JP3724860B2 - Resin composition with excellent appearance of molded product - Google Patents
Resin composition with excellent appearance of molded product Download PDFInfo
- Publication number
- JP3724860B2 JP3724860B2 JP26803995A JP26803995A JP3724860B2 JP 3724860 B2 JP3724860 B2 JP 3724860B2 JP 26803995 A JP26803995 A JP 26803995A JP 26803995 A JP26803995 A JP 26803995A JP 3724860 B2 JP3724860 B2 JP 3724860B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- graft
- polymer
- flame retardant
- resin composition
- rubber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工流動性、成形品の表面外観、機械的強度に優れ、かつ難燃性に優れた樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート系樹脂とABS樹脂をはじめとするゴム強化樹脂との樹脂組成物は、優れた機械的特性、外観、成形加工性等の特徴を有するため、コンピュータやワープロ、複写機などのOA分野や、テレビ、ゲーム機などの一般家電製品分野に広く用いられている。近年こうした分野において、小型化及び薄肉化が要求されており、成形加工時において、低流動性、フローマーク発生、表面外観不良等の問題が生じている。さらに、難燃規制の強化に伴い、樹脂の難燃化技術も重要な技術となってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
成形品の外観を良くするために、流動性を高めたり、ゴム強化樹脂のゴム粒子を均一にすることが知られているが、それらの制御が難しくその効果を達成するのは著しく困難である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題の解決にあたり鋭意検討した結果、表面グラフト被覆率が高いグラフト重合体からなるゴム強化樹脂が、ポリカーボネート系樹脂と組成物にした場合、加工流動性が良いこと、および表面外観に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は、
ポリカーボネート系樹脂(A)25〜98重量部、
ゴム状重合体に、これとグラフト共重合可能な1種または2種以上のビニル化合物をグラフト重合して得られるグラフト重合体であって、該ゴム状重合体にグラフト重合しているビニル化合物の下記(イ)式により定義される表面グラフト被覆率が80%以上であり、かつ上記ゴム状重合体表面にグラフト重合しているビニル化合物の平均厚みが5〜25nmであることを特徴とする乳化グラフト重合方式で製造されるグラフト重合体を含むゴム強化樹脂(B)2〜75重合部、
からなる樹脂組成物に関する。
表面グラフト被覆率(%)=(s/S)×100 (イ)
(ここで、Sはゴム状重合体の表面積、sはゴム状重合体表面にグラフトし、被覆しているビニル化合物の表面積)
【0006】
まず、本発明における表面グラフト被覆率とは、Sをゴム状重合体の表面積、sをゴム状重合体粒子表面にグラフトし、被覆しているビニル化合物の表面積とした場合に、下記の(イ)式により定義され、要約すればゴム強化熱可塑性樹脂組成物中に分散するゴム状重合体の表面にどれくらいのビニル化合物がグラフトされ、被覆されているかを示す尺度である。
表面グラフト被覆率(%)=(s/S)×100 (イ)
【0007】
この表面グラフト被覆率(%)は後述するように、具体的にはゴム強化熱可塑性樹脂組成物中に分散するグラフト重合体の超薄切片を電子顕微鏡で観察、写真撮影した写真を解析、測定して求めることができる。図1はこの電子顕微鏡写真を模式化した図であり、図1において、a1 〜an 及びb1 〜bn のそれぞれの長さを測定し、R=(a1 +a2 +・・・・+an-1 +an )+(b1 +b2 +・・・・+bn-1 +bn )、r=(a1 +a2 +・・・・+an-1 +an )として、Rを上記のS=ゴム状重合体の表面積に相当する長さとし、rを上記のs=ゴム状重合体表面にグラフトし被覆しているビニル化合物の表面積に相当する長さとして、下記の(ロ)式で表面グラフト被覆率として求めることができる。
表面グラフト被覆率(%)=(r/R)×100 (ロ)
【0008】
本発明では、この表面グラフト被覆率が80%以上であることが必要であり、好ましくは90%以上である。80%未満であると耐衝撃性および高温成形時の加工流動性の低下、熱劣化による着色、さらに特に押出しや成形時の滞留によりゲル状物が生じ好ましくない。
【0009】
次に、本発明の組成物について述べる。
本発明に用いられるポリカーボネート系樹脂(A)は、2価フェノールとホスゲンまたは、炭酸ジエステルの反応により製造される。2価フェノールとしては、ビスフェノール類が好ましく、特に2,2−ビス(4ーヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと記す)が好ましい。また、ビスフェノールAの一部または、全部を他の2価フェノール化合物で置換してもよい。ビスフェノールA以外の2価フェノール化合物は、例えば、ハイドロキノン、4,4ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどの化合物である。これらの2価フェノールのホモポリマー、または、2種以上のコポリマーあるいは、これらのブレンド品であってもよい。
【0010】
次に、本発明のゴム強化樹脂(B)について述べる。
本発明におけるゴム強化樹脂(B)は、ゴム状重合体に、一種または二種以上のビニル化合物をグラフト共重合して得られるグラフト重合体を一成分として含有する。
本発明に使用するゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体などの共役ジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル系ゴムなどであるが、好ましくは共役ジエン系ゴムのポリブタジエンとブタジエン−スチレン共重合体およびブタジエン−アクリロニトリル共重合体である。また、これらは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0011】
本発明に用いるゴム状重合体にグラフトさせるビニル化合物としては、スチレン、主鎖または側鎖置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステルや同様な置換体のメタクリル酸エステル、さらに、アクリル酸、メタクリル酸などのアクリル酸類やN−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミドなどのマレイミド系単量体、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有単量体なども用いられる。またこれらは併用が可能である。これら単量体のうち好ましくは芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物である。特に好ましくは、スチレンおよびアクリロニトリルである。
【0012】
グラフト共重合体の製造過程で生成するゴム状重合体にグラフト反応した成分の割合は、重合反応により生成した重合体をアセトンに溶解し不溶分を遠心分離器で分離除去することによって測定することができる。アセトンに溶解する成分は、重合反応した共重合体のうちグラフト反応しなかった成分(非グラフト成分)であり、アセトン不溶分からゴム状重合体の量を差し引いた値がグラフト成分の値として定義される。グラフト反応成分の割合として好ましくは、ゴム状重合体を100重量部として、10〜80重量部であり、より好ましくは、20〜60重量部の範囲である。
【0013】
上記グラフト重合体の製造方法としては、特に限定はされないが、乳化重合で製造されたゴム状重合体ラテックスにビニル化合物をグラフト重合させる乳化グラフト重合方式が好ましく、連続式、バッチ式、セミバッチ式いずれの方式も可能である。本発明においては、乳化重合で製造されたゴム状重合体にビニル化合物を開始剤、分子量調節剤等とともに連続的に添加する乳化グラフト方式が特に好ましい。乳化グラフト重合方式を用いる場合、表面グラフト被覆率を80%以上とするには、乳化グラフト重合させる際に用いる乳化剤を極めて少なくすること、乳化剤を用いる場合には、重合時間の初期での添加は避け、重合時間中に連続的に少量ずつ添加することが特に好ましい。重合時におけるpHは、アルカリ性、中性、酸性のいずれの条件においても可能であるが、中性であることが好ましい。
【0014】
乳化重合に用いられる乳化剤は、特に限定されないが、一般に乳化重合用として用いられる乳化剤(以下、非重合性乳化剤と略することがある)、例えば、ロジン酸塩、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン性乳化剤があげられる。また、化合物中に二重結合を1つ以上有し、共役ジエン系ゴム、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸エステル化合物とラジカル重合可能な乳化剤(以下、重合性乳化剤と略すことがある)も用いることができる。これらの重合性乳化剤としては、下記一般式(1)で表される重合性乳化剤があげられる。
【0015】
【化1】
(式中、Xは(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基または(1−プロペニル)ビニル基を示す。Yは水素、または−SO3M(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表される硫酸エステル塩、または−CH2COOM(Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたは炭素数1〜4のヒドロキシアルキルアンモニウム)で表されるカルボン酸塩、または下記(1’)式で表されるリン酸モノエステル塩を示す。
