JP3722598B2 - 2アーム方式の搬送用ロボット装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置や液晶基板製造装置等に用いられて、特には、真空雰囲気下で被加工物を処理室間に搬送するための2アーム方式の搬送用ロボット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に半導体製造装置や液晶基板製造装置等においては、被加工物、例えばウエハを載置するためのハンド部材をアームにより水平方向に直線的に移動させると共に、ハンド部材を先端に取付けたアームを水平方向に旋回させる搬送用ロボット装置が用いられ、この搬送用ロボット装置の旋回軸を中心とした放射状の複数箇所に各種の製造工程にたずさわる処理室が配置されて、搬送用ロボット装置により、適宜の処理室間に被加工物が搬入・搬出されている。
【0003】
ところで、搬送処理の能率化を図るため、夫々のアームの先端にハンド部材を取付けた、いわゆる2アーム方式の搬送用ロボットが使用されている。
【0004】
従来、2アーム方式の搬送用ロボット装置としては、例えば、図14乃至図17に示される装置が提言されている。
すなわち、図14乃至図17において、80は固定の枠体、81は、固定の枠体80に対して適宜の駆動機により軸芯O1のまわりに旋回される水平旋回台、82は水平旋回台81の軸芯O1と平行な第1支点P1のまわりで回転自在に支持された第1のアームで、この第1のアーム82は旋回台81に取付けられた適宜の駆動機により適宜に回転駆動される。
83は第1のアーム82に対して第1支点P1に平行な第2支点Q1のまわりで回転自在に支持された第2のアーム、84は第2のアーム83に対して第2支点Q1に平行な第3支点R1のまわりで回転自在に支持されたハンド部材、85は、第1支点P1を軸芯として旋回台81に固定された第1の回転伝達部材、
86は、第2支点Q1を軸芯として第2のアーム83に固定された第2の回転伝達部材、87は、第2支点Q1を軸芯として第1のアーム82に固定された第3の回転伝達部材、88は、第3支点R1を軸芯としてハンド部材84に固定された第4の回転伝達部材、
89および90は、第1の回転伝達部材85と第2の回転伝達部材86および第3の回転伝達部材87と第4の回転伝達部材88との間に夫々配設された第1および第2の回転連結具である。なお、第1および第2の支点の間隔Sと、第2および第3の支点の間隔Sとが同一で、かつ第1の回転伝達部材85と第2の回転伝達部材86および第4の回転伝達部材88と第3の回転伝達部材87との半径比が夫々2:1に形成されている。
勿論、第1乃至第4の回転伝達部材85乃至88は、チェーンスプロケットあるいはプーリーが適宜に用いられ、これらに応じて第1および第2の回転連結具89,90はチェーンあるいは歯付ベルト等が適宜に用いられる。
【0005】
上記82乃至90により第1のアーム機構91が構成され、この第1のアーム機構とX−X線に対して線対称に構成された第2のアーム機構92が、軸芯O1 と平行な第2支点P2 のまわりで回転自在に支持されている。
すなわち、軸芯O1 と第1及び第2の支点P1 、P2 との間隔は同一である。
上記80乃至92により2アーム方式の搬送用ロボット装置が構成されている。
この搬送用ロボット装置において、第1及び第2のアーム機構91、92の動作は線対称であるが、実質的に同一であるため、第1のアーム機構91の動作について説明する。
今、仮に旋回台81が固定の枠体80に対して固定の状態に維持されているものとする。
図16において、第1,第2および第3支点P1 ,Q1 ,R1 が一直線上に位置する状態で駆動機により第1のアーム82が第1支点P1 を中心として反時計方向に角度θだけ回動されたものとする。
【0006】
今、第1の回転伝達部材85は固定状態にあり、このときに第2支点Q1がQ11の位置まで角度θだけ反時計方向に移動すれば、第1および第2の回転伝達部材85,86間に配設された第1の回転連結具89のうち、Y1方向のものは第1の回転伝達部材85に巻きつき、Y2方向のものは第1の回転伝達部材85から巻戻された状態となる。
すなわち、図16において第1の回転連結具89はa1およびa 2 の方向に移動する。これにより第2の回転伝達部材86は第2支点Q1を中心として時計方向に回動される。
ところで第1の回転伝達部材85と第2の回転伝達部材86とは半径比が2:1であるため、上記のごとく、第1のアーム82が第1支点P1を中心として角度θだけ反時計方向に回動すれば、第2の回転伝達部材86は第2支点Q11を中心として角度2θだけ時計方向に回動される。
この場合、第2の回転伝達部材86は第2のアーム83に固定されているため、第2の回転伝達部材86と第2のアーム83とは第2支点Q1を中心として角度2θだけ時計方向に回動される。
すなわち、第1,第2および第3支点P1,Q1,R1が一直線上に位置する状態で第1のアーム82が第1支点P1を中心として反時計方向に角度θだけ回動されると、仮想的に第3支点はR11の位置に回動されるが、この場合、上記のごとく、第2の回転伝達部材86は第2支点Q11を中心として角度2θだけ時計方向に回動される。
このため、第3支点R11は第2支点Q11を中心として角度2θだけ時計方向に回動されて、R12の位置に回動される。
