JP3729043B2 - 蛍光画像検出方法並びにdna検査方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は励起光を照射することにより微弱な蛍光を発する対象を高感度高速に蛍光検出する方法に関する。またこの蛍光検出方法を用いてDNA検査する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来励起光を照射して得られる微弱蛍光を検出する方法として、1本のレーザビームを対象物に絞り込み得られる蛍光を励起光から分離し高感度検出素子で検出していた。また2次元的に検出するには照射励起光ビームを試料面に対し相対的に走査し、検出していた。この際検出の信号対雑音比を大きくするため、対象物と共役な関係にある位置に開口を設け共焦点検出していた。また2次元的に検出するために、スパイラル状に微小円開口が開いたいわゆるニッポウディスクを用いて、これに一様照射光を当て、円開口からの光を非対称物上に 結像し、反射光或いは蛍光をこの開口の透過光として検出することにより2次元的に共焦点画像或いは蛍光画像を検出する方法があった。
【0003】
またDNAチップあるいはDNAマイクロアレイを検査する方法として、上記の1スポットを用いて蛍光検出し、この蛍光検出結果からDNAを検査する方法があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の何れの方法も微弱な蛍光を2次元的に検出しようとすると非常に長い時間を要する。1ビームレーザ光を対象物に絞り込む方法は1絵素ずつ時系列的に検出するため、蛍光が非常に微弱な場合1絵素分の検出に時間を要し、2次元画像全体を検出するにはかなりの時間を要する。微弱な蛍光を発する対象を高速に検出するため、1ビームレーザの励起光を強くしても、例えば6000×6000絵素を1分で検出しようとすると1絵素当たりの検出時間は1〜2μsec (マイクロ秒)となる。このような短い時間で検出しようとすると、蛍光検出強度を広いダイナミックレンジ(例えば216)で検出することが困難になる。また通常の蛍光は励起光を受光してから10-9〜10-5sec遅延して蛍光を発するので、1絵素当たりの蛍光検出時間が1から2μsecでは十分な蛍光検出ができない。他方ニッポウディスクを用いる方法は一様光中の微小開口の比率分しか光が有効に用いられないため、微弱蛍光を検出するのにかなりの時間を要する。
【0005】
本発明はこれら従来の課題を解決し、微弱な蛍光を2次元の大きな解像本数を必要とする検出対象物に対して、高速、高分解能にかつ高感度に検出する技術を提供する。またこの技術を用いて、高感度高速にDNAを検査する技術を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題の解決方法として本発明は以下の手段を用いている。
【0007】
蛍光特性を有する対象物体に多数Mの微小なスポットからなるマルチスポット励起光を照射する。この励起光により得られる各マルチスポットからの蛍光を励起光から分離し、この対象物体から発する蛍光像をフォトンカウント可能な複数の微弱光検出素子で検出する。このようにすれば非常に微弱な蛍光でも検出できる。各検出素子から得られるフォトン信号をそれぞれ個別にフォトンカウントし、各検出素子で検出されたフォトンカウント数Npmを個別に記憶する。さらにマルチスポット光と対象物体との位置を相対的に駆動系等により変化させ、各検出器のフォトンカウント数を順次記憶して行く。このようにして対象物体上の所望の範囲に亘りフォトンカウント数データを記憶収集してゆけば、この収集データから蛍光画像を構成することができる。
【0008】
また上記マルチスポット光の代わりにシート状励起光を用いる。このシート状励起光を照射することにより得られる長細い形状を有する照射領域からの蛍光を励起光から分離し、該対象物体から発する蛍光像をフォトンカウント可能な複数の微弱光検出素子で検出する。各検出素子から得られるフォトン信号をそれぞれ個別にフォトンカウントし、各検出素子で検出されたフォトンカウント数Npmを個別に記憶する。シート状励起光による細長い形状を有する照射領域と該対象物体との位置を相対的に変化させ、各検出器のフォトンカウント数を順次記憶して行く。このようにして対象物体上の所望の範囲に亘りフォトンカウント数データを記憶収集してゆけば、この収集データから蛍光画像を構成することができる。
【0009】
マルチスポット又はシート状励起光を照射し同時にM絵素の蛍光を検出することにより従来の課題で示した上記1分で6000×6000画素を検出するには1絵素当たりM〜2Mμsecの時間をかけることが可能になる。例えばM=50ならこの時間は50〜100μsecとなり、上記の蛍光発生遅延の問題を解決できる。またダイナミックレンジを確保し、かつ高感度の検出が下記理由により可能になる。
【0010】
即ち、1絵素当たりの検出時間が1μsec程度であると高感度検出を行うに必要なフォトンカウントの計数時間に足る検出時間が短くなり、ダイナミックレンジの確保が困難になる。これは1フォトンを検出したときに発生するフォトンパルス信号のパルス幅が数十nsであるため、1μsecの時間内ではせいぜい数十パルスの信号しか検出できないためである。またこのような短い時間で蛍光強度をアナログ的に検出しようとしても、検出回路の周波数特性から十分なダイナミックレンジを確保して検出することは困難である。
【0011】
