JP3725998B2 - 指紋照合装置及び照合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、指紋照合装置及び照合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータが広範な社会システムの中に導入されるに伴い、セキュリティに関心が集まっている。従来、コンピュータ室への入室や端末利用の際の本人確認手段として、IDカードやパスワードが用いられてきた。しかし、それらはセキュリティの面で多くの課題が残されている。
【0003】
パスワードよりも信頼性の高い本人確認手段として、生体情報を利用した個人照合技術が注目されている。個人固有の生体情報を用いて本人確認をすると、その信頼性は非常に高いものとなる。
【0004】
本人確認に利用できる生体情報の一つに指紋がある。指紋は、「万人不同」、「終生不変」という二大特徴を持つと言われ、本人確認の有力な手段と考えられている。近年では、指紋を用いた個人照合システムに対して多くの研究開発が行われている。
【0005】
個人照合に用いることのできる生体情報として、指紋・声紋・虹彩・網膜血管分布図・サインなどがある。これらは、CCDカメラなどの各種センサで計測し、画像などの電子情報に変換する。その後、センサで得られた生体情報に種々の情報処理を行い、生体照合に必要なキーとなる情報を抽出する。この生体キー情報と予め登録されている各個人の生体キー情報とを照合し、本人確認を行う。
【0006】
具体的な生体情報として、指紋を考える。
人間の指先には細かな凹凸がある。凸部の連なりを隆線という。隆線は個人に固有な様々な紋様を形成している。隆線をたどっていくと二つに分かれる点(分岐点)や、行き止まりの点(端点)にぶつかる。この分岐点や端点の分布は人によりすべて異なるため、指紋の特徴点と呼ばれる。特徴点分布の照合は、個人を特定するための有力な手段として用いられている。指紋照合では、これらの特徴点の位置、種類、方向の一致を確かめ、同一な指紋であるかどうかを調べている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の指紋の照合は、主に特徴点間の隆線長の照合で行っていた(例えば、特開平11−195119号公報参照)。しかし、隆線長だけの照合では不十分である場合があり、指紋照合に関する照合性能のさらなる向上化が求められている。また、この方法では、指紋データの一部に隆線長のデータを記録することになるが、その記録は、効率的ではない。すなわち、指紋データサイズが大きくなる傾向がある。
【0008】
本発明の課題は、より信頼性の高い指紋照合装置及びその方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面における装置は、取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する装置において、該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得する隆線関係取得手段と、該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合する照合手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の側面における装置は、取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋とを照合し、指紋の一致・不一致を判定する装置において、前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成する仮想特徴点生成手段と、該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得する隆線関係取得手段と、該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合する照合手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の側面における装置は、取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する装置において、前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成する仮想特徴点生成手段と、該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線及び周囲の仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得する隆線関係取得手段と、該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合し、該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合することにより、該照合対象の特徴点の一致を判定する照合判定手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の側面における方法は、取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法において、(a)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、(b)該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合するステップとを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の側面における方法は、取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋とを照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法において、(a)前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成するステップと、(b)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、(c)該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合するステップとを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の側面における方法は、取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法において、(a)前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成するステップと、(b)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線及び周囲の仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、(c)該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合し、該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合することにより、該照合対象の特徴点の一致を判定するステップとを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、照合対象の特徴点の周囲の特徴点について、照合対象の特徴点からの隆線の関係を含めて照合を行うので、周囲の特徴点の位置、方向、種類の照合のみからでは得られない、精度の良い指紋照合を行うことが出来る。
【0016】
また、仮想特徴点を生成し、これを使って照合することにより、実際の特徴点が、指紋採取時の押圧の差や汗で特徴点の形が変化しても、その特徴点の周囲の隆線構造を反映した形で照合を行うことが出来るので、指紋の特徴点の変化に強い指紋照合を行うことが出来る。
【0017】
更に、照合対象の特徴点からの隆線の関係と、仮想特徴点を併用することで、より指紋のゆがみや、欠陥、隆線の癒着、亀裂などに強い指紋照合を行うことが出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態においては、照合すべき一つの特徴点と他の特徴点との隆線のつながり具合の情報と、隆線のつながり具合によって関係付けられる特徴点の特徴点情報を参照することで、照合すべき特徴点周辺の隆線構造の照合を行う。
【0019】
更に、本発明の実施形態では、一つの特徴点が関連づけられた他の特徴点情報を持つ場合、各特徴点に割り振られた識別子を用いて他の特徴点情報を管理する。
【0020】
そして、本発明の実施形態によれば、ある特徴点を照合する時、近傍の特徴点の特徴情報を参照するので、特徴点の照合を精度良くすることが出来る。更に、近傍の特徴点の種類が端点であるか分岐点であるかを判別するので、端点から分岐点、または、分岐点から端点に変遷した場合の詳細な照合が出来る。結果的に、照合性能の向上が期待できる。
【0021】
更に、特徴点情報を特徴点の識別子を使って管理するので、複数のデータが散在せず、また、効率的に指紋データを表現できるため、指紋データ量が小さくなる。
【0022】
指紋の隆線には、行き止まる部分(端点)と枝分かれする部分(分岐点)がある。この端点と分岐点の分布は、人それぞれ異なり、通常、この分布を比較することで二つの指紋が同じであるかどうか判定できる。例えば、二つの指紋を照合する時、各々の指紋に含まれる特徴点をすべて抜き出し、個々の特徴点を順次比較する。特徴点の比較は、その位置、種類(端点、または、分岐点)、方向などを比較することで行う。これらが予め決められた範囲内で一致すれば、その特徴点は照合したと判定する。指紋全体で、この照合した特徴点が全部の特徴点数に対して所定の割合を越えた場合などに、その二つの指紋が照合したと判断する。
【0023】
従来、個々の特徴点同士の照合は、特徴点の位置、種類、方向の照合で行っていた。しかし、これらの照合だけでは、十分な照合性能が得られないため、更に照合条件を厳しくする場合がある。それには、例えば、特徴点と特徴点の間に挟まれている隆線本数や、特徴点間の隆線長等を比較する方法などがある。
【0024】
本発明の実施形態においては、従来の特徴点情報である、特徴点の位置、種類、方向の他に、隆線に関する情報を照合に用いる。ここで、一例として、特徴点の方向は、以下のように定める。
【0025】
図1は、特徴点の方向の定義を説明する図である。
特徴点の方向は、検出すべき指紋画像に含まれる隆線方向を検出することによって定義する。
【0026】
隆線方向の検出方法の一つの例としては、入力された指紋画像を細線化した指紋細線画像からハフ変換を用いて隆線方向を検出する方法が考えられる。ハフ変換については、画像解析ハンドブック(東京大学出版会)のP572〜P573を参照されたい。隆線方向の検出方法の各ステップは、以下のステップからなる。
1)採取した指紋画像から、指紋細線画像を生成する。
2)指紋細線画像を細線が数本入る程度のブロック領域に分割する。
3)各ブロック領域に対して、隆線の細線画素をハフ変換し、直線成分を抽出する。抽出した直線成分から、そのブロックの局所隆線方向が分かる。
4)大局的な隆線方向を、自身のブロックと周辺ブロックの隆線方向との平均をとることで求める。
【0027】