【0016】
【化2】
R1は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基もしくはアラルキル基、R2は水素または炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基もしくはアラルキル基、R3は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、nは1〜200の整数を示す。)
【0017】
一般式(1)で示される具体的な化合物としては、次の一般式(2)〜(6)で表される化合物を用いることができる。
【化3】
【0018】
これらの乳化剤は単独でも、2種類以上組み合わせてもよい。
ゴム強化樹脂(B)中のゴム状重合体の含有量は、好ましくは5〜60重量%で、より好ましくは10〜50重量%の範囲である。5重量%未満では耐衝撃性が劣り、また60重量%を越えると成形加工時の流動性や光沢値が低下してしまい好ましくない。
【0019】
本発明のゴム強化樹脂(B)は、グラフト重合体を製造する過程で生成する、ゴム状重合体にグラフトしていない成分を含んでもよい。また、ゴム強化樹脂(B)の製造方法は特に限定されないが、例えば、乳化重合により、グラフト重合体とグラフトしない共重合体を同時に作る方法、また乳化重合によりゴム状重合体の割合の高い、グラフト共重合体とビニル共重合体の混合物(以下GRCと略することがある)をあらかじめ製造し、別に塊状重合、乳化重合や懸濁重合等で製造したビニル共重合体を配合して目的のゴム含有量にする方法もとられる。
【0020】
本発明における難燃剤(C)とは、いわゆる一般の難燃剤であり、リン系化合物やハロゲン系有機化合物の他、メラミン等の窒素含有有機化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物、酸化アンチモン、酸化ビスマス等が挙げられ、また、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物、赤リン、ホスフィン、次亜リン酸、亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、無水リン酸などの無機系リン化合物、カーボンファイバー、グラスファイバー、などの繊維、膨張黒鉛、シリカ、シリカ系ガラス溶融物などが用いられるが、好ましくはリン系化合物、またはハロゲン系有機化合物および、ハロゲン系有機化合物と酸化アンチモンの併用等が挙げられる。
【0021】
ハロゲン系有機化合物としては、一般のハロゲン系難燃剤および含ハロゲンリン酸エステル全般を挙げることができる。例えば、ハロゲン系有機化合物としては、ヘキサクロロペンタジエン、ヘキサブロモジフェニル、オクタブロモジフェニルオキシド、トリブロモフェノキシメタン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニルオキシド、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモブテン、ヘキサブロモシクロドデカン等が挙げられるが、好ましくは、下記一般式(7)の構造を有するハロゲン系有機化合物であり、特に好ましいのは下記一般式(8)のハロゲン系有機化合物である。
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
一方、含ハロゲンリン酸エステルとしては、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・β−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチルホスフェート)およびこれらの縮合リン酸エステル等があるが、好ましくは、トリス(トリブロモネオペンチルホスフェート)、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェートである。これらのハロゲン系有機化合物は1種類でも、2種類以上組み合わせて用いることもできる。
【0025】
リン酸エステル系難燃剤としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルポスフェートなどのリン酸エステルやこれらを各種置換基で変成した化合物が挙げられる。
本発明の組成物中における縮合リン酸エステル系難燃剤は、一般式(11)で表される化合物である。
【0026】
【化6】
(式中、nは1〜10の正数であり、Ar1〜Ar4は各々独立に、フェニル基、トリル基またはキシリル基である。また、nが2以上の場合には複数あるAr4は各々同一でも異なってもよい。)
該化合物の具体例として好ましくは、下記一般式(12)〜(15)で表される化合物である。
【0027】
【化7】
(式中、Ar1〜Ar3は各々同一または異なっており、フェニル基、トリル基、または、2,6−キシリル基以外のキシリル基であり、Rは前記一般式(11)におけるA4である。)
上記で表される化合物はリン酸エステル化合物であり、このリン酸エステル化合物は難燃化効果、および耐熱性が特によい。
これらは単独または2種類以上を併用して用いることができる。
【0028】
難燃剤の配合量は必要な難燃性のレベルに応じて決められるが、樹脂組成物の合計が100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲であることが必要である。0.1重量部未満では必要な難燃効果が発揮されない。30重量部を超えると樹脂の機械的強度を低下させる。好ましくは1〜28重量部であり、特に好ましい範囲としては3〜25重量部の範囲である。難燃剤としてハロゲン系化合物を用いる場合には、難燃効果を高める為に難燃助剤を用いることが出来る。難燃助剤として好ましくは、元素周期律表におけるVBに属する元素を含む化合物で、具体的には、窒素含有化合物、リン含有化合物、酸化アンチモン、酸化ビスマスであり、また、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物も効果的に用いられる。この中でも特に好ましくは、酸化アンチモンであり、具体的には三酸化アンチモン、五酸化アンチモンが挙げられる。これらの難燃助剤は樹脂中への分散を改善する目的及び/又は樹脂の熱的安定性を改善する目的で表面処理を施されているものを用いてもよい。
【0029】
難燃助剤の添加量は、0.5〜20重量部の範囲が好ましく、0.5部未満の場合には、難燃助剤の効果が十分でなく、20重量部を越える場合には、樹脂の機械的強度および加工流動性が低下する。より好ましくは1〜15重量部であり、特に好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0030】
ポリカーボネート系樹脂(A)とゴム強化熱可塑性樹脂組成物(B)の割合は、必要とする機械的強度、剛性、成形加工性、耐熱性に応じて決められ、成分(A)が5〜98重量部、成分(B)が2〜95重量部の範囲にあることが必要である。好ましくは、成分(A)が20〜90重量部、成分(B)が20〜80重量部であり、さらに好ましくは、成分(A)が25〜85重量部、成分(B)が15〜75重量部の範囲である。
本発明の滴下防止剤のポリテトラフルオロエチレンには特に限定はないが、ファインパウダーあるいはディスパージョン等が好ましい。樹脂への配合量としては0.01〜3重量部の範囲にあることが好ましい。
【0031】
本発明の充填剤としては、ガラスファイバー、ガラスフレーク、カーボンファイバー、タルク、マイカ等を挙げることができる。これらの種類は、必要とする機械的強度、剛性、成形加工性、耐熱性に応じて決めればよい。また、配合量は、(A)と(B)と(C)の合計100重量部に対して1〜50重量部の範囲であればよい。
【0032】
また、本発明の樹脂組成物に対し、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、シリコーンオイル、オレフィン系オイル、等を加えることは任意である。
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、通常の方法、例えば、押出機混練、バンバリーミキサー、ニーダー等によるメルトブレンド、ゴム強化樹脂の重合途中に他の成分を添加する方法、溶媒ブレンド等により製造することができる。
【0033】
さらに、これらの熱可塑性樹脂組成物からなる成形品の成型方法は、押し出し成形、圧縮成型、射出成形、シート成形、真空成形、ガスアシスト成形等があり、特に限定されない。成形品の例としては、パーソナルコンピュータ(パソコン)、携帯用パソコン、ファクシミリ、CRT、テレビ等の各種OA機器および家庭用電化製品のハウジングとして、また携帯用電話やパーソナルハンディーホンシステム(PHS)、ホイールキャップ、スポイラー、自動車のインパネ等が挙げられる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下に用いる部数は重量部とする。
なお、本発明の実施例における測定方法は以下の通りである。
【0035】
(表面グラフト被覆率)
ゴム強化熱可塑性樹脂組成物を、そのゾル分が可溶な溶媒(例えば、ABS樹脂ではアセトン)を用いて溶解後、遠心分離し、ゲル分を取り出す。ゲル分をアセトン中に超音波ホモジナイザーを用いて分散させた後、エポキシ樹脂系接着剤主剤中に加え、再度分散させる。アセトンを真空乾燥にて除去した後、エポキシ樹脂系接着剤の硬化剤を加え、混合、加熱し固化させる。これにより、エポキシ樹脂中に分散したグラフト重合体が得られる。
得られたグラフト重合体含有のエポキシ樹脂は、例えばABS樹脂の場合には、四酸化オスミウムで染色しウルトラミクロトームにて超薄切片作成後、透過型電子顕微鏡にて観察、撮影した。超薄切片の厚さは60nmとした。
【0036】
グラフト重合体の電子顕微鏡写真の解析には、画像解析装置IP−1000(旭化成工業(株)社製)を用い、表面グラフト被覆率を測定した。具体的には、グラフト重合体中のゴム状重合体とこのゴム状重合体の表面にグラフトしているビニル化合物成分とを分離した画像を作成し、前述のように、図1において、a1 〜an 及びb1 〜bn のそれぞれの長さを測定し、R=(a1 +a2+・・・・+an-1 +an )+(b1 +b2 +・・・・+bn-1 +bn )とr=(a1 +a2 +・・・・+an-1 +an )とから下記(ロ)式で表面グラフト被覆率を求める。
表面グラフト被覆率(%)=(r/R)×100 (ロ)
なお、実施例の表面グラフト被覆率の測定にあたっては、ゴム状重合体の粒径×0.9以上の粒径をもつグラフト重合体のみを選び測定に供した。測定個数は10である。表中の単位は%で記した。
【0037】
(ビニル化合物の平均厚さ)
ゴム状重合体の表面にグラフトしているビニル化合物の厚さは、上記の表面グラフト被覆率と同様、得られたゴム強化熱可塑性樹脂組成物を四酸化オスミウムで染色しウルトラミクロトームにて超薄切片作成後、透過型電子顕微鏡にて観察、撮影した。グラフト重合体の電子顕微鏡写真の解析には、画像解析装置IP−1000(旭化成工業(株)社製)を用いた。具体的には、グラフト重合体中のゴム状重合体とこのゴム状重合体粒子表面にグラフトしているビニル化合物とを分離した画像を作成し、図1においてゴム状重合体の表面積に相当する周囲長(R)、すなわちR=(a1 +a2 +・・・・+an-1 +an )+(b1 +b2 +・・・・+bn-1 +bn )を測定し、次いでゴム状重合体表面にグラフトしているビニル化合物の体積に相当する面積(t)、即ち、t=(c1 +c2 +・・・・+cn-1 +cn )とから下記(ハ)式でビニル化合物の平均厚さを求める。
ビニル化合物の平均厚さ=(t/R) (ハ)
なお、測定個数は10である。表中の単位はnmで記した。
【0038】
(ゴム状重合体の重量平均粒子径)
ゴム状重合体の希薄液を透過型電子顕微鏡測定用金属メッシュ上に1滴とり、四酸化オスミウムあるいは四酸化ルテニウムの蒸気で染色した。染色されたサンプルを透過型電子顕微鏡にて撮影し、粒子の重量平均粒子径を上記の画像解析装置IP−1000を用いて求めた。測定個数は100である。
【0039】
(物性評価方法)
各種物性の評価方法については以下に示す通りである。
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に基づき測定した。測定条件は240℃、10kg荷重で単位はg/10minである。
(2)光沢度
ペレットを成形温度260℃、金型温度65℃で10cm×10cm×2mmの平板を成形し、ASTM D−523−62Tに基づき、光沢計(Glossmeter)により、入射角、反射角を60度として表面光沢を求めた。
【0040】
(3)フローマーク
ペレットを成形温度260℃、金型温度65℃で10cm×10cm×2mmの平板を成形し、その表面を目視によりフローマークまたはシルバーの有無を調べた。
○:フローマークの発生無し
×:フローマークの発生有り
(4)難燃性
UL94規格垂直燃焼試験(厚み1/12インチ)に基づく試験により測定した。
【0041】
(ポリカーボネート樹脂 PC−1)
重量平均分子量24500のポリカーボネート樹脂
(共役ジエン系ゴムSの製法)
(ゴムラテックス S−1)
以下の組成の物質(固形分基準)を、内部を真空に脱気した50リットルオートクレーブに投入し、65℃にて重合を行った。
【0042】
1,3−ブタジエン 97.0 部
アクリロニトリル 3.0 部
t−ドデシルメルカプタン 0.2 部
ロジン酸カリウム 0.7 部
牛脂ケン化石ケン 0.3 部
過硫酸ナトリウム 0.25部
水酸化ナトリウム 0.1 部
炭酸水素ナトリウム 0.35部
脱イオン水 60.0 部
【0043】
重合開始後10時間目から20時間目の間に、以下の組成の溶液をオートクレーブに連続添加しながら重合を継続した。
ロジン酸カリウム 0.3 部
牛脂ケン化石ケン 0.1 部
過硫酸ナトリウム 0.1 部
水酸化ナトリウム 0.05部
炭酸水素ナトリウム 0.15部
脱イオン水 50.0 部
【0044】
連続添加終了後、重合系を80℃に昇温し、重合開始後26時間目に冷却し重合を終了した。重合後、未反応ブタジエンを除去した。電子顕微鏡写真により求めたラテックスの重量平均粒子径は0.28ミクロンであった。また、ラテックスのpHは10.1であった。
(S−2)
表1に記載した以外はS−1と同様に実施した。
結果をまとめて表1に記す。
【0045】
【表1】
【0046】
(グラフト共重合体とビニル共重合体の混合物Gの製造)
(G−1の製造)
ゴムラテックスS−1(固形分)40部、イオン交換水100部を10リットル反応器に入れ、気相部を窒素置換した後、この初期分散液を70℃に昇温した。重合前のpHの調整は炭酸ガスを反応器内でバブルして調整した。次に以下に示す組成からなる水溶液1と単量体混合液2を反応器に5時間にわたり連続的に添加し、重合初期の乳化剤使用量が極めて少ない処方にて重合した。添加終了後、1時間温度を保ち反応を完結させた。
【0047】
水溶液1の組成は次の通りである。
硫酸第一鉄 0.005部
ソジウムフォルムアルデヒドスルホキシレート(SFS) 0.1部
エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム(EDTA) 0.05部
イオン交換水 50部
【0048】
単量体混合液2の組成は次の通りである。
アクリロニトリル 18部
スチレン 42部
t−ドデシルメルカプタン(t−DM) 0.8部
クメンハイドロパーオキサイド(CHP) 0.1部
このようにして得られたGRCラテックスに、酸化防止剤を添加した後、硫酸アルミニウムを加え凝固させ、水洗浄、脱水した後、加熱乾燥し、GRC粉末を得た。
(G−2〜7の製造)
表2に示す組成および条件以外はG−1と同様にして得た。
【0049】
【表2】
【0050】
(ビニル共重合体 T−1)
(1)ビニル共重合体(T−1)
共重合体T−1中の組成は、IRスペクトルより、アクリロニトリル30重量%、スチレン70重量%、また、極限粘度(共重合体T−1:0.5g、メチルエチルケトン:100ミリリットル、30℃)は0.39であった。
(難燃剤FR−1)
明細書記載の一般式(8)で表され、n=0又は自然数、RとR’は一般式(10)で示される基で表される化合物であって、軟化温度が105℃である難燃剤。
(難燃剤FR−2)
以下の方法で合成した、一般式(12)を主成分とする縮合リン酸エステル系難燃剤。
【0051】
ビスフェノールA114g(0.5モル)、オキシ塩化リン154g(1.0モル)、及び無水塩化マグネシウム1.4g(0.015モル)を攪拌機・還流管付きの500ml四つ口フラスコに仕込み、窒素気流下70〜140℃にて4時間反応させた。反応終了後、反応温度を維持しつつ、フラスコを真空ポンプにて200mmHg以下に減圧し、未反応のオキシ塩化リンをトラップにて回収した。ついでフラスコを室温まで冷却し、2,6キシレノール61g(0.5モル)、及び無水塩化アルミニウム2.0g(0.015モル)を加え、100〜150℃に加熱して4時間反応させた。ついでフラスコを室温まで冷却し、フェノール141g(1.5モル)を加え、100〜150℃に加熱して4時間保持し、反応を完結させた。そのままの温度で1mmHgまで減圧し、未反応のフェノール類を溜去した。反応時に発生する塩化水素ガスは水酸化ナトリウム水溶液にて捕集し、中和滴定によりその発生量を測定して反応の進行をモニターした。生成した粗リン酸エステルを蒸留水で洗浄した後、濾紙(アドバンテック社製#131)により固形分を除去した。真空乾燥して淡黄色透明な精製物を得た。
GPC測定(島津製LC−10A、カラム:東ソーTSKgel ODS−80T、溶媒:メタノール/水 90/10)の結果、一般式(12)で表される成分の純度は63重量%であった。
【0052】
(難燃剤FR−3)
以下の方法で合成した、一般式(13)を主成分とするリン酸エステル系難燃剤。
第1反応工程でオキシ塩化リン192g(1.25モル)、第2反応工程で、2,6−キシレノール122g(1.0モル)、第3反応工程で、フェノール94(1.0モル)を用いる以外は難燃剤FR−2と同じ方法で、淡黄色透明な精製物を得た。
GPC測定(島津製LC−10A、カラム:東ソーTSKgel ODS−80T、溶媒:メタノール/水 90/10)の結果、式(13)成分の純度は75重量%であった。
【0053】
(滴下防止剤)−PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
平均粒度(ASTM−D1457に準拠して測定)が500μm、融点(JIS−K6891に準拠して測定)が327℃であるもの。
(ガラスファイバー)
シランカップリング処理された、直径13ミクロンのガラスファイバー。
(難燃助剤)
三酸化アンチモン。
(その他の添加剤)
EBSは、エチレンビスステアリルアミドである。
【0054】
(実施例1〜26、比較例1〜12)
以上のように調製した樹脂を表3〜5に掲げる組成(単位は重量部)でブレンドし、シリンダー温度が240℃に設定された2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で混練造粒し、ペレットを得て、上記の評価を行った。
【0055】
(実施例27〜32、比較例13、14)
以上のように調製した樹脂を表3〜5に掲げる組成(単位は重量部)でブレンドし、シリンダー温度が240℃に設定された2軸押出機(ZSK−25、W&P社製)で混練造粒した。ただし、ガラスファイバーは押出機先端付近よりサイドフィードした。これによって得られたペレットで、上記の評価を行った。
以上の結果を表3〜5にまとめて示す。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】
実施例および比較例から以下のことが明らかである。
実施例の組成物は、表面グラフト被覆率およびグラフト厚みが請求項記載の範囲にあるため、加工流動性、表面外観、難燃性に優れる。比較例の組成物は、グラフト被覆率もしくは、グラフト厚みが請求項記載の範囲を越えるため、加工流動性および、表面外観に劣る。