上記の対象物として蛍光分子を付加したDNA断片を対応するDNAに結合させたサンプルを用いて以下のようにして検査する。一例として検査対象がDNAチップの場合、先ず検査対象であるDNAから前処理により作成したDNA断片に所望の蛍光体を付加したターゲットを上記DNAチップにハイブリダイゼーションする。このハイブリダイゼーションされた被検査DNAチップに、多数Mの微小なスポットからなるマルチスポット励起光を照射することにより得られる各マルチスポットからの蛍光を励起光から分離する。分離したDNAチップから発する蛍光の像をフォトンカウント可能な複数の微弱光検出素子で検出する。各検出素子から得られるフォトン信号をそれぞれ個別にフォトンカウントし、各検出素子で検出されたフォトンカウント数Npmを個別に記憶する。さらに上記マルチスポット光と該DNAチップとの位置を相対的に変化させて上記各検出器のフォトンカウント数を順次記憶していく。このようにして上記DNAチップ上の所望の範囲に亘りフォトンカウント数データを記憶収集し、この収集データから蛍光画像を構成することによりDNAを検査する。
【0012】
上記マルチスポット光に代えてシート状ビームを用いても、上記蛍光検出でシート状ビームを用いる蛍光検出で説明したのと同様にターゲットDNAに付加した蛍光を検出することにより、DNA検査を行うことができる。
【0013】
上記対象物体に照射されるマルチスポット励起光又はシート状の励起光の最小絞り径となる位置にある物体面からの蛍光像の合焦点位置にマルチスポット像またはシート状の細長い領域像のみを通過せしめるマルチスポット開口または細長い開口を配置し、共焦点検出する。このようにすることにより、信号対雑音比の大きい共焦点画像が得られる。即ち、検出したいマルチスポット位置の蛍光、或いはシート状ビームの位置の蛍光を、それ以外の光路中に存在する蛍光物質等の背景にある蛍光雑音から影響を受けずに、低雑音で検出できる。蛍光検出を行うサンプルが2次元平面内にあるときにはマルチスポットとサンプルをこの平面内で相対位置変化させ共焦点検出を行えば、この平面外にある蛍光体による雑音の影響を殆ど受けずに信号対雑音比の大きな蛍光検出或いはDNA検査を行うことができる。
【0014】
上記マルチスポット光を用いる蛍光画像検出で、マルチスポットと対象物の相対位置変化を対象物体面内の2方向と対象物体面に垂直な方向の計3方向のうち少なくとも1方向に行う。特に上記の共焦点検出の場合、マルチスポットの最小絞り込み位置、或いはシートビームの最小絞り込み位置から対象物を光軸方向に相対位置変化させることにより、得られる蛍光像強度の変化から合焦点位置を求め、この位置での蛍光強度から表面に凹凸のある対象に対して、正しい蛍光強度情報と、表面凹凸情報、或いは蛍光を発している3次元的な位置情報を得ることが可能になる。
【0015】
上記従来の1スポット励起光の場合における問題点で示したように、高速に蛍光画像を検出するためマルチスポット光の数は多いほど有利である。Mは10以上にするとこの時間内で検出できる最大のフォトンカウント数は数百と大きくなり、高感度、広ダイナミックレンジを実現する上で有効である。DNA検査等では更に高速化を行うためスポットの複数化の効果は大きく。Mを50以上にすると更に良い。即ちMを50以上にすると例えば6000×6000絵素を1絵素当たり数十μsかけて検出し、全画素を1分以内で検出することが可能になる。
【0016】
上記マルチスポットは、複数の検出素子、とりわけ1ないし2次元の直線上に配列した検出素子で検出するため、また検出した複数の情報を対象物或いはDNAチップの位置情報に対応させ蛍光画像として出力するため1又は2次元の直線上に配列させる。
【0017】
上記マルチスポット励起光またはシート状励起光と対象物の相対位置変化を行い1絵素分の移動をおこなう周期をTdとする。このとき上記フォトンカウント信号の単独フォトン検出時のパルス幅Δt0で割った値、即ちTd/Δt0に1以下0.1以上の所望の係数αを掛けた値,即ちαTd/Δt0を求める。この値が上記フォトンカウント数Npmに達していることを判断基準にして、即ち、αTd/Δt0≧Npmの時上記マルチスポット励起光またはシート状励起光の強度を変化させる等の方法により、蛍光検出強度が小さくなるようにしてフォトンカウントができるようにして検出を行う。即ち1絵素を検出する時間をフォトンパルス時間幅で割った値のα倍以上のフォトンカウントは精度の点で不可能であるため、励起光を小さくしたり、或いは励起光照射時間を短くし実効的に励起光強度を小さくしたり、或いは検出蛍光を小さくするため検出素子のゲインを小さくし、実効的にフォトンカウント可能なフォトンカウント値にする。
【0018】
上記マルチスポット光またはシート状励起光を2波長以上の多色光にする。このようにすることにより蛍光検出の情報を多くし、蛍光検出機能、DNA検出機能を向上させる。
【0019】
また、上記フォトンパルス信号がハイレベルにある時間を1絵素分の検出時間Td以内の時間βTdに亘り加算計測する。この値をTh′とするとき、1以下の所定のγに対し、Th′≧γβTdの条件を満足するか否かを判定する。仮にこの式を満たすとき、上記検出素子の出力信号をアナログ的に積分する回路で積算した結果を用いる。このようにすることにより強い蛍光にたいしても検出できるようになる。即ち、フォトンカウントが不可能な強い蛍光を検出しても、アナログ的に積分することにより強い蛍光の検出が可能になる。しかも、アナログ検出の時間をTd以内にすれば、1絵素当たりの検出時間を変えずに全絵素に亘り検出できる。この結果、フォトンカウントを用いる微弱な蛍光からこの積分回路によるるアナログ積分検出を用いる強い検出強度までの広いダイナミックレンジに亘り高精度にかつ、高速に検出することが可能になる。また上記αが1に相当する検出法として、フォトンカウントとアナログ積分検出を同時に並行して行い、得られた両結果を比較判断して、何れかの検出結果を用いる。
【0020】