このようにして隆線方向を最初に検出する。次に、特徴点の方向であるが、特徴点が端点の場合でも分岐点の場合でも、特徴点の方向は上記のようにして検出された隆線の方向に平行に設定する。そして、図1の1のように、特徴点が端点である場合には、隆線の延びている方向を特徴点(端点)の方向とする。また、図1の2のように、特徴点が分岐点である場合には、隆線の本数が増えている方向を特徴点(分岐点)の方向とする。
【0028】
図2は、本発明の特徴点照合方法の第1の実施形態を説明する図である。
図2で中央に丸で示した特徴点が、これから照合を行う特徴点であり、今後これを注目特徴点と呼ぶことにする。四角で示した特徴点は、注目特徴点の近傍にある特徴点であり、これを近傍特徴点と呼ぶことにする。また、注目特徴点につながっている隆線を0次隆線、そのn本となりの隆線をそれぞれ、n次隆線、−n次隆線(nは自然数、符号は、両隣の特定の方向を示す:同図の場合、図面の上方を正の方向に取っている)と呼ぶことにする。
【0029】
注目特徴点は、m次隆線(mは整数)につながっている近傍特徴点に関する情報を持つ。注目特徴点の照合は、この近傍特徴点の照合で、一致・不一致の判定を行う。結果的に注目特徴点の照合とは、近傍特徴点を照合しているので、注目特徴点周辺の隆線構造をも含めて照合していることになる。今後、このm次隆線につながっている特徴点をm次主関係特徴点と呼ぶ。また、m次隆線とm次主関係特徴点を合わせて関係情報と呼ぶことにする。
【0030】
また、文章内で照合する、または、一致するという表現が出てくるが、これは所定の範囲内で一致するという意味を表している。
図2及び図3は、本発明の注目特徴点の第1の実施形態の照合方法を説明する図である。
【0031】
図2が予め登録してある指紋であり、図3が照合しようとしている指紋とする。
まず、本実施形態では、登録指紋の各特徴点に一致する入力指紋の特徴点の探索は、特徴点同士の照合を可能な組み合わせについて行い、これらの内、最も得点の高いものを一致した特徴点と見なす。この処理は、従来行われている処理であって、更に、本実施形態では、以下のような方法を使用する。なお、後述の他の実施形態においても、従来行われていた一致する特徴点の探索は行うことが前提になっているものとする。ただし、本発明は、従来の一致特徴点の探索方法との組み合わせのみに限定するものではない。
【0032】
本実施形態の特徴点照合方法では、それぞれの特徴点に対応してm次主関係特徴点の特徴点情報を持たせる。例えば、図4は、特徴点情報を格納する場合のデータ構造を示す図であるが、図2において注目特徴点ID11に対応したデータは、以下のID9〜ID13の特徴点に関する情報を持つ。
・特徴点の位置
・特徴点の種類(端点か分岐点か)
・特徴点の方向
・0次隆線は、ID10の特徴点につながっている。
・1次隆線は、ID9の特徴点につながっている。
・2次隆線は、ID9の特徴点につながっている。
・−1次隆線は、ID12の特徴点につながっている。
・−2次隆線は、ID13の特徴点につながっている。
【0033】
このように、一つの特徴点のデータは、特徴点そのものの情報の他に、その特徴点に接続する隆線に関する情報を持つ。また、各特徴点は識別子で管理され、ID11の特徴点の照合に、例えば、ID9とID10の特徴点の情報が必要になった場合には、ID9とID10をキーにデータ検索を行い、特徴点ID9とID10のエントリを探し、この中から、ID9とID10の特徴点の位置、種類、方法などの情報を抽出する。例えば、これらの情報は以下のようなものである。
・ID9の特徴点は、種類:分岐点、座標:(100、150)、方向:左から右である。
・ID10の特徴点は、種類:分岐点、座標(90、160)、方向:右から左である。
【0034】
同様に図3の注目特徴点に対応するデータは、以下のID1〜ID5の特徴点に関する情報とそれらの特徴点情報を持つ。
・特徴点の位置
・特徴点の種類
・特徴点の方向
・0次隆線は、ID2の特徴点につながっている。
・1次隆線は、ID1の特徴点につながっている。
・2次隆線は、ID1の特徴点につながっている。
・−1次隆線は、ID4の特徴点につながっている。
・−2次隆線は、ID5の特徴点につながっている。
【0035】
図2の注目特徴点と図3の注目特徴点の照合は以下のようにして行う。
まず、0次主関係特徴点を照合する。すなわち、0次隆線につながっている他の特徴点(図2のID10、図3のID2)が同一の特徴点であれば、図2と図3の注目特徴点の0次隆線についての関係は、同じであると判定する。
【0036】
図2のID10と図3のID2の特徴点の照合は、従来通りの照合方法を用いることが出来る。例えば、特徴点の位置、種類、方向が所定の値の範囲内で一致していれば、同一の特徴点と見なす。
【0037】
同じようにして、1次隆線、2次隆線、−1次隆線、−2次隆線に関して照合を行う。図2と図3の注目特徴点に関するn次隆線の照合は、以下のようになる。
・2次隆線の隆線構造は一致。(図2のID9と図3のID1は同一特徴点)
・1次隆線の隆線構造は一致。(図2のID9と図3のID1は同一特徴点)
・0次隆線の隆線構造は一致。(図2のID10と図3のID2は同一特徴点)
・−1次隆線の隆線構造は一致。(図2のID12と図3のID4は同一特徴点)
・−2次隆線の隆線構造は不一致。(図2のID13と図3のID5は異なる特徴点)
最後に、これらの隆線構造の照合をすべて考慮して、登録指紋の注目特徴点と入力指紋の注目特徴点が照合一致するかどうかを判定する。
【0038】
判定方法は、例えば、得点方式で行う。上記隆線構造の照合では、−2次から2次までの隆線の照合を行っている。一つの次数の隆線構造が一致すれば1点とし、例えば、この照合得点が合計3点以上なら、この注目特徴点は照合したと判定する。
【0039】
このように、各特徴点毎にその特徴点の関係情報の照合を行い、照合一致した特徴点の数を数える。指紋に含まれている特徴点のうち、この照合一致した特徴点の数の割合が所定の値を越えた場合や、所定の数以上の特徴点が照合した場合、または、全特徴点の特徴点照合得点が所定の値を越えた場合、指紋が一致したと判定する。
【0040】
上記実施形態では、各隆線にn次隆線(nは0以外の正数)主関係特徴点を1個しか選択していないが、各n次隆線は両側に特徴点が存在するので2個の主関係特徴点に関する関係情報を記録しても良い。
【0041】
図2では、注目特徴点が端点である場合だが、分岐点である場合も同様にして照合する。
分岐点の場合、0次隆線につながっている特徴点は全部で3つになる。0次の照合は、この0次隆線につながっている特徴点の全組合せについて特徴点照合を行い、その最大得点を得たものを最終的な特徴点の照合得点とする等とすれば良い。
【0042】
図5〜図8は、上記第1の実施形態の処理を示すフローチャートである。
サブルーチン1は、照合する二つの特徴点において、D次隆線上に存在している関係特徴点を照合し、照合得点を算出するものである。
【0043】
サブルーチン2は、照合する特徴点が分岐点である場合の0次隆線に関する照合得点を算出するものである。分岐点の場合、0次隆線は3本あるので、照合する時、照合する特徴点の0次隆線の組み合わせが計6通りできる。例えば、登録指紋側の0次隆線をA、B、C、入力指紋側の0次隆線をP、Q、Rとすると、(A−P、B−Q、C−R)、(A−P、B−R、C−Q)
(A−Q、B−P、C−R)、(A−Q、B−R、C−P)
(A−R、B−P、C−Q)、(A−R、B−Q、C−P)
の組み合わせができる。それぞれの組み合わせに対し、照合合計得点を算出し、その内、最大のものを0次隆線の照合得点とする。サブルーチン2は、この計算手順を示すものである。
【0044】
まず、図5において、ステップS1で、注目特徴点である特徴点Aと特徴点Bは同じ種類か否かを判断する。同じ種類でない場合には、図8のフローに進む。同じ種類であるときは、ステップS2に進む。ステップS2で、特徴点A及び特徴点Bの種類が端点か否かを判断する。特徴点A及びBの種類が端点である場合には、ステップS3において、サブルーチン1の返り値を各次数の隆線について合計し、得点を算出し、ステップS6に進む。ステップS2で、特徴点Aと特徴点Bの種類が端点でないと判断された場合には、ステップS4で、0次以外の次数の隆線についてサブルーチン1の返り値を合計し、ステップS5で、0次の隆線についてサブルーチン2を使って得点を算出し、ステップS4で求められた得点と加算して、合計の得点を得る。そして、ステップS6に進み、合計得点が閾値よりも大きいか否かが判断され、閾値より大きいときは、ステップS7で、特徴点Aと特徴点Bは一致したと判断し、閾値以下の場合には、ステップS8で、特徴点Aと特徴点Bは不一致であったと判断する。
【0045】
図6は、図5の処理で呼び出されるサブルーチン1の処理を示すフローチャートである。
サブルーチン1が呼び出されると、ステップS9で、特徴点A、Bとも、次数Dの関係特徴点の特徴点識別子から、その関係特徴点の位置、種類、方向を取得する。ステップS10で、特徴点Aと特徴点Bの関係特徴点の位置・方向が照合するか否かを判定する。照合しない場合には、ステップS14において、得点を0点とする。ステップS10で、判断結果がYESの場合には、ステップS11で、特徴点Aと特徴点Bの関係特徴点の種類が照合するか否かを判定する。ステップS11で、種類が照合しない場合には、ステップS13で、得点を0.5点とする。ステップS11で、種類が照合すると判断された場合には、ステップS12で、得点を1点とする。そして、この点数を返り値としてステップS15で、図5のフローに戻る。
【0046】
ここで、種類が照合しない場合に、得点を0.5点としているのは、指紋の採取時と、照合のために指紋を入力したときで、指のセンサに対する押圧が異なること等により、特徴点の種類が変化する可能性があるので、位置と方向が一致しており、種類のみが異なる場合には、点数を低くすることにより、一致している可能性も有しているという場合を考慮しているからである。
【0047】
図7は、図5の処理で呼び出されるサブルーチン2の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS16において、特徴点Aと特徴点Bの0次隆線(各3本;サブルーチン2は、特徴点が分岐点の時に呼び出される)の組み合わせ(重複を禁止)を列挙する。ここでは、0次隆線の組み合わせをそれぞれH1〜Hnとする。次に、ステップS17で、0次隆線の組み合わせHiを一つ取り上げる。そして、ステップS18において、D=0として、図6のサブルーチン1を使って得点を算出する。ステップS19で、すべての組み合わせに対して計算をしたかを判定し、計算がすべての組み合わせについて終わっていない場合には、ステップS17に進んで処理を繰り返す。ステップS19で、すべての0次隆線の組み合わせについて計算が終わったと判断された場合には、ステップS20に進み、算出された複数の0次隆線の組に対する得点Siの内、最大値を有するものを得点Sとして、ステップS21で、返り値Sをもって図5の処理に戻る。
【0048】
図8は、図5の処理のステップS1において分岐した後の処理を示すフローチャートである。
