JP3722681B2 - 炭起こし器 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、携帯用コンロや固形燃料などを使用して、屋外でも簡単に火起こしができる炭起こし器に関するものである。
【０００２】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
従前より使用されている炭起こし器は、周知のとおり、底面を目皿とした容器形状で、周壁部分に持ち手を付設してなるもので、容器部内に炭を入れ、ガスコンロなどを使用して火起こしをするものである。
【０００３】
ところで、屋外でのバーベキュー調理などに使用するために炭起こしが必要であるが、その場合点火用として携帯コンロを用いる。しかし、通常のガスコンロと同様な使用手段で火起こしを行うと、携帯用コンロのカセット式ガスボンベが加熱による爆発事故を招いてしまう。
【０００４】
この原因は、携帯用コンロのガスボンベがバーナー部分の近傍に存在し、炭に点火した後も更に充分な火起こしのために、点火コンロ上に炭起こし器を置いたままにすると、炭起こし器内の既に燃焼している炭火の熱が、上方の炭の火起こしの他にバーナー側へも反射するので、バーナー箇所の空間が異常な高熱となり、近くのガスボンベを加熱することによるものである。このためカセット式コンロには、「炭を起こさない事」という注意書きの表示が法で義務づけられている。然し火起こしが簡単なために、カセット式ボンベを備えた携帯用コンロを使用しての爆発事故が毎年数件おきている。
【０００５】
そこで本発明は、カセット式ボンベを備えた携帯用コンロで安全に火起こしができる新規な炭起こし器を提案したものである。
【０００６】
【課題を解決する手段】
本発明に係る炭起こし器は、下部筒体の内部上方に、前記下部筒体より小径とした上部筒体を、適宜な周面空間を有せしめて一体に連結し、下部筒体周面に多数の通気孔を穿設し、上部筒体底面に目皿を設けてなることを特徴とするものである。
【０００７】
従って上部筒体内の目皿上に炭を収納し、コンロ上に載置し、コンロのバーナーに添加し、炭を加熱すると、バーナーの熱で炭に点火し、炭が起こされる。そして下方の点火した炭火の熱が、バーナー側に反射しても、下部筒体内空間の熱気は、周面空間を通って外部に放出されるので、バーナー炎が存在する下部筒体内空間の異常温度上昇は避けることができるので、携帯用コンロでも安全に火起こしが可能となる。
【０００８】
【実施の形態】
次に本発明の実施の形態について説明する。実施形態に示した炭起こし器は、下部筒体１と、上部筒体２と、持ち手３とで構成されている。
【０００９】
下部筒体１は、ガスコンロ等の五徳部分に載置できる大きさの筒状体で、周面に多数の通気孔４を穿設し、下方内部に切り起こしで内方突出部５を設けてなる。また上部内方には上部筒体２を連結してなる。
【００１０】
上部筒体２は、底面に目皿６を設けて容器状に形成し、前記下部筒体１より小径で、外周面と下部筒体１の内周面との間に適宜な周面空間７を有するように下部筒体１の内部上方に、下部筒体１と一体に連結してなる。
【００１１】
持ち手３は、上部筒体２の外周面に付設したもので、上部筒体２の外周面に添う枠形状にして、基部縦辺を上部筒体２の外周面に蝶結し、コンパクトに収納できる周知構造を採用してなる。
【００１２】
而して前記実施形態の炭起こし器を使用しての火起こしは、炭Ａを上部筒体２内に収納し、ガスコンロＢ又は固形燃料Ｃを用いて炭Ａに点火するものである。ガスコンロＢを使用する場合には、図２に例示するようにコンロの五徳部上に下部筒体１の下縁部分を載置して点火し、缶に収納された固形燃料Ｃを使用する場合には、図３に例示するとおり缶の縁に内方突出部５を載置して、ガスコンロＢのバーナー炎ａや固形燃料Ｃの炎ａで炭Ａに点火するものである。
【００１３】
炎ａによる炭Ａへの点火は、初めは、炎ａがその儘立ち上がり、炭Ａを加熱して炭Ａに点火する。特に炎ａの立ち上がり気流によって通気孔４から燃焼用空気ｂが導入され、且つ下部筒体１が煙突効果を発揮し、炭Ａの加熱が効率的になされる。そして炭Ａがある程度起きたら、コンロＢや固形燃料Ｃから外して、そのまま地面やその他安全な箇所に置いても、点火した炭Ａの熱流上昇で、点火初期と同様に通気孔４から燃焼用空気が導入され、点火済みの炭からその上方に位置する炭Ａへの加熱点火が効率的になされる。
【００１４】
また炎ａによる点火途中で、点火済みの炭Ａの炭火による熱が、ガスコンロＢや固形燃料Ｃ側に放射されたり反射されても、通気孔４からの投入空気ｂが周面空間７を通過して外部に放出される熱運搬流ｃとなるので、下部筒体１の内部空間の異常温度上昇が避けられる。従って携帯用コンロでも、安全に火起こしが可能となるものである。
【００１５】
尚本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、通気孔４の位置や数、更にその大きさなどは任意に定められるものであり、また下部筒体１の高さや上部筒体２の底面位置高さは、充分に安全性を考慮して定められるものであり、また持ち手の具体的構造も任意に定められる。
【００１６】
【発明の効果】
以上のように本発明は、下部筒体の内部上方に、前記下部筒体より小径とした上部筒体を、適宜な周面空間を有せしめて一体に連結し、下部筒体周面に多数の通気孔を穿設し、上部筒体底面に目皿を設けてなる炭起こし器で、火種となるコンロ等の上に載置して炭に点火するもので、炭起こしが効率的になされると共に、より安全に実施することができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態の一部切断した全体斜視図。
【図２】同使用状態の説明図（携帯用ガスコンロ使用）。
【図３】同使用状態の説明図（固形燃料缶使用）。
【符号の説明】
１ 下部筒体
２ 上部筒体
３ 持ち手
４ 通気孔
５ 内方突出部
６ 目皿
７ 周面空間

Claims (3)

1. 下部筒体の内部上方に、前記下部筒体より小径とした上部筒体を、適宜な周面空間を有せしめて一体に連結し、下部筒体周面に多数の通気孔を穿設し、上部筒体底面に目皿を設けてなることを特徴とする炭起こし器。
2. 下部筒体の内部下方に、内方突出部を設けてなる請求項１記載の炭起こし器。
3. 上部筒体外周面に適宜な持ち手を付設してなる請求項１又は２記載の炭起こし器。

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