従って、上記のごとく第1のアーム82が上記のごとく第1支点P1を中心として反時計方向に角度θだけ回動されたときの第3支点R12の位置は、第1および第2のアーム82,83の回動前の第1および第3支点P1,R1を結ぶ直線状に位置している。
【0007】
さらに、上記のごとく、第2のアーム83により仮想的にR11に位置する第3支点が第2支点Q11を中心として角度2θだけ、すなわちR12の位置まで時計方向に回動された場合、第1のアーム82に固定された第3の回転伝達部材87と第4の回転伝達部材88との間に配設された第2の回転連結具90のうち、Y2 方向のものは第3の回転伝達部材87に巻きつき、Y1 方向のものは第3の回転伝達部材87から巻戻された状態となる。
すなわち、図16において第2の回転連結具90は、b1 およびb2 の方向に移動する。これにより第4の回転伝達部材88は第3支点R12を中心として反時計方向に回動される。
ところで、上記のごとく、第2のアーム83が第2支点Q11を中心として角度2θだけ時計方向に回動すれば、第4の回転伝達部材88と第3の回転伝達部材87とは半径比が2:1であるため、第4の回転伝達部材88は第3支点R12を中心として角度θだけ反時計方向に回動され、結果として、第4の回転伝達部材88の特定点C0 は第1および第3支点P1 ,R12を結ぶ直線上の点C1 に位置されることとなる。
【0008】
上記のごとく、第1のアーム82が第1支点P1 を中心として反時計方向に回動され、この場合、第4の回転伝達部材88に固定されたハンド部材84は、第1のアーム82の回動前の第1および第3支点P1 ,R1 を結ぶ直線上で、初期姿勢を維持しつつ第1のアーム機構91がX方向に駆動される。
【0009】
同様に、第2のアーム機構92が第1および第3支点P2 ,R2 を結ぶ直線上で、初期姿勢を維持しつつX方向に駆動される。
この第1および第2のアーム機構91、92の夫々のハンド部材84A、84Bは、支点P1 、P2 間の位置となるように取付けられると共に、ハンド部材84A、84Bの先端部は上下方向に間隔を設けて取付けられているため、第1および第2のアーム機構91、92の直線移動時に、夫々のハンド部材84、84は相互に干渉することなく軸芯O1 を通るX−X線に沿って移動する。
さらに、水平旋回台81が軸芯O1 のまわりに旋回されることにより、第1および第2のアーム機構91、92が同時に軸芯O1 のまわりに旋回される。
【0010】
このように、2アーム方式の搬送用ロボット装置の旋回軸芯O1 を中心とした円周方向の放射状の複数箇所に、例えば6箇所に適宜の処理室71〜76を配置して、被加工物の搬送処理が適宜に行なわれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の搬送用ロボット装置においては、図15および図16に示されるごとく、ハンド部材84が初期姿勢を維持しつつ第1および第3支点P1 ,R1 を結ぶ直線上で移動されるために、第2のアーム83の先端部には、第4の回転伝達部材88および第2の回転連結具90が配置されている。
このため、第3支点R1 近傍の装置としての高さH1 が嵩高くなり、第2のアーム83の先端部、換言すればハンド部材84の基部側を真空処理室内に出入りさせる際には、真空処理室に設けられる窓を大きくしなければならない。
【0012】
さらに、上記従来の2アーム方式の搬送用ロボット装置においては、図14乃至図16に示されるごとく、第1および第2のアーム機構91,92の回転駆動軸の軸芯P1 ,P2 は水平旋回台81の旋回軸の軸芯O1 を跨いで配置されているため、水平旋回台81の回転半径が大きくなる。
このため、水平旋回台81を固定の枠体80に回転自在に取付けるための回転用軸受93,93や、この回転部分を上下方向に対して気密に維持するための磁性流体シール94が大径となり、装置が大径化すると共に大径の回転用軸受93,93および大径の磁性流体シール94の使用により装置が高価となっていた。
【0013】
さらに、第1および第2のアーム機構91,92のハンド部材84A,84Bを夫々直線移動させるための回転駆動機は、水平旋回台81に搭載されて、水平旋回台81と共に旋回されるが、この回転用駆動機には固定の枠体80側から給電用のケーブルが配線されるため、このケーブルの断線防止として旋回角度、すなわち旋回回数が制限されていた。
このため、初期設置状態に対して、水平旋回台81の旋回中心O1 に対する時計廻りおよび反時計廻りの旋回角度が許容値、例えば夫々540度以内となるように制限するための電気的監視装置が必要であり、装置が高価となる割りには、装置としての使い勝手が悪かった。
【0014】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、ハンド部材の基部側の高さを可及的に小さくすると共に、コンパクトで生産性の良好な2アーム方式の搬送用ロボット装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本第1の発明は、被加工物を載置するためのハンド部材を夫々先端に取付けた第1および第2のアーム機構を有し、該ハンド部材を水平方向に直線移動させると共に該ハンド部材を水平方向に旋回させる2アーム方式の搬送用ロボット装置に適用される。