図5のステップS1で、特徴点Aと特徴点Bが同じ種類でないと判明した場合には、図8のステップS22に進む。ステップS22では、特徴点Aと特徴点Bの内、端点側の関係特徴点の正の次数を一つずつ下げる。これは、特徴点が端点から分岐点、分岐点から端点に変換した場合、各次数の隆線が影響を受けることを反映したものであり、詳細は後述する。次に、ステップS23において、図6のサブルーチン1を用いて、0次以外の隆線に対する得点S1を算出する。次に、ステップS24において、0次の隆線について図7のサブルーチン2を用いて得点を算出し、ステップS23で求められた得点に加算する。ステップS25で、特徴点Aと特徴点Bの関係情報の次数を元に戻す。次に、ステップS26において、特徴点Aと特徴点Bの内、端点側の関係特徴点の負の次数を一つずつ上げる。そして、ステップS27において、図6のサブルーチン1を用いて、0次隆線以外の隆線に対する得点を算出する。次に、ステップS28において、図7のサブルーチン2を用いて、0次隆線について得点を算出し、ステップS28の得点に加算して、合計得点S2を求める。ステップS29において、特徴点Aと特徴点Bの関係情報の次数を元に戻し、ステップS30において、上記で求めたS1とS2の大きい方を得点Sとして設定し、図5のステップS6に進む。
【0049】
図9、10は、本発明の特徴点照合方法の第2の実施形態を示す図である。
図9を予め登録してある指紋、図10をこれから照合を行う指紋とする。
第2の実施形態では、第1の実施形態に、隆線本数データも追加したものである。まず、隆線本数データを用いた場合の特徴点照合方法について説明する。
【0050】
第1の特徴点照合と同じように、図9における注目特徴点ID7の照合を、近傍特徴点を用いて行う。今後、注目特徴点と近傍特徴点の間にある隆線の本数がn本の時、その近傍特徴点はn次近傍特徴点(nは0以上の整数)と呼ぶことにする。
【0051】
注目特徴点は、n次近傍特徴点に関する情報を持つ。注目特徴点の照合は、このn次近傍特徴点を照合し、一致・不一致の判定を行う。n次近傍特徴点を照合しているので、注目特徴点の照合とは、すなわち、注目特徴点周辺の隆線構造を照合していることに他ならない。
【0052】
注目特徴点は、近傍特徴点までの隆線本数と、その近傍特徴点の特徴点情報を持つ。例えば、図9において、注目特徴点ID7は以下のn次近傍特徴点情報を持つ。
・0次近傍特徴点は、ID6、ID9である。
・1次近傍特徴点は、ID5、ID8である。
・2次近傍特徴点は、ID10である。
【0053】
これらの情報と共に、各識別子の特徴点の特徴点情報も記録されている。例えば、次のようなものである。
・ID9の特徴点は、種類:分岐点、座標:(100、150)、方向:左から右である。
・ID10の特徴点は、種類:分岐点、座標:(90、180)、方向:上から下である。
【0054】
近傍特徴点の個々に対して特徴点照合を行うことで、注目特徴点の照合を行う。
まず、0次近傍特徴点の照合を行う。0次近傍特徴点は、図10では特徴点ID3、特徴点ID6である。登録指紋と入力指紋には、それぞれ複数の0次近傍特徴点があるため、照合すべき0次近傍特徴点の組合せがいくつかある。そのため、全組合せに対して照合を行う。
組合せは以下の通りである。
個々の特徴点の照合は、第1の特徴点照合法の時と同じである。すなわち、特徴点の位置、種類、方向が所定の値の範囲内で一致していれば、同一の特徴点と見なす。第1の照合法と同じく、一組の近傍特徴点が照合一致した場合、それを1点とする。上記1、2の組み合わせの内、高い方の得点を0次隆線構造の照合得点とする。
【0055】
同様にn次近傍特徴点について、照合を行っていく。照合する組み合わせがいくつかある場合は、全組み合わせに対して、照合得点を計算し、その最大となったものをそのn次近傍特徴点の照合得点とする。
【0056】
注目特徴点が照合するかどうかは、第1の照合法と同じように、合計得点で判定する。合計得点が所定の得点を越えた場合に注目特徴点は照合したと判定する。
【0057】
第2の実施形態では、このように隆線本数を用いても、特徴点照合を行う。第2の実施形態では、隆線本数を用いる特徴点照合方式と第1の照合法を混ぜたものである。n次関係(近傍)特徴点照合時には、それぞれの方法で特徴点照合を行い、そのどちらかで同一特徴点と判断された場合は、そのn次隆線の隆線構造は一致すると判断する。このようにすると、二つある近傍特徴点までの関係情報のどちらかが検出不可能であっても、特徴点照合ができる。これは、部分的に指紋の隆線構造が検出できなかった時に有効である。
【0058】
図11は、指紋照合法の第1及び第2の実施形態を実現する装置の機能ブロック図である。
指紋スキャナ13は、指紋の紋様を画像として計測する指紋入力装置である。画像記憶部10は、画像処理中の指紋画像を保存する記憶装置である。画像二値化部12は、多値階調の指紋画像を二値階調指紋画像に変換する装置であり、従来から当業者にはよく知られているものである。また画像細線化部11は、二値化された指紋画像から隆線の芯線を抽出する装置である。特徴点抽出部15は、細線化された指紋画像から指紋特徴点を抽出する装置である。特徴点情報検出部16は、細線画像から特徴点の個々の特徴点情報(位置、種類、方向)を検出する装置であり、特徴点の方向は図1で説明した定義に基づいて検出する。主関係情報抽出部17は、細線画像からそれぞれの特徴点の主関係特徴点を抽出する装置である。指紋中心位置検出部14は、指紋の中心位置を検出する装置である。指紋情報記憶部18は、得られた特徴点情報・関係情報・指紋中心位置を合わせて一つの指紋情報として記憶する。登録指紋情報記憶部20は、予め登録されてある指紋情報をデータベースとして蓄える。指紋照合部19は、二つの指紋情報を照合し、同一指紋かどうかを判定する。照合結果表示部21は、照合結果を表示する。
【0059】
以下、動作手順を追って、各部を詳細に説明する。
図12は、図11の装置の動作手順を示すフローチャートである。
まず、指紋スキャナ13で多値指紋画像を採取する(ステップS40)。採取された多値指紋画像は、画像記憶部10に記憶される。画像二値化部12は、多値指紋画像を二値化し(ステップS41)、再び画像記憶部10に記憶させる。画像細線化部11は、二値化された指紋画像から指紋隆線の芯線を得るために細線化処理する。細線化された指紋画像は、再び画像記憶部10に記憶される。指紋中心検出部14は、多値画像または、二値化画像などから指紋中心を検出する(ステップS42)。指紋中心の検出法は、従来からいくつかの手法が知られている。
【0060】
特徴点抽出部15は、細線化された指紋画像から指紋の特徴点位置を抽出する(ステップS43)。特徴点情報抽出部16は、特徴点位置と細線画像からその特徴点の位置、種類、方向の特徴点情報を検出する(ステップS44)。主関係情報抽出部17は、同じく、特徴点位置と細線画像から、主関係となる特徴点を抜き出し、その主関係情報を検出する(ステップS45)。
【0061】
指紋情報記憶部18は、収集された指紋中心位置、特徴点情報、主関係情報をまとめて一つの指紋情報とし、それを記憶する(ステップS46)。登録指紋情報記憶部20は、予め計測された指紋情報を登録してあるデータベースである。
【0062】
指紋照合部19は、生成された指紋情報と、予め登録されている特定の登録指紋情報と照合を行う(ステップS47)。照合方法は、既に説明したように個々の特徴点の照合を行うことで、指紋の一致・不一致を確かめる。
【0063】
詳しく照合手順を説明する。以下、登録されている指紋情報を登録指紋、登録指紋と一致しているかどうか確かめる指紋を入力指紋と呼ぶことにする。
まず、登録指紋と照合指紋の位置あわせを行う。指紋画像中の指紋の位置は、指紋画像の採取の度に異なる。従って、登録指紋と入力指紋間で共通の座標軸を設定しなければ、特徴点位置の照合は出来ない。共通の座標軸として、例えば、指紋中心を原点とする座標軸を取る。他に、特定の特徴点を原点に取ることで、共通の座標軸を設定することも可能である。
【0064】
次に、個々の特徴点について上記特徴点照合法の第1の実施形態を用いて照合をしていく。
登録指紋と入力指紋の特徴点同士の全組み合わせに対して、特徴点照合を行う。特徴点照合の手順を以下に示す。
【0065】
ステップ1
登録指紋の特徴点と入力指紋の特徴点の組を一つ選ぶ。
ステップ2
登録指紋の特徴点座標と入力指紋の特徴点座標が所定の範囲内で一致していない場合は、その二つの特徴点は同一の特徴点ではないと判定し、ステップ1に戻る。
【0066】
ステップ3
二つの特徴点の組を上記第一の特徴点照合方法に従って、照合をし、照合得点を算出する。照合得点が所定の値を越えた場合は、その特徴点の組は同一の特徴点であると判定する。後に、ステップ1にもどり、他の特徴点対について特徴点照合を行う。なお、同一の特徴点が見つかった特徴点は、今後の照合を行う特徴点対の候補とはしない。
【0067】
上記の手順で、すべての特徴点について、同一特徴点の存在の有無を調べる。最終的に同一の特徴点数が所定の値を越えた場合、登録指紋と入力指紋は同一の指紋であると判定する。また、同一指紋の判定の方法は、全特徴点数に対して、照合の結果、同一と判断された特徴点数の割合が所定の値を越えた場合や、個々の特徴点照合スコアの合計スコアが所定の値を越えた場合に同一指紋と判定しても良い。
【0068】
そして、ステップS48で、照合結果を表示して処理を終了する。
次に、特徴点照合法の第3の実施形態では、仮想特徴点を用いて照合を行う。照合方法の基本は、特徴点照合法の第1の実施形態と同じである。
【0069】
注目特徴点の関係情報を収集するのに先だって、指紋画像上に仮想特徴点を設定する。ここでは、仮想特徴点を実在する特徴点の両隣の隆線への投影位置とする。投影方法としては、ある特徴点から、隆線の方向に垂直に線を引き、隣の隆線と交わった場所を仮想特徴点とする等の方法があるが、必ずしも、隆線の方向に垂直に線を引く必要はなく、斜めでも良い。あるいは、全く別の方法を用いて、隣の隆線上に仮想特徴点を設定しても良く、ある特徴点に対して、その特徴点の載っている隆線の隣の隆線上に位置するように、対応する仮想特徴点を設ければよい。
【0070】
図13は、仮想特徴点(投影特徴点)の例を示す図である。
仮想特徴点の識別子は、投影元特徴点の識別子と一致させる。すなわち、仮想特徴点の特徴点情報として、投影元特徴点情報を使用する。
【0071】
図13の注目特徴点は、以下のような関係情報を持つ。また、指紋データの別の位置に仮想特徴点情報を持っている。
・0次隆線は、仮想特徴点ID9につながっている。
・1次隆線は、仮想特徴点ID12につながっている。
・2次隆線は、仮想特徴点ID8につながっている。
・−1次隆線は、仮想特徴点ID13につながっている。
・−2次隆線は、仮想特徴点ID12につながっている。
【0072】
図15に、データ構造の模式的例を示す。
図15に示すように、注目特徴点ID11に対して、位置、種類、方向が登録される他に、上記したような、m次(mは整数)の隆線に識別子がいくつの仮想特徴点が存在するかが登録される。
【0073】
注目特徴点の照合は、第1の実施形態と同じように行う。異なる部分は、第1の実施形態は実存の近傍特徴点の照合を行っていたところを、仮想特徴点に対して特徴点照合を行うところである。
【0074】
仮想特徴点の照合は、その投影元の特徴点の照合で行う。例えば、図13において、仮想特徴点ID12を照合する場合、実特徴点ID12について照合を行い、それが一致すれば仮想特徴点ID12は一致していると判定する。
【0075】
その他の照合手順は、第1の実施形態と全く同じである。
すなわち、図13を登録指紋、図14を入力指紋とすると、まず、照合すべき注目特徴点を決定する。ここで、図13では、ID11の特徴点であり、図14では、ID5の特徴点であるとする。次に、図13と14それぞれに対して、注目特徴点の周辺のn次隆線について、どの仮想特徴点が載っているかを調べる。例えば、図13と14のそれぞれにおいて、注目特徴点ID11とID5のそれぞれから各隆線上で最も近い位置に存在する仮想特徴点を、注目特徴点ID11とID5は、関係情報として持つ。図13、14の場合、注目特徴点を通って隆線方向に垂直に引いた直線と隆線との交点から仮想特徴点までの隆線長を調べ、その隆線長の最も短い仮想特徴点を採用している。
