JP3714200B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、全方位等の広い範囲を撮像することができる撮像装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
全天(全方位)等の広い範囲を撮像するために、様々な撮像装置の構成が提案されている。
【0003】
全方位の撮像を行う方法としては、例えば以下に示す方法がある。
(1)複数のカメラを仮想球面から放射状に配置して撮像する。
(2)カメラを軸の周囲に回転させて撮像する。
(3)双曲面により構成される凸面鏡から成る反射鏡に対して、双曲面の第2の焦点にカメラを配置して反射鏡に映った像をカメラで撮像する。
(4)平面鏡を正多角錐型に配置して構成される反射鏡の各面に対向してそれぞれカメラを配置して、反射鏡の各面に映った像を撮像して合成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した方法では、それぞれ以下のような問題があった。
まず、(1)の複数のカメラを仮想球面の中心から放射状になるように配置する方法では、撮像装置が大きくなってしまい場所を占有してしまうため、撮像位置が仮想球面の中心から離れてしまう。
このため、各カメラの撮像位置が離れることから、各カメラで撮像した画像にパララックス(視差)を生じてしまい、各カメラで撮像した画像を合成する場合に複雑な操作を必要とするという問題があった。
【0005】
次に、(2)のカメラを回転する方法では、回転にある程度の時間を要するため、動きのある被写体を撮影することが困難になる。
【0006】
また、(3)の双曲面から成る反射鏡の第2の焦点にカメラを配置する方法では、全天(全方位)の撮像を行うことができるが、カメラが1つしか配置できないため、解像度を上げるのに限界があった。即ち全天を高い解像度で撮像することができなかった。
【0007】
さらに、(4)の正多角錐型に平面鏡を配置して複数のカメラで反射した像を撮像する方法では、平面鏡により反射させるため、画角が90°以下となるので、全天を撮像するには充分ではなかった。
【0008】
上述した問題の解決のために、本発明においては、全方位等の広い視野範囲を高い解像度で撮像することができ、かつ動きのある被写体も撮像することができる撮像装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、中心軸の周囲に鏡面が配置され、この鏡面が中心軸の一方の側に広がって開口部を有する反射鏡と、反射鏡の外面及び反射鏡の外面を開口部側に延長した面の内部に設けられた第1の撮像部と、反射鏡の鏡面に対向し、かつ反射鏡の中心軸上に中心点を有する同一円周上に、第1の焦点距離を有する第1のカメラと、この第1の焦点距離より長い第2の焦点距離を有する第2のカメラとが交互に複数配置された第2の撮像部とを有するものである。
【0010】
上述の本発明の撮像装置の構成によれば、第1の撮像部により反射鏡の内部から開口部側の方向の撮像を行うことができる。
また、第2の撮像部により反射鏡の鏡面に対向したカメラで反射鏡に映った像を撮像することができ、反射鏡に映る広い領域の撮像を行うことができる。
さらに、第2の撮像部の複数のカメラは反射鏡の中心軸上に中心点を有する同一円周上に配置されていることにより、反射鏡に映った像をパララックス(視差)によるずれを生じないで撮像することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、中心軸の周囲に鏡面が配置され、この鏡面が中心軸の一方の側に広がって開口部を有する反射鏡と、反射鏡の外面及び反射鏡の外面を開口部側に延長した面の内部に設けられた第1の撮像部と、反射鏡の鏡面に対向し、かつ反射鏡の中心軸上に中心点を有する同一円周上に、第1の焦点距離を有する第1のカメラと、この第1の焦点距離より長い第2の焦点距離を有する第2のカメラとが交互に複数配置された第2の撮像部とを有する撮像装置である。
【0012】
また本発明は、上記撮像装置において、第1の撮像部が1つの魚眼レンズを有してなり、この魚眼レンズの撮像中心が反射鏡の中心軸上にある構成とする。
【0013】
また本発明は、上記撮像装置において、反射鏡が双曲面形又は放物面形である構成とする。
【0015】
また本発明は、上記撮像装置において、反射鏡が平面鏡を正多角錐型に配置した構成とする。
【0016】
また本発明は、上記撮像装置において、第1の撮像部及び第2の撮像部によりそれぞれ撮像された映像の信号を合成する信号合成手段を有する構成とする。