また、上記の励起光源としてレーザを用いる。このレーザの共振器内にマルチスポット発生ホログラム又はシートビーム発生ホログラムを配置し、レーザ共振器内の強力なレーザ光でマルチスポットを発生させる。通常レーザの共振器内の光エネルギーは出射するビームのエネルギーの10倍以上になっている。通常のレーザでは出射ウィンドウのミラーの反射率は約90%にし、残り約10%を出射光として取り出している。この出射ウィンドウの反射率を100%にし、光を共振器内に閉じこめ、この共振器内の光路にホログラムを配置することにより、ホログラムの回折効率約10%をマルチスポット光もしくはシート状ビームとして利用することができる。この結果従来のレーザ出射光路中にホログラムを配置する場合に比べ、10倍近い強度のマルチスポット光もしくはシート状ビームが得られ、高速高感度の蛍光検出、並びにDNA検査を行うことが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態図である。レーザ光源211,212,213……は635nmの波長を有する半導体レーザから出射した拡散光を丸い平行ビームにしたものである。各レーザ光源から出射したK個の光ビームはピッチPの間隔でマルチビームスプリッタ22に入射する。マルチビームスプリッタ22はピッチPでK個並び、入射した各ビームを2分し、ピッチP/2の2K個の平行に進むビームを形成する。これらのビームは図示された座標のyz軸に±45度の方向に長軸を有する楕円偏光又は直線偏光もしくは円偏光になっている。
【0022】
2K個のビームはピッチP/2で配列し、マルチレンズ231に入射する。マルチレンズ231はプリズム232に貼り付けられている。マルチレンズを透過したビームはプリズム232を通過し、プリズム233との境界にあるマルチピンホールに入射する。
【0023】
プリズム232及び233はそれぞれ厚さがわずかに異なる台形のガラスを底辺同士で接着しておりこの接着面が偏光ビームスプリット面になっている。この結果プリズム232を通過したビームはピッチP/4で4K個のピンホールを有するピンホールアレイ234の各ピンホールにビームを収束させる。ピンホールアレイはピンホール部以外に載る雑音となる迷光を除去し、DNAチップに雑音の少ないマルチスポットを照射する役割を持っている。
【0024】
上記のプリズム232を通過する際偏光ビームスプリット面を通過する光はP偏光(zに直交する直線偏光)、反射する光はS偏光(z方向の直線偏光)になっている。このためマルチスポットを通過した光の半分はP偏光、残りの半分はS偏光になっている。
【0025】
ピンホールアレイの直後には1/2波長板もしくは1/4波長板がある。1/2波長板は光学軸が上記のPおよびS偏光に対し22.5度傾いている。また1/4波長板の場合には45度傾いている。ピンホール通過後このような波長板を通過した上記PおよびS偏光は1/2波長板の場合にはz軸に±45度傾いた直線偏光に、1/4波長板の場合には右および左回りの円偏光になる。
【0026】
上記の波長板235を通過した光は前述の台形貼り合わせプリズム233(但し台形プリズムの厚さの差は前述の台形貼り合わせプリズム232の半分である)に入射する。このプリズムの台形の底辺である貼り合わせ面は偏光ビームスプリット面になっているため、上記のピンホールアレイおよび波長板を通過した4K個の光は更に2倍に増え、ピッチがP/8で8K個になる。このためあたかも8K個の点光源(2次点光源)がピンホールアレイ234の位置にあるようにプリズム233から光が出射してくる。
【0027】
このようにしてできた8K個の2次点光源からの光はレンズ24、ミラー25、光量調整器26、波長選択ビームスプリッタ30、高NA対物レンズ3を通過し、DNAチップ5の検出面51にその8K個の点光源像を結ぶ。なお光量調整器26は検出面51にある蛍光体の量の多少に応じて蛍光検出の励起光の光量を調整するためにある。即ち、蛍光体の濃度がDNAチップ或いは蛍光検出サンプル全体に亘り大きいときには駆動源260を駆動し、例えば10%のNDフィルタ262が励起光光路に挿入されるようにする。しかしこのような励起光全ビームの強度を代えることは検出のダイナミックレンジを狭めることにもなるので、個々の励起光マルチスポットの強度を、図示しない光変調器アレーで調整することも可能である。
【0028】
また例えば2Nのダイナミックレンジの検出が必要な場合、NDフィルタ261は100%(NDフィルタ無し)とし、262は100×2N/2%の透過率にしておき、全画面をNDフィルタを交換して2画面検出し、両画面を合成し2Nのダイナミックレンジの蛍光画像を検出することも可能である。このように2画面を検出すれば2倍の時間を要するが、マルチスポットを用いる本発明は従来の方法に比べ5倍以上の速度で検出することができる。
【0029】
DNAチップの検出面に照射された8K個の点光源像はプローブDNAにハイブリダイゼーションされた先端に蛍光体を持つターゲットDNAを照射し、励起する。
【0030】
図2はDNAチップ5のガラス51上のターゲットDNAがある領域50の詳細とマルチスポットの関係を表した図である。501はセルである。このセルはxy方向に一定ピッチで配列している。この各セルにはその配列の番地毎に所望のDNA断片がガラスに付着されており、プローブDNAとも呼ばれている。このプローブDNAは通常各セル内では同じ塩基配列からなるDNAであり、異なるセルでは通常異なるDNAがプローブされている。このように用意されたDNAチップに検査対象である生物の検体から収集し、精製、増幅した複数種のDNA断片の端に蛍光体を付着させたターゲットDNAサンプル液を流し、ハイブリダイゼーションを起こさせる。即ち各セルのプローブDNAの塩基配列に対応するターゲットDNAが結合、即ちハイブリダイズする。図2のDNAチップは以上のようにしてできている。
【0031】
セル501に対し励起光であるマルチスポット2001,2002,2003,……、20Mはセルピッチの整数倍のピッチで並んでいる。図2の場合この整数は2である。マルチスポットのビーム径はおよそΔ、マルチスポットのピッチはNΔで、図2の場合N=10で、1セル当たり5×5の絵素に分割して検出している。このような分割を行うのはセル内に異物等が付着すると、この異物で強い蛍光を発生し検出データに誤差が生じるため、強い蛍光検出強度以上の絵素は異物によるものと判断し、その部分を除いてセル内の平均蛍光強度を求めるためである。