【0076】
そして、0次隆線に載っているID9(図13)とID2(図14)の位置、種類、方向を照合し、0次隆線の照合を行う。あと、同様にして、順次、1次隆線、2次隆線、・・・と照合していく。
【0077】
このように、仮想特徴点を用いて照合を行うことにより、登録指紋と照合指紋の採取環境が異なり、隆線の様子がゆがんだり、わずかに変化しても、周りの隆線との関係を利用して照合をするので、正しい照合を行うことが出来る。ただし、上記実施形態では、仮想特徴点は、各隆線に1個しか選択していないが、仮想特徴点の選択個数に制限はなく、各隆線毎に2個、あるいは、3個、または、各隆線毎に異なる数の仮想特徴点を記録し、照合を行うようにしても良い。
【0078】
この第3の実施形態の指紋照合方法は、仮想特徴点を定めて仮想特徴点を用いて隆線構造の照合を行うという点以外は、第1の実施形態の処理手順をそのまま利用することが出来るので、ここでは、特には詳細には述べない。なお、第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態と共に用いることにより、より精度の高い照合を行うことが出来る。共に用いる例を第4の実施形態で説明する。
【0079】
次に、本発明の特徴点照合方法の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態においては、近傍特徴点の種類が変遷しても正しく特徴点照合が出来る方法である。
【0080】
指紋画像を指紋スキャナで読みとる時、皮膚の状態や、押圧の差で特徴点の種類が変化する場合がある。例えば、指紋スキャナに軽く指をふれた時に端点と計測された特徴点が、強く押しつけた時には、分岐点として計測される場合がある。
【0081】
第4の実施形態では、特徴点の種類が変遷した場合をも仮定して照合を行うため、このような状況が発生しても、正しく特徴点照合を行うことが出来る。
第4の実施形態は、第1の実施形態と第3の実施形態を組み合わせて実現する。
【0082】
今後、n次隆線につながっている特徴点をn次主関係特徴点、仮想特徴点をn次副関係特徴点と呼ぶことにする。
図16は、特徴点の種類が変遷した場合の第4の実施形態について説明する図である。
【0083】
特徴点の種類の変遷は、図16に示すように、図16(a)で端点を形成していた隆線が隣の隆線に癒着したりすることで起こる。分岐点が端点に変遷する場合は、その逆である。
【0084】
端点が分岐点に変化した場合は、端点を形成していた隆線が隣の隆線に癒着した場合なので、元の端点があった場所のすぐ近辺に分岐点が発生する。端点と分岐点の方向を図1で説明したように定義すると、変遷する前と変遷した後での特徴点の隆線方向は変化しない。
【0085】
特徴点の種類が変遷すると、例えば、図16(b)で、0次主関係特徴点であったところ、図16(a)では、0次副関係特徴点が現れるようになる。また、図16(a)の1次主関係特徴点が端点に変遷した場合、図16(b)のように1次副関係特徴点が現れる。つまり、特徴点の変遷が発生すると、同じ次数の隆線上で主関係特徴点は副関係特徴点となり、副関係特徴点は主関係特徴点になる。また、特徴点情報は、その変遷に伴い種類(端点、分岐点)だけが変わり、座標と方向はほとんど変化しない。
【0086】
すなわち、主関係特徴点と副関係特徴点を照合し、その座標と方向が所定の範囲内で一致し、かつ、種類が異なるなら、特徴点の変遷が起こっており、それらの特徴点は、元々同一の特徴点であったと判定できる。このように照合を行うことで、特徴点の変遷が起こっても正しく特徴点照合できるようになる。
【0087】
図17は、特徴点の種類の変遷の別の例を示した図である。
図17(a)に示すように、0次副関係特徴点の投影元特徴点は端点であったとする。これが、図17(b)のように隣の隆線に癒着した場合を考える。このとき、それぞれの0次副関係特徴点の照合は、その投影元特徴点の位置と方向が一致しており、種類は異なるという結果が得られる。位置・方向・種類のすべてが一致していた場合は、完全な同一特徴点と見なしていたが、種類だけ異なる場合は、特徴点の変遷が起こったと推測できる。
【0088】
図16、図17のように、特徴点の変遷が発生したと判断した場合は、不安定な特徴点とみなし、特徴点照合の配点に小さな点を割り当てる。
次に図13、図14を援用して特徴点照合方法の例を示す。図13は、予め登録してある指紋(登録指紋)、図14は、これから照合を行う指紋(入力指紋)とする。
【0089】
図18のデータ構造の例に示されるように、注目特徴点ID11に対するデータは、ID11そのものの位置、種類、方向の他に、図13の場合以下の情報が格納される。
・0次隆線の主関係特徴点はID10、副関係特徴点はID9である。
・1次隆線の主関係特徴点はID9、副関係特徴点はID12である。
・2次隆線の主関係特徴点はID9、副関係特徴点はID8である。
・−1次隆線の主関係特徴点はID12、副関係特徴点はID13である。
・−2次隆線の主関係特徴点ID13、副関係特徴点ID12である。
【0090】
同様に、図14の注目特徴点ID5は、以下の関係情報を持つ。
・0次隆線の主関係特徴点はID3、副関係特徴点はID2である。
・1次隆線の主関係特徴点はID2、副関係特徴点はID4である。
・2次隆線の主関係特徴点はID1、副関係特徴点はID2である。
・−1次隆線の主関係特徴点はなし、副関係特徴点はID4である。
・−2次隆線の主関係特徴点はID6、副関係特徴点はID7である。
【0091】
まず、0次隆線について近傍特徴点の照合を行う。
第1の実施形態、及び、第3の実施形態と同様の方法で、主関係特徴点同士、及び、副関係特徴点同士で照合を行う。ここでは、図13の0次近傍特徴点ID10と図14の0次近傍特徴点ID3を照合し、図13の0次近傍仮想特徴点ID9と図14の0次近傍仮想特徴点ID2を照合する。この場合、0次隆線については、主関係特徴点同士、副関係特徴点同士がそれぞれ、照合一致するので、0次隆線についての照合操作は終了する。それぞれの照合に1点を配点するとすると、0次隆線の照合得点は2点である。
【0092】
次に、1次隆線について照合を行う。
1次隆線についてもまず、主関係特徴点同士、副関係特徴点同士の照合を行う。ここでは、図13の主関係特徴点ID9と図14の主関係特徴点ID2、図13の副関係特徴点ID12と図14の副関係特徴点ID4を照合する。図13の主関係特徴点ID9と図14の主関係特徴点ID2の照合では、特徴点の位置・方向とも合っているが、種類が異なっている。従って、特徴点の変遷が起こったことが分かる。従って、1次主関係特徴点の照合得点を0.5点とする。図13の副関係特徴点ID12と図14の副関係特徴点ID4の照合でも同じく、投影元特徴点の位置・方向は一致しているが、種類が異なっている。従って、1次副関係特徴点の照合得点も0.5点とする。統合すると、1次隆線の照合得点は1点となる。
【0093】
次に2次隆線について照合を行う。
図13では、2次隆線の主関係特徴点はID9、副関係特徴点は、ID8であり、図14では、2次隆線の主関係特徴点はID1であり、副関係特徴点はID2である。従って、主関係特徴点同士の照合は、照合一致しない。同じく副関係特徴点同士の照合も照合一致しない。次に特徴点の変遷が起こったと仮定する。すなわち、主関係特徴点と副関係特徴点の照合を行う。
【0094】
図13の2次隆線の主関係特徴点ID9と図14の2次隆線の副関係特徴点ID2の照合を行う。これらの照合では、位置と方向は一致するが、種類は異なっている。種類が異なっていることから、確かに特徴点の変遷が起こっていることが確認できる。従って、図13の2次隆線の主関係特徴点に関する照合得点を0.5点とする。
【0095】
同じく、図13の2次隆線の副関係特徴点ID8と図14の2次隆線の主関係特徴点ID1の照合を行う。この場合も投影元特徴点の位置・方向は一致しており、種類だけが異なっているので、特徴点の変遷が確かに起こっていることが確認できる。従って、図13の2次隆線の副関係特徴点に関する照合得点を0.5点とする。統合すると、2次隆線の照合得点は1点になる。
【0096】
以下、他の次数の隆線についても同じように照合を行っていく。最終的に注目特徴点の照合得点を各隆線の照合得点合計とし、その合計得点が所定の値を超えた場合、その注目特徴点は一致したと判定する。
【0097】
次に、本発明の特徴点照合方法の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、第1〜第4の実施形態の拡張である。すなわち、第1〜第4の実施形態に次に述べる方法を加えて、照合性能を向上させる。
【0098】
第5の実施形態では、注目特徴点が変遷した場合でも正しく特徴点照合を行うものである。
隆線の次数を調整することで、登録指紋と入力指紋間で注目特徴点の種類が異なっても、注目特徴点同士の照合が出来る。
【0099】
図19は、注目特徴点の種類が変遷した様子を示す図である。
図19から分かるように、注目特徴点が端点から分岐点、または、分岐点から端点に変化すると、主関係特徴点の載っている隆線の次数が一つずれる。
【0100】
例えば、図19のように、端点であった注目特徴点が1次隆線側に癒着すると、今まで1次隆線であったものが0次隆線に変わる。同様に考えると、正の次数がすべて一つずつ小さくなる。逆に端点であった注目特徴点が−1次側の隆線に癒着すると−1次の隆線であったものが0次隆線になるなど、負の次数が一つずつ大きくなる。
【0101】
分岐点が端点に変化した場合も上記と同様に考えることが出来る。また、隆線本数を数える場合も同様である。
従って、種類の異なっている注目特徴点同士を照合するには、例えば、以下のようにすれば良い。
【0102】
ステップ1
端点である注目特徴点が1次隆線側に癒着して分岐点となったことを仮定して、注目特徴点の照合を行う。すなわち、端点側の注目特徴点の正の次数の隆線をすべて次数1だけ下げ、同じ種類の注目特徴点の場合と同じ方法で照合得点を算出する。
【0103】
ステップ2
端点である特徴点が−1次隆線側に癒着して分岐点となったことを仮定して、注目特徴点の照合を行う。すなわち、負の次数の隆線をすべて次数1だけ上げ、再び同じ種類の注目特徴点の場合と同じ方法で照合得点を算出する。
【0104】
ステップ3
上記2つの照合得点の内、大きい方をその注目特徴点の最終的な照合得点とする。上記の方法で、注目特徴点の照合得点が高ければ、指紋画像の採取の過程で注目特徴点が変化したという仮定は正しい可能性が高く、それらの注目特徴点は種類が異なるにも関わらず、同一の特徴点だと判定できる。また、この仮定が正しくない可能性もあるので、この場合は、同一特徴点だと判定するために用いる閾値を厳しくしても良い。
【0105】
以上から分かるように、図8のフローチャートで説明した処理は、上記第4の実施形態を第1の実施形態に組み合わせて行うものである。
図20〜図24は、第4の実施形態と第5の実施形態に従う処理のフローチャートである。
【0106】
図20は、メインの処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS50で、注目特徴点Aと注目特徴点Bは同じ種類か否かを判断する。
