JP3702104B2 - 制汗剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、制汗剤組成物、特に制汗効果や安全性に優れ、テカリやつっぱり感のない制汗剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
制汗、デオドラント剤は何れも体臭の防止を目的とする外用剤であり、その主成分として制汗剤が配合される。従来より、皮膚からの発汗を抑える制汗剤として、アルミニウムヒドロキシクロライド(AHC)や、塩化アルミニウム、塩化アルミニウム・ジルコニウム複合体等のアルミニウム化合物が用いられてきた。これらの制汗剤は、皮膚に適用後、皮膚を収斂させること、あるいはこれらの化合物が汗腺の中で水酸化物のゲルを作ることによって制汗作用を発現すると言われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の制汗剤の配合により、通常の発汗量の3割程度は抑えられるが、皮膚上に流れるような汗までを止めることは困難であった。また、上記のような積極的な薬効を有する制汗剤を大量に使用することは、余り好ましいことではない。
また、制汗剤組成物においては、皮膚に塗布した時のテカリやつっぱり感がないことも重要である。
【0004】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するために為されたものであり、その目的は、このような従来の制汗剤を配合せずとも、皮膚上に流れ出るほどの汗を抑えることができ、しかも皮膚に塗布したときにはテカリやつっぱり感がない制汗剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等が上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、非水溶性高分子被膜剤としてシリコーン化多糖化合物、これを溶解する揮発性低分子量シリコーンからなる組成物が、アルミニウム化合物等の従来の制汗剤を配合した組成物に比べて優れた制汗効果を発揮することが判明した。さらに、この非水溶性高分子被膜剤を配合した組成物は塗布時にてかり(光沢)があり、また、高い効果を得ようとして塗布量を多くするとつっぱり感を生じることがあったが、この組成物に球状粉末を配合すると、制汗効果が著しく向上し、これにより少ない塗布量でも高い制汗作用が得られ、つっぱり感を低減できることが明らかとなった。また、球状粉末の配合により、テカリもなく塗布部の見た目も自然な仕上がりになることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発にかかる制汗剤組成物は、非水溶性高分子被膜剤として下記一般式(I)で示されるシリコーン化多糖化合物、これを溶解する揮発性低分子量シリコーン、及び球状粉末を含有し、前記シリコーン化多糖化合物が組成物中15〜50重量%であり、球状粉末とシリコーン化多糖化合物の配合割合が1:15〜4:1であることを特徴とする。
【0007】
【化3】
一般式(I):
【0008】
(一般式(I)中、Gluは多糖化合物の糖残基、Pはカルバモイル基、−CH 2 CH(OH)−、カルボニル基、アミノ基及びエーテル基から選ばれる2価の結合基、Qは主鎖中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子、フェニレン基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を有することができ、また、ヒドロキシ基、アルコキシ基及びアルキル基から選ばれる置換基を有することができる総炭素数2〜8の2価アルキレン基を意味する。R1は炭素数1〜8の1価有機基、R2、R3、R4はそれぞれ炭素数1〜8の1価有機基又は−OSiR5R6R7で示されるシロキシ基を意味する。ただし、R5、R6、R7はそれぞれ炭素数1〜8の1価有機基であり、aは0、1又は2、bは正の整数を意味する。なお、炭素数1〜8の1価有機基とは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基及びフッ化アルキル基から選ばれる炭素数1〜8の基を意味する。)
また、本発明において、非水溶性高分子被膜剤が下記一般式(II)で示されるシリコーン化プルランであることが好適である。
【0009】
【化4】
一般式(II):
【0010】
(一般式(II)中、Bは水素原子または−CONH(CH2)3Si[OSi(CH3)3]で示される基であり、その置換度は0.1〜2.0、cは100〜20,000の数である。)
【0011】
また、本発明において、球状粉末が球状ポリシロキサン樹脂粉末及び/又は球状シロキサンエラストマーであることが好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の制汗剤組成物は、有効成分すなわち制汗剤として非水溶性高分子被膜剤であるシリコーン化多糖化合物を配合することを一つの特徴とする。
