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JP3718245B2 - プロセス監視用画面選択装置 - Google Patents

プロセス監視用画面選択装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はプラントのプロセス監視を行う監視システムにおいて、階層構造に構築された多数の画面から所望の画面を選択し表示装置に表示するプロセス監視用画面選択装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラントのプロセス監視に、CRTディスプレイ、LED表示装置、プラズマディスプレイ、液晶表示装置などの表示装置が多く用いられており、プロセス状態を表す多数の画面をこの表示装置上に表示して監視するプラントが多くある。
【0003】
表示装置によるプロセス監視には、多数の画面をひとつの表示装置に切り替えて表示する必要があり、表示したい画面を選択する手段としては、マトリクス配置されたキースイッチの押し下げが最も初期からの方法として挙げられる。さらに、計算機周辺デバイスの発達により、画面上の位置をタッチスクリーン、ライトペンなどで入力することが可能となり、画面に表示されている図形を指先やライトペンでタッチして、次の表示画面を選択する方式が使われるようになった。
【0004】
近年では、計算機技術の分野では、タブレット、トラッカボール、マウスなどの位置入力装置が用いられており、計算機応用のソフトウェアアプリケーションでは、これらの位置入力装置が多く用いられるようになった。これらの位置入力装置は、画面上に位置を示すカーソルを表示し、位置入力装置から位置の移動信号や絶対位置を入力して画面上のカーソルを動かし、ボタンなどの押し下げで位置の選択を入力する機構となっており、画面上の正確な位置座標の入力や、短時間での複数の位置選択の入力が可能であり、ソフトウェアアプリケーションのマンマシンインターフェースとして有効なものとなっている。
【0005】
しかしながら、プロセスプラントの監視画面の選択のためには、タブレット、トラッカボール、マウスなどのカーソルによる位置入力装置は、稀に利用されることもあるが、タッチスクリーン、ライトペンなど、画面上の図形に直接接触して位置を入力する装置が多く用いられている。プロセスプラントの監視は、計算機アプリケーションの利用者と異なり、カーソルによる位置入力装置に馴れることは難しく、また、1つの選択動作としては、図形に直接接触して位置を入力する装置の方が迅速な選択という点で優れていることがこの理由である。
【0006】
また、プロセスプラントに用いる装置としては、信頼性が重要な選択要因であり、マウスやタブレットのような通信線を操作卓表面に設置せざるを得ない装置や、位置を入力するための機構に可動部分が多いタブレット、トラッカボール、マウスなどの入力装置は設置し難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
プロセスプラントの監視画面の選択のためには、画面に表示されている図形に直接接触して位置を入力し、次の表示画面を選択する方式が主に使われるが、これらの方式は、画面に接触せずにカーソルを移動させて位置を入力する装置に比べ、画面上の正確な位置座標の入力や、短時間での複数の位置選択の入力が困難である。このため、最近のソフトウェアアプリケーション技術で多く用いられている表示図形から多段階のメニュー選択を経て次に表示する画面を選択するような場合、画面に表示されている図形に直接接触して位置を入力する方式は、操作の手間が多くなり、迅速な画面選択ができないため、プロセスプラントの監視画面の選択のためには不向きとなっている。
【0008】
しかしながら、ハードウェアで直接駆動するランプ、メーター等は、ソフトウェアで駆動される監視画面に置き換えられる傾向があり、計算機利用技術の進歩とともに、表示装置に表示可能な画面の数がますます多くなり、それらの表示画面を選択する有効な手段が必要とされている。
【0009】
多数の画面を、監視対象とするプラントのプロセスの範囲、情報の集約化の度合いなどで、階層化し、その階層体系に沿って、現在表示している画面から次に表示する画面を選択するやり方は、情報の整理、人間の注目の焦点の変移の仕方に適っている等の点で有効な方式であり、既に採用されている。
【0010】
しかしながら、欲しい情報を表示するときに、画面の階層体系を順次たどる選択が必要となる場合があり、次々と画面を表示して途中の不要な画面も表示しなければならないといった不都合も起こる。
【0011】
カーソルによる位置入力装置を用いれば、細かい図形の位置を選択することが可能で、メニューの多段選択も組合せて、階層体系化された画面から階層を順次たどらずに、表示したい画面を迅速に表示することが可能であるが、表示されている図形に直接接触して位置を入力する方式ではそのような選択の仕方は困難であり、メニューの多段選択などは、正確かつ迅速にはできない。
【0012】
本発明は、上記の問題を解決するために、階層体系化された多数のプロセス監視用画面から、信頼性、迅速性に優れたタッチスクリーン、ライトペンなどの画面上の図形表示領域への直接の接触によって選択情報を指示することにより、階層を順次たどらずに、表示したい画面を迅速に表示を可能とするプロセス監視用画面選択装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、系統ごとの複数の表示項目で構成される全体プロセス監視用画面の下位に、系統ごとの複数のプロセス監視用画面が複数の階層レベルにわたって接続され、運転員の要求に基づいて任意のプロセス監視用画面を選択し表示するプロセス監視用画面選択装置において、プロセス監視用画面を表示する表示装置と、発生した警報の情報を発生順序とともに記憶する警告情報記憶手段と、表示装置の画面上に全体プロセス監視用画面が表示されているとき、表示装置の画面上への接触を検出する入力装置と、入力装置からの信号に基づいて、表示装置の画面上への接触点にあたる全体プロセス監視用画面の表示項目を判定してこの表示項目に対応する系統を判定するとともに、画面への接触の継続時間を算出してこの算出された接触の継続時間に応じて、判定された系統のうち表示装置に表示すべきプロセス監視用画面の階層レベルを判定し、この判定した階層レベルと警告情報記憶手段に記憶された情報とに基づいて、表示装置に表示すべきプロセス監視用画面を選択する画面選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項2の発明は、系統ごとの複数の表示項目で構成される全体プロセス監視用画面の下位に、系統ごとの複数のプロセス監視用画面が複数の階層レベルにわたって接続され、運転員の要求に基づいて任意のプロセス監視用画面を選択し表示するプロセス監視用画面選択装置において、プロセス監視用画面を表示する表示装置と、発生した警報の情報を発生順序とともに記憶する警告情報記憶手段と、表示装置の画面上に前記全体プロセス監視用画面が表示されているとき、表示装置の画面上への接触を検出する入力装置と、入力装置からの信号に基づいて、表示装置の画面上への接触点にあたる全体プロセス監視用画面の表示項目を判定してこの表示項目に対応する系統を判定するとともに、画面上での接触の移動距離を算出してこの算出された接触の移動距離に応じて、判定された系統のうち表示装置に表示すべきプロセス監視用画面の階層レベルを判定し、この判定した階層レベルと警告情報記憶手段に記憶された情報とに基づいて、表示装置に表示すべきプロセス監視用画面を選択する画面選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項3の発明は、系統ごとの複数の表示項目で構成される全体プロセス監視用画面の下位に、系統ごとの複数のプロセス監視用画面が複数の階層レベルにわたって接続され、運転員の要求に基づいて任意のプロセス監視用画面を選択し表示するプロセス監視用画面選択装置において、プロセス監視用画面を表示する表示装置と、発生した警報の情報を発生順序とともに記憶する警告情報記憶手段と、表示装置の画面上に全体プロセス監視用画面が表示されているとき、表示装置の画面上への接触を検出する入力装置と、入力装置からの信号に基づいて、表示装置の画面上への接触点にあたる全体プロセス監視用画面の表示項目を判定してこの表示項目に対応する系統を判定するとともに、画面上での一定時間内の接触回数を算出してこの算出された一定時間内の接触回数に応じて、判定された系統のうち表示装置に表示すべきプロセス監視用画面の階層レベルを判定し、この判定した階層レベルと警告情報記憶手段に記憶された情報とに基づいて、表示装置に表示すべきプロセス監視用画面を選択する画面選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項4の発明は、系統ごとの複数の表示項目で構成される全体プロセス監視用画面の下位に、系統ごとの複数のプロセス監視用画面が複数の階層レベルにわたって接続され、運転員の要求に基づいて任意のプロセス監視用画面を選択し表示するプロセス監視用画面選択装置において、プロセス監視用画面を表示する表示装置と、発生した警報の情報を発生順序とともに記憶する警告情報記憶手段と、表示装置の画面上に全体プロセス監視用画面が表示されているとき、表示装置の画面上への接触を検出する入力装置と、入力装置からの信号に基づいて、表示装置の画面上への接触点にあたる全体プロセス監視用画面の表示項目を判定してこの表示項目に対応する系統を判定するとともに、画面上での複数の接触点の位置座標により形成される図形の面積を算出してこの算出された面積に応じて、判定された系統のうち表示装置に表示すべきプロセス監視用画面の階層レベルを判定し、この判定した階層レベルと警告情報記憶手段に記憶された情報とに基づいて、表示装置に表示すべきプロセス監視用画面を選択する画面選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項5の発明は、系統ごとの複数の表示項目で構成される全体プロセス監視用画面の下位に、系統ごとの複数のプロセス監視用画面が複数の階層レベルにわたって接続され、運転員の要求に基づいて任意のプロセス監視用画面を選択し表示するプロセス監視用画面選択装置において、プロセス監視用画面を表示する表示装置と、発生した警報の情報を発生順序とともに記憶する警告情報記憶手段と、表示装置の画面上に前記全体プロセス監視用画面が表示されているとき、表示装置の画面上への接触を接触圧力とともに検出する入力装置と、入力装置からの信号に基づいて、表示装置の画面上への接触点にあたる全体プロセス監視用画面の表示項目を判定してこの表示項目に対応する系統を判定するとともに、画面上への接触圧力を算出してこの算出された接触圧力に応じて、判定された系統のうち表示装置に表示すべきプロセス監視用画面の階層レベルを判定し、この判定した階層レベルと警告情報記憶手段に記憶された情報とに基づいて、表示装置に表示すべきプロセス監視用画面を選択する画面選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項6の発明は、上記構成のプロセス監視用画面選択装置において、画面選択手段は、階層構造上の絶対的な階層レベルを指定するレベル指定ルールに従って、表示すべきプロセス監視用画面を選択することを特徴とする。
【0019】
また、請求項7の発明は、上記構成のプロセス監視用画面選択装置において、画面選択手段は、現在表示されている画面の階層構造上の階層レベルに対する相対的な階層レベルを指定するレベル指定ルールに従って、表示すべきプロセス監視用画面を選択することを特徴とする。
【0021】
【作用】
請求項1の発明の構成において、表示装置に表示されている監視画面からある別の監視画面に表示切替えしたいとき、運転員は現在表示されている画面から表示したい画面に関連する表示項目を選び、タッチスクリーンやライトペン等の入力装置を介して直接タッチするとともに、表示したい画面の階層レベルに対応してあらかじめレベル指定ルールに設定された時間タッチし続ける。入力装置は運転員がタッチしている間、その接触点の画面上の位置情報を含む接触データを周期的に発生する。画面選択手段は、それらの接触データからなる接触信号群に基づいて接触位置および接触継続時間を割り出し、タッチされた表示項目および接触継続時間により指定された階層レベルを判定し、表示すべき監視画面を選択して表示手段を介して表示装置に出力する。
【0022】
請求項2の発明の構成においては、運転員は、現在表示されている画面上の表示したい画面に関連する表示項目にタッチするとともに、表示したい画面の階層レベルに対応してあらかじめレベル指定ルールに設定された距離分接触点を移動する。その間入力装置はその接触点の画面上の位置情報を含む接触データを周期的に発生する。画面選択手段は、それらの接触データからなる接触信号群に基づいて接触位置および接触移動距離を割り出し、タッチされた表示項目および接触移動距離により指定された階層レベルを判定し、表示すべき監視画面を選択して表示手段を介して表示装置に出力する。
【0023】
請求項3の発明の構成においては、運転員は、現在表示されている画面上の表示したい画面に関連する表示項目にタッチするとともに、表示したい画面の階層レベルに対応してあらかじめレベル指定ルールに設定された接触回数だけ所定時間内にタッチする。入力装置はその接触点の画面上の位置情報を含む接触データを接触回数に応じて発生する。画面選択手段は、それらの接触データからなる接触信号群に基づいて接触位置および接触回数を割り出し、タッチされた表示項目および接触回数により指定された階層レベルを判定し、表示すべき監視画面を選択して表示手段を介して表示装置に出力する。
【0024】
請求項4の発明の構成においては、運転員は、現在表示されている画面上の表示したい画面に関連する表示項目にタッチするとともに、表示したい画面の階層レベルに対応してあらかじめレベル指定ルールに設定された所定図形の面積となるように接触点で描画する。その間入力装置はその接触点の画面上の位置情報を含む接触データを周期的に発生する。画面選択手段は、それらの接触データからなる接触信号群に基づいて接触位置および接触点の描画により規定される所定図形の面積を割り出し、タッチされた表示項目および所定図形の面積により指定された階層レベルを判定し、表示すべき監視画面を選択して表示手段を介して表示装置に出力する。
【0025】
請求項5の発明の構成においては、運転員は、現在表示されている画面上の表示したい画面に関連する表示項目にタッチするとともに、表示したい画面の階層レベルに対応してあらかじめレベル指定ルールに設定された圧力で押圧する。入力装置はその接触点の画面上の位置情報および接触圧力情報を含む接触データを周期的に発生する。画面選択手段は、それらの接触データからなる接触信号群に基づいて接触位置および接触圧力を割り出し、タッチされた表示項目および接触圧力により指定された階層レベルを判定し、表示すべき監視画面を選択して表示手段を介して表示装置に出力する。
【0026】
以上により、階層構造の画面体系をもつプロセス監視画面に対して、表示中画面への直接のタッチにより、所望監視画面を一度の操作で容易に選択することができ、画面選択の効率化を実現し、プロセス運転の迅速化を図ることができる。
【0027】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例においては、階層的な体系を持つ警報監視画面を選択する場合を例に挙げて説明する。
【0028】
図1は、本発明のプロセス監視用画面選択装置の第1の実施例の構成を示すもので、CRTディスプレイ、LED表示装置、プラズマディスプレイ、液晶表示装置等の表示装置11と、表示装置11の画面にタッチして次の表示画面を選択するための情報を入力するタッチスクリーン、ライトペン等の入力装置13と、入力装置13からの接触信号群を入力する接触信号入力手段15と、接触信号入力手段15により入力した接触信号群に基づいて、タッチされた画面上の表示項目および選択すべき監視画面の階層構造上の階層レベルを判定し、階層構造に体系化されている多数の監視画面から該当する監視画面を選択する画面選択手段17と、この画面選択手段17によって選択された監視画面を表示装置11に出力する表示手段19とで構成される。
【0029】
図2は、階層的に体系化されている画面の階層構造例を示すもので、符号21は最上位にある階層レベル1の画面の集合、23は階層レベル1の下位の階層レベル2の画面の集合、25は階層レベル2の下位の階層レベル3の画面の集合をそれぞれ示し、階層間の接続関係を双方向の矢印で示している。
【0030】
次に、本実施例の作用を図3に示すフローチャートに従って説明する。
【0031】
表示装置11には、プロセス監視のための画面Aが表示されている(ステップ100)。この画面Aから階層レベルkの画面Cを表示させたいとき、運転員は画面Aの要素で、画面Cに関連する表示項目に入力装置13を介してレベルkに対応する時間継続してタッチする。
【0032】
運転員が画面にタッチしている間、入力装置13からタッチした画面上の位置を示す接触信号群が接触信号入力手段15に入力される(ステップ101)。
【0033】
画面選択手段17は、接触信号入力手段15に入力された接触信号群の位置座標群から画面上の単一座標を判断し(ステップ102)、この単一座標を含む画面A上の表示項目を識別することにより、階層構造の枝すなわち画面Aの下位の画面を選択する(ステップ103)。ついで、接触信号群から画面への接触時間を判断し(ステップ104)、予め設定しておいた接触時間による階層レベルの指定ルールに基づいて階層構造の階層レベルを選択する(ステップ105)ことによって、表示画面Gを決定する(ステップ106)。
【0034】
表示手段19は、画面選択手段17によって選択された画面Gを表示装置11へ表示する(ステップ107)。
【0035】
さらに、階層構造に体系化されている画面として沸騰水型原子力発電プラントにおける警報監視画面を例に挙げて本実施例をより詳細に説明する。
【0036】
沸騰水型原子力発電プラントにおける警報監視画面の階層構造は、図4に示すように、階層レベル1に図5に例示されるようなプラント警報全体表示画面31、階層レベル2に図6に例示されるような給水系警報表示画面33等の系統警報表示画面群、階層レベル3に図7に例示される RFP-T A/Bトリップ警報画面35等の個別警報情報画面群を持ち、階層間の接続関係が定められている。
【0037】
図5に示すプラント警報全体表示画面31では、警報の発生している系統に対応する四角いボックス(表示項目)が強調表示される。また、図6に示す給水系警報表示画面33のような系統警報表示画面では、発生している警報の四角いボックス(表示項目)が強調表示される。
【0038】
ここでは、図8に示す装置構成で説明する。すなわち、表示装置11にCRT表示装置11a、入力装置13にタッチスクリーン装置13aを用い、接触信号入力手段15、画面選択手段17および表示手段19はプロセス計算機41にて実施する。
【0039】
この構成において、タッチスクリーン装置13aからプロセス計算機41へ信号が入力され、プロセス計算機41からの信号でCRT表示装置11aはプロセス監視画面を表示する。CRT表示装置11aの画面表面にはタッチスクリーン装置13aのシ−トが設置され、運転員に画面上の位置とタッチ位置との対応がわかるようになっている。
【0040】
接触信号入力手段15は、タッチスクリーン装置13aから運転員の継続したタッチによる接触信号群を入力し、画面選択手段17に渡す。
【0041】
画面選択手段17は、接触信号入力手段15から渡された接触信号群を入力し、タッチの継続時間を識別して、この継続時間により要求された画面の階層レベルを判断する。このために、例えば、階層レベル1は接触時間 0秒を越え 0.5秒未満、階層レベル2は接触時間 0.5秒以上 1秒未満、階層レベル3は接触時間 1秒以上というように、接触時間から絶対的な階層レベルを指定するレベル指定ルールがあらかじめ設定される。
【0042】
一般に、接触時間が長いほど詳細な情報、つまり、画面階層の下位の画面を意味する設定にしておく方が、一般に受け入れ易い。この例では、画面階層は3階層であるから、一瞬のタッチ、一呼吸のタッチ、それより長いタッチにこの3階層を割り当てるのが妥当と考えられる。
【0043】
以下、階層レベル1のプラントの警報全体表示画面31から、階層レベル2の給水系警報表示画面33に接続される階層レベル3の画面を選択する場合の動作を、図9〜図11を参照して説明する。なお、図9は本実施例の主要な画面選択の作用を、図10はタッチスクリーン装置13aの接触信号群の発生にかかる動作を、図11は接触信号入力手段15の接触信号群の入力にかかる動作を示している。
【0044】
プラントで異常が起こり、警報が発生したとする。その最初に発生した警報が「 RFP-T Aトリップ」であったとする。一般に、プラントで異常が起こった場合に発生する警報の数は1個だけでなく複数であることが多い。したがって、この例でも、「 RFP-T Aトリップ」以外にも複数の警報が給水系の警報の中で後から発生したものとする。
【0045】
画面選択手段17は、発生している警報の発生時刻、順序を記憶する(図9のステップ200)。
【0046】
このとき画面Aとして、図5に示すようなプラント警報全体表示画面31を表示中であり、この画面の中の「給水系」の表示項目の領域に、 2秒のタッチがなされたものとする。
【0047】
タッチスクリーン装置13aは表面にタッチがあったときに、図10に示すように、接触の種別とタッチされた位置座標とからなる接触データをプロセス計算機41に伝送する(ステップ300〜302)。そのタッチが持続している場合には、0.05秒周期で接触の種別を「接触保持」とし、接触位置座標を伝送し続けるものとする(ステップ303−304−301−302)。接触の種別は、1:接触開始、2:接触保持、3:接触終了の3種とし、 0.1秒未満の接触では接触開始と接触終了の2組の接触データが連続して伝送されるものとする(ステップ300〜306)。接触位置座標は画面左上を原点とし、右方向にX座標、下方向にY座標をとり、単位はmmとする。伝送される接触データの組を、(接触の種別、X座標、Y座標)の形式で表現することにする。
【0048】
プロセス計算機41側では、接触信号入力手段15により、図11に示すように、タッチスクリーン装置13aがステップ302(図10)において周期的に出力する接触データを入力して(ステップ401)、順次記憶する(ステップ402)。タッチスクリーン装置13aからステップ306(図10)において出力される接触終了の接触データを入力すると、記憶したすべての接触データに加えて接触信号群として画面選択手段17に出力する(ステップ403)。
【0049】
画面選択手段17は、タッチスクリーン装置13aから接触信号入力手段15を介して接触の種別が「開始」の接触データから「終了」の接触データまでの接触信号群を入力し(ステップ201)、その接触データ数をカウントして(ステップ202)、画面の選択に用いる。
【0050】
「給水系」の表示項目の領域に、 2秒のタッチがなされたとき、例えば、最初に(1,30,80)、次に(2,30,80)の接触データ39組、最後に(3,30,80)の信号群がタッチスクリーン装置13aからプロセス計算機41へ伝送される。。
【0051】
画面選択手段17は、これらの信号群の重心座標を計算する(ステップ203)。信号群の接触データの数をn、i番目の接触データのX座標、Y座標データを各々Xi 、Yi (i=1、2、…n)とすれば、重心座標(Xc 、Yc )=((X1 、Y1 )+(X2 、Y2 )+…+(Xn 、Yn ))/nである。この例では、接触データはすべて同じ座標なので、重心座標(Xc 、Yc )は(30,80)である。
【0052】
ついで、表示画面Aの各表示項目の領域とその重心座標とを比較し、タッチされたのは「給水系」の領域であると判断する(ステップ204)。なお、「給水系」の領域は、(10,60),(10,90),(50,90),(50,60) の4点で囲まれる長方形の領域であるとし、画面要素の「給水系」には、プラント警報全体表示画面31の下位階層画面の図6に例示する給水系警報表示画面33が対応づけられているものとする。画面選択手段17は表示すべき画面を選択するにあたって、接触位置座標から求めた給水系警報表示画面33を階層の枝として記憶する(ステップ205)。
【0053】
さらに画面選択手段17は、接触信号群に含まれる接触データの数から接触時間を計算する(ステップ206)。本実施例は、0.05秒周期で接触データを発生させるため、この例では41組の接触データが含まれていることから、0.05×(41-1)=2によって、 2秒以上2.05秒未満のタッチであったことが計算される。 1秒以上のタッチは、階層レベル3の画面と決められているため、表示すべき画面は階層レベル3の画面であることを判断する(ステップ207)。
【0054】
現在表示しているプラント警報全体表示画面31は階層レベル1であり、指定された画面は現在の画面より下位画面であることを画面選択手段17が判定すると(ステップ208)、タッチで指定された「給水系」の画面要素に対応する給水系警報表示画面33が階層レベル2であり、指定された階層レベル3の画面にはまだ到達していないことから、給水系警報表示画面33のすべての下位階層画面について検索し、警報の発生順序の記憶を参照して、最初に発生した「RFP-T A トリップ」の警報の情報に関係するただ1つの画面「 RFP-T A/Bトリップ警報」を選択する(ステップ209、210)。
【0055】
このように選択した画面名を表示手段19に通知し、表示要求を行う(ステップ211)。
【0056】
表示手段19は、通知された画面名「 RFP-T A/Bトリップ警報」に対応する RFP-T A/Bトリップ警報画面35を、図7に示すようにCRT表示装置11aに表示する。
【0057】
以上の説明からも明らかなように、本実施例によれば、表示中の監視画面へのタッチ位置とタッチ継続時間により、階層構造に体系化されている監視画面群から所望の画面を一回の操作で表示させることができる。
【0058】
次に、本発明のプロセス監視用画面選択装置の第2の実施例について説明する。なお、以下に示すべての実施例は図8に示す装置構成とし、上記警報監視画面を例にとって説明する。
【0059】
第2の実施例の構成においては、画面選択手段17は、タッチスクリーン装置13aからの継続した接触データの集まりである接触信号群を接触信号入力手段15を介して入力し、第1の実施例とは異なって接触の開始点と終了点の距離で要求された画面の階層レベルを判断する。
【0060】
運転員は、選択したい画面要素に指でタッチし、接触を保持したまま接触点を移動させ、下位階層を指定したいときには移動距離を長くし、上位階層を指定したいときには移動距離を短くする。絶対的な階層レベル指定ルールとして、例えば、座標の単位mmで、レベル1の階層は、開始点と終了点の距離が 0mmを越え20mm未満、レベル2の階層は20mm以上50mm未満、レベル3の階層は50mm以上とする。図5に例示する画面31では、画面要素の長方形領域は縦約30mm、横約40mmであるから、20mmは画面要素の横方向の約半分の長さ、50mmは画面要素の対角線程度の長さとなる。
【0061】
以下、第1の実施例と同様に階層レベル1のプラント警報全体表示画面31を表示している際、「給水系警報表示」に関連する階層レベル3の画面を選択する場合を例にとって第2の実施例の作用を図12に示すフローチャートに従って説明する。
【0062】
プラントで異常が起こり、警報が発生すると、画面選択手段17は発生した警報と時刻を記憶する(ステップ501)。ここで、最初に発生した警報が「 RFP-T Aトリップ」であったとし、プラント警報全体表示画面31を表示中に、この画面の中の「給水系」の表示項目の領域を開始点とし、終了点がそこから60mmの距離であるような画面タッチが運転員によってなされたものとする。これにより、第1の実施例と同様な接触データの表現を行うと、(1,30,80)(2,33,90)(2,30,100)(2,27,100)(2,25,120)(2,27,130)(2,29,130)(3,30,140)の接触信号群がプロセス計算機41に入力される。
【0063】
画面選択手段17はこれらの接触信号群を接触信号入力手段15を介して入力する(ステップ502)と、まず開始点接触データを検索し(ステップ503)、開始点座標を判断する(ステップ504)。この場合は、接触データの第1要素が1(接触開始)である最初の接触データであり、そのX、Y座標は(30,80) である。第1の実施例と同様に(Xc 、Yc )=(30,80) として、表示画面の各図形の領域とその始点座標とを比較し(ステップ505)、「給水系」の領域であることを判断する(ステップ506)。
【0064】
また、画面選択手段17は、接触信号群から接触終了の接触データ、すなわち、接触種別3の接触データ(3,30,140)を選び出し、終了点座標を判断する(ステップ507)。この場合は、(30,140)であり、始点座標(30,80) と終点座標(30,140)との距離{(30-30)2 +(140-80)2 1/2 =60を計算し、接触信号の開始点と終了点の距離が60mmであることを求め(ステップ508)、階層レベル3の画面であることを判断する(ステップ509)。
【0065】
以降の処理は、第1の実施例と同様に行われ、 RFP-T A/Bトリップ警報画面35が選択されて、CRT表示装置11aに表示される。
【0066】
以上の説明からも明らかなように、本実施例によれば、表示中の監視画面へのタッチ開始位置とその開始位置から終了位置までのタッチ移動距離により、階層構造に体系化されている監視画面群から所望の画面を一回の操作で表示させることができる。
【0067】
次に、本発明のプロセス監視用画面選択装置の第3の実施例について説明する。
【0068】
第3の実施例の構成においては、画面選択手段17は、タッチスクリーン装置13aからの接触信号を接触信号入力手段15を介して入力し、一定時間内の接触の回数で要求された画面の階層レベルを判断する。
【0069】
運転員は、下位階層の画面ほど同じ要素を多数回接触して指定を行う。例えば、回数による絶対的な階層レベル指定ルールとして、レベル1の階層は、 1秒以内に1回、レベル2の階層は 1秒以内に2回、レベル3の指定は 1秒以内に3回とする。
【0070】
以下、第1、第2の実施例と同様に階層レベル1のプラント警報全体表示画面31を表示している際、「給水系警報表示」に関連する階層レベル3の画面を選択する場合を例にとって第3の実施例の作用を図13に示すフローチャートに従って説明する。
【0071】
プラント警報全体表示画面31表示中に、この画面の中の「給水系」の表示項目の領域を 1秒間に3回タッチしたものとする。第1の実施例と同じ形式で記述すると、(1,30,80)(3,30,80)(1,35,75)(3,35,75)(1,25,85)(3,25,85)の接触信号群がタッチスクリーン装置13aから発生したものとする。
【0072】
タッチが行われるごとに接触信号入力手段15を介して接触信号群がプロセス計算機41に入力され、画面選択手段17はこれらの信号発生時刻を記憶し(ステップ601)、最初の接触データの入力から 1秒間までは、次の接触データの入力を待つ(ステップ602〜604)。この間に接触データの入力があれば接触信号群に追加する。
【0073】
上記6組の接触データが入力されるため、これら6組の接触データの重心を計算すると、(Xc 、Yc )=(30,80) となる(ステップ605)。第1の実施例と同じく表示画面Aの各表示項目の領域とこの重心座標とを比較し、「給水系」の領域であることを判断する(ステップ606、607)。
【0074】
また、画面選択手段17は6組の接触データのうち、接触種別1(接触開始)のものが3個あるため3回のタッチであることを計数し(ステップ608)、階層レベル3の画面であることを判断する(ステップ609)。以後、第1の実施例と同様の処理により、 RFP-T A/Bトリップ警報画面35を選択し、表示手段19を介してCRT表示装置11aに表示する。
【0075】
画面選択手段17はその後、接触信号発生の記憶を消去して初期化し、次に接触があったときに最初の接触であると判断できるようにする。
【0076】
以上の説明からも明らかなように、本実施例によれば、表示中の監視画面へのタッチ位置とそのタッチ回数により、階層構造に体系化されている監視画面群から所望の画面を一度の操作で表示させることができる。
【0077】
次に、本発明のプロセス監視用画面選択装置の第4の実施例について説明する。
【0078】
第4の実施例の構成においては、画面選択手段17は、タッチスクリーン装置13aからの継続した接触信号群を入力し、接触信号群のx、y座標の各々の最大値と最小値で作られる矩形の面積で要求された画面の階層レベルを判断する。例えば、座標の単位をmmとして、レベル1の階層を 0mm2 を越え 200mm2 未満、レベル2の階層を接触時間 200mm2 以上1000mm2 未満、レベル3の階層を1000mm2 以上とするように、矩形の面積によりそれぞれ絶対的な階層レベルを指定するルールを設けることができる。
【0079】
以下、第1〜3の実施例と同様に、階層レベル1のプラント警報全体表示画面31から、「給水系警報表示」に関連する階層レベル3の画面を選択する場合を例にとって、第4の実施例の作用を図14に示すフローチャートに従って説明する。
【0080】
プラント警報全体表示画面31表示中に、この画面の中の「給水系」の表示項目の領域を中心とし、x、y座標の各々の最大値と最小値で作られる矩形の面積が1600mm2 であるようなタッチがなされたものとする。このとき、第1の実施例と同じ形式で記述すると、(1,20,90)(2,10,80)(2,20,70)(2,30,60)(2,40,70)(2,50,80)(2,40,90)(3,30,100) の接触信号群がタッチスクリーン装置13aからプロセス計算機41に入力されたものとする。
【0081】
画面選択手段17は、上記8組の接触データからなる接触信号群を接触信号入力手段15を介して入力する(ステップ701)と、第1の実施例と同じ重心座標計算により、重心のX、Y座標(Xc 、Yc )=(30,80) を計算し(ステップ702)、この信号群の重心座標から第1の実施例と同様にして「給水系」の領域を抽出する(ステップ703、704)。
【0082】
また、画面選択手段17は接触信号群のX、Y座標の各々の最大値と最小値を探しだす(ステップ705)。X座標に関しては、最大50、最小10、Y座標に関しては最大100 、最小60が探しだされる。これら4つの座標値を組合せてできる(10,60)(10,100)(50,100)(50,60)を頂点とする長方形の面積を計算すると、(50-10) ×(100-60)=1600 となる(ステップ706)。1600mm2 に対応する階層レベルはレベル3であることを判断する(ステップ707)。以後、第1の実施例と同様にして、 RFP-T A/Bトリップ警報画面35を選択し、表示手段19を介してCRT表示装置11aに表示する。
【0083】
以上の説明からも明らかなように、本実施例によれば、表示中の監視画面に対して表示したい画面に関連する表示項目へのタッチとそのタッチにより図形を描いてそのx座標およびy座標のそれぞれの最大値、最小値を組合わせて得られる4点を頂点とする矩形の面積を指定することにより、階層構造に体系化されている監視画面群から所望の画面を一度の操作で表示させることができる。
【0084】
次に、本発明のプロセス監視用画面選択装置の第5の実施例を説明する。
【0085】
第5の実施例の構成においては、タッチスクリーン装置13aは、タッチ位置を検出するとともに、そのタッチの押圧力(接触圧力)を検出し、タッチ位置座標および接触圧力を接触データにしてプロセス計算機41に入力する。画面選択手段17は、タッチスクリーン装置13aからの継続した接触信号群を入力し、要求された画面の階層レベルを接触信号群の中の最大接触圧力により判断する。ここでは、接触圧力の単位をhPa で測定し、接触圧力により絶対的な階層レベルを指定するものとし、強く接触するほど下位レベルの画面の指定とする。レベル1の階層は、接触圧力が0hPaを越え500hPa未満、レベル2の階層は接触圧力500hPa以上 2000hPa未満、レベル3の指定は 2000hPa以上とする。
【0086】
以下、第1〜4の実施例と同様に、階層レベル1のプラント警報全体表示画面31から、「給水系警報表示」に関連する階層レベル3の画面を選択する場合を例にとって、第5の実施例の作用を図15に示すフローチャートに従って説明する。なお、接触データの入力周期は第1の実施例と同じとして、1組の接触データを(接触種別,X座標,Y座標,接触圧力)の形式で記述するものとする。
【0087】
プラント警報全体表示画面31表示中に、この画面の中の「給水系」の表示項目の領域に最大 3000hPaの圧力のタッチがなされたものとする。タッチスクリーン装置13aからプロセス計算機41に入力される接触信号群は(1,30,80,100)(2,30,80,500)(2,30,80,1000)(2,30,80,2000)(2,30,80,3000)(2,30,80,1500)(2,30,80,500)(3,30,80,50) の8組の接触データであったとする。
【0088】
画面選択手段17は、タッチスクリーン装置13aからの上記接触信号群を接触信号入力手段15を介して入力する(ステップ801)と、第1の実施例と同様に、重心座標(Xc 、Yc )=(30,80) を計算し(ステップ802)、この重心座標を含む表示項目の領域を検索して(ステップ803)、「給水系」の表示項目を抽出する(ステップ804)。
【0089】
また、画面選択手段17は、8組の接触データの各第4要素の接触圧力の最大値を探しだす(ステップ805)。最大接触圧力信号が 3000hPaであることから、第3レベルの画面であることを判断する(ステップ806)。以後、第1の実施例と同様にして、 RFP-T A/Bトリップ警報画面35を選択し、表示手段19を介してCRT表示装置11aに表示する。
【0090】
以上の説明からも明らかなように、本実施例によれば、表示中の監視画面に対して表示したい画面に関連する表示項目へのタッチするとともに、そのタッチの押圧力を調節することにより、階層構造に体系化されている監視画面群から所望の画面を一度の操作で表示させることができる。
【0091】
次に、本発明のプロセス監視用画面選択装置の第5の実施例を説明する。
【0092】
第6の実施例の構成においては、画面選択手段17は、相対的な階層レベル指定情報に基づいて階層レベルの判断を行う。
【0093】
例えば、階層レベル指定情報としてタッチの継続時間を用いた場合、長い時間のタッチほど、相対的に下位レベルの階層の画面指定とすることができる。
【0094】
ここでは、階層レベル指定ルールとして、上位へ2レベルの階層移動は接触時間 0秒を越え 0.3秒未満、上位1レベルの階層移動は接触時間 0.3秒以上 1秒未満、下位1レベルの階層移動は接触時間 1秒以上 1.7秒未満、下位2レベルの階層移動は接触時間 1.7秒以上と設定する。
【0095】
次に、本発明のプロセス監視用画面選択装置の第6の実施例を説明する。
【0096】
以下、第1〜5の実施例と同様に、階層レベル1のプラント警報全体表示画面31から、「給水系警報表示」に関連する階層レベル3の画面を選択する場合を例にとって、第6の実施例の作用を図16に示すフローチャートに従って説明する。
【0097】
プラント警報全体表示画面31表示中に、この画面の中の「給水系」の表示項目の領域に 2秒のタッチがなされたものとする。プロセス計算機41に入力された接触信号群は第1の実施例で示したものと同じ41組の接触データとする。
【0098】
画面選択手段17は、第1の実施例と同様に接触信号入力手段15を介して接触信号群を入力し(ステップ901)、接触データ数41をカウントして(ステップ902)、これらの信号群の重心座標(Xc 、Yc )=(30,80)を計算する(ステップ903)。この重心座標を含む表示項目の領域を検索することによって(ステップ904)、タッチ位置が「給水系」の領域であることを判断する
(ステップ905)。
【0099】
ついで、第1の実施例と同様に、41組の接触データが接触信号群として入力されたことで、画面選択手段17はタッチの継続時間を 2秒と計算する(ステップ906)。ここで、 2秒のタッチが下位方向2レベルの移動に対応することを見つけだし(ステップ907)、現在の表示画面Aが階層レベル1のものであることから1+2=3 により階層レベル3の画面指定であることを判断する(907)。以後、第1の実施例と同様にして、 RFP-T A/Bトリップ警報画面35を選択し、表示手段19を介してCRT表示装置11aに表示する。
【0100】
以上の説明からも明らかなように、階層レベルの指定を表示中画面の階層レベルに対して相対的に指定する方法をとっても、階層レベルの絶対的指定と同様にして任意の階層レベルを指定することができ、表示中画面から所望の画面を容易に表示させることができる。
【0101】
なお、マウス、トラッカボールなどの位置指示入力装置によっても上記と同様の効果を持つプロセス監視用画面選択装置が実施可能であるが、これらの装置は信頼性が低く、操作のためにプロセス運転以外の習熟が要求される点において、本発明のプロセス監視用画面選択装置と同様の効果をもつことができない。
【0102】
【発明の効果】
上記したように、本発明によれば、階層構造の画面体系をもつプロセス監視画面の選択において、表示中画面の画面要素(表示項目)を運転員による直接タッチにより選択するとともに、階層構造の階層レベルをタッチ位置以外のタッチ継続時間等の手段で同時に指定することにより、表示中画面から任意の階層レベルの監視画面を一度の操作で容易に選択することができ、画面選択の効率化を実現し、プロセス運転の迅速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるプロセス監視用画面選択装置の構成を示すブロック図である。
【図2】階層構造を持つ画面体系を例示する図である。
【図3】本発明にかかるプロセス監視用画面選択装置の作用を示すフローチャートである。
【図4】プロセス警報監視画面の階層画面体系を例示する図である。
【図5】図4のプロセス警報監視画面における階層レベル1のプラント警報全体表示画面例を示す図である。
【図6】図4のプロセス警報監視画面における階層レベル2の給水系警報表示画面例を示す図である。
【図7】図4のプロセス警報監視画面における階層レベル3の RFP-T A/Bトリップ警報画面例を示す図である。
【図8】本発明の一実施例のプロセス監視用画面選択装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施例における画面選択手段の作用を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施例におけるタッチスクリーン装置13aの作用を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施例における接触信号入力手段15の作用を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施例における画面選択手段の作用を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3の実施例における画面選択手段の作用を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第4の実施例における画面選択手段の作用を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第5の実施例における画面選択手段の作用を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第6の実施例における画面選択手段の作用を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11………表示装置、11a………CRT表示装置、13………入力装置、13a………タッチスクリーン装置、15………接触信号入力手段、17………画面選択手段、19………表示手段、41………プロセス計算機

Claims (7)

  1. 系統ごとの複数の表示項目で構成される全体プロセス監視用画面の下位に、前記系統ごとの複数のプロセス監視用画面が複数の階層レベルにわたって接続され、運転員の要求に基づいて任意のプロセス監視用画面を選択し表示するプロセス監視用画面選択装置において、
    前記プロセス監視用画面を表示する表示装置と、
    発生した警報の情報を発生順序とともに記憶する警告情報記憶手段と、
    前記表示装置の画面上に前記全体プロセス監視用画面が表示されているとき、前記表示装置の画面上への接触を検出する入力装置と、
    前記入力装置からの信号に基づいて、前記表示装置の画面上への接触点にあたる前記全体プロセス監視用画面の表示項目を判定してこの表示項目に対応する系統を判定するとともに、前記画面への接触の継続時間を算出してこの算出された接触の継続時間に応じて、前記判定された系統のうち前記表示装置に表示すべきプロセス監視用画面の階層レベルを判定し、この判定した階層レベルと前記警告情報記憶手段に記憶された情報とに基づいて、前記表示装置に表示すべきプロセス監視用画面を選択する画面選択手段とを具備することを特徴とするプロセス監視用画面選択装置。
  2. 系統ごとの複数の表示項目で構成される全体プロセス監視用画面の下位に、前記系統ごとの複数のプロセス監視用画面が複数の階層レベルにわたって接続され、運転員の要求に基づいて任意のプロセス監視用画面を選択し表示するプロセス監視用画面選択装置において、
    前記プロセス監視用画面を表示する表示装置と、
    発生した警報の情報を発生順序とともに記憶する警告情報記憶手段と、
    前記表示装置の画面上に前記全体プロセス監視用画面が表示されているとき、前記表示装置の画面上への接触を検出する入力装置と、
    前記入力装置からの信号に基づいて、前記表示装置の画面上への接触点にあたる前記全体プロセス監視用画面の表示項目を判定してこの表示項目に対応する系統を判定するとともに、前記画面上での接触の移動距離を算出してこの算出された接触の移動距離に応じて、前記判定された系統のうち前記表示装置に表示すべきプロセス監視用画面の階層レベルを判定し、この判定した階層レベルと前記警告情報記憶手段に記憶された情報とに基づいて、前記表示装置に表示すべきプロセス監視用画面を選択する画面選択手段とを具備することを特徴とするプロセス監視用画面選択装置。
  3. 系統ごとの複数の表示項目で構成される全体プロセス監視用画面の下位に、前記系統ごとの複数のプロセス監視用画面が複数の階層レベルにわたって接続され、運転員の要求に基づいて任意のプロセス監視用画面を選択し表示するプロセス監視用画面選択装置において、
    前記プロセス監視用画面を表示する表示装置と、
    発生した警報の情報を発生順序とともに記憶する警告情報記憶手段と、
    前記表示装置の画面上に前記全体プロセス監視用画面が表示されているとき、前記表示装置の画面上への接触を検出する入力装置と、
    前記入力装置からの信号に基づいて、前記表示装置の画面上への接触点にあたる前記全体プロセス監視用画面の表示項目を判定してこの表示項目に対応する系統を判定するとともに、前記画面上での一定時間内の接触回数を算出してこの算出された一定時間内の接触回数に応じて、前記判定された系統のうち前記表示装置に表示すべきプロセス監視用画面の階層レベルを判定し、この判定した階層レベルと前記警告情報記憶手段に記憶された情報とに基づいて、前記表示装置に表示すべきプロセス監視用画面を選択する画面選択手段とを具備することを特徴とするプロセス監視用画面選択装置。
  4. 系統ごとの複数の表示項目で構成される全体プロセス監視用画面の下位に、前記系統ごとの複数のプロセス監視用画面が複数の階層レベルにわたって接続され、運転員の要求に基づいて任意のプロセス監視用画面を選択し表示するプロセス監視用画面選択装置において、
    前記プロセス監視用画面を表示する表示装置と、
    発生した警報の情報を発生順序とともに記憶する警告情報記憶手段と、
    前記表示装置の画面上に前記全体プロセス監視用画面が表示されているとき、前記表示装置の画面上への接触を検出する入力装置と、
    前記入力装置からの信号に基づいて、前記表示装置の画面上への接触点にあたる前記全体プロセス監視用画面の表示項目を判定してこの表示項目に対応する系統を判定するとともに、前記画面上での複数の接触点の位置座標により形成される図形の面積を算出してこの算出された面積に応じて、前記判定された系統のうち前記表示装置に表示すべきプロセス監視用画面の階層レベルを判定し、この判定した階層レベルと前記警告情報記憶手段に記憶された情報とに基づいて、前記表示装置に表示すべきプロセス監視用画面を選択する画面選択手段とを具備することを特徴とするプロセス監視用画面選択装置。
  5. 系統ごとの複数の表示項目で構成される全体プロセス監視用画面の下位に、前記系統ごとの複数のプロセス監視用画面が複数の階層レベルにわたって接続され、運転員の要求に基づいて任意のプロセス監視用画面を選択し表示するプロセス監視用画面選択装置において、
    前記プロセス監視用画面を表示する表示装置と、
    発生した警報の情報を発生順序とともに記憶する警告情報記憶手段と、
    前記表示装置の画面上に前記全体プロセス監視用画面が表示されているとき、前記表示装置の画面上への接触を接触圧力とともに検出する入力装置と、
    前記入力装置からの信号に基づいて、前記表示装置の画面上への接触点にあたる前記全体プロセス監視用画面の表示項目を判定してこの表示項目に対応する系統を判定するとともに、前記画面上への接触圧力を算出してこの算出された接触圧力に応じて、前記判定された系統のうち前記表示装置に表示すべきプロセス監視用画面の階層レベルを判定し、この判定した階層レベルと前記警告情報記憶手段に記憶された情報とに基づいて、前記表示装置に表示すべきプロセス監視用画面を選択する画面選択手段とを具備することを特徴とするプロセス監視用画面選択装置。
  6. 前記画面選択手段は、前記プロセス監視用画面の階層構造上の絶対的な階層レベルを指定するレベル指定ルールに従って、前記表示すべきプロセス監視用画面の階層レベルを判定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載のプロセス監視用画面選択装置。
  7. 前記画面選択手段は、現在表示されているプロセス監視用画面の階層構造上の階層レベルに対する相対的な階層レベルを指定するレベル指定ルールに従って、前記表示すべきプロセス監視用画面の階層レベルを判定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載のプロセス監視用画面選択装置。
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