同じ種類でない場合には、図23の処理に進む。特徴点AとBが同じ種類である場合には、ステップS51に進んで、特徴点AとBの種類が端点か否かを判断する。端点である場合には、ステップS52に進んで、サブルーチン10を呼び出し、サブルーチンの返り値を得点として加算する。そして、すべての次数の隆線について加算できたら、ステップS55に進む。
【0107】
ステップS51で、特徴点Aと特徴点Bの種類が端点でないと判断された場合には、ステップS53において、0次隆線以外の隆線についてサブルーチン10を使って得点を加算し、次に、ステップS54において、サブルーチン11を使って、0次隆線について得点を加算してステップS55に進む。
【0108】
ステップS55では、合計得点が閾値より大きいか否か判断し、閾値よりも大きい場合には、ステップS56において、特徴点Aと特徴点Bは一致したと判断し、ステップS55で、閾値以下であると判断された場合には、特徴点Aと特徴点Bは不一致であったと判断し(ステップS57)、処理を終了する。
【0109】
図21、22は、サブルーチン10の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS58で、得点を設定する変数Sを“0”に初期化する。次に、ステップS59で、特徴点Aと特徴点BのD次主関係特徴点の位置・方向が照合するか否かを判断する。一致する場合には、ステップS62において、特徴点Aと特徴点BのD次主関係特徴点の種類が照合するか否かを判断する。ステップS62の判断がYESの場合には、ステップS64において、得点Sを一点加算して図22のステップS65に進む。ステップS62において、種類が一致しないと判断された場合には、ステップS63において、得点を0.5点加算してステップS65に進む。
【0110】
ステップS59において、特徴点AとBのD次の主関係特徴点の位置・方向が一致しない場合には、ステップS60に進んで、特徴点Aの主関係特徴点と特徴点Bの副関係特徴点の位置・方向が照合する(一致する)か否かを判断する。一致しない場合には、図22のステップS65に進む。ステップS60において、位置・方向が一致すると判断された場合には、ステップS61において、特徴点Aの主関係特徴点と特徴点Bの副関係特徴点の種類が異なるか否かを判断する。種類が同じ場合には、図22のステップS65に進む。種類が同じでないと判断された場合には、ステップS63に進んで、得点を0.5点加算して図22のステップS65に進む。
【0111】
ステップS65においては、特徴点Aと特徴点BのD次副関係特徴点の位置・方向が照合するか否かを判断する。位置・方向が一致する場合には、ステップS68において、特徴点Aと特徴点BのD次副関係特徴点の種類が照合するか否かを判断する。種類が一致する場合には、ステップS70において、得点を1点加算して、ステップS71に進む。ステップS68において、種類が一致しない場合には、ステップS69において、0.5点得点を加算して、ステップS71に進む。
【0112】
ステップS65で、特徴点Aと特徴点BのD次副関係特徴点の位置・方向が照合しないと判断された場合には、ステップS66に進んで、特徴点Aの副関係特徴点と特徴点Bの主関係特徴点の位置・方向が照合するか否かを判断する。一致しない場合には、ステップS71に進む。一致する場合には、ステップS67において、特徴点Aの副関係特徴点と特徴点Bの主関係特徴点の種類が異なるか否かが判断される。ステップS67において、種類が異なる場合には、ステップS69において、得点を0.5点加算して、ステップS71に進む。ステップS67において、種類が同じ場合には、ステップS71に進む。ステップS71では、以上の処理で得られた得点Sを返り値として、メイン処理に処理を戻す。
【0113】
図23は、サブルーチン11の処理を示すフローチャートである。
まず、サブルーチン11が呼び出されると、ステップS72において、特徴点Aと特徴点Bの0次隆線(3本;この場合、特徴点が分岐点である)の組み合わせ(重複を禁止)を列挙する(H1〜Hn)。ステップS73において、0次隆線の組み合わせHiを一つ取り上げる。そして、ステップS74において、0次隆線の組み合わせHiに含まれる隆線の組について、D=0としてサブルーチン10を用いて、得点を算出し、その合計を変数Siに代入する。次に、ステップS75において、すべての組み合わせに対して計算したか否かが判断される。すべての組み合わせについて判断されていない場合には、ステップS73に戻って、他の組み合わせについても計算を行う。ステップS75において、すべての組み合わせについて計算が終わったと判断された場合には、ステップS76に進んで、複数の組み合わせに対して求められた得点Siの内の最大値を得点Sとして設定し、ステップS77で、返り値を得点Sとして、メインの処理に戻る。
【0114】
図24は、図20のステップS50において、特徴点AとBが同じ種類の特徴点でなかった場合に行われる処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS78において、特徴点Aと特徴点Bの内、端点側の関係特徴点の正の次数を一つずつ下げる。そして、ステップS79において、0次でない隆線に関して、サブルーチン10を使って、得点S1を求める。更に、ステップS80において、0次の隆線に関してサブルーチン11を用いて得点を求め、S1に加えて、得点の合計S1を求める。
【0115】
次に、ステップS81において、特徴点Aと特徴点Bの関係情報の次数を元に戻し、ステップS82において、特徴点Aと特徴点Bの内、端点側の関係特徴点の負の次数を一つずつ上げる。
【0116】
そして、ステップS83において、0次でない隆線についてサブルーチン10を用いて、得点S2を算出する。更に、ステップS84において、0次の隆線について、サブルーチン11を用いて得点を計算し、先に求めた得点S2に加算する。そして、ステップS85において特徴点Aと特徴点Bの関係情報の次数を元に戻し、ステップS86において、得点S1とS2のいずれか大きい方を総合得点Sとして設定し、図20のステップS55に進む。
【0117】
図25及び図26は、連鎖照合を説明する図である。
上記実施形態では、基本的に近い場所にある二つの特徴点の位置関係を比較して、特徴点の照合を行っている。そのため、特徴点照合は、ほんの局所的な領域のみを登録指紋と入力指紋で比較し照合している。その結果、局所領域内では、よく似た隆線構造となっている場合、指紋照合の誤判定を起こす場合がある。これを防ぐには、局所領域だけで特徴点照合をするのではなく大局的に照合すればよい。これを実現するには、互いに関係情報で結ばれた特徴点がそれぞれ、照合一致し、それが連鎖的に発生している場合、各特徴点の照合得点を高得点にする。照合一致する特徴点が連鎖的に発生した場合、照合得点を高得点にするとは、すなわち、大局的に隆線構造が一致した場合を、重要視するということである。
【0118】
以下、詳しく説明する。
二つの指紋を照合すると違う指紋にも関わらず、いくつかの特徴点が照合する時がある。このため、二つの指紋が同一であるかどうかの判定に閾値が必要となり、本人拒否エラーと他人受入エラーのトレードオフの関係が発生する。他人受入エラーとは、違う指紋にも関わらず、一致する特徴点が多く、一致判定基準を満たしてしまうことである。
【0119】
他人受入エラーが発生する場合の特徴点照合結果を観察すると、照合一致した特徴点が指紋画像の全体に散在している場合が多い。例えば、本発明の実施形態で、2本のn次隆線画を照合した場合、その特徴点は一致したと判定するとする。他人受入エラーの発生している指紋では、この注目特徴点の照合に成功している部分が局所的に散在し、結果的に照合一致する条件を満たしている(図25は、このことを模式的に示している)。
【0120】
当然のことながら、同じ指紋の場合では、照合した特徴点の近辺の特徴点も照合している。これは、一つの特徴点が照合するということは、その局所領域では正しく指紋画像が形成されており、近辺の特徴点も正しく抽出されていると仮定できるからである。(図26は、このことを模式的に示している)
従って、上記の他人受入エラーを抑制するには、照合一致した特徴点が集団発生しているかどうかを確認すれば良い。集団発生しているという判定は、例えば、その照合した特徴点同士が隆線を介してつながっているかどうかを調べれば良い。
【0121】
図27は、第6の実施形態である、指紋が連鎖的に照合一致しているかどうかを調べる処理のフローチャートである。
図27のフローチャートでは、2連鎖まで計算する例である。また、図27の指紋一致判定は、照合一致した特徴点の数を数えるのではなく、特徴点照合得点の合計が、一致判定閾値を上回っているかどうかを確認することで行っている。照合判定の方法は、同図に示されるものに限られるものではない。
【0122】
まず、ステップS90において、すべての特徴点の照合得点を計算する。次に、ステップS91で、照合した特徴点のうち、一つに注目して処理を行うために、一つの特徴点を選択する。ステップS92において、その選択された特徴点の関係特徴点のうち、照合に成功したものの数(n:nは正数)を調べる。次に、ステップS93で、照合に成功した関係特徴点のうち、更にその関係特徴点の照合に成功したものの数(m:mは正数)を調べる。そして、ステップS94において、注目している特徴点の照合得点をn、mに応じて増加する。例えば、(1+0.1n+0.2m)倍する。ステップS95では、すべての特徴点に対して計算したか否かを判断する。すべての特徴点に対する計算が終わっていない場合には、ステップS91に戻って、他の特徴点についても同様に計算する。ステップS95において、すべての特徴点に対する計算が終わっていると判断された場合には、ステップS96において、すべての特徴点の照合得点を計算し、ステップS97において、特徴点の照合得点合計が閾値より大きいか否かを判断する。閾値より合計得点が大きい場合には、ステップS98で、指紋は一致したと判断する。合計得点が閾値以下であった場合には、ステップS99で、指紋は不一致であると判断する。
【0123】
図28は、第7の実施形態を説明する図である。
注目特徴点の持つ関係情報は、図28を例にすると、以下のようなものである。
1)
・近傍特徴点Aは、4次隆線に連結している。
・近傍特徴点A(4次隆線に連結されていると言う意味で、連結特徴点とも呼ぶ)と注目特徴点の間にある隆線本数は2本である(この近傍特徴点と注目特徴点の間にある隆線本数は、上記した実施形態と同様に指紋画像から検出する)。
・連結特徴点の種類は、分岐点である。
2)
・近傍特徴点Bは、・・・
このように、各近傍特徴点について1)と同様の情報を取得する。
【0124】
近傍特徴点の照合は、これらの関係情報を照合する。すなわち、近傍特徴点の照合時、隆線の次数と連結特徴点までの隆線の本数と、連結特徴点の形が一致していれば、その近傍特徴点までの隆線構造は一致したと判定する。注目特徴点の一致不一致は、一致した近傍特徴点の個数が所定の値を越えた場合、一致と判定する。
【0125】
第7の実施形態では、図28で示される点線と4次隆線で囲まれる領域内にある特徴点の個数を確認していることになる。このようにすると、隆線の次数、隆線の本数、特徴点の形は、指紋の変形・回転に対し不変であるから、照合が安定して行えるようになる。すなわち、指を指紋スキャナに押す時の力加減の違いによる指紋の変形に対して、正しく照合できるようになる。
【0126】
なお、本実施形態において、連結特徴点と注目特徴点との間の隆線の本数の数え方は、様々な方法が考えられ、上記実施形態のような数え方、連結特徴点が載っている隆線も数える方法、連結特徴点と注目特徴点が載っている両方の隆線を数える方法、連結特徴点の載っている隆線は数えず、注目特徴点が載っている隆線を数える方法などが考えられる。第7の実施形態の近傍特徴点照合法を第1〜5の実施形態と組み合わせると、更に照合性能が向上する。