【0032】
DNAチップを図2のAのごとくx方向に走査し、マルチスポットがセルの右端まで走査すると1絵素Δ分y方向に移動し、再びx方向に走査する。これを繰り返し、N絵素(図では10絵素)走査し終わると、MNΔ分y方向に移動し、上記動作を繰り返し、全セルを走査する。図3は上記の動作を表したものである。横軸に時間を取り、上のグラフは縦軸にyステージの移動量、下のグラフは縦軸にxステージの移動量を示したものである。xステージは時間tsで走査検出し、時間tt−tsで元の位置に戻る。往路のみで検出を行っている。ステージの精度が十分良好な場合には復路でも検出が可能である。
【0033】
同時に検出されるM絵素分の蛍光検出は図1に示すように励起光のマルチスポット照射で発生した蛍光を対物レンズ3で受け、対物レンズを透過光した蛍光は波長選択ビームスプリッタ30で、蛍光波長の670nm近傍の光を反射させる。ここで反射した蛍光は検出系に導かれる。即ち、ミラーもしくは波長分離スプリッタである32,34,35及び38と、結像レンズ33を通過し、マルチチャンネルフォトマル101及び102上の受光開口に結像する。各受光開口には励起光のマルチスポットの像とほぼ同程度の径であるピンホールが開いている遮光板が設けられており、このピンホールを通過する蛍光のみが検出され、共焦点検出が行われる。
【0034】
図4上のグラフは図3下のグラフの時間軸を拡大したものである。1回の走査に要する時間tsを更に細かく見ている。図4下のグラフは図4上のグラフと横軸の時間軸は等しく、縦軸はフォトマル等の微弱光検出器によるフォトンカウント時間のタイミングを示している。このグラフの意味は信号レベルが1の時間フォトンカウントを行っており、0の時はフォトンカウントを行わない。一区切りの1の間は1絵素分の信号検出になっている。0になり、次に1が始まると次の絵素を検出することになる。x方向の1走査の間にLx個の絵素があるため1絵素当たりの検出時間はts/Lx以下となる。1絵素毎に行うフォトンカウントの時間はDNAチップのセルの位置に対応している必要がある。従ってフォトンカウントの開始の時間はxステージの位置測定用測長器の信号に基づいて信号を作る。
【0035】
1絵素のフォトンカウント終了時刻をステージの位置測長器の情報に基づいて決定すると、ステージが一様に動かないとき、フォトンカウント時間が絵素毎にばらついてしまう。そのため、終了の時間は開始の時間から一定の時間後になるようにする必要がある。このため高周波(周波数νr)のパルス発生器のパルスを計数し、フォトンカウントスタートから計数し、一定のパルス数Nrになったらフォトンカウントを終了するようにする。即ちどの絵素についてもNr/νr秒の時間に亘りフォトンカウントを行う。図1の制御回路1は上記の動作を制御する系であり、12はPC(パーソナルコンピュータ)であり、ここで総ての動きのコントロールを行っている。13は上記のステージ4の制御、駆動信号を発生し、またステージ4の位置情報を測長器から取り込んでいる。
【0036】
以上のようにして64絵素同時に、かつステージの走査により次々にx方向の絵素の蛍光を検出していく。各絵素で得られフォトンカウント信号SPMは図5に示すようにして検出される。即ち、マルチチャンネルフォトマルの1個のフォトマルに着目すると、微弱な検出蛍光の場合、フォトマル信号は図5の上のグラフに示すように低い頻度でパルス時間幅が約30ns程度のフォトン検出パルス信号が得られる。この信号の立ち上がりから一定幅のパルス信号を発生させるか、或いはコンパレータ回路により図5上グラフに示すように一定信号レベルIT以上の場合に図5下グラフの信号SPCのように一定レベルの信号になるようにする。このようにして作られたパルス整形信号をカウンターで計数することにより検出時間ts/Lx−Δt=Nr/νr時間内の検出フォトン数を求めることができる。
【0037】
図6は検出蛍光強度が大きい場合の例である。フォトマル検出信号SPMとコンパレータ後の信号SPCを示している。フォトンパルスが高頻度で検出されるため一部分で2つ以上のパルスが重なって検出されている。このためコンパレート後の信号の幅が広いものが現れている。SPC ′は信号SPCの時刻Aと時刻Bの間の時間を拡大した図である。検出信号が前後に重なって検出されるとコンパレート後の信号はパルスの幅が広くなる。この結果コンパレート後のパルス数を単純に数えたのでは誤差が大きくなる。そこで図6の最下段のグラフに示すようにSPC ′をゲートにして、一定の高周波パルス信号を計数する。この計数信号SPWCを用いればSPC信号のパルスを計数するより正確にフォトン数を求めることが可能になる。更にSPWC信号の計数値を下に凸な1価関数F(SPWC)で補正することにより更に正確なフォトン計数を行うことが可能である。
【0038】
しかしDNA検査で要求される更に広いダイナミックレンジを実現するには、上記の方法では不十分である。即ちDNA検査では1絵素を検出する時間内で数フォトンパルスから10数万パルスまでのダイナミックレンジが要求されている。ところがフォトン検出パルスの幅は数十nsであるため、総てのダイナミックレンジをフォトンパルスカウントで行おうとすると、1絵素当たりに要する時間は数十ns×10数万=数msec必要になる。
【0039】
マルチスポット励起光の数が64としても、絵素数が6000×6000あると、30分近く検出にかかることになる。
【0040】
図7はこの問題を解決する実施例である。101のマルチチャンネルフォトマルの出力信号をアナログスイッチ1Aに入力する。PC10によりアナログスイッチの初期状態はB即ちフォトンカウント回路1Bに接続されている。このことは蛍光検出を絵素毎に行うとき、先ずフォトンカウントを行うことを意味する。図8はフォトンカウント信号の経時変化を表しており(a)及び(b)は蛍光が非常に小さく、フォトンカウント検出で蛍光強度を求める場合である。
【0041】