【0060】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、加工流動性、表面外観に優れる。さらに難燃性も優れる。この効果は、ゴム強化樹脂と難燃剤の組み合わせによる組成物において、ビニル共重合体による表面グラフト被覆率が80%以上であり、かつ上記ゴム状重合体表面にグラフト重合しているビニル化合物の平均厚みが5〜25nmであることを特徴とするグラフト重合体をゴム強化樹脂の成分とすることで達成しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面グラフト被覆率およびビニル化合物の被覆厚さを求めるための具体的解析例を示す図であり、図中黒色部はゴム状重合体であり、斜線部はビニル化合物のグラフト成分である。
【符号の説明】
a1 〜an ;ビニル化合物のグラフト部分のゴム状重合体上での周方向の長さ
b1 〜bn ;ビニル化合物がグラフトされていない部分のゴム状重合体上での周方向の長さ
c1 〜cn はビニル化合物のグラフト部分の断面積[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a resin composition excellent in processing fluidity, surface appearance of a molded product, mechanical strength, and excellent in flame retardancy.
[0002]
[Prior art]
A resin composition of a polycarbonate resin and a rubber reinforced resin such as an ABS resin has excellent mechanical characteristics, appearance, molding processability, and the like. Therefore, the OA field such as a computer, a word processor, a copying machine, Widely used in the field of general home appliances such as TVs and game machines. In recent years, downsizing and thinning have been demanded in such fields, and problems such as low fluidity, generation of flow marks, and poor surface appearance have occurred during molding. Furthermore, with the intensification of flame retardant regulations, flame retardant technology for resins has become an important technology.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In order to improve the appearance of molded products, it is known to increase fluidity and make the rubber particles of rubber-reinforced resin uniform, but it is difficult to control them and it is extremely difficult to achieve the effect. .
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive investigations in solving the above problems, the present inventors have found that when a rubber-reinforced resin composed of a graft polymer having a high surface graft coverage is made into a composition with a polycarbonate resin, the processing fluidity is good, and It has been found that the surface appearance is excellent, and the present invention has been completed.
[0005]
That is, the present invention
Polycarbonate resin (A) 25 -98 parts by weight,
A graft polymer obtained by graft-polymerizing one or more vinyl compounds that can be graft copolymerized with a rubber-like polymer, wherein the vinyl compound is graft-polymerized to the rubber-like polymer. The surface graft coverage defined by the following formula (a) is 80% or more, and the average thickness of the vinyl compound graft-polymerized on the surface of the rubbery polymer is 5 to 25 nm. Manufactured by emulsion graft polymerization Rubber reinforced resin (B) 2 containing graft polymer 75 Superposition part,
The resin composition which consists of.
Surface graft coverage (%) = (s / S) × 100 (A)
(Where S is the surface area of the rubber-like polymer, s is the surface area of the vinyl compound grafted and coated on the surface of the rubber-like polymer)
[0006]
First, the surface graft coverage in the present invention refers to the following (a) when S is the surface area of a rubber-like polymer and s is the surface area of a vinyl compound that is grafted onto the surface of a rubber-like polymer particle. In summary, this is a measure of how much vinyl compound is grafted and coated on the surface of the rubbery polymer dispersed in the rubber-reinforced thermoplastic resin composition.
Surface graft coverage (%) = (s / S) × 100 (A)
[0007]
As will be described later, this surface graft coverage (%) is specifically determined by observing an ultra-thin section of the graft polymer dispersed in the rubber-reinforced thermoplastic resin composition with an electron microscope, and analyzing and measuring the photograph taken. Can be obtained. FIG. 1 is a schematic diagram of this electron micrograph. In FIG. 1 ~ A n And b 1 ~ B n , And measure R = (a 1 + A 2 + ...... a n-1 + A n ) + (B 1 + B 2 + ...... b n-1 + B n ), R = (a 1 + A 2 + ...... a n-1 + A n ) Where R is the length corresponding to the surface area of the S = rubbery polymer, and r is the length corresponding to the surface area of the vinyl compound grafted onto the surface of the s = rubbery polymer. The surface graft coverage can be determined by the following equation (b).
Surface graft coverage (%) = (r / R) × 100 (b)
[0008]
In the present invention, the surface graft coverage is required to be 80% or more, preferably 90% or more. If it is less than 80%, a gel-like substance is undesirably produced due to impact resistance and deterioration of processing fluidity during high-temperature molding, coloring due to thermal deterioration, and particularly retention during extrusion or molding.