【0127】
図29は、第3〜第7の実施形態を実現する装置の機能ブロック図を示す図である。
なお、同図において、図11と同じ構成要素には同じ参照符号を付し、説明を省略する。
【0128】
図29の構成においては、図11の構成に加え、仮想特徴点生成部30が設けられると共に、主関係情報抽出部が主・副関係情報抽出部31に置き換わり、指紋照合部19aは、第3〜第6の実施形態で説明した照合方法を実現する。仮想特徴点生成部30は、入力された細線化指紋画像と特徴点抽出部15によって抽出された特徴点の情報から、仮想特徴点を生成する。また、主・副関係情報抽出部31は、細線化指紋画像、及び、仮想特徴点に関する情報から特徴点間の主・副関係を決定する。
【0129】
図30は、図29の装置の動作手順を示すフローチャートである。
まず、指紋スキャナ13で多値指紋画像を採取する(ステップS110)。採取された多値指紋画像は、画像記憶部10に記憶される。画像二値化部12は、多値指紋画像を二値化し(ステップS111)、再び画像記憶部10に記憶させる。画像細線化部11は、二値化された指紋画像から指紋隆線の芯線を得るために細線化処理する。細線化された指紋画像は、再び画像記憶部10に記憶される。指紋中心検出部14は、多値画像または、二値化画像などから指紋中心を検出する(ステップS112)。指紋中心の検出法は、前述したように、従来からいくつかの手法が知られている。
【0130】
特徴点抽出部15は、細線化された指紋画像から指紋の特徴点位置を抽出する(ステップS113)。特徴点情報抽出部16は、特徴点位置と細線画像からその特徴点の位置、種類、方向の特徴点情報を検出する(ステップS114)。仮想特徴点生成部30は、特徴点情報と細線化指紋画像から仮想特徴点を生成する(ステップS115)。主・副関係情報抽出部31は、特徴点情報と細線画像から、特徴点、仮想特徴点間の主・副関係を抽出し、その主・副関係情報を特徴点情報に格納する(ステップS116)。
【0131】
指紋情報記憶部18は、収集された指紋中心位置、特徴点情報、主・副関係情報をまとめて一つの指紋情報とし、それを記憶する(ステップS117)。登録指紋情報記憶部20は、予め計測された指紋情報を登録してあるデータベースである。
【0132】
指紋照合部19aは、生成された指紋情報と、予め登録されている特定の登録指紋情報と照合を行う(ステップS118)。照合方法は、既に説明した第3〜第7の実施形態を使用する。
【0133】
登録されている指紋情報を登録指紋、登録指紋と一致しているかどうか確かめる指紋を入力指紋と呼ぶことにすと、図12で説明したように、まず、登録指紋と照合指紋の位置あわせを行う。指紋画像中の指紋の位置は、指紋画像の採取の度に異なる。従って、登録指紋と入力指紋間で共通の座標軸を設定しなければ、特徴点位置の照合は出来ない。共通の座標軸として、例えば、指紋中心を原点とする座標軸を取る。他に、特定の特徴点を原点に取ることで、共通の座標軸を設定することも可能である。
【0134】
そして、この後の処理は、第3〜第7の実施形態で説明した照合方法を適宜組み合わせて実行する。第3〜第7の実施形態の照合方法については、前述したので、説明を省略する。
【0135】
そして、ステップS119で、照合結果を表示して処理を終了する。
図31は、本実施形態をプログラムで実現する場合に必要とされるハードウェア構成の例を示す図である。
【0136】
上述した実施形態の処理は、汎用コンピュータ51上で動作するプログラムで実現が可能である。この場合、汎用コンピュータ51は、CPU40にバス41を介して接続された各装置の相互データ交換によって実現される。ROM42には、BIOSなどが組み込まれ、電源投入と同時に、入出力装置50等とのデータ交換を可能にする。汎用コンピュータ51を指紋照合専用装置として使用する場合には、ROM42にプログラムを格納することにより、CPU40に実行させるようにしても良い。入出力装置50は、通常、キーボード、マウス、ディスプレイなどからなるが、指紋照合を行う場合には、指紋画像を取得するスキャナが必要となる。
【0137】
通常、当該プログラムは、ハードディスクなどの記憶装置47に記憶され、必要に応じてCPU40の指示により、RAM43に展開されて、CPU40によって実行される。あるいは、当該プログラムをフロッピーディスクやCD−ROM、DVD等の可搬記録媒体49に記録して持ち運び可能とし、必要に応じて、記録媒体読み取り装置48に読みとらせて、RAM43に展開し、CPU40に実行させることも可能である。あるいは、可搬記録媒体49からプログラムを記憶装置47に記憶させて、後は、記憶装置47からプログラムをRAM43に読み込んでCPU40に実行させることも可能である。
【0138】
また、今日のようにインターネットなどのコンピュータネットワークが発達した環境では、通信インターフェース44を介してネットワーク45に接続し、情報提供者46から当該プログラムをダウンロードして実行することも可能である。あるいは、LANなどにおいてよく行われているように、情報提供者46がLANのサーバのような機能を果たす場合、ネットワーク環境下で、プログラムを情報提供者46から直接ダウンロードすることなくCPU40に実行させることも可能である。また、指紋に関するデータを情報提供者46に送って処理させ、結果のみを汎用コンピュータ51が受け取るという実行形態も可能である。
【0139】
また、入出力装置50(特には、指紋画像読み取りのための装置)を指紋照合を必要とする複数箇所に配置し、その照合処理については、中央に設けられた汎用コンピュータ51で一括して行うようなシステムを組むことも可能である。
<付記>
本発明は、以下の形態でも実施可能である。
1.取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する装置において、
該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得する隆線関係取得手段と、
該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合する照合手段と、を備えることを特徴とする装置。
2.前記特徴点に関する情報は、各特徴点に割り当てられた識別子と該特徴点の特徴情報を対応させた形式を有することを特徴とする1に記載の装置。
3.前記照合対象の特徴点から前記周囲の特徴点の載っている隆線までの隆線本数が一致し、かつ、該周囲の特徴点の特徴情報が所定の範囲内で一致した場合、前記第1及び第2の指紋に含まれる照合対象の特徴点が同一の特徴点であると判定することを特徴とする1に記載の装置。
4.前記第1と第2の指紋に対して、前記周囲の特徴点の特徴情報が所定の範囲内で一致し、かつ、前記照合対象の特徴点から該周囲の特徴点が載っている隆線までの間にある隆線の本数を該照合対象の特徴点と該周囲の特徴点を結ぶ方向とは異なる方向に関し計数した値が一致し、該照合対象の特徴点から該周囲の特徴点が載っている隆線までの間にある隆線の本数を該照合対象の特徴点と該周囲の特徴点とを結ぶ方向に計数した値とが一致した場合、該第1と第2の指紋の該照合対象の特徴点が同一の特徴点であると判定することを特徴とする1に記載の装置。
5.前記第1と第2の指紋の前記周囲の特徴点の位置・種類・方向の少なくとも一つが所定の範囲内で一致した時、該第1と第2の指紋の前記照合対象の特徴点の特徴情報が一致したと判定することを特徴とする1に記載の装置。
6.前記第1と第2の指紋において、前記照合対象の特徴点の位置、及び、方向が所定の範囲内で一致するが、種類が異なる場合には、照合評価の低い一致であるとすることを特徴とする1に記載の装置。
7.前記第1と第2の指紋において、前記周囲の特徴点の位置、及び方向が所定の範囲内で一致するが、種類が異なる場合には、照合評価の低い一致であるとすることを特徴とする1に記載の装置。
8.前記第1と第2の指紋において、前記照合対象の特徴点の種類が異なる場合、該照合対象の特徴点が載っている隆線と前記周囲の特徴点が載っている隆線の関係を変化させて照合を行うことを特徴とする1に記載の装置。
9.取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋とを照合し、指紋の一致・不一致を判定する装置において、
前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成する仮想特徴点生成手段と、
該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得する隆線関係取得手段と、
該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合する照合手段と、
を備えることを特徴とする装置。
10.前記仮想特徴点に関する情報は、各仮想特徴点に割り当てられた識別子と該仮想特徴点の特徴情報を対応させた形式を有することを特徴とする9に記載の装置。
11.前記照合対象の特徴点から前記周囲の仮想特徴点の載っている隆線までの隆線本数が一致し、かつ、該周囲の仮想特徴点の特徴情報が所定の範囲内で一致した場合、前記第1及び第2の指紋に含まれる照合対象の特徴点が同一の特徴点であると判定することを特徴とする9に記載の装置。
12.前記第1と第2の指紋の前記周囲の仮想特徴点の位置・種類・方向の少なくとも一つが所定の範囲内で一致した時、該第1と第2の指紋の前記照合対象の特徴点の特徴情報が一致したと判定することを特徴とする9に記載の装置。
13.前記第1と第2の指紋において、前記照合対象の特徴点の位置、及び、方向が所定の範囲内で一致するが、種類が異なる場合には、照合評価の低い一致であるとすることを特徴とする9に記載の装置。
14.前記第1と第2の指紋において、前記周囲の仮想特徴点の位置、及び方向が所定の範囲内で一致するが、種類が異なる場合には、照合評価の低い一致であるとすることを特徴とする9に記載の装置。
15.前記仮想特徴点は、実在する特徴点を周辺の隆線に投影して生成することを特徴とする9に記載の装置。
16.前記仮想特徴点の特徴情報を仮想特徴点の投影もとの特徴点の特徴情報とすることを特徴とする15に記載の装置。
17.前記第1と第2の指紋において、前記照合対象の特徴点の種類が異なる場合、該照合対象の特徴点が載っている隆線と前記周囲の特徴点が載っている隆線の関係を変化させて照合を行うことを特徴とする9に記載の装置。
18.取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する装置において、
前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成する仮想特徴点生成手段と、
該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線及び周囲の仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得する隆線関係取得手段と、
該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合し、該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合することにより、該照合対象の特徴点の一致を判定する照合判定手段と、
を備えることを特徴とする装置。