また本発明は、上記撮像装置において、さらに、信号合成手段が、複数の第1のカメラの映像信号を合成処理する第1の信号処理部と、複数の第2のカメラの映像信号を合成処理する第2の信号処理部とを備え、第1の撮像部により撮像された映像信号、第1の信号処理部で合成処理された映像信号、及び第2の信号処理部で合成処理された映像信号を合成する構成とする。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態として、撮像装置の概略構成図(側面図)を示す。
この撮像装置1は、放物面で構成された凸面鏡から成る反射鏡2と、第1の撮像部11と、第2の撮像部12とを有して構成されている。
【0018】
反射鏡2は、放物面の中心軸を鉛直方向として、上方に開口部を有するように配置されている。そして、反射鏡2の表面は光を反射するように構成される。
【0019】
第1の撮像部11は、反射鏡2の外面及び反射鏡2の外面を延長した面内であり、かつ反射鏡2の中心軸上である位置に設けられた魚眼レンズ(広角レンズ)3を有するカメラにより構成されている。
この魚眼レンズ3を有するカメラの撮像画角βは、例えば120°程度の広い角度とする。
【0020】
第2の撮像部12は、基体6上の複数のカメラ4により構成する。
この複数のカメラ4は、後述するように、基体6の上面の同一円周上に等間隔に配置される。
【0021】
第1の撮像部11及び第2の撮像部12のカメラには、図示しないが撮像素子を有する。例えばCCD固体撮像素子等の固体撮像素子を備えて構成する。
尚、図1中5は、反射鏡2を支持する柱であるが、その内部には魚眼レンズ3で撮像した信号を破線で示す反射鏡内の第1の撮像部11の柱状の部分を通じて基体6側に送る信号線等が設けられる。
【0022】
また、図1の撮像装置1における平面配置を示すために、図1の撮像装置1を上方から透視した平面図を図2に示す。
第2の撮像部12は、基体6の上面において反射鏡2の中心軸上に中心点を有する同一円周上に等間隔に配置された8個のカメラ4により構成されている。
これら8個のカメラ4は、その撮像方向が鉛直方向即ち反射鏡2の中心軸方向と一致する方向となるように配置されている。
【0023】
これらのカメラ4は、反射鏡2に反射した像を撮像する構成とされることにより、それぞれ図2中矢印で示す撮像方向を分担して撮像することになる。
【0024】
第1の撮像部11の魚眼レンズ3の撮像中心は、反射鏡2の中心軸上にある。第2の撮像部12のカメラ4(4A,4B)は、もし反射鏡2がないとした場合に反射鏡2の内部の中心軸上にある点(放物面や双曲面の焦点)に撮像中心が配置された状態と同じ像が得られる。このため、第2の撮像部12のカメラ4(4A,4B)の撮像中心は、反射鏡2の中心軸上にあるとも言える。
このように、第1の撮像部11の撮像中心と、第2の撮像部12の撮像中心とがいずれも反射鏡2の中心軸上にあることから、これらを非常に近くすることができる。
従って、撮像画像のパララックス(視差)を極めて小さくすることができる。
【0025】
さらに、本実施の形態においては、第2の撮像部12の8個のカメラ4を、焦点位置の異なる2種類のカメラ4A及び4Bにより構成し、交互に焦点位置の近いカメラ4Aと焦点位置の遠いカメラ4Bとを配置している。即ち図2の上下左右方向に焦点位置の近いカメラ4Aを配置し、斜め方向に焦点位置の遠いカメラ4Bを配置している。
【0026】
このように構成することにより、焦点位置の近いカメラ4Aで反射鏡2の中心部付近に映った像を撮像し、焦点位置の遠いカメラ4Bで反射鏡2の周辺部に映った像を撮像することができる。
【0027】
上述したように第2の撮像部12の8個のカメラ4(4A,4B)による撮像中心は反射鏡2の中心軸上にある。即ち撮像中心は、8個のカメラ4について一致する。
しかしながら、反射鏡2が放物面であるために、反射鏡2の放物面に映し出される反射像に対応する虚像の位置は、反射鏡2において反射する位置によって異なってくる。
このため、虚像の位置により被写体−反射鏡−カメラの距離が異なってくるため、反射鏡2において反射する位置により被写体からカメラまでの距離が異なってくる。
【0028】
このことに対応して、カメラ4に被写界深度が深いレンズを採用すれば、像のボケは発生しない。
しかしながら、特にカメラ4の撮像位置と反射像の位置が近い場合は、被写界深度を深くすることが難しくなってしまう。これは、例えば接写レンズを用いる等、被写界深度を深くすると、撮像された像の明るさが暗くなるからである。
【0029】
本実施の形態では、前述したように第2の撮像部12の8個のカメラ4を、焦点位置の異なる2種類のカメラ4A及び4Bにより構成し、交互に焦点位置の近いカメラ4Aと焦点位置の遠いカメラ4Bとを配置しているため、ピントの合った鮮明な画像が得られ、像の明るさも充分に得られる。
【0030】