[0009]
Next, the composition of the present invention will be described.
The polycarbonate resin (A) used in the present invention is produced by a reaction of dihydric phenol and phosgene or carbonic acid diester. As the dihydric phenol, bisphenols are preferable, and 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (hereinafter referred to as bisphenol A) is particularly preferable. Moreover, you may substitute a part or all of bisphenol A by another dihydric phenol compound. Examples of dihydric phenol compounds other than bisphenol A include hydroquinone, 4,4 dihydroxydiphenyl, bis (4-hydroxyphenyl) sulfide, bis (4-hydroxyphenyl) sulfone, and bis (4-hydroxyphenyl) ketone. is there. It may be a homopolymer of these dihydric phenols, two or more kinds of copolymers, or a blended product thereof.
[0010]
Next, the rubber reinforced resin (B) of the present invention will be described.
The rubber-reinforced resin (B) in the present invention contains, as a component, a graft polymer obtained by graft copolymerizing one or more vinyl compounds with a rubber-like polymer.
The rubbery polymer used in the present invention includes conjugated diene rubbers such as polybutadiene, polyisoprene, polychloroprene, butadiene-styrene copolymer, butadiene-acrylonitrile copolymer, ethylene-propylene rubber, ethyl acrylate, acrylic Acrylic rubber such as butyl acid is preferable, but conjugated diene rubber polybutadiene, butadiene-styrene copolymer and butadiene-acrylonitrile copolymer are preferable. Moreover, these can be used in combination of 2 or more types.
[0011]
Examples of the vinyl compound to be grafted to the rubbery polymer used in the present invention include aromatic vinyl compounds such as styrene, main chain or side chain substituted styrene, vinyl cyanide compounds such as acrylonitrile and methacrylonitrile, methyl acrylate, and ethyl acrylate. Acrylates such as butyl acrylate, methacrylic acid esters of the same substitution, acrylic acids such as acrylic acid and methacrylic acid, maleimide monomers such as N-phenylmaleimide and N-methylmaleimide, glycidyl methacrylate A glycidyl group-containing monomer such as is also used. These can be used in combination. Of these monomers, aromatic vinyl compounds and vinyl cyanide compounds are preferred. Particularly preferred are styrene and acrylonitrile.
[0012]
The proportion of the components grafted to the rubbery polymer produced during the production of the graft copolymer is measured by dissolving the polymer produced by the polymerization reaction in acetone and separating and removing the insoluble matter with a centrifuge. Can do. The component that dissolves in acetone is the component that has not undergone graft reaction (non-grafted component) in the copolymer that has undergone polymerization reaction, and the value obtained by subtracting the amount of rubber-like polymer from the acetone insoluble content is defined as the value of the graft component. The The proportion of the graft reaction component is preferably 10 to 80 parts by weight, more preferably 20 to 60 parts by weight, based on 100 parts by weight of the rubbery polymer.
[0013]
The method for producing the graft polymer is not particularly limited, but an emulsion graft polymerization method in which a vinyl compound is graft-polymerized to a rubber-like polymer latex produced by emulsion polymerization is preferable, and any of continuous, batch, and semi-batch methods is used. This method is also possible. In the present invention, an emulsion graft method in which a vinyl compound is continuously added to a rubbery polymer produced by emulsion polymerization together with an initiator, a molecular weight regulator and the like is particularly preferable. When using the emulsion graft polymerization method, in order to achieve a surface graft coverage of 80% or more, the amount of emulsifier used in emulsion graft polymerization should be extremely small. It is particularly preferable to add them little by little during the polymerization time. The pH at the time of polymerization can be any of alkaline, neutral and acidic conditions, but is preferably neutral.
[0014]
The emulsifier used in the emulsion polymerization is not particularly limited, but an emulsifier generally used for emulsion polymerization (hereinafter sometimes abbreviated as non-polymerizable emulsifier), for example, rosin acid salt, higher fatty acid salt, alkyl sulfate ester salt Anionic emulsifiers such as alkylbenzene sulfonate, alkyl diphenyl ether disulfonate, polyoxyethylene alkyl phenyl ether sulfate, dialkyl sulfosuccinate, and nonionic emulsifiers such as polyoxyethylene alkyl ether and polyoxyethylene alkyl phenyl ether. can give. In addition, an emulsifier having at least one double bond in the compound and capable of radical polymerization with a conjugated diene rubber, an aromatic vinyl compound, a vinyl cyanide compound and / or a (meth) acrylate compound (hereinafter, polymerizable) (May be abbreviated as emulsifier). Examples of these polymerizable emulsifiers include polymerizable emulsifiers represented by the following general formula (1).
[0015]
[Chemical 1]
(In the formula, X represents a (meth) allyl group, a (meth) acryloyl group or a (1-propenyl) vinyl group. Y represents hydrogen or —SO. Three A sulfate ester salt represented by M (M is hydrogen, alkali metal, alkaline earth metal, ammonium or hydroxyalkylammonium having 1 to 4 carbon atoms), or -CH 2 A carboxylate represented by COOM (M is hydrogen, an alkali metal, an alkaline earth metal, ammonium, or a hydroxyalkylammonium having 1 to 4 carbon atoms) or a phosphoric acid monoester salt represented by the following formula (1 ′) Indicates.
[0016]
[Chemical formula 2]
R 1 Is an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms, an alkenyl group or an aralkyl group, R 2 Is hydrogen or an alkyl, alkenyl or aralkyl group having 1 to 18 carbon atoms, R Three Represents hydrogen or a propenyl group, A represents an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms or a substituted alkylene group, and n represents an integer of 1 to 200. )
[0017]
As specific compounds represented by the general formula (1), compounds represented by the following general formulas (2) to (6) can be used.
[Chemical 3]
[0018]
These emulsifiers may be used alone or in combination of two or more.
The content of the rubbery polymer in the rubber reinforced resin (B) is preferably 5 to 60% by weight, more preferably 10 to 50% by weight. If it is less than 5% by weight, the impact resistance is inferior, and if it exceeds 60% by weight, the fluidity and gloss value at the time of molding are lowered, which is not preferable.
[0019]
The rubber-reinforced resin (B) of the present invention may contain a component that is generated in the process of producing a graft polymer and is not grafted on the rubber-like polymer. Further, the production method of the rubber reinforced resin (B) is not particularly limited. For example, a method of simultaneously producing a graft polymer and a non-grafted copolymer by emulsion polymerization, or a high proportion of the rubbery polymer by emulsion polymerization, A mixture of a graft copolymer and a vinyl copolymer (hereinafter sometimes abbreviated as GRC) is produced in advance, and a vinyl copolymer produced by bulk polymerization, emulsion polymerization, suspension polymerization or the like is blended separately to obtain the desired The method of making the rubber content is taken.
[0020]
The flame retardant (C) in the present invention is a so-called general flame retardant, in addition to phosphorus compounds and halogen organic compounds, nitrogen-containing organic compounds such as melamine, inorganic compounds such as magnesium hydroxide and aluminum hydroxide, Antimony oxide, bismuth oxide and the like, and metal oxides such as zinc oxide and tin oxide, and inorganic systems such as red phosphorus, phosphine, hypophosphorous acid, phosphorous acid, metaphosphoric acid, pyrophosphoric acid and phosphoric anhydride Fibers such as phosphorus compounds, carbon fibers, glass fibers, etc., expanded graphite, silica, silica-based glass melts, etc. are used, but preferably phosphorus-based compounds or halogen-based organic compounds, and halogen-based organic compounds and antimony oxides. Combination use etc. are mentioned.
