JP3729811B2 - イオン注入装置およびイオン注入方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のウェハに対してバッチ処理方式によってイオン注入を行なうイオン注入装置およびイオン注入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造時に不純物を導入する手法として、制御性に優れたイオン注入法が一般的に用いられている。不純物の導入量が比較的少ない場合のイオン注入、例えばトランジスタのスレッショールド電圧(Vt)の制御やチャンネルストッパの形成等におけるイオン注入は、多くの場合、枚葉処理方式の中電流イオン注入装置を用いて処理が行なわれる。
【0003】
一方、不純物の導入量が多い場合のイオン注入、例えばトランジスタのソース/ドレインの形成やエクステンションの形成等におけるイオン注入は、一般に、複数枚のウェハを同時に処理できるバッチ処理方式の大電流イオン注入装置を用いて処理が行なわれる。なお、ここでいうエクステンションとは、トランジスタのチャネルを規定する極浅ドレイン層のことを言う。
【0004】
ところで、バッチ処理方式によってイオン注入を行なう場合は、各ウェハにイオンビームを照射する必要がある。しかし、イオンビームをスキャン(偏向)させることは困難であると言える。このため、大電流イオン注入装置では、イオンビームの照射方向を固定し、代わりに、照射対象となるウェハをX方向やY方向に動かすことによりイオン注入が行なわれる。
【0005】
また、イオンビームの照射時に、X方向やY方向へと、ウェハに機械的な直線方向の動きをさせることも難しいといえる。このため、複数枚のウェハを載せることが可能な大きさの円形の台(一般に「ディスク」と呼ばれる。)の上に、円周方向に沿って複数枚のウェハを配置し、ディスクを高速回転させることによって、各ウェハにイオンビームを照射するイオン注入装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このイオン注入装置について図2〜6を用いて説明する。
【0006】
図2は、従来のバッチ処理方式の大電流イオン注入装置の概略構成を示す斜視図である。図2において、z軸はイオンビームの照射方向に平行な軸である。x軸及びy軸は、z軸に垂直な軸であって、互いに垂直に交わっている。
【0007】
図2に示すように、大径のディスク12の上に複数枚のウェハ11が配置されている。また、イオンビームの照射方向は固定されており、イオン注入処理時においてイオンビームは固定軌道を取る。一方、ディスク12は、回転軸cを中心に高速回転(一般に1000rpm以上)すると共に、軸hに沿って往復運動を行なう。軸hの軸方向はx軸の軸方向と平行である。
【0008】
図3は、図2に示す大電流イオン注入装置を構成するディスクの断面形状を概略的に示す図である。なお、図3では断面に現れた線のみを示しており、又ディスク2の直径は厚みに比べて極めて大きいためディスク2の断面は線のみで示している。
【0009】
図3に示すように、ディスク12は、外周側の部分が、回転軸cに垂直な面(回転平面)14に対して傾斜するように形成されている。この回転平面14に対して傾斜した外周側の部分はウェハを保持するウェハ保持部13となり、ウェハ保持部13上の面はウェハを設置するウェハ設置面15となる。また、ウェハ設置面15に設置されたウェハの主面と回転平面14とのなす角(以下「コーン角」という。)ψは、一定の大きさに設定されている。
【0010】
ウェハ保持部13が回転平面14に対して傾斜しているのは、ディスク12の回転によって生じた遠心力によって、ウェハ保持部13に載置されたウェハをディスク12上に保持し易くするためである。コーン角ψは、装置によって固有の角度を取る。
【0011】
ここで、イオン注入に特有の注入角度に関する定義を行なう。具体的には、注入角度として、ティルト角とツイスト角とを定義する。図4は、イオン注入時における注入角度を示す図であり、図4(a)はティルト角を示しており、図4(b)はツィスト角を示している。
【0012】
図4(a)に示すように、ウェハ11の法線とイオンビームとのなす角をティルト角γと定義する。また、図4(b)に示すように、イオンビームをウェハ面に投影してできる線(ビーム投影線)と、ウェハ11の中心からノッチ16までを結ぶ線とがなす角をツイスト角θと定義する。
【0013】
イオン注入の再現性を高めるには、ある確率分布をもってシリコン基板中にドーパントを導入する必要がある。しかし、シリコン基板は単結晶であるため、結晶軸方向から注入処理を行なうと、チャネリングを起こして飛程が深くなるという現象が生じ、これにより上記の確立分布を変化させてしまう。このため、結晶軸方向からの注入を抑制し、又ビーム入射方向から基板を見たときの原子配列を密とすべく、ティルト角γとツイスト角θとが設定される。
【0014】
次に、ディスク面とイオンビームの入射方向との関係について図5を用いて説明する。図5は、図2で示したディスクのディスク面とイオンビームの入射方向との関係を示す断面図であり、図5(a)はx−z平面における断面を示し、図5(b)はy−z平面における断面を示している。
【0015】
なお、図5においても、図3と同様に、断面に現れた線のみを示しており、又ディスクの断面は線のみで示している。また、図5で示すx軸、y軸、z軸は、図2で示した軸と同様のものである。図5(a)においてy軸は紙面に垂直な軸であり、図5(b)においてx軸は紙面に垂直な軸である。
【0016】
図5(a)に示すように、ディスク12は、ディスク中心を通り、且つ、y軸に平行な軸(第2回転軸)を中心に回転できるように構成されている。この場合の回転角をジャイロ角αとすると、初期状態では、ジャイロ角α=0(ゼロ)度となる。なお、ジャイロ角αは半時計周りが正となる。
【0017】
この初期状態において、ディスク12は、ウェハ保持部13のウェハ接地面15がイオンビームに対して垂直となり、又ディスク12の回転平面14がx−y平面に対してコーン角ψで傾斜するように設置されている。また、初期状態では、ディスク12の回転軸cもx―y平面に対してコーン角ψで傾斜している。
【0018】
図5(b)に示すように、ディスク12は、ディスク中心を通り、且つ、x軸に平行な軸(第3回転軸)を中心に回転できるようにも構成されている。この場合の回転角をジャイロ角βとすると、初期状態では、ジャイロ角β=0(ゼロ)度となる。なお、ジャイロ角βは時計周りが正となる。また、初期状態では、ディスク12の回転軸cはy軸に対して垂直である。
【0019】
このように、上記に示すバッチ処理方式の大電流イオン注入装置では、ディスクが、回転運動と往復直線運動とを行なうため、結果的に、イオンビームが円運動と直線運動とを合成した運動を行ないながら走査を行なうのと同様になる。このため、ディスクに配置された全てのウェハの全面にイオンビームが照射されることになる。
【0020】
ところで、上記に示すバッチ処理方式の大電流イオン注入装置では、ウェハの結晶軸は、ディスクの回転と共にイオンビームに対して変化してしまう。このため、ウェハ上の位置によって注入時のティルト角γ及びツイスト角θも変化してしまう。この点について図6を用いて説明する。図6は、従来のイオン注入装置におけるウェハが載置されたディスクを示す平面図である。
【0021】
図6に示すように、ディスク中心Odとウェハ中心Owとを通る線をm、ディスク中心Odを中心として線mを角度φだけ回転させて得られる線をn、線mに垂直であってウェハ中心Owを通る線をlとし、線lと線nとの交点からウェハ中心Owまでの距離をrとする。また、ディスク中心Odからウェハ中心Owまでの距離をRとすると、ティルト角γとツイスト角θは、以下の式(1)〜(5)によって表すことが出来る。
【0022】
【0023】
θ=tan-1(k/h) ・・・・・(2)
【0024】
k=sinβcosφ+sin(α−ψ)cosβsinφ・・・・・(3)
【0025】
【0026】
φ=tan−1(r/R) ・・・・・(5)
【0027】
上記式(1)〜(5)から、ティルト角γ及びツイスト角θは、共に、距離rの関数となることが分かる。つまり、上述したように、ウェハ上の位置によってティルト角γ及びツイスト角θが変化してしまい、ウェハ上の位置によっては設定された注入角度でイオン注入が行われないと言える。
【0028】
また、このようなウェハ上の位置による注入角度の変化は、不純物濃度にばらつきを生じさせ、不純物導入領域を変化させてしまうため、デバイス特性に影響を及ぼしてしまう。特に、ティルト角γを0度に設定した場合は、本来、デバイス特性には、デバイス形状の方向性に影響を受けない対称性が付与されるが、ウェハ上の位置によって注入角度が変化すると、この場合であってもデバイス特性に非対称性が付与されてしまう。
【0029】
一方、上記式(1)〜(5)において、ジャイロ角α=コーン角ψ、ジャイロ角β=0(ゼロ)度と設定すれば、下記式(6)及び(7)が成立する。
【0030】
γ=cos−1〔cosψ〕=ψ ・・・・・(6)
【0031】
θ=tan−1(k/h)=0 ・・・・・(7)
【0032】
よって、このような設定を行なうことにより、ティルト角γ及びツィスト角θを一定の値とできるので、距離rに依存しないで、即ちウェハ上の位置に依存しないでイオン注入を行なうことができると言える。
【0033】
【特許文献1】
特開平7−326317号公報
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に示すイオン注入装置において、ウェハ上の位置に依存しないでイオン注入を行なおうとすると、上記式(6)より、ティルト角γはディスク12の形状に依存する。よって、ティルト角γを変更するには、ディスクを取り替える必要があり、コーン角ψの異なるディスクを多数用意する必要がある。このため、上記に示すイオン注入装置を用いると、コストが高くなるという問題がある。
【0035】
また、ディスクはイオン注入装置のチャンバー内に設置されており、チャンバーはイオン注入中において高い真空度で保持する必要があるが、ディスクを交換するためにはチャンバーを大気解放する必要がある。このため、イオン注入装置の稼働率の低下を引き起こしてしまう。
【0036】
一方、稼働率の低下を抑制するには、コーン角ψの異なる複数のディスクをチャンバー内に予め用意しておくことで対応可能とも考えられる。しかし、この場合は、装置が大幅に大きくなり、フットプリント、コストの面からも無駄が多くなる。
【0037】
また、高速回転を行なうディスクの回転機構には機械的な精密性が要求されるが、ディスク交換を頻繁に行なうことによって、この回転機構に負担を与えてしまう。このため、搬送トラブルや、装置の故障等の要因となり、この場合も装置稼働率の低下を引き起こしてしまう。
【0038】
本発明の目的は、上記問題を解消し、バッチ処理方式によってイオン注入を行なう場合に、ウェハ上の位置によって注入角度が変化するのを抑制でき、且つ、ティルト角の設定及び変更を容易に行なえ得るイオン注入装置及びイオン注入方法を提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にかかるイオン注入装置は、複数のウェハに対してバッチ処理方式によってイオン注入を行なうイオン注入装置であって、ディスクと、前記ウェハを保持する複数のウェハ保持部とを有し、前記ディスクは、その円周方向に回転可能であって、且つ、イオンビームの照射方向に平行な軸をz軸、前記z軸に垂直であって互いに直交する2軸をx軸およびy軸としたときに、前記ディスクの中心を通るy軸に平行な第2の回転軸、及び前記ディスクの中心を通るx軸に平行な第3の回転軸を中心に回転できるように構成されており、前記ウェハ保持部は、前記ウェハ保持部で保持された前記ウェハの主面を、前記ディスクをその円周方向に回転させたときの第1の回転軸に向かって傾斜させることができ、且つ、前記第1の回転軸に垂直な面と前記ウェハ保持部で保持された前記ウェハの主面とがなす角ψが可変可能となるように、前記ディスクの外周に接続され、前記角ψと、前記ウェハの主面が前記イオンビームに対して垂直な状態から前記ディスクを記第2の回転軸を中心に回転させたときの回転角αとは、イオン注入時のティルト角γと同じ大きさに設定され、前記第1の回転軸が前記y軸に対して垂直な状態から前記ディスクを前記第3の回転軸を中心に回転させたときの回転角βは、ゼロ度に設定されていることを特徴とする。