その特徴とするところは、固定の枠体と、水平旋回軸の軸芯である第1支点のまわりで前記固定の枠体に回転自在に同軸に支持された第1乃至第3の回転軸と、前記固定の枠体に取付けられて、前記第1乃至第3の回転軸に夫々連結された第1乃至第3の回転駆動機とを具備し、かつ、前記第1の回転軸に取付けられた第1アームと、前記第1アームに対して第1支点に平行な第2支点のまわりで回転自在な外側リンクと、平面視で第2支点を跨いだ外側の位置で対をなす第3支点のまわりで外側リンクに対して回転自在に支持された1対の中間リンクと、1対の中間リンクの自由端部で対をなす第4支点のまわりで回転自在に支持された内側リンクであって、該内側リンク、1対の中間リンクおよび外側リンクにより、第3および第4の支点の間隔と第1および第2の支点の間隔とが同一に形成された平行四節リンクと、第2の回転軸に固定された第1の回転伝達部材と、第2支点を軸芯として外側リンクに固定された第2の回転伝達部材と、第2支点を軸芯として第1のアームに固定された第3の回転伝達部材と、第3支点を軸芯として中間リンクに固定された第4の回転伝達部材と、第1の回転伝達部材と第2の回転伝達部材および第3の回転伝達部材と第4の回転伝達部材との間に夫々配設された第1および第2の回転連結具とにより第1のアーム機構が構成されると共に、該第1のアーム機構と実質的に同一構造の第2のアーム機構が第3の回転軸に連結され、かつ該第1および第2のアーム機構が第1支点を境に左右に配置され、前記平行四節リンクの夫々の内側リンクに上下方向に離間する第1および第2のハンド部材を取付け、該第1および第2のハンド部材が適宜に第1支点を通る水平方向に直線移動されると共に、該第1および第2のハンド部材が第1支点を中心として同時に旋回されることである。
【0016】
さらに、本第2の発明は、本第1の発明において、前記第1支点を境に左右に配置される第1および第2のアーム機構における前記夫々の平行四節リンクは、夫々の中間リンクが同一平面内に配置されてなることを特徴としている。
【0017】
さらに、本第3の発明は、本第1または第2の発明において、前記第1支点を境に左右に配置される第1および第2のアーム機構における前記夫々の平行四節リンクは、一方の内側リンクが中間リンクの上部に配置され、他方の内側リンクが中間リンクの下部に配置されてなることを特徴としている。
【0018】
さらに、本第4の発明は、本第1ないし第3のいずれかの発明において、前記ハンド部材は、前記内側リンクから相反して突出する2個のハンド部材が取付けられてなることを特徴としている。
【0019】
さらに、本第5の発明は、本第1ないし第4のいずれかの発明において、前記同軸に支持された第1乃至第3の回転軸は、気密用の磁性流体シールを介して回転自在に支持されてなることを特徴としている。
【0020】
<作用>
第1および第2のアーム機構が第1支点を境に左右に配置され、前記平行四節リンクの夫々の内側リンクに上下方向に離間する第1および第2のハンド部材を取付け、該第1および第2のハンド部材が適宜に第1支点を通る水平方向に直線移動されると共に、該第1および第2のハンド部材が第1支点を中心として同時に旋回されるため、第1支点まわりの回転力を第4の回転伝達部材に伝達する機構が簡素化され、装置としての平面的スペースがコンパクトとなり、
かつ、第1乃至第3の回転軸は、垂直線を軸芯として同軸に回転支持されているため、第1乃至第3の回転軸を回転自在に支持する回転軸受を可及的に小径とすることができるため、結果として装置がコンパクトとなり、しかも小径の回転軸受を使用するため装置が安価となる。
さらに、夫々の平行四節リンクのうち対をなす第3支点が第2支点を跨いで、第1支点の外側にオフセットされて、第3および第4の支点の間隔が第1および第2の支点の間隔と同一に形成されているため、第1支点を同軸の回転軸として第1支点を境に左右に配置された第1および第2のアーム機構が作動されると、夫々の平行四節リンクの内側リンクは、相対向する内側リンクの水平方向の間隙を一定に維持しつつ、第1支点を通る水平方向の直線と平行に移動することができる。
しかも、第1および第2のハンド部材が取付けられる内側リンクは、従前のような回転伝達部材や回転連結具を用いることなく、可及的に薄くできるリンク結合により支持されて、結果として2個のハンド部材の基部側の高さを可及的に小さくすることができるため、ハンド部材出入り用の真空処理室の窓を可及的に小さくすることができる。
このため、真空雰囲下で処理が行われる半導体製造装置等の搬送用ロボット装置として、特に好適である。
さらに、第1乃至第3の回転駆動機は固定の枠体に取付けられているため、第1および第2のハンド部材を水平方向に旋回させるときには、旋回方向の回動角度に制限があった従来の装置と比較して、旋回角度に関係なく自在位置に旋回させて被加工物の搬送を行なうことができるため、従来に比べて装置の使い勝手、すなわち生産性が良好である。
要するに、本第1の発明によればハンド部材の基部側の高さを可及的に小さくすると共に、コンパクトで生産性の良好な2アーム方式の搬送用ロボット装置を実現することができる。
【0021】
本第2の発明によれば、第1支点を境に左右に配置される第1および第2のアーム機構における夫々の平行四節リンクは、夫々の中間リンクが同一平面内に配置されてなるため、2個のハンド部材の基部側の高さを小さくすることができる。
【0022】
本第3の発明によれば、第1支点を境に左右に配置される第1および第2のアーム機構における前記夫々の平行四節リンクは、一方の内側リンクが中間リンクの上部に配置され、他方の内側リンクが中間リンクの下部に配置されてなるため、2個のハンド部材の基部側の高さH2 を可及的に小さくすることができる。