[0021]
Examples of the halogen-based organic compound include general halogen-based flame retardants and all halogen-containing phosphate esters. For example, the halogen-based organic compounds include hexachloropentadiene, hexabromodiphenyl, octabromodiphenyl oxide, tribromophenoxymethane, decabromodiphenyl, decabromodiphenyl oxide, octabromodiphenyl oxide, tetrabromobisphenol A, tetrabromophthalimide, hexa Examples include bromobutene, hexabromocyclododecane, etc., preferably halogen organic compounds having the structure of the following general formula (7), particularly preferably halogen organic compounds of the following general formula (8) .
[0022]
[Formula 4]
[0023]
[Chemical formula 5]
[0024]
On the other hand, halogen-containing phosphate esters include tris-chloroethyl phosphate, tris-dichloropropyl phosphate, tris-β-chloropropyl phosphate, tris (tribromophenyl) phosphate, tris (dibromophenyl) phosphate, tris (tribromoneo Pentyl phosphate) and condensed phosphoric acid esters thereof. Tris (tribromoneopentyl phosphate), tris (tribromophenyl) phosphate, and tris (dibromophenyl) phosphate are preferable. These halogen organic compounds can be used alone or in combination of two or more.
[0025]
Examples of phosphate ester flame retardants include trimethyl phosphate, triethyl phosphate, tripropyl phosphate, tributyl phosphate, tripentyl phosphate, trihexyl phosphate, tricyclohexyl phosphate, triphenyl phosphate, tricresyl phosphate, trixylenyl phosphate, Examples thereof include phosphate esters such as dimethyl ethyl phosphate, methyl dibutyl phosphate, ethyl dipropyl phosphate, hydroxyphenyl diphenyl phosphate, and compounds obtained by modifying these with various substituents.
The condensed phosphate ester flame retardant in the composition of the present invention is a compound represented by the general formula (11).
[0026]
[Chemical 6]
(In the formula, n is a positive number of 1 to 10, and Ar1 to Ar4 are each independently a phenyl group, a tolyl group, or a xylyl group. When n is 2 or more, a plurality of Ar4s are the same. But it may be different.)
Preferable examples of the compound are compounds represented by the following general formulas (12) to (15).
[0027]
[Chemical 7]
(In the formula, Ar1 to Ar3 are the same or different and each is a phenyl group, a tolyl group, or a xylyl group other than a 2,6-xylyl group, and R is A4 in the general formula (11).)
The compound represented above is a phosphoric acid ester compound, and this phosphoric acid ester compound has particularly good flame retardancy and heat resistance.
These can be used alone or in combination of two or more.
[0028]
Although the compounding quantity of a flame retardant is determined according to the level of a required flame retardance, it is necessary for the sum total of a resin composition to be the range of 0.1-30 weight part with respect to 100 weight part. If it is less than 0.1 part by weight, the necessary flame retardant effect is not exhibited. If it exceeds 30 parts by weight, the mechanical strength of the resin is lowered. The amount is preferably 1 to 28 parts by weight, and particularly preferably 3 to 25 parts by weight. When a halogen compound is used as the flame retardant, a flame retardant aid can be used to enhance the flame retardant effect. The flame retardant aid is preferably a compound containing an element belonging to VB in the periodic table of elements, specifically, a nitrogen-containing compound, a phosphorus-containing compound, antimony oxide, bismuth oxide, and iron oxide, zinc oxide. Metal oxides such as tin oxide are also effectively used. Of these, antimony oxide is particularly preferable, and specific examples include antimony trioxide and antimony pentoxide. These flame retardant aids may be those subjected to surface treatment for the purpose of improving dispersion in the resin and / or improving the thermal stability of the resin.
[0029]
The addition amount of the flame retardant aid is preferably in the range of 0.5 to 20 parts by weight. When the amount is less than 0.5 parts, the effect of the flame retardant aid is not sufficient. The mechanical strength and processing fluidity of the resin are reduced. More preferably, it is 1-15 weight part, Especially preferably, it is the range of 1-10 weight part.
[0030]
The ratio of the polycarbonate resin (A) and the rubber-reinforced thermoplastic resin composition (B) is determined according to the required mechanical strength, rigidity, molding processability, and heat resistance, and the component (A) is 5 to 98. It is necessary that the parts by weight and component (B) are in the range of 2 to 95 parts by weight. Preferably, component (A) is 20 to 90 parts by weight, component (B) is 20 to 80 parts by weight, and more preferably, component (A) is 25 to 85 parts by weight and component (B) is 15 to 75 parts by weight. The range is parts by weight.
There is no particular limitation on the polytetrafluoroethylene of the anti-dripping agent of the present invention, but fine powder or dispersion is preferred. The blending amount in the resin is preferably in the range of 0.01 to 3 parts by weight.
[0031]
Examples of the filler of the present invention include glass fiber, glass flake, carbon fiber, talc, mica and the like. These types may be determined according to the required mechanical strength, rigidity, molding processability, and heat resistance. Moreover, the compounding quantity should just be the range of 1-50 weight part with respect to a total of 100 weight part of (A), (B), and (C).
[0032]
Moreover, it is optional to add a known antioxidant, ultraviolet absorber, lubricant, mold release agent, antistatic agent, colorant, silicone oil, olefin oil, etc. to the resin composition of the present invention.
The method for producing the resin composition of the present invention is not particularly limited, but a usual method, for example, melt blending by an extruder kneading, a Banbury mixer, a kneader, etc., a method of adding other components during polymerization of a rubber reinforced resin, a solvent It can be produced by blending or the like.
[0033]
Furthermore, there are no particular limitations on the method of molding a molded article comprising these thermoplastic resin compositions, including extrusion molding, compression molding, injection molding, sheet molding, vacuum molding, gas assist molding, and the like. Examples of molded products include personal computers (personal computers), portable personal computers, facsimiles, CRTs, televisions and other OA equipment and household appliance housings, portable telephones, personal handyphone systems (PHS), wheels Examples include caps, spoilers, and instrument panels of automobiles.
[0034]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail based on examples. In addition, this invention is not limited at all by these Examples. The parts used below are parts by weight.
In addition, the measuring method in the Example of this invention is as follows.
[0035]
(Surface graft coverage)
The rubber-reinforced thermoplastic resin composition is dissolved using a solvent in which the sol content is soluble (for example, acetone in the case of ABS resin) and then centrifuged to take out the gel content. After the gel content is dispersed in acetone using an ultrasonic homogenizer, it is added to the epoxy resin adhesive main agent and dispersed again. After acetone is removed by vacuum drying, a curing agent for an epoxy resin adhesive is added, mixed, heated and solidified. Thereby, the graft polymer dispersed in the epoxy resin is obtained.
For example, in the case of an ABS resin, the obtained graft polymer-containing epoxy resin was dyed with osmium tetroxide, prepared an ultrathin section with an ultramicrotome, and then observed and photographed with a transmission electron microscope. The thickness of the ultrathin section was 60 nm.
[0036]
For the analysis of the electron micrograph of the graft polymer, an image analyzer IP-1000 (manufactured by Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd.) was used to measure the surface graft coverage. Specifically, an image is prepared by separating the rubber-like polymer in the graft polymer and the vinyl compound component grafted on the surface of the rubber-like polymer, and as described above, in FIG. 1 ~ A n And b 1 ~ B n , And measure R = (a 1 + A 2 + ...... a n-1 + A n ) + (B 1 + B 2 + ...... b n-1 + B n ) And r = (a 1 + A 2 + ...... a n-1 + A n ) And the surface graft coverage by the following formula (b).
Surface graft coverage (%) = (r / R) × 100 (b)
In the measurement of the surface graft coverage of the examples, only the graft polymer having a particle size of rubbery polymer × 0.9 or more was selected for measurement. The number of measurements is 10. The unit in the table is expressed in%.