19.前記照合対象の特徴点が位置及び方向に関し、第1と第2の指紋で所定の範囲内で一致するが、種類が異なる場合、照合結果の評価を低く設定することを特徴とする18に記載の装置。
20.前記周囲の特徴点、または、前記仮想特徴点が位置及び方向に関し、第1と第2の指紋で所定の範囲内で一致するが、種類が異なる場合、照合結果の評価を低く設定することを特徴とする18に記載の装置。
21.第1と第2の指紋の前記周囲の特徴点、及び、仮想特徴点を混合した組合せについて照合を行うことを特徴とする20に記載の装置。
22.前記照合対象の特徴点の前記第1と第2の指紋における一致、前記周囲の特徴点の一致が該照合対象の特徴点について複数生じた場合には、一致の生じた個数に応じて照合結果の評価を高めることを特徴とする18に記載の装置。
23.取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法において、
(a)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、
(b)該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
24.前記特徴点に関する情報は、各特徴点に割り当てられた識別子と該特徴点の特徴情報を対応させた形式を有することを特徴とする23に記載の方法。
25.前記照合対象の特徴点から前記周囲の特徴点の載っている隆線までの隆線本数が一致し、かつ、該周囲の特徴点の特徴情報が所定の範囲内で一致した場合、前記第1及び第2の指紋に含まれる照合対象の特徴点が同一の特徴点であると判定することを特徴とする23に記載の方法。
26.前記第1と第2の指紋に対して、前記周囲の特徴点の特徴情報が所定の範囲内で一致し、かつ、前記照合対象の特徴点から該周囲の特徴点が載っている隆線までの間にある隆線の本数を該照合対象の特徴点と該周囲の特徴点を結ぶ方向とは異なる方向に関し計数した値が一致し、該照合対象の特徴点から該周囲の特徴点が載っている隆線までの間にある隆線の本数を該照合対象の特徴点と該周囲の特徴点とを結ぶ方向に計数した値が一致した場合、該第1と第2の指紋の該照合対象の特徴点が同一の特徴点であると判定することを特徴とする23に記載の方法。
27.前記第1と第2の指紋の前記周囲の特徴点の位置・種類・方向の少なくとも一つが所定の範囲内で一致した時、該第1と第2の指紋の前記照合対象の特徴点の特徴情報が一致したと判定することを特徴とする23に記載の方法。
28.前記第1と第2の指紋において、前記照合対象の特徴点の位置、及び、方向が所定の範囲内で一致するが、種類が異なる場合には、照合評価の低い一致であるとすることを特徴とする23に記載の方法。
29.前記第1と第2の指紋において、前記周囲の特徴点の位置、及び方向が所定の範囲内で一致するが、種類が異なる場合には、照合評価の低い一致であるとすることを特徴とする23に記載の方法。
30.前記第1と第2の指紋において、前記照合対象の特徴点の種類が異なる場合、該照合対象の特徴点が載っている隆線と前記周囲の特徴点が載っている隆線の関係を変化させて照合を行うことを特徴とする23に記載の方法。
31.取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋とを照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法において、
(a)前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成するステップと、
(b)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、
(c)該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
32.前記仮想特徴点に関する情報は、各仮想特徴点に割り当てられた識別子と該仮想特徴点の特徴情報を対応させた形式を有することを特徴とする31に記載の方法。
33.前記照合対象の特徴点から前記周囲の仮想特徴点の載っている隆線までの隆線本数が一致し、かつ、該周囲の仮想特徴点の特徴情報が所定の範囲内で一致した場合、前記第1及び第2の指紋に含まれる照合対象の特徴点が同一の特徴点であると判定することを特徴とする31に記載の方法。
34.前記第1と第2の指紋の前記周囲の仮想特徴点の位置・種類・方向の少なくとも一つが所定の範囲内で一致した時、該第1と第2の指紋の前記照合対象の特徴点の特徴情報が一致したと判定することを特徴とする31に記載の方法。
35.前記第1と第2の指紋において、前記照合対象の特徴点の位置、及び、方向が所定の範囲内で一致するが、種類が異なる場合には、照合評価の低い一致であるとすることを特徴とする31に記載の方法。
36.前記第1と第2の指紋において、前記周囲の仮想特徴点の位置、及び方向が所定の範囲内で一致するが、種類が異なる場合には、照合評価の低い一致であるとすることを特徴とする31に記載の方法。
37.前記仮想特徴点は、実在する特徴点を周辺の隆線に投影して生成することを特徴とする31に記載の方法。
38.前記仮想特徴点の特徴情報を仮想特徴点の投影もとの特徴点の特徴情報とすることを特徴とする37に記載の方法。
39.前記第1と第2の指紋において、前記照合対象の特徴点の種類が異なる場合、該照合対象の特徴点が載っている隆線と前記周囲の特徴点が載っている隆線の関係を変化させて照合を行うことを特徴とする31に記載の方法。
40.取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法において、
(a)前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成するステップと、
(b)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線及び周囲の仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、
(c)該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合し、該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合することにより、該照合対象の特徴点の一致を判定するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
41.前記照合対象の特徴点が位置及び方向に関し、第1と第2の指紋で所定の範囲内で一致するが、種類が異なる場合、照合結果の評価を低く設定することを特徴とする40に記載の方法。
42.前記周囲の特徴点、または、前記仮想特徴点が位置及び方向に関し、第1と第2の指紋で所定の範囲内で一致するが、種類が異なる場合、照合結果の評価を低く設定することを特徴とする40に記載の方法。
43.第1と第2の指紋の前記周囲の特徴点、及び、仮想特徴点を混合した組合せについて照合を行うことを特徴とする42に記載の方法。
44.前記照合対象の特徴点の前記第1と第2の指紋における一致、前記周囲の特徴点の一致が該照合対象の特徴点について複数生じた場合には、一致の生じた個数に応じて照合結果の評価を高めることを特徴とする40に記載の方法。
45.取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体において、該方法は、
(a)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、
(b)該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合するステップと、
を備えることを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
46.取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋とを照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体において、該方法は、
(a)前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成するステップと、
(b)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、
(c)該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合するステップと、
を備えることを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
47.取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体において、該方法は、
(a)前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成するステップと、
(b)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線及び周囲の仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、
(c)該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合し、該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合することにより、該照合対象の特徴点の一致を判定するステップと、
を備えることを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0140】
【発明の効果】
隆線でつながれている特徴点のネットワークは、指紋がひずんだり伸び縮みしたり、一部が欠けても、そのネットワーク構造は不変である。そのため、本発明によれば、指紋の隆線構造と特徴点の位置関係を用いて指紋の照合を行うことで、高い照合性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特徴点の方向の定義を説明する図である。
【図2】本発明の注目特徴点の第1の実施形態の照合方法を説明する図(その1)である。
【図3】本発明の注目特徴点の第1の実施形態の照合方法を説明する図(その2)である。
【図4】第1の実施形態におけるデータ構造を示す図である。
【図5】第1の実施形態の処理を示すフローチャート(その1)である。
【図6】第1の実施形態の処理を示すフローチャート(その2)である。
【図7】第1の実施形態の処理を示すフローチャート(その3)である。
【図8】第1の実施形態の処理を示すフローチャート(その4)である。
【図9】本発明の特徴点照合方法の第2の実施形態を示す図(その1)である。
【図10】本発明の特徴点照合方法の第2の実施形態を示す図(その2)である。
【図11】指紋照合法の第1及び第2の実施形態を実現する装置の機能ブロック図である。
【図12】図11の装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】仮想特徴点(投影特徴点)の例を示す図(その1)である。
【図14】仮想特徴点(投影特徴点)の例を示す図(その2)である。
【図15】データ構造の模式的例を示す図である。
【図16】特徴点の種類が変遷した場合の第4の実施形態について説明する図である。
【図17】特徴点の種類の変遷の別の例を示した図である。
【図18】データ構造の例を示す図である。
【図19】注目特徴点の種類が変遷した様子を示す図である。