【0023】
本第4の発明によれば、ハンド部材は、前記内側リンクから相反して突出する2個のハンド部材が取付けられてなるため、単一の旋回位置で4個の被加工物の搬入・搬出が行われて、被加工物の搬入・搬出におけるタクトタイムを少なくすることができる。
【0024】
本第5の発明によれば、第1支点のまわりで固定の枠体に回転自在に同軸に支持された第1乃至第3の回転軸が気密用の磁性流体シールを介して回転自在に支持されてなるため、気密用の磁性流体シールを夫々可及的に小径とすることができ、装置が安価となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施例により詳細に説明する。
図1乃至図10において、1は固定の枠体、2乃至4は、水平旋回軸の軸芯である第1支点O1 のまわりで固定の枠体1に回転自在に同軸に支持された第1乃至第3の回転軸で、適宜に回転軸受を介して支持されている。
例えば、固定の枠体1は真空室V.Cに取付けられるが、真空状態を維持するために、夫々の回転軸部には気密用の磁性流体シール5乃至7が配設されている。
【0026】
8乃至10は第1乃至第3の回転駆動機で、この第1乃至第3の回転駆動機8乃至10は、適宜に連結された減速機、スプロケットあるいはプーリー等の回転伝達部材およびチェーンあるいは歯付ベルト等の回転連結具を介して、第1乃至第3の回転軸2乃至4に連結されている。
【0027】
11は第1の回転軸2に取付けられた第1アーム、12は第1アーム11に対して第1支点O1 に平行な第2支点O2 のまわりで回転自在に支持された外側リンク、13,14は平面視で第2支点O2 を跨いだ外側の位置で対をなす第3支点O3 のまわりで外側リンク12に対して回転自在に支持された1対の中間リンク、15は1対の中間リンク13,14の自由端部で対をなす第4支点O4 のまわりで回転自在に支持された内側リンクで、この内側リンク15、1対の中間リンク13,14および外側リンク12により平行四節リンク16が形成されている。
なお、この平行四節リンク16は、第3および第4の支点O3 ,O4 の間隔が第1および第2の支点O1 ,O2 の間隔と同一に形成されている。
【0028】
17は第2の回転軸3に固定された第1の回転伝達部材、18は第2支点O2 を軸芯として外側リンク12に固定された第2の回転伝達部材、19は第2支点O2 を軸芯として第1のアーム11に固定された第3の回転伝達部材、20は第3支点O3 を軸芯として中間リンク13,14に固定された第4の回転伝達部材、21,22は第1の回転伝達部材17と第2の回転伝達部材18および第3の回転伝達部材19と第4の回転伝達部材20との間に夫々配設された第1および第2の回転連結具である。
なお、第1の回転伝達部材17と第2の回転伝達部材18および第3の回転伝達部材19と第4の回転伝達部材20とは夫々同一直径のものが採用されている。
上記11乃至22により第1のアーム機構23が構成されている。
【0029】
上記第1のアーム機構23と実質的に同一構造の第2のアーム機構43、すなわち31乃至42により構成される第2のアーム機構43が第3の回転軸4に連結されている。
【0030】
すなわち、図1乃至図4に示されるごとく、第1および第2のアーム機構23,43が第1支点O1 を境に左右に配置されている。
この第1および第2のアーム機構23,43の平行四節リンク16,36の夫々の内側リンク15,35には、上下方向に離間する第1および第2のハンド部材24,44が取付けられている。
なお、この第1および第2のハンド部材24,44は、後述するように、適宜に第1支点O1 を通る水平方向に直線移動されると共に、第1および第2のハンド部材24,44が第1支点O1 を中心として同時に旋回される。
【0031】
上記1乃至44により2アーム方式の搬送用ロボット装置が構成されている。勿論、垂直の第1支点O1 を中心とした放射状の複数箇所に適宜に複数の処理室が設けられることは、従来と同様である。
【0032】
上記構成において、例えば第1のアーム機構23の動作について説明する。
なお、図3に示されるごとく、今仮に、第1および第2の支点O1 ,O2 を通る直線が左右方向の直線、すなわちX方向の直線と平行であるものとする。
【0033】
図3および図4において、第1の回転駆動機8により第1の回転軸2が第1支点O1 を中心として時計方向に角度θだけ回動されると、図8(B)に示されるごとく、第1アーム11が第1支点O1 を中心として時計方向に角度θだけ回動される。
この場合、第2の回転軸3に連結された第2の回転駆動機9が停止状態に維持されていると、第2の回転軸3に固定された第1の回転伝達部材17は固定の状態に維持される。
【0034】
したがって、図8(A)の状態から図8(B)の状態となるように第1アーム11が角度θだけ回動されると、第1および第2の回転伝達部材17,18間に配設された第1の回転連結具21のうち、Y1 方向のものは、固定された第1の回転伝達部材17から巻戻され、Y2 方向のものは第1の回転伝達部材17に巻きついた状態となる。
すなわち、図8(B)において、第1の回転連結具21はa1 およびa2 の方向に移動する。これにより第2の回転伝達部材18は第2支点O2 を中心として反時計方向に角度θだけ回動される。