【0040】
上記本発明にかかるイオン注入装置においては、前記ウェハ保持部が、ヒンジ部材を介して前記ディスクの外周に接続されている態様が好ましい。また、前記ヒンジ部材の角度を変更する駆動機構と、前記駆動機構を制御するための制御装置とを更に有する態様も好ましい。
【0041】
更に、前記ディスクが、前記x軸の軸方向に平行に往復運動を行なえるように構成されている態様も好ましい。
【0042】
また、前記ウェハ保持部が、前記ウェハを載置する際の前記ウェハのノッチの位置を変更できるように構成されており、前記ウェハのノッチの位置の変更により、イオン注入時のツイスト角θが変更される態様も好ましい。
【0043】
次に、上記目的を達成するために本発明にかかるイオン注入方法は、ディスクの円周方向に沿って複数のウェハを配置し、前記複数のウェハを前記ディスクと共に前記円周方向に沿って回転させながら、前記ウェハにイオンビームを照射してイオン注入を行なうイオン注入方法であって、イオンビームの照射方向に平行な軸をz軸、前記z軸に垂直であって互いに直交する2軸をx軸およびy軸としたときに、前記ディスクは、前記ディスクの中心を通るy軸に平行な第2の回転軸、及び前記ディスクの中心を通るx軸に平行な第3の回転軸を中心に回転できるように構成されており、前記ウェハの主面を、前記ディスクをその円周方向に回転させたときの第1の回転軸に向かって傾斜させ、前記第1の回転軸に垂直な面と前記ウェハの主面とのなす角ψと、前記ウェハの主面が前記イオンビームに対して垂直な状態から前記ディスクを記第2の回転軸を中心に回転させたときの回転角αとを、イオン注入時のティルト角γと同じ大きさに設定し、前記第1の回転軸が前記y軸に対して垂直な状態から前記ディスクを前記第3の回転軸を中心に回転させたときの回転角βをゼロ度に設定して、イオン注入が行なわれることを特徴とする。
【0044】
上記本発明にかかるイオン注入方法においては、前記イオン注入中に前記ティルト角γを変更しながら、前記イオン注入が行なわれるのが好ましい態様である。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のイオン注入装置およびイオン注入方法の一例について、図1を用いて説明する。図1は本発明にかかるイオン注入装置の構成の一例を示す図であり、図1(a)は平面図で示しており、図1(b)は側面図で示している。
【0046】
なお、図1は、本発明にかかるイオン注入装置の一部のみを示している。また、図1中に記載のx軸、y軸、z軸、ジャイロ角α、ティルト角γ及びコーン角ψや、以下の説明で述べるジャイロ角βは、上記図2〜図6のいずれかで示されたものと同様のものを示している。
【0047】
図1(a)及び(b)に示すように、イオン注入装置は、ディスク2と、ウェハ1(斜線で示した部分)を保持する複数のウェハ保持部3とを備えている。ディスク2は、その円周方向に回転可能に構成されており、軸cは回転軸である。ウェハ保持部3は、接続部材4を介してディスク2の外周に接続されている。このため、ディスクを回転させることによって、ウェハ保持部3で保持されているウェハ1もディスク2の円周方向に回転することになる。なお、本発明のイオン注入装置においても、ディスク2はx軸の軸方向に平行に往復運動が可能となっている。
【0048】
また、図1(a)及び(b)の例でも、従来と同様に、ディスク2は、ディスク中心を通り、且つ、y軸に平行な第2回転軸を中心に回転できるように構成されている。更に、ディスク2は、ディスク中心を通り、且つ、x軸に平行な第3回転軸を中心に回転できるようにも構成されている。よって、図1及び図2に示すイオン注入装置においても、従来と同様に、ジャイロ角α及びジャイロ角βの設定が可能である。
【0049】
従って、図1に示すイオン注入装置においても、ジャイロ角αの大きさをコーン角ψの大きさと同じに設定し、更にジャイロ角βを0(ゼロ)度に設定して、上記式(6)及び(7)を成立させることができる。よって、上述した図5からも分かるように、この場合、ディスク2は、回転軸に垂直な面(回転平面)2aと、x軸及びy軸を含む面とが平行となった状態となる。