さらに、第2の撮像部12のカメラ4(4A,4B)は、画角を狭く(例えば30°以下)設定し、望ましくは0°の画角であるテレセントリックな光学系を構成させる。
このときの光学中心は、反射鏡2の放物面の焦点位置となり、8個のカメラ4(4A,4B)で撮像された像を合成すると、あたかも反射鏡2の放物面の焦点より眺めたような画像が得られる。
そして、反射鏡2の放物面に映し出された虚像の大きさ即ち画角αが120°程度となり、広い範囲の画像が得られるため、ほとんど死角が少ない画像が得られる。
【0031】
尚、反射鏡2には、放物面の代わりに双曲面から構成された凸面鏡を使用してもよく、図1及び図2と同様の第1の撮像部11及び第2の撮像部12を有する撮像装置1を構成することができる。
【0032】
この反射鏡2を双曲面とした場合にも、8個のカメラ4の撮像中心の位置がいずれも第2の焦点(従来の1個のカメラを設ける場合には第2の焦点にカメラ配置される)にないため、虚像の位置が異なってくる。
従って、反射鏡2を放物面とした場合と同様に、第2の撮像部12の8個のカメラ4を、焦点位置の異なる2種類のカメラ4A及び4Bにより構成し、交互に焦点位置の近いカメラ4Aと焦点位置の遠いカメラ4Bとを配置することが望ましい。
【0033】
各撮像部11,12により撮像された画像は、後段に画像処理と信号を合成する信号合成部を設けて、この信号合成部において信号処理を行うことによって、全方位等の広い範囲の画像に合成することができる。
【0034】
図1の撮像装置1における撮像信号の合成処理を行うための構成の一形態のブロック図を図3に示す。
魚眼レンズ3を備えた第1の撮像部11のカメラと、第2の撮像部の8個のカメラ4A,4Bには、それぞれCCD固体撮像素子のような撮像素子7が設けられている。この撮像素子7によりそれぞれのカメラに入射する像を撮像することができる。
【0035】
また、撮像素子7のそれぞれに、同期信号を供給して、トリガーを合わせることにより信号合成部8で同時刻に撮像された映像の信号を合成することが可能なようにすれば、動きのある被写体の映像を時刻を合わせて合成することが可能になる。
【0036】
撮像素子7により撮像して得られた映像信号は、後段の鎖線で示す信号合成部8に送られる。この信号合成部8は、例えば図1の基体6内や撮像装置1の外部に設けられる。
【0037】
信号合成部8には、魚眼レンズ3により撮像された第1の撮像部11の映像信号を処理する信号処理部101と、第2の撮像部12のうち焦点位置の近い4個のカメラ4Aの映像信号を合成処理する信号処理部102Aと、第2の撮像部12のうち焦点位置の遠い4個のカメラ4Bの映像信号を合成処理する信号処理部102Bとをそれぞれ有する。
さらに、信号合成部8には、これら信号処理部101,102A,102Bで処理して得られた信号を合成する合成処理部103を有する。
【0038】
信号合成部8の後段には、例えば合成した信号を記録又は蓄積する記録/蓄積部104が設けられる。さらに記録/蓄積部104に記録又は蓄積された信号をモニタ9に表示するために表示処理部105が設けられる。
【0039】
このような構成とすることにより、それぞれの撮像部11,12で撮像して得られた信号を、信号合成部8内で合成して、合成した信号を記録/蓄積部104に記録又は蓄積し、さらに必要に応じてモニタ9に表示することができる。
【0040】
尚、各撮像部11,12で撮像して得られた信号を合成処理するための構成は、図3に示した構成には限定されず、その他の構成を採ることもできる。
【0041】
上述の本実施の形態の撮像装置1によれば、第2の撮像部12では、放物面(双曲面でも同様)で構成された凸面鏡から成る反射鏡2に映った像を撮像することにより、撮像画角αを例えば120°程度と大きくすることができる。
これにより、反射鏡2の大きさを小さくしても、広い範囲を撮像することが可能になる。
従って、反射鏡2やカメラ4を小さく構成して撮像装置1の小型化を図ることができる。例えば撮像部11,12を40mm以下にすることも可能になる。
【0042】
また、第1の撮像部11では、魚眼レンズ(広角レンズ)3を備えたカメラにより上方を撮像することにより、例えば120°程度の大きい撮像画角βで広い範囲を撮像することができる。
従って、第1の撮像部11で撮像した映像と、第2の撮像部12の8個のカメラ4(4A,4B)で撮像した映像を合成して、非常に広い視野の映像を得ることができる。
【0043】
また、第2の撮像部12では、8個のカメラ4は、それぞれ4つのカメラで撮像方向を4つの方向にして撮像領域を分担しているカメラ群4A及び4Bを有するため、それぞれのカメラ4A,4Bにより高い解像度で撮像を行うことにより、広い領域を高い解像度で撮像することが可能になる。