この第2の回転伝達部材18は外側リンク12に固定されているため、結局、図8(A)の状態から図8(B)の状態となるように第1アーム11が角度θだけ回動されると、外側リンク12は初期の姿勢を維持しつつ位置変位される。
【0035】
次に、上記における第3および第4の回転伝達部材19,20と、第2の回転連結具22との状態について説明する。
すなわち、図9(A)の状態から図9(B)の状態となるように第1アーム11が角度θだけ回動されると、第1アーム11に固定された第3の回転伝達部材19が初期の状態に対して、第2支点O2 を中心として時計方向に角度θだけ回動された状態となり、第2の回転連結具22がb1 およびb2 の方向に移動する。
これにより第4の回転伝達部材20は第3支点O3 を中心として反時計方向に角度θだけ回動される。
【0036】
すなわち、図9(A)の状態から図9(B)の状態となるように第1アーム11が角度θだけ回動されると、第4の回転伝達部材20は初期状態に対して、第3支点O3 を中心として反時計方向に角度θだけ回動された状態となる。
ところで第4の回転伝達部材20,20は中間リンク13,14に固定されているため、上記のごとく第1アーム11が第1支点O1 を中心として時計方向に角度θだけ回動されると、外側リンク12、1対の中間リンク13,14および内側リンク15により形成される平行四節リンク16は、図10(A)の状態から図10(B)の状態となるように平行に移動する。
【0037】
なお、この平行四節リンク16は、第3および第4の支点O3 ,O4 の間隔が第1および第2の支点O1 ,O2 の間隔と同一に形成され、かつ第1の回転伝達部材17と第2の回転伝達部材18および第3の回転伝達部材19と第4の回転伝達部材20とは夫々同一直径のものが採用されているため、図10(A)の状態から図10(B)の状態となるように、第1アーム11が第1支点O1 を中心として時計方向に角度θだけ回動されると、平行四節リンク16は初期状態に対して、第3支点O3 を中心として反時計方向に角度θだけ平行に移動された状態となる。
【0038】
ところで、図10(A)において、第1および第2の支点O1 ,O2 の間隔および第3および第4の支点O3 ,O4 の間隔をL1 とし、第2および第3の支点O2 ,O3 の間隔をL2 とすれば、第4および第1の支点O4 ,O1 の間隔X11は、当然L2 と等しくなる。
さらに、図10(B)に示されるごとく、夫々の支点のX方向の間隔を、例えば、X12、X13およびX14とすれば、X12+L2 =X13+X14であり、かつ、
X12=L1 COSθ
X13=L1 COSθ
であるため、X14=L2 であることが分かる。
すなわち、X11=X14=L2 であるため、第1アーム11が第1支点O1 を中心として時計方向あるいは反時計方向に回動されると、平行四節リンク16は、第4の支点O4 ,O4 を通る直線が同一線上となるように平行に移動される。
【0039】
したがって、平行四節リンク16の内側リンク15は、第1支点O1 と内側リンク15との水平方向の間隙L0 を維持しつつ第1支点O1 を通る水平方向の直線と平行に移動される。
勿論、第1および第2のアーム機構23,43に取付けられる第1および第2のハンド部材24,44は、夫々のハンド部材の中心が第1支点O1 を通る水平方向の直線上となるように夫々第2および第1のアーム機構43,23側に張出されているが、すでに述べたように、第1および第2のハンド部材24,44は、上下に離間して夫々の内側リンク15,35に突設されているため、第1および第2のハンド部材24,44が、自在に水平方向に直線移動されても、これらのハンド部材24,44とアーム機構43,23とが当接することはない。
【0040】
したがって、例えば図1(B)に示されるごとく、第1のハンド部材24がY1 方向に直線移動するように、第1のアーム機構23が水平半径方向に伸ばされた所定の位置で、第1のハンド部材24に対して被加工物が搬入・搬出される。この後、第1のアーム機構23が屈折されて、第1のハンド部材24が第1支点O1 方向に引寄せられた状態、例えば図1(A)に示される状態が、第1のハンド部材24の水平旋回状態である。
【0041】
このように、第1のハンド部材24が水平旋回状態に配置されている場合に、第2のアーム機構43が作動される。
この場合、第2のハンド部材44をY1 方向に位置変位させるために、図3において、第1アーム31は第1支点O1 を中心として反時計方向に移動されるが、第2のアーム機構43の動作は、第1のアーム機構23の動作と基本的に同一である。
すなわち、第2のハンド部材44をY1 方向に位置変位させる場合には、第3の回転駆動機4のみが駆動され、第2のアーム機構43が水平方向に伸ばされた所定の位置で、第2のハンド部材44に対して被加工物が搬入・搬出される。
この後、第2のアーム機構43が屈折されて、第2のハンド部材44が第1支点O1 方向に引寄せられた水平旋回状態に配置される。
【0042】
さて、第1および第2のハンド部材24,44が水平旋回状態に配置されている場合に、第1乃至第3の回転駆動機8乃至10が互いに同期して回転駆動されて、第1乃至第3の回転軸2乃至4が同一方向に同一角速度で回転されると、第1乃至第3の回転軸2乃至4に取付けられた各部が全体として同一方向に移動する。