[0037]
(Average thickness of vinyl compound)
The thickness of the vinyl compound grafted on the surface of the rubber-like polymer is the same as the surface graft coverage mentioned above, and the obtained rubber-reinforced thermoplastic resin composition is dyed with osmium tetroxide and ultrathin with an ultramicrotome. After preparing the section, it was observed and photographed with a transmission electron microscope. An image analyzer IP-1000 (Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd.) was used for the analysis of the electron micrograph of the graft polymer. Specifically, an image obtained by separating the rubber-like polymer in the graft polymer and the vinyl compound grafted on the surface of the rubber-like polymer particles is prepared, and corresponds to the surface area of the rubber-like polymer in FIG. Perimeter (R), ie R = (a 1 + A 2 + ...... a n-1 + A n ) + (B 1 + B 2 + ...... b n-1 + B n ) And then the area (t) corresponding to the volume of the vinyl compound grafted onto the rubbery polymer surface, ie t = (c 1 + C 2 + .... + c n-1 + C n ) And the average thickness of the vinyl compound is determined by the following formula (c).
Average thickness of vinyl compound = (t / R) (c)
The number of measurements is 10. The unit in the table is expressed in nm.
[0038]
(Weight average particle diameter of rubbery polymer)
One drop of a dilute solution of a rubber-like polymer was placed on a metal mesh for transmission electron microscope measurement and dyed with osmium tetroxide or ruthenium tetroxide vapor. The dyed sample was photographed with a transmission electron microscope, and the weight average particle diameter of the particles was determined using the above-described image analyzer IP-1000. The number of measurements is 100.
[0039]
(Physical property evaluation method)
The evaluation methods for various physical properties are as follows.
(1) Melt flow rate (MFR)
It measured based on JIS K7210. The measurement conditions are 240 ° C., 10 kg load, and the unit is g / 10 min.
(2) Glossiness
The pellet was molded at a molding temperature of 260 ° C. and a mold temperature of 65 ° C. and a 10 cm × 10 cm × 2 mm flat plate was molded. Gloss was sought.
[0040]
(3) Flow mark
The pellet was molded into a flat plate of 10 cm × 10 cm × 2 mm at a molding temperature of 260 ° C. and a mold temperature of 65 ° C., and the surface was visually inspected for the presence of flow marks or silver.
○: No flow mark
×: Flow mark is generated
(4) Flame resistance
It measured by the test based on UL94 standard vertical combustion test (thickness 1/12 inch).
[0041]
(Polycarbonate resin PC-1)
Polycarbonate resin with a weight average molecular weight of 24,500
(Production method of conjugated diene rubber S)
(Rubber latex S-1)
A substance having the following composition (based on solid content) was put into a 50 liter autoclave deaerated inside and subjected to polymerization at 65 ° C.
[0042]
1,3-butadiene 97.0 parts
Acrylonitrile 3.0 parts
t-dodecyl mercaptan 0.2 part
Potassium rosinate 0.7 parts
Beef tallow ken fossil ken 0.3 parts
0.25 parts sodium persulfate
Sodium hydroxide 0.1 part
Sodium bicarbonate 0.35 parts
60.0 parts deionized water
[0043]
Polymerization was continued during 10 to 20 hours after the start of polymerization while continuously adding a solution having the following composition to the autoclave.
Potassium rosinate 0.3 parts
Beef tallow ken fossil ken 0.1 parts
Sodium persulfate 0.1 part
Sodium hydroxide 0.05 parts
Sodium bicarbonate 0.15 parts
Deionized water 50.0 parts
[0044]
After completion of the continuous addition, the polymerization system was heated to 80 ° C. and cooled at 26 hours after the start of polymerization to complete the polymerization. After the polymerization, unreacted butadiene was removed. The weight average particle diameter of the latex determined by electron micrograph was 0.28 microns. The pH of the latex was 10.1.
(S-2)
Except as described in Table 1, the same procedure as in S-1 was performed.
The results are summarized in Table 1.
[0045]
[Table 1]
[0046]
(Production of Graft Copolymer and Vinyl Copolymer G)
(Production of G-1)
40 parts of rubber latex S-1 (solid content) and 100 parts of ion exchange water were placed in a 10 liter reactor, and the gas phase part was purged with nitrogen, and then the initial dispersion was heated to 70 ° C. The pH before the polymerization was adjusted by bubbling carbon dioxide in the reactor. Next, an aqueous solution 1 and a monomer mixed solution 2 having the following composition were continuously added to the reactor over 5 hours, and polymerization was carried out with a formulation in which the amount of emulsifier used at the initial stage of polymerization was extremely small. After completion of the addition, the temperature was maintained for 1 hour to complete the reaction.
[0047]
The composition of the aqueous solution 1 is as follows.
Ferrous sulfate 0.005 parts
Sodium formaldehyde sulfoxylate (SFS) 0.1 part
Ethylenediaminetetraacetic acid disodium (EDTA) 0.05 parts
50 parts of ion exchange water
[0048]
The composition of the monomer mixture 2 is as follows.
18 parts of acrylonitrile
42 parts of styrene
0.8 part of t-dodecyl mercaptan (t-DM)
Cumene hydroperoxide (CHP) 0.1 part
After adding an antioxidant to the thus obtained GRC latex, aluminum sulfate was added for coagulation, water washing, dehydration, and heat drying to obtain a GRC powder.
(Production of G-2 to 7)
The composition and conditions other than those shown in Table 2 were obtained in the same manner as G-1.
[0049]
[Table 2]
[0050]
(Vinyl copolymer T-1)
(1) Vinyl copolymer (T-1)
From the IR spectrum, the composition in the copolymer T-1 is 30% by weight of acrylonitrile, 70% by weight of styrene, and the intrinsic viscosity (copolymer T-1: 0.5 g, methyl ethyl ketone: 100 ml, 30 ° C.) 0.39.
(Flame retardant FR-1)
It is represented by the general formula (8) described in the specification, n = 0 or a natural number, R and R ′ are compounds represented by the group represented by the general formula (10), and the softening temperature is 105 ° C. Flame retardant.
(Flame retardant FR-2)
A condensed phosphate ester flame retardant synthesized by the following method and having the general formula (12) as a main component.
[0051]
Bisphenol A (114 g, 0.5 mol), phosphorus oxychloride (154 g, 1.0 mol), and anhydrous magnesium chloride (1.4 g, 0.015 mol) were charged into a 500 ml four-necked flask equipped with a stirrer and a reflux tube, and a nitrogen stream It was made to react at 70-140 degreeC below for 4 hours. After completion of the reaction, while maintaining the reaction temperature, the flask was decompressed to 200 mmHg or less with a vacuum pump, and unreacted phosphorus oxychloride was recovered with a trap. Next, the flask was cooled to room temperature, 61 g (0.5 mol) of 2,6 xylenol and 2.0 g (0.015 mol) of anhydrous aluminum chloride were added, and the mixture was heated to 100 to 150 ° C. and reacted for 4 hours. The flask was then cooled to room temperature, 141 g (1.5 mol) of phenol was added, heated to 100-150 ° C. and held for 4 hours to complete the reaction. The pressure was reduced to 1 mmHg at the same temperature, and unreacted phenols were distilled off. Hydrogen chloride gas generated during the reaction was collected by an aqueous sodium hydroxide solution, and the amount of the generated hydrogen chloride was measured by neutralization titration to monitor the progress of the reaction. The produced crude phosphate ester was washed with distilled water, and then the solid content was removed with a filter paper (# 131 manufactured by Advantech). It was vacuum dried to obtain a pale yellow transparent purified product.
As a result of GPC measurement (LC-10A manufactured by Shimadzu, column: Tosoh TSKgel ODS-80T, solvent: methanol / water 90/10), the purity of the component represented by the general formula (12) was 63% by weight.