非水溶性高分子被膜剤としては、形成される被膜が非水溶性でべたつきや粘着性がなく、且つ人体に接触させた際の安全性に優れる高分子被膜剤、例えばニトロセルロース等の有機溶剤溶解性高分子被膜剤;エチルセルロース(EC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、セラック等のアルコール溶解性高分子被膜剤;MQレジン、MDQレジン等のシリコーン樹脂やシリコーン化プルラン等のシリコーン化多糖化合物などの揮発性シリコーン溶解性高分子被膜剤などを挙げることができるが、使用する揮発性溶剤の点で、揮発性シリコーン溶解性高分子被膜形成剤が好適である。揮発性シリコーンは、エタノール等の低級アルコールやその他の揮発性有機溶剤に比べて、安全性や使用感の点で非常に優れている。そして、かかる揮発性シリコーン溶解性高分子被膜剤の中でも、制汗効果の点でシリコーン化多糖化合物が好ましい。
【0013】
以下、シリコーン化多糖化合物について説明する。
本発明にかかるシリコーン化多糖化合物は、前記一般式(I)で表される。一般式(I)において、Gluは多糖化合物の糖残基を表すが、このような多糖化合物としては、公知の各種多糖化合物を用いることができ、例えば、セルロース、ヘミセルロース、アラビアガム、トラガントガム、タマリンドガム、ペクチン、デンプン、マンナン、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシードガム、アルギン酸、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、デキストラン、プルラン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸の他、これら多糖化合物の誘導体、例えば、カルボキシメチル化、硫酸化、リン酸化、メチル化、エチル化、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの付加、アシル化、カチオン化、低分子量化等を行った多糖化合物誘導体が挙げられる。これらの内、特に好ましくはプルランである。なお、本発明において多糖化合物の平均分子量は多糖化合物の種類により異なるが、プルランの場合、原料プルランの分子量は約5万〜1000万が好適である。
【0014】
これらの多糖化合物はその種類に応じて水酸基、カルボキシル基等の反応性官能基の1種又は2種以上を少なくとも1つ以上含有している。Pで示される2価結合基は、この多糖化合物の有する反応性官能基と、下記一般式(III)で示されるシリコーン化合物とを反応させることにより形成されるA由来の結合基である。
【0015】
【化5】
一般式(III):
【0016】
一般式(III)中、Q、R1、R2、R3、R4及びaは前記一般式(I)と同じである。また、Aは多糖化合物の反応性官能基と反応しうる官能基であり、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、イミノ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられる。
なお、このようなシリコーン化合物と多糖化合物との反応には、公知の方法、例えば特開平8−134103号公報に記載の方法を用いることができる。
【0017】
Pを例示すると、カルバモイル基、−CH2CH(OH)−、カルボニル基、アミノ基、エーテル基等が挙げられるが、反応性の点から、Aがイソシアネート基(O=C=N−)である前記一般式(III)の化合物と、多糖化合物の水酸基とが反応して形成されるカルバモイル基(−CONH−)が好ましい。なお、この場合の多糖化合物の糖残基は、イソシアネート基と反応している水酸基の水素原子を除いた多糖化合物の残り部分を意味する。また、その他の反応の場合にも、多糖化合物の糖残基とはこれに準ずるものを意味する。
【0018】
Qで示される2価の脂肪族基としては、アルキレン基、主鎖中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有するアルキレン基、主鎖中にフェニレン基等のアリーレン基を有するアルキレン基、主鎖中にカルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を有するアルキレン基を挙げることができる。これらの2価脂肪族基はヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキル基等の置換基を有することができ、また、脂肪族基の末端原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子であってもよい。Qを例示すると、−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)6−、−(CH2)8−、−[CH2CH(CH3)]−、−(CH2)2O(CH2)3−、−CH2CH(OH)−CH2−等が挙げられるが、好ましくは−(CH2)3−で示されるプロピレン基である。