このため、図4に示された状態を維持しつつ、第1乃至第3の回転軸2乃至4に取付けられた各部全体が、図3における第1支点O1 を中心として時計方向または反時計方向に旋回される
【0043】
このように、第1および第2のハンド部材24,44が同時に適宜の角度旋回された後、第1および第2のハンド部材24,44が第1支点O1 を通る水平方向に自在に選択して個別に突出されて、第1および第2のハンド部材24,44への被加工物の搬入・搬出が行われる。
【0044】
上記のごとく、固定の枠体と、水平旋回軸の軸芯である第1支点のまわりで前記固定の枠体に回転自在に同軸に支持された第1乃至第3の回転軸と、前記固定の枠体に取付けられて、前記第1乃至第3の回転軸に夫々連結された第1乃至第3の回転駆動機とを具備し、かつ、前記第1の回転軸に取付けられた第1アームと、前記第1アームに対して第1支点に平行な第2支点のまわりで回転自在な外側リンクと、平面視で第2支点を跨いだ外側の位置で対をなす第3支点のまわりで外側リンクに対して回転自在に支持された1対の中間リンクと、1対の中間リンクの自由端部で対をなす第4支点のまわりで回転自在に支持された内側リンクであって、該内側リンク、1対の中間リンクおよび外側リンクにより、第3および第4の支点の間隔と第1および第2の支点の間隔とが同一に形成された平行四節リンクと、第2の回転軸に固定された第1の回転伝達部材と、第2支点を軸芯として外側リンクに固定された第2の回転伝達部材と、第2支点を軸芯として第1のアームに固定された第3の回転伝達部材と、第3支点を軸芯として中間リンクに固定された第4の回転伝達部材と、第1の回転伝達部材と第2の回転伝達部材およびと第3の回転伝達部材と第4の回転伝達部材との間に夫々配設された第1および第2の回転連結具とにより夫々第1および第2のアーム機構が構成されていれば、第1支点O1 まわりの回転力を第4の回転伝達部材20,40に伝達する機構が簡素化され、装置としての平面的スペースがコンパクトとなる。
【0045】
さらに、夫々の平行四節リンクのうち対をなす第3支点O3 が第2支点O2 を跨いだ外側に位置されて、すなわち外側にオフセットされて、第3および第4の支点O3 ,O4 の間隔が第1および第2の支点O1 ,O2 の間隔と同一に形成されているため、第1支点O1 を同軸の駆動軸として第1支点O1 を境に左右に配置された第1および第2のアーム機構23,43が作動されると、夫々の平行四節リンクの内側リンク15,35は、相対向する内側リンク15,35の水平方向の間隙を一定に維持しつつ、第1支点O1 を通る水平方向の直線と平行に移動することができる。
しかも、第1および第2のハンド部材24,44が取付けられる内側リンク15,35は、従前のような回転伝達部材や回転連結具を用いることなく、可及的に薄くできるリンク結合により支持されて、結果として2個のハンド部材24,44の基部側の高さH2 を可及的に小さくすることができるため、、ハンド部材出入り用の真空処理室の窓を可及的に小さくすることができる。
【0046】
さらに、第1乃至第3の回転軸2乃至4は、垂直線を軸芯として同軸に回転支持されているため、第1乃至第3の回転軸2乃至4を回転自在に支持する回転軸受および気密用の磁性流体シール5乃至7を夫々可及的に小径とすることができ、装置がコンパクトとなり、かつ小径の回転軸受および小径の磁性流体シールを使用するため装置が安価となる。
このため、真空雰囲下で処理が行われる半導体製造装置等の搬送用ロボット装置として、特に好適である。
なお、2アーム方式の搬送用ロボット装置の旋回軸芯O1 を中心とした円周方向の放射状の複数箇所に適宜の処理室が配置されるが、第1および第2のアーム機構の駆動軸は水平旋回軸の軸芯である第1支点O1 の回りに同軸に支持されているため、第1および第2のアーム機構の旋回状況の如何に拘らず、搬送用ロボット装置と円周方向の複数の処理室との関係は常に一定の位置関係に維持される。
【0047】
さらに、第1乃至第3の回転駆動機8乃至10は固定の枠体1に取付けられているため、第1および第2ハンド部材24,44を水平方向に旋回させるときには、角度に制限されることなく旋回させることができる。
このため、ハンド部材24,44は、旋回角度、すなわち旋回方向の回動角度の確認が必要であった従来の装置に比較して、旋回角度に関係なく自在位置に旋回されて被加工物の搬送を行なうことができるため、従来に比べて装置の使い勝手、すなわち生産性が良好である。
【0048】
さらに、平行四節リンクのうち、夫々の中間リンクが同一平面内に配置されていれば、2個のハンド部材24,44の基部側の高さH2 を小さくすることができる。
【0049】
図11及び図12は、本発明の他の実施例を示す図であって、内側リンク15,35に取付けられるハンド部材は、水平方向に相反して突出する夫々2個のハンド部材24,24,44,44が取付けられる。
この場合、2個のハンド部材は、例えば、Y1 およびY2 方向の端部に適宜に位置変位されて、単一の旋回位置で4個の被加工物の搬入・搬出が行われる。
なお、2個のハンド部材は単一の処理室に対して同時に同方向に直線移動されることはないが、移動方向を適宜に選定することにより、例えば、相互に異なる方向に移動させれば被加工物の搬入・搬出のタクトタイムを少なくすることができるため、生産性が良好である。
【0050】