図8(a)はフォトマル検出したフォトンパルス信号をコンパレータで2値化したパルス信号SPCである。(b)は(a)のパルス信号のパルス数を計数した計数信号NSPCである。この計数信号NSPCが計数開始後α(ts/Lx)時間経った時点で決められた閾値N0を越えなければアナログスイッチはこのままの状態でフォトンカウントを継続し、1絵素分の蛍光検出時間ts/Lx−Δtの間フォトンカウントを行う。この判断を行う時点である計数開始後の時間α(ts/Lx)はαとして0.01から0.3程度で良い。即ちこの時間の間にフォトンカウントパルスが最大で10前後以上入って来る程度の時間以上であればよい。上記の最大でと言う意味はこの時間内でパルス信号が最超密に発生した場合 である。
【0042】
図8(c)〜(d)は蛍光が大きくなりフォトンカウントを行うと不都合を生じる場合である。即ち2個以上のフォトンカウントパルスが同時或いは一部重なってしまうような場合である。この場合コンパレータ後のパルス信号SPCは図8(c)の様に一部重なったパルスは幅広くなる。図8(d)は(c)のパルス信号の計数信号NSPCである。NSPCはα(ts/Lx)の時点で閾値N0を越えており、フォトンカウントによる蛍光検出に適さないことが分かる。この時点で図7のアナログスイッチをCに接続し、回路1Cによりアナログ的にフォトマル信号を積分する。このように各絵素毎にフォトンカウントで検出するかアナログ積分で検出するかを判断し、最適な方法をその都度選んで検出していく。
【0043】
なお図には示さないが、図8の(c)より更に蛍光が大きくなると(c)のパルスが連なってしまい、パルス計数値は数個又は0個になる。このときには図6の(d)のようにしてSPCを一定周波数の矩形の高周波パルスでカウントする信号Spwcの信号を用いれば、このパルスカウント信号NSPWCは図8(e)のようになる。このNSPWC信号を用いることにより、閾値N1よりこの値が大きいことを判断し、アナログスイッチをCに切り替えれば、更に強い蛍光検出の場合でも間違えずにアナログ検出が可能になる。
【0044】
アナログ検出に切り替えられれば、回路1Cにより切り替えられた時点をスタート時点として積分を開始する。図9(a)に示すように着目絵素検出開始時刻を起点(仮にこの時刻を時刻0とする)にして時刻α(ts/Lx)から積分を開始し、フォトンカウントの場合同様に時刻ts/Lx−Δtまで積分を行い、この時点で積分値を回路1CでAD変換する。AD変換されたディジタル情報1C01は回路100に送られる。蛍光強度が弱い場合にはフォトンカウントを継続し、時刻0から時刻ts/Lx−Δt間での間のフォトンカウント信号が計数され、このディジタル情報1B01も回路100に送られる。マルチチャンネルのフォトマル101の各チャンネルから上記のようにして回路100に並列的に転送されたフォトンカウントディジタル信号及びアナログ積分ディジタル信号の結果をパソコンPCである11に転送する。各チャンネルでの検出がフォトンカウントかアナログ積分かは前記のように時刻α(ts/Lx)の時点で分かっているので、PC11で検出に適した方を各くチャンネル毎に選択し採用する。即ち図7の1C01、1C02……にはこの選択信号も同時に送られている。
【0045】
なお上記の実施例ではフォトンカウントを選択するかアナログ積分を選択するかを時刻α(ts/Lx)で判断しているが、検出の初めから同時に両方式で並列に検出しておき、(ts/Lx)−Δt後に選択を行っても良い。
【0046】
アナログ積分検出を実行するときの、積分信号の変化を図9(a)に示す。アナログ積分検出をスタートする時刻α(ts/Lx)から時刻ts/Lx−Δtの間で蛍光検出光の強度の大きさに比例した傾きで積分値が大きくなり、時刻ts/Lx−Δtにおける積分値がサンプルホールドされ、AD変換される。こんのようなアナログ検出により2桁近いダイナミックレンジに亘る信号強度変化を捕らえることが可能になる。
【0047】
更に強い蛍光検出の範囲に亘り検出を可能にする方法を図9(b)を用いて説明する。時刻ts/Lx−Δtに至る前に積分値が飽和しているので、この時刻で検出することはできない。しかし、図6(d)で用いている高周波パルス信号
Shcを用いて積分をスタートさせた時刻α(ts/Lx)から飽和する時刻tFまでの時間(tF−α(ts/Lx))を計数すれば飽和値IFが予め分かっているので、この検出強度Iが次式で求まる
I=IF・((1−α)ts/Lx−Δt)/(tF−α(ts/Lx))
このように積分開始から飽和時間までを計測することにより更に1桁近くダイナミックレンジを広げることが可能になる。
【0048】
このような飽和の時刻を計数するには図7に示すアナログ積分回路に以下の機能を追加すればよい。即ち、1Cの積分回路の積分信号を第1の入力とし、予め決めておいた飽和値に相当する信号レベルを第2の入力としてコンパレータ回路に入力することにより、その信号出力の結果の変化から計数終了とすることにより可能である。
【0049】
以上説明したようにマルチチャンネルフォトマル101及び102で検出される蛍光は64チャンネル並列に検出され100で並列に入力された信号を時系列的な信号に変換しPC11に転送する。図1のxステージを走査し、図2に示すようにy方向に並ぶ64絵素を同時に、かつx方向は順次検出していく。図1のxyステージ4にはそれぞれ図示されていない光学的な測長器が付いており、x及びyステージの移動量が測定される。DNAチップの蛍光検出絵素の寸法Δx及びΔyは例えばそれぞれ2μmであるとする。各絵素の測定の開始はxステージの測長器が2μm移動を計測する時点から始まる。
【0050】
本発明のマルチスポット蛍光検出或いはマルチスポットDNA検査の具体的な実施例を以下に説明する。x方向は走査の動作、y方向はxの1走査毎に1絵素分シフトする動作、更にxは10走査毎にy方向に大きくシフトし、これを繰り返すことにより、2次元的に検出或いは検査を行う。
【0051】