【0050】
この状態でディスク2を回転させてイオン注入を行なえば、ツィスト角θが0(ゼロ)度、ティルト角γがコーン角ψ及びジャイロ角αと同じ角度の状態でイオン注入が行なわれることになる。このことから、図1に示すイオン注入装置によれば、ウェハ上の位置に依存しないイオン注入を行なうことができるといえ、ウェハ上の位置によっては設定されたティルト角γでイオン注入が行なわれないという状態(いわゆる注入角度誤差が生じた状態)を回避することができる。よって、図1に示すイオン注入装置によれば、注入角度誤差に起因するデバイス特性の非対称性やばらつきの発生を抑制することができる。
【0051】
なお、ツイスト角θは、上述したように上記式(7)から計算上0(ゼロ)度となる。但し、ディスク2の位置を上記の状態とした場合は、ウェハ保持部3にウェハ1を載置する際にウェハを回転させてノッチ(図4参照)の位置を変更することにより、ツイスト角θを設定することが可能となる。例えば、ウェハ1のノッチの位置を、ディスク2の中心とウェハ1の中心とを通る線上にすれば、ツイスト角θは0(ゼロ)度となるが、ノッチの位置がこの線からずれるようにウェハ1を載置した場合は、ツイスト角θを0(ゼロ)以外の角度に設定できる。
【0052】
また、図1(a)および(b)に示すように、各ウェハ保持部3は、ディスク2の回転平面2aとウェハ保持部3で保持されたウェハ1の主面とがなす角、即ち、コーン角ψが可変可能となるように、ディスク2の外周に接続されている。図1(a)および(b)の例では、接続部材4にヒンジ部材5が設けられており、ヒンジ部材5を介してウェハ保持部3をディスク2に接続することによって、コーン角ψを可変可能としている。
【0053】
なお、本発明においては、上記態様の他、接続部材4に円弧状のレールを設け、更にウェハ保持部3の端部に円弧状の部材を設け、この円弧状の部材をレール上で滑らせることによって、コーン角ψを可変可能とする態様であっても良い。
【0054】
このように、本発明にかかるイオン注入装置によれば、ウェハ保持部3をヒンジ5部材によって可動させるだけで、ティルト角γの角度を変更することができる。よって、従来のようにディスクを取り替えることなく、ティルト角γを自由に設定することができる。
【0055】
また、本発明において、コーン角ψの設定変更は、イオン注入を行なう前、即ちディスク2の回転前だけでなく、イオン注入中、即ちディスク2の回転中においても行なうことができ、この態様では、ティルト角γを変更しながらのイオン注入が可能となる。この態様は、例えば、注入対象がコンタクト形状であって、その底面及び側面に注入処理を行なう場合に有効である。これは、ティルト角γを固定した場合は、一方向からの注入処理しか行えず、側面又は底面のいずれかにしかイオンを注入できないのに対し、ティルト角γを変化させた場合は、3次元構造の注入対象の各面に一度にイオンを注入できるからである。
【0056】
図1では図示していないが、本発明のイオン注入装置には、接続部材4に駆動力を与えてヒンジ部材5の角度(コーン角ψ)を変更する駆動機構と、駆動機構を制御するための制御装置とを設けることができる。この場合、本発明のイオン注入装置の操作者は、制御装置に希望の角度を入力するだけで、イオン注入前及びイオン注入中において、コーン角ψ及びティルト角γを設定できる。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明にかかるイオン注入装置及びイオン注入方法によれば、ディスクを変更することなく、コーン角ψ及びティルト角γを変更できる。このため、従来比べてチャンバーを大気開放する必要性が少なくなるため、イオン注入装置の稼働率の向上を図ることができる。また、ディスクは1種類で良いため、コストの低減を図ることができる。更に、ディスクの回転機構にかける負担を従来に比べて小さくできるため、搬送トラブルや故障の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるイオン注入装置の構成の一例を示す図であり、図1(a)は平面図で示しており、図1(b)は側面図で示している。