【0044】
さらに、第1の撮像部11及び第2の撮像部12の各カメラに設けた撮像素子7にそれぞれ同期信号を供給することにより、動きのある被写体の映像を広い視野で撮像すると共に時間経過に沿って合成することができる。
【0045】
また、第1の撮像部11の撮像中心と、第2の撮像部12の撮像中心がいずれも反射鏡2の中心軸上にあり、非常に近くすることができるため、撮像画像のパララックス(視差)を極めて小さくすることができる。
これにより、各カメラにより撮像した画像の合成が容易にできる。
【0046】
尚、本実施の形態の撮像装置1を、3CCDカメラやHDTVカメラや、可視光外(赤外線又は紫外線)領域用のカメラ等の大型で重量の大きいカメラ部を有する撮像装置に適用した場合には、基体6の部分が大型化するが、第1の撮像部11及び第2の撮像部12は図1及び図2の構成とすることにより小型化することができるため、撮像部(観測位置)が極めて小さく構成できる。
【0047】
さらに、本発明の他の実施の形態として、撮像装置の概略構成図を図4A及び図4Bに示す。図4Aは撮像装置の斜視図であり、図4Bは撮像装置の側面図である。
図4Aに示すように、本実施の形態の撮像装置21では、先の実施の形態の撮像装置1の曲面から成る反射鏡2の代わりに、正多角錐型即ち正多角錐の一部となるように平面鏡が配置された反射鏡22を用いて構成されている。
具体的には、第2の撮像部12が先の実施の形態と同様に同一円周上に配置された8個のカメラ4により構成され、これに対応して正八角錐型即ち正八角錐の一部となるように平面鏡が8枚配置されて反射鏡22を構成している。
この反射鏡22も、鏡面が上方に広がるように配置されて上方に開口部を有している。
【0048】
第1の撮像部11は、先の実施の形態と同様に、反射鏡22の中心軸上に撮像中心を有する魚眼レンズ(広角レンズ)により構成され、反射鏡22の上方の開口部側を撮像するように構成されている。
【0049】
第2の撮像部12は、先の実施の形態と同様に反射鏡22の中心軸上に中心点を有する同一円周上に配置された8個のカメラ4により構成されている。これら8個のカメラ4は、その撮像方向が鉛直方向即ち反射鏡22の中心軸方向と一致する方向となるように配置されている。
また、本実施の形態においても、第2の撮像部12の撮像中心は、反射鏡22の中心軸上にある。
尚、本実施の形態では、特に反射鏡22が8枚の平面鏡からなるため、各カメラ4が反射鏡22の各平面鏡の中心線に対向するように配置されている。
【0050】
そして、反射鏡22の鏡面が平面であるため、虚像の位置は、鏡面に対してカメラ4と対称な位置になる。
また、8個のカメラ4が反射鏡22の中心軸上に中心点を有する同一円周上に配置され、撮像方向が反射鏡22の中心軸方向と一致する方向である(平行である)ことにより、8個のカメラに対する虚像の位置が反射鏡22の中心軸上の一点に一致する。
【0051】
さらに、本実施の形態では、先の実施の形態とは異なり、8個のカメラ4の焦点位置を同一とする。
これは、上述のように8個のカメラに対する虚像の位置が一点に一致し、被写体−反射鏡22−カメラ4の光路の距離が、反射鏡22内での反射位置に影響されなくなるため、焦点位置を変える必要がなくなるためである。
【0052】
その他の構成は、先の実施の形態の撮像装置1と同様であるため、重複説明を省略する。
【0053】
この場合は、正八角錘型の反射鏡22を用いていることにより、第2の撮像部12のカメラ4による画角γが90°未満となり、図1の撮像装置1の画角αより小さくなる。
しかしながら、上方を撮像する画角βの広い魚眼レンズ3により構成される第1の撮像部11を有していることにより、第2の撮像部12と合わせて広い範囲の撮像を行うことが可能になる。
【0054】
本実施の形態の撮像装置21によれば、先の実施の形態の撮像装置1と同様に、第1の撮像部11で撮像した映像と、第2の撮像部12の8個のカメラ4で撮像した映像を合成して、非常に広い視野の映像を得ることができる。
【0055】
また、第2の撮像部12では、8個のカメラ4で撮像方向を8つの方向として撮像領域を分担しているため、それぞれのカメラ4により高い解像度で撮像を行うことにより、広い領域を高い解像度で撮像することが可能になる。
【0056】
さらに、第1の撮像部11及び第2の撮像部12にそれぞれ同期信号を供給することにより、動きのある被写体の映像を広い視野で撮像すると共に時間経過に沿って合成することができる。
【0057】
また、第1の撮像部11の撮像中心と、第2の撮像部12の撮像中心がいずれも反射鏡22の中心軸上にあり、これらを非常に近くすることができるため、撮像画像のパララックス(視差)を極めて小さくすることができる。