x方向の走査で計測開始のステージ位置測長信号を検出すると、先ずフォトンカウントの計数を開始する。x方向の検出絵素数Lxが6400、絵素ピッチが2μmとし、この2μmを走査する時間tsを60μsecとする。フォトマルが1フォトンを受光し、発生するパルスの幅は30nsec程度であるので1絵素をスポットが通過する時間60μsecのうち40μsecの間フォトンカウントを行う場合、数百〜千のフォトンをフォトンカウント法で計数することが可能になる。これ以上の強度の信号に対してはパルス信号が繋がってしまうためアナログ積分検出を行う。このアナログ検出のダイナミックレンジはおよそ百程度ある。従ってフォトンカウントとアナログ積分を上記の方法で切り替えて併用すればおよそ1万のダイナミックレンジが得られる。
【0052】
更に図9の(b)で説明したアナログ積分が飽和する時間から検出強度を求める方法を併用すると更に1桁ダイナミックレンジを拡げることが可能になる。この結果およそ2の16乗、即ち65536の広いダイナミックレンジに亘り、即ち40μsecで数フォトンの微弱な検出光から10万フォトンに達する強い検出光まで短時間で検出可能になる。
【0053】
以上説明した蛍光強度がフォトンカウントの領域、アナログ積分の領域、及びアナログ積分飽和時間検出領域と3つの領域からなる時、それぞれの境界はスムーズに繋がるようにするため、事前に境界領域に相当する強度の検出光を用いてキャリブレーションを行う。
【0054】
上記図7の実施例ではフォトンカウントとアナログ積分を時間分割して検出しているが、常時両方を行い、蛍光検出の強度に応じて採用する信号を選択することも可能である。
【0055】
上記の検出方式の切り替えは蛍光検出に限られたものではなく、一般に1絵素当たりの検出時間Tpが短く限られている場合に有効である。即ちTpとフォトン検出パルス時間幅Δtの比Nrが要求される検出のダイナミックレンジNdに比べ小さいとき、即ち
Tp/Δt=Nr<Nd
の時微弱なフォトンカウント領域からフォトンカウントでは計数不可能な強い光まで広い範囲で検出が可能になる。
【0056】
60μsec/1絵素のスピードでx方向に6000絵素分走査し、この際y方向に10絵素とばしで同時に64絵素検出しているため、360msecかけて1走査が終了した時点で384000絵素が上記の広いダイナミックレンジで検出されている。1走査が終了するとy方向にステージを1絵素即ち2μm動かし隣の絵素ラインを同様にして検出する。この動作を10回繰り返し、640×6000絵素の検出を行う。ステージの戻りに要する加減速の時間を加えても、4から5秒で上記の絵素数の検出が終わる。
【0057】
次にy方向に640絵素分2μm×640=1.28mmと大きく移動し、上記の動作を繰り返す。この大きな移動を10回繰り返せば6400×6000絵素が約40〜50秒で検出されることになる。即ち2μmの解像度で6000×6000絵素の像をダイナミックレンジが2の16乗で、最小検出強度が数フォトンの蛍光検出や微弱光検出が1分以内で実現する。
【0058】
上記の実施例では1絵素当たりに要求される検出時間が短い場合であるが、1桁以上大きく、かつ同じように2の16乗のダイナミックレンジが必要な場合には図9の(b)に示す飽和時間を検出する方法は必要でなくなる。またフォトマルのフォトン検出パルスの幅が更に短くできればフォトンカウントのみ、或いはフォトンカウントとアナログ積分検出の組み合わせで検出できる。
【0059】
DNA検査特にDNAチップを用いるDNA検査を集団検診等の多数のサンプルを扱う用途に適用しようとすると高感度、高分解能、広ダイナミックレンジでかつ高速の検査装置を実現することが重要になる。上記の実施例で説明したマルチスポットもしくはシート状ビームを用いて、同時に複数の絵素を蛍光検出し、励起光とサンプルの相対位置を走査により変化させ次々と蛍光検出していくことによりこれが可能になった。
【0060】
6000×6000の絵素を64(M=64)絵素同時に検出することにより、(300マイクロ秒/絵素)以下の時間で検出することで、即ち平均絵素検出時間が(300マイクロ秒/M)以下で検出することができるようになり、一サンプル当たり3分以下で検出が可能になった。従来上記の絵素数の蛍光像を検出するのに10分以上要していたので高速検査の需要に応えうる。更にフォトンカウントとアナログ積分を併用することにより50マイクロ秒/絵素の時間で検出可能になるり、1分以下で検出可能になる。
【0061】
更に、上記のマルチスポットを用いる蛍光検出でサンプル上のマルチスポット径を小さくすることにより、多数のMの直径が3μmより小さく0.3μmより大きい微小なスポットからなるマルチスポット励起光、又は絞り込み幅が3μmより小さく0.3μmより大きいシート状の励起光を照射する。これにより得られる各マルチスポットまたはシート状の照射位置からの蛍光を励起光から分離し、該サンプルから発する蛍光像を複数の微弱光検出素子で検出する。各検出素子から得られる信号を個別に記憶し、上記マルチスポット光またはシート状励起光とサンプルとの位置を相対的に変化させ、上記信号を順次記憶して行く、このようにすればサンプル上の所望の範囲に亘り信号が記憶収集でき、収集データから蛍光画像を構成することによりDNAを検査することが可能になる。このような方法を用いると、検出像の分解能が高くなる。この高い分解能を用いれば例えばサンプルとして所望のターゲットDNAに蛍光を付加しておき、細胞中の1本鎖DNAのうち対応するDNAにハイブリダイズさせることにより細胞中の目標とするDNAを蛍光像として検出することができ、細胞のDNA検査が可能になる。
【0062】