【0019】
前記一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7に見られる炭素数1〜8の1価有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、3,3,3-トルフロロプロピル基等のフッ化アルキル基等を例示することができる。このような有機基として好ましいものはアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
【0020】
また、R2、R3、R4はそれぞれ−OSiR5R6R7で示されるシロキシ基であってもよい。このようなシロキシ基としては、トリメチルシロキシ基、エチルジメチルシロキシ基、フェニルジメチルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、3,3,3-トリフルオロプロピルジメチルシロキシ基等が例示される。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は同一又は異なっていても良い。本発明のシリコーン化多糖化合物においては、a=0で、R2、R3、及びR4がメチル基であることが好ましい。
【0021】
本発明において、特に好ましいシリコーン化多糖化合物は前記一般式(II)で示されるシリコーン化プルランである。シリコーン化プルランは水溶性多糖の1種であるプルランを原料として製造される。プルランは、Aureobasidium pullulansによって生合成される水溶性の菌体外多糖であり、D−グルコピラノースからなる中性の線状グルカンである。
【0022】
シリコーン化プルランの置換度は、0.1〜2.0、好ましくは1.5〜1.9である。なお、本発明において、シリコーン化多糖化合物の置換度は多糖化合物の構成糖1単位当たりのシリコーン化合物の平均結合数を意味する。例えば、上記シリコーン化プルランの置換度は、下記一般式(IV)で示されるプルランの基本単位についた置換基−CONH(CH2)3Si[OSi(CH3)3]の平均数を指す。
【0023】
【化6】
一般式(IV):
【0024】
シリコーン化多糖化合物は、揮発性シリコーンに溶解して配合される。揮発性シリコーンとしては、炭素数2〜7の直鎖状ジメチルポリシロキサンや炭素数3〜7の環状ジメチルポリシロキサン等の低分子量シリコーンが好適である。なお、シリコーン化多糖化合物の溶剤として、揮発性シリコーンの代わりに揮発性の軽質イソパラフィンを用いることも可能である。
なお、本発明において非水溶性高分子被膜剤を溶解する揮発性溶剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
【0025】
本発明において用いる球状粉末としては、組成物中において溶解、膨潤することがなく、非水溶性、非油溶性の球状粉末である。
球状粉末としては、ポリシロキサン、ナイロン、ポリエチレン、架橋ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等の合成高分子や、シリカ等の無機粉末が挙げられるが、制汗効果、テカリ防止効果や製剤安定性等の点から、好ましくは球状合成高分子粉末であり、特に好ましくは球状ポリシロキサン樹脂粉末、球状シロキサンエラストマーである。
本発明の球状粉体の平均粒径は、0.5〜12μm、好ましくは1〜5μmのものを用いる。
なお、これらの球状粉末は、シリコーン処理や界面活性剤処理、金属石鹸処理等の疎水化処理されたものを用いることも可能である。
【0026】
本発明の制汗剤組成物は、非水溶性被膜剤としてシリコーン化多糖化合物、揮発性低分子量シリコーン、球状粉末を含有する。これを皮膚に塗布すると、揮発性溶剤が揮発するのに伴い、高分子被膜剤の非水溶性被膜が粉末を包埋しながら強固に形成される。そして、この被膜により、優れた制汗効果が発揮される。従って、従来の収斂作用等を有する制汗成分とはその作用効果が異なるため、組成物の安全性を向上することができる。また、包埋された粉末は、これを配合しない場合に比べて制汗効果を著しく高めるので、少量の塗布量で高い効果を得ることができる。さらに、粉末は皮膚に塗布した際のテカリを抑え、見た目を自然な仕上がりにする。また、該被膜はべたつきや付着性がなく、使用感も良好である。
【0027】
本発明にかかる制汗剤組成物において、非水溶性高分子被膜剤であるシリコーン化多糖化合物の配合量はその形態等により適宜選択することができるが、組成物中15〜50重量%、好ましくは15〜30重量%である。被膜剤の配合量が少なすぎると十分な効果が得られず、多すぎる場合には粘度が高すぎてべたつき、むら付きしたり、つっぱり感を生じることがある。
【0028】