【図20】第4と第5の実施形態に従う処理のフローチャート(その1)である。
【図21】第4と第5の実施形態に従う処理のフローチャート(その2)である。
【図22】第4と第5の実施形態に従う処理のフローチャート(その3)である。
【図23】第4と第5の実施形態に従う処理のフローチャート(その4)である。
【図24】第4と第5の実施形態に従う処理のフローチャート(その5)である。
【図25】連鎖照合を説明する図(その1)である。
【図26】連鎖照合を説明する図(その2)である。
【図27】第6の実施形態である、指紋が連鎖的に照合一致しているかどうかを調べる処理のフローチャートである。
【図28】第7の実施形態を説明する図である。
【図29】第3〜第7の実施形態を実現する装置の機能ブロック図を示す図である。
【図30】図29の装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図31】本実施形態をプログラムで実現する場合に必要とされるハードウェア構成の例を示す図である。
【符号の説明】
10 画像記憶部
11 画像細線化部
12 画像二値化部
13 指紋スキャナ
14 指紋中心位置検出部
15 特徴点抽出部
16 特徴点情報抽出部
17 主関係情報抽出部
18 指紋情報記憶部
19 指紋照合部
20 登録指紋情報記憶部
21 照合結果表示部
19a 指紋照合部
30 仮想特徴点生成部
31 主・副関係情報抽出部
Claims (9)
- 取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する装置において、
該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得する隆線関係取得手段と、
該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合する照合手段と、
を備え、
前記周囲の特徴点の特徴情報が所定の範囲内で一致し、かつ、該周囲の特徴点の種類が一致している場合は、前記周囲の特徴点が載っている隆線までの隆線本数が一致しているか、もしくは、該周囲の特徴点の種類が異なる場合は、前記周囲の特徴点の載っている隆線までの隆線本数の差が1本以下である場合、前記第1及び第2の指紋に含まれる照合対象の特徴点が同一であると判定することを特徴とする装置。 - 取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋とを照合し、指紋の一致・不一致を判定する装置において、
前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成する仮想特徴点生成手段と、
該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得する隆線関係取得手段と、
該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合する照合手段と、
を備え、
照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係は、該照合対象の特徴点が載っている隆線から数えて何番目に該仮想特徴点が載っている隆線があるかという関係と該仮想特徴点の生成元となっている実在特徴点の識別記号、もしくは、特徴情報を含むことを特徴とする装置。 - 取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する装置において、
前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成する仮想特徴点生成手段と、
該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線及び周囲の仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得する隆線関係取得手段と、
該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合し、該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合することにより、該照合対象の特徴点の一致を判定する照合判定手段と、
を備え、
照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係は、該照合対象の特徴点が載っている隆線から数えて何番目に該仮想特徴点が載っている隆線があるかという関係と該仮想特徴点の生成元となっている実在特徴点の識別記号、もしくは、特徴情報を含むことを特徴とする装置。 - 取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法において、
(a)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、
(b)該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合するステップと、
を備え、
前記周囲の特徴点の特徴情報が所定の範囲内で一致し、かつ、該周囲の特徴点の種類が一致している場合は、前記周囲の特徴点が載っている隆線までの隆線本数が一致しているか、もしくは、該周囲の特徴点の種類が異なる場合は、前記周囲の特徴点の載っている隆線までの隆線本数の差が1本以下である場合、前記第1及び第2の指紋に含まれる照合対象の特徴点が同一であると判定することを特徴とする方法。 - 取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋とを照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法において、
(a)前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成するステップと、
(b)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、
(c)該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合するステップと、
を備え、
照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係は、該照合対象の特徴点が載っている隆線から数えて何番目に該仮想特徴点が載っている隆線があるかという関係と該仮想特徴点の生成元となっている実在特徴点の識別記号、もしくは、特徴情報を含むことを特徴とする方法。 - 取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法において、
(a)前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成するステップと、
(b)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線及び周囲の仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、
(c)該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合し、該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合することにより、該照合対象の特徴点の一致を判定するステップと、
を備え、
照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係は、該照合対象の特徴点が載っている隆線から数えて何番目に該仮想特徴点が載っている隆線があるかという関係と該仮想特徴点の生成元となっている実在特徴点の識別記号、もしくは、特徴情報を含むことを特徴とする方法。 - 取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体において、該方法は、
(a)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、
(b)該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合するステップと、
を備え、
前記周囲の特徴点の特徴情報が所定の範囲内で一致し、かつ、該周囲の特徴点の種類が一致している場合は、前記周囲の特徴点が載っている隆線までの隆線本数が一致している か、もしくは、該周囲の特徴点の種類が異なる場合は、前記周囲の特徴点の載っている隆線までの隆線本数の差が1本以下である場合、前記第1及び第2の指紋に含まれる照合対象の特徴点が同一であると判定することを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋とを照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体において、該方法は、
(a)前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成するステップと、
(b)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、
(c)該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合するステップと、
を備え、
照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係は、該照合対象の特徴点が載っている隆線から数えて何番目に該仮想特徴点が載っている隆線があるかという関係と該仮想特徴点の生成元となっている実在特徴点の識別記号、もしくは、特徴情報を含むことを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 取得した第1の指紋と、予め登録されている第2の指紋を照合し、指紋の一致・不一致を判定する方法をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体において、該方法は、
(a)前記第1と第2の指紋の特徴点に対し、仮想特徴点を生成するステップと、
(b)該第1及び第2の指紋において、照合対象の特徴点の周囲の特徴点が載っている隆線及び周囲の仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係を取得するステップと、
(c)該第1の指紋において、該周囲の特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の特徴点を用いて照合し、該第1の指紋において、該周囲の仮想特徴点が載っている隆線が有する、該照合対象の特徴点が載っている隆線との関係と同じ関係を、該第2の指紋において、照合対象の特徴点に対して有している周囲の仮想特徴点を用いて照合することにより、該照合対象の特徴点の一致を判定するステップと、
を備え、
照合対象の特徴点の周囲の該仮想特徴点が載っている隆線の、該照合対象の特徴点が載っている隆線に対する関係は、該照合対象の特徴点が載っている隆線から数えて何番目に該仮想特徴点が載っている隆線があるかという関係と該仮想特徴点の生成元となっている実在特徴点の識別記号、もしくは、特徴情報を含むことを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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