図13は、平行四節リンクの変形例を示す図であって、第1支点O1 を境に左右に配置される第1および第2のアーム機構23,44における夫々の平行四節リンクは、例えば、一方の内側リンク35が中間リンクの上部に配置され、他方の内側リンク15が中間リンクの下部に配置されて、夫々の内側リンク15,35にハンド部材が取付けられる。
このように、内側リンクおよびハンド部材を配置すれば、2個のハンド部材の基部側の高さH2 を可及的に小さくすることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本第1の発明に係る搬送用ロボット装置は、被加工物を載置するためのハンド部材を夫々先端に取付けた第1および第2のアーム機構を有し、該ハンド部材を水平方向に直線移動させると共に該ハンド部材を水平方向に旋回させる2アーム方式の搬送用ロボット装置において、
固定の枠体と、水平旋回軸の軸芯である第1支点のまわりで前記固定の枠体に回転自在に同軸に支持された第1乃至第3の回転軸と、前記固定の枠体に取付けられて、前記第1乃至第3の回転軸に夫々連結された第1乃至第3の回転駆動機とを具備し、かつ、前記第1の回転軸に取付けられた第1アームと、前記第1アームに対して第1支点に平行な第2支点のまわりで回転自在な外側リンクと、平面視で第2支点を跨いだ外側の位置で対をなす第3支点のまわりで外側リンクに対して回転自在に支持された1対の中間リンクと、1対の中間リンクの自由端部で対をなす第4支点のまわりで回転自在に支持された内側リンクであって、該内側リンク、1対の中間リンクおよび外側リンクにより、第3および第4の支点の間隔と第1および第2の支点の間隔とが同一に形成された平行四節リンクと、第2の回転軸に固定された第1の回転伝達部材と、第2支点を軸芯として外側リンクに固定された第2の回転伝達部材と、第2支点を軸芯として第1のアームに固定された第3の回転伝達部材と、第3支点を軸芯として中間リンクに固定された第4の回転伝達部材と、第1の回転伝達部材と第2の回転伝達部材および第3の回転伝達部材と第4の回転伝達部材との間に夫々配設された第1および第2の回転連結具とにより第1のアーム機構が構成されると共に、該第1のアーム機構と実質的に同一構造の第2のアーム機構が第3の回転軸に連結され、かつ該第1および第2のアーム機構が第1支点を境に左右に配置され、前記平行四節リンクの夫々の内側リンクに上下方向に離間する第1および第2のハンド部材を取付け、該第1および第2のハンド部材が適宜に第1支点を通る水平方向に直線移動されると共に、該第1および第2のハンド部材が第1支点を中心として同時に旋回されるため、第1支点まわりの回転力を第4の回転伝達部材に伝達する機構が簡素化され、装置としての平面的スペースがコンパクトとなり、
かつ、第1乃至第3の回転軸は、垂直線を軸芯として同軸に回転支持されているため、第1乃至第3の回転軸を回転自在に支持する回転軸受を可及的に小径とすることができるため、結果として装置がコンパクトとなり、しかも小径の回転軸受を使用するため装置が安価となる。
さらに、夫々の平行四節リンクのうち対をなす第3支点が第2支点を跨いで、第1支点の外側にオフセットされて、第3および第4の支点の間隔が第1および第2の支点の間隔と同一に形成されているため、第1支点を同軸の回転軸として第1支点を境に左右に配置された第1および第2のアーム機構が作動されると、夫々の平行四節リンクの内側リンクは、相対向する内側リンクの水平方向の間隙を一定に維持しつつ、第1支点を通る水平方向の直線と平行に移動することができる。
しかも、第1および第2のハンド部材が取付けられる内側リンクは、従前のような回転伝達部材や回転連結具を用いることなく、可及的に薄くできるリンク結合により支持されて、結果として2個のハンド部材の基部側の高さを可及的に小さくすることができるため、ハンド部材出入り用の真空処理室の窓を可及的に小さくすることができる。
このため、真空雰囲下で処理が行われる半導体製造装置等の搬送用ロボット装置として、特に好適である。
なお、2アーム方式の搬送用ロボット装置の旋回軸芯O1 を中心とした円周方向の放射状の複数箇所に適宜の処理室が配置されるが、第1および第2のアーム機構の駆動軸は水平旋回軸の軸芯である第1支点O1 の回りに同軸に支持されているため、第1および第2のアーム機構の旋回状況の如何に拘らず、搬送用ロボット装置と円周方向の複数の処理室との関係は常に一定の位置関係に維持される。
さらに、第1乃至第3の回転駆動機は固定の枠体に取付けられているため、第1および第2のハンド部材を水平方向に旋回させるときには、旋回方向の回動角度に制限があった従来の装置と比較して、旋回角度に関係なく自在位置に旋回させて被加工物の搬送を行なうことができるため、従来に比べて装置の使い勝手、すなわち生産性が良好である。
要するに、本第1の発明によればハンド部材の基部側の高さを可及的に小さくすると共に、コンパクトで生産性の良好な2アーム方式の搬送用ロボット装置を実現することができる。
【0052】
本第2の発明によれば、第1支点を境に左右に配置される第1および第2のアーム機構における夫々の平行四節リンクは、夫々の中間リンクが同一平面内に配置されてなるため、2個のハンド部材の基部側の高さを小さくすることができる。
【0053】
本第3の発明によれば、第1支点を境に左右に配置される第1および第2のアーム機構における前記夫々の平行四節リンクは、一方の内側リンクが中間リンクの上部に配置され、他方の内側リンクが中間リンクの下部に配置されてなるため、2個のハンド部材の基部側の高さH2 を可及的に小さくすることができる。