球状粉末の配合量としては、通常組成物中1〜60重量%である。また、球状粉末と高分子被膜剤であるシリコーン化多糖化合物の配合割合が1:15〜4:1、特に1:15〜2:1となるように配合することが好ましい。高分子被膜剤であるシリコーン化多糖化合物に対して球状粉末の配合量が少なすぎる場合には、制汗効果の向上やテカリの抑制が十分でなく、多すぎる場合には使用感が重くなることがある。
【0029】
本発明の制汗剤組成物の形態としては、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、例えばローション、乳液、クリーム、エアゾール、スプレー、ムース、ジェル、軟膏、スティック、ロールオン等適宜選択することができる。なお、粉末は、通常組成物中に均一に分散されるが、使用時に振とうして用いる多層分離系としてもよい。
【0030】
本発明の制汗剤組成物には、本発明の効果を損なわない限り、公知の化粧品原料を配合することができる。例えば、基剤成分として、油分、界面活性剤、保湿剤、低級アルコール、防腐剤、香料、キレート剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ゲル化剤、増粘剤等が挙げられる。なお、低級アルコールを配合することにより、塗布時の清涼感を高めることができる。低級アルコールとしてはエタノールが好ましい。
【0031】
また、本発明の制汗剤組成物は、上記のように非水溶性高分子被膜剤であるシリコーン化多糖化合物を有効成分として配合することで、非常に高い制汗効果と安全性を発揮するものであるが、本発明の効果を損なわない限り、従来から制汗剤組成物に配合されてきた制汗成分、防臭成分の配合を妨げるものではない。例えば、パラフェノールスルホン酸亜鉛、クエン酸、各種アルミニウム化合物等の収斂・制汗剤;トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、ハロカルバン等の抗菌剤;亜鉛華、フラボノイド、クロロフィル等の消臭剤;各種マスキング剤等が挙げられる。
【0032】
以下、具体例を挙げて本発明を説明する。なお、本発明において、配合量は特に指定のない限り重量%で示す。
まず、本発明で用いた試験方法について説明する。
【0033】
制汗試験
パネルに石鹸で2回洗顔させた後、15分間安静にさせた。額の左右半分づつを試料塗布部(A)、及び試料未塗布部(B)とした。塗布部(A)に試料2mg/cm2を塗布し、15〜30分常温で放置して試料中の揮発性溶剤を揮発させた。
無孔性の被膜で被覆されたシリコーン発泡体のヒモ(断面は5mm角)の長さ方向に切り込みをいれ、この切り込みをプラスティックシャーレ(直径4cm)の縁に差し込むようにして接着した。このときプラスティックシャーレの内径は約3.6cmであった。
【0034】
このシャーレに脱脂綿を均一に詰めたものを測定アタッチメントとし、総重量を測定した。このアタッチメントを、脱脂綿を額に接触させて試料塗布部(A)、未塗布部(B)にそれぞれ一つづつヘアバンドで固定した。
温度30℃、湿度50%の恒温室でエアロバイク(コンビ社製)を15分こいだ後、アタッチメントの重量を測定し、運動前後の重量差により発汗量を求め、下記の計算式にて制汗率を計算した。なお、パネルは各群5名とし、それぞれの制汗率の平均値で評価を行った。
【0035】
制汗率(%)={1−(T/C)/(T0/C0)}×100
T0:試料塗布部(A)の試料未塗布状態での発汗量
C0:T0測定時の未塗布部(B)の発汗量
T:試料塗布部(A)の試料塗布状態での発汗量
C:T測定時の未塗布部(B)の発汗量
【0036】
テカリ
試料塗布後のテカリについて、目視判定者5名により採点を行った。採点基準は、テカリなし:5点、ほとんどテカリなし:4点、ややテカリあり:3点、かなりテカリあり:2点、テカリが著しい:1点とした。
【0037】
5名の平均値より、下記の基準に基づいてテカリ抑制効果を評価した。
◎:5〜4.5点
○:4.4〜3.5点
△:3.4〜2.5点
×:2.4〜1.5点
××:1.4〜1点
【0038】
清涼感
塗布時の清涼感について、専門パネル5名により採点を行った。採点基準は、大変清涼感がある:5点、やや清涼感がある:4点、どちらとも言えない:3点、やや清涼感が足りない:2点、全く清涼感がない:1点とした。
【0039】
5名の評点の平均値より、下記の基準に基づいて清涼感を評価した。
下記の通り。
◎:5〜4.5点
○:4.4〜3.5点
△:3.4〜2.5点
×:2.4〜1.5点
××:1.4〜1点
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示すように、制汗剤がアルミニウムクロロハイドレート(ACH)である場合(試料8)、3割程度の制汗効果はあるものの、十分ではない。水溶性高分子被膜剤の場合(試料6〜7)には、制汗効果がほとんどない。
これに対して、非水溶性の高分子被膜剤の場合(試料1〜5)には、ACHに比べても制汗効果に優れていることが理解される。