図10は本発明の蛍光検出の実施例図であり、特にDNA検査に有効な蛍光検出の実施例である。図2と同一番号は同一物を表す。図2で示された10絵素おきに照射するマルチスポット光に代え、シート状の励起光2000を用いている。励起光の照射で得られる蛍光は図1の光学系同様にして励起光から分離して1次元のフォトマルアレイ、或いは超高感度1次元センサで検出される。シート状のビームでの励起は例えば隣り合う1次元方向の50絵素に亘り同時に行われ、1次元の高感度センサで同時に検出される。y方向に長いシート状のビームに直交するx方向例えば500画素分にスキャンすることにより、50×500絵素分の蛍光像が得られる。次にy方向に50絵素分移動し、上記の1走査を行う。これを10回繰り返せば、最終的には500×500絵素の蛍光画像が得られる。本実施例では孤立した、或いは隔たって分離したスポット光を照射する前記の実施例に比べ若干背景ノイズが大きくなるが、2次元平面的に大きく照射する場合に比べ、ノイズが小さい蛍光検出を行うことが可能である。フォトマル又は超高感度1次元センサから得られる信号は微弱光であるのでフォトンカウント検出を行う。
【0063】
図11は蛍光検出、或いは蛍光検出を用いるDNA検査のマルチスポット励起光発生方法を示す実施例である。レーザ27はレーザ媒体が封入されたレーザチューブ271の両端はブリュースタ角の窓があり、ここから出たレーザ光は両端にある100%反射ミラー272及び273で折り返される。この共振器ミラーの間を往復するレーザ光は通常レーザの共振器内の光エネルギーから出射窓を脱げて共振器が外に取り出されるビームのエネルギーの10倍以上になっている。この共振機内にマルチスポット又はシートビーム発生ホログラム板270を挿入すると、ホログラム2701はマルチスポット、またはシート状ビームが発生するように予め作られているため、図に示すようにレンズ274を介してマルチスポット2702が再生される。なおホログラムに照射したレーザ光は約10%の回折効率でマルチスポット像を形成する。残りの光は0次光としてそのまま透過し、共振器内を往復する。このマルチスポットは図1で説明したマスク状の円開口アレー透過直後のマルチスポット光と全く同一のスポットであるため、レンズ24を用いて図1の構成により検査対象にマルチスポットを照射することが可能になる。この結果従来のレーザ出射光路中にホログラムを配置する場合に比べ、10倍近い強度のマルチスポット光もしくはシート状ビームが得られ、高速高感度の蛍光検出、並びにDNA検査を行うことが可能になる。
【0064】
上記の実施例では励起光として1つの波長の場合について説明したが、本発明は励起光として2波長、或いは3波長以上を励起光として用いる場合にも効果を発揮する。この場合には、従来複数波長で検出しようとすると非常に長い時間を要してしまうが、本発明のマルチスポット光を用いてフォトンカウント検出を行えば高感度、高速に検出することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明により、1絵素から数カウントのフォトンパルスが得られるような微弱な蛍光検出物体、とりわけDNA検査で用いられるDNAマイクロアレイを高速に高分解能、高感度で検出することが可能になった。またアナログ積分検出をも可能にし、非常に広いダイナミックレンジを有する検出が可能になった。即ち、例えば6000×6000絵素の蛍光画像を216のダイナミックレンジで1分の検出時間で検出することも可能になった。この結果DNAチップなどの検査対象を1分程度の検査時間で検出することが可能になり、広く行われている集団検診で採取される大量の検体サンプルを短時間でかつ正確に検査することが可能になる。
【0066】
また本発明はDNA検査にのみ適用されるわけではなく、蛍光検出顕微法に広く使われる。従来長い時間を要していた観察や、検査の時間を大幅に短縮する。即ち数フォトンしか検出されない微弱光まで短時間で検出できるようになった。また微弱光から強い検出光まで広い範囲に亘り短時間で高精度に検出できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるDNAチップの検査装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明によるDNAチップのセルと励起光の関係を表すセルの平面図である。
【図3】本発明によるDNAチップのxy方向の走査を説明する図である。
【図4】本発明によるDNAチップのx方向の走査とフォトン検出の関係を示す図である。
【図5】微弱光のフォトンカウント信号を示す図である。
【図6】強い検出光の場合のフォトンパルス信号を示す図である。
【図7】本発明による広いダイナミックレンジを検出する回路構成を示すブロック図である。
【図8】本発明による弱い検出光と強い検出光の判定方法を示す図である。
【図9】本発明による更に強い検出光を検出する方法を示す図である。
【図10】本発明によるシート状の励起光を用いた場合を示すDNAチップのセルの平面図である。
【図11】本発明によるマルチスポットをレーザ共振器内のホログラムで形成する例を示す光学系の一部の斜視図である。
【符号の説明】
1…制御回路 1A…アナログスイッチ 1B…フォトンカウント回路 211,212,213…レーザ光源 22…マルチビームスプリッタ 231…マルチレンズ 232…プリズム 3…対物レンズ 4…xyステージ 5…サンプル 33…レンズ 36,37…干渉フィルタ 101,102…マルチアノードフォトマル
Claims (21)
- 蛍光特性を有する対象物体に励起光を照射し、該照射により前記対象物体から発生した蛍光を前記励起光から分離し、該分離した蛍光を検出することを前記励起光と前記対象物体との位置を相対的に変化せしめて上記対象物体上の所望の範囲に亘って行い、上記対象物体上の所望の範囲に亘って検出した蛍光のデータから蛍光画像を得る蛍光画像検出方法であって、前記分離した蛍光を検出する工程において前記蛍光を検出して得た信号の内の初期の所定の時間の信号に応じてフォトンカウント処理またはアナログ積分処理の何れかの処理に切り分けて信号処理を実行することを特徴とする蛍光画像検出方法。