[0052]
(Flame retardant FR-3)
A phosphoric ester-based flame retardant composed mainly of general formula (13) synthesized by the following method.
192 g (1.25 mol) of phosphorus oxychloride in the first reaction step, 122 g (1.0 mol) of 2,6-xylenol in the second reaction step, and phenol 94 (1.0 mol) in the third reaction step A pale yellow transparent purified product was obtained in the same manner as the flame retardant FR-2 except that it was used.
As a result of GPC measurement (LC-10A manufactured by Shimadzu, column: Tosoh TSKgel ODS-80T, solvent: methanol / water 90/10), the purity of the component of formula (13) was 75% by weight.
[0053]
(Anti-dripping agent) -PTFE (polytetrafluoroethylene)
The average particle size (measured according to ASTM-D1457) is 500 μm, and the melting point (measured according to JIS-K6891) is 327 ° C.
(Glass fiber)
Silane-coupled glass fibers with a diameter of 13 microns.
(Flame retardant aid)
Antimony trioxide.
(Other additives)
EBS is ethylene bisstearylamide.
[0054]
(Examples 1 to 26, Comparative Examples 1 to 12)
The resins prepared as described above were blended with the compositions listed in Tables 3 to 5 (units are parts by weight), and kneaded with a twin-screw extruder (ZSK-25, manufactured by W & P) whose cylinder temperature was set to 240 ° C. Granules were obtained and pellets were obtained and evaluated as described above.
[0055]
(Examples 27 to 32, Comparative Examples 13 and 14)
The resins prepared as described above were blended with the compositions listed in Tables 3 to 5 (units are parts by weight), and kneaded with a twin-screw extruder (ZSK-25, manufactured by W & P) whose cylinder temperature was set to 240 ° C. Grained. However, the glass fiber was side-fed from the vicinity of the extruder tip. The above evaluation was performed on the pellets thus obtained.
The above results are summarized in Tables 3 to 5.
[0056]
[Table 3]
[0057]
[Table 4]
[0058]
[Table 5]
[0059]
The following is apparent from the examples and comparative examples.
The compositions of the examples are excellent in processing fluidity, surface appearance, and flame retardance because the surface graft coverage and graft thickness are within the scope of the claims. The composition of the comparative example is inferior in processing fluidity and surface appearance because the graft coverage or graft thickness exceeds the range of the claims.
[0060]
【The invention's effect】
The resin composition of the present invention is excellent in processing fluidity and surface appearance. In addition, it has excellent flame retardancy. This effect is obtained in the composition comprising a combination of a rubber reinforced resin and a flame retardant, in which the surface graft coverage by the vinyl copolymer is 80% or more, and the average of the vinyl compounds graft-polymerized on the surface of the rubber-like polymer. This can be achieved by using a graft polymer having a thickness of 5 to 25 nm as a component of the rubber-reinforced resin.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a specific analysis example for determining the surface graft coverage and vinyl compound coating thickness of the present invention, where the black part is a rubber-like polymer and the hatched part is a vinyl compound. Graft component.
[Explanation of symbols]
a 1 ~ A n The circumferential length of the graft portion of the vinyl compound on the rubber-like polymer
b 1 ~ B n ; The length in the circumferential direction on the rubber-like polymer where the vinyl compound is not grafted
c 1 ~ C n Is the cross-sectional area of the graft part of the vinyl compound
Claims (8)
ゴム状重合体に、これとグラフト共重合可能な1種または2種以上のビニル化合物をグラフト重合して得られるグラフト重合体であって、該ゴム状重合体にグラフト重合しているビニル化合物の下記(イ)式により定義される表面グラフト被覆率が80%以上であり、かつ上記ゴム状重合体表面にグラフト重合しているビニル化合物の平均厚みが5〜25nmであることを特徴とする乳化グラフト重合方式で製造されるグラフト重合体を含むゴム強化樹脂(B)2〜75重合部、
からなる樹脂組成物。
表面グラフト被覆率(%)=(s/S)×100 (イ)
(ここで、Sはゴム状重合体の表面積、sはゴム状重合体表面にグラフトし、被覆しているビニル化合物の表面積) 25 to 98 parts by weight of polycarbonate resin (A),
A graft polymer obtained by graft-polymerizing one or more vinyl compounds that can be graft copolymerized with a rubber-like polymer, wherein the vinyl compound is graft-polymerized to the rubber-like polymer. An emulsification characterized in that the surface graft coverage defined by the following formula (a) is 80% or more and the average thickness of the vinyl compound graft-polymerized on the surface of the rubbery polymer is 5 to 25 nm. Rubber-reinforced resin (B) 2 to 75 polymer parts containing a graft polymer produced by a graft polymerization method ,
A resin composition comprising:
Surface graft coverage (%) = (s / S) × 100 (A)
(Where S is the surface area of the rubber-like polymer, s is the surface area of the vinyl compound grafted and coated on the surface of the rubber-like polymer)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26803995A JP3724860B2 (en) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | Resin composition with excellent appearance of molded product |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26803995A JP3724860B2 (en) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | Resin composition with excellent appearance of molded product |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0987468A JPH0987468A (en) | 1997-03-31 |
JP3724860B2 true JP3724860B2 (en) | 2005-12-07 |
Family
ID=17453032
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26803995A Expired - Lifetime JP3724860B2 (en) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | Resin composition with excellent appearance of molded product |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3724860B2 (en) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19914137A1 (en) * | 1999-03-27 | 2000-09-28 | Bayer Ag | Flame-retardant polycarbonate molding compounds modified with graft polymer |
-
1995
- 1995-09-22 JP JP26803995A patent/JP3724860B2/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0987468A (en) | 1997-03-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6083428A (en) | Flame-retardant resin composition | |
KR20080089122A (en) | Flameproof copolymer and flame retardant thermoplastic resin composition using thereof | |
JP2003525991A (en) | Polycarbonate molding composition having specific graft rubber | |
EP1654315B1 (en) | Flameproof thermoplastic resin composition | |
KR101677246B1 (en) | Reinforced Thermoplastic Resin Composition and Molded Article | |
KR19990082693A (en) | Flame-retarded resin composition | |
JP3724860B2 (en) | Resin composition with excellent appearance of molded product | |
GB2332203A (en) | Flame retardant styrenic resin composition | |
JP3905193B2 (en) | Method for producing flame retardant resin composition excellent in dripping prevention | |
JP3456559B2 (en) | Flame retardant resin composition | |
KR101411825B1 (en) | Char generating agent, and abs resin composition using thereof | |
JP3472654B2 (en) | Flame-retardant resin composition and molded article | |
JP4450336B2 (en) | Flame retardant resin composition | |
JP4363601B2 (en) | Flame retardant resin composition | |
JPH0987470A (en) | Flame-retardant resin composition | |
KR100360988B1 (en) | Flame retardant styrene resin composition having superior gas-assisted injection molding properties | |
JPH0987466A (en) | Flame-resistant thermoplastic resin composition excellent in thermal stability | |
JP2000319497A (en) | Resin composition | |
WO2005056671A1 (en) | Flame-retardant styrene resin composition and molded article obtained therefrom | |
JP4084873B2 (en) | Flame retardant thermoplastic resin composition | |
JP2001081272A (en) | Flame-retardant resin composition | |
JP2007277435A (en) | Flame-retardant thermoplastic resin composition | |
JP2001131381A (en) | Flame retardant resin composition | |
JP4306872B2 (en) | Method for producing flame retardant resin composition | |
JPH09100389A (en) | Thermoplastic resin composition having excellent thermal stability |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040416 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040427 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040625 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050920 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050920 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090930 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090930 Year of fee payment: 4 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090930 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100930 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110930 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110930 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120930 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130930 Year of fee payment: 8 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |