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JP3716146B2 - Method for producing polymer - Google Patents

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JP3716146B2
JP3716146B2 JP35483899A JP35483899A JP3716146B2 JP 3716146 B2 JP3716146 B2 JP 3716146B2 JP 35483899 A JP35483899 A JP 35483899A JP 35483899 A JP35483899 A JP 35483899A JP 3716146 B2 JP3716146 B2 JP 3716146B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な生体内分解性ポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
EP−A−0839525号公報には、生理活性ペプチドまたはその塩と生体内分解性ポリマーとからなる徐放性製剤およびその製造法が開示されているが、該公報における生体内分解性ポリマーは公知の開環重合法により製造された生体内分解性ポリマーを自体公知の加水分解方法に付すことにより製造されている。
該開環重合法は乳酸の環状二量体を用い、加熱下、触媒を添加して行う方法が、ジェイ・エイチ・アール・ウッドランド(J.H.R.Woodland)他、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J. Med. Chem)、16,897(1973)に記載されており、またラクチドとグリコリド等の環状ジエステル化合物からの触媒を用いて行う方法が、Encyclopedic handbook of Biomaterials and Bioengineering Part A: Materials, Volume 2, Marcel Dekker, Inc. (1995)に記載されている。
また、WO95/03356号公報には、クエン酸トリベンジルとともにラクチドを重合させることによる一本のポリラクチドと三本のデキストランがクエン酸を介して結合したブロック共重合体の製造方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公知の開環重合方法によって得られるポリマーは、得られるポリマーのω端に遊離のカルボキシル基を有しているとは限らず、徐放性製剤への生理活性物質を高率に取込むことが困難である。また、原料の仕込み段階において、目的の生体内分解性ポリマーの分子量を調節することが困難である。
従って、徐放性製剤への生理活性物質を高率に取込むことを可能にし、目的の生体内分解性ポリマーの分子量の調節を容易にする生体内分解性ポリマーの製造方法の確立が課題である。
また、少なくとも約6ヶ月以上の長期にわたって生理活性物質を放出する徐放性製剤に用いられる生体内分解性ポリマーに適した製造方法の確立も課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点を解決するために鋭意研究の結果、カルボキシル基が保護されたヒドロキシモノカルボン酸誘導体またはカルボキシル基が保護されたヒドロキシジカルボン酸誘導体の存在下、環状エステル化合物を重合反応に付し、得られるω端に保護されたカルボキシル基を有するポリマーを脱保護反応に付すことを特徴とするω端に遊離のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーの製造方法を見出し、さらに研究を継続した結果、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)カルボキシル基が保護されたヒドロキシモノカルボン酸誘導体またはカルボキシル基が保護されたヒドロキシジカルボン酸誘導体の存在下、環状エステル化合物を重合反応に付し、得られるω端に保護されたカルボキシル基を有するポリマーを脱保護反応に付すことを特徴とするω端に遊離のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーの製造方法、
(2)カルボキシル基が保護されたヒドロキシモノカルボン酸誘導体が、カルボキシル基が保護されたグリコール酸、カルボキシル基が保護されたL−乳酸、カルボキシル基が保護されたD−乳酸またはカルボキシル基が保護されたDL−乳酸である上記(1)記載の製造方法、
(3)カルボキシル基が保護されたヒドロキシモノカルボン酸の保護基がtert-ブチル基またはベンジル基である上記(1)記載の製造方法、
(4)カルボキシル基が保護されたヒドロキシジカルボン酸誘導体がタルトロン酸ジベンジルまたは2-ヒドロキシエチルマロン酸ジtert-ブチルである上記(1)記載の製造方法、
(5)環状エステル化合物が環状モノエステル化合物または環状ジエステル化合物である上記(1)記載の製造方法、
(6)脱保護反応が酸分解反応である上記(1)記載の製造方法、
(7)カルボキシル基が保護されたヒドロキシモノカルボン酸誘導体の存在下、環状エステル化合物を重合反応に付し、得られるω端に保護されたカルボキシル基を有するポリマーを脱保護反応に付すことを特徴とするω端に遊離のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーの製造方法、
(8)脱保護反応の後、酸加水分解反応に付すことを特徴とする上記(7)記載の製造方法、
(9)生体内分解性ポリマーが少なくとも約6ヶ月以上にわたり生理活性物質を放出する徐放性製剤に用いられる生体内分解性ポリマーである上記(1)または上記(7)記載の製造方法、
(10)上記(1)または上記(7)記載の製造方法によって得られる生体内分解性ポリマー、
(11)上記(10)記載の生体内分解性ポリマーを含有してなる徐放性製剤、
(12)さらに生理活性物質を含有してなる上記(11)記載の徐放性製剤、および
(13)生理活性物質がLH−RH誘導体またはその塩である上記12記載の徐放性製剤などに関する。
【0006】
本発明で用いられる生理活性物質は、薬理学的に有用なものであれば特に限定を受けないが、非ペプチド化合物でもペプチド化合物でもよい。非ペプチド化合物としては、アゴニスト、アンタゴニスト、酵素阻害作用を有する化合物などがあげられる。また、ペプチド化合物としては、例えば、生理活性ペプチドが好ましく、分子量約300〜約40,000、好ましくは約400〜約30,000、さらに好ましくは約500〜約25,000、より好ましくは約500〜20,000の生理活性ペプチドなどが好適である。
該生理活性ペプチドとしては、例えば、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH)、インスリン、ソマトスタチン、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン(GH−RH)、プロラクチン、エリスロポイエチン、副腎皮質ホルモン、メラノサイト刺激ホルモン、甲状腺ホルモン放出ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、バソプレシン、オキシトシン、カルシトニン、ガストリン、セクレチン、パンクレオザイミン、コレシストキニン、アンジオテンシン、ヒト胎盤ラクトーゲン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、エンケファリン、エンドルフィン、キョウトルフィン、タフトシン、サイモポイエチン、サイモシン、サイモチムリン、胸腺液性因子、血中胸腺因子、腫瘍壊死因子、コロニー誘導因子、モチリン、デイノルフィン、ボンベシン、ニューロテンシン、セルレイン、ブラジキニン、心房性ナトリウム排泄増加因子、神経成長因子、細胞増殖因子、神経栄養因子、エンドセリン拮抗作用を有するペプチド類など、およびその誘導体、さらにはこれらのフラグメントまたはフラグメントの誘導体などがあげられる。
本発明で用いられる生理活性ペプチドはそれ自身であっても、薬理学的に許容される塩であってもよい。このような塩としては、該生理活性ペプチドがアミノ基等の塩基性基を有する場合、無機酸(例、炭酸、重炭酸、塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等)、有機酸(例、コハク酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等)などとの塩があげられる。
生理活性ペプチドがカルボキシル基等の酸性基を有する場合、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属など)や有機塩基(例、トリエチルアミン等の有機アミン類、アルギニン等の塩基性アミノ酸類等)などとの塩があげられる。また、生理活性ペプチドは金属錯体化合物(例、銅錯体、亜鉛錯体等)を形成していてもよい。
上記した生理活性ペプチドの好ましい例としては、LH−RH誘導体であって、前立腺癌、前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、思春期早発症、乳癌等の性ホルモン依存性の疾患および避妊に有効なLH−RH誘導体またはその塩があげられる。
【0007】
LH−RH誘導体またはその塩の具体例としては、例えば、トリートメント ウイズ GnRH アナログ:コントラバーシス アンド パースペクテイブ(Treatment with GnRH analogs: Controversies and perspectives)〔パルテノン バブリッシング グループ(株)(The Parthenon Publishing Group Ltd.)発行1996年〕、特表平3−503165号公報、特開平3−101695号、同7−97334号および同8−259460号公報などに記載されているペプチド類があげられる。
【0008】
LH−RH誘導体としては、LH−RHアゴニストまたはLH−RHアンタゴニストがあげられるが、LH−RHアンタゴニストとしては、例えば、一般式〔I〕
X-D2Nal-D4ClPhe-D3Pal-Ser-A-B-Leu-C-Pro-DAlaNH2
〔式中、XはN(4H2-furoyl)GlyまたはNAcを、AはNMeTyr、Tyr、Aph(Atz)、NMeAph(Atz)から選ばれる残基を、BはDLys(Nic)、DCit、DLys(AzaglyNic)、DLys(AzaglyFur)、DhArg(Et2)、DAph(Atz)およびDhCi から選ばれる残基を、CはLys(Nisp)、ArgまたはhArg(Et2)をそれぞれ示す〕で表わされる生理活性ペプチドまたはその塩などが用いられる。
【0009】
LH−RHアゴニストとしては、例えば、一般式〔II〕
5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Arg-Pro-Z
〔式中、YはDLeu、DAla、DTrp、DSer(tBu)、D2NalおよびDHis(ImBzl)から選ばれる残基を、ZはNH-C2H5またはGly-NH2をそれぞれ示す〕で表わされる生理活性ペプチドまたはその塩などが用いられる。特に、YがDLeuで、ZがNH-C2H5であるペプチド(即ち、5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-DLeu-Leu-Arg-Pro-NH-C2H5で表されるペプチド、特にその酢酸塩)が好適である。
これらのペプチドは、前記文献あるいは公報記載の方法あるいはこれに準じる方法で製造することができる。
【0010】
本明細書中で使用される略号の意味は次のとおりである。

Figure 0003716146
その他のアミノ酸に関し、略号で表示する場合、IUPAC-IUBコミッション・オブ・バイオケミカル・ノーメンクレーチュアー(Commission on Biochemical Nomenclature) (ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(European Journal of Biochemistry)第138巻、9〜37頁(1984年))による略号または該当分野における慣用略号に基づくものとし、また、アミノ酸に関して光学異性体がありうる場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
【0011】
本発明の徐放性製剤は、生理活性物質以外に、例えば分散剤(Tween80、HCO−60などの界面活性剤;カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなどの多糖類;硫酸プロタミン;ポリエチレングリコール400など)、保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖など)、油脂類(例えば、ゴマ油、コーン油など)、リン脂質(例えば、レシチンなど)、賦形剤(例えば、乳糖、コーンスターチ、マンニトール、セルロースなど)、結合剤(例えば、ショ糖、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリンなど)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウムなど)、薬物保持剤(例えば、ゼラチン、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸など)などを含んでいてもよい。
【0012】
本発明に用いられる生体内分解性ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシモノカルボン酸(例、グリコール酸、乳酸など)のカルボキシル基が保護された誘導体(カルボキシル基が保護されたグリコール酸、カルボキシル基が保護されたL−乳酸、カルボキシル基が保護されたD−乳酸、カルボキシル基が保護されたDL−乳酸など(保護基の例、tert-ブチル基、ベンジル基など)、より具体的にはD−乳酸tert-ブチル、L−乳酸ベンジルなど)、ヒドロキシジカルボン酸(例、タルトロン酸、2−ヒドロキシエチルマロン酸など)のカルボキシル基が保護された誘導体(例、タルトロン酸ジベンジル、2−ヒドロキシエチルマロン酸ジtert-ブチルなど)などの1種以上と、環状エステル化合物(例、環状ジエステル化合物(ラクチド類)、環状モノエステル化合物(ラクトン類)など)の1種以上とから合成され、ω端に遊離のカルボキシル基を有する重合体、共重合体、またはこれらの混合物(例、ω残基がグリコール酸であるポリヒドロキシカルボン酸、ω残基がDL−乳酸であるポリヒドロキシカルボン酸、ω残基がD−乳酸であるポリヒドロキシカルボン酸、ω残基がL−乳酸であるポリヒドロキシカルボン酸、ω残基がタルトロン酸であるポリヒドロキシカルボン酸、ω残基が2−ヒドロキシエチルマロン酸であるポリヒドロキシカルボン酸など)などが用いられる。
該「ポリヒドロキシカルボン酸」のω残基以外の部分は、ポリα−ヒドロキシカルボン酸が好ましい。
【0013】
該「ポリα−ヒドロキシカルボン酸」の最小繰り返し単位になるα−ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、グリコール酸などが好ましく、それらのコポリマー(以下、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)あるいは乳酸−グリコール酸重合体と称することもあり、特に明示しない限り、乳酸、グリコール酸のホモポリマー(重合体、ポリラクチドまたはポリグリコリドとも称する)及びコポリマー(共重合体)を総称する)が汎用される。該「乳酸−グリコール酸重合体」の組成比(乳酸/グリコール酸)(モル/モル%)は本発明の目的が達成される限り特に限定されないが、約100/0〜約30/70のものが用いられる。該組成比の好ましい例としては、約100/0〜約40/60であり、特に約100/0〜約45/55のものが汎用される。該「ポリα−ヒドロキシカルボン酸」の最小繰り返し単位になるα−ヒドロキシカルボン酸が分子内に光学活性中心を有する場合は、D−体、L−体およびD,L−体の何れでもよいが、D−体/L−体(モル/モル%)が約75/25〜約25/75の範囲のものが好ましい。このD−体/L−体(モル/モル%)は、特に約60/40〜約30/70の範囲のものが汎用される。
【0014】
上記の生体内分解性ポリマーの重量平均分子量は、通常、約3,000〜約500,000、好ましくは約3,000〜約200,000、さらに好ましくは約3,000〜約100,000が特に好ましい。また、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、通常約1.2〜約4.0が好ましく、さらには約1.5〜3.5が特に好ましい。
上記の生体内分解性ポリマーのω残基がモノカルボキシル基である場合は、ポリマーの単位質量あたりの末端カルボキシル基量は、通常約40〜約90μmol/gが好ましく、さらには約50〜約90μmol/gが特に好ましい。
上記の生体内分解性ポリマーのω残基がジカルボキシル基である場合は、ポリマーの単位質量あたりの末端カルボキシル基量は、通常約30〜約800μmol/gが好ましく、さらには約60〜約400μmol/gが特に好ましい。
上記の重量平均分子量、数平均分子量および分散度とは、重量平均分子量が455645、354000、98900、66437、37200、17100、9830、5870、2500、1303、および504の11種の単分散ポリスチレンを基準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量および算出した分散度をいう。測定は、高速GPC装置(東ソー製、HLC−8120GPC)、GPCカラムKF804L×2(昭和電工製)を使用し、移動相としてクロロホルムを用いる。
【0015】
上記の末端カルボキシル基量とはラベル化法による末端基定量方法により求めたものをいう。具体的には、ω残基が乳酸であるポリマーである場合には、生体内分解性ポリマーWmgを5N HCl/アセトニトリル(v/v=4/96)混液2mlに溶解し、0.01Mのo-ニトロフェニルヒドラジン(ONPH)溶液(5N HCl/アセトニトリル/エタノール=1.02/35/15)2mlと0.15MのEDC溶液(ピリジン/エタノール=4v/96v)2mlを加えて40℃で30分反応させた後溶媒を留去する。残渣を水洗(4回)した後、アセトニトリル2mlで溶解し、0.5mol/lのエタノール性水酸化カリウム溶液1mlを加えて60℃で30分反応させる。反応液を1.5NのNaOHで希釈してYmlとし、1.5NのNaOHを対象として544nm吸光度A(/cm)を測定する。一方、DL−乳酸水溶液を基準物質として、その遊離カルボキシル基量 C mol/LをNaOH滴定で求め、またONPHラベル化法でDL−乳酸ヒドラジドとしたときの544nm吸光度を B(/cm)とするとき、ω残基が乳酸であるポリマーの遊離カルボキシル基量[COOH]は以下の数式で求められる。
[COOH](mol/g)=(AYC)/(WB)
また、生体内分解性ポリマーをトルエン−アセトン−メタノール混合溶媒に溶解し、フェノールフタレインを指示薬としてこの溶液をアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定して末端カルボキシル基量を算出することができる。
【0016】
生体内分解性ポリマーの分解・消失速度は共重合組成、分子量あるいは遊離カルボキシル基量によって大きく変化するが、一般的には分子量を大きくし、かつ遊離カルボキシル基量を少なくすることによって放出期間を長くすることができる。しかし、遊離カルボキシル基量は生理活性物質の製剤への取り込み率に影響するので一定値以上必要である。この故に、長期間(例えば、少なくとも約6ヶ月以上、好ましくは約6ヶ月(26週)〜約8ヶ月(35週)、より好ましくは約6ヶ月(26週)〜約7ヶ月(30週)、より好ましくは約6ヶ月(26週)〜約6ヶ月半(28週))型徐放性製剤用の生体内分解性ポリマーとするには、ω端がモノカルボキシル基であるポリDL−乳酸で、上記の重量平均分子量が約20,000〜約50,000で、かつ遊離カルボキシル基量が約50〜約90μmol/gが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の生体内分解性ポリマーの製造方法を詳述する。
(1)まず、上記のカルボキシル基が保護されたヒドロキシモノカルボン酸誘導体(例、D−乳酸tert-ブチル、L−乳酸ベンジルなど)またはカルボキシル基が保護されたヒドロキシジカルボン酸誘導体(例、タルトロン酸ジベンジル、2−ヒドロキシエチルマロン酸ジtert-ブチルなど)の存在下、重合触媒を用いて環状エステル化合物を重合反応に付す。
上記の「カルボキシル基が保護されたヒドロキシモノカルボン酸誘導体」または「カルボキシル基が保護されたヒドロキシジカルボン酸誘導体」とは、例えば、カルボキシル基(−COOH)がアミド(−CONH2)化またはエステル(−COOR)化されているヒドロキシカルボン酸誘導体などがあげられるが、なかでも、カルボキシル基(−COOH)がエステル(−COOR)化されているヒドロキシカルボン酸誘導体などが好ましい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基などがあげられる。なかでも、tert−ブチル基、ベンジル基などが好ましい。
該「環状エステル化合物」とは、例えば環内に少なくとも1つのエステル結合を有する環状化合物をいう。具体的には、環状モノエステル化合物(ラクトン類)または環状ジエステル化合物(ラクチド類)などがあげられる。
【0018】
該「環状モノエステル化合物」としては、例えば、4員環ラクトン(β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、β−イソバレロラクトン、β−カプロラクトン、β−イソカプロラクトン、β−メチル−β−バレロラクトンなど)、5員環ラクトン(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなど)、6員環ラクトン(δ−バレロラクトンなど)、7員環ラクトン(ε−カプロラクトンなど)、p-ジオキサノン、1,5-ジオキセパン−2−オンなどがあげられる。
該「環状ジエステル化合物」としては、
例えば、式
【化1】
Figure 0003716146
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、水素原子またはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチルなどのC1-6アルキル基を示す)で表される化合物などがあげられ、なかでも、R1が水素原子でR2がメチル基またはR1およびR2が水素原子であるラクチドなどが好ましい。
具体的には、たとえばグリコリド、L-ラクチド、D-ラクチド、DL-ラクチド、meso-ラクチド、3-メチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン(光学活性体も含む)などがあげられる。
該「重合触媒」としては、例えば有機スズ系触媒(例、オクチル酸スズ、ジラウリル酸ジ−n−ブチルスズ、テトラフェニルスズなど)、アルミ系触媒(例、トリエチルアルミニウムなど)、亜鉛系触媒(例、ジエチル亜鉛など)などがあげられる。
反応後の除去の容易さの観点からは、アルミ系触媒、亜鉛系触媒が好ましく、さらには、残存した場合の安全性の観点からは亜鉛系触媒が好ましい。
重合触媒の溶媒としては、ベンゼン、ヘキサン、トルエンなどが用いられ、中でもヘキサン、トルエンなどが好ましい。
【0019】
「重合方法」は、反応物を融解状態にして行う塊状重合法または反応物を適当な溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、デカリン、ジメチルホルムアミドなど)に溶解して行う溶液重合法を用いればよい。溶媒としては、トルエン、キシレンなどが好ましい。重合温度は特に限定されるものではないが、塊状重合の場合、反応開始時に反応物を融解状態に至らしめる温度以上、通常100〜300℃であり、溶液重合の場合、通常室温〜150℃であり、反応温度が反応溶液の沸点を越えるときは、凝縮器を付けて還流するか、または耐圧容器内で反応させればよい。重合時間は重合温度、そのほかの反応条件や目的とする重合体の物性などを考慮して適宜定められるが、例えば10分〜72時間である。反応後は、必要であれば反応混合物を適当な溶媒(例えば、アセトン、ジクロロメタン、クロロホルムなど)に溶解し、酸(例えば、塩酸、無水酢酸、トリフルオロ酢酸など)で重合を停止させた後、常法によりこれを目的物を溶解しない溶媒(例えば、アルコール、水、エーテル、イソプロピルエーテルなど)中に混合するなどして析出させ、ω端に保護されたカルボキシル基を有するポリマーを単離すればよい。
本願の重合方法は、従来のメタノールなどのいわゆるプロトン性連鎖移動剤の代わりにカルボキシル基が保護されたヒドロキシカルボン酸誘導体(例、D−乳酸tert-ブチル、L−乳酸ベンジルなど)またはカルボキシル基が保護されたヒドロキシジカルボン酸誘導体(例、タルトロン酸ジベンジル、2−ヒドロキシエチルマロン酸ジtert-ブチルなど)などが用いられる。
このようにカルボキシル基が保護されたヒドロキシカルボン酸誘導体(例、D−乳酸tert-ブチル、L−乳酸ベンジルなど)またはカルボキシル基が保護されたヒドロキシジカルボン酸誘導体(例、タルトロン酸ジベンジル、2−ヒドロキシエチルマロン酸ジtert-ブチルなど)などをプロトン性連鎖移動剤に用いることによって、▲1▼分子量を仕込み組成によって制御でき、▲2▼重合後に脱保護反応に付すことによって、得られる生体内分解性ポリマーのω端にカルボキシル基を遊離させることができる。
【0020】
(2)次に、上記(1)の重合反応によって得られたω端に保護されたカルボキシル基を有するポリマーを脱保護反応に付すことにより目的とするω端に遊離のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーを得ることができる。
該保護基は自体公知の方法により脱離できる。このような方法としては、ポリ(ヒドロキシカルボン酸)のエステル結合に影響を与えずに保護基を除去することが可能な方法であればいずれを用いてもよいが、具体的には、例えば還元、酸分解(反応)などの方法があげられる。
該還元方法としては、例えば触媒(例、パラジウム炭素、パラジウム黒、酸化白金など)を用いる接触還元、液体アンモニウム中でのナトリウムによる還元、ジチオスレイトールによる還元などがあげられる。例えば、ω端にベンジル基で保護されたカルボキシル基を有するポリマーを接触還元する場合、具体的にはポリマーを酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルムなどに溶解したものにパラジウム炭素を添加し、激しく攪拌しながら室温で水素を約20分〜約4時間通気することで脱保護できる。
酸分解方法としては、例えば無機酸(例、フッ化水素、臭化水素、塩化水素など)あるいは有機酸(例、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸など)またはこれらの混合物などによる酸分解などがあげられる。また、必要に応じて、酸分解の際、カチオン・スカベンジャー(例、アニソール、フェノール、チオアニソールなど)を適宜添加してもよい。例えば、ω端にtert-ブチル基で保護されたカルボキシル基を有するポリマーを酸分解する場合、具体的にはポリマーをジクロロメタン、キシレン、トルエンなどに溶解したものにトリフルオロ酢酸を適当量加えて、あるいはポリマーをトリフルオロ酢酸で溶解して室温で約1時間攪拌することで脱保護できる。
好ましくは、該酸分解法は重合反応直後に行ってもよく、その場合は重合停止反応を兼ねることができる。
さらに必要に応じて、上記の脱保護反応によって得られたポリマーを酸加水分解反応に付すことにより、該ポリマーの重量平均分子量、数平均分子量あるいは末端カルボキシル基量を目的に応じて調節することができる。具体的には、例えば、EP−A−0839525号に記載の方法またはそれに準じた方法によって行うことができる。
前記のようにして得られた生体内分解性ポリマーは、徐放性製剤を製造するための基剤として用いることができる。
本発明の基剤に対する生理活性物質の重量比は、例えばペプチドの場合、約0.001〜約50%(w/w)、好ましくは約0.02〜約40%(w/w)、より好ましくは約0.1〜30%(w/w)であり、非ペプチドの場合、約0.01〜80%(w/w)、好ましくは約0.1〜50%(w/w)である。
【0021】
(3)本発明の製造法で得られる生分解性ポリマーを含む徐放性製剤は、例えば水中乾燥法、相分離法、噴霧乾燥法あるいはこれらに準ずる方法などによって製造される。
以下に、徐放性製剤として、例えばマイクロカプセル(マイクロスフェアと称する場合がある)を製造する場合の製造方法について記述する。
以下の製造工程中、必要に応じて、薬物保持剤(例えば、ゼラチン、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸など)を自体公知の方法により添加してもよい。
【0022】
(I)水中乾燥法
(i)O/W法
本方法においては、まず生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液を作製する。本発明の徐放性製剤の製造の際に使用する有機溶媒は、沸点が120℃以下であることが好ましい。
該有機溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素(例、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、エーテル類(例、エチルエーテル、イソプロピルエーテル等)、脂肪酸エステル(例、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、アルコール類(例えば、エタノール、メタノール等)、アセトニトリルなどが用いられる。なかでもハロゲン化炭化水素が好ましく、特にジクロロメタンが好適である。また、これらは適宜の割合で混合して用いてもよい。その場合は、ハロゲン化炭化水素とアルコール類との混液が好ましく、特にジクロロメタンとエタノールとの混液が好適である。
生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液中の濃度は、生体内分解性ポリマーの分子量、有機溶媒の種類によって異なるが、例えば、ジクロロメタンを有機溶媒として用いた場合、一般的には約0.5〜約70重量%、より好ましくは約1〜約60重量%、特に好ましくは約2〜約50重量%から選ばれる。
また、ジクロロメタンとの混有機溶媒としてエタノールを用いた場合の両者の比率は,一般的には約0.01〜約50%(v/v)、より好ましくは約0.05〜約40%(v/v)、特に好ましくは約0.1〜約30%(v/v)から選ばれる。
このようにして得られた生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液中に、生理活性物質を添加し、溶解あるいは分散させる。この際、生理活性物質の添加量は、生理活性物質:生体内分解性ポリマーの重量比の上限が約1:1まで、好ましくは約1:2までとなるようにする。
次いで,得られた生理活性物質またはその塩および生体内分解性ポリマーから成る組成物を含む有機溶媒溶液を水相中に加え、O(油相)/W(水相)エマルションを形成させた後、油相中の溶媒を蒸発させ、マイクロカプセルを調製する。この際の水相体積は、一般的には油相体積の約1倍〜約10,000倍、より好ましくは約5倍〜約50,000倍、特に好ましくは約10倍〜約2,000倍から選ばれる。
上記の外水相中には乳化剤を加えてもよい。該乳化剤は、一般に安定なO/Wエマルションを形成できるものであればいずれでもよい。具体的には、例えば、アニオン性界面活性剤(オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど)、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル〔ツイーン(Tween)80、ツイーン(Tween)60、アトラスパウダー社〕、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体〔HCO-60、HCO-50、日光ケミカルズ〕など)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、ゼラチン、ヒアルロン酸などが用いられる。これらの中の1種類か、いくつかを組み合わせて使用してもよい。使用の際の濃度は、好ましくは約0.01〜10重量%の範囲で、さらに好ましくは約0.05〜約5重量%の範囲で用いられる。
【0023】
上記の外水相中には浸透圧調節剤を加えてもよい。該浸透圧調節剤としては、水溶液とした場合に浸透圧を示すものであればよい。
該浸透圧調節剤としては、例えば、多価アルコール類、一価アルコール類、単糖類、二糖類、オリゴ糖およびアミノ酸類またはそれらの誘導体などがあげられる。
上記の多価アルコール類としては、例えば、グリセリン等の三価アルコール類、アラビトール,キシリトール,アドニトール等の五価アルコール類、マンニトール,ソルビトール,ズルシトール等の六価アルコール類などが用いられる。なかでも、六価アルコール類が好ましく、特にマンニトールが好適である。
上記の一価アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどがあげられ、このうちエタノールが好ましい。
上記の単糖類としては、例えば、アラビノース,キシロース,リボース,2ーデオキシリボース等の五炭糖類、ブドウ糖,果糖,ガラクトース,マンノース,ソルボース,ラムノース,フコース等の六炭糖類が用いられ、このうち六炭糖類が好ましい。
上記のオリゴ糖としては、例えば、マルトトリオース,ラフィノース糖等の三糖類、スタキオース等の四糖類などが用いられ、このうち三糖類が好ましい。
上記の単糖類、二糖類およびオリゴ糖の誘導体としては、例えば、グルコサミン、ガラクトサミン、グルクロン酸、ガラクツロン酸などが用いられる。
上記のアミノ酸類としては、L−体のものであればいずれも用いることができ、例えば、グリシン、ロイシン、アルギニンなどがあげられる。このうちL−アルギニンが好ましい。
これらの浸透圧調節剤は単独で使用しても、混合して使用してもよい。
これらの浸透圧調節剤は、外水相の浸透圧が生理食塩水の浸透圧の約1/50〜約5倍、好ましくは約1/25〜約3倍となる濃度で用いられる。
有機溶媒を除去する方法としては、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法が用いられる。例えば、プロペラ型撹拌機またはマグネチックスターラーなどで撹拌しながら常圧もしくは徐々に減圧にして有機溶媒を蒸発させる方法、ロータリーエヴァポレーターなどを用いて真空度を調節しながら有機溶媒を蒸発させる方法などがあげられる。
このようにして得られたマイクロカプセルは遠心分離または濾過して分取した後、マイクロカプセルの表面に付着している遊離の生理活性物質、乳化剤などを蒸留水で数回繰り返し洗浄し、再び蒸留水などに分散して凍結乾燥する。
【0024】
製造工程中、粒子同士の凝集を防ぐために凝集防止剤を加えてもよい。該凝集防止剤としては、例えば、マンニトール,ラクトース,ブドウ糖,デンプン類(例、コーンスターチ等)などの水溶性多糖、グリシンなどのアミノ酸、フィブリン,コラーゲンなどのタンパク質などが用いられる。なかでも、マンニトールが好適である。
また、凍結乾燥後、必要であれば、減圧下マイクロカプセルが同士が融着しない条件内で加温してマイクロカプセル中の水分および有機溶媒の除去を行ってもよい。好ましくは、毎分10〜20℃の昇温速度の条件下で示差走査熱量計で求めた生体内分解性ポリマーの中間点ガラス転移温度よりも若干高い温度で加温する。より好ましくは生体内分解性ポリマーの中間点ガラス転移温度からこれより約30℃高い温度範囲内で加温する。とりわけ,生体内分解性ポリマーとして乳酸-グリコール酸重合体を用いる場合には好ましくはその中間点ガラス転移温度以上中間点ガラス転移温度より10℃高い温度範囲,さらに好ましくは、中間点ガラス転移温度以上中間点ガラス転移温度より5℃高い温度範囲で加温する。
【0025】
加温時間はマイクロカプセルの量などによって異なるものの、一般的にはマイクロカプセル自体が所定の温度に達した後、約12時間〜約168時間、好ましくは約24時間〜約120時間、特に好ましくは約48時間〜約96時間である。
加温方法は、マイクロカプセルの集合が均一に加温できる方法であれば特に限定されない。
該加温乾燥方法としては、例えば、恒温槽、流動槽、移動槽またはキルン中で加温乾燥する方法、マイクロ波で加温乾燥する方法などが用いられる。このなかで恒温槽中で加温乾燥する方法が好ましい。
【0026】
(ii)W/O/W法
まず、生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液を作る。
該有機溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素(例、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、エーテル類(例、エチルエーテル、イソプロピルエーテル等)、脂肪酸エステル(例、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、アルコール類(例えば、エタノール、メタノール等)、アセトニトリルなどが用いられる。なかでも、ハロゲン化炭化水素が好ましく、特にジクロロメタンが好適である。これらは適宜の割合で混合して用いてもよい。その場合は、ハロゲン化炭化水素とアルコール類の混液が好ましく、特にジクロロメタンとエタノールとの混液が好適である。
生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液中の濃度は生体内分解性ポリマーの分子量、有機溶媒の種類によって異なるが、例えば、ジクロロメタンを有機溶媒として用いた場合、一般的には約0.5〜約70重量%、より好ましくは約1〜約60重量%、特に好ましくは約2〜約50重量%から選ばれる。
次いで、生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液(油相)に生理活性物質またはその塩の溶液〔該溶媒としては、水、水とアルコール類(例、メタノール、エタノール等)の混液〕を添加する。この混合物をホモジナイザーまたは超音波等の公知の方法で乳化し、W/Oエマルションを形成させる。
次いで,得られた生理活性物質および生体内分解性ポリマーから成るW/Oエマルションを水相中に加え、W(内水相)/O(油相)/ W(外水相)エマルションを形成させた後、油相中の溶媒を蒸発させ、マイクロカプセルを調製する。この際の外水相体積は一般的には油相体積の約1倍〜約10,000倍、より好ましくは約5倍〜約50,000倍、特に好ましくは約10倍〜約2,000倍から選ばれる。
上記の外水相中に加えてもよい乳化剤や浸透圧調節剤、およびその後の調製法は前記(I)(i)項に記載と同様である。
【0027】
(II)相分離法
本法によってマイクロカプセルを製造する場合には,前記(I)の水中乾燥法に記載した生理活性物質および生体内分解性ポリマーから成る組成物を含む有機溶媒溶液にコアセルベーション剤を撹拌下徐々に加えてマイクロカプセルを析出,固化させる。該コアセルベーション剤は油相体積の約0.01〜1,000倍、好ましくは約0.05〜500倍、特に好ましくは約0.1〜200倍から選ばれる。
コアセルベーション剤としては、有機溶媒と混和する高分子系,鉱物油系または植物油系の化合物等で生体内分解性ポリマーを溶解しないものであれば特に限定はされない。具体的には、例えば、シリコン油,ゴマ油,大豆油,コーン油,綿実油,ココナッツ油,アマニ油,鉱物油,n-ヘキサン,n-ヘプタンなどが用いられる。これらは2種類以上混合して使用してもよい。
このようにして得られたマイクロカプセルを分取した後、ヘプタン等で繰り返し洗浄して生理活性物質および生体内分解性ポリマーからなる組成物以外のコアセルベーション剤等を除去し、減圧乾燥する。もしくは、前記(I)(i)の水中乾燥法で記載と同様の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温乾燥する。
【0028】
(III)噴霧乾燥法
本法によってマイクロカプセルを製造する場合には,前記(I)の水中乾燥法に記載した生理活性物質および生体内分解性ポリマーの2者から成る組成物を含有する有機溶媒溶液または分散液をノズルを用いてスプレードライヤー(噴霧乾燥器)の乾燥室内に噴霧し、極めて短時間内に微粒化液滴内の有機溶媒を揮発させ、マイクロカプセルを調製する。該ノズルとしては、例えば、二流体ノズル型,圧力ノズル型,回転ディスク型等がある。この後、必要であれば、前記(I)の水中乾燥法で記載と同様の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温乾燥してもよい。
上述のマイクロカプセル以外の剤形としてマイクロカプセルの製造法(I)の水中乾燥法に記載した生理活性物質および生体内分解性ポリマーから成る組成物を含む有機溶媒溶液または分散液を、例えば、ロータリーエヴァポレーターなどを用いて真空度を調節しながら有機溶媒および水を蒸発させて乾固した後、ジェットミルなどで粉砕して微粒子(マイクロパーティクル)としてもよい。
さらには、粉砕した微粒子をマイクロカプセルの製造法(I)の水中乾燥法で記載と同様の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温乾燥してもよい。
ここで得られるマイクロカプセルまたは微粒子は、使用する生体内分解性ポリマーまたは乳酸-グリコール酸重合体の分解速度に対応した薬物放出が達成できる。
本発明の製造法によって得られる徐放性組成物は、そのまままたはこれらを原料物質として種々の剤形に製剤化し、筋肉内、皮下、臓器などへの注射剤または埋め込み剤、鼻腔、直腸、子宮などへの経粘膜剤、経口剤(例、カプセル剤(例、硬カプセル剤、軟カプセル剤等)、顆粒剤、散剤等の固形製剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等の液剤等)などとして投与することができる。
【0029】
例えば、本発明の製造法によって得られる徐放性組成物を注射剤とするには、これらを分散剤(例、ツイーン(Tween)80,HCO-60等の界面活性剤、ヒアルロン酸ナトリウム,カルボキシメチルセルロース,アルギン酸ナトリウム等の多糖類など)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム,マンニトール,ソルビトール,ブドウ糖,プロリンなど)等と共に水性懸濁剤とするか、ゴマ油、コーン油などの植物油と共に分散して油性懸濁剤として実際に使用できる徐放性注射剤とすることができる。
本発明の製造法によって得られる徐放性組成物の粒子径は、懸濁注射剤として使用する場合には、その分散度、通針性を満足する範囲であればよく、例えば、平均粒子径として約0.1〜300μm、好ましくは約0.5〜150μmの範囲、さらに好ましくは約1から100μmの範囲である。該平均粒子径は、例えばレーザー解析式粒度分布測定装置(SALD2000A:島津)などを用いて、自体公知の方法により測定することが可能である。
本発明の製造法によって得られる徐放性組成物を無菌製剤にするには、製造全工程を無菌にする方法、ガンマ線で滅菌する方法、防腐剤を添加する方法等があげられるが、特に限定されない。
【0030】
本発明の徐放性組成物は、低毒性であるので、哺乳動物(例、ヒト、牛、豚、犬、ネコ、マウス、ラット、ウサギ等)に対して安全な医薬などとして用いることができる。
本発明の製造法によって得られる徐放性組成物は、含有する生理活性物質の種類に応じて、種々の疾患などの予防・治療剤として用いることができるが、例えば、生理活性物質が、LH−RH誘導体である場合には、ホルモン依存性疾患、特に性ホルモン依存性癌(例、前立腺癌、子宮癌、乳癌、下垂体腫瘍など)、前立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、思春期早発症、月経困難症、無月経症、月経前症候群、多房性卵巣症候群等の性ホルモン依存性の疾患の予防・治療剤、および避妊(もしくは、その休薬後のリバウンド効果を利用した場合には、不妊症の予防・治療)剤などとして用いることができる。さらに、性ホルモン非依存性であるがLH−RH感受性である良性または悪性腫瘍などの予防・治療剤としても用いることができる。
【0031】
本発明の製造法によって得られる徐放性組成物の投与量は、主薬である生理活性物質の種類と含量、剤形、生理活性物質放出の持続時間、対象疾病、対象動物などによって種々異なるが、生理活性物質の有効量であればよい。主薬である生理活性物質の1回当たりの投与量としては、例えば、徐放性製剤が6カ月製剤である場合、好ましくは、成人1人当たり約0.01mg〜10mg/kg体重の範囲,さらに好ましくは約0.05mg〜5mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。
1回当たりの徐放性組成物の投与量は、成人1人当たり好ましくは、約0.05mg〜50mg/kg体重の範囲、さらに好ましくは約0.1mg〜30mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。
投与回数は、数週間に1回、1ヶ月に1回、または数か月(例、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月など)に1回等、主薬である生理活性物質の種類と含量、剤形、生理活性物質放出の持続時間、対象疾病、対象動物などによって適宜選ぶことができる。
【0032】
【実施例】
以下に実施例、比較例および実験例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0033】
実施例1 [D-乳酸tert-ブチル/ジエチル亜鉛/DL-ラクチド]によるPLAの合成。
−78℃に冷却したD-乳酸tert-ブチル 40.6mgに、窒素雰囲気下でジエチル亜鉛(1/2モル当量)のトルエン溶液を加え、その後室温で30分反応させた。これを、DL-ラクチド 4.14gを溶融したものに窒素雰囲気下で添加混合して130℃で2時間重合させた。
重合反応の停止のため、反応物をジクロロメタンに溶解し、0.1N HCl水溶液と混合して20分攪拌した後、中性になるまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基がD-乳酸tert-ブチルであるポリ(DL-乳酸)を得た。1H-NMR分析の結果、乳酸残基のメチン水素(5.1-5.3ppm)、メチル基水素(1.5-1.6ppm)およびtert-ブチル基水素(1.46ppm)を確認した。また、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ、ほとんど呈色しなかった。これらの事実から、ポリマーのω残基は、カルボキシル基がtert-ブチル基で保護された乳酸であることを示している。
次いで脱保護のために、このポリマーをトリフルオロ酢酸に溶解し、室温で一夜攪拌した。その後、冷イソプロピルエーテルに混合してポリマーを析出回収、次いでジクロロメタン/冷イソプロピルエーテルで再沈殿精製を2回行った。精製した沈殿をジクロロメタンで溶解し、中性になるまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基がD-乳酸であるポリ(DL-乳酸) 3.84gを得た。1H-NMR分析の結果、tert-ブチル基のシグナルは完全に消失しており、このことから脱保護を確認した。また原子吸光測定の結果、亜鉛の残存は検出限界(10ppm)以下であり、この方法で重合触媒が効果的に除去出来ていることがわかった。さらに、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ紫色の強い呈色を示し、脱保護によるカルボキシル基の再生を確認した。GPCの結果、重量平均分子量は43.0kDa、数平均分子量は15.9kDaであった。
【0034】
実施例2 [D-乳酸tert-ブチル/ジエチル亜鉛/DL-ラクチド]によるPLAの合成。
−78℃に冷却したD-乳酸tert-ブチルに、窒素雰囲気下でジエチル亜鉛(1/2モル当量)のトルエン溶液を加え、その後室温で10〜30分反応させた。これを、溶融したDL-ラクチドに窒素雰囲気下で添加混合して130℃で1〜5時間重合させた。
重合反応の停止および脱保護のため、反応物をトリフルオロ酢酸に溶解し、室温で1時間攪拌した。その後、冷イソプロピルエーテルに混合してポリマーを析出回収、次いでジクロロメタン/冷イソプロピルエーテルで再沈殿精製を2回行った。精製した沈殿をジクロロメタンで溶解し、中性になるまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基がD-乳酸であるポリ(DL-乳酸)を得た。1H-NMR分析の結果、tert-ブチル基のシグナルは完全に消失しており、このことから脱保護を確認した。また原子吸光測定の結果、亜鉛の残存は検出限界(10ppm)以下であり、この方法で重合触媒が効果的に除去出来ていることがわかった。さらに、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ紫色の強い呈色を示し、脱保護によるカルボキシル基の再生を確認した。表1にDL-ラクチドとD-乳酸tert-ブチルの仕込み組成、モル比および脱保護後のポリマーの重量平均分子量とカルボキシル基量をしめす。表から明らかなように、DL-ラクチドとD-乳酸tert-ブチルの仕込みモル比によってポリマーの分子量を制御することが出来る。
【0035】
【表1】
Figure 0003716146
【0036】
実施例3 [L-乳酸ベンジル/ジエチル亜鉛/DL-ラクチド]によるPLAの合成。
−78℃に冷却したL-乳酸ベンジル 181.7mgに窒素雰囲気下でジエチル亜鉛(1/2モル当量)トルエン溶液を加え、その後室温で20分反応させた。これに、蒸留トルエン1mlを加えて希釈した後、DL-ラクチド 15.03gを窒素雰囲気下で加えて130℃、1.5時間重合させた。
重合反応の停止のため、反応物をジクロロメタンに溶解し、0.1N HCl水溶液と混合して20分攪拌した後、中性になるまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基がL-乳酸ベンジルであるポリ(DL-乳酸)を得た。1H-NMR分析の結果、乳酸残基のメチン水素(5.1-5.3ppm)、メチル基水素(1.5-1.6ppm)およびベンジル基のフェニル水素(7.35ppm)を確認した。また、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ、ほとんど呈色しなかった。これらの事実から、ポリマーのω残基は、カルボキシル基がベンジル基で保護された乳酸であることを示している。
次いで脱保護のため、このポリマーの約半量をトリフルオロ酢酸30mlで溶解し、チオアニソール(L-乳酸ベンジルの3倍当量)を添加、1時間氷冷攪拌した。メタンスルホン酸を加えさらに2時間氷冷攪拌した。そして反応液を冷イソプロピルエーテルに混合してポリマーを析出回収、次いでジクロロメタン/冷イソプロピルエーテルで再沈殿精製を2回行った。精製した沈殿をジクロロメタンで溶解し、中性になるまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基がL-乳酸であるポリ(DL-乳酸) 7.54gを得た。1H-NMR分析の結果、ベンジル基のフェニル水素のシグナルは完全に消失しており、このことから脱保護を確認した。また原子吸光測定の結果、亜鉛の残存は検出限界(10ppm)以下であり、この方法で重合触媒が効果的に除去出来ていることがわかった。さらに、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ紫色の強い呈色を示し、脱保護によるカルボキシル基の再生を確認した。
【0037】
実施例4 [L-乳酸ベンジル/ジエチル亜鉛/DL-ラクチド]によるPLAの合成。
−78℃に冷却したL-乳酸ベンジルに窒素雰囲気下でジエチル亜鉛(1/2モル当量)溶液(ヘキサンまたはトルエン)を加え、その後室温で20分反応させた。これを、溶融したDL-ラクチドに窒素雰囲気下で添加混合して130℃、1.5時間重合させた。
次いで重合反応の停止および脱保護のため、反応物をトリフルオロ酢酸30mlで溶解し、チオアニソール(L-乳酸ベンジルの3倍当量)を添加、1時間氷冷攪拌した。メタンスルホン酸を加えさらに2時間氷冷攪拌した。QA2については、このまま次の工程に用いたが、QA1については、この後更に室温で1時間攪拌した。そして反応液を冷イソプロピルエーテルに混合してポリマーを析出回収、次いでジクロロメタン/冷イソプロピルエーテルで再沈殿精製を2回行った。精製した沈殿をジクロロメタンで溶解し、中性になるまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基がL-乳酸であるポリ(DL-乳酸)を得た。1H-NMR分析の結果、ベンジル基のフェニル水素のシグナルは完全に消失しており、このことから脱保護を確認した。また原子吸光測定の結果、亜鉛の残存は検出限界(10ppm)以下であり、この方法で重合触媒が効果的に除去出来ていることがわかった。さらに、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ紫色の強い呈色を示し、脱保護によるカルボキシル基の再生を確認した。合成結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
Figure 0003716146
【0039】
実施例5 [タルトロン酸ジベンジル/ジエチル亜鉛/DL-ラクチド]によるタルトロン酸末端PLAの合成。
−78℃に冷却したタルトロン酸ジベンジル 592.8mgに窒素雰囲気下でジエチル亜鉛(1/2モル当量)のヘキサン溶液を加え、その後室温で20分反応させた。これに、DL-ラクチド 9.63gを窒素雰囲気下で添加混合して130℃、3時間重合させた。
重合反応の停止のため、反応物をジクロロメタンに溶解し、0.1N HCl水溶液と混合して20分攪拌した後、中性になるまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基がタルトロン酸ジベンジルであるポリ(DL-乳酸)を得た。1H-NMR分析の結果、乳酸残基のメチン水素(5.1-5.3ppm)、メチル基水素(1.5-1.6ppm)およびベンジル基のフェニル水素(7.35ppm)を確認した。また、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ、ほとんど呈色しなかった。これらの事実から、ポリマーのω残基は、カルボキシル基がベンジル基で保護されたタルトロン酸であることを示している。次いで脱保護のため、このポリマーの内 215mgをトリフルオロ酢酸2mlで溶解し、チオアニソール200μlを添加、−5℃で1時間攪拌した。メタンスルホン酸 2mlを加えさらに20分氷冷攪拌、次いで室温で25分攪拌した。そして反応液を冷イソプロピルエーテルに混合してポリマーを析出回収、次いでジクロロメタン/冷イソプロピルエーテルで再沈殿精製を2回行った。精製した沈殿をジクロロメタンで溶解し、中性になるまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基がタルトロン酸であるポリ(DL-乳酸)を得た。1H-NMR分析の結果、ベンジル基のフェニル水素のシグナルは完全に消失しており、このことから脱保護を確認した。また原子吸光測定の結果、亜鉛の残存は検出限界(10ppm)以下であり、この方法で重合触媒が効果的に除去出来ていることがわかった。さらに、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ紫色の強い呈色を示し、脱保護によるカルボキシル基の再生を確認した。
【0040】
実施例6 [タルトロン酸ジベンジル/ジエチル亜鉛/DL-ラクチド]によるタルトロン酸末端PLAの合成。
−78℃に冷却したタルトロン酸ジベンジルに窒素雰囲気下でジエチル亜鉛(1/2モル当量)のトルエン溶液を加え、その後室温で20分反応させた。これに、DL-ラクチドを窒素雰囲気下で添加混合して130℃、1〜5時間重合させた。
次いで重合反応の停止および脱保護のため、反応物をトリフルオロ酢酸30mlで溶解し、チオアニソール(L-乳酸ベンジルの3倍当量)を添加、−5℃で1時間攪拌した。メタンスルホン酸を加えさらに2時間氷冷攪拌した。そして反応液を冷イソプロピルエーテルに混合してポリマーを析出回収、次いでジクロロメタン/冷イソプロピルエーテルで再沈殿精製を2回行った。精製した沈殿をジクロロメタンで溶解し、中性になるまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基がタルトロン酸であるポリ(DL-乳酸)を得た。1H-NMR分析の結果、ベンジル基のフェニル水素のシグナルは完全に消失しており、このことから脱保護を確認した。また原子吸光測定の結果、亜鉛の残存は検出限界(10ppm)以下であり、この方法で重合触媒が効果的に除去出来ていることがわかった。さらに、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ紫色の強い呈色を示し、脱保護によるカルボキシル基の再生を確認した。また、タルトロン酸を基準物質に用いて、ONPHラベル化法でタルトロン酸ヒドラジドとしたときの吸光度との比較から、ポリマーのω残基であるタルトロン酸量をジカルボキシル基量として求めた。合成結果を表3に示す。
【表3】
Figure 0003716146
【0041】
実施例7 [2-ヒドロキシエチルマロン酸ジtert-ブチル/ジエチル亜鉛/DL-ラクチド]による2-ヒドロキシエチルマロン酸末端PLAの合成。
−78℃に冷却した2-ヒドロキシエチルマロン酸ジtert-ブチル 482.4mgに、窒素雰囲気下でジエチル亜鉛(1/2モル当量)のトルエン溶液を加え、その後室温で30分反応させた。これを、DL-ラクチド 3.43gを溶融したものに窒素雰囲気下で添加混合して130℃で2時間重合させた。
重合反応の停止のため、反応物をジクロロメタンに溶解し、0.1N HCl水溶液と混合して20分攪拌した後、中性になるまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基が2-ヒドロキシエチルマロン酸ジtert-ブチルであるポリ(DL-乳酸)を得た。1H-NMR分析の結果、乳酸残基のメチン水素(5.1-5.3ppm)、メチル基水素(1.5-1.6ppm)およびtert-ブチル基水素(1.46ppm)を確認した。また、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ、ほとんど呈色しなかった。これらの事実から、ポリマーのω残基は、カルボキシル基がtert-ブチル基で保護された2-ヒドロキシエチルマロン酸であることを示している。
次いで実施例1と同様に脱保護反応を行い、ω残基が2-ヒドロキシエチルマロン酸であるポリ(DL-乳酸) 2.98gを得た。1H-NMR分析の結果、tert-ブチル基のシグナルは完全に消失しており、このことから脱保護を確認した。また原子吸光測定の結果、亜鉛の残存は検出限界(10ppm)以下であり、この方法で重合触媒が効果的に除去出来ていることがわかった。さらに、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ紫色の強い呈色を示し、脱保護によるカルボキシル基の再生を確認した。
【0042】
実施例8 [2-ヒドロキシエチルマロン酸ジtert-ブチル/ジエチル亜鉛/DL-ラクチド]による2-ヒドロキシエチルマロン酸末端PLAの合成。
D-乳酸tert-ブチルに換えて2-ヒドロキシエチルマロン酸ジtert-ブチルを用いて実施例2と同様に合成し、ω残基が2-ヒドロキシエチルマロン酸であるポリ(DL-乳酸)を得た。
1H-NMR分析の結果、tert-ブチル基のシグナルは完全に消失しており、このことから脱保護を確認した。また原子吸光測定の結果、亜鉛の残存は検出限界(10ppm)以下であり、この方法で重合触媒が効果的に除去出来ていることがわかった。さらに、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ紫色の強い呈色を示し、脱保護によるカルボキシル基の再生を確認した。また、タルトロン酸を基準物質に用いて、ONPHラベル化法でタルトロン酸ヒドラジドとしたときの吸光度との比較から、ポリマーのω残基である2-ヒドロキシエチルマロン酸量をジカルボキシル基量として求めた。
合成結果を表4に示す。
【表4】
Figure 0003716146
【0043】
実施例9 酸加水分解
実施例2で合成したポリマーPA5とPA6との等量混合物800mgをジクロロメタン2mlに溶解し、1%乳酸水溶液15mlと混合、65℃で攪拌した。所定時間にポリマーを採取し、水洗、乾燥後、GPC測定および末端基ラベル化定量法を行った。結果を表5に示す。表5から明らかなように、反応時間にほぼ比例してカルボキシル基量が増加しており、酸加水分解反応によってポリマーの特性を制御できる。
【表5】
Figure 0003716146
【0044】
実施例10
5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Dleu-Leu-Arg-Pro-NH-C2H5(以下、ペプチドAと略記する)の酢酸塩0.6g/0.6ml水溶液と、実施例6で合成したω残基がタルトロン酸である(DL-乳酸)(Run No.RA4) 2.4g/7mlジクロロメタン溶液とを混合してホモジナイザーで乳化し、 W/Oエマルションを形成した。次いでこれを、18℃に予冷した0.1% (w/w)ポリビニルアルコール(EG-40、日本合成化学製)水溶液800ml中に注入し、タービン型ホモミキサーを用い、7,000rpmで攪拌してW/O/Wエマルションとした。このW/O/Wエマルションを室温で3時間撹拌してジクロロメタンを揮散させ、油相を固化させた後、75μmの目開きの篩いを用いて篩過し、次いで遠心分離機(05PR-22、日立製作所)を用いて2,000rpm、5分間の条件でマイクロカプセルを沈降させて捕集した。これを再び蒸留水に分散後、さらに遠心分離を行い、遊離薬物等を洗浄した。捕集されたマイクロカプセルは少量の蒸留水を加えて再分散後、凍結乾燥して粉末として得られた。マイクロカプセルの質量回収率は38%、マイクロカプセル中のペプチドA含量は18.9%であった。そしてこの実現含量を仕込み含量で除して求めた封入効率は、94.6%であった。
【0045】
実施例11
実施例10中のW/Oエマルションの組成を、ペプチドAの酢酸塩0.8g/0.8ml水溶液と、実施例6で合成したω残基がタルトロン酸である(DL-乳酸) (Run No.RA6) 3.2g/13mlジクロロメタン溶液に変更した以外は実施例10と同様にしてマイクロカプセルを得た。マイクロカプセルの質量回収率は69%、マイクロカプセル中のペプチドA含量は19.1%であった。そしてこの実現含量を仕込み含量で除して求めた封入効率は、95.3%であった。
【0046】
実施例12
実施例10中のW/Oエマルションの組成を、ペプチドAの酢酸塩0.6g/0.6ml水溶液と、実施例8で合成したω残基が2-ヒドロキシエチルマロン酸である(DL-乳酸)(Run No.SA1) 2.4g/4mlジクロロメタン溶液に変更した以外は実施例10と同様にしてマイクロカプセルを得た。マイクロカプセル中のペプチドA含量は16.3%であった。そしてこの実現含量を仕込み含量で除して求めた封入効率は、81.3%であった。
【0047】
比較例1
実施例10中のW/Oエマルションの組成を、ペプチドAの酢酸塩1g/1ml水溶液と、ポリ(DL-乳酸)(PLA25000、Mw 25.9k、[COOH] = 98.2μmol/g、和光純薬工業製)4g/5mlジクロロメタン溶液に変更した以外は実施例10と同様にしてマイクロカプセルを得た。マイクロカプセルの質量回収率は49%、マイクロカプセル中のペプチドA含量は11.4%であった。そしてこの実現含量を仕込み含量で除して求めた封入効率は、57.1%であった。
【0048】
実験例1
実施例10および実施例12で得られたマイクロカプセル約50mgを0.3mlの分散媒(0.15 mgのカルボキシメチルセルロース,0.3mgのポリソルベート80,15mgのマンニトールを溶解した蒸留水)に分散して8週齢雄性SDラットの背部皮下に22G注射針で投与した。投与1日後にラットを屠殺して投与部位に残存するマイクロカプセルを取り出し、この中のペプチドAを定量した結果は、それぞれのマイクロカプセルについて95.6%、87.1%であった。
実施例10から実施例12で得られたペプチドAの含量は比較例1の場合よりも有意に大きいことから、本発明のポリエステルは生理活性物質を高含量で含有する徐放性製剤の基剤として優れており、また実験例1の結果より、それを使用しての製剤は投与後初期の薬物放出を非常によく抑える効果のあることが明らかとなった。
【0049】
実施例13
実施例10中のW/Oエマルションの組成を、ペプチドAの酢酸塩0.8g/0.8ml水溶液と、油相として実施例4で合成したポリマー(Run No.QA1)3.08g、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸0.12g、ジクロロメタン5mlおよびエタノール0.3mlからなる溶液に変更した以外は実施例10と同様にしてマイクロカプセルを得た。マイクロカプセルの質量回収率は46%、マイクロカプセル中のペプチドA含量は21.3%であった。そしてこの実現含量を仕込み含量で除して求めた封入効率は、106.6%であった。
【0050】
比較例2
実施例10中のW/Oエマルションの組成を、ペプチドAの酢酸塩1g/1ml水溶液と、油相としてポリ(DL-乳酸)(PLA25000、Mw 25.9k、[COOH] = 98.2μmol/g、和光純薬工業製)3.85g、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸0.15g、ジクロロメタン5.5mlおよびエタノール0.35mlからなる溶液に変更した以外は実施例10と同様にしてマイクロカプセルを得た。マイクロカプセルの質量回収率は49%、マイクロカプセル中のペプチドA含量は21.3%であった。そしてこの実現含量を仕込み含量で除して求めた封入効率は、106.5%であった。
【0051】
比較例3
実施例10中のW/Oエマルションの組成を、ペプチドAの酢酸塩0.8g/0.8ml水溶液と、油相として開環重合法で合成したポリ(DL-乳酸)(Mw 24.9k、[COOH] = 12.3μmol/g、ベーリンガー インゲルハイム製)3.08g、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸0.12g、ジクロロメタン5.5mlおよびエタノール0.3mlからなる溶液に変更した以外は実施例10と同様にしてマイクロカプセルを得た。マイクロカプセルの質量回収率は29%、マイクロカプセル中へのペプチドAの封入率は54.6%で、マイクロカプセル中のペプチドA含量は10.9%であった。そしてこの実現含量を仕込み含量で除して求めた封入効率は、54.6%であった。
【0052】
実験例2
実施例13および比較例2で得られた各マイクロカプセル約40mgを0.3mlの分散媒(0.15 mgのカルボキシメチルセルロース,0.3mgのポリソルベート80,15mgのマンニトールを溶解した蒸留水)に分散して8〜10週齢雄性SDラットの背部皮下に22G注射針で投与した。投与後ラットを屠殺して投与部位に残存するマイクロカプセルを取り出し、この中のペプチドAを定量した結果を表6に示す。
【表6】
Figure 0003716146
【0053】
実施例13および比較例3の実験結果より、本発明のポリエステルは生理活性物質を高含量で含有する徐放性製剤の基剤に秀でており、また実験例2の結果より、それを使用しての製剤は非常に長期に渡り封入薬物を安定的に放出することが明らかとなった。
【0054】
実施例14 [DL-乳酸tert-ブチル/ジエチル亜鉛/DL-ラクチド]によるPLAの合成
凝縮トラップ装置を備えた容量500mLの3口フラスコ反応容器にDL-乳酸tert-ブチル1.242gを仕込み、窒素雰囲気下、室温で1.0mol/Lジエチル亜鉛ヘキサン溶液 3.8mLを添加、次いで脱水n-ヘキサン 34.2mLを加えて希釈し、さらにDL-ラクチド 100gを加え攪拌して均一に混合した。昇温を開始し、65〜70℃で留出してくるヘキサンを凝縮器で外部にトラップした。ヘキサンの留出がほとんどなくなってから150℃で1時間反応させた。
反応物をジクロロメタン 50mLで溶解した後、重合反応の停止および脱保護のため、トリフルオロ酢酸100mLを加えて室温で1時間攪拌した。その後、冷イソプロピルエーテルに混合してポリマーを析出回収、次いでジクロロメタン/冷イソプロピルエーテルで再沈殿精製を2回行った。精製した沈殿をジクロロメタンで溶解し、中性になるまで水洗を繰り返した。次いで、ジクロロメタン溶液を濃縮、真空乾燥(40℃、2日)してω残基がDL-乳酸であるポリ(DL-乳酸)を得た。GPC測定の結果、Mw=35.0kDa、Mn=13.6kDaであり、このポリマーに末端基ラベル化定量法を適用したところ紫色の強い呈色を示し、定量の結果、末端カルボキシル基量=67.7μmol/gであった。
【0055】
【発明の効果】
徐放性製剤への生理活性物質を高率に取込むことを可能にし、純度が高く、残存触媒が非常に少ないポリマーを効率よく生産する生体内分解性ポリマーの製造方法、および目的の生体内分解性ポリマーの分子量および遊離のカルボキシル基の調製を容易にする生体内分解性ポリマーの製造方法を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a novel biodegradable polymer.
[0002]
[Prior art]
EP-A-0839525 discloses a sustained-release preparation comprising a physiologically active peptide or a salt thereof and a biodegradable polymer and a method for producing the same, but the biodegradable polymer in the publication is known. The biodegradable polymer produced by the ring-opening polymerization method is subjected to a hydrolysis method known per se.
The ring-opening polymerization method is carried out by using a cyclic dimer of lactic acid and adding a catalyst under heating by JHR Woodland et al., Journal of Medicinal Chemistry (J Med. Chem), 16, 897 (1973), and a method using a catalyst from a cyclic diester compound such as lactide and glycolide is described in Encyclopedic handbook of Biomaterials and Bioengineering Part A: Materials, Volume 2, Marcel. Dekker, Inc. (1995).
WO95 / 03356 describes a method for producing a block copolymer in which one polylactide and three dextrans are bonded via citric acid by polymerizing lactide together with tribenzyl citrate.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The polymer obtained by the above known ring-opening polymerization method does not necessarily have a free carboxyl group at the ω end of the obtained polymer, and incorporates a physiologically active substance into a sustained-release preparation at a high rate. Is difficult. In addition, it is difficult to adjust the molecular weight of the target biodegradable polymer in the raw material charging stage.
Therefore, the establishment of a method for producing a biodegradable polymer that makes it possible to incorporate a physiologically active substance into a sustained-release preparation at a high rate and easily adjust the molecular weight of the target biodegradable polymer is an issue. is there.
It is also an object to establish a production method suitable for biodegradable polymers used in sustained-release preparations that release physiologically active substances over a long period of at least about 6 months.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have determined that a cyclic ester compound is present in the presence of a hydroxymonocarboxylic acid derivative with a carboxyl group protected or a hydroxydicarboxylic acid derivative with a carboxyl group protected. A method for producing a biodegradable polymer having a free carboxyl group at the ω end, characterized in that the polymer having a protected carboxyl group at the ω end is subjected to a deprotection reaction by subjecting to a polymerization reaction, As a result of further research, the present invention has been completed.
[0005]
That is, the present invention
(1) A cyclic ester compound is subjected to a polymerization reaction in the presence of a hydroxymonocarboxylic acid derivative with a carboxyl group protected or a hydroxydicarboxylic acid derivative with a carboxyl group protected, and the resulting carboxyl group is protected at the ω end. A method for producing a biodegradable polymer having a free carboxyl group at the ω-end, wherein the polymer having a deprotection reaction is provided,
(2) Hydroxymonocarboxylic acid derivative with protected carboxyl group is protected with glycolic acid with protected carboxyl group, L-lactic acid with protected carboxyl group, D-lactic acid with protected carboxyl group or carboxyl group The production method according to the above (1), which is DL-lactic acid,
(3) The production method according to the above (1), wherein the protecting group of the hydroxymonocarboxylic acid in which the carboxyl group is protected is a tert-butyl group or a benzyl group,
(4) The production method according to the above (1), wherein the hydroxydicarboxylic acid derivative in which the carboxyl group is protected is dibenzyl tartronate or ditert-butyl 2-hydroxyethylmalonate,
(5) The production method according to the above (1), wherein the cyclic ester compound is a cyclic monoester compound or a cyclic diester compound,
(6) The production method according to the above (1), wherein the deprotection reaction is an acid decomposition reaction,
(7) The present invention is characterized by subjecting a cyclic ester compound to a polymerization reaction in the presence of a hydroxymonocarboxylic acid derivative with a carboxyl group protected, and subjecting the resulting polymer having a protected carboxyl group to the ω end to a deprotection reaction. A method for producing a biodegradable polymer having a free carboxyl group at the ω-end,
(8) The production method according to the above (7), which is subjected to an acid hydrolysis reaction after the deprotection reaction,
(9) The production method according to (1) or (7) above, wherein the biodegradable polymer is a biodegradable polymer used in a sustained release preparation that releases a physiologically active substance over at least about 6 months,
(10) A biodegradable polymer obtained by the production method according to (1) or (7) above,
(11) A sustained-release preparation comprising the biodegradable polymer according to (10) above,
(12) The sustained release preparation according to the above (11), further comprising a physiologically active substance, and
(13) The sustained-release preparation according to the above 12, wherein the physiologically active substance is an LH-RH derivative or a salt thereof.
[0006]
The physiologically active substance used in the present invention is not particularly limited as long as it is pharmacologically useful, and may be a non-peptide compound or a peptide compound. Examples of non-peptide compounds include agonists, antagonists, and compounds having an enzyme inhibitory action. The peptide compound is preferably a physiologically active peptide, for example, having a molecular weight of about 300 to about 40,000, preferably about 400 to about 30,000, more preferably about 500 to about 25,000, more preferably about 500. ˜20,000 bioactive peptides and the like are preferred.
Examples of the physiologically active peptide include luteinizing hormone releasing hormone (LH-RH), insulin, somatostatin, growth hormone, growth hormone releasing hormone (GH-RH), prolactin, erythropoietin, corticosteroid, melanocyte stimulating hormone. , Thyroid hormone releasing hormone, thyroid stimulating hormone, luteinizing hormone, follicle stimulating hormone, vasopressin, oxytocin, calcitonin, gastrin, secretin, punkreozymine, cholecystokinin, angiotensin, human placental lactogen, human chorionic gonadotropin, enkephalin, Endorphin, Kyotorphin, Tuftsin, Thymopoietin, Thymosin, Thymothymline, Thymic factor, Blood thymic factor, Tumor necrosis factor, Colony-inducing factor, Mochiri , Dynorphin, bombesin, neurotensin, cerulein, bradykinin, atrial natriuretic factor, nerve growth factor, cell growth factor, neurotrophic factor, peptides with endothelin antagonism, and derivatives thereof, and fragments thereof Or the derivative of a fragment etc. are mention | raise | lifted.
The physiologically active peptide used in the present invention may be itself or a pharmacologically acceptable salt. Such salts include inorganic acids (eg, carbonic acid, bicarbonate, hydrochloric acid, sulfuric acid, nitric acid, boric acid, etc.), organic acids (eg, succinic acid) when the physiologically active peptide has a basic group such as an amino group. Acid, acetic acid, propionic acid, trifluoroacetic acid and the like).
When the physiologically active peptide has an acidic group such as a carboxyl group, an inorganic base (eg, an alkali metal such as sodium or potassium, an alkaline earth metal such as calcium or magnesium) or an organic base (eg, organic amines such as triethylamine) And basic amino acids such as arginine) and the like. In addition, the physiologically active peptide may form a metal complex compound (eg, copper complex, zinc complex, etc.).
Preferred examples of the above-mentioned bioactive peptides are LH-RH derivatives, which are sex hormone-dependent diseases such as prostate cancer, benign prostatic hyperplasia, endometriosis, uterine fibroids, precocious puberty, breast cancer, and contraception. Effective LH-RH derivatives or salts thereof.
[0007]
Specific examples of LH-RH derivatives or salts thereof include, for example, Treatment with GnRH analogs: Contraversies and perspectives [The Parthenon Publishing Group Ltd. 1996), JP-T-3-503165, JP-A-3-101695, JP-A-7-97334, and JP-A-8-259460, and the like.
[0008]
Examples of LH-RH derivatives include LH-RH agonists and LH-RH antagonists. Examples of LH-RH antagonists include those represented by general formula [I].
X-D2Nal-D4ClPhe-D3Pal-Ser-A-B-Leu-C-Pro-DAlaNH2
[Where X is N (4H2-furoyl) Gly or NAc, A is a residue selected from NMeTyr, Tyr, Aph (Atz), NMeAph (Atz), B is DLys (Nic), DCit, DLys (AzaglyNic), DLys (AzaglyFur), DhArg (Et2), DAph (Atz) and DhCi, C represents Lys (Nisp), Arg or hArg (Et2Or a salt thereof, or the like is used.
[0009]
As an LH-RH agonist, for example, the general formula [II]
5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Arg-Pro-Z
[Wherein Y is a residue selected from DLeu, DAla, DTrp, DSer (tBu), D2Nal and DHis (ImBzl), Z is NH—C2HFiveOr Gly-NH2Or the salts thereof are used. In particular, Y is DLeu and Z is NH-C2HFiveA peptide that is (ie, 5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-DLeu-Leu-Arg-Pro-NH-C2HFive(Especially acetate thereof).
These peptides can be produced by the methods described in the above-mentioned literatures or publications or a method analogous thereto.
[0010]
The meanings of the abbreviations used in this specification are as follows.
Figure 0003716146
For other amino acids, IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature (European Journal of Biochemistry, Vol. 138) , Pages 9 to 37 (1984)) or conventional abbreviations in the relevant field. When there is an optical isomer with respect to amino acids, L form is indicated unless otherwise specified.
[0011]
In addition to physiologically active substances, the sustained-release preparation of the present invention includes, for example, a dispersant (surfactant such as Tween 80 and HCO-60; polysaccharide such as carboxymethyl cellulose, sodium alginate, sodium hyaluronate; protamine sulfate; polyethylene glycol 400 Etc.), preservatives (eg methyl paraben, propyl paraben etc.), isotonic agents (eg sodium chloride, mannitol, sorbitol, glucose etc.), fats and oils (eg sesame oil, corn oil etc.), phospholipids (eg Lecithin, etc.), excipients (eg, lactose, corn starch, mannitol, cellulose, etc.), binders (eg, sucrose, gum arabic, methyl cellulose, carboxymethyl cellulose, dextrin, etc.), disintegrants (eg, carboxymethyl cellulose Siumu etc.), drug holding agents (e.g., gelatin, hydroxynaphthoic acid may include salicylic acid and the like, etc.).
[0012]
Examples of the biodegradable polymer used in the present invention include derivatives in which the carboxyl group of hydroxymonocarboxylic acid (eg, glycolic acid, lactic acid, etc.) is protected (glycolic acid in which carboxyl group is protected, carboxyl group is protected). L-lactic acid, D-lactic acid in which the carboxyl group is protected, DL-lactic acid in which the carboxyl group is protected (examples of protecting group, tert-butyl group, benzyl group, etc.), more specifically D-lactic acid tert-butyl, L-benzyl lactate, etc.), hydroxydicarboxylic acids (eg, tartronic acid, 2-hydroxyethylmalonic acid, etc.), and derivatives with protected carboxyl groups (eg, dibenzyl tartronate, dihydroxy-2-hydroxyethylmalonic acid) tert-butyl, etc., and cyclic ester compounds (eg, cyclic diester compounds (lactides), ring A polymer, copolymer, or mixture thereof (for example, a polymer in which the ω residue is glycolic acid) synthesized from one or more of monoester compounds (lactones, etc.) and having a free carboxyl group at the ω end. Hydroxycarboxylic acid, polyhydroxycarboxylic acid in which ω residue is DL-lactic acid, polyhydroxycarboxylic acid in which ω residue is D-lactic acid, polyhydroxycarboxylic acid in which ω residue is L-lactic acid, ω residue is Polyhydroxycarboxylic acid that is tartronic acid, polyhydroxycarboxylic acid whose ω residue is 2-hydroxyethylmalonic acid, and the like are used.
The portion other than the ω residue of the “polyhydroxycarboxylic acid” is preferably a polyα-hydroxycarboxylic acid.
[0013]
As the α-hydroxycarboxylic acid which is the minimum repeating unit of the “poly α-hydroxycarboxylic acid”, lactic acid, glycolic acid and the like are preferable, and copolymers thereof (hereinafter referred to as poly (lactide-co-glycolide), poly (lactic acid-) co-glycolic acid) or lactic acid-glycolic acid polymer. Unless otherwise specified, homopolymers of lactic acid and glycolic acid (also referred to as polymers, polylactides or polyglycolides) and copolymers (copolymers) are generic terms. To be used widely. The composition ratio (lactic acid / glycolic acid) (mol / mol%) of the “lactic acid-glycolic acid polymer” is not particularly limited as long as the object of the present invention is achieved, but is about 100/0 to about 30/70 Is used. Preferable examples of the composition ratio are about 100/0 to about 40/60, particularly about 100/0 to about 45/55 are generally used. When the α-hydroxycarboxylic acid that is the minimum repeating unit of the “poly α-hydroxycarboxylic acid” has an optically active center in the molecule, any of D-form, L-form, and D, L-form may be used. The D-form / L-form (mol / mol%) is preferably in the range of about 75/25 to about 25/75. As the D-form / L-form (mol / mol%), those having a range of about 60/40 to about 30/70 are generally used.
[0014]
The biodegradable polymer has a weight average molecular weight of usually about 3,000 to about 500,000, preferably about 3,000 to about 200,000, more preferably about 3,000 to about 100,000. Particularly preferred. The dispersity (weight average molecular weight / number average molecular weight) is usually preferably about 1.2 to about 4.0, more preferably about 1.5 to 3.5.
When the ω residue of the biodegradable polymer is a monocarboxyl group, the amount of terminal carboxyl groups per unit mass of the polymer is usually preferably about 40 to about 90 μmol / g, more preferably about 50 to about 90 μmol. / g is particularly preferred.
When the ω residue of the biodegradable polymer is a dicarboxyl group, the amount of terminal carboxyl groups per unit mass of the polymer is usually preferably about 30 to about 800 μmol / g, more preferably about 60 to about 400 μmol. / g is particularly preferred.
The above weight average molecular weight, number average molecular weight, and degree of dispersion are based on 11 types of monodisperse polystyrene having weight average molecular weights of 455645, 354000, 98900, 66437, 37200, 17100, 9830, 5870, 2500, 1303, and 504. The molecular weight in terms of polystyrene measured by gel permeation chromatography (GPC) as a substance and the calculated degree of dispersion. The measurement uses a high-speed GPC device (manufactured by Tosoh Corporation, HLC-8120GPC), GPC column KF804L × 2 (manufactured by Showa Denko), and chloroform as the mobile phase.
[0015]
Said terminal carboxyl group amount means what was calculated | required by the terminal group determination method by the labeling method. Specifically, in the case of a polymer in which the ω residue is lactic acid, the biodegradable polymer Wmg is dissolved in 2 ml of 5N HCl / acetonitrile (v / v = 4/96) mixed solution, and 0.01M o- Nitrophenylhydrazine (ONPH) solution (5N HCl / acetonitrile / ethanol = 1.02 / 35/15) 2ml and 0.15M EDC solution (pyridine / ethanol = 4v / 96v) 2ml were added and reacted at 40 ° C for 30 minutes. Remove the solvent. The residue is washed with water (4 times), dissolved in 2 ml of acetonitrile, added with 1 ml of 0.5 mol / l ethanolic potassium hydroxide solution and reacted at 60 ° C. for 30 minutes. The reaction solution is diluted with 1.5N NaOH to Yml, and 544 nm absorbance A (/ cm) is measured for 1.5N NaOH. On the other hand, using DL-lactic acid aqueous solution as a reference substance, the free carboxyl group amount C mol / L is obtained by NaOH titration, and the absorbance at 544 nm when DL-lactic acid hydrazide is obtained by the ONPH labeling method is defined as B (/ cm). In this case, the amount of free carboxyl groups [COOH] of the polymer in which the ω residue is lactic acid can be obtained by the following formula.
[COOH] (mol / g) = (AYC) / (WB)
Moreover, the amount of terminal carboxyl groups can be calculated by dissolving a biodegradable polymer in a toluene-acetone-methanol mixed solvent and titrating this solution with an alcoholic potassium hydroxide solution using phenolphthalein as an indicator.
[0016]
The degradation / disappearance rate of biodegradable polymers varies greatly depending on the copolymer composition, molecular weight, or free carboxyl group content, but in general, the release period is increased by increasing the molecular weight and decreasing the free carboxyl group content. can do. However, the amount of free carboxyl groups needs to exceed a certain value because it affects the rate of incorporation of physiologically active substances into the preparation. Therefore, for a long time (eg, at least about 6 months or more, preferably from about 6 months (26 weeks) to about 8 months (35 weeks), more preferably from about 6 months (26 weeks) to about 7 months (30 weeks) In order to obtain a biodegradable polymer for a sustained-release preparation, more preferably from about 6 months (26 weeks) to about 6 months and a half (28 weeks), poly DL-lactic acid having a monocarboxyl group at the ω end The weight average molecular weight is preferably about 20,000 to about 50,000, and the free carboxyl group amount is preferably about 50 to about 90 μmol / g.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The method for producing the biodegradable polymer of the present invention is described in detail below.
(1) First, a hydroxy monocarboxylic acid derivative (eg, D-tert-butyl lactate, L-benzyl lactate, etc.) having a protected carboxyl group or a hydroxy dicarboxylic acid derivative (eg, tartronic acid) having a protected carboxyl group In the presence of dibenzyl, ditert-butyl 2-hydroxyethylmalonate, etc.), the cyclic ester compound is subjected to a polymerization reaction using a polymerization catalyst.
The above-mentioned “hydroxymonocarboxylic acid derivative in which the carboxyl group is protected” or “hydroxydicarboxylic acid derivative in which the carboxyl group is protected” means, for example, that the carboxyl group (—COOH) is an amide (—CONH).2) Or an ester (—COOR) hydroxycarboxylic acid derivative, and the like. Among them, a hydroxycarboxylic acid derivative in which a carboxyl group (—COOH) is esterified (—COOR) is preferable.
Here, R in the ester is, for example, C such as methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl, tert-butyl, etc.1-6Alkyl groups such as C, such as cyclopentyl, cyclohexyl, etc.3-8A cycloalkyl group such as phenyl, α-naphthyl and the like6-12Aryl groups such as phenyl-C such as benzyl, phenethyl and the like1-2Alkyl groups or α-naphthyl-C such as α-naphthylmethyl1-2C such as alkyl group7-14And aralkyl groups. Of these, a tert-butyl group, a benzyl group and the like are preferable.
The “cyclic ester compound” refers to a cyclic compound having at least one ester bond in the ring, for example. Specific examples include cyclic monoester compounds (lactones) or cyclic diester compounds (lactides).
[0018]
Examples of the “cyclic monoester compound” include 4-membered lactone (β-propiolactone, β-butyrolactone, β-isovalerolactone, β-caprolactone, β-isocaprolactone, β-methyl-β-valerolactone). Etc.) 5-membered ring lactones (γ-butyrolactone, γ-valerolactone, etc.), 6-membered ring lactones (δ-valerolactone etc.), 7-membered ring lactones (ε-caprolactone etc.), p-dioxanone, 1,5- Such as dioxepane-2-one.
As the “cyclic diester compound”,
For example, the expression
[Chemical 1]
Figure 0003716146
(Wherein R1And R2Are the same or different and each represents a hydrogen atom or C such as methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl, t-butyl, etc.1-6A compound represented by an alkyl group), and in particular, R1Is a hydrogen atom and R2Is a methyl group or R1And R2Preferred is lactide in which is a hydrogen atom.
Specific examples include glycolide, L-lactide, D-lactide, DL-lactide, meso-lactide, 3-methyl-1,4-dioxane-2,5-dione (including optically active substances), and the like. .
Examples of the “polymerization catalyst” include an organotin catalyst (eg, tin octylate, di-n-butyltin dilaurate, tetraphenyltin), an aluminum catalyst (eg, triethylaluminum), a zinc catalyst (eg, , Diethyl zinc, etc.).
From the viewpoint of ease of removal after the reaction, an aluminum-based catalyst and a zinc-based catalyst are preferable, and from the viewpoint of safety when remaining, a zinc-based catalyst is preferable.
As the solvent for the polymerization catalyst, benzene, hexane, toluene and the like are used, and among them, hexane, toluene and the like are preferable.
[0019]
The “polymerization method” may be a bulk polymerization method in which the reactants are melted or a solution polymerization method in which the reactants are dissolved in an appropriate solvent (for example, benzene, toluene, xylene, decalin, dimethylformamide, etc.). Good. As the solvent, toluene, xylene and the like are preferable. The polymerization temperature is not particularly limited, but in the case of bulk polymerization, it is usually 100 to 300 ° C. above the temperature at which the reaction product reaches a molten state at the start of the reaction, and in the case of solution polymerization, usually from room temperature to 150 ° C. Yes, when the reaction temperature exceeds the boiling point of the reaction solution, it may be refluxed with a condenser, or reacted in a pressure vessel. The polymerization time is appropriately determined in consideration of the polymerization temperature, other reaction conditions, physical properties of the target polymer, etc., and is, for example, 10 minutes to 72 hours. After the reaction, if necessary, the reaction mixture is dissolved in an appropriate solvent (for example, acetone, dichloromethane, chloroform, etc.) and the polymerization is stopped with an acid (for example, hydrochloric acid, acetic anhydride, trifluoroacetic acid, etc.) If a polymer having a carboxyl group protected at the ω end is isolated by a conventional method, such as mixing in a solvent that does not dissolve the target product (for example, alcohol, water, ether, isopropyl ether, etc.) Good.
In the polymerization method of the present application, a hydroxycarboxylic acid derivative in which a carboxyl group is protected (eg, D-tert-butyl lactate, L-benzyl lactate, etc.) or a carboxyl group is used instead of a so-called protic chain transfer agent such as methanol. Protected hydroxydicarboxylic acid derivatives (eg, dibenzyl tartronate, ditert-butyl 2-hydroxyethylmalonate) and the like are used.
Thus, a hydroxycarboxylic acid derivative in which the carboxyl group is protected (eg, D-tert-butyl lactate, L-benzyl lactate, etc.) or a hydroxydicarboxylic acid derivative in which the carboxyl group is protected (eg, dibenzyl tartronate, 2-hydroxy (1) The molecular weight can be controlled by the charged composition by using, for example, di-tert-butyl ethylmalonate as a protic chain transfer agent, and (2) biodegradation obtained by subjecting it to a deprotection reaction after polymerization. A carboxyl group can be liberated at the ω end of the conductive polymer.
[0020]
(2) Next, a polymer having a carboxyl group protected at the ω-end obtained by the polymerization reaction of (1) above is subjected to a deprotection reaction to obtain a living body having a free carboxyl group at the target ω-end. A degradable polymer can be obtained.
The protecting group can be removed by a method known per se. As such a method, any method can be used as long as it can remove a protecting group without affecting the ester bond of poly (hydroxycarboxylic acid). And methods such as acid decomposition (reaction).
Examples of the reduction method include catalytic reduction using a catalyst (eg, palladium carbon, palladium black, platinum oxide, etc.), reduction with sodium in liquid ammonium, reduction with dithiothreitol, and the like. For example, when catalytically reducing a polymer having a carboxyl group protected with a benzyl group at the ω end, specifically, palladium carbon is added to a polymer dissolved in ethyl acetate, dichloromethane, chloroform, etc., and vigorously stirred. Deprotection can be achieved by bubbling hydrogen at room temperature for about 20 minutes to about 4 hours.
Examples of the acid decomposition method include inorganic acids (eg, hydrogen fluoride, hydrogen bromide, hydrogen chloride, etc.), organic acids (eg, trifluoroacetic acid, methanesulfonic acid, trifluoromethanesulfonic acid, etc.), or a mixture thereof. Examples include acid decomposition. If necessary, a cation scavenger (eg, anisole, phenol, thioanisole, etc.) may be added as appropriate during the acid decomposition. For example, when acid-decomposing a polymer having a carboxyl group protected with a tert-butyl group at the ω end, specifically, an appropriate amount of trifluoroacetic acid is added to a polymer dissolved in dichloromethane, xylene, toluene or the like, Alternatively, the polymer can be deprotected by dissolving in trifluoroacetic acid and stirring at room temperature for about 1 hour.
Preferably, the acid decomposition method may be carried out immediately after the polymerization reaction, in which case it can also serve as a polymerization termination reaction.
Further, if necessary, the polymer obtained by the above deprotection reaction is subjected to an acid hydrolysis reaction, whereby the weight average molecular weight, number average molecular weight or terminal carboxyl group amount of the polymer can be adjusted according to the purpose. it can. Specifically, it can be carried out, for example, by the method described in EP-A-0839525 or a method analogous thereto.
The biodegradable polymer obtained as described above can be used as a base for producing a sustained-release preparation.
The weight ratio of the physiologically active substance to the base of the present invention is about 0.001 to about 50% (w / w), preferably about 0.02 to about 40% (w / w), for example, in the case of peptides. Preferably, it is about 0.1-30% (w / w). In the case of non-peptide, it is about 0.01-80% (w / w), preferably about 0.1-50% (w / w). is there.
[0021]
(3) The sustained-release preparation containing the biodegradable polymer obtained by the production method of the present invention is produced by, for example, an underwater drying method, a phase separation method, a spray drying method, or a method equivalent thereto.
Below, the manufacturing method in the case of manufacturing a microcapsule (it may be called a microsphere) as a sustained release formulation is described, for example.
During the following production steps, a drug retaining agent (for example, gelatin, hydroxynaphthoic acid, salicylic acid, etc.) may be added by a method known per se as necessary.
[0022]
(I) Underwater drying method
(I) O / W method
In this method, first, an organic solvent solution of a biodegradable polymer is prepared. The organic solvent used in the production of the sustained-release preparation of the present invention preferably has a boiling point of 120 ° C. or lower.
Examples of the organic solvent include halogenated hydrocarbons (eg, dichloromethane, chloroform, dichloroethane, trichloroethane, carbon tetrachloride, etc.), ethers (eg, ethyl ether, isopropyl ether, etc.), fatty acid esters (eg, ethyl acetate, Butyl acetate, etc.), aromatic hydrocarbons (eg, benzene, toluene, xylene, etc.), alcohols (eg, ethanol, methanol, etc.), acetonitrile and the like are used. Of these, halogenated hydrocarbons are preferable, and dichloromethane is particularly preferable. These may be mixed and used at an appropriate ratio. In that case, a mixed liquid of a halogenated hydrocarbon and an alcohol is preferable, and a mixed liquid of dichloromethane and ethanol is particularly preferable.
The concentration of the biodegradable polymer in the organic solvent solution varies depending on the molecular weight of the biodegradable polymer and the type of the organic solvent. For example, when dichloromethane is used as the organic solvent, it is generally about 0.5 to 5%. It is selected from about 70% by weight, more preferably from about 1 to about 60% by weight, particularly preferably from about 2 to about 50% by weight.
When ethanol is used as a mixed organic solvent with dichloromethane, the ratio of the two is generally about 0.01 to about 50% (v / v), more preferably about 0.05 to about 40% ( v / v), particularly preferably selected from about 0.1 to about 30% (v / v).
In the organic solvent solution of the biodegradable polymer thus obtained, a physiologically active substance is added and dissolved or dispersed. At this time, the amount of the physiologically active substance added is such that the upper limit of the weight ratio of the physiologically active substance to the biodegradable polymer is up to about 1: 1, preferably up to about 1: 2.
Next, an organic solvent solution containing a composition comprising the obtained physiologically active substance or a salt thereof and a biodegradable polymer is added to the aqueous phase to form an O (oil phase) / W (aqueous phase) emulsion. The solvent in the oil phase is evaporated to prepare microcapsules. In this case, the aqueous phase volume is generally about 1 to about 10,000 times, more preferably about 5 to about 50,000 times, and particularly preferably about 10 to about 2,000 times the oil phase volume. Selected from times.
An emulsifier may be added to the outer aqueous phase. Any emulsifier can be used as long as it can form a stable O / W emulsion. Specifically, for example, anionic surfactants (sodium oleate, sodium stearate, sodium lauryl sulfate, etc.), nonionic surfactants (polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters [Tween 80, Tween 60, Atlas Powder Co., Ltd.], polyoxyethylene castor oil derivatives [HCO-60, HCO-50, Nikko Chemicals], etc.), polyvinylpyrrolidone, polyvinyl alcohol, carboxymethylcellulose, lecithin, gelatin, hyaluronic acid and the like. One of these or some of them may be used in combination. The concentration in use is preferably in the range of about 0.01 to 10% by weight, more preferably in the range of about 0.05 to about 5% by weight.
[0023]
An osmotic pressure regulator may be added to the above external water phase. Any osmotic pressure adjusting agent may be used as long as it shows osmotic pressure when used as an aqueous solution.
Examples of the osmotic pressure regulator include polyhydric alcohols, monohydric alcohols, monosaccharides, disaccharides, oligosaccharides and amino acids or derivatives thereof.
Examples of the polyhydric alcohol include trihydric alcohols such as glycerol, pentahydric alcohols such as arabitol, xylitol, and adonitol, and hexahydric alcohols such as mannitol, sorbitol, and dulcitol. Of these, hexahydric alcohols are preferable, and mannitol is particularly preferable.
Examples of the monohydric alcohols include methanol, ethanol, isopropyl alcohol, etc. Among them, ethanol is preferable.
Examples of the monosaccharide include pentose sugars such as arabinose, xylose, ribose, and 2-deoxyribose, and hexose sugars such as glucose, fructose, galactose, mannose, sorbose, rhamnose, and fucose. Carbosaccharides are preferred.
Examples of the oligosaccharide include trisaccharides such as maltotriose and raffinose sugar, and tetrasaccharides such as stachyose, among which trisaccharide is preferable.
Examples of the monosaccharide, disaccharide, and oligosaccharide derivatives include glucosamine, galactosamine, glucuronic acid, galacturonic acid, and the like.
Any amino acid may be used as the amino acid as long as it is L-form, and examples thereof include glycine, leucine, and arginine. Of these, L-arginine is preferred.
These osmotic pressure regulators may be used alone or in combination.
These osmotic pressure regulators are used at a concentration such that the osmotic pressure of the external water phase is about 1/50 to about 5 times, preferably about 1/25 to about 3 times the osmotic pressure of physiological saline.
As a method for removing the organic solvent, a method known per se or a method analogous thereto is used. For example, a method of evaporating an organic solvent under normal pressure or gradually reducing pressure while stirring with a propeller type stirrer or a magnetic stirrer, a method of evaporating an organic solvent while adjusting the degree of vacuum using a rotary evaporator or the like Etc.
The microcapsules thus obtained are separated by centrifugation or filtration, and free physiologically active substances and emulsifiers adhering to the surface of the microcapsules are repeatedly washed with distilled water several times and distilled again. Disperse in water and freeze-dry.
[0024]
An anti-aggregation agent may be added during the production process in order to prevent the particles from aggregating. Examples of the aggregation inhibitor include water-soluble polysaccharides such as mannitol, lactose, glucose, and starches (eg, corn starch), amino acids such as glycine, proteins such as fibrin and collagen, and the like. Of these, mannitol is preferred.
In addition, after lyophilization, if necessary, the microcapsules may be heated under conditions where the microcapsules are not fused with each other to remove moisture and organic solvent in the microcapsules. Preferably, the heating is performed at a temperature slightly higher than the midpoint glass transition temperature of the biodegradable polymer obtained with a differential scanning calorimeter under a temperature rising rate of 10 to 20 ° C. per minute. More preferably, the biodegradable polymer is heated within a temperature range about 30 ° C. higher than the midpoint glass transition temperature of the biodegradable polymer. In particular, when a lactic acid-glycolic acid polymer is used as the biodegradable polymer, it is preferably in the temperature range above its midpoint glass transition temperature and 10 ° C higher than the midpoint glass transition temperature, more preferably above the midpoint glass transition temperature. Heat in a temperature range 5 ° C higher than the midpoint glass transition temperature.
[0025]
Although the heating time varies depending on the amount of microcapsules and the like, generally, after the microcapsules themselves reach a predetermined temperature, it is about 12 hours to about 168 hours, preferably about 24 hours to about 120 hours, particularly preferably. About 48 hours to about 96 hours.
The heating method is not particularly limited as long as the assembly of microcapsules can be uniformly heated.
As the heating and drying method, for example, a method of heating and drying in a thermostatic bath, a fluidized bath, a moving tank or a kiln, a method of heating and drying with a microwave, and the like are used. Among these, the method of heating and drying in a thermostatic bath is preferable.
[0026]
(Ii) W / O / W method
First, an organic solvent solution of a biodegradable polymer is made.
Examples of the organic solvent include halogenated hydrocarbons (eg, dichloromethane, chloroform, dichloroethane, trichloroethane, carbon tetrachloride, etc.), ethers (eg, ethyl ether, isopropyl ether, etc.), fatty acid esters (eg, ethyl acetate, Butyl acetate, etc.), aromatic hydrocarbons (eg, benzene, toluene, xylene, etc.), alcohols (eg, ethanol, methanol, etc.), acetonitrile and the like are used. Of these, halogenated hydrocarbons are preferable, and dichloromethane is particularly preferable. These may be mixed and used at an appropriate ratio. In that case, a mixed liquid of halogenated hydrocarbon and alcohol is preferable, and a mixed liquid of dichloromethane and ethanol is particularly preferable.
The concentration of the biodegradable polymer in the organic solvent solution varies depending on the molecular weight of the biodegradable polymer and the type of the organic solvent. For example, when dichloromethane is used as the organic solvent, it is generally about 0.5 to about It is selected from 70% by weight, more preferably from about 1 to about 60% by weight, particularly preferably from about 2 to about 50% by weight.
Next, a solution of a physiologically active substance or a salt thereof (for example, water, a mixture of water and alcohols (eg, methanol, ethanol, etc.)) is added to an organic solvent solution (oil phase) of the biodegradable polymer. . This mixture is emulsified by a known method such as a homogenizer or ultrasonic waves to form a W / O emulsion.
Next, a W / O emulsion composed of the obtained physiologically active substance and biodegradable polymer is added to the aqueous phase to form a W (inner aqueous phase) / O (oil phase) / W (outer aqueous phase) emulsion. After that, the solvent in the oil phase is evaporated to prepare microcapsules. In this case, the volume of the outer aqueous phase is generally about 1 to about 10,000 times, more preferably about 5 to about 50,000 times, and particularly preferably about 10 to about 2,000 times the oil phase volume. Selected from times.
The emulsifier and osmotic pressure regulator that may be added to the outer aqueous phase and the subsequent preparation method are the same as those described in the above section (I) (i).
[0027]
(II) Phase separation method
When producing microcapsules by this method, the coacervation agent is gradually added to the organic solvent solution containing the composition comprising the bioactive substance and biodegradable polymer described in (I) underwater drying method with stirring. In addition to the above, microcapsules are precipitated and solidified. The coacervation agent is selected from about 0.01 to 1,000 times, preferably about 0.05 to 500 times, particularly preferably about 0.1 to 200 times the oil phase volume.
The coacervation agent is not particularly limited as long as it does not dissolve the biodegradable polymer such as a polymer, mineral oil, or vegetable oil compound that is miscible with the organic solvent. Specifically, for example, silicon oil, sesame oil, soybean oil, corn oil, cottonseed oil, coconut oil, linseed oil, mineral oil, n-hexane, n-heptane and the like are used. You may use these in mixture of 2 or more types.
The microcapsules thus obtained are collected and then repeatedly washed with heptane or the like to remove the coacervation agent other than the composition comprising the bioactive substance and the biodegradable polymer, and dried under reduced pressure. Alternatively, washing is performed in the same manner as described in the above-mentioned (I) (i) underwater drying method, followed by freeze-drying and further heating and drying.
[0028]
(III) Spray drying method
When producing microcapsules by this method, an organic solvent solution or dispersion containing a composition consisting of the bioactive substance and biodegradable polymer described in (I) underwater drying method is used as a nozzle. Is sprayed into the drying chamber of a spray dryer (spray dryer), and the organic solvent in the atomized droplets is volatilized within a very short time to prepare microcapsules. Examples of the nozzle include a two-fluid nozzle type, a pressure nozzle type, and a rotating disk type. Thereafter, if necessary, washing may be performed by the same method as described in (I) underwater drying method, followed by freeze-drying and further heat drying.
An organic solvent solution or dispersion containing a composition comprising the bioactive substance and biodegradable polymer described in the microcapsule production method (I) underwater drying method as a dosage form other than the above-described microcapsules, for example, a rotary The organic solvent and water are evaporated to dryness while adjusting the degree of vacuum using an evaporator or the like, and then pulverized with a jet mill or the like to form fine particles (microparticles).
Further, the pulverized fine particles may be washed by the same method as described in the microcapsule production method (I) underwater drying method, and then freeze-dried and further heated and dried.
The microcapsules or microparticles obtained here can achieve drug release corresponding to the degradation rate of the biodegradable polymer or lactic acid-glycolic acid polymer used.
The sustained-release composition obtained by the production method of the present invention is formulated into various dosage forms as they are or as raw materials, and is injected or implanted into muscle, subcutaneous, organ, etc., nasal cavity, rectum, uterus Transmucosal agents, oral preparations (eg, capsules (eg, hard capsules, soft capsules, etc.), solid preparations such as granules, powders, etc., liquids such as syrups, emulsions, suspensions, etc.) Can be administered as
[0029]
For example, in order to use the sustained-release composition obtained by the production method of the present invention as an injection, these are used as a dispersant (eg, surfactant such as Tween 80, HCO-60, sodium hyaluronate, carboxy Aqueous suspension with methylcellulose, polysaccharides such as sodium alginate), preservatives (eg, methylparaben, propylparaben, etc.), isotonic agents (eg, sodium chloride, mannitol, sorbitol, glucose, proline, etc.) Alternatively, it can be dispersed with vegetable oils such as sesame oil and corn oil to form a sustained-release injection that can be actually used as an oily suspension.
When used as a suspension injection, the particle size of the sustained-release composition obtained by the production method of the present invention may be in a range that satisfies the degree of dispersion and needle penetration. For example, the average particle size About 0.1 to 300 μm, preferably about 0.5 to 150 μm, more preferably about 1 to 100 μm. The average particle size can be measured by a method known per se using, for example, a laser analysis type particle size distribution analyzer (SALD2000A: Shimadzu).
In order to make the sustained-release composition obtained by the production method of the present invention into a sterile preparation, there are a method of sterilizing the whole production process, a method of sterilizing with gamma rays, a method of adding a preservative, and the like. Not.
[0030]
Since the sustained-release composition of the present invention has low toxicity, it can be used as a safe medicine for mammals (eg, humans, cows, pigs, dogs, cats, mice, rats, rabbits, etc.). .
The sustained-release composition obtained by the production method of the present invention can be used as a prophylactic / therapeutic agent for various diseases depending on the type of the physiologically active substance contained. For example, the physiologically active substance is LH In the case of -RH derivatives, hormone-dependent diseases, particularly sex hormone-dependent cancers (eg, prostate cancer, uterine cancer, breast cancer, pituitary tumor, etc.), prostatic hypertrophy, endometriosis, uterine fibroids, puberty Preventive and therapeutic agents for sex hormone-dependent diseases such as premature onset, dysmenorrhea, amenorrhea, premenstrual syndrome, multilocular ovary syndrome, and contraception (or the rebound effect after its withdrawal) In some cases, it can be used as an agent for preventing or treating infertility. Furthermore, it can also be used as a prophylactic / therapeutic agent for benign or malignant tumors that are independent of sex hormones but are LH-RH sensitive.
[0031]
The dosage of the sustained-release composition obtained by the production method of the present invention varies depending on the type and content of the physiologically active substance as the active ingredient, the dosage form, the duration of release of the physiologically active substance, the target disease, the target animal, etc. Any effective amount of the physiologically active substance may be used. For example, when the sustained-release preparation is a 6-month preparation, the dose of the physiologically active substance as the active ingredient is preferably in the range of about 0.01 mg to 10 mg / kg body weight per adult, more preferably Can be appropriately selected from the range of about 0.05 mg to 5 mg / kg body weight.
The dose of the sustained release composition per dose is preferably appropriately selected from the range of about 0.05 mg to 50 mg / kg body weight, more preferably about 0.1 mg to 30 mg / kg body weight per adult. Can do.
The number of administrations is once a few weeks, once a month, or once every several months (eg, 3 months, 4 months, 6 months, etc.). It can be appropriately selected depending on the shape, duration of release of the physiologically active substance, target disease, target animal, and the like.
[0032]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be described more specifically with reference to examples, comparative examples, and experimental examples below, but these do not limit the present invention.
[0033]
Example 1 Synthesis of PLA with [D-tert-butyl lactate / diethylzinc / DL-lactide].
A toluene solution of diethylzinc (1/2 molar equivalent) was added to 40.6 mg of D-tert-butyl lactate cooled to −78 ° C. under a nitrogen atmosphere, and then reacted at room temperature for 30 minutes. This was added to and mixed in a nitrogen atmosphere with a melt of 4.14 g of DL-lactide and polymerized at 130 ° C. for 2 hours.
In order to stop the polymerization reaction, the reaction product was dissolved in dichloromethane, mixed with 0.1N HCl aqueous solution and stirred for 20 minutes, and then washed with water until neutrality. Next, the dichloromethane solution was concentrated and vacuum-dried (40 ° C., 2 days) to obtain poly (DL-lactic acid) in which the ω residue was D-tert-butyl lactate.1As a result of 1 H-NMR analysis, methine hydrogen (5.1-5.3 ppm), methyl group hydrogen (1.5-1.6 ppm) and tert-butyl group hydrogen (1.46 ppm) in lactic acid residues were confirmed. Moreover, when the end group labeling quantitative method was applied to this polymer, it hardly colored. These facts indicate that the ω residue of the polymer is lactic acid in which the carboxyl group is protected with a tert-butyl group.
The polymer was then dissolved in trifluoroacetic acid and stirred overnight at room temperature for deprotection. Thereafter, the polymer was precipitated and collected by mixing with cold isopropyl ether, and then purified by reprecipitation twice with dichloromethane / cold isopropyl ether. The purified precipitate was dissolved in dichloromethane and washed repeatedly with water until neutral. Next, the dichloromethane solution was concentrated and vacuum-dried (40 ° C., 2 days) to obtain 3.84 g of poly (DL-lactic acid) whose ω residue is D-lactic acid.1As a result of H-NMR analysis, the signal of the tert-butyl group disappeared completely, and from this, deprotection was confirmed. As a result of atomic absorption measurement, the residual zinc was below the detection limit (10 ppm), and it was found that the polymerization catalyst was effectively removed by this method. Furthermore, when an end group labeling quantitative method was applied to this polymer, it showed a strong purple coloration, confirming regeneration of carboxyl groups by deprotection. As a result of GPC, the weight average molecular weight was 43.0 kDa, and the number average molecular weight was 15.9 kDa.
[0034]
Example 2 Synthesis of PLA with [D-tert-butyl lactate / diethyl zinc / DL-lactide].
To a tert-butyl D-lactic acid cooled to −78 ° C., a toluene solution of diethyl zinc (1/2 molar equivalent) was added under a nitrogen atmosphere, and then allowed to react at room temperature for 10 to 30 minutes. This was added and mixed with molten DL-lactide under a nitrogen atmosphere and polymerized at 130 ° C. for 1 to 5 hours.
In order to stop the polymerization reaction and deprotect, the reaction product was dissolved in trifluoroacetic acid and stirred at room temperature for 1 hour. Thereafter, the polymer was precipitated and collected by mixing with cold isopropyl ether, and then purified by reprecipitation twice with dichloromethane / cold isopropyl ether. The purified precipitate was dissolved in dichloromethane and washed repeatedly with water until neutral. Next, the dichloromethane solution was concentrated and vacuum dried (40 ° C., 2 days) to obtain poly (DL-lactic acid) in which the ω residue was D-lactic acid.1As a result of H-NMR analysis, the signal of the tert-butyl group disappeared completely, and from this, deprotection was confirmed. As a result of atomic absorption measurement, the residual zinc was below the detection limit (10 ppm), and it was found that the polymerization catalyst was effectively removed by this method. Furthermore, when an end group labeling quantitative method was applied to this polymer, it showed a strong purple coloration, confirming regeneration of carboxyl groups by deprotection. Table 1 shows the charged composition and molar ratio of DL-lactide and D-tert-butyl lactate, and the weight average molecular weight and carboxyl group amount of the polymer after deprotection. As is apparent from the table, the molecular weight of the polymer can be controlled by the charged molar ratio of DL-lactide and D-tert-butyl lactate.
[0035]
[Table 1]
Figure 0003716146
[0036]
Example 3 Synthesis of PLA with [L-benzyl lactate / diethyl zinc / DL-lactide].
A diethylzinc (1/2 molar equivalent) toluene solution was added to 181.7 mg of L-benzyl lactate cooled to −78 ° C. under a nitrogen atmosphere, and then reacted at room temperature for 20 minutes. To this was added 1 ml of distilled toluene for dilution, and then 15.03 g of DL-lactide was added under a nitrogen atmosphere and polymerized at 130 ° C. for 1.5 hours.
In order to stop the polymerization reaction, the reaction product was dissolved in dichloromethane, mixed with 0.1N HCl aqueous solution and stirred for 20 minutes, and then washed with water until neutrality. Next, the dichloromethane solution was concentrated and vacuum-dried (40 ° C., 2 days) to obtain poly (DL-lactic acid) in which the ω residue was L-benzyl lactate.1As a result of H-NMR analysis, methine hydrogen (5.1-5.3 ppm), methyl group hydrogen (1.5-1.6 ppm), and benzyl group phenyl hydrogen (7.35 ppm) were confirmed. Moreover, when the end group labeling quantitative method was applied to this polymer, it hardly colored. These facts indicate that the ω residue of the polymer is lactic acid in which the carboxyl group is protected with a benzyl group.
Next, for deprotection, about half of this polymer was dissolved in 30 ml of trifluoroacetic acid, thioanisole (3 times equivalent to L-benzyl lactate) was added, and the mixture was stirred for 1 hour on ice. Methanesulfonic acid was added and the mixture was further stirred on ice for 2 hours. The reaction solution was mixed with cold isopropyl ether to precipitate and collect the polymer, and then reprecipitation purification was performed twice with dichloromethane / cold isopropyl ether. The purified precipitate was dissolved in dichloromethane and washed repeatedly with water until neutral. Next, the dichloromethane solution was concentrated and vacuum-dried (40 ° C., 2 days) to obtain 7.54 g of poly (DL-lactic acid) whose ω residue is L-lactic acid.1As a result of H-NMR analysis, the phenyl hydrogen signal of the benzyl group disappeared completely, and this confirmed deprotection. As a result of atomic absorption measurement, the residual zinc was below the detection limit (10 ppm), and it was found that the polymerization catalyst was effectively removed by this method. Furthermore, when an end group labeling quantitative method was applied to this polymer, it showed a strong purple coloration, confirming regeneration of carboxyl groups by deprotection.
[0037]
Example 4 Synthesis of PLA with [L-benzyl lactate / diethyl zinc / DL-lactide].
Diethyl zinc (1/2 molar equivalent) solution (hexane or toluene) was added to L-benzyl lactate cooled to −78 ° C. under a nitrogen atmosphere, and then reacted at room temperature for 20 minutes. This was added and mixed with molten DL-lactide under a nitrogen atmosphere and polymerized at 130 ° C. for 1.5 hours.
Subsequently, in order to stop and deprotect the polymerization reaction, the reaction product was dissolved in 30 ml of trifluoroacetic acid, thioanisole (3 times equivalent to L-benzyl lactate) was added, and the mixture was stirred on ice for 1 hour. Methanesulfonic acid was added and the mixture was further stirred on ice for 2 hours. QA2 was used in the next step as it was, but QA1 was further stirred at room temperature for 1 hour thereafter. The reaction solution was mixed with cold isopropyl ether to precipitate and collect the polymer, and then reprecipitation purification was performed twice with dichloromethane / cold isopropyl ether. The purified precipitate was dissolved in dichloromethane and washed repeatedly with water until neutral. Next, the dichloromethane solution was concentrated and vacuum-dried (40 ° C., 2 days) to obtain poly (DL-lactic acid) in which the ω residue was L-lactic acid.1As a result of H-NMR analysis, the phenyl hydrogen signal of the benzyl group disappeared completely, and this confirmed deprotection. As a result of atomic absorption measurement, the residual zinc was below the detection limit (10 ppm), and it was found that the polymerization catalyst was effectively removed by this method. Furthermore, when an end group labeling quantitative method was applied to this polymer, it showed a strong purple coloration, confirming regeneration of carboxyl groups by deprotection. The synthesis results are shown in Table 2.
[0038]
[Table 2]
Figure 0003716146
[0039]
Example 5 Synthesis of tartronic acid-terminated PLA with [dibenzyl tartronate / diethyl zinc / DL-lactide].
A hexane solution of diethylzinc (1/2 molar equivalent) was added to 592.8 mg of dibenzyl tartronate cooled to −78 ° C. under a nitrogen atmosphere, followed by reaction at room temperature for 20 minutes. To this, 9.63 g of DL-lactide was added and mixed in a nitrogen atmosphere and polymerized at 130 ° C. for 3 hours.
In order to stop the polymerization reaction, the reaction product was dissolved in dichloromethane, mixed with 0.1N HCl aqueous solution and stirred for 20 minutes, and then washed with water until neutrality. Next, the dichloromethane solution was concentrated and vacuum-dried (40 ° C., 2 days) to obtain poly (DL-lactic acid) in which the ω residue was dibenzyl tartronate.1As a result of H-NMR analysis, methine hydrogen (5.1-5.3 ppm) of lactic acid residue, hydrogen of methyl group (1.5-1.6 ppm) and phenyl hydrogen of benzyl group (7.35 ppm) were confirmed. Moreover, when the end group labeling quantitative method was applied to this polymer, it hardly colored. These facts indicate that the ω residue of the polymer is tartronic acid in which the carboxyl group is protected with a benzyl group. Next, for deprotection, 215 mg of this polymer was dissolved in 2 ml of trifluoroacetic acid, 200 μl of thioanisole was added, and the mixture was stirred at −5 ° C. for 1 hour. 2 ml of methanesulfonic acid was added, and the mixture was further stirred on ice for 20 minutes and then at room temperature for 25 minutes. The reaction solution was mixed with cold isopropyl ether to precipitate and collect the polymer, and then reprecipitation purification was performed twice with dichloromethane / cold isopropyl ether. The purified precipitate was dissolved in dichloromethane and washed repeatedly with water until neutral. Next, the dichloromethane solution was concentrated and vacuum-dried (40 ° C., 2 days) to obtain poly (DL-lactic acid) in which the ω residue was tartronic acid.1As a result of H-NMR analysis, the phenyl hydrogen signal of the benzyl group disappeared completely, and this confirmed deprotection. As a result of atomic absorption measurement, the residual zinc was below the detection limit (10 ppm), and it was found that the polymerization catalyst was effectively removed by this method. Furthermore, when an end group labeling quantitative method was applied to this polymer, it showed a strong purple coloration, confirming regeneration of carboxyl groups by deprotection.
[0040]
Example 6 Synthesis of tartronic acid-terminated PLA with [dibenzyl tartronate / diethylzinc / DL-lactide].
To dibenzyl tartronate cooled to −78 ° C., a toluene solution of diethyl zinc (1/2 molar equivalent) was added under a nitrogen atmosphere, and then reacted at room temperature for 20 minutes. To this, DL-lactide was added and mixed in a nitrogen atmosphere and polymerized at 130 ° C. for 1 to 5 hours.
Subsequently, in order to stop and deprotect the polymerization reaction, the reaction product was dissolved in 30 ml of trifluoroacetic acid, thioanisole (3 times equivalent of L-benzyl lactate) was added, and the mixture was stirred at −5 ° C. for 1 hour. Methanesulfonic acid was added and the mixture was further stirred on ice for 2 hours. The reaction solution was mixed with cold isopropyl ether to precipitate and collect the polymer, and then reprecipitation purification was performed twice with dichloromethane / cold isopropyl ether. The purified precipitate was dissolved in dichloromethane and washed repeatedly with water until neutral. Next, the dichloromethane solution was concentrated and vacuum-dried (40 ° C., 2 days) to obtain poly (DL-lactic acid) in which the ω residue was tartronic acid.1As a result of H-NMR analysis, the phenyl hydrogen signal of the benzyl group disappeared completely, and this confirmed deprotection. As a result of atomic absorption measurement, the residual zinc was below the detection limit (10 ppm), and it was found that the polymerization catalyst was effectively removed by this method. Furthermore, when an end group labeling quantitative method was applied to this polymer, it showed a strong purple coloration, confirming regeneration of carboxyl groups by deprotection. In addition, the amount of tartronic acid, which is the ω residue of the polymer, was determined as the amount of dicarboxyl group from the comparison with the absorbance when tartronic acid was used as a reference substance and tartronic acid hydrazide was obtained by the ONPH labeling method. The synthesis results are shown in Table 3.
[Table 3]
Figure 0003716146
[0041]
Example 7 Synthesis of 2-hydroxyethylmalonic acid-terminated PLA with [2-hydroxyethylmalonate ditert-butyl / diethylzinc / DL-lactide].
To 482.4 mg of ditert-butyl 2-hydroxyethylmalonate cooled to −78 ° C., a toluene solution of diethylzinc (1/2 molar equivalent) was added under a nitrogen atmosphere, and then reacted at room temperature for 30 minutes. This was added to and mixed with 3.43 g of DL-lactide in a nitrogen atmosphere and polymerized at 130 ° C. for 2 hours.
In order to stop the polymerization reaction, the reaction product was dissolved in dichloromethane, mixed with 0.1N HCl aqueous solution and stirred for 20 minutes, and then washed with water until neutrality. Next, the dichloromethane solution was concentrated and vacuum-dried (40 ° C., 2 days) to obtain poly (DL-lactic acid) in which the ω residue was ditert-butyl 2-hydroxyethylmalonate.1As a result of 1 H-NMR analysis, methine hydrogen (5.1-5.3 ppm), methyl group hydrogen (1.5-1.6 ppm) and tert-butyl group hydrogen (1.46 ppm) in lactic acid residues were confirmed. Moreover, when the end group labeling quantitative method was applied to this polymer, it hardly colored. These facts indicate that the ω residue of the polymer is 2-hydroxyethylmalonic acid in which the carboxyl group is protected with a tert-butyl group.
Subsequently, a deprotection reaction was performed in the same manner as in Example 1 to obtain 2.98 g of poly (DL-lactic acid) in which the ω residue was 2-hydroxyethylmalonic acid.1As a result of H-NMR analysis, the signal of the tert-butyl group disappeared completely, and from this, deprotection was confirmed. As a result of atomic absorption measurement, the residual zinc was below the detection limit (10 ppm), and it was found that the polymerization catalyst was effectively removed by this method. Furthermore, when an end group labeling quantitative method was applied to this polymer, it showed a strong purple coloration, confirming regeneration of carboxyl groups by deprotection.
[0042]
Example 8 Synthesis of 2-hydroxyethylmalonic acid-terminated PLA with [2-hydroxyethylmalonate ditert-butyl / diethylzinc / DL-lactide].
A poly (DL-lactic acid) having a ω residue of 2-hydroxyethylmalonic acid was synthesized in the same manner as in Example 2 using ditert-butyl 2-hydroxyethylmalonate instead of D-tert-butyl lactate. Obtained.
1As a result of H-NMR analysis, the signal of the tert-butyl group disappeared completely, and from this, deprotection was confirmed. As a result of atomic absorption measurement, the residual zinc was below the detection limit (10 ppm), and it was found that the polymerization catalyst was effectively removed by this method. Furthermore, when an end group labeling quantitative method was applied to this polymer, it showed a strong purple coloration, confirming regeneration of carboxyl groups by deprotection. In addition, the amount of 2-hydroxyethylmalonic acid, which is the ω residue of the polymer, was determined as the amount of dicarboxyl groups based on a comparison with the absorbance when tartronic acid was used as a reference substance and tartronic acid hydrazide was obtained by the ONPH labeling method. It was.
The synthesis results are shown in Table 4.
[Table 4]
Figure 0003716146
[0043]
Example 9 Acid hydrolysis
800 mg of an equal mixture of the polymers PA5 and PA6 synthesized in Example 2 was dissolved in 2 ml of dichloromethane, mixed with 15 ml of 1% lactic acid aqueous solution, and stirred at 65 ° C. The polymer was collected at a predetermined time, washed with water, dried, and then subjected to GPC measurement and end group labeling quantitative method. The results are shown in Table 5. As is clear from Table 5, the amount of carboxyl groups increases almost in proportion to the reaction time, and the polymer properties can be controlled by acid hydrolysis reaction.
[Table 5]
Figure 0003716146
[0044]
Example 10
5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Dleu-Leu-Arg-Pro-NH-C2HFiveAcetate 0.6 g / 0.6 ml aqueous solution (hereinafter abbreviated as peptide A) and the ω residue synthesized in Example 6 is (DL-lactic acid) (Run No. RA4) 2.4 g / 7 ml dichloromethane The solution was mixed and emulsified with a homogenizer to form a W / O emulsion. This was then poured into 800 ml of a 0.1% (w / w) polyvinyl alcohol (EG-40, Nippon Synthetic Chemical) aqueous solution pre-cooled to 18 ° C. and stirred at 7,000 rpm using a turbine homomixer. An O / W emulsion was obtained. The W / O / W emulsion was stirred at room temperature for 3 hours to volatilize dichloromethane, and the oil phase was solidified, and then sieved using a sieve having an opening of 75 μm, and then centrifuged (05PR-22, The microcapsules were settled and collected at 2,000 rpm for 5 minutes using Hitachi, Ltd. This was again dispersed in distilled water and further centrifuged to wash free drug and the like. The collected microcapsules were redispersed by adding a small amount of distilled water and then freeze-dried to obtain a powder. The mass recovery rate of the microcapsules was 38%, and the peptide A content in the microcapsules was 18.9%. The encapsulation efficiency obtained by dividing the actual content by the charged content was 94.6%.
[0045]
Example 11
The composition of the W / O emulsion in Example 10 is the peptide A acetate 0.8 g / 0.8 ml aqueous solution and the ω residue synthesized in Example 6 is tartronic acid (DL-lactic acid) (Run No. RA6). ) Microcapsules were obtained in the same manner as in Example 10 except that the solution was changed to a 3.2 g / 13 ml dichloromethane solution. The mass recovery rate of the microcapsules was 69%, and the peptide A content in the microcapsules was 19.1%. The encapsulation efficiency obtained by dividing the actual content by the charged content was 95.3%.
[0046]
Example 12
The composition of the W / O emulsion in Example 10 is the same as the peptide A acetate 0.6 g / 0.6 ml aqueous solution and the ω residue synthesized in Example 8 is 2-hydroxyethylmalonic acid (DL-lactic acid) ( Run No. SA1) Microcapsules were obtained in the same manner as in Example 10 except that the solution was changed to a 2.4 g / 4 ml dichloromethane solution. The peptide A content in the microcapsules was 16.3%. The encapsulation efficiency obtained by dividing the actual content by the charged content was 81.3%.
[0047]
Comparative Example 1
The composition of the W / O emulsion in Example 10 was changed to a peptide A acetate 1 g / 1 ml aqueous solution, poly (DL-lactic acid) (PLA 25000, Mw 25.9 k, [COOH] = 98.2 μmol / g, Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) Microcapsules were obtained in the same manner as in Example 10 except that the solution was changed to a 4 g / 5 ml dichloromethane solution. The mass recovery rate of the microcapsules was 49%, and the peptide A content in the microcapsules was 11.4%. The encapsulation efficiency determined by dividing the actual content by the charged content was 57.1%.
[0048]
Experimental example 1
About 50 mg of the microcapsules obtained in Example 10 and Example 12 were dispersed in 0.3 ml of a dispersion medium (distilled water in which 0.15 mg of carboxymethyl cellulose, 0.3 mg of polysorbate 80, 15 mg of mannitol was dissolved), and 8 weeks old. Male SD rats were administered subcutaneously on the back with a 22G needle. One day after the administration, the rats were sacrificed, the microcapsules remaining at the administration site were taken out, and the results of quantifying peptide A therein were 95.6% and 87.1% for each microcapsule.
Since the content of Peptide A obtained in Examples 10 to 12 is significantly higher than that in Comparative Example 1, the polyester of the present invention is a base for sustained release preparations containing a high amount of physiologically active substance. From the results of Experimental Example 1, it was clarified that the preparation using the preparation had an effect of extremely suppressing the initial drug release after administration.
[0049]
Example 13
The composition of the W / O emulsion in Example 10 is the same as the peptide A acetate 0.8 g / 0.8 ml aqueous solution and the polymer (Run No. QA1) 3.08 g synthesized in Example 4 as an oil phase, 3-hydroxy-2 -Microcapsules were obtained in the same manner as in Example 10, except that the solution was changed to 0.12 g of naphthoic acid, 5 ml of dichloromethane and 0.3 ml of ethanol. The mass recovery rate of the microcapsules was 46%, and the peptide A content in the microcapsules was 21.3%. The encapsulation efficiency obtained by dividing the actual content by the charged content was 106.6%.
[0050]
Comparative Example 2
The composition of the W / O emulsion in Example 10 was changed to a peptide A acetate 1 g / 1 ml aqueous solution and poly (DL-lactic acid) (PLA 25000, Mw 25.9 k, [COOH] = 98.2 μmol / g, sum as an oil phase. Microcapsules were obtained in the same manner as in Example 10 except that the solution was changed to a solution consisting of 3.85 g (manufactured by Hikari Pure Chemical Industries), 0.15 g of 3-hydroxy-2-naphthoic acid, 5.5 ml of dichloromethane and 0.35 ml of ethanol. The mass recovery rate of the microcapsules was 49%, and the peptide A content in the microcapsules was 21.3%. The encapsulation efficiency obtained by dividing this realized content by the charged content was 106.5%.
[0051]
Comparative Example 3
The composition of the W / O emulsion in Example 10 was prepared by using poly (DL-lactic acid) (Mw 24.9k, [COOH] = 12.3 μmol / g, Boehringer Ingelheim) 3.08 g, 3-hydroxy-2-naphthoic acid 0.12 g, dichloromethane 5.5 ml and ethanol 0.3 ml Obtained. The mass recovery rate of the microcapsules was 29%, the encapsulation rate of peptide A in the microcapsules was 54.6%, and the peptide A content in the microcapsules was 10.9%. The encapsulation efficiency obtained by dividing the actual content by the charged content was 54.6%.
[0052]
Experimental example 2
About 40 mg of each microcapsule obtained in Example 13 and Comparative Example 2 was dispersed in 0.3 ml of a dispersion medium (0.15 mg of carboxymethyl cellulose, 0.3 mg of polysorbate 80, distilled water in which 15 mg of mannitol was dissolved). A 10-week-old male SD rat was subcutaneously administered to the back of the rat with a 22G needle. After administration, the rats were sacrificed, the microcapsules remaining at the administration site were taken out, and the results of quantifying peptide A therein are shown in Table 6.
[Table 6]
Figure 0003716146
[0053]
From the experimental results of Example 13 and Comparative Example 3, the polyester of the present invention is excellent as a base for sustained-release preparations containing a high amount of physiologically active substance, and from the results of Experimental Example 2, it is used. This formulation was found to release the encapsulated drug stably over a very long period of time.
[0054]
Example 14 Synthesis of PLA with [DL-tert-butyl lactate / diethylzinc / DL-lactide]
Charge 1.242 g of DL-tert-butyl lactate to a 500 mL three-neck flask reaction vessel equipped with a condensation trap device, add 3.8 mL of 1.0 mol / L diethylzinc hexane solution at room temperature under nitrogen atmosphere, then dehydrated n-hexane 34.2 mL was added for dilution, and further 100 g of DL-lactide was added and stirred to mix uniformly. The temperature increase was started, and hexane distilled out at 65 to 70 ° C. was trapped outside by a condenser. After almost no distillation of hexane, the reaction was carried out at 150 ° C. for 1 hour.
The reaction product was dissolved in 50 mL of dichloromethane, and then 100 mL of trifluoroacetic acid was added and the mixture was stirred at room temperature for 1 hour for the purpose of stopping the polymerization reaction and deprotection. Thereafter, the polymer was precipitated and collected by mixing with cold isopropyl ether, and then purified by reprecipitation twice with dichloromethane / cold isopropyl ether. The purified precipitate was dissolved in dichloromethane and washed repeatedly with water until neutral. Next, the dichloromethane solution was concentrated and vacuum-dried (40 ° C., 2 days) to obtain poly (DL-lactic acid) in which the ω residue was DL-lactic acid. As a result of GPC measurement, Mw = 35.0 kDa, Mn = 13.6 kDa, and when an end group labeling quantification method was applied to this polymer, a strong purple color was shown. g.
[0055]
【The invention's effect】
Method for producing biodegradable polymer that enables high-rate incorporation of physiologically active substance into sustained-release preparation, high-efficiency polymer with high purity and very little residual catalyst, and target in-vivo A method for producing a biodegradable polymer that facilitates the preparation of the molecular weight of the degradable polymer and free carboxyl groups can be provided.

Claims (14)

カルボキシル基が保護されたヒドロキシモノカルボン酸誘導体またはカルボキシル基が保護されたヒドロキシジカルボン酸誘導体の存在下、環状エステル化合物を重合反応に付し、得られるω端に保護されたカルボキシル基を有するポリマーを脱保護反応に付すことを特徴とするω端に遊離のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーの製造方法。A polymer having a protected carboxyl group at the ω end is obtained by subjecting a cyclic ester compound to a polymerization reaction in the presence of a hydroxymonocarboxylic acid derivative with a protected carboxyl group or a hydroxydicarboxylic acid derivative with a protected carboxyl group. A method for producing a biodegradable polymer having a free carboxyl group at the ω end, which is subjected to a deprotection reaction. カルボキシル基が保護されたヒドロキシモノカルボン酸誘導体が、カルボキシル基が保護されたグリコール酸、カルボキシル基が保護されたL−乳酸、カルボキシル基が保護されたD−乳酸またはカルボキシル基が保護されたDL−乳酸である請求項1記載の製造方法。Hydroxy monocarboxylic acid derivatives with protected carboxyl groups are glycolic acid with protected carboxyl groups, L-lactic acid with protected carboxyl groups, D-lactic acid with protected carboxyl groups or DL- with protected carboxyl groups The method according to claim 1, which is lactic acid. カルボキシル基が保護されたヒドロキシモノカルボン酸の保護基がtert-ブチル基またはベンジル基である請求項1記載の製造方法。The process according to claim 1, wherein the protective group of the hydroxymonocarboxylic acid in which the carboxyl group is protected is a tert-butyl group or a benzyl group. カルボキシル基が保護されたヒドロキシジカルボン酸誘導体がタルトロン酸ジベンジルまたは2-ヒドロキシエチルマロン酸ジtert-ブチルである請求項1記載の製造方法。The production method according to claim 1, wherein the hydroxydicarboxylic acid derivative in which the carboxyl group is protected is dibenzyl tartronate or ditert-butyl 2-hydroxyethylmalonate. 環状エステル化合物が環状モノエステル化合物または環状ジエステル化合物である請求項1記載の製造方法。The production method according to claim 1, wherein the cyclic ester compound is a cyclic monoester compound or a cyclic diester compound. 脱保護反応が酸分解反応である請求項1記載の製造方法。The production method according to claim 1, wherein the deprotection reaction is an acid decomposition reaction. カルボキシル基が保護されたヒドロキシモノカルボン酸誘導体の存在下、環状エステル化合物を重合反応に付し、得られるω端に保護されたカルボキシル基を有するポリマーを脱保護反応に付すことを特徴とするω端に遊離のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーの製造方法。In the presence of a hydroxy monocarboxylic acid derivative in which a carboxyl group is protected, a cyclic ester compound is subjected to a polymerization reaction, and the resulting polymer having a protected carboxyl group at the ω end is subjected to a deprotection reaction. A method for producing a biodegradable polymer having a free carboxyl group at its end. 脱保護反応の後、酸加水分解反応に付すことを特徴とする請求項7記載の製造方法。8. The production method according to claim 7, which is subjected to an acid hydrolysis reaction after the deprotection reaction. 生体内分解性ポリマーが少なくとも約6ヶ月以上にわたり生理活性物質を放出する徐放性製剤に用いられる生体内分解性ポリマーである請求項1または請求項7記載の製造方法。8. The method according to claim 1 or 7, wherein the biodegradable polymer is a biodegradable polymer used in a sustained-release preparation that releases a physiologically active substance for at least about 6 months. 請求項1または請求項7記載の製造方法によって得られる、ω端に遊離のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーであって、当該生体内分解性ポリマーのω残基がモノカルボキシル基の場合、ポリマーの単位質量あたりの末端カルボキシル基量が40〜90μ mol/g であり、当該生体内分解性ポリマーのω残基がジカルボキシル基の場合、ポリマーの単位質量あたりの末端カルボキシル基量が30〜800μ mol/g である生体内分解性ポリマーA biodegradable polymer having a free carboxyl group at the ω end obtained by the production method according to claim 1 or claim 7 , wherein the ω residue of the biodegradable polymer is a monocarboxyl group. When the amount of terminal carboxyl groups per unit mass of the polymer is 40 to 90 μmol / g and the ω residue of the biodegradable polymer is a dicarboxyl group, the amount of terminal carboxyl groups per unit mass of the polymer is 30 to Biodegradable polymer that is 800 μmol / g . ω端がモノカルボキシル基であるポリDL−乳酸で、重量平均分子量が20,000〜50,000で、かつポリマーの単位質量あたりの遊離カルボキシル基量が50〜90μPoly DL-lactic acid having a monocarboxyl group at the ω end, a weight average molecular weight of 20,000 to 50,000, and a free carboxyl group amount per unit mass of the polymer of 50 to 90 μm mol/gmol / g である請求項10記載の生体内分解性ポリマー。The biodegradable polymer according to claim 10. 請求項10記載の生体内分解性ポリマーを含有してなる徐放性製剤。A sustained-release preparation comprising the biodegradable polymer according to claim 10. さらに生理活性物質を含有してなる請求項1記載の徐放性製剤。Claim 1 2 The sustained-release preparation, further comprising a physiologically active substance. 生理活性物質がLH−RH誘導体またはその塩である請求項1記載の徐放性製剤。Sustained-release preparation according to claim 1 3, wherein the physiologically active substance is a LH-RH derivative or a salt thereof.
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