- 前記対象物体は複数の領域に分割されており、該複数の領域のうちの一部の領域のそれぞれにスポット状の励起光を同時に照射することを特徴とする請求項1記載の蛍光画像検出方法。
- 前記対象物体の前記同時にスポット状の励起光が照射されたそれぞれの領域から発生した蛍光の像を、該それぞれの領域に対応する検出素子で検出することを特徴とする請求項2記載の蛍光画像検出方法。
- 前記励起光と対象物の相対位置変化は対象物面内方向と対象物体面に垂直な方向の計3方向の内少なくとも1方向とすることにより、2次元又は3次元の蛍光画像を検出することを特徴とする請求項1記載の蛍光画像検出方法。
- 前記励起光は2波長以上の多色光であることを特徴とする請求項1記載の蛍光画像検出方法。
- 蛍光分子が付加されたDNA断片を対応するDNAに結合させて形成したターゲットDNAを複数備えたサンプルに励起光を照射し、該照射により前記ターゲットDNAから発生した蛍光を前記励起光から分離し、該分離した蛍光を検出することを前記励起光と前記サンプルとの位置を相対的に変化せしめて上記サンプル上の所望の範囲に亘って行い、上記サンプル上の所望の範囲に亘って検出した蛍光のデータから蛍光画像を構成し、該蛍光画像に基づいてDNA検査を行うDNA検査方法であって、前記分離した蛍光を検出する工程において前記蛍光を検出して得た信号の内の初期の所定の時間の信号に応じてフォトンカウント処理またはアナログ積分処理の何れかの処理に切り分けて信号処理を実行することを特徴とするDNA検査方法。
- 前記サンプルの複数のターゲットDNAのうちの一部のターゲットDNAのそれぞれにスポット状の励起光を同時に照射することを特徴とする請求項6記載のDNA検査方法。
- 前記スポット状の励起光を同時に照射する前記一部のターゲットDNAの数が10以上であることを特徴とする請求項7記載のDNA検査方法。
- 前記サンプルの前記同時にスポット状の励起光が照射されたそれぞれのターゲットDNAから発生した蛍光の像を、該それぞれのターゲットDNAに対応する検出素子で検出することを特徴とする請求項7記載のDNA検査方法。
- 前記分離した蛍光を検出する工程において、アナログ積分が飽和する場合には、アナログ積分が飽和する時間から検出強度を求めるアナログ積分飽和時間検出処理を実行することを特徴とする請求項6記載のDNA検査方法。
- 前記励起光と前記サンプルとの位置を相対的に変化させることを対象物面内方向と対象 物体面に垂直な方向の計3方向の内少なくとも1方向とすることにより、2次元又は3次元の蛍光画像を検出することを特徴とする請求項6記載のDNA検査方法。
- 前記励起光は2波長以上の多色光であることを特徴とする請求項6記載のDNA検査方法。
- 上記サンプルはDNAチップであることを特徴とする請求項6記載のDNA検査方法。
- 蛍光分子が付加されたDNA断片を対応するDNAに結合させて形成したターゲットDNAを複数備えたサンプルを載置して平面内で移動可能なテーブル手段と、
該テーブル手段に載置された前記サンプルに励起光を照射する励起光照射手段と、
該励起光照射手段で励起光を照射することにより前記ターゲットDNAから発生する蛍光を前記励起光から分離する蛍光分離手段と、
該蛍光分離手段により分離した蛍光を検出する蛍光検出手段と、
前記励起光照射手段で励起光を照射して前記蛍光検出手段で蛍光を検出することを前記サンプル上の所望の範囲に亘って行うように前記テーブル手段の駆動を制御する制御手段と、
該制御手段で前記テーブル手段の駆動を制御しながら前記サンプル上の所望の範囲に亘って前記蛍光検出手段で検出した蛍光のデータから蛍光画像を構成する蛍光画像構成手段と、
該蛍光画像構成手段で構成した蛍光画像に基づいてDNA検査を行う検査手段とを備えたDNA検査装置であって、
前記蛍光検出手段は、検出器とフォトンカウント処理回路とアナログ積分処理回路とを有し、前記検出器で蛍光を検出して得た信号の内の初期の所定の時間の信号に応じて前記検出器で蛍光を検出して得た信号を前記フォトンカウント処理回路またはアナログ積分処理回路の何れかの処理回路に切り分けて信号処理を実行することを特徴とするDNA検査装置。 - 前記励起光照射手段は、前記サンプルの複数のターゲットDNAのうちの一部のターゲットDNAのそれぞれにスポット状の励起光を同時に照射することを特徴とする請求項14記載のDNA検査装置。
- 前記スポット状の励起光を同時に照射する前記サンプルの複数のターゲットDNAのうちの一部のターゲットDNAの数が10以上であることを特徴とする請求項15記載のDNA検査装置。
- 前記蛍光検出手段の検出器は複数の検出素子を有し、前記励起光照射手段により同時にスポット状の励起光が照射されたそれぞれのターゲットDNAから発生した蛍光の像を、該それぞれのターゲットDNAに対応する前記検出素子で検出することを特徴とする請求項14記載のDNA検査装置。
- 前記蛍光検出手段は、アナログ積分が飽和する時間から検出強度を求めるアナログ積分飽和時間検出処理回路を更に有し、前記検出器で蛍光を検出して得た信号の内の初期の所定の時間の信号に応じて前記検出器で蛍光を検出して得た信号を前記フォトンカウント処理回路、前記アナログ積分処理回路または前記アナログ積分飽和時間検出処理回路の何れかの処理回路に切り分けて信号処理を実行することを特徴とする請求項14記載のDNA検査装置。
- 前記制御手段は前記テーブル手段の駆動を制御して前記励起光と前記サンプルとの位置を対象物面内方向と対象物体面に垂直な方向の計3方向の内少なくとも1方向に相対的に 変化させ、前記蛍光画像構成手段は2次元又は3次元の蛍光画像を構成することを特徴とする請求項14記載のDNA検査装置。
- 前記励起光照射手段は、2波長以上の多色光を励起光として前記サンプルに照射することを特徴とする請求項14記載のDNA検査装置。
- 上記サンプルはDNAチップであることを特徴とする請求項14記載のDNA検査装置。
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