【図2】従来のバッチ処理方式の大電流イオン注入装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】図2に示す大電流イオン注入装置を構成するディスクの断面形状を概略的に示す図である。
【図4】イオン注入時における注入角度を示す図であり、図4(a)はティルト角を示しており、図4(b)はツィスト角を示している。
【図5】図2で示したディスクのディスク面とイオンビームの入射方向との関係を示す断面図であり、図5(a)はx−z平面における断面を示し、図5(b)はy−z平面における断面を示している。
【図6】従来のイオン注入装置におけるウェハが載置されたディスクを示す平面図である。
【符号の説明】
1 ウェハ
2 ディスク
2a 回転平面
3 ウェハ保持部
4 接続部材
5 ヒンジ部材
Claims (7)
- 複数のウェハに対してバッチ処理方式によってイオン注入を行なうイオン注入装置であって、
ディスクと、前記ウェハを保持する複数のウェハ保持部とを有し、
前記ディスクは、その円周方向に回転可能であって、且つ、イオンビームの照射方向に平行な軸をz軸、前記z軸に垂直であって互いに直交する2軸をx軸およびy軸としたときに、前記ディスクの中心を通るy軸に平行な第2の回転軸、及び前記ディスクの中心を通るx軸に平行な第3の回転軸を中心に回転できるように構成されており、
前記ウェハ保持部は、前記ウェハ保持部で保持された前記ウェハの主面を、前記ディスクをその円周方向に回転させたときの第1の回転軸に向かって傾斜させることができ、且つ、前記第1の回転軸に垂直な面と前記ウェハ保持部で保持された前記ウェハの主面とがなす角ψが可変可能となるように、前記ディスクの外周に接続され、
前記角ψと、前記ウェハの主面が前記イオンビームに対して垂直な状態から前記ディスクを記第2の回転軸を中心に回転させたときの回転角αとは、イオン注入時のティルト角γと同じ大きさに設定され、
前記第1の回転軸が前記y軸に対して垂直な状態から前記ディスクを前記第3の回転軸を中心に回転させたときの回転角βは、ゼロ度に設定されていることを特徴とするイオン注入装置。 - 前記ウェハ保持部が、ヒンジ部材を介して前記ディスクの外周に接続されている請求項1記載のイオン注入装置。
- 前記ヒンジ部材の角度を変更する駆動機構と、前記駆動機構を制御するための制御装置とを更に有する請求項2記載のイオン注入装置。
- 前記ディスクが、前記x軸の軸方向に平行に往復運動を行なえるように構成されている請求項1記載のイオン注入装置。
- 前記ウェハ保持部が、前記ウェハを載置する際の前記ウェハのノッチの位置を変更できるように構成されており、前記ウェハのノッチの位置の変更により、イオン注入時のツイスト角θが変更される請求項1記載のイオン注入装置。
- ディスクの円周方向に沿って複数のウェハを配置し、前記複数のウェハを前記ディスクと共に前記円周方向に沿って回転させながら、前記ウェハにイオンビームを照射してイオン注入を行なうイオン注入方法であって、
イオンビームの照射方向に平行な軸をz軸、前記z軸に垂直であって互いに直交する2軸をx軸およびy軸としたときに、前記ディスクは、前記ディスクの中心を通るy軸に平行な第2の回転軸、及び前記ディスクの中心を通るx軸に平行な第3の回転軸を中心に回転できるように構成されており、
前記ウェハの主面を、前記ディスクをその円周方向に回転させたときの第1の回転軸に向かって傾斜させ、
前記第1の回転軸に垂直な面と前記ウェハの主面とのなす角ψと、前記ウェハの主面が前記イオンビームに対して垂直な状態から前記ディスクを記第2の回転軸を中心に回転させたときの回転角αとを、イオン注入時のティルト角γと同じ大きさに設定し、
前記第1の回転軸が前記y軸に対して垂直な状態から前記ディスクを前記第3の回転軸を中心に回転させたときの回転角βをゼロ度に設定して、イオン注入が行なわれることを特徴とするイオン注入方法。 - 前記イオン注入中に前記ティルト角γを変更しながら、前記イオン注入が行なわれる請求項6記載のイオン注入方法。
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