そこで、非水溶性高分子被膜剤について、さらに検討を行った。なお、以下において特に記載のない場合には、用いた粉末の平均粒子径は約5μmである。
【0042】
【表2】
【0043】
(製法)
シリコーン化プルランをオクタメチルシクロテトラシロキサンに溶解し、粉末を添加して、ディスパーで混合、分散させた後、減圧脱気を行って、ローションタイプの制汗剤組成物を得た。
【0044】
表2のように、シリコーン化プルラン単独の場合には、制汗効果は優れるが、塗布した部位にテカりを生じることがある。
これに対し、シリコーン化プルランとともに粉末を配合すると制汗効果が著しく向上するとともに、テカリを抑制することができた。そして、このような効果は、球状粉末を配合した場合に顕著に発揮されることが明らかとなった。なお、粉末単独の場合には、制汗効果は得られなかった。
次に、シリコーン化多糖化合物と粉末の配合量について検討を行った。
【0045】
【表3】
【0046】
表3からわかるように、シリコーン化プルランに対して球状粉末の配合量が少なすぎると、制汗効果の向上やテカリの抑制が不十分であった。一方、球状粉末が多すぎる場合には使用感が重くなるので、球状粉末とシリコーン化プルランの割合は1:15〜4:1、特に1:15〜2:1であることが好ましい。
【0047】
【表4】
【0048】
表4からわかるように、シリコーン化プルランの配合量が多くなるに伴い、制汗効果は高くなった。ただし、シリコーン化プルランが多くなるとベタツキや、つっぱり感を生じることがあるので、その配合量は15〜50重量%、好ましくは15〜30重量%である。
【0049】
【表5】
【0050】
表5は、球状ポリシロキサン樹脂粉末の平均粒子径を変化させて試験を行った結果である。これより、粒子径が小さすぎても大きすぎてもテカリ防止効果が十分に発揮されず、0.5〜12.0μm、特に1.0〜5.0μmの範囲が好ましいことが理解される。
【0051】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 エアゾール
【0052】
【表6】
【0053】
(製法)
シリコーン化プルランをオクタメチルシクロテトラシロキサンの一部に溶解し、粉末及びオクタメチルシクロテトラシロキサンの残部を添加し、ディスパーで混合、分散した。エタノールを加えてさらに混合し、減圧脱気して原液を調製した。
原液50gをエアゾール容器に注入し、バルブを装着後、LPG50gを充填してエアゾールタイプの制汗剤組成物を得た。
【0054】
表6のように、本発明の制汗剤組成物をエアゾールタイプとした場合にも、優れた制汗効果、テカリ防止効果が発揮される。なお、本発明の制汗剤組成物にエタノールを配合すると、これらの効果を損なうことなく清涼感を付与し、使用感を高めることができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、非水溶性高分子被膜剤としてシリコーン化多糖化合物、これを溶解する揮発性低分子量シリコーン、及び球状粉末を配合することにより、制汗効果や安全性に優れ、塗布時のテカリやつっぱり感のない制汗剤組成物を得ることができる。
Claims (3)
- 非水溶性高分子被膜剤として下記一般式(I)で示されるシリコーン化多糖化合物、これを溶解する揮発性低分子量シリコーン、及び球状粉末を含有し、前記シリコーン化多糖化合物が組成物中15〜50重量%であり、球状粉末とシリコーン化多糖化合物の配合割合が1:15〜4:1であることを特徴とする制汗剤組成物。
【化1】
一般式(I):
(一般式(I)中、Gluは多糖化合物の糖残基、Pはカルバモイル基、−CH 2 CH(OH)−、カルボニル基、アミノ基及びエーテル基から選ばれる2価の結合基、Qは主鎖中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子、フェニレン基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を有することができ、また、ヒドロキシ基、アルコキシ基及びアルキル基から選ばれる置換基を有することができる総炭素数2〜8の2価アルキレン基を意味する。R1は炭素数1〜8の1価有機基、R2、R3、R4はそれぞれ炭素数1〜8の1価有機基又は−OSiR5R6R7で示されるシロキシ基を意味する。ただし、R5、R6、R7はそれぞれ炭素数1〜8の1価有機基であり、aは0、1又は2、bは正の整数を意味する。なお、炭素数1〜8の1価有機基とは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基及びフッ化アルキル基から選ばれる炭素数1〜8の基を意味する。) - 請求項1又は2記載の組成物において、球状粉末が球状ポリシロキサン樹脂粉末及び/又は球状シロキサンエラストマーであることを特徴とする制汗剤組成物。
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