するような地図画像を表わす画像データを生成し(ステップS33)、生成した画像データを、当該相手先の通信装置に、現在確立されている通信ラインを介して送信し(ステップS34)、処理を終了する。
【0077】
<通信装置9の動作制御処理>
次に、ナビゲーションユニット1と同様な地図データ及びそのデータに基づく地図画像表示機能は備えていない通信装置9において行われる動作制御処理について説明する。
【0078】
図7は、本実施形態における通信装置9の動作制御処理を示すフローチャートであり、マイクロコンピュータ91が実行するソフトウエアの手順を表わす。
【0079】
同図において、ステップS41,ステップS42:地図画像情報の送信を要求する所定の操作が行われたかを判断し(ステップS41)、この判断でNO(当該操作無し)のときはリターンし、YES(当該操作有りのときには、入力された携帯電話3の電話番号に対する通信ラインを確立すると共に、確立した通信ラインを介して、その携帯電話3が接続されているナビゲーションユニット1に地図画像情報の送信を要求する所定の送信リクエスト信号を送信する。
【0080】
ステップS43,ステップS44:現在確立されている通信ラインを介して、ナビゲーションユニット1から地図画像等を含む画像データを受信したかを判断し(ステップS43)、この判断でNOのとき(受信しないとき)はリターンし、YESのとき(受信したとき)には、受信した画像データに従って、ディスプレイ92に地図画像(図6参照)を表示する。
【0081】
上述した本実施形態によれば、ナビゲーションユニット1が搭載された自動車の移動軌跡、経路誘導路、写真情報、メッセージ等を外部の通信装置に対して送信することができるので、その外部の通信装置がナビゲーションユニット1と同様な地図データ及びそのデータに基づく地図画像表示機能を有する場合であっても、上述した通信装置9のように当該機能を有していない装置の場合であっても、相手側の装置の操作者に自車両の移動の経過を報知することができ、利便性が向上する。
【0082】
尚、上述した本実施形態においては、ナビゲーションユニット1と通信装置9とが通信ラインを介して直接通信を行う構成を例に説明したが、この実施形態構成に限られるものではない。例えば、インターネットサービスプロバイダのサーバを介する一般的な電子メールの送受信形態と同様に、ナビゲーションユニット1から送信された画像データ等を市中の情報センタに備えられたサーバコンピュータに一時的に格納しておき、格納された画像データ等を、通信装置9の操作者が所望のタイミングで通信装置9にダウンロードするシステム構成を採用しても、本実施形態と同様な効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るナビゲーションユニットが搭載された自動車の運転席周辺の機器配置を例示する図である。
【図2】本実施形態における通信システムの全体構成と、ナビゲーションユニット及び外部通信装置の概略構成を示す図である。
【図3】本実施形態におけるナビゲーションユニット1の動作制御処理を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態におけるナビゲーションユニット1のデータ記憶処理を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態におけるナビゲーションユニット1のデータ通信処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態において通信装置9にて表示可能な地図画像の表示例を示す図である。
【図7】本実施形態における通信装置9の動作制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:ナビゲーションユニット,
2:ナビ操作モジュール,
3:携帯電話,
4:デジタルカメラ,
6:スピーカ・マイクユニット,
7:ヘッドアップディスプレイ(HUD),
8,92:ディスプレイ,
9:通信装置,
11,91:マイクロコンピュータ,
12:地図データ,
13,41:GPSセンサ,
15:交換局,
16:送受信アンテナ,
42:コンパス,
93:スピーカ,
94:マイク,
95:記憶装置,
96:モデム,
Claims (4)
- 自機の現在位置を検出する現在位置検出手段と、検出された現在位置を表わす位置情報を、外部通信装置に対して送信する通信制御手段とを備える車両用ナビゲーション装置であって、
前記現在位置検出手段は、検出した現在位置を表わす位置情報を時系列に複数地点にわたって格納することにより、過去の移動軌跡を記憶する記憶手段を含み、
前記通信制御手段は、前記現在位置を表わす位置情報と共に、前記記憶手段から時系列に読み出した複数地点の位置情報を、所定の外部通信装置に対して送信し、
前記通信制御手段は、更に、
前記現在位置を表わす位置情報、その現在位置の周辺地域を表わす地図情報、並びに前記複数地点の位置情報に基づいて、前記現在位置と、前記複数地点の位置情報によって表される過去の移動軌跡とを識別可能なシンボル画像を含む前記周辺地域の地図画像を表わす地図画像情報を生成すると共に、その地図画像情報を、前記所定の外部通信装置に対して送信する
ことを特徴とする車両用ナビゲーション装置。 - 前記現在位置を表わす位置情報、前記周辺地域を表わす地図情報、並びに前記複数地点の位置情報は、所定の座標系における座標値を表わす座標情報であり、且つその座標情報には、その座標情報に対応する地点の属性情報が各地点毎に予め関連付けされており、
前記通信制御手段は、前記現在位置、前記周辺地域、並びに前記複数地点を表わす座標情報に予め関連付けされている属性情報を、前記属性情報の種類毎に予め設定されている色情報に変換することにより、前記地図画像情報を生成する
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ナビゲーション装置。 - 前記通信制御手段は、前記地図画像情報を生成するときに、前記属性情報のうち所定の属性情報については、その属性情報が表わす属性を操作者が認識可能な前記色情報への変換を行わないことにより、前記シンボル画像を含む周辺地域の簡略化された地図画像を生成する
ことを特徴とする請求項2記載の車両用ナビゲーション装置。 - 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車両用ナビゲーション装置として動作可能な制御プログラムコードが格納されている
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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