【0054】
本第4の発明によれば、ハンド部材は、前記内側リンクから相反して突出する2個のハンド部材が取付けられてなるため、単一の旋回位置で4個の被加工物の搬入・搬出が行われて、被加工物の搬入・搬出におけるタクトタイムを少なくすることができる。
【0055】
本第5の発明によれば、第1支点のまわりで固定の枠体に回転自在に同軸に支持された第1乃至第3の回転軸が気密用の磁性流体シールを介して回転自在に支持されてなるため、気密用の磁性流体シールを夫々可及的に小径とすることができ、装置が安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図で、図1(A)は第1及び第2のアーム機構23,43が屈曲された、旋回状態を示す図であり、図1(B)は第1のアーム機構23により第1のハンド部材24が直線移動される状態を示す図である。
【図2】図1の正面図
【図3】図1の平面図
【図4】図1における縦断面正面図
【図5】図4におけるV−V線断面図
【図6】図4におけるVI−VI線断面図
【図7】図1の先端部を示す拡大斜視図
【図8】図4の要部の動作状態を説明するための平面図
【図9】図4の要部の動作状態を説明するための平面図
【図10】図4の要部の動作状態を説明するための平面図
【図11】本発明の他の実施例を示す平面図
【図12】図11の斜視図
【図13】平行四節リンク16,36の変形例を示す正面図
【図14】従来例を示す要部断面正面図
【図15】図14の縦断面側面図
【図16】図14の動作状態を説明するための平面図
【図17】図14の使用状態を説明するための平面図
【符号の説明】
1 固定の枠体
2乃至4 第1乃至第3の回転軸
5乃至7 気密用の磁性流体シール
8乃至10 第1乃至第3の回転駆動機
11,31 第1アーム
12,32 外側リンク
13,14 対をなす中間リンク
33,34 対をなす中間リンク
15,35 内側リンク
16,36 平行四節リンク
17,37 第1の回転伝達部材
18,38 第2の回転伝達部材
19,39 第3の回転伝達部材
20,40 第4の回転伝達部材
21,41 第1の回転連結具
22,42 第2の回転連結具
23 11乃至22からなる第1のアーム機構
24 第1のハンド部材
43 31乃至42からなる第2のアーム機構
44 第2のハンド部材
Claims (5)
- 被加工物を載置するためのハンド部材を夫々先端に取付けた第1および第2のアーム機構を有し、該ハンド部材を水平方向に直線移動させると共に該ハンド部材を水平方向に旋回させる2アーム方式の搬送用ロボット装置において、固定の枠体と、水平旋回軸の軸芯である第1支点のまわりで前記固定の枠体に回転自在に同軸に支持された第1乃至第3の回転軸と、前記固定の枠体に取付けられて、前記第1乃至第3の回転軸に夫々連結された第1乃至第3の回転駆動機とを具備し、かつ、前記第1の回転軸に取付けられた第1アームと、前記第1アームに対して第1支点に平行な第2支点のまわりで回転自在な外側リンクと、平面視で第2支点を跨いだ外側の位置で対をなす第3支点のまわりで外側リンクに対して回転自在に支持された1対の中間リンクと、1対の中間リンクの自由端部で対をなす第4支点のまわりで回転自在に支持された内側リンクであって、該内側リンク、1対の中間リンクおよび外側リンクにより、第3および第4の支点の間隔と第1および第2の支点の間隔とが同一に形成された平行四節リンクと、第2の回転軸に固定された第1の回転伝達部材と、第2支点を軸芯として外側リンクに固定された第2の回転伝達部材と、第2支点を軸芯として第1のアームに固定された第3の回転伝達部材と、第3支点を軸芯として中間リンクに固定された第4の回転伝達部材と、第1の回転伝達部材と第2の回転伝達部材および第3の回転伝達部材と第4の回転伝達部材との間に夫々配設された第1および第2の回転連結具とにより第1のアーム機構が構成されると共に、該第1のアーム機構と実質的に同一構造の第2のアーム機構が第3の回転軸に連結され、かつ該第1および第2のアーム機構が第1支点を境に左右に配置され、前記平行四節リンクの夫々の内側リンクに上下方向に離間する第1および第2のハンド部材を取付け、該第1および第2のハンド部材が適宜に第1支点を通る水平方向に直線移動されると共に、該第1および第2のハンド部材が第1支点を中心として同時に旋回されることを特徴とする2アーム方式の搬送用ロボット装置。
- 前記第1支点を境に左右に配置される第1および第2のアーム機構における前記夫々の平行四節リンクは、夫々の中間リンクが同一平面内に配置されてなる請求項1記載の2アーム方式の搬送用ロボット装置。
- 前記第1支点を境に左右に配置される第1および第2のアーム機構における前記夫々の平行四節リンクは、一方の内側リンクが中間リンクの上部に配置され、他方の内側リンクが中間リンクの下部に配置されてなる請求項1又は2に記載の2アーム方式の搬送用ロボット装置。
- 前記ハンド部材は、前記内側リンクから相反して突出する2個のハンド部材が取付けられてなる請求項1ないし3のいずれかに記載の2アーム方式の搬送用ロボット装置。
- 前記同軸に支持された第1乃至第3の回転軸は、気密用の磁性流体シールを介して回転自在に支持されてなる請求項1ないし4のいずれかに記載の2アーム方式の搬送用ロボット装置。
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