これにより、各カメラにより撮像した画像の合成が容易にできる。
【0058】
上述の各実施の形態では、第1の撮像部11を魚眼レンズ3により構成しているが、第1の撮像部11をその他の構成としてもよい。
例えば複数の小さいカメラを放射状に配置して反射鏡の上方の領域を分担して撮像する構成を採ることも可能である。
【0059】
また、上述の各実施の形態では、反射鏡2,22の中心軸を鉛直方向としているが、撮像装置の用途によっては、反射鏡の中心軸を水平方向やその他の方向としてもよい。その場合も、第1の撮像部で反射鏡の開口部側を撮像し、第2の撮像部で反射鏡に映った像を撮像するように構成する。
【0060】
さらに、上述の各実施の形態では、魚眼レンズ(広角レンズ)3が反射鏡2,22の開口面より外に配置されているが、反射鏡の開口面より内側に第1の撮像部のレンズ等を設けてもよい。特に図1のように第2の撮像部12による撮像範囲が広い場合には、第1の撮像部11が開口面より内側であっても全体として広い撮像範囲をカバーすることができる。
いずれの場合も、第1の撮像部は、反射鏡の外面及びこの反射鏡の外面を開口部側に延長した面の内部に設けられる。
【0061】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0062】
【発明の効果】
上述の本発明によれば、第1の撮像部と第2の撮像部により、合わせて広い視野の撮像を行うことができる。
また、第2の撮像部では複数のカメラで撮像領域を分担して撮像することになり、各カメラで高い解像度で撮像することにより、広い範囲を高い解像度で撮像することが可能になる。
【0063】
さらに、本発明によれば、第1の撮像部及び第2の撮像部にそれぞれ同期信号を供給することにより、動きのある被写体の映像を広い視野で撮像すると共に時間経過に沿って合成することが可能になる。
また、第2の撮像部12の複数のカメラの撮像中心が反射鏡の中心軸上になり、これらを非常に近くすることができるため、撮像画像のパララックス(視差)を極めて小さくすることができる。
従って、容易に信号を合成して全天(全方位)等の広い範囲の画像信号を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の撮像装置の概略構成図(側面図)である。
【図2】図1の撮像装置を上方から透視した平面図である。
【図3】図1の撮像装置における撮像信号の合成処理を行うための構成の一形態を示すブロック図である。
【図4】A 本発明の他の実施の形態の撮像装置の概略構成図(斜視図)である。
B 図4Aの撮像装置の側面図である。
【符号の説明】
1,21 撮像装置、2,22 反射鏡、3 魚眼レンズ、4,4A,4B カメラ、7 撮像素子、8 信号合成部、9 モニタ、11 第1の撮像部、12第2の撮像部
Claims (6)
- 中心軸の周囲に鏡面が配置され、該鏡面が中心軸の一方の側に広がって開口部を有する反射鏡と、
上記反射鏡の外面及び該反射鏡の外面を上記開口部側に延長した面の内部に設けられた第1の撮像部と、
上記反射鏡の鏡面に対向し、かつ上記中心軸上に中心点を有する同一円周上に、第1の焦点距離を有する第1のカメラと、該第1の焦点距離より長い第2の焦点距離を有する第2のカメラとが交互に複数配置された第2の撮像部とを有する
ことを特徴とする撮像装置。 - 上記第1の撮像部が1つの魚眼レンズを有してなり、該魚眼レンズの撮像中心が上記反射鏡の中心軸上にあることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 上記反射鏡が双曲面形又は放物面形であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 上記反射鏡が平面鏡を正多角錐型に配置して成ることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 上記第1の撮像部及び上記第2の撮像部によりそれぞれ撮像された映像の信号を合成する信号合成手段を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 上記信号合成手段は、複数の上記第1のカメラの映像信号を合成処理する第1の信号処理部と、複数の上記第2のカメラの映像信号を合成処理する第2の信号処理部とを備え、上記第1の撮像部により撮像された映像信号、上記第1の信号処理部で合成処理された映像信号、及び上記第2の信号処理部で合成処理された映像信